JP2004231883A - ポリエーテル重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエーテル重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スラリー重合法によるオキシラン単量体の重合を、重合反応槽内へのスケール付着なしに実施でき、安定した品質のポリエーテル重合体を生産性高く製造することを可能にする。
【解決手段】オキシラン単量体を反応槽の有機溶媒中で触媒存在下にスラリー重合するに際し、少なくとも攪拌軸の最下部に装着する撹拌翼として、翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離が略一定であり、翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するパドル翼を用いることを特徴とするポリエーテル重合体の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエーテル重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、反応槽内で、有機溶媒中、撹拌翼を用いてポリエーテル重合体をスラリー重合するポリエーテル重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキレンオキシドなどのオキシラン単量体を重合して得られるポリエーテル重合体は、電池、キャパシタ、コンデンサ等に用いられる高分子固体電解質用として脚光を浴びている。ポリエーテル重合体を用いた高分子固体電解質は加工性や柔軟性に優れることから電池に適用すると形状の自由度が高く、さらには電解液を含まないことから安全性の面でも優れている。
ポリエーテル重合体を製造する方法としては、主に、単量体と重合体の両者が可溶な溶媒を用いる溶液重合法と、単量体は溶解するが重合体は溶解しない溶媒を用いるスラリー重合法がある。一般に、スラリー重合法は溶液重合法に比べて重合体の分離が簡便になるので有利とされている。特に、エチレンオキシドを主な単量体とした水溶性重合体を製造する場合においては、スチームストリッピングによる重合体分離が不可能となることから、実際上スラリー重合法の適用が不可欠となる。
【0003】
しかしながらスラリー重合法には、重合反応の過程で析出する重合体が反応槽内の壁や攪拌翼に付着する問題がある。内壁にスケールが付着すると伝熱効率が低下するので、低下したジャケット除熱能力に見合う反応熱を発する程度まで反応速度を低下させたり、仕込み単量体量を減少させたりする必要がある。また、重合反応回数の進行に伴ってスケール付着量がますます増大するので、ある時点で人力または高圧水洗浄機等によりスケールを除去する必要がある。スケール除去作業は一定期間内における重合反応回数を低下させる。このように、スケール付着はポリエーテル重合体製造の生産性にとって問題になっている。
一方、内壁や撹拌翼にスケールが付着した反応槽を用いて更にスラリー重合を行うと、品質上の問題も生起する。すなわち、生成重合体粒子がスケールの起伏の間に残留し、これが後続の重合バッチのスラリーに硬い粗粒となって混入し、例えば、得られたポリエーテル重合体を押出成形する際に押出しレートを乱してフィルム厚みを変動させたり、フィルム中に粒状の溶融不十分な不透明部を形成したりする。
そのため、スラリー重合法によるポリエーテル重合体の製造を工業的に実施する上で、スケール付着防止法を確立することが求められている。
【0004】
オキシラン単量体のスラリー重合における重合反応槽内のスケール付着防止に関して、重合溶媒に可溶な重合体を与える単量体と重合溶媒に不溶な重合体を与える単量体との混合物によって、重合用の触媒を予め処理する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によるとスケール付着は大幅に低減するが、この方法に、さらにスケールをほとんど発生させない製造装置上の工夫が加味されると、より完成されたスケール付着防止技術が実現する。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−195190号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スラリー重合法によるオキシラン単量体の重合を実施するに際し、適切な撹拌条件を適用することにより重合反応槽内のスケール付着を確実に防止し、安定した品質のポリエーテル重合体を生産性高く製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、オキシラン単量体を有機溶媒中で触媒存在下にスラリー重合するに際し、重合反応用の撹拌翼として特定の形状を有するパドル翼を用いることにより、反応槽内にスケールがほとんど付着せず、これにより安定した品質のポリエーテル重合体を生産性高く製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして本発明によれば、下記1〜6の発明が提供される。
1.オキシラン単量体を反応槽内において有機溶媒中で触媒存在下にスラリー重合するに際し、少なくとも攪拌軸の最下部に装着する撹拌翼として、翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離が略一定であり、翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するパドル翼を用いることを特徴とするポリエーテル重合体の製造方法。
2. パドル翼の上縁が水平方向となす角度が、撹拌軸を含む平面への投影面において2〜20度である上記1記載のポリエーテル重合体の製造方法。
3.パドル翼が、2〜70度の後退度を有するものである上記1又は2記載のポリエーテル重合体の製造方法。
4.パドル翼の撹拌所要動力が0.005〜0.5kW/mである上記1〜3のいずれかに記載のポリエーテル重合体の製造方法。
5.スラリー重合の反応工程が、ポリエーテル重合体シードを形成する工程(A)、及び、得られたポリエーテル重合体シードの存在下にオキシラン単量体をスラリー重合させてポリエーテル重合体スラリーを形成する工程(B)を有し、少なくとも工程(B)において前記パドル翼を用いる上記1〜4のいずれかに記載のポリエーテル重合体の製造方法。
6.工程(A)及び工程(B)を別個の反応槽で行い、工程(A)で得られたポリエーテル重合体シードを含む反応液を工程(B)を行う反応槽に受け入れるに先立ち、前記反応槽の内部をスラリー重合に用いる有機溶媒で濡らすことを特徴とする上記5記載のポリエーテル重合体の製造方法。
【0009】
【作用】
本発明方法で重合反応槽において使用するパドル翼は、翼と槽底との間のクリアランスが略一定なので、パドル翼の回転により槽底部の反応液は乱流を起こさずに槽壁に向けて排除される。また、パドル翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するので、槽壁に向けて排除された反応液は再びパドル翼に巻き込まれることが少なく、大部分は整然として壁面に沿って上方に吐出される。その結果、反応槽内の底面及び壁面の近傍は定常流となり、ほとんどスケールを発生させない。
この効果を得る上で、パドル翼の上縁が水平方向となす角度が投影面において2〜20度であることが好ましく、パドル翼が2〜70度の後退度を有することが好ましく、撹拌所要動力が0.02〜0.5kW/mであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエーテル重合体の製造方法は、オキシラン単量体を反応槽内において有機溶媒中で触媒存在下にスラリー重合するに際し、少なくとも攪拌軸の最下部に装着する撹拌翼として、翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離が略一定であり、翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するパドル翼を用いることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に用いるオキシラン単量体は特に限定されないが、少なくとも一成分としてエチレンオキシド単量体(a)を用いることが好ましい。さらに、オキシラン単量体は、エチレンオキシド単量体(a)を70〜99モル%、好ましくは80〜99%、より好ましくは85〜95%と、エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(b)を30〜1モル%、好ましくは20〜1%、より好ましくは15〜5%含有してなる単量体混合物であることが好ましい。
オキシラン単量体中のエチレンオキシド単量体(a)の割合が少なすぎると、得られたポリエーテル重合体を用いて製造する固体電解質フィルムなどの成形体の機械的強度やイオン伝導度が不十分となるおそれがあり、逆に多すぎても該成形体のイオン伝導度が低下する可能性がある。
【0012】
エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(b)としては、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、芳香族ビニル化合物のオキシド、これらのオキシラン単量体に架橋性基を導入した架橋性オキシラン単量体などが挙げられる。
【0013】
エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(b)は、1種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、本発明においては、上記の炭素数3〜20のアルキレンオキシド又は/及び炭素数4〜10のグリシジルエーテルなどのオキシラン単量体を少なくともその一成分に用いることが好ましく、炭素数3〜20のアルキレンオキシドを少なくともその一成分に用いることがより好ましい。炭素数3〜20のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタンなどが挙げられる。
【0014】
また、上記のオキシラン単量体(b)の少なくとも一成分に、架橋性オキシラン単量体を用いることが好ましい。架橋性オキシラン単量体は、上記の、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテルなどのオキシラン単量体に架橋性基を導入した単量体である。このような架橋性オキシラン単量体を用いる場合には、ビニル基、水酸基及び酸無水物基などの、光又はパーオキサイドで架橋し得る架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体を用いることが好ましく、その中でも、ビニル基を有する架橋性オキシラン単量体を用いることがより好ましい。
【0015】
ビニル基を有する架橋性オキシラン単量体の具体例としては、エチレン性不飽和グリシジルエーテル、ジエンまたはポリエンのモノエポキシド、アルケニルエポキシド及びエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類などが挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和グリシジルエーテルが好ましく、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、本発明においては、上記の光又はパーオキサイドで架橋し得る架橋性オキシラン単量体以外に、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなどのハロゲン原子を有するオキシラン単量体を併用してもよい。
【0016】
オキシラン単量体(b)が、架橋性オキシラン単量体、特に上記の光またはパーオキサイドで架橋し得る架橋性オキシラン単量体を含有すると、得られるポリエーテル重合体は紫外線や熱による架橋が容易になる。オキシラン単量体(b)が架橋性オキシラン単量体を含有する場合には、その量は全オキシラン単量体に対して、通常、9モル%以下、好ましくは7モル%以下、より好ましくは5モル%以下とする。
【0017】
上記オキシラン単量体を開環重合してポリエーテル重合体を得るための重合触媒としては、特に限定されないが、次の触媒を例示することができる。均一系の触媒としては、有機アルミニウムに水とアセチルアセトンを反応させた系(特公昭35−15797号公報参照)、トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンを反応させた系(特公昭46−27534号公報参照)、トリイソブチルアルミニウムにリン酸とジアザビシクロウンデセンの有機酸塩とを反応させた系(特公昭56−51171号公報参照)などが挙げられる。また、調製された触媒の形態が不均一系あるいは固体である触媒としては、アルミニウムアルコキシドの部分加水分解物と有機亜鉛化合物とからなる系(特公昭43−2945号公報参照)、有機亜鉛化合物と多価アルコールとからなる系(特公昭45−7751号公報参照)、ジアルキル亜鉛と水とからなる系(特公昭36−3394号工法参照)などが挙げられる。
均一系の触媒を使用する場合は、重合溶媒に可溶な重合体を与える単量体と重合溶媒に不溶の重合体を与える単量体との混合物によって、スラリー重合用の触媒を予め処理する方法を採ると一層スケール付着が低減するので好ましい。
【0018】
本発明方法では、生成重合体が不溶な有機溶媒を用いるスラリー重合法を採用する。
該有機溶媒としては、生成重合体を溶解せず、また、重合触媒を失活させないものであれば特に限定されない。例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;などが挙げられる。
【0019】
本発明方法では、撹拌軸に装着された撹拌翼を有する反応槽内において、有機溶媒中で触媒存在下に前述のオキシラン単量体をスラリー重合する。本発明方法は、前記の反応槽内で行うスラリー重合に際し、少なくとも撹拌軸の最下部に装着する撹拌翼として、翼の下縁上の任意の点から反応槽の底(槽底)までの最短距離が略一定であり、翼の上縁が、撹拌軸側の端から反応槽の壁(槽壁)側の端に向かって下降する形状を有するパドル翼を用いる。
該パドル翼は、通常の長方形のパドル翼の場合と同様に、通常、2〜8枚、好ましくは2〜4枚の翼が撹拌軸を中心とする点対称に配置された撹拌翼である。
パドル翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離が略一定、すなわち翼と槽底との間のクリアランスが略一定なので、パドル翼の回転により槽底部の反応液は乱流を起こさずに槽壁に向けて排除される。また、パドル翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するので、槽壁に向けて排除された反応液は再びパドル翼に巻き込まれることが少なく、大部分は整然として壁面に沿って上方に吐出される。その結果、反応槽内の底面及び壁面の近傍は定常流となる。その結果、スラリー重合反応の進行に伴うスケール発生を防止できる。
【0020】
撹拌軸の「最下部」とは、それより下方に他の撹拌翼が装着されていない状態の撹拌翼装着位置であって、該撹拌翼と槽底とのクリアランスの最小値が1〜5cm、好ましくは2〜5cmとなるパドル翼装着位置を指す。
翼の下縁から槽底までの最短距離が「略一定」とは、最短距離の最小値と最大値の比の値が、通常、0.7〜1、好ましくは0.8〜1であることを意味する。この比の値が小さすぎるとパドル翼が乱流を起こすおそれがある。
パドル翼の上縁が槽壁側の端に向かって「下降する」度合いは、撹拌軸を含む平面にパドル翼を投影した投影面において、パドル翼上縁が水平方向線となす角度が、通常、2〜20度、好ましくは5〜15度である。この角度が小さすぎると乱流が形成されて壁や撹拌翼にスケールが付着するおそれがあり、この角度が大きすぎるとパドル翼の撹拌効果が小さくなる可能性がある。該上縁は必ずしも1本の直線形状である必要はなく、曲線形状、直線と曲線が複合した形状、複数の直線からなる形状など任意である。該上縁が1本の直線形状でない場合に「下降する」ことによって形成される上記角度は、投影面において、翼の上縁の撹拌軸側の端と槽壁側の端とを結ぶ仮想線が水平方向となす角度を指す。
【0021】
該パドル翼の直径dは、反応槽の内径Dに対する比d/Dが、通常、0.3〜0.8、好ましくは0.5〜0.7となる長さである。また、該パドル翼の最大幅(撹拌軸側の端の上縁と下縁との距離)hは、反応槽の天地間の内法Hに対する比h/Hが、通常、0.1〜0.3、好ましくは0.1〜0.2となる長さである。
【0022】
該パドル翼の撹拌所要動力は、通常、0.005〜0.5kw/m、好ましくは0.05〜0.1kw/mである。ここで、撹拌所要動力は、重合反応時における撹拌軸の回転に要する総撹拌動力から、空の反応槽における撹拌軸の回転に要する、変速機または減速機及び攪拌機自体の回転駆動の負荷を除いた正味撹拌動力を、反応液層の容積で除した値である。
【0023】
該パドル翼の材質は特に限定されないが、反応槽と同じ材質が好ましく、ステンレス鋼、ステンレス被服クラッド鋼、グラスライニング鋼等が好ましい。また、表面が平滑であることが好ましい。
また、バッフルの使用の有無、バッフルの数及びバッフルの種類は、特に制限はない。
【0024】
撹拌軸の最下部に装着したパドル翼の上方には、液層の深さに応じて更に1〜5段の撹拌翼を撹拌軸に装着しても良い。その場合、上方に装着する撹拌翼は水平方向の投影面積、垂直方向の投影面積いずれもそれぞれ最下段のパドル翼以下の大きさのものであることが好ましい。また、上方に装着する撹拌翼の形状は最下段の翼と同形状のパドル翼でも、他の形式の撹拌翼でも良い。他の形式の撹拌翼としてはパドル(長方形翼)、タービン、ディスクタービン、マリン、ブルマージン等が挙げられる。また、翼を上方に傾斜させた傾斜パドルや、上方及び回転方向に傾斜させた変形ブルマージン等も使用できる。
【0025】
本発明方法で使用する上記パドル翼は後退翼であるのが好ましい。後退翼とは、翼の先端(槽壁側の端)が、翼の基端(撹拌軸側の端)から撹拌軸に対して鉛直方向に延出した直線上よりも、回転方向に対してより後方の位置にある撹拌翼のことである。
本発明においてこの後退の度合いを、撹拌軸上方から見た撹拌翼の平面図において、撹拌軸の中心と翼の先端とを結ぶ直線と、翼の撹拌軸側の端の回転方向前方における接線とがなす角度(後退度)で表わす。パドル翼に後退度を設けることにより、該パドル翼の回転による排除液量を増大し、巻き込まれる液量に対する巻き上がる液量の比率を高めることができる。後退度は、通常、0〜70度、好ましくは30〜60度である。後退度が大きすぎると吐出流量の増大効果が低減するおそれがある。
本発明方法で使用するパドル翼が後退翼である場合、撹拌軸上方から見た撹拌翼の平面図において、各翼の断面を太い線と見ると、その形状は直線、曲線、あるいは直線と曲線の複合のいずれであっても良い。後退翼の形状が直線の場合は、少なくとも2本の直線が結合した折れ線形状となる。
本発明に用いる反応槽の形状は特に限定はないが、ポリマーの重合反応に一般的に用いられるような縦型円筒状でるのが好ましい。
【0026】
次に、本発明方法で使用する撹拌翼を図面に基づいて説明する。図1は本発明方法で使用する一実施態様の撹拌翼を装着した反応槽の概略断面図である。図2(a)は図1の態様の撹拌翼の平面図、図2(b)は本発明方法で使用する他の実施態様の撹拌翼の平面図、図2(c)は更に他の実施態様の撹拌翼の平面図である。
図1において、撹拌軸1には最下部にパドル翼2が装着され、パドル翼2の下縁4上の任意の点から反応槽5の槽底6までの最短距離が略一定である。また、パドル翼2の上縁7は、撹拌軸側の端8から槽壁側の端9に向かって下降する形状である。上縁7の下降の度合いは、槽壁に向かうにつれて単調に減少する(下方に凸の)曲線形状であるが、上縁7の形はこの態様のほか、下降度が単調に増加する(上方に凸の)曲線形状、下降度が一定である直線形状、あるいはそれらが複合した形状であっても良い。図1において、上縁7の撹拌軸側の端と槽壁側の端とを結ぶ仮想線が、撹拌軸を含む平面への投影面において水平方向となす角度θは2〜20度の範囲にある。
【0027】
図1に示す態様においては、パドル翼2の上方に更に1段の撹拌翼3が装着されているが、上方に更に装着される撹拌翼の段数は、反応液の深さに応じて複数段使用することも、また、装着しないことも可能である。また、図1に示す態様においては、上方に装着された撹拌翼は通常の長方形の翼を有するパドル翼であるが、タービン、ディスクタービン、傾斜パドル、マリン等任意の形状のものを採用することができる。
【0028】
図2(a)は、図1に示す態様のパドル翼2を撹拌軸の上方から見た平面図である。このパドル翼は後退翼ではない。図2(b)は曲線状に湾曲したパドル後退翼の平面図であり、図2(c)は平板を折り曲げて形成された、平面図上で2直線が結合した形状のパドル後退翼の平面図である。
図2(b)の後退度は、平面図上で撹拌軸の中心と翼の先端とを結ぶ直線と、翼の撹拌軸側の端の回転方向前方における接線とがなす角度αである。
図2(c)の後退度は、撹拌軸の中心と翼の槽壁側の端とを結ぶ直線と、翼の撹拌軸側の端の回転方向前方における接線、すなわち、上記2直線の内の撹拌軸側の直線とで形成される角度βである。
後退度α及びβは共に2〜70度の範囲にある。
【0029】
上記パドル翼を用いてオキシラン単量体を反応槽の有機溶媒中で触媒存在下に30〜100℃でスラリー重合する方法を採ることにより、反応槽内にほとんどスケールを付着させないでポリエーテル重合体スラリーを得ることができる。
さらに、スラリー重合法として、重合反応の工程に、ポリエーテル重合体シードを形成する工程(A)、及び、得られたポリエーテル重合体シードの存在下にオキシラン単量体を重合させてポリエーテル重合体スラリーを形成する工程(B)を有し、少なくとも工程(B)において上記パドル翼を用いる方法を採ることにより、一層反応槽内へのスケール付着を少なくすることができる。
すなわち、工程(A)の重合反応において、予め単量体の一部および触媒の一部を用いてその後の重合体粒子形成の核となるポリエーテル重合体シードを含む重合液(シードスラリー)を作製し、工程(B)の重合反応において残余の触媒と単量体を仕込み、シードに単量体を被覆重合させる二段階重合法を採り、少なくとも工程(B)において上記パドル翼を用いる方法である。工程(A)における撹拌翼は特に限定がなく、上記パドル翼を用いても良い。工程(B)では、触媒及び単量体は一括して仕込むよりも、重合転化率の進行とともに連続的に又は断続的に仕込むことが好ましい。
工程(A)におけるシードスラリー作製、及び、工程(B)における被覆重合については、前記特許文献1に記載の方法に準じて行うことができる。
【0030】
二段階重合法の中でも、工程(A)及び工程(B)を別個の反応槽で行い、工程(A)で得られたシードスラリーを工程(B)を行う反応槽に受け入れるに先立ち、前記反応槽の内部、すなわち反応槽内壁や撹拌翼表面などを、予めスラリー重合に用いる有機溶媒で濡らしておくことにより、スケール付着をより低減できるので好ましい。工程(B)を行う反応槽の内壁や撹拌翼表面に溶媒で濡れた層が存在すると、受け入れたシードスラリーがそれらの表面に強く吸着することを阻んでスケールの芽を摘むことにより、スケールの発生を防止することができる。
【0031】
以上方法により、オキシラン単量体を有機溶媒中で触媒存在下に上記パドル翼を用いてスラリー重合して重合体スラリーを得た後、通常、有機溶媒を除去してポリエーテル重合体を製造する。有機溶媒の除去は、重合体スラリーを金網等の濾材で濾過して、該スラリー中に分散しているポリエーテル重合体粒子を回収し、これを加熱及び/又は減圧状態に保持する方法によるのが好ましい。重合体を粒子状のまま回収する場合には、30〜45℃の温度で減圧乾燥するのが好ましい。温度が低すぎると溶媒が蒸発しにくく、温度が高すぎるとポリマー粒子同士が融着して塊になってしまうおそれがある。
【0032】
本発明方法で得られたポリエーテル重合体は、電池(カソードフィルム又はイオン伝導性電解質フィルム等)、キャパシタ、コンデンサ等に用いられる高分子固体電解質フィルムとして好適に使用することができる。
高分子固体電解質フィルムを作製するためには、成形に先立ちポリエーテル重合体に、該重合体に可溶な電解質塩化合物を配合した組成物を調製する。
電解質塩化合物は、陽イオンを移動させ得る化合物で本発明に用いるポリエーテル重合体に可溶のものであれば特に限定されない。このような電解質塩化合物の具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン〔CFSO 〕、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン〔N(CFSO 〕、ビス(ヘプタフルオロプロピルスルホニル)イミドイオン〔N(CSO 〕、トリフルオロスルホンイミドイオン、テトラフルオロホウ素酸イオン〔BF 〕、硝酸イオン、AsF 、PF 、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオンなどの陰イオンと、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの金属の陽イオンとからなる塩が挙げられる。中でも、特に、リチウムポリマー電池の固体電解質に用いる場合には、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSOがより好ましい。
【0033】
ポリエーテル重合体に対する電解質塩化合物の使用量は、(電解質塩化合物のモル数)/(共重合体中のエーテル酸素の総モル数)が通常0.001〜5、好ましくは0.005〜3、より好ましくは0.01〜1となる量である。電解質塩化合物の使用量が多すぎると成形加工性および得られた高分子固体電解質フィルムの機械的強度やイオン伝導性が低下するおそれがある。また、電解質塩化合物の量が少なすぎると高分子固体電解質フィルムのイオン伝導性が低下する。
【0034】
高分子電解質フィルムを電池のカソードフィルムとして使用する場合には、上記のポリエーテル重合体組成物に、電解質塩化合物に加えて微粒子状のコバルト酸リチウム、リチウムマンガン複合酸化物などの活物質や、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの導電付与材を配合する。
また、高分子固体電解質フィルムを電池のイオン伝導性電解質フィルムとして用いる場合は、ポリエーテル重合体組成物を架橋させることが好ましく、その場合は、ポリエーテル重合体組成物に架橋剤も配合する。架橋は、ラジカル開始剤、硫黄、メルカプトトリアジン類などの熱架橋用架橋剤やベンジルジメチルケタール、トリメチルシリルベンゾフェノン、ベンゾインなどの光架橋剤を配合したポリエーテル重合体組成物を成形後又は成形と同時に加熱または活性放射線照射することにより行う。
【0035】
高分子固体電解質フィルムの成形法としては、押出成形法及びキャスト成形法があるが、生産性及び安全衛生性の観点から押出成形法が好ましい。
押出成形法は、ポリエーテル重合体及び電解質塩化合物等の配合剤を、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダーまたはブラベンダー等により予め混合してポリエーテル重合体組成物を調製してから、該組成物を押出機で押出成形してフィルムに成形する。あるいは配合剤の一部を押出成形の際に成形機バレル内で混合しながら押出成形してもよい。
キャスト成形法は、重合反応後の重合体スラリーに配合剤を添加して調製したポリエーテル重合体組成物を平面状にキャストし、有機溶媒を加熱、減圧により揮散させてフィルムに成形する。
こうして得られる高分子固体電解質フィルムの厚さは、通常、10〜150μm、好ましくは20〜100μmである。厚さが過度に薄いと製造の安定性に欠けるおそれがあり、逆に過度に厚いとイオン伝導性が低下する可能性がある。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、以下における「部」および「%」は、特記ない限り重量基準である。
実施例及び比較例は、下記の装置条件及び触媒調製に基づいて行った。
(1)反応槽
重合反応用の反応槽として、以下に記す仕様のステンレス鋼製底部碗状円筒容器を2基使用した。
・内径200mm、天地間の内法315mm、直胴部壁面高さ260mm
・温度制御用温水ジャケット付
・上方の蓋に、脱気及び窒素注入用ノズル、シードスラリー受け入れ用及び溶媒仕込み用ノズル、単量体仕込み用ノズルを装着
・蓋の中心に、反応槽内側に撹拌軸着脱可能の逆ネジソケット、反応槽外側に電動プーリー軸を備えた油圧メカニカルシールユニットを装着
【0037】
(2)撹拌翼
実施例及び比較例で使用する撹拌翼を図3〜図7に示す。図3は本発明方法に係るパドル翼、図4は本発明方法に係る後退度20度のパドル翼、図5はパドル翼(通常の長方形翼)、 図6は変形ブルマージン翼、図7はマックスブレンド翼で、いずれも厚さ3mmのステンレス鋼製である。図6に示す撹拌翼は撹拌軸を中心に120度間隔に開いた3枚翼で、その他の撹拌翼は180度間隔に開いた2枚翼である。
図3及び図4に示す撹拌翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離はいずれの撹拌翼も20±2mmで略一定であり、翼の上縁はいずれの撹拌翼も水平方向となす角度が、撹拌軸を含む平面への投影面において15度に槽壁側に直線状に下降する形状を有する。また、いずれの撹拌翼もd/Dは0.6、h/Hは0.17である。
図5に示すパドル翼は、翼の下縁上の任意の点と槽底との最短距離が一定でなく、また、翼の上縁の線は水平である。
図6に示す変形ブルマージン翼は、横55mm、縦25mmの長方形の3枚の板をそれぞれ長手方向を横にして垂直に立てた状態から、上辺を撹拌軸側に24度倒し、回転方向前方の端を40度内側に向けつつ上方に30度引き上げた形状である。
【0038】
(3)実施例及び比較例において使用する重合触媒溶液の調製
窒素置換して乾燥した3リットルのマリン型攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブにトリイソブチルアルミニウム159.7gとトルエン1170g、ジエチルエーテル296.4gを入れ、撹拌下で40℃以下に冷却しながらP含有率72.4重量%以上のリン酸23.5gを徐々に添加した。これにトリエチルアミン12.1gを添加し、60℃で2時間熟成して重合触媒溶液を得た。
【0039】
実施例1
図6に示す撹拌翼を装着した第1の反応槽を窒素置換及び脱気し、ノルマルヘキサン2100gと重合触媒溶液164.2gを入れ、攪拌しつつ35℃に保った。これにモル比でエチレンオキシド/プロピレンオキシド=36.1/63.9の混合溶液7.9gを仕込み、250rpmで撹拌しながら30〜35℃で重合してシードスラリーを得た。
次いで、図3に示す撹拌翼を装着した第2の反応槽を乾燥して窒素置換した後、ノルマルへキサン6500gを注入し、ただちに底バルブから抜き出した後、上記シードスラリーの全量を受け入れ、更にノルマルヘキサン2100gを加えた。撹拌所要動力0.012kW/mで攪拌しつつ、モル比でエチレンオキシド/プロピレンオキシド=89.8/10.2の混合溶液1050gを5時間かけて連続添加し、重合温度を60℃に制御した。
転化率95%で冷却して重合反応を終了し、平均粒径430μの粒子状重合体のスラリーを得た。開缶して観察したところ、反応槽内壁及び撹拌翼にスケールは見られなかったが、槽内を乾燥してから再度観察したところ内壁及び攪拌軸にうっすらと白っぽく曇ったスケールが見られたが、製造上の問題はなかった。
スケール量は、乾燥基準で仕込み単量体に対して0.3%であった。なお、第1及び第2の反応槽に、バッフルは使用しなかった。
【0040】
実施例2
実施例1において、第2反応槽の撹拌翼として図4に示す撹拌翼を用いて撹拌所要動力0.01kW/mで撹拌した他は実施例1と同様に行い、転化率96%で冷却して重合反応を終了し、平均粒径380μの粒子状重合体のスラリーを得た。開缶して観察したところ、反応槽内壁及び撹拌翼にスケールは認められなかった。槽内を乾燥した後もスケールは見られなかった。
【0041】
比較例1
実施例1において、第2反応槽の撹拌翼として図5に示す撹拌翼を用いて撹拌所要動力0.02kW/mで撹拌した他は実施例1と同様に行い、転化率95%で冷却して重合反応を終了し、平均粒径560μの粒子状重合体のスラリーを得た。開缶して観察したところ、スケールは壁面と攪拌軸、攪拌翼全体に付着し、スケール量は乾燥基準で仕込み単量体に対して3.3%であった。
【0042】
比較例2
実施例1において、第2反応槽の撹拌翼として図6に示す撹拌翼を用いて撹拌所要動力0.12kW/mで撹拌した他は実施例1と同様に行い、転化率97%で冷却して重合反応を終了し、平均粒径610μの粒子状重合体のスラリーを得た。開缶して観察したところ、スケールは壁面と攪拌軸、攪拌翼の先端部に付着し、スケール量は乾燥基準で仕込み単量体に対して5.3%であった。
【0043】
比較例3
実施例1において、第2反応槽の撹拌翼として図7に示す撹拌翼を用いて撹拌所要動力0.015kW/mで撹拌した他は実施例1と同様に行い、転化率95%で冷却して重合反応を終了し、平均粒径400μの粒子状重合体のスラリーを得た。開缶して観察したところ、スケールは壁面及び攪拌軸、攪拌翼のボトムパドル部に付着し、スケール量は乾燥基準で仕込み単量体に対して1.2%であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明方法により、スラリー重合法によるオキシラン単量体の重合を、重合反応槽内へのスケール付着なしに実施できるので、安定した品質のポリエーテル重合体を生産性高く製造することが可能である。また、本発明方法により製造したポリエーテル重合体はスケールに起因する硬い粗粒を含まないことから、これを用いて押出成形を行うと、軽量性も安定し、厚みが均一で表面平滑なフィルムが得られる。そして、このフィルムを用いた固体電解質は、優れた機械的強度及びイオン伝導性を示すため、ポリマー電池用、特にリチウム電池用の固体電解質として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法で使用する一実施態様のパドル翼を装着した反応槽の概略断面図である。
【図2】図2(a)は図1の態様のパドル翼の平面図、図2(b)は本発明方法で使用する他の実施態様のパドル翼の平面図、図2(c)は更に他の実施態様のパドル翼の平面図である。
【図3】図3(a)は、実施例1の第2反応槽に装着した、本発明方法に係るパドル翼の説明図、図3(b)は同撹拌翼の平面図である。図中の数値の単位はmmである。
【図4】図4(a)は、実施例2の第2反応槽に装着した、本発明方法に係る後退度を有するパドル翼の説明図、図4(b)は同撹拌翼の平面図である。図中の数値の単位はmmである。
【図5】図5(a)は、比較例1の第2反応槽に装着した通常のパドル翼の説明図、図5(b)は同撹拌翼の平面図である。図中の数値の単位はmmである。
【図6】図6(a)は、実施例及び比較例において、重合触媒溶液を調製するオートクレーブ及び第1反応槽に装着し、また、比較例2の第2反応槽に装着した変形ブルマージン翼の説明図、図6(b)は同撹拌翼の平面図である。図中の数値の単位はmmである。
【図7】図7(a)は、比較例3の第2反応槽に装着したマックスブレンド翼の説明図、図7(b)は同撹拌翼の平面図である。図中の数値の単位はmmである。
【符号の説明】
1 撹拌軸
2 本発明方法で使用するパドル翼
4 下縁
5 反応槽
6 槽底
7 上縁

Claims (6)

  1. オキシラン単量体を反応槽内において有機溶媒中で触媒存在下にスラリー重合するに際し、少なくとも攪拌軸の最下部に装着する撹拌翼として、翼の下縁上の任意の点から槽底までの最短距離が略一定であり、翼の上縁が、撹拌軸側の端から槽壁側の端に向かって下降する形状を有するパドル翼を用いることを特徴とするポリエーテル重合体の製造方法。
  2. パドル翼の上縁が水平方向となす角度が、撹拌軸を含む平面への投影面において2〜20度である請求項1記載のポリエーテル重合体の製造方法。
  3. パドル翼が、2〜70度の後退度を有するものである請求項1又は2記載のポリエーテル重合体の製造方法。
  4. パドル翼の撹拌所要動力が0.005〜0.5kW/mである請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテル重合体の製造方法。
  5. スラリー重合の反応工程が、ポリエーテル重合体シードを形成する工程(A)、及び、得られたポリエーテル重合体シードの存在下にオキシラン単量体をスラリー重合させてポリエーテル重合体スラリーを形成する工程(B)を有し、少なくとも工程(B)において前記パドル翼を用いる請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテル重合体の製造方法。
  6. 工程(A)及び工程(B)を別個の反応槽で行い、工程(A)で得られたポリエーテル重合体シードを含む反応液を工程(B)を行う反応槽に受け入れるに先立ち、前記反応槽の内部をスラリー重合に用いる有機溶媒で濡らすことを特徴とする請求項5記載のポリエーテル重合体の製造方法。
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