JP2004231687A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】低臭気性で高引火点を有し、かつ塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性及び基材との付着性にすぐれた不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなる多塩基酸成分と、(b)式 (I)で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、反応させて得られる不飽和ポリエステルと(B)エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステルと(C)一般式(II)
【化1】
(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物とを含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなる多塩基酸成分と、(b)式 (I)で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、反応させて得られる不飽和ポリエステルと(B)エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステルと(C)一般式(II)
【化1】
(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物とを含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料に関し、さらに詳しくは臭気が極めて少なく、高引火点を有し、かつ塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれ、さらに基材との密着性に優れた不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いたパテ塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、不飽和ポリエステルと、これと共重合可能な単量体とを含有する組成物は公知であり、例えば繊維強化プラスチック、接着剤等に使用されている。しかし、この組成物を、下塗剤、上塗剤、含浸剤、注型材料、ポリマーコンクリート用結合材、被覆材又はパテ塗料等に使用すると、種々の問題が生じていた。例えば、不飽和ポリエステルと共重合可能な単量体として、一般にスチレンが用いられているが、これらの混合物を有機過酸化物を用いて常温で硬化させると、空気中の酸素により表面の硬化が阻害され、いつまでもベタツキが残るという欠点があった。
【0003】
この欠点を解消するため、パラフィンワックス等のワックスを添加し、表面にワックスの膜を作り、酸素を遮断する方法が採られているが、この方法では二次接着に問題が生じ、下塗剤として用いることができないという欠点があった。また外気温、風等により、ワックスの浮きムラが生じ、上塗剤、含浸剤、注型剤、被覆材又は結合材として用いると、表面にベタツキや乾燥のムラが生じる問題がある。さらに、この混合物を硬化させた場合、十分な可とう性が得られないため、僅かなひずみで膜にクラックを生じるなどの欠点があった。また、スチレン等の単量体は揮発しやすいため、これを含む組成物を取り扱う作業者の健康や作業環境を害するという問題があった。さらに、反応性希釈剤(単量体)として多用されているスチレンは引火点が32℃と低いため、消防法の貯蔵量規制の問題から、組成物成分の非スチレン化と高引火点化が望まれている。
【0004】
一方、パテ塗料は、主として鋼板、コンクリート、木材などの基材の被覆又は穴埋め材として用いられており、特に自動車鋼板補修用パテ塗料としては、(1)ヘラ付け作業性に優れていること、(2)常温で速やかに硬化すること、(3)研磨性に優れていること、(4)素材との付着性に優れていること、(5)上塗り塗料との付着性に優れていること、(6)耐湿性に優れていること、(7)耐久性(クラック)に優れていること等の性能が要求されている。しかし、近年、自動車外壁に使用される素材が、防錆を目的にリン酸亜鉛、リン酸鉄等で処理した鉄板から、重防蝕を目的に亜鉛を主成分とした金属を直接鉄板に電気処理した防錆鋼板に移行してきているため、従来のパテで補修すると被膜の付着阻害を起こし、剥離、プリスター等が多発するという問題があった。
【0005】
近年、臭気の改善のために高分子量モノマーを使用し、揮発を抑制する試みがなされている。骨材材料と、ジシクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はメタクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートからなる結合剤単量体と、重合触媒とを含むアクリル重合体コンクリート組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このものは、床や道路の補修に使用されるものであり、揮発性が低く、低臭気性であることにより作業環境が改善され、また、該組成物は2〜4時間で表面乾燥(=表面硬化)する。しかしながら、この樹脂組成物をパテ塗料として用いた場合、特に上記防錆鋼板に対して用いると付着性の点で充分ではない。
【0006】
また、防錆鋼板に対するパテ塗料の付着性改良について、不飽和ポリエステル樹脂組成物を改質する試みがなされ、不飽和ポリエステル、樹脂組成物の多価アルコール成分の一部をビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はビスフェノールAのプロピレンオキサイド誘導体として付着性の改良を行なっている。しかし、臭気の改善と高引火点化を同時に図る試みはなされていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−74316号公報(第5頁、第12頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低臭気性で高引火点を有し、かつ塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性及び基材との付着性にすぐれた不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこの不飽和ポリエステル樹脂組成物をバインダーとして用いたパテ塗料を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合が0〜90:100〜10モル%(飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸)である多塩基酸成分と、(b)全多価アルコール成分中、10〜50モル%が式 (I)
【化3】
で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、多塩基酸成分(a)の総モル数に対する多価アルコール成分(b)の総モル数の割合を1.0〜2.0の範囲として反応させて得られる不飽和ポリエステル5〜35重量%と(B)エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステル5〜35重量%と一般式 (II)
【化4】
(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物30〜90重量%とを含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0010】
さらにまた本発明は、前記記載の樹脂組成物に、さらに(D)不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して30〜400重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0011】
さらにまた本発明は、前記パテ塗料に、さらに(E)有機過酸化物を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.1〜10重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0012】
さらにまた本発明は、前記パテ塗料に、さらに(F)芳香族アミン系促進剤を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%を含有させるか、(G)多価金属塩及び/又は錯体を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させるか、或いはこれらの両方を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の必須成分である不飽和ポリエステル((A)成分)について説明する。本発明に用いられる多塩基酸成分(a)は、飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合は飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸=0〜90:100〜10モル%、好ましくは0〜40:100〜60モル%である。α,β−不飽和多塩基酸の使用割合が上記範囲以外であると常温での硬化が遅くなり、またパテ塗膜の乾燥性及び研磨性が低下する。
【0014】
前記飽和多塩基酸としては、例えば無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、アジピン酸、セバシン酸等が用いられる。またα,β−不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸等が用いられる。前記飽和多塩基酸又はα,β−不飽和多塩基酸はそれぞれ2種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明に用いられる多価アルコール成分(b)としては、パテ塗膜の乾燥性及び研磨性を付与させる材料として乾性油及びアリル化合物が使用される。前者においては未反応成分が残り易く、亜鉛イオンの攻撃を受け易い。また後者にはグリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのモノアリルエーテル、ジアリルエーテル又はトリアリルエーテル及びアリルグリシジルエーテルが一般的に使用されるが、エーテルグリコール成分類は、油成分と同様に未反応成分として残り易く、亜鉛イオンの攻撃を受け易い傾向にある。アリル化合物のうちアリルグリシジルエーテルは反応性に優れており、未反応成分が残らず、より完全に樹脂骨格に導入することができるとともに、亜鉛処理鋼板への付着性にも優れる。アリルグリシジルエーテルは反応系中で容易に多価アルコールになるので多価アルコール成分とみることができる。
【0016】
本発明において、前記式(I)で表されるアリルグリシジルエーテルを多価アルコール成分に対して10〜50モル%、好ましくは15〜45モル%使用することにより、亜鉛イオンによる金属石けん形成の防止、水酸化亜鉛による加水分解の防止、さらにパテ塗膜の乾燥性及び研磨性の向上等を図ることができる。
アリルグリシジルエーテルの使用量が、全多価アルコール成分中10モル%未満ではパテ塗膜の乾燥性及び研磨性が充分でなく、また45モル%を超えると乾燥性及び研磨性は良好となるが、硬さが充分でなく、研磨の際に塗膜に傷がつき易くなる。
【0017】
上記以外の多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレン又はプロピレン付加誘導体等が用いられる。これらは併用してもよい。さらに空乾性を有する多価アルコールの成分として、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのモノアリルエーテル、ジアリルエーテル又はトリアリルエーテルを、電気亜鉛処理鋼板へのパテ塗膜の付着性を低下させない範囲、具体的には全多価アルコールの成分中2モル%以下で使用してもよい。
【0018】
多塩基酸成分(a)と多価アルコール成分(b)の使用割合は、(a)成分の総モル数に対する(b)成分の総モル数の割合が1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.8の範囲である。多価アルコール成分の総モル数割合が1.0未満では不飽和ポリエステルの酸価が充分小さくならず、パテ塗膜の耐水性が低下する。また、2.0を超えると不飽和ポリエステルの分子量が小さくなり、パテ塗膜の硬化性が悪くなるため乾燥性及び研磨性が低下すると同時に電気亜鉛処理鋼板への付着性も低下する。
【0019】
本発明に用いられる不飽和ポリエステル(A)は常法により得ることができる。例えば前記多価アルコール成分のアリルグリシジルエーテルのエポキシ基の開環反応触媒として、第4級アンモニウム塩(例えばテトラアンモニウムクロライド、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド等)又はアルカリ金属塩(例えば安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等)をアリルグリシジルエーテルに対して0.05〜5.0重量%使用して、該多塩基酸成分(a)の一部又は全部と80〜140℃で予備付加反応させた後、残りの多価アルコール成分及び多塩基酸成分を加え、150〜220℃で重縮合反応させるか、又は該多塩基酸成分(a)の一部又は全部と該多価アルコール成分(b)中、アリルグリシジルエーテルを除いた多価アルコール成分で150〜220℃で予備重縮合反応させた後、アリルグリシジルエーテル及び開環触媒を添加し、150〜220℃で重縮合反応して得られる。
不飽和ポリエステル(A)の分子量は、パテ塗料の作業性、塗膜の耐水性及び付着性の点から、通常500〜10,000、好ましくは800〜3,000であり、また酸価は通常100以下、より好ましくは50以下に調整される。
【0020】
次に本発明の樹脂組成物の必須成分である不飽和エステル((B)成分)について説明する。本発明に用いられる不飽和エステルは、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いられる多塩基酸を反応させて得られる。エポキシ樹脂としては一分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、一般式(III)
【化5】
(式中、xは0〜15の範囲の整数である)で表される化合物が用いられる。
この化合物の市販品としては、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)、AER−664H、AER−331、AER−337(以上、旭化成工業(株)商品名)、D.E.R.330、D.E.R.660、D.E.R.664(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)などが挙げられる。また、上記エポキシ樹脂の水素原子の一部をハロゲン(例えば臭素)で置換した化合物も使用できる。この種の市販品としては、エポトートYDB−400、YDB−340(以上、東都化成(株)商品名)、DER−542、DER−511、DER−580(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)、1045、1050、1046、DX−248(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)などが挙げられる。
【0021】
また、一般式(IV)
【化6】
(式中、R3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、xは0〜15の範囲の整数である)で表される化合物を用いることもできる。この化合物の市販品としては、D.E.N.431、D.E.N.438(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)、エピコート152、エピコート154(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)などが挙げられる。また、YDCN−702、YDPN−638(以上、東都化成(株)商品名)、CY208、CY221、CY350、XB2615、CY192、CY184(以上、日本チバガイギー(株)商品名)等も用いられる。
【0022】
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上併用することができる。また、作業性の改善のため、エピ−ビス型のエポキシ樹脂、フェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂、クレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂等とビスフェノールAD型のエポキシ樹脂等の低粘度エポキシ樹脂とを併用することもできる。
【0023】
前記エポキシ樹脂に反応させる不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン−8又は9残基と不飽和二塩基酸残基を構成要素として含む部分エステル化カルボン酸などを用いることができる。部分エステル化カルボン酸の例としては、8又は9−ヒドロキシトリシクロデセン−4−〔5.2.1.02,6〕1.00〜1.20モル及び無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和二塩基酸1モルを不活性ガス気流下で70〜150℃で加熱して得られる不飽和二塩基酸モノエステル等が挙げられる。
またトリシクロデカジエン−4,8−〔5.2.1.02,6〕にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸を硫酸、ルイス酸などの触媒の存在下で付加して得られる不飽和二塩基酸モノエステルを用いることもできる。
【0024】
前記エポキシ樹脂には、塗膜の靱性及び耐久性の点から、必要に応じて多塩基酸を反応させることができる。多塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。また必要に応じて用いられる多塩基酸にはさらに炭素数が12個以上の二塩基酸を用いることが好ましい。この二塩基酸の具体例としては、トデカン二酸、炭素数16の不飽和二塩基酸の異性体の混合物であるULB−20(岡村製油(株)商品名)、炭素数20の飽和二塩基酸主体の混合物であるSL−20(岡村製油(株)商品名)、トール油脂肪酸を原料とする2量化脂肪酸(炭素数36のダイマー酸)などが挙げられる。このダイマー酸の市販品としては、バーサダイム216、バーサダイム288(ヘンケル白水(株)商品名)、ハリダイマー#200(ハリマ化成(株)商品名)などが挙げられる。
【0025】
(B)成分の不飽和エステルは、エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いられる多塩基酸とを反応させて得ることができる。このときの反応温度は、60〜150℃が好ましく、さらに70〜130℃が好ましい。エポキシド樹脂と不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸との配合割合は、これらの酸成分のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基が、当量比(カルボキシル基:エポキシ基)で1.0:0.9〜1.0:1.2の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0:0.9〜1.0:1.1の範囲である。カルボキシル基1当量に対してエポキシ基が0.9未満又は1.2を超えると塗膜の耐久性、靱性、乾燥性、強度など所望の塗膜性能が得られないことがある。不飽和エステルの生成は、不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸のカルボキシル基を定量し、酸価により調べることができる。この酸価は好ましくは50以下、より好ましくは15以下である。不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸からなる酸成分中の不飽和一塩基酸の配合割合はカルボキシル基当量で85〜100当量%であることが好ましい。
【0026】
反応に際しては重合によるゲル化を防止するためにヒドロキノン、パラベンゾキノン、p−第3級ブチルカテコール、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤を用いることが好ましい。また、このエステル化反応に際してはジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、ピリジニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの第3級アミン、塩化第二鉄、水酸化リチウム、塩化リチウム、塩化第二スズなどのエステル化触媒を用いて反応時間を短縮することもできる。
【0027】
次に、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の必須成分である上述した一般式(II)で表される化合物((C)成分)について述べる。本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物の例としては、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0028】
これらの化合物は、特公昭61−43337号公報に記載されているように、ジシクロペンタジエンにアルキレングリコール又はオキサアルキレングリコールを付加反応させ、生成したアルキレングリコールモノジシクロペンテニルエーテル又はオキサアルキレングリコールモノジシクロペンテニルエーテルをメタクリル酸と縮合反応させるか、又はメタクリル酸メチルとエステル交換反応させることによって製造することができる。このメタクリル酸又はメタクリル酸メチルをアクリル酸又はアクリル酸メチルに代えることも可能である。また、特開昭57−200331号公報に記載されているように、アルキレングリコールモノアクリレート又はアルキレングリコールモノメタクリレートをジシクロペンタジエンに付加反応させることによっても製造することができる。
【0029】
一般式(II)で表される化合物には、引火点が80℃以上のモノマー、例えば、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、分子量が300〜200のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート等を併用することができる。このようなモノマーは一般式(II)で表される化合物を含むモノマー全体に対して30重量%以下が好ましく、グリシジルメタクリレート等の官能基を有するモノマーは、モノマー全体に対して5重量%以下で使用することが好ましい。
【0030】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合が0〜90:100〜10モル%(飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸)である多塩基酸成分と、(b)全多価アルコール成分中、10〜50モル%が一般式 (I)で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、多塩基酸成分(a)の総モル数に対する多価アルコール成分(b)の総モル数の割合を1.0〜2.0の範囲として反応させて得られる不飽和ポリエステル5〜35重量%と(B)エポキシ樹脂に、不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステル5〜35重量%と(C)一般式(II)(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物30〜90重量%とを含有してなる。
【0031】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性、塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性、鋼板、特に防錆鋼板に対する付着性に優れることから、パテ塗料のバインダーとして好適に用いることができる。
【0032】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(A)成分の割合が5重量%未満であると、塗膜の乾燥性が低下し、35重量%を超えると耐湿性、付着性が低下する。好ましくは10〜30重量%である。
また、(B)成分の割合が5重量%未満であると、耐湿性、付着性が低下し、35重量%を超えると乾燥性が低下する。好ましくは10〜30重量%である。また、(C)成分の割合が30重量%未満であると、低臭気性が劣り樹脂粘度が高くなり、90重量%を超えると乾燥性が低下する。好ましくは45〜75重量%である。
【0033】
本発明のパテ塗料は、前記したように、上記した(A)成分、(B)成分及び(C)成分に(D)不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材を含有させて得られる。また本発明のパテ塗料は、上記パテ塗料に(E)有機過酸化物を含有させることにより得られる。さらに本発明のパテ塗料は、上記パテ塗料に、(F)芳香族アミン系促進剤、(G)多価金属塩若しくは錯体又は(F)成分と(G)成分の両方を含有させることにより得られる。
【0034】
本発明における上記不飽和ポリエステル樹脂組成物に(D)成分として無機充填材を含有させたパテ塗料は、(E)成分、(F)成分及び(G)成分を適宜組み合わせることにより、様々の作業温度下でラジカル硬化させることができる。特に室温又はそれに近い温度において、表面のベタツキをなくすことが必要な場合には、(G)成分である多価金属塩及び/又は錯体を必須成分とし、(E)成分と(F)成分を組み合わせて用いることが好ましい。
【0035】
(D)成分の不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材としては、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、セラミックス粉、アルミナ、水酸化アルミニウム等が用いられる。この無機充填材の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して30〜400重量%、好ましくは100〜300重量%の範囲とされる。無機充填材の使用量が、400重量%を超えると樹脂組成物のバインダーとして十分な作用を発現できず、塗膜の耐久性が低下する傾向があり、また30重量%未満では、塗膜の研磨性が低下する傾向がある。
【0036】
(E)成分の有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシドなどを用いることができる。この使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。有機過酸化物の量が0.1重量%未満では、有機過酸化物からのラジカル発生量が不十分となり、樹脂組成物が十分硬化しない場合があり、10重量%を超えると、有機過酸化物が可塑剤の働きを示し、硬化樹脂が軟質になる傾向がある。
【0037】
(F)成分の芳香族アミン系促進剤としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)トルイジン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドなどを一種以上の組み合わせで用いることができる。その使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。この使用量が0.01重量%未満では、促進効果が不足する傾向があり、また10重量%を超えると、可塑効果が働き、樹脂硬化物の強度が低下する傾向がある。
【0038】
(G)成分の多価金属塩及び錯体は、一般に乾燥剤(ドライヤー)と呼ばれているもので、高級脂肪酸の金属塩がよく知られている。例えばナフテン酸、オクテン酸の多価金属塩等が挙げられる。多価金属とは、カルシウム、銅、ジルコニウム、マンガン、コバルト、鉛、鉄、バナジウムなどである。特に好ましい例としては、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルトが挙げられる。錯体の例としては、アセチルアセトンの錯体がよく知られており、コバルトアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネートなどが挙げられる。この(G)成分は(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で用いられ、有機過酸化物の作用を促進する働きを有する。(G)成分の使用量が0.01重量%未満では、かかる促進効果が不足する傾向があり、一方、10重量%を超えてもそのような促進効果の一層の向上を示さない。
また、(F)成分と(G)成分の両方を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で用いることができる。
【0039】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料には、必要に応じて顔料、染料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤、揺変性付与剤、可塑剤、ワックス等を添加することができる。なお、着色用顔料の例としては、チタン白、ベンガラ、アニリンブラック、カーボンブラック、シアニンブルー、マンガンブルー、鉄黒、クロムエロー、クロムグリーン、マピコエロー等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。なお、下記例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を意味する。
<不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造>
実施例1
攪拌機、ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに水添ビスフェノールA(新日本理化社製、リカビノールHB)813.6部(3.39モル)、ジエチレングリコール239.7部(2.26モル)、無水マレイン酸553.7部(5.65モル)、ヒドロキノン0.2部及び循環用キシロール40部を入れ、窒素ガスを吹込みながら140℃で1時間加熱後、140℃から190℃まで3時間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が70〜60になるまで加熱した。190℃昇温後1.5時間加熱で酸価65.7となった。次に120℃に冷却後、アリルグリシジルエーテル(日本油脂社製、エピオールA)193.2部(1.70モル)及び開環触媒としてジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド(日本油脂社製、カチオンM2−100)3.86部を入れ、120℃から175℃まで4時間で昇温した。同温度で経時ごとにサンプリングを行い、スチレンで加熱残分60%に希釈した際の粘度(ガードナ、25℃、以下同じ)及び酸価を測定したところ、175℃昇温後7時間で粘度3.5秒、酸価22を示した。次いで155℃に冷却し、窒素ガス注入量を多くして、釜内のキシロールを除去しながら同様にスチレンで60%に希釈した際の粘度及び酸価を測定し、160℃で2時間加熱後、粘度6.3秒及び酸価15.2を示した時点を終点とし不飽和ポリエステル(I)を得た。
【0041】
次に攪拌機、ガス導入管、温度計及び冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコにエピービス型エポキシ樹脂エピコート−828(油化シェルエポキシ(株)商品名、エポキシ当量185)550部、アリルグリシジルエーテル50部、メタクリル酸293部、ヒドロキノン0.2部及びジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド2部を入れ、酸素を吹き込みながら100℃で10時間加熱し、酸価10の不飽和エステル(II)を得た。上記方法で製造した不飽和ポリエステル(I)と不飽和エステル(II)を50:50の比率で混合して600部作製し、ヒドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(I)を得た。
【0042】
実施例2
実施例1と同じ装置を用いてリカビノールHB、614.4部(2.56モル)、ネオペンチルグリコール399.4部(3.84モル)、無水マレイン酸627.2部(6.40モル)、ヒドロキノン0.2部及びキシロール40部を入れ、実施例1と同様に190℃に昇温し、2時間加熱したところ、酸価68.7を示した。次に120℃に冷却し、エピオールA、145.9部(1.28モル)及びカチオンM2−100、2.92部を入れ、実施例1と同様に175℃に昇温し、同様に粘度及び酸価を測定した。175℃昇温後6時間で粘度3.3秒、酸価15.6を示した。次いで155℃に冷却し、実施例1と同様に釜内のキシロールを除去しながら、同様に粘度及び酸価を測定し、155℃で1.6時間加熱後、粘度6.8秒及び酸価11.7を示した時点で終点とし、不飽和ポリエステル(III)を得た。実施例1と同様にこの不飽和ポリエステル(III)と不飽和エステル(II)を50:50の比率で混合して600部作製し、ハイドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(II)を得た。
【0043】
比較例1
実施例1で得た不飽和ポリエステル(I)600部をハイドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(III)を得た。
【0044】
比較例2
実施例1で得た不飽和ポリエステル(I)600部をハイドロキノン0.1部を添加したスチレン400部に溶解し樹脂組成物(IV)を得た。この樹脂組成物(IV)の粘度は6.5秒、酸価15.1であった。
【0045】
<試験例>
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた樹脂組成物(I)〜(IV)の特性(低臭気性)及びこれらの樹脂組成物を用いて作製したパテ塗膜の特性(乾燥性、研磨性、付着性及び耐湿性)を下記のようにして調べ、その結果を表2に示す。
【0046】
1.樹脂組成物の特性
(1)匂い感度(低臭気性)
内容量20リットルの密閉容器に吸気管及び排気管を有する臭いセンサーを取り付けて、各実施例及び比較例で製造した樹脂組成物(I)〜(IV)5gを該容器の底部に放置し、90分後の匂い感度値を測定した。センサーとしては、新コスモス電機(株)製ナオイセンサーXP329型を用いた。センサーの匂い感度値は、値が大きい程、強い匂いを示している。
【0047】
2.パテ塗膜特性
(1)パテ塗料配合
表1に示す配合の材料をそれぞれ300ml丸缶に採取し、高速デゾルバーで15分間攪拌して、均一に分散させた。
【0048】
【表1】
(2)試験板の調整
試験板として鉄板(日本テストパネル工業(株)製、SPCC−SB)、電気亜鉛処理板(新日本製鉄(株)製、シルバージンク)を用い、表面を耐水ペーパー#150で軽く研磨した。
(3)試験片の作製
(1)で作製したそれぞれの塗料に55%メチルエチルケトンパーオキサイドを2%添加し、これを(2)で調整した各試験板上に2mm厚にパテ付けした。(4)塗膜性能の測定
実施例1〜2及び比較例1〜2の樹脂組成物を用いて得たパテ塗料について下記に示す塗膜性能を試験し、その結果を表2に示した。
i)乾燥性:鉄板上へパテ付け後、常温(20℃)で経時ごとに表面を耐水ペーパー#150を用いて指で軽く研磨し、研磨可能となる時間(min)を測定した。
ii)研磨性:鉄板上へパテ付け後、常温(20℃)で4時間放置後、耐水ペーパー#150を用いて指で研磨し、研磨のしやすさを比較し、次のようにして評価した。
○:軽く研磨しても、よくパテ塗膜が削れる。
△:パテ塗膜が削れるが、研磨がやや重く感じる。
×:研磨が重く、パテ塗膜がよく削れない。
iii)付着性:各試験板上へパテ付け後、常温(20℃)で16h放置し、その後120℃の乾燥機内で60分焼付け後、常温まで冷却し、中央部より90°角に折り曲げた際の折り曲げ部のパテ付着性を調べ、次のようにして評価した。○:パテが付着している。
△:50%パテが付着している。
×:パテの付着が見られない。
iv)耐湿性:上記の各試験板上へパテ付け後、常温(20℃)で16時間放置し、その後表面を耐水ペーパー#240、#150及び#400の順に研磨し、表面を平滑にした。研磨したパテ塗膜の上に市販アクリルウレタン塗料(イサム塗料製、ハイアート)をスプレ塗布(膜厚40μm)し、常温(20℃)で30分放置後、60℃の乾燥機で60分乾燥させた。冷却後、プリスタリングボックス(RH99%、温度50℃)に72時間入れ、塗膜表面の状態(プリスター、直径が2mm程度の発泡)及び90°角に折り曲げした際のパテ付着性を調べた。プリスターは下記のように評価し、パテ付着性はiii)と同様の方法で行なった。
○:ブリスターの発生なし。
△:塗膜の20%にブリスターが発生している。
×:全面にブリスターが発生している。
【0049】
【表2】
【0050】
表2の結果から、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性であるとともに、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたパテ塗膜は、乾燥性、研磨性、付着性、耐湿性及び耐ヒートサイクル性に優れていることが示される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性であり、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたパテ塗膜は、乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれた自動車並びに車両補修パテ塗料のバインダーとして好適に用いることができる。
また、本発明のパテ塗料は、乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれ、自動車並びに車両補修に好適に好適である。
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、副資材にガラス繊維や有機繊維を用いることで繊維強化プラスチック、注型材料、副資材に砂や炭酸カルシウム等の無機充填材を用いることでレジンコンクリート等のライニング材に使用することも可能である。
【発明の属する技術分野】
本発明は不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料に関し、さらに詳しくは臭気が極めて少なく、高引火点を有し、かつ塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれ、さらに基材との密着性に優れた不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこれを用いたパテ塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、不飽和ポリエステルと、これと共重合可能な単量体とを含有する組成物は公知であり、例えば繊維強化プラスチック、接着剤等に使用されている。しかし、この組成物を、下塗剤、上塗剤、含浸剤、注型材料、ポリマーコンクリート用結合材、被覆材又はパテ塗料等に使用すると、種々の問題が生じていた。例えば、不飽和ポリエステルと共重合可能な単量体として、一般にスチレンが用いられているが、これらの混合物を有機過酸化物を用いて常温で硬化させると、空気中の酸素により表面の硬化が阻害され、いつまでもベタツキが残るという欠点があった。
【0003】
この欠点を解消するため、パラフィンワックス等のワックスを添加し、表面にワックスの膜を作り、酸素を遮断する方法が採られているが、この方法では二次接着に問題が生じ、下塗剤として用いることができないという欠点があった。また外気温、風等により、ワックスの浮きムラが生じ、上塗剤、含浸剤、注型剤、被覆材又は結合材として用いると、表面にベタツキや乾燥のムラが生じる問題がある。さらに、この混合物を硬化させた場合、十分な可とう性が得られないため、僅かなひずみで膜にクラックを生じるなどの欠点があった。また、スチレン等の単量体は揮発しやすいため、これを含む組成物を取り扱う作業者の健康や作業環境を害するという問題があった。さらに、反応性希釈剤(単量体)として多用されているスチレンは引火点が32℃と低いため、消防法の貯蔵量規制の問題から、組成物成分の非スチレン化と高引火点化が望まれている。
【0004】
一方、パテ塗料は、主として鋼板、コンクリート、木材などの基材の被覆又は穴埋め材として用いられており、特に自動車鋼板補修用パテ塗料としては、(1)ヘラ付け作業性に優れていること、(2)常温で速やかに硬化すること、(3)研磨性に優れていること、(4)素材との付着性に優れていること、(5)上塗り塗料との付着性に優れていること、(6)耐湿性に優れていること、(7)耐久性(クラック)に優れていること等の性能が要求されている。しかし、近年、自動車外壁に使用される素材が、防錆を目的にリン酸亜鉛、リン酸鉄等で処理した鉄板から、重防蝕を目的に亜鉛を主成分とした金属を直接鉄板に電気処理した防錆鋼板に移行してきているため、従来のパテで補修すると被膜の付着阻害を起こし、剥離、プリスター等が多発するという問題があった。
【0005】
近年、臭気の改善のために高分子量モノマーを使用し、揮発を抑制する試みがなされている。骨材材料と、ジシクロペンテニルオキシアルキルアクリレート又はメタクリレート及びヒドロキシアルキルメタクリレートからなる結合剤単量体と、重合触媒とを含むアクリル重合体コンクリート組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このものは、床や道路の補修に使用されるものであり、揮発性が低く、低臭気性であることにより作業環境が改善され、また、該組成物は2〜4時間で表面乾燥(=表面硬化)する。しかしながら、この樹脂組成物をパテ塗料として用いた場合、特に上記防錆鋼板に対して用いると付着性の点で充分ではない。
【0006】
また、防錆鋼板に対するパテ塗料の付着性改良について、不飽和ポリエステル樹脂組成物を改質する試みがなされ、不飽和ポリエステル、樹脂組成物の多価アルコール成分の一部をビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はビスフェノールAのプロピレンオキサイド誘導体として付着性の改良を行なっている。しかし、臭気の改善と高引火点化を同時に図る試みはなされていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−74316号公報(第5頁、第12頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低臭気性で高引火点を有し、かつ塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性及び基材との付着性にすぐれた不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこの不飽和ポリエステル樹脂組成物をバインダーとして用いたパテ塗料を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合が0〜90:100〜10モル%(飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸)である多塩基酸成分と、(b)全多価アルコール成分中、10〜50モル%が式 (I)
【化3】
で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、多塩基酸成分(a)の総モル数に対する多価アルコール成分(b)の総モル数の割合を1.0〜2.0の範囲として反応させて得られる不飽和ポリエステル5〜35重量%と(B)エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステル5〜35重量%と一般式 (II)
【化4】
(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物30〜90重量%とを含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0010】
さらにまた本発明は、前記記載の樹脂組成物に、さらに(D)不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して30〜400重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0011】
さらにまた本発明は、前記パテ塗料に、さらに(E)有機過酸化物を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.1〜10重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0012】
さらにまた本発明は、前記パテ塗料に、さらに(F)芳香族アミン系促進剤を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%を含有させるか、(G)多価金属塩及び/又は錯体を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させるか、或いはこれらの両方を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させてなるパテ塗料に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の必須成分である不飽和ポリエステル((A)成分)について説明する。本発明に用いられる多塩基酸成分(a)は、飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合は飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸=0〜90:100〜10モル%、好ましくは0〜40:100〜60モル%である。α,β−不飽和多塩基酸の使用割合が上記範囲以外であると常温での硬化が遅くなり、またパテ塗膜の乾燥性及び研磨性が低下する。
【0014】
前記飽和多塩基酸としては、例えば無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、アジピン酸、セバシン酸等が用いられる。またα,β−不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸等が用いられる。前記飽和多塩基酸又はα,β−不飽和多塩基酸はそれぞれ2種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明に用いられる多価アルコール成分(b)としては、パテ塗膜の乾燥性及び研磨性を付与させる材料として乾性油及びアリル化合物が使用される。前者においては未反応成分が残り易く、亜鉛イオンの攻撃を受け易い。また後者にはグリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのモノアリルエーテル、ジアリルエーテル又はトリアリルエーテル及びアリルグリシジルエーテルが一般的に使用されるが、エーテルグリコール成分類は、油成分と同様に未反応成分として残り易く、亜鉛イオンの攻撃を受け易い傾向にある。アリル化合物のうちアリルグリシジルエーテルは反応性に優れており、未反応成分が残らず、より完全に樹脂骨格に導入することができるとともに、亜鉛処理鋼板への付着性にも優れる。アリルグリシジルエーテルは反応系中で容易に多価アルコールになるので多価アルコール成分とみることができる。
【0016】
本発明において、前記式(I)で表されるアリルグリシジルエーテルを多価アルコール成分に対して10〜50モル%、好ましくは15〜45モル%使用することにより、亜鉛イオンによる金属石けん形成の防止、水酸化亜鉛による加水分解の防止、さらにパテ塗膜の乾燥性及び研磨性の向上等を図ることができる。
アリルグリシジルエーテルの使用量が、全多価アルコール成分中10モル%未満ではパテ塗膜の乾燥性及び研磨性が充分でなく、また45モル%を超えると乾燥性及び研磨性は良好となるが、硬さが充分でなく、研磨の際に塗膜に傷がつき易くなる。
【0017】
上記以外の多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレン又はプロピレン付加誘導体等が用いられる。これらは併用してもよい。さらに空乾性を有する多価アルコールの成分として、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールのモノアリルエーテル、ジアリルエーテル又はトリアリルエーテルを、電気亜鉛処理鋼板へのパテ塗膜の付着性を低下させない範囲、具体的には全多価アルコールの成分中2モル%以下で使用してもよい。
【0018】
多塩基酸成分(a)と多価アルコール成分(b)の使用割合は、(a)成分の総モル数に対する(b)成分の総モル数の割合が1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.8の範囲である。多価アルコール成分の総モル数割合が1.0未満では不飽和ポリエステルの酸価が充分小さくならず、パテ塗膜の耐水性が低下する。また、2.0を超えると不飽和ポリエステルの分子量が小さくなり、パテ塗膜の硬化性が悪くなるため乾燥性及び研磨性が低下すると同時に電気亜鉛処理鋼板への付着性も低下する。
【0019】
本発明に用いられる不飽和ポリエステル(A)は常法により得ることができる。例えば前記多価アルコール成分のアリルグリシジルエーテルのエポキシ基の開環反応触媒として、第4級アンモニウム塩(例えばテトラアンモニウムクロライド、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド等)又はアルカリ金属塩(例えば安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等)をアリルグリシジルエーテルに対して0.05〜5.0重量%使用して、該多塩基酸成分(a)の一部又は全部と80〜140℃で予備付加反応させた後、残りの多価アルコール成分及び多塩基酸成分を加え、150〜220℃で重縮合反応させるか、又は該多塩基酸成分(a)の一部又は全部と該多価アルコール成分(b)中、アリルグリシジルエーテルを除いた多価アルコール成分で150〜220℃で予備重縮合反応させた後、アリルグリシジルエーテル及び開環触媒を添加し、150〜220℃で重縮合反応して得られる。
不飽和ポリエステル(A)の分子量は、パテ塗料の作業性、塗膜の耐水性及び付着性の点から、通常500〜10,000、好ましくは800〜3,000であり、また酸価は通常100以下、より好ましくは50以下に調整される。
【0020】
次に本発明の樹脂組成物の必須成分である不飽和エステル((B)成分)について説明する。本発明に用いられる不飽和エステルは、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いられる多塩基酸を反応させて得られる。エポキシ樹脂としては一分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、一般式(III)
【化5】
(式中、xは0〜15の範囲の整数である)で表される化合物が用いられる。
この化合物の市販品としては、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)、AER−664H、AER−331、AER−337(以上、旭化成工業(株)商品名)、D.E.R.330、D.E.R.660、D.E.R.664(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)などが挙げられる。また、上記エポキシ樹脂の水素原子の一部をハロゲン(例えば臭素)で置換した化合物も使用できる。この種の市販品としては、エポトートYDB−400、YDB−340(以上、東都化成(株)商品名)、DER−542、DER−511、DER−580(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)、1045、1050、1046、DX−248(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)などが挙げられる。
【0021】
また、一般式(IV)
【化6】
(式中、R3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、xは0〜15の範囲の整数である)で表される化合物を用いることもできる。この化合物の市販品としては、D.E.N.431、D.E.N.438(以上、ダウケミカル日本(株)商品名)、エピコート152、エピコート154(以上、油化シェルエポキシ(株)商品名)などが挙げられる。また、YDCN−702、YDPN−638(以上、東都化成(株)商品名)、CY208、CY221、CY350、XB2615、CY192、CY184(以上、日本チバガイギー(株)商品名)等も用いられる。
【0022】
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上併用することができる。また、作業性の改善のため、エピ−ビス型のエポキシ樹脂、フェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂、クレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂等とビスフェノールAD型のエポキシ樹脂等の低粘度エポキシ樹脂とを併用することもできる。
【0023】
前記エポキシ樹脂に反応させる不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕−4−デセン−8又は9残基と不飽和二塩基酸残基を構成要素として含む部分エステル化カルボン酸などを用いることができる。部分エステル化カルボン酸の例としては、8又は9−ヒドロキシトリシクロデセン−4−〔5.2.1.02,6〕1.00〜1.20モル及び無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和二塩基酸1モルを不活性ガス気流下で70〜150℃で加熱して得られる不飽和二塩基酸モノエステル等が挙げられる。
またトリシクロデカジエン−4,8−〔5.2.1.02,6〕にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸を硫酸、ルイス酸などの触媒の存在下で付加して得られる不飽和二塩基酸モノエステルを用いることもできる。
【0024】
前記エポキシ樹脂には、塗膜の靱性及び耐久性の点から、必要に応じて多塩基酸を反応させることができる。多塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。また必要に応じて用いられる多塩基酸にはさらに炭素数が12個以上の二塩基酸を用いることが好ましい。この二塩基酸の具体例としては、トデカン二酸、炭素数16の不飽和二塩基酸の異性体の混合物であるULB−20(岡村製油(株)商品名)、炭素数20の飽和二塩基酸主体の混合物であるSL−20(岡村製油(株)商品名)、トール油脂肪酸を原料とする2量化脂肪酸(炭素数36のダイマー酸)などが挙げられる。このダイマー酸の市販品としては、バーサダイム216、バーサダイム288(ヘンケル白水(株)商品名)、ハリダイマー#200(ハリマ化成(株)商品名)などが挙げられる。
【0025】
(B)成分の不飽和エステルは、エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いられる多塩基酸とを反応させて得ることができる。このときの反応温度は、60〜150℃が好ましく、さらに70〜130℃が好ましい。エポキシド樹脂と不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸との配合割合は、これらの酸成分のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基が、当量比(カルボキシル基:エポキシ基)で1.0:0.9〜1.0:1.2の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0:0.9〜1.0:1.1の範囲である。カルボキシル基1当量に対してエポキシ基が0.9未満又は1.2を超えると塗膜の耐久性、靱性、乾燥性、強度など所望の塗膜性能が得られないことがある。不飽和エステルの生成は、不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸のカルボキシル基を定量し、酸価により調べることができる。この酸価は好ましくは50以下、より好ましくは15以下である。不飽和一塩基酸及び必要に応じて用いる多塩基酸からなる酸成分中の不飽和一塩基酸の配合割合はカルボキシル基当量で85〜100当量%であることが好ましい。
【0026】
反応に際しては重合によるゲル化を防止するためにヒドロキノン、パラベンゾキノン、p−第3級ブチルカテコール、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤を用いることが好ましい。また、このエステル化反応に際してはジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジルアンモニウムクロリド、ピリジニウムクロリドなどの第4級アンモニウム塩、トリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの第3級アミン、塩化第二鉄、水酸化リチウム、塩化リチウム、塩化第二スズなどのエステル化触媒を用いて反応時間を短縮することもできる。
【0027】
次に、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の必須成分である上述した一般式(II)で表される化合物((C)成分)について述べる。本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物の例としては、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0028】
これらの化合物は、特公昭61−43337号公報に記載されているように、ジシクロペンタジエンにアルキレングリコール又はオキサアルキレングリコールを付加反応させ、生成したアルキレングリコールモノジシクロペンテニルエーテル又はオキサアルキレングリコールモノジシクロペンテニルエーテルをメタクリル酸と縮合反応させるか、又はメタクリル酸メチルとエステル交換反応させることによって製造することができる。このメタクリル酸又はメタクリル酸メチルをアクリル酸又はアクリル酸メチルに代えることも可能である。また、特開昭57−200331号公報に記載されているように、アルキレングリコールモノアクリレート又はアルキレングリコールモノメタクリレートをジシクロペンタジエンに付加反応させることによっても製造することができる。
【0029】
一般式(II)で表される化合物には、引火点が80℃以上のモノマー、例えば、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、分子量が300〜200のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート等を併用することができる。このようなモノマーは一般式(II)で表される化合物を含むモノマー全体に対して30重量%以下が好ましく、グリシジルメタクリレート等の官能基を有するモノマーは、モノマー全体に対して5重量%以下で使用することが好ましい。
【0030】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、(A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合が0〜90:100〜10モル%(飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸)である多塩基酸成分と、(b)全多価アルコール成分中、10〜50モル%が一般式 (I)で表されるアリルグリシジルエーテルである多価アルコール成分とを、多塩基酸成分(a)の総モル数に対する多価アルコール成分(b)の総モル数の割合を1.0〜2.0の範囲として反応させて得られる不飽和ポリエステル5〜35重量%と(B)エポキシ樹脂に、不飽和一塩基酸を反応させて得られる不飽和エステル5〜35重量%と(C)一般式(II)(式中、R1は、炭素原子数1〜12個のアルキレン基、又は少なくとも1個の酸素原子で結合された少なくとも2個のアルキレン鎖からなり、各アルキレン鎖が少なくとも2個の炭素原子を有し、合計で4〜12個の炭素原子を有するオキサアルキレン基を意味し、R2は、水素又はメチル基を意味する)で表される化合物30〜90重量%とを含有してなる。
【0031】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性、塗膜の乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性、鋼板、特に防錆鋼板に対する付着性に優れることから、パテ塗料のバインダーとして好適に用いることができる。
【0032】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(A)成分の割合が5重量%未満であると、塗膜の乾燥性が低下し、35重量%を超えると耐湿性、付着性が低下する。好ましくは10〜30重量%である。
また、(B)成分の割合が5重量%未満であると、耐湿性、付着性が低下し、35重量%を超えると乾燥性が低下する。好ましくは10〜30重量%である。また、(C)成分の割合が30重量%未満であると、低臭気性が劣り樹脂粘度が高くなり、90重量%を超えると乾燥性が低下する。好ましくは45〜75重量%である。
【0033】
本発明のパテ塗料は、前記したように、上記した(A)成分、(B)成分及び(C)成分に(D)不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材を含有させて得られる。また本発明のパテ塗料は、上記パテ塗料に(E)有機過酸化物を含有させることにより得られる。さらに本発明のパテ塗料は、上記パテ塗料に、(F)芳香族アミン系促進剤、(G)多価金属塩若しくは錯体又は(F)成分と(G)成分の両方を含有させることにより得られる。
【0034】
本発明における上記不飽和ポリエステル樹脂組成物に(D)成分として無機充填材を含有させたパテ塗料は、(E)成分、(F)成分及び(G)成分を適宜組み合わせることにより、様々の作業温度下でラジカル硬化させることができる。特に室温又はそれに近い温度において、表面のベタツキをなくすことが必要な場合には、(G)成分である多価金属塩及び/又は錯体を必須成分とし、(E)成分と(F)成分を組み合わせて用いることが好ましい。
【0035】
(D)成分の不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材としては、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、セラミックス粉、アルミナ、水酸化アルミニウム等が用いられる。この無機充填材の使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して30〜400重量%、好ましくは100〜300重量%の範囲とされる。無機充填材の使用量が、400重量%を超えると樹脂組成物のバインダーとして十分な作用を発現できず、塗膜の耐久性が低下する傾向があり、また30重量%未満では、塗膜の研磨性が低下する傾向がある。
【0036】
(E)成分の有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシドなどを用いることができる。この使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。有機過酸化物の量が0.1重量%未満では、有機過酸化物からのラジカル発生量が不十分となり、樹脂組成物が十分硬化しない場合があり、10重量%を超えると、有機過酸化物が可塑剤の働きを示し、硬化樹脂が軟質になる傾向がある。
【0037】
(F)成分の芳香族アミン系促進剤としては、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)トルイジン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドなどを一種以上の組み合わせで用いることができる。その使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。この使用量が0.01重量%未満では、促進効果が不足する傾向があり、また10重量%を超えると、可塑効果が働き、樹脂硬化物の強度が低下する傾向がある。
【0038】
(G)成分の多価金属塩及び錯体は、一般に乾燥剤(ドライヤー)と呼ばれているもので、高級脂肪酸の金属塩がよく知られている。例えばナフテン酸、オクテン酸の多価金属塩等が挙げられる。多価金属とは、カルシウム、銅、ジルコニウム、マンガン、コバルト、鉛、鉄、バナジウムなどである。特に好ましい例としては、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルトが挙げられる。錯体の例としては、アセチルアセトンの錯体がよく知られており、コバルトアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネートなどが挙げられる。この(G)成分は(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で用いられ、有機過酸化物の作用を促進する働きを有する。(G)成分の使用量が0.01重量%未満では、かかる促進効果が不足する傾向があり、一方、10重量%を超えてもそのような促進効果の一層の向上を示さない。
また、(F)成分と(G)成分の両方を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲で用いることができる。
【0039】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物及びパテ塗料には、必要に応じて顔料、染料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤、揺変性付与剤、可塑剤、ワックス等を添加することができる。なお、着色用顔料の例としては、チタン白、ベンガラ、アニリンブラック、カーボンブラック、シアニンブルー、マンガンブルー、鉄黒、クロムエロー、クロムグリーン、マピコエロー等が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。なお、下記例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を意味する。
<不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造>
実施例1
攪拌機、ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに水添ビスフェノールA(新日本理化社製、リカビノールHB)813.6部(3.39モル)、ジエチレングリコール239.7部(2.26モル)、無水マレイン酸553.7部(5.65モル)、ヒドロキノン0.2部及び循環用キシロール40部を入れ、窒素ガスを吹込みながら140℃で1時間加熱後、140℃から190℃まで3時間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が70〜60になるまで加熱した。190℃昇温後1.5時間加熱で酸価65.7となった。次に120℃に冷却後、アリルグリシジルエーテル(日本油脂社製、エピオールA)193.2部(1.70モル)及び開環触媒としてジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド(日本油脂社製、カチオンM2−100)3.86部を入れ、120℃から175℃まで4時間で昇温した。同温度で経時ごとにサンプリングを行い、スチレンで加熱残分60%に希釈した際の粘度(ガードナ、25℃、以下同じ)及び酸価を測定したところ、175℃昇温後7時間で粘度3.5秒、酸価22を示した。次いで155℃に冷却し、窒素ガス注入量を多くして、釜内のキシロールを除去しながら同様にスチレンで60%に希釈した際の粘度及び酸価を測定し、160℃で2時間加熱後、粘度6.3秒及び酸価15.2を示した時点を終点とし不飽和ポリエステル(I)を得た。
【0041】
次に攪拌機、ガス導入管、温度計及び冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコにエピービス型エポキシ樹脂エピコート−828(油化シェルエポキシ(株)商品名、エポキシ当量185)550部、アリルグリシジルエーテル50部、メタクリル酸293部、ヒドロキノン0.2部及びジメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライド2部を入れ、酸素を吹き込みながら100℃で10時間加熱し、酸価10の不飽和エステル(II)を得た。上記方法で製造した不飽和ポリエステル(I)と不飽和エステル(II)を50:50の比率で混合して600部作製し、ヒドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(I)を得た。
【0042】
実施例2
実施例1と同じ装置を用いてリカビノールHB、614.4部(2.56モル)、ネオペンチルグリコール399.4部(3.84モル)、無水マレイン酸627.2部(6.40モル)、ヒドロキノン0.2部及びキシロール40部を入れ、実施例1と同様に190℃に昇温し、2時間加熱したところ、酸価68.7を示した。次に120℃に冷却し、エピオールA、145.9部(1.28モル)及びカチオンM2−100、2.92部を入れ、実施例1と同様に175℃に昇温し、同様に粘度及び酸価を測定した。175℃昇温後6時間で粘度3.3秒、酸価15.6を示した。次いで155℃に冷却し、実施例1と同様に釜内のキシロールを除去しながら、同様に粘度及び酸価を測定し、155℃で1.6時間加熱後、粘度6.8秒及び酸価11.7を示した時点で終点とし、不飽和ポリエステル(III)を得た。実施例1と同様にこの不飽和ポリエステル(III)と不飽和エステル(II)を50:50の比率で混合して600部作製し、ハイドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(II)を得た。
【0043】
比較例1
実施例1で得た不飽和ポリエステル(I)600部をハイドロキノン0.1部を添加したジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成工業社製、FA−512M)400部に溶解し樹脂組成物(III)を得た。
【0044】
比較例2
実施例1で得た不飽和ポリエステル(I)600部をハイドロキノン0.1部を添加したスチレン400部に溶解し樹脂組成物(IV)を得た。この樹脂組成物(IV)の粘度は6.5秒、酸価15.1であった。
【0045】
<試験例>
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた樹脂組成物(I)〜(IV)の特性(低臭気性)及びこれらの樹脂組成物を用いて作製したパテ塗膜の特性(乾燥性、研磨性、付着性及び耐湿性)を下記のようにして調べ、その結果を表2に示す。
【0046】
1.樹脂組成物の特性
(1)匂い感度(低臭気性)
内容量20リットルの密閉容器に吸気管及び排気管を有する臭いセンサーを取り付けて、各実施例及び比較例で製造した樹脂組成物(I)〜(IV)5gを該容器の底部に放置し、90分後の匂い感度値を測定した。センサーとしては、新コスモス電機(株)製ナオイセンサーXP329型を用いた。センサーの匂い感度値は、値が大きい程、強い匂いを示している。
【0047】
2.パテ塗膜特性
(1)パテ塗料配合
表1に示す配合の材料をそれぞれ300ml丸缶に採取し、高速デゾルバーで15分間攪拌して、均一に分散させた。
【0048】
【表1】
(2)試験板の調整
試験板として鉄板(日本テストパネル工業(株)製、SPCC−SB)、電気亜鉛処理板(新日本製鉄(株)製、シルバージンク)を用い、表面を耐水ペーパー#150で軽く研磨した。
(3)試験片の作製
(1)で作製したそれぞれの塗料に55%メチルエチルケトンパーオキサイドを2%添加し、これを(2)で調整した各試験板上に2mm厚にパテ付けした。(4)塗膜性能の測定
実施例1〜2及び比較例1〜2の樹脂組成物を用いて得たパテ塗料について下記に示す塗膜性能を試験し、その結果を表2に示した。
i)乾燥性:鉄板上へパテ付け後、常温(20℃)で経時ごとに表面を耐水ペーパー#150を用いて指で軽く研磨し、研磨可能となる時間(min)を測定した。
ii)研磨性:鉄板上へパテ付け後、常温(20℃)で4時間放置後、耐水ペーパー#150を用いて指で研磨し、研磨のしやすさを比較し、次のようにして評価した。
○:軽く研磨しても、よくパテ塗膜が削れる。
△:パテ塗膜が削れるが、研磨がやや重く感じる。
×:研磨が重く、パテ塗膜がよく削れない。
iii)付着性:各試験板上へパテ付け後、常温(20℃)で16h放置し、その後120℃の乾燥機内で60分焼付け後、常温まで冷却し、中央部より90°角に折り曲げた際の折り曲げ部のパテ付着性を調べ、次のようにして評価した。○:パテが付着している。
△:50%パテが付着している。
×:パテの付着が見られない。
iv)耐湿性:上記の各試験板上へパテ付け後、常温(20℃)で16時間放置し、その後表面を耐水ペーパー#240、#150及び#400の順に研磨し、表面を平滑にした。研磨したパテ塗膜の上に市販アクリルウレタン塗料(イサム塗料製、ハイアート)をスプレ塗布(膜厚40μm)し、常温(20℃)で30分放置後、60℃の乾燥機で60分乾燥させた。冷却後、プリスタリングボックス(RH99%、温度50℃)に72時間入れ、塗膜表面の状態(プリスター、直径が2mm程度の発泡)及び90°角に折り曲げした際のパテ付着性を調べた。プリスターは下記のように評価し、パテ付着性はiii)と同様の方法で行なった。
○:ブリスターの発生なし。
△:塗膜の20%にブリスターが発生している。
×:全面にブリスターが発生している。
【0049】
【表2】
【0050】
表2の結果から、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性であるとともに、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたパテ塗膜は、乾燥性、研磨性、付着性、耐湿性及び耐ヒートサイクル性に優れていることが示される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低臭気性であり、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いたパテ塗膜は、乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれた自動車並びに車両補修パテ塗料のバインダーとして好適に用いることができる。
また、本発明のパテ塗料は、乾燥性、研磨性、耐湿性、ヒートサイクル性にすぐれ、自動車並びに車両補修に好適に好適である。
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、副資材にガラス繊維や有機繊維を用いることで繊維強化プラスチック、注型材料、副資材に砂や炭酸カルシウム等の無機充填材を用いることでレジンコンクリート等のライニング材に使用することも可能である。
Claims (4)
- (A)(a)飽和多塩基酸とα,β−不飽和多塩基酸とからなり、その使用割合が0〜90:100〜10モル%(飽和多塩基酸:α,β−不飽和多塩基酸)である多塩基酸成分と、(b)全多価アルコール成分中、10〜50モル%が式 (I)
- 請求項1記載の樹脂組成物に、さらに(D)不活性な微粒子状及び/又は粒状の無機充填材を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して30〜400重量%含有させてなるパテ塗料。
- 請求項2記載のパテ塗料に、さらに(E)有機過酸化物を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.1〜10重量%含有させてなるパテ塗料。
- 請求項3記載のパテ塗料に、さらに(F)芳香族アミン系促進剤を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%を含有させるか、(G)多価金属塩及び/又は錯体を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させるか、或いはこれらの両方を(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対して0.01〜10重量%含有させてなるパテ塗料。
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Effective date: 20071030 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20090113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |