JP2004225812A - 逆止弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入口ポート2と出口ポート3との間に、入口ポート2の開閉を司る可撓性のダイアフラム9を配設するとともに、このダイアフラム9を、入口ポート2の周りのバルブシート11に接触させる当接突部10を設けたものであり、当接突部10を、相互に同心配置した入口ポート2およびダイアフラム9に対して偏心させてダイアフラム9に当接させてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は逆止弁、とくには液体注出用として用いて好適な逆止弁に関するものであり、たとえば、醤油その他の調味料、日本酒、ワイン、ウイスキー等のアルコール飲料、食用油、軟硬各種の粒状物もしくは粉状物を含むことのあるドレッシング、液体スープまたはみつ等の液体を包装する比較的大型の軟質包装袋その他の容器から、被包装物としての液体を注出するに適用されて、容器から被包装液体を複数回にわたって注出する場合、その包装袋等の容器内への、微生物、塵埃等を含むことのある外気の入り込みおよび、一旦外気に接した液体の容器内への戻流を有効に阻止するものである。
【0002】
【従来の技術】
被包装物としての液体を、容器から複数回にわたって注出する場合に、たとえば、注出の度毎の、容器内への外気の入り込み、ひいては、その外気に含まれることのある微生物、塵埃等による容器内の液体の汚染、外気それ自体による容器内の液体の酸化、風味低下等を防止するための逆止弁としては、出願人が先に提案したもの(但し、未公開:特許文献1)がある。
【0003】
これは図6に縦断面図および要部横断面図で示すように、導出流路111に連通する入口ポート112を区画する下側部材113と、出口ポート114を区画する上側部材115とによって画成されるそれら両者間のスペース116内に、ゴム、エラストマ等からなる円形輪郭形状のダイアフラム117を入口ポート112と同心に配置するとともに、上側部材115から下側部材側へ突出させて設けた中央突部118を、ダイアフラム117の中央に当接させ、これにより、ダイアフラム117の少なくとも周縁部分を、入口ポート112の周りのバルブシート119に、それの全周にわたって接触させるものである。
【0004】
この逆止弁では、可撓性にすぐれたダイアフラム117が、図6(a)に示すように、バルブシート119に全周にわたって接触している姿勢の下では、出口ポート114より外側の外気等の、入口ポート側への流入は、そのダイアフラム117によって確実に阻止させることになる。
【0005】
この一方で、逆止弁を取付けた液体包装容器からの被包装液体の注出に当っては、その容器を傾動させることにより、ダイアフラム117が、容器内の液体の重量等の作用下で、図7に縦断面図で示すように、少なくとも容器の傾動側でバルブシート119から円滑かつ迅速に離隔するので、そのバルブシート119とダイアフラム117との間を経て出口ポート114から液体の注出を行うことができる。
そして、液体の注出の停止ないしは終了に当っては、容器を起立姿勢に復帰させることに基く、ダイアフラム117の、容器内液体重量からの解放等により、そのダイアフラム117は、それの元形状に自己復帰して、周縁部分で、バルブシート119に全周にわたって接触することになるので、それ以後は、外気等の、入口ポート側への流入はダイアフラム117によって阻止されることになる。
【0006】
【特許文献】特願2001−216961号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この逆止弁では、平円板状をなすダイアフラム117の中央部分に中央突部118を当接させており、その中央突部118が入口ポート112と丁度対向して位置することから、とくに、ダイアフラム117を、被包装液体の重量等の作用下でバルブシート119から離隔変形させて開放させるに当っての応答性が低く、液体の注出のために必然的に容器を大きく傾けることになるため、それが液体の余剰の注出の原因になるという問題があり、また、ダイアフラム117の中央部に当接する中央突部118をもってダイアフラム117の全周を、バルブシート119に十分に、かつ均等に接触させるためには、ダイアフラム117の物性等との関連の下で、そのダイアフラム117、ひいては、逆止弁の全体が自ずと大きくなるという問題もあった。
【0008】
さらに、平円板からなるダイアフラム117は通常、容器内外の圧力の平衡状態の下では、図6(a)に示すように、バルブシート119へのそれの周縁部分の接触によって外気の侵入を阻止することになり、その接触部分より内周側の部分は、導出流路内の気体もしくは液体と接触することになるので、寸法の大きいダイアフラム117では、それの、容器内の気体もしくは液体との接触面積もまた自ずと大きくなる。この一方で、ダイアフラム117を、可撓性にすぐれるとともに、化学的な反応性の低いシリコーンゴムによって構成した場合には、ダイアフラム117に、高い酸素バリア性を発揮させることが困難であるため、ダイアフラム117、ひいては、逆止弁の閉止状態にあってなお、容器内の被包装液体が酸化等されるおそれが高いという問題があった。
【0009】
この発明は、先に提案したこのような逆止弁(特許文献1)の改良に関するものであり、応答性にすぐれるとともに、十分な小型化が可能であり、併せて、容器内の被包装液体の酸化等のおそれをより効果的に低減させることができる逆止弁を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の逆止弁は、入口ポートと出口ポートとの間に、入口ポートの開閉を司る可撓性のダイアフラムを配設するとともに、このダイアフラムを、入口ポートの周りのバルブシートに、それの全周にわたって接触させる当接突部を設けたものであり、その当接突部を、相互に同心配置した入口ポートおよびダイアフラムに対して偏心させてダイアフラムに当接させたものである。ここで、当接突部の偏心方向は、出口ポートから離れる方向であることが好ましい。
【0011】
この逆止弁では、当接突部が、入口ポートおよびダイアフラムに対して偏心して位置するも、たとえば円形輪郭形状を有するダイアフラムへの当接突部の押圧力および、後に述べるハウジングが作用下で、そのダイアフラムを所定の位置に確実に維持することができ、また、通常状態の下では、当接突部のダイアフラム押圧力に基き、そのダイアフラムの直径を先のものよりはるかに小さくしてなお、ダイアフラムを、当接突部の近傍のみならず、それの全周にわたってバルブシートに十分に接触させて、外気等を遮断することができる。従ってここでは、ダイアフラムの小径化に基いて、逆止弁を有利に小型化することができる。
併せて、ダイアフラムの小型化により、それの、バルブシート接触域より内周側にあって、導出流路内の気体もしくは液体と接触するダイアフラムの表面積を提案技術のそれより有効に低減できるので、ダイアフラムに十分な酸素バリア性を付与し得ない場合にあってなお、被包装液体の酸化、風味低下等を効果的に抑制することができる。
【0012】
またここでは、当接突部が、ダイアフラムおよび入口ポートに対して偏心しており、被包装液体を入口ポートを経て注出するに当って、そのダイアフラムを、当接突部を支点として曲げ変形させる場合のモーメントアームが、前述した従来技術のそれに比してはるかに長くなるので、容器の傾動に伴う被包装液体の流動によって、それがダイアフラムにわずかな重量等を及ぼすだけで、ダイアフラムを、すぐれた感度の下に迅速に開放変形させることができる。
この一方で、開放状態のダイアフラムは、容器の起立復帰等によって、それの内外両面に作用する圧力等が相対的に同一になると直ちに、変形前の形状に弾性復帰して所期した通りの外気遮断機能を発揮する。
【0013】
ところで、容器のこの起立復帰に当っては、ダイアフラムの下面に達した被包装液体が容器内へ戻流することによって入口ポートの近傍部分が減圧雰囲気となること、軟質包装袋等からなる容器内の被包装液体を、その容器内への外気の取り込みなしに注出することで圧潰変形された容器が、それに個体の弾性復元力に基いて元形状に復帰しようとする力を発生させて容器内を減圧雰囲気とすること等によって、ダイアフラムに、バルブシートに密着する方向の力を作用させることにより、または、逆止弁内に残留した液体を、ダイアフラム上に戻流させて、ダイアフラムの上面側にその液体重量を作用させることにより、ダイアフラムによる外気遮断機能を一層高めることができる。
【0014】
従って、この逆止弁によれば、容器内の被包装液体の、応答性にすぐれる円滑なる注出を実現する一方で、ダイアフラムの通常の閉止状態および、被包装液体の注出の停止時における、微生物等を含むことのある外気の、入口ポートを経た容器内への侵入に加え、ダイアフラムの外側へ一旦流出して外気に接触した残留液体の、容器内への再流入を確実に防止することができ、これがため、被包装液体の、容器からの複数回にわたる注出に起因する、容器内被包装液体の、微生物、塵埃等による汚損および、外気による酸化、風味低下等を、長期間にわって有効に防止することができる。
【0015】
ところで、ダイアフラムのこのような開閉作動は、それを、入口ポートおよびバルブシートを設けたハウジングの、バルブシートの周りを取り囲む囲繞壁面の内側にて行わせることにより、所定の位置で常に適正に行われることになり、ダイアフラムの不測の位置ずれは十分に防止されることになる。そしてこのことは、ダイアフラムを、開閉いずれかの位置に維持する場合にもまた同様である。
【0016】
以上のような逆止弁において、当接突部の偏心方向を、出口ポートから離れる方向としたときは、容器を、出口ポートが下側に向くように傾向させて被包装液体を注出するに当っての、逆止弁全体としての応答性を高め、また、円滑にして定常的な注出を容易にすることができる。
またここで、ダイアフラムの平面輪郭形状を円形としたときは、ダイアフラムから方向性を取り除いて、それの外気遮断機能をより確実に発揮させることができる。
【0017】
そしてまた、ダイアフラムに、たとえばプラスチックフィルム等をもってガスバリア性、なかでも酸素バリア性を付与した場合には、ダイアフラムと、導出流路内の気体もしくは液体との接触面積を小さくできることと相俟って、ダイアフラムそれ自身のガスバリア性の下で、容器内の被包装液体の酸化等のおそれを一層効果的に取り除くことができる。
さらに、このガスバリア性に加えてまたは代えて、ダイアフラムに撥水性を付与した場合には、ダイアフラムのいずれのポート側の面に対しても液体の付着残留を防止して、ダイアフラムの外側へ流出した液体の円滑なる流下を担保するとともに、残留凝固物の注出液体の混入、容器内への落下等のおそれを有効に除去することができる。
なお、このような逆止弁の、容器への適用は、逆止弁に、入口ポートに連通する導出流路を有する先細り刺込み部を設け、この先細り刺込み部を、たとえば軟質包装袋からなる容器の、無延伸フィルム部分に刺込むことによって行うことができる他、逆止弁に、入口ポートに連通する導出流路を有する雌ねじ部を設け、この雌ねじ部を容器の雄ねじ部に螺合させることによって行うこともできる。
【0018】
ここで、先細り刺込み部を、単層のまたは積層構造の無延伸フィルム部分に刺込む前者によれば、逆止弁の刺込み部分が、無延伸フィルム部分の弾性復元力に基いて、気密かつ液密に保持されることになり、この場合の保持力は、逆止弁の不測の位置ずれを十分に阻止し得る大きさとなる。従って、容器内の被包装液体の繰返しの注出を行っても、逆止弁は所定の位置に確実に維持されることになる。
また、雌ねじ部を容器の雄ねじ部に螺合させる後者によれば、逆止弁取付部の気密性および液密性を一層高めるとともに、逆止弁保持力をもまた大きく高めることができる。
【0019】
ところで、雌ねじ部を螺合させる後者にあっては、たとえば雄ねじ部の開口面に融着、接着等させた密封シール材の開封を容易にするべく、雌ねじ部に、それの中心軸線から偏って位置する爪部を設けることが好ましく、これによれば、密封シール材の、手指による直接的な開封操作なしに雄ねじ部への雌ねじ部の螺合に際して、そのシール材を簡易に開封することができる。
ここで、爪部が鋭い刃縁を有するときは、切断分離された密封シール材の中央部分が容器内へ落下することになるので、爪部には刃縁を付与しないことが好ましく、これによれば、爪部によって開封される密封シール材は、それの開封に際して、密封シール材の展張力が消失した後は、切断も破断もされなくなって、破られたシール材は、いずれかの部分でシール材の残部に連続することになるので、切り取られた密封シール材部分が容器内へ落下することはなく、それによって、液体の注出が妨げられることもない。
【0020】
なお、逆止弁に、雌ねじ部と、先に述べた先細り刺込み部との両者を併設することもできる。この構成によれば、密封シール材を無延伸フィルムにて形成することで、容器の雄ねじ部への雌ねじ部の螺合に伴って、先細り刺込み部を密封シール材に刺し込むことができ、この場合には、気密性および液密性は、主には、先細り刺込み部への密封シール材の密着によって、また、逆止弁保持力は、主には、雌ねじ部の、雄ねじ部の螺合によって実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態を示す縦断面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う横断面図である。
図中1は逆止弁の全体を示し、2はそれの入口ポートを、3は出口ポートをそれぞれ示す。
ここでは、入口ポート2を形成した下側部材4に、その入口ポート2に連通する導出流路5を有する、先端部分がたとえば円錐状をなす先細り刺込み部6を設けるとともに、この下側部材4と、それに接合させる上側部材7とで出口ポート3を区画し、そして、それら両者間の中央空間8内に、好ましくは円形輪部形状を有する、可撓性にすぐれるダイアフラム9を入口ポート2と同心に配置する。このダイアフラム9は、上側部材7から中央空間内へ突出させて設けられて、入口ポート2の中心に対して、出口ポート3から遠去かる側に偏心して位置する当接突部10に押圧されて、下側部材4の、入口ポート2の周りに形成したバルブシート11に、それの全周にわたって接触される。
好ましくは、ガスバリア性および/または撥水性を付与したこのようなダイアフラム9の不測の位置ずれは、それを押圧する当接突部10に加え、下側部材4に設けられてバルブシート11の周りを取り囲む囲繞壁面12によって十分に阻止されることになる。
【0022】
ところで、ダイアフラム9は、図1に示すようなそれの常態の下で、周縁部分がバルブシート11に一定以上の面積にわたって接触し得る素材、たとえば、0.3〜2mm程度の厚さのシリコーンゴムその他の可撓性にすぐれるゴムもしくはエラストマを主体として構成することができ、また、ダイアフラム9へのガスバリア性の付与は、ゴムもしくはエラストマ基材、ポリエステル、ナイロン、アルミニウム、ガラス等の、たとえば7〜20μm程度の厚みを蒸着膜を設けること、または、それらのいずれかのフィルム、箔等を積層することによって実現することができる。
なおここで、ダイアフラム9の直径は、たとえば15〜20 mm程度とすることができ、この場合の、入口ポート中心と、当接突部中心との偏心距離は、5〜8mmとすることができる。
【0023】
このように構成してなる逆止弁1の、容器、なかでも、無延伸フィルム部分への適用は、たとえば先端を、尖りの鈍い曲面状とした先細り刺込み部6を、図3(a)に示すように、無延伸フィルム部分21に対して押込んで、その無延伸フィルム部分21を、それに固有の物性の下に、図3(b)に示すように大きく伸長変形させ、そして、刺込み部6のさらなる押込みによってそのフィルム部分21を図3(c)に示すように破断させて、その破断時に、導出流路5の先端開口5aの全体を破断フィルムの内側に位置させ、さらには、先細り刺込み部6を、図3(d)に示すように、容器内へ、所要の深さまで進入させることによって行うことができる。
逆止弁1をこのようにして適用した場合には、無延伸フィルム部分21の、破断穴径を小さくする方向の弾性復元力に基いて、先細り刺込み部6は、全周にわたってほぼ均等で、かつ十分大きな締付力によって、その無延伸フィルム部分21に保持されることになり、それらの両者間に高い気密性および液密性が確保されることになる。これがため、容器内の被包装液体の繰返しの注出に当っても、逆止弁1の位置ずれを十分に防止することができ、また、先細り刺込み部6と無延伸フィルム部分21との間からの、微生物等を含むことのある外気の、容器内への侵入、および、容器内の被包装液体の押出を確実に阻止することができる。
【0024】
図4は、他の実施形態を示す縦断面図であり、これは、逆止弁に、先細り刺込み部に代えて、入口ポート2に連通する導出流路5を有する雌ねじ部13を設けたものである。なお、図に示すところでは、雌ねじ部13内に、その中心軸線から偏心して位置する爪部14をも併せて設けている。
このような逆止弁1の、容器への適用は、容器22に設けた雄ねじ部23から図示しないキャップを取り外した後、その雄ねじ部23の開口に設けた密封シール材24を剥ぎ取って、または剥ぎ取ることなくそのままに、雌ねじ部13を雄ねじ部23に螺合させて締め込むことにより行うことができ、これによれば、逆止弁1の、気密にして強固な取り付けを実現することができる。ここで、密封シール材24を剥ぎ取ることなく雌ねじ部13を螺合させる後者の場合には、密封シール材24は、雌ねじ部13に偏心させて設けた爪部14によってほぼ円形状に開封されることになる。
なお、図示はしないが、図4に示すところから爪部14を省く一方で、雌ねじ部13の内側に、図1に示すような先細り刺込み部6を設けることもでき、これによれば、図4に示す密封シール材24を単層のまたは積層構造の無延伸フィルムによって形成することで、雌ねじ部13の雄ねじ部23への螺合に伴って、先細り刺込み部6を図3について述べたと同様にして密封シール材24に刺し込むことができ、この場合には、密封シール材24の、先細り刺込み部6への密着によって、それらの間の気密性および液密性が発揮されることになり、また、雌ねじ部13の、雄ねじ部23への螺合によって、逆止弁保持力が大きく高められることになる。
【0025】
以上のようにして容器に適用される逆止弁1において、入口ポート2および出口ポート3のそれぞれに作用する圧力等が実質的に等しいときは、当接突部10に押圧されるダイアフラム9は、図1に示すように、それに固有の物性の下で、バルブシート11に全周にわたって接触する常閉姿勢を維持して、入口ポート2と出口ポート3との連通を遮断する。
【0026】
これに対し、容器内の被包装液体の注出は、逆止弁1を、それの出口ポート3が下側となるように、容器とともに傾動させて、ダイアフラム9の下面側に被包装液体の重量を作用させることで、図5に示すように、そのダイアフラム9を、当接突部10を支点として開放変形させることにより行うことができ、この場合、被包装液体の、出口ポート3からの注出量は容器の傾動量をもって調節することができる。
【0027】
一方、被包装液体の注出の停止は、容器を起立姿勢に復帰させて、ダイアフラム9を液体重量の作用から開放することによって、そのダイアフラム9を、図1に示す常閉位置に復帰させることにより行うことができる。
なお、液体の注出のこのような停止に当っては、先にも述べたように、ダイアフラムの下面に達した被包装液体が容器内に戻流するに際して、入口ポート2の近傍部分を減圧雰囲気として、ダイアフラム9に、バルブシート11に密着する方向の力を作用させることおよび/または、容器を軟質の包装袋として、液体の注出に伴って、その注出量と対応する体積だけ圧潰変形するその包装袋の、固有の弾性復元力に基く包装袋内への減圧雰囲気の発生によって、ダイアフラム9に、バルブシート11に密着する方向の力を作用させることにより、ダイアフラム9のバルブシート11への接触をより迅速に、かつ確実に行わせることができ、これがため、液体の注出の停止に伴う、容器内への外気の侵入を効果的に防止することができる。
【0028】
そしてこのことは、被包装液体の注出の停止に際して、逆止弁1内に残留する注出液体をダイアフラム9の上面側に戻流させて、その在留液体の重量をもまた、ダイアフラム9の、バルブシート11への密着に寄与させた場合に一層効果的である。
【0029】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、とくには偏心配置した当接突部の作用下で、応答性にすぐれる、小型化が可能な逆止弁をもたらすことができる。またここでは、逆止弁の閉止状態の下で、容器内の被包装液体を一層効果的に保護することができる他、被包装液体の注出の停止に伴う、容器内への外気の侵入を確実に防止することができ、併せて、ダイアフラムの外側へ一旦流出した液体の、容器内への再流入を十分に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う横断面図である。
【図3】先細り刺込み部の作用を示す縦断面図である。
【図4】他の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】被包装液体の注出状態を示す縦断面図である。
【図6】従来技術を示す断面図である。
【図7】従来技術の逆止弁の、液体注出状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 逆止弁
2 入口ポート
3 出口ポート
4 下側部材
5 導出流路
5a 先端開口
6 先細り刺込み部
7 上側部材
8 中央空間
9 ダイアフラム
10 当接突部
11 バルブシート
12 囲繞壁面
13 雌ねじ部
14 爪部
Claims (8)
- 入口ポートと出口ポートとの間に、入口ポートの開閉を司る可撓性のダイアフラムを配設するとともに、このダイアフラムを、入口ポートの周りのバルブシートに、それの全周にわたって接触させる当接突部を設けてなる逆止弁であって、
当接突部を、相互に同心配置した入口ポートおよびダイアフラムに対して、偏心させてダイアフラムに当接させてなる逆止弁。 - ダイアフラムの平面輪郭形状を円形としてなる請求項1に記載の逆止弁。
- ダイアフラムにガスバリア性をもたせてなる請求項1もしくは2に記載の逆止弁。
- ダイアフラムに撥水性をもたせてなる請求項1〜3のいずれかに記載の逆止弁。
- 入口ポートに連通する導出流路を有する先細り刺込み部を設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の逆止弁。
- 入口ポートに連通する導出流路を有する雌ねじ部を設けてなる請求項1〜4のいずれかに記載の逆止弁。
- 雌ねじ部に、それの中心軸線から偏って位置する爪部を設けてなる請求項6に記載の逆止弁。
- 雌ねじ部の中心軸線上に、導出流路を有する先細り刺込み部を設けてなる請求項6に記載の逆止弁。
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2003
- 2003-01-23 JP JP2003014616A patent/JP2004225812A/ja active Pending
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