JP2004222979A - 遊技媒体貸出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技媒体貸出装置を通常どおり使用しながら遊技を行う間に有価価値の有効期限を更新して、客サービスを向上する。
【解決手段】台間機1において、カード処理機14が有効期限のある度数データが書き込まれた会員カードを受け付けると、液晶パネル15にその有効期限が表示される。また、装置内部の制御部は、この会員カードに対し、新たな度数データを付与する処理、または度数データを用いた球貸処理が行われたことに応じて、有効期限を更新する。
【選択図】 図2
【解決手段】台間機1において、カード処理機14が有効期限のある度数データが書き込まれた会員カードを受け付けると、液晶パネル15にその有効期限が表示される。また、装置内部の制御部は、この会員カードに対し、新たな度数データを付与する処理、または度数データを用いた球貸処理が行われたことに応じて、有効期限を更新する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技場において、所定の記憶媒体を受け付け、その記憶媒体に付与された有価価値を用いて、パチンコ球や遊技用メダルのような遊技媒体を貸し出すための処理を実行する遊技媒体貸出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパチンコホールでは、カード状の記憶媒体(以下、単に「カード」という。)を利用した球貸システムが導入されている。この球貸システムは、各パチンコ機の隣に「台間機」または「カードユニット」と称される遊技媒体貸出装置を配置し、隣接するパチンコ機と遊技媒体貸出装置とを電気接続した構成のものである。遊技媒体貸出装置は、所定数以上の度数が書き込まれたカードを受け付けたときに、貸出処理が可能な状態となり、この貸出可能状態下で遊技者の貸出操作が行われると、隣接のパチンコ機に貸出用のパチンコ球の払出を指示する信号(以下、これを「貸出指示信号」という。)を送信する。パチンコ機は、この球貸指示信号に応じて内部のパチンコ球の払出機構を駆動させ、受け皿に貸出用のパチンコ球を放出する。
【0003】
この種の球貸システムには、下記特許文献1に開示されているように、カードの度数データに有効期限を設定したものがある。
【0004】
【特許文献1】
特許3011272号 公報 (第4頁、第1図、第2図 参照。)
【0005】
さらに、近年の球貸システムでは、遊技媒体貸出装置に貨幣の受付機能を持たせ、受け付けた貨幣の金額価値に応じた度数をカードに追加できるようにしたものがある。また、カードを専用の更新機に挿入することにより、そのカードの度数データに設定された有効期限を延長できるようにしたシステムも提案されている。このように有効期限が延長されるので、度数を追加する際にも、遊技者は安心して高額貨幣を使用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホールに入るとすぐに遊技を開始したい遊技客や、遊技に没頭して台から離れたくない遊技客にとって、有効期限の確認や延長処理のために、専用の更新機を利用するのは煩わしい限りである。特に、開店時、閉店時、ホールが混雑しているときなどに、更新機を使用するために並ばなければならない状態になると、遊技客を苛立たせるおそれがある。
【0007】
この発明は上記問題に着目してなされたもので、遊技媒体貸出装置を通常どおり使用しながら遊技を行う間に有価価値の更新処理が行われるようにすることにより、遊技客にとっての利便性を高め、客サービスを向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる遊技媒体貸出装置は、遊技機の近傍に配備され、有価価値が付与された記憶媒体を受け付けて、その有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技媒体を貸し出す処理を実行することが可能であって、有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体を受け付けたとき、この記憶媒体に所定の処理を実行すること、または所定の処理が実行されたことを条件として、前記有効期限を更新する有効期限更新手段を具備する。
【0009】
この遊技媒体貸出装置は、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機に一台ごとに割り当てられるもので、割り当てられた遊技機に電気的に接続されるのが望ましい。この遊技媒体貸出装置において受け付ける記憶媒体は、磁気カード、ICカードのようなカードのほか、メモリスティック、円盤状のICチップなど、カード状でない媒体としてもよい。
【0010】
前記記憶媒体を「受け付ける」ためには、必ずしもその記憶媒体を機体に挿入するなど、機体内部に媒体を取り込む処理が必要となる訳ではなく、何らかの方法で記憶媒体に対する情報の読み書きが可能に構成されていればよい。たとえば、非接触型の記憶媒体としてICカードを使用する場合には、機体の前方位置などにカードホルダを設けるとともに、このホルダに対応する位置に送受信用のアンテナを設けることにより、前記カードホルダにカードがセットされたことによって、カードを受け付けることが可能となる。また、カードホルダがなくとも、遊技客にカードの提示を要求する報知を行い、この報知に対して遊技客がかざしたカードとの通信により、情報を読み書きすることが可能である。
【0011】
前記記憶媒体への有価価値の付与は、その記憶媒体に所定金額分の有価価値データを書き込む処理により行うことができる。ただし、遊技場内に、場内で使用される記憶媒体を一元管理する管理装置を配備し、この発明にかかる遊技媒体貸出装置と前記管理装置との間で通信を行うのであれば、記憶媒体に有価価値データを記憶させなくとも、その記憶媒体の識別情報を書き込み、管理装置側に、前記識別情報と有価価値データとを対応づけて登録することによって、有価価値が付与された状態とすることができる。後者の場合には、記憶媒体を受け付けたとき、その記憶媒体の識別情報を管理装置に送信して有価価値の返送を受けることによって、有価価値を用いた遊技媒体の貸出処理を実行することが可能となる。また、貸出処理に伴って有価価値を更新する処理も、同様に管理装置との通信により行うことができる。
【0012】
なお、有価価値に有効期限を設定する処理についても、有価価値と同様に、記憶媒体に書き込む方法、管理装置側に登録する方法のいずれかにより行うことが可能である。また、記憶媒体や管理装置に記憶させる有価価値データは、金額そのものでも良いが、これに代えて、所定大きさの度数データを設定することもできる。
【0013】
前記有価価値や有効期限などのデータは、前記したように、少なくとも、記憶媒体または管理装置のいずれかに記憶させれば良いが、記憶媒体および管理装置にともに記憶させるのが望ましい。このようにすれば、受け付けた記憶媒体に書き込まれたデータを管理装置に記憶されたデータと照合し、この照合処理により記憶媒体が適正と判断されたときに、その有価価値を用いた遊技媒体の貸出処理が可能となるように設定でき、偽データの使用を防止することができる。
【0014】
遊技機に遊技媒体の貸出を行わせる処理では、遊技機に前記した貸出指示信号を送信するように構成するのが望ましい。貸出指示信号を受けた遊技機は、たとえばパチンコ機であれば、所定数のパチンコ球を前面の受け皿に払い出す。また、遊技機がスロットマシンであれば、実物のメダルを払い出すか、機体内の貯留メダルを貸出数分だけ加算する処理を実行する。
【0015】
また、この発明にかかる遊技媒体貸出装置は、遊技機の近傍に配備され、記憶媒体を受け付けて、この記憶媒体に所定の有価価値を付与する処理、および受け付けた記憶媒体に付与されている有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技機を貸し出す処理を実行させることが可能な装置に、前記と同様の有効期限更新手段を具備させたものとすることもできる。
【0016】
上記構成の遊技媒体貸出装置において、受け付けた記憶媒体に有価価値を付与する処理は、貨幣またはその代替物(金券など、所定の有価価値が付与されたもの)を受け付けることに応じて行うのが望ましい。ただし、近傍の遊技機が、スロットマシンのように、電子データとして貯留した遊技媒体を用いてゲームを実行するものである場合には、前記貯留された遊技媒体を精算する際に、その精算される遊技媒体の数に応じた有価価値を付与することもできる。
【0017】
上記した2とおりの構成にかかる遊技媒体貸出装置によれば、有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体(このときの有価価値はゼロでもよい。)を受け付けたとき、この記憶媒体に何らかの処理を実行する前または後に、有価価値に設定された有効期限を更新することができる。よって、遊技客は、遊技のために記憶媒体を使用すれば、自動的に有効期限を更新することができ、専用機を使用するような煩わしさを感じることなく、たやすく更新処理を行うことができる。また、専用機を使用する場合のような待ち時間もなくなるから、遊技者にとっての利便性を大いに高めることができる。
【0018】
なお、ここでいう有効期限の更新処理では、更新の都度、有効期限が延長されるようにしてもよいが、これに限らず、所定の時間単位で設定した有効期限により前の有効期限を書き換える処理としてもよい。後者の場合、実質的に有効期限が変わらない場合もある。たとえば、「処理日から1週間」という有効期限を設定する場合、同日の処理であれば、何度更新処理が行われても、有効期限は変化しないことになる。勿論、このような場合には、更新の前に、有効期限が延長されるかどうかをチェックし、延長されるときのみ、更新処理を行うようにしてもよい。
【0019】
つぎに、好ましい態様にかかる遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けた記憶媒体の適否を判断する処理が行われたとき、この記憶媒体が適正と判断されたことを条件として、前記有効期限の更新を行う。記憶媒体の適否は、その記憶媒体に付与された有価価値の適否を照合する処理とするのが望ましい。また、このような照合処理のために、この態様にかかる遊技媒体貸出装置には、前記した管理装置など、有価価値を登録する外部装置との通信を行うための手段を具備させるのが望ましい。
【0020】
上記態様によれば、適正と判断された記憶媒体に対してのみ、有効期限の更新処理を行うので、偽の記憶媒体や、データを改ざんするなどの不正処理が行われた記憶媒体に対する更新処理を回避することが可能となる。
【0021】
また、他の好ましい態様にかかる遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う。たとえば、遊技媒体の貸出処理のために有価価値を減算する処理を行うときや、貨幣を受け付けたことに応じて有価価値を加算する処理を行うときに、これらの処理とともに、または、これらの処理が完了したことを確認してから、有効期限を更新することができる。または、貸出のための操作が行われたとき、貨幣が投入されたときなど、有価価値を更新する条件が成立したときに、有価価値の更新に先立ち、有効期限を更新するようにしてもよい。
【0022】
上記の態様によれば、遊技客が記憶媒体を実際に使用する行為によって有効期限が更新されるので、遊技場の経営者や記憶媒体の管理者にとっても、利にかなった形で更新処理を行うことができる。
【0023】
他の好ましい態様の遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体を返却する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う。このようにすれば、実質的に記憶媒体が使用されなくとも、この記憶媒体を受け付けるだけで有効期限が更新されることになり、客サービスを向上させることができる。
【0024】
他の好ましい態様の遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体が返却されるとき、この記憶媒体を受け付けている間にその有価価値を更新する処理が行われたことを条件として、前記有効期限の更新を行う。この態様によれば、実際に記憶媒体を使用する行為によって有効期限が更新されるので、遊技場の経営者や記憶媒体の管理者にとっても、利にかなった形で更新処理を行うことができる。しかも、記憶媒体の使用が終了し、媒体を返却する時点で、最終的に有効期限が更新されるので、有価価値の更新処理が複数回行われても、有効期限を更新する処理を一度で済ませることができる。
【0025】
さらに、この発明にかかる遊技媒体貸出装置には、有効期限のある有価価値データが記憶された記憶媒体を受け付けたとき、その有効期限を表示する有効期限表示手段を具備させることができる。このようにすれば、遊技客が最初に記憶媒体を提示したときに、表示によりその有価価値を確認することができるから、自身の使用する台において、有効期限を容易に確認することができる。
【0026】
また、前記有効期限表示手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理が行われたとき、その処理に応じて前記有効期限の表示を更新することができる。このようにすれば、記憶媒体の受付時に限らず、有効期限が更新された後にも、更新された期限を表示することが可能となり、遊技者は、正確な有効期限を認識することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかる球貸システムの構成を示す。
この球貸システムは、パチンコホールA(以下、単に「ホールA」という。)において、有価価値が書き込まれたカードによりパチンコ球の貸出処理(以下、「球貸処理」という。)を行うためのもので、ホールA内の各パチンコ機2に隣接させて配備された複数の台間機1,カード発行装置3,精算処理装置4,場内管理装置5,ならびにホールA外のシステム管理者Bが保有する場外管理装置6などにより構成される。なお、場外管理装置6は、同様の構成の複数の球貸システムに共通に用いることができる。
【0028】
ホールA内の各台間機1,カード発行装置3,精算処理装置4,場内管理装置5は、双方向性の通信回線10を介して相互に通信可能に接続される。なお、各台間機1は、遊技島8毎に配備された中継装置7を介して前記通信回線10に接続される。
場内管理装置5,場外管理装置6は、たとえばデスクトップ型のコンピュータであり、特に場外管理装置6は、複数のホールに対する情報処理が可能な性能を持つコンピュータにより構成される。これらの管理装置は、ISDNのような電話通信回線9を介して相互に通信可能に配備される。
【0029】
このホールAでは、会員登録をした遊技者に、球貸システム利用のための会員カードを発行するようにしている。この会員カードは、遊技者に固有に付与されたID番号を記憶させたICカードであって、所定の手続きを完了した会員に対して、システム管理者BまたはホールAから、たとえば郵送により配布される。なお、この会員カードには、初期設定時に、ゼロまたは所定金額分の度数データが設定される。
【0030】
さらに、このホールAでは、会員以外の遊技客も球貸システムを利用できるように、一般カードを発行するようにしている。前記カード発行装置3は、この一般カードの発行を行う装置であり、所定額の保証金を含む貨幣の投入を受け付けて、前記会員カードと同一規格のICカードを発行する。
【0031】
なお、この一般カードには、前記投入貨幣の金額から保証金を差し引いた額に対応する度数データが書き込まれる。また、この一般カードには、所定日数分の期間に限定して使用できるように設定されている。保証金は、カードの回収率を高める目的によるもので、使用後の一般カードを回収した際に返金される。また、使用期限を限定するのは、一般カードの発行数が膨大になって、各カードのデータを管理する負担が大きくなるのを防止するためである。
【0032】
以下では、前記会員カードおよび一般カードの双方を含めて「カード」という。この実施例では、これらカードに書き込まれた情報(以下、「カードデータ」という。)を、場内管理装置5に登録して管理するようにしている。
【0033】
各台間機1は、隣接のパチンコ機2に電気接続されるとともに、カードを受け付けてそのカードデータを読み書きするカード処理機や、紙幣処理機を具備する。台間機1は、カード処理機がカードを受け付けた状態で、紙幣処理機が紙幣を受け付けたとき、前記カードに紙幣の金額価値に応じた度数データを付与する。また、カードを受け付けた状態で遊技者の貸出操作を受けると、前記カードの度数データを消費して、その消費数分のパチンコ球を貸し出す球貸処理を実行する。なお、この球貸処理は、後記するように、隣接のパチンコ機2との通信により、パチンコ機2側でパチンコ球を払い出す方法により行われる。
【0034】
精算処理装置4は、台間機1と同様のカード処理機を具備し、前記カードを受け付けると、そのカードの残度数に応じた額の貨幣を払い出す。なお、一般カードを受け付けた場合には、精算処理装置4は、前記精算のための貨幣に加えて、保証金の額に応じた貨幣の払出を行う。
【0035】
なお、上記構成において、台間機1、精算処理装置4は、カードを受け付けると、場内管理装置5と通信を行って、受け付けたカードのカードデータを照合し、カードデータが適正であることを確認してから、そのカードに対する処理を進めるようにしている。また、処理の過程で、カードデータの書き換えを行う際にも、場内管理装置5と通信を行い、該当するカードの登録情報の書き換え処理を行うようにしている。また、カード発行装置3がカード発行処理を行う際にも、同様に場内管理装置5との通信を行って、発行するカードに書き込んだカード情報を登録するようにしている。
【0036】
場内管理装置5は、各装置との通信により、ホールA内を流通するカードのカードデータを登録して管理するとともに、閉店時などの所定の時刻に、これら登録されたカードデータを用いて、各会員のカード利用状況を示すデータを作成したり、ホールAにおけるカードの利用数、球貸処理に使用された度数の総額、精算処理装置4における精算金の総額などを集計する。これらの集計データは、場外管理装置6に送信され、ホールAのシステム利用料金を決定するための指標などとして使用される。
【0037】
なお、この明細書では、台間機1以外の装置については、詳細な構成や処理の内容の説明を省略するが、いずれの装置も、上記した各処理を実行するためのプログラムが組み込まれたコンピュータを制御主体とするものである。
【0038】
また、この実施例の球貸システムは、場内管理装置5によりカードデータを集中管理するタイプのものであるが、これに限らず、台間機1やカード発行装置3において、自装置で処理したカードのカードデータを保存する分散管理型のシステムとしてもよい。この場合、いずれの装置でも、他の装置に登録されたカードを受け付けた際には、管理元の装置との通信によりカードデータの登録情報の転送を受けてから、処理を行うことになる。
【0039】
この実施例の球貸システムで使用される会員カードには、前記度数データのほか、カードの識別番号や有効期限などが書き込まれる。有効期限は、前記度数データを使用しての球貸処理が可能な期間を示すものであり、この実施例では、初期値として、カード発行日から2週間の有効期限を設定している。ただし、後記するように、台間機1において、新たな度数データを付与したり、球貸処理が行われると、新たに、その処理日から2週間の有効期限が設定され、この有効期限により前の有効期限が更新されるようになっている。したがって、遊技客は、度数データを残したまま遊技を終えた場合でも、有効期限が経過するまでの間に再来店して会員カードを使用すれば、有効期限を延長することができる。
【0040】
図2は、前記台間機1とパチンコ機2との具体的な外観を示す。パチンコ機2の機体の前面には、遊技盤21,球発射用の操作ハンドル22,貸出用,入賞用の各パチンコ球の払出口23,24,およびこれら払出口23,24からのパチンコ球を受ける受け皿25,26などが配備される。さらに貸出用のパチンコ球の受け皿25の前面には、残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104が配備される。
【0041】
一方、台間機1の機体前面には、紙幣受付口11、カード受付口12、液晶パネル15、状態表示ランプ16,17などが設けられる。この実施例では、紙幣受付口11において、千円札、五千円札、一万円札を受け付けるようにしており、機体内部の紙幣受付口11に対応する位置には、挿入された紙幣を識別して機体の背後に設けられた紙幣回収路(図示せず。)に導くための紙幣処理機13が組み込まれる。なお、紙幣回収路は、前記遊技島8の幅方向に沿って設けられており、島内の各台間機1で受け付けた紙幣を回収して図示しない金庫(図示せず。)に搬送する。
【0042】
機体内のカード受付口12に対応する位置には、ICカード用のカード処理機14が配備される。この実施例のカード処理機14は、非接触通信によってカードに対する情報の読み書きを行うもので、通信用のアンテナコイルや、挿入されたカードを検知するカード検知センサ、挿入されたカードをバネの付勢力によって保持するカード保持機構などが設けられる。なお、後記するように、前記返却スイッチ104が操作されたり、不適正なカードが挿入されたときは、このカード把持機構のバネの付勢が解除されて、カードがカード受付口12に返却される。
【0043】
前記状態表示ランプ16,17は、それぞれ紙幣受付口11、カード受付口12の上方位置に配備される。これらのランプ16,17は、多色発光型のLEDを内蔵して成るもので、たとえば、状態表示ランプ16は、紙幣を受け付け可能なときは緑色を点灯し、受け付けられない状態の時は赤色を点灯する。状態表示ランプ17も、同様に、赤や緑の点灯によって、カードの受付の可否を示す。
【0044】
前記液晶パネル15は、前記カードの度数データに設定された有効期限を表示する目的に使用される。この表示は、たとえば、有効期限までの残り日数を示す数字を表示する方法で行われるもので、カード処理機14がカードを受け付けて、そのカードデータを読み取ったきに表示され、以後も、有効期限の更新に連動して、表示が更新される。なお、カード処理機14がカードを受け付けていないときや、長時間、カードに対する処理が行われていないときには、液晶パネル15には、適宜、遊技客に対する案内情報などを表示することができる。
【0045】
前記パチンコ機2側の残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104は、いずれも、電気的には台間機1側の制御部に接続される。残度数表示器101は、貸出可能状態下において、制御部の保持する有価価値に応じた度数を表示するためのものである。貸出スイッチ103は、遊技媒体の貸出を指示するスイッチであり、返却スイッチ104は、前記カード処理機14に挿入されたカードを返却するためのスイッチである。
【0046】
貸出可表示ランプ102は、カード処理機14がカードを受け付けて、球貸処理が可能な状態にあるときに点灯するように設定されている。前記貸出スイッチ103の操作は、この貸出可表示ランプ102が点灯しているときのみ有効化される。
【0047】
図3は、前記台間機1の電気構成を示す。図中の105は、制御部であって、制御主体であるCPU106に、ROM107、RAM108の各メモリが接続されて成る。CPU106には、バス109を介して、前記した紙幣処理機13、カード処理機14、液晶パネル15、状態表示ランプ16,17、残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104などが接続される。さらにCPU106には、前記場内管理装置5と通信を行うための通信インターフェース回路110や、前記パチンコ機2との各種制御信号を中継するためのインターフェース回路111(図中、「遊技機用インターフェース回路111」と示す。)が接続される。
【0048】
前記紙幣処理機13には、紙幣の挿入を検知するためのセンサ、挿入された紙幣を照合するための紙幣識別器、紙幣を取り込んで前記紙幣回収路に導くための紙幣搬送機構などが組み込まれる。またカード処理機14には、前記したアンテナコイルを含む送受信回路や、カード保持機構、カード検知センサなどが組み込まれる。
また、ここでは、前記パチンコ機2側に設けられる残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104の接続状態を簡易化して示しているが、実際には、これらの表示器やスイッチは、パチンコ機2内の図示しない中継基板および前記遊技機用インターフェース111を介して前記バス109に接続される。
【0049】
上記構成において、カード処理機14が適正なカードを受け付けると、制御部105は、このカードに新たな度数データを付与する処理および球貸処理を実行することが可能な状態となる。度数データを付与する処理は、紙幣処理機13が適正な紙幣を受け付けたことにより開始されるもので、受け付けた紙幣の金額価値に応じて所定の度数を設定する処理(たとえば、100円を1度数として、受け付けた金額を度数に換算する。)と、その設定度数をカードの現在の度数データに加算する処理とを含む。
【0050】
また、球貸処理は、貸出スイッチ103の操作に応じて開始されるもので、パチンコ機2に貸出指示信号を送信する処理と、受け付けているカードの度数データを差し引く処理とを含む。なお、貸出指示信号は、1パルスが1度数に相当するパルス信号であり、カードから差し引く度数に応じた回数分の貸出指示信号が順次送出される。パチンコ機2では、貸出指示信号を受ける都度、所定数(たとえば5枚)のパチンコ球を払い出すとともに、払出完了に応じて台間機1側に応答信号を返送するようにしている。CPU106は、パチンコ機2からの応答信号を確認しながら、前記差し引き度数分の貸出指示信号を順に送信することになる。
【0051】
図4は、上記台間機1における一連の制御手順を示すもので、以下、この図4の流れに沿って、カードに度数データを付与する処理、および球貸処理の詳細を説明する。なお、この図4では、一般カードに対する処理手順は省略して、会員カードを対象とする手順のみを示す。ただし、一般カードについても、使用期限をチェックする処理が必要となる点と、有効期限を更新する処理が不要となる点とを除けば、会員カードに対するのと同様の手順で処理を進めることができる。また、一般カードの度数データについても、会員カードと同様に、有効期限を更新できるようにしてもよい。
【0052】
この実施例の手順は、CPU106を主体として行われるもので、カード受付口12にカードが挿入されることを条件として開始される(以下の説明および図4では、各ステップは「ST」として示す。)。カードが挿入されると、ST1が「YES」となり、つぎのST2において、このカードに記憶されたカードデータを読み取る処理を実行する。なお、このST2には、前記場内管理装置5との通信により、読み取ったカードデータを照合する処理が含まれる。また、ここには図示しないが、前記照合の結果、不適正と判断されたカードは、カード受付口12に返却される。
【0053】
ST2で読み取られたカードデータは、RAM108内に一時保存される。つぎのST3では、このカードデータに基づき、液晶パネル15に有効期限を表示するとともに、前記残度数表示器101に現在の度数データを表示する。ここで、有効期限が切れている場合には、ST4が「YES」となってST18に進み、前記カードをカード受付口12に返却する。
【0054】
カードの有効期限が切れていない場合には、ST5,10,17のループを実行しながら待機する。ここで、紙幣処理機13が適正な紙幣を受け付けると、ST5が「YES」となってST6に進み、この紙幣の金額価値に応じた度数を前記RAM108内の度数データに加算する。さらに、つぎのST7では、新しい有効期限を設定し、この有効期限によりRAM108内の有効期限を更新する処理を実行する。
【0055】
このようにして、RAM108内の度数データおよび有効期限が更新されると、ST8では、更新された度数データ、有効期限をカード処理機14に与えて、受付中のカードの度数データおよび有効期限を書き換える。なお、このST8では、場内管理装置5との通信により、前記カードの登録情報を書き換える処理も実行される。
【0056】
カードデータの更新処理が完了すると、つぎのST9では、液晶パネル15の有効期限、および残度数表示器101の度数データを、それぞれ新しい情報に更新する。
【0057】
一方、カードを受け付けた後に貸出スイッチ103が操作された場合には、ST10が「YES」となってST11に進む。この場合、現在の度数データがゼロであれば、ST11が「YES」となってST5に戻り、貸出スイッチ103の操作はキャンセルされる。
【0058】
現在の度数データがゼロより大きい場合には、ST12に進み、パチンコ機2に対し、前記貸出指示信号の送信処理を行う。なお、この実施例では、1回の球貸処理において、カードの残度数に関係なく一律の度数を引き落とすようにしており、パチンコ機2からの応答信号により、1度毎にパチンコ球の貸出完了を確認しつつ、差し引き度数分の貸出指示信号を順に送信している。
【0059】
設定回数分の貸出指示信号の送信が終了すると、ST13に進み、前記RAM108内の度数データから前記貸出指示信号の送信回数に応じた度数を差し引く処理を実行する。この差し引き処理後の度数がゼロでなければ、ST14が「NO」となってST7に進む。よって、以下は、度数データの付与処理を行ったときと同様に、ST7で新たな有効期限が設定された後、ST8においてこの有効期限および差し引き処理後の度数データにより、カードデータの書き換えが行われる。さらにこの書き換えに応じて、ST9では、液晶パネル15および残度数表示器101の表示が更新される。
【0060】
差し引き処理後の度数データがゼロである場合には、ST14からST15に進み、カードに記憶されたカードデータのうち、度数データのみを書き換える。なお、このST15でも、前記ST8と同様に、場内管理装置5に更新した度数データを送信して登録情報を更新する処理が実行される。
さらにST16では、前記残度数表示器101の表示をゼロに更新した後、ST5に戻る。よって、カードの残度数がゼロとなっても、つぎに紙幣を挿入することによって、前記カードに新たな度数データを付与することができる。
【0061】
なお、カードを受け付けている状態下で返却スイッチ104が操作されると、ST5,ST10がともに「NO」、ST17が「YES」となってST18に進み、前記カードをカード受付口12に返却した後、処理を終了する。
【0062】
また、上記の手順では、カードを受け付けた直後に有効期限の表示を行い、さらにこの表示を、カード側の有効期限の書き換え処理に合わせて更新するようにしているが、有効期限の表示は、カードを受け付けたときのみにとどめ、所定時間後に、液晶パネル15の表示を他の情報表示に切り換えるようにしてもよい。
【0063】
上記の手順によれば、カードを受け付けた後は、このカードが返却されない限り、度数データの付与や球貸処理を、何度でも実行することができる。ただし、度数データの付与については、所定の上限値を設け、つぎに度数データを付与すると上限値を越えてしまう場合には、処理を中止して紙幣を返却するのが望ましい。
【0064】
また、この実施例では、処理日を起点として、日数単位で有効期限を設定しているので、上記のように受け付けたカードに複数回の処理が行われて、その都度、有効期限が更新されても、実質的な有効期限は変化しない。よって、有効期限の更新処理は、最初の1回のみとし、以後は、度数データの書き換え処理のみを行うようにしてもよい。
【0065】
または、度数データを付加したり、球貸処理を行った直後には、有効期限の更新処理を行わないようにし、代わりに、度数データの付与処理や球貸処理を行う毎に、その処理回数を計数し、返却スイッチ104の操作によってカードを返却する際に、処理回数がゼロより大きいことを条件として、有効期限を更新するようにしてもよい。
【0066】
さらに、この実施例では、有効期限を一定の単位に設定しているが、これに限らず、たとえば、有価価値を付与する際には、付与される有価価値が大きいほど有効期限が長くなるようにしてもよい。また、上記のように、台間機1での処理回数を計数して返却時に有効期限を更新する場合には、処理回数に応じて有効期限を変動させるようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
この発明によれば、遊技媒体貸出装置を通常どおり使用しながら遊技を行う間に記憶媒体に付与された有価価値の有効期限を更新することができるので、遊技客は、煩雑さを感じることなく、簡単に有効期限の更新を享受することができる。また、専用機を使用する場合のような待ち時間もなくなるから、遊技者にとっての利便性を高めることができ、客サービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された球貸システムの構成を示す図である。
【図2】パチンコ機と台間機との外観を示す正面図である。
【図3】台間機の電気構成を示すブロック図である。
【図4】台間機における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 台間機
2 パチンコ機
11 紙幣受付口
12 紙幣処理機
13 カード受付口
14 カード処理機
15 液晶パネル
106 CPU
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技場において、所定の記憶媒体を受け付け、その記憶媒体に付与された有価価値を用いて、パチンコ球や遊技用メダルのような遊技媒体を貸し出すための処理を実行する遊技媒体貸出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパチンコホールでは、カード状の記憶媒体(以下、単に「カード」という。)を利用した球貸システムが導入されている。この球貸システムは、各パチンコ機の隣に「台間機」または「カードユニット」と称される遊技媒体貸出装置を配置し、隣接するパチンコ機と遊技媒体貸出装置とを電気接続した構成のものである。遊技媒体貸出装置は、所定数以上の度数が書き込まれたカードを受け付けたときに、貸出処理が可能な状態となり、この貸出可能状態下で遊技者の貸出操作が行われると、隣接のパチンコ機に貸出用のパチンコ球の払出を指示する信号(以下、これを「貸出指示信号」という。)を送信する。パチンコ機は、この球貸指示信号に応じて内部のパチンコ球の払出機構を駆動させ、受け皿に貸出用のパチンコ球を放出する。
【0003】
この種の球貸システムには、下記特許文献1に開示されているように、カードの度数データに有効期限を設定したものがある。
【0004】
【特許文献1】
特許3011272号 公報 (第4頁、第1図、第2図 参照。)
【0005】
さらに、近年の球貸システムでは、遊技媒体貸出装置に貨幣の受付機能を持たせ、受け付けた貨幣の金額価値に応じた度数をカードに追加できるようにしたものがある。また、カードを専用の更新機に挿入することにより、そのカードの度数データに設定された有効期限を延長できるようにしたシステムも提案されている。このように有効期限が延長されるので、度数を追加する際にも、遊技者は安心して高額貨幣を使用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ホールに入るとすぐに遊技を開始したい遊技客や、遊技に没頭して台から離れたくない遊技客にとって、有効期限の確認や延長処理のために、専用の更新機を利用するのは煩わしい限りである。特に、開店時、閉店時、ホールが混雑しているときなどに、更新機を使用するために並ばなければならない状態になると、遊技客を苛立たせるおそれがある。
【0007】
この発明は上記問題に着目してなされたもので、遊技媒体貸出装置を通常どおり使用しながら遊技を行う間に有価価値の更新処理が行われるようにすることにより、遊技客にとっての利便性を高め、客サービスを向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる遊技媒体貸出装置は、遊技機の近傍に配備され、有価価値が付与された記憶媒体を受け付けて、その有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技媒体を貸し出す処理を実行することが可能であって、有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体を受け付けたとき、この記憶媒体に所定の処理を実行すること、または所定の処理が実行されたことを条件として、前記有効期限を更新する有効期限更新手段を具備する。
【0009】
この遊技媒体貸出装置は、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機に一台ごとに割り当てられるもので、割り当てられた遊技機に電気的に接続されるのが望ましい。この遊技媒体貸出装置において受け付ける記憶媒体は、磁気カード、ICカードのようなカードのほか、メモリスティック、円盤状のICチップなど、カード状でない媒体としてもよい。
【0010】
前記記憶媒体を「受け付ける」ためには、必ずしもその記憶媒体を機体に挿入するなど、機体内部に媒体を取り込む処理が必要となる訳ではなく、何らかの方法で記憶媒体に対する情報の読み書きが可能に構成されていればよい。たとえば、非接触型の記憶媒体としてICカードを使用する場合には、機体の前方位置などにカードホルダを設けるとともに、このホルダに対応する位置に送受信用のアンテナを設けることにより、前記カードホルダにカードがセットされたことによって、カードを受け付けることが可能となる。また、カードホルダがなくとも、遊技客にカードの提示を要求する報知を行い、この報知に対して遊技客がかざしたカードとの通信により、情報を読み書きすることが可能である。
【0011】
前記記憶媒体への有価価値の付与は、その記憶媒体に所定金額分の有価価値データを書き込む処理により行うことができる。ただし、遊技場内に、場内で使用される記憶媒体を一元管理する管理装置を配備し、この発明にかかる遊技媒体貸出装置と前記管理装置との間で通信を行うのであれば、記憶媒体に有価価値データを記憶させなくとも、その記憶媒体の識別情報を書き込み、管理装置側に、前記識別情報と有価価値データとを対応づけて登録することによって、有価価値が付与された状態とすることができる。後者の場合には、記憶媒体を受け付けたとき、その記憶媒体の識別情報を管理装置に送信して有価価値の返送を受けることによって、有価価値を用いた遊技媒体の貸出処理を実行することが可能となる。また、貸出処理に伴って有価価値を更新する処理も、同様に管理装置との通信により行うことができる。
【0012】
なお、有価価値に有効期限を設定する処理についても、有価価値と同様に、記憶媒体に書き込む方法、管理装置側に登録する方法のいずれかにより行うことが可能である。また、記憶媒体や管理装置に記憶させる有価価値データは、金額そのものでも良いが、これに代えて、所定大きさの度数データを設定することもできる。
【0013】
前記有価価値や有効期限などのデータは、前記したように、少なくとも、記憶媒体または管理装置のいずれかに記憶させれば良いが、記憶媒体および管理装置にともに記憶させるのが望ましい。このようにすれば、受け付けた記憶媒体に書き込まれたデータを管理装置に記憶されたデータと照合し、この照合処理により記憶媒体が適正と判断されたときに、その有価価値を用いた遊技媒体の貸出処理が可能となるように設定でき、偽データの使用を防止することができる。
【0014】
遊技機に遊技媒体の貸出を行わせる処理では、遊技機に前記した貸出指示信号を送信するように構成するのが望ましい。貸出指示信号を受けた遊技機は、たとえばパチンコ機であれば、所定数のパチンコ球を前面の受け皿に払い出す。また、遊技機がスロットマシンであれば、実物のメダルを払い出すか、機体内の貯留メダルを貸出数分だけ加算する処理を実行する。
【0015】
また、この発明にかかる遊技媒体貸出装置は、遊技機の近傍に配備され、記憶媒体を受け付けて、この記憶媒体に所定の有価価値を付与する処理、および受け付けた記憶媒体に付与されている有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技機を貸し出す処理を実行させることが可能な装置に、前記と同様の有効期限更新手段を具備させたものとすることもできる。
【0016】
上記構成の遊技媒体貸出装置において、受け付けた記憶媒体に有価価値を付与する処理は、貨幣またはその代替物(金券など、所定の有価価値が付与されたもの)を受け付けることに応じて行うのが望ましい。ただし、近傍の遊技機が、スロットマシンのように、電子データとして貯留した遊技媒体を用いてゲームを実行するものである場合には、前記貯留された遊技媒体を精算する際に、その精算される遊技媒体の数に応じた有価価値を付与することもできる。
【0017】
上記した2とおりの構成にかかる遊技媒体貸出装置によれば、有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体(このときの有価価値はゼロでもよい。)を受け付けたとき、この記憶媒体に何らかの処理を実行する前または後に、有価価値に設定された有効期限を更新することができる。よって、遊技客は、遊技のために記憶媒体を使用すれば、自動的に有効期限を更新することができ、専用機を使用するような煩わしさを感じることなく、たやすく更新処理を行うことができる。また、専用機を使用する場合のような待ち時間もなくなるから、遊技者にとっての利便性を大いに高めることができる。
【0018】
なお、ここでいう有効期限の更新処理では、更新の都度、有効期限が延長されるようにしてもよいが、これに限らず、所定の時間単位で設定した有効期限により前の有効期限を書き換える処理としてもよい。後者の場合、実質的に有効期限が変わらない場合もある。たとえば、「処理日から1週間」という有効期限を設定する場合、同日の処理であれば、何度更新処理が行われても、有効期限は変化しないことになる。勿論、このような場合には、更新の前に、有効期限が延長されるかどうかをチェックし、延長されるときのみ、更新処理を行うようにしてもよい。
【0019】
つぎに、好ましい態様にかかる遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けた記憶媒体の適否を判断する処理が行われたとき、この記憶媒体が適正と判断されたことを条件として、前記有効期限の更新を行う。記憶媒体の適否は、その記憶媒体に付与された有価価値の適否を照合する処理とするのが望ましい。また、このような照合処理のために、この態様にかかる遊技媒体貸出装置には、前記した管理装置など、有価価値を登録する外部装置との通信を行うための手段を具備させるのが望ましい。
【0020】
上記態様によれば、適正と判断された記憶媒体に対してのみ、有効期限の更新処理を行うので、偽の記憶媒体や、データを改ざんするなどの不正処理が行われた記憶媒体に対する更新処理を回避することが可能となる。
【0021】
また、他の好ましい態様にかかる遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う。たとえば、遊技媒体の貸出処理のために有価価値を減算する処理を行うときや、貨幣を受け付けたことに応じて有価価値を加算する処理を行うときに、これらの処理とともに、または、これらの処理が完了したことを確認してから、有効期限を更新することができる。または、貸出のための操作が行われたとき、貨幣が投入されたときなど、有価価値を更新する条件が成立したときに、有価価値の更新に先立ち、有効期限を更新するようにしてもよい。
【0022】
上記の態様によれば、遊技客が記憶媒体を実際に使用する行為によって有効期限が更新されるので、遊技場の経営者や記憶媒体の管理者にとっても、利にかなった形で更新処理を行うことができる。
【0023】
他の好ましい態様の遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体を返却する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う。このようにすれば、実質的に記憶媒体が使用されなくとも、この記憶媒体を受け付けるだけで有効期限が更新されることになり、客サービスを向上させることができる。
【0024】
他の好ましい態様の遊技媒体貸出装置では、前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体が返却されるとき、この記憶媒体を受け付けている間にその有価価値を更新する処理が行われたことを条件として、前記有効期限の更新を行う。この態様によれば、実際に記憶媒体を使用する行為によって有効期限が更新されるので、遊技場の経営者や記憶媒体の管理者にとっても、利にかなった形で更新処理を行うことができる。しかも、記憶媒体の使用が終了し、媒体を返却する時点で、最終的に有効期限が更新されるので、有価価値の更新処理が複数回行われても、有効期限を更新する処理を一度で済ませることができる。
【0025】
さらに、この発明にかかる遊技媒体貸出装置には、有効期限のある有価価値データが記憶された記憶媒体を受け付けたとき、その有効期限を表示する有効期限表示手段を具備させることができる。このようにすれば、遊技客が最初に記憶媒体を提示したときに、表示によりその有価価値を確認することができるから、自身の使用する台において、有効期限を容易に確認することができる。
【0026】
また、前記有効期限表示手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理が行われたとき、その処理に応じて前記有効期限の表示を更新することができる。このようにすれば、記憶媒体の受付時に限らず、有効期限が更新された後にも、更新された期限を表示することが可能となり、遊技者は、正確な有効期限を認識することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施例にかかる球貸システムの構成を示す。
この球貸システムは、パチンコホールA(以下、単に「ホールA」という。)において、有価価値が書き込まれたカードによりパチンコ球の貸出処理(以下、「球貸処理」という。)を行うためのもので、ホールA内の各パチンコ機2に隣接させて配備された複数の台間機1,カード発行装置3,精算処理装置4,場内管理装置5,ならびにホールA外のシステム管理者Bが保有する場外管理装置6などにより構成される。なお、場外管理装置6は、同様の構成の複数の球貸システムに共通に用いることができる。
【0028】
ホールA内の各台間機1,カード発行装置3,精算処理装置4,場内管理装置5は、双方向性の通信回線10を介して相互に通信可能に接続される。なお、各台間機1は、遊技島8毎に配備された中継装置7を介して前記通信回線10に接続される。
場内管理装置5,場外管理装置6は、たとえばデスクトップ型のコンピュータであり、特に場外管理装置6は、複数のホールに対する情報処理が可能な性能を持つコンピュータにより構成される。これらの管理装置は、ISDNのような電話通信回線9を介して相互に通信可能に配備される。
【0029】
このホールAでは、会員登録をした遊技者に、球貸システム利用のための会員カードを発行するようにしている。この会員カードは、遊技者に固有に付与されたID番号を記憶させたICカードであって、所定の手続きを完了した会員に対して、システム管理者BまたはホールAから、たとえば郵送により配布される。なお、この会員カードには、初期設定時に、ゼロまたは所定金額分の度数データが設定される。
【0030】
さらに、このホールAでは、会員以外の遊技客も球貸システムを利用できるように、一般カードを発行するようにしている。前記カード発行装置3は、この一般カードの発行を行う装置であり、所定額の保証金を含む貨幣の投入を受け付けて、前記会員カードと同一規格のICカードを発行する。
【0031】
なお、この一般カードには、前記投入貨幣の金額から保証金を差し引いた額に対応する度数データが書き込まれる。また、この一般カードには、所定日数分の期間に限定して使用できるように設定されている。保証金は、カードの回収率を高める目的によるもので、使用後の一般カードを回収した際に返金される。また、使用期限を限定するのは、一般カードの発行数が膨大になって、各カードのデータを管理する負担が大きくなるのを防止するためである。
【0032】
以下では、前記会員カードおよび一般カードの双方を含めて「カード」という。この実施例では、これらカードに書き込まれた情報(以下、「カードデータ」という。)を、場内管理装置5に登録して管理するようにしている。
【0033】
各台間機1は、隣接のパチンコ機2に電気接続されるとともに、カードを受け付けてそのカードデータを読み書きするカード処理機や、紙幣処理機を具備する。台間機1は、カード処理機がカードを受け付けた状態で、紙幣処理機が紙幣を受け付けたとき、前記カードに紙幣の金額価値に応じた度数データを付与する。また、カードを受け付けた状態で遊技者の貸出操作を受けると、前記カードの度数データを消費して、その消費数分のパチンコ球を貸し出す球貸処理を実行する。なお、この球貸処理は、後記するように、隣接のパチンコ機2との通信により、パチンコ機2側でパチンコ球を払い出す方法により行われる。
【0034】
精算処理装置4は、台間機1と同様のカード処理機を具備し、前記カードを受け付けると、そのカードの残度数に応じた額の貨幣を払い出す。なお、一般カードを受け付けた場合には、精算処理装置4は、前記精算のための貨幣に加えて、保証金の額に応じた貨幣の払出を行う。
【0035】
なお、上記構成において、台間機1、精算処理装置4は、カードを受け付けると、場内管理装置5と通信を行って、受け付けたカードのカードデータを照合し、カードデータが適正であることを確認してから、そのカードに対する処理を進めるようにしている。また、処理の過程で、カードデータの書き換えを行う際にも、場内管理装置5と通信を行い、該当するカードの登録情報の書き換え処理を行うようにしている。また、カード発行装置3がカード発行処理を行う際にも、同様に場内管理装置5との通信を行って、発行するカードに書き込んだカード情報を登録するようにしている。
【0036】
場内管理装置5は、各装置との通信により、ホールA内を流通するカードのカードデータを登録して管理するとともに、閉店時などの所定の時刻に、これら登録されたカードデータを用いて、各会員のカード利用状況を示すデータを作成したり、ホールAにおけるカードの利用数、球貸処理に使用された度数の総額、精算処理装置4における精算金の総額などを集計する。これらの集計データは、場外管理装置6に送信され、ホールAのシステム利用料金を決定するための指標などとして使用される。
【0037】
なお、この明細書では、台間機1以外の装置については、詳細な構成や処理の内容の説明を省略するが、いずれの装置も、上記した各処理を実行するためのプログラムが組み込まれたコンピュータを制御主体とするものである。
【0038】
また、この実施例の球貸システムは、場内管理装置5によりカードデータを集中管理するタイプのものであるが、これに限らず、台間機1やカード発行装置3において、自装置で処理したカードのカードデータを保存する分散管理型のシステムとしてもよい。この場合、いずれの装置でも、他の装置に登録されたカードを受け付けた際には、管理元の装置との通信によりカードデータの登録情報の転送を受けてから、処理を行うことになる。
【0039】
この実施例の球貸システムで使用される会員カードには、前記度数データのほか、カードの識別番号や有効期限などが書き込まれる。有効期限は、前記度数データを使用しての球貸処理が可能な期間を示すものであり、この実施例では、初期値として、カード発行日から2週間の有効期限を設定している。ただし、後記するように、台間機1において、新たな度数データを付与したり、球貸処理が行われると、新たに、その処理日から2週間の有効期限が設定され、この有効期限により前の有効期限が更新されるようになっている。したがって、遊技客は、度数データを残したまま遊技を終えた場合でも、有効期限が経過するまでの間に再来店して会員カードを使用すれば、有効期限を延長することができる。
【0040】
図2は、前記台間機1とパチンコ機2との具体的な外観を示す。パチンコ機2の機体の前面には、遊技盤21,球発射用の操作ハンドル22,貸出用,入賞用の各パチンコ球の払出口23,24,およびこれら払出口23,24からのパチンコ球を受ける受け皿25,26などが配備される。さらに貸出用のパチンコ球の受け皿25の前面には、残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104が配備される。
【0041】
一方、台間機1の機体前面には、紙幣受付口11、カード受付口12、液晶パネル15、状態表示ランプ16,17などが設けられる。この実施例では、紙幣受付口11において、千円札、五千円札、一万円札を受け付けるようにしており、機体内部の紙幣受付口11に対応する位置には、挿入された紙幣を識別して機体の背後に設けられた紙幣回収路(図示せず。)に導くための紙幣処理機13が組み込まれる。なお、紙幣回収路は、前記遊技島8の幅方向に沿って設けられており、島内の各台間機1で受け付けた紙幣を回収して図示しない金庫(図示せず。)に搬送する。
【0042】
機体内のカード受付口12に対応する位置には、ICカード用のカード処理機14が配備される。この実施例のカード処理機14は、非接触通信によってカードに対する情報の読み書きを行うもので、通信用のアンテナコイルや、挿入されたカードを検知するカード検知センサ、挿入されたカードをバネの付勢力によって保持するカード保持機構などが設けられる。なお、後記するように、前記返却スイッチ104が操作されたり、不適正なカードが挿入されたときは、このカード把持機構のバネの付勢が解除されて、カードがカード受付口12に返却される。
【0043】
前記状態表示ランプ16,17は、それぞれ紙幣受付口11、カード受付口12の上方位置に配備される。これらのランプ16,17は、多色発光型のLEDを内蔵して成るもので、たとえば、状態表示ランプ16は、紙幣を受け付け可能なときは緑色を点灯し、受け付けられない状態の時は赤色を点灯する。状態表示ランプ17も、同様に、赤や緑の点灯によって、カードの受付の可否を示す。
【0044】
前記液晶パネル15は、前記カードの度数データに設定された有効期限を表示する目的に使用される。この表示は、たとえば、有効期限までの残り日数を示す数字を表示する方法で行われるもので、カード処理機14がカードを受け付けて、そのカードデータを読み取ったきに表示され、以後も、有効期限の更新に連動して、表示が更新される。なお、カード処理機14がカードを受け付けていないときや、長時間、カードに対する処理が行われていないときには、液晶パネル15には、適宜、遊技客に対する案内情報などを表示することができる。
【0045】
前記パチンコ機2側の残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104は、いずれも、電気的には台間機1側の制御部に接続される。残度数表示器101は、貸出可能状態下において、制御部の保持する有価価値に応じた度数を表示するためのものである。貸出スイッチ103は、遊技媒体の貸出を指示するスイッチであり、返却スイッチ104は、前記カード処理機14に挿入されたカードを返却するためのスイッチである。
【0046】
貸出可表示ランプ102は、カード処理機14がカードを受け付けて、球貸処理が可能な状態にあるときに点灯するように設定されている。前記貸出スイッチ103の操作は、この貸出可表示ランプ102が点灯しているときのみ有効化される。
【0047】
図3は、前記台間機1の電気構成を示す。図中の105は、制御部であって、制御主体であるCPU106に、ROM107、RAM108の各メモリが接続されて成る。CPU106には、バス109を介して、前記した紙幣処理機13、カード処理機14、液晶パネル15、状態表示ランプ16,17、残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104などが接続される。さらにCPU106には、前記場内管理装置5と通信を行うための通信インターフェース回路110や、前記パチンコ機2との各種制御信号を中継するためのインターフェース回路111(図中、「遊技機用インターフェース回路111」と示す。)が接続される。
【0048】
前記紙幣処理機13には、紙幣の挿入を検知するためのセンサ、挿入された紙幣を照合するための紙幣識別器、紙幣を取り込んで前記紙幣回収路に導くための紙幣搬送機構などが組み込まれる。またカード処理機14には、前記したアンテナコイルを含む送受信回路や、カード保持機構、カード検知センサなどが組み込まれる。
また、ここでは、前記パチンコ機2側に設けられる残度数表示器101、貸出可表示ランプ102、貸出スイッチ103、返却スイッチ104の接続状態を簡易化して示しているが、実際には、これらの表示器やスイッチは、パチンコ機2内の図示しない中継基板および前記遊技機用インターフェース111を介して前記バス109に接続される。
【0049】
上記構成において、カード処理機14が適正なカードを受け付けると、制御部105は、このカードに新たな度数データを付与する処理および球貸処理を実行することが可能な状態となる。度数データを付与する処理は、紙幣処理機13が適正な紙幣を受け付けたことにより開始されるもので、受け付けた紙幣の金額価値に応じて所定の度数を設定する処理(たとえば、100円を1度数として、受け付けた金額を度数に換算する。)と、その設定度数をカードの現在の度数データに加算する処理とを含む。
【0050】
また、球貸処理は、貸出スイッチ103の操作に応じて開始されるもので、パチンコ機2に貸出指示信号を送信する処理と、受け付けているカードの度数データを差し引く処理とを含む。なお、貸出指示信号は、1パルスが1度数に相当するパルス信号であり、カードから差し引く度数に応じた回数分の貸出指示信号が順次送出される。パチンコ機2では、貸出指示信号を受ける都度、所定数(たとえば5枚)のパチンコ球を払い出すとともに、払出完了に応じて台間機1側に応答信号を返送するようにしている。CPU106は、パチンコ機2からの応答信号を確認しながら、前記差し引き度数分の貸出指示信号を順に送信することになる。
【0051】
図4は、上記台間機1における一連の制御手順を示すもので、以下、この図4の流れに沿って、カードに度数データを付与する処理、および球貸処理の詳細を説明する。なお、この図4では、一般カードに対する処理手順は省略して、会員カードを対象とする手順のみを示す。ただし、一般カードについても、使用期限をチェックする処理が必要となる点と、有効期限を更新する処理が不要となる点とを除けば、会員カードに対するのと同様の手順で処理を進めることができる。また、一般カードの度数データについても、会員カードと同様に、有効期限を更新できるようにしてもよい。
【0052】
この実施例の手順は、CPU106を主体として行われるもので、カード受付口12にカードが挿入されることを条件として開始される(以下の説明および図4では、各ステップは「ST」として示す。)。カードが挿入されると、ST1が「YES」となり、つぎのST2において、このカードに記憶されたカードデータを読み取る処理を実行する。なお、このST2には、前記場内管理装置5との通信により、読み取ったカードデータを照合する処理が含まれる。また、ここには図示しないが、前記照合の結果、不適正と判断されたカードは、カード受付口12に返却される。
【0053】
ST2で読み取られたカードデータは、RAM108内に一時保存される。つぎのST3では、このカードデータに基づき、液晶パネル15に有効期限を表示するとともに、前記残度数表示器101に現在の度数データを表示する。ここで、有効期限が切れている場合には、ST4が「YES」となってST18に進み、前記カードをカード受付口12に返却する。
【0054】
カードの有効期限が切れていない場合には、ST5,10,17のループを実行しながら待機する。ここで、紙幣処理機13が適正な紙幣を受け付けると、ST5が「YES」となってST6に進み、この紙幣の金額価値に応じた度数を前記RAM108内の度数データに加算する。さらに、つぎのST7では、新しい有効期限を設定し、この有効期限によりRAM108内の有効期限を更新する処理を実行する。
【0055】
このようにして、RAM108内の度数データおよび有効期限が更新されると、ST8では、更新された度数データ、有効期限をカード処理機14に与えて、受付中のカードの度数データおよび有効期限を書き換える。なお、このST8では、場内管理装置5との通信により、前記カードの登録情報を書き換える処理も実行される。
【0056】
カードデータの更新処理が完了すると、つぎのST9では、液晶パネル15の有効期限、および残度数表示器101の度数データを、それぞれ新しい情報に更新する。
【0057】
一方、カードを受け付けた後に貸出スイッチ103が操作された場合には、ST10が「YES」となってST11に進む。この場合、現在の度数データがゼロであれば、ST11が「YES」となってST5に戻り、貸出スイッチ103の操作はキャンセルされる。
【0058】
現在の度数データがゼロより大きい場合には、ST12に進み、パチンコ機2に対し、前記貸出指示信号の送信処理を行う。なお、この実施例では、1回の球貸処理において、カードの残度数に関係なく一律の度数を引き落とすようにしており、パチンコ機2からの応答信号により、1度毎にパチンコ球の貸出完了を確認しつつ、差し引き度数分の貸出指示信号を順に送信している。
【0059】
設定回数分の貸出指示信号の送信が終了すると、ST13に進み、前記RAM108内の度数データから前記貸出指示信号の送信回数に応じた度数を差し引く処理を実行する。この差し引き処理後の度数がゼロでなければ、ST14が「NO」となってST7に進む。よって、以下は、度数データの付与処理を行ったときと同様に、ST7で新たな有効期限が設定された後、ST8においてこの有効期限および差し引き処理後の度数データにより、カードデータの書き換えが行われる。さらにこの書き換えに応じて、ST9では、液晶パネル15および残度数表示器101の表示が更新される。
【0060】
差し引き処理後の度数データがゼロである場合には、ST14からST15に進み、カードに記憶されたカードデータのうち、度数データのみを書き換える。なお、このST15でも、前記ST8と同様に、場内管理装置5に更新した度数データを送信して登録情報を更新する処理が実行される。
さらにST16では、前記残度数表示器101の表示をゼロに更新した後、ST5に戻る。よって、カードの残度数がゼロとなっても、つぎに紙幣を挿入することによって、前記カードに新たな度数データを付与することができる。
【0061】
なお、カードを受け付けている状態下で返却スイッチ104が操作されると、ST5,ST10がともに「NO」、ST17が「YES」となってST18に進み、前記カードをカード受付口12に返却した後、処理を終了する。
【0062】
また、上記の手順では、カードを受け付けた直後に有効期限の表示を行い、さらにこの表示を、カード側の有効期限の書き換え処理に合わせて更新するようにしているが、有効期限の表示は、カードを受け付けたときのみにとどめ、所定時間後に、液晶パネル15の表示を他の情報表示に切り換えるようにしてもよい。
【0063】
上記の手順によれば、カードを受け付けた後は、このカードが返却されない限り、度数データの付与や球貸処理を、何度でも実行することができる。ただし、度数データの付与については、所定の上限値を設け、つぎに度数データを付与すると上限値を越えてしまう場合には、処理を中止して紙幣を返却するのが望ましい。
【0064】
また、この実施例では、処理日を起点として、日数単位で有効期限を設定しているので、上記のように受け付けたカードに複数回の処理が行われて、その都度、有効期限が更新されても、実質的な有効期限は変化しない。よって、有効期限の更新処理は、最初の1回のみとし、以後は、度数データの書き換え処理のみを行うようにしてもよい。
【0065】
または、度数データを付加したり、球貸処理を行った直後には、有効期限の更新処理を行わないようにし、代わりに、度数データの付与処理や球貸処理を行う毎に、その処理回数を計数し、返却スイッチ104の操作によってカードを返却する際に、処理回数がゼロより大きいことを条件として、有効期限を更新するようにしてもよい。
【0066】
さらに、この実施例では、有効期限を一定の単位に設定しているが、これに限らず、たとえば、有価価値を付与する際には、付与される有価価値が大きいほど有効期限が長くなるようにしてもよい。また、上記のように、台間機1での処理回数を計数して返却時に有効期限を更新する場合には、処理回数に応じて有効期限を変動させるようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
この発明によれば、遊技媒体貸出装置を通常どおり使用しながら遊技を行う間に記憶媒体に付与された有価価値の有効期限を更新することができるので、遊技客は、煩雑さを感じることなく、簡単に有効期限の更新を享受することができる。また、専用機を使用する場合のような待ち時間もなくなるから、遊技者にとっての利便性を高めることができ、客サービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された球貸システムの構成を示す図である。
【図2】パチンコ機と台間機との外観を示す正面図である。
【図3】台間機の電気構成を示すブロック図である。
【図4】台間機における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 台間機
2 パチンコ機
11 紙幣受付口
12 紙幣処理機
13 カード受付口
14 カード処理機
15 液晶パネル
106 CPU
Claims (8)
- 遊技機の近傍に配備され、有価価値が付与された記憶媒体を受け付けて、その有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技媒体を貸し出す処理を実行させることが可能な装置であって、
有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体を受け付けたとき、この記憶媒体に所定の処理を実行すること、または所定の処理が実行されたことを条件として、前記有効期限を更新する有効期限更新手段を具備して成る遊技媒体貸出装置。 - 遊技機の近傍に配備され、記憶媒体を受け付けて、この記憶媒体に所定の有価価値を付与する処理、および受け付けた記憶媒体に付与されている有価価値を用いて前記近傍の遊技機に所定数の遊技媒体を貸し出す処理を実行させることが可能な装置であって、
有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体を受け付けたとき、この記憶媒体に所定の処理を実行すること、または所定の処理が実行されたことを条件として、前記有効期限を更新する有効期限更新手段を具備して成る遊技媒体貸出装置。 - 前記有効期限更新手段は、受け付けた記憶媒体の適否を判断する処理が行われたとき、この記憶媒体が適正と判断されたことを条件として、前記有効期限の更新を行う請求項1または2に記載された遊技媒体貸出装置。
- 前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う請求項1または2に記載された遊技媒体貸出装置。
- 前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体を返却する処理に応じて、前記有効期限の更新を行う請求項1または2に記載された遊技媒体貸出装置。
- 前記有効期限更新手段は、受け付けている記憶媒体が返却されるとき、この記憶媒体を受け付けている間にその有価価値を更新する処理が行われたことを条件として、前記有効期限の更新を行う請求項1または2に記載された遊技媒体貸出装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載された遊技媒体貸出装置において、
前記有効期限のある有価価値が付与された記憶媒体を受け付けたとき、その有効期限を表示する有効期限表示手段を具備して成る遊技媒体貸出装置。 - 前記有効期限表示手段は、受け付けている記憶媒体の有価価値を更新する処理が行われたとき、その処理に応じて前記有効期限の表示を更新する請求項7に記載された遊技媒体貸出装置。
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- 2003-01-23 JP JP2003014632A patent/JP2004222979A/ja active Pending
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