JP2004222609A - 麹菌npgO遺伝子 - Google Patents

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雅之 町田
Takayoshi Abe
敬悦 阿部
Katsuya Gomi
勝也 五味
Kiyoshi Asai
潔 浅井
Motoaki Sano
元昭 佐野
Taishin Kin
大心 金
Hideki Nagasaki
英樹 長崎
Satoru Hosoyama
哲 細山
Osamu Akita
修 秋田
Naoki Ogasawara
直毅 小笠原
Satoru Kuhara
哲 久原
Hiroki Ishida
博樹 石田
Hiroshi Obata
浩 小畑
Yoji Hata
洋二 秦
Shoji Kawato
章嗣 川戸
Yasuhisa Abe
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Abstract

【解決手段】麹菌Aspergillus oryzaeのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子(npgO遺伝子)のクローニングが行われ、その塩基配列も決定された。
【効果】本発明に係るnpgO遺伝子を非リボソーム型ペプチド合成酵素(NRPS)遺伝子(例えば、ペプチドシンテターゼ遺伝子asb2又はasb4遺伝子)とともに高発現することにより、asb2、asb4単独では得られなかった活性型の非リボソーム型ペプチド(例えば、麹菌フェリクローム)を高生産することができるようになった。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、麹菌のホスホパントテン酸転移酵素タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組み換えベクター、該組み換えベクターを含有する形質転換体、該遺伝子を含有する組み換え麹菌、該形質転換体が生産する非リボソーム型ペプチド、任意のペプチドシンテターゼ遺伝子を高発現した株にホスホパントテン酸転移酵素遺伝子を含有する組み換えベクターを導入した形質転換体、該形質転換体が生産する非リボソーム型ペプチド、任意のペプチドシンテターゼ遺伝子を高発現した麹菌にホスホパントテン酸転移酵素遺伝子を含有する組み換えベクターを導入した麹菌、該麹菌が生産する非リボソーム型ペプチドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
細菌、放線菌、糸状菌などの微生物は、種々の低分子の二次代謝産物を生合成する能力を有し、これらは長い歴史の間、産業的に非常に利用されてきた。その二次代謝産物の中でもポリケチドや非リボソーム型ペプチドは、ペニシリン、シクロスポリンなどの抗生物質を代表に最も産業的に重要な二次代謝産物である。これらは従来野生株あるいは変異株による発酵法により生産されてきたが、その生産量は微量であるために非常に高価なものが多かった。よって安価にこれらの二次代謝産物を提供するために、遺伝子工学的手法による高生産法の確立が求められた。近年の生化学的な研究から、ポリケチドや非リボソーム型ペプチドの基本骨格の生合成にはポリケチド合成酵素(PKS)や非リボソーム型ペプチド合成酵素(NRPS)が関与していることが明らかとなった。
【0003】
PKSやNRPSは、複合型の巨大酵素であり、全長が15,000アミノ酸残基を越えるものも存在する。よって、そのコード遺伝子は、全長20−50kbに及ぶものも存在する。このような長鎖の遺伝子はサブクローニングが難しく、遺伝子工学的手法を用いた高発現のために、ゲノム中に存在する該遺伝子のエンハンサー領域を高発現エンハンサーに相同組み換えさせる手法が行われた。しかし、該形質転換体は期待するほどの二次代謝産物の生産を示さないことが多く、実用的には該形質転換体は利用されていなかった。
【0004】
この原因として、本発明者らは、以下のような仮説をたてた。複合型巨大酵素であるPKSやNRPSは、複数のタンパク質機能モチーフを有しており、NRPSの場合代表的なものとしてアミノ酸活性化ドメイン、アシルキャリアータンパク質、縮合ドメインがあげられる。このうちアシルキャリアータンパク質は、活性発現のために補欠因子として共有結合したホスホパントテン酸を要求する。この翻訳後の修飾は、Bacillus subtilisにおいて、ホスホパントテン酸転移酵素によって触媒されることがMootz HD et. al. (例えば、非特許文献1参照)によって示された。また、糸状菌Aspergillus nidulansにおいてもホスホパントテン酸転移酵素遺伝子がクローニングされ、Saccharomyces cerevisiaeのLys5変異を相補できることが示された(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
産業用微生物として多く利用される麹菌Aspergillus oryzaeにおいても上記ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子が存在し、多くの二次代謝産物生産に寄与すると推測される。現在までに麹菌はフェリクロームとよばれる鉄イオンをキレートできる非リボソーム型ペプチドを生産できることが明らかとなっている。我々は麹菌のフェリクローム生合成に関与する遺伝子群としてフェリクローム生合成を負に制御する転写制御因子sreO(例えば、特許文献1参照)、フェリクローム生合成の第一段階を触媒するオルニチンN5オキシゲナーゼをコードするasb1(特願2001−176264)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb2(特願2001−324112)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子asb3、asbT、ankO、asbR(特願2001−324181)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb4(特願2002−348752)をクローニングしている。このうち、asb2、asb4の遺伝子は、高発現してもフェリクローム生産性の向上に寄与しなかった。
【0006】
その原因について本発明者らは、各方面から検討した結果、これは、上記のホスホパントテン酸転移酵素による翻訳後修飾されなかったアポ酵素しか生産されず、活性型であるホロ酵素が生産されなかったためとの観点にはじめてたった。そして、本発明者らは、麹菌においても、ペプチドシンテターゼ遺伝子とともにホスホパントテン酸転移酵素遺伝子も高発現することにより目的の二次代謝産物の生産性を実用レベルに向上できることにはじめて着目し、2002年に一部公開された麹菌A.oryzaeのゲノム配列から、麹菌の種々の二次代謝産物の生産性を実用レベルに向上できるホスホパントテン酸転移酵素をコードする遺伝子を取得できるとの新規着想を得た。
【0007】
【非特許文献1】
「ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.)」、276、37289−37298、2001
【0008】
【非特許文献2】
ムーツ HD他(Mootz HD et. al.)、「FEMS マイクロバイオロジカル レター(FEMS Microbiol. Lett.)」 213、51−57、2002
【0009】
【特許文献1】
特開2002−272477号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、麹菌Aspergillus oryzaeのフェリクロームを含む二次代謝産物の生産を自由に制御するために、麹菌のホスホパントテン酸転移酵素遺伝子を提供することにある。本発明の他の目的は、本遺伝子を含有する組み換えベクターとこの組み換えベクターを含有する形質転換体を提供することにある。また該形質転換体が生産する非リボソーム型ペプチドを提供することにある。さらに、任意のNRPS、PKSを高発現させた株に上記組み換えベクターを導入した株を用いて、任意の非リボソーム型ペプチドを提供することにある。
【0011】
現在までに我々は、麹菌のフェリクローム生合成に関与する遺伝子群としてフェリクローム生合成を負に制御する転写制御因子sreO(特開2002−272477)、フェリクローム生合成の第一段階を触媒するオルニチンN5オキシゲナーゼをコードするasb1(特願2001−176264)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb2(特願2001−324112)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子asb3、asbT、ankO、asbR(特願2001−324181)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb4(特願2002−348752)をクローニングしている。このうち、asb2、asb4の遺伝子は、高発現してもフェリクローム生産性の向上に大きく寄与しなかった。これは、ホスホパントテン酸転移酵素による翻訳後修飾されなかったアポ酵素しか生産されなかったためとの新規観点にたった。
【0012】
本発明者らは、上記新規観点にたち、麹菌においてもペプチドシンテターゼ遺伝子とともにホスホパントテン酸転移酵素遺伝子も高発現することにより目的の二次代謝産物の生産性を実用レベルに向上できることにはじめて着目し、2002年に一部公開された麹菌A.oryzaeのゲノム配列から、麹菌の種々の二次代謝産物の生産性を実用レベルに向上できるホスホパントテン酸転移酵素をコードする遺伝子を取得できるとの新規着想を得た。
【0013】
例えば、得られたホスホパントテン酸転移酵素遺伝子をフェリクローム生合成に関与するNRPS遺伝子(非リボソーム型ペプチドの一種であるフェリクローム生合成に関与するペプチド合成酵素(ペプチドシンテターゼ)をコードする遺伝子:例えばasb2、asb4遺伝子)とともに発現させれば、NRPS遺伝子単独発現の場合と異なり、NRPS遺伝子がコードするペプチドシンテターゼが非活性のアポ酵素として生産されるのではなく活性型のホロ酵素として生産され、その結果、フェリクロームの生産性が向上し得るとの新規着想を得た。そして、このような新規着想を実現することにより、効率的に生産されたフェリクロームは、例えば鉄キレート剤としての試薬のほか、貧血の改善効果が期待できる機能性食品や医薬品自体として有効利用できるだけでなく、これらに添加する成分としても利用可能となり、その有効性は非常に大きいものがある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
麹菌A.oryzaeは、酒、醤油、味噌などの我が国の伝統的醗酵産業で使用されてきた糸状菌である。本菌株は、上記醗酵産業で有用なタンパク質や低分子を非常に大量に生産することである。本菌株が持つ高いタンパク質生産能と醸造微生物としての安全性から、異種タンパク質生産の宿主として注目されている。(Biotechnology、6、1419(1988)、特開昭62−272988)。発明者らの研究から、A.oryzaeを用いた異種タンパク質生産においては、アスペルギルス属などの近種の遺伝子であれば、その生産能はさらに増大することが認められた。特にA.oryzaeの遺伝子を、A.oryzaeの高発現プロモーター制御下で発現させた場合、非常に大量のタンパク質が生産されることを見出した(特開平11−154271、特願2000−36754)。また、A.oryzaeは、上記のようなタンパク質、酵素のみならず、産業的にも非常に貴重な2次代謝産物である低分子成分の生産も報告されている。中でも麹菌が固体培養で生産するフェリクロームは、近年貧血などの鉄欠乏症用の機能性成分としても非常に注目されている物質である。
【0015】
この麹菌のフェリクロームを医薬・食品に利用するためには、生産性をさらに向上させる必要があるが、変異法などの既存の菌株育種方法では、工業生産レベルにまで生産性が向上した変異株の取得はできなかった。そこで、本発明者らは、フェリクローム生合成に関与する遺伝子を単離し、これらの遺伝子の発現能を強化することによりフェリクロームの大量生産が可能であると考えた。
【0016】
麹菌におけるフェリクローム生合成経路については、その生合成の第一段階はオルニチンN5オキシゲナーゼによるオルニチンのヒドロキシル化であり、続いてペプチドシンテターゼによるN−ヒドロキシオルニチンのトリペプチドにグリシン、セリン、アラニンの環状ペプチド化であると考えられる。現在までに我々は麹菌のフェリクローム生合成に関与する遺伝子群としてフェリクローム生合成を負に制御する転写制御因子sreO(特願2001−83640)、フェリクローム生合成の第一段階を触媒するオルニチンN5オキシゲナーゼをコードするasb1(特願2001−176264)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb2(特願2001−324112)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するクラスター遺伝子asb3、asbT、ankO、asbR(特願2001−324181)、麹菌のフェリクローム生合成に関与するペプチドシンテターゼ遺伝子をコードするasb4(特願2002−348752)をクローニングしている。このうち、asb2、asb4の遺伝子は、高発現してもフェリクローム生産性の向上に大きく寄与しなかった。
【0017】
この原因として、本発明者らは、以下のような仮説をたてた。複合型巨大酵素であるPKSやNRPSは、複数のタンパク質機能モチーフを有しており、NRPSの場合代表的なものとしてアミノ酸活性化ドメイン、アシルキャリアータンパク質、縮合ドメインがあげられる。このうちアシルキャリアータンパク質は、活性発現のために補欠因子として共有結合したホスホパントテン酸を要求する。この翻訳後の修飾は、Bacillus subtilisにおいて、ホスホパントテン酸転移酵素によって触媒されることがMootz HD et. al. (J Biol Chem、276、37289−37298、2001)によって示された。また、糸状菌Aspergillus nidulansにおいてもホスホパントテン酸転移酵素遺伝子がクローニングされ、Saccharomyces cerevisiaeのLys5変異を相補できることが示された(Mootz HD et. al.、FEMS Microbiol Lett、213、51−57、2002)。
【0018】
すなわち、asb2、asb4の遺伝子は、高発現してもフェリクローム生産性の向上に大きく寄与しなかったのは、ホスホパントテン酸転移酵素によって翻訳後修飾された活性型のホロ酵素であるNRPSが生産されなかったためであると本発明者らは考えた。よって、A.oryzaeからホスホパントテン酸転移酵素遺伝子をクローニングし、asb2、asb4の遺伝子とともに高発現させることにより大幅なフェリクローム生産能の上昇に寄与するとの新規着想を得た。その結果、フェリクロームの生産を自由に制御できる遺伝子組み換え麹菌を育種でき、フェリクロームの工業生産が可能になるとの新規着想を得た。以下、麹菌が生産するフェリクローム類の中でも、最も含有量の多いフェリクリシンの生産を中心に記述するが、本発明は全てのフェリクローム類に応用が可能な技術であり、フェリクリシンだけに限定するものではない。
【0019】
我々は、フェリクリシン生合成に関与するNRPS遺伝子asb2、asb4を高発現させ、その遺伝子産物を効率的にホスホパントテン酸転移酵素により翻訳後活性化させることにより、フェリクリシンの工業生産に適した遺伝子組み換え麹菌を育種することを試みた。
【0020】
我々は、2002年度に一部公開された麹菌のゲノム遺伝子配列から上記のホスホパントテン酸転移酵素遺伝子の探索が可能であると考えた。
【0021】
麹菌ゲノムデータに含まれるコンティグ配列の中でBlast検索結果から、ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子と考えられる遺伝子を抽出した。その中でGene FindingされたCon1616−JUNK−1は、A.nidulansのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgAと57%の相同性を示した。鉄制限培地の液体培養した麹菌菌体から調製したポリA+RNAを鋳型に増幅したcDNA解析から、本遺伝子はイントロンを含まなかった。本遺伝子は、343アミノ酸残基からなるタンパク質をコードしていた。得られた遺伝子をnpgOと命名した。
【0022】
npgOの機能を同定するために、本遺伝子の麹菌での大量発現を試みた。まずフェリクローム生合成遺伝子のうちNRPSをコードするasb2を液体培養で高発現するmelOプロモーター(特願平11−154271)支配下で高発現させた麹菌を育種し、得られた形質転換体にmelOプロモーター支配下でnpgOを発現するプラスミドをさらに形質転換した。このasb2、npgOともに高発現した形質転換体は、asb2のみ高発現した対照株の8.5倍のフェリクロームを生産した。よって、npgOは、asb2などのNRPS遺伝子産物を活性型に変換することが示された。melO遺伝子は、麹菌のチロシナーゼ遺伝子として既知であり(Biochem.Biophys.Acta.、1261(1)、p.151、1995)、melOプロモーター含有プラスミドを導入した形質転換体(Aspergillus oryzae MEL−P450nor)は生命工学工業技術研究所(現、特許生物寄託センター)にFERM P−17942として寄託されている。なお、melOプロモーターの塩基配列を図19に示す。
【0023】
このように単離した遺伝子は単独であるいはmelOやglaB遺伝子プロモーター(特願平11−154271、特開平11−243965)のような高発現プロモーターと共に、A.oryzaeにて発現させて、NRPSの活性を制御しうるものである。遺伝子導入方法は、例えば宿主としてniaD変異株(例えば、Aspergillus oryzae 1013−niaD:FERM p−17707)を用いる公知方法により、目的遺伝子とマーカー遺伝子であるniaD遺伝子を同時に導入する。(S. UnkleらMol. Gen. Genet.、218、p.99−104 1989)この遺伝子導入の際に、ベクター配列などの異種遺伝子を排除することにより、異種遺伝子を全く含まないセルフクローニング株の形質転換体を得ることができる。
【0024】
以下に本発明の詳細について述べる。
【0025】
麹菌のゲノム遺伝子コンティグ中に新規なホスホパントテン酸転移酵素遺伝子が存在することが示唆された。麹菌ゲノムデータに含まれるコンティグ配列の中でBlast検索結果から、A. nidulansのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgAと相同性を有する遺伝子を抽出した。Contig1616(57457 bp)中でGene FindingされたCon1616−JUNK−1(11199−12552)は、A.nidulansのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgAと57%の相同性を示した。鉄制限培地の液体培養した麹菌菌体から調製したポリA+RNAを鋳型にRT−PCRで増幅したcDNAをクローニングし、塩基配列を決定した結果、Gene Findingとは異なる正確なコーディング領域が明らかとなり、イントロンが存在しないことが明らかとなった。本遺伝子は配列番号1に示す343アミノ酸残基からなるタンパク質をコードしており、イントロンを含まなかった。コーディング領域は配列番号2の1から1032bpである。得られた遺伝子をnpgOと命名した。すなわち、本発明に係る麹菌のホスホパントテン酸転移酵素のアミノ酸配列を配列番号1(図1、図2)に示し、それをコードする遺伝子(npgO遺伝子)の塩基配列を配列番号2(図3)に示した。
【0026】
さらにnpgOの機能解析のために、麹菌での発現解析を行った。フェリクローム生合成に関与するNRPSをコードするasb2をmelOプロモーター支配下で、sCをマーカーとして麹菌A.oryzae M−NS4に形質転換した。得られた形質転換体に対して、melOプロモーター支配下のnpgOをniaDをマーカーとして形質転換した。得られた形質転換体は、30℃7日間の鉄制限の液体培養で、asb2のみ高発現した対照株の8.5倍のフェリクロームを生産した。よって、npgOは、asb2などのNRPS遺伝子産物を翻訳後活性型に変換することが示された。
【0027】
本発明は、これら有用新知見に基づいてなされたものであって、ホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質、それをコードする遺伝子、及びその利用に関するものであり、その態様例は以下に示される。
【0028】
(態様1) 以下の(a)または(b)のタンパク質:
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、または、(b)アミノ酸配列(a)においてアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質。
【0029】
(態様2) 配列番号2の塩基配列で示される、請求項1記載のタンパク質(a)をコードする遺伝子、または、該遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質(b)をコードする遺伝子のDNA。
【0030】
本発明において、上記した特定のアミノ酸配列には、これと実質的に同一のアミノ酸配列も包含されるものである。本発明における特定のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列とは、該アミノ酸配列と全アミノ酸配列に亘ってアラインメントして比較した場合に、全体の平均で約30%以上、好ましくは約50%以上、更に好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上のアミノ酸が同一であるようなアミノ酸配列を意味する。従って、或るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列から成るタンパク質は、該アミノ酸配列から成るタンパク質と実質的に同等の機能を有するものと考えられる。
【0031】
又、本発明タンパク質における特定のアミノ酸配列において一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列とは、該アミノ酸配列から成るタンパク質と実質的に同等の機能を有する限りにおいて、好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列、或いはそれらを組み合わせたアミノ酸配列から成るものを意味する。又、タンパク質の「機能」とは、それが細胞(菌体)の内部及び/又は外部において示す生物学的機能又は活性を意味する。
【0032】
上記の特定のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列から成るタンパク質、又はその一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列から成るタンパク質は、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法、及びPCR法等の当業者に周知の方法を適宜組み合わせて、容易に作成することが可能である。
尚、その際に、実質的に同等の機能を有するためには、当該タンパク質を構成するアミノ酸のうち、同族アミノ酸(極性・非極性アミノ酸、疎水性・親水性アミノ酸、陽性・陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸など)同士の置換が可能性として考えられる。又、実質的に同等の機能の維持のためには、本発明の各タンパク質に含まれる機能ドメイン内のアミノ酸は保持されることが望ましい。
【0033】
本明細書において、「ストリンジェントな条件下」とは、各塩基配列間の相同性の程度が、例えば、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上であるような、高い相同性を有する塩基配列間のみで、特異的にハイブリッドが形成されるような条件を意味する。具体的には、例えば、温度60℃〜68℃において、ナトリウム濃度150〜900mM、好ましくは600〜900mM、pH 6〜8であるような条件を挙げることが出来る。
ハイブリダイゼーションは、例えば、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al.、1987))に記載の方法等、当業界で公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0034】
このように、本発明に係るnpgO遺伝子は新規なものであって、従来既知のホスホパントテン酸転移酵素とは異なる新規ホスホパントテン酸転移酵素をコードする遺伝子、該新規ホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子、これらの遺伝子の少なくともひとつを含有する遺伝子、から選ばれる少なくともひとつを指示するものである(以下、単にnpgO遺伝子ということもあり、その塩基配列(1032bp)を配列表の配列番号2、及び、図面の図3に示す。)
【0035】
本発明に係るホスホパントテン酸転移酵素をコードする遺伝子(npgO遺伝子)のDNAは、その塩基配列が配列番号2(図3)に示すように、本発明者らによって明らかにされているので、当業者に周知の方法で調製することができる。例えば、本明細書において具体的な塩基配列で示される各DNAは、アスペルギルス・オリゼのゲノムを出発材料として用いて、例えば、実施例で記載したショットガン・クローニング法によって調製することができる。その際、断片化された各染色体DNAは、その長さ等に応じて、プラスミドベクター又はファージ等の適当なクローニングベクターに連結し、これを用いてエレクトロポレーション法等の適当な方法によって大腸菌等の適当な宿主細胞を形質転換し、該断片化各染色体DNAをクローニングする為の、クローンライブラリーを調製することができる。
更に、化学分解法(マキサム−ギルバート法)及びジデオキシ法等の公知の方法に従って、かかるクローンライブラリーから得られる断片化各染色体DNAの塩基配列を決定することができる。
【0036】
或は、本明細書に記載された本発明DNAの塩基配列又はアミノ酸配列の情報に基づき、当業者に周知の化学合成、又は、本発明のプライマーを使用したPCRにより増幅して調製することも出来る。
【0037】
本発明に係るDNA源として用いるアスペルギルス・オリゼのゲノムの1例としては、アスペルギルス・オリゼRIB40株のゲノムを使用することができる。なお、本菌株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P−18273として寄託されている。また、麹菌Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)のゲノム配列も一部公開されているので、これをDNA源としてもよく、本発明に係るnpgO遺伝子のDNAの調製は容易である。その際、後記する具体的実施例によれば、本遺伝子のクローニングは更に容易である。
【0038】
このように、ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子(例えば、npgO遺伝子)の調製が容易に行われるだけでなく、この遺伝子と非リボソーム型ペプチド合成酵素(NRPS)遺伝子(例えば、asb2、asb4遺伝子)とを共発現せしめて、非リボソーム型ペプチド(例えば、フェリクローム)を効率的に生産する新規形質転換体の調製も当業者にとって容易である。
【0039】
すなわち、melOプロモーター、niaD変異株はいずれも既知であり、寄託もされているので(FERM P−17942、FERM P−17707)、入手には何の困難性もないし、更に、既述のように、asb2、asb4についても既に特許出願が完了している(特願2001−324112、特願2002−248752)。asb2遺伝子DNAの塩基配列を配列番号5(図6〜図10)に示し、asb4遺伝子DNAの塩基配列を配列番号6(図11〜図18)に示し、且つasb2遺伝子を導入した形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)ASB2は寄託されており(FERM P−18541)、これらの入手調製は容易である。
【0040】
そして更に、宿主として用いた上記A.oryzae M−NS4は、独立行政法人酒類総合研究所より分譲していただける株であり、また本発明の形質転換もPEGカルシウム法の常法を用いればよく、よって、本菌株は、当業者ならば、本発明の実施例に従えば容易に育種できる。本菌株を育種することによって、麹菌のフェリクロームの大量生産が可能となる。
【0041】
以上の結果より、クローニングした遺伝子断片npgOには、ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子がコードされていることが確認できた。得られたホスホパントテン酸転移酵素遺伝子をフェリクローム生合成に関与するNRPS遺伝子asb2、asb4とともに発現させれば、フェリクロームの生産性を向上させることができる。また、こうして生産されたフェリクロームを鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供するが可能となる。
以下、本発明の実施例について述べる。
【0042】
【実施例1】
麹菌ゲノム配列コンティグからのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子のクローニング
麹菌A.oryzae のNRPSの翻訳後活性化に関与する新規なホスホパントテン酸転移酵素遺伝子のクローニングを行うために、麹菌ゲノム配列コンティグの検索を行った。麹菌ゲノムデータに含まれるコンティグ配列の中でBlast検索結果から、ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子と考えられる遺伝子を抽出した。Gene FindingされたContig1616(57457 bp)中でCon1616−JUNK−1(11199−12552)は、A.nidulansのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgAと57%の相同性を示した。
【0043】
この全長のcDNAを得るためにRT−PCRを行った。30℃、4日間鉄制限培地(2%グルコース、0.6%アスパラギン、0.1%リン酸1水素2カリウム、0.1%硫酸マグネシウム、0.04%塩化カルシウム、pH6.0)で液体培養した麹菌菌体からニッポンジーン社ISOGENを利用して全RNAを抽出した。その全RNAから宝酒造Oligotex−dT30<Super>mRNA purification kitを用いてmRNAを抽出した。得られたmRNA 0.5μgをもとに宝酒造のTakara RNA LA PCR kit (AMV) ver.1.1によりRT−PCRを試みた。プライマーはP1:配列番号3(図4)P2:配列番号4(図5)を利用した。 反応条件は、以下にしたがった。
【0044】
PCR条件
● 30℃ (10分)、42℃ (60分)、99℃ (5分)、5℃ (5分)、96℃ (5分),1サイクル
● 96℃ (20秒)、45℃ (30秒)、72℃ (3分)、30サイクル72℃ (7分)、1サイクル
● 72℃(7分)、1サイクル
【0045】
反応液をアガロースゲル電気泳動で解析を行った結果、約1−kbのフラグメントの増幅が認められた。本増幅産物の塩基配列を決定した結果、ゲノム配列でGeneFindingされていたのは、Contig1616(57457 bp)中で 11199−12552 bp(Con1616−JUNK−1)であったが、実際には10599−11630bpがコーディング領域であった。またイントロンは、存在しなかった。本遺伝子は配列番号1に示す343アミノ酸残基からなるタンパク質をコードしており、イントロンを含まなかった。コーディング領域は配列番号2の1から1032bpである。また、A.nidulansのホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgAと57%の相同性を示した。得られた遺伝子をnpgOと命名した。
【0046】
【実施例2】
npgO遺伝子の麹菌での高発現
麹菌でのnpgOの機能を決定するために高発現を試みた。まず各種プラスミドを構築した。プラスミドAは、pUC119のPstI−HindIIIにA.oryzaeの4.5−kb niaD、melOプロモーター1−kbとnpgO 1−kbのSalIを順にサブクローニングした。プラスミドBは、pUC118のBamHIにA.oryzaeの3−kb sC BamHI−BglII、melOプロモーター1−kbとasb2 6−kbのBamHIの順にサブクローニングした。対照として用いるプラスミドCは、pUC119のPstI−HindIIIにA.oryzaeの4.5−kb niaDをサブクローニングし、プラスミドDは、pUC118のBamHIにA.oryzaeの3−kb sC BamHI−BglIIをサブクローニングした。形質転換は、独立行政法人酒類総合研究所から供与されたA.oryzae M−NS4(niaD、sC)を宿主として行った。目的の形質転換体は、M−NS4株にプラスミドB、プラスミドAの順に形質転換した。また対照株1として、M−NS4株にプラスミドD、プラスミドAの順に形質転換した株、対照株2としてM−NS4株にプラスミドB、プラスミドCの順に形質転換した株を用いた。
【0047】
得られた形質転換体を鉄制限培地(2%グルコース、0.6%アスパラギン、0.1%リン酸1水素2カリウム、0.1%硫酸マグネシウム、0.04%塩化カルシウム、pH6.0)にて30℃7日間の液体培養を行った。目的の形質転換体は46.1mg/1L−brothのフェリクロームを菌体外に分泌した。一方、対照株1は、3.5mg/1L−broth、対照株2は、5.4mg/1L−brothの生産量を示した。形質転換体は、対照株2の8.5倍のフェリクロームを菌体外に分泌した。
【0048】
以上の結果より、クローニングした遺伝子断片npgOには、ホスホパントテン酸転移酵素遺伝子がコードされていることが確認できた。得られたホスホパントテン酸転移酵素遺伝子をフェリクローム生合成に関与するNRPS遺伝子asb2、asb4とともに発現させれば、フェリクロームの生産性を向上させることができる。またこうして生産されたフェリクロームを鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、麹菌Aspergillus oryzaeのフェリクロームを含む二次代謝産物の生産を自由に制御するために、麹菌のホスホパントテン酸転移酵素遺伝子npgOを提供することができた。またこの遺伝子をNRPSとともに高発現することにより、フェリクロームなどのNRPSによって生合成される非リボソーム型ペプチドの生産能を大きく改善できることができた。種々のNRPS遺伝子を高発現させた麹菌で本遺伝子を高発現することにより、産業利用レベルの非リボソーム型ペプチド生産能が可能な麹菌を育種できることができた。
【0050】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】ホスホパントテン酸転移酵素のアミノ酸配列を示す。
【図2】同上の続きを示す。
【図3】ホスホパントテン酸転移酵素をコードする遺伝子(npgO遺伝子)の塩基配列を示す。
【図4】プライマーP1を示す。
【図5】プライマーP2を示す。
【図6】ペプチドシンテターゼ遺伝子(asb2遺伝子)の塩基配列を示す。
【図7】同上の続きを示す。
【図8】同上の続きを示す。
【図9】同上の続きを示す。
【図10】同上の続きを示す。
【図11】ペプチドシンテターゼ遺伝子(asb4遺伝子)の塩基配列を示す。
【図12】同上の続きを示す。
【図13】同上の続きを示す。
【図14】同上の続きを示す。
【図15】同上の続きを示す。
【図16】同上の続きを示す。
【図17】同上の続きを示す。
【図18】同上の続きを示す。
【図19】melOプロモーターの塩基配列を示す。

Claims (11)

  1. 以下の(a)または(b)のタンパク質:
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、または、(b)アミノ酸配列(a)においてアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質。
  2. 配列番号2で示される塩基配列を含むDNAであって、請求項1記載のタンパク質(a)をコードする遺伝子、または、該遺伝子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつホスホパントテン酸転移酵素活性を有するタンパク質(b)をコードする遺伝子のDNA。
  3. 請求項2記載の遺伝子を含有する組み換えベクター。
  4. 請求項3記載の組み換えベクターを含む形質転換体。
  5. 請求項3記載の組み換えベクターを含む麹菌。
  6. 請求項4記載の形質転換体が生産する非リボソーム型ペプチド。
  7. 任意のペプチドシンテターゼ遺伝子を高発現した微生物に請求項3記載の組み換えベクターを導入した形質転換体。
  8. 該微生物が麹菌である請求項7記載の形質転換体。
  9. 請求項7又は8記載の形質転換体が生産する非リボソーム型ペプチド。
  10. 非リボソーム型ペプチド合成酵素遺伝子として麹菌のフェリクローム生合成に関するペプチドシンテターゼを遺伝子を使用し、非リボソーム型ペプチドがフェリクロームであること、を特徴とする請求項9記載の非リボソーム型ペプチド。
  11. 非リボソーム型ペプチド合成酵素をコードするDNAを含有する組換えベクター、及び、ホスホパントテン酸転移酵素をコードするDNAを含有する組換えベクターによって、宿主を形質転換し、該宿主を培養することによって、上記した双方のDNAを同時に発現させること、を特徴とする活性型非リボソーム型ペプチドの製造方法。
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