JP2004222589A

JP2004222589A - 食用植物料理品等の脱液乾燥装置及びその方法

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Publication number: JP2004222589A
Application number: JP2003014233A
Authority: JP
Inventors: Hiromichi Yoshida; 吉田博道株式会社京浜プランテック内
Original assignee: Keihin Plantech Co Ltd
Current assignee: Keihin Plantech Co Ltd
Priority date: 2003-01-23
Filing date: 2003-01-23
Publication date: 2004-08-12
Anticipated expiration: 2023-01-23
Also published as: JP3687965B2

Abstract

【課題】食用植物、料理品等を小さくスライスした後長軸のスクリユで圧縮撹拌しながら、ジュースを発生すると共に乾燥残渣は食材、飼料、肥料に再利用する。
【解決手段】ホッパ形状の筐体の頂壁には果実、野菜等の食用植物や料理品などの素材を投入して小さく破砕するスライスを設け、粒子状素材は自重で筐体に落下し、筐体下部に設けた一対の平行な長軸のスクリユは夫々時間内に回転方向を変換しながら回転駆動され、これで圧縮押圧された多量の素材は脱液されて下側の濾過板より青汁ないしジュースとして取り出される一方、乾燥した多量の残渣は食材、飼料、肥料として再利用されるようにしたものである。

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、廃棄される新鮮な食用植物や料理品などの素材を脱液して乾燥する装置及びその方法に関し、特に多量の素材を微粒粉にスライスしたのち、押圧縮してジュース類を絞り出すと共に残渣は乾燥して食品、飼料、肥料として再利用するための装置及びその方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近時、農地で採集した果実野菜類の傷物や形状不良品、集荷市場での傷物や売れ残り物、ホテル、レストランなどでの賞味期限時の食べ残り品は巨大な量である。これを産業廃棄物として焼却したり、廃棄場の埋め立てをしても、多量の含有水分のため処理の困難性があり、且つ、腐敗による悪臭で近隣に支障をきたし、更に捨て場が見当たらない現状である。
【０００３】
現在廃棄用の新鮮な食用植物中でリンゴ、トマト、などの果実やキャベツ、にんじんなどの野菜からジュース類を専門に製造している。これ等の業者は５００〜６００ｋｇ程度の素材量をスライスして遠心分離器に投入しジュース類を絞り出したのち、絞りかすとしての僅かな量の残渣は再利用するには事業として成立しないので、高額な費用を支払って処理業者に廃棄させているものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
この種従来の装置は通常遠心分離器でジュース類を製造することに主たる目的機能を有するのでスライサや乾燥器は別個に配設する必要がある。従って、処理素材の種類が限定され、１バッチ当たりの処理量が少ない。そして多量のジュースを絞り出すには長時間を要するだけでなく、ジュースの生産効率が悪い。更に残渣の生産量が少ないために別に設けた乾燥機で乾燥処理するよりも廃棄費用を支払って投棄埋設したほうが低廉であり、しかも、粉砕用スライサと脱液装置と乾燥器への移送処理上の作業性が非効率であるなどの問題点があった。
【０００５】
本発明は果実野菜は勿論、コーヒー、茶香辛料の出しがら、おから、売れ残りの家畜肉を含む調理品、弁当など廃棄食材食品の広範な種類を処理可能とし、脱液乾燥共用の装置上側に設けたスライサーで微粒紛にした素材は自重による落下で筐体に投入される。そして撹拌圧縮により脱液されながら、乾燥工程に移行することを目的とし、更に筐体内で最終的に乾燥した残渣が処理前の素材重量の平均約２０分の１の量となり、筐体容積に顧慮することなく素材を短時間に順次投入して処理することが可能である。しかも、１日当たり１３ｔから１６ｔ程度処理可能であるなど素材処理量は極めて巨大な量を処理可能とし、残渣の再利用を充分になし得て、食材、食品投棄の大部分がなくなり、環境破壊の防止を目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の脱液乾燥装置は機枠に固設された筐体が頂壁と下部が内側へ傾斜した両側壁と両端壁からホツパー状に形成され、両端壁の下部間には一対のスクリユが平行して配設貫通し、一方の端壁外のスクリユの軸端は支持枠を介して駆動部を設け、他軸端側は支持枠に回転自在に支持され、そして両スクリユの羽根の外端の回転軌跡の下部に近接して配設されている多孔濾過板は両壁下端縁に取付けたものである。更には両端壁の中央部間に設けた一対の管材にはノズル孔を介して９０℃から１２０℃程度の飽和蒸気と加熱気体が下向きに噴射され殺菌脱液乾燥をする構成とされる。
【０００７】
上記機枠を設置する際に素材より脱液されたジュース原液のおりを除去する濾過槽その他の附属機器を床面に設けるときは台枠上に搭載するが、床面を掘り込んで設けるときは台枠は必要ではない。
【０００８】
集荷された食用植物、調理品などの素材は予め滅菌水で洗浄して水切りしたのち、重量を測定して、少ない量の素材を所定の時間間隔を有して上部のスライサの開口より投入される。
【０００９】
スライサは駆動される斜軸に数個の回転刃と該刃間に介挿される固定刃で素材は平均５ｍｍ〜１０ｍｍ程度の径に切削されて自重により下方へ移動し、該筐体内の一対のスクリユへ落下する。筐体は下方が狭小となったホッパー形状となして素材の自重によりスムースに下降する。
【００１０】
前記一対のスクリユの夫々は時間隔をおいて両者が右廻りしたり、左廻りしたり、また一方が右廻りすると他方は左廻りさせ、さらに一方が左廻りすると他方が右廻りするように電気的自動的に作動させる。これにより、投入上部素材はその一側部が側壁側に片寄ることにより他側壁側の素材はスクリユ部分に下降する。その逆の場合も発生したり、上部素材は楕円形状に回動して、素材が筐体中に片寄って投入されても全体を平滑になるよう作用をする。従って、装置の筐体中に時間的に順次投入されても均一に一対のスクリユにより撹拌圧縮脱水されるものである。
【００１１】
スクリユで押圧され絞られるようにして移動する素材は上部素材からの圧力も加わって、脱液され、新鮮なジュースとして濾過されて再利用される一方、急速に脱液されて、略２０分の１程度まで重量及び嵩張りが縮小した乾燥残渣は新鮮な食品増量材、機能材、家畜、養殖魚の飼料や肥料として保管しながら必要に応じて直ちに利用することが可能である。
【００１２】
筐体の両端壁の中央部間には透孔を有する噴射管が配設され、これに接続されたボイラより供給される飽和蒸気が噴射され、常時脱液されている素材は４０℃以上に加温されることにより柔らかくなり、スクリユの回転が良好となり、使用電力が省力化され、急速に脱液される。さらに、素材は加温されることにより殺菌されて、食料や飼料として安全に用いられる。
【００１３】
前記蒸気噴射管の噴射で脱液工程が終了すると、該噴射管の上側に配設されている加熱気体の噴射管から加熱気体が噴出されて、乾燥工程に移行する。この加熱気体は既に加温されている筐体内の気体を強制的に取出して前述したボイラの飽和蒸気で熱交換されたのち加熱気体噴射管の透孔より８０℃〜１２０℃程度の加熱気体が噴射されるので、含有液体の水分が５０〜６０％程度に加温されて脱水されたものを１０〜１５％の含水量に急速に乾燥してゆく。この残渣の乾燥状態で２０日〜３０日間程度は変化や腐敗することなく保存可能であり、必要なときその目的に応じて使用する。
【００１４】
筐体内の前記蒸気と過熱気体の低温化したものは筐体頂壁上に吸引管を介して設けたブロアで強制的に吸引し、それから素材自体やジュースの臭気を公知の消臭機で吸収除去したのち、煙突から排気する。その際、素材自体は新鮮であって腐敗臭や悪臭はないが、素材自体の臭気はあるので近隣や環境に影響しないように配慮するものである。
【００１５】
素材は極めて多種である。一般に果実、野菜は含有液分が９２％から９６％程度あり、特にトマトは９７％に達し、白菜は脱水が促進するにつれて粘性がなくなるのでスクリユーの駆動エネルギーが低減され乾燥工程時間が短くなる。また、脱水乾燥の時間は含液量、新鮮度、粘性、等により差異があって、電気制御回路の自動化により効率良く処理しようとしても困難性がある。
【００１６】
素材中の茶がら、コーヒー紅茶かす（搾）などは含有液（水分）分は９０％以下のものが多く、微紛状にしてスライスすれば粘性もないので乾燥処理は短時間で完了し、ダイエット食に混合すると好ましい。更に、おからは元来豆乳液分を絞り出していて、粘性もなく、微細にスライスすれば脱液乾燥は短時間且つ、迅速に処理が可能である、従って多くの食材、飼料、肥料に用いられる。
【００１７】
素材中の調理品、弁当などの料理品は肉類や粘性のある飯米などが混在し、含有液量も少ない乾燥おからと混合する。しかし脱液操作は注意深く行うことにより海中養魚場の飼料とすることが多い。
【００１８】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図１の装置１で処理する素材を新鮮な白菜屑で説明すれば、前処理として人畜に無害とされる程度次亜塩素酸ソーダを混入して２００ＰＰＭの殺菌剤からなる水槽に浸漬して洗浄する。そのとき、鉄製包丁、はさみなどは側壁の永久磁石に吸着し、ステンレス鋼材や軽金属器具は底壁の溝部に自重で沈下させ、処理を終了した乾燥残渣は食品、飼料として再利用する際に人畜の食用として不足の危険が発生しないようにする。このように滅菌浄化した白菜屑は多孔台板に移載して水切りする。水切りした白菜屑は最大で１度に１ｔ程度を１０分〜１３分間毎に積込槽に投入し、その底部はスクリユコンベアで移送する。
【００１９】
水切り移送された白菜屑を脱液乾燥する装置１は角形鋼管や溝形鋼材で直方体形状に機枠２を形成する。この機枠２にはステンレス鋼板製筺体８をホッパー形状に形成する。筺体の両側壁３及び４の下部は約３０度内側方へ折曲させた傾斜部３ａ、４ａを設ける。両側壁の下端縁には駆動側端壁５と残渣排出側端壁６を設ける一方、上側機枠を介して頂壁７を設けて筺体を形成したものである。
【００２０】
両端壁５、６の下部には一対の平行で水平な軸１０ａ，１０ｂにつる巻状の羽根１１ａ，１１ｂを有するスクリユ１２ａ，１２ｂを設け、その両端軸部が回動自在に貫通し、機枠に取付けた支持枠１３の溝形鋼材１４と保持版１５の軸受１６で支持される。他端側軸部は支持枠１７内の溝形鋼材１８に軸受１９を介して回動自在に保持される。
【００２１】
機枠２の下枠延長部上には一対の調節台２０ａ，２０ｂ付き支持台２１を設け、両調節台には駆動モータ２１ａ，２１ｂを備えた減速器２２ａ，２２ｂを配設し、減速器の回転軸に設けた駆動歯車２３ａ，２３ｂには前記保持版１４より突出した軸端の従動歯車２４ａ，２４ｂを夫々噛合させている。これによりスクリユ１２ａ，１２ｂは素材の種類、新鮮度、水分含有量によるが１分間あたり１２〜１８回転させて素材を脱水する。
【００２２】
前記両スクリユー１２ａ、１２ｂの羽根１１ａ，１１ｂの外端縁の回転軌跡の下半周部に近接して脱液ジュースを透過する直径３ｍｍ程度の多数の透孔２５ａ、２５ｂを穿ったステンレス鋼板からなる断面Ｗ形状の濾過板２６ａ，２６ｂ番が配置され、両側壁下縁と両端壁に取付けられる。そして、濾過板２６ａ，２６ｂの中央部の切欠部には両濾過板内端縁部を両側部で覆うようにした濾過板２７が取外し可能に配置され、両側壁下縁部にねじ止めされている。これは筐体内を水の噴射で洗浄したときの塵介排出部である。
【００２３】
図４は図２のＡ‐Ａ線に沿う端面図であって、端壁６の下方延長部６ａに設けたスクリユの羽根の対応部には開口２８を設ける。そして、この開口を覆う多数の透孔２５ｃを穿った蓋２９が軸１０ａ、１０ｂを介装して配置される。この蓋２９の複数の受部材には端壁６ａに回動可能に設けた錠３０が施錠され、蓋２９が開閉可能に設けられる。
【００２４】
上記蓋２９にスクリユで圧縮移動してきた粒子素材はジュースを透孔２５ｃより飛散するように吐出するので、軸１０ａ，１０ｂの支持枠１７側に介装した止板３２で飛散ジュースを受止めて、下方の誘導溝３３ｂに落下させ、濾過槽３４に導く。一方、端壁６ａに近接する軸１０ａ，１０ｂ部には撹拌杆３４ａを半径方に設けて粒子素材を横方向へ移送し、蓋２９への過大な押圧負荷を軽減することにより不慮の損傷を防止する。
【００２５】
図５で示す駆動側端壁５下部の羽根１１ａ，１１ｂ対応部分には多数の透孔２５ｄを設ける。この透孔２５ｄより外方へ飛散するジュースを下方の誘導溝３３ａへ落下して流下させるため、端壁５の外側方には図１、図２に示す如く止板３５を軸１０ａ、１０ｂに介装させながら、その上端を端壁５に取着する。端壁５内面に近接した軸１０ａ、１０ｂ部分には撹拌杆３４ｂを半径方向に設けて、端壁５に圧縮される粒子素材を横方に移動させることにより、端壁５への過負荷を抑制して損傷することを防止する。
【００２６】
筐体頂壁７の一側部にはスライサ３６を設ける。このスライサ３６は傾斜した円筒筐体３７の先端下部が頂壁７に開口し、後端壁の後方には駆動モータ３８と減速器の駆動軸に接続する。回転軸３９が円筒筐体３７の両端壁を貫通して配設され、回転軸３９には半径方向直行方向に４個の切刃４０が所望間隔を有して複数筐所に設けられる。切刃４０間には円筒筐体内上下部に配設した補助切刃４１が介装されている。そして、円筒筐体３７の後端上部に設けた投入開口４２には前述した水切り素材がスクリューコンベアによって計量した所望量ごとに順次投入され、略直径５〜１０ｍｍ程度の不規則な形状に破砕されながら、自重により流れ下り、筐体内に落下してゆく。そして、スライサは素材を投入しない不使用時にはダンパーなどで閉鎖することが好ましい。
【００２７】
筐体８下部に落下した素材を圧縮脱液する一対のスクリュー１２ａ、１２ｂは効率良く且つ低電力で作動させるため素材を蒸気加温することが好ましい。そのため、図６に示すボイラ４４で９０℃〜１２０℃の飽和蒸気を供給管４５に吐出させ、電磁弁４６、手動弁４７を閉鎖し、分岐した撓曲管４８の電磁弁４９、手動弁５０を開にして端壁５より筐体内に配設した噴射管５１に導内する。蒸気噴射管５１は下部の中央部に１個と両側部に２個の透孔５２を２０ｃｍ間隔に穿設する。そして管部の透孔５２は３ｍｍの径とするが、終端側になるに従って径を５ｍｍ程度に増大してゆく。これにより、噴射管の全域より蒸気が均一に下方へ噴射され、粒子素材は４０℃〜５０℃の温度に加温されて軟化する。軟化した素材はスクリュの省力化された電力エネルギーにより効率良く圧縮されて脱液されると共に摩擦力で素材は更に微粒化する。そしてこの加熱により殺菌される。
【００２８】
素材の脱液処理により、含有液の水分含有率が白菜屑の場合は５０〜６０％に達したとき、蒸気噴射よりなる脱液処理工程を停止して乾燥処理工程に切換える。乾燥処理工程は図６に示す如く、先ず、撓曲管４８に設けた電磁弁４９、手動弁５０を閉とし、供給管４５の電磁弁４６と手動弁４７を開とする。一方、筐体頂壁７に接続して内部気体をブロア５５で強制吸引するための撓曲管５６の可変ダンパ５７を開として該内部気体を熱交換器５４に供給する。内部気体が熱交換器５４で９０℃〜１２０℃程度に加熱された後、熱交換器５４に接続された撓曲管５８の先端は端壁５に一端が設けられた加熱気体の噴射管５９に接続される。噴射管５９は基部から先端側になるに従って、周壁下部に径３ｍｍで３個の透孔が２０ｃｍおきに穿設され、噴射気体により加熱された微粒素材は４０℃〜６０℃程度に加熱されて乾燥してゆくものである。そして、６時間から８時間に亘り乾燥処理がなされると、含有水分が１０から１５％程度となる。この乾燥程度で取り出して保存しても２〜３週間程度は腐敗することはない。しかし、含有水分を１０パーセント以下まで脱水するには、別に設けた真空乾燥器で処理することが本装置の稼働効率を良好とする。
【００２９】
濾過板２６ａ，２６ｂ及び両端壁５及び６の透孔及び蓋２９の透孔より濾過されたジュースは誘導溝３３ａ，３３ｂに落下して濾過槽３４に流入する。濾過槽３４は順次、メッシュ径を小径とした数個の金網板を配設して、おりを濾過沈殿させてジュース原液を作成する。一方乾燥工程を終了して、残渣を筐体から取り出すときは、前以て、誘導溝３３ｂを引き抜いた後、蓋２９を開放移動し、スクリュ１２ａ，１２ｂを作動することにより残渣が排出されて、図１に示すベルトコンベア５３で所望の包装処理場へ移送される。
【００３０】
本装置の筐体頂壁７上の所望位置には原動機付ブロア６０が筐体内の蒸気を含む気体の吸引管６１を介して配設される。ブロア６０はこれに接続した撓曲管を介して公知の各種臭気を消臭して煙突より排気される。筐体８内は飽和蒸気を噴射しながら脱液処理をなしたのちに加熱気体を供給しながら更に乾燥をなす。この水蒸気は本来処理素材が新鮮であるので、腐敗臭や悪臭はないが、素材本来の臭気は発生する。この臭気は工場団地に装置を設置しても迷惑を及ぼすので、ブロア６０より公知の各種消臭機で臭気分を吸収消去するか除去した後煙突より外部に排出する。
【００３１】
装置の筐体８内で熱風により脱液乾燥する工程において、一対のスクリュの回転により素材の動きを制御盤３１のスイッチ、タイマ、正逆変換機の各々の自動切換えにしたがって具体的に説明する。駆動側より見た両クスリュ１２ａ，１２ｂを右回転させると、両スクリュ部の素材は駆動側の端壁５に圧縮され絞り込まれて移動し、脱液されながら上昇する。そして、上部の全素材は側壁３側に移動し、側壁４側の上部素材は下降してスクリュ１２ｂ部に下降する。その作動時間は素材の種類にもよるが、白菜屑の場合は５〜１０分間程度である。次にスクリュ１２ｂが逆回転すると、その部分の素材は端壁６側へ移動し、その上部の素材は両側壁側に移動するので、中央上部素材は下降する。それと共にスクリュ１２ｂ上部の素材は端壁６側へ移動するが、スクリュ１２ａ上部の素材は端壁５へ移動する傾向にあるので全体的に右回りの楕円形状に回動する。これは１０〜２０分間程度で終了させる。次にスクリュ１２ａを左回転させると共に１２ｂを右回転させると、１２ａ部の素材は端壁６側に圧縮移動し、１２ｂ部の素材は端壁５側に移動する。そして、上部素材は筐体の中心軸側に寄せられる傾向にあり、両側部の素材は１２ａ，１２ｂに降下する。しかも上部素材は全体として筐体内を楕円状に左回転する。これも５〜１０分間程度作動させる。次に１２ａも１２ｂも左回転させると両スクリュ−部の素材は端壁６側へ圧縮移動し、上部素材は側壁４側に移動し、しかも側壁３側の素材はスクリュ１２ａ部に降下する。この作動時間は５〜１０分間程度である。このように素材は移動するので素材が順次投入されても、その全体は均一に脱液乾燥される。
【００３２】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【００３３】
装置筐体の底部に配設した一対の回転するスクリュ−は微粒子化した素材を圧縮して脱液する工程で多量の食用ジュースを発生しながら同一構成のもので乾燥処理もなしているもので、極めて効率的処理をすることができる。
【００３４】
筐体中に投入する切削粒子状素材はスクリュで圧縮されるので、時間的間隔をおいて順次計量のうえ投入すれば筐体容積を考慮することなく急速に脱液して素材の重量も急滅する。従って、短時間に多量の脱液処理が可能となり、最終的に乾燥残渣が筐体容積の１／２となることを予測しているだけで一日あたり１４ｔから１６ｔの素材を処理可能である。
【００３５】
さらに、装置筐体の頂壁上に設けたスライサの開口に水切り素材を投入すれば、切削破砕されながら筐体下部のスクリュ部に落下し、スクリュの回転により脱液して発生するジュースは自重で下部の多孔濾過板から濾過されて流下し、生鮮飲料とされる。このように自重による流下式で自動的多量の素材を低コストで効率的に処理することが可能となったものである。
【００３６】
素材を脱液して含水量１０〜１５％程度に乾燥すると、粉体状残渣として保管しておき必要に応じて、各種食品及び食品の機能材、増量材、飼料、肥料として従来は大部分を生ごみとして廃棄していたものを再利用可能とすることが可能となったものである。このようにして、従来、売れ残り、食べ残しなどの新鮮な生ごみは集荷ネットワークが整備されるにつれ、その大部分が再利用され環境を破壊することは無くなるという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】脱液乾燥装置の一部切欠全体斜視図である。
【図２】脱液乾燥装置の一部切欠全体正面図である。
【図３】脱液乾燥装置の一部切欠全体平面図である。
【図４】図２のＡ〜Ａ線断面に沿う端面図である。
【図５】図２のＢ〜Ｂ線断面に沿う端面図である。
【図６】装置筐体内に蒸気と加熱気体を噴射する経路図である。
【符号の説明】
１脱液乾燥装置
２機枠
３３ａ４，４ａ側壁
５、６．６ａ端壁
７頂壁
８筐体
１０ａ．１０ｂ軸
１２スクリユ
１３．１７支持枠
１５保持板
２１ａ．２１ｂ駆動モータ
２２ａ，２２ｂ減速機
２３ａ，２３ｂ２４ａ，２４ｂ歯車
２５ａ，２５ｂ２５ｃ，２５ｂ透孔
２６ａ，２６ｂ濾過板
２９蓋
３３ａ，３３ｂ誘導溝
３４ａ，３４ｂ撹拌杆
３６スライサ
４０切刃
４１補助切刃
４８．５６．５８撓曲管
５１蒸気噴射管
５９加熱気体噴射管

Claims

機枠に設けたホッパ形状の筺体の両端壁下部を一対の平行なスクリユの両端壁軸部が貫通して両端壁外側の支持枠に回動自在に配設され、両軸部の一端側に設けた従動歯車は、駆動機構と接続した減速器軸の駆動歯車と噛合し、これにより粒子状素材を撹拌圧縮して絞り出す両スクリユは夫々電気的制御盤のタイマと電圧の正逆変換器を介して所望の時間的設定値で回転方向を自動的に制御して作動し、両スクリユの羽根外端の回転軌跡の下側半周に近接した多孔濾過板は筐体下端壁部に固設され、両端壁間には筐体内の素材を５０℃〜６０℃に上昇させて乾燥する加熱気体噴射管を設け、筐体頂壁の一側には駆動機付傾斜スライサの先端側を配設し、且つ、頂壁の適所には筐体内の気体や臭気を吸引するブロアより臭気吸収除去機を介して廃棄する煙突を設けていることを特徴とする食用植物料理品等の脱液乾燥装置。
前記筐体の両端壁間には間隔を有して下向きに複数個の透孔を設けた蒸気の噴射管を設ける一方、筐体外に設けたボイラに発生する９０℃から１１０℃程度の飽和蒸気は撓曲管により蒸気噴射管に接続し、筐体の素材を少くとも４０℃から５０℃に加温して脱液処理を良好にすることを特徴とする請求項１記載の食用植物料理品などの脱液乾燥装置。
前記蒸気噴射管の上側の両端壁間には下向きに複数個の透孔を間隔を有して穿設した加熱気体噴射管を設ける一方前記ボイラの飽和蒸気は供給管を介して熱交換器へ導入され、該熱交換器には筐体頂壁に接続した撓曲管で筐体内の気体を吸引するブロアが接続され、該ブロアに接続された熱交換により加熱された気体は撓曲管を介して導入される前記加熱気体噴射管に接続されて素材を乾燥することを特徴とする請求項１記載の食用植物料理品等の脱液乾燥装置。
筐体の駆動側端壁下部のスクリユ軸部域には素材が圧縮脱液されてジュースが吐出されるための多数の透孔を有する濾過部を設け、濾過部の外側にはジュースの飛散を防止する止板を設けると共に、下側にはジュースの誘導溝を設けたことを特徴とする請求項１記載の食用植物料理品などの脱液乾燥装置。
筐体の残渣吐出側端壁下部域の吐出開口にはジュースを吐出する多数の透孔を有する開閉蓋を錠で開放可能に設ける一方、素材の脱液乾燥を終了したときは開閉蓋を開放すると共に前記誘導溝の取り外し可能部分を引抜いて、筐体内の残渣を下側のベルトコンベアに落下移送する構成としたことを特徴とする請求項１記載の食用植物料理品等の脱液乾燥装置。
新鮮であるが変形屑状の果実野菜料理品などの素材は分別して集荷し、少量の滅菌剤を混入した水槽水で洗浄し、次に金属などを除去したのち水切りし、所定重量の素材を順次装置上のスライサ開口に投入してゆく、スライサで直径５〜１０ｍｍ程度に切削された素材は自重で順次装置の筐体内に落下し、その後一対の水平で平行なスクリユが時間的に回転方向の変更を繰返すことにより切削された素材は撹拌されながら圧縮されて脱液される、脱液工程では効率良く処理するために飽和蒸気を噴射して素材を４０℃から５０℃に加温し、ジュースの吐出量が少なくなったことを視認すると蒸気噴射を停止したのち、加熱気体を噴射して乾燥工程に移行する。ジュース吐出量がなくなると筐体下部の蓋を開放して乾燥残渣を取出して再利用のための処理をなす、一方筐体頂壁からは筐体内の含有水分及び臭気を吸引して臭気を吸収後に煙突から排気することを特徴とする食用植物料理品などの脱液乾燥方法。