JP2004221853A - マイクロメカニカルフィルタ及び携帯型情報端末 - Google Patents

マイクロメカニカルフィルタ及び携帯型情報端末 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロメカニカルフィルタの寸法を小さくすることなく高周波化を達成し、電気機械変換効率の低下を回避し、終端抵抗が大きくなるという問題を解決する。
【解決手段】入力用共振子71と、この入力用共振子71を高次の共振モードで振動させるように、入力用共振子71に近接して配置された入力用駆動電極(51,52,91)と、入力用共振子71に接続された結合子10と、この結合子10に接続され、入力用共振子71の振動により励振される出力用共振子72と、この出力用共振子72の振動を静電容量の変化により検知するための検出用電極(53,54,92)とを備え、入力用共振子71の特定の高次のモードのみを利用して、特定の周波数のマイクロ波信号を通過させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波帯域で動作可能なマイクロメカニカルフィルタ及びこのマイクロメカニカルフィルタを用いた携帯型情報端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の無線通信技術はめざましい発展を遂げ、情報の高速伝送を目的とした開発が進められている。PHSシステムや第3世代携帯通信、無線LAN等の導入により、無線通信技術で用いられる周波数領域は2GHz前後のマイクロ波帯域が利用され、加入者数、端末数等も飛躍的に増大している。搬送波の周波数は更に高周波化が進められ、無線LANシステムの5GHz帯での商用化も開始された。
【0003】
この様なマイクロ波帯域の無線通信技術を利用した高周波通信機器においては小型化、軽量化が要求されている。特に、高周波通信機器を携帯型情報端末に利用する場合は、マイクロ波帯域の高周波(RF)信号を処理するRFフロントエンド部が、空洞共振器やLC回路の通過帯域特性を用いてフィルタリングしていたため、装置の小型化、薄型化に限界があった。特にLC回路に用いるコイル(インダクタ)の小型化は困難である。更に、コイル(インダクタ)には抵抗損失があるため、俊敏なフィルタ特性を得ることが出来ない欠点がある。
【0004】
一方、近年、半導体微細加工技術を用いて微細な機械構造を電子回路と一体化して作製するマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術が脚光を浴びている。MEMS技術の応用は多岐にわたるが、その1つに微小なメカニカルフィルタ(以下では「マイクロメカニカルフィルタ」という。)がある。この様なマイクロメカニカルフィルタは小型で集積化が可能であることから通信分野への応用が期待されている。
【0005】
この様なMEMS技術を用いたマイクロメカニカルフィルタの一例として図11に示すような多結晶シリコンを用いたマイクロメカニカルフィルタが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。図11では、Si層とSiO層よりなる絶縁層が形成されたSi基板(図示せず)に、不純物を添加した多結晶シリコン(以下において、「ドープド・ポリシリコン」という。)からなる固定電極101aと101bを両側の支点とし、ドープド・ポリシリコンからなる共振子102aと102bが両持ち梁状に形成されている。又、両持ち梁共振子102aの下には微小な距離dを隔てて入力用電極104aが、両持ち梁共振子102bの下には出力用電極104bが形成されている。更に両持ち梁共振子102aと102bとの間は結合子103により機械的に結合されている。図11に示すマイクロメカニカルフィルタにおいては、導電性の両持ち梁共振子102aと102bを固定電極101bを介して電圧Vでバイアスし、入力用電極104aに交流信号vを入力すると、両持ち梁共振子102aとの間にz方向の静電気力が生じる。交流信号vの周波数が両持ち梁共振子102aの共振周波数に一致すると両持ち梁共振子102aは大きくz方向にたわみ振動し、その振動は結合子103を介して両持ち梁共振子102bに伝えられる。両持ち梁共振子102bが両持ち梁共振子102aと同一構造であれば、その共振周波数も同一であるため、結合子103により伝えられた振動により両持ち梁共振子102bも共振する。その結果、両持ち梁共振子102bと出力用電極104b間の静電容量が変化し、交流電流i2が流れることになる。結果として、入力交流電圧vの周波数が両持ち梁共振子102a、102bの共振周波数に近いときにのみ出力交流電流i2が得られることになる。したがってこの素子を共振子の共振周波数fを中心周波数とするバンドパスフィルタとみなすことが出来る。このフィルタの帯域は主に両持ち梁共振子102a、102bの寸法によって決り、良好なフィルタ特性を得るためには入力端を適切な値の抵抗R、出力端を適切な値のRによって終端する必要がある。
【0006】
【非特許文献1】
クラークT.C.グェン(Clark T.C. Nguyen):米国電子電気学会(IEEE)トランザクション・オン・マイクロウェーブ・セオリー・アンド・テクニックス( Transactions on Microwave Theory and Techniques),第47巻、第8号,1999年8月,p.1486
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示したような従来のマイクロメカニカルフィルタは以下に述べるような大きな問題を有している。マイクロメカニカルフィルタを300MHz以上のマイクロ波帯域で使用するためには、共振子の共振周波数fを高く、即ち、共振子の寸法を小さくする必要がある。両持ち梁共振子の長さをl、厚さをh、幅をwとすると、両持ち梁共振子の共振周波数fは以下の式(1)で与えられる。即ち、
∝ h/l ・・・・・(1)
であるが、両持ち梁共振子がたわみ振動を行うためには、
h < l ・・・・・(2)
w < l ・・・・・(3)
である必要がある。
【0008】
一方、図11に示すマイクロメカニカルフィルタの入力側では、電圧→力の変換の静電変換トランスデューサー、出力側では、振動速度→電流の変換の静電変換トランスデューサーが構成されている。したがって、図11に示す終端抵抗RとRの値は、両持ち梁共振子と入出力電極間に形成される静電変換トランスデューサーの電気機械変換効率ηの二乗に反比例する。即ち、
,R ∝ 1/η ・・・・・(4)
である。電極幅wの静電変換トランスデュサーの静電容量を
≒ w・w/d ・・・・・(5)
として、静電変換トランスデューサーの電気機械変換効率ηは、
η = V・C/d ・・・・・(6)
で与えられる。以上のことから共振周波数fを上げるために共振子の長さlを小さくすると、それに応じて共振子の幅wを小さくせねばならず、又、電極の幅wはlより小さいので、静電容量Cが小さくなることがわかる。結果として、電気機械変換効率ηが小さくなり、ηの二乗に反比例する終端抵抗R,Rの値は非常に大きくなることがわかる。しかしながらマイクロメカニカルフィルタに接続する素子とのインピーダンス整合の条件から許される終端抵抗R,Rの値は典型的には50Ω〜2kΩ程度であり、このことがマイクロメカニカルフィルタの高周波化を阻んでおり、従来報告されているマイクロメカニカルフィルタの通過周波数は高々100MHz〜200MHzであり、300MHz以上のマイクロ波帯域での動作は困難である。
【0009】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、小型で、マイクロ波帯域での高周波特性に優れた、マイクロメカニカルフィルタ及び携帯型情報端末を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、(イ)入力用共振子と、(ロ)この入力用共振子を高次の共振モードで振動させるように、入力用共振子に近接して配置された入力用駆動電極と、(ハ)入力用共振子に接続された結合子と、(ニ)この結合子に接続され、入力用共振子の振動により励振される出力用共振子と、(ホ)この出力用共振子の振動を静電容量の変化により検知するための検出用電極とを備え、入力用共振子の特定の高次のモードのみを利用して、特定の周波数のマイクロ波信号を通過させるマイクロメカニカルフィルタであることを要旨とする。周知のように「マイクロ波」とは、狭義には300MHz〜30GHzの電磁波を意味するが、本発明は300MHz〜5GHz程度のマイクロ波、特に1GHz〜5GHz程度のマイクロ波の領域で好適である。「入力用共振子の高次のモード」とは、図2(a)に示す入力用共振子の両端にのみノード(節)が存在する1次の共振モードよりも高次のモードの意である。即ち、図2(b)及び(c)に示すように、入力用共振子の内部に1以上の節が存在する振動モードが「入力用共振子の高次のモード」である。
【0011】
高次の振動モード(高次のモード)を利用する方法では、例えば3次の共振モードを利用した場合、入力信号の1次と2次の共振モードの周波数付近の周波数成分も通過する問題を考慮する必要がある。このため、特定の高次のモードのみを利用して、他の振動モードを抑制するには、具体的には以下のようにすれば良い。即ち、
入力用駆動電極を、入力用共振子を特定の高次の共振モードのみで振動させるように、高次の共振モードの節点を基準として配置し、出力用共振子を入力用共振子と同一構造とし、入力用共振子及び入力用駆動電極と同一位置関係で出力用共振子に対して検出用電極を配置すれば、特定の高次のモードのみを励振出来る。即ち、静電気力の分布を共振モードの節点を基準として設計し、入力用駆動電極の寸法と位置及びバイアス電圧を制御することにより、利用する高次共振モードよりも低次の共振モードの発生を抑圧することが出来る。
【0012】
或いは、出力用共振子を入力用共振子とは異なる構造とし、入力用共振子が振動する第1の高次の共振モードとは異なる次数の第2の高次の共振モードで振動し、且つ第1及び第2の高次の共振モードの共振周波数が一致するように検出用電極を配置しても、特定の高次のモードの周波数のみを通過させることが可能である。即ち、マイクロメカニカルフィルタを構成する出力用共振子と入力用共振子の形状を互いに異なるようにし、異なる次数の共振モードでの共振周波数を一致させることにより、素子全体としては両者の共振が一致する通過周波数でのみ信号を通過させることが出来る。
【0013】
この様にして利用する共振周波数よりも低い共振の影響を無くすことが出来るので、マイクロメカニカルフィルタの寸法を小さくすることなく、300MHz〜5GHz程度のマイクロ波領域への高周波化が達成出来る。しかも、この様なマイクロ波領域において、静電容量の低下による電気機械変換効率ηの低下や終端抵抗が大きくなるという問題も発生しない。
【0014】
入力用共振子及び出力用共振子は、それぞれ両持ち梁構造のたわみ振動をしても良く、互いに半径の異なる円板形状で、それぞれ半径方向に拡がり振動をするようにしても良い。
【0015】
本発明の第2の特徴は、(イ)アンテナと、(ロ)入力用共振子、出力用共振子及び入力用共振子と出力用共振子とを接続する結合子を有し、入力用共振子及び出力用共振子の特定の高次のモードのみを利用して、アンテナから供給されるマイクロ波信号を通過させるマイクロメカニカルフィルタと、(ハ)局部発振器と、(ニ)マイクロメカニカルフィルタを通過した信号と局部発振器の信号とを混合するミキサとを備える携帯型情報端末であることを要旨とする。ここで、「入力用共振子及び出力用共振子の高次のモード」とは、図2(b)及び(c)に示すように、入力用共振子及び出力用共振子の内部に1以上の節が存在する振動モードである。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
又、以下に示す第1〜第3の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることが出来る。
【0018】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、図1に示すように、入力用共振子71と、この入力用共振子71を高次の共振モードで振動させるように、入力用共振子71に近接して配置された入力用駆動電極(51,52,91)と、入力用共振子71に接続された結合子10と、この結合子10に接続され、入力用共振子71の振動により励振される出力用共振子72と、この出力用共振子72の振動を静電容量の変化により検知するための検出用電極(53,54,92)とを備え、入力用共振子71の特定の高次のモードのみを利用して、特定の周波数のマイクロ波信号を通過させるマイクロメカニカルフィルタである。入力用共振子71及び出力用共振子72は、図1に示すように、両端をそれぞれ固定したドープド・ポリシリコンからなる両持ち梁構造をしている。
【0019】
図1では図示を省略しているが、このマイクロメカニカルフィルタは、図4(d)に示すように、Si基板31と、Si基板31の上部に配置された第1絶縁膜32と、第1絶縁膜32の上に配置された第2絶縁膜33が配置された構造を基体としている。即ち、入力用共振子71と出力用共振子72のそれぞれの両端を固定し両持ち梁構造を実現する接続電極41,42が、図4(d)に示す第1絶縁膜32と第2絶縁膜33とからなる複合膜上に配置されている。第1絶縁膜32と第2絶縁膜33とからなる複合膜により、この上に配置された接続電極41,42が、Si基板31と絶縁される。例えば、第1絶縁膜32としてシリコン酸化膜(SiO膜)、第2絶縁膜33としてシリコン窒化膜(Si膜)を用いることが可能である。
【0020】
接続電極41,42は、導電性材料であれば、種々の材料が採用可能である。入力用共振子71及び出力用共振子72と同様にドープド・ポリシリコンを採用するのが、製造工程が容易になるので好ましい。接続電極41,42の電気抵抗を下げ、電気機械変換効率ηを向上するためには、金属が好ましく、製造工程を考慮すれば、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)等の高融点金属が、接続電極41,42として好ましい。或いは、接続電極41,42として、高融点金属のシリサイド(WSi,TiSi,MoSi)等が採用可能である。
【0021】
図1に示すように、入力用共振子71の上下には微小な距離dを隔てて、入力用駆動電極として、入力用下部電極51,52と入力用上部電極91が形成されている。更に入力用共振子71と対をなす出力用共振子72に対しては、検出用電極として、出力用下部電極53,54と出力用上部電極92が図1に示すのように形成されている。又、入力用共振子71及び出力用共振子72との間は、梁状の結合子10により機械的に結合されている。
【0022】
入力用下部電極51,52、入力用上部電極91、出力用下部電極53,54及び出力用上部電極92は、導電性材料であれば、種々の材料が採用可能であり、ドープド・ポリシリコン、高融点金属、高融点金属のシリサイド等が採用可能である。製造工程を考慮すると、入力用下部電極51,52及び出力用下部電極53,54は、接続電極41,42と同一材料であるのが便利である。
【0023】
図1に示すマイクロメカニカルフィルタにおいては、導電性の入力用共振子71と出力用共振子72を接続電極42を介して電圧Vでバイアスし、入力用上部電極91に交流信号vを入力すると、入力用共振子71との間にz方向の静電気力が生じる。交流信号vの周波数が入力用共振子71の共振周波数に一致すると入力用共振子71は大きくz方向にたわみ振動し、その振動は結合子10を介して出力用共振子72に伝えられる。出力用共振子72が入力用共振子71と同一構造であるので、その共振周波数も同一であるため、結合子10により伝えられた振動により出力用共振子72も共振する。その結果、出力用共振子72と出力用上部電極92間の静電容量が変化し、交流電流iが流れることになる。結果として、入力交流電圧vの周波数が入力用共振子71、出力用共振子72の共振周波数に近いときにのみ出力交流電流iが得られることになる。したがって入力用共振子71と出力用共振子72の共通の周波数fを通過周波数とするバンドパスフィルタとみなすことが出来る。
【0024】
第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、図2(c)及び図3に示した3次の振動モードの節の位置に、入力用下部電極51,52と入力用上部電極91との境界部が存在するように、電極配置が設計されている。同様に、3次の振動モードの節の位置に、出力用下部電極53,54と出力用上部電極92との境界部が存在するように、電極配置が設計されている。この様な電極配置にしておけば、後述の説明から明らかなように、1次と2次の共振を防止し、3次の共振のみを利用するマイクロメカニカルフィルタを実現出来、高周波化が達成される。
【0025】
図2は1次から3次までの共振時の振動モードを示している。図2(b)に示す2次の共振は図2(a)に示す1次共振の1.7倍、図2(c)に示す3次共振は図2(a)に示す1次共振の2.3倍の周波数である。特に、第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、3次共振のみを利用出来るように、入力用下部電極51,52と入力用上部電極91との境界部、及び出力用下部電極53,54と出力用上部電極92との境界部の位置が設計されており、入力信号の1次と2次の共振周波付近の周波数成分は通過しない。
【0026】
図3は入力用共振子71及び出力用共振子72の3次の振動モードの振動を説明するための図である。図3では、括弧内に出力用共振子72に対応する符号を付しているが、入力用共振子71と出力用共振子72とで動作は基本的に同じである。説明を簡単にするために入力用共振子71(出力用共振子72)は0電位とし、入力用下部電極51,52(出力用下部電極53,54)は直流電圧Vバイアスされ、入力用上部電極91(出力用上部電極92)はVでバイアスされて入力電圧vが印加されているものとする。又、入力用共振子71(出力用共振子72)と入力用上部電極91(出力用上部電極92)のギャップをd、入力用共振子71(出力用共振子72)と入力用下部電極51,52(出力用下部電極53,54)のギャップをdとする。このときの入力用共振子71(出力用共振子72)の長さ方向の座標をxとし、x方向に単位長さ当たりQ(x)exp(jωt)の分布力が加わっているとすると、入力用共振子71及び出力用共振子72のz方向の変位をξ(x)として、ξ(x)は振動論における周知の関係より、両持ち梁構造のたわみ振動の強制振動解として次式で与えられる。
【0027】
【数1】
ξ(x)=ΣA・Ξ(x)・exp(jωt)/(ω −ω) ・・・・・(7)
ここでωとΞ(x)はそれぞれm次(m=1,2,3,・・・・・)の共振における角振動数と規準固有関数である。Eを入力用共振子71(出力用共振子72)のヤング率、Iを入力用共振子71(出力用共振子72)の断面2次モーメント(=wh/12)、ρを入力用共振子71(出力用共振子72)の密度、Aを入力用共振子71(出力用共振子72)の断面積(=wh)とすると、入力用共振子71(出力用共振子72)のm次の共振角振動数ωは、式(8)で与えられる:
ω=(α/l)(EI/ρA)1/2 ・・・・・(8)
式(8)における定数αは、以下の式(9)の解として与えられる:
cosα・coshα=1 ・・・・・(9)
X=x/lとすると、入力用共振子71(出力用共振子72)のm次の規準固有関数Ξ(x)は、以下の式(10)で与えられる:
【数2】
Ξ(x)={(sinα−sinhα)(cosαX−coshαX)−(cosα−coshα)(sinαX−sinhαX)}/(sinα−sinhα) ・・・・・(10)
式(7)のAは、分布力Q(x)を規準固有関数Ξ(x)でフーリエ展開表示した場合の係数で、次式(11)で与えられる。
【0028】
=∫Q(x)Ξ(x)dx/M ・・・・・(11)
式(11)で、Mは入力用共振子71(出力用共振子72)の質量である。電極51,52,91(53,54,92)の配置を図3のようにした場合、分布力Q(x)は入力用共振子71(出力用共振子72)の変位ξが小さければ、次式(12a)及び(12b)で与えられる。
【0029】
【数3】
Figure 2004221853
ここでεは真空の誘電率である。
【0030】
式(10),(12a)及び(12b)を式(11)に代入し計算すると、フーリエ展開表示の係数Aは、
【数4】
=(ε・w・v/ρA)[(V/d )∫IIΞ(x)dx−(V/d )∫ +IIIΞ(x)dx] ・・・・・(13)
となる。ここでIは0<x<x,IIはx<x<1−x,IIIは1−x<x<lでの積分を示す。m=2のとき、規準固有関数Ξ(x)はx=1/2に関し反対称であるから、式(13)のすべての積分は0となる。即ち、フーリエ展開表示の係数A=0である。
【0031】
一方、m=1のとき、
【数5】
=(ε・w・v/ρA)[(V/d )∫IIΞ(x)dx−(V/d )∫ +IIIΞ(x)dx] ・・・・・(14)
に、式(10)を代入して、x/l=0.356に選ぶと、
【数6】
=(ε・w・v/ρA)[0.400(V/d )−0.4311(V/d )] ・・・・・(15)
となる。x/l=0.356は、図2(c)に示す3次の振動モードにおいて変位ξ(x)が0になる、いわゆる節の位置である。x/l=0.356に選ぶことにより、効率よく3次共振を起こすことが出来る。
【0032】
この様に、特に電極51,52,91(53,54,92)の配置を示す座標xをx/l=0.356に選んだ場合でおけば、フーリエ展開表示の係数Aを0に出来る条件が存在する。例えば、入力用共振子71(出力用共振子72)と入力用下部電極51,52(出力用下部電極53,54)のギャップdと、入力用共振子71(出力用共振子72)と入力用上部電極91(出力用上部電極92)のギャップdを同じにしたときは、式(15)から、V/V=0.927のときにAが0になる。d=d条件は、後述するマイクロメカニカルフィルタ製造工程が容易になるので、好都合である。
【0033】
又、V=V即ち、直流電源の数を減らすために入力用下部電極51,52(出力用下部電極53,54)と入力用上部電極91(出力用上部電極92)に対するバイアス電圧を同じにしたときにはd/d=1.04のときにAが0になる。
【0034】
以上のように、ある条件下で、フーリエ展開表示の係数AとAを0に出来るということは、入力信号vに1次共振の角振動数ωと2次共振の角振動数ωの成分が含まれていても共振が生じないことを意味している。したがって、図2(c)及び図3に示した3次の振動モードの節の位置(x/l=0.356)に、入力用下部電極51,52(出力用下部電極53,54)と入力用上部電極91(出力用上部電極92)との境界部が存在するように、電極配置を設計しておけば、バイアス電圧の調整により1次と2次の共振が生ぜず、3次の共振のみを利用するマイクロメカニカルフィルタを実現することが出来る。
【0035】
実際上は、ギャップを一定にしたときのV/V≒1であり、又、バイアス電圧を一定にしたときのd/d≒1であるから、バイアス電圧をV=V=V、ギャップをd=d=dとしても良い。図1の構造例はこの場合である。
【0036】
本発明の第1の実施の形態によれば低次の共振が生じないため、高次振動を利用することが出来、マイクロメカニカルフィルタの寸法を、現在の微細加工技術の限界よりも、小さくすることなく高周波化が達成出来る。例えば、1〜5GHz程度のマイクロ波帯域の、若しくは更に高周波のマイクロ波帯域における動作を実現出来る。更に、1〜5GHz程度のマイクロ波帯域において、静電容量の低下による電気機械変換効率ηの低下が生ぜず、終端抵抗R,Rが大きくなるという問題を回避出来る。なお、第1の実施の形態は3次共振を用いるマイクロメカニカルフィルタの例であるが、同様の方法により他の高次共振を用いるマイクロメカニカルフィルタを実現することが可能である。例えば、5次の振動モードであれば、5次の振動モードの節の位置に3つの入力用下部電極(出力用下部電極)と2つの入力用上部電極(出力用上部電極)との境界部が存在するように設計すれば良い。
【0037】
図1のA−A’方向に沿った工程断面図である図4を用いて、第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタ製造方法を説明する。
【0038】
(イ) まずSi基板31上に第1絶縁膜32を形成し、更に、第1絶縁膜32の上に、第2絶縁膜33を形成する。例えば、第1絶縁膜32としては、Si基板31を熱酸化した熱酸化膜(SiO膜)、第2絶縁膜33としてはCVD法で堆積した窒化膜(Si膜)を用いることが可能である。次にCVD法によりノンドープ(不純物を添加しない)の多結晶シリコン膜(ノンドープ・ポリシリコン膜)を堆積し、この多結晶シリコン膜にリン(31)等の不純物イオンをイオン注入し、更にアニールして、導電性のドープド・ポリシリコン膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ工程と反応性イオンエッチング(RIE)法を用いて、ドープド・ポリシリコン膜をパターニングし、図4(a)に示すように接続電極41,42、入力用下部電極51,52を形成する。したがって、図2(c)及び図3に示した3次の振動モードの節の位置(x/l=0.356)に、入力用下部電極51,52の内側に位置するそれぞれの端部が存在するようにパターニングされる。図4(a)は、図1のA−A’方向に沿った工程断面図であるため、図示を省略しているが、第2絶縁膜33上の他の部分には、同様に、出力用下部電極53,54が形成されることは勿論である。したがって、図2(c)及び図3に示した3次の振動モードの節の位置(x/l=0.356)に、出力用下部電極53,54の内側に位置するそれぞれの端部が存在するようにパターニングされる。なお、ドープド・ポリシリコン膜の代わりに、真空蒸着法、スパッタリング法、或いはCVD法等でW、Ti、Mo等の高融点金属を堆積し、この高融点金属をパターニングして、接続電極41,42、入力用下部電極51,52及び出力用下部電極53,54を形成しても良いことは勿論である。
【0039】
(ロ) 次に、接続電極41,42、入力用下部電極51,52及び出力用下部電極53,54の上部に第1犠牲膜34を堆積する。第1犠牲膜34として、例えば、CVD法によりシリコン酸化膜(SiO膜)34を形成すれば良い。そして、フォトリソグラフィ工程とRIE法を用いて、図4(b)に示すようにパターニングし、接続電極41,42の一部露出させる。次にCVD法によりノンドープ・ポリシリコン膜を形成、次いで導電性を与えるために、31等の不純物イオンをイオン注入した後、図1の鳥瞰図及び図4(b)の断面図に示すように、RIEによりパターニングして、入力用共振子71及び出力用共振子72と結合子10を形成する。ノンドープ・ポリシリコン膜を形成後に不純物イオンをイオン注入して導電性にするのではなく、CVD時にフォスフィン(PH)やアルシン(AsH)等のドーパントガスを用いて、不純物元素を気相中からドープする方法で、ドープド・ポリシリコン膜を直接堆積しても良い。
【0040】
(ハ) 次に、第2犠牲膜35として、CVD法によりSiO層を堆積する。次にCVD法によりドープド・ポリシリコン膜を形成、次いで導電性を与えるために不純物イオンをイオン注入した後、パターニングして、図4(c)に示すように、入力用上部電極91を形成する。即ち、3次の振動モードの節の位置(x/l=0.356)に、入力用下部電極51,52と入力用上部電極91との境界部が存在するように、電極配置をパターニングする。図4(c)は、図1のA−A’方向に沿った工程断面図であるため、図示を省略しているが、他の部分に位置する出力用共振子72の上には、同様に出力用上部電極92が形成されることは勿論である。したがって、3次の振動モードの節の位置(x/l=0.356)に、出力用下部電極53,54と出力用上部電極92との境界部が存在するように、電極配置をパターニングする。ノンドープ・ポリシリコン膜を形成後に不純物イオンをイオン注入して導電性にするのではなく、不純物元素を気相中からドープする方法で、ドープド・ポリシリコン膜を直接堆積しても良い。又、ドープド・ポリシリコン膜の代わりに、真空蒸着法、スパッタリング法、或いはCVD法等で、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、若しくはW、Ti、Mo等の高融点金属等を用いても良いことは勿論である。
【0041】
(ニ) 次に、フッ酸(HF)水溶液により第1犠牲膜34及び第2犠牲膜35としてのSiO膜を、図4(d)に示すようにエッチング除去すれば、第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタが完成する。
【0042】
以上のように、第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは極めて簡単な製造工程で製造可能である。
【0043】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、図5に示すように、入力用共振子71と、この入力用共振子71を高次の共振モードで振動させるように、入力用共振子71に近接して配置された入力用駆動電極(51,52,91)と、入力用共振子71に接続された結合子10と、この結合子10に接続され、入力用共振子71の振動により励振される出力用共振子73と、この出力用共振子73の振動を静電容量の変化により検知するための検出用電極(55,93)とを備え、入力用共振子71の特定の高次のモードのみを利用して、特定の周波数のマイクロ波信号を通過させるマイクロメカニカルフィルタである。図1と重複する内容は説明を省略するが、第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては、入力用共振子71と出力用共振子73の構造及び寸法は互いに同一ではない。即ち、入力用共振子71は最高次の3次共振モードを含む多モードの共振、出力用共振子73は最高次の2次共振モードを含む多モードの共振をするものである。このため入力用共振子71よりも出力用共振子73の長さが短くなっており、入力用共振子71の3次共振周波数f13と出力用共振子73の2次共振周波数f22は目的とするマイクロメカニカルフィルタの通過周波数fに一致するように設定されている。
【0044】
第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては、図2に示す各々の共振における振動モードに対応して効率よく共振を起こせるように、入力用共振子71に対し、入力用駆動電極として2つの入力用下部電極51,52と1つの入力用上部電極91が配置されている。一方、出力用共振子73に対しては、検出用電極として1つの出力用下部電極55と1つの出力用上部電極93が配置されている。第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタで説明したように、2次共振モードは1次共振モードの1.7倍、3次共振モードは1次共振モードの2.3倍の共振周波数であり、2次、3次の共振モードの共振周波数が整数倍に増大するものではない。このため、図6(a)に示す入力用共振子71における1次共振モードの共振周波数f11,2次共振モードの共振周波数f12と、図6(b)に示す出力用共振子73における1次共振モードの共振周波数f21は一致することがない。
【0045】
しかしながら、第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタでは、図6(a)に示す入力用共振子71の3次モードの共振周波数f13と図6(b)に示す出力用共振子73の2次モードの共振周波数f22とが共振周波数が一致するように設計されている。入力信号vに入力用共振子71の1次と2次の共振周波数成分が含まれており、入力用共振子71が多モードで共振したとしても、出力用共振子73は入力用共振子71の1次共振モードの共振周波数f11,2次共振モードの共振周波数f12とでは共振しないため、結局、素子全体としては両者の共振が一致する通過周波数f=f13=f22でのみ信号が通過することになる。
【0046】
第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては、第1の実施の形態と異なり、共振子と電極のギャップ長やバイアス電圧を設定し、静電気力の分布を制御することにより単一振動モードで励振するのではなく、多モードで振動する入力用共振子71と出力用共振子73の構造(形状)及び寸法を変えて、両者の低次共振周波数をずらすことにより目的以外の低次の共振の影響を無くしている。この様に多モードで振動する共振子を用いても、第1の実施の形態と単一振動モードで励振する振動子を用いたマイクロメカニカルフィルタと同様な、1〜5GHz程度のマイクロ波帯域における動作を実現出来る。
【0047】
第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの製造方法の説明は、第1の実施の形態と重複するため省略する。
【0048】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、図7に示すように、両端をそれぞれ固定したドープド・ポリシリコンからなる円板状の入力用共振子74及び出力用共振子75と、入力用共振子74と出力用共振子75とを接続する結合子10を備えている。入力用共振子74と出力用共振子75は図7(a)中、x−y平面内において広がり振動を行う。ここで、「広がり振動」とは、入力用共振子74をなす円の半径r1及び出力用共振子75をなす円の半径r2が変化するような2次元の伸縮振動である。
【0049】
第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは、図7(b)に示すように、Si基板31と、Si基板31の上部に配置された第1絶縁膜32と、第1絶縁膜32の上に配置された第2絶縁膜33が配置された構造を基体としている。即ち、入力用共振子74と出力用共振子75のそれぞれの中央部を固定し円板状構造を実現する接続電極45が、図8(d)に示す第1絶縁膜32と第2絶縁膜33とからなる複合膜上に配置されている。第1絶縁膜32と第2絶縁膜33とからなる複合膜により、この上に配置された接続電極45が、Si基板31と絶縁される。例えば、第1絶縁膜32としてシリコン酸化膜(SiO膜)、第2絶縁膜33としてシリコン窒化膜(Si膜)を用いることが可能である。
【0050】
接続電極45は、導電性材料であれば、種々の材料が採用可能である。入力用共振子74及び出力用共振子75と同様にドープド・ポリシリコンを採用するのが、製造工程が容易になるので好ましい。接続電極45の電気抵抗を下げ、電気機械変換効率ηを向上するためには、金属が好ましく、製造工程を考慮すれば、W、Ti、Mo等の高融点金属が、接続電極45として好ましい。或いは、接続電極45として、高融点金属のシリサイド(WSi,TiSi,MoSi)等が採用可能である。
【0051】
図7(a)に示すように、入力用共振子74の左右には微小な距離dを隔てて、入力用駆動電極61,62が形成されている。入力用駆動電極61,62と第2絶縁膜33との間には図7(b)に示すように、入力用下地電極56,57が形成されている。更に入力用共振子74と対をなす出力用共振子75に対しては、出力用検出電極63,64が図7(a)に示すように形成されている。図示を省略しているが、出力用検出電極63,64と第2絶縁膜33との間には、図7(b)に示すと同様に、出力用下地電極が形成されている。又、入力用共振子74及び出力用共振子75との間は、梁状の結合子10により機械的に結合されている。
【0052】
入力用駆動電極61,62、及び出力用検出電極63,64は、導電性材料であれば、種々の材料が採用可能であり、ドープド・ポリシリコン、高融点金属、高融点金属のシリサイド等が採用可能である。製造工程を考慮すると、入力用駆動電極61,62及び出力用検出電極63,64は、入力用共振子74及び出力用共振子75と同一材料であるのが便利である。入力用下地電極56,57と接続電極45とは、同一材料であるのが製造工程を考慮すれば便利である。
【0053】
第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては共振周波数を高くしやすい円板上の入力用共振子74と出力用共振子75を使用している。広がり振動の共振モードでは第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタのように、静電気力の分布を制御して、低次の共振モードの発生を無くすことは出来ない。このため第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタと同様に第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては入力用共振子74と出力用共振子75の寸法、即ち、円の半径rを変えてある。入力用共振子74は2次共振モードを、出力用共振子75は3次共振モードを利用しようとするものである。
【0054】
このため入力用共振子74よりも出力用共振子75の半径が長くなっており、入力用共振子74の2次共振周波数と出力用共振子75の3次共振周波数は通過周波数fに一致するように設定されている。
【0055】
第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいても通過周波数fより低い周波数では共振周波数は一致することがなく、入力用共振子74の2次共振周波数と出力用共振子75の3次共振周波数で初めて両者の共振が一致する。このため、結合子10の伸縮振動(x方向に棒の長さが変化するような振動)を介し、第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタと同様に、素子全体としては両者の共振が一致する共振周波数fでのみ信号が通過することになる。第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタにおいては第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタと同様に共振子の形状を変えて両者の低次共振周波数をずらすことにより低次の共振の影響を無くすことが出来、第1の実施の形態と同様に、1〜5GHz程度のマイクロ波帯域における動作を実現出来る。
【0056】
図7(a)のA−A’方向に沿った工程断面図である図8を用いて、第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタ製造方法を説明する。
【0057】
(イ) まずSi基板31上に第1絶縁膜32を形成し、更に、第1絶縁膜32の上に、第2絶縁膜33を形成する。例えば、第1絶縁膜32としては、Si基板31を熱酸化した熱酸化膜(SiO膜)、第2絶縁膜33としてはCVD法で堆積したSi膜を用いることが可能である。次にCVD法によりノンドープ・ポリシリコン膜を堆積し、この多結晶シリコン膜に31等の不純物イオンを注入 し、更にアニールして、導電性のドープド・ポリシリコン膜を形成する。この後、フォトリソグラフィ工程とRIE法を用いて、ドープド・ポリシリコン膜をパターニングし、図8(a)に示すように接続電極45、入力用下地電極56,57を形成する。図8(a)は、図7(a)のA−A’方向に沿った工程断面図であるため、図示を省略しているが、第2絶縁膜33上の他の部分には、同様に、出力用下地電極が形成されることは勿論である。なお、ドープド・ポリシリコン膜の代わりに、真空蒸着法、スパッタリング法、或いはCVD法等でW、Ti、Mo等の高融点金属を堆積し、この高融点金属をパターニングして、接続電極45、入力用下地電極56,57及び出力用下地電極電極等を形成しても良いことは勿論である。
【0058】
(ロ) 次に、接続電極45、入力用下地電極56,57及び出力用下地電極(図示省略)の上部に犠牲膜36を堆積する。犠牲膜36として、例えば、CVD法によりSiO膜36を形成すれば良い。そして、フォトリソグラフィ工程とRIE法を用いて、図8(b)に示すようにパターニングし、接続電極45の一部、及び入力用下地電極56,57の一部を露出させる。
【0059】
(ハ) 次にCVD法によりノンドープ・ポリシリコン膜を形成、次いで導電性を与えるために、不純物イオンを注入した後、図7(a)の平面図及び図8(c)の工程断面図に示すように、RIEによりパターニングして、入力用共振子74、出力用共振子75、結合子10、入力用駆動電極61,62、及び出力用検出電極63,64を形成する。ノンドープ・ポリシリコン膜を形成後に不純物イオンを注入して導電性にするのではなく、CVD時にPHやAsH等のドーパントガスを用いて、不純物元素を気相中からドープする方法で、ドープド・ポリシリコン膜を直接堆積しても良い。
【0060】
(ニ) 次に、HF水溶液により犠牲膜36を、図8(d)に示すようにエッチング除去すれば、第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタが完成する。
【0061】
以上のように、第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタは極めて簡単な製造工程で製造可能である。
【0062】
(携帯型情報端末)
図9には、第1〜第3の実施の形態で説明したマイクロメカニカルフィルタを、高周波(RF)フィルタ11及び中間周波数(IF)フィルタ12として備える携帯型情報端末の受信回路を示す。
【0063】
図9に示す携帯型情報端末の受信回路は、RFフロントエンド部として、第1〜第3の実施の形態で説明したマイクロメカニカルフィルタを用いたRFフィルタ11、RFフィルタ11に接続されたミキサ18、ミキサ18に接続された局部発振器19を備える。ミキサ18は、RFフィルタ11の出力するRF信号と局部発振器19の出力するRF信号とを混合し、例えば200MHz〜500MHzの中間周波数(IF)の信号を生成する。RFフィルタ11にはアンテナスイッチ17を介して、第1アンテナ15及び第2アンテナ16が接続されている。図9において、2本の、第1アンテナ15及び第2アンテナ16が接続されているがこれは例示であり、アンテナの本数は2本に限定されない。ミキサ18で混合された第1アンテナ15及び第2アンテナ16が受信したRF信号と局部発振器19の出力するRF信号とは、第1〜第3の実施の形態で説明したマイクロメカニカルフィルタを用いたIFフィルタ12に伝達される。
【0064】
IFフィルタ12には、増幅器20が接続され、増幅器20には、I/Q復調回路を備えるレシーバLSIチップ3が接続されている。レシーバLSIチップ3には、共振器28を備えたIQ発信器27が接続されている。IFフィルタ12により、第1アンテナ15及び第2アンテナ16が受信したRF信号と局部発振器19の出力するRF信号との差の周波数が抽出され、増幅器20により、差の周波数であるIF信号が増幅され、安定化される。このIF信号は、レシーバLSIチップ3により直交位相復調され、互いに90°位相がずれたI信号及びQ信号が生成される。レシーバLSIチップ3が備えるミキサ21及びミキサ22において、更に低周波、例えば10MHz以下のベースバンドI信号及びベースバンドQ信号がそれぞれ生成される。ベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、それぞれ、増幅器23,24で増幅された後、ベースバンドフィルタ13,14に入力される。ベースバンドフィルタ13,14を介したベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、更に、A−D変換器25,26でディジタル信号に変換され、図示を省略したディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)に入力される。即ち、ベースバンドフィルタ13及びベースバンドフィルタ14を介してそれぞれ抽出されたベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、A−D変換器25及びA−D変換器26により、ディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号となり、ディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)により信号処理される。
【0065】
図10は、携帯型情報端末の送信回路2を示す。送信回路2のベースバンド処理部にはディジタルベースバンドプロセッサ(DBBP)からのディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号をアナログ信号に変換するD−A変換器65,66がそれぞれ備えられている。ディジタルのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号は、D−A変換器65及びD−A変換器66により、アナログのベースバンドI信号及びベースバンドQ信号となり、ベースバンドフィルタ61及びベースバンドフィルタ62を介して、変調器LSIチップ5の増幅器88,89に入力される。
【0066】
変調器LSIチップ5は、増幅器88,89と、増幅器88,89に接続されたミキサ85,86を備える。変調器LSIチップ5は、更に、発振器60及び移相器87を備える。ミキサ85及びミキサ86には、発振器60からの搬送波のRF周波数が、移相器87により互いに90°位相がずらされて供給される。増幅器88,89の出力は、ミキサ85,86において発振器60からの搬送波のRF周波数と混合され、変調される。変調器LSIチップ5は、更に、加算器84及び加算器84の出力に接続された増幅器83を備える。ミキサ85及びミキサ86の出力は、加算器84に入力され、加算器84の出力は増幅器83に入力される。増幅器83の出力は、送信回路2のRFフロントエンド部を構成するMMIC4に供給される。MMIC4には多段接続されたマイクロ波用パワートランジスタ81,82を備え、RF増幅後、アンテナスイッチ17を介して、第1アンテナ15及び第2アンテナ16に供給される。
【0067】
図9及び図10に示す携帯型情報端末においては、空洞共振器やインダクタを用いたLC回路の代わりに、小型のマイクロメカニカルフィルタを、RFフィルタ11及びIFフィルタ12として用いているので、小型薄型、且つ低消費電力の1〜5GHz程度のマイクロ波帯域で使用可能な携帯型情報端末が実現出来る。勿論、図9のベースバンドフィルタ13,14、或いは図10のベースバンドフィルタ61,62等の、低周波領域におけるフィルタ等にも適用可能であるが、本発明のマイクロメカニカルフィルタの高周波特性を鑑みれば、300MHz以上、特に1〜5GHz程度のマイクロ波帯域におけるフィルタに用いるのが好適である。
【0068】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0069】
例えば共振子の振動次数はここで示した2次及び3次に限定されない。又、使用する振動もここで示した両持ち梁のたわみ振動や円板の広がり振動に限定されない。例えば円板のたわみ振動などを利用しても良い。
【0070】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、小型で、300MHz以上、特に1〜5GHz程度のマイクロ波帯域における高周波特性に優れたマイクロメカニカルフィルタ及び携帯型情報端末を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの構造図である。
【図2】高次の共振を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の効果を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの製造方法を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの構造図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの動作を説明するための各振動モードを示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの構造図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るマイクロメカニカルフィルタの製造方法を示す図である。
【図9】第1〜第3の実施の形態で説明したマイクロメカニカルフィルタを、高周波(RF)フィルタ及び中間周波数(IF)フィルタとして備える携帯型情報端末の受信回路を示す模式図である。
【図10】図9に対応する携帯型情報端末の送信回路を示す模式図である。
【図11】従来のマイクロメカニカルフィルタの構造図である。
【符号の説明】
2…送信回路
3…レシーバLSIチップ
4…MMIC
5…変調器LSIチップ
10…結合子
11…RFフィルタ
12…IFフィルタ
13,14…ベースバンドフィルタ
15…第1アンテナ
16…第2アンテナ
17…アンテナスイッチ
19…局部発振器
20…増幅器
21,22…ミキサ
25,26…A−D変換器
27…IQ発信器
28…共振器
31…Si基板
32…第1絶縁膜
33…第2絶縁膜
34…第1犠牲膜
35…第2犠牲膜
36…犠牲膜
41,42,45…接続電極
51,52…入力用下部電極
53,54,55…出力用下部電極
56,57…入力用下地電極
60…発振器
61,62…入力用駆動電極
63,64…出力用検出電極
65,66…D−A変換器
71,74…入力用共振子
72,73,75…出力用共振子
81,82…マイクロ波用パワートランジスタ
83…増幅器
84…加算器
85,86…ミキサ
87…移相器
88,89…増幅器
91…入力用上部電極
92,93…出力用上部電極
101a…固定電極
101b…固定電極
102a,102b…共振子
103…結合子
104a…入力用電極
104b…出力用電極
R1,R2…終端抵抗

Claims (6)

  1. 入力用共振子と、
    該入力用共振子を高次の共振モードで振動させるように、前記入力用共振子に近接して配置された入力用駆動電極と、
    前記入力用共振子に接続された結合子と、
    該結合子に接続され、前記入力用共振子の振動により励振される出力用共振子と、
    該出力用共振子の振動を静電容量の変化により検知するための検出用電極
    とを備え、前記入力用共振子の特定の高次のモードのみを利用して、特定の周波数のマイクロ波信号を通過させることを特徴とするマイクロメカニカルフィルタ。
  2. 前記入力用駆動電極は、前記入力用共振子を特定の高次の共振モードのみで振動させるように、前記高次の共振モードの節点を基準として配置され、
    前記出力用共振子は、前記入力用共振子と同一構造であり、
    前記入力用共振子及び前記入力用駆動電極と同一位置関係で前記出力用共振子に対して前記検出用電極が配置されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロメカニカルフィルタ。
  3. 前記出力用共振子は、前記入力用共振子とは異なる構造であり、前記入力用共振子が振動する第1の高次の共振モードとは異なる次数の第2の高次の共振モードで振動し、且つ前記第1及び第2の高次の共振モードの共振周波数が一致するように、前記検出用電極の位置関係が配置されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロメカニカルフィルタ。
  4. 前記入力用共振子及び前記出力用共振子は、それぞれ両持ち梁構造のたわみ振動をすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロメカニカルフィルタ。
  5. 前記入力用共振子及び前記出力用共振子は、互いに半径の異なる円板形状であり、それぞれ半径方向に拡がり振動をすることを特徴とする請求項3記載のマイクロメカニカルフィルタ。
  6. アンテナと、
    入力用共振子、出力用共振子及び前記入力用共振子と前記出力用共振子とを接続する結合子を有し、前記入力用共振子及び前記出力用共振子の特定の高次のモードのみを利用して、前記アンテナから供給されるマイクロ波信号を通過させるマイクロメカニカルフィルタと、
    局部発振器と、
    前記マイクロメカニカルフィルタを通過した信号と前記局部発振器の信号とを混合するミキサ
    とを備えることを特徴とする携帯型情報端末。
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