JP2004216339A - 液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル詰まり検出に要する時間を短縮し、且つ、液滴の浪費を抑制し得る液滴吐出装置、同装置を使用した電気光学装置の製造方法、同方法を使用して製造された電気光学装置、及び同電気光学装置を搭載した電子機器を提供する。
【解決手段】図1に示すように、ノズルを搭載したヘッドに、レーザ光源、及び受光器を設け、描画中に液滴吐出の有無を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】図1に示すように、ノズルを搭載したヘッドに、レーザ光源、及び受光器を設け、描画中に液滴吐出の有無を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドに配設された複数のノズルから液滴を吐出し、吐出対象物に対して描画を行う液滴吐出装置、同装置を用いた電気光学装置の製造方法、同方法を用いて製造された電気光学装置、及び同電気光学装置を搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶表示装置のカラーフィルタ、配向膜等の成膜に液滴吐出装置が利用されている。また、液滴吐出装置は、これ以外にも、工業上の様々な分野に利用されている。
液滴吐出装置は、ヘッドと呼ばれる液滴吐出機構を有している。このヘッドには、規則的に複数のノズルが配設されている。そして、液滴吐出装置は、これらのノズルから材料を液滴状に吐出することにより、例えば何らかの製品の構成要素となる基板上に、吐出材料からなるパターンの描画を行う。
【0003】
一般的に液滴を吐出するノズル径は非常に小さい。従って、例えば吐出する材料の粘性などに起因してノズル詰まりが発生することがある。このノズル詰まりを放置すると、最悪の場合、ノズルから何も吐出されない、所謂「ドット抜け」という現象の原因となる。ドット抜けは、液滴吐出装置を用いて製造される製品の品質に直結する。そこで、従来の液滴吐出装置では、例えば、特許文献1又は特許文献2に開示されるように、ある単位の描画を終えると、ヘッドを描画用の領域から外れた検査用領域に移動させ、複数のノズルから液滴を吐出させて、正常に吐出されるか否かを判定していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−255044号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−263772号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術では、ある単位の描画を終える毎にノズル詰まりがあるか否かを判定するための液滴吐出を行う必要があり、相応の時間を必要とする。また、液滴吐出装置の用途によっては、吐出される材料は非常に高価であり、経済的な問題も無視できなかった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、ノズル詰まり検出に要する時間を短縮し、且つ、液滴の浪費を抑制し得る液滴吐出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明に係る液滴吐出装置は、描画パターンに従って、ヘッドに配設された複数のノズルから液滴を吐出し、吐出対象物に対して描画を行う装置であって、各ノズルに対し、1対1に設けられ、当該ノズルから液滴が吐出されるか否かを検出する複数の光学式液滴センサと、前記複数の光学式液滴センサからの出力信号に基づいて液滴吐出の有無を表す検出パターンを生成する生成手段と、前記検出パターンと描画パターンとを比較することによりノズル詰まりを検出する判定手段と、を有することを特徴としている。
【0008】
このような液滴吐出装置によれば、描画用の液滴吐出をノズル詰まり検出に利用できるので、ノズル詰まり検出に要する時間を大幅に短縮すると共に、液滴の無駄な消費を抑制する効果が得られる。
【0009】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルに詰まっている物を除去する手段と、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段と、を具備することを特徴としている。
このような液滴吐出装置によれば、上記効果を保持したまま、ノズル詰まりの為に描画されなかった描画点に対して液滴を吐出することができる。
【0010】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルを前記吐出対象物に対して相対移動させ、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して、該ノズル詰まりが発生したノズル以外のノズルにより液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段を具備することを特徴としている。
このような液滴吐出装置によれば、ノズル詰まりを解消する処理の実行回数を減らすことができるから、材料の無駄な消費を、更に抑制する効果が得られる。
【0011】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、フォトレジスト、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、生体物質、のうちいずれか一のパターン形成を用途とすることを特徴としている。
更に、本発明に係る電気光学装置は、本発明にかかる液滴吐出装置を使用して製造されることを特徴としている。
更に、本発明に係る電子機器は、本発明に係る電気光学装置を搭載することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施形態】
<第1実施形態>
<A:構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示した図である。同図を用いて、この液滴吐出装置の構成について説明する。
【0013】
図1において、ヘッド10は、図2に示す吐出ユニット11をN個有している。図2は、図1において、ヘッド10に配列された1個の吐出ユニット11をA−A’線から矢印の方向にみた断面図である。尚、図1においては、吐出ユニット11を簡略に示してある。
図2において、圧力室13は、例えば、液晶表示装置のカラーフィルタ材料など、用途に応じた多様な材料が充填されている。吐出ユニット11の底部には、この圧力室13に貯まった材料を液滴として排出するためのノズル11aが設けられている。圧力室13の天井部分には、圧電素子12が固定されている。この圧電素子12は、駆動電圧が与えられることにより、図中下方に伸びるように変形する。これにより、圧力室13が圧迫されてノズル11aから下方に液滴14が吐出される。
【0014】
吐出ユニット11には、この液滴14の飛行経路を挟んで対向するように、レーザ光源40と受光器41が固定されている。また、受光器41には2値化回路42が接続されている。これらのレーザ光源40、受光器41、及び2値化回路42は、ノズル11aからの液滴の吐出の有無を検出する光学式液滴センサを構成している。更に詳述すると、レーザ光源40は、ノズル11aが吐出する液滴の飛行経路と交差するようにレーザ光を出射する。受光器41は、例えばフォトトランジスタによって構成されており、レーザ光源40の出射するレーザ光を受光し、受光量に応じた電圧を出力する。2値化回路42は、受光器41の出力電圧を、「0」又は「1」の2値情報に変換する。
【0015】
図1に示すヘッド10には、以上説明した吐出ユニット11が、1本の直線をなすようにN個配列されているのである。
図1において、ヘッド搬送部20は、このヘッド10をノズル11aの配列方向(以降「ヘッド移動方向」とする)に移動させる装置である。
基板30は、ある製品の部品(例えば液晶表示装置のカラーフィルタとなる基板)であり、本実施形態に係る液滴吐出装置の描画対象物である。液滴吐出装置は、この基板30の表面の描画領域30aに対してN個のノズル11aから液滴の吐出を行う。基板搬送部31は、基板30をノズル11aの配列方向と直交する向き(以降「基板移動方向」とする)に移動させる装置である。
ノズル11aは、描画時には、ある間隔をあけて基板30と対向し、基板30に対して液滴を吐出する。
【0016】
制御装置50は、メモリ51を有している。このメモリ51には、液滴の吐出によって基板30の描画領域30aに描画すべきパターンを表すビットマップデータ、即ち、描画パターンが記憶されている。制御装置50は、この描画パターンを描画領域30aに描くために、N個の吐出ユニット11による液滴の吐出制御、基板30及びヘッド10の移動制御を行う。また、制御装置50は、この描画のための制御を行いながら、N個の2値化回路41から液滴の吐出の有無を表す2値情報を収集し、その結果と描画パターンとの比較により、ノズル詰まりの検出を行う。更に制御装置50は、ノズル詰まりが検出された場合に、ノズル詰まりを解消するためのヘッド回復処理あるいはノズル詰まりにより描画されなかった領域に液滴を吐出する補完描画のための制御を行う。
【0017】
<B:動作>
以上を踏まえて、本実施形態の動作について説明する。最初に、描画動作について説明する。
本実施形態に係る液滴吐出装置は、ヘッド10を固定して、基板搬送部31により基板30を基板移動方向に所定ピッチずつ歩進駆動しながら、描画領域30aの端から端まで描画を行い、その後、基板30を元の位置に戻す、という動作を行う。この動作を「1パス」と称する。
【0018】
ヘッド10に配設された各ノズル11aは、1パスの描画で、M個の描画点に液滴を吐出することができる。従って、本実施形態に係る液滴吐出装置は、1パスの描画で最大N×M個の描画点に液滴を吐出することができる。この1パス分の描画動作は、制御装置50が、その1パスによって描画すべき描画パターンをメモリ51から読み出し、その描画パターンに従って、各吐出ユニット11による液滴吐出、基板搬送部31による基板30の移動を制御することによって実現される。
【0019】
1パスの描画を終えると、制御装置50は、ヘッド搬送部20によりヘッド10をヘッド移動方向に所定距離だけ移動させ、次の1パスの描画を行う。即ち、制御装置50は、次の1パスによって描画すべき描画パターンをメモリ51から読み出し、その描画パターンに従って、各吐出ユニット11による液滴吐出、基板搬送部31による基板30の移動を制御するのである。本実施形態に係る液滴吐出装置は、このような動作を必要なだけ繰り返すことにより描画領域30a全域の描画を行う。
【0020】
次に、ノズル詰まり検出について説明する。1パスの描画では、N×M個の描画点に対する描画が行われるが、この描画が行われる間、制御装置50は、N個の2値化回路42の出力を監視し、この監視結果に基づき、N×M個の描画点に対して液滴が吐出されたか否かを示すN行M列の行列パターンを作成し、メモリ51に格納する。本実施形態では、このパターンを「検出パターン」と称する。
【0021】
ここで、描画パターンは、1パスの描画動作において、ヘッド10の各圧電素子12に駆動電圧を印加するか否かを「1」、又は「0」の2値情報として表したパターンであるから、実際に全ノズル11aが描画パターンに従って液滴を吐出していれば、全描画点について描画パターンと検出パターンは一致するはずである。
しかし、ノズル詰まりが発生した場合、両パターンにおける該当箇所の値は異なる。例えば、k(k≦N)番目のノズルが、h(h≦M)番目の描画点において、液滴を吐出する予定であったにも拘わらず、ノズル詰まりを起こして液滴の吐出がなされなかった場合、描画パターンのk行h列目の値は「1」で、検出パターンの当該値は「0」となる。このように、パターンを比較することで、制御装置50は、ノズル詰まりの検出を行うことができる。尚、検出パターンはメモリ51に記憶される。
【0022】
図3は、本実施形態における描画処理を説明したフローチャートである。同図を用いて該処理の詳細を説明する。
【0023】
初めに、制御装置50は、基板搬送部31を制御して、基板30を予め定められた位置にセットする(ステップS101)。次に、制御装置50は、メモリ51から、今回のパスの描画パターンを読み出す(ステップS102)。次に、制御装置50は、レーザ光源40、受光器41、及び2値化回路42を動作状態にする(ステップS103)。次に、制御装置50は、1パス分の描画を行うべく基板搬送部31による基板30の歩進駆動を開始する(ステップS104)と共に、ヘッド10のN個の圧電素子12に描画パターンに従って駆動電圧を供給し、今回のパスの液滴吐出を実行する(ステップS105)。
【0024】
また、この1パスの描画動作が行われる間、制御装置50は、N個の2値化回路42の出力信号を監視し、今回のパスに関する検出パターンをメモリ51に格納する(ステップS106)。1パスの描画動作が終了すると、制御装置50は、メモリ51に格納された描画パターンと検出パターンを比較して、ノズル詰まりの有無を判定する(ステップS107)。
【0025】
該判定結果が肯定的である場合、即ち、全ノズルに、ノズル詰まりが発生していなかった場合には、制御装置50は、今回の描画処理で予定された全パス分の描画が終了したかを判定する(ステップS108)。該判定結果が否定的である場合には、制御装置50は、次のパスの描画パターンを取得し(ステップS109)、ヘッド駆動部20を制御して、ヘッド10を、次のパスを描画する位置まで移動させる(ステップS110)。そして、制御装置50は、処理をステップS104に戻して、次のパスの描画を開始する。
【0026】
ステップS107の判定結果が否定的であった場合、制御装置50は、補完描画パターンを作成して、メモリ51に記憶する(ステップS111)。ここで、補完描画パターンとは、ノズル詰まりの為に液滴が吐出されなかった描画点に液滴を吐出するため、制御装置50が新たに作成した描画パターンである。補完描画パターンが作成されると、制御装置50は、図示しないヘッド回復位置まで、ヘッド10を移動させ、ノズルの詰まりを解消するためのヘッド回復処理をおこなう(ステップS112)。ヘッド回復処理には、例えばフラッシング処理などが挙げられる。該処理が終了すると、制御装置50は、ノズル詰まりが解消されたかを確認するため、ステップS107によってノズル詰まりが発生していると判定されたノズルに対し、液滴の吐出を指示する(ステップS113)。
【0027】
レーザ光源40、及び受光器41は動作中であるから、制御装置50は、液滴の吐出を指示されたノズルが、正常に液滴を吐出しているか否かを判定することができる(ステップS114)。該判定結果が否定的であれば、ヘッド回復処理が実行されたにもかかわらず、ノズル詰まりが解消されていないことになるから、制御装置50は、処理をステップS112に戻し、再びヘッド回復処理をおこない、ヘッド10が回復するまでステップS112からステップS114が繰り返される。
【0028】
ステップS114の判定結果が肯定的となれば、ノズル詰まりは解消されたことになるので、制御装置50は、ステップS111で作成した補完描画パターンを、メモリ51より取得し(ステップS115)、処理をステップS104に戻し、当該補完描画パターンに従って、再び1パスの描画を開始する。
今回の描画処理で描画する全パス分の描画が終了すると、ステップS108による判定結果は肯定的となって、描画処理は終了する。
【0029】
本実施形態に係る液滴吐出装置は、このように、描画中の液滴吐出をノズル詰まり検出に利用することができる。従って、従来のように、1パス描画毎に、ノズル詰まり検出用に改めて液滴を吐出する場合と比較して、該検出に要する時間を大幅に短縮することができる。更に、同様の理由から、液滴の吐出回数が大幅に減るので、無駄な液滴吐出が減り、コストダウンの実現も可能となる。
【0030】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、1パスの描画動作が終了する毎に、ノズル詰まりの判定を行って、ノズル詰まりが発生している場合には、ヘッド回復処理を行った。しかしながら、例えば、1パス毎にノズル詰まりが発生する場合を考えると、ヘッド回復処理に要する時間が無視できなくなる。また、ヘッド回復処理は、全ノズル一斉に実行される為、無駄に液滴を吐出する回数も増加する。そこで、処理時間の短縮化、及び無駄な液滴吐出の抑制を実現し得る第2の実施形態について説明する。
【0031】
図4は、この第2の実施形態に係る液滴吐出装置における描画処理を説明したフローチャートである。尚、図3と重複するステップには同一の符号を使用し、その説明を省略する。
制御装置50は、ステップS107においてノズル詰まりが発生していると判定した場合、補完描画パターンを作成し、メモリ51に格納する(ステップS120)。ここで作成される補完描画パターンは、第1実施形態と異なり、正常動作しているノズルで、詰まっているノズルを代替するように作成された描画パターンである。例えば、3番目のノズルにのみ、ノズル詰まりが発生した場合、本実施形態では、ヘッド10を1描画点分だけヘッド移動方向に移動させ、4番目のノズルで、3番目のノズルが描画する予定だった描画点に液滴を吐出する。このような液滴の吐出を行うための描画パターンが補完描画パターンである。ステップS107において、詰まっていると判定されたノズルは、今回の描画処理中は不使用とされる。
【0032】
補完描画パターンが作成されると、制御装置50は、メモリ51から補完描画パターンを読み出す(ステップS121)。次に、制御装置50は、読み出した補完描画パターンに従って、ヘッド駆動部20を制御して、ヘッド10を必要なだけヘッド移動方向に移動させる(ステップS122)。例えば、上述した場合であれば、4番目のノズルが3番目のノズルの位置にくるように、1描画点分ヘッド10を移動させる。そして、制御装置50は、処理をステップS104に戻して、描画処理を継続する。
【0033】
ステップS108における判定結果が肯定的、即ち、今回の描画処理で描画する全パス分の描画が終了すると、制御装置50は、ヘッド回復処理をおこなう(ステップS112)。ヘッド回復処理は第1実施形態と同様におこなわれ、ステップS114において、全ノズルが正常な状態に復帰すると、制御装置50は、今回の描画処理を終了する。
この場合、ヘッド回復処理は、描画処理終了前に1回行われれば良いから、描画処理に要する時間を短縮できると共に、無駄な液滴の吐出を更に抑制することができる。
【0034】
尚、上述した第1実施形態において、ヘッド回復処理を何度実行してもノズル詰まりが解消されない場合も考えられる。その場合は、例えば、ヘッド回復処理が予め設定された回数に達した時点で、上述の第2実施形態に切り替り、ノズル詰まりが解消されないノズルを不使用として、以降の処理を継続しても良い。
また、制御装置50が、メモリ51に、液滴が正常に吐出されなかった為に描画されなかった描画点を記憶し、描画処理終了後に当該描画点に対する描画パターンをまとめて生成して、描画を実行しても上述の効果を損なうものではない。
【0035】
尚、本実施形態に係る液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、フォトレジスト、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、生体物質、のうちいずれか一のパターン形成を用途としてもよい。
【0036】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態として、本発明に係る液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。本実施形態に係る液晶表示装置400は、液晶駆動用IC(図示略)、配線類(図示略)、光源470、支持体(図示略)などの付帯要素が装着されている。
液晶表示装置400の構成を簡単に説明する。液晶表示装置400は、互いに対向するよう配置された、カラーフィルタ460、及びガラス基板414と、これらの間に挟持された図示略の液晶層と、カラーフィルタ460の上面側(観察者側)に付設された偏光板416と、ガラス基板414の下面側に付設された図示略の偏光板とを主体として構成されている。カラーフィルタ460は透明なガラスからなる基板461を具備し、観察者側に設けられた基板であり、ガラス基板414はその反対側に設けられる透明な基板である。
【0037】
基板461の下側には、黒色感光性樹脂膜からなる隔壁462と、着色部463、及びオーバーコート層464が順次形成され、更にオーバーコート層464の下側に駆動用の電極418が形成されている。尚、実際の液晶装置においては、電極418を覆って液晶層側と、ガラス基板414側の後述する画素電極432上に、配向膜が設けられるが、図示、及び説明を省略する。
カラーフィルタ460の液晶層側に形成された液晶駆動用の電極418は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を、オーバーコート層464の全面に形成させたものである。
【0038】
ガラス基板414上には、絶縁層425が形成され、この絶縁層425の上には、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)と、画素電極432とが形成されている。
ガラス基板414上に形成された絶縁層425上には、マトリクス上に走査線451と、信号線452とが形成され、走査線451と信号線452とに囲まれた領域毎に画素電極432が設けられる。各画素電極432のコーナー部分と走査線451と信号線452との間部分にはTFTが組み込まれており、走査線451と信号線452に対する信号の印加によってTFTはオン、又はオフの状態となって画素電極432への通電が制御されるようになっている。
【0039】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態として、上記第3実施形態に係る液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図である。同図において、携帯電話機92は複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、上述した液晶表示装置400を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成図。
【図2】図1の吐出ユニットをA−A’線から矢印方向に見た断面図。
【図3】同装置における描画処理のフローチャート。
【図4】本発明の第2実施形態に係る描画処理のフローチャート。
【図5】本発明の第3実施形態に係るカラーフィルタの斜視図。
【図6】本発明の第4実施形態に係る携帯電話機の斜視図。
【符号の説明】
10・・・ヘッド、11・・・吐出ユニット、11a・・・ノズル、12・・・圧電素子、13・・・圧力室、14・・・液滴、20・・・ヘッド搬送部、30・・・基板、30a・・・描画領域、31・・・基板搬送部、40・・・レーザ光源、41・・・受光器、42・・・2値化回路、50・・・制御装置、51・・・メモリ、400・・・液晶表示装置、414・・・ガラス基板、416・・・偏光板、418・・・電極、425・・・絶縁層、432・・・画素電極、451・・・走査線、452・・・信号線、461・・・基板、462・・・隔壁、463・・・着色部、464・・・オーバーコート層、460・・・カラーフィルタ、470・・・光源、92・・・携帯電話機、921・・・操作ボタン、922・・・受話口、923・・・送話口。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドに配設された複数のノズルから液滴を吐出し、吐出対象物に対して描画を行う液滴吐出装置、同装置を用いた電気光学装置の製造方法、同方法を用いて製造された電気光学装置、及び同電気光学装置を搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶表示装置のカラーフィルタ、配向膜等の成膜に液滴吐出装置が利用されている。また、液滴吐出装置は、これ以外にも、工業上の様々な分野に利用されている。
液滴吐出装置は、ヘッドと呼ばれる液滴吐出機構を有している。このヘッドには、規則的に複数のノズルが配設されている。そして、液滴吐出装置は、これらのノズルから材料を液滴状に吐出することにより、例えば何らかの製品の構成要素となる基板上に、吐出材料からなるパターンの描画を行う。
【0003】
一般的に液滴を吐出するノズル径は非常に小さい。従って、例えば吐出する材料の粘性などに起因してノズル詰まりが発生することがある。このノズル詰まりを放置すると、最悪の場合、ノズルから何も吐出されない、所謂「ドット抜け」という現象の原因となる。ドット抜けは、液滴吐出装置を用いて製造される製品の品質に直結する。そこで、従来の液滴吐出装置では、例えば、特許文献1又は特許文献2に開示されるように、ある単位の描画を終えると、ヘッドを描画用の領域から外れた検査用領域に移動させ、複数のノズルから液滴を吐出させて、正常に吐出されるか否かを判定していた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−255044号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2000−263772号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来技術では、ある単位の描画を終える毎にノズル詰まりがあるか否かを判定するための液滴吐出を行う必要があり、相応の時間を必要とする。また、液滴吐出装置の用途によっては、吐出される材料は非常に高価であり、経済的な問題も無視できなかった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、ノズル詰まり検出に要する時間を短縮し、且つ、液滴の浪費を抑制し得る液滴吐出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明に係る液滴吐出装置は、描画パターンに従って、ヘッドに配設された複数のノズルから液滴を吐出し、吐出対象物に対して描画を行う装置であって、各ノズルに対し、1対1に設けられ、当該ノズルから液滴が吐出されるか否かを検出する複数の光学式液滴センサと、前記複数の光学式液滴センサからの出力信号に基づいて液滴吐出の有無を表す検出パターンを生成する生成手段と、前記検出パターンと描画パターンとを比較することによりノズル詰まりを検出する判定手段と、を有することを特徴としている。
【0008】
このような液滴吐出装置によれば、描画用の液滴吐出をノズル詰まり検出に利用できるので、ノズル詰まり検出に要する時間を大幅に短縮すると共に、液滴の無駄な消費を抑制する効果が得られる。
【0009】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルに詰まっている物を除去する手段と、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段と、を具備することを特徴としている。
このような液滴吐出装置によれば、上記効果を保持したまま、ノズル詰まりの為に描画されなかった描画点に対して液滴を吐出することができる。
【0010】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルを前記吐出対象物に対して相対移動させ、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して、該ノズル詰まりが発生したノズル以外のノズルにより液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段を具備することを特徴としている。
このような液滴吐出装置によれば、ノズル詰まりを解消する処理の実行回数を減らすことができるから、材料の無駄な消費を、更に抑制する効果が得られる。
【0011】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、フォトレジスト、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、生体物質、のうちいずれか一のパターン形成を用途とすることを特徴としている。
更に、本発明に係る電気光学装置は、本発明にかかる液滴吐出装置を使用して製造されることを特徴としている。
更に、本発明に係る電子機器は、本発明に係る電気光学装置を搭載することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施形態】
<第1実施形態>
<A:構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成を示した図である。同図を用いて、この液滴吐出装置の構成について説明する。
【0013】
図1において、ヘッド10は、図2に示す吐出ユニット11をN個有している。図2は、図1において、ヘッド10に配列された1個の吐出ユニット11をA−A’線から矢印の方向にみた断面図である。尚、図1においては、吐出ユニット11を簡略に示してある。
図2において、圧力室13は、例えば、液晶表示装置のカラーフィルタ材料など、用途に応じた多様な材料が充填されている。吐出ユニット11の底部には、この圧力室13に貯まった材料を液滴として排出するためのノズル11aが設けられている。圧力室13の天井部分には、圧電素子12が固定されている。この圧電素子12は、駆動電圧が与えられることにより、図中下方に伸びるように変形する。これにより、圧力室13が圧迫されてノズル11aから下方に液滴14が吐出される。
【0014】
吐出ユニット11には、この液滴14の飛行経路を挟んで対向するように、レーザ光源40と受光器41が固定されている。また、受光器41には2値化回路42が接続されている。これらのレーザ光源40、受光器41、及び2値化回路42は、ノズル11aからの液滴の吐出の有無を検出する光学式液滴センサを構成している。更に詳述すると、レーザ光源40は、ノズル11aが吐出する液滴の飛行経路と交差するようにレーザ光を出射する。受光器41は、例えばフォトトランジスタによって構成されており、レーザ光源40の出射するレーザ光を受光し、受光量に応じた電圧を出力する。2値化回路42は、受光器41の出力電圧を、「0」又は「1」の2値情報に変換する。
【0015】
図1に示すヘッド10には、以上説明した吐出ユニット11が、1本の直線をなすようにN個配列されているのである。
図1において、ヘッド搬送部20は、このヘッド10をノズル11aの配列方向(以降「ヘッド移動方向」とする)に移動させる装置である。
基板30は、ある製品の部品(例えば液晶表示装置のカラーフィルタとなる基板)であり、本実施形態に係る液滴吐出装置の描画対象物である。液滴吐出装置は、この基板30の表面の描画領域30aに対してN個のノズル11aから液滴の吐出を行う。基板搬送部31は、基板30をノズル11aの配列方向と直交する向き(以降「基板移動方向」とする)に移動させる装置である。
ノズル11aは、描画時には、ある間隔をあけて基板30と対向し、基板30に対して液滴を吐出する。
【0016】
制御装置50は、メモリ51を有している。このメモリ51には、液滴の吐出によって基板30の描画領域30aに描画すべきパターンを表すビットマップデータ、即ち、描画パターンが記憶されている。制御装置50は、この描画パターンを描画領域30aに描くために、N個の吐出ユニット11による液滴の吐出制御、基板30及びヘッド10の移動制御を行う。また、制御装置50は、この描画のための制御を行いながら、N個の2値化回路41から液滴の吐出の有無を表す2値情報を収集し、その結果と描画パターンとの比較により、ノズル詰まりの検出を行う。更に制御装置50は、ノズル詰まりが検出された場合に、ノズル詰まりを解消するためのヘッド回復処理あるいはノズル詰まりにより描画されなかった領域に液滴を吐出する補完描画のための制御を行う。
【0017】
<B:動作>
以上を踏まえて、本実施形態の動作について説明する。最初に、描画動作について説明する。
本実施形態に係る液滴吐出装置は、ヘッド10を固定して、基板搬送部31により基板30を基板移動方向に所定ピッチずつ歩進駆動しながら、描画領域30aの端から端まで描画を行い、その後、基板30を元の位置に戻す、という動作を行う。この動作を「1パス」と称する。
【0018】
ヘッド10に配設された各ノズル11aは、1パスの描画で、M個の描画点に液滴を吐出することができる。従って、本実施形態に係る液滴吐出装置は、1パスの描画で最大N×M個の描画点に液滴を吐出することができる。この1パス分の描画動作は、制御装置50が、その1パスによって描画すべき描画パターンをメモリ51から読み出し、その描画パターンに従って、各吐出ユニット11による液滴吐出、基板搬送部31による基板30の移動を制御することによって実現される。
【0019】
1パスの描画を終えると、制御装置50は、ヘッド搬送部20によりヘッド10をヘッド移動方向に所定距離だけ移動させ、次の1パスの描画を行う。即ち、制御装置50は、次の1パスによって描画すべき描画パターンをメモリ51から読み出し、その描画パターンに従って、各吐出ユニット11による液滴吐出、基板搬送部31による基板30の移動を制御するのである。本実施形態に係る液滴吐出装置は、このような動作を必要なだけ繰り返すことにより描画領域30a全域の描画を行う。
【0020】
次に、ノズル詰まり検出について説明する。1パスの描画では、N×M個の描画点に対する描画が行われるが、この描画が行われる間、制御装置50は、N個の2値化回路42の出力を監視し、この監視結果に基づき、N×M個の描画点に対して液滴が吐出されたか否かを示すN行M列の行列パターンを作成し、メモリ51に格納する。本実施形態では、このパターンを「検出パターン」と称する。
【0021】
ここで、描画パターンは、1パスの描画動作において、ヘッド10の各圧電素子12に駆動電圧を印加するか否かを「1」、又は「0」の2値情報として表したパターンであるから、実際に全ノズル11aが描画パターンに従って液滴を吐出していれば、全描画点について描画パターンと検出パターンは一致するはずである。
しかし、ノズル詰まりが発生した場合、両パターンにおける該当箇所の値は異なる。例えば、k(k≦N)番目のノズルが、h(h≦M)番目の描画点において、液滴を吐出する予定であったにも拘わらず、ノズル詰まりを起こして液滴の吐出がなされなかった場合、描画パターンのk行h列目の値は「1」で、検出パターンの当該値は「0」となる。このように、パターンを比較することで、制御装置50は、ノズル詰まりの検出を行うことができる。尚、検出パターンはメモリ51に記憶される。
【0022】
図3は、本実施形態における描画処理を説明したフローチャートである。同図を用いて該処理の詳細を説明する。
【0023】
初めに、制御装置50は、基板搬送部31を制御して、基板30を予め定められた位置にセットする(ステップS101)。次に、制御装置50は、メモリ51から、今回のパスの描画パターンを読み出す(ステップS102)。次に、制御装置50は、レーザ光源40、受光器41、及び2値化回路42を動作状態にする(ステップS103)。次に、制御装置50は、1パス分の描画を行うべく基板搬送部31による基板30の歩進駆動を開始する(ステップS104)と共に、ヘッド10のN個の圧電素子12に描画パターンに従って駆動電圧を供給し、今回のパスの液滴吐出を実行する(ステップS105)。
【0024】
また、この1パスの描画動作が行われる間、制御装置50は、N個の2値化回路42の出力信号を監視し、今回のパスに関する検出パターンをメモリ51に格納する(ステップS106)。1パスの描画動作が終了すると、制御装置50は、メモリ51に格納された描画パターンと検出パターンを比較して、ノズル詰まりの有無を判定する(ステップS107)。
【0025】
該判定結果が肯定的である場合、即ち、全ノズルに、ノズル詰まりが発生していなかった場合には、制御装置50は、今回の描画処理で予定された全パス分の描画が終了したかを判定する(ステップS108)。該判定結果が否定的である場合には、制御装置50は、次のパスの描画パターンを取得し(ステップS109)、ヘッド駆動部20を制御して、ヘッド10を、次のパスを描画する位置まで移動させる(ステップS110)。そして、制御装置50は、処理をステップS104に戻して、次のパスの描画を開始する。
【0026】
ステップS107の判定結果が否定的であった場合、制御装置50は、補完描画パターンを作成して、メモリ51に記憶する(ステップS111)。ここで、補完描画パターンとは、ノズル詰まりの為に液滴が吐出されなかった描画点に液滴を吐出するため、制御装置50が新たに作成した描画パターンである。補完描画パターンが作成されると、制御装置50は、図示しないヘッド回復位置まで、ヘッド10を移動させ、ノズルの詰まりを解消するためのヘッド回復処理をおこなう(ステップS112)。ヘッド回復処理には、例えばフラッシング処理などが挙げられる。該処理が終了すると、制御装置50は、ノズル詰まりが解消されたかを確認するため、ステップS107によってノズル詰まりが発生していると判定されたノズルに対し、液滴の吐出を指示する(ステップS113)。
【0027】
レーザ光源40、及び受光器41は動作中であるから、制御装置50は、液滴の吐出を指示されたノズルが、正常に液滴を吐出しているか否かを判定することができる(ステップS114)。該判定結果が否定的であれば、ヘッド回復処理が実行されたにもかかわらず、ノズル詰まりが解消されていないことになるから、制御装置50は、処理をステップS112に戻し、再びヘッド回復処理をおこない、ヘッド10が回復するまでステップS112からステップS114が繰り返される。
【0028】
ステップS114の判定結果が肯定的となれば、ノズル詰まりは解消されたことになるので、制御装置50は、ステップS111で作成した補完描画パターンを、メモリ51より取得し(ステップS115)、処理をステップS104に戻し、当該補完描画パターンに従って、再び1パスの描画を開始する。
今回の描画処理で描画する全パス分の描画が終了すると、ステップS108による判定結果は肯定的となって、描画処理は終了する。
【0029】
本実施形態に係る液滴吐出装置は、このように、描画中の液滴吐出をノズル詰まり検出に利用することができる。従って、従来のように、1パス描画毎に、ノズル詰まり検出用に改めて液滴を吐出する場合と比較して、該検出に要する時間を大幅に短縮することができる。更に、同様の理由から、液滴の吐出回数が大幅に減るので、無駄な液滴吐出が減り、コストダウンの実現も可能となる。
【0030】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、1パスの描画動作が終了する毎に、ノズル詰まりの判定を行って、ノズル詰まりが発生している場合には、ヘッド回復処理を行った。しかしながら、例えば、1パス毎にノズル詰まりが発生する場合を考えると、ヘッド回復処理に要する時間が無視できなくなる。また、ヘッド回復処理は、全ノズル一斉に実行される為、無駄に液滴を吐出する回数も増加する。そこで、処理時間の短縮化、及び無駄な液滴吐出の抑制を実現し得る第2の実施形態について説明する。
【0031】
図4は、この第2の実施形態に係る液滴吐出装置における描画処理を説明したフローチャートである。尚、図3と重複するステップには同一の符号を使用し、その説明を省略する。
制御装置50は、ステップS107においてノズル詰まりが発生していると判定した場合、補完描画パターンを作成し、メモリ51に格納する(ステップS120)。ここで作成される補完描画パターンは、第1実施形態と異なり、正常動作しているノズルで、詰まっているノズルを代替するように作成された描画パターンである。例えば、3番目のノズルにのみ、ノズル詰まりが発生した場合、本実施形態では、ヘッド10を1描画点分だけヘッド移動方向に移動させ、4番目のノズルで、3番目のノズルが描画する予定だった描画点に液滴を吐出する。このような液滴の吐出を行うための描画パターンが補完描画パターンである。ステップS107において、詰まっていると判定されたノズルは、今回の描画処理中は不使用とされる。
【0032】
補完描画パターンが作成されると、制御装置50は、メモリ51から補完描画パターンを読み出す(ステップS121)。次に、制御装置50は、読み出した補完描画パターンに従って、ヘッド駆動部20を制御して、ヘッド10を必要なだけヘッド移動方向に移動させる(ステップS122)。例えば、上述した場合であれば、4番目のノズルが3番目のノズルの位置にくるように、1描画点分ヘッド10を移動させる。そして、制御装置50は、処理をステップS104に戻して、描画処理を継続する。
【0033】
ステップS108における判定結果が肯定的、即ち、今回の描画処理で描画する全パス分の描画が終了すると、制御装置50は、ヘッド回復処理をおこなう(ステップS112)。ヘッド回復処理は第1実施形態と同様におこなわれ、ステップS114において、全ノズルが正常な状態に復帰すると、制御装置50は、今回の描画処理を終了する。
この場合、ヘッド回復処理は、描画処理終了前に1回行われれば良いから、描画処理に要する時間を短縮できると共に、無駄な液滴の吐出を更に抑制することができる。
【0034】
尚、上述した第1実施形態において、ヘッド回復処理を何度実行してもノズル詰まりが解消されない場合も考えられる。その場合は、例えば、ヘッド回復処理が予め設定された回数に達した時点で、上述の第2実施形態に切り替り、ノズル詰まりが解消されないノズルを不使用として、以降の処理を継続しても良い。
また、制御装置50が、メモリ51に、液滴が正常に吐出されなかった為に描画されなかった描画点を記憶し、描画処理終了後に当該描画点に対する描画パターンをまとめて生成して、描画を実行しても上述の効果を損なうものではない。
【0035】
尚、本実施形態に係る液滴吐出装置は、配線、カラーフィルタ、フォトレジスト、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、生体物質、のうちいずれか一のパターン形成を用途としてもよい。
【0036】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態として、本発明に係る液滴吐出装置を用いて製造されたカラーフィルタを搭載した液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。本実施形態に係る液晶表示装置400は、液晶駆動用IC(図示略)、配線類(図示略)、光源470、支持体(図示略)などの付帯要素が装着されている。
液晶表示装置400の構成を簡単に説明する。液晶表示装置400は、互いに対向するよう配置された、カラーフィルタ460、及びガラス基板414と、これらの間に挟持された図示略の液晶層と、カラーフィルタ460の上面側(観察者側)に付設された偏光板416と、ガラス基板414の下面側に付設された図示略の偏光板とを主体として構成されている。カラーフィルタ460は透明なガラスからなる基板461を具備し、観察者側に設けられた基板であり、ガラス基板414はその反対側に設けられる透明な基板である。
【0037】
基板461の下側には、黒色感光性樹脂膜からなる隔壁462と、着色部463、及びオーバーコート層464が順次形成され、更にオーバーコート層464の下側に駆動用の電極418が形成されている。尚、実際の液晶装置においては、電極418を覆って液晶層側と、ガラス基板414側の後述する画素電極432上に、配向膜が設けられるが、図示、及び説明を省略する。
カラーフィルタ460の液晶層側に形成された液晶駆動用の電極418は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電材料を、オーバーコート層464の全面に形成させたものである。
【0038】
ガラス基板414上には、絶縁層425が形成され、この絶縁層425の上には、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)と、画素電極432とが形成されている。
ガラス基板414上に形成された絶縁層425上には、マトリクス上に走査線451と、信号線452とが形成され、走査線451と信号線452とに囲まれた領域毎に画素電極432が設けられる。各画素電極432のコーナー部分と走査線451と信号線452との間部分にはTFTが組み込まれており、走査線451と信号線452に対する信号の印加によってTFTはオン、又はオフの状態となって画素電極432への通電が制御されるようになっている。
【0039】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態として、上記第3実施形態に係る液晶表示装置を用いた電子機器の一例たる携帯電話機の構成を例示する斜視図である。同図において、携帯電話機92は複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、上述した液晶表示装置400を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液滴吐出装置の構成図。
【図2】図1の吐出ユニットをA−A’線から矢印方向に見た断面図。
【図3】同装置における描画処理のフローチャート。
【図4】本発明の第2実施形態に係る描画処理のフローチャート。
【図5】本発明の第3実施形態に係るカラーフィルタの斜視図。
【図6】本発明の第4実施形態に係る携帯電話機の斜視図。
【符号の説明】
10・・・ヘッド、11・・・吐出ユニット、11a・・・ノズル、12・・・圧電素子、13・・・圧力室、14・・・液滴、20・・・ヘッド搬送部、30・・・基板、30a・・・描画領域、31・・・基板搬送部、40・・・レーザ光源、41・・・受光器、42・・・2値化回路、50・・・制御装置、51・・・メモリ、400・・・液晶表示装置、414・・・ガラス基板、416・・・偏光板、418・・・電極、425・・・絶縁層、432・・・画素電極、451・・・走査線、452・・・信号線、461・・・基板、462・・・隔壁、463・・・着色部、464・・・オーバーコート層、460・・・カラーフィルタ、470・・・光源、92・・・携帯電話機、921・・・操作ボタン、922・・・受話口、923・・・送話口。
Claims (7)
- 描画パターンに従って、ヘッドに配設された複数のノズルから液滴を吐出し、吐出対象物に対して描画を行う装置であって、
各ノズルに対し、1対1に設けられ、当該ノズルから液滴が吐出されるか否かを検出する複数の光学式液滴センサと、
前記複数の光学式液滴センサからの出力信号に基づいて液滴吐出の有無を表す検出パターンを生成する生成手段と、
前記検出パターンと描画パターンとを比較することによりノズル詰まりを検出する判定手段と、
を有することを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルに詰まっている物を除去する手段と、
前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。 - 前記判定手段によってノズル詰まりが検出された場合に、前記ノズルを前記吐出対象物に対して相対移動させ、該ノズル詰まりによって液滴が吐出されなかった描画点に対して、該ノズル詰まりが発生したノズル以外のノズルにより液滴を吐出するための補完描画パターンを生成し、該補完描画パターンに従って液滴の吐出を行う手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出装置は、
配線、カラーフィルタ、フォトレジスト、マイクロレンズアレイ、エレクトロルミネセンス材料、生体物質、のうちいずれか一のパターン形成を用途とする、
ことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の液滴吐出装置。 - 請求項1から3いずれかに記載の液滴吐出装置を使用することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項5記載の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項6記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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