JP2004216067A - ヘアカッターのヘッドスイング機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッド部が本体に対して回動することにより本体の角度を変えたりすることなく、複雑な曲面の地肌に容易に刃部を密着させることが可能となり、熟練者でなくとも所望の仕上がりが得られるようにすること。
【解決手段】駆動源が内蔵された本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2とを備えたヘアカッターAにおいて、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を本体1に対して回動自在とするヘッド支軸6を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動源が内蔵された本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2とを備えたヘアカッターAにおいて、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を本体1に対して回動自在とするヘッド支軸6を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪及び体毛のカットを行うヘアカッターのヘッドスイング機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘアカッターとして最も一般的なのは、所謂バリカンであるが、これは丸刈りする場合にはよいものの、調髪という点から熟練した技術を要するために家庭内での使用には無理がある。
【0003】
そこで、従来、素人でも簡単に一定の毛髪の長さに整えたり、毛量を間引く(スキ刈り)のための補助具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−187374号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の補助具の使用にはある程度の熟練が必要であり、使用における制約を守らないと、毛の長さが不均一になり、狙いの長さにうまく揃わない場合がある。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、ヘッド部が本体に対して回動することにより本体の角度を変えたりすることなく、複雑な曲面の地肌に容易に刃部を密着させることが可能となり、熟練者でなくとも所望の仕上がりが得られるヘアカッターのヘッドスイング機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、駆動源が内蔵された本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2とを備えたヘアカッターにおいて、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を本体1に対して回動自在とするヘッド支軸6を備えていることを特徴としており、このように構成することで、ヘッド部2が本体1に対して回動することにより本体1の角度を変えたりすることなく、複雑な曲面の地肌に容易に刃部3aを密着させることが可能となる。
【0008】
また上記ヘッド支軸6はヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線M回りに回動させるのが好ましく、この場合、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となる。
【0009】
また上記刃ブロック3を回動自在範囲内の一定位置、例えば本体1の水平状態において刃ブロック3の刃部3aが最も下方に傾いた下向き最大位置P1、或いは最も上方に傾いた上向き最大位置P3、或いは下向き最大位置P1と上向き最大位置P3との略中間位置P2のいずれかに付勢するバネ手段8を備えているのが好ましく、この場合、カット時にヘッド部2に対して外力が加わっても、特別な動作を必要とせず、ヘッド部2は設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。
【0010】
また上記一定位置に付勢するバネ手段8はコイルバネ8aであるのが好ましく、この場合、コイルバネ8aの反力を利用して一定位置での付勢を行なうことができるので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化できる。
【0011】
また上記ヘッド支軸6の回動中心をヘッド部2における刃ブロック3の刃部3a近傍に配置するのが好ましく、この場合、ヘッド部2の回動中心を刃部3aの摺動面(切断作用部)に近付けることができるので、ヘッド部2の回動動作が刃部3aの動きに正確に追従するようになる。
【0012】
また上記ヘッド支軸6をヘッド部2におけるヘッドシェル9内部に配置するのが好ましく、この場合、ヘッド部2の外側にヘッド支軸6が突出することがなく、ヘッド部2の外観の平滑化及びヘッド部2の小型化を図ることができる。
【0013】
また上記ヘッド支軸6は、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動させるのが好ましく、この場合、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となり、特に耳まわりなどの斜面の部分のカットをする場合に最適となる。
【0014】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメント10を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2と刈り高さアタッチメント10との一体回動によってどの位置でも刈り高さアタッチメント10を地肌に密着させて刈り高さを揃えることができるようになる。
【0015】
また上記刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動自在範囲内で本体1と干渉しないように装着すると共に、ヘッド部2に対する刈り高さアタッチメント10の装着方向を変えることで刈り高さを可変可能とするのが好ましく、この場合、刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができると共に、異なる刈り高さの切り変えが容易となる。
【0016】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメント11を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2とボリューム落としアタッチメント11との一体回動によってどの位置でもボリューム落としアタッチメント11を地肌に密着させて刃部3aの摺動面(切断作用部)を地肌と略平行に保つようにすることができ、毛量の多い部分のボリューム落としによって奇麗な仕上がり(例えば段カット)を得ることができる。
【0017】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメント12を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2とスキ刈り用アタッチメント12との一体回動によってスキ刈り用アタッチメント12を地肌に密着させることができ、本体1の中心線を地肌と略垂直に保った状態でスキ刈りを行なえるようになる。
【0018】
また上記ヘッド部2の回動動作を一時阻止可能とするロック手段13を設けるのが好ましく、この場合、例えば生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部2を回転しないように固定することで、従来のバリカン刃と同様なカット動作が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態のヘアカッターAは、図1〜図7に示すように、駆動源が内蔵される本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2と、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線M回りに回動させるためのヘッド支軸6とで構成されている。
【0021】
ヘアカッターAの本体1には、駆動源となる電動モータ或いは振動型のリニアアクチュエータ(図示せず)が内蔵されている。また本体1の動作を入り切りするスイッチハンドル(図示せず)等が設けられている。ここでは、駆動源の出力軸7とヘッドスイング用の左右一対の連結軸6bとが本体ハウジング1aの上端面1cから上方に突出しており、これら出力軸7及び連結軸6b以外は、本体ハウジング1a,1b内に格納されている。
【0022】
ヘッド部2のヘッドシェル9は、図3に示すように、左右一対の側板17と底板18と背板19とからなる。底板18は、本体ハウジング1a,1bの凹状に湾曲した上端面1cに沿って凸状に湾曲形成されている。また、ヘッドシェル9の底板18中央には本体1側の出力軸7が挿入される中央開口部80が設けられ、底板18の両サイドに本体1側の一対の連結軸6bがそれぞれ挿入される両側開口部81がそれぞれ設けられている。
【0023】
刃ブロック3は、図2に示すように、肌当て面4を有する刃フレーム3bと、互いに摺接する櫛状の可動刃21と固定刃22とで構成されており、刃部3aをヘッドシェル9の頂部よりも上方に突出させた状態で、ヘッドシェル9の前面に設けた複数の刃固定ボス23(図3)に、刃フレーム3bのボス嵌合孔24を嵌合し、圧入保持することで刃ブロック3をヘッドシェル9に固着してある。ここでは、刃フレーム3bの外側面が平滑な肌当て面4となり、肌当て面4の延長線上に刃部3aが配置されている。
【0024】
上記可動刃21における固定刃22とは反対側の面に、図2に示すように、一対の案内板25,25が取り付けられ、この案内板25,25間に設けたスリット26に本体1側の出力軸7(図3)が挿入されることにより、出力軸7の駆動力が案内板25を介して可動刃21に伝達されて可動刃21が往復運動をし、固定刃22とのはさみ込みにより毛髪及び体毛を切断するようになっている。ここで、一対の案内板25,25は、図5(a)〜(c)に示すように、ヘッド部2が前後方向Fに回動動作しても出力軸7との嵌合が外れないような形状、大きさに形成してあり、これにより、どの回動角度においても、出力軸7の駆動力が案内板25を介して可動刃21に伝達されるようになっている。
【0025】
次にヘッドスイング機構を説明する。本例はヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線Mまわりにスイングさせるヘッド支軸6を備えている。ここにおいてヘッド支軸6は、ヘッドシェル9の両内壁に突設した左右一対の回動軸6aと、本体ハウジング1a,1bの上端面1cから突出する左右一対の連結軸6bとからなる。各連結軸6bは図3、図4に示すように両側開口部81からヘッドシェル9内に挿入され、連結軸6bの上部に設けた軸穴28が回動軸6aに回転自在に嵌め込まれている。ヘッド支軸6は、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線Mまわりに回動させるものである。ここで図6はヘッド部2の回動可能範囲の一例を示している。図6(a)は下向き最大位置P1(本体1の水平状態において刃ブロック3が最も下方に傾いた位置)、図6(b)は中間位置P2、図6(c)は上向き最大位置P3(本体1の水平状態において刃ブロック3が最も上方に傾いた位置)をそれぞれ示している。
【0026】
しかして、上記構成のヘアカッターAは、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2が本体1に対して前後方向Fにスイングするので、本体1の角度や位置を変えなくても複雑な曲面の地肌に容易に刃部3aを密着させることができるようになる。つまり、カット時に刃部3aが地肌から離れないような最適な角度を維持することで、使用時の刃部3aの地肌からの浮きを低減することができ、作業性が向上すると共に、熟練者でなくとも全体的に均一な滑らかな仕上がり(例えば奇麗な段カット)を達成することができる。
【0027】
また本例では、ヘッド部2の回動中心を刃ブロック3の刃部3a近傍に配置しているので、ヘッド部2の回動中心が刃部3aの可動刃21と固定刃22の摺動面(切断作用部)に近付き、ヘッド部2の回動動作が刃部3aの動きに正確に追従することとなり、スムーズにカット動作を行なうことができるという利点がある。
【0028】
さらに、回動軸6aをヘッドシェル9の内側に突出させていると共に、連結軸6bをヘッドシェル9の内側で回動軸6aに連結しているので、ヘッド支軸6がヘッド部2の外側に突出することがなくなり、ヘッド部2の外観の平滑化及びヘッド部2の小型化を図ることができる。そのうえヘッドシェル9は底板18が凸状に湾曲形成され、本体ハウジング1a,1bの上端面1cは凹状に湾曲形成されているため、ヘッド部2と本体1との隙間を狭く保ちながらヘッド部2を回動させることができるという利点もある。
【0029】
次に、刃ブロック3をその回動自在範囲内の一定位置に付勢するためのバネ手段8を設けた場合の一実施形態を説明する。図7に示す例では、バネ手段8としてコイルバネ8aを用いている。図7(a)は刃ブロック3を図6(a)に示す下向き最大位置P1にバネ付勢するために、連結軸6bに設けた中央バネ受け部30とヘッドシェル9の底板18の後端側に立設した後方バネ受け部31とをコイルバネ8aにて押し広げている。図7(b)は刃ブロック3を図6(b)に示す中間位置P2にバネ付勢するために、中央バネ受け部30と後方バネ受け部31との間、及び、中央バネ受け部30とヘッドシェル9の底板18の前端側に立設した前方バネ受け部32とをそれぞれコイルバネ8aにて押し広げている。図7(c)は刃ブロック3を図6(c)に示す下向き最大位置P1にバネ付勢するために、中央バネ受け部30と前方バネ受け部32との間をコイルバネ8aにて押し広げている。このように、ヘッドシェル9をコイルバネ8aでバネ付勢することにより、図6に示す下向き最大位置P1、中間位置P2、上向き最大位置P3のいずれかに、ヘッド部2の角度を保持することができ、従って、カット時にヘッド部2に対して外力が加わっても特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。また、一定位置への付勢をコイルバネ8aの反力を利用しているので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化し、バネ手段8を省スペースで構成できるという利点もある。
【0030】
図8〜図16は他の実施形態であり、ヘッド部2が刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動動作を行なう場合の一例を示している。なお、刃ブロック3をヘッドシェル9に取着する構成、及び、可動刃21の案内板25と出力軸7との嵌合が外れないようにする構成は、前記図1〜図7の実施形態と同様である。
本例のヘッドスイング機構は、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略直交する軸線Nまわりにスイングさせるヘッド支軸6を備えている。本例のヘッド支軸6は、ヘッドシェル9の底面に設けた環状の軸孔6cと、本体ハウジング1a,1bの上端面1cから突出する環状の嵌合軸6dとからなる。上記軸線Nはヘッド支軸6の中心軸と一致している。また本例のヘッドシェル9は、対称形状をした2つのシェル半体9a,9bで構成されている。各シェル半体9a,9bは図9、図10に示す組立用フック82によって互いに結合される。また、各シェル半体9a,9bの底面40の中央には、それぞれ、半円孔6eが形成されており、各シェル半体9a,9bの結合によってヘッドシェル9の底板18の中央には2つの半円孔6e,6eからなる円形の軸孔6cが形成される。一方、本体ハウジング1a,1bの各上端面の中央側には、それぞれ、半円状ボス6fが形成されており、本体ハウジング1a,1bの結合によってその上面中央には2つの半円状ボス6f,6fからなる環状の嵌合軸6dが形成される。この嵌合軸6dの外周溝と軸孔6cとが回動自在に嵌合することで、軸孔6cと嵌合軸6dとでヘッド支軸6が構成され、ヘッド部2はヘッド支軸6を中心として刃の摺動方向Bと直交する軸線N回りに回動可能となっている。
【0031】
さらにヘッド部2のシェル半体9a,9bの底面40の下面側には、図9、図10、図11に示すように、軸孔6cと同心円状の回動規制溝41が凹設されており、本体ハウジング1a,1bの上面に突設した規制リブ42が回動規制溝41にスライド自在に嵌合することによって、ヘッド部2の回動範囲が一定範囲内に規制されている。ここでは図12に示すように、回動規制溝41内に規制リブ42と回動規制溝41の一端との間、規制リブ42と回動規制溝41の他端との間に、それぞれ、保持バネ43が組み込まれており、ヘッド部2が図13に示す右回りaに回動した場合、或いは図15に示す左回りbに回動した場合のいずれにおいても、保持バネ43によって図14に示す初期位置に自動復帰できるようにしている。また本例のヘッドシェル9の底面40と本体ハウジング1a,1bの上面とが共に平坦状に形成されているため、ヘッド部2と本体1との隙間を狭く保ちながらヘッド部2を回動させることができる構造となっている。
【0032】
しかして、ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動自在としたので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となる。特に図16のように、耳まわりなどの斜面の部分のカットをする場合、ヘッド部2が軸線N回りに矢印ロで示す方向に回動するので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aを常時地肌5に密着させることが可能になり、作業性が向上する。
【0033】
次に、刈り高さアタッチメント10、ボリューム落としアタッチメント11、スキ刈り用アタッチメント12のいずれかを使用する場合の実施形態を順に説明する。
【0034】
先ず、図18〜図21は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメント10をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。刈り高さアタッチメント10は毛髪を一定長さに揃える補助具として使用されるものであり、図18に示すように、複数の支持部材60が刃の摺動方向Bに複数並設されていると共に、各支持部材70は前端部10a後端部10bとで異なる高さamm,bmm(例えば、a>b)を有している。ここにおいて、図19(a)に示すように、刈り高さアタッチメント10の両サイドに設けた嵌合軸50をヘッド部2の両側面に仮保持するに際して、高さの高い方の前端部10aを刃ブロック3に対向配置することで図17のように刈り高さを高くでき、逆に、図19(b)に示すように、高さの低い方の後端部10bを刃ブロック3に対向配置することで刈り高さを低くできるようになっている。また本例においては、ヘッド部2の回動自在範囲内で刈り高さアタッチメント10と本体1とが干渉しないように刈り高さアタッチメント10をヘッド部2に装着している。具体的には、ヘッド部2の初期位置が図6(a)に示す下向き最大位置P1である場合において、この下向き最大位置P1にした状態で図20(a)のように刈り高さアタッチメント10を装着する。これにより、ヘッド部2が図20(a)に示す初期位置から図20(b)のように回動しても、刈り高さアタッチメント10の未使用側の端部(図20の例では後端部10b)は本体1から離れる方向(矢印イの方向)に回動するため、刈り高さアタッチメント10と本体1とが干渉することがなく、刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができるようになる。
【0035】
しかして、図21に示すように、刈り高さアタッチメント10の支持部材60の先端を地肌5に密着させた状態で、ヘアカッターAを毛の流れに逆らって(ここでは、生え際から頭頂部に向かって)滑らせることにより一定の毛髪の長さに仕上げることができる。ちなみに従来のヘッド固定式では図21の破線位置S1からのスタートになるため、手首の動きが窮屈な状態となり、刃部3aを地肌5に密着させることが困難であるが、本ヘアカッターAを用いた場合は、従来よりも高い位置(図21の実線位置S2)からのスタートになるため、手首の動きが自然な状態で刈り高さアタッチメント10の先端を地肌5に密着させることが可能になり、刈り高さアタッチメント10による最適な使用状態を補助できるようになる。そのうえ、図19(a)(b)のように、刈り高さアタッチメント10の装着方向を変えることにより、異なる高さに容易に設定可能となり、作業性がより向上するものである。
【0036】
次に図22、図23は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメント11をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。
本例のボリューム落としアタッチメント11は、毛髪のボリューム落としを行なう補助具として使用されるものであり、図22に示すように、先端が滑らかに凹曲した支持部材70が刃の摺動方向Bに沿って複数並設されていると共に、その内側には毛髪を押さえる押さえ部61を刃部3aの刃面と略平行となるように設けてある。図23のようにボリューム落としアタッチメント11をヘッド部2に装着し、支持部材70の先端を頭皮に当接させた状態で、ヘアカッターAを頭の上方から下方に移動させて毛髪を刃部3aで切断する。このとき、支持部材70によって刃部3aと頭皮との間の間隔が所定間隔となるように保持され、また、刃部3aの切断作用部よりも後方に押さえ部61が位置していることで、図23の厚みEで仕上げることが可能となる。さらにヘッド部2の初期位置(例えば図6(b)に示す中間位置P2)でボリューム落としアタッチメント11を取り付けることにより、どの角度でも刃部3aの接触面を地肌5と略平行に保つようにすることができると共に、ボリューム落としアタッチメント11の支持部材70の先端を地肌5に密着させて動作させることができるので、所定の厚さ分Eに仕上げることができる。そのうえ、押さえ部61で毛髪が押さえられながら押さえ部61と刃部3aの切断作用部との間隔の厚さ分Eだけ切断される。つまり、支持部材70にてカット後の最小の厚みを保証し、押さえ部61の存在にて一度にバッサリ切断されず(押さえ部61がないと刃部3aの切断作用部より外方に広がる毛髪が一度にバッサリ切断される)、毛髪を所定の厚さ分Eを残して切断できる。このように切断することにより、従来のように毛髪の先端だけを切断するのに比べて手早く行うことができ、また誰が切断して所定の状態に切断できて全体的に均一にカットでき、奇麗な仕上がり(例えば段カット)を得ることができるなど、ボリューム落としアタッチメント11による最適な使用状態(刃部3aの接触面を地肌5と略平行に保つ状態)を十分に補助できるようになり、作業性が向上するものである。
【0037】
次に図24、図25は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメント12をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。本例のスキ刈り用アタッチメント12は、毛髪のスキ刈りを行なう補助具として使用されるものであり、図24に示すように、先端に刃部3aの切断部の一部を覆うことによって、切断可能な隙間部71と、切断不能なカバー部72とが摺動方向Bに沿って複数形成されている。このスキ刈り用アタッチメント12をヘッド部2に装着し、ヘアカッターAを頭の上方から下方に移動させることにより、隙間部71のみで毛髪をカットできる。つまり、一気に毛髪全体をカットするのではなく、少しずつカットすることが可能となり、毛量の多い部分のボリューム落としを行なうことが可能となる。さらにヘッド部2の初期位置でスキ刈り用アタッチメント12を取り付けることで、本体1の中心線を地肌5と略垂直に保つことができ、毛髪が隙間部71に確実に導入されるようになる。しかも従来のスタート位置(図25の破線S3)よりも低い位置S5からのスタートになり、また従来のストップ位置(図25の破線S4)よりも高い位置S6でのストップとなるため、手首の動きが自然な状態でアタッチメントの先端部を地肌に密着させることが可能になり、スキ刈り用アタッチメント12による最適な使用状態(本体1の中心線を地肌と略垂直に保つ状態)を十分に補助できるようになり、作業性がより向上する。
【0038】
図26〜図28は更に他の実施形態であり、ヘッド部2の回動動作を一時阻止可能とするためのロック手段13を設けた場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。他の構成は図4と同様である。ちなみに、生え際の産毛カットや耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部2が本体1に対して回動すると逆に安定せず、うまくカットできない場合がある。この場合を鑑みて、本例では、図27に示すように、本体1にロックレバー13aとレバー保持部材13bとを取り付け、ヘッドシェル9の底板18の一部に穴部13c(図28)を設け、図26(b)に示すように、ロックレバー13aを上に上げることにより、ヘッド部2の穴部13cと嵌合し、ヘッド部2の回動が阻止され、生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げが従来のバリカン刃と同様にできるようになる。また回動可能な状態に戻す場合はロックレバー13aを引き下げるだけでよい。
【0039】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、駆動源が内蔵された本体と、刃ブロックを有するヘッド部とを備えたヘアカッターにおいて、ヘッド部の肌当て面が常時地肌と接するようにヘッド部を本体に対して回動自在とするヘッド支軸を備えているので、本体の角度や位置はそのままで、ヘッド部だけが回動することにより、複雑な曲面の地肌に容易に刃部を密着させることが可能となり、作業性が向上すると共に、熟練者でなくとも全体的に均一な滑らかな仕上がり(例えば奇麗な段カット)を達成することができる。
【0040】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸はヘッド部を刃の摺動方向と略平行な軸線回りに回動させるので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部の地肌からの浮きを低減することが可能となり、作業性が向上する。
【0041】
また請求項3記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記刃ブロックを回動自在範囲内の一定位置に付勢するバネ手段を備えているので、カット時にヘッド部に対して外力が加わっても、特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。
【0042】
また請求項4記載の発明は、請求項3の一定位置が、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も下方に傾いた下向き最大位置であり、請求項5記載の発明は、請求項3の一定位置が、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も上方に傾いた上向き最大位置であり、請求項6記載の発明は、請求項3の一定位置が下向き最大位置と上向き最大位置との略中間位置であるので、いずれの場合も、カット時にヘッド部に対して外力が加わっても特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置(下向き最大位置、上向き最大位置或いは略中間位置)に自動で復帰することが可能となる。
【0043】
また請求項7記載の発明は、請求項3記載の効果に加えて、上記一定位置に付勢するバネ手段はコイルバネであるので、コイルバネの反力を利用して一定位置での付勢を行なうことができるので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化でき、省スペースでバネ手段を構成可能となる。
【0044】
また請求項8記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸の回動中心をヘッド部における刃ブロックの刃部近傍に配置したので、ヘッド部の回動中心が刃部の摺動面(切断作用部)に近付くことにより、ヘッド部の回動動作が刃部の動きに正確に追従しやすくなり、スムーズにカット動作を行なうことができる。
【0045】
また請求項9記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸をヘッド部におけるヘッドシェル内部に配置したので、ヘッド部の外側にヘッド支軸が突出することがなく、ヘッド部の外観の平滑化及びヘッド部の小型化を図ることができる。
【0046】
また請求項10記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸は、ヘッド部を刃の摺動方向と略直交する軸線回りに回動させるので、ヘッド部は刃の摺動方向と略直交する軸線回りに回動自在となっているので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部の地肌からの浮きを低減することが可能となり、特に耳まわりなどの斜面の部分のカットに最適となる。
【0047】
また請求項11記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメントを装着したので、ヘッド部と刈り高さアタッチメントとの一体回動によってどの位置でも刈り高さアタッチメントを地肌に密着させて刈り高さを揃えることができ、刈り高さアタッチメントによる最適な使用状態を補助できるものである。
【0048】
また請求項12記載の発明は、請求項11記載の効果に加えて、上記刈り高さアタッチメントをヘッド部の回動自在範囲内で本体と干渉しないように装着すると共に、ヘッド部に対する刈り高さアタッチメントの装着方向を変えることで刈り高さを可変可能としたので、刈り高さアタッチメントをヘッド部の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができると共に、異なる刈り高さの切り変えが容易となる。
【0049】
また請求項13記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメントを装着したので、ヘッド部とボリューム落としアタッチメントとの一体回動によってどの位置でもボリューム落としアタッチメントを地肌に密着させて刃部の摺動面(切断作用部)を地肌と略平行に保つようにすることができ、毛量の多い部分のボリューム落としによって奇麗な仕上がり(例えば段カット)が得られ、ボリューム落としアタッチメントによる最適な使用状態を補助できるものである。
【0050】
また請求項14記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメントを装着したので、ヘッド部とスキ刈り用アタッチメントとの一体回動によってスキ刈り用アタッチメントを地肌に密着させることができ、最適な使用状態(本体の中心線を地肌と略垂直に保つ状態)を補助できるものである。
【0051】
また請求項15記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部の回動動作を一時阻止可能とするロック手段を設けたので、例えば生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部を回転しないように固定することで、従来のバリカン刃と同様なカット動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示し、刃の摺動方向と略平行な軸線回りにヘッド部がスイングする場合の斜視図である。
【図2】同上の刃ブロックの斜視図である。
【図3】同上の本体とヘッドシェルの分解斜視図である。
【図4】同上のヘッドシェルを本体に取り付けた状態の斜視図である。
【図5】(a)は同上のヘッド部の下向き最大位置、(b)は中間位置、(c)は上向き最大位置をそれぞれ説明する一部破断斜視図である。
【図6】(a)は同上のヘッド部の下向き最大位置、(b)は中間位置、(c)は上向き最大位置をそれぞれ説明する側面図である。
【図7】(a)は同上のヘッド部をコイルバネによって下向き最大位置に付勢した場合の一部破断斜視図、(b)は中間位置に付勢した場合の一部破断斜視図、(c)は上向き最大位置に付勢した場合の一部破断斜視図である。
【図8】(a)は他の実施形態であり、刃の摺動方向と略平行な軸線回りにヘッド部がスイングする場合の分解斜視図、(b)は組立斜視図である。
【図9】同上のシェル半体の斜視図である。
【図10】同上のヘッド支軸を説明する一部破断斜視図である。
【図11】同上のヘッド部の回動状態の説明図である。
【図12】同上の規制リブと保持バネとの説明図である。
【図13】(a)は同上のヘッド部が左回りに回動した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図14】(a)は同上のヘッド部が復帰した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図15】(a)は同上のヘッド部が右回りに回動した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図16】同上のヘアカッターの使用状態説明図である。
【図17】同上のヘッド部に刈り高さアタッチメントを装着した場合の使用状態説明図である。
【図18】同上の刈り高さアタッチメントの斜視図である。
【図19】(a)は刈り高さアタッチメントの前端部を使用する場合の側面図、(b)は後端部を使用する場合の側面図である。
【図20】(a)はヘッド部の初期位置で刈り高さアタッチメントを装着した状態の側面図、(b)は刈り高さアタッチメントがヘッド部と一体に回動した状態の側面図である。
【図21】同上の刈り高さアタッチメントの使用状態説明図である。
【図22】同上のヘッド部に装着されるボリューム落としアタッチメントの斜視図である。
【図23】同上のボリューム落としアタッチメントをヘッド部に装着した場合の使用状態説明図である。
【図24】同上のヘッド部に装着されるスキ刈り用アタッチメントの斜視図である。
【図25】同上のスキ刈り用アタッチメントをヘッド部に装着した場合の使用状態説明図である。
【図26】同上のロック機構を説明する一部破断斜視図である。
【図27】同上のロック機構の分解斜視図である。
【図28】同上のロック機構の動作説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 ヘッド部
3 刃ブロック
3a 刃部
4 肌当て面
6 ヘッド支軸
8 バネ手段
8a コイルバネ
9 ヘッドシェル
10 刈り高さアタッチメント
11 ボリューム落としアタッチメント
12 スキ刈り用アタッチメント
13 ロック手段
A ヘアカッター
B 刃の摺動方向
M 刃の摺動方向と平行な軸線
N 刃の摺動方向と直交する軸線
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪及び体毛のカットを行うヘアカッターのヘッドスイング機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘアカッターとして最も一般的なのは、所謂バリカンであるが、これは丸刈りする場合にはよいものの、調髪という点から熟練した技術を要するために家庭内での使用には無理がある。
【0003】
そこで、従来、素人でも簡単に一定の毛髪の長さに整えたり、毛量を間引く(スキ刈り)のための補助具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−187374号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の補助具の使用にはある程度の熟練が必要であり、使用における制約を守らないと、毛の長さが不均一になり、狙いの長さにうまく揃わない場合がある。
【0006】
本発明は、上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、ヘッド部が本体に対して回動することにより本体の角度を変えたりすることなく、複雑な曲面の地肌に容易に刃部を密着させることが可能となり、熟練者でなくとも所望の仕上がりが得られるヘアカッターのヘッドスイング機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にあっては、駆動源が内蔵された本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2とを備えたヘアカッターにおいて、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を本体1に対して回動自在とするヘッド支軸6を備えていることを特徴としており、このように構成することで、ヘッド部2が本体1に対して回動することにより本体1の角度を変えたりすることなく、複雑な曲面の地肌に容易に刃部3aを密着させることが可能となる。
【0008】
また上記ヘッド支軸6はヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線M回りに回動させるのが好ましく、この場合、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となる。
【0009】
また上記刃ブロック3を回動自在範囲内の一定位置、例えば本体1の水平状態において刃ブロック3の刃部3aが最も下方に傾いた下向き最大位置P1、或いは最も上方に傾いた上向き最大位置P3、或いは下向き最大位置P1と上向き最大位置P3との略中間位置P2のいずれかに付勢するバネ手段8を備えているのが好ましく、この場合、カット時にヘッド部2に対して外力が加わっても、特別な動作を必要とせず、ヘッド部2は設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。
【0010】
また上記一定位置に付勢するバネ手段8はコイルバネ8aであるのが好ましく、この場合、コイルバネ8aの反力を利用して一定位置での付勢を行なうことができるので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化できる。
【0011】
また上記ヘッド支軸6の回動中心をヘッド部2における刃ブロック3の刃部3a近傍に配置するのが好ましく、この場合、ヘッド部2の回動中心を刃部3aの摺動面(切断作用部)に近付けることができるので、ヘッド部2の回動動作が刃部3aの動きに正確に追従するようになる。
【0012】
また上記ヘッド支軸6をヘッド部2におけるヘッドシェル9内部に配置するのが好ましく、この場合、ヘッド部2の外側にヘッド支軸6が突出することがなく、ヘッド部2の外観の平滑化及びヘッド部2の小型化を図ることができる。
【0013】
また上記ヘッド支軸6は、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動させるのが好ましく、この場合、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となり、特に耳まわりなどの斜面の部分のカットをする場合に最適となる。
【0014】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメント10を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2と刈り高さアタッチメント10との一体回動によってどの位置でも刈り高さアタッチメント10を地肌に密着させて刈り高さを揃えることができるようになる。
【0015】
また上記刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動自在範囲内で本体1と干渉しないように装着すると共に、ヘッド部2に対する刈り高さアタッチメント10の装着方向を変えることで刈り高さを可変可能とするのが好ましく、この場合、刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができると共に、異なる刈り高さの切り変えが容易となる。
【0016】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメント11を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2とボリューム落としアタッチメント11との一体回動によってどの位置でもボリューム落としアタッチメント11を地肌に密着させて刃部3aの摺動面(切断作用部)を地肌と略平行に保つようにすることができ、毛量の多い部分のボリューム落としによって奇麗な仕上がり(例えば段カット)を得ることができる。
【0017】
また上記ヘッド部2に、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメント12を装着するのが好ましく、この場合、ヘッド部2とスキ刈り用アタッチメント12との一体回動によってスキ刈り用アタッチメント12を地肌に密着させることができ、本体1の中心線を地肌と略垂直に保った状態でスキ刈りを行なえるようになる。
【0018】
また上記ヘッド部2の回動動作を一時阻止可能とするロック手段13を設けるのが好ましく、この場合、例えば生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部2を回転しないように固定することで、従来のバリカン刃と同様なカット動作が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態のヘアカッターAは、図1〜図7に示すように、駆動源が内蔵される本体1と、刃ブロック3を有するヘッド部2と、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線M回りに回動させるためのヘッド支軸6とで構成されている。
【0021】
ヘアカッターAの本体1には、駆動源となる電動モータ或いは振動型のリニアアクチュエータ(図示せず)が内蔵されている。また本体1の動作を入り切りするスイッチハンドル(図示せず)等が設けられている。ここでは、駆動源の出力軸7とヘッドスイング用の左右一対の連結軸6bとが本体ハウジング1aの上端面1cから上方に突出しており、これら出力軸7及び連結軸6b以外は、本体ハウジング1a,1b内に格納されている。
【0022】
ヘッド部2のヘッドシェル9は、図3に示すように、左右一対の側板17と底板18と背板19とからなる。底板18は、本体ハウジング1a,1bの凹状に湾曲した上端面1cに沿って凸状に湾曲形成されている。また、ヘッドシェル9の底板18中央には本体1側の出力軸7が挿入される中央開口部80が設けられ、底板18の両サイドに本体1側の一対の連結軸6bがそれぞれ挿入される両側開口部81がそれぞれ設けられている。
【0023】
刃ブロック3は、図2に示すように、肌当て面4を有する刃フレーム3bと、互いに摺接する櫛状の可動刃21と固定刃22とで構成されており、刃部3aをヘッドシェル9の頂部よりも上方に突出させた状態で、ヘッドシェル9の前面に設けた複数の刃固定ボス23(図3)に、刃フレーム3bのボス嵌合孔24を嵌合し、圧入保持することで刃ブロック3をヘッドシェル9に固着してある。ここでは、刃フレーム3bの外側面が平滑な肌当て面4となり、肌当て面4の延長線上に刃部3aが配置されている。
【0024】
上記可動刃21における固定刃22とは反対側の面に、図2に示すように、一対の案内板25,25が取り付けられ、この案内板25,25間に設けたスリット26に本体1側の出力軸7(図3)が挿入されることにより、出力軸7の駆動力が案内板25を介して可動刃21に伝達されて可動刃21が往復運動をし、固定刃22とのはさみ込みにより毛髪及び体毛を切断するようになっている。ここで、一対の案内板25,25は、図5(a)〜(c)に示すように、ヘッド部2が前後方向Fに回動動作しても出力軸7との嵌合が外れないような形状、大きさに形成してあり、これにより、どの回動角度においても、出力軸7の駆動力が案内板25を介して可動刃21に伝達されるようになっている。
【0025】
次にヘッドスイング機構を説明する。本例はヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線Mまわりにスイングさせるヘッド支軸6を備えている。ここにおいてヘッド支軸6は、ヘッドシェル9の両内壁に突設した左右一対の回動軸6aと、本体ハウジング1a,1bの上端面1cから突出する左右一対の連結軸6bとからなる。各連結軸6bは図3、図4に示すように両側開口部81からヘッドシェル9内に挿入され、連結軸6bの上部に設けた軸穴28が回動軸6aに回転自在に嵌め込まれている。ヘッド支軸6は、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2を刃の摺動方向Bと略平行な軸線Mまわりに回動させるものである。ここで図6はヘッド部2の回動可能範囲の一例を示している。図6(a)は下向き最大位置P1(本体1の水平状態において刃ブロック3が最も下方に傾いた位置)、図6(b)は中間位置P2、図6(c)は上向き最大位置P3(本体1の水平状態において刃ブロック3が最も上方に傾いた位置)をそれぞれ示している。
【0026】
しかして、上記構成のヘアカッターAは、ヘッド部2の肌当て面4が常時地肌と接するようにヘッド部2が本体1に対して前後方向Fにスイングするので、本体1の角度や位置を変えなくても複雑な曲面の地肌に容易に刃部3aを密着させることができるようになる。つまり、カット時に刃部3aが地肌から離れないような最適な角度を維持することで、使用時の刃部3aの地肌からの浮きを低減することができ、作業性が向上すると共に、熟練者でなくとも全体的に均一な滑らかな仕上がり(例えば奇麗な段カット)を達成することができる。
【0027】
また本例では、ヘッド部2の回動中心を刃ブロック3の刃部3a近傍に配置しているので、ヘッド部2の回動中心が刃部3aの可動刃21と固定刃22の摺動面(切断作用部)に近付き、ヘッド部2の回動動作が刃部3aの動きに正確に追従することとなり、スムーズにカット動作を行なうことができるという利点がある。
【0028】
さらに、回動軸6aをヘッドシェル9の内側に突出させていると共に、連結軸6bをヘッドシェル9の内側で回動軸6aに連結しているので、ヘッド支軸6がヘッド部2の外側に突出することがなくなり、ヘッド部2の外観の平滑化及びヘッド部2の小型化を図ることができる。そのうえヘッドシェル9は底板18が凸状に湾曲形成され、本体ハウジング1a,1bの上端面1cは凹状に湾曲形成されているため、ヘッド部2と本体1との隙間を狭く保ちながらヘッド部2を回動させることができるという利点もある。
【0029】
次に、刃ブロック3をその回動自在範囲内の一定位置に付勢するためのバネ手段8を設けた場合の一実施形態を説明する。図7に示す例では、バネ手段8としてコイルバネ8aを用いている。図7(a)は刃ブロック3を図6(a)に示す下向き最大位置P1にバネ付勢するために、連結軸6bに設けた中央バネ受け部30とヘッドシェル9の底板18の後端側に立設した後方バネ受け部31とをコイルバネ8aにて押し広げている。図7(b)は刃ブロック3を図6(b)に示す中間位置P2にバネ付勢するために、中央バネ受け部30と後方バネ受け部31との間、及び、中央バネ受け部30とヘッドシェル9の底板18の前端側に立設した前方バネ受け部32とをそれぞれコイルバネ8aにて押し広げている。図7(c)は刃ブロック3を図6(c)に示す下向き最大位置P1にバネ付勢するために、中央バネ受け部30と前方バネ受け部32との間をコイルバネ8aにて押し広げている。このように、ヘッドシェル9をコイルバネ8aでバネ付勢することにより、図6に示す下向き最大位置P1、中間位置P2、上向き最大位置P3のいずれかに、ヘッド部2の角度を保持することができ、従って、カット時にヘッド部2に対して外力が加わっても特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。また、一定位置への付勢をコイルバネ8aの反力を利用しているので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化し、バネ手段8を省スペースで構成できるという利点もある。
【0030】
図8〜図16は他の実施形態であり、ヘッド部2が刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動動作を行なう場合の一例を示している。なお、刃ブロック3をヘッドシェル9に取着する構成、及び、可動刃21の案内板25と出力軸7との嵌合が外れないようにする構成は、前記図1〜図7の実施形態と同様である。
本例のヘッドスイング機構は、ヘッド部2を刃の摺動方向Bと略直交する軸線Nまわりにスイングさせるヘッド支軸6を備えている。本例のヘッド支軸6は、ヘッドシェル9の底面に設けた環状の軸孔6cと、本体ハウジング1a,1bの上端面1cから突出する環状の嵌合軸6dとからなる。上記軸線Nはヘッド支軸6の中心軸と一致している。また本例のヘッドシェル9は、対称形状をした2つのシェル半体9a,9bで構成されている。各シェル半体9a,9bは図9、図10に示す組立用フック82によって互いに結合される。また、各シェル半体9a,9bの底面40の中央には、それぞれ、半円孔6eが形成されており、各シェル半体9a,9bの結合によってヘッドシェル9の底板18の中央には2つの半円孔6e,6eからなる円形の軸孔6cが形成される。一方、本体ハウジング1a,1bの各上端面の中央側には、それぞれ、半円状ボス6fが形成されており、本体ハウジング1a,1bの結合によってその上面中央には2つの半円状ボス6f,6fからなる環状の嵌合軸6dが形成される。この嵌合軸6dの外周溝と軸孔6cとが回動自在に嵌合することで、軸孔6cと嵌合軸6dとでヘッド支軸6が構成され、ヘッド部2はヘッド支軸6を中心として刃の摺動方向Bと直交する軸線N回りに回動可能となっている。
【0031】
さらにヘッド部2のシェル半体9a,9bの底面40の下面側には、図9、図10、図11に示すように、軸孔6cと同心円状の回動規制溝41が凹設されており、本体ハウジング1a,1bの上面に突設した規制リブ42が回動規制溝41にスライド自在に嵌合することによって、ヘッド部2の回動範囲が一定範囲内に規制されている。ここでは図12に示すように、回動規制溝41内に規制リブ42と回動規制溝41の一端との間、規制リブ42と回動規制溝41の他端との間に、それぞれ、保持バネ43が組み込まれており、ヘッド部2が図13に示す右回りaに回動した場合、或いは図15に示す左回りbに回動した場合のいずれにおいても、保持バネ43によって図14に示す初期位置に自動復帰できるようにしている。また本例のヘッドシェル9の底面40と本体ハウジング1a,1bの上面とが共に平坦状に形成されているため、ヘッド部2と本体1との隙間を狭く保ちながらヘッド部2を回動させることができる構造となっている。
【0032】
しかして、ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略直交する軸線N回りに回動自在としたので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aの地肌からの浮きを低減することが可能となる。特に図16のように、耳まわりなどの斜面の部分のカットをする場合、ヘッド部2が軸線N回りに矢印ロで示す方向に回動するので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部3aを常時地肌5に密着させることが可能になり、作業性が向上する。
【0033】
次に、刈り高さアタッチメント10、ボリューム落としアタッチメント11、スキ刈り用アタッチメント12のいずれかを使用する場合の実施形態を順に説明する。
【0034】
先ず、図18〜図21は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメント10をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。刈り高さアタッチメント10は毛髪を一定長さに揃える補助具として使用されるものであり、図18に示すように、複数の支持部材60が刃の摺動方向Bに複数並設されていると共に、各支持部材70は前端部10a後端部10bとで異なる高さamm,bmm(例えば、a>b)を有している。ここにおいて、図19(a)に示すように、刈り高さアタッチメント10の両サイドに設けた嵌合軸50をヘッド部2の両側面に仮保持するに際して、高さの高い方の前端部10aを刃ブロック3に対向配置することで図17のように刈り高さを高くでき、逆に、図19(b)に示すように、高さの低い方の後端部10bを刃ブロック3に対向配置することで刈り高さを低くできるようになっている。また本例においては、ヘッド部2の回動自在範囲内で刈り高さアタッチメント10と本体1とが干渉しないように刈り高さアタッチメント10をヘッド部2に装着している。具体的には、ヘッド部2の初期位置が図6(a)に示す下向き最大位置P1である場合において、この下向き最大位置P1にした状態で図20(a)のように刈り高さアタッチメント10を装着する。これにより、ヘッド部2が図20(a)に示す初期位置から図20(b)のように回動しても、刈り高さアタッチメント10の未使用側の端部(図20の例では後端部10b)は本体1から離れる方向(矢印イの方向)に回動するため、刈り高さアタッチメント10と本体1とが干渉することがなく、刈り高さアタッチメント10をヘッド部2の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができるようになる。
【0035】
しかして、図21に示すように、刈り高さアタッチメント10の支持部材60の先端を地肌5に密着させた状態で、ヘアカッターAを毛の流れに逆らって(ここでは、生え際から頭頂部に向かって)滑らせることにより一定の毛髪の長さに仕上げることができる。ちなみに従来のヘッド固定式では図21の破線位置S1からのスタートになるため、手首の動きが窮屈な状態となり、刃部3aを地肌5に密着させることが困難であるが、本ヘアカッターAを用いた場合は、従来よりも高い位置(図21の実線位置S2)からのスタートになるため、手首の動きが自然な状態で刈り高さアタッチメント10の先端を地肌5に密着させることが可能になり、刈り高さアタッチメント10による最適な使用状態を補助できるようになる。そのうえ、図19(a)(b)のように、刈り高さアタッチメント10の装着方向を変えることにより、異なる高さに容易に設定可能となり、作業性がより向上するものである。
【0036】
次に図22、図23は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメント11をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。
本例のボリューム落としアタッチメント11は、毛髪のボリューム落としを行なう補助具として使用されるものであり、図22に示すように、先端が滑らかに凹曲した支持部材70が刃の摺動方向Bに沿って複数並設されていると共に、その内側には毛髪を押さえる押さえ部61を刃部3aの刃面と略平行となるように設けてある。図23のようにボリューム落としアタッチメント11をヘッド部2に装着し、支持部材70の先端を頭皮に当接させた状態で、ヘアカッターAを頭の上方から下方に移動させて毛髪を刃部3aで切断する。このとき、支持部材70によって刃部3aと頭皮との間の間隔が所定間隔となるように保持され、また、刃部3aの切断作用部よりも後方に押さえ部61が位置していることで、図23の厚みEで仕上げることが可能となる。さらにヘッド部2の初期位置(例えば図6(b)に示す中間位置P2)でボリューム落としアタッチメント11を取り付けることにより、どの角度でも刃部3aの接触面を地肌5と略平行に保つようにすることができると共に、ボリューム落としアタッチメント11の支持部材70の先端を地肌5に密着させて動作させることができるので、所定の厚さ分Eに仕上げることができる。そのうえ、押さえ部61で毛髪が押さえられながら押さえ部61と刃部3aの切断作用部との間隔の厚さ分Eだけ切断される。つまり、支持部材70にてカット後の最小の厚みを保証し、押さえ部61の存在にて一度にバッサリ切断されず(押さえ部61がないと刃部3aの切断作用部より外方に広がる毛髪が一度にバッサリ切断される)、毛髪を所定の厚さ分Eを残して切断できる。このように切断することにより、従来のように毛髪の先端だけを切断するのに比べて手早く行うことができ、また誰が切断して所定の状態に切断できて全体的に均一にカットでき、奇麗な仕上がり(例えば段カット)を得ることができるなど、ボリューム落としアタッチメント11による最適な使用状態(刃部3aの接触面を地肌5と略平行に保つ状態)を十分に補助できるようになり、作業性が向上するものである。
【0037】
次に図24、図25は、ヘッド部2と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメント12をヘッド部2に装着した場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。本例のスキ刈り用アタッチメント12は、毛髪のスキ刈りを行なう補助具として使用されるものであり、図24に示すように、先端に刃部3aの切断部の一部を覆うことによって、切断可能な隙間部71と、切断不能なカバー部72とが摺動方向Bに沿って複数形成されている。このスキ刈り用アタッチメント12をヘッド部2に装着し、ヘアカッターAを頭の上方から下方に移動させることにより、隙間部71のみで毛髪をカットできる。つまり、一気に毛髪全体をカットするのではなく、少しずつカットすることが可能となり、毛量の多い部分のボリューム落としを行なうことが可能となる。さらにヘッド部2の初期位置でスキ刈り用アタッチメント12を取り付けることで、本体1の中心線を地肌5と略垂直に保つことができ、毛髪が隙間部71に確実に導入されるようになる。しかも従来のスタート位置(図25の破線S3)よりも低い位置S5からのスタートになり、また従来のストップ位置(図25の破線S4)よりも高い位置S6でのストップとなるため、手首の動きが自然な状態でアタッチメントの先端部を地肌に密着させることが可能になり、スキ刈り用アタッチメント12による最適な使用状態(本体1の中心線を地肌と略垂直に保つ状態)を十分に補助できるようになり、作業性がより向上する。
【0038】
図26〜図28は更に他の実施形態であり、ヘッド部2の回動動作を一時阻止可能とするためのロック手段13を設けた場合の一例を示している。ヘッド部2は刃の摺動方向Bと略平行な軸線M(図1)回りに回動可能となっている。他の構成は図4と同様である。ちなみに、生え際の産毛カットや耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部2が本体1に対して回動すると逆に安定せず、うまくカットできない場合がある。この場合を鑑みて、本例では、図27に示すように、本体1にロックレバー13aとレバー保持部材13bとを取り付け、ヘッドシェル9の底板18の一部に穴部13c(図28)を設け、図26(b)に示すように、ロックレバー13aを上に上げることにより、ヘッド部2の穴部13cと嵌合し、ヘッド部2の回動が阻止され、生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げが従来のバリカン刃と同様にできるようになる。また回動可能な状態に戻す場合はロックレバー13aを引き下げるだけでよい。
【0039】
【発明の効果】
上述のように請求項1記載の発明にあっては、駆動源が内蔵された本体と、刃ブロックを有するヘッド部とを備えたヘアカッターにおいて、ヘッド部の肌当て面が常時地肌と接するようにヘッド部を本体に対して回動自在とするヘッド支軸を備えているので、本体の角度や位置はそのままで、ヘッド部だけが回動することにより、複雑な曲面の地肌に容易に刃部を密着させることが可能となり、作業性が向上すると共に、熟練者でなくとも全体的に均一な滑らかな仕上がり(例えば奇麗な段カット)を達成することができる。
【0040】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸はヘッド部を刃の摺動方向と略平行な軸線回りに回動させるので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部の地肌からの浮きを低減することが可能となり、作業性が向上する。
【0041】
また請求項3記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記刃ブロックを回動自在範囲内の一定位置に付勢するバネ手段を備えているので、カット時にヘッド部に対して外力が加わっても、特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置に自動で復帰することが可能となる。
【0042】
また請求項4記載の発明は、請求項3の一定位置が、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も下方に傾いた下向き最大位置であり、請求項5記載の発明は、請求項3の一定位置が、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も上方に傾いた上向き最大位置であり、請求項6記載の発明は、請求項3の一定位置が下向き最大位置と上向き最大位置との略中間位置であるので、いずれの場合も、カット時にヘッド部に対して外力が加わっても特別な動作を必要とせず、設定した所定の位置(下向き最大位置、上向き最大位置或いは略中間位置)に自動で復帰することが可能となる。
【0043】
また請求項7記載の発明は、請求項3記載の効果に加えて、上記一定位置に付勢するバネ手段はコイルバネであるので、コイルバネの反力を利用して一定位置での付勢を行なうことができるので、板状のバネを使用するよりも構造を簡略化でき、省スペースでバネ手段を構成可能となる。
【0044】
また請求項8記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸の回動中心をヘッド部における刃ブロックの刃部近傍に配置したので、ヘッド部の回動中心が刃部の摺動面(切断作用部)に近付くことにより、ヘッド部の回動動作が刃部の動きに正確に追従しやすくなり、スムーズにカット動作を行なうことができる。
【0045】
また請求項9記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸をヘッド部におけるヘッドシェル内部に配置したので、ヘッド部の外側にヘッド支軸が突出することがなく、ヘッド部の外観の平滑化及びヘッド部の小型化を図ることができる。
【0046】
また請求項10記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド支軸は、ヘッド部を刃の摺動方向と略直交する軸線回りに回動させるので、ヘッド部は刃の摺動方向と略直交する軸線回りに回動自在となっているので、手首の動きを自然な状態にしながら刃部の地肌からの浮きを低減することが可能となり、特に耳まわりなどの斜面の部分のカットに最適となる。
【0047】
また請求項11記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメントを装着したので、ヘッド部と刈り高さアタッチメントとの一体回動によってどの位置でも刈り高さアタッチメントを地肌に密着させて刈り高さを揃えることができ、刈り高さアタッチメントによる最適な使用状態を補助できるものである。
【0048】
また請求項12記載の発明は、請求項11記載の効果に加えて、上記刈り高さアタッチメントをヘッド部の回動自在範囲内で本体と干渉しないように装着すると共に、ヘッド部に対する刈り高さアタッチメントの装着方向を変えることで刈り高さを可変可能としたので、刈り高さアタッチメントをヘッド部の回動可能範囲とほぼ同範囲で回動させることができると共に、異なる刈り高さの切り変えが容易となる。
【0049】
また請求項13記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメントを装着したので、ヘッド部とボリューム落としアタッチメントとの一体回動によってどの位置でもボリューム落としアタッチメントを地肌に密着させて刃部の摺動面(切断作用部)を地肌と略平行に保つようにすることができ、毛量の多い部分のボリューム落としによって奇麗な仕上がり(例えば段カット)が得られ、ボリューム落としアタッチメントによる最適な使用状態を補助できるものである。
【0050】
また請求項14記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメントを装着したので、ヘッド部とスキ刈り用アタッチメントとの一体回動によってスキ刈り用アタッチメントを地肌に密着させることができ、最適な使用状態(本体の中心線を地肌と略垂直に保つ状態)を補助できるものである。
【0051】
また請求項15記載の発明は、請求項2記載の効果に加えて、上記ヘッド部の回動動作を一時阻止可能とするロック手段を設けたので、例えば生え際、耳まわり等の細かい部分の仕上げ時にはヘッド部を回転しないように固定することで、従来のバリカン刃と同様なカット動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示し、刃の摺動方向と略平行な軸線回りにヘッド部がスイングする場合の斜視図である。
【図2】同上の刃ブロックの斜視図である。
【図3】同上の本体とヘッドシェルの分解斜視図である。
【図4】同上のヘッドシェルを本体に取り付けた状態の斜視図である。
【図5】(a)は同上のヘッド部の下向き最大位置、(b)は中間位置、(c)は上向き最大位置をそれぞれ説明する一部破断斜視図である。
【図6】(a)は同上のヘッド部の下向き最大位置、(b)は中間位置、(c)は上向き最大位置をそれぞれ説明する側面図である。
【図7】(a)は同上のヘッド部をコイルバネによって下向き最大位置に付勢した場合の一部破断斜視図、(b)は中間位置に付勢した場合の一部破断斜視図、(c)は上向き最大位置に付勢した場合の一部破断斜視図である。
【図8】(a)は他の実施形態であり、刃の摺動方向と略平行な軸線回りにヘッド部がスイングする場合の分解斜視図、(b)は組立斜視図である。
【図9】同上のシェル半体の斜視図である。
【図10】同上のヘッド支軸を説明する一部破断斜視図である。
【図11】同上のヘッド部の回動状態の説明図である。
【図12】同上の規制リブと保持バネとの説明図である。
【図13】(a)は同上のヘッド部が左回りに回動した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図14】(a)は同上のヘッド部が復帰した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図15】(a)は同上のヘッド部が右回りに回動した状態の斜視図、(b)は(a)における規制リブの位置の説明図である。
【図16】同上のヘアカッターの使用状態説明図である。
【図17】同上のヘッド部に刈り高さアタッチメントを装着した場合の使用状態説明図である。
【図18】同上の刈り高さアタッチメントの斜視図である。
【図19】(a)は刈り高さアタッチメントの前端部を使用する場合の側面図、(b)は後端部を使用する場合の側面図である。
【図20】(a)はヘッド部の初期位置で刈り高さアタッチメントを装着した状態の側面図、(b)は刈り高さアタッチメントがヘッド部と一体に回動した状態の側面図である。
【図21】同上の刈り高さアタッチメントの使用状態説明図である。
【図22】同上のヘッド部に装着されるボリューム落としアタッチメントの斜視図である。
【図23】同上のボリューム落としアタッチメントをヘッド部に装着した場合の使用状態説明図である。
【図24】同上のヘッド部に装着されるスキ刈り用アタッチメントの斜視図である。
【図25】同上のスキ刈り用アタッチメントをヘッド部に装着した場合の使用状態説明図である。
【図26】同上のロック機構を説明する一部破断斜視図である。
【図27】同上のロック機構の分解斜視図である。
【図28】同上のロック機構の動作説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 ヘッド部
3 刃ブロック
3a 刃部
4 肌当て面
6 ヘッド支軸
8 バネ手段
8a コイルバネ
9 ヘッドシェル
10 刈り高さアタッチメント
11 ボリューム落としアタッチメント
12 スキ刈り用アタッチメント
13 ロック手段
A ヘアカッター
B 刃の摺動方向
M 刃の摺動方向と平行な軸線
N 刃の摺動方向と直交する軸線
Claims (15)
- 駆動源が内蔵された本体と、刃ブロックを有するヘッド部とを備えたヘアカッターにおいて、ヘッド部の肌当て面が常時地肌と接するようにヘッド部を本体に対して回動自在とするヘッド支軸を備えていることを特徴とするヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド支軸はヘッド部を刃の摺動方向と略平行な軸線回りに回動させることを特徴とする請求項1記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記刃ブロックを回動自在範囲内の一定位置に付勢するバネ手段を備えていることを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記一定位置は、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も下方に傾いた下向き最大位置であることを特徴とする請求項3記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記一定位置は、本体の水平状態において刃ブロックの刃部が最も上方に傾いた上向き最大位置であることを特徴とする請求項3記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記一定位置は、請求項4の下向き最大位置と請求項5の上向き最大位置との略中間位置であることを特徴とする請求項3記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記一定位置に付勢するバネ手段はコイルバネであることを特徴とする請求項3記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド支軸の回動中心をヘッド部における刃ブロックの刃部近傍に配置したことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド支軸をヘッド部におけるヘッドシェル内部に配置したことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド支軸は、ヘッド部を刃の摺動方向と略直交する軸線回りに回動させることを特徴とする請求項1記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なう刈り高さアタッチメントを装着したことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記刈り高さアタッチメントをヘッド部の回動自在範囲内で本体と干渉しないように装着すると共に、ヘッド部に対する刈り高さアタッチメントの装着方向を変えることで刈り高さを可変可能としたことを特徴とする請求項11記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうボリューム落としアタッチメントを装着したことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド部に、ヘッド部と一体に回動動作を行なうスキ刈り用アタッチメントを装着したことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
- 上記ヘッド部の回動動作を一時阻止可能とするロック手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のヘアカッターのヘッドスイング機構。
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