JP2004209470A - エアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルター - Google Patents

エアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】 洗浄によるろ材変形を抑え、性能を維持したまま洗浄、再使用することができるエアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターを提供する。
【解決手段】 含水時の伸び率が6%以下であることを特徴とするエアフィルターろ材。上記エアフィルターろ材を使用したことを特徴とするエアフィルター、洗浄再生フィルター。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターに関する。さらに詳しくは、ビル、工場等の空調機に取り付け、空気中の浮遊塵埃を捕集し、洗浄して再使用されるエアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターに関する。
空調機に取り付けられるエアフィルターとしては様々な構成のものが提案されているが、その多くはガラスろ紙や合成繊維よりなる不織布をエアフィルターろ材として、エポキシやウレタン樹脂により外枠と気密に固着した構造を採っている。そのため、エアフィルターが寿命に到達した後は、外枠ごと新品と交換する必要があり、多大な費用がかかるものとなっている。また、使用済みのエアフィルターは、産業廃棄物として埋没処理によって廃棄されるため、環境問題の一つとなっている。
このような問題に対して、エアフィルターのろ材部分と外枠を分離可能として、使用後はろ材のみを交換することで外枠を再使用できる、ろ材交換型フィルターも考案されている。しかしながら、ろ材交換型フィルターでは、ろ材部分と外枠の気密性が十分ではないため、従来エアフィルターに比べて捕集効率が低いものとなっている上、ろ材と外枠が接着されていない分、エアフィルターの強度が低下し、外枠が外力によって変形しやすいものとなっている。また、使用された後のろ材廃棄量は、従来型エアフィルターと同じである。
近年、上記問題を解決するため、従来型エアフィルターを洗浄して再使用することも提案されてきており、洗浄装置を導入し、エアフィルターの洗浄業務を行う業者も現れている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来型エアフィルターを洗浄すると、その洗浄および乾燥工程においてエアフィルターろ材に変形を生じることがあり、これが圧力損失の上昇を引き起こし、ひいては寿命性能の低下につながるという問題がある。また、従来型エアフィルターの中には、そのろ材にエレクトレット加工を施しているものが少なからずあり、このようなエアフィルターを洗浄すると、ろ材の持つ電荷が消失してしまうため、洗浄後の捕集性能が著しく低下してしまいやすいという問題もある。
特許第2807210号明細書
本発明の目的は、上記のような問題点を解消した、洗浄によるろ材変形を抑えたことを特徴とするエアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターを提供することにある。より好ましくは、洗浄による電荷消失が少ない、性能を維持したまま洗浄、再使用することができるエアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターを提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、次の構成を採用する。
(1)含水時の伸び率が6%以下であることを特徴とする、エアフィルターろ材。
(2)含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したことを特徴とする、(1)に記載のエアフィルターろ材。
(3)含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したことを特徴とする、(2)に記載のエアフィルターろ材。
(4)極細繊維シートが、少なくともヒンダードアミン系添加剤を100ppm〜30,000ppmの範囲内で含有することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(5)極細繊維シートがエレクトレット加工されていることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(6)含水後の乾燥時におけるJIS B 9908に規定される方法により測定した捕集効率の保持率が、60%以上であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(7)含水後の乾燥時におけるJIS B 9908に規定される方法により測定した圧力損失の上昇率が、15%以内であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(8)極細繊維シートが、メルトブロー不織布であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(9)熱可塑性繊維シートが、不織布であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載のエアフィルターろ材を使用したことを特徴とするエアフィルター。
(11)(1)〜(9)のいずれかに記載のエアフィルターろ材を使用したことを特徴とする洗浄再生フィルター。
本発明のエアフィルターろ材、エアフィルターおよび洗浄再生フィルターは上記の通り、洗浄後もそのフィルターろ材に変形が生じず、ろ材電荷の消失が少ないものであり、高い性能を維持したまま、再使用することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、性能を維持したまま洗浄、再使用することができるエアフィルターろ材を得るために鋭意研究を続けるうちに、含水時の伸び率が6%以下であるろ材であれば良いことを見出した。好ましくは、含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したろ材が良いことを見出した。より好ましくは、含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したろ材が良いことを見出した。
ここで、ろ材の含水時の伸び率および含水後の乾燥時における伸縮率は以下のようにして測定した。
CD方向250mm×MD方向300mmの大きさにカットしたろ材に、鉛筆または極細の油性マジックでCD、MD方向それぞれに200mmの長さで直線を描きサンプルを作成する。このときの重量を測定し、初期重量(A)とする。次いで40℃の水を入れたバットに30分間浸した。このとき、ろ材への水の浸透性を高めるために、1%以下の洗剤を混ぜておく。ここで洗剤はアニオン系界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むものを使用した。浸漬後、サンプルをバットから取り出して描かれた直線の長さをノギスで測定し、含水時の伸び率を計算した。さらにこのサンプルを坪量100g/m2、吸水高度(細長いサンプルを20℃の水中に立て、10分間に上昇する水の高さ)が7.0cm以上のろ紙の上に10分以上載せて余分な水分を取り除き、60℃で2時間以上乾燥する。乾燥後に再度重量を測定し、これを乾燥重量(B)とする。サンプルが乾燥したかどうかは、乾燥重量(B)と初期重量(A)の差が初期重量(A)の2%以内になった時点で乾燥したと判断する。
乾燥後、サンプルに描いた直線の長さをノギスで測定し、含水後の乾燥時における伸縮率を計算した。
含水時の伸び率や含水後の乾燥時における伸縮率が大きくなりすぎると、洗浄後にエアフィルター内に配設したろ材のプリーツ形状が変形してしまい、エアフィルターを再使用した時にエアの流れが不均一となり、圧力損失が上昇して寿命性能の低下を引き起こしてしまう可能性があるが、含水時の伸び率が6%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.2%以下であるろ材を用いることにより、さらには含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.1%以下である熱可塑性繊維シートと極細繊維シートを積層したろ材を用いることにより、洗浄後に乾燥しても外枠内に配設したエアフィルターろ材の形状、つまりプリーツ折り線形状を洗浄前と同様に保つことができるため、圧力損失が上昇せず、寿命性能の低下を引き起こさないエアフィルターろ材を得ることができる。
本発明に用いられる熱可塑性繊維には、溶融紡糸が可能な熱可塑性樹脂を使用することができる。その例として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、共重合ポリプロピレン(例えば、プロピレンを主体として、エチレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−1等との二元または多元共重合体)等をはじめとするポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酸成分をテレフタル酸以外にイソフタル酸をも加えて共重合したこれらの低融点ポリエステルをはじめとするポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリスチレン(アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリテトラフルオロエチレン等の熱可塑性樹脂が提示できる。また、乳酸系ポリエステルなどの生分解性樹脂を使用して生分解性を持たせるなど、機能性の樹脂を使用することもできる。また、これらを主成分とした共重合体や、これらの重合体を複数ブレンドしたブレンド体が挙げられる。熱可塑性繊維シートの含水時の伸び率を6%以下、より好ましくは含水後の乾燥時における伸縮率を3%以下とするには、原料となる熱可塑性繊維自体が伸縮し難いものを用いるとよく、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が用いられる。
なお、本発明においては、必要に応じて前述の熱可塑性樹脂に、例えば艶消し剤、潤滑剤、顔料、熱安定剤、耐光剤、紫外線吸収剤、静電剤、導電剤、蓄熱材などの各種添加剤を適宜の範囲内で添加することができる。
また、その他に、除塵、消臭、抗菌、防かび、抗ウイルス、防虫、殺虫、害虫忌避、有害物除去、芳香、除湿、調湿、吸湿(乾燥)、水分(湿度)透過、油等の吸着、陽イオン吸着などのイオンバランスの調整および水や揮発性薬剤等の蒸散または徐放などの各種機能を有する添加剤を添加してもよい。
本発明に用いる合成繊維の繊維形態としては、前記重合体単体からなる単相形態であっても、複数種の前記重合体からなる複合形態(芯鞘型複合形態、並列型複合形態、割繊型複合形態)であってもよい。また、外周部に少なくとも低融点部分を有する熱接着性複合短繊維などであってもよい。
繊維の断面形状は、円形断面に限らず、楕円形、菱形、三角形、T形等であってもよく、また中空部を有するものであってもよく、任意の形状を適宜選択すればよい。
本発明に用いられる熱可塑性繊維シートの形態は、不織布や、織物、編物、紙状物などが使用でき、限定されるものではないが、好ましくは不織布が好適である。
不織布としては、短繊維不織布、長繊維不織布、割繊維不織布(フィルムから割繊したものや、バーストファイバー不織布)、メルトブロー不織布などいずれも用いることができる。好適には短繊維不織布が良い。
短繊維不織布は、45度ガーレ法(JIS L 1085)により測定した剛軟度が150mg以上であり、好ましくは250mg以上、さらに好ましくは350mg以上である。剛軟度が150mgより小さいと、エアフィルターとする際のプリーツ加工性が良好でないため好ましくない。
短繊維不織布を構成する繊維の繊維径は5〜130μm、好ましくは7〜80μm、さらに好ましくは10〜50μmとすることで、前記の剛軟度が得られやすくて良い。繊維径が5μmより細いと、短繊維不織布自体が目詰まりしやすくなるため好ましくない。一方、繊維径が130μmより太いと、積層した極細繊維シートが目詰まりしやすくなる。5〜130μmの範囲であると極細繊維シートと積層する際の支持体となってプリーツ加工する際に必要となる剛性が得られる上に、プレフィルターの役目も果たすのでより寿命性能の良いエアフィルターろ材が得られるのである。
本発明に使用する極細繊維シートからなる層の形態としては、熱可塑性繊維シートの層と同様の材料よりなるいずれの繊維シートでも用いることができるが、不織布が好適に用いられる。特にメルトブロー方式よりなる不織布を用いると、平均繊維径が5μm以下の極細繊維シートが得られるので好ましい。この平均繊維径が5μm以下の極細繊維シートを下流側に、そして上流側に熱可塑性繊維シート(支持体)を用いたろ材構成にすると、細い繊維で空間を多数仕切ることにより、高い捕集効率と高い気孔容積率を達成できるので、多量のダストを熱可塑性繊維シートが保持できるので目詰まりによる圧力損失上昇を低下でき、効率の良いエアフィルターろ材を得ることができるため好ましい。
本発明で使用する極細繊維シートは、コロナ放電法など公知の技術によってエレクトレット加工が施されていることが、さらに高性能なエアフィルターろ材を得ることができるため好ましいが、ヒンダードアミン系安定剤を含まないエレクトレット繊維シートが水と接触すると、通常その電荷を消失してしまう。本発明者らは、ヒンダードアミン系安定剤を含むエレクトレット繊維シートは、水と接触しても電荷を消失し難いという知見を得たものであり、その含有量が100ppmから30,000ppmの範囲内であることが重要であり、より好ましくは、ろ材の電荷残留効果および材料としての均一性の観点から7,000〜15,000ppmの範囲であることが望ましい。ヒンダードアミン系安定剤として具体的には、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などがある。
本発明のエアフィルターろ材は、ヒンダードアミン系安定剤に加えて、含窒素ヒンダードフェノール系、金属塩ヒンダードフェノール系、フェノール系、硫黄系、燐系などの安定剤が含まれていてもよい。
かくして得られる本発明のエアフィルターろ材は、JIS B 9908に規定される方法により測定した含水後の乾燥時におけるエアフィルターろ材の捕集効率の保持率が、60%以上であることが良く、好ましくは70%以上が良く、さらに好ましくは80%以上が良い。捕集効率の保持率の算出は次の式で行う。
(含水後の捕集効率÷含水前の捕集効率)×100(%)
捕集効率の保持率が60%未満であるということは、極細繊維シート、具体的には、好ましく使用されるメルトブロー不織布に加工したエレクトレットの電荷が、含水後に消失して少なくなってしまうために起こるのであり、エアフィルターとしての性能が維持されていないため大きな問題が生じる。
また本発明のエアフィルターろ材は、JIS B 9908に規定される方法により測定した含水後の乾燥時におけるエアフィルターろ材の圧力損失の上昇率が、15%以下であることが良く、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下が良い。ここで圧力損失の上昇率の算出方法は次の式で行う。
((含水後の圧力損失−含水前の圧力損失)÷含水前の圧力損失)×100(%)
圧力損失の上昇率が15%より大きいと、エアフィルターとしての基本性能である長寿命性や低圧力損失性が損なわれ、短寿命になる問題がある。
熱可塑性繊維シートと極細繊維シートとの積層は、非接着状態でも良いが、縫製、熱エンボス、超音波接着、接着樹脂によるシンター接着、鞘成分に低融点成分を含んだ芯鞘複合糸を使った熱接着、熱接着シートによる接着、ウエルダーによる接着などの汎用の方法による積層をすることが好ましい。
熱可塑性繊維シートと極細繊維シートとの積層は、極細繊維シートが少なくとも1層以上用いられ、熱可塑性繊維シートの表面あるいは裏面に少なくとも1層、あるいは両面に1層ずつまたは複数層用いることができる。
本発明に係わるエアフィルターろ材をエアフィルターとするためには、通常、エアフィルターろ材を波状に加工する。波状に加工する方法としては、一般にプリーツ加工と呼ばれる山谷状に繰り返しの折り加工や段ボール加工における中しんの波状加工などが挙げられる。このように波状に加工することによって、一定の通気面積に対してろ材の面積を増すことができ、特定の風量に対してろ材を通過する空気の速度が低下するのに伴って圧力損失が低下して通気性が改善され、さらに、捕集効率の向上および長寿命化が達成されると共に、単板での使用に比べてエアフィルター自体の強度が増し、エアフィルター装着時や交換時の取り扱い性が良くなる利点がある。
そして、従来型のエアフィルターと同様に、外枠と気密に固着することで、洗浄によるろ材変形を抑えた、電荷の消失が少ない、性能を維持したまま洗浄、再使用することができるエアフィルターおよび洗浄再生フィルターが得られる。
実施例1
ポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン社製 S10AL)をメルトブロー紡糸して目付40g/m2、平均繊維径2μmである極細繊維シートを得た。このシートの含水後の乾燥時における伸縮率を測定したところ0.03%であった。さらに、含水後の乾燥時における伸縮率が0.07%である、ポリエステル短繊維を樹脂加工した目付60g/m2の不織布を熱可塑性繊維シートの層として、アクリル系バインダを介して積層し、エアフィルターろ材を得た。このろ材の含水時の伸び率を測定したところ、0.04%であった。こうして得られたろ材にプリーツ加工を施したものを矩形に成形し、500mm×500mm×65mmの大きさのアルミニウム製の枠材にエア洩れの無いよう気密に接着することで、エアフィルターを得た。
このエアフィルターの性能をJIS B 9908 形式1に記載の試験装置で測定したところ、風量36m3/分での初期圧力損失が129.4Pa、大気塵0.3μm粒子の計数法捕集効率が44.6%であった。さらに、このエアフィルターにJIS15種試験用ダストを圧力損失が196Paに上昇するまで負荷させた後、エアフィルターをアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5wt%含む洗浄液の入った超音波洗浄機で洗浄し、乾燥機にて60℃で8時間乾燥処理した。乾燥後のエアフィルターろ材は変形がなくプリーツ形状もダスト負荷前の状態を保っており、フィルター性能を測定したところ、圧力損失が135Pa(上昇率4.3%)、大気塵0.3μm計数法捕集効率が47.8%(保持率107%)であった。
実施例2
ヒンダードアミン系添加剤(チバガイギー社製 キマソープ944LD)を10,000ppm配合したポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン社製 S10AL)をメルトブロー紡糸して目付40g/m2、平均繊維径2μmである極細繊維シートを得た。このシートの含水後の乾燥時における伸縮率を測定したところ0.03%であった。得られたシートにコロナ放電法によりエレクトレット化処理を施して極細繊維シートの層を得た。さらに、含水後の乾燥時における伸縮率が0.07%である、ポリエステル短繊維を樹脂加工した目付60g/m2の不織布を熱可塑性繊維シートの層として、アクリル系バインダを介して積層し、エレクトレットエアフィルターろ材を得た。このろ材の含水時の伸び率を測定したところ、0.04%であった。こうして得られたろ材にプリーツ加工を施したものを矩形に成形し、500mm×500mm×65mmの大きさのアルミニウム製の枠材にエア洩れの無いよう気密に接着することで、エアフィルターを得た。
このエアフィルターの性能を実施例1と同様に測定したところ、初期圧力損失が132Pa、大気塵0.3μm粒子の計数法捕集効率が87.4%であり、試験用ダストを負荷後に超音波洗浄および乾燥処理した後でも、ろ材プリーツ形状がダスト負荷前の状態を保っており、フィルターの性能は、圧力損失が136Pa(上昇率3.0%)、大気塵0.3μm計数法捕集効率が74.6%(保持率85%)であった。
比較例
ビニロンとレーヨンを3:7の配合比として、目付90g/m2の短繊維樹脂加工不織布を抄紙法で作成し、この不織布を熱可塑性繊維シートの層として、実施例2で得られたメルトブロー不織布にコロナ放電法でエレクトレット化処理した極細繊維シートの層と、アクリル系バインダを介して積層してエレクトレットエアフィルターろ材を得た。このろ材の含水時の伸び率を測定したところ、7.8%であった。こうして得られたろ材にプリーツ加工を施したものを矩形に成形し、500mm×500mm×65mmの大きさのアルミニウム製の枠材にエア洩れの無いよう気密に接着することで、エアフィルターを得た。
このエアフィルターの性能を前記実施例と同様に測定したところ、初期圧力損失が137.2Pa、大気塵0.3μm粒子の計数法捕集効率が82.1%であったが、試験用ダストを負荷後に超音波洗浄および乾燥処理した後では、フィルターろ材に変形が生じてしまい、そのフィルター性能は、圧力損失が163.7Pa(上昇率19.3%)、大気塵0.3μm計数法捕集効率が46.7%(保持率57%)であった。

Claims (11)

  1. 含水時の伸び率が6%以下であることを特徴とする、エアフィルターろ材。
  2. 含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したことを特徴とする、請求項1に記載のエアフィルターろ材。
  3. 含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である熱可塑性繊維シートからなる層と、含水後の乾燥時における伸縮率が0.3%以下である極細繊維シートからなる層とを積層したことを特徴とする、請求項2に記載のエアフィルターろ材。
  4. 極細繊維シートが、少なくともヒンダードアミン系添加剤を100ppm〜30,000ppmの範囲内で含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  5. 極細繊維シートがエレクトレット加工されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  6. 含水後の乾燥時におけるJIS B 9908に規定される方法により測定した捕集効率の保持率が、60%以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  7. 含水後の乾燥時におけるJIS B 9908に規定される方法により測定した圧力損失の上昇率が、15%以内であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  8. 極細繊維シートが、メルトブロー不織布であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  9. 熱可塑性繊維シートが、不織布であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のエアフィルターろ材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエアフィルターろ材を使用したことを特徴とするエアフィルター。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のエアフィルターろ材を使用したことを特徴とする洗浄再生フィルター。
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