JP2014176797A - フィルタエレメント及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失が少なく、軽量化及び低コスト化が可能な新規な構造を有する粗塵除去用のフィルタエレメントを提供することを課題とする。
【解決手段】 上記課題を解決するため、プリーツ折りされた濾材と前記濾材のプリーツの峰線に交差する端面に接着された端板とを有するフィルタエレメントであって、前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着しているフィルタエレメントをその解決手段とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の空調機器や家庭用空気清浄機などの生活環境における空調機器に装着して使用される粗塵除去用のフィルタエレメントのみならず、ビル、工場、事務所などに設置される空気清浄装置に、パッケージフィルタ、ファンコイルユニット、中央空調用フィルタユニット等として使用される粗塵除去用のフィルタエレメントに関し、特に濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失の少ないフィルタエレメントに関する。
従来から、家庭用空気清浄機や、自動車の外気及び内気を清浄化するキャビンフィルタや、車両室内の天井などに配置され内気を清浄化する空気清浄機に、エアフィルタ基材をプリーツ折りして保形部材によってそのプリーツ形状を保持したフィルタエレメントが使用されている。このようなフィルタエレメントとして特許文献1のフィルタエレメントが知られている。当該文献の実施例によれば、図4に示すように、熱接着性繊維によって構成繊維が結合した比較的大きい平均繊度を有する厚さが約1mmの不織布基材111に、襞の高さ29mmで襞のピッチ5mmにプリーツ加工113を施し、かつプリーツの峰線方向と交叉する端面に剛性のある不織布からなる保形部材112a、112bを、ホットメルトシートを介して貼り付けることによって粗塵除去用のフィルタエレメント110が形成されることが示されている。ここで剛性のある不織布としては、例えばスポット状に熱圧着されたスパンボンド不織布に樹脂含浸を施して得られるプラスチック状の薄板が適用されている。
このフィルタエレメントの濾材は、熱接着性繊維によって構成繊維が結合した比較的大きい平均繊度を有する不織布基材111からなっているので、極細繊維を用いた微塵除去用の濾材と比較して低コストのフィルタエレメントの製造が可能である。しかし性能は維持したままで更なるコスト低減が求められていた。また保形部材には剛性を保つため多量の樹脂が用いられており、また保形部材全体にホットメルトシートを貼り付ける必要があるため、保形部材の重量が大きくなり、フィルタエレメント全体の重量が大きくなってしまうという問題があり、軽量化も求められていた。そこで、このフィルタエレメント110においては、本来のフィルタ機能を有する不織布基材111と比べて、補助的機能を有するに過ぎない保形部材112a、112bの材料費や加工費がフィルタエレメント110全体の費用に対して比較的大きな割合を占めていることに注目して、軽量化及びコスト低減可能な新規な保形部材の材質と取り付け構造について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
特開2007−38211号公報 特開2004−89758号公報
本発明は、濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失が少なく、軽量化及び低コスト化が可能な新規な構造を有する粗塵除去用のフィルタエレメントを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、プリーツ折りされた濾材と、前記濾材のプリーツの峰線に交差する端面に接着された端板とを有するフィルタエレメントであって、前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着していることを特徴とするフィルタエレメントをその解決手段とした。
請求項2に係る発明では、プリーツ折りされた濾材に対して、端板を前記濾材のプリーツの峰線に交差する端面に接着するフィルタエレメントの製造方法であって、前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とを第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着することを特徴とするフィルタエレメントの製造方法である。
本発明によって、濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失が少なく、軽量化及び低コスト化が可能な新規な構造を有する粗塵除去用のフィルタエレメントを提供することが可能となった。
本発明のフィルタエレメントの一例を示す斜視図である。また、端板を矢印Aの方向に装着する態様を例示する図である。 本発明のフィルタエレメントの模式断面図である。 本発明のフィルタエレメントの使用例である。 従来のフィルタエレメントを示す斜視図である。また、保形部材を矢印Aの方向に装着する態様を示す図である。 従来のフィルタエレメントを製造する方法を示す図である。 従来のフィルタエレメントを製造する方法を示す図であり、加熱板105をテープ103に押し当ててテープ103を濾材102の端面102aに加熱圧着する態様を示す図である。
以下、本発明に係るフィルタエレメント及びその製造方法の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明のフィルタエレメントは、図1に例示するように、プリーツ折りされた濾材11と、濾材11のプリーツの峰線13に交差する端面に接着された端板12a、12bとを有するフィルタエレメント10であって、濾材11は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、端板12a、12bは第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、濾材11と端板12a、12bとは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着していることを特徴とする。
また本発明のフィルタエレメントの製造方法は、図1に例示するように、プリーツ折りされた濾材11に対して、端板12a、12bを前記濾材11のプリーツの峰線13に交差する端面に接着するフィルタエレメント10の製造方法であり、前記濾材11は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板12a、12bは第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材11と前記端板12a、12bとを第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着することを特徴とする。
前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布から構成されている。第1の不織布の構造としては、熱接着性繊維によって接着した、平均繊維径が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmの不織布である限り特に限定されず、例えば繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる熱接着性繊維を含有する繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して、繊維ウエブに形成した後、熱接着性繊維を用いて構成繊維を接着によって結合する方法による、一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布を適用することができる。熱接着性繊維によって構成繊維を接着する方法としては、熱接着性繊維を含有する繊維ウエブに対して、熱風吹き付け型の乾燥機またはエアスルー型の乾燥機などを用いて、熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の加熱気流をあてて加熱処理する方法を用いることができる。
このようにして得られる乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難いため第1の不織布として好ましい。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため、この点でもステープル繊維を用いた不織布であることが好ましい。
また、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えばスパンボンド法などによって形成される不織布を適用することができる。スパンボンド法による場合は、例えば、互いに融点が異なる2種類の樹脂成分からなる芯鞘型の熱接着性の長繊維をノズルより紡出させた後、低融点の鞘成分を接着成分として、前述のように加熱処理により、構成繊維を接着によって結合する方法がある。また、熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとする際に、熱接着性のステープル繊維を吹き込み長繊維と熱接着性の短繊維とが一体化した繊維フリースとした後、前述のように加熱処理により、構成繊維を熱接着性繊維によって結合する方法がある。ステープル繊維を用いた不織布であれば、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難いため第1の不織布として好ましい。また、圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため好ましい。
また、これらの不織布製法において、形成される繊維ウェブ、繊維シート、または繊維フリースにニードルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて繊維同士を結合する方法を併用することも可能である。繊維同士が絡合することによって、繊維が厚さ方向にも配向して構造が強固になり面方向に伸び難くなると共に厚さがつぶれ難くなるという利点がある。また、不織布の厚さが1〜5mmである限り、加熱ロールを用いて、全面的にまたは部分的に繊維同士を熱融着により結合する方法を併用することも可能である。また、加熱ロールを用いる場合は、一旦厚さが低下した後に、加熱により不織布の厚さを増加させて所定の厚さとすることも可能である。
第1の不織布を構成する繊維は第1の熱接着性繊維を含むことが必要であるが、第1の熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維がある。また他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維があり、このような複合繊維として具体的には、低融点樹脂成分と前記低融点樹脂成分の融点よりも10℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは100℃以上、高い融点を有する高融点樹脂成分とからなる複合繊維を挙げることができる。
またこのような複合繊維の形態としては、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。これらの繊維の中でも、高融点成分の融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。また低融点成分がポリエステルの複合繊維であれば、高融点成分と低融点成分の融点差を大きくとることが可能であり、濾材と端板とを接着することが容易になるという利点がある。またフィルタエレメントの濾過性能を向上させる上では、帯電性に優れるポリオレフィン系の繊維形成性重合体からなる複合繊維であることも好ましい。
第1の不織布を構成する繊維としては第1の熱接着性繊維以外にも、フィルタエレメントとしての機能向上のために、合成繊維やレーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維を含むことも可能である。合成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール系繊維などを挙げることができる。これらの繊維の中でも、融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。またフィルタエレメントの濾過性能を向上させる上では、帯電性に優れるポリオレフィン系繊維が好ましい。
しかし、第1の熱接着性繊維以外の繊維の混入比率は、濾材と端板とが熱接着することを妨げない範囲、あるいはフィルタエレメントとしての特性を失わない範囲に留めるべきであり、不織布全体に対して30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、第1の熱接着性繊維の不織布全体に占める割合は好ましくは100〜70質量%であり、より好ましくは100〜80質量%であり、更に好ましくは100〜90質量%である。第1の熱接着性繊維の割合が70質量%未満であると濾材自身の熱接着による結合力が弱く、フィルタエレメントが、風圧で容易に厚みがつぶれてしまい、濾過寿命が短くなってしまう場合がある。また濾材と端板とが充分に接着しない場合がある。
第1の不織布における構成繊維の平均繊度は5〜30デシテックスであり、8〜20デシテックスであることがより好ましい。5デシテックス未満では、不織布の目合いが密になるため濾過効率は上昇するものの圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下するという問題が生じる。また30デシテックスを超えると、不織布の目合いが粗くなり過ぎて、濾過効率が低下するという問題や粉塵保持容量が低下するという問題が生じる。
なお、構成繊維の平均繊度の計算方法としては、構成繊維に含まれる各繊維の繊度をaデシテックス、bデシテックス、cデシテックス・・・として、各繊維の含有割合をそれぞれa’質量%、b’質量%、c’質量%・・・とすると、(a’/a)+(b’/b)+(c’/c)・・・=(100/x)の関係式が成り立ち、この関係式から平均繊度xを求めることができる。
第1の不織布における厚さは1〜5mmであり、1.5〜4.5mmであることがより好ましく、2〜4mmであることが更に好ましい。厚さが1〜5mmであることにより、圧力損失が低く粉塵保持容量が大きいという利点がある。1mm未満では粉塵保持容量が低下するという問題が生じる。また端板との接触面積が少ないため濾材が端板に充分に接着しないという問題がある。また5mmを超えると第1の不織布をプリーツ折りして濾材とした際に、プリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触して、気体の濾過に寄与しないか又は寄与が極めて少ない部分(以下、デッドスペースと称する)が多くなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下するという問題が生じる。なお、厚さは1cm当たり2gの荷重をかけた時に示す厚さとする。
本発明では、特許文献1に示されるような粗塵除去用のフィルタエレメントよりも厚さを厚くすることで単位面積当たりの粉塵保持容量を増加させ、その分だけプリーツ間隔を広げて濾材の面積を少なくすることで全体の粉塵保持容量を同等とすることが可能であり、また場合によっては、図4に示されるような線状の樹脂からなるセパレータ114を省略することも可能であり、その結果、濾材の製造コストを低下させることができる。
第1の不織布の面密度は50〜400g/mであることが好ましく、75〜300g/mであることがより好ましく、90〜200g/mであることが更に好ましい。面密度が50〜400g/mであることにより、圧力損失が比較的低く粉塵保持容量が大きいという利点がある。これに対して50g/m未満では粉塵保持容量が低下する場合がある。また剛性が低くなりプリーツ折りされた濾材の保形性が低下する場合がある。また端板との接触面積が少なくなり濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また400g/mを超えると第1の不織布をプリーツ折りして濾材とした際に、プリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触してデッドスペースが多くなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
また第1の不織布は、端板との接着を妨げない範囲で、また濾材としての性能を妨げない範囲で、補強などを目的として、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布であることも可能である。
第1の不織布の濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、具体的には、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。なお、SAE FINE ダストとは、ISO12103−1(1997)のA2(fine)に規定される試験用ダストに適合するダストである。
第1の不織布の初期の圧力損失は、試験条件が風速0.1m/secの時に、20Pa以下が好ましく、10Pa以下がより好ましく、5Pa以下が更に好ましい。また、第1の不織布の濾過寿命は風速0.5m/secの時に、最終の圧力損失200Paとした場合、粉塵捕集量100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましく、300g/m以上が更に好ましい。なお、第1の不織布の粒子捕集平均効率の値を高くしようとすると濾過寿命が短くなり(粉塵捕集量が少なくなり)、濾過寿命を長くしようとすると(粉塵捕集量を多くしようとすると)粒子捕集平均効率の値が低下することとなるので、上記好ましい範囲の不織布であれば、プリーツ加工を施すことにより、粗塵除去用フィルタエレメントとしてより好適に用いることができる。
第1の不織布の濾過性能をより向上させ、比色法のみならず計数法でも評価できる濾過性能を有するものとするには、第1の不織布に帯電加工を施し構成繊維をエレクトレット化する方法がある。このようなエレクトレット化した繊維は、比較的高温の加熱によってエレクトレットの効果が失われることが知られており、このため加熱処理によって第1の不織布とした後に帯電加工処理が行うことが好ましい。
第1の不織布の帯電加工が施された後の濾過性能は、微塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、具体的には、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。また、JIS B9908形式1に規定される試験方法において、0.3μmの大気塵を用いて、計数法により評価すると、試験条件が風速0.1m/secの時に、粒子捕集平均効率が5〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が10〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が20〜50%であることが更に好ましい。
本発明のフィルタエレメントは、図1に例示するように、第1の不織布11がプリーツ折りされており、濾材11のプリーツの峰線13に交差する端面に端板12aが接着されている。なお、図1では、プリーツ折りされた第1の不織布11のプリーツの峰線に交差する端面に、端板12bが矢印Aの方向に接着する態様も例示している。当該第1の不織布のプリーツ折りの形態は、ジグザグ形状に折られている限り特に限定されず、このプリーツ折りの方法としてはレシプロ式やロータリー式などのプリーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押型でプレスする方法などがある。
また、前記濾材10は図1及び図2に例示するようにプリーツが多数形成されており、具体的には、プリーツの高さHは10〜100mmが好ましく、15〜75mmがより好ましく、20〜50mmが更に好ましい。またプリーツのピッチPは8〜50mmが好ましく、10〜40mmがより好ましく、12〜30mmが更に好ましい。また、ピッチP(mm)と高さH(mm)との比P/Hが0.2〜2であることが好ましく、0.3〜1.5であることが好ましく、0.4〜1であることが更に好ましい。P/Hが0.2未満であると、プリーツの角度が小さくなり過ぎるので、風圧でプリーツの角度が広がり隣接するプリーツと付着してしまいデッドスペースとなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、P/Hが2を超えると、プリーツの数が少なくなり濾材全体の面積が少なくなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、プリーツの高さが10mm未満であると濾材全体の面積が少なくなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。プリーツの高さが100mmを超えると濾材全体の面積が大きくなるものの、プリーツの角度が小さくなり過ぎるのでデッドスペースとなり、かえって粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。
また、図2に示すように、プリーツのピッチをP(mm)、第1の不織布の厚さをT(mm)とすると、
式:a=(1−2T/P)×100
から算出した開口率aが50〜90%であることが好ましく、55〜85%であることがより好ましく、60〜80%であることが更に好ましい。図2から明らかなように、プリーツのピッチP(mm)と高さH(mm)との比P/Hの値が少ない場合、第1の不織布の厚さT(mm)の約2倍に相当する長さの幅がデッドスペースの巾D(mm)とほぼ等しくなる。そのため、フィルタエレメントのプリーツ数が多くなるほど、また第1の不織布の厚さが厚くなるほどデッドスペースが多くなり、フィルタエレメントとしての処理風量が低下して、濾過寿命が少なくなる傾向がある。その一方、フィルタエレメントの山数が多くなるほど、また第1の不織布の厚さが厚くなるほど第1の不織布の濾過面積が増加して濾過寿命が長くなる傾向がある。したがって、上記の式は、これら両傾向のバランスがとれ、濾過寿命が長くなる最も好ましい状態を表す式といえる。それゆえ前記開口率aが50%未満であると、フィルタエレメントの初期の圧力損失が大きく上昇してしまい、濾過寿命が短くなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、開口率aが90%を超えると第1の不織布の濾過面積が少なくなり、エアフィルタユニットの濾過寿命が短くなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。なお、第1の不織布が、不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布である場合には、開口率aを求める前記式において、第1の不織布の厚さT(mm)として、複合不織布の厚さを用いることができる。
前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布から構成されている。第2の不織布の構造としては、熱接着性繊維によって接着した、平均繊維径が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmの不織布である限り特に限定されず、例えば繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる熱接着性繊維を含有する繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して、繊維ウエブに形成した後、熱接着性繊維を用いて構成繊維を接着によって結合する方法による、一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布を適用することができる。熱接着性繊維によって構成繊維を接着する方法としては、熱接着性繊維を含有する繊維ウエブに対して、熱風吹き付け型の乾燥機またはエアスルー型の乾燥機などを用いて、熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の加熱気流をあてて加熱処理する方法を用いることができる。
このようにして得られる乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きくフィルタエレメントを収納するフィルタ枠との密着性に優れ、且つ厚さがつぶれ難いため第2の不織布として好ましい。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため、この点でもステープル繊維を用いた不織布であることが好ましい。
また、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えばスパンボンド法などによって形成される不織布を適用することができる。スパンボンド法による場合は、例えば、互いに融点が異なる2種類の樹脂成分からなる芯鞘型の熱接着性の長繊維をノズルより紡出させた後、低融点の鞘成分を接着成分として、前述のように加熱処理により、構成繊維を接着によって結合する方法がある。また、熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとする際に、熱接着性のステープル繊維を吹き込み長繊維と熱接着性の短繊維とが一体化した繊維フリースとした後、前述のように加熱処理により、構成繊維を熱接着性繊維によって結合する方法がある。ステープル繊維を用いた不織布であれば、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難いため第2の不織布として好ましい。また、圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れるため好ましい。
また、これらの不織布製法において、形成される繊維ウェブ、繊維シート、または繊維フリースにニードルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて繊維同士を結合する方法を併用することも可能である。繊維同士が絡合することによって、繊維が厚さ方向にも配向して構造が強固になり面方向に伸び難くなると共に厚さがつぶれ難くなるという利点がある。また、不織布の厚さが1〜5mmである限り、加熱ロールを用いて、全面的にまたは部分的に繊維同士を熱融着により結合する方法を併用することも可能である。また、加熱ロールを用いる場合は、一旦厚さが低下した後に、加熱により不織布の厚さを増加させて所定の厚さとすることも可能である。
第2の不織布を構成する繊維は第2の熱接着性繊維を含むことが必要であるが、第2の熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維がある。また他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維があり、このような複合繊維として具体的には、低融点樹脂成分と前記低融点樹脂成分の融点よりも10℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは100℃以上、高い融点を有する高融点樹脂成分とからなる複合繊維を挙げることができる。
またこのような複合繊維の形態としては、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。これらの繊維の中でも、高融点成分の融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。また低融点成分がポリエステルの複合繊維であれば、高融点成分と低融点成分の融点差を大きくとることが可能であり、濾材と端板とを接着することが容易になるという利点がある。
第2の不織布を構成する繊維としては第2の熱接着性繊維以外にも、フィルタエレメントとしての機能向上のために、合成繊維やレーヨンなどの半合成繊維、あるいは綿およびパルプ繊維などの天然繊維を含むことも可能である。合成繊維としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール系繊維などを挙げることができる。これらの繊維の中でも、融点が比較的高く熱的に安定であり、且つフィルタエレメント全体の剛性と保形性に優れた効果をもたらすポリエステル系繊維が好ましい。
しかし、第2の熱接着性繊維以外の繊維の混入比率は、濾材と端板とが熱接着することを妨げない範囲、あるいはフィルタエレメントとしての特性を失わない範囲に留めるべきであり、不織布全体に対して30質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、第2の熱接着性繊維の不織布全体に占める割合は好ましくは100〜70質量%であり、より好ましくは100〜80質量%であり、更に好ましくは100〜90質量%である。第2の熱接着性繊維の割合が70質量%未満であると端板自身の熱接着による結合力が弱く、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。また濾材と端板とが充分に接着しない場合がある。
第2の不織布における構成繊維の平均繊度は5〜30デシテックスであり、8〜20デシテックスであることがより好ましい。5デシテックス未満では、不織布の目合いが密になるため目合いの粗い前記濾材と充分に接着しない場合がある。また繊度が小さいために端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。また30デシテックスを超えると、不織布の目合いが粗くなり過ぎるため、かえって端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。
第2の不織布における厚さは1〜5mmであり、1.5〜4.5mmであることがより好ましく、2〜4mmであることが更に好ましい。厚さが1〜5mmであることにより、フィルタエレメントをフィルタ枠に装着する際にクッション性に優れ、フィルタ枠との間のシール性に優れるので好ましい。これに対して1mm未満では端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。またフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に劣る場合がある。また5mmを超えるとフィルタエレメントとしての濾過面積が少なくなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
第2の不織布の面密度は50〜400g/mであることが好ましく、75〜300g/mであることがより好ましく、90〜200g/mであることが更に好ましい。面密度が50〜400g/mであることにより、プリーツ形状を強固に保つとともにフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に優れる。これに対して、50g/m未満では端板が柔軟になり過ぎて、フィルタエレメントのプリーツ形状を強固に保つことが出来なくなる場合がある。またフィルタエレメントを収納するフィルタ枠とのシール性に劣る場合がある。また濾材が端板に充分に接着しない場合がある。また400g/mを超えるとフィルタエレメントとしての濾過面積が少なくなり、その結果、圧力損失が高くなり、粉塵保持容量が低下する場合がある。
また第2の不織布は、濾材との接着を妨げない範囲で、補強などを目的とした、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合不織布であることも可能である。この場合第2の不織布側に濾材を接着し、他の素材側をフィルタ枠側になるように配置される。なお他の素材を通気性のある素材とし、接着方法もホットメルト不織布を用いたり含浸加工、スプレー加工、表面コーティング加工、ドット加工などのように通気性を保つ加工方法を採用することで、端板に通気性を持たせて、後述するように端板を第2の不織布として利用することも可能である。
第2の不織布または端板の柔軟性の指標となる剛軟度(ガーレ法)の値は好ましくは1mN以上であることが好ましく、より好ましくは2mN以上であり、さらに好ましくは4mN以上である。なお剛軟度はJIS L1096:2010に記載される、曲げ反発性 A法 剛軟度(ガーレ法)に準じて測定した値を用い、タテ方向とヨコ方向の平均値を用いるものとする。
また、前記端板の大きさは、図1及び図2に例示するように、プリーツの高さH(mm)およびプリーツの巾W(mm)とそれぞれ同寸法または同寸法よりもやや大きめに設定することが好ましい。
第2の不織布の濾過性能は、粗塵除去用の第2の濾材として機能することが可能であり、この場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.5m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用の濾材として使用できない場合がある。
また粗塵除去用の第2の濾材として機能するには、第2の不織布の初期の圧力損失は、試験条件が風速0.1m/secの時に、20Pa以下が好ましく、10Pa以下がより好ましく、5Pa以下が更に好ましい。また、第2の不織布の濾過寿命は風速0.5m/secの時に、最終の圧力損失200Paとした場合、粉塵捕集量100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましく、300g/m以上が更に好ましい。なお、第2の不織布の粒子捕集平均効率の値を高くしようとすると濾過寿命が短くなり(粉塵捕集量が少なくなり)、濾過寿命を長くしようとすると(粉塵捕集量を多くしようとすると)粒子捕集平均効率の値が低下することとなるので、上記好ましい範囲の不織布であれば、粗塵除去用フィルタエレメントとしてより好適に用いることができる。
本発明では第2の不織布の構成は第1の不織布と異なる構成であることも同じ構成であることも可能である。前記濾材としての最適な構成を選択し前記端板としての最適な構成を選択した結果、第2の不織布の構成が第1の不織布と異なる構成となる場合が多いが、同じ構成であることによって、1種類の不織布で濾材と端板の両素材を製造することが可能であり、コスト低減効果がある。また後述するように濾材の端面に端板を接着し易いという効果もある。したがって、端板としての性能が重視される場合は第2の不織布の構成を第1の不織布と異なる構成とすることが可能であり、性能がそれほど重視されない場合は第2の不織布の構成を第1の不織布と同じ構成とすることが好ましい。また後述するように端板を第2の濾材として使用する場合は、端板の構成を濾材として好適な構成を有する第1の不織布の構成と同じかまたは近似させることが好ましい。
本発明では、プリーツ折りされた濾材と当該濾材の峰線に交差する端面に端板が接着されている。ここで交差するとは峰線と端面とが任意の角度で交わることを意味しており、必ずしも直角に交わることのみを意味していないが、特殊な形状の場合を除き通常は直角又は直角に近い角度で交わるフィルタエレメントが要求される。
また前記濾材と前記端板とは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着している。詳細には、濾材と端板とを接触状態で固定しておき、濾材に含有される第1の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の融点P1と端板に含有される第2の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の融点P2とを比較して、より低い融点を有する低融点樹脂成分(P1又はP2)の融点の温度以上で且つより高い融点を有する低融点樹脂成分(P2又はP1)の融点の温度未満に、前記濾材又は端板とを加熱処理することで、濾材又は端板に含まれる熱接着性繊維(第1の熱接着性繊維又は第2の熱接着性繊維)が、相手側(端板又は濾材)の構成繊維に融着することで接着が行われる。なお、融点P1と融点P2のいずれか高い方の融点以上に加熱処理が行われた場合には、両方の熱接着性繊維(第1の熱接着性繊維及び第2の熱接着性繊維)が相手側(端板及び濾材)の構成繊維に融着することで接着が行われる。
好ましい接着の形態としては、例えば第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維とが同じ材質の繊維であると、熱接着性繊維同士の相溶性が良いので濾材と端板とが接着し易いという利点がある。また第1の熱接着性繊維の融点P1と第2の熱接着性繊維の融点P2とが同じである場合も、接着温度を一定とすることができるので濾材と端板とが接着し易いという利点がある。したがって第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維とが同一の繊維であれば熱接着性繊維同士の相溶性が良く更に接着温度を一定とすることができるので濾材と端板とが更に接着し易いという利点がある。また第1の不織布と第2の不織布が同一の繊維構成であれば、加熱による第1の熱接着性繊維と第2の熱接着性繊維の他の繊維に対する接着挙動が同じになるので、濾材と端板とが更に接着し易いという利点がある。
本発明では、濾材と端板とをそれぞれに含まれる熱接着性繊維によって接着しているので、特許文献1に示される粗塵除去用のフィルタエレメントのような接着剤を用いる方法よりも軽量化が可能であり、且つコスト低減が可能である。また端板の構成を濾材の構成に合わせるか又は近似させることによって、濾材と端板とが接着し易くなっている。また端板の厚さも厚くなっているのでプリーツ形状の濾材の保形性も優れている。
濾材と端板とを接着させる方法としては、例えば特許文献2に記載される方法を適用することができる。当該文献の図5及び図6には、矩形状箱型をなす断面コの字形状の型枠106内に、プリーツ折り加工された濾材102をプリーツの峰線に直交する端面102aが固着側となるように収納し、次いで、濾材102の端面102aに接着層を有するテープ103を重ね合わせ、この状態で加熱板105をテープ103に押し当ててテープ103を濾材102の端面102aに加熱圧着する方法が記載されている。本願発明では、接着層を有するテープ103の代わりに端板12a、12bを用いることで濾材と端板とを接着させることができる。
図6に示す方法を採用した場合、本発明では加熱板105を端板12a、12bに直接押し当てることになるので、端板を濾材に接着させる工程を繰り返し長時間行うと加熱板105に端板を構成する第2の熱接着性繊維の低融点樹脂成分の一部が溶融付着する場合がある。そのため前記端板を、第2の不織布と、不織布、織物、編物またはネットなどの、低融点樹脂成分よりも高い融点を有する他の素材とを積層した複合不織布としておき、第2の不織布側に濾材を配置し、他の素材側に加熱板を配置すれば、加熱板105に低融点樹脂成分が付着することを防止することができる。
本発明では、前記濾材と前記端板とを第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着してフィルタエレメントを一旦形成し、このフィルタエレメントをフィルタエレメント中間体として、当該フィルタエレメント中間体全体を第1の熱接着性繊維または第2の接着性繊維の融点よりも高い温度、例えば10℃以上高い温度で加熱処理することも好ましい。フィルタエレメント中間体全体を加熱処理することによって、フィルタエレメント全体を更に剛性のある構造に変化させることができる。その理由として、プリーツ折り加工の際に圧縮されていた第1の不織布の厚さが元の厚さに回復し、その状態で第1の熱接着性繊維による再融着が行われ回復した厚さがそのまま固定されると共に、その回復した状態においてプリーツの峰部分又は谷部分でも再融着が行われV字形又はU字形の形状がそのまま固定されるためと考えられる。
本発明では、プリーツ折りされた濾材のプリーツの峰線に交差する端面に端板が接着されていることを必須とするが、濾材のプリーツの峰線と平行な端面にも第2の端板が接着されていることが可能である。この第2の端板の材質は特に限定されることはなく、また濾材に接着する方法も特に限定されることはなく、前記端板12a、12bと同一の端板であることも可能である。
また、フィルタエレメントの全体の大きさは、自動車用や家庭用空気清浄機などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が80〜500mmが好ましく、100〜400mmがより好ましく、150〜300mmが更に好ましい。また、奥行は10〜100mmが好ましく、15〜75mmがより好ましく、20〜50mmが更に好ましい。また、ビル、工場、事務所などに設置される空気清浄装置に、パッケージフィルター、ファンコイルユニット、中央空調用フィルタユニット等の粗塵除去用フィルタとして使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が200〜1500mmが好ましく、300〜1000mmがより好ましく、400〜700mmが更に好ましい。また、奥行は10〜500mmが好ましく、15〜400mmがより好ましく、20〜300mmが更に好ましい。
前記フィルタエレメントを空調装置に適用する場合はフィルタエレメントをフィルタ枠に装着して用いることができる。このフィルタ枠は剛性のある材質である限り特に限定されず、木材、金属、プラスチック等が適用され、数回の洗浄再生の後に焼却、廃棄される場合は木材が好ましい。
本発明のフィルタエレメントにあっては、端板を構成する第2の不織布を、濾材を構成する第1の不織布と同じ材料、又は近似した材料とすることが可能であるので、当該濾材を第1の濾材とすると、当該端板を第2の濾材として使用することが可能である。端板を第2の濾材として使用する好ましい一例として、図3の自動車の空調装置20を例示することができる。
この空調装置20においては、本願発明のフィルタエレメント10がフィルタ枠30に収納されている。フィルタ枠30は、内気が流入する流入口31および外気が流入する流入口32と、濾過後の気流が流出する流出口34と、前記流入口31、32と前記流出口34との間に設けられた側壁33とを備えており、前記側壁33の一部に開口33aが設けられている。さらに側壁の開口33aの少なくとも一部が前記端板12a又は12bによって塞がれるように前記フィルタエレメント10が収納されており、前記端板12a又は12bによって濾過が可能となっている。また開口33aには内気用のダクト41が接続されており、流出口34には流出用のダクト42が接続されている。またフィルタ枠33には流入口31、32の境に内外気の切り換えを行う内外気切換ドア35が設けられており、フィルタエレメント10の収納部の下方にブロワ40が設けられており、このブロワ40を駆動するモータ50がフィルタ枠33の外側に配置されている。
このフィルタ装置20によって、フィルタエレメント10が目詰まりした場合でも、バイパスとして内気用のダクト41から開口33a及び端板12a、12bを通してフィルタエレメント10に内気が流入すると共に端板によって内気の濾過を行うことができる。また、端板12a、12bを通過する空気は粉塵濃度が極めて低い内気のみであるため、端板12a、12bの圧力損失が上昇し難い構造となっている。その結果、急激にブロワ40に負担がかかったり、送風量が極端に低下したりするというリスクを回避することが可能であり、またフィルタエレメントの交換までの時間の確保が可能である。
本発明のフィルタエレメントの濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、第1の不織布のみを濾材として使用した場合、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、空気の流入面の少なくとも一辺の寸法が80〜500mmの場合、試験条件が間口風速2.7m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、不織布基材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに不織布基材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。
また、前記フィルタエレメントの初期の圧力損失は、空気の流入面の少なくとも一辺の寸法が80〜500mmの場合、試験条件が間口風速2.7m/secの時に、150Pa以下が好ましく、100Pa以下がより好ましく、80Pa以下が更に好ましい。また、前記フィルタエレメントの濾過寿命は、最終の圧力損失200Paとした場合、間口面積当たりの粉塵捕集量500g/m以上が好ましく、750g/m以上がより好ましく、1000g/m以上が更に好ましい。なお、前記不織布基材が、不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層された複合基材である場合には、前述の各圧力損失は、積層された他の素材やフィルタの圧力損失を加算した圧力損失とすることができる。
以上説明したように、本発明のフィルタエレメントは、特許文献1に示されるような粗塵除去用のフィルタエレメントよりも、濾材の厚さを厚くすることで単位面積当たりの粉塵保持容量を増加させ、その分だけプリーツ間隔を広げて濾材の面積を少なくすることで全体の粉塵保持容量を同等とすることが可能であり、その結果、フィルタエレメントの製造コストを低下させることができる。また、濾材と端板とをそれぞれに含まれる熱接着性繊維によって接着しているので、特許文献1に示される粗塵除去用のフィルタエレメントのような接着剤を用いる方法よりも軽量化が可能であり、且つコスト低減が可能である。また端板の構成を濾材の構成に合わせるか又は近似させることによって、濾材と端板とが接着し易くなっている。また端板の厚さも厚くなっているのでプリーツ形状の濾材の保形性も優れている。また端板に空気が通過する構造を採用して、端板を第2の濾材として用いる場合は、より低い圧力損失と更なる長寿命化が可能となる。このように、本発明の粗塵除去用のフィルタエレメントは、濾過寿命或いは粉塵保持能力に優れ、且つ圧力損失が少なく、軽量化及び低コスト化が可能な新規な構造を有している。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(第1の不織布又は第2の不織布の濾過性能試験方法−質量法)
ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、風速0.5m/secにて、圧力損失が200PaになるまでSAE FINE ダストを供給した後、粒子捕集平均効率(%)及び濾過寿命(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は風速0.1m/secにて測定した値を用いる。
(フィルタエレメントの濾過性能試験方法−質量法)
ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、間口風速2.7m/secにて、圧力損失が200PaになるまでSAE FINE ダストを供給した後、間口当たりの粒子捕集平均効率(%)及び濾過寿命(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は間口風速2.7m/secにて測定した値を用いる。
なお、フィルタエレメントの濾過性能は第1の不織布のみを濾材として使用した場合の評価を示す。
(実施例1)
芯成分が融点248℃のポリエステル樹脂であり、鞘成分が融点72℃のポリエステル樹脂からなる複合繊維(繊度22デシテックス、繊維長64mm)からなるステープル繊維65質量%と、芯成分が融点248℃のポリエステル樹脂であり、鞘成分が融点72℃のポリエステル樹脂からなる複合繊維(繊度6.6デシテックス、繊維長51mm)からなるステープル繊維35質量%とを混合して、カード機を使用して繊維ウエブ(平均繊度12.1デシテックス)を形成した。次いで、この繊維ウエブをエアスルー型の乾燥機を用いて、150℃の熱風により加熱接着処理を行い、面密度95g/mで、厚さ1.5mmの第1の不織布を形成した。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表1に示す。
次いで、得られた第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が20mm、プリーツの数10峰となるようにプリーツ加工を施し濾材とした。次いで、プリーツの峰線と交差する濾材端面に、第1の不織布を巾29mm×長さ206mmにカットして作製した端板(剛軟度4.9mN)を加熱により接着して、全体の大きさが端板側206mm×端板と垂直な側212mmのフィルタエレメントを作製した。得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
なお端板の接着については、図5及び図6に示すように、矩形状箱型をなす断面コの字形状の型枠106内に、プリーツ折り加工した濾材をプリーツの峰線に直交する端面が固着側となるように収納し、次いで、濾材の端面に端板を重ね合わせ、この状態で100℃の加熱板105を端板に押し当てて端板を濾材の端面に加熱圧着した。
(実施例2)
実施例1において、面密度125g/mで、厚さ2.2mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、面密度190g/mで、厚さ4.5mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例1において、面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第1の不織布を形成したこと、及び第1の不織布と同様にして面密度125g/mで、厚さ2.2mmの第2の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと、第1の不織布と同様にして面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第2の不織布を形成したこと、及び第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が27mm、プリーツの数8峰となるようにプリーツ加工を施し濾材としたこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、面密度150g/mで、厚さ3.5mmの第1の不織布を形成したこと、第1の不織布と同様にして面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第2の不織布を形成したこと、及び第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が14mm、プリーツの数15峰となるようにプリーツ加工を施し濾材としたこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表2に示す。
(比較例1)
芯成分が融点160℃のポリプロピレン樹脂であり、鞘成分が融点140℃のポリエチレン樹脂からなる複合繊維(繊度6.6デシテックス、繊維長64mm)からなるステープル繊維75質量%と、芯成分が融点160℃のポリプロピレン樹脂であり、鞘成分が融点140℃のポリエチレン樹脂からなる複合繊維(繊度2.2デシテックス、繊維長51mm)からなるステープル繊維25質量%とを混合して、カード機を使用して繊維ウエブ(平均繊度4.4デシテックス)を形成した。次いで、この繊維ウエブをエアスルー型の乾燥機を用いて、140℃の熱風により加熱接着処理を行い、面密度85g/mで、厚さ0.9mmの第1の不織布を形成した。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表3に示す。
次いで、得られた第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が5mm、プリーツの数40峰となるようにプリーツ加工を施し濾材とした。次いで、スポット状に熱圧着された面密度220g/mのスパンボンド不織布に面密度380g/mのホットメルト樹脂をコーティングした後に巾29mm×長さ206mmにカットして作製した端板(剛軟度:高すぎて測定不能、濾過性能:通気性が無いため測定不能)を準備して、この端板をプリーツの峰線と交差する濾材端面に、実施例1と同様にして加熱により接着して、全体の大きさが端板側206mm×端板と垂直な側212mmのフィルタエレメントを作製した。得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表3に示す。この比較例1では、端板にホットメルト樹脂をコーティングしているため、また濾材の面積が大きいので、製作コストが高くなるという問題があった。また平均繊度が5デシテックス未満であるため、実施例1〜7と比較して質量法効率は高いものの濾過寿命が短いものであった。
(比較例2)
実施例1において、面密度50g/mで、厚さ0.7mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを製作しようとしたが、第1不織布の厚さが薄く、また端板に用いた第1不織布の厚さも薄かったので、濾材と端板との接着が困難であり、フィルタエレメントを製作することができなかった。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例1において、面密度80g/mで、厚さ0.8mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを製作しようとしたが、第1不織布の厚さが薄く、また端板に用いた第1不織布の厚さも薄かったので、濾材と端板との接着が困難であり、フィルタエレメントを製作することができなかった。得られた第1の不織布の濾過性能を評価した結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例1において、面密度280g/mで、厚さ6.0mmの第1の不織布を形成したこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表3に示す。この比較例4では、第1の不織布の厚さが厚いため、プリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触してデッドスペースが多くなり、その結果、得られたフィルタエレメントは濾過寿命に劣るものであった。
(比較例5)
実施例1において、面密度450g/mで、厚さ10.0mmの第1の不織布を形成したこと、第1の不織布と同様にして面密度140g/mで、厚さ2.8mmの第2の不織布を形成したこと、及び第1の不織布に、プリーツの高さが29mm、プリーツのピッチ(峰間隔)が40mm、プリーツの数5峰となるようにプリーツ加工を施し濾材としたこと以外は実施例1と同様にしてフィルタエレメントを作製した。得られた第1の不織布及び第2の不織布の濾過性能と、得られたフィルタエレメントの濾過性能を評価した結果を表3に示す。この比較例5では、第1の不織布の厚さが厚いため、またプリーツの峰付部分または谷部分で濾材の壁面同士が接触してデッドスペースが多くなり、その結果、得られたフィルタエレメントは初期の圧力損失が高く、濾過性能を評価するに値しないものであった。
表1
Figure 2014176797































表2
Figure 2014176797
表3
Figure 2014176797
表1〜3から明らかなように、実施例1〜8のフィルタエレメントは、濾過寿命に優れ、且つ圧力損失が少なく、且つ軽量化及び低コスト化が可能な構造を有しており、粗塵除去用のフィルタエレメントとして好適であった。また端板を第2の濾材として使用可能であった。これに対して、比較例1では端板にホットメルト樹脂をコーティングしているため、また濾材の面積が大きいので、製作コストが高くなるという問題があった。また平均繊度が5デシテックス未満であるため、質量法効率は高いものの濾過寿命が短いものであった。また比較例2〜3ではフィルタエレメントを形成するのが困難であり、また比較例4〜5のフィルタエレメントは、圧力損失が高く、濾過寿命が劣り、粗塵除去用のフィルタエレメントとして不適であった。
10 フィルタエレメント
11 濾材
12a 端板
12b 端板
13 プリーツの峰
20 空調装置
30 フィルタ枠
31 内気流入口
32 外気流入口
33 側壁
33a 開口
34 流出口
35 内外気切換ドア
40 ブロワ
41 内気用のダクト
42 流出用のダクト
50 モータ
102 濾材
102a 端面
103 テープ
105 加熱板
106 断面コの字形状の型枠
110 フィルタエレメント
111 不織布基材
112a、112b 保形部材
113 プリーツ加工
114 セパレータ

Claims (2)

  1. プリーツ折りされた濾材と、前記濾材のプリーツの峰線に交差する端面に接着された端板とを有するフィルタエレメントであって、
    前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とは第1の熱接着性繊維又は/及び第2の接着性繊維によって接着していることを特徴とするフィルタエレメント。
  2. プリーツ折りされた濾材に対して、端板を前記濾材のプリーツの峰線に交差する端面に接着するフィルタエレメントの製造方法であって、
    前記濾材は第1の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第1の不織布からなり、前記端板は第2の熱接着性繊維によって接着した、平均繊度が5〜30デシテックスで厚さが1〜5mmである第2の不織布からなり、前記濾材と前記端板とを第1の熱接着性繊維又は/及び第2の熱接着性繊維によって接着することを特徴とするフィルタエレメントの製造方法。
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