JP2004205244A - 電子時計及びその制御方法 - Google Patents

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哲功 村上
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Abstract

【課題】温度に対する歩度の変化を補正すると共に、気候の推移や時計の周囲環境による湿度変動に対する歩度の変化を補正し、高精度な電子時計を実現する。
【解決手段】発振信号P1を出力する発振回路1と,発振信号P1を分周して計時信号P2を出力する分周回路2と、湿度データP7を出力する湿度測定回路9と、温度データP9を出力する温度測定回路6と、計時信号P2の歩度を調整する歩度調整部7を有し、前記湿度データP7と温度データP9を入力して湿度と温度に対応して歩度補正信号を出力する歩度補正制御部5を設け、歩度調整部7は歩度補正制御部5からの歩度補正信号を入力して歩度調整を行う構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水晶発振回路を発振信号源とする高精度電子時計の歩度調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子時計は水晶発振回路を発振信号源とする水晶式電子時計技術が確立され、低価格で高精度な電子時計が大量生産されている。しかし、水晶式電子時計の心臓部である水晶振動子は製造バラツキにより個々の発振周波数が微妙に異なるために、高精度の電子時計を実現するためには、個々の時計毎に発振周波数を調整する歩度調整手段が不可欠である。この歩度調整手段として当初は水晶発振回路にトリマコンデンサを付加し、発振周波数そのものを可変して調整していたが、トリマコンデンサの実装工数や調整工数による製品価格への影響が大きく、また、トリマコンデンサの経時変化による歩度安定性にも大きな問題があった。
【0003】
このため、トリマコンデンサ等の電子部品を使用せず、発振信号源を分周する分周回路に分周比を調整する分周調整手段を付加し、デジタル技術で個々の水晶振動子のバラツキを調整する技術が開発され製品化されている(例えば、特許文献1参照)。このデジタル技術による歩度調整手段によれば、時計用ICの内部に歩度調整手段を組み込めるので部品点数を削減でき、また、歩度調整工程を自動化できるので調整工数も削減でき、更には、デジタル技術による調整手段であるために安定性に優れ、時計の低価格化、高精度化に大きく貢献している。
【0004】
しかし、更に高精度な電子時計、具体的には1年間の誤差が±5秒程度の年差時計と呼ばれる高精度な電子時計を実現するためには、水晶発振回路の温度特性を無視することが出来ない。図9は時計用途として大量生産されている音叉型水晶振動子の発振周波数の温度特性の一例を示しており、X軸は温度、Y軸は発振周波数の周波数偏差(単位ppm)である。この音叉型水晶振動子の温度特性は室温近傍に頂点温度のある2次曲線となっており、常温付近では発振周波数は安定しているが、温度が常温から離れるほど発振周波数は低くなるので、時計の歩度が狂う結果となる。
【0005】
例えば、図示する如く温度0℃付近の発振周波数は、常温(24℃位)に対して−20ppm程度変化し、これは時計が1日当たり約1.7秒遅れることを意味しており大きな問題である。このため、時計内部に温度センサを設けて時計内部の温度を測定し、この温度情報から水晶発振回路の発振周波数などを調整して温度に対して安定化させる技術が開発されている(例えば特許文献2参照)。このような技術を用いれば音叉型水晶振動子の欠点である2次曲線の温度特性を補正して温度に対して安定した歩度を得ることが出来るので、年差時計の実現も可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−148897号公報(特許請求の範囲、図2)
【特許文献2】
特開平04−315989号公報(特許請求の範囲、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、温度センサを搭載し温度補償した高精度な電子時計の歩度の変化を1年間に渡って詳しく調べると、図10(a)のような歩度の変化曲線のデータを得ることが出来た。図10(a)に於いてX軸は1月〜12月までの時間経過を示し、Y軸は各月毎の歩度の変化を示している。図示する如く、歩度は1年間の気候の推移により、乾燥期では進む傾向があり多湿期では遅れる傾向がある。次に図10(b)は温度センサを搭載し温度補償した高精度な電子時計の歩度の湿度特性を示している。すなわち、時計の周囲温度を一定に保ち、湿度を変化させたときの歩度の変化を表している。
【0008】
図10(b)で示す如く、湿度が増加すると歩度はわずかではあるが遅れる傾向にあり、湿度20%を基準にすると湿度90%で歩度は約0.7ppm遅れており、この傾向は前述した図10(a)のデータの傾向と一致する。すなわち、温度センサを搭載し温度補償した電子時計であっても、その時計の歩度は周囲の湿度変動に対して影響を受け、歩度が変化することがわかる。この現象の原因は、一般に電子時計に内蔵する発振回路を含んだICや水晶振動子は、小型のプリント基板上に実装されているが、そのプリント基板上に実装された水晶振動子からICまでの信号ライン間の浮遊容量や絶縁抵抗が、周囲の湿度変動に影響されて変化することが考えられる。
【0009】
すなわち、プリント基板上の水晶振動子の2本の信号ライン間の浮遊容量値や絶縁抵抗値が周囲の湿度変動によって変化し、また、水晶振動子の信号ラインと回路の電源やGND間の浮遊容量値や絶縁抵抗値も周囲の湿度変動によって変化するので、この結果、水晶発振回路の位相特性が変化し発振周波数にずれが生じる。ここで実際の湿度変動の影響による発振周波数のずれ量は、図10(a)に示す如く、ずれ幅として0.3ppm程度とわずかな量ではあるが、更に高精度な年差時計を実現するためには、歩度に対する湿度変動の影響を無視することは出来ない。
【0010】
本発明の目的は、上記課題を解決して、温度に対する歩度の変化を補正するだけでなく、気候の推移や時計の周囲環境による湿度変動に対する歩度の変化を補正し、温度変化だけでなく湿度変動に対する歩度の変化を最小限とするきわめて高精度な電子時計を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子時計及びその制御方法は、下記記載の構成と方法を採用する。
【0012】
本発明は、基準信号を発生する基準信号発生手段と、湿度を測定する湿度測定手段と、該湿度測定手段からの湿度情報に基づき歩度の補正値を算出し歩度を補正する歩度補正信号を出力する歩度補正制御手段と、該歩度補正制御手段からの歩度補正信号に基づき前記基準信号発生手段の基準信号の歩度を調整する歩度調整手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、前記基準信号発生手段は、前記基準信号としての発振信号を出力する発振部と、前記発振信号を分周して前記基準信号としての計時信号を出力する分周部と、より成ることを特徴とする。
【0014】
また更に、温度を測定する温度測定手段を有し、前記湿度測定手段からの湿度情報と前記温度測定手段からの温度情報とに基づく歩度を補正する歩度補正信号を出力し、該歩度補正信号に基づき歩度調整する様に構成したことを特徴とする。
【0015】
また、前記歩度調整手段は発振周波数調整手段と分周調整手段とにより構成され、前記発振周波数調整手段は前記歩度補正制御手段からの第1の歩度補正信号を入力して前記発振部からの発振信号を調整し、前記分周調整手段は前記歩度補正制御手段からの第2の歩度補正信号を入力して前記分周部の分周比を調整して前記計時信号の歩度調整を行う様に構成したことを特徴とする。
【0016】
また、前記湿度測定手段は、抵抗変化型湿度センサ、もしくは、静電容量変化型湿度センサを有することを特徴とする。
【0017】
また、基準信号を発生する工程と、湿度情報を測定する工程と、前記湿度情報に基づき歩度の補正値を算出する工程と、前記歩度の補正値に基づき前記基準信号の歩度を調整する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である電子時計の構成を示す回路ブロック図であり、図1に基づいて本発明の第1の実施形態の構成を説明する。図1に於いて、1は音叉型水晶振動子(図示せず)を有する発振部としての発振回路であり、2は分周動作を行う分周部としての分周回路である。3は時刻やカレンダを計時し記憶する計時部であり、該計時部3は時刻を計時し記憶する時刻計時回路3aとカレンダを計時し記憶するカレンダ回路3bとにより構成される。
【0019】
4は表示部であり液晶パネル等のデジタル表示装置により構成される。また、本発明の電子時計がアナログ表示時計であれば、表示部4は輪列と指針及びカレンダ表示機構等によって構成される。5は歩度補正制御手段としての歩度補正制御部であり、該歩度補正制御部5は湿度補正演算回路5aと温度補正演算回路5bと歩度補正制御回路5cにより構成される。9は湿度を測定する湿度測定手段としての湿度測定回路であり詳細な構成は後述する。
【0020】
6は温度を測定する温度測定手段としての温度測定回路であり、図示しないがCR発振器によって構成される温度センサと温度カウンタを内蔵する。7は歩度調整手段としての歩度調整部であり、発振周波数調整手段である発振周波数調整回路7aと分周調整手段である分周調整回路7bとにより構成される。8は1次電池又は2次電池等によって構成される電源部であり、各回路や表示部4に電力を供給する。
【0021】
次に図1の回路ブロック図の電気的な接続関係を説明する。発振回路1は発振信号P1を出力し、分周回路2は発振信号P1を入力して計時信号P2を出力する。発振回路1と分周回路2とにより基準信号発生手段を構成し、発振信号P1あるいは計時信号P2の基準信号を出力する。計時部3の時刻計時回路3aは計時信号P2を入力して10秒信号P3、日信号P4、時刻表示データP5を出力する。計時部3のカレンダ回路3bは日信号P4を入力してカレンダ表示データP6を出力する。表示部4は時刻表示データP5とカレンダ表示データP6を入力する。
【0022】
湿度測定回路9は時刻表示データP5を入力して一定時間毎に湿度を測定し、湿度情報としての湿度データP7を出力する。温度測定回路6は温度を測定して温度情報としての温度データP9を出力する。歩度補正制御部5の湿度補正演算回路5aは湿度測定回路9からの湿度データP7を入力して湿度補正データP8を出力し、温度補正演算回路5bは温度測定回路6からの温度データP9を入力して温度補正データP10を出力する。歩度補正制御回路5cは湿度補正データP8と温度補正データP10を入力し、当該二つの補正データに基づいて歩度の補正値を算出し歩度を補正する第1の歩度補正信号としての発振補正信号P11と第2の歩度補正信号としての分周補正データP12を出力する。
【0023】
歩度調整部7の発振周波数調整回路7aは発振補正信号P11を入力して発振切り替え信号P13を出力し、歩度調整部7の分周調整回路7bは分周補正データP12と10秒信号P3を入力して分周調整データP14を出力する。発振回路1は発振切り替え信号P13を入力し、分周回路2は分周調整データP14を入力する。
【0024】
次に本発明の第1の実施形態である図1の回路ブロック図の動作を説明する。電源部8より各回路に電力が供給されると、まず、発振回路1が発振を開始し周波数32,768Hzの発振信号P1を出力する。分周回路2は発振信号P1を入力して分周動作を行い、周波数1Hzの計時信号P2を出力する。計時部3の時刻計時回路3aは計時信号P2を入力して秒、分、時の時刻をそれぞれ計時し、10秒毎にパルスを発生する10秒信号P3と、午前0時0分0秒毎にパルスを発生する日信号P4と、時刻表示データP5とを出力する。カレンダ回路3bは日信号P4を入力して日、曜、月、年などのカレンダ情報を計時し、カレンダ表示データP6を出力する。表示部4は時刻表示データP5とカレンダ表示データP6によって時刻やカレンダを表示し、時計として機能する。
【0025】
次に本発明の第1の実施形態の歩度補正動作を図1及び図2に基づいて説明する。図2は歩度補正動作の全体手順を示すフローチャートであり、図2に於いて各動作フローをSb1〜Sb6として示す。ここで歩度の補正動作が開始されると、まず、温度測定回路6が温度を測定して温度データP9を温度補正演算回路5bに送る。温度補正演算回路5bは内部で演算処理を実行し温度データP9に対応する温度補正データP10を算出し出力する(Sb1)。
【0026】
次に湿度測定回路9は、時刻表示データP5の中から時間データをモニターして前回の補正動作時からの時間データの更新を判定し、時間データが更新しているときは動作フローSb3に進み、時間データが更新していないときは動作フローSb4に進む(Sb2)。すなわち、時刻表示データP5の時間データの更新により1時間に1回だけ動作フローSb3を実行する。
【0027】
時刻表示データP5の時間データが更新している場合は、湿度測定回路9が湿度を測定して湿度データP7を湿度補正演算回路5aに送る。湿度補正演算回路5aは内部で演算処理を実行して湿度データP7に対応する湿度補正データP8を算出し出力する(Sb3)。
【0028】
次に歩度補正制御回路5cは温度補正データP10と湿度補正データP8を読み込み、内部で演算処理を実行して歩度補正データを算出し、歩度補正信号としての発振補正信号P11と複数ビットによってなる分周補正データP12を出力する(Sb4)。尚、時間データが更新していないときは、湿度補正データP8は前回読み込んだデータをそのまま使用する。
【0029】
次に歩度調整部7の発振周波数調整回路7aは、発振補正信号P11によって発振回路1の発振周波数を切り替える発振切り替え信号P13を生成し、発振回路1の出力である発振信号P1を調整する。歩度調整部7の分周調整回路7bは、分周補正データP12と10秒信号P3により分周調整データP14を10秒毎に出力し、分周回路2の分周比を調整する。この結果、分周回路2は発振補正信号P11と分周補正データP12によって歩度が調整された基準信号としての計時信号P2を出力する(Sb5)。
【0030】
歩度調整部7は歩度補正動作を継続し、温度測定回路6と湿度測定回路9及び歩度補正制御部5は待機期間に入る(Sb6)。待機期間終了後、動作フローSb1に進んで温度測定回路6と歩度補正制御部5は再び動作を開始する。以後、歩度補正動作は動作フローSb1〜Sb6を繰り返し、歩度補正動作を更新しつつ継続する。尚、待機期間は1分間程度が良いが任意に定めることが出来る。
【0031】
また、動作フローSb2は時間データの更新を判定して1時間ごとに湿度測定を実行したが、この湿度測定間隔も任意に定めることが出来、例えば、時計内部の湿度変動が緩やかである場合は、1日ごと程度の測定間隔でも問題は無い。尚、温度測定や湿度測定では、ある程度の電力を消費するので、測定間隔が長ければ、その分、消費電力の削減に効果がある。
【0032】
次に本発明の第1の実施形態の歩度補正の主要な各動作フローの詳細を図1と図3と図4及び図5に基づいて説明する。図3は歩度補正の主要な各動作の詳細を示すフローチャートであり、図3(a)は温度補正値算出フローチャートであり、各動作フローをSb11〜Sb14で示す。図3(b)は湿度補正値算出フローチャートであり、各動作フローをSb31〜Sb33で示す。図3(c)は歩度補正信号の出力フローチャートであり、各動作フローをSb41〜Sb43で示す。
【0033】
まず、図3(a)と図4に基づいて温度補正値算出フローを詳細に説明する。温度測定回路6は、内蔵するCR発振器(図示せず)による温度センサを動作させて発振を開始し、内蔵する温度カウンタ(図示せず)でその発振周波数を読み込む(Sb11)。
【0034】
ここで図4は、温度測定回路6に内蔵する温度センサの発振周波数特性と発振回路1の音叉型水晶振動子の発振周波数温度特性の関係図であり、図4(a)は温度センサの発振周波数特性を示し、図4(b)は発振回路1の音叉型水晶振動子の発振周波数温度特性を示している。図4(a)で示す如く、温度センサの発振周波数は温度に対して非線形の特性を有しており、また、個々の温度センサ毎に感度や傾きのバラツキを持っているが、温度測定回路6は温度カウンタの読み値に対して補正演算処理を行い、温度センサの感度や傾きのバラツキを吸収し温度データP9に変換する(Sb12)。
【0035】
例えば、図4(a)で示す如く、ある温度のときに温度測定回路6の温度カウンタが発振周波数fs1を計数したとすると、温度測定回路6は補正演算処理を行って温度データP9を出力し、その値は図4(a)で示す温度t1となる。
【0036】
次に図4(b)に示す如く、発振回路1の周波数温度特性は音叉型水晶振動子固有の2次曲線であり、温度に対する周波数ずれ量を△fとすると、その式は、△f=−a×(Ztc−T)+△f0で示される(計算式1)。但し、aは2次温度係数、Ztcは頂点温度、Tは温度、△f0は頂点温度での基準周波数(32,768Hz)に対する発振周波数ずれ量である。
【0037】
ここで、発振回路1の音叉型水晶振動子は2次温度係数a、頂点温度Ztc、発振周波数ずれ量△f0が個々のバラツキを持っているが、温度補正演算回路5bは音叉型水晶振動子のバラツキを補正する補正データを内部の不揮発性メモリ(図示せず)に記憶しており、その記憶データに基づいて前述の計算式1を補正し発振周波数ずれ量を算出する(Sb13)。
【0038】
ここで例えば前述した如く、温度測定回路6からの温度データP9が温度t1を出力したとすると、温度補正演算回路5bは動作フローSb13で、計算式1の温度Tに温度t1を代入して演算を行い、図4(b)で示す如く温度t1における発振周波数ずれ量△f1(単位Hz)を算出する。
【0039】
次に、温度補正演算回路5bは動作フローSb13で算出した発振周波数ずれ量△f1から、基準周波数に対する周波数偏差を算出し温度補正データP10(単位ppm)として出力する(Sb14)。例えば、基準周波数を32,768Hzとすれば、温度補正データP10=△f1/32,768となる。
【0040】
次に湿度測定回路9の構成と動作フローを説明する。図5は湿度測定回路9の回路構成と動作特性を示し、図5(a)は湿度測定回路9の回路図であり、図5(b)は湿度測定回路9の発振周波数特性図であり、X軸は湿度でありY軸は対数目盛りで示した発振周波数である。まず図5(a)に於いて湿度測定回路9の回路構成を説明する。30はC−MOS構造のインバータ回路であり、インバータ回路30の入力端子30aから直列コンデンサ31と調整抵抗32と湿度センサ33が直列接続してインバータ回路30の出力端子30bに接続され発振回路が形成される。
【0041】
ここで湿度センサ33は、抵抗変化型湿度センサの一種である高分子抵抗変化型湿度センサを用いており、くし型電極33a上に感湿材料としての高分子膜33bを塗布した構造となっている。尚、湿度センサ33は感湿材料として多孔質表面のセラミックを用いたセラミック抵抗変化型湿度センサを用いても良い。
34は帰還抵抗であり、インバータ回路30の入力端子30aと出力端子30bを直流的に接続して負帰還をかけ、インバータ回路30の動作点を電源電圧の中点として安定させる。
【0042】
35は発振コンデンサでありインバータ回路30の入力端子30aと回路のGNDの間に配置され、発振回路の位相調整を行う。36はバッファ回路であり、その入力端子36aはインバータ回路30の出力端子30bと接続し、該出力端子30bから出力する発振信号を増幅して湿度パルス信号P20を出力する。37は湿度カウンタであり、クロック端子CLから湿度パルス信号P20を入力して出力端子Qより湿度データP7を出力する。
【0043】
38は湿度測定制御回路であり、時刻表示データP5を入力して湿度カウンタ37の計数動作を制御する湿度測定開始信号P21と、インバータ回路30とバッファ回路36への電源を制御する電源制御信号P22を出力する。湿度測定開始信号P21は湿度カウンタ37のゲート端子Gに入力し、電源制御信号P22はインバータ回路30とバッファ回路36の電源制御端子Kにそれぞれ入力する。
【0044】
次に図5(a)と図5(b)及び図3(b)に基づいて湿度測定回路9の動作と湿度補正値算出フローの詳細を説明する。湿度センサ33の感湿材料である高分子膜33bは、湿度が低い状態のときは水分子の吸着が少ないのでイオン濃度が低く電気的インピーダンスが高くなり、また、湿度が高い状態のときは水分子の吸着が多いのでイオン濃度が高く電気的インピーダンスが低くなる特性を有し、低湿度領域と高湿度領域ではインピーダンスの変化幅は4桁程度に及ぶ指数関数特性を示す。
【0045】
このため、高分子膜33bに覆われた湿度センサ33のくし型電極33aの両端子のインピーダンスは湿度変動に応じて大きく変化し、この結果、インバータ回路30の発振回路のインピーダンスが変化するので発振周波数も変化する。図5(b)は湿度測定回路9の湿度に対する発振周波数特性の一例を示しており、図示する如く、発振周波数は低湿度領域では低く、高湿度領域では高くなり指数関数的に変化する。
【0046】
ここで、湿度測定制御回路38に入力する時刻表示データP5の時間データが更新して図3(b)で示す湿度補正値算出フローが実行されると、湿度測定制御回路38からの電源制御信号P22が論理“1”となってインバータ回路30とバッファ回路36の電源制御端子Kに入力し、インバータ回路30とバッファ回路36に電源が供給される。
【0047】
この結果、インバータ回路30は湿度センサ33のインピーダンスに応じた発振周波数で発振を開始し、バッファ回路36は発振信号を増幅して湿度パルス信号P20を出力する。また、このタイミングに合わせて湿度測定制御回路38からの湿度測定開始信号P21が論理“1”となるので、湿度カウンタ37は湿度パルス信号P20の計数を開始し、発振周波数を読み込み湿度データP7として出力する(Sb31)。
【0048】
次に湿度補正演算回路5aは、発振周波数である湿度データP7を入力し、図5(b)に示した発振周波数特性から湿度データP7を実際の相対湿度に変換する(Sb32)。例えば、湿度データP7が1KHz位のときは湿度30%とし、湿度データP7が10KHz位のときは湿度60%とする。
【0049】
更に湿度補正演算回路5aは、変換した相対湿度からその時計の歩度湿度特性を記憶した不揮発性メモリ(図示せず)を参照して湿度補正データP8を算出し出力する(Sb33)。例えば、その時計の歩度湿度特性が前述した図10(b)であるとすると、湿度30%のときは歩度シフト量が約−0.1ppmであるので、湿度補正データP8は+0.1ppmを算出し、また、湿度60%のときは歩度シフト量が約−0.3ppmであるので、湿度補正データP8は+0.3ppmを算出する。
【0050】
尚、湿度センサ33は一般的に温度依存性があり、温度変化によっても湿度センサ33のインピーダンスが変化する場合がある。この温度依存性が無視できない場合は、湿度補正演算回路5aに温度測定回路6からの温度データP9を参照して、湿度データP7を温度によって補正する温度依存補正回路(図示せず)を搭載し、湿度センサ33の温度依存性を補正すればよい。
【0051】
次に図1と図3(c)に基づいて歩度補正信号の出力フローの詳細を説明する。歩度補正制御回路5cは温度補正データP10と湿度補正データP8を加算し、温度と湿度の両方に対応する温湿度補正データP15を算出し、内部に記憶する(Sb41)。
【0052】
次に内部に記憶した温湿度補正データP15を定数3.05で割り算し、商データと余りデータを算出する。尚、定数3.05は分周回路2で分周調整できる最小分解能の周波数偏差を表している(Sb42)。
【0053】
次に歩度補正制御回路5cは、動作フローSb42で算出した余りデータから第1の歩度補正信号として発振補正信号P11を生成し出力する。また、第2の歩度補正信号として動作フローSb42で算出した商データを分周補正データP12として出力する(Sb43)。
【0054】
次に発振補正信号P11を入力して発振周波数の調整を実施する発振回路1と発振周波数調整回路7aの詳細を説明する。図6は本発明の第1の実施形態である発振回路1と発振周波数調整回路7aの動作説明図であり、図6(a)は発振回路1と発振周波数調整回路7aの回路図であり、図6(b)は発振周波数調整回路7aを制御する発振補正信号P11のタイミングチャートである。図6(a)に於いて、発振回路1はC−MOS構造のインバータ回路10、音叉型水晶振動子11、帰還抵抗12、出力抵抗13、入力コンデンサ14、出力コンデンサ15によって構成される。
【0055】
次に発振回路1の動作を説明する。図6(a)に於いて、インバータ回路10は入力端子10aと出力端子10bに接続する帰還抵抗12によって負帰還がかかり、その動作点は電源電圧の中点となって、もっとも増幅率の高い状態で安定する。ここで発振回路1に電源が供給されると音叉型水晶振動子11は発振を開始し、これによって発振周波数に等しい発振信号がインバータ回路10の入力端子10aに入力され、インバータ回路10によって増幅された発振信号が出力端子10bより出力して音叉型水晶振動子11に供給される。
【0056】
この結果、音叉型水晶振動子11は発振を継続し、インバータ回路10の出力端子10bから音叉型水晶振動子11の発振周波数に等しい発振信号P1が出力する。また、入力コンデンサ14と出力コンデンサ15は、発振回路1の位相特性を調整するために設けられ、これらのコンデンサの容量値が変化すると、発振回路1の位相特性が変化するので発振信号P1の周波数も微妙に変化する。
【0057】
次に発振周波数調整回路7aの構成を説明する。図6(a)に於いて16は調整用コンデンサであり、17はC−MOS構造のアナログスイッチ(以下SWと略す)である。SW17のコントロール端子Cは前記発振補正信号P11が接続され、SW17の入力端子INは調整用コンデンサ16の一方の端子と接続し、SW17の出力端子OUTは回路のGNDに接続される。調整用コンデンサ16の他方の端子は前記発振切り替え信号P13として、発振回路1の音叉型水晶振動子11と出力抵抗13の接続点Aに接続される。
【0058】
次に発振周波数調整回路7aの動作を説明する。SW17はコントロール端子Cが論理“0”のときは、入力端子INと出力端子OUTが電気的に接続し、コントロール端子Cが論理“1”のときは入力端子INと出力端子OUTが電気的に遮断される。この結果、発振補正信号P11が論理“0”のときは、調整用コンデンサ16の一方の端子はSW17を介して回路のGNDに接続されるので、出力コンデンサ15に対して調整用コンデンサ16が並列接続されることになり、等価的に出力コンデンサ15の静電容量は調整用コンデンサ16の静電容量分が加わり増加する。また、発振補正信号P11が論理“1”のときは、調整用コンデンサ16は回路のGNDと遮断されるので、出力コンデンサ15の静電容量は増加しない。
【0059】
ここで発振補正信号P11の信号形態を説明する。発振補正信号P11は前述した如く、歩度補正制御回路5cが算出した温湿度補正データP15を定数3.05で割り算した余りデータから生成される。この余りデータは8ビットによってなり、その値をnとするとn=0〜255のいずれかとなる。ここで図6(b)は余りデータの値nが0、3、255のときのそれぞれの発振補正信号P11のタイミングチャートを示している。
【0060】
図6(b)で示す如く、余りデータがn=0のときは、発振補正信号P11は常に論理“0”であるので、出力コンデンサ15の等価的静電容量は最も大きいが、余りデータの値nが増加すると調整用コンデンサ16が遮断される期間(すなわち発振補正信号P11が論理“1”となる期間)が増加するので、出力コンデンサ15の等価的静電容量は減少する。更に、余りデータが最大値のn=255のときは、発振補正信号P11は連続したパルス信号となるので調整用コンデンサ16の遮断期間は最大となり、出力コンデンサ15の等価的静電容量は最小となる。
【0061】
ここで、発振回路1は出力コンデンサ15の静電容量が大きいと発振回路1の位相特性が変化して発振周波数は微少ではあるが低くなり、出力コンデンサ15の静電容量が小さくなるとその発振周波数は微少ではあるが高くなる。よって、余りデータがn=0のときの発振周波数とn=255のときの発振周波数の偏差が約3.05ppmになるように、調整用コンデンサ16の静電容量値を設定すれば、発振回路1は発振信号P1を約3.05ppm/255の分解能で、且つ、最大調整幅約3.05ppmで調整することが出来る。
【0062】
次に分周補正データP12を入力して分周比を調整する分周回路2と分周調整回路7bの詳細な回路構成と動作を説明する。図7は分周回路2と分周調整回路7bの回路図であり、図7に於いて、分周回路2は15段のフリップフロップ回路(以下FFと略す)によって構成され、初段のFF1のクロック入力端子Φには前記発振信号P1が入力され、最終段のFF15の出力端子Qからは計時信号P2が出力する。また、FF1〜FF5までのFFはセット入力端子Sを有している。
【0063】
分周調整回路7bは、5つのANDゲート20a〜20eによって構成され、ANDゲート20a〜20eの一方の入力端子は10秒信号P3を共通に入力し、他方の入力端子は5ビットの分周補正データP12を入力する。ANDゲート20a〜20eの5つの出力端子は5ビットの分周調整データP14を出力し、該分周調整データP14は前述の分周回路2のFF1〜FF5のセット入力端子Sに入力される。
【0064】
次に図7に基づいて分周回路2と分周調整回路7bの動作を説明する。周波数32,768Hzの発振信号P1がFF1のクロック入力端子Φに入力されると、FF1〜FF15は順次分周動作を行い、FF15の出力端子Qは1Hz信号である計時信号P2を出力する。また、分周調整回路7bのANDゲート20a〜20eは10秒信号P3を入力して10秒毎に分周補正データP12を通過させて分周調整データP14をFF1〜FF5に供給し、FF1〜FF5は分周調整データP14によってセット動作が実行される。
【0065】
ここで例えば、分周補正データP12の最下位ビットだけが論理“1”であった場合の動作を説明する。この場合は、10秒信号P3が論理“1”となった瞬間にANDゲート20aの出力、すなわち、分周調整データP14の最下位ビットだけが論理“1”となってFF1をセットする。FF1がセットされると、FF1の出力端子Qは直ちに論理“1”となるので、FF1の出力端子Qは1周期の半分だけ周期が短縮する。
【0066】
すなわちFF1の出力端子Qは発振信号P1を1段分周した1周期約61μSの分周信号であるので、FF1の出力端子Qの分周信号は1周期の半分の約30.5μSだけ10秒毎に短縮された信号となる。この結果、約30.5μS短縮された分周信号は、そのまま最終段のFF15まで分周し伝達されるので、計時信号P2も10秒毎に約30.5μS短縮された信号となり、その周波数偏差は約3.05ppmである。
【0067】
次に分周補正データP12の最上位ビットだけが論理“1”であった場合の動作を説明する。この場合は、10秒信号P3が論理“1”となった瞬間にANDゲート20eの出力、すなわち、分周調整データP14の最上位ビットだけが論理“1”となってFF5をセットする。FF5がセットされると、FF5の出力端子Qは直ちに論理“1”となるので、FF5の出力端子Qは1周期の半分だけ周期が短縮される。
【0068】
すなわちFF5の出力端子Qは発振信号P1を5段分周した1周期約977μSの分周信号であるので、FF1の出力端子Qの分周信号は1周期の半分の約488μSだけ10秒毎に短縮された信号となる。この結果、約488μS短縮された分周信号は、そのまま最終段のFF15まで分周し伝達されるので、計時信号P2も10秒毎に約488μS短縮された信号となり、その周波数偏差は約48.8ppmである。
【0069】
同様に、分周補正データP12のすべてのビットが論理“1”となると、計時信号P2は約94.6ppm分短縮された信号となる。このように、分周回路2は分周調整回路7bに入力される分周補正データP12のデータ量に応じて分周比を調整し、計時信号P2の歩度を調整分解能約3.05ppmで最大調整量約94.6ppmまで調整することが出来る。尚、この実施形態では、分周補正データP12のビット数を5ビットとしたが、ビット数はこれに限定されるものではなく、更に歩度調整幅を広げるためにビット数を増やすことも出来る。
【0070】
次に、発振回路1と分周回路2の両方の動作による歩度調整を説明する。前述した如く、分周回路2は調整分解能約3.05ppmで計時信号P2の歩度を調整できるが、3.05ppm以下の調整は、発振回路1により調整することが出来る。すなわち、発振回路1の出力である発振信号P1を調整する発振補正信号P11は、前述した如く、温湿度補正データP15を3.05で割り算した余りデータより生成するので、発振回路1は分周回路2で調整することの出来ない3.05ppm以下の調整を受け持ち、その調整分解能は、余りデータが8ビットであれば3.05ppm/255となり非常に高い分解能で歩度調整を実現することが出来る。
【0071】
尚、分周回路2は10秒信号P3によって10秒毎にFF1〜FF5を分周調整データP14でセットし歩度調整するが、このセットの時間間隔は10秒に限定されることはない。例えば、100秒信号や1000秒信号を生成し、100秒毎や1000秒毎の時間間隔で分周調整データP14をセットすれば、分周回路2での調整分解能は、10秒信号P3による調整分解能約3.05ppmの1/10または1/100にすることが可能である。また、このように長いセット時間間隔を用いるならば、分周回路2だけで高い分解能の歩度調整が実現できるので、発振回路1の発振周波数を調整する発振周波数調整手段を不要とすることも可能である。
【0072】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、歩度補正制御部5は温度測定回路6からの温度データP9に基づいて温度補正データP10を算出すると共に、湿度測定回路9からの湿度データP7に基づいて湿度補正データP8を算出し、この温度補正データP10と湿度補正データP8に基づいて発振補正信号P11と分周補正データP12とをそれぞれ出力し、また、歩度調整部7は前記発振補正信号P11と分周補正データP12によって発振回路1と分周回路2を制御し、基準信号としての発振信号P1と計時信号P2の歩度を高分解能で調整し補正するので、温度変化に対する歩度の補正と共に、気候の推移や時計の周囲環境による湿度変動に対する歩度の変化を補正した高精度な電子時計を実現できる。
【0073】
また、湿度測定回路9の湿度センサ33は、高分子抵抗変化型湿度センサやセラミック抵抗変化型湿度センサを用いたが、このタイプに限定されることはない。例えば、静電容量の変化で湿度変化を検出する静電容量変化型湿度センサの一種である高分子静電容量変化型湿度センサを用いてもよく、この高分子静電容量変化型湿度センサは容量変化率が小さいために湿度測定回路が複雑になるという欠点はあるが、湿度変化に対する容量変化のリニアリティが優れており、また、相対湿度0%からの測定が出来るという利点がある。
【0074】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図8は本発明の第2の実施の形態である電子時計の構成を示す回路ブロック図であり、第1の実施の形態と同一要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。図8で示す如く、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態で有していた温度測定回路6と、歩度補正制御部5の温度補正演算回路5bを削除したものである。
【0075】
すなわち、測定手段としては湿度測定回路9だけが存在し、歩度補正制御部5は湿度測定回路9からの湿度データP7のみを入力して湿度補正演算回路5aで湿度補正データP8を算出し、歩度補正制御回路5cは、湿度補正データP8のみの情報に基づいて歩度補正信号としての発振補正信号P11と分周補正データP12を出力する。歩度調整部7は、発振補正信号P11と分周補正データP12を入力して基準信号発生手段としての発振回路1と分周回路2を制御し、基準信号としての発振信号P1と計時信号P2の歩度を調整し、湿度変動に応じた歩度の変化を補正する。
【0076】
この第2の実施の形態を導入する環境としては、年間を通じて温度(気温)変化がほとんど無く、湿度変化のみ有る場合が考えられる。また、温度特性のすぐれた発振回路を用いることによっても、この様な実施形態の導入は可能である。以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、測定手段としては湿度測定手段のみで温度測定手段が無く、また、歩度補正制御部も簡略化できるので、部品点数や製造検査工数の削減等が可能であり、更には、温度測定動作フローが不必要なために消費電力の低減も可能であり、低価格で且つ、低電力の高精度な電子時計を提供することが出来る。
【0077】
尚、本発明の実施形態に於いて、それぞれの機能はマイクロコンピュータによるプログラムによって実現することも可能であるので、第1の実施形態や第2の実施形態の構成に限定されるものではない。また、発振回路1は一般的な時計用水晶振動子である音叉型水晶振動子を用いたが、これに限定されることはなく、温度特性にすぐれたAT型水晶振動子などを用いてもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、湿度測定手段からの湿度情報に基づいて歩度補正制御手段が歩度補正信号を出力し、該歩度補正信号に基づいて歩度調整手段が基準信号発生手段を制御して基準信号の歩度を調整するので、時計の周囲環境の変化等による湿度変動に対する歩度の変化を最小限に抑えた、きわめて高精度な電子時計を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子時計の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態である電子時計の歩度補正動作の全体手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態である電子時計の歩度補正動作の主要な各動作フローの詳細を示すフローチャートであり、図3(a)は温度補正値算出フローチャートであり、図3(b)は湿度補正値算出フローチャートであり、図3(c)は歩度補正信号の出力フローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態である温度測定回路6に内蔵する温度センサの発振周波数特性と発振回路1の水晶振動子の発振周波数温度特性の関係図であり、図4(a)は温度センサの発振周波数特性図であり、図4(b)は発振回路1の発振周波数温度特性図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態である湿度測定回路9の回路構成と動作特性を示し、図5(a)は湿度測定回路9の回路図であり、図5(b)は湿度測定回路9の発振周波数特性図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態である発振回路1と発振周波数調整回路7aの説明図であり、図6(a)は発振回路1と発振周波数調整回路7aの回路図であり、図6(b)は発振周波数調整回路7aを制御する発振補正信号P11のタイミングチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態である分周回路2と分周調整回路7bの回路図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態である電子時計の構成を示す回路ブロック図である。
【図9】従来の音叉型水晶振動子の発振周波数の温度特性図である。
【図10】従来の温度補償付電子時計の歩度変化特性図であり、図10(a)は1年間の歩度変化特性図であり、図10(b)は歩度の湿度特性図である。
【符号の説明】
1 発振回路
2 分周回路
3 計時部
3a 時刻計時回路
3b カレンダ回路
4 表示部
5 歩度補正制御部
5a 湿度補正演算回路
5b 温度補正演算回路
5c 歩度補正制御回路
6 温度測定回路
7 歩度調整部
7a 発振周波数調整回路
7b 分周調整回路
8 電源部
9 湿度測定回路
10、30 インバータ回路
11 音叉型水晶振動子
12、34 帰還抵抗
13 出力抵抗
14 入力コンデンサ
15 出力コンデンサ
16 調整用コンデンサ
17 アナログスイッチ
20a、20b、20c、20d、20e ANDゲート
31 直列コンデンサ
32 調整抵抗
33 湿度センサ
33a くし型電極
33b 高分子膜
35 発振コンデンサ
36 バッファ回路
37 湿度カウンタ
38 湿度測定制御回路
P1 発振信号
P2 計時信号
P3 10秒信号
P4 日信号
P5 時刻表示データ
P6 カレンダ表示データ
P7 湿度データ
P8 湿度補正データ
P9 温度データ
P10 温度補正データ
P11 発振補正信号
P12 分周補正データ
P13 発振切り替え信号
P14 分周調整データ
P20 湿度パルス信号
P21 湿度測定開始信号
P22 電源制御信号

Claims (6)

  1. 基準信号を発生する基準信号発生手段と、湿度を測定する湿度測定手段と、該湿度測定手段からの湿度情報に基づき歩度の補正値を算出し歩度を補正する歩度補正信号を出力する歩度補正制御手段と、該歩度補正制御手段からの歩度補正信号に基づき前記基準信号発生手段の基準信号の歩度を調整する歩度調整手段とを有することを特徴とする電子時計。
  2. 前記基準信号発生手段は、前記基準信号としての発振信号を出力する発振部と、前記発振信号を分周して前記基準信号としての計時信号を出力する分周部と、より成ることを特徴とする請求項1記載の電子時計。
  3. 更に、温度を測定する温度測定手段を有し、前記湿度測定手段からの湿度情報と前記温度測定手段からの温度情報とに基づく歩度を補正する歩度補正信号を出力し、該歩度補正信号に基づき歩度調整する様に構成したことを特徴とする請求項2記載の電子時計。
  4. 前記歩度調整手段は発振周波数調整手段と分周調整手段とにより構成され、前記発振周波数調整手段は前記歩度補正制御手段からの第1の歩度補正信号を入力して前記発振部からの発振信号を調整し、前記分周調整手段は前記歩度補正制御手段からの第2の歩度補正信号を入力して前記分周部の分周比を調整して前記計時信号の歩度調整を行う様に構成したことを特徴とする請求項2又は3記載の電子時計。
  5. 前記湿度測定手段は、抵抗変化型湿度センサ、もしくは、静電容量変化型湿度センサを有することを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の電子時計。
  6. 基準信号を発生する工程と、湿度情報を測定する工程と、前記湿度情報に基づき歩度の補正値を算出する工程と、前記歩度の補正値に基づき前記基準信号の歩度を調整する工程とを有することを特徴とする電子時計の制御方法。
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