JP2004204724A - 車両用エンジンの自動停止・始動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ内の基準圧を路面勾配に応じて変更してブレーキブースタの機能の十全な確保とアイドルストップの目的の十分な達成とを両立させることを課題とする。
【解決手段】停車時にエンジン停止条件が成立したときはエンジン10を自動的に停止させ、その後エンジン始動条件が成立したときはエンジン10を自動的に始動させるアイドルストップ車両1において、ブレーキペダル71とマスタシリンダ73との間にエンジン10の吸入負圧を利用したブレーキブースタ72を設け、エンジン10の自動停止中に上記ブレーキブースタ72に導入される負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときはエンジン10を強制的に始動させる。上記基準圧は、路面勾配が急なときは緩やかなときに比べて低くする。
【選択図】 図1
【解決手段】停車時にエンジン停止条件が成立したときはエンジン10を自動的に停止させ、その後エンジン始動条件が成立したときはエンジン10を自動的に始動させるアイドルストップ車両1において、ブレーキペダル71とマスタシリンダ73との間にエンジン10の吸入負圧を利用したブレーキブースタ72を設け、エンジン10の自動停止中に上記ブレーキブースタ72に導入される負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときはエンジン10を強制的に始動させる。上記基準圧は、路面勾配が急なときは緩やかなときに比べて低くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両停車時にエンジンを自動的に停止させ、また始動させる、いわゆるエンジンのアイドルストップの技術分野に属し、特に、エンジンの自動停止に伴い、エンジンの吸入負圧を利用して運転者の制動操作を助勢するブレーキブースタ内の負圧が高くなったときは、エンジンの吸入負圧を発生させるべくエンジンを強制的に始動させる技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃費の向上や、環境汚染物質あるいは二酸化炭素等の排出低減、及び騒音の抑制等を図るため、車両の停車時に、所定のエンジン停止条件(例えばブレーキペダルが踏み込まれていることや、アクセルペダルが踏み込まれていないこと等)が成立したときは、エンジンを自動的に停止させ、その後、所定のエンジン始動条件(例えばブレーキペダルが踏み込まれていないことや、アクセルペダルが踏み込まれていること等)が成立したときには、エンジンを自動的に始動させる、いわゆるアイドルストップ車両が知られている。
【0003】
また、運転者の制動操作を助勢するため、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にエンジンの吸入負圧を利用したブレーキブースタ(倍力装置)が設けられることがある。しかし、車両の停車時に、上記のようにアイドルストップがかかると、エンジンが自動停止するから、それに伴い、エンジンの吸入負圧も発生しなくなり、その結果、ブレーキブースタ内の負圧が大気圧に向けて徐々に高くなっていき(負圧の度合いが小さくなっていき)、車両停車中の運転者の制動操作の負担(ブレーキペダルの踏力等)が増加してしまう。
【0004】
そこで、従来、ブレーキブースタに導入される負圧(ブレーキブースタ負圧)の値を検出するセンサを設け、エンジンの自動停止中に、該センサで検出されるブレーキブースタ負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときには、上記エンジン始動条件が未成立であっても、アイドルストップをそこで中止し、エンジンを強制的に始動させることが提案されている(特許文献1参照)。そうすれば、エンジンの吸入負圧が再び発生し、ブレーキブースタによる制動操作の助勢が十全に確保される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−12272号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、エンジンを強制始動(アイドルストップを強制解除)させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、大気圧に応じては変更するものの、路面勾配に応じては変更しないので、次のような不具合が発生する。すなわち、車両が停車し、エンジンが自動停止するときの路面勾配は、状況に応じてまちまちであり、その結果、例えば上り坂や下り坂等、路面勾配のあるところでは、平坦路等、路面勾配のないところに比べて、運転者はブレーキペダルをより強く大きく踏み込んで、より大きな制動力を要求する傾向にある。実際、路面が急勾配であるところ(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がきついところ)で車両が停車し、エンジンが自動停止したときは、路面が緩勾配であるところ(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がゆるいところ)で車両が停車し、エンジンが自動停止したときに比べて、制動力を大きくしなければ、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する可能性がある。
【0007】
ところが、上記従来技術のように、エンジンを強制始動させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を路面勾配に拘らず一律としていると、路面勾配が急なところでは、その基準圧が高過ぎて(負圧の度合いが小さくなり過ぎて)、エンジンの強制始動のタイミングが遅れ気味となる。その結果、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が遅れ気味となって、制動力が不足気味となり、上記の車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられない。一方、路面勾配が緩やかなところでは、その基準圧が低過ぎて、エンジンの強制始動のタイミングが早まり気味となる。その結果、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等のアイドルストップ本来の目的が減損する。
【0008】
そこで、本発明は、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更し、もって、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを両立させることを主たる課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にエンジンの吸入負圧を利用したブレーキブースタが設けられ、該ブレーキブースタに導入される負圧を検出するブレーキブースタ負圧検出手段と、車両停車時に所定のエンジン停止条件が成立したときはエンジンを自動的に停止させ、その後、所定のエンジン始動条件が成立したときはエンジンを自動的に始動させるエンジン自動停止・始動手段と、エンジンの自動停止中に上記検出手段で検出されるブレーキブースタ負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときはエンジンを強制的に始動させるエンジン強制始動手段とを有する車両用エンジンの自動停止・始動装置であって、路面勾配に関連する値を検出する路面勾配関連値検出手段と、該検出手段で路面が急勾配であると検出されたときは、緩勾配であると検出されたときに比べて、上記所定基準圧を低くする基準圧変更手段とが備えられていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更するから、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが両立する。より詳しくは、路面勾配が急であるときは、緩やかであるときに比べて、上記基準圧を低くするから、アイドルストップ解除のタイミングが早められる。その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタの機能が十全に確保され、路面勾配が急なところで、車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられる。一方、路面勾配が緩やかであるときは、急であるときに比べて、上記基準圧を高くするから、アイドルストップ解除のタイミングが遅められる。その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、路面勾配が緩やかなところで、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、車両の積載重量に関連する値を検出する積載重量関連値検出手段が備えられ、基準圧変更手段は、上記検出手段で積載重量が大きいと検出されたときは、小さいと検出されたときに比べて、所定基準圧を低くすることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に加えて、積載重量に応じても変更するから、次のような作用効果が追加される。すなわち、積荷や乗員が多く、積載重量が大きいときは、そうでないときに比べて、運転者は、やはりブレーキペダルをより強く大きく踏み込んで、より大きな制動力を要求する傾向にある。実際、路面勾配のあるところ(上り坂、下り坂を問わない)で車両が停車し、エンジンが自動停止した場合に、積載重量が大きいときは、積載重量が小さいときに比べて、制動力を大きくしなければ、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する可能性が高くなる。
【0013】
そこで、この発明では、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、積載重量に応じても変更することで、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを、さらに確実に両立させるようにしたものである。より詳しくは、積載重量が大きいときは、小さいときに比べて、上記基準圧を低くするから、アイドルストップ解除のタイミングが早められる。その結果、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタの機能が十全に確保され、積載重量が大きいときに、車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられる。一方、積載重量が小さいときは、大きいときに比べて、上記基準圧を高くするから、アイドルストップ解除のタイミングが遅められる。その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、積載重量が小さいときに、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載の発明において、車両停車時に車両の移動を阻止する制動力を保持する制動力保持手段と、車両発進時に上記保持した制動力を低減する制動力低減手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、車両の停車時には、車両の移動を阻止する制動力が保持されるから、車両停車後、アイドルストップがかかったときに、たとえサイドブレーキを引かないまま、運転者のブレーキペダルの踏込みが知らず知らずのうちに弱まったとしても、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する、というような不具合が回避される。また、車両の発進時には、上記保持した制動力が低減されるから、ブレーキの引摺り感のない、円滑・良好な車両の発進が図られる。以下、実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両であって、車体前部のエンジンルーム内に、エンジン10が横置きに配置され、該エンジン10にトルクコンバータ20を介して変速機30が接続されている。そして、該変速機30の出力が差動装置40を経由して左右の前輪61,62に伝達される。この車両1は、燃費の向上や、環境汚染物質あるいは二酸化炭素の排出低減、及び騒音の抑制等を図る、いわゆるアイドルストップ車両であって、エンジン10の始動用のスタータモータ50を備える。
【0017】
この車両1のブレーキシステムは、本実施形態においては、周知のディスク式ブレーキを採用している。すなわち、運転者のブレーキペダル71の踏力が、エンジン10の吸気管内の負圧(吸引負圧)を利用したブレーキブースタ(倍力装置)72で助勢されて、マスタシリンダ73に伝達され、上記踏力に応じたブレーキ液圧が発生する。ブレーキ液圧は、ブレーキ液圧通路74,75を通って、各車輪61〜64のキャリパ76〜76に内蔵されたホイルシリンダに伝達され、各車輪61〜64と一体回転するディスク77〜77をパッドが挟み込んで制動力が発生する。もちろん、ディスク式ブレーキに限らず、他にも、各車輪と一体回転するドラムにシューが押し付けられて制動力が発生するドラム式ブレーキ、同じく各車輪と一体回転するドラムをバンドで締め付けて制動力が発生するバンド式ブレーキ等を採用してもよい。
【0018】
上記マスタシリンダ73は、吐出口を2つ有するタンデム型であり、ブレーキ液圧通路74,75は、本実施形態においては、クロス方式(X配管方式)である。すなわち、マスタシリンダ73の各吐出口から延びる液圧通路74,75がそれぞれ途中で2つに分岐して、一方の通路(第1の通路)74は、左前駆動輪61のキャリパ76及び右後従動輪64のキャリパ76に至り、他方の通路(第2の通路)75は、右前駆動輪62のキャリパ76及び左後従動輪63のキャリパ76に至る。もちろん、クロス方式に限らず、他にも、一方の通路が左右の前輪に、他方の通路が左右の後輪に至る、前後分割方式であってもよい。
【0019】
各ブレーキ液圧通路74,75に電磁弁80,90が配設されている。図2及び図3に第1の電磁弁80を例に取って明示したように、この電磁弁80は、DCソレノイドを用いたノーマルオープン型のオンオフ電磁弁である。コイル81に電流が流されていないオフ時には、図2に示したように、プランジャ82がスプリング83で付勢されて液圧通路74から退避する。これにより、電磁弁80を挟んで位置するマスタシリンダ73側の液圧通路(上流側通路)74aと、キャリパ76側(ホイルシリンダ側)の液圧通路(下流側通路)74bとが完全に連通し、液圧通路74が全開となる。一方、コイル81に電流が流されたオン時には、図3に示したように、プランジャ82がスプリング83を縮めながら液圧通路74に進出する。これにより、上流側通路74aと下流側通路74bとが完全に遮断され、液圧通路74が全閉となる。
【0020】
ただし、DCソレノイドに流す電流をPWM(パルス幅変調)方式でデューティ制御することにより、上記電磁弁80を比例制御弁のごとく用いることが可能である。デューティ制御におけるデューティ値(1オンオフ周期あたりのオン時間の比率)を変化させることにより、上流側通路74aと下流側通路74bとの連通度を変化させ、下流側通路74bのブレーキ液圧(制動力)を制御することができる。なお、電磁弁80がオフのときのデューティ値は0%、オンのときのデューティ値は100%である。
【0021】
図2に示したように、通常は、電磁弁80はオフで、液圧通路74は全開である。ブレーキペダル71が踏み込まれると、該ペダル70の操作ロッド71aがブレーキブースタ72の弁付ロッド72aを押し、該弁付ロッド72aがプッシュロッド72bを押し、該プッシュロッド72bがマスタシリンダ73のピストン73aを押す。ブレーキブースタ72の内部はダイヤフラム72cで2つの室72d,72eに仕切られている。ダイヤフラム72cはプッシュロッド72bに連結されている。
【0022】
ブレーキペダル71が踏み込まれていない図2の状態では、第1室72d及び第2室72e共に、吸引負圧(ブレーキブースタ負圧)が作用している。しかし、ブレーキペダル71が踏み込まれた図3の状態では、第1室72dへの負圧の作用が停止すると共に、弁付プランジャ72aの移動に伴い、第1室72dへ大気圧が導入される。これにより、運転者のブレーキペダル71の踏力が、第1室72d側から第2室72e側へ助勢される。このとき、マスタシリンダ73のピストン73aは、図外の第2通路75用のピストンとの間に介設されたスプリング73eを縮める。
【0023】
マスタシリンダ73においては、ピストン73aがリザーバ73bのリリーフポート73cを横切った瞬間から、加圧室73d内のブレーキ液圧が上昇する。そして、その加圧されたブレーキ液圧が液圧通路74に吐出され、電磁弁80を経てホイールシリンダに到達する(図2の矢印参照)。この状態で電磁弁80がオンとなって液圧通路74が全閉となると、下流側通路74bには、上記加圧されたブレーキ液圧が残る。この状態では、たとえブレーキペダル71の踏込みが戻されても、下流側通路74bの制動力は低下しない(図3の矢印参照)。
【0024】
例えば、ピストン73aがリザーバ73bのリリーフポート73cの位置まで戻る間は、上流側通路74aには過渡的に負圧が発生し、ピストン73aは比較的緩慢に戻る。その結果、上流側通路74aのブレーキ液圧は緩慢に低下する。しかし、ピストン73aがリリーフポート73cの位置まで戻った後は、上流側通路74aはリザーバ73bと連通し、ピストン73aは速やかに戻る。その結果、上流側通路74aのブレーキ液圧は速やかに大気圧(残圧)まで低下する。そして、いずれにおいても、このように上流側通路74aのブレーキ液圧が低下していく間、下流側通路74bのブレーキ液圧は、プランジャ82及び逆止弁84に遮られて、一緒に低下することがない。
【0025】
なお、電磁弁80がオンとなって液圧通路74が全閉となった後、ブレーキペダル71が踏み増しされると、その踏増し分は、上記逆止弁84を介して下流側通路74bに導入され、該下流側通路74bのブレーキ液圧は増圧される。
【0026】
以上が、マスタシリンダ73とホイルシリンダとを結ぶブレーキ液圧通路74,75に電磁弁80,90が設けられた、このブレーキシステムの基本的な動作である。いまは、第1液圧通路74及び第1電磁弁80を例に取り説明したが、第2液圧通路75及び第2電磁弁90についても同様である。
【0027】
図4に示すように、この車両1には、エンジン10の燃料噴射弁11…11、点火栓12…12、及びスタータモータ50を制御するアイドルストップ用のコントロールユニット100と、上記電磁弁80,90を制御するヒルホールド用のコントロールユニット200とが搭載されている。アイドルストップコントロールユニット(ISECU)100は、ブレーキペダルが踏み込まれたときにオンとなるブレーキスイッチ110の信号、エンジン10のスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ120の信号、車速を検出する車速センサ130の信号、選択されたレンジを検出するレンジスイッチ140の信号、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ150の信号、ブレーキペダル71とマスタシリンダ73との間に介設された上記ブレーキブースタ72に導入されるブレーキブースタ負圧を検出するブースタ負圧センサ160の信号、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転センサ170の信号、等を入力する他、積荷・乗員入力キー180を介して入力された積荷や乗員等の車両1の積載重量に関連する値の信号、及び路面勾配を検出する傾斜角センサ210の信号を入力する。ヒルホールドコントロールユニット(HHECU)200は、上記エンジン回転センサ170の信号、上記傾斜角センサ210の信号、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ220の信号、等を入力する他、ISECU100からアイドルストップフラグ信号を入力する。
【0028】
ここで、上記積荷・乗員入力キー180は、例えば運転席に設けられている。運転者は、この入力キー180を使って、乗員数(例えば同乗者がいなければ1人:60kg等)をインプットし、また積荷があれば、その積荷の重量もインプットする。可能であれば、車両1に重量検出装置を備えて、ISECU100が自動的に積荷や乗員等の車両1の全積載重量を自動計量するようにしてもよい。
【0029】
図5に、ISECU100が行うアイドルストップ制御の具体的動作の1例をフローチャートで示す。まず、ステップS11で、初期化を行ったうえで、ステップS12〜S17で、各種の判定を行い、すべてYESのとき(すなわち、車両停車時に所定のエンジン停止条件が成立したとき)に、ステップS18で燃料噴射を停止し、かつステップS19で火花点火を停止して、エンジン10を自動停止する。そして、ステップS20で、エンジン10が自動停止中であることを示すため、アイドルストップフラグを1にセットした後、ステップS12に戻る。
【0030】
この例では、ブレーキスイッチ110がオンであること(ステップS12)、スロットル弁が全閉であること(ステップS13)、車速がゼロであること(ステップS14)、選択されたレンジがDレンジ又はNレンジであること(ステップS15)、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも低いこと(ステップS16)、及び他の禁止条件が成立していないこと(ステップS17)、がアイドルストップ条件とされている。ここで、上記ステップS17の他の禁止条件には、例えばエンジン水温が所定温度よりも低いことや、エアコン等が作動していて電気的負荷が大きいこと、等が含まれる。
【0031】
また、上記ステップS16で、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも低いことを、アイドルストップ条件の1つとしたのは、エンジン10がアイドルストップし、エンジン10の吸入負圧が発生しなくなり、その結果、ブレーキブースタ負圧が大気圧に向けて徐々に高くなっていき(ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなっていき)、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも高くなると、ブレーキブースタ72の助勢力が減少して、運転者の制動操作の負担(ブレーキペダル71の踏力等)が増加してしまうから、そのような不具合を未然に防止するためである。すなわち、上記ステップS16の判定は、エンジン10を強制始動(アイドルストップを強制解除)させるか否かの判定である。また、上記基準圧Pは、そのようにエンジン10を強制始動させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧である。
【0032】
その場合に、上記基準圧Pは、図6に示すように、路面勾配に応じて変更される。その結果、ブレーキブースタ72の機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが両立する。より詳しくは、路面勾配が急(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がきつい、という意味)であるときは、緩やか(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がゆるい、という意味)であるときに比べて、上記基準圧Pは低く(ブレーキブースタ負圧の度合いとしては大きく)される。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが早められ、その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタ72による制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタ72の機能が十全に確保され、路面勾配が急なところで、制動力が不足気味となって、車両1が路面勾配により不測に移動する、というような不具合が回避される。
【0033】
一方、路面勾配が緩やかであるときは、急であるときに比べて、上記基準圧Pは高く(ブレーキブースタ負圧の度合いとしては小さく)される。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが遅められ、その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、路面勾配が緩やかなところで、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0034】
また、上記基準圧Pは、図6に示すように、積載重量に応じても変更される。その結果、ブレーキブースタ72の機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが、さらに確実に両立する。より詳しくは、積載重量が大きいときは、小さいときに比べて、上記基準圧Pは低くされる。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが早められ、その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタ72による制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタ72の機能が十全に確保され、積載重量が大きいときに、制動力が不足気味となって、車両1が路面勾配により不測に移動する、というような不具合が回避される。
【0035】
一方、積載重量が小さいときは、大きいときに比べて、上記基準圧Pは高くされる。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが遅められ、その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、積載重量が小さいときに、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0036】
図5に戻り、上記ステップS12〜S17で、アイドルストップ条件が1つでも満足されないときは、ステップS21で、アイドルストップフラグが1か否かを判定し、YESのとき(アイドルストップ中であるとき)は、ステップS22で燃料噴射を実行(再開)し、ステップS23で火花点火を実行(再開)し、かつステップS24でスタータモータ50をオンとして、エンジン10を自動始動(自動再始動)する。そして、ステップS25で、エンジン10が自動停止中でないことを示すため、アイドルストップフラグを0にリセットした後、ステップS26で、エンジン10の完爆を確認したとき(例えばエンジン回転数が500rpmまで上昇したとき)に、ステップS27で、スタータモータ50をオフとして、ステップS12に戻る。また、ステップS21でNOのとき(アイドルストップ中でないとき)は、そのままステップS12に戻る。
【0037】
このようなISECU100の動作に呼応して、HHECU200は、図7にフローチャートで例示した動作(ヒルホールド制御動作)を行う。まず、ステップS31で、初期化を行ったうえで、ステップS32で、アイドルストップフラグが1か否かを判定し、YESのとき(アイドルストップ中であるとき)は、ステップS33で、ヒルホールド制御弁80,90を全閉(オン)とする(そのためには、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値を100%とする)。そしてリターンする。このようにヒルホールド制御弁80,90を全閉とすることにより、運転者が車両1の停車の際に要求した制動力(ブレーキ液圧)が下流側通路74b,75bに残り、車両1の停車中は、該車両1の移動を阻止する制動力(ブレーキ液圧)が保持される。
【0038】
一方、ステップS32でNOのとき(アイドルストップ中でないとき)は、ステップS34で、路面が上り勾配か否かを判定し、YESのときは、ステップS35で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を上り勾配用の減衰値(X)に設定する。上記ステップS34でNOのとき(上り勾配でないとき)は、ステップS36で、路面が下り勾配か否かを判定し、YESのときは、ステップS37で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を下り勾配用の減衰値(Y)に設定する。上記ステップS36でNOのとき(上り勾配でも下り勾配でもないとき)は、ステップS38で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を平坦路用の減衰値(Z)に設定する。
【0039】
ここで、上り勾配用減衰値(X)は3つのなかで最も小さく、下り勾配用減衰値(Z)は3つのなかで最も大きく、平坦路用減衰値(Z)はその間の値である。すなわち、路面が上り勾配のときは、アイドルストップ中保持していた制動力を低減する速度を最も小さくし、路面が下り勾配のときは、アイドルストップ中保持していた制動力を低減する速度を最も大きくする。
【0040】
そして、いずれの場合も、ステップS40で、車両1の停車中保持していた上記デューティ値(最初は100%)を、各減衰値(X),(Y)又は(Z)で徐々に減少させていくのであるが、路面が上り勾配のときは、ステップS39で、エンジン10の完爆を確認するまで(例えばエンジン回転数が500rpmまで上昇するまで)は、ステップS33に進んで、デューティ値100%(全閉)を保持する。そして、エンジン10の完爆を確認したときに初めて(つまり、エンジンの自動始動後、クリープ力が車両を移動させることが可能な大きさまで増大したタイミングで)、ステップS40に進んで、デューティ値を最小減衰値(X)で最もゆっくりと減衰させる。これに対し、路面が下り勾配又は平坦路のときは、エンジン10の完爆を待つことなく、アイドルストップフラグが0にリセットされた時点で直ちに(つまり、エンジンの自動始動と同じタイミングで)、ステップS40に進んで、デューティ値を最大減衰値(Y)で最も速やかに減衰させる(下り勾配のとき)。あるいは中間減衰値(Z)で速やかに減衰させる(平坦路のとき)。
【0041】
次いで、ステップS41で、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧が、所定の微小液圧(例えば大気圧(残圧)より少し高い液圧:この例では0.3MPa)以下か否かを判定し、NOと判定されるうちは、そのままリターンし、YESと判定されたときは、ステップS42で、ヒルホールド制御弁80,90を全開(オフ)とする(そのためには、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値を一気に0%とする)。そしてリターンする。
【0042】
以上のような制御動作で得られる作用を図8のタイムチャートを参照して説明する。いま、運転者がブレーキペダル71を踏み込んで、時刻t1に、車速がゼロになり、車両1が停車したとする。アイドルストップ条件が成立し、アイドルストップがかかり、アイドルストップフラグが1にセットされる。これに伴い、エンジン回転数がアイドル回転数Niからゼロになる。また、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値(Duty値)が100%(オン:全閉)に設定される。これにより、車両1の移動を阻止する制動力が保持される。
【0043】
この状態で、車両1の停車後、サイドブレーキを引かないまま、運転者のブレーキペダル71の踏込みが知らず知らずのうちに弱まったとしても(ブレーキ操作量の実線)、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧は低下しない。したがって、たとえ車両1が上り坂で停車していても不測に後退することが防がれ、また下り坂で停車していても不測に前進することが防がれる。つまり、アイドルストップ車両では、エンジン10の自動始動性を高めるため、アイドルストップがかかると、変速機30の動力伝達経路はPレンジやNレンジのときのように遮断状態とされるから、下流側通路74b,75bに制動力を保持しておかないと、車両1が路面勾配によって不用意に動き出してしまうのである。
【0044】
もちろん、車両1の停車中、及びエンジン10のアイドルストップ中、鎖線で例示したように、ブレーキ操作量が減少しなければ、ブレーキ液圧通路74,75のブレーキ液圧もまた低下することがなく、運転者が車両1の停車の際に要求した制動力がそのまま保持されて、車両1は、ヒルホールド制御弁80,90によってではなく、運転者の継続的な制動操作によって、確実に移動が防がれる。
【0045】
そして、その後、運転者が発進しようとして、ブレーキペダル71の踏込みを解除し、アクセルペダルの踏込みを開始する等、エンジン始動条件が成立すると、アイドルストップが解除され、アイドルストップフラグが0にリセットされる(時刻t2)。これに伴い、エンジン回転数が上昇を始める。その場合に、特に、路面が上り勾配のときは、実線で例示したように、エンジン10が完爆し、エンジン回転数がアイドル回転数Ni(500rpm)まで上昇する時刻t3までは、デューティ値は100%に保持されて、ブレーキ液圧は、車両1の移動を阻止する値(制動力)に保持される。これにより、エンジン回転数がアイドル回転数Niまで上昇した時刻t3に、車両1がクリープ力により前進する、というような不具合が防がれる。
【0046】
そして、符号アで例示したように、エンジン10が完爆し、エンジン回転数がアイドル回転数Niまで上昇した時刻t3に、上記デューティ値が最小減衰値(X)で最もゆっくりと減衰されて、制動力が最もゆっくりと低減される。これにより、車両1は後退することなく円滑・良好に発進する。なお、図8の車速は、この路面が上り勾配のときの変化を例示している。
【0047】
一方、路面が下り勾配のときは、破線(イ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値が最大減衰値(Y)で最も速やかに減衰されて、制動力が最も速やかに低減される。これにより、車両1はブレーキの引摺り感なく円滑・良好に発進する。また、路面が平坦路のときは、破線(ウ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値が中間の減衰値(Z)で速やかに減衰されて、制動力が速やかに低減される。これにより、車両1はほどよい加速感で円滑・良好に発進する。
【0048】
なお、路面が下り勾配のとき、破線(エ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値を徐々にではなく一気にゼロまで低下させてもよい。これにより、ブレーキの引摺り感がほとんどなくなり、車両1は下り坂によって一層円滑・良好に前進する。
【0049】
なお、ヒルホールド制御弁80,90として、例えばDCソレノイドを用いた比例制御弁等を採用することも可能である。ただし、上記オンオフ電磁弁80,90は比例制御弁等に比べて安価であるから、上記オンオフ電磁弁80,90を用いた上記実施形態に係る車両1のブレーキシステムはコストが抑制できるという利点がある。
【0050】
【発明の効果】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更するようにしたから、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを両立させることが可能となった。本発明は、アイドルストップ車両等の低公害型車両あるいは環境対応型車両に用いて好適であり、自動車等の車両用のエンジンの技術分野一般において、幅広い産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両のパワートレイン及びブレーキシステムを示す全体構成図である。
【図2】上記ブレーキシステムの基本的な動作を説明する拡大構成図であって、ブレーキペダルが非踏込み状態及び電磁弁が開状態を例示している。
【図3】同じく、ブレーキペダルが踏込み状態及び電磁弁が閉状態を例示している。
【図4】上記アイドルストップ車両のシステム構成図である。
【図5】上記アイドルストップ車両に搭載されたアイドルストップコントロールユニットが実行するアイドルストップ制御の具体的動作の1例を示すフローチャートである。
【図6】アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧と、路面勾配及び積載重量との関係を示す特性図である。
【図7】上記アイドルストップ車両に搭載されたヒルホールドコントロールユニットが実行するヒルホールド制御の具体的動作の1例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態の作用を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 アイドルストップ車両
10 エンジン
50 スタータモータ
71 ブレーキペダル
72 ブレーキブースタ
73 マスタシリンダ
100 アイドルストップ用コントロールユニット(エンジン自動停止・始動手段、エンジン強制始動手段、基準圧変更手段)
160 ブースタ負圧センサ(ブレーキブースタ負圧検出手段)
180 入力キー(積載重量関連値検出手段)
200 ヒルホールド用コントロールユニット(制動力保持手段、制動力低減手段)
210 傾斜角センサ(路面勾配関連値検出手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両停車時にエンジンを自動的に停止させ、また始動させる、いわゆるエンジンのアイドルストップの技術分野に属し、特に、エンジンの自動停止に伴い、エンジンの吸入負圧を利用して運転者の制動操作を助勢するブレーキブースタ内の負圧が高くなったときは、エンジンの吸入負圧を発生させるべくエンジンを強制的に始動させる技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃費の向上や、環境汚染物質あるいは二酸化炭素等の排出低減、及び騒音の抑制等を図るため、車両の停車時に、所定のエンジン停止条件(例えばブレーキペダルが踏み込まれていることや、アクセルペダルが踏み込まれていないこと等)が成立したときは、エンジンを自動的に停止させ、その後、所定のエンジン始動条件(例えばブレーキペダルが踏み込まれていないことや、アクセルペダルが踏み込まれていること等)が成立したときには、エンジンを自動的に始動させる、いわゆるアイドルストップ車両が知られている。
【0003】
また、運転者の制動操作を助勢するため、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にエンジンの吸入負圧を利用したブレーキブースタ(倍力装置)が設けられることがある。しかし、車両の停車時に、上記のようにアイドルストップがかかると、エンジンが自動停止するから、それに伴い、エンジンの吸入負圧も発生しなくなり、その結果、ブレーキブースタ内の負圧が大気圧に向けて徐々に高くなっていき(負圧の度合いが小さくなっていき)、車両停車中の運転者の制動操作の負担(ブレーキペダルの踏力等)が増加してしまう。
【0004】
そこで、従来、ブレーキブースタに導入される負圧(ブレーキブースタ負圧)の値を検出するセンサを設け、エンジンの自動停止中に、該センサで検出されるブレーキブースタ負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときには、上記エンジン始動条件が未成立であっても、アイドルストップをそこで中止し、エンジンを強制的に始動させることが提案されている(特許文献1参照)。そうすれば、エンジンの吸入負圧が再び発生し、ブレーキブースタによる制動操作の助勢が十全に確保される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−12272号公報(第2頁等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、エンジンを強制始動(アイドルストップを強制解除)させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、大気圧に応じては変更するものの、路面勾配に応じては変更しないので、次のような不具合が発生する。すなわち、車両が停車し、エンジンが自動停止するときの路面勾配は、状況に応じてまちまちであり、その結果、例えば上り坂や下り坂等、路面勾配のあるところでは、平坦路等、路面勾配のないところに比べて、運転者はブレーキペダルをより強く大きく踏み込んで、より大きな制動力を要求する傾向にある。実際、路面が急勾配であるところ(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がきついところ)で車両が停車し、エンジンが自動停止したときは、路面が緩勾配であるところ(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がゆるいところ)で車両が停車し、エンジンが自動停止したときに比べて、制動力を大きくしなければ、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する可能性がある。
【0007】
ところが、上記従来技術のように、エンジンを強制始動させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を路面勾配に拘らず一律としていると、路面勾配が急なところでは、その基準圧が高過ぎて(負圧の度合いが小さくなり過ぎて)、エンジンの強制始動のタイミングが遅れ気味となる。その結果、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が遅れ気味となって、制動力が不足気味となり、上記の車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられない。一方、路面勾配が緩やかなところでは、その基準圧が低過ぎて、エンジンの強制始動のタイミングが早まり気味となる。その結果、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等のアイドルストップ本来の目的が減損する。
【0008】
そこで、本発明は、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更し、もって、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを両立させることを主たる課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にエンジンの吸入負圧を利用したブレーキブースタが設けられ、該ブレーキブースタに導入される負圧を検出するブレーキブースタ負圧検出手段と、車両停車時に所定のエンジン停止条件が成立したときはエンジンを自動的に停止させ、その後、所定のエンジン始動条件が成立したときはエンジンを自動的に始動させるエンジン自動停止・始動手段と、エンジンの自動停止中に上記検出手段で検出されるブレーキブースタ負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときはエンジンを強制的に始動させるエンジン強制始動手段とを有する車両用エンジンの自動停止・始動装置であって、路面勾配に関連する値を検出する路面勾配関連値検出手段と、該検出手段で路面が急勾配であると検出されたときは、緩勾配であると検出されたときに比べて、上記所定基準圧を低くする基準圧変更手段とが備えられていることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更するから、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが両立する。より詳しくは、路面勾配が急であるときは、緩やかであるときに比べて、上記基準圧を低くするから、アイドルストップ解除のタイミングが早められる。その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタの機能が十全に確保され、路面勾配が急なところで、車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられる。一方、路面勾配が緩やかであるときは、急であるときに比べて、上記基準圧を高くするから、アイドルストップ解除のタイミングが遅められる。その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、路面勾配が緩やかなところで、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0011】
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、車両の積載重量に関連する値を検出する積載重量関連値検出手段が備えられ、基準圧変更手段は、上記検出手段で積載重量が大きいと検出されたときは、小さいと検出されたときに比べて、所定基準圧を低くすることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に加えて、積載重量に応じても変更するから、次のような作用効果が追加される。すなわち、積荷や乗員が多く、積載重量が大きいときは、そうでないときに比べて、運転者は、やはりブレーキペダルをより強く大きく踏み込んで、より大きな制動力を要求する傾向にある。実際、路面勾配のあるところ(上り坂、下り坂を問わない)で車両が停車し、エンジンが自動停止した場合に、積載重量が大きいときは、積載重量が小さいときに比べて、制動力を大きくしなければ、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する可能性が高くなる。
【0013】
そこで、この発明では、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、積載重量に応じても変更することで、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを、さらに確実に両立させるようにしたものである。より詳しくは、積載重量が大きいときは、小さいときに比べて、上記基準圧を低くするから、アイドルストップ解除のタイミングが早められる。その結果、ブレーキブースタによる制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタの機能が十全に確保され、積載重量が大きいときに、車両が路面勾配により不測に移動する、という不具合が避けられる。一方、積載重量が小さいときは、大きいときに比べて、上記基準圧を高くするから、アイドルストップ解除のタイミングが遅められる。その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、積載重量が小さいときに、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、上記請求項1又は2に記載の発明において、車両停車時に車両の移動を阻止する制動力を保持する制動力保持手段と、車両発進時に上記保持した制動力を低減する制動力低減手段とが備えられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、車両の停車時には、車両の移動を阻止する制動力が保持されるから、車両停車後、アイドルストップがかかったときに、たとえサイドブレーキを引かないまま、運転者のブレーキペダルの踏込みが知らず知らずのうちに弱まったとしても、車両が路面勾配により不測に移動(上り坂の場合は後退、下り坂の場合は前進)する、というような不具合が回避される。また、車両の発進時には、上記保持した制動力が低減されるから、ブレーキの引摺り感のない、円滑・良好な車両の発進が図られる。以下、実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両であって、車体前部のエンジンルーム内に、エンジン10が横置きに配置され、該エンジン10にトルクコンバータ20を介して変速機30が接続されている。そして、該変速機30の出力が差動装置40を経由して左右の前輪61,62に伝達される。この車両1は、燃費の向上や、環境汚染物質あるいは二酸化炭素の排出低減、及び騒音の抑制等を図る、いわゆるアイドルストップ車両であって、エンジン10の始動用のスタータモータ50を備える。
【0017】
この車両1のブレーキシステムは、本実施形態においては、周知のディスク式ブレーキを採用している。すなわち、運転者のブレーキペダル71の踏力が、エンジン10の吸気管内の負圧(吸引負圧)を利用したブレーキブースタ(倍力装置)72で助勢されて、マスタシリンダ73に伝達され、上記踏力に応じたブレーキ液圧が発生する。ブレーキ液圧は、ブレーキ液圧通路74,75を通って、各車輪61〜64のキャリパ76〜76に内蔵されたホイルシリンダに伝達され、各車輪61〜64と一体回転するディスク77〜77をパッドが挟み込んで制動力が発生する。もちろん、ディスク式ブレーキに限らず、他にも、各車輪と一体回転するドラムにシューが押し付けられて制動力が発生するドラム式ブレーキ、同じく各車輪と一体回転するドラムをバンドで締め付けて制動力が発生するバンド式ブレーキ等を採用してもよい。
【0018】
上記マスタシリンダ73は、吐出口を2つ有するタンデム型であり、ブレーキ液圧通路74,75は、本実施形態においては、クロス方式(X配管方式)である。すなわち、マスタシリンダ73の各吐出口から延びる液圧通路74,75がそれぞれ途中で2つに分岐して、一方の通路(第1の通路)74は、左前駆動輪61のキャリパ76及び右後従動輪64のキャリパ76に至り、他方の通路(第2の通路)75は、右前駆動輪62のキャリパ76及び左後従動輪63のキャリパ76に至る。もちろん、クロス方式に限らず、他にも、一方の通路が左右の前輪に、他方の通路が左右の後輪に至る、前後分割方式であってもよい。
【0019】
各ブレーキ液圧通路74,75に電磁弁80,90が配設されている。図2及び図3に第1の電磁弁80を例に取って明示したように、この電磁弁80は、DCソレノイドを用いたノーマルオープン型のオンオフ電磁弁である。コイル81に電流が流されていないオフ時には、図2に示したように、プランジャ82がスプリング83で付勢されて液圧通路74から退避する。これにより、電磁弁80を挟んで位置するマスタシリンダ73側の液圧通路(上流側通路)74aと、キャリパ76側(ホイルシリンダ側)の液圧通路(下流側通路)74bとが完全に連通し、液圧通路74が全開となる。一方、コイル81に電流が流されたオン時には、図3に示したように、プランジャ82がスプリング83を縮めながら液圧通路74に進出する。これにより、上流側通路74aと下流側通路74bとが完全に遮断され、液圧通路74が全閉となる。
【0020】
ただし、DCソレノイドに流す電流をPWM(パルス幅変調)方式でデューティ制御することにより、上記電磁弁80を比例制御弁のごとく用いることが可能である。デューティ制御におけるデューティ値(1オンオフ周期あたりのオン時間の比率)を変化させることにより、上流側通路74aと下流側通路74bとの連通度を変化させ、下流側通路74bのブレーキ液圧(制動力)を制御することができる。なお、電磁弁80がオフのときのデューティ値は0%、オンのときのデューティ値は100%である。
【0021】
図2に示したように、通常は、電磁弁80はオフで、液圧通路74は全開である。ブレーキペダル71が踏み込まれると、該ペダル70の操作ロッド71aがブレーキブースタ72の弁付ロッド72aを押し、該弁付ロッド72aがプッシュロッド72bを押し、該プッシュロッド72bがマスタシリンダ73のピストン73aを押す。ブレーキブースタ72の内部はダイヤフラム72cで2つの室72d,72eに仕切られている。ダイヤフラム72cはプッシュロッド72bに連結されている。
【0022】
ブレーキペダル71が踏み込まれていない図2の状態では、第1室72d及び第2室72e共に、吸引負圧(ブレーキブースタ負圧)が作用している。しかし、ブレーキペダル71が踏み込まれた図3の状態では、第1室72dへの負圧の作用が停止すると共に、弁付プランジャ72aの移動に伴い、第1室72dへ大気圧が導入される。これにより、運転者のブレーキペダル71の踏力が、第1室72d側から第2室72e側へ助勢される。このとき、マスタシリンダ73のピストン73aは、図外の第2通路75用のピストンとの間に介設されたスプリング73eを縮める。
【0023】
マスタシリンダ73においては、ピストン73aがリザーバ73bのリリーフポート73cを横切った瞬間から、加圧室73d内のブレーキ液圧が上昇する。そして、その加圧されたブレーキ液圧が液圧通路74に吐出され、電磁弁80を経てホイールシリンダに到達する(図2の矢印参照)。この状態で電磁弁80がオンとなって液圧通路74が全閉となると、下流側通路74bには、上記加圧されたブレーキ液圧が残る。この状態では、たとえブレーキペダル71の踏込みが戻されても、下流側通路74bの制動力は低下しない(図3の矢印参照)。
【0024】
例えば、ピストン73aがリザーバ73bのリリーフポート73cの位置まで戻る間は、上流側通路74aには過渡的に負圧が発生し、ピストン73aは比較的緩慢に戻る。その結果、上流側通路74aのブレーキ液圧は緩慢に低下する。しかし、ピストン73aがリリーフポート73cの位置まで戻った後は、上流側通路74aはリザーバ73bと連通し、ピストン73aは速やかに戻る。その結果、上流側通路74aのブレーキ液圧は速やかに大気圧(残圧)まで低下する。そして、いずれにおいても、このように上流側通路74aのブレーキ液圧が低下していく間、下流側通路74bのブレーキ液圧は、プランジャ82及び逆止弁84に遮られて、一緒に低下することがない。
【0025】
なお、電磁弁80がオンとなって液圧通路74が全閉となった後、ブレーキペダル71が踏み増しされると、その踏増し分は、上記逆止弁84を介して下流側通路74bに導入され、該下流側通路74bのブレーキ液圧は増圧される。
【0026】
以上が、マスタシリンダ73とホイルシリンダとを結ぶブレーキ液圧通路74,75に電磁弁80,90が設けられた、このブレーキシステムの基本的な動作である。いまは、第1液圧通路74及び第1電磁弁80を例に取り説明したが、第2液圧通路75及び第2電磁弁90についても同様である。
【0027】
図4に示すように、この車両1には、エンジン10の燃料噴射弁11…11、点火栓12…12、及びスタータモータ50を制御するアイドルストップ用のコントロールユニット100と、上記電磁弁80,90を制御するヒルホールド用のコントロールユニット200とが搭載されている。アイドルストップコントロールユニット(ISECU)100は、ブレーキペダルが踏み込まれたときにオンとなるブレーキスイッチ110の信号、エンジン10のスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ120の信号、車速を検出する車速センサ130の信号、選択されたレンジを検出するレンジスイッチ140の信号、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ150の信号、ブレーキペダル71とマスタシリンダ73との間に介設された上記ブレーキブースタ72に導入されるブレーキブースタ負圧を検出するブースタ負圧センサ160の信号、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転センサ170の信号、等を入力する他、積荷・乗員入力キー180を介して入力された積荷や乗員等の車両1の積載重量に関連する値の信号、及び路面勾配を検出する傾斜角センサ210の信号を入力する。ヒルホールドコントロールユニット(HHECU)200は、上記エンジン回転センサ170の信号、上記傾斜角センサ210の信号、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ220の信号、等を入力する他、ISECU100からアイドルストップフラグ信号を入力する。
【0028】
ここで、上記積荷・乗員入力キー180は、例えば運転席に設けられている。運転者は、この入力キー180を使って、乗員数(例えば同乗者がいなければ1人:60kg等)をインプットし、また積荷があれば、その積荷の重量もインプットする。可能であれば、車両1に重量検出装置を備えて、ISECU100が自動的に積荷や乗員等の車両1の全積載重量を自動計量するようにしてもよい。
【0029】
図5に、ISECU100が行うアイドルストップ制御の具体的動作の1例をフローチャートで示す。まず、ステップS11で、初期化を行ったうえで、ステップS12〜S17で、各種の判定を行い、すべてYESのとき(すなわち、車両停車時に所定のエンジン停止条件が成立したとき)に、ステップS18で燃料噴射を停止し、かつステップS19で火花点火を停止して、エンジン10を自動停止する。そして、ステップS20で、エンジン10が自動停止中であることを示すため、アイドルストップフラグを1にセットした後、ステップS12に戻る。
【0030】
この例では、ブレーキスイッチ110がオンであること(ステップS12)、スロットル弁が全閉であること(ステップS13)、車速がゼロであること(ステップS14)、選択されたレンジがDレンジ又はNレンジであること(ステップS15)、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも低いこと(ステップS16)、及び他の禁止条件が成立していないこと(ステップS17)、がアイドルストップ条件とされている。ここで、上記ステップS17の他の禁止条件には、例えばエンジン水温が所定温度よりも低いことや、エアコン等が作動していて電気的負荷が大きいこと、等が含まれる。
【0031】
また、上記ステップS16で、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも低いことを、アイドルストップ条件の1つとしたのは、エンジン10がアイドルストップし、エンジン10の吸入負圧が発生しなくなり、その結果、ブレーキブースタ負圧が大気圧に向けて徐々に高くなっていき(ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなっていき)、ブレーキブースタ負圧が所定の基準圧Pよりも高くなると、ブレーキブースタ72の助勢力が減少して、運転者の制動操作の負担(ブレーキペダル71の踏力等)が増加してしまうから、そのような不具合を未然に防止するためである。すなわち、上記ステップS16の判定は、エンジン10を強制始動(アイドルストップを強制解除)させるか否かの判定である。また、上記基準圧Pは、そのようにエンジン10を強制始動させるか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧である。
【0032】
その場合に、上記基準圧Pは、図6に示すように、路面勾配に応じて変更される。その結果、ブレーキブースタ72の機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが両立する。より詳しくは、路面勾配が急(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がきつい、という意味)であるときは、緩やか(上り坂、下り坂に拘らず、勾配がゆるい、という意味)であるときに比べて、上記基準圧Pは低く(ブレーキブースタ負圧の度合いとしては大きく)される。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが早められ、その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタ72による制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタ72の機能が十全に確保され、路面勾配が急なところで、制動力が不足気味となって、車両1が路面勾配により不測に移動する、というような不具合が回避される。
【0033】
一方、路面勾配が緩やかであるときは、急であるときに比べて、上記基準圧Pは高く(ブレーキブースタ負圧の度合いとしては小さく)される。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが遅められ、その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、路面勾配が緩やかなところで、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0034】
また、上記基準圧Pは、図6に示すように、積載重量に応じても変更される。その結果、ブレーキブースタ72の機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とが、さらに確実に両立する。より詳しくは、積載重量が大きいときは、小さいときに比べて、上記基準圧Pは低くされる。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが早められ、その結果、ブレーキブースタ負圧の度合いが小さくなり過ぎることがなく、ブレーキブースタ72による制動操作の助勢の回復が早められて、ブレーキブースタ72の機能が十全に確保され、積載重量が大きいときに、制動力が不足気味となって、車両1が路面勾配により不測に移動する、というような不具合が回避される。
【0035】
一方、積載重量が小さいときは、大きいときに比べて、上記基準圧Pは高くされる。つまり、アイドルストップ解除のタイミングが遅められ、その結果、アイドルストップの目的が十分に達成され、積載重量が小さいときに、燃費向上、エミッション低減、騒音抑制等が良好に実現する。
【0036】
図5に戻り、上記ステップS12〜S17で、アイドルストップ条件が1つでも満足されないときは、ステップS21で、アイドルストップフラグが1か否かを判定し、YESのとき(アイドルストップ中であるとき)は、ステップS22で燃料噴射を実行(再開)し、ステップS23で火花点火を実行(再開)し、かつステップS24でスタータモータ50をオンとして、エンジン10を自動始動(自動再始動)する。そして、ステップS25で、エンジン10が自動停止中でないことを示すため、アイドルストップフラグを0にリセットした後、ステップS26で、エンジン10の完爆を確認したとき(例えばエンジン回転数が500rpmまで上昇したとき)に、ステップS27で、スタータモータ50をオフとして、ステップS12に戻る。また、ステップS21でNOのとき(アイドルストップ中でないとき)は、そのままステップS12に戻る。
【0037】
このようなISECU100の動作に呼応して、HHECU200は、図7にフローチャートで例示した動作(ヒルホールド制御動作)を行う。まず、ステップS31で、初期化を行ったうえで、ステップS32で、アイドルストップフラグが1か否かを判定し、YESのとき(アイドルストップ中であるとき)は、ステップS33で、ヒルホールド制御弁80,90を全閉(オン)とする(そのためには、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値を100%とする)。そしてリターンする。このようにヒルホールド制御弁80,90を全閉とすることにより、運転者が車両1の停車の際に要求した制動力(ブレーキ液圧)が下流側通路74b,75bに残り、車両1の停車中は、該車両1の移動を阻止する制動力(ブレーキ液圧)が保持される。
【0038】
一方、ステップS32でNOのとき(アイドルストップ中でないとき)は、ステップS34で、路面が上り勾配か否かを判定し、YESのときは、ステップS35で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を上り勾配用の減衰値(X)に設定する。上記ステップS34でNOのとき(上り勾配でないとき)は、ステップS36で、路面が下り勾配か否かを判定し、YESのときは、ステップS37で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を下り勾配用の減衰値(Y)に設定する。上記ステップS36でNOのとき(上り勾配でも下り勾配でもないとき)は、ステップS38で、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値の減衰値を平坦路用の減衰値(Z)に設定する。
【0039】
ここで、上り勾配用減衰値(X)は3つのなかで最も小さく、下り勾配用減衰値(Z)は3つのなかで最も大きく、平坦路用減衰値(Z)はその間の値である。すなわち、路面が上り勾配のときは、アイドルストップ中保持していた制動力を低減する速度を最も小さくし、路面が下り勾配のときは、アイドルストップ中保持していた制動力を低減する速度を最も大きくする。
【0040】
そして、いずれの場合も、ステップS40で、車両1の停車中保持していた上記デューティ値(最初は100%)を、各減衰値(X),(Y)又は(Z)で徐々に減少させていくのであるが、路面が上り勾配のときは、ステップS39で、エンジン10の完爆を確認するまで(例えばエンジン回転数が500rpmまで上昇するまで)は、ステップS33に進んで、デューティ値100%(全閉)を保持する。そして、エンジン10の完爆を確認したときに初めて(つまり、エンジンの自動始動後、クリープ力が車両を移動させることが可能な大きさまで増大したタイミングで)、ステップS40に進んで、デューティ値を最小減衰値(X)で最もゆっくりと減衰させる。これに対し、路面が下り勾配又は平坦路のときは、エンジン10の完爆を待つことなく、アイドルストップフラグが0にリセットされた時点で直ちに(つまり、エンジンの自動始動と同じタイミングで)、ステップS40に進んで、デューティ値を最大減衰値(Y)で最も速やかに減衰させる(下り勾配のとき)。あるいは中間減衰値(Z)で速やかに減衰させる(平坦路のとき)。
【0041】
次いで、ステップS41で、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧が、所定の微小液圧(例えば大気圧(残圧)より少し高い液圧:この例では0.3MPa)以下か否かを判定し、NOと判定されるうちは、そのままリターンし、YESと判定されたときは、ステップS42で、ヒルホールド制御弁80,90を全開(オフ)とする(そのためには、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値を一気に0%とする)。そしてリターンする。
【0042】
以上のような制御動作で得られる作用を図8のタイムチャートを参照して説明する。いま、運転者がブレーキペダル71を踏み込んで、時刻t1に、車速がゼロになり、車両1が停車したとする。アイドルストップ条件が成立し、アイドルストップがかかり、アイドルストップフラグが1にセットされる。これに伴い、エンジン回転数がアイドル回転数Niからゼロになる。また、ヒルホールド制御弁80,90に対するデューティ値(Duty値)が100%(オン:全閉)に設定される。これにより、車両1の移動を阻止する制動力が保持される。
【0043】
この状態で、車両1の停車後、サイドブレーキを引かないまま、運転者のブレーキペダル71の踏込みが知らず知らずのうちに弱まったとしても(ブレーキ操作量の実線)、下流側通路74b,75bのブレーキ液圧は低下しない。したがって、たとえ車両1が上り坂で停車していても不測に後退することが防がれ、また下り坂で停車していても不測に前進することが防がれる。つまり、アイドルストップ車両では、エンジン10の自動始動性を高めるため、アイドルストップがかかると、変速機30の動力伝達経路はPレンジやNレンジのときのように遮断状態とされるから、下流側通路74b,75bに制動力を保持しておかないと、車両1が路面勾配によって不用意に動き出してしまうのである。
【0044】
もちろん、車両1の停車中、及びエンジン10のアイドルストップ中、鎖線で例示したように、ブレーキ操作量が減少しなければ、ブレーキ液圧通路74,75のブレーキ液圧もまた低下することがなく、運転者が車両1の停車の際に要求した制動力がそのまま保持されて、車両1は、ヒルホールド制御弁80,90によってではなく、運転者の継続的な制動操作によって、確実に移動が防がれる。
【0045】
そして、その後、運転者が発進しようとして、ブレーキペダル71の踏込みを解除し、アクセルペダルの踏込みを開始する等、エンジン始動条件が成立すると、アイドルストップが解除され、アイドルストップフラグが0にリセットされる(時刻t2)。これに伴い、エンジン回転数が上昇を始める。その場合に、特に、路面が上り勾配のときは、実線で例示したように、エンジン10が完爆し、エンジン回転数がアイドル回転数Ni(500rpm)まで上昇する時刻t3までは、デューティ値は100%に保持されて、ブレーキ液圧は、車両1の移動を阻止する値(制動力)に保持される。これにより、エンジン回転数がアイドル回転数Niまで上昇した時刻t3に、車両1がクリープ力により前進する、というような不具合が防がれる。
【0046】
そして、符号アで例示したように、エンジン10が完爆し、エンジン回転数がアイドル回転数Niまで上昇した時刻t3に、上記デューティ値が最小減衰値(X)で最もゆっくりと減衰されて、制動力が最もゆっくりと低減される。これにより、車両1は後退することなく円滑・良好に発進する。なお、図8の車速は、この路面が上り勾配のときの変化を例示している。
【0047】
一方、路面が下り勾配のときは、破線(イ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値が最大減衰値(Y)で最も速やかに減衰されて、制動力が最も速やかに低減される。これにより、車両1はブレーキの引摺り感なく円滑・良好に発進する。また、路面が平坦路のときは、破線(ウ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値が中間の減衰値(Z)で速やかに減衰されて、制動力が速やかに低減される。これにより、車両1はほどよい加速感で円滑・良好に発進する。
【0048】
なお、路面が下り勾配のとき、破線(エ)で例示したように、エンジン10の自動始動と同時刻t2に、上記デューティ値を徐々にではなく一気にゼロまで低下させてもよい。これにより、ブレーキの引摺り感がほとんどなくなり、車両1は下り坂によって一層円滑・良好に前進する。
【0049】
なお、ヒルホールド制御弁80,90として、例えばDCソレノイドを用いた比例制御弁等を採用することも可能である。ただし、上記オンオフ電磁弁80,90は比例制御弁等に比べて安価であるから、上記オンオフ電磁弁80,90を用いた上記実施形態に係る車両1のブレーキシステムはコストが抑制できるという利点がある。
【0050】
【発明の効果】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、アイドルストップ車両において、アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧を、路面勾配に応じて変更するようにしたから、ブレーキブースタの機能の十全な確保と、アイドルストップの目的の十分な達成とを両立させることが可能となった。本発明は、アイドルストップ車両等の低公害型車両あるいは環境対応型車両に用いて好適であり、自動車等の車両用のエンジンの技術分野一般において、幅広い産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るアイドルストップ車両のパワートレイン及びブレーキシステムを示す全体構成図である。
【図2】上記ブレーキシステムの基本的な動作を説明する拡大構成図であって、ブレーキペダルが非踏込み状態及び電磁弁が開状態を例示している。
【図3】同じく、ブレーキペダルが踏込み状態及び電磁弁が閉状態を例示している。
【図4】上記アイドルストップ車両のシステム構成図である。
【図5】上記アイドルストップ車両に搭載されたアイドルストップコントロールユニットが実行するアイドルストップ制御の具体的動作の1例を示すフローチャートである。
【図6】アイドルストップを強制解除するか否かの判定に用いるブレーキブースタ負圧の基準圧と、路面勾配及び積載重量との関係を示す特性図である。
【図7】上記アイドルストップ車両に搭載されたヒルホールドコントロールユニットが実行するヒルホールド制御の具体的動作の1例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態の作用を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 アイドルストップ車両
10 エンジン
50 スタータモータ
71 ブレーキペダル
72 ブレーキブースタ
73 マスタシリンダ
100 アイドルストップ用コントロールユニット(エンジン自動停止・始動手段、エンジン強制始動手段、基準圧変更手段)
160 ブースタ負圧センサ(ブレーキブースタ負圧検出手段)
180 入力キー(積載重量関連値検出手段)
200 ヒルホールド用コントロールユニット(制動力保持手段、制動力低減手段)
210 傾斜角センサ(路面勾配関連値検出手段)
Claims (3)
- ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にエンジンの吸入負圧を利用したブレーキブースタが設けられ、該ブレーキブースタに導入される負圧を検出するブレーキブースタ負圧検出手段と、車両停車時に所定のエンジン停止条件が成立したときはエンジンを自動的に停止させ、その後、所定のエンジン始動条件が成立したときはエンジンを自動的に始動させるエンジン自動停止・始動手段と、エンジンの自動停止中に上記検出手段で検出されるブレーキブースタ負圧が所定の基準圧を超えて高くなったときはエンジンを強制的に始動させるエンジン強制始動手段とを有する車両用エンジンの自動停止・始動装置であって、路面勾配に関連する値を検出する路面勾配関連値検出手段と、該検出手段で路面が急勾配であると検出されたときは、緩勾配であると検出されたときに比べて、上記所定基準圧を低くする基準圧変更手段とが備えられていることを特徴とする車両用エンジンの自動停止・始動装置。
- 車両の積載重量に関連する値を検出する積載重量関連値検出手段が備えられ、基準圧変更手段は、上記検出手段で積載重量が大きいと検出されたときは、小さいと検出されたときに比べて、所定基準圧を低くすることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの自動停止・始動装置。
- 車両停車時に車両の移動を阻止する制動力を保持する制動力保持手段と、車両発進時に上記保持した制動力を低減する制動力低減手段とが備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制動力保持装置。
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