JP4207387B2 - 自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置 - Google Patents

自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両停車時に自動的にエンジンを停止させたり再始動させたりする、自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のアイドリング中にエンジンを自動停止(オートストップ又はアイドルストップともいう)させて、燃料消費量を抑制して燃費を向上させるアイドルストップ車両が開発,提案されている。
このようなアイドルストップ車両として、例えば特開2000−8905号公報に記載された技術が知られている。この従来例では、自動変速付車両において、ブレーキペダル操作により車両が移動しないだけの制動力が加わった時にエンジンを自動停止すると共に車両が移動しないように所定の制動力を保持し、ブレーキペダルによる制動力の緩和からブレーキペダルを離す間にエンジンを再始動し、エンジン回転数が所定回転数以上になった時、あるいはエンジン回転数が所定回転数以上になった後でアクセルペダルを踏み込んだ時に、保持していた制動力を解放するものとなっている。
【0003】
ところで、エンジンの自動停止中にドライバの発進意思が判定されない場合であっても、所定の条件が成立すると車両の安全性や快適性を確保するために強制的にエンジンの再始動が実行されるのが一般的である。例えば電気負荷が所定値以上となると、バッテリ上がりを防止するべく強制再始動が実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、この強制再始動についての記述は無いが、強制再始動が必要になることはむしろ当然である。
しかしながら、上記従来例はエンジン回転数が所定回転数以上になった時、あるいはエンジン回転数が所定回転数以上になった後でアクセルペダルを踏み込んだ時に、保持していた制動力を解放するものとなっているため、強制再始動が実行された場合には以下のような課題が発生する。
【0005】
まず、エンジン回転数が所定数以上になった時に制動力を解放する場合には、運転者の発進意志にかかわらずエンジンが強制始動された場合にも所定エンジン回転数以上で制動力保持が解放されてしまい、特にブレーキペダルの踏込量が僅かになっている場合には運転者に発進意志が無いにもかかわらず車両が動き始めてしまう。
【0006】
また、エンジン回転数が所定回転数以上になった後でアクセルペダルを踏み込んだ時に制動力を解放する場合には、強制始動によりエンジンが運転されている状態でもアクセルペダルを踏まなければ制動力が解放されず、ブレーキペダルを離しても車両を走行させることはできない。即ち、自動変速機付車両では、ブレーキペダルを離すだけでいわゆるクリープ走行を行うことができるのが一般的だが、このクリープ走行ができないことになり、ドライバにとって使用しづらいものとなってしまう。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、エンジンの強制再始動時の車両の動き出しを防止しながら、通常のクリープ走行も可能にした、自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置では、車両停車時に所定の条件が成立すると自動停止手段によりエンジンが自動停止し、エンジンの自動停止中には制動力保持手段により制動力が保持される。その後、ドライバのブレーキ解放操作に関する情報に基づいて再始動手段によりエンジンが再始動される。
【0009】
また、上記とは異なる所定の条件が成立すると該ブレーキの操作状態に関わらず強制再始動手段によりエンジンが強制的に再始動される。
そして、エンジンの自動停止時に強制再始動手段によりエンジンが再始動した場合には、ブレーキの操作解除が検出されると、作動解除手段により制動力保持手段の作動が解除される。
【0010】
これにより、強制再始動が行なわれた場合にブレーキ踏み込み量が僅かになっていたとしても車両の動き出しを確実に防止でき、且つドライバにクリープ走行の意思がある場合に速やかに制動力保持が解除され、実用性を高めることができる。
なお、好ましくは、エンジンが自動停止状態であってドライバのブレーキ解放操作に関する情報に基づいてエンジンが再始動した場合には、エンジンの回転速度が所定回転速度以上となるか又は車速が発生するまで、作動解除手段により制動力保持手段の作動解除が遅延されるように構成する。これにより、坂道での自動停止中に車両を発進させようとしてエンジンが再始動したときに十分な駆動トルクが得られなくても制動力が保持されているので、車両の後退等が確実に防止される。また、エンジンが十分な駆動トルクを発生している場合、又は車両が実際に動き始めたときに、確実に制動力保持が解除されるので、発進応答性を損なうこともない。
【0011】
また、好ましくは、再始動手段は、ブレーキスイッチがオフになったとき、又はブレーキ操作状態に相関するパラメータの変化量の大きさが所定値を超えたときにエンジンを再始動させるのが好ましい。この場合、ブレーキ操作状態に相関するパラメータとしては、ブレーキ液圧を用いるのが適している。
また、好ましくは、アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセルセンサをさらにそなえ、作動解除手段は、エンジンの該自動停止時に該強制再始動手段により該エンジンが再始動した場合には、該ブレーキの操作解除が検出され、且つ該アクセルセンサにより該アクセルペダルの踏み込みが検出がされると該制動力保持手段の作動を解除するのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置について説明すると、図1はその要部機能に着目した模式的なブロック図である。
本実施形態の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置は、自動変速機をそなえたアイドルストップ車両に適用されるものであって、図1に示すように、この車両には、エンジンの自動停止及び再始動を行なうめの制御手段(ECU)1が設けられている。
【0013】
また、図示するように、このECU1にはエンジン自動停止手段2と再始動手段3aと強制再始動手段3bと制動力保持手段41と作動解除手段42とがそれぞれ設けられている。
このうちエンジン自動停止手段2,再始動手段3a及び強制再始動手段3bには、それぞれエンジン自動停止条件,再始動条件及び強制再始動条件がそれぞれ設定されており、エンジン自動停止条件が成立するとエンジンが自動的に停止し、エンジンが上記エンジン自動停止手段2による停止状態(アイドルストップ状態)で、再始動条件又は強制再始動条件が成立すると、エンジンが再始動するようになっている。
【0014】
また、ECU1には、車両の車速Vを検出する車速センサ(車速検出手段)10,アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセルセンサ11,変速機がセレクタレバー位置を検出するインヒビタスイッチ12,エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ(回転速度検出手段)14,イグニッションキーのオンオフを検出するイグニッションキーセンサ22,アイドルストップ機能全体をオンオフするメインスイッチ23,ブレーキの作動流体圧(液圧)を検出する液圧センサ24及びブレーキランプのオンオフに用いられるブレーキスイッチ25等の種々のセンサ類が接続されている。
【0015】
そして、ECU1のエンジン自動停止手段2,再始動手段3a及び強制再始動手段3bでは、上記各センサ類からの情報に基づいて、エンジン停止信号及びエンジン再始動信号を設定し、燃料噴射制御手段30やスタータモータ31に出力するようになっている。
ここで、エンジン自動停止手段2に設定された自動停止条件について説明すると、メインスイッチ23がオン状態で、セレクターレバーがDレンジにあり、ブレーキスイッチ25がオン状態で、且つ車速センサ10から検出される車速が0の状態が所定時間以上継続すると、自動停止条件が成立してエンジンが自動停止するようになっている。
【0016】
次に、再始動手段3aに設定された再始動条件について説明すると、再始動手段3aには、ドライバの車両発進意思を判定する条件として以下の▲1▼,▲2▼の条件が設定されており、これら2つの条件のいずれか一方が成立すると再始動条件が成立したと判定するようになっている。
▲1▼ブレーキの操作解除時にブレーキ操作状態に相関するパラメータの変化量の大きさが所定値を超えたことを検出した。
▲2▼ブレーキの操作解除が検出された。
【0017】
上記の条件▲1▼を具体的に説明すると、本実施形態では「ブレーキ操作状態に相関するパラメータ」としてブレーキ液圧(油圧)が適用されており、上記の条件▲1▼は、ブレーキを緩める際に、液圧センサ24から得られるブレーキ液圧の変化率の大きさ(絶対値)が設定された値(所定値)よりも大きくなったことを検出した場合、つまり、ブレーキ液圧の低下速度が所定値よりも大きくなったことを検出した場合を示している。
【0018】
また、所定値としては、ドライバが車両発進時にブレーキペダルから足を離す際の平均的なブレーキ液圧低下速度よりも僅かに小さい値に設定されている。これにより、ドライバが車両を発進させるべくアクセルを踏もうとしてブレーキ踏み込みを解除すると、条件▲1▼が成立するようになっている。
また、上記の条件▲2▼の「ブレーキ操作解除が検出されたとき」とは、ブレーキスイッチ25がオンからオフになったときである。この場合は、ドライバがブレーキペダルから足を離したと判定して、エンジンを再始動させるようになっている。
【0019】
これは、ドライバがゆっくりとブレーキペダルの踏み込みを解除したため条件▲1▼が成立しなっかた場合でも、ブレーキペダルから足を離したときに確実にエンジンを再始動させるためである。
また、強制再始動手段3bには、エンジンの自動停止中にドライバの発進意思が判定されない場合であっても、車両の安全性や快適性を確保するために強制的にエンジンを再始動させる強制再始動条件が設定されている。この場合、例えば電気負荷が所定値以上となると、バッテリ上がりを防止するべく強制再始動が実行される。
【0020】
一方、制動力保持手段41は、少なくともエンジン自動停止条件が成立してから再始動条件が成立するまでの間(即ちエンジンの自動停止中)に、車両の制動力を保持するべく機能するものであり、再始動条件が成立すると、ブレーキ装置の油圧回路中に設けられた第1,第2電磁弁64,67を閉じてブレーキ液圧を保持するようになっている。
【0021】
また、ECU1には、上記制動力保持手段41とともに作動解除手段42が設けられている。この作動解除手段42は、制動力保持手段41により制動力が保持されている状態でエンジンが再始動した後の、制動力保持手段41の作動解除タイミングを制御するものである。
ここで、図2を用いて本発明が適用されるアイドルストップ車両のブレーキ回路について説明すると、図中61,62及び63はそれぞれブレーキペダル,マスタシリンダ及びホイルシリンダであって、このマスタシリンダ62とホイルシリンダ63との間にブレーキ装置の油圧回路(液圧回路)が形成されている。
【0022】
また、図示するように、マスタシリンダ62とホイルシリンダ63との間には、ブレーキオイルの流通を許容する状態とブレーキオイルの流通を遮断する状態とを切り換え可能な第1電磁弁64及び第2電磁弁67と、マスタシリンダ62側からホイルシリンダ63側へのみブレーキオイルの流通を許容する逆止弁(チェックバルブ)65と、ホイルシリンダ63側からマスタシリンダ62側へのみブレーキオイルの流通を許容するとともにホイルシリンダ63側の液圧が設定圧よりも低くなるとブレーキオイルの流通を遮断するリリーフ弁(リリーフバルブ)66とが設けられており、且つ、これらの第1電磁弁64,チェックバルブ65,リリーフバルブ66及び第2電磁弁67がそれぞれ並列に接続されている。また、図示するように、第2電磁弁67のマスタシリンダ62側(上流側)には、オリフィス68が設けられている。
【0023】
ここで、上記の各電磁弁64,67は、いずれもオフの時に開状態となってブレーキオイルを流通させるノーマルオープンの電磁弁であり、オン時に閉状態に切り換わるようになっている。
そして、このようなブレーキ回路において、車両の走行時には、第1,第2電磁弁64,67がオフとなりブレーキオイルが流通可能な状態になっている。これにより、ドライバがブレーキペダル61を踏み込むと、この踏み込み力に応じた油圧が発生してホイルシリンダ63に作用し、踏み込み力に応じた制動力を得ることができるようになっている。
【0024】
また、車両のアイドルストップ時には、上記制動力保持手段41により各電磁弁64,67がオンに切り換えられるようになっている。
これにより、ドライバがブレーキペダル61を踏み込んでいる間は、チェックバルブ65を介してブレーキオイルがホイルシリンダ63に作用して制動力が作用するようになっている。また、ブレーキペダル61の踏み込みを解除、あるいは踏み込み量を減少させた場合には、ホイルシリンダ63側の高圧のブレーキオイルはリリーフバルブ66を介してマスタシリンダ62側に流入し、ホイルシリンダ63側の液圧がリリーフバルブ66の設定圧以下となるとリリーフバルブ66が閉じて、ブレーキオイルの液圧が上記設定圧に保持されるようになっている。
【0025】
なお、この設定圧は、クリープ力による車両の前進を抑制できる程度のブレーキ液圧であって、且つ坂道でも車両の移動(後退)を防止できる程度のブレーキ液圧に設定されており、本実施形態では、具体的には10kg/cm2 に設定されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、ホイルシリンダ63の上流側にはABS回路69が設けられているが、ABS回路69は本発明の必須の構成要件ではなく、ABS回路69を設けなくてもよい。なお、ABS回路69を設けた場合であっても、ABS機能と、本発明の要部機能である車両停車状態を保持する機能とは何ら干渉しないように構成されている。
【0026】
そして、本発明では、アイドルストップ状態からエンジンが再始動(強制再始動を含む)されると、エンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67がオンの状態に保持されて制動力が保持されるようになっている。
これは、坂道での車両後退及び強制再始動直後の車両の動き出しを防止するためである。つまり、坂道(登坂路)でアイドルストップ後に発進する際には、エンジンが始動してから自動変速機の油圧が十分に上昇して車輪に駆動トルクを伝達するまでにタイムラグがあり、この間は駆動力が作用しないため制動力を解除すると車両が後退することが考えられる。
【0027】
そこで、このような坂道で後退を防止するべく、再始動条件▲1▼又は▲2▼によりエンジンが再始動した場合には制動力を保持すべく、作動解除手段42によりエンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67をオンの状態に保持するようになっているのである。
そして、エンジン回転速度センサ14によりエンジンの回転速度が所定回転速度に達したことが検出されるか、又は車速センサ10により車速の発生が検出されると、作動解除手段42がオフとなり制動力保持手段41の作動が解除されるようになっている。ここで、エンジンの所定回転速度とは、エンジンが発進に必要なトルクを発生するのに必要な最低限の回転速度である。
【0028】
一方、アイドルストップ中にはクリープ力が発生しないため、平坦路ではドライバは無意識のうちに、再始動条件▲1▼に合致しないような速度でゆっくりとブレーキを緩める場合があり、この場合には、ブレーキスイッチ25がオンの状態で且つブレーキ液圧が略0になることが考えられる。このときは、換言するとブレーキペダルに軽く足をのせているためブレーキスイッチ25はオンになっているものの制動力は発生していない状態である。
【0029】
このような状態において、強制再始動条件が成立すると、車両に制動力が発生していないため、強制再始動直後に車両が動き出すことが考えられる。そこで、上述のように、アイドルストップ状態では制動力保持手段41により制動力が保持されるとともに、強制再始動手段3bによりエンジンが再始動しても、制動力を保持すべく第1,第2電磁弁64,67がオンの状態に保持されるようになっているのである。
【0030】
また、この場合には、上述の発明が解決しようとする課題で説明した再始動の場合のように、所定エンジン回転速度で制動力を解除すると車両が意図せず動き出してしまうし、アクセル操作や車速発生まで制動力を保持しているとエンジンが回転しているにもかかわらずクリープ走行ができなくなってしまう。このため、エンジンの強制再始動後、ブレーキスイッチ25がオフになった(ブレーキ操作が解除された)ことが検出されると作動解除手段42により制動力保持手段41の作動が解除されるようになっているのである。
【0031】
なお、ブレーキペダルを踏んだままアクセルペダルを踏み込んで車両を発進させる場合も考えられるので、強制再始動後の作動解除条件としては、上記の条件のほか、アクセルセンサ11によりアクセルペダルの踏み込みが検出がされることも並列的条件として設定されている。
本発明の一実施形態としての自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置は、上述のように構成されているので、その作動特性を示すと図3,図4のようになる。
【0032】
まず、図3を用いて坂道で停車した場合の作用を説明する。図3において、縦軸はそれぞれブレーキ液圧,エンジン回転速度であり、横軸はいずれも時間を示している。
まず、時間t0 においてドライバがブレーキペダルを踏み込んで車両が時間t1 で停車し、その後時間t2 で自動停止条件が成立してエンジン自動停止手段2によりエンジンが停止すると、これと略同時に制動力保持手段41により第1,第2電磁弁64,67がオンに切り換えられ、油路が遮断される。
【0033】
この場合、図2に示すように、ドライバがブレーキを踏み込むと、チェックバルブ65を介してホイルシリンダ63側にブレーキオイルが供給され、ドライバのブレーキペダル61の踏み込み量に応じた液圧がホイルシリンダ63に作用する。
ここで、ドライバがブレーキペダル61の踏み込みを緩めると(時間t3 )、リリーフバルブ66を介してブレーキオイルが抜けていき、リリーフバルブ66の設定圧まで液圧が低下する。また、このとき液圧センサ24により検出されるブレーキ液圧変化率(絶対値)が設定値よりも大きいと判定されると、ドライバが発進を意図してブレーキペダル操作を解除しようとしているものとして、再始動条件▲1▼によりエンジンの再始動が行なわれる(時間t4 )。
【0034】
この場合には、第1,第2電磁弁64,67ともオン(閉)に保持されており、これにより図3(a)に示すようにブレーキ液圧がリリーフバルブ66の設定圧に保持される。
なお、時間t4 で第2電磁弁67をオフに切り換えた場合は、ブレーキ液圧が設定圧まで低下した後、点線で示すようにオリフィス68を介してブレーキオイルが抜けていき、エンジンが十分な駆動トルクを発揮する回転速度Ne1に達する以前にブレーキ液圧が0となってしまう。したがって、坂道では、十分なエンジントルクが発生するまでは制動力が作用せず車両が後退することが考えられた。
【0035】
これに対して、本実施形態では、再始動条件▲1▼,▲2▼によりエンジンの再始動が行なわれた場合、エンジンの再始動後も第1,第2電磁弁64,67がオンに保持されるので、実線で示すように、ブレーキ液圧が保持される。
そして、エンジン回転速度センサ14により、エンジン回転速度Neが十分な駆動トルクを発生する回転速度Ne1に達したことが検出される(時間t5 )と、作動解除手段42により第2電磁弁67がオフに切り換えられてホイルシリンダ63側のブレーキオイルがオリフィス68を介して抜けて液圧が低下する。このとき、オリフィス68を介してブレーキ液圧が徐々に低下するので、油圧回路で急激に油圧が変動する際に発生する異音やショックを防止することができる。
【0036】
そして、その後ブレーキ液圧が十分に低下したら第1電磁弁64がオフに切り換えられる(時間t6 )。
したがって、坂道でアイドルストップ状態で停車している状態であって再始動条件▲1▼,▲2▼により車両を発進させる際には、制動力保持手段41により車両に制動力が作用しているので、車両の発進時に車両の後退が確実に防止される。また、エンジンの再始動後、エンジンの回転速度が所定回転速度以上となったことが検出された場合、制動力保持手段41の作動が解除されるので、エンジントルクが十分発生したときに制動力の保持が解除されることになり、これにより車両の発進応答性を損なうこともない。
【0037】
なお、第1電磁弁64をオフに切り換えるタイミングとしては、上述のものに限定されず、第2電磁弁67をオフに切り換えてから所定時間経過後、又はブレーキ液圧が略0になったとき若しくは液圧が0になってから所定時間後、又は車速を検出したとき等種々の変形例が考えられる。
さらに、第2電磁弁67をオフに切り換えるタイミングとしては、車速が検出されたときとしてもよく、その後第1電磁弁64をオフに切り換えてもよい。
【0038】
次に、図4を用いて平坦路で停車した場合の作用を説明すると、図中縦軸はブレーキ液圧を、横軸は時間をそれぞれ示している。まず、車両がアイドルストップにより停止すると、制動力保持手段41により、第1,第2電磁弁64,67がオンになる。
そして、このときドライバが無意識のうちに徐々にブレーキペダル61の踏み込みを緩めていくとリリーフバルブ66からブレーキオイルが抜けていき、図4に示するように、液圧が徐々に低下する。このときブレーキ液圧の低下速度がゆっくりであると、再始動条件▲1▼を満たさないためエンジンの停止状態が保持されたままとなる。
【0039】
なお、このときにはすでに制動力保持手段41により第1,第2電磁弁64,67がオンになっているため、リリーフバルブ66の設定圧以下まで液圧が低下することがない。
したがって、ドライバが無意識のうちにブレーキを緩めた状態で、ドライバの意思に関係なく強制再始動手段3bによりエンジンが再始動した場合でも、第1,第2電磁弁64,67がオン状態に保持されているので車両の停止状態が保持され、これにより、車両の動き出しが防止される。
【0040】
また、その後ブレーキスイッチ25がオフになるか又はアクセルセンサ11によりアクセル操作が検出されると、作動解除手段42により第2電磁弁67がオフに切り換えられ、ホイルシリンダ63側のブレーキオイルがオリフィス68を介して抜けて、この結果液圧が低下する。このとき、オリフィス68を介してブレーキ液圧が徐々に低下するので、やはり、油圧回路で急激に油圧が変動する際に発生する異音矢ショックを防止することができる。
【0041】
そして、その後ブレーキ液圧が十分に低下したら第1電磁弁64がオフに切り換えられる。
したがって、エンジンがアイドルストップ状態であって、ブレーキスイッチ25がオンとなっているもののブレーキを緩めていて実際にはほとんどブレーキを踏んでいない状態のときに、強制再始動手段3bによりエンジンが再始動しても、車両に制動力が作用してドライバの意図しないエンジン始動時に車両の動き出しを確実に防止することができる。
【0042】
また、エンジンの強制再始動後、ブレーキ操作解除が検出される又はアクセル操作が検出されると制動力の保持が解除されるので、ドライバに確実に発進意思がある場合には速やかに制動保持が解除され、クリープ走行を行なうことができるし、発進応答性を損なうこともないという利点がある。
なお、この場合、第1電磁弁64をオフに切り換えるタイミングとしては、上述のものに限定されず、第2電磁弁67をオフに切り換えてから所定時間経過後、又はブレーキ液圧が略0になった時若しくは液圧が0になってから所定時間後、又は車速を検出したとき等種々の変形例が考えられる。
【0043】
また、本発明の実施の形態としては上述のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。たとえば、本実施形態では、ブレーキ操作状態に相関するパラメータとしてブレーキ液圧を用いたが、これ以外にも、ブレーキペダルの踏み込み量や踏み込み力をパラメータとしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置によれば、エンジンが自動停止状態であって、ブレーキ解放操作に関する情報に基づいてエンジンが再始動するので、運転者のごく自然な操作でエンジンを再始動させることができ、エンジンの自動停止時に強制再始動手段によりエンジンが再始動した場合には、ブレーキの操作解除が検出されるまで制動力が保持されるので、ドライバがブレーキを弱めている状態でドライバの意思によらないエンジンの強制始動が行なわれても車両の動き出しを確実に防止できる。また、ドライバにクリープ走行の意思がある場合には速やかに制動保持が解除され、通常通りのクリープ走行を行なうことができる。また、ブレーキペダルを踏んだままアクセルペダルを踏み込んで車両を発進させる場合にも確実に対処することもできる。
また、請求項2記載の本発明の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置によれば、坂道での自動停止中に車両を発進させようとしてエンジンが再始動したときに十分な駆動トルクが得られなくても制動力が保持されているので、車両の後退等が確実に防止される。また、エンジンが十分な駆動トルクを発生している場合、又は車両が実際に動き始めたときに、確実に制動力保持が解除されるので、発進応答性を損なうこともない。
また、請求項3記載の本発明の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置によれば、ドライバに確実に発進意思がある場合には速やかに制動保持が解除され、クリープ走行を行なうことができる、発進応答性を損なうこともないという利点がある
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置の要部機能に着目した模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置が適用されるアイドルストップ車両のブレーキ回路を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置の作用を説明するためのタイムチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置の作用を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 制御手段(ECU)
2 エンジン自動停止手段
3a 再始動手段
3b 強制再始動手段
10 車速センサ(車速検出手段)
11 アクセルセンサ
12 インヒビタスイッチ
14 エンジン回転速度センサ(回転速度検出手段)
22 イグニッションキーセンサ
23 メインスイッチ
24 液圧センサ
25 ブレーキスイッチ
41 制動力保持手段
42 作動解除手段
61 ブレーキペダル
62 マスタシリンダ
63 ホイルシリンダ
64 第1電磁弁
65 逆止弁(チェックバルブ)
66 リリーフ弁(リリーフバルブ)
67 第2電磁弁
68 オリフィス

Claims (3)

  1. ブレーキペダルおよびアクセルペダルを有する車両停車時に所定の条件が成立するとエンジンを自動停止させる自動停止手段と、
    該エンジンの自動停止中に制動力を保持する制動力保持手段と、
    ドライバによる該ブレーキペダルの操作に起因したブレーキ解放操作が行われることで成立する再始動条件が満たされると該エンジンを再始動させる再始動手段と、
    上記再始動条件とは異なる強制再始動条件が成立すると該ブレーキペダルの操作状態に関わらず該エンジンを強制的に再始動させる強制再始動手段と、
    該エンジンの該自動停止時に該強制再始動手段により該エンジンが再始動した場合には、
    該ブレーキ解放操作が行われたという条件および該アクセルペダルの踏み込み操作が行われたという条件のうち少なくとも一方が成立した場合に該制動力保持手段の作動を解除する作動解除手段とをそなえている
    ことを特徴とする、自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置。
  2. 該エンジンが自動停止状態であって該ドライバのブレーキ解放操作に関する情報に基づいて該エンジンが再始動した場合には、該エンジンの回転速度が所定回転速度以上となるか又は車速が発生するまで、該作動解除手段により該制動力保持手段の作動解除が遅延される
    ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置。
  3. 該再始動手段は、ブレーキスイッチがオフになったとき、又は該ブレーキ操作状態に相関するパラメータの変化量の大きさが所定値を超えたときに該エンジンを再始動させる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機付き車両のエンジン自動停止・始動装置
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