JP2004204110A - 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及び発泡性熱可塑性樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】水性媒体を使用せず、余分なエネルギーを用いずに発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく安価に製造するための製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及び発泡性熱可塑性樹脂粒子の提供。
【解決手段】塊状重合法により熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部10と、その脱気セクション12から溶融樹脂19を供給する樹脂供給ライン25と発泡剤供給ライン26とが接続された押出機21と、押出機21に接続したダイ22から押し出された樹脂を切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成するカッター23とを有する押出切断プロセス部20とを含む製造装置。
【選択図】 図1
【解決手段】塊状重合法により熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部10と、その脱気セクション12から溶融樹脂19を供給する樹脂供給ライン25と発泡剤供給ライン26とが接続された押出機21と、押出機21に接続したダイ22から押し出された樹脂を切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成するカッター23とを有する押出切断プロセス部20とを含む製造装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく安価に製造するための発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及びそれによって得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明により得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子は、インスタント食品などのカップ用、各種梱包用、魚箱用、軽量盛土工法などのブロック用、鋳造におけるロストモールド法用、各種OA機器、オーディオ機器、電化製品等の緩衝包装材用などとして用いられる発泡樹脂成形品の原料として好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法として、従来より、懸濁重合法によって得られた樹脂粒子に発泡剤を添加して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
また発泡性熱可塑性樹脂粒子の別な製造方法として、固体状態の熱可塑性樹脂ペレットを押出機に導入し、押出機内で昇温して溶融した樹脂に発泡剤を注入、混合し、これをダイよりストランド状に押し出すと同時に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する方法も知られている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3192916号公報
【特許文献2】
特許第3054017号公報
【特許文献3】
特公平5−59138号公報
【特許文献4】
特開平6−32932号公報
【特許文献5】
特開平6−31726号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した懸濁重合法を用いて樹脂粒子を製造する場合、水性媒体中で重合反応を行うので、懸濁安定剤、界面活性剤、重合開始剤などが含まれる大量の廃液が生じ、この廃液を処理するための廃水処理設備が必要となるとともに廃水処理コストがかかるという課題を残していた。
【0005】
また、固体の樹脂ペレットを用いる方法では、固体状態の熱可塑性樹脂ペレットを押出機内で溶融状態まで加熱しなければならず、そのために余分な熱エネルギーが必要となり、エネルギーコストが高くなるという課題を残していた。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、水性媒体を使用せず、余分なエネルギーを用いずに、発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく安価に製造するための発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及びそれによって得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作る重合セクションと、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去する脱気セクションとを有し、塊状重合法によって熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部と、該塊状重合プロセス部の脱気セクションから溶融状態の熱可塑性樹脂が供給される樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとが樹脂流れ方向上流から下流に向けて順に接続され、樹脂流れ方向末端のダイから発泡剤含有樹脂を押し出す押出機と、該ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッターとを有する押出切断プロセス部とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置を提供する。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置において、前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間に、ブレンド用樹脂を前記押出機に供給する第2の押出機を有する構成としてもよい。
また、前記ブレンド用樹脂を溶融状態で前記押出機に供給するように構成してもよい。
また、前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間か又は前記第2の押出機に接続された添加剤供給ラインを有する構成としてもよい。
さらに、前記押出機は二軸押出機としてもよい。
また、前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置よりも樹脂流れ方向上流側に、該押出機内の樹脂中の揮発分を除去する脱気部を有する構成としてもよい。
また、前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置または該位置より樹脂流れ方向下流側に、該押出機内の樹脂を冷却する冷却手段を有する構成としてもよい。
さらに、前記押出機に昇圧用ギアポンプを有する構成としてもよい。
また、前記樹脂供給ラインに、該ラインを通して供給される溶融状態の樹脂を抜き出すブローダウン部を有する構成としてもよい。
また、前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
【0008】
また本発明は(A)原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作り、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去して熱可塑性樹脂を製造する工程と、
(B)前記熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給し、該押出機の樹脂流れ方向末端のダイに向けて移動させながら該熱可塑性樹脂に発泡剤を注入して発泡剤含有樹脂を形成する工程と、
(C)前記ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を提供する。
また、前記(B)工程の押出機が二軸押出機であることが好ましい。
また、前記(C)工程が、前記ダイの孔からストランド状にして冷却用液体中に押し出された発泡剤含有樹脂を、押し出すと同時に粒状に切断するとともに、液体との接触により冷却して発泡を抑制して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程であることは、これにより得られた樹脂粒子はかどが丸められて取り扱い易いものとなり、また発泡後に粒子同士の融着が良好になるので好ましい。
本発明の方法において、前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
また、前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、以下の条件a、b:
a.重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲であり、
b.揮発分含量が1000ppm以下である、
を満たすものであることが好ましい。
また、前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、重合転化率が95%以上であることが好ましい。
さらに、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は200000〜350000であることが好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂の揮発分含量は500ppm以下であることが好ましい。
また、前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に発泡剤を注入する前にブレンド用樹脂を混合することもできる。
さらに、前記ブレンド用樹脂は溶融状態で前記押出機内に供給することが好ましい。
また、前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂または前記ブレンド用樹脂に添加物を混合することもできる。
また前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に脱気処理を施してもよい。
さらに、前記(A)工程から(B)工程に供給する溶融状態の熱可塑性樹脂の一部を抜き出して樹脂ペレットを製造する工程をさらに有する構成としてもよい。
【0009】
また本発明は、前述した本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法によって製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明において、熱可塑性樹脂としては、塊状重合プロセスによって製造可能な熱可塑性樹脂、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などを挙げることができ、特にポリスチレン(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)などのポリスチレン系樹脂が好適に用いられる。
本発明において、発泡剤としては、前記熱可塑性樹脂に含有させることで該樹脂に発泡性を付与し得る脂肪族炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤などを用いることができる。
本発明において、発泡性熱可塑性樹脂粒子とは、前記熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させて粒状、好ましくは小球状に形成された樹脂粒子を言う。この発泡性熱可塑性樹脂粒子は、自由空間内で加熱して予備発泡し、この予備発泡粒子を所望形状のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に入れ、蒸気加熱して予備発泡粒子同士を融着せしめた後、離型して所望形状の発泡樹脂成形品を製造するのに用いることができる。
本発明において、前記熱可塑性樹脂と任意にブレンドされるブレンド用樹脂としては、前記熱可塑性樹脂と異なる種類の熱可塑性樹脂、あるいは前記熱可塑性樹脂と同じかまたは同種の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば熱可塑性樹脂としてポリスチレン系樹脂を用いる場合、ブレンド用樹脂としてはポリエチレン系樹脂等を用いることができる。また、ブレンド用樹脂には、着色料や無機粉末等の添加剤を混入しておくこともできる。さらに、ブレンド用樹脂として、樹脂製品として一旦使用されてから回収して得られた各種の回収樹脂を配合して用いることもできる。
【0011】
図1は本発明による発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置の一実施形態を示す概略構成図であり、この製造装置は、原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作る重合セクション11と、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去する脱気セクション12とを有し、塊状重合法によって熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部10と、該塊状重合プロセス部の脱気セクション12から供給される溶融状態の熱可塑性樹脂が供給される樹脂供給ライン25と発泡剤供給ライン26とが樹脂流れ方向上流から下流に向けて順に接続され、樹脂流れ方向末端のダイ22から発泡剤含有樹脂を押し出す押出機21と、該ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッター23とを有する押出切断プロセス部20とを有する構成になっている。
【0012】
本実施形態において、塊状重合プロセス部10は、重合セクション11と、脱気セクション12と、脱気セクション12で分離されたモノマーを含む揮発分を回収するモノマー回収部13と、重合セクション11に原料モノマーを供給するモノマー供給ライン14と、重合セクション11で合成された熱可塑性樹脂を含む液を脱気セクション12に送るライン15と、脱気セクション12から溶融状態の熱可塑性樹脂(以下、溶融樹脂19と記す)を取り出すライン16と、脱気セクション12から揮発分をモノマー回収部13に送るライン17と、モノマー回収部13で回収されたモノマーをモノマー供給ライン14に送るライン18とを備えて構成されている。
【0013】
前記塊状重合プロセス部10は、製造する熱可塑性樹脂の種類、製造規模等に応じて、従来公知の塊状重合装置の中から適宜選択し、或いは必要に応じて該装置を変更して用いることができる。例えば、製造する熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である場合には、ポリスチレン(GPPS又はHIPS)製造用として従来公知の連続塊状重合プロセスを用いることができる(佐伯康司・尾見信三編著、「新ポリマー製造プロセス」、工業調査会発行(1994年)参照。)。本発明の好ましい実施形態において、熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である場合、塊状重合プロセス部10は、重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲、好ましくは200000〜350000の範囲であり、揮発分含量が1000ppm以下、好ましくは重合転化率が95%以上であり、好ましくは揮発分含量が500ppm以下であるスチレン系樹脂を塊状重合法によって連続生産し得る装置が用いられる。
【0014】
本実施形態において、押出切断プロセス部20は、押出機21と、その樹脂流れ方向Fの末端に接続されたダイ22と、ダイ22から押し出される発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッター23と、塊状重合プロセス部10の脱気セクション12で揮発分を除去した溶融樹脂19を押出機21に供給する樹脂供給ライン25と、押出機21に第2の樹脂供給ライン29を通してブレンド用樹脂を供給する第2の押出機24と、発泡剤タンク27から供給機28を介してペンタン、イソペンタン、ブタンなどの発泡剤を押出機21に供給する発泡剤供給ライン26と、樹脂供給ライン25の途中に設けられたブローダウン部30と、第2の押出機24にライン32を通してブレンド用樹脂や着色料等の添加剤を供給するブレンド用樹脂貯留部31と、カッター23により切断され、水と共にライン33を通して送られる発泡性熱可塑性樹脂粒子40から脱水し、さらに乾燥する脱水機34と、脱水乾燥後の発泡性熱可塑性樹脂粒子40を所望の粒径範囲に分級し、粒子受け部36に送る分級機35と、分級された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を貯留する粒子貯留部37とを備えて構成されている。
【0015】
前記押出機21は、合成樹脂の成形分野において使用されている従来公知の押出機を用いることができ、スクリュウを用いる押出機でもよく、スクリュウを用いない押出機でもよい。スクリュウを用いる押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、三軸以上の多軸押出機が挙げられ、スクリュウを用いない押出機としては、ギアポンプ押出機、プランジャ式押出機が挙げられる。これらの中から適宜選択して用いることができ、あるいはこれらを多段に連結して用いてもよい。好ましくは樹脂と発泡剤の混練性に優れた単軸押出機、二軸押出機であり、特に好ましくは定量押出の安定性にも優れた二軸押出機である。本実施形態において、押出機21には、その樹脂流れ方向Fの上流から下流に向けて、樹脂供給ライン25、第2の樹脂供給ライン29及び発泡剤供給ライン26が順に接続されている。押出機21に溶融状態で供給される溶融樹脂19は、樹脂流れ方向Fに沿ってその末端に接続されたダイ22に向けて流れる間に、必要に応じて第2の押出機24から第2の樹脂供給ライン29を通して送られるブレンド用樹脂と混合される。さらに溶融樹脂19または溶融樹脂19とブレンド用樹脂との混合樹脂は、発泡剤供給ライン26の接続位置に移動し、ここで発泡剤が注入され、発泡剤含有樹脂となって樹脂流れ方向F末端のダイ22から押し出される。
【0016】
押出圧力の低い押出機を用いる場合、押出機21とダイ22との間に図示しない昇圧用のギアポンプを設けることができる。このギアポンプとしては、合成樹脂成形分野で通常使用されている昇圧用のギアポンプの中から、適当な昇圧性能のものを適宜選択して用いることができる。
また、押出機21の発泡剤供給ライン26の接続位置または該位置より樹脂流れ方向F下流側に、該押出機内の樹脂を冷却する冷却手段を設けることが好ましい。この冷却手段としては、押出機21の外周に取り付けられるジャケット式冷却器などが用いられる。
さらに、押出機21の発泡剤供給ライン26接続位置より樹脂流れ方向F上流側に、押出機21内の樹脂中の揮発分を除去する図示しない脱気部を設けることもできる。このような脱気部を設けることによって、押出機21内の樹脂から揮発分を除去して残留するモノマー等の揮発分含量をより一層減少させることができる。
【0017】
押出機21に接続されたダイ22は、一般の樹脂成形分野、特に発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において用いられる従来公知のダイを用いることができる。ダイ22に多数設けられた発泡剤含有樹脂の押出孔は、製造する発泡性熱可塑性樹脂粒子40の直径と同程度かまたは若干小さ目に設定され、通常は直径0.1〜3mm、特に0.3〜1mm程度の円形孔とするのが好ましい。
【0018】
ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂はカッター23で切断し、発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する。このカッター23は、ホットカット法、コールドカット法のいずれの方式のものを用いることもできる。本実施形態では、切断室内のカッター23に循環水を供給しつつ、ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂を押し出し直後に切断し、切断された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水とともにライン33を通して脱水機34に供給する構成になっている。
【0019】
前記脱水機34は、循環水流によってライン33を通して搬送される発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水と分離し、送風乾燥等によって脱水、乾燥させるためのものであり、発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水と分離するためにはスクリーン、遠心分離器等を用いることができる。本例示にあっては、発泡性熱可塑性樹脂粒子40と分離した水は、ライン38を通して切断室内のカッター23に供給して循環使用している。
前記分級機35、粒子受け部36及び粒子貯留部37は、各種粒子の分級や貯留、移送のために用いられる従来公知の装置を用いることができる。
【0020】
本実施形態において、樹脂供給ライン25には、該ラインを通して供給される溶融樹脂19を抜き出すブローダウン部30が設けられている。好ましい実施形態において、このブローダウン部30は、樹脂供給ライン25から溶融樹脂19を抜き出して、固体樹脂ペレットを形成する図示しないペレット成形部を有している。このようなブローダウン部30を設けることによって、塊状重合プロセス部10の溶融樹脂製造量に対して、押出切断プロセス部20の溶融樹脂処理量が下回った時に、塊状重合プロセス部10で製造された過剰分の溶融樹脂19をブローダウン部30から抜き出し、固体樹脂ペレットを製造して貯留しておくことができる。
従って、このブローダウン部30を設けることによって、押出切断プロセス部20の処理量低下に関係なく、塊状重合プロセス部10を連続運転することができ、処理量低下−増加にともなう塊状重合プロセス部10の生産効率の悪化、エネルギーロスの発生を防ぐことができる。
また、ブローダウン部30で抜き出した溶融樹脂19から製造した固体樹脂ペレットは、他の熱可塑性樹脂成形品の製造原料として、あるいは第2の押出機24を経て押出機21に供給されるブレンド用樹脂の成分として利用可能である。
【0021】
なお、前記塊状重合プロセス部10および押出切断プロセス部20の構成は本発明に係る製造装置の単なる例示に過ぎず、使用する熱可塑性樹脂や発泡剤の種類、押出方法、切断方法、粒子の回収方法、粒子の乾燥方法、仕上げ方法などの変更に応じて、適当な装置を挿入、置換、削除することによって適宜変更することができる。例えば、着色料等の添加剤を加える際に、添加剤をブレンド用樹脂に混入した後、このブレンド用樹脂を第2の押出機24を通して押出機21に供給することに代えて、添加物を押出機21に直接混入するための添加物供給ラインを付設してもよい。
また、押出機21は、上流側の二軸押出機と下流側の単軸押出機とを連結したタンデム型を採用してもよい。
また、前記ブローダウン部30において、溶融樹脂19を樹脂供給ライン25から抜き出す量とタイミングを調節する制御部を設けてもよい。
【0022】
この発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置は、塊状重合によって製造された熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機21に供給して発泡剤を混入し、ダイ22から押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。
さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。
従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【0023】
次に、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を説明する。
本発明の方法は、以下の工程(A)〜(C):
(A)原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作り、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去して熱可塑性樹脂を製造する工程と、
(B)前記熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給し、該押出機の樹脂流れ方向末端のダイに向けて移動させながら該熱可塑性樹脂に発泡剤を注入して発泡剤含有樹脂を形成する工程と、
(C)前記押出機のダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の方法は、好ましくは図1に示す前述した製造装置を用いて実施され、以下の説明においては図1の製造装置において本発明の方法を実施する場合を例示する。
【0024】
本発明の方法において、熱可塑性樹脂はポリスチレン系樹脂であることが好ましい。ここで言うスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーの単独重合であってもよく、またスチレン系モノマーとそれ以外のモノマーとの共重合体であってもよい。スチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等を挙げることができる。また、スチレン系モノマー以外のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。
【0025】
前記原料モノマーは、モノマー供給ライン14を通して重合セクション11に送られ、この重合セクション11において塊状重合される。重合セクション11から取り出される樹脂とモノマーとを含む液はライン15を通って脱気セクション12に送られる。脱気セクション12において、液中のモノマー等の揮発分と熱可塑性樹脂とが分離され、熱可塑性樹脂は溶融状態のまま、ライン16および樹脂供給ライン25を通して押出切断プロセス部20の押出機21に供給される。一方、脱気セクション11にて分離されたモノマー等の揮発分は、気相状態でライン17を通してモノマー回収部13に送られ、冷却コンデンサーによってモノマーを分離回収する。回収されたモノマーは、ライン18を通してモノマー供給ライン14に送られ、原料モノマーとして利用される。
【0026】
ここでの塊状重合条件は、押出機21に供給されるポリスチレン系樹脂が、以下の条件a、b:
a.重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲、好ましくは200000〜350000の範囲、
b.揮発分含量が1000ppm以下、
を満たすものであることが好ましい。さらに好ましくは、重合転化率が95%以上であり、揮発分含量が500ppm以下である。
【0027】
重量平均分子量Mwが前記範囲より低いと、得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子40を構成するポリスチレン系樹脂の分子量が低くなり、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなる。なお、押出機21に供給されるポリスチレン系樹脂は、押出機21内で剪断などを受けて劣化するために、押出後の樹脂の重量平均分子量Mwは押出前の樹脂に比べて低下する傾向にある。従って、塊状重合プロセス部10において製造するポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwは、発泡性熱可塑性樹脂粒子40において好適な重量平均分子量Mwの下限値よりも高めに設定しておくことが望ましい。
また重量平均分子量Mwが前記範囲より高いと、得られる熱可塑性樹脂の粘性が高くなり、溶融状態で移送することが困難になる問題を生じる。
前記重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定する。即ち試料約30mgをクロロホルム10mlで溶解し、0.45μmクロマトディスクで濾過後、これを次のように測定する。
測定装置:Waters社製、HPLC(Detector484,Pump510)
カラム:Waters社製、μStyragel 103+104+105+106A
測定条件:カラム温度(40℃)、移動相(クロロホルム)、移動相流量(1.2ml/min)、注入・ポンプ温度(室温)、測定時間(60min)、検出(UV254)、注入量(50μl)
検量線用標準ポリスチレン:
昭和電工株式会社製(Shodex)の分子量1,030,000および東ソー株式会社製の分子量5,840,000と3,840,000と355,000と96,400と37,900と9,100と2,630と495
装置を安定させた後さらに再現性を向上させるために、はじめの3回の測定値は用いず、4回目以降の測定値を用いて重量平均分子量Mwとした。
【0028】
また揮発分含量が1000ppm以上であると、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなるとともに、発泡樹脂成形品中のモノマー含量が増加し、モノマー溶出量の増加等の問題を生じるおそれがある。なお、溶融樹脂19中の揮発分含量を低下させるためには、脱気セクション12において多段の脱気槽を連結して精密な脱気プロセスを行うことが望ましい。また、発泡性熱可塑性樹脂粒子40の揮発分含量を低下させるためには、押出機21に脱気部を設けておき、この脱気部において発泡剤注入前の樹脂から揮発分を除去するように構成することもできる。
前記揮発分含量(ppm)は食品衛生法(厚生省告示第98号、ポリスチレン材料試験)に基づいて測定する。即ち試料1gを精秤し、ジメチルホルムアミド(DNF)に溶解し、0.1vol%シクロペンタノールDNF溶液(内部標準液)1mlを加え、さらにDNFで希釈し20mlに定容し測定試料液とし、これを次のように測定する。
測定装置:株式会社島津製作所製、ガスクロマトグラフGC−14A(検出器:FID)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製、PEG−20MPT(25%UniportB(60/80)2m)
測定条件:カラム温度(105℃)、キャリアガス(窒素)、キャリアガス流量(50ml/min)、注入口温度(220℃)、検出器温度(220℃)、注入量(3μl)
揮発分としてトルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、スチレンの5種類の量を測定し、これらの総量から揮発分含量(ppm)を算出した。
【0029】
さらに前記重合転化率が95%未満であると、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなる。本発明にあっては、塊状重合プロセス部10で製造した溶融樹脂19を直接押出機21に供給するので、押出機21内で重合反応が進行せず、押出機21にはほぼ完全に、好ましくは完全に重合を終えた(すなわち重合転化率が100%に近い)溶融樹脂19を押出機21に供給することが望ましい。
前記重合転化率(%)は、残存スチレン濃度(質量%)を測定し、(100−残存スチレン濃度(質量%))にて算出した。残存スチレン濃度(質量%)は、前記揮発分含量の測定方法を用いてスチレンの量を測定し、質量百分率であらわしたものである。
【0030】
溶融樹脂19は、溶融温度域で、好ましくは210〜220℃程度で樹脂供給ライン25を通して押出機21に供給される。押出機21には、その樹脂流れ方向Fの上流から下流に向けて、樹脂供給ライン25、第2の樹脂供給ライン29、発泡剤供給ライン26が順に接続されており、ポリスチレン系樹脂にブレンド用樹脂を混入する場合には、第2の押出機24から溶融状態のブレンド用樹脂を押出機21に供給し、前記ポリスチレン系樹脂と混練し、樹脂流れ方向F下流側に送る。このブレンド用樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの各種の熱可塑性樹脂を用いることができ、このブレンド用樹脂には着色料などの添加剤を予め混練して均一に溶解又は分散させておくこともできる。
【0031】
本発明において用いることができる添加剤としては、顔料等の着色料、気泡核剤、気泡調整剤、紫外線安定剤、耐電防止剤、難燃剤などを挙げることができる。気泡核剤としてはタルク、特に微粉末タルク、炭酸カルシウム、シリカ等を用いることが好ましい。タルクとしては全樹脂100質量部に対して0.5〜2.0質量部程度用いることが好ましい。なお、これらの添加剤は、別途設けた添加剤供給ラインを通して押出機21内に供給することもできる。
【0032】
押出機21内を樹脂流れ方向F下流に向けて移動し、発泡剤供給ライン26接続位置に達した樹脂には、発泡剤が注入される。
ポリスチレン系樹脂の発泡に好適な発泡剤としては、大別すると炭化水素類、エーテル類に分けられ、その中でも常温常圧下で気体又は液体状の有機化合物が適している。炭化水素類としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、石油エーテルを挙げることができる。また、エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のものを挙げることができる。その他、二酸化炭素、窒素等の無機ガスを用いることができる。これらの発泡剤は単独で用いることもできるし、二種以上のものを混合して用いることもできる。これらの中では、n−ペンタン、イソペンタン、n−ブタン、イソブタンが特に好ましい。
発泡剤の使用量は、発泡剤の種類と発泡させようとする倍率によって異なるが、通常は全樹脂100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部程度とされる。
【0033】
前記発泡剤を注入した後、押出機21の樹脂流れ方向F末端に送られた発泡剤含有樹脂は、押出機21に接続されたダイ22の孔からストランド状に押し出される。本発明の方法では、押し出された発泡剤含有樹脂が発泡しないようにすることが必要である。そのためにはダイ22から押し出された樹脂を加圧された液体、好ましくは水中に押し出し、押し出すと同時に樹脂を冷却すること、または一旦気体中、好ましくは大気中に押し出し、押し出し後ただちに水中に導いて樹脂を冷却することが必要である。
【0034】
本発明の方法において、ダイ22から押し出されたストランドを切断する方式として、コールドカット法、ホットカット法のいずれも用いることができ、ホットカット法を用いることが好ましい。ホットカット法によるときは、ダイ22近傍にカッター23の回転刃を配置し、ダイ22の孔からストランド状に押し出されてくる発泡剤含有樹脂を回転刃で連続的に切断して粒子とすることが好ましい。このようにすると、得られた樹脂粒子はかどが丸められて取り扱い易いものとなり、また発泡後に粒子同士の融着が良好となって良好な機械特性を有する発泡樹脂成形体を得ることができる。
【0035】
カッター23で粒子状に切断され、循環水で冷却された発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、循環水とともにライン33を通して脱水機34に供給される。
脱水機34で循環水と分離し、送風乾燥等により脱水、乾燥した後、発泡性熱可塑性樹脂粒子40は分級機35で分級され、所望の粒度分布範囲の粒子を粒子受け部36に集め、粒子貯留部37に貯留される。その後、貯留された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を適用な容器に計量充填し、必要に応じて包装して製品化される。
【0036】
本発明の方法は、塊状重合によって熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機21に供給して発泡剤を混入し、ダイ22から押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。
さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子40を製造することができる。
【0037】
このようにして製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、自由空間内で加熱して予備発泡し、この予備発泡粒子を所望形状のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に入れ、蒸気加熱して予備発泡粒子同士を融着せしめた後、離型して所望形状の発泡樹脂成形品を製造するのに用いることができる。
本発明による発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、前述した本発明の方法により製造されたものなので、優れた機械強度を有する発泡樹脂成形品を製造可能であり、しかも安価なものとなる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は塊状重合によって製造された熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給して発泡剤を混入し、ダイから押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…塊状重合プロセス部、11…重合セクション、12…脱気セクション、13…モノマー回収部、14…モノマー供給ライン、15〜18…ライン、19…溶融樹脂(溶融状態の熱可塑性樹脂)、20…押出切断プロセス部、21…押出機、22…ダイ、23…カッター、24…第2の押出機、25…樹脂供給ライン、26…発泡剤供給ライン、27…発泡剤タンク、28…供給機、29…第2の樹脂供給ライン、30…ブローダウン部、31…ブレンド用樹脂貯留部、32〜33…ライン、34…脱水機、35…分級機、36…粒子受け部、37…粒子貯留部、38…ライン、40…発泡性熱可塑性樹脂粒子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく安価に製造するための発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及びそれによって得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
本発明により得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子は、インスタント食品などのカップ用、各種梱包用、魚箱用、軽量盛土工法などのブロック用、鋳造におけるロストモールド法用、各種OA機器、オーディオ機器、電化製品等の緩衝包装材用などとして用いられる発泡樹脂成形品の原料として好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法として、従来より、懸濁重合法によって得られた樹脂粒子に発泡剤を添加して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
また発泡性熱可塑性樹脂粒子の別な製造方法として、固体状態の熱可塑性樹脂ペレットを押出機に導入し、押出機内で昇温して溶融した樹脂に発泡剤を注入、混合し、これをダイよりストランド状に押し出すと同時に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する方法も知られている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3192916号公報
【特許文献2】
特許第3054017号公報
【特許文献3】
特公平5−59138号公報
【特許文献4】
特開平6−32932号公報
【特許文献5】
特開平6−31726号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した懸濁重合法を用いて樹脂粒子を製造する場合、水性媒体中で重合反応を行うので、懸濁安定剤、界面活性剤、重合開始剤などが含まれる大量の廃液が生じ、この廃液を処理するための廃水処理設備が必要となるとともに廃水処理コストがかかるという課題を残していた。
【0005】
また、固体の樹脂ペレットを用いる方法では、固体状態の熱可塑性樹脂ペレットを押出機内で溶融状態まで加熱しなければならず、そのために余分な熱エネルギーが必要となり、エネルギーコストが高くなるという課題を残していた。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、水性媒体を使用せず、余分なエネルギーを用いずに、発泡樹脂成形品の製造に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく安価に製造するための発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置と発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法及びそれによって得られた発泡性熱可塑性樹脂粒子の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作る重合セクションと、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去する脱気セクションとを有し、塊状重合法によって熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部と、該塊状重合プロセス部の脱気セクションから溶融状態の熱可塑性樹脂が供給される樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとが樹脂流れ方向上流から下流に向けて順に接続され、樹脂流れ方向末端のダイから発泡剤含有樹脂を押し出す押出機と、該ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッターとを有する押出切断プロセス部とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置を提供する。
本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置において、前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間に、ブレンド用樹脂を前記押出機に供給する第2の押出機を有する構成としてもよい。
また、前記ブレンド用樹脂を溶融状態で前記押出機に供給するように構成してもよい。
また、前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間か又は前記第2の押出機に接続された添加剤供給ラインを有する構成としてもよい。
さらに、前記押出機は二軸押出機としてもよい。
また、前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置よりも樹脂流れ方向上流側に、該押出機内の樹脂中の揮発分を除去する脱気部を有する構成としてもよい。
また、前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置または該位置より樹脂流れ方向下流側に、該押出機内の樹脂を冷却する冷却手段を有する構成としてもよい。
さらに、前記押出機に昇圧用ギアポンプを有する構成としてもよい。
また、前記樹脂供給ラインに、該ラインを通して供給される溶融状態の樹脂を抜き出すブローダウン部を有する構成としてもよい。
また、前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
【0008】
また本発明は(A)原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作り、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去して熱可塑性樹脂を製造する工程と、
(B)前記熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給し、該押出機の樹脂流れ方向末端のダイに向けて移動させながら該熱可塑性樹脂に発泡剤を注入して発泡剤含有樹脂を形成する工程と、
(C)前記ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を提供する。
また、前記(B)工程の押出機が二軸押出機であることが好ましい。
また、前記(C)工程が、前記ダイの孔からストランド状にして冷却用液体中に押し出された発泡剤含有樹脂を、押し出すと同時に粒状に切断するとともに、液体との接触により冷却して発泡を抑制して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程であることは、これにより得られた樹脂粒子はかどが丸められて取り扱い易いものとなり、また発泡後に粒子同士の融着が良好になるので好ましい。
本発明の方法において、前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
また、前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、以下の条件a、b:
a.重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲であり、
b.揮発分含量が1000ppm以下である、
を満たすものであることが好ましい。
また、前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、重合転化率が95%以上であることが好ましい。
さらに、前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は200000〜350000であることが好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂の揮発分含量は500ppm以下であることが好ましい。
また、前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に発泡剤を注入する前にブレンド用樹脂を混合することもできる。
さらに、前記ブレンド用樹脂は溶融状態で前記押出機内に供給することが好ましい。
また、前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂または前記ブレンド用樹脂に添加物を混合することもできる。
また前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に脱気処理を施してもよい。
さらに、前記(A)工程から(B)工程に供給する溶融状態の熱可塑性樹脂の一部を抜き出して樹脂ペレットを製造する工程をさらに有する構成としてもよい。
【0009】
また本発明は、前述した本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法によって製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明において、熱可塑性樹脂としては、塊状重合プロセスによって製造可能な熱可塑性樹脂、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などを挙げることができ、特にポリスチレン(GPPS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)などのポリスチレン系樹脂が好適に用いられる。
本発明において、発泡剤としては、前記熱可塑性樹脂に含有させることで該樹脂に発泡性を付与し得る脂肪族炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤などを用いることができる。
本発明において、発泡性熱可塑性樹脂粒子とは、前記熱可塑性樹脂に発泡剤を含有させて粒状、好ましくは小球状に形成された樹脂粒子を言う。この発泡性熱可塑性樹脂粒子は、自由空間内で加熱して予備発泡し、この予備発泡粒子を所望形状のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に入れ、蒸気加熱して予備発泡粒子同士を融着せしめた後、離型して所望形状の発泡樹脂成形品を製造するのに用いることができる。
本発明において、前記熱可塑性樹脂と任意にブレンドされるブレンド用樹脂としては、前記熱可塑性樹脂と異なる種類の熱可塑性樹脂、あるいは前記熱可塑性樹脂と同じかまたは同種の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば熱可塑性樹脂としてポリスチレン系樹脂を用いる場合、ブレンド用樹脂としてはポリエチレン系樹脂等を用いることができる。また、ブレンド用樹脂には、着色料や無機粉末等の添加剤を混入しておくこともできる。さらに、ブレンド用樹脂として、樹脂製品として一旦使用されてから回収して得られた各種の回収樹脂を配合して用いることもできる。
【0011】
図1は本発明による発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置の一実施形態を示す概略構成図であり、この製造装置は、原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作る重合セクション11と、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去する脱気セクション12とを有し、塊状重合法によって熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部10と、該塊状重合プロセス部の脱気セクション12から供給される溶融状態の熱可塑性樹脂が供給される樹脂供給ライン25と発泡剤供給ライン26とが樹脂流れ方向上流から下流に向けて順に接続され、樹脂流れ方向末端のダイ22から発泡剤含有樹脂を押し出す押出機21と、該ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッター23とを有する押出切断プロセス部20とを有する構成になっている。
【0012】
本実施形態において、塊状重合プロセス部10は、重合セクション11と、脱気セクション12と、脱気セクション12で分離されたモノマーを含む揮発分を回収するモノマー回収部13と、重合セクション11に原料モノマーを供給するモノマー供給ライン14と、重合セクション11で合成された熱可塑性樹脂を含む液を脱気セクション12に送るライン15と、脱気セクション12から溶融状態の熱可塑性樹脂(以下、溶融樹脂19と記す)を取り出すライン16と、脱気セクション12から揮発分をモノマー回収部13に送るライン17と、モノマー回収部13で回収されたモノマーをモノマー供給ライン14に送るライン18とを備えて構成されている。
【0013】
前記塊状重合プロセス部10は、製造する熱可塑性樹脂の種類、製造規模等に応じて、従来公知の塊状重合装置の中から適宜選択し、或いは必要に応じて該装置を変更して用いることができる。例えば、製造する熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である場合には、ポリスチレン(GPPS又はHIPS)製造用として従来公知の連続塊状重合プロセスを用いることができる(佐伯康司・尾見信三編著、「新ポリマー製造プロセス」、工業調査会発行(1994年)参照。)。本発明の好ましい実施形態において、熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である場合、塊状重合プロセス部10は、重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲、好ましくは200000〜350000の範囲であり、揮発分含量が1000ppm以下、好ましくは重合転化率が95%以上であり、好ましくは揮発分含量が500ppm以下であるスチレン系樹脂を塊状重合法によって連続生産し得る装置が用いられる。
【0014】
本実施形態において、押出切断プロセス部20は、押出機21と、その樹脂流れ方向Fの末端に接続されたダイ22と、ダイ22から押し出される発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッター23と、塊状重合プロセス部10の脱気セクション12で揮発分を除去した溶融樹脂19を押出機21に供給する樹脂供給ライン25と、押出機21に第2の樹脂供給ライン29を通してブレンド用樹脂を供給する第2の押出機24と、発泡剤タンク27から供給機28を介してペンタン、イソペンタン、ブタンなどの発泡剤を押出機21に供給する発泡剤供給ライン26と、樹脂供給ライン25の途中に設けられたブローダウン部30と、第2の押出機24にライン32を通してブレンド用樹脂や着色料等の添加剤を供給するブレンド用樹脂貯留部31と、カッター23により切断され、水と共にライン33を通して送られる発泡性熱可塑性樹脂粒子40から脱水し、さらに乾燥する脱水機34と、脱水乾燥後の発泡性熱可塑性樹脂粒子40を所望の粒径範囲に分級し、粒子受け部36に送る分級機35と、分級された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を貯留する粒子貯留部37とを備えて構成されている。
【0015】
前記押出機21は、合成樹脂の成形分野において使用されている従来公知の押出機を用いることができ、スクリュウを用いる押出機でもよく、スクリュウを用いない押出機でもよい。スクリュウを用いる押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、三軸以上の多軸押出機が挙げられ、スクリュウを用いない押出機としては、ギアポンプ押出機、プランジャ式押出機が挙げられる。これらの中から適宜選択して用いることができ、あるいはこれらを多段に連結して用いてもよい。好ましくは樹脂と発泡剤の混練性に優れた単軸押出機、二軸押出機であり、特に好ましくは定量押出の安定性にも優れた二軸押出機である。本実施形態において、押出機21には、その樹脂流れ方向Fの上流から下流に向けて、樹脂供給ライン25、第2の樹脂供給ライン29及び発泡剤供給ライン26が順に接続されている。押出機21に溶融状態で供給される溶融樹脂19は、樹脂流れ方向Fに沿ってその末端に接続されたダイ22に向けて流れる間に、必要に応じて第2の押出機24から第2の樹脂供給ライン29を通して送られるブレンド用樹脂と混合される。さらに溶融樹脂19または溶融樹脂19とブレンド用樹脂との混合樹脂は、発泡剤供給ライン26の接続位置に移動し、ここで発泡剤が注入され、発泡剤含有樹脂となって樹脂流れ方向F末端のダイ22から押し出される。
【0016】
押出圧力の低い押出機を用いる場合、押出機21とダイ22との間に図示しない昇圧用のギアポンプを設けることができる。このギアポンプとしては、合成樹脂成形分野で通常使用されている昇圧用のギアポンプの中から、適当な昇圧性能のものを適宜選択して用いることができる。
また、押出機21の発泡剤供給ライン26の接続位置または該位置より樹脂流れ方向F下流側に、該押出機内の樹脂を冷却する冷却手段を設けることが好ましい。この冷却手段としては、押出機21の外周に取り付けられるジャケット式冷却器などが用いられる。
さらに、押出機21の発泡剤供給ライン26接続位置より樹脂流れ方向F上流側に、押出機21内の樹脂中の揮発分を除去する図示しない脱気部を設けることもできる。このような脱気部を設けることによって、押出機21内の樹脂から揮発分を除去して残留するモノマー等の揮発分含量をより一層減少させることができる。
【0017】
押出機21に接続されたダイ22は、一般の樹脂成形分野、特に発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造において用いられる従来公知のダイを用いることができる。ダイ22に多数設けられた発泡剤含有樹脂の押出孔は、製造する発泡性熱可塑性樹脂粒子40の直径と同程度かまたは若干小さ目に設定され、通常は直径0.1〜3mm、特に0.3〜1mm程度の円形孔とするのが好ましい。
【0018】
ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂はカッター23で切断し、発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する。このカッター23は、ホットカット法、コールドカット法のいずれの方式のものを用いることもできる。本実施形態では、切断室内のカッター23に循環水を供給しつつ、ダイ22から押し出された発泡剤含有樹脂を押し出し直後に切断し、切断された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水とともにライン33を通して脱水機34に供給する構成になっている。
【0019】
前記脱水機34は、循環水流によってライン33を通して搬送される発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水と分離し、送風乾燥等によって脱水、乾燥させるためのものであり、発泡性熱可塑性樹脂粒子40を循環水と分離するためにはスクリーン、遠心分離器等を用いることができる。本例示にあっては、発泡性熱可塑性樹脂粒子40と分離した水は、ライン38を通して切断室内のカッター23に供給して循環使用している。
前記分級機35、粒子受け部36及び粒子貯留部37は、各種粒子の分級や貯留、移送のために用いられる従来公知の装置を用いることができる。
【0020】
本実施形態において、樹脂供給ライン25には、該ラインを通して供給される溶融樹脂19を抜き出すブローダウン部30が設けられている。好ましい実施形態において、このブローダウン部30は、樹脂供給ライン25から溶融樹脂19を抜き出して、固体樹脂ペレットを形成する図示しないペレット成形部を有している。このようなブローダウン部30を設けることによって、塊状重合プロセス部10の溶融樹脂製造量に対して、押出切断プロセス部20の溶融樹脂処理量が下回った時に、塊状重合プロセス部10で製造された過剰分の溶融樹脂19をブローダウン部30から抜き出し、固体樹脂ペレットを製造して貯留しておくことができる。
従って、このブローダウン部30を設けることによって、押出切断プロセス部20の処理量低下に関係なく、塊状重合プロセス部10を連続運転することができ、処理量低下−増加にともなう塊状重合プロセス部10の生産効率の悪化、エネルギーロスの発生を防ぐことができる。
また、ブローダウン部30で抜き出した溶融樹脂19から製造した固体樹脂ペレットは、他の熱可塑性樹脂成形品の製造原料として、あるいは第2の押出機24を経て押出機21に供給されるブレンド用樹脂の成分として利用可能である。
【0021】
なお、前記塊状重合プロセス部10および押出切断プロセス部20の構成は本発明に係る製造装置の単なる例示に過ぎず、使用する熱可塑性樹脂や発泡剤の種類、押出方法、切断方法、粒子の回収方法、粒子の乾燥方法、仕上げ方法などの変更に応じて、適当な装置を挿入、置換、削除することによって適宜変更することができる。例えば、着色料等の添加剤を加える際に、添加剤をブレンド用樹脂に混入した後、このブレンド用樹脂を第2の押出機24を通して押出機21に供給することに代えて、添加物を押出機21に直接混入するための添加物供給ラインを付設してもよい。
また、押出機21は、上流側の二軸押出機と下流側の単軸押出機とを連結したタンデム型を採用してもよい。
また、前記ブローダウン部30において、溶融樹脂19を樹脂供給ライン25から抜き出す量とタイミングを調節する制御部を設けてもよい。
【0022】
この発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置は、塊状重合によって製造された熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機21に供給して発泡剤を混入し、ダイ22から押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。
さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。
従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【0023】
次に、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を説明する。
本発明の方法は、以下の工程(A)〜(C):
(A)原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作り、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去して熱可塑性樹脂を製造する工程と、
(B)前記熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給し、該押出機の樹脂流れ方向末端のダイに向けて移動させながら該熱可塑性樹脂に発泡剤を注入して発泡剤含有樹脂を形成する工程と、
(C)前記押出機のダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の方法は、好ましくは図1に示す前述した製造装置を用いて実施され、以下の説明においては図1の製造装置において本発明の方法を実施する場合を例示する。
【0024】
本発明の方法において、熱可塑性樹脂はポリスチレン系樹脂であることが好ましい。ここで言うスチレン系樹脂は、スチレン系モノマーの単独重合であってもよく、またスチレン系モノマーとそれ以外のモノマーとの共重合体であってもよい。スチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等を挙げることができる。また、スチレン系モノマー以外のモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることができる。
【0025】
前記原料モノマーは、モノマー供給ライン14を通して重合セクション11に送られ、この重合セクション11において塊状重合される。重合セクション11から取り出される樹脂とモノマーとを含む液はライン15を通って脱気セクション12に送られる。脱気セクション12において、液中のモノマー等の揮発分と熱可塑性樹脂とが分離され、熱可塑性樹脂は溶融状態のまま、ライン16および樹脂供給ライン25を通して押出切断プロセス部20の押出機21に供給される。一方、脱気セクション11にて分離されたモノマー等の揮発分は、気相状態でライン17を通してモノマー回収部13に送られ、冷却コンデンサーによってモノマーを分離回収する。回収されたモノマーは、ライン18を通してモノマー供給ライン14に送られ、原料モノマーとして利用される。
【0026】
ここでの塊状重合条件は、押出機21に供給されるポリスチレン系樹脂が、以下の条件a、b:
a.重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲、好ましくは200000〜350000の範囲、
b.揮発分含量が1000ppm以下、
を満たすものであることが好ましい。さらに好ましくは、重合転化率が95%以上であり、揮発分含量が500ppm以下である。
【0027】
重量平均分子量Mwが前記範囲より低いと、得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子40を構成するポリスチレン系樹脂の分子量が低くなり、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなる。なお、押出機21に供給されるポリスチレン系樹脂は、押出機21内で剪断などを受けて劣化するために、押出後の樹脂の重量平均分子量Mwは押出前の樹脂に比べて低下する傾向にある。従って、塊状重合プロセス部10において製造するポリスチレン系樹脂の重量平均分子量Mwは、発泡性熱可塑性樹脂粒子40において好適な重量平均分子量Mwの下限値よりも高めに設定しておくことが望ましい。
また重量平均分子量Mwが前記範囲より高いと、得られる熱可塑性樹脂の粘性が高くなり、溶融状態で移送することが困難になる問題を生じる。
前記重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定する。即ち試料約30mgをクロロホルム10mlで溶解し、0.45μmクロマトディスクで濾過後、これを次のように測定する。
測定装置:Waters社製、HPLC(Detector484,Pump510)
カラム:Waters社製、μStyragel 103+104+105+106A
測定条件:カラム温度(40℃)、移動相(クロロホルム)、移動相流量(1.2ml/min)、注入・ポンプ温度(室温)、測定時間(60min)、検出(UV254)、注入量(50μl)
検量線用標準ポリスチレン:
昭和電工株式会社製(Shodex)の分子量1,030,000および東ソー株式会社製の分子量5,840,000と3,840,000と355,000と96,400と37,900と9,100と2,630と495
装置を安定させた後さらに再現性を向上させるために、はじめの3回の測定値は用いず、4回目以降の測定値を用いて重量平均分子量Mwとした。
【0028】
また揮発分含量が1000ppm以上であると、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなるとともに、発泡樹脂成形品中のモノマー含量が増加し、モノマー溶出量の増加等の問題を生じるおそれがある。なお、溶融樹脂19中の揮発分含量を低下させるためには、脱気セクション12において多段の脱気槽を連結して精密な脱気プロセスを行うことが望ましい。また、発泡性熱可塑性樹脂粒子40の揮発分含量を低下させるためには、押出機21に脱気部を設けておき、この脱気部において発泡剤注入前の樹脂から揮発分を除去するように構成することもできる。
前記揮発分含量(ppm)は食品衛生法(厚生省告示第98号、ポリスチレン材料試験)に基づいて測定する。即ち試料1gを精秤し、ジメチルホルムアミド(DNF)に溶解し、0.1vol%シクロペンタノールDNF溶液(内部標準液)1mlを加え、さらにDNFで希釈し20mlに定容し測定試料液とし、これを次のように測定する。
測定装置:株式会社島津製作所製、ガスクロマトグラフGC−14A(検出器:FID)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製、PEG−20MPT(25%UniportB(60/80)2m)
測定条件:カラム温度(105℃)、キャリアガス(窒素)、キャリアガス流量(50ml/min)、注入口温度(220℃)、検出器温度(220℃)、注入量(3μl)
揮発分としてトルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、スチレンの5種類の量を測定し、これらの総量から揮発分含量(ppm)を算出した。
【0029】
さらに前記重合転化率が95%未満であると、機械強度が良好な発泡樹脂成形品が得られなくなる。本発明にあっては、塊状重合プロセス部10で製造した溶融樹脂19を直接押出機21に供給するので、押出機21内で重合反応が進行せず、押出機21にはほぼ完全に、好ましくは完全に重合を終えた(すなわち重合転化率が100%に近い)溶融樹脂19を押出機21に供給することが望ましい。
前記重合転化率(%)は、残存スチレン濃度(質量%)を測定し、(100−残存スチレン濃度(質量%))にて算出した。残存スチレン濃度(質量%)は、前記揮発分含量の測定方法を用いてスチレンの量を測定し、質量百分率であらわしたものである。
【0030】
溶融樹脂19は、溶融温度域で、好ましくは210〜220℃程度で樹脂供給ライン25を通して押出機21に供給される。押出機21には、その樹脂流れ方向Fの上流から下流に向けて、樹脂供給ライン25、第2の樹脂供給ライン29、発泡剤供給ライン26が順に接続されており、ポリスチレン系樹脂にブレンド用樹脂を混入する場合には、第2の押出機24から溶融状態のブレンド用樹脂を押出機21に供給し、前記ポリスチレン系樹脂と混練し、樹脂流れ方向F下流側に送る。このブレンド用樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの各種の熱可塑性樹脂を用いることができ、このブレンド用樹脂には着色料などの添加剤を予め混練して均一に溶解又は分散させておくこともできる。
【0031】
本発明において用いることができる添加剤としては、顔料等の着色料、気泡核剤、気泡調整剤、紫外線安定剤、耐電防止剤、難燃剤などを挙げることができる。気泡核剤としてはタルク、特に微粉末タルク、炭酸カルシウム、シリカ等を用いることが好ましい。タルクとしては全樹脂100質量部に対して0.5〜2.0質量部程度用いることが好ましい。なお、これらの添加剤は、別途設けた添加剤供給ラインを通して押出機21内に供給することもできる。
【0032】
押出機21内を樹脂流れ方向F下流に向けて移動し、発泡剤供給ライン26接続位置に達した樹脂には、発泡剤が注入される。
ポリスチレン系樹脂の発泡に好適な発泡剤としては、大別すると炭化水素類、エーテル類に分けられ、その中でも常温常圧下で気体又は液体状の有機化合物が適している。炭化水素類としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、石油エーテルを挙げることができる。また、エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のものを挙げることができる。その他、二酸化炭素、窒素等の無機ガスを用いることができる。これらの発泡剤は単独で用いることもできるし、二種以上のものを混合して用いることもできる。これらの中では、n−ペンタン、イソペンタン、n−ブタン、イソブタンが特に好ましい。
発泡剤の使用量は、発泡剤の種類と発泡させようとする倍率によって異なるが、通常は全樹脂100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部程度とされる。
【0033】
前記発泡剤を注入した後、押出機21の樹脂流れ方向F末端に送られた発泡剤含有樹脂は、押出機21に接続されたダイ22の孔からストランド状に押し出される。本発明の方法では、押し出された発泡剤含有樹脂が発泡しないようにすることが必要である。そのためにはダイ22から押し出された樹脂を加圧された液体、好ましくは水中に押し出し、押し出すと同時に樹脂を冷却すること、または一旦気体中、好ましくは大気中に押し出し、押し出し後ただちに水中に導いて樹脂を冷却することが必要である。
【0034】
本発明の方法において、ダイ22から押し出されたストランドを切断する方式として、コールドカット法、ホットカット法のいずれも用いることができ、ホットカット法を用いることが好ましい。ホットカット法によるときは、ダイ22近傍にカッター23の回転刃を配置し、ダイ22の孔からストランド状に押し出されてくる発泡剤含有樹脂を回転刃で連続的に切断して粒子とすることが好ましい。このようにすると、得られた樹脂粒子はかどが丸められて取り扱い易いものとなり、また発泡後に粒子同士の融着が良好となって良好な機械特性を有する発泡樹脂成形体を得ることができる。
【0035】
カッター23で粒子状に切断され、循環水で冷却された発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、循環水とともにライン33を通して脱水機34に供給される。
脱水機34で循環水と分離し、送風乾燥等により脱水、乾燥した後、発泡性熱可塑性樹脂粒子40は分級機35で分級され、所望の粒度分布範囲の粒子を粒子受け部36に集め、粒子貯留部37に貯留される。その後、貯留された発泡性熱可塑性樹脂粒子40を適用な容器に計量充填し、必要に応じて包装して製品化される。
【0036】
本発明の方法は、塊状重合によって熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機21に供給して発泡剤を混入し、ダイ22から押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子40を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。
さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子40を製造することができる。
【0037】
このようにして製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、自由空間内で加熱して予備発泡し、この予備発泡粒子を所望形状のキャビティを有する成形型の該キャビティ内に入れ、蒸気加熱して予備発泡粒子同士を融着せしめた後、離型して所望形状の発泡樹脂成形品を製造するのに用いることができる。
本発明による発泡性熱可塑性樹脂粒子40は、前述した本発明の方法により製造されたものなので、優れた機械強度を有する発泡樹脂成形品を製造可能であり、しかも安価なものとなる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は塊状重合によって製造された熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給して発泡剤を混入し、ダイから押し出し切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を形成する構成としたので、懸濁重合法において課題となる大量の水性媒体が不要であり、この水性媒体の廃水処理に必要な廃水処理設備が不要となり、廃水処理設備の設置コスト及び運転コストを削減することができる。また発泡性熱可塑性樹脂粒子を効率よく連続生産できるので、生産コストが減少する。さらに、固体樹脂ペレットを押出機に導入し、再溶融して発泡剤を注入混合して発泡性熱可塑性樹脂粒子を作る方法と比べて、再溶融に要するエネルギーロスがなくなり、エネルギーコストを削減することができる。従って、本発明によれば、低コストで発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…塊状重合プロセス部、11…重合セクション、12…脱気セクション、13…モノマー回収部、14…モノマー供給ライン、15〜18…ライン、19…溶融樹脂(溶融状態の熱可塑性樹脂)、20…押出切断プロセス部、21…押出機、22…ダイ、23…カッター、24…第2の押出機、25…樹脂供給ライン、26…発泡剤供給ライン、27…発泡剤タンク、28…供給機、29…第2の樹脂供給ライン、30…ブローダウン部、31…ブレンド用樹脂貯留部、32〜33…ライン、34…脱水機、35…分級機、36…粒子受け部、37…粒子貯留部、38…ライン、40…発泡性熱可塑性樹脂粒子。
Claims (24)
- 原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作る重合セクションと、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去する脱気セクションとを有し、塊状重合法によって熱可塑性樹脂を製造する塊状重合プロセス部と、
該塊状重合プロセス部の脱気セクションから溶融状態の熱可塑性樹脂が供給される樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとが樹脂流れ方向上流から下流に向けて順に接続され、樹脂流れ方向末端のダイから発泡剤含有樹脂を押し出す押出機と、該ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断するカッターとを有する押出切断プロセス部とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。 - 前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間に、ブレンド用樹脂を前記押出機に供給する第2の押出機を有する請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記ブレンド用樹脂を溶融状態で前記押出機に供給するように構成した請求項2に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記押出機の前記樹脂供給ラインと発泡剤供給ラインとの間か又は前記第2の押出機に接続された添加剤供給ラインを有する請求項2又は3に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記押出機が二軸押出機である請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置よりも樹脂流れ方向上流側に、該押出機内の樹脂中の揮発分を除去する脱気部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記押出機の発泡剤供給ライン接続位置または該位置より樹脂流れ方向下流側に、該押出機内の樹脂を冷却する冷却手段を有する請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記押出機に昇圧用ギアポンプを有する請求項5〜7のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記樹脂供給ラインに、該ラインを通して供給される溶融状態の樹脂を抜き出すブローダウン部を有する請求項1〜8のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- 前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である請求項1〜9のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造装置。
- (A)原料モノマーを塊状重合して熱可塑性樹脂を作り、得られた熱可塑性樹脂から揮発分を除去して熱可塑性樹脂を製造する工程と、
(B)前記熱可塑性樹脂を溶融状態のまま押出機に供給し、該押出機の樹脂流れ方向末端のダイに向けて移動させながら該熱可塑性樹脂に発泡剤を注入して発泡剤含有樹脂を形成する工程と、
(C)前記ダイから押し出された発泡剤含有樹脂を粒状に切断して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程とを含むことを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。 - 前記(B)工程の押出機が二軸押出機である請求項11に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記(C)工程が、前記ダイの孔からストランド状にして冷却用液体中に押し出された発泡剤含有樹脂を、押し出すと同時に粒状に切断するとともに、液体との接触により冷却して発泡を抑制して発泡性熱可塑性樹脂粒子を製造する工程である請求項11又は12に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂である請求項11〜13のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、以下の条件a、b:
a.重量平均分子量Mwが150000〜400000の範囲であり、
b.揮発分含量が1000ppm以下である、
を満たすものである請求項14に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。 - 前記押出機に供給されるポリスチレン系樹脂が、重合転化率が95%以上である請求項15に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量が200000〜350000である請求項15又は16に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂の揮発分含量が500ppm以下である請求項15〜17のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に発泡剤を注入する前にブレンド用樹脂を混合する請求項11〜18のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記ブレンド用樹脂を溶融状態で前記押出機内に供給する請求項19に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂または前記ブレンド用樹脂に添加物を混合する請求項19又は20に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記(B)工程において、前記押出機内の熱可塑性樹脂に脱気処理を施す請求項11〜21のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 前記(A)工程から(B)工程に供給する溶融状態の熱可塑性樹脂の一部を抜き出して樹脂ペレットを製造する工程をさらに有する請求項11〜22のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
- 請求項11〜23のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法によって製造された発泡性熱可塑性樹脂粒子。
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2002
- 2002-12-26 JP JP2002376295A patent/JP2004204110A/ja active Pending
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