JP2004200723A - 3−5族化合物半導体の結晶性向上方法 - Google Patents

3−5族化合物半導体の結晶性向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 3−5族化合物半導体の結晶性向上方法を提供する。
【解決手段】 (1)基板上に、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表されるn型層、発光層、及びp型層をこの順に有する積層構造の3−5族化合物半導体を製造するに当り、n型層と基板とのあいだに、n型層よりもキャリア濃度の低い下地層を積層することを特徴とする3−5族化合物半導体の結晶性向上方法。
(2) 基板と下地層のあいだにバッファ層を積層することを特徴とする上記(1)の方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体の結晶性向上方法に関する。
紫外もしくは青色の発光ダイオード又は紫外もしくは青色のレーザダイオード等の発光素子の材料として、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体が知られている。とくにInNを混晶比で10%以上含むものはIn濃度に応じて可視領域での発光波長を調整できるため、表示用途に特に重要である。
該3−5族化合物半導体を用いた発光素子を作製する場合、低い電圧での駆動のためには電荷注入層として作用する不純物をドープしたn型層及びp型層の形成が必要である。しかし、良好な電荷注入特性が得られる5×1017cm-3以上のキャリア濃度となるドーピングを施すとn型層の結晶品質の低下が顕著となる。一般的に発光層の下層の結晶性が低い場合、高い結晶性の発光層を得ることは難しく、発光効率が低下する。この結晶性の低下による発光効率の低下を防ぐ方法として、発光層に近づくにつれて段階的にキャリア濃度を減らしていく層構造の適用が報告されている(特許文献1、2)。しかしながら、このような構造では、キャリア濃度の低い層がn型電荷注入層とp型電荷注入層の間に形成されるので理想的な電流−電圧特性が得られず、発光素子を作製する上で問題となっていた。
特開平6−151965号公報 特開平7−15041号公報
本発明の目的は、高い発光効率の発光素子を実現できる3−5族化合物半導体の結晶性向上方法を提供することにある。
本発明者らはこのような状況をみて鋭意検討の結果、高温で成長させたキャリア濃度の低い層の上方にキャリア濃度の高い層を積層することで、高いキャリア濃度かつ高品質の半導体結晶が実現できることを見いだし、本発明に至った。
即ち本発明は、(1) 基板上に、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表されるn型層、発光層、及びp型層をこの順に有する積層構造の3−5族化合物半導体を製造するに当り、n型層と基板とのあいだに、n型層よりもキャリア濃度の低い下地層を積層することを特徴とする3−5族化合物半導体の結晶性向上方法を提供するものである。
また(2) 基板と下地層のあいだにバッファ層を積層することを特徴とする上記(1)の方法を提供するものである。
さらに(3) 基板、一般式Gaa Alb N(ただし、a+b=1、0≦a≦1、0≦b≦1)で表され1000℃以下の温度で成長させてなるバッファ層、一般式Inc Gad Ale N(ただし、c+d+e=1、0≦c<1、0≦d≦1、0≦e≦1)で表され1000℃を超える温度で成長させてなる3−5族化合物半導体からなる下地層、一般式Inf Gag Alh N(ただし、f+g+h=1、0≦f<1、0≦g≦1、0≦h≦1)で表される3−5族化合物半導体からなるn型にドープされてなるn型層、一般式Ini Gaj Alk N(ただし、i+j+k=1、0≦i≦1、0≦j≦1、0≦k≦1)で表される3−5族化合物半導体からなる発光層、及び一般式Inm Gan Alo N(ただし、m+n+o=1、0≦m<1、0≦n≦1、0≦o<1)で表される3−5族化合物半導体からなるp型にドープされてなるp型層を、この順に接して又は他の層を介して配置された積層構造からなる3−5族化合物半導体を製造するに当り、該下地層を該n型層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度で積層することを特徴とする3−5族化合物半導体の結晶性向上方法を提供するものである。
加えて(4) n型層と発光層の間にn型層よりも不純物濃度の低い、一般式Gap Alq N(ただし、p+q=1、0≦p≦1、0≦q≦1)で表される中間層を積層することを特徴とする上記(1)〜(3)の方法、
(5) n型層のキャリア濃度を5×1017cm-3以上とし、下地層のキャリア濃度を1×1017cm-3以下とすることを特徴とする上記(1)〜(4)の方法、
(6) 発光層を5Å以上500Å以下の厚さに積層することを特徴とする上記(1)〜(5)の方法、
(6) 発光層に含まれるSi、Ge、Mg、Zn及びCdの各元素の濃度を、いずれも1×1019cm-3以下に抑制することを特徴とする上記(1)〜(6)の方法
を提供するものである。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物半導体は、基板上に、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表されるn型層、発光層、及びp型層をこの順に有する積層構造の3−5族化合物半導体であって、n型層と基板とのあいだに、n型層よりもキャリア濃度の低い下地層を積層してなる発光素子用3−5族化合物半導体である。
かかる3−5族化合物半導体の例としては、基板、一般式Gaa Alb N(ただし、a+b=1、0≦a≦1、0≦b≦1)で表され1000℃以下の温度で成長させてなるバッファ層、一般式Inc Gad Ale N(ただし、c+d+e=1、0≦c<1、0≦d≦1、0≦e≦1)で表され1000℃を超える温度で成長させてなる3−5族化合物半導体からなる下地層、一般式Inf Gag Alh N(ただし、f+g+h=1、0≦f<1、0≦g≦1、0≦h≦1)で表される3−5族化合物半導体からなるn型にドープされてなるn型層、一般式Ini Gaj Alk N(ただし、i+j+k=1、0≦i≦1、0≦j≦1、0≦k≦1)で表される3−5族化合物半導体からなる発光層、及び一般式Inm Gan Alo N(ただし、m+n+o=1、0≦m<1、0≦n≦1、0≦o<1)で表される3−5族化合物半導体からなるp型にドープされてなるp型層を、この順に接して又は他の層を介して配置された積層構造からなる3−5族化合物半導体であって、該下地層を該n型層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度で積層した3−5族化合物半導体が挙げられる。
また、例えばバッファ層を成長した後、キャリア濃度の高いn型層を成長し、さらに下地層を成長させ、再びキャリア濃度の高いn型層を成長するなどの構造であっても良い。
本発明の3−5族化合物半導体においては、発光層の好ましい厚みは5Å以上500Å以下であり、より好ましい厚みの範囲は5Å以上90Å以下である。発光層の厚みが5Åより小さい場合、発光効率が十分でなくなる。また500Åより大きい場合、欠陥が発生し、やはり発光効率が十分でなくなる。また発光層の厚みを小さくすることで、電荷を高密度に発光層に閉じ込めることができるため、発光効率を向上させることができる。
かかる3−5族化合物半導体において良好な電流注入特性を得るためには、n型層のキャリア濃度は5×1017cm-3以上であることが好ましい。さらに好ましくは1×1018cm-3以上である。
また下地層のキャリア濃度は1×1017cm-3以下であることが好ましく、さらに好ましくは5×1016cm-3以下である。特にドープしないことも可能である。
下地層の成長温度は1000℃より高く1200℃以下の温度が好ましく、さらに好ましくは1020℃以上1150℃以下である。成長温度が1000℃以下か又は1200℃より高いと、得られる結晶性が悪く、その上に積層する層の結晶性が低下し、該化合物半導体を用いて発光素子とした場合、発光効率が十分でない。
下地層の厚みは100Å以上10μm以下が好ましい。さらに好ましくは1000Å以上5μm以下である。厚みが100Åより小さいと、その上に積層する層の結晶性を向上させる効果が十分に得られない。また厚みが10μmより大きいと歪みによって結晶にクラックが発生するため、該化合物半導体を用いて発光素子とした場合、発光効率が十分でなくなる。
本発明における発光素子は、本発明の3−5族化合物半導体を用いてなるものである。
具体的には、本発明の発光素子としては、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される化合物半導体の積層構造であって、該積層構造中、発光層がこれよりバンドギャップの大きな2つの層で接するいわゆる量子井戸構造を形成し、さらに該量子井戸構造がn型層とp型層で挟まれたものが挙げられる。以下、発光層に接する層をバリア層と記すことがある。バリア層自身がn型又はp型にドーピングされていてもよい。
量子井戸構造は、電荷を発光層に閉じこめ、この層での再結合確率を高めることができるため特に重要である。電荷を有効に閉じこめるために発光層の両側に接する2つの層のバンドギャップは発光層より0.1eV以上大きいことが好ましい。さらに好ましくは0.3eV以上である。
ところで発光素子の発光機構は2つに大別できる。一つは注入された電子と正孔がバンドギャップ中に不純物によって形成された準位を介して再結合する機構で、一般に不純物発光と呼ばれる。もう一方は注入された電子と正孔が不純物による準位を介さず再結合するもので、この場合バンドギャップにほぼ対応した波長での発光が得られる。これはバンド端発光と呼ばれる。
ここで、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される化合物半導体において、xの値を指してInN混晶比がxであると記すことがある。y、zの値についても同様にして、それぞれGaN混晶比、AlN混晶比の表現で記すことがある。
不純物発光の場合、発光波長は発光層の3族元素の組成と不純物元素により決まる。この場合、発光層におけるInN混晶比は5%以上が好ましい。InN混晶比が5%より小さい場合、発光する光はほとんど紫外線であり、十分な明るさを感じることができない。InN混晶比を増やすにつれて発光波長が長くなり、発光波長を紫から青、緑へと調整できる。
不純物発光に適した不純物としては、2族元素が好ましい。2族元素のなかでは、Mg、Zn、Cdをドープした場合、発光効率が高いので好適である。とくにZnが好ましい。これらの元素の濃度は、1018〜1022cm-3が好ましい。
発光層にはこれらの2族元素とともにSi又はGeを同時にドープしてもよい。
Si、Geの好ましい濃度範囲は1018〜1022cm-3である。
不純物発光の場合、一般に発光スペクトルがブロードになり、また注入電荷量が増すにつれて発光スペクトルがシフトする場合がある。このため、高い色純度が要求される場合や狭い波長範囲に発光パワーを集中させることが必要な場合、バンド端発光を利用する方が有利である。バンド端発光による発光素子を実現するためには、発光層に含まれる不純物の量を低く抑えなければならない。具体的には、Si、Ge、Mg、Cd及びZnの各元素について、濃度が1019cm-3以下が好ましい。より好ましくは1018cm-3以下である。
バンド端発光の場合、発光色は発光層の3族元素の組成で決まる。可視部で発光させる場合、InN混晶比は10%以上が好ましい。InN混晶比が10%より小さい場合、発光する光はほとんど紫外線であり、十分な明るさを感じることができない。InN混晶比が増えるにつれて発光波長が長くなり、発光波長を紫から青、緑へと調整できる。
発光層がAlを含む場合、O等の不純物を取り込みやすく、発光効率が下がることがある。このような場合には、発光層としてはAlを含まない一般式Ini'Gaj'N(ただし、i’+j’= 1、0<i’≦1、0≦j’<1)で表されるものを利用することができる。
このAlを含まない発光層よりも下の層は、一般式Gau Alv N(ただし、u+v=1、0≦u≦1、0≦v≦1)で表される3−5族化合物半導体よりなる層であることが好ましい。Inを含む混晶はその分解温度が低いため通常850℃以下の温度で成長が行われる。それに対し、Gau Alv N(ただし、u+v=1、0≦u≦1、0≦v≦1)は分解温度が高く、1000℃以上の高温で成長できるため、得られる結晶の品質がよい。従ってAlを含まない発光層よりも下の層としてはGau Alv N(ただし、u+v=1、0≦u≦1、0≦v≦1)が好ましい。
該3−5族化合物半導体の格子定数は、混晶比により大きく変化するため、層と層の間に格子定数に大きな差を生じる場合がある。その場合、格子不整合による歪みの大きさに応じて層の厚みを小さくしなければならない。好ましい厚みの範囲は歪みの大きさに依存する。前記Gau Alv N上にInN混晶比が10%以上の3−5族化合物半導体よりなる発光層を積層する場合、発光層の好ましい厚みは5Å以上500Å以下である。発光層の厚みが5Åより小さい場合、発光効率が十分でなくなる。また500Åより大きい場合、欠陥が発生し、やはり発光効率が十分でなくなる。より好ましい厚みの範囲は5Å以上90Å以下である。
また発光層の厚みを小さくすることで、電荷を高密度に発光層に閉じ込めることができるため、発光効率を向上させることができる。このため、格子定数の差が小さい場合でも、発光層の厚みは上記の例と同様にすることが好ましい。
本発明の3−5族化合物半導体のヘテロエピタキシャル結晶成長用基板としては、サファイア、ZnO、GaAs、Si、SiC、NGO(NdGaO3 )、スピネル(MgAl24 )等が挙げられ、とくにサファイアは透明であり、また大面積の高品質の結晶が得られるため、好ましい。
該3−5族化合物半導体をサファイア、Si等の基板上に成長させる際に、一般式Ala Gab N(ただし、a+b=1、0≦a≦1、0≦b≦1)で表されるバッファ層を介して成長することで良質な結晶が得られる。かかるバッファ層は好ましくは500℃以上1000℃以下の温度で成長させる。
本発明の化合物半導体においては、本発明の目的を損なわない範囲で、n型層と発光層の間に不純物濃度の低い、一般式Gap Alq N(ただし、p+q=1、0≦p≦1、0≦q≦1)で表される3−5族化合物半導体からなる中間層を積層することも可能である。
その場合、中間層の厚みは、好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは、5000Å以下である。厚みが1μmより大きい場合、電気的特性を低下させるので好ましくない。
本発明の化合物半導体においては、熱的安定性を高めるために、発光層の次に一般式Inr Gas Alt N(ただし、r+s+t=1、0≦r≦0.1、0≦s≦1、0.05≦t≦1)で表される3−5族化合物半導体からなる保護層を積層させることも可能である。保護層に十分な保護機能をもたせるためには、保護層のInNの混晶比は10%以下、AlNの混晶比は5%以上が好ましい。より好ましくはInN混晶比が5%以下、AlN混晶比が10%以上である。
また保護層に十分な保護機能を持たせるためには、その厚みは10Å以上1μm以下が好ましい。保護層の厚みが10Åより小さいと十分な効果が得られない。また1μmより大きい場合には発光効率が減少するので好ましくない。より好ましくは、50Å以上5000Å以下である。
3−5族化合物半導体の結晶品質は、X線回折における回折ピークのロッキングカーブ測定によって評価できる。ここでロッキングカーブとは結晶に一定方向から単色X線をあて、目的の回折ピーク付近で結晶を回転させて得られるX線の回折強度分布曲線のことである。結晶方位のそろった高品質な単結晶であればロッキングカーブの半値幅が狭くシャープなスペクトルが得られる。
またエッチング時に生じるエッチングピットによっても結晶品質の評価が可能である。3−5族化合物半導体は200℃以上に熱した硫リン酸(硫酸とリン酸の混合物)に浸すことによってエッチングされる。結晶中に転位等の結晶欠陥が存在すると、その部分でエッチング速度が大きくなるため、エッチング中に穴が形成されることとなる。この穴がエッチングピットと呼ばれる。つまり、エッチング時に発生するエッチングピットの数が少なければ欠陥の少ない高品質な結晶であるといえる。
本発明の半導体を用いた発光素子の構造の例を図1に示す。
この発光素子の構造の例においては、基板1の上にバッファ層2、下地層である層3をこの順に形成する。さらに、発光層5の両側に発光層5よりも大きなバンドギャップを持つ層4と層6を形成し、n型の導電性を持つ層4とp型の導電性を持つ層7に形成された電極から電圧を加えることで電流が流れ、層5で発光する。
図1は単一の量子井戸層を発光層とした例であるが、発光層として機能する層は複数の層からなる層であってもよい。具体的に複数の層からなる層が発光層として機能する例としては、2つ以上の発光層がこれよりバンドギャップの大きい層と積層されている構造が挙げられる。
本発明に係る3−5族化合物半導体の製造方法としては、有機金属気相成長(以下、MOVPEと記すことがある。)法、分子線エピタキシー(以下、MBEと記すことがある。)法、ハイドライド気相成長(以下、HVPEと記すことがある。)法などが挙げられる。なお、MBE法を用いる場合、窒素原料としては、窒素ガス、アンモニア、及びその他の窒素化合物を気体状態で供給する方法である気体ソース分子線エピタキシー(以下、GSMBEと記すことがある。)法が一般的に用いられている。この場合、窒素原料が化学的に不活性で、窒素原子が結晶中に取り込まれにくいことがある。その場合には、マイクロ波などにより窒素原料を励起して、活性状態にして供給することで、窒素の取り込み効率を上げることができる。
MOVPE法の場合、以下のような原料を用いることができる。
即ち、3族原料としては、トリメチルガリウム[(CH33 Ga、以下「TMG」と記すことがある。]、トリエチルガリウム[(C253 Ga、以下「TEG」と記すことがある。]等の一般式R123 Ga(ここでR1 、R2 、R3 、は低級アルキル基を示す。)で表されるトリアルキルガリウム;トリメチルアルミニウム[(CH33 Al]、トリエチルアルミニウム[(C253 Al、以下「TEA」と記すことがある。]、トリイソブチルアルミニウム[(i−C493 Al]等の一般式R123 Al(ここでR1 、R2 、R3 、は低級アルキル基を示す。)で表されるトリアルキルアルミニウム;トリメチルアミンアラン[(CH33 N:AlH3 ];トリメチルインジウム[(CH33 In、 以下「TMI」と記すことがある。]、トリエチルインジウム[(C253 In]等の一般式R123 In(ここでR1 、R2 、R3 、は低級アルキル基を示す。)で表されるトリアルキルインジウム等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いられる。
次に5族原料としては、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルアミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。これらは単独又は混合して用いられる。これらの原料のうち、アンモニアとヒドラジンは分子中に炭素原子を含まないため、半導体中への炭素の汚染が少なく好適である。
該3−5族化合物半導体のn型ドーパントとしては、4族元素と6族元素が好ましい。具体的にはSi、Ge、O、S、Seが挙げられるが、この中では低抵抗のn型がつくりやすく、原料純度の高いものが得られるSiが好ましい。Siドーパントの原料としては、シラン(SiH4 )、ジシラン(Si26 )などが好適である。
該3−5族化合物半導体のp型ドーパントとしては、2族元素が好ましい。具体的にはMg、Zn、Cd、Hg、Beが挙げられるが、このなかでは低抵抗のp型がつくりやすいMgが好ましい。
Mgドーパントの原料としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、ビスメチルシクロペンタジエニルマグネシウム、ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム、ビス−n−プロピルシクロペンタジエニルマグネシウム、ビス−i−プロピルシクロペンタジエニルマグネシウム等の一般式(RC542 Mg(ただし、Rは水素原子又は炭素原子数1以上4以下の低級アルキル基を示す。)で表される有機金属化合物が適当な蒸気圧を有するために好適である。
以下実施例により本発明を詳しく説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
3−5族化合物半導体は、MOVPE法により作製した。基板はその基板面がC面であるサファイアを鏡面研磨したものを有機洗浄して用いた。成長はまず、バッファ層として550℃でTMGとアンモニアによりGaNを500Å成膜した後、TMGとアンモニアを用いて1100℃でノンドープのGaNを1.5μmの厚みで成長し、その後さらにドーパントとしてシラン(SiH4 )を用いて1100℃でSiをドープしたGaNを3μmの厚みで成膜した。このようにして得られた試料のX線回折による(0002)面のロッキングカーブを測定したところその半値幅は5.6分であった。この半値幅は、ノンドープの試料とほぼ同等の値であり、Siのドーピングによる結晶性の低下は生じていないことがわかる。
比較例1
バッファ層成長後にノンドープ層を成長しないことを除いては実施例1と同様に成長を行い、同様にX線回折による(0002)面のロッキングカーブを測定したところその半値幅は8.0分であり、結晶性の低下が見られた。
実施例2
実施例1と同様に500ÅのGaNバッファ層を成膜した後、TMGとアンモニアを用いて1100℃でノンドープのGaNを3.0μmの厚みで成長し、その後さらにドーパントとしてシラン(SiH4 )を用いて1100℃でSiをドープしたGaNを1μmの厚みで成膜した。このようにして得られた試料を240℃の硫リン酸(硫酸:リン酸=4:1)に5分間浸した。その結果発生したエッチングピットは1mm2 当たり3個以下であった。
比較例2
実施例1と同様に500ÅのGaNバッファ層を成長した後、直接SiをドープしたGaNを3.0μmの厚みで成長した。このようにして得られた試料を実施例2と同様に240℃の硫リン酸に5分間浸したところ、発生したエッチングピットは1mm2 当たり1200個程度であった。
実施例3
実施例1と同様に500ÅのGaNバッファ層を成長した後、直接SiをドープしたGaNを3.0μmの厚みで成長し、その後ノンドープのGaNを1μm成長し、更にSiをドープしたGaNを1.0μmの厚みで成長した。このようにして得られた試料を実施例2と同様に240℃の硫リン酸に5分間浸したところ、発生したエッチングピットは1mm2 当たり3個以下であった。
実施例4
実施例1と同様にノンドープGaN層の上にSiドープGaN層を成長し、更に1500Åの厚みのノンドープGaN層を成長した後、キャリアガスを水素から窒素に変え、TEG、TMI、TEAを用いて、In0.3 Ga0.7 Nを70秒間、Ga0.8 Al0.2 Nを10分間成長した。同一の条件でより長い時間成長した層の厚みから求めたIn0.3 Ga0.7 Nの成長速度は約33Å/分、Ga0.8 Al0.2 Nの成長速度は約25Å/分であり、従ってこれらの層の厚みは各々約40Å、及び約250Åであった。 次に、温度を1100℃に昇温し、TMG、アンモニア及びドーパントとしてビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)を用いてMgをドープしたGaNを5000Å成長した。成長終了後、基板を取り出し、窒素中800℃で20分間の熱処理を行なった。
このようにして得られた試料を常法に従い、電極を形成し、発光素子とした。
p電極としてNi−Au合金、n電極としてAlを用いた。この発光素子に順方向に20mAの電流を流したところ、ピーク波長460nmの明瞭な青色発光を示し、輝度は1050mcdであった。
本発明の発光素子の1例を示す断面図
符号の説明
1...基板
2...バッファ層
3...下地層
4...n型層
5...発光層
6...保護層
7...p型層

Claims (7)

  1. 基板上に、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表されるn型層、発光層、及びp型層をこの順に有する積層構造の3−5族化合物半導体を製造するに当り、n型層と基板とのあいだに、n型層よりもキャリア濃度の低い下地層を積層することを特徴とする3−5族化合物半導体の結晶性向上方法。
  2. 基板と下地層のあいだにバッファ層を積層することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 基板、一般式Gaa Alb N(ただし、a+b=1、0≦a≦1、0≦b≦1)で表され1000℃以下の温度で成長させてなるバッファ層、一般式Inc Gad Ale N(ただし、c+d+e=1、0≦c<1、0≦d≦1、0≦e≦1)で表され1000℃を超える温度で成長させてなる3−5族化合物半導体からなる下地層、一般式Inf Gag Alh N(ただし、f+g+h=1、0≦f<1、0≦g≦1、0≦h≦1)で表される3−5族化合物半導体からなるn型にドープされてなるn型層、一般式Ini Gaj Alk N(ただし、i+j+k=1、0≦i≦1、0≦j≦1、0≦k≦1)で表される3−5族化合物半導体からなる発光層、及び一般式Inm Gan Alo N(ただし、m+n+o=1、0≦m<1、0≦n≦1、0≦o<1)で表される3−5族化合物半導体からなるp型にドープされてなるp型層を、この順に接して又は他の層を介して配置された積層構造からなる3−5族化合物半導体を製造するに当り、該下地層を該n型層のキャリア濃度よりも低いキャリア濃度で積層することを特徴とする3−5族化合物半導体の結晶性向上方法。
  4. n型層と発光層の間にn型層よりも不純物濃度の低い、一般式Gap Alq N(ただし、p+q=1、0≦p≦1、0≦q≦1)で表される中間層を積層することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. n型層のキャリア濃度を5×1017cm-3以上とし、下地層のキャリア濃度を1×1017cm-3以下とすることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 発光層を5Å以上500Å以下の厚さに積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 発光層に含まれるSi、Ge、Mg、Zn及びCdの各元素の濃度を、いずれも1×1019cm-3以下に抑制することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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