JP2004200270A - 熱電モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁基板に生じる反りを少なくすることにより、耐久性を向上させることのできる熱電モジュールを提供すること。
【解決手段】対向させて配置した下基板11と上基板12における対向する両面にそれぞれ下部電極13と上部電極14とを設け、その下部電極13と上部電極14とにそれぞれ熱電素子15の端面を固定することにより熱電モジュール10を形成した。そして、各下部電極13と上部電極14との縦横の方向を適宜変更して、縦方向に形成される電極13等の数と、横方向に形成される電極13等の数とに所定値以上の差が生じないようにした。また、縦または横に配置された電極13等のうちの数の少ない方向に形成された電極数を、数の多い方向に形成された電極数で除して求めた電極縦横数比率値の平均値が0.3以上になるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】対向させて配置した下基板11と上基板12における対向する両面にそれぞれ下部電極13と上部電極14とを設け、その下部電極13と上部電極14とにそれぞれ熱電素子15の端面を固定することにより熱電モジュール10を形成した。そして、各下部電極13と上部電極14との縦横の方向を適宜変更して、縦方向に形成される電極13等の数と、横方向に形成される電極13等の数とに所定値以上の差が生じないようにした。また、縦または横に配置された電極13等のうちの数の少ない方向に形成された電極数を、数の多い方向に形成された電極数で除して求めた電極縦横数比率値の平均値が0.3以上になるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電変換を行うための熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱電変換の一つであるペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。この熱電モジュールは、窒化アルミや酸化アルミ等からなる一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の銅パターンからなる電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この場合の電極は、長方形に形成され、電極の一方の端部にN型熱電素子が取り付けられると、他方の端部にはP型熱電素子が取り付けられて各電極にそれぞれ一対の熱電素子が取り付けられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−164945号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した熱電モジュールでは、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板は加熱によって膨張し、他方の絶縁基板は冷却によって収縮する。また、加熱側と冷却側とを変更すると、一方の絶縁基板は冷却されて収縮し、他方の絶縁基板は加熱されて膨張する。このため、熱電モジュールの各絶縁基板は、加熱されたり冷却されたりして、大きな温度サイクルが与えられる。この温度サイクルにより絶縁基板に反りが生じることがある。
【0005】
また、絶縁基板に生じる反りの方向や量は、電極の配置によって大きな影響を受ける。この反りは、電極を構成する銅パターンの熱膨張係数が絶縁基板を構成する窒化アルミ等の熱膨張係数よりも大きいことから生じるものである。すなわち、加熱された際に、絶縁基板における電極が取り付けられた面が、他方の面よりもより多く膨張するため、絶縁基板は電極側の面を延ばすようにして湾曲する。また、その反りの量は、絶縁基板における電極の長手方向に沿った方向は大きく、電極の長手方向に直交する方向は小さくなる。そして、この反りの発生により、熱電モジュールの耐久性が低下するという問題が生じている。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、絶縁基板に生じる反りを少なくすることにより、耐久性を向上させることのできる熱電モジュールを提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる熱電モジュールの構成上の特徴は、対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、一対の絶縁基板に形成される電極の縦横の方向を適宜変更して、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極の数とに所定値以上の差が生じないようにしたことにある。
【0008】
本発明の熱電モジュールでは、各絶縁基板に形成される電極の縦横の向きを一定にせずに適宜変えて、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極の数とに所定値以上の差が生じないようにしている。したがって、絶縁基板における縦方向の反りと横方向の反りとが平均化されて、結果として絶縁基板の全体の反り量は小さくなる。この場合の絶縁基板の縦横の方向は、電極が取り付けられる面の所定の方向を基準として設定する。例えば、熱電モジュールと電源を接続するためのリード線が接続された部分を前方として、前後方向を縦方向とし、左右方向を横方向とする等である
【0009】
また、所定値は、絶縁基板の形状や熱電素子の個数、配置等に応じて適宜設定することができる。ただし、最も好ましいことは、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極との数が同数またはそれに近い数になり、双方の値に差が生じないか、または差が最小限になっていることである。
【0010】
また、本発明にかかる熱電モジュールの他の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、一対の絶縁基板に形成される各電極群における電極の方向を縦方向または横方向にし、縦方向または横方向に配置された電極のうちの数の少ない方向に形成された電極数を、数の多い方向に形成された電極数で除して求めた各電極群の電極縦横数比率値の平均値が0.3以上になるようにしたことにある。
【0011】
この熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、実験によってより好ましい値を求めたものであり、数の少ない方向の電極数を、数の多い方向の電極数で割算した電極縦横数比率値が0.3以上である場合に、熱電モジュールの耐久性は明らかに向上したことが認められた。この場合、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板に形成された電極の電極縦横数比率値が0.3以下であっても双方の絶縁基板に形成された電極の電極縦横数比率値の平均値が0.3以上であれば、熱電モジュールの耐久性は向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、本実施形態による熱電モジュール10を示している。熱電モジュール10は、アルミナからなる四角板状の下基板11と上基板12とからなる一対の絶縁基板を備えている。そして、下基板11の上面に一定間隔を保って複数の銅パターンからなる厚肉の下部電極13が取り付けられ、上基板12の下面に一定間隔を保って複数の銅パターンからなる厚肉の上部電極14が取り付けられている。なお、これらの電極13,14となっている銅パターンの表面には、ニッケルメッキまたはニッケルメッキと金メッキが施されてもよい。
【0013】
そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子15が、それぞれ下端面を下部電極13の長手方向の端部のうちの所定部分にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極14の長手方向の端部のうちの所定部分にハンダ付けにより固定されて下基板11と上基板12を一体的に連結している。また、下基板11の下面および上基板12の上面には、それぞれ薄肉シート状の銅パターンからなるメタライズ層16,17が設けられている。なお、これらのメタライズ層16,17となっている銅パターンの表面には、ニッケルメッキまたはニッケルメッキと金メッキが施されてもよい。
【0014】
図3は、下部電極13と熱電素子15とが取り付けられた下基板11を上方から見た状態を示しており、図示のように、各下部電極13は長方形に形成されている。また、下部電極13は全部で29個設けられており、そのうちの16個が縦方向(下基板11の長手方向)に向けて形成され、13個が横方向に向けて形成されている。そして、29個の下部電極13は、下基板11の縦方向の中心線(図示せず)を挟んで左右対称に、かつ縦方向に配置された下部電極13と横方向に配置された下部電極13とを適当に分散させた状態で、下基板11上に形成されている。
【0015】
下基板11の四隅の角のうちの後端側(図示の上側)の2箇所には、下部電極13は形成されてなく、したがって、熱電素子15も設けられていない。また、四隅の角のうちの残りの2個所に設けられた下部電極13の外側の端部には、それぞれリード線18a,18bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。そして、下基板11の前端側の角部に取り付けられた2個の下部電極13の内側の端部には、それぞれ1個の熱電素子15の下端面が接合され、その他の下部電極13には、それぞれ2個の熱電素子15の下端面が接合されている。また、この29個の熱電素子15は、縦横の列が全て直線状になるようにして格子状に配列されている。
【0016】
図4は、上部電極14と熱電素子15とが取り付けられた上基板12を上方から見た状態を示しており、上部電極14は、すべて下部電極13と同形の長方形に形成されている。上部電極14は全部で28個設けられており、そのうちの20個が縦方向に形成され、8個が横方向に形成されている。そして、各上部電極14は、それぞれ下部電極13に対して熱電素子15の略1個分に等しい距離をずらして上基板12の下面に取り付けられている。また、熱電素子15の上端面は、各熱電素子15、下部電極13および上部電極14が直列に接続されるようにして、各上部電極14に2個づつ接合されている。
【0017】
すなわち、図3における熱電素子15a,15bの上端面が、上部電極14aに接合され、つぎの熱電素子15c,15dの上端面が、上部電極14bに接合されるといったようにして順次、各熱電素子15が下部電極13と上部電極14とに接合されている。この熱電モジュール10に電流を流した際の電流の流れを、図3に線aで示している。図3に示した線aにおける下部電極13のない部分は、上部電極14を通っている部分を示している。
【0018】
熱電素子15(熱電素子15a,15b,15c,15dを含む。)は、P型熱電素子とN型熱電素子とで構成されており、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に配置されている。また、各下部電極13および上部電極14には、それぞれP型熱電素子とN型熱電素子との一対の熱電素子15が取り付けられている。P型熱電素子とN型熱電素子とは、ともにビスマス、テルルを含む合金で構成されているが、若干異なる組成からなっている。
【0019】
また、熱電モジュール10を構成する各部分の寸法は、以下のように設定されている。下基板11と上基板12は、ともに、縦方向の長さが10mm、横方向の長さが6mm、厚みが0.3mmに設定されている。下部電極13と上部電極14は、ともに縦方向の長さが1.8mm、横方向の長さが0.8mm、厚みが60μmに設定され、メタライズ層16,17は、ともに縦方向の長さが9.6mm、横方向の長さが5.6mm、厚みが5μmに設定されている。また、熱電素子15は、縦横の長さがともに、0.65mmに設定され、高さが0.8mmに設定されている。また、接着に用いたハンダとしては、重量比が95%の錫と5%のアンチモンからなり、融点が235℃の合金を用いた。
【0020】
つぎに、以上のように構成した熱電モジュール10を実施例1として、この熱電モジュール10と、図5および図6に示した比較例1による熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った結果について説明する。図5は、下部電極23と熱電素子25とが取り付けられた下基板21を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、30個の下部電極23が形成されており、その30個の下部電極23が全て縦方向に向けられている。すなわち、下基板21の上面において横方向に6列並べられた下部電極23の各列に5個づつの下部電極23が縦方向に並んで設けられている。
【0021】
また、図6は、上部電極24と熱電素子25とが取り付けられた上基板22を上方から見た状態を示しており、上基板22の下面には、29個の上部電極24が形成されている。29個の上部電極24のうちの24個が縦方向に形成され、5個が横方向に形成されている。すなわち、上基板22の前端部の中央に2個の上部電極24が横方向に並んで設けられ、上基板22の後端部に3個の上部電極24が横方向に並んで設けられている。そして、その間に、上基板22の横方向に6列並べられた上部電極24の各列に4個づつの上部電極24が縦方向に並んで設けられている。
【0022】
また、リード線28a,28bが接続された2個の下部電極23には、熱電素子25は1個だけ接合され、それ以外の下部電極23および上部電極24には、それぞれ2個の熱電素子25の下端面または上端面が接合されている。線bは電流の流れを示している。また、比較例1による熱電モジュールの各部分の寸法は、上部電極および下部電極の配列以外は、すべて熱電モジュール10を構成する各部分と同一にした。
【0023】
パワーサイクルテストは、実施例1および比較例1の熱電モジュールを、表面にグリスを塗布した銅製の台部上に設置し、台部の温度を加熱装置の加熱制御によって80℃に保持した状態で行った。そして、その際、各熱電モジュールに、熱電モジュールの最大電流(2.5アンペア)を、1.5分間流したのちに、4.5分間停止させる操作を、2万回繰り返し、そのパワーサイクルテストの前後での熱電モジュールの電気抵抗変化率を比較した。
【0024】
その結果、実施例1の熱電モジュール10の電気抵抗変化率が、2.3%であったのに対し、比較例1の熱電モジュールの電気抵抗変化率は、4.4%であった。なお、熱電モジュール10等の電気抵抗は、初期の段階から、使用や高温加熱等による劣化にしたがって高くなるように変化していく。したがって、長時間の使用によっても、電気抵抗に変化が生じない、または変化の少ない熱電モジュールほど耐久性の優れたものである。
【0025】
この結果から、全ての下部電極23を縦方向に配置するとともに、殆ど(29個のうちの24個)の上部電極24を縦方向に配置した比較例1の熱電モジュールよりも、下部電極13と上部電極14との配置を縦横に分散させた熱電モジュール10の方が耐久性が高いことがわかる。
【0026】
また、熱電モジュール10における電極縦横数比率値は、下部電極13群が、数の小さな横向きの数13を数の大きな縦向きの数16で割った(除した)値である0.81となり、上部電極14群が、数の小さな横向きの数8を数の大きな縦向きの数20で割った値である0.4となる。そして、両値の平均値は、0.61となる。また、比較例1の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、同様に計算して、下部電極23群の値が0で、上部電極24群の値が0.21となる。そして、両値の平均値は、0.10となる。
【0027】
つぎに、本発明の他の実施形態として、図7および図8に示した熱電モジュールを製造した。図7は、下部電極33と熱電素子35とが取り付けられた下基板31を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、39個の下部電極33が形成されており、その39個の下部電極33のうちの24個が縦方向に向けて形成され、15個が横方向に向けて形成されている。この場合、下基板31の上面における中央部に、横方向に4列並べられた下部電極23の各列に4個づつの下部電極23が縦方向に並んで設けられている。そして、その下部電極23群の周囲を囲むようにして略2個一組にされた縦方向の下部電極23と横方向の下部電極23とが交互に配置されている。
【0028】
また、図8は、上部電極34と熱電素子35とが取り付けられた上基板32を上方から見た状態を示しており、上基板32の下面には、38個の上部電極34が形成されている。そして、38個の上部電極34のうちの30個が縦方向に形成され、8個が横方向に形成されている。この場合、上基板32の下面を前後左右に4等分した各部分における略中央に2個一組の横向きの上部電極34が形成され、その周囲に縦向きの上部電極34が形成されている。
【0029】
また、下基板31の前側の角部に設けられた下部電極33の外側の端部には、リード線38a,38bが接続されており、その下部電極33には熱電素子35は1個だけ接合されている。それ以外の下部電極33および上部電極34には、それぞれ2個の熱電素子35の下端面または上端面が接合されている。また、線cは電流の流れを示している。この熱電モジュールでは、下基板31と上基板32の横方向の長さが8mmに設定され、それに応じて下基板31の下面および上基板32の上面に設けられたシート状のメタライズ層(図示せず)の横方向の長さを長くしている。そして、前述したように、熱電素子35の個数と配置を変えたこと以外は、すべて熱電モジュール10と同一にした。
【0030】
そして、この熱電モジュールを実施例2として、この熱電モジュールと、図9および図10に示した比較例2の熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った。図9は、下部電極43と熱電素子45とが取り付けられた下基板41を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールでは、40個の下部電極43が形成されており、その40個の下部電極43が、横8列、縦5列になって全て縦方向に向けられている。
【0031】
また、図10は、上部電極44と熱電素子45とが取り付けられた上基板42を上方から見た状態を示しており、上基板42の下面には、39個の上部電極44が形成されている。そして、39個の上部電極44のうちの32個が縦方向に形成され、7個が横方向に形成されている。すなわち、上基板42の前端部中央に3個の横向きの上部電極44が横方向に並んで設けられ、上基板42の後端部に4個の横向きの上部電極44が横方向に並んで設けられている。そして、その間に、横方向に8列、縦方向に4列になって32個の熱電素子45が縦方向に向けて設けられている。
【0032】
また、下基板41の前部両側の下部電極43の前端部にそれぞれ、リード線48a,48bが接続され、その2個の下部電極23には、熱電素子45が1個だけ接合されている、そして、それ以外の下部電極43および上部電極44には、それぞれ2個の熱電素子45の下端面または上端面が接合されている。線dは電流の流れを示している。また、この比較例2の熱電モジュールの構成については、上部電極および下部電極の配列を変えたこと以外は、すべて実施例2の熱電モジュールと同一にした。
【0033】
パワーサイクルテストの結果は、実施例2の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、2.5%で、比較例2の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、4.3%であった。この結果から、熱電モジュールの下基板31,41および上基板32,42を正方形に近い形状にしても、殆どの下部電極43と上部電極44を縦方向に配置した比較例2の熱電モジュールよりも、下部電極33と上部電極34との配置を縦横に分散させた実施例2の熱電モジュールの方が耐久性が高いことがわかる。
【0034】
また、この場合の実施例2の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極33群の値が0.63、上部電極34群の値が0.27で、その両値の平均値は、0.45である。また、比較例2の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極43群の値が0、上部電極24群の値が0.22で、その両値の平均値は、0.11である。
【0035】
つぎに、本発明のさらに他の実施形態として、図11および図12に示した熱電モジュールを製造した。図11は、下部電極53と熱電素子55とが取り付けられた下基板51を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、15個の下部電極53が形成されており、そのうちの8個が縦方向に向けて形成され、7個が横方向に向けて形成されている。この場合、下基板51の上面における中央よりもやや後部側に、2個一組にされた縦向きの下部電極53が十字を描くように4箇所に配置されて、その周囲に横向きの下部電極53設けられている。
【0036】
また、図12は、上部電極54と熱電素子55とが取り付けられた上基板52を上方から見た状態を示しており、上基板52の下面には、14個の上部電極54が形成されている。そして、14個の上部電極54のうちの8個が縦方向に形成され、6個が横方向に形成されている。この場合、上基板52の下面における中央後部側に横向きの上部電極55が横2列、縦3列に並んで形成され、その周囲に縦向きの上部電極54が形成されている。
【0037】
この場合も、下基板51の前側の角部に設けられた下部電極53の外側の端部に、リード線58a,58bが接続されており、その下部電極53には熱電素子55は1個だけ接合されている。そして、それ以外の下部電極53および上部電極54には、それぞれ2個の熱電素子55の下端面または上端面が接合されている。また、線eは電流の流れを示している。この熱電モジュールでは、下基板51と上基板52の縦方向の長さが7.5mm、横方向の長さが9mmに設定され、それに応じて下基板51の下面および上基板52の上面に設けられたシート状のメタライズ層(図示せず)の縦横の長さを変更している。また、熱電素子55のサイズを高さ0.8mm、縦横をともに1mmとし、それに合わせて上部電極54および下部電極55を拡大したこと以外は、熱電モジュール10と同一にした。
【0038】
そして、この熱電モジュールを実施例3として、この熱電モジュールと、図13および図14に示した比較例3による熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った。図13は、下部電極63と熱電素子65とが取り付けられた下基板61を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールでは、15個の下部電極63が形成されており、そのうちの3個の横向きの下部電極63が下基板61の後端部に横向きに並んで設けられ、残りの12個が、横6列、縦2列になって全て縦方向に向けて設けられている。
【0039】
また、図14は、上部電極64と熱電素子65とが取り付けられた上基板62を上方から見た状態を示しており、上基板62の下面には、14個の上部電極64が形成されている。そして、14個の上部電極64のうちの2個の横向きの上部電極64が上基板62の前端部中央に横向きに並んで形成され、12個が、横6列、縦に2列になって縦方向に向けて設けられている。
【0040】
また、下基板61の前端部両側の下部電極63の前端部にそれぞれ、リード線68a,68bが接続され、その2個の下部電極63には、熱電素子65が1個だけ接合されている、そして、それ以外の下部電極63および上部電極64には、それぞれ2個の熱電素子65の下端面または上端面が接合されている。線fは電流の流れを示している。また、この比較例3の熱電モジュールの構成については、上部電極と下部電極の配列を変えたこと以外は、すべて実施例3の熱電モジュールと同一にした。
【0041】
パワーサイクルテストの結果は、実施例3の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、2%で、比較例3の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、4.0%であった。この結果から、熱電モジュールの下基板51,61および上基板52,62の縦方向の長さよりも横方向の長さを長くしても、殆どの下部電極63と上部電極64を縦方向に配置した比較例3の熱電モジュールよりも、下部電極53と上部電極54との配置を縦横に分散させた実施例3の熱電モジュールの方が耐久性が高いことがわかる。
【0042】
また、この場合の実施例3の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極53群の値が0.88、上部電極54群の値が0.75で、その両値の平均値は、0.81であった。また、比較例3の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極63群の値が0.25、上部電極64群の値が0.17で、その両値の平均値は、0.21であった。
【0043】
図15に示したグラフに、前述した実施例1〜3および比較例1〜3の各熱電モジュールのテスト結果を表している。このグラフは、電極縦横数比率の平均値に対する電気抵抗変化率を示している。前述したパワーサイクルテストにおける条件であれば、電気抵抗変化率は3%以下に抑えることが好ましく、そのためには、電極縦横数比率の平均値を略0.3以上にする必要がある。グラフが示すように、実施例1〜3の熱電モジュールでは、すべて電気抵抗変化率は3%以下で、電極縦横数比率の平均値が0.3以上になっているのに対し、比較例1〜3の熱電モジュールでは、すべて電気抵抗変化率は3%以上で、電極縦横数比率の平均値は0.3以下になっている。
【0044】
この結果から、熱電モジュールの耐久性を向上させるためには、各電極の向きを一定にせず、縦方向と横方向とに分散させることが有効であることが分かる。なお、前述したように、電極縦横数比率の平均値を0.3以上にすることが好ましいが、本発明はこれに限定するものでなく、他の条件の変更によって、例えば、電気抵抗変化率を3%以下にすることができれば、電極縦横数比率の平均値が0.3以下であっても技術的範囲に含むものとする。また、前述した各実施形態で用いられる基板や熱電素子等の材質、形状配置等は、前述した各実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱電モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1に示した熱電モジュールの正面図である。
【図3】図1に示した熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図4】図1に示した熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図5】比較例1による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図6】比較例1による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】他の実施形態による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図8】他の実施形態による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図9】比較例2による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図10】比較例2による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】さらに他の実施形態による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図12】さらに他の実施形態による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図13】比較例3による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図14】比較例3による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図15】各実施例および比較例による熱電モジュールの電極縦横数比率値と電気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…熱電モジュール、11,31,51…下基板、12,32,52…上基板、13,33,53…下部電極、14,34,54…上部電極、15,35,55…熱電素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電変換を行うための熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱電変換の一つであるペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている(例えば、特許文献1参照)。この熱電モジュールは、窒化アルミや酸化アルミ等からなる一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の銅パターンからなる電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれ熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより、一対の絶縁基板間に複数の熱電素子を固定して構成されている。そして、この場合の電極は、長方形に形成され、電極の一方の端部にN型熱電素子が取り付けられると、他方の端部にはP型熱電素子が取り付けられて各電極にそれぞれ一対の熱電素子が取り付けられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−164945号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した熱電モジュールでは、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板は加熱によって膨張し、他方の絶縁基板は冷却によって収縮する。また、加熱側と冷却側とを変更すると、一方の絶縁基板は冷却されて収縮し、他方の絶縁基板は加熱されて膨張する。このため、熱電モジュールの各絶縁基板は、加熱されたり冷却されたりして、大きな温度サイクルが与えられる。この温度サイクルにより絶縁基板に反りが生じることがある。
【0005】
また、絶縁基板に生じる反りの方向や量は、電極の配置によって大きな影響を受ける。この反りは、電極を構成する銅パターンの熱膨張係数が絶縁基板を構成する窒化アルミ等の熱膨張係数よりも大きいことから生じるものである。すなわち、加熱された際に、絶縁基板における電極が取り付けられた面が、他方の面よりもより多く膨張するため、絶縁基板は電極側の面を延ばすようにして湾曲する。また、その反りの量は、絶縁基板における電極の長手方向に沿った方向は大きく、電極の長手方向に直交する方向は小さくなる。そして、この反りの発生により、熱電モジュールの耐久性が低下するという問題が生じている。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、絶縁基板に生じる反りを少なくすることにより、耐久性を向上させることのできる熱電モジュールを提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる熱電モジュールの構成上の特徴は、対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、一対の絶縁基板に形成される電極の縦横の方向を適宜変更して、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極の数とに所定値以上の差が生じないようにしたことにある。
【0008】
本発明の熱電モジュールでは、各絶縁基板に形成される電極の縦横の向きを一定にせずに適宜変えて、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極の数とに所定値以上の差が生じないようにしている。したがって、絶縁基板における縦方向の反りと横方向の反りとが平均化されて、結果として絶縁基板の全体の反り量は小さくなる。この場合の絶縁基板の縦横の方向は、電極が取り付けられる面の所定の方向を基準として設定する。例えば、熱電モジュールと電源を接続するためのリード線が接続された部分を前方として、前後方向を縦方向とし、左右方向を横方向とする等である
【0009】
また、所定値は、絶縁基板の形状や熱電素子の個数、配置等に応じて適宜設定することができる。ただし、最も好ましいことは、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極との数が同数またはそれに近い数になり、双方の値に差が生じないか、または差が最小限になっていることである。
【0010】
また、本発明にかかる熱電モジュールの他の構成上の特徴は、対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、一対の絶縁基板に形成される各電極群における電極の方向を縦方向または横方向にし、縦方向または横方向に配置された電極のうちの数の少ない方向に形成された電極数を、数の多い方向に形成された電極数で除して求めた各電極群の電極縦横数比率値の平均値が0.3以上になるようにしたことにある。
【0011】
この熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、実験によってより好ましい値を求めたものであり、数の少ない方向の電極数を、数の多い方向の電極数で割算した電極縦横数比率値が0.3以上である場合に、熱電モジュールの耐久性は明らかに向上したことが認められた。この場合、一対の絶縁基板のうちの一方の絶縁基板に形成された電極の電極縦横数比率値が0.3以下であっても双方の絶縁基板に形成された電極の電極縦横数比率値の平均値が0.3以上であれば、熱電モジュールの耐久性は向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1および図2は、本実施形態による熱電モジュール10を示している。熱電モジュール10は、アルミナからなる四角板状の下基板11と上基板12とからなる一対の絶縁基板を備えている。そして、下基板11の上面に一定間隔を保って複数の銅パターンからなる厚肉の下部電極13が取り付けられ、上基板12の下面に一定間隔を保って複数の銅パターンからなる厚肉の上部電極14が取り付けられている。なお、これらの電極13,14となっている銅パターンの表面には、ニッケルメッキまたはニッケルメッキと金メッキが施されてもよい。
【0013】
そして、直方体に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数の熱電素子15が、それぞれ下端面を下部電極13の長手方向の端部のうちの所定部分にハンダ付けにより固定され、上端面を上部電極14の長手方向の端部のうちの所定部分にハンダ付けにより固定されて下基板11と上基板12を一体的に連結している。また、下基板11の下面および上基板12の上面には、それぞれ薄肉シート状の銅パターンからなるメタライズ層16,17が設けられている。なお、これらのメタライズ層16,17となっている銅パターンの表面には、ニッケルメッキまたはニッケルメッキと金メッキが施されてもよい。
【0014】
図3は、下部電極13と熱電素子15とが取り付けられた下基板11を上方から見た状態を示しており、図示のように、各下部電極13は長方形に形成されている。また、下部電極13は全部で29個設けられており、そのうちの16個が縦方向(下基板11の長手方向)に向けて形成され、13個が横方向に向けて形成されている。そして、29個の下部電極13は、下基板11の縦方向の中心線(図示せず)を挟んで左右対称に、かつ縦方向に配置された下部電極13と横方向に配置された下部電極13とを適当に分散させた状態で、下基板11上に形成されている。
【0015】
下基板11の四隅の角のうちの後端側(図示の上側)の2箇所には、下部電極13は形成されてなく、したがって、熱電素子15も設けられていない。また、四隅の角のうちの残りの2個所に設けられた下部電極13の外側の端部には、それぞれリード線18a,18bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。そして、下基板11の前端側の角部に取り付けられた2個の下部電極13の内側の端部には、それぞれ1個の熱電素子15の下端面が接合され、その他の下部電極13には、それぞれ2個の熱電素子15の下端面が接合されている。また、この29個の熱電素子15は、縦横の列が全て直線状になるようにして格子状に配列されている。
【0016】
図4は、上部電極14と熱電素子15とが取り付けられた上基板12を上方から見た状態を示しており、上部電極14は、すべて下部電極13と同形の長方形に形成されている。上部電極14は全部で28個設けられており、そのうちの20個が縦方向に形成され、8個が横方向に形成されている。そして、各上部電極14は、それぞれ下部電極13に対して熱電素子15の略1個分に等しい距離をずらして上基板12の下面に取り付けられている。また、熱電素子15の上端面は、各熱電素子15、下部電極13および上部電極14が直列に接続されるようにして、各上部電極14に2個づつ接合されている。
【0017】
すなわち、図3における熱電素子15a,15bの上端面が、上部電極14aに接合され、つぎの熱電素子15c,15dの上端面が、上部電極14bに接合されるといったようにして順次、各熱電素子15が下部電極13と上部電極14とに接合されている。この熱電モジュール10に電流を流した際の電流の流れを、図3に線aで示している。図3に示した線aにおける下部電極13のない部分は、上部電極14を通っている部分を示している。
【0018】
熱電素子15(熱電素子15a,15b,15c,15dを含む。)は、P型熱電素子とN型熱電素子とで構成されており、P型熱電素子とN型熱電素子とが交互に配置されている。また、各下部電極13および上部電極14には、それぞれP型熱電素子とN型熱電素子との一対の熱電素子15が取り付けられている。P型熱電素子とN型熱電素子とは、ともにビスマス、テルルを含む合金で構成されているが、若干異なる組成からなっている。
【0019】
また、熱電モジュール10を構成する各部分の寸法は、以下のように設定されている。下基板11と上基板12は、ともに、縦方向の長さが10mm、横方向の長さが6mm、厚みが0.3mmに設定されている。下部電極13と上部電極14は、ともに縦方向の長さが1.8mm、横方向の長さが0.8mm、厚みが60μmに設定され、メタライズ層16,17は、ともに縦方向の長さが9.6mm、横方向の長さが5.6mm、厚みが5μmに設定されている。また、熱電素子15は、縦横の長さがともに、0.65mmに設定され、高さが0.8mmに設定されている。また、接着に用いたハンダとしては、重量比が95%の錫と5%のアンチモンからなり、融点が235℃の合金を用いた。
【0020】
つぎに、以上のように構成した熱電モジュール10を実施例1として、この熱電モジュール10と、図5および図6に示した比較例1による熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った結果について説明する。図5は、下部電極23と熱電素子25とが取り付けられた下基板21を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、30個の下部電極23が形成されており、その30個の下部電極23が全て縦方向に向けられている。すなわち、下基板21の上面において横方向に6列並べられた下部電極23の各列に5個づつの下部電極23が縦方向に並んで設けられている。
【0021】
また、図6は、上部電極24と熱電素子25とが取り付けられた上基板22を上方から見た状態を示しており、上基板22の下面には、29個の上部電極24が形成されている。29個の上部電極24のうちの24個が縦方向に形成され、5個が横方向に形成されている。すなわち、上基板22の前端部の中央に2個の上部電極24が横方向に並んで設けられ、上基板22の後端部に3個の上部電極24が横方向に並んで設けられている。そして、その間に、上基板22の横方向に6列並べられた上部電極24の各列に4個づつの上部電極24が縦方向に並んで設けられている。
【0022】
また、リード線28a,28bが接続された2個の下部電極23には、熱電素子25は1個だけ接合され、それ以外の下部電極23および上部電極24には、それぞれ2個の熱電素子25の下端面または上端面が接合されている。線bは電流の流れを示している。また、比較例1による熱電モジュールの各部分の寸法は、上部電極および下部電極の配列以外は、すべて熱電モジュール10を構成する各部分と同一にした。
【0023】
パワーサイクルテストは、実施例1および比較例1の熱電モジュールを、表面にグリスを塗布した銅製の台部上に設置し、台部の温度を加熱装置の加熱制御によって80℃に保持した状態で行った。そして、その際、各熱電モジュールに、熱電モジュールの最大電流(2.5アンペア)を、1.5分間流したのちに、4.5分間停止させる操作を、2万回繰り返し、そのパワーサイクルテストの前後での熱電モジュールの電気抵抗変化率を比較した。
【0024】
その結果、実施例1の熱電モジュール10の電気抵抗変化率が、2.3%であったのに対し、比較例1の熱電モジュールの電気抵抗変化率は、4.4%であった。なお、熱電モジュール10等の電気抵抗は、初期の段階から、使用や高温加熱等による劣化にしたがって高くなるように変化していく。したがって、長時間の使用によっても、電気抵抗に変化が生じない、または変化の少ない熱電モジュールほど耐久性の優れたものである。
【0025】
この結果から、全ての下部電極23を縦方向に配置するとともに、殆ど(29個のうちの24個)の上部電極24を縦方向に配置した比較例1の熱電モジュールよりも、下部電極13と上部電極14との配置を縦横に分散させた熱電モジュール10の方が耐久性が高いことがわかる。
【0026】
また、熱電モジュール10における電極縦横数比率値は、下部電極13群が、数の小さな横向きの数13を数の大きな縦向きの数16で割った(除した)値である0.81となり、上部電極14群が、数の小さな横向きの数8を数の大きな縦向きの数20で割った値である0.4となる。そして、両値の平均値は、0.61となる。また、比較例1の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、同様に計算して、下部電極23群の値が0で、上部電極24群の値が0.21となる。そして、両値の平均値は、0.10となる。
【0027】
つぎに、本発明の他の実施形態として、図7および図8に示した熱電モジュールを製造した。図7は、下部電極33と熱電素子35とが取り付けられた下基板31を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、39個の下部電極33が形成されており、その39個の下部電極33のうちの24個が縦方向に向けて形成され、15個が横方向に向けて形成されている。この場合、下基板31の上面における中央部に、横方向に4列並べられた下部電極23の各列に4個づつの下部電極23が縦方向に並んで設けられている。そして、その下部電極23群の周囲を囲むようにして略2個一組にされた縦方向の下部電極23と横方向の下部電極23とが交互に配置されている。
【0028】
また、図8は、上部電極34と熱電素子35とが取り付けられた上基板32を上方から見た状態を示しており、上基板32の下面には、38個の上部電極34が形成されている。そして、38個の上部電極34のうちの30個が縦方向に形成され、8個が横方向に形成されている。この場合、上基板32の下面を前後左右に4等分した各部分における略中央に2個一組の横向きの上部電極34が形成され、その周囲に縦向きの上部電極34が形成されている。
【0029】
また、下基板31の前側の角部に設けられた下部電極33の外側の端部には、リード線38a,38bが接続されており、その下部電極33には熱電素子35は1個だけ接合されている。それ以外の下部電極33および上部電極34には、それぞれ2個の熱電素子35の下端面または上端面が接合されている。また、線cは電流の流れを示している。この熱電モジュールでは、下基板31と上基板32の横方向の長さが8mmに設定され、それに応じて下基板31の下面および上基板32の上面に設けられたシート状のメタライズ層(図示せず)の横方向の長さを長くしている。そして、前述したように、熱電素子35の個数と配置を変えたこと以外は、すべて熱電モジュール10と同一にした。
【0030】
そして、この熱電モジュールを実施例2として、この熱電モジュールと、図9および図10に示した比較例2の熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った。図9は、下部電極43と熱電素子45とが取り付けられた下基板41を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールでは、40個の下部電極43が形成されており、その40個の下部電極43が、横8列、縦5列になって全て縦方向に向けられている。
【0031】
また、図10は、上部電極44と熱電素子45とが取り付けられた上基板42を上方から見た状態を示しており、上基板42の下面には、39個の上部電極44が形成されている。そして、39個の上部電極44のうちの32個が縦方向に形成され、7個が横方向に形成されている。すなわち、上基板42の前端部中央に3個の横向きの上部電極44が横方向に並んで設けられ、上基板42の後端部に4個の横向きの上部電極44が横方向に並んで設けられている。そして、その間に、横方向に8列、縦方向に4列になって32個の熱電素子45が縦方向に向けて設けられている。
【0032】
また、下基板41の前部両側の下部電極43の前端部にそれぞれ、リード線48a,48bが接続され、その2個の下部電極23には、熱電素子45が1個だけ接合されている、そして、それ以外の下部電極43および上部電極44には、それぞれ2個の熱電素子45の下端面または上端面が接合されている。線dは電流の流れを示している。また、この比較例2の熱電モジュールの構成については、上部電極および下部電極の配列を変えたこと以外は、すべて実施例2の熱電モジュールと同一にした。
【0033】
パワーサイクルテストの結果は、実施例2の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、2.5%で、比較例2の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、4.3%であった。この結果から、熱電モジュールの下基板31,41および上基板32,42を正方形に近い形状にしても、殆どの下部電極43と上部電極44を縦方向に配置した比較例2の熱電モジュールよりも、下部電極33と上部電極34との配置を縦横に分散させた実施例2の熱電モジュールの方が耐久性が高いことがわかる。
【0034】
また、この場合の実施例2の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極33群の値が0.63、上部電極34群の値が0.27で、その両値の平均値は、0.45である。また、比較例2の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極43群の値が0、上部電極24群の値が0.22で、その両値の平均値は、0.11である。
【0035】
つぎに、本発明のさらに他の実施形態として、図11および図12に示した熱電モジュールを製造した。図11は、下部電極53と熱電素子55とが取り付けられた下基板51を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールにおいては、15個の下部電極53が形成されており、そのうちの8個が縦方向に向けて形成され、7個が横方向に向けて形成されている。この場合、下基板51の上面における中央よりもやや後部側に、2個一組にされた縦向きの下部電極53が十字を描くように4箇所に配置されて、その周囲に横向きの下部電極53設けられている。
【0036】
また、図12は、上部電極54と熱電素子55とが取り付けられた上基板52を上方から見た状態を示しており、上基板52の下面には、14個の上部電極54が形成されている。そして、14個の上部電極54のうちの8個が縦方向に形成され、6個が横方向に形成されている。この場合、上基板52の下面における中央後部側に横向きの上部電極55が横2列、縦3列に並んで形成され、その周囲に縦向きの上部電極54が形成されている。
【0037】
この場合も、下基板51の前側の角部に設けられた下部電極53の外側の端部に、リード線58a,58bが接続されており、その下部電極53には熱電素子55は1個だけ接合されている。そして、それ以外の下部電極53および上部電極54には、それぞれ2個の熱電素子55の下端面または上端面が接合されている。また、線eは電流の流れを示している。この熱電モジュールでは、下基板51と上基板52の縦方向の長さが7.5mm、横方向の長さが9mmに設定され、それに応じて下基板51の下面および上基板52の上面に設けられたシート状のメタライズ層(図示せず)の縦横の長さを変更している。また、熱電素子55のサイズを高さ0.8mm、縦横をともに1mmとし、それに合わせて上部電極54および下部電極55を拡大したこと以外は、熱電モジュール10と同一にした。
【0038】
そして、この熱電モジュールを実施例3として、この熱電モジュールと、図13および図14に示した比較例3による熱電モジュールとに対してパワーサイクルテストを行った。図13は、下部電極63と熱電素子65とが取り付けられた下基板61を上方から見た状態を示している。この熱電モジュールでは、15個の下部電極63が形成されており、そのうちの3個の横向きの下部電極63が下基板61の後端部に横向きに並んで設けられ、残りの12個が、横6列、縦2列になって全て縦方向に向けて設けられている。
【0039】
また、図14は、上部電極64と熱電素子65とが取り付けられた上基板62を上方から見た状態を示しており、上基板62の下面には、14個の上部電極64が形成されている。そして、14個の上部電極64のうちの2個の横向きの上部電極64が上基板62の前端部中央に横向きに並んで形成され、12個が、横6列、縦に2列になって縦方向に向けて設けられている。
【0040】
また、下基板61の前端部両側の下部電極63の前端部にそれぞれ、リード線68a,68bが接続され、その2個の下部電極63には、熱電素子65が1個だけ接合されている、そして、それ以外の下部電極63および上部電極64には、それぞれ2個の熱電素子65の下端面または上端面が接合されている。線fは電流の流れを示している。また、この比較例3の熱電モジュールの構成については、上部電極と下部電極の配列を変えたこと以外は、すべて実施例3の熱電モジュールと同一にした。
【0041】
パワーサイクルテストの結果は、実施例3の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、2%で、比較例3の熱電モジュールの電気抵抗変化率が、4.0%であった。この結果から、熱電モジュールの下基板51,61および上基板52,62の縦方向の長さよりも横方向の長さを長くしても、殆どの下部電極63と上部電極64を縦方向に配置した比較例3の熱電モジュールよりも、下部電極53と上部電極54との配置を縦横に分散させた実施例3の熱電モジュールの方が耐久性が高いことがわかる。
【0042】
また、この場合の実施例3の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極53群の値が0.88、上部電極54群の値が0.75で、その両値の平均値は、0.81であった。また、比較例3の熱電モジュールにおける電極縦横数比率値は、下部電極63群の値が0.25、上部電極64群の値が0.17で、その両値の平均値は、0.21であった。
【0043】
図15に示したグラフに、前述した実施例1〜3および比較例1〜3の各熱電モジュールのテスト結果を表している。このグラフは、電極縦横数比率の平均値に対する電気抵抗変化率を示している。前述したパワーサイクルテストにおける条件であれば、電気抵抗変化率は3%以下に抑えることが好ましく、そのためには、電極縦横数比率の平均値を略0.3以上にする必要がある。グラフが示すように、実施例1〜3の熱電モジュールでは、すべて電気抵抗変化率は3%以下で、電極縦横数比率の平均値が0.3以上になっているのに対し、比較例1〜3の熱電モジュールでは、すべて電気抵抗変化率は3%以上で、電極縦横数比率の平均値は0.3以下になっている。
【0044】
この結果から、熱電モジュールの耐久性を向上させるためには、各電極の向きを一定にせず、縦方向と横方向とに分散させることが有効であることが分かる。なお、前述したように、電極縦横数比率の平均値を0.3以上にすることが好ましいが、本発明はこれに限定するものでなく、他の条件の変更によって、例えば、電気抵抗変化率を3%以下にすることができれば、電極縦横数比率の平均値が0.3以下であっても技術的範囲に含むものとする。また、前述した各実施形態で用いられる基板や熱電素子等の材質、形状配置等は、前述した各実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による熱電モジュールを示す斜視図である。
【図2】図1に示した熱電モジュールの正面図である。
【図3】図1に示した熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図4】図1に示した熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図5】比較例1による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図6】比較例1による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図7】他の実施形態による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図8】他の実施形態による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図9】比較例2による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図10】比較例2による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】さらに他の実施形態による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図12】さらに他の実施形態による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図13】比較例3による熱電モジュールの下基板に下部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図14】比較例3による熱電モジュールの上基板に上部電極と熱電素子を取り付けた状態を示す平面図である。
【図15】各実施例および比較例による熱電モジュールの電極縦横数比率値と電気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…熱電モジュール、11,31,51…下基板、12,32,52…上基板、13,33,53…下部電極、14,34,54…上部電極、15,35,55…熱電素子。
Claims (2)
- 対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、前記対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、
前記一対の絶縁基板に形成される電極の縦横の方向を適宜変更して、縦方向に形成される電極の数と、横方向に形成される電極の数とに所定値以上の差が生じないようにしたことを特徴とする熱電モジュール。 - 対向させて配置した一対の四角板状の絶縁基板における対向する両面の所定箇所に長方形の電極を複数個形成し、前記対向する電極の所定の部分にそれぞれ熱電素子の端面を固定して構成される熱電モジュールにおいて、
前記一対の絶縁基板に形成される各電極群における電極の方向を縦方向または横方向にし、前記縦方向または横方向に配置された電極のうちの数の少ない方向に形成された電極数を、数の多い方向に形成された電極数で除して求めた各電極群の電極縦横数比率値の平均値が0.3以上になるようにしたことを特徴とする熱電モジュール。
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---|---|---|---|---|
JP2007087983A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Dowa Holdings Co Ltd | 金属−セラミックス接合基板及び熱電素子 |
JP2008211025A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Yamaha Corp | 電子モジュール |
JP2009129968A (ja) * | 2007-11-20 | 2009-06-11 | Kelk Ltd | 熱電モジュール |
JP2016111309A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | 日本サーモスタット株式会社 | 熱電変換モジュール |
JP7476555B2 (ja) | 2020-02-13 | 2024-05-01 | 株式会社プロテリアル | 熱電モジュール |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364761A patent/JP2004200270A/ja active Pending
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