JP2004200078A - 液体貯留タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】システムの停止時には水の循環経路内の水をタンクに集合させておき、システムの作動時にはタンク内で凍結した水を融解しつつ水の循環経路に供給することにより、システムの迅速な作動を可能とする液体貯留タンクを提供する。
【解決手段】液体の循環システム100の作動停止に伴ってシステム100内の液体Wを集合してタンク本体20に貯留し、タンク本体20内の凍結した液体を加熱手段30で融解し、加熱手段30により融解する度にタンク本体20内の液体を導入して補助タンク40に貯留し、供給手段50によって補助タンク40内の液体をシステム100の作動時に供給することにより、融解した液体を迅速に供給してシステム100の作動タイミングを早くし、また、システム100内の液体を再利用しての作動が可能となり、システム100内に氷塊の存在を無くしてシステム100を損壊することなく円滑に作動させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貯留した液体が凍結した場合に、その凍結した液体を積極的に融解して用いるようにした液体貯留タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に開示された燃料電池システムでは、燃料電池本体の空気極に加湿器を通して空気を供給するとともに、燃料極に燃料改質器によってメタノールから取り出した水素を供給し、空気中の酸素と水素とを化学反応させて電気を取り出すようになっている。
【0003】
このとき、前記加湿器および前記燃料改質器には水タンクに貯留した水を供給するようになっており、加湿器は燃料電池本体に供給する空気に水を噴霧し、また、燃料改質器はメタノールと水を高温下で反応させて水素ガスを生成するようになっている。
【0004】
ところで、前記加湿器に供給した水や電気を発生させる際に生成される純水は、通常(例えば、特許文献1参照)回収して前記水タンクに貯留するようになっており、このように水(水分を含む)を循環させることにより、その都度、水を供給することなく燃料電池システムを作動させることが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−208160号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、寒冷時等にあって水タンクに貯留した水が凍結すると、加湿器および燃料改質器に水を供給できなくなるため、燃料電池システムを始動できなくなってしまう。
【0007】
このため、前記特開2000−149970号公報の燃料電池システムでは、水タンクにヒータを備えた補助タンクを設け、水が凍結している場合の始動時には凍結した水をヒータで融解して、補助タンクから融解した水を加湿器および燃料改質器に供給するようになっている。
【0008】
ところが、タンク内の水が凍結する寒冷条件下では、燃料電池システムの水循環経路に残留した水も凍結することになり、補助タンク内の水を融解するのみでは燃料電池システムを作動することができない。
【0009】
このため、特願平10−72414号公報には、水が凍結する恐れのある温度条件時に水の循環経路内に残留する水をタンク内に戻すとともに、このタンク内の水を外部に排出することにより、燃料電池システム内に水が残存しないようにして凍結を防止するようにしたものが提案されている。
【0010】
しかし、このように水の循環経路内から水を排除する場合は、寒冷条件下では燃料電池システムを作動する度に新たな水をタンク内に補給する必要があり、特に車両の燃料電池システムとして用いるには、水の確保に著しい困難性を伴ってしまう。
【0011】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、システムの停止時には水の循環経路内の水をタンクに集合させておき、システムの作動時にはタンク内で凍結した水を融解しつつ水の循環経路に供給することにより、システムの迅速な作動を可能とする液体貯留タンクを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、凍結し得る液体の循環システムに設けられ、このシステムの作動停止に伴ってシステム内の液体を集合して貯留するタンク本体と、
このタンク本体内の凍結した液体を融解する加熱手段と、
この加熱手段により融解する度にタンク本体内の液体を導入して貯留する補助タンクと、
この補助タンク内の液体をシステムの作動時にシステム内に供給する供給手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の液体貯留タンクにおいて、タンク本体に溜まった液体の温度を検出する温度検出手段と、タンク本体と補助タンクとの間に設けた開閉手段と、温度検出手段の検出値が第1の基準温度に達したときに開閉手段を開放して、タンク本体から補助タンクへの液体通過を許容する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明にあっては、請求項1または2に記載の液体貯留タンクにおいて、タンク本体には、少なくともそれの下部に、下方に向かって縮径する錐状部分を設け、その錐状部分の下端部に補助タンクに連通する液体排出口を設けたことを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明にあっては、請求項3に記載の液体貯留タンクにおいて、錐状部分の上方には、この錐状部分の上端から連続する広口部分を設けたことを特徴としている。
【0016】
請求項5の発明にあっては、請求項3または4のいずれかに記載の液体貯留タンクにおいて、加熱手段を、錐状部分の形成範囲内の所定位置から下方部分に配置した下方加熱手段と、この下方加熱手段から上方部分に配置した上方加熱手段と、を備えて構成し、
上方加熱手段は、上方および下方の両加熱手段によって融解した液体が第2の基準温度に達した時点で加熱を停止することを特徴としている。
【0017】
請求項6の発明にあっては、請求項5に記載の液体貯留タンクにおいて、下方加熱手段は、タンク本体の液体排出口に設けた排出液加熱手段を含むことを特徴としている。
【0018】
請求項7の発明にあっては、請求項6に記載の液体貯留タンクにおいて、開閉手段を、前記排出液加熱手段の近傍に配置したことを特徴としている。
【0019】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7のいずれかに記載の液体貯留タンクにおいて、制御手段は、タンク本体内に凍結した液体が残存する間は、タンク本体内に所定量の融解した液体が残存するように開閉手段を制御することを特徴としている。
【0020】
請求項9の発明にあっては、請求項1〜8のいずれかに記載の液体貯留タンクにおいて、タンク本体の側壁を滑らかな曲面、若しくは球面で形成したことを特徴としている。
【0021】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、システムの作動停止に伴ってシステム内の液体がタンク本体に集合して貯留されるようになっており、このタンク本体内で液体が凍結すると、この凍結した液体を加熱手段によって融解して、融解する度に補助タンクに貯留して供給手段によってシステム内に供給するようにしたので、融解した液体を迅速にシステムに供給することができるとともに、システム内の液体を再利用して作動させることができるため、システムを作動する度に新たな液体を外方から供給するという煩わしさが無くなる。
【0022】
このとき、システム内の液体はシステムの作動停止時にタンク本体内に集合させてあるため、システム内で液体が凍結するのを防止できるとともに、補助タンクから供給した液体によってシステムの作動タイミングを早くできるようになり、また、システムの停止時には純水の循環経路から純水が排除されていることから、始動時にこの循環経路に氷塊の存在を無くして、システムを損壊することなく円滑に作動させることができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、タンク本体に溜まった液体が加熱手段の加熱によって第1の基準温度に達したときに、制御手段により開閉手段を開放してタンク本体から補助タンクに液体を通過させるようになっているため、この補助タンクから第1の基準温度、つまり再凍結されない程度の温度に達した液体をシステムに供給することができるため、寒冷条件下でシステムに供給した液体が再凍結するのを防止して円滑な作動が可能となる。
【0024】
請求項3に記載の発明よれば、請求項1,2の発明の効果に加えて、タンク本体の下部に錐状部分を設けたので、加熱手段で融解した液体を錐状部分の側壁を伝って下方の縮径部分に集中して集めることができるため、融解した液体を効率良く取り出すことが可能となって、補助タンクにシステムを作動するに必要な液体量を迅速に集めることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、錐状部分の上方に広口部分を設けたので、タンク本体内で凍結した液体は加熱手段によって錐状部分および広口部分の内側形状に略沿って融解されるため、錐状部分内の凍結した液体の周囲が融解してタンク本体の側壁との間に隙間が生じた場合にも、広口部分の凍結した液体が錐状部分の傾斜した側壁の上端部に引っ掛かって落下を阻止し、その隙間に融解した液体を溜めることができるため、その隙間に溜めた液体を加熱手段によって効率良く加熱することができる。
【0026】
請求項5に記載の発明よれば、請求項3,4の発明の効果に加えて、加熱手段を下方加熱手段と上方加熱手段とを備えて構成して、上方加熱手段による加熱を、融解した液体が第2の基準温度に達した時点で停止したので、タンク本体内で凍結した液体は、上方加熱手段に対応する部分を錐状部分の上方に残した状態で、下方加熱手段に対応する部分を融解して錐状部分の下部に液体を積極的に溜めることができ、そして、この溜めた液体を下方加熱手段によって効率良く加熱することができるため、凍結を避けるに十分な前記第1の基準温度まで迅速に上昇させることができる。
【0027】
請求項6に記載の発明よれば、請求項5の発明の効果に加えて、タンク本体の液体排出口に設けた排出液加熱手段によって、タンク本体の下部に溜めた液体を更に加熱するとともに、補助タンクに供給する液体を更に加熱して、補助タンクに貯留する液体の温度を上昇させることができるため、システムを更に円滑に作動させることができるとともに、補助タンクに供給するタンク本体内の液体温度がより低い状態でも補助タンクに供給きるため、タンク本体の加熱手段を加熱作動してから液体をシステムに供給するタイミングを早めて、システムの作動を更に迅速に行うことができる。
【0028】
請求項7に記載の発明よれば、請求項6の発明の効果に加えて、開閉手段が排出液加熱手段の近傍に配置されることにより、開閉手段が凍結している場合は排出液加熱手段の熱によっていち早く解凍して、その作動が可能となるため、迅速なシステムの作動が可能となる。
【0029】
請求項8に記載の発明よれば、請求項1〜7の発明の効果に加えて、タンク本体内に凍結した液体が残存する間は、開閉手段を制御してタンク本体内に所定量の融解した液体が残存するようにしたので、タンク本体内で融解した液体の温度を効率良く上昇させることができる。
【0030】
請求項9に記載の発明よれば、請求項1〜8の発明の効果に加えて、タンク本体の側壁を滑らかな曲面、若しくは球面で形成したので、タンク本体の側壁に略沿って外周から解凍途中にあるタンク本体内の凍結した液体、つまり氷塊が、振動等により移動してタンク本体の側壁に衝接した場合にも、その衝接面が滑らかであるため、側壁に与える衝撃を抑制してタンク本体の耐久性を向上することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図1〜図4は本発明の液体貯留タンクの基本的構造を示す実施形態で、図1は液体貯留タンクを用いた燃料電池システムの全体概略図、図2は液体貯留タンクの側面半断面図、図3は液体貯留タンクの排出口に設けた排出液加熱手段の拡大平面図、図4は図2中A−A線に沿った断面図である。
【0033】
この実施形態の液体貯留タンクは、図1に示すように液体の循環システムとしての燃料電池システム100に用いられる純水タンク10である場合に例をとって説明し、この純水タンク10で貯留する液体としての純水Wは、氷点下での寒冷時に燃料電池システム100の作動を停止した状態で凍結するものとする。
【0034】
図1に示す燃料電池システム100は、燃料電池本体であるFCスタック110を備え、このFCスタック110は、圧縮水素タンク120から供給する水素を導入する燃料極111と、外方から取り入れた空気を導入する空気極112とを備え、これら燃料極111と空気極112に導入した水素と空気中の酸素とを、水の電気分解の逆の原理を利用して化学反応させることにより発電するシステムとなっている。
【0035】
尚、この実施形態に示す燃料電池システム100は、燃料として圧縮水素タンク120から供給される純水素を用いたものであり、この水素を改質装置を用いることなく直接燃料極111に供給するようになっている。
【0036】
FCスタック110では、水素と酸素の化学反応による発電に伴って純水Wが生成され、この純水Wを液体貯留タンクとしての純水タンク10に貯留するようになっており、この純水タンク10の純水Wは、FCスタック110に導入する水素および空気を加湿する加湿器130に供給するようになっている。
【0037】
また、加湿器130に供給した純水Wは、FCスタック110で水素と酸素が化学反応した際に生成される前記純水Wとともに純水タンク10に回収されることになる。
【0038】
尚、加湿器130に供給した純水Wは、化学反応により生成した純水WとともにFCスタック110から排出する排気中に気体状態で混入されており、この排気を図外の凝縮器に通すことにより液化して回収され、純水タンク10から加湿器130およびFCスタック110を循環する経路が構成される。勿論、余剰純水Wは適宜放出される。
【0039】
前記FCスタック110には、発電時に発生する熱を除去する熱交換器113が設けられ、この熱交換器13とラジエータ140とを結ぶ冷却回路141に冷却媒体としての不凍液を循環するようになっており、この冷却回路141は前記純水タンク10を巡らせて熱交換するようになっている。
【0040】
尚、図1中、細い実線αは空気の流通経路、一点鎖線βは水素の流通経路、太い破線γは冷却回路141の不凍液の流通経路、太い実線δは加湿用の純水Wの流通経路を示す。
【0041】
前記純水タンク10は、図2,図3に示すように、前記燃料電池システム100の作動停止に伴ってシステム内の純水Wを集合して貯留するタンク本体20と、このタンク本体20に設けた加熱手段としての電熱ヒータ30と、タンク本体20内の純水Wを貯留する補助タンク40と、この補助タンク40内の純水Wをシステム100の作動時に加湿器130(図1参照)に供給する供給手段としてのポンプユニット50と、を備えて構成してある。
【0042】
前記タンク本体20には、このタンク本体20に溜まった純水Wの温度を検出する温度検出手段としての温度センサー60と、タンク本体20と補助タンク50との間に設けた開閉手段としての電磁弁61と、温度センサー60の検出値が第1の基準温度に達したときに電磁弁61を開放して、タンク本体20から補助タンク40への純水Wの通過を許容する制御手段62と、を設けてある。
【0043】
前記温度センサー60で検出する第1の基準温度は、寒冷時にあって補助タンク40から燃料電池システム100に純水Wを供給した場合にも、燃料電池システム100内で純水Wが再凍結するのを防止できる温度で、この実施形態では4゜C程度を設定してある。
【0044】
前記タンク本体20は、燃料電池システム100内の純水Wを全て収容できる容量を持った大きさに形成され、このタンク本体20の下部に設けられて下方に向かって縮径する錐状部分21と、この錐状部分21の上方に設けられてこの錐状部分21の上端から連続して上方に立ち上がる広口部分22とで構成し、錐状部分21の下端部には補助タンク50に連通する排出口23を設けて、この排出口23は前記電磁弁61を設けた排出管24を介して補助タンク50に連通する。
【0045】
また、タンク本体20は図4に示すように滑らかな曲面を持った断面円形状に形成してあり、前記錐状部分21は円錐状となり、また、前記広口部分22は円筒状となっており、広口部分22の上端開放口は天板26によって閉塞してある。
【0046】
前記電熱ヒータ30は、錐状部分21の形成範囲内の所定位置から下方部分に配置した下方加熱手段としての下方ヒータ31と、この下方ヒータ31から上方部分に配置した上方加熱手段としての上方ヒータ32とによって構成してある。
【0047】
下方ヒータ31は、錐状部分21の側壁21aの略下半部内周に取り付けた第1ヒータ31aと、前記排出口23に取り付けた排出液加熱手段としての図3に示す格子状ヒータ31bと、によって構成するとともに、上方ヒータ32は、前記錐上部分21の側壁21aの略上半部内周に取り付けた第2ヒータ32aと、前記広口部分22の側壁22aの内周に取り付けた第3ヒータ32bと、によって構成してある。
【0048】
ここで、タンク本体20内の純水Wが凍結している場合に、上方ヒータ32は、下方ヒータ31によって融解した純水Wが第2の基準温度に達した時点で加熱を停止するようになっており、この場合の第2の基準温度は、凍結した純水W(以下、氷塊Wbと称する)が融解を開始する時の温度(0゜C以上)に設定してある。
【0049】
つまり、寒冷条件下で燃料電池システム100の図外の作動スイッチをONした際に、まず、第1ヒータ31aおよび格子状ヒータ31bからなる下方ヒータ31と、第2,第3ヒータ32a,32bからなる上方ヒータ32とからなる全体の電熱ヒータ30を起動して発熱させ、氷塊Wbを外周部から融解させてタンク本体20の壁面21a,22aから剥離させた後、温度センサー60によって第2の基準温度(0゜C以上)を検出、つまり、氷塊Wbの融解を検出した時点で、上方ヒータ32の第2,第3ヒータ32a,32bによる加熱を停止するようになっている。
【0050】
また、この実施形態では温度センサー60が第3の基準温度(10゜C以上)を検出した時には、氷塊Wbが全て融解したと判断して、第1ヒータ31a,格子状ヒータ31bおよび第2,第3ヒータ32a,32bの全ての電熱ヒータ30による加熱を停止するようになっている。
【0051】
ところで、前記温度センサー60は前記格子状ヒータ31bから距離Hだけ上方に離隔した部分の水温を検出するとともに、前記電磁弁61の弁部61aは格子状ヒータ31bの近傍となる距離Dだけ下方に離隔した位置に設けてあり、距離Hは起動時に必要量の水かさとなる高さに設定するとともに、距離Dは格子状ヒータ31bの熱を前記弁部61aに伝達できる範囲に設定してある。
【0052】
また、電磁弁61を開閉制御する前記制御手段6は、タンク本体20内に氷塊Wbが残存する間は、タンク本体20内に所定量の融解した液体が残存するように電磁弁61を制御するようになっている。
【0053】
補助タンク40は、前記ポンプユニット50のポンプおよびストレーナを収容するとともに、燃料電池システム100の始動時に必要な純水Wの量を貯留できる容量を持った大きさに形成され、この補助タンク40の底面40aのポンプユニット50から離隔する一部には、補助タンク40内の残留水を集めて貯留する凹部41を形成してある。
【0054】
また、前記補助タンク40には圧縮空気の導入パイプ42を接続し、この導入パイプ42を圧縮空気バルブ43によって開閉するとともに、前記凹部41の底部と前記ポンプユニット50の吐出パイプ51とを連通するパージパイプ44を設け、このパージパイプ44をパージバルブ45によって開閉するようになっている。
【0055】
そして、燃料電池システム100の作動を停止した場合に、ポンプユニット50を停止するとともに、前記電磁弁61を閉弁してタンク本体20からの液体流入を遮断した後、圧縮空気バルブ43とパージバルブ45を開弁し、導入パイプ42から補助タンク40内に導入した圧縮空気をパージパイプ44および吐出パイプ51に供給するようになっている。
【0056】
この場合、前記圧縮空気により補助タンク40から純水Wの循環経路に残存する純水Wを押し出して、タンク本体20の上部に連通する純水Wの導入管25からタンク本体20内に取り込んで貯留しておくようになっている。
【0057】
(作用)
以上の構成により本実施形態の純水タンク10にあっては、燃料電池システム100の作動停止に伴って、ポンプユニット50を停止するとともに電磁弁61を閉弁して、補助タンク40に導入パイプ42から圧縮空気を導入することにより、純水の循環経路内の純水Wをタンク本体20内に集合させて貯留するようになっており、寒冷時にあってこのタンク本体20内で純水Wが凍結すると、この氷塊Wbを電熱ヒータ30によって融解し、融解する度に純水Wを補助タンク40に貯留する。
【0058】
そして、前記補助タンク40内に貯留した純水Wは、ポンプユニット50によって燃料電池システム100内、つまり加湿器130に供給することができるため、燃料電池システム100の迅速な作動を可能とする。
【0059】
また、燃料電池システム100内に形成される純水Wの循環経路の純水Wを再利用して作動させることができるため、燃料電池システム100を作動する度に新たな純水Wを供給するという煩わしさが無くなる。
【0060】
このとき、燃料電池システム100内の純水Wは、燃料電池システム100の作動停止時にタンク本体20内に集合させてあるため、前記燃料電池システム100内で純水Wが凍結するのを防止できるとともに、補助タンク40から供給する融解した純水Wによって燃料電池システム100を迅速に作動できるようになり、また、停止時には燃料電池システム100内の純水Wが排除されていることから、始動時に燃料電池システム100内に氷塊が存在しないため、燃料電池システム100を損壊することなく円滑に作動することができる。
【0061】
また、電熱ヒータ30の加熱によって氷塊Wbの一部を融解してタンク本体20に溜まった純水Wが第1の基準温度(略4゜C)に達したときに、制御手段62により電磁弁61を開弁してタンク本体20から補助タンク40に純水Wを通過させるようになっているため、この補助タンク40には、氷塊Wbを融解して第1の基準温度(略4゜C)に達する度にその純水Wを導入して貯留させることができる。
【0062】
このため、補助タンク40から第1の基準温度、つまり再凍結されない温度に達した純水Wを、いち早く燃料電池システム100に供給して迅速な作動を可能とする。
【0063】
また、寒冷条件下で燃料電池システム100に供給した純水Wが再凍結するのを防止して円滑な作動を可能とするとともに、ポンプユニット50が凍結した場合にも、第1の基準温度(略4゜C)以上となった補助タンク40内の純水Wでいち早く融解して迅速な稼働が可能となる。
【0064】
更に、タンク本体20の下部に錐状部分21を設けたので、電熱ヒータ30で融解した純水Wを錐状部分21の側壁21aを伝って下方の縮径部分に集中して集めることができるため、融解した純水Wを排出口23から効率良く取り出すことが可能となって、補助タンク40には燃料電池システム100を作動するに必要な純水W量を迅速に集めることができる。
【0065】
更にまた、錐状部分21の上方に広口部分22を設けたので、タンク本体20内で氷塊Wbは電熱ヒータ30によって錐状部分21および広口部分22の内側形状に略沿って融解されるため、錐状部分21内の氷塊Wbの周囲が融解してタンク本体20の側壁21a,22aとの間に隙間δ(図2参照)が生じた場合にも、広口部分22内の大径となった氷塊Wbが錐状部分21の傾斜した側壁21aの上端部に引っ掛かって落下を阻止することができる。
【0066】
このため、錐状部分21内の氷塊Wbは、側壁21aとの間の隙間δに融解した純水Wを溜めることができるため、その隙間δに溜めた純水Wを第1,第2ヒータ31a,32aによって効率良く加熱して、第1の基準温度にいち早く到達させることができる。
【0067】
また、氷塊Wbの落下を阻止できることにより、氷塊Wbの荷重が排出口23に設けた格子状ヒータ31bに作用するのを防止して、この格子状ヒータ31bの損壊を避けることができる。
【0068】
更に、上方ヒータ32による加熱を、融解した純水Wが第2の基準温度(0゜C以上)に達した時点で停止するようにしたので、タンク本体20内の氷塊Wbは上方ヒータ32に対応する部分を錐状部分21の上方に残した状態で、下方ヒータ31に対応する部分を融解して、錐状部分21の下部に純水Wを積極的に溜めることができる。
【0069】
このため、錐状部分21に溜めた純水Wを下方ヒータ31によって効率良く加熱することができるため、凍結を避けるに十分な前記第1の基準温度(略4゜C)まで迅速に上昇させることができる。
【0070】
更にまた、タンク本体20の純水Wの排出口23に設けた格子状ヒータ31bによって、タンク本体20の下部に溜めた純水Wを更に加熱するとともに、補助タンク40に供給する純水Wを更に加熱することができるため、補助タンク40に貯留する純水Wの温度を更に上昇させることができるため、燃料電池システム100の更なる円滑作動を可能とするとともに、補助タンク40に供給するタンク本体20内の純水W温度がより低い状態でも補助タンク40に供給きるため、タンク本体20の電熱ヒータ30を加熱作動してから純水Wを燃料電池システム100にいち早く供給して、燃料電池システム100の作動タイミングを更に早めることができる。
【0071】
また、タンク本体20と補助タンク40との間に設けた電磁弁61の弁体61aを前記格子状ヒータ31bの近傍に配置したので、弁体61aが凍結している場合は、格子状ヒータ31bの熱によっていち早く解凍してその作動が可能となるため、迅速な燃料電池システム100の作動が可能となる。
【0072】
更に、タンク本体20内に氷塊Wbが残存する間は、電磁弁61を制御してタンク本体20内に所定量の融解した純水Wが残存するようにしたので、タンク本体20内で融解した純水Wの温度を効率良く上昇させることができる。
【0073】
更にまた、タンク本体20を滑らかな曲面となる断面円形状に形成したので、タンク本体20内の氷塊Wbがある程度融解した状態では、図4中2点鎖線に示すように融解した氷塊Wbも断面円形状となるため、振動等により氷塊Wbが移動してタンク本体20の側壁に衝接した場合に、その衝接面が滑らかであるため、側壁21a,22aに与える衝撃を抑制してタンク本体20の耐久性を向上することができる。
【0074】
この場合、タンク本体20の側面21a,22aは緩やかな球面形状としてもよい。
【0075】
(他の実施形態)
ところで、前記実施形態のタンク本体20では、錐状部分21の下端部に設けた排出口23をタンク本体20の中心部分Cに配置した場合を示したが、これに限ることなく図5,図6に示すように、排出口23をタンク本体20の中心部分Cから偏心した位置に設けた純水タンク10aにあっても、前記実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0076】
また、排出口23をタンク本体20の中心部分Cに配置した場合、および排出口23をタンク本体20の中心部分Cから偏心した位置に設けた場合にも、図7,図8にそれぞれ示す純水タンク10b,10cのように、タンク本体20を断面矩形状として形成してもよく、この場合は角張った氷塊がタンク本体20に干渉するという恐れがあるものの、その他の作用・効果は前記実施形態と同様とすることができる。
【0077】
更に、その他のタンク本体20の形状としては、図9に示す純水タンク10dのように、広口部分22の側壁22aを、錐状部分21の側壁21aと同一傾きをもって傾斜させることにより、錐状部分21と広口部分22とを全体的に錐状に形成することもできる。
【0078】
更にまた、図10に示す純水タンク10eのように、錐状部分12と広口部分22の各側壁21a,22aの傾きを異ならせることによっても、前記実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0079】
ところで、本発明の液体貯留タンクは、前記各実施形態によって燃料電池システム100に設けられる純水タンク10,10a,10b,10c,10d,10eに例をとって説明したが、勿論これらに限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採ることができ、例えば、燃料電池システム100以外の液体循環経路に設けた液体貯留タンクにあっても本発明を適用することができ、また、加熱手段としては電熱ヒータ30に限ることなく、その他の加熱方法を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す液体貯留タンクを用いた燃料電池システムの全体概略図。
【図2】本発明の一実施形態を示す液体貯留タンクの側面半断面図。
【図3】本発明の一実施形態を示す液体貯留タンクの排出口に設けた排出液加熱手段の拡大平面図。
【図4】図2中A−A線に沿った断面図。
【図5】本発明の他の実施形態を示す液体貯留タンクの側面図。
【図6】図5中B−B線に沿った断面図。
【図7】本発明の他の実施形態を示す平面断面図。
【図8】本発明の他の実施形態を示す平面断面図。
【図9】本発明の他の実施形態を示す側面半断面図。
【図10】本発明の他の実施形態を示す側面半断面図。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c,10d,10e 純水タンク(液体貯留タンク)
20 タンク本体
21 錐状部分
22 広口部分
23 液体排出口
30 電熱ヒータ(加熱手段)
31 下部ヒータ(下方加熱手段)
31a 第1ヒータ
31b 格子状ヒータ(排出液加熱手段)
32 上部ヒータ(上方加熱手段)
32a 第2ヒータ
32b 第3ヒータ
40 補助タンク
50 ポンプユニット(供給手段)
60 温度センサー(温度検出手段)
61 電磁弁(開閉手段)
62 制御手段
100 燃料電池システム(液体の循環システム)
W 純水(液体)
Wb 氷塊

Claims (9)

  1. 凍結し得る液体の循環システム(100)に設けられ、このシステム(100)の作動停止に伴ってシステム(100)内の液体(W)を集合して貯留するタンク本体(20)と、
    このタンク本体(20)内の凍結した液体(W)を融解する加熱手段(30)と、
    この加熱手段(30)により融解する度にタンク本体(20)内の液体(W)を導入して貯留する補助タンク(40)と、
    この補助タンク(40)内の液体(W)をシステム(100)の作動時にシステム(100)内に供給する供給手段(50)と、を備えたことを特徴とする液体貯留タンク。
  2. タンク本体(20)に溜まった液体(W)の温度を検出する温度検出手段(60)と、
    タンク本体(20)と補助タンク(40)との間に設けた開閉手段(61)と、
    温度検出手段(60)の検出値が第1の基準温度に達したときに開閉手段(61)を開放して、タンク本体(20)から補助タンク(40)への液体(W)通過を許容する制御手段(62)と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の液体貯留タンク。
  3. タンク本体(20)は、少なくともそれの下部に、下方に向かって縮径する錐状部分(21)を有し、その錐状部分(21)の下端部に補助タンク(40)に連通する液体排出口(23)を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体貯留タンク。
  4. 錐状部分(21)の上方には、この錐状部分(21)の上端から連続する広口部分(22)を有することを特徴とする請求項3に記載の液体貯留タンク。
  5. 加熱手段(30)は、錐状部分(21)の形成範囲内の所定位置から下方部分に配置した下方加熱手段(30)と、この下方加熱手段(30)から上方部分に配置した上方加熱手段(30)と、を備えて構成し、
    上方加熱手段(30)は、上方および下方の両加熱手段(31,32)によって融解した液体(W)が第2の基準温度に達した時点で加熱を停止することを特徴とする請求項3または4のいずれかに記載の液体貯留タンク。
  6. 下方加熱手段(30)は、タンク本体(20)の液体排出口(23)に設けた排出液加熱手段(30)を含むことを特徴とする請求項5に記載の液体貯留タンク。
  7. 開閉手段(61)は、前記排出液加熱手段(30)の近傍に配置したことを特徴とする請求項6に記載の液体貯留タンク。
  8. 制御手段(62)は、タンク本体(20)内に凍結した液体が残存する間は、タンク本体(20)内に所定量の融解した液体が残存するように開閉手段(61)を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体貯留タンク。
  9. タンク本体(20)の側壁(21a,22a)を滑らかな曲面、若しくは球面で形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体貯留タンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005108561A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
KR100787682B1 (ko) 2006-10-20 2007-12-21 현대자동차주식회사 연료전지 차량의 기포 방지 물탱크

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