JP2004198780A - 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置 - Google Patents

光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004198780A
JP2004198780A JP2002368018A JP2002368018A JP2004198780A JP 2004198780 A JP2004198780 A JP 2004198780A JP 2002368018 A JP2002368018 A JP 2002368018A JP 2002368018 A JP2002368018 A JP 2002368018A JP 2004198780 A JP2004198780 A JP 2004198780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main surface
pass filter
optical low
marking
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002368018A
Other languages
English (en)
Inventor
Keimei Matsui
啓明 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daishinku Corp filed Critical Daishinku Corp
Priority to JP2002368018A priority Critical patent/JP2004198780A/ja
Publication of JP2004198780A publication Critical patent/JP2004198780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Studio Devices (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Color Television Image Signal Generators (AREA)

Abstract

【課題】小型化しても光学的な有効エリアを確保し、機械的な衝撃を低下させることなく、必要とされる光束分離パターンが得られるように光束分離方向と光学ローパスフィルタ主面の表裏判別が容易できる高品質でより信頼性の高い光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置を提供する。
【解決手段】主面方形状で主面に入射した光線が所定の方向に分離して出射する光束分離方向を有してなる直方体の光学ローパスフィルタ1であって、前記入射側または出射側の一方の主面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングM1が当該主面中心に対して端部で非点対称に形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラや電子スチルカメラに用いられる水晶複屈折板などの光学ローパスフィルタ、あるいはこれらを用いた撮像装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置は、光学的光軸上に垂直に被写体側より結合光学系、赤外線カットフィルタ等の色補正フィルタ、光学ローパスフィルタ等の各種光学フィルタ、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconducter)等の固体撮像素子の順で配置されている。
【0003】
こうした構成のうち光学ローパスフィルタは、撮像デバイスによって検出された光学的疑似信号を濾波するものであり、これによりビデオカメラの画質が低下するのを防止する。つまり、CCD等の撮像デバイスの画素ピッチに近い色情報(格子縞など)を有する被写体を撮影したときに、撮像デバイスに本来の映像情報と異なる疑似信号が発生し、出力された映像において色がにじむモアレ現象が発生することがあった。光学ローパスフィルタはこのような疑似信号に関連する空間周波数成分を遮断、減衰させるために用いられる。光学ローパスフィルタは、例えば、水晶複屈折板を少なくとも1枚以上用いた構成であり、その表面に露出した主面部分には反射防止膜が施されているのが一般的である。そして、水晶の複屈折効果により入射光を常光線と異常光線に光束分離して出射光とするもので、その主面において所定の光束分離方向と所定の分離幅は有するものである。このような水晶複屈折板では、上記光束分離方向を明示するために、その主面の端部に切り欠き等が一般的に形成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところがこのような明示手段では、切り欠きを加工する際に、微少なクラックが発生し、割れ、欠けの発生箇所となりやすい等機械的衝撃に弱かった。また、切り欠き等を形成することで光学ローパスフィルタの小型に伴う光学的に有効なエリアが確保できないことがあった。さらに、最近では、電子スチルカメラ向けの光学ローパスフィルタでは、CCD等の固体撮像素子の形状に合わせて略正方板形状のもの採用されている。この場合、光学ローパスフィルタの光束分離方向の判別に加えて、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面の判別、ならびに光学ローパスフィルタ主面の中心点で90°回転した際の縦方向と横方向の判別の必要性が求められている。例えば、光学ローパスフィルタの光束分離パターンによっては、光学ローパスフィルタの入射側と出射側の主面を間違えて配置すると、本来必要とされるものと異なる光束分離パターンとなり、光学ローパスフィルタの性能を十分に発揮できないことがあった。
【0005】
また、CCD等の撮像デバイスは比較的広い感度特性を有しており、可視領域の光に加えて、一部赤外領域の光にも応答する。しかしながら通常の被写体撮影に用いられる撮像装置においては、赤外入射光は迷光となり、解像度の低下、画像のシミ、ムラが生じ、色再現性に悪影響を与える。このような悪影響を排除し、光学特性を補正するため、光学ローパスフィルタには、色補正フィルタとして赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィルタ、赤外線紫外線カットフィルタが形成されている。例えば、赤外線カットフィルタとしては、それぞれ用途により、着色ガラス、着色樹脂板等の部材を当該光学ローパスフィルタに貼り付けたり、Al2O3、TiO2、SiO2等の多層膜赤外線カットコート材(以下赤外線カットコートという)を当該光学ローパスフィルタに形成したりしており、必要に応じてこれらが組み合わせられる。最近では、光学ローパスフィルタの小型化、薄型化に伴い、前記色補正フィルタとしてコート材が形成されるものが多くなっている。
【0006】
ところが、光学ローパスフィルタの一主面にのみ、上述のコート材が形成されている場合、あるいは、光学ローパスフィルタの一主面が他主面より多層のコート材が形成されている場合、目視によってコート材がどちらの主面に形成されているか、あるいはより多層のコート材がどちらの主面に形成されているかどうかの判別が極めて困難であった。つまり、作業者が、撮像装置へ光学ローパスフィルタを組み立てる際に、コート材が形成されている側の主面、あるいは多層のコート材が形成されている側の主面を認識できずに、方向を間違えて配置するといった危険性も非常に高かった。
【0007】
特に、近年ビデオカメラ等撮像装置の小型化が進み、CCD等の撮像素子の前面に配置される光学ローパスフィルタとの距離も短くなっているので、光学ローパスフィルタの赤外線カットコートを有する主面が水晶複屈折板の主面よりCCD側に近接配置されることがあった。このとき、前記主面の凹凸は光学的な異物となり画像上のノイズとして顕著化してビデオ出力された画質を悪化させると言った問題があった。これは、赤外線カットコートのように、蒸着等により光学ローパスフィルタの主面に数十層もの多層薄膜が形成されたコート材の場合、特に主面が凹凸状になりやすく、光学的な異物としてより顕著に現れることが考えられる。
【0008】
【特許文献1】
実開昭63−109901号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、小型化しても光学的な有効エリアを確保し、機械的な衝撃を低下させることなく、必要とされる光束分離パターンと光学特性が得られ、ビデオ出力された画質を低下させることがない高品質でより信頼性の高い光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の光学ローパスフィルタは、主面方形状で主面に入射した光線が所定の方向に分離して出射する光束分離方向を有してなる直方体の光学ローパスフィルタであって、前記入射側または出射側の一方の主面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該主面中心に対して端部で非点対称に形成されたことを特徴とする。
【0011】
上記主面中心に対して端部で非点対称に形成されたマーキングとして、前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の1つの角部近傍にのみ光束分離方向を示すマーキングを形成してもよいし、前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の隣接する2つの角部近傍に光束分離方向を示す第1のマーキング、第2マーキングを形成してもよいし、前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の3つの角部近傍に光束分離方向を示す第1のマーキング、第2マーキング、および第3のマーキングを形成してもよい。
【0012】
また、主面方形状で主面に入射した光線が所定の方向に分離して出射する光束分離方向を有してなる直方体の光学ローパスフィルタであって、前記光学ローパスフィルタの1つの側面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該側面中心に対して非点対称に形成されたことを特徴とする。
【0013】
上記側面中心に対して非点対称に形成されたマーキングとして、 前記光学ローパスフィルタの1つの側面で、1つの辺の端部のみに光束分離方向を示すマーキングを形成してもよい。
【0014】
また、上記光学ローパスフィルタを撮像素子が収納されたパッケージの開口部に取り付けてなる撮像装置であって、前記光学ローパスフィルタには、一方の主面側のみにコート材が形成されているか、または一方の主面側が他方の主面側より多層のコート材が形成されてなり、当該コート材を有する主面、またはより多層のコート材を有する主面を光学ローパスフィルタの入射側の主面として、前記パッケージ外方に向けて当該パッケージの開口部に取り付けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
特許請求項1〜4によれば、光学ローパスフィルタの入射側または出射側の一方の主面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該主面中心に対しての端部で非点対称に形成されている、あるいは光学ローパスフィルタの1つの側面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該側面中心に対して非点対称に形成されているので、前記マーキングが示す光学分離方向が認識された状態で、撮像素子に配置することができる。また、前記マーキングが形成された場所により光入射面か光出射面か表裏判別できる。さらに、電子スチルカメラ等の固体撮像素子の主面形状に対応させた主面略正方形状の光学ローパスフィルタであっても、主面の縦方向と横方向が認識された状態で、撮像素子に配置することができる。
【0016】
つまり、本発明の光学ローパスフィルタのマーキングによれば、主面略正方形状の光学ローパスフィルタにおける光束分離方向の明示と、入射側主面と出射側主面の判別、主面の中心点での90°回転した際の縦方向と横方向の判別が同時に実現できる。
【0017】
さらに、光学ローパスフィルタの主面端部、あるいは前記光学ローパスフィルタの側面に前記マーキングを形成することにより、従来の切り欠き等からなるの目印に比べて、小型化しても光学的な有効エリアを確保しやすく、光学ローパスフィルタに機械的な研削加工しないので、クラック等を発生させることが一切ない。そして、電子スチルカメラ向けCCD等の固体撮像素子の主面形状に対応させた主面略正方形状の光学ローパスフィルタとした場合、撮像素子を収納するパッケージの形状にも対応することができ、カバー部材として光学ローパスフィルタを取り付けることもできるので、撮像装置全体の小型化が可能となる。
【0018】
従って、小型化しても光学的な有効エリアを確保し、機械的な衝撃を低下させることがない。本来必要とされる光束分離パターンが得られるので、光学ローパスフィルタの性能を十分に発揮できる。ビデオ出力された画質を悪化させることがない。高品質でより信頼性の高い光学ローパスフィルタを提供することができる。
【0019】
特許請求項2によれば、上述の作用効果に加えて、上記主面端部で非対称に形成されたマーキングを、主面の角部近傍のみに形成しているので、小型化しても光学的な有効エリアをより確保しやすく、さらにマーキングの形成場所として、光学ローパスフィルタの主面上に容易に特定できるので、製造性が高い。
【0020】
特許請求項4によれば、上述の作用効果に加えて、マーキングを、前記光学ローパスフィルタの1つの側面で、1つの辺の端部のみに光束分離方向を示すマーキングが形成されているので、主面の全てを光学的な有効エリアとして確保でき、さらにマーキングの形成場所として、光学ローパスフィルタの側面上に容易に特定できるので、製造性が高い。
【0021】
特許請求項5によれば、コート材、あるいはより多層のコート材が形成された光学ローパスフィルタの主面を入射側の主面として、前記パッケージ外方に向けて当該パッケージの開口部に取り付けているので、前記コート材、あるいはより多層のコート材が形成された主面を撮像素子から隔離して配置するこができる。従って、コート材の凹凸が光学的な異物となり画像上のノイズとして顕著化してビデオ出力された画質を悪化させることがない。高品質でより信頼性の高い撮像装置を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明による第1の実施の形態について、光学ローパスフィルタを例にとり図面を参照して説明する。図1は本発明による第1の実施形態を示す図であり、図2は製造方法を示す図である。また図3、図4はその変形例を示す光学ローパスフィルタの斜視図である。
【0023】
本実施の形態による光学ローパスフィルタは、図1(a)に示すように主面略正方形状の水晶複屈折板1の単板構成である。水晶複屈折板は周知のとおり、水晶の複屈折効果により入射光を常光線と異常光線に光分離して出射光とするもので、光分離方向、分離幅は所定のパラメータにより適宜調整することができる。また水晶複屈折板1の光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート1aが形成されている。当該コート1aは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に10層〜60層まで積層されて多層膜を形成している。
【0024】
水晶複屈折板1は例えば45°方向(主面向かって右側水平方向を0°とし、反時計回りに45°とする)に光線分離するよう設定されており、この水晶複屈折板1の光入射側主面には、光束分離方向である当該主面の角部11の近傍に点状のマーキングM1が不滅インキやレーザーにより形成されている。
以上のように構成された水晶複屈折板1は、図1(b)に示すように、当該水晶複屈折板のコート材1aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子4から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージ5の開口部51に取り付けられ、図示しない結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0025】
本発明の第1の実施形態では、水晶複屈折板1の光入射面で当該主面の1つの角部近傍にのみマーキングM1が形成されているので、例えば、マーキングM1が形成された角部11の方向に光学分離方向が存在することが明示され、また、マーキングM1が形成された主面が光入射面であり、コート材1aが形成されている主面であるとして、表裏判別が可能となる。さらに、主面略正方形状の水晶複屈折板1であり、当該主面の中心点での90°回転しても、縦方向と横方向の判別も可能となる。
【0026】
次に上記光学ローパスフィルタを形成する方法について図2の模式図とともに説明する。
図2(a)に示すように、45°方向(図中の矢印)に光分離し、両主面がポリッシュ研磨された複屈折板ウェハWを得る。
図2(b)に示すように、前記ウェハWの入射面W1に赤外線カットコートを形成するため、誘電体薄膜(TiO2とSiO2)Hを真空蒸着法等の手段により交互に積層し、多層膜を形成する。
図2(c)に示すように、このような光学ローパスフィルタウェハWを支持台Sの上に水溶性の接着剤により接着し、ダイシングブレードにより、マトリックス状に小割り切断する。
図2(d)に示すように、前記切断された個々のウェハWの光束分離方向に相当する角部にレーザーを照射し、前記誘電体薄膜の一部を除去することでマーキングMを形成する。
図2(e)に示すように、水溶性の接着剤を溶解し、個々の光学ローパスフィルタ1に分離する。
【0027】
本発明による光学ローパスフィルタの製造方法は上記方法に限定されるものではない。例えば、ダイシングブレードの切断前にレーザー照射することでマーキングを先に形成してもよく、レーザーの変わりに不滅インクによるマーキングをスタンピングやマスクキングにより形成することも可能である。
【0028】
なお、上記第1の実施形態のマーキング形態に限ることなく、図3に示すものであってもよい。
【0029】
図3(a)の水晶複屈折板1は、例えば135°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート1aが形成され、光出射側主面には、反射防止コート1bが形成されている。当該赤外カットコート1aは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に10層〜60層まで積層されて多層膜を形成している。当該反射防止コート1bは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に2層〜5層まで積層されて多層膜を形成している。この水晶複屈折板1の光出射側主面には、3つの角部11,12,13の近傍に光束分離方向を示す点状の第1のマーキングM1、点状の第2マーキングM2、および点状の第3のマーキングM3が不滅インキやレーザーにより形成されている。
【0030】
以上のように構成された水晶複屈折板1は、図示しないが、当該水晶複屈折板の反射防止コート1bに対してより多層の赤外カットコート材1aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージの開口部にカバー部材として取り付けられ、結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0031】
このような構成では、水晶複屈折板1の光出射面で当該主面の3つの角部近傍に第1のマーキングM1、第2のマーキングM2、第3のマーキングM3が形成されているので、例えば、当該主面の前記各マーキングM1〜M3が形成されない角部14の方向に光学分離方向が存在することが明示され、前記各マーキングが形成された主面が光出射面であり、反射防止コート1bが形成されている主面であるとして、表裏判別が可能となる。さらに、主面略正方形状の水晶複屈折板1であり、当該主面の中心点での90°回転しても、縦方向と横方向の判別も可能となる。
【0032】
図3(b)の光学ローパスフィルタ2は、水晶複屈折板21、1/4波長板22(水晶板、樹脂板等)、ならびに水晶複屈折板23とを貼り合わせた構成である。水晶複屈折板21は、例えば0°方向に光線分離するよう設定されており、入射した光を水晶の複屈折効果により水平方向に分離する機能を有する。また水晶複屈折板21の光入射面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート等のコート材2aが形成されている。水晶複屈折板23は例えば90°方向に光線分離するよう設定されており、入射した光を水晶の複屈折効果により90°方向に分離する機能を有する。また水晶複屈折板23の光出射面には、光反射防止コート2bが形成されている。当該赤外カットコート2aは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に10層〜60層まで積層されて多層膜を形成している。当該反射防止コート2bは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に2層〜5層まで積層されて多層膜を形成している。この光学ローパスフィルタ2の光入射側主面には、水晶複屈折板21の光束分離方向である辺に隣接する2つの角部211、212の近傍に点状の第1のマーキングM1、点状の第2のマーキングM2が不滅インキやレーザーにより形成されている。
【0033】
以上のように構成された光学ローパスフィルタ2は、図示しないが、当該光学ローパスフィルタの反射防止コート2bに対してより多層の赤外カットコート材2aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージの開口部に取り付けられ、結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0034】
このような構成では、水晶複屈折板2の光入射面で当該主面の隣接する2つの角部近傍に第1のマーキングM1、第2のマーキングM2が形成されているので、例えば、第1のマーキングM1と第2のマーキングM2が形成された辺の方向に光学分離方向が存在することが明示され、前記各マーキングが形成された主面が光入射面であり、赤外線カットコート2aが形成されている主面であるとして、表裏判別が可能となる。さらに、主面略正方形状の水晶複屈折板1であり、当該主面の中心点での90°回転しても、縦方向と横方向の判別も可能となる。なお、上記光学ローパスフィルタ2の光出射側主面で、水晶複屈折板23の光束分離方向である辺に隣接する2つの角部の近傍に対しても、第1のマーキングM1、第2のマーキングM2を不滅インキやレーザーにより形成してもよい。
【0035】
さらに、光学ローパスフィルタ(水晶複屈折板)の当該主面中心に対して端部で非点対称に形成されたマーキングとして、上記角部の近傍のみのマーキング形態に限ることなく、図4に示すものであってもよい。
【0036】
図4(a)の水晶複屈折板1は、例えば0°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート1aが形成されている。この水晶複屈折板1の光入射側主面には、1つの辺15の中央部のみに光束分離方向を示す点状の第1のマーキングM1が不滅インキやレーザーにより形成されている。
【0037】
また、図4(b)の水晶複屈折板1は、例えば0°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート1aが形成されている。この水晶複屈折板1の光入射側主面には、辺15に光束分離方向を示す点状の第1のマーキングM1、点状の第2のマーキングM2、および辺16に光束分離方向を示す点状の第3のマーキングM3が不滅インキやレーザーにより形成されている。
【0038】
さらに、図4(c)の水晶複屈折板1は、例えば0°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート1aが形成されている。この水晶複屈折板1の光入射側主面には、辺15に沿って光束分離方向を示す線状の第1のマーキングM1が不滅インキやレーザーにより形成されている。
【0039】
このように、特定の辺いずれかに1つ以上のマーキングを形成し、光学ローパスフィルタの当該主面中心に対して端部で非点対称なマーキングを形成してもよい。
【0040】
以上のように構成された水晶複屈折板1は、図示しないが、当該水晶複屈折板の赤外カットコート材1aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージの開口部にカバー部材として取り付けられ、結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施形態による光学ローパスフィルタについて図面とともに説明する。図5は本発明による第2の実施形態を示す図である。
【0042】
本実施の形態による光学ローパスフィルタは、図5(a)に示すように主面略正方形状の水晶複屈折板3の単板構成である。水晶複屈折板は周知のとおり、水晶の複屈折効果により入射光を常光線と異常光線に光分離して出射光とするもので、光分離方向、分離幅は所定のパラメータにより適宜調整することができる。また水晶複屈折板3の光入射側主面には、反射防止コート3aが形成されている。当該コート3aは詳細図示していないが、高屈折性の誘電体薄膜(例えばTiO2)と、低屈折性の誘電体薄膜(例えばSiO2等)とが交互に2層〜5層まで積層されて多層膜を形成している。
【0043】
水晶複屈折板3は例えば45°方向に光線分離するよう設定されており、この水晶複屈折板3の入射面上部にある側面31では、長辺方向の右側端部311に、光束分離方向を示すマーキングM4が不滅インキやレーザーにより形成されている。なお、本発明の形態では素子の側面にマーキングを形成するので、簡易的に油性ペンなどで記載することも可能である。
【0044】
以上のように構成された水晶複屈折板3は、図5(b)に示すように、当該水晶複屈折板のコート材3aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子4から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージ5の開口部51にカバー部材として取り付けられ、図示しない結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0045】
本発明の第2の実勢形態では、前記光学ローパスフィルタ3の入射面上部側面31(光学ローパスフィルタの1つの側面)で、長辺方向の右側端部(1端部のみ)に光束分離方向を示す点状のマーキングM4が形成されているので、例えば、マーキングM4が形成された側面端部311の方向に光学分離方向が存在することが明示され、マーキングM4を光学ローパスフィルタの上部側面の右側端部に配置した場合、手前の主面が光入射面であり、コート材1aが形成されている主面であるとして、表裏判別が可能となる。さらに、主面略正方形状の水晶複屈折板1であり、当該主面の中心点での90°回転しても、縦方向と横方向の判別も可能となる。
【0046】
なお、光学ローパスフィルタ(水晶複屈折板)の当該側面中心に対して非点対称に形成されたマーキングとして、上記マーキング形態に限ることなく、図6に示すものであってもよい。
【0047】
図6(a)の水晶複屈折板3は、例えば45°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート3aが形成されている。この水晶複屈折板1の入射面上部にある側面31では、中央部と長辺方向の右側端部311に、光束分離方向を示す点状の第1のマーキングM4、点状の第2のマーキングM5が形成されている。
【0048】
また、図6(b)の水晶複屈折板3は、例えば45°方向に光線分離するよう設定されており、光入射側主面には、色補正フィルタとして赤外線カットコート3aが形成されている。この水晶複屈折板1の入射面上部にある側面31では、中央部から長辺方向の右側端部311に、光束分離方向を示す線状の第1のマーキングM4が形成されている。
【0049】
このように、特定の側面に1つ以上のマーキングを形成し、光学ローパスフィルタの当該側面中心に対して非点対称なマーキングを形成してもよい。
【0050】
以上のように構成された水晶複屈折板3は、図示しないが、当該水晶複屈折板の赤外カットコート材3aが形成された主面を入射側の主面としてCCD等の撮像素子から隔離する方向に配置し、例えばCCDを収納するパッケージの開口部にカバー部材として取り付けられ、結合光学系とともに、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に組み込まれる。
【0051】
本発明の実施形態では、色補正フィルタとして、赤外線カットフィルタを例にしているが、紫外線カットフィルタや、赤外線と紫外線をカットするフィルタ等にも適用してもよい。また、上述のマーキング形状に限らず、図形、文字、記号等、様々なマーキング形態を採用することができ、これらを組み合わせてもよい。さらに、撮像装置用の光学ローパスフィルタに限ることなく、プロジェクターなどの表示装置用、あるいは他の用途にも適用できる。また、本発明は主面略正方形状のものを例にしたが、主面長方形状のものにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す図。
【図2】第1の実施形態の製造方法を示す図。
【図3】第1の実施形態の変形例を示す光学ローパスフィルタの斜視図。
【図4】第1の実施形態の変形例を示す光学ローパスフィルタの斜視図。
【図5】第2の実施形態を示す図。
【図6】第2の実施形態の変形例を示す光学ローパスフィルタの斜視図。
【符号の説明】
1、3、21、23 水晶複屈折板
22 1/4波長板
4 撮像素子
5 撮像素子のパッケージ
W 光学ローパスフィルタウェハ

Claims (5)

  1. 主面方形状で主面に入射した光線が所定の方向に分離して出射する光束分離方向を有してなる直方体の光学ローパスフィルタであって、
    前記入射側または出射側の一方の主面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該主面中心に対して端部で非点対称に形成されたことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  2. 上記主面中心に対して端部で非点対称に形成されたマーキングとして、
    ▲1▼前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の1つの角部近傍にのみ光束分離方向を示すマーキング、
    ▲2▼前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の隣接する2つの角部近傍に光束分離方向を示す第1のマーキング、第2マーキング、
    ▲3▼前記入射側または出射側の一方の主面に、当該主面の3つの角部近傍に光束分離方向を示す第1のマーキング、第2マーキング、および第3のマーキング、
    以上▲1▼〜▲3▼のうち、いずれか1つに記載されたのマーキングが形成されたことを特徴とする特許請求項1記載の光学ローパスフィルタ。
  3. 主面方形状で主面に入射した光線が所定の方向に分離して出射する光束分離方向を有してなる直方体の光学ローパスフィルタであって、
    前記光学ローパスフィルタの1つの側面に、光束分離方向を示す1つ以上のマーキングが当該側面中心に対して非点対称に形成されたことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  4. 上記側面中心に対して非点対称に形成されたマーキングとして、
    前記光学ローパスフィルタの1つの側面で、1つの辺の端部のみに光束分離方向を示すマーキングを形成したことを特徴とする特許請求項3記載の光学ローパスフィルタ。
  5. 特許請求項1〜4のいずれか1項記載の光学ローパスフィルタを撮像素子が収納されたパッケージの開口部に取り付けてなる撮像装置であって、
    前記光学ローパスフィルタには、一方の主面側のみにコート材が形成されているか、または一方の主面側が他方の主面側より多層のコート材が形成されてなり、当該コート材を有する主面、またはより多層のコート材を有する主面を光学ローパスフィルタの入射側の主面として、前記パッケージ外方に向けて当該パッケージの開口部に取り付けたことを特徴とする撮像装置。
JP2002368018A 2002-12-19 2002-12-19 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置 Pending JP2004198780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002368018A JP2004198780A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002368018A JP2004198780A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004198780A true JP2004198780A (ja) 2004-07-15

Family

ID=32764721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002368018A Pending JP2004198780A (ja) 2002-12-19 2002-12-19 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004198780A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006178261A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Seiko Epson Corp 誘電体多層膜フィルタ及び光学部材
JP2006222700A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Olympus Corp 撮像装置
JP2010002598A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Daishinku Corp 光学フィルタ
CN102460271A (zh) * 2009-04-22 2012-05-16 株式会社宜客斯 光学滤波器以及显示器评价***
JP2013152331A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Nikon Corp カメラ、カメラシステム、カメラボディおよびカメラ製造方法
JP2015084016A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 株式会社エス・エム・エムプレシジョン 光アイソレータ用光学素子とその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006178261A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Seiko Epson Corp 誘電体多層膜フィルタ及び光学部材
JP2006222700A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Olympus Corp 撮像装置
JP2010002598A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Daishinku Corp 光学フィルタ
CN102460271A (zh) * 2009-04-22 2012-05-16 株式会社宜客斯 光学滤波器以及显示器评价***
CN102460271B (zh) * 2009-04-22 2014-09-03 株式会社宜客斯 光学滤波器以及显示器评价***
JP2013152331A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Nikon Corp カメラ、カメラシステム、カメラボディおよびカメラ製造方法
JP2015084016A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 株式会社エス・エム・エムプレシジョン 光アイソレータ用光学素子とその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI270200B (en) Solid-state imaging device, semiconductor wafer and camera module
US20100128350A1 (en) Imaging assembly
JP2009290031A (ja) 電子素子ウェハモジュールおよびその製造方法、電子素子モジュール、電子情報機器
JP4506678B2 (ja) プリズム光学系および撮像装置
JP2006032886A (ja) 固体撮像装置及びその製造方法及びカメラモジュール
JP6051399B2 (ja) 固体撮像装置及びその製造方法
JP2009290033A (ja) 電子素子ウェハモジュールおよびその製造方法、電子素子モジュール、電子情報機器
JP2009164654A (ja) 複眼方式のカメラモジュール
US20150260890A1 (en) Optical part, method for manufacturing optical part, electronic apparatus, and moving object
US6963448B1 (en) Optical low-pass filter, and image sensing unit and apparatus using the same
JP4321173B2 (ja) ダイシング方法、カバーガラス、液晶パネル、液晶プロジェクタ、撮像装置及びデジタル画像認識装置
WO2005059610A1 (ja) 光学フィルタ
JP2004198780A (ja) 光学ローパスフィルタ、および光学ローパスフィルタを用いた撮像装置
JP2010212649A (ja) 撮像素子
JP2001272633A (ja) 光学ローパスフィルタ及び光学ローパスフィルタ用赤外線カット手段
JP2004177832A (ja) 光学フィルタ
JP4545859B2 (ja) 撮像装置
JP2008158279A (ja) 色分解プリズム及びカラー撮像装置
JP2007183333A (ja) 撮像装置
JP2007093966A (ja) 光学ローパスフィルタとそれを用いたデジタルカメラ
JP2003279747A (ja) 光学ローパスフィルタおよび光学ローパスフィルタを用いた撮像装置
JP5857248B2 (ja) カメラ装置およびカメラ装置の製造方法
JP2020101651A (ja) 光学素子、光学モジュール、プロジェクター、および光学素子の製造方法
JP2006154359A (ja) 赤外線カットフィルタ
JP3792992B2 (ja) 光学ローパスフィルタ及びそれを用いた光学機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061211