JP2004198484A - 偏光板用拡散反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】二軸延伸ポリエステルフィルムを用い、品質的に安定で、かつコスト的に安価な拡散反射フィルムを提供する。
【解決手段】粒子を含有する二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に金属膜を有するフィルムであって、金属膜表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2〜0.6μmであり、金属膜表面の60度鏡面光沢が70〜200%でかつ入射角5%の波長550nmの光の絶対反射率が20〜45%であることを満足することを特徴とする偏光板用拡散反射フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置の偏光板に貼り合わせて用い、可視表面側の指向性を無くして反射輝度を高めるための、拡散反射フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れ、かつ、コストパフォーマンスにも優れるため、各種の用途において基材として使用されている。
液晶ディスプレイ等における反射型液晶装置においては、透明電極を設けた一対のガラス基板で液晶をサンドイッチした液晶セルの両面に、偏光軸が直交するように透過用偏光板および反射用偏光板を設ける。この反射用偏光板の裏面側には、目線方向の光の反射率を向上させるために拡散反射フィルムを貼り合わせる。
【0003】
用いられる拡散反射フィルムとしては、一般的には▲1▼高分子フィルムにアルミ箔を貼り合わせたもの、▲2▼高分子フィルム表面に粗面化塗料を塗布し、そのうえにアルミニウムあるいは銀の薄膜を設けたもの(特許文献1)、▲3▼表面をサンドマット加工、化学マット加工あるいはエンボス加工して表面に凹凸を与えた高分子フィルムにアルミニウムあるいは銀の薄膜を設けたもの(特許文献2〜4)などが知られている。
▲1▼についてはアルミ箔を貼り合わせる必要があり、アルミ箔の浮き、アルミ箔圧延筋等表面凹凸の均一性の問題に加え、加工コストが高い。▲2▼は、粗面化剤を添加した塗料をフィルムの表面に塗布し、表面に微細な凹凸を与えるものであるが、コーティングムラ、コーティング筋等に起因する塗布膜欠陥が発生しやすいため、均一な表面突起の付与が難しく、コスト的にも▲1▼同様に高くなる。▲3▼は、処理時に発生する微小異物の付着を除去する必要があり、クリーン加工性が要求される液晶用途には好まれないものであり、コスト的にも高い。
【0004】
【特許文献1】特開平10−170707号公報
【特許文献2】特開平9−68613号公報
【特許文献3】特開平9−43430号公報
【特許文献4】特開2002−14208号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、品質的に安定で、かつコスト的に安価な拡散反射フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を有するフィルムが偏光板の拡散反射フィルムとして好適であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、粒子を含有する二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に金属膜を有するフィルムであって、金属膜表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2〜0.6μmであり、金属膜表面の60度鏡面光沢が70〜200%でかつ入射角5%の波長550nmの光の絶対反射率が20〜45%であることを満足することを特徴とする偏光板用拡散反射フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものであり、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0009】
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示されが、コスト的にポリエチレンテレフタレートが望ましい。
また、ポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、通常30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸および、オキシカルボン酸の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
本発明に用いるポリエステルは、溶融重合反応で得られたものであっても、また溶融重合後、一度チップ化したポリエステルを固相重合したものであってもよい。
また本発明においては、異種のポリエステルを共押出積層した構造を有するフィルムであってもよい。
本発明で得られるポリエステルには、本発明の要旨を損なわない範囲で、帯電防止剤、易滑剤等の添加物を配合してもよい。
【0011】
本発明のポリエステルフィルムは、その表面を適正な表面粗さにするため、フィルム中に不活性な無機または有機等の粒子を含有する必要がある。
用いる粒子としては、酸化珪素(無機シリカ)、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、硫酸バリウム、フッ化リチウム、タルク、架橋高分子微粉体等を挙げることができるが、レジンへの添加・分散性、製膜上の安定性あるいは有効な表面状態を得るにあたっては酸化珪素を主成分とすることが好ましい。
【0012】
これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよいが、フィルム中における含有量は、通常0.6〜8.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%の範囲である。粒子の含有量が0.6重量%未満の場合は、フィルム表面が平滑になりすぎ、光拡散性を得るために必要とする表面粗さが得られないことがある。また、フィルム中の粒子の含有量が8.0重量%を超えると、フィルム製造押出機において凝集・粗大粒子除去のための濾過フィルターの寿命が短くなったり、再凝集粒子の詰まりによる口金リップ部でのフィルム筋の発生や、二軸延伸時におけるフィルム破断等のトラブルが発生したりすることがある。
【0013】
より有効な光拡散性、また、フィルム安定製膜性を得るためには、粒子含有量は1.0〜5.0重量%の範囲とすることがさらに望ましい。
フィルムに適正な表面粗さを与えるには、粒子の粒径も関与するので、用いる粒子の平均粒径は、0.5〜9.0μmの範囲、さらには1.0〜5.0μmの範囲とすることが好ましい。平均粒径が0.5未満の粒子では、フィルムの表面粗さが小さくなりすぎ、十分な拡散反射効果が得られないことがある。また、平均粒径が9.0μmを超える粒子では、凝集・粗大粒子除去のための濾過フィルターを粗くする必要があり、フィルム中に異物が多くなる傾向がある。
【0014】
口金リップ部でのフィルム筋の発生、さらには、二軸延伸時におけるフィルム破断等の種々のトラブルも発生しやすい。
粉砕あるいは分級された無機粒子のポリエステルへの添加は、▲1▼エチレングリコール等に分散させスラリー液として、攪拌装置を有するポリエステル重合釜内中にポリエステル原料と共に仕込み重縮合反応させることによりポリエステル樹脂製造段階で所定重量%を含有させる方法、▲2▼混練り押出機に、ポリエステルレジンと無機粒子を適正比率で供給し、押出機中で混練り後、押出濾過し、無機粒子含有ポリエステルレジンとする方法等がある。
これらの方法で得られた無機粒子含有ポリエステルマスターレジンは、フィルム製膜の際に、単独あるいは、粒子を殆ど含有しないポリエステルベースレジン(希釈レジン)と所定重量比で混合して用いる。
【0015】
本発明のフィルムは、表面の絶対反射率を抑え、拡散反射光の比率を高めるに、フィルム自体の表面を粗面化することが好ましい。
フィルムの粗面化は、上述のとおり、フィルム中に粒子を混入させることで得られるが、多量の粒子を均一に含有させたポリエステルレジンは、通常のポリエステルレジンに較べ、レジン製造コストが高くなる。このコストの問題については、必要とする表面層にのみ多量の粒子を適正に含有させることにより改善でき、共押出積層法による多層構成のポリエステルフィルムとすることが有効である。この場合においては、多層ポリエステルフィルムにおける金属膜側の表面層は5μm以上の厚さに設定することが好ましく、当該層における粒子の含有量を0.6〜8.0重量%、さらには1.0〜5.0重量%とすることが好ましい。35〜80μm厚のポリエステルフィルムに関して、含有層が5μm未満の場合は、表面粗さへの寄与が乏しい傾向がある。
【0016】
フィルム表面を粗面にすると、拡散光の比率は増すが、反面、表面反射性が低下し、反射光が弱く(暗く)なり、本用途として適さなくなる。したがって、本発明のフィルムには、アルミニウムあるいは銀等の金属薄膜をフィルム上に設ける。この方法としては、金属蒸着法、化学蒸着法、イオンビーム法、スパッタリング法などが挙げられるがコスト的には金属蒸着法を用いることが望ましい。
【0017】
この場合、蒸着膜が薄すぎると反射光が十分得られないため、金属膜厚は、ある厚さ以上に設定することが好ましい。金属膜厚は、フィルムの表面粗さならびに金属膜の表面抵抗を測定することにより管理しうる。
表面反射性およびコストを考えた場合、金属としては、アルムニウムが好適であるが銀などと較べ水分の存在環境では腐食しやすい。この防止のためには、その表面に腐食防止を目的としたポリエステルあるいはアクリル樹脂等からなる保護用透明樹脂層を表面塗布することが望ましい。この保護層の塗布量は固形分重量で0.1〜1.0g/mとすることが好ましい。
【0018】
次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法の例として、ポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なり、本発明は必ずしもこれに限定されない。
常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換により、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHT)を得る。このBHTを重合槽に移行しながら、真空下で280℃に加熱して重合反応を進めポリエステルを得る。無機粒子は、所定量をエチレングリコールに均一分散させ、ポリエステル重合釜にポリエステル重合時に添加する。
【0019】
この無機粒子含有ポリエステルレジンならびに必要に応じ、希釈レジンと所定重量比で混合して押出機に供給、溶融し、Tダイから押出し、冷却ロール上にキャスト・冷却固化して未延伸シートを得る。この未延伸シートを、ロールもしくはテンター方式の延伸機により一段目の延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは75〜100℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍の範囲となるが、本発明の場合は、延伸倍率は、2.0〜4.5倍とすることが特に好ましい。次いで、引き続き、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜100℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜6倍となるが、本発明の場合は、延伸倍率は、2.0〜4.5倍とすることが特に好ましい。
【0020】
本発明のフィルムを拡散反射フィルムとして用いるには、ポリエステルフィルムは、縦・横のそれぞれのポリエステルフィルムフィルム配向度が、ほぼ、等しい二軸延伸ポリエステルフィルムが望ましい。延伸倍率を2.0倍未満とした場合、フィルム製膜効率を下がるのは当然のことであるが、フィルムの表面粗さが小さくなり、期待の表面粗さが得られないという不具合が起こる恐れがある。一方、延伸倍率を4.5倍以上にすると、高濃度の粒子を添加したフィルムの場合、二段目の延伸時の破断が多発する場合がある。
二軸延伸されたフィルムは引き続き、通常130℃〜250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムとして巻き取る。
【0021】
なお、本フィルムにおいては、フィルム製膜ラインに設置したインラインコート設備を用いて、二段目の延伸前等において、フィルム表面にポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂等からなる易接着性透明樹脂層あるいは静防性透明樹脂層等をコーティングしてもよい。
本発明の拡散反射フィルム基材としての二軸延伸ポリエステルフィルムは、フィルムの強度特性ならびに加工等を含めたコストバランスの点から、一般的には、厚みが35〜80μmのものが使用される。
【0022】
ポリエステルフィルム表面への金属膜積層については、上述のとおり、種々の方法が可能であるが、コスト性を考えた場合は、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着機によるフィルムへの金属蒸着加工は、一般的に広く行われている方法であるフィルムロール仕込み型バッチ式真空蒸着機で加工することができる。用いる金属は、コスト性を考えると純度99.99%以上の高純度アルミニウム金属が望ましい。蒸着膜厚の制御については、蒸着速度、金属加熱温度、蒸着機内の真空度等の調整で設定ができるが、本用途としては、膜厚200〜1000Åに相当した蒸着条件が適当であると考えられる。アルミニウムの蒸着膜厚は、フィルムの表面粗さの影響も受けるが、適正な膜厚の条件設定は、アルミニウム膜面における表面抵抗値を適正化することにより達成される。
【0023】
反射フィルムにおいては、表面を均一連続的な凹凸粗面として、様々な角度からの入射光に対する拡散反射光を目線方向に反射させ、効率よく利用することが求められる。このためには、フィルムの金属膜表面に均一な凹凸を与え、かつ、その表面粗さ値を適正化することが必要となる。
この表面粗さについては、算術平均粗さ(Ra)が0.2〜0.6μm、好ましくは0.3〜0.5μmの範囲である。Raが0.2μmより小さいと、表面光沢が高くなりすぎ、好ましい拡散反射光が得られない。Raが0.6μmを超えるようなフィルムは製造が困難であるうえ、表面光沢度が低くなりすぎ望ましくない。
【0024】
拡散反射板としては、表面反射率とともに、拡散反射光の量を適度に調整する必要があり、金属膜表面の絶対反射率は20〜45%、鏡面光沢度は70〜200%である。上記範囲を何れかでも外れると、拡散反射板として使用することができない。
本発明において、金属膜厚は、その表面抵抗をはかることにより管理されうる。すなわち、金属膜の表面抵抗値は0.5〜3.0Ω/□の範囲が適当である。3.0Ω/□未満では、金属膜厚が薄くなりすぎ、十分な反射光が得ることができず、金属膜の耐久性も悪くなることがある。一方、0.5Ω/□以下の範囲では、必要以上の金属膜厚の設定となり、蒸着焼け等のトラブルに加え、金属膜の柔軟性も劣り、フィルム表面より剥離・脱落しやすくなる場合がある。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明における特性の測定方法は下記のとおりである。
【0026】
(1)算術平均粗さ(Ra)
JIS B0601に基づき、カットオフ値は0.08mmにて測定した。
【0027】
(2)表面抵抗値
表面抵抗計(Loresta MCP−TESTER)にて2ピン端子(MCP−TP01)を使用して測定した。
【0028】
(3)60度鏡面光沢
JIS Z8741に基づいて測定した。60度鏡面光沢Gs(60°)は、下記式により算定した。
Gs(60°)=(Φs/Φos)×Gos(60°)
(上記式中、Φsは入射角60°に対する、試料面からの鏡面反射光束、Φosは入射角60°に対する、標準面からの鏡面反射光束、Gos(60°)は使用した標準面の光沢度(%)である)
本反発明では、Gs(60°)の数値が70〜200%のものが、反射性ならびにを拡散性として望ましいと判定した。
【0029】
(4)絶対反射率(入射角5度)
島津製作所製絶対反射率測定装置MPC-3100型にて入射角5度における各波長における絶対反射率を測定した。測定値としては波長550nmにおける反射率を比較した。本発明では、この数値が20〜45%のものが反射性ならびに拡散性として望ましいと判定した。
【0030】
実施例1
平均粒径3.5μmの酸化珪素粒子を含むエチレングリコールスラリー液をエステル交換反応後のポリエステル重合前原料と共に重縮合反応釜中に添加・攪拌分散させ、ポリエステルの重縮合を行うことにより、酸化珪素粒子を3重量%含有するポリエステルレジン(A)を得た。このレジンと、平坦透明フィルム用ポリエステルレジン(粒子の含有量が0.1重量%未満)(C)を均一に混合し、熱風乾燥結晶化後、混練り押出し機に供給した。290℃の温度で混練り・溶融後、濾過精度15μmのフィルターを通し、ギヤポンプでTダイに定量供給してシート状に吐出し、冷却ドラム上にキャスト・急冷し、厚さ612μmの未延伸シートとし、このフィルムを縦延伸ゾーンにおいて75〜83℃で倍率3.5倍に縦延伸後、横延伸ゾーンにおいて85〜95℃で、倍率3.5倍に横延伸し、かつ200℃の熱処理・固定を行い、2重量%の酸化珪素粒子をフィルム中に含有する、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0031】
実施例2
実施例1のポリエステルレジン(C)と、平均粒径3.5μmの酸化珪素粒子を90:10の重量比で混練り押出機に供給して、加熱温度290℃で混練り、押出後、チップ化し、酸化珪素粒子を10重量%含有するポリエステルレジン(B)を得た。2台の混練り押出機▲1▼及び▲2▼を並列に配置した多層共押出設備において、押出機▲1▼のレジン供給部には上記のレジン(B)およびレジン(C)を30/70の重量比で供給し、押出機▲2▼にはレジン(C)を供給した。押出機▲1▼および▲2▼からフィルター濾過後、個別の導管を通して導入した溶融ポリエステル樹脂を2層積層用マルチマニホールドTダイのリップ部で幅方向均一層状に合流させ、冷却ドラム上にキャスト・急冷し、総厚さ612μmの未延伸積層シートとした。なお、積層シートの各層の厚さについては、押出機▲1▼および▲2▼の押出吐出量(スクリュウ回転数/ギヤポンプ回転数)を個別に設定することにより設定した。以後、実施例1と同様に積層シートを延伸・熱固定することにより、酸化珪素3重量%添加層10μm、非添加層40μの構成よりなる、厚さ50μmの2層積層ポリエステルフィルムを得た。
【0032】
実施例3
2台の併設押出機▲1▼及び▲2▼を使用し、押出機▲1▼においては、ギヤポンプを2台つなぎ、各ギヤポンプ部以後を個別の導管とし、押出機▲2▼からの導管を含めた3本の導管を3層積層用マルチマニホールドTダイに導入することにより、溶融レジンをTダイリップ部で幅方向均一層状に合流させて、以後、実施例2と同様に製膜して、両表面は10μm厚の酸化珪素3重量%添加層、中間層は30μmの非添加層からなる総厚50μmの3層積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0033】
実施例4
実施例3と同様の要領により、両表面は15μm厚の酸化珪素3重量%添加層、中間層は20μmの非添加層からなる総厚50μmの3層積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0034】
比較例1
実施例1と同様の要領により、フィルム中に0.5重量%の酸化珪素粒子を含有させた、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0035】
比較例2
実施例3と同様の要領により、両表面は5μm厚の酸化珪素粒子3重量%添加層、中間層は40μmの非添加層からなる総厚50μmの3層積層二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0036】
比較例3
実施例1と同様の要領により、フィルム中に平均粒径10μmの酸化珪素粒子を3重量%含有させた、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを製膜した。押出機の濾過フィルターは濾過精度20μmを用いたが、濾過性は悪く、また、Tダイリップ部における筋の発生、異常突起の発生、さらには、2段目のフィルム延伸の際の破断等が発生し、安定した満足なフィルムを得るには至らなかった。
【0037】
比較例4
実施例1と同様の要領により、フィルム中に平均粒径0.4μmの酸化珪素粒子を2重量%含有させた、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0038】
比較例5
実施例2で用いた平均粒径3.5μm酸化珪素粒子含有量10重量%のレジン(B)を押出機に供給し、実施例1と同様の要領によりフィルム中に平均粒径3.5μmの酸化珪素粒子を10重量%含有させた、厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを製膜した。製膜に関しては、比較例3同様、安定した満足なフィルムを得るには至らなかった。
【0039】
比較例6
実施例1において、フィルム製膜での延伸倍率を縦方向1.5倍、横方向1.5倍とした。
【0040】
比較例7
実施例1において、フィルム製膜での延伸倍率を縦方向5倍、横方向5倍で製膜したが、破断が多発した。
【0041】
各実施例および比較例の二軸延伸ポリエステルフィルムに対して、その粗面側のフィルム表面に、真空蒸着機にて、純度99.99%のアルミニウムを使用して、アルミニウム蒸着を行った。蒸着厚みは、アルミニウム面の表面抵抗値が1〜2Ω/□になるように蒸着機の蒸着速度(蒸着暴露時間)を調整した。アルミニウム膜厚は、おおむね400〜600Åと判断した。
できた、アルミニウム蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムのアルミニウム反射膜面の60度鏡面光沢値、絶対反射率を下記表1に示す。
【0042】
実施例1の二軸延伸ポリエステルフィルムを使用して、蒸着速度を早くし、薄目に蒸着したものはアルミニウム面の表面抵抗値は4Ω/□のオーダーを示し、このものはアルミニウム膜に十分な隠蔽性がなく適さなかった。一方、蒸着速度を遅くして、厚めに蒸着したものはアルミニウム面の表面抵抗値は4Ω/□であり十分な遮蔽性は認められるが、色焼けがみられ、また、アルミ膜が硬く剥げ落ちやすかった。
【0043】
【表1】
Figure 2004198484
【0044】
実施例1〜4については、60度鏡面光沢ならびに絶対反射率ともに適切な値であり、適度な光拡散性を得ることができた。比較例1,比較例2,比較例4,比較例6については、表面の反射性が高すぎ、光拡散性が劣るため、本用途には適当でなかった。また、比較例3、比較例5、比較例7は、フィルムの製膜が困難で望ましくない。なお、実施例1〜実施例4において、アルミニウム蒸着のない場合は、60度鏡面光沢は70%未満であり、反射光量が不十分であった。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によるフィルムは、実用的に有用な、かつ、コスト性にも優れており、その工業的価値は高い。

Claims (3)

  1. 粒子を含有する二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に金属膜を有するフィルムであって、金属膜表面の算術平均粗さ(Ra)が0.2〜0.6μmであり、金属膜表面の60度鏡面光沢が70〜200%でかつ入射角5%の波長550nmの光の絶対反射率が20〜45%であることを満足することを特徴とする偏光板用拡散反射フィルム。
  2. ポリエステルフィルム中に平均粒径0.5〜9.0μmの粒子を0.6〜8.0重量%含むことを特徴とする請求項1記載の偏光板用拡散反射フィルム。
  3. 共押出積層された多層構造のフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板用拡散反射フィルム。
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