JP2004198419A - Timp1を用いた検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】 本発明は個体における結腸直腸癌の存在を検出する方法に関し、ここで結腸直腸癌は、患者から得られる臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1核酸もしくはアミノ酸分子の存在を検出することにより検出され、ここでReg1αまたはTIMP1の発現は結腸直腸癌の存在を示す。本発明はさらに、個体における結腸直腸癌の存在を検出する方法に関し、ここでは結腸癌は、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在を検出することに加えて、臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1核酸もしくはアミノ酸分子の存在を検出することにより検出される。

Description

結腸直腸癌腫は悪性新生物性疾患である。欧米、特にアメリカ合衆国において結腸直腸癌腫は高い発生率である。このタイプの腫瘍は、リンパ管および血管を通じて転移する場合が多い。結腸直腸癌腫患者の多くは、最終的にはこの疾患により死亡する。実際に、米国だけで年間62,000人の人々が結腸直腸癌腫で死亡していると推定される。
しかしながら、初期に診断されれば、結腸直腸癌は、癌性組織の外科的切除により効果的に治療され得る。結腸直腸癌は結腸直腸上皮から始まり、典型的に発達の初期段階おいて中には広く血管は新生しない(したがって浸潤性ではない)。結腸直腸癌は、結腸または直腸の上皮層中の単一の突然変異細胞のクローン性増殖に起因すると考えられる。高度な血管新生による転移で、浸潤性および最終的に転移性の癌が体中の至る所に蔓延するには通常10年以上かかる。癌が浸潤前に検出されれば、癌性組織の外科的切除が効果的な治癒法である。しかしながら、結腸直腸癌は、疼痛および真っ黒なタール上の糞便のような臨床的症状の発現時のみに検出される場合が多い。一般に、かかる症状は、多くの場合転移が起こった後に、疾患が十分に確立された場合にのみ存在し、癌性組織の外科的切除の後でさえも患者の予後は乏しい。したがって、結腸直腸癌の初期検出は、その罹患率を著しく減少し得るという点で重要である。
内視鏡検査のような侵襲性診断方法により、ポリープのような潜在的な癌性増殖の直接的な視覚的同定、切除および生体組織検査が可能である。内視鏡は高価であり、不快感を感じ、本質的に危険性があり、したがって結腸直腸癌を有する集団を特定するための集団スクリーニングにおいては実用的なツールではない。結腸直腸癌または前癌の存在を示す特徴において糞便試料の非侵襲性分析は初期診断にとって好ましい代替法であるが、この目標を信頼性高く達成する有効な診断方法は知られていない。初期段階で結腸直腸癌を診断するための信頼性高く、非侵襲性で、かつ正確な技法は多くの生命を救う手助けとなろう。
膵臓の再生遺伝子(RegI)の異所性発現がこれまでに結腸直腸腫瘍で特定されており、結腸直腸癌用の潜在的マーカーとして提唱されている(Zenilman et al., (1997) J. Gastrointest. Surg., 1:194、Watanabe et al., (1990) J. Biol. Chem., 265:7432、Birse and Rosen, 国際公開第01/12781号)。現在のところ、結腸直腸癌患者の血清中のReg1αの迅速かつ正確な検出に関して当業者に既知の信頼性高い方法は存在しない(Satomura et al., (1995) J. Gastroenterol. 30:643)。したがって、血清中のReg1αの発現を利用して、患者における結腸直腸癌を検出および/またはモニタリングする方法が当該技術分野で必要とされている。
[発明の概要]
本発明は、個体における結腸直腸癌の治療的応答を検出、モニタリングまたは確定する方法、ならびに上記方法を実施するための組成物およびキットを提供する。その最も一般的な態様では、上記方法は、上記個体から臨床試料を得ること、上記試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在を検出することであって、上記試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在が上記個体における結腸直腸癌の存在または段階を示している、検出することとを含む。
一実施形態では、検出工程は、上記臨床試料を、Reg1αまたはTIMP1に結合することが可能であるリガンドと、上記リガンドがReg1αまたはTIMP1に結合すること可能な条件下で接触させること、上記リガンドのReg1αまたはTIMP1への結合を検出することであって、結合の検出が上記試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在を示している、検出することとを含む。ポリペプチドリガンドは、例えば、Reg1αまたはTIMP1を特異的に結合する抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたは他の分子を包含し得る。現在好ましい実施形態では、臨床試料は血清を包含する。
本発明はさらに、個体における結腸直腸癌の存在を検出、モニタリングまたは確定する方法であって、上記個体から臨床試料を得ること、上記試料におけるReg1αまたはTIMP1および少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーの存在を検出することであって、Reg1αまたはTIMP1および上記少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーの存在が上記個体における結腸癌を示している検出することとを含む方法を提供する。結腸直腸癌関連マーカーは、例えば、1つまたは複数の配列番号1、3もしくは5〜71の核酸配列、または配列番号2、4もしくは72〜138のアミノ酸配列、あるいは実質的に同じ結合特異性を有するそれらの誘導体または相同体を包含し得る。
好ましい実施形態では、上記検出工程は、上記血清試料を、Reg1αまたはTIMP1に結合することが可能である第1のリガンドおよび上記結腸直腸癌関連マーカーに結合することが可能である第2のリガンドと、上記第1および第2のリガンドがそれぞれReg1αまたはTIMP1および上記結腸直腸癌関連マーカーに結合することが可能な条件下で接触させること、各々;上記第1のリガンドのReg1αまたはTIMP1への結合および上記第2のリガンドの上記結腸直腸癌関連マーカーへの結合を検出することであって、結合の検出が上記試料におけるReg1αまたはTIMP1および上記結腸直腸癌関連マーカーの存在を示している、検出することとを含む。ポリペプチドリガンドは、例えば、Reg1αまたはTIMP1を特異的に結合する抗体、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたは他の分子を包含し得る。
本発明はまた、個体における結腸直腸癌の存在を検出、モニタリングまたは確定する方法であって、上記個体から臨床試料を得ること、上記試料におけるReg1αまたはTIMP1をコードする核酸分子の存在を検出することであって、上記試料における上記核酸分子の存在が上記個体における結腸直腸癌を示している、検出することとを含む方法も提供する。
本発明はさらに、個体における結腸直腸癌の存在を検出、モニタリングまたは確定する方法であって、上記個体から臨床試料を得ること、上記試料におけるReg1αまたはTIMP1をコードする核酸分子および少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーをコードする少なくとも1つの他の核酸分子の存在を検出することであって、Reg1αまたはTIMP1をコードする上記核酸配列および上記少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーをコードする上記核酸配列の存在が上記個体における結腸癌を示している、検出することとを含む方法を提供する。好ましい実施形態では、結腸直腸癌関連マーカーは、例えば、1つまたは複数の配列番号1、3もしくは5〜71の核酸配列、または配列番号2、4もしくは72〜138のアミノ酸配列、あるいは実質的に同じ結合特異性を有するそれらの誘導体または相同体を包含する。
[詳細な説明]
本発明は、ヒト島再生タンパク質であるReg1αの発現が結腸直腸癌を伴う患者で増加され、したがってヒトにおける結腸直腸癌の同定用の貴重なマーカーであるという発見に幾分基づいている。本発明はさらに、個体からの臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1(および任意に、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカー)の存在を検出することにより結腸直腸癌の初期検出を提供する。本発明はさらに、患者からの臨床試料中の存在するReg1αまたはTIMP1ポリペプチドあるいはポリヌクレオチド配列のレベルをモニタリングすることにより、結腸直腸癌がすでに検出されている患者における結腸直腸癌の再発をモニタリングする能力を提供し、ここでは試料におけるReg1αまたはTIMP1の増加が結腸直腸癌の再発を示している。本発明はさらに、治療薬に応答した結腸直腸癌の減少をモニタリングする能力を提供し、それによりReg1αまたはTIMP1のレベルが結腸直腸癌のための治療的処置を施された患者から得られる臨床試料で測定され、ここでは患者からの臨床試料で検出されるReg1αまたはTIMP1のレベルの減少が治療薬の有効性を示している。上述の実施形態のいずれかでは、Reg1αまたはTIMP1ポリヌクレオチドあるいはポリペプチド発現レベルが、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーと合わせて測定される。
したがって、本発明は、結腸組織のような正常組織における発現レベルに比較して、癌において過剰または過少発現される遺伝子あるいは遺伝子産物に関してスクリーニングすることにより、個体における癌、特に結腸直腸癌を特定する新規の方法に幾分関する。あるいは、本発明は、結腸直腸癌で過剰または過少発現され、かつ結腸直腸癌を伴う個体の臨床試料で検出可能である遺伝子あるいは遺伝子産物に関してスクリーニングすることにより、個体における癌を同定する方法を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、Reg1αまたはTIMP1の血清レベルを検出することによる、個体、好ましくはヒトの患者における結腸直腸癌の検出に有用な方法に関する。本発明は、個体の血清中あるいは個体からの臨床試料中におけるReg1αまたはTIMP1遺伝子の存在を検出するか、あるいはReg1αまたはTIMP1コードポリペプチド産物の存在を検出する技法の一方または両方を利用する結腸直腸癌検出の方法に関する。
本発明はさらに結腸直腸癌の同定方法を提供し、ここで癌は、少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーの同じ試料における発現と併用して、患者の臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1発現の同定により検出される。さらなる結腸癌マーカーの検出と合わせたReg1αまたはTIMP1検出分析の組合せは、結腸直腸癌の存在を検出する有効かつ信頼性高い方法を提供する。
Reg1αの検出に具体に言及する本明細書中に記載する方法は、本明細書の開示に基づいて当業者によりTIMP1の検出にも同様に適用され得る。
定義
本明細書中で使用する場合、「Reg1α」は、配列番号2または4のいずれかの配列を有するポリペプチド分子を指す。Reg1αは本明細書中で使用する場合、配列番号1または3のいずれかの配列によりコードされるポリペプチドも指す。配列番号2および4の配列はそれぞれ、機能的Reg1αタンパク質を表すが、タンパク質合成中に切断されるリーダー配列中の4つのアミノ酸が互いに異なる。
本明細書中で使用する場合、「TIMP1」は、配列番号100の配列を有するポリペプチド分子を指す。TIMP1は本明細書中で使用する場合、配列番号33の配列によりコードされるヌクレオチド、またはそれらの機能的相同体も指す。
本明細書中で使用する場合、「臨床試料」は、個体から得られる組織、細胞または液体試料を指す。「臨床試料」は本明細書中で使用する場合、細胞、循環細胞(例えば、血液中の循環細胞)、特定の解剖部位から得られる細胞、または特定の細胞型(例えば、結腸細胞、胃腸細胞、癌細胞等)、組織試料、あるいはリンパ、胆汁、血清、血漿、尿、滑液、血液、CSF、粘膜(mucus membrane)分泌物のような生理学的液体または糞便のような他の生理学的試料を指すことができる。好ましくは、臨床試料は血清または血漿である。TIMP1のような本発明の結腸直腸癌関連マーカーは、特定の結腸直腸癌関連マーカーの検出に関して特定の型の臨床試料が適していることが当業者により容易に確定され得る適切な「臨床試料」で検出され得る。
本明細書中で使用する場合、「検出すること」は、試料における分子の存在または非存在の同定を指す。検出されるべき分子がポリペプチドである場合、検出工程は、検出可能に標識された抗体を用いてポリペプチドを結合することにより実施され得る。検出可能な標識は、独立してあるいは刺激に応答して、観察可能なシグナルを発生することが可能である分子である。検出可能な標識は、蛍光標識、色素標識(chromogenic label)、発光標識、または放射性標識であり得るが、これらに限定されない。標識を「検出する」方法としては、標準的または共焦点顕微鏡法(confocal microscopy)に適応させた定量的および定性的方法、FACS分析、ならびにマルチウェルプレート、アレイまたはマイクロアレイを包含する高速大量処理方法(high throughput methods)に適応させた方法が挙げられる。当業者は、既定の蛍光ポリペプチドまたは色素からの蛍光放出の検出用の適切なフィルターセットおよび励起エネルギー源を選択することができる。「検出すること」は本明細書中で使用する場合、検出されるべきポリペプチドに対する多重抗体の使用も包含することができ、ここで多重抗体は、検出されるべきポリペプチド上の異なるエピトープに結合する。この様式で使用される抗体は、2つ以上の検出可能な標識を使用することができ、例えばFRET対を包含することができる。Reg1αのようなポリペプチド分子は、検出可能なシグナルレベルが検出可能な標識のバックグラウンドレベルよりもとにかく大きい場合、あるいは測定される核酸レベルが対照試料で測定されるレベルよりもとにかく大きい場合に、本発明により「検出される」。
本明細書中で使用する場合、「検出すること」は、それが標的核酸分子(例えば、Reg1αをコードする核酸分子または他の結腸直腸癌特異的配列)の存在を検出することを指す場合、直接的または間接的に標識されたプローブ核酸分子(標的、例えば血清試料におけるReg1αをコードする配列にハイブリダイズすることが可能)により発生されるシグナルが測定または観察されるプロセスを指す。したがって、プローブ核酸の検出は、Reg1αをコードする配列のような標的核酸の存在を直接示し、したがって検出を示している。例えば、検出可能な標識が蛍光標識である場合、標的核酸(例えば、Reg1αをコードする核酸分子)は、プローブ核酸分子が適切な波長で励起される場合にプローブ核酸分子上の蛍光標識により放出される光を観察または測定することにより「検出され」、あるいは検出可能な標識が蛍光/励起エネルギー吸収剤対である場合、標的核酸は、プローブ核酸上に存在する蛍光/励起エネルギー吸収剤対の会合または解離時に放出される光を観察または測定することにより「検出され」、ここでプローブ核酸の検出は、標的核酸の検出を示す。検出可能な標識が放射性標識である場合、標的核酸は、放射性標識したプローブとのハイブリダイゼーション後に、例えばオートラジオグラフィにより「検出される」。蛍光、放射性および他の化学標識を「検出する」方法および技法は、Ausubel等(1995, Short Protocols in Molecular Biology, 3rdEd. John Wiley and Sons, Inc.)に見出され得る。あるいは、核酸は「間接的に検出され」てもよく、ここで適切な基質の存在の検出を可能にする酵素活性、あるいは抗体または他の特定の指標の添加により検出を可能にする特定の抗原または他のマーカーのような部分が、標的とハイブリダイズするプローブ核酸に結合される。あるいは、標的核酸分子は、標的核酸配列の一部とハイブリダイズするように特異的に設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、患者の臨床試料から調製される核酸試料を増幅することにより検出され得る。TaqManのような(しかし、これに限定されない)定量的増幅方法もまた、本発明による標的核酸を「検出する」のに使用され得る。核酸分子は、測定される(例えば定量的PCRにより)核酸レベル、または検出可能な標識により供給される検出可能なシグナルレベルがバックグラウンドレベルをとにかく上回る場合に、本明細書で使用されるように「検出される」。
本明細書中で使用する場合、「検出すること」はさらに、患者における結腸直腸癌の初期検出を指し、ここで「初期」検出は、デュークス段階Aにあるか、好ましくは結腸直腸癌が形態学的に特定のデュークス段階に分類され得る時点以前の結腸直腸癌の検出を指す。「検出すること」は本明細書中で使用する場合さらに、上述のような同じ検出基準を用いて、個体における結腸直腸癌の再発の検出を指す。「検出すること」は本明細書中で使用する場合さらに、治療薬により治療前および/または後の結腸直腸癌の度合いの変化を測定することを指す。この場合、治療薬に応答した結腸直腸癌の度合いの変化は、治療薬の非存在下での発現レベルに対して、治療薬の存在に応答して少なくとも10%の臨床試料に存在するReg1α(および任意に、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカー)の発現、あるいはReg1αポリペプチド(および任意に、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカー)の量の増加あるいは減少を指す。
本明細書中で使用する場合、「個体」は哺乳類、好ましくはヒトを指す。
本明細書中で使用する場合、「リガンド」は、ポリペプチドを結合することが可能である分子を指す。本発明で有用な「ポリペプチドリガンド」としては、抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fv、scFV、またはFab)、小分子、または核酸アプタマーが挙げられるが、これらに限定されない。「リガンド」は本明細書中で使用する場合、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、mRNA、またはcDNAのような「核酸リガンド」も指すことができ、これは、相補核酸分子、またはポリペプチド分子に結合することが可能である。
「抗体」という用語は本明細書中で使用する場合、例えば任意のアイソタイプ(IgG、IgA、IgM、IgE等)の抗体全体を包含するものと意図され、また同様に脊椎動物、例えば哺乳類タンパク質と特異的に反応性を有するそれらの断片および一本鎖抗体を包含する。抗体は従来の技法を用いて断片化させることができ、断片は、抗体全体に関して上述するのと同じ様式で有用性に関してスクリーニングすることができる。したがって、この用語は、ある特定のタンパク質と選択的に反応することが可能である抗体分子のタンパク質分解的に切断された部分または組換え的に調製された部分のセグメントを包含する。かかるタンパク質分解的断片および/または組換え断片の非限定的な例としては、Fab、F(ab’)2、Fab’、Fv、ならびにペプチドリンカーにより連結されたV[L]および/またはV[H]ドメインを含有する一本鎖抗体(scFv)が挙げられる。scFvは、2つ以上の結合部位を有する抗体を形成するように共有結合的または非共有結合的に連結され得る。本発明は、ポリクローナル、モノクローナルまたは抗体および組換え抗体の他の精製調製物を包含する。
本明細書中で使用する場合、「結腸直腸癌関連マーカー」は、結腸直腸癌を有さない個体から得られる細胞、組織または血清中の発現レベルに対して、結腸直腸癌を有する個体から得られる結腸直腸癌細胞、組織または血清中で少なくとも10%の過剰または過少発現を示すポリペプチドあるいは核酸配列を指す。本発明で有用な結腸直腸癌関連マーカーの非限定的な例としては、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、および/または配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子が挙げられる。一実施形態では、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド配列は、それぞれ1、3、5〜71の核酸配列によりコードされる。本発明で有用な「結腸直腸癌特異的マーカー」は、上述のように結腸直腸癌で過剰または過少発現を示すが、他の非結腸直腸型の癌でも過剰または過少発現され得るポリペプチドまたは核酸配列であり得る。あるいは、「結腸直腸癌関連マーカー」は本明細書中で使用する場合、ポリペプチドもしくは核酸分子上に存在する糖鎖エピトープおよび/またはかかるエピトープを認識して、それに結合することが可能な抗体分子を指してもよい。糖鎖エピトープは、個体における結腸直腸癌の存在に関連することが知られている。かかる糖鎖エピトープは、2つ以上の未関連タンパク質またはポリペプチド上に存在し得る。一実施形態では、かかる糖鎖エピトープは、シアリルルイスaとしても知られるCA19−9であり、様々な糖タンパク質または糖脂質に共有結合される分岐状5糖構造から構成される血液型群抗原に関連した糖鎖エピトープとしてモノクローナル抗体により規定される腫瘍マーカーである。タンパク質は主としてムチンファミリーに属し、脂質は通常膜に関連している。CA19−9エピトープは典型的にいずれかの巨大分上の複雑なO連結糖鎖構造の末端部分である。「結腸直腸癌関連マーカー」として本発明で有用な各種糖鎖エピトープとして同様に定義される他の腫瘍マーカーとしては、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDu−PAN’s1−5が挙げられる。
「相互作用する」という用語は明細書で使用する場合、本質的にタンパク質−タンパク質間、タンパク質−核酸間、核酸−核酸間、およびタンパク質−小分子間または核酸−小分子間のような分子間の検出可能な相互作用(例えば、生化学的相互作用)を包含することを意味する。
本明細書中で使用する場合、「核酸」という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、および適切な場合にはリボ核酸(RNA)のようなポリヌクレオチドを指す。この用語はまた、等価物として、ヌクレオチド類縁体から作製されるRNAまたはDNAいずれかの類縁体、および記載される実施形態に適用可能である場合、一本鎖(センスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドを包含することが理解されるべきである。EST、染色体、cDNA、mRNA、およびrRNAは、核酸として言及され得る分子の代表例である。
「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」という用語は、遺伝子産物を指す場合に本明細書中で相互に使用される。本明細書中で使用する場合、「ポリペプチド」は、ペプチド、ヒトタンパク質、ヒトタンパク質の断片、非ヒト供給源由来のタンパク質もしくはタンパク質断片、操作型タンパク質もしくはタンパク質断片、酵素、抗原、薬剤、細胞シグナル伝達に関与した分子(例えば、受容体分子)、抗体(免疫グロブリンスーパーファミリーのポリペプチドを含む、例えば抗体ポリペプチドまたはT細胞受容体ポリペプチド)のような任意の種類のポリペプチドを指す。
本明細書中で使用する場合、「発現レベル」という用語は、既定の核酸の測定可能な発現レベルを指す。核酸の発現レベルは、当該技術分野で既知の方法により確定される。「発現レベル」は、当該技術分野で既知の方法に従って標識標的核酸を用いたハイブリダイゼーション分析により測定されてもよい(例えば、Ausubel et al., Short Protocols in Molecular Biology, 3rdEd. 1995, John Wiley and Sons, Inc.を参照)。標的核酸上の標識は、発光標識、酵素標識、放射性標識、化学標識または物理標識である。好ましくは、標的核酸は蛍光分子で標識される。好ましい蛍光標識としては、フルオレセイン、アミノクマリン酢酸、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、Texas Red、Cy3およびCy5が挙げられる。あるいは、「発現レベル」は、当業者に既知のTaqManのような定量的増幅プロトコルにより測定され得る。
「ベクター」という用語は、核酸分子が連結された別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を指す。好ましいベクターのタイプの1つはエピソーム、すなわち染色体外複製が可能な核酸である。好ましいベクターは、ベクターが連結される核酸の自己複製および/または発現が可能なベクターである。ベクターが操作的に連結される遺伝子の発現を誘導することが可能であるベクターは、「発現ベクター」として本明細書中では称される。概して、組換えDNA技法において有用な発現ベクターは、一般に環状二本鎖DNAループを指す「プラスミド」の形態である場合が多く、このベクター形態では染色体に結合されない。本明細書中では、プラスミドがベクターの最も一般的に使用される形態であるため、「プラスミド」および「ベクター」は相互に使用される。しかしながら、本発明は、等価な機能を供し、かつ後の当該技術分野で既知になる発現ベクターのかかる他の形態を包含すると意図される。
Reg1αおよびTIMP1核酸
上述のように、本発明は、個体からの臨床試料、好ましくは血清または血漿試料におけるReg1αまたはTIMP1ポリペプチドの検出に関し、したがって結腸直腸癌の検出を可能にする。しかしながら、本発明は同様に、結腸直腸癌用のマーカーとしてReg1αまたはTIMP1をコードする核酸配列の同定に関する。
Reg1αの核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1または3、および配列番号2または4に示される。TIMP1の核酸配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号33および100に示される。本発明は結腸直腸癌を検出する方法におけるReg1αまたはTIMP1の配列のいずれかの直接的検出に関する一方で、本発明はさらに、それに相補的な配列、あるいは配列番号1、3または33の配列に特異的にハイブリダイズする配列の検出に関する。本発明はまた、臨床試料における、配列番号2、4または100の配列をコードする核酸分子、あるいはそれらの断片の存在を検出することによる結腸直腸癌の検出に関する。
本発明の別の態様は、1つまたは複数の配列番号1、3または33により表される核酸配列、あるいはそれらに相補的な配列に低、中または高緊縮条件下でハイブリダイズする核酸の検出による結腸直腸癌の検出を提供する。DNAハイブリダイゼーションを促進する適切な緊縮性条件、例えば約45℃での6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)で結合後、50℃での2.0×SSCの洗浄が当業者に既知であり、あるいはMolecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-12.3.6に見出すことができる。例えば、洗浄工程における塩濃度は、50℃での約2.0×SSCの低緊縮性から50℃での約0.2×SSの高緊縮性までから選択され得る。さらに、洗浄工程の温度は、室温、すなわち約22℃での低緊縮性条件から約65℃での高緊縮性条件にまで増加させることができる。温度および塩の両方を変化させてもよく、あるいは温度または塩濃度は、他方変数を変更しながら一定に保ってもよい。好ましい実施形態では、Reg1αまたはTIMP1をコードする核酸は、中緊縮条件下で、例えば約2.0×SSCおよび約40℃で配列番号1、3もしくは33、またはそれらに相補的な配列、あるいはそれらの断片に結合する。特に好ましい実施形態では、患者の臨床試料中に存在するReg1αまたはTIMP1核酸配列は、高緊縮性条件下でそれぞれ配列番号1、3もしくは33、またはそれらに相補的な配列、あるいはそれらの断片に結合する。
一実施形態では、本発明は、室温での6×SSC、続く室温での2×SSCでの洗浄の低緊縮性条件下でハイブリダイズする核酸を提供する。
別の実施形態では、本発明は、約65℃での2×SSC、続く約65℃での0.2×SSCでの洗浄の高緊縮性条件下でハイブリダイズする核酸を提供する。
遺伝コードの縮重性に起因して配列番号1または3、あるいはそれらに相補的な配列で示されるヌクレオチド配列と異なる配列を有するReg1α核酸の検出もまた本発明の範囲内である。かかる核酸は機能的に等価なペプチド(すなわち、等価または類似の生物活性を有するペプチド)をコードするが、遺伝コードの縮重性に起因して配列表に示す配列とは配列が異なる。例えば、多数のアミノ酸が2つ以上のトリプレットにより指定される。同じアミノ酸または同義を指定するコドン(例えば、CAUおよびCACはそれぞれヒスチジンをコードする)は、ポリペプチドのアミノ酸配列に影響を及ぼさない「サイレント」突然変異をもたらし得る。しかしながら、対象ポリペプチドのアミノ酸配列の変化を引き起こすDNA配列多型は哺乳類間に存在すると予測される。ポリペプチドの活性を有するポリペプチドをコードする核酸の1つまたは複数のヌクレオチド(例えば、最大約3〜5%のヌクレオチド)のこれらの変動は天然対立遺伝子変動に起因して既定の種の個体間に存在し得ることが当業者には理解されよう。
本発明はまた、緊縮条件(65℃での少なくとも4×SSC、または42℃での少なくとも約4×SSC、例えば米国特許第5,707,829号(これは参照により本明細書に援用される))下で、配列番号1または3の少なくとも15個の連続ヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドをその範囲内に包含する。これにより、配列番号1または3の少なくとも15個の連続ヌクレオチドがプローブとして使用される場合、プローブは相補配列を含む遺伝子またはmRNA(生物学的物質の)と優先的にハイブリダイズし、選択したプローブに一意的にハイブリダイズする生物学的物質の核酸(すなわち、Reg1α)の特定および回収が可能となることが意図される。15個を上回るヌクレオチドのプローブを使用することができるが、15個のヌクレオチドが、特有の特定に十分な配列を表す。
配列番号1または3の配列、それらの一部、あるいはそれらに相補的な配列を有し、かつ例えばプローブの生成に有用なポリヌクレオチドの構築物は合成的に産生され得るか、あるいは当業者に既知の方法を用いて天然供給源(例えば、ヒト細胞)から得られ得る(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed. (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 1989)を参照)。
配列ホモロジーの算出
一実施形態では、本発明は、Reg1αまたはTIMP1配列の一部に相補的であるか、または高緊縮性条件下でのReg1αまたはTIMP1配列へのプローブおよび/またはプライマーのハイブリダイゼーションを可能にするのにReg1αまたはTIMP1配列の一部に十分に相同的であるプローブおよび/またはプライマーを用いてReg1αまたはTIMP1あるいはそれらに相同的な配列の存在を検出することによる個体における結腸直腸癌の検出に関する。本発明の配列は、Reg1αまたはTIMP1に対して少なくとも50%相同であり、好ましくはReg1αまたはTIMP1と(あるいは任意に、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする配列に対して)60%、70%、80%、90%相同性〜完全配列同一性である。
本明細書中に提示する配列のいずれかに関する配列同一性は、任意の1つまたは複数の配列と別の配列との単純な「目による」比較(すなわち、綿密な比較)により確定することができ、他の配列が例えば配列(複数可)に対して少なくとも80%配列同一性を有するかどうかを確認することができる。
相対的配列同一性はまた、例えばデフォルトパラメータを用いて同一性を決定するための任意の適切なアルゴリズムを用いた2つ以上の配列間の%同一性を算出することができる市販のコンピュータプログラムにより確定することができる。かかるコンピュータプログラムの典型的な例はCLUSTALである。2つの配列間の同一性および類似性を確定する他のコンピュータプログラム方法としては、GCGプログラムオパッケージ(Devereux et al 1984 Nucleic Acids Research 12:387)およびFASTA(Atschul et al 1990 J Molec Biol 403-410)が挙げられるが、これらに限定されない。
%相同性は連続配列にわたって算出され得て、すなわち一方の配列を他方の配列と整列させて、一方の配列中の各アミノ酸を、1度に1残基ずつ他方の配列中の相当するアミノ酸と直接比較する。これは、「アンギャップド」アラインメントと呼ばれる。典型的に、かかるアンギャップドアラインメントは比較的短い残基数にわたってのみ実施される。
これは非常に簡単でかつ一貫した方法であるが、例えば別の同一配列対では、1つの挿入または欠失が続くアミノ酸残基がアラインメントから押し出され、したがって全体的なアラインメントが実施される場合に%相同性の大きな減少を潜在的にもたらすことが考慮されていない。したがって、たいていの配列比較方法は、全般的なホモロジースコアを過度に不利にすることなく考え得る挿入および欠失を考慮する最適なアラインメントを生じるように設計される。これは配列アラインメントにおいて「ギャップ」を挿入して、局所ホモロジーを最大限しようと試みることにより達成される。
しかしながら、これらのより複雑な方法は、アラインメントで発生する各ギャップに対して「ギャップペナルティ」を割り当てて、その結果同数の同一アミノ酸に関して、できるだけ少ないギャップを伴う配列アラインメント(これは2つの比較配列間のより高い関連性を反映する)が多くのギャップを伴って2つ以上のより高いスコアを達成する。ギャップの存在に関する比較的高いコストおよびギャップにおける各続く残基に関するより小さなペナルティを負荷する「アフィンギャップコスト」が典型的に使用される。これは最も一般的に使用されるギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティは、当然のことながらより少ないギャップを伴う最適化アラインメントを生じるであろう。ほとんどのアラインメントプログラムは、ギャップペナルティを変更させることが可能である。しかしながら、配列比較のためにかかるソフトウェアを使用する場合、デフォルト値を使用することが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージを使用する場合、アミノ酸配列に関するデフォルトギャップペナルティは、ギャップに関して−12、各伸長に関して−4である。
したがって、第一に最大%相同性の算出は、ギャップペナルティを考慮して、最適なアラインメントを生じることを必要とする。かかるアラインメントを実行するのに最適なコンピュータプログラムは、GCG Wisconcin Bestfitパッケージ(University of Wisconsin, U.S.A; Devereux et al., 1984, Nucleic Acids Research 12:387)である。配列比較を実施することができる他のソフトウェアの例としては、BLASTパッケージ(Ausubel et al., 1995, Short Protocols in Molecular Biology, 3rd Edition, John Wiley & Sons)、FASTA(Atschul et al., 1990, J. Mol. Biol., 403-410)、および比較ツールのGENEWORKS一式が挙げられるが、これらに限定されない。BLASTおよびFASTAの両方がオフラインおよびオンライン検索で利用可能である(上述のAusubel et al., 1999、7−58頁〜7−60頁)。
最終%相同性は同一性に関して測定され得るが、アラインメントプロセス自体は通常、あるかなしかの対比較に基づいてはいない。その代わりに、化学的類似性または進化距離に基づいた各対の比較にスコアを割り当てるスケールド類似性スコア行列が一般に使用される。一般に使用されるかかる行列の例は、BLASTプログラム一式用のデフォルト行列であるBLOSUM62行列である。GCG Wisconsinプログラムは概して、公的デフォルト値または供給されればカスタムシンボル比較表のいずれかを使用する。GCGパッケージに関しては公的デフォルト値を、あるいは他のソフトウェアの場合ではBLOSUM62のようなデフォルト行列を使用することが好ましい。
好適には、デフォルト値に設定されたパラメータを用いて、BLASTアルゴリズムが使用される。BLASTアルゴリズムは、ncbi.nih.gov/BLAST/blast_help.htmlにあるワールドウェブサイト(これは参照により本明細書に援用される)上で詳述されている。検索パラメータは以下のように規定され、好適には規定されたデフォルトパラメータに設定され得る。
好適には、BLASTにより評価される場合の「実質的な同一性」は、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9、最も好ましくは少なくとも約10以上のEXPECT値とマッチする配列に相等しい。BLAST検索におけるEXPECTに関するデフォルト閾値は通常10である。
BLAST(ベーシックローカルアラインメント検索ツール)は、プログラムであるblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxで使用されるヒューリスティック検索アルゴリズムであり、これらのプログラムは、幾つか強化を伴ったKarlinおよびAltschulの統計学的方法(Karlin and Altschul 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68、Karlin and Altschul, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-7、http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast_help.htmlを参照)を用いて有意性がそれらの見解に帰すとする。BLASTプログラムは、例えばクエリー配列に対する相同体を特定するために、配列類似性検索用に適応される。配列データベースの類似性検索における基本的事項の考察に関しては、Altschul et al (1994) Nature Genetics 6:119-129を参照されたい。
ncbi.nlm.nih.govにあるワールドワイドウェブ上で利用可能な5つのBLASTプログラムは以下の作業を実施する:blastpは、アミノ酸クエリー配列をタンパク質配列データベースに対して比較し、blastnは、ヌクレオチドクエリー配列をヌクレオチド配列データベースに対して比較し、blastxは、ヌクレオチドクエリー配列(両ストランド)の6フレームの概念的翻訳産物をタンパク質データベースに対して比較し、tblastnは、タンパク質クエリー配列を、6つのリーディングフレームすべてで劇的に翻訳されるヌクレオチド配列データベース(両ストランド)に対して比較し、tblastxは、ヌクレオチドクエリー配列の6フレーム翻訳物をヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物に対して比較する。
BLASTは以下の検索パラメータを使用する:
HISTOGRAM−各検索に関するスコアのヒストグラムを表示する。デフォルトはイエスである(BLASTマニュアルにおけるパラメータHを参照)。
DESCRIPTIONS−指定数に対して報告されるマッチング配列の短い描写数を制限する。デフォルト限界は100描写である(マニュアル頁におけるパラメータVを参照)。
EXPECT−データベースは配列に対するマッチを報告するための統計学的有意性閾値。デフォルト値は10であり、その結果、Karlin and Altshul(1990)の確率的モデルに従って、10個のマッチが単に思いがけなく見出されると予測される。マッチに帰すとされる統計学的有意性がEXPECT閾値を上回る場合、マッチは報告されない。より低いEXPECT閾値がより厳格であり、より数少ない機会へと導くことでマッチが報告される。分数値が許容可能である(BLASTマニュアルにおけるパラメータEを参照)。
CUTOFF−高スコアリングセグメント対を報告するためのカットオフスコア。デフォルト値はEXPECT値(上述を参照)から算出される。HSPは、それらに帰すとされる統計学的有意性がCUTOFF値に等しいスコアを有する単独のHSPに帰すであろうものと少なくとも同程度に高い場合にのみデータベース配列に関して報告される。より高いCUTOFF値がより厳格であり、より数少ない機会へと導くことでマッチが報告される(BLASTマニュアルにおけるパラメータSを参照)。典型的に、有意性閾値はEXPECTを用いてより直観的に管理され得る。
ALIGNMENTS−高スコアリングセグメント対(HSP)が報告される指定数にデータベース配列を制限する。デフォルト限界は50である。図らずもこれよりも多いデータ配列対が報告に関する統計学的有意性閾値を満たす(以下のEXPECTおよびCUTOFFを参照)場合、最大統計学的有意性が帰すマッチが報告される(BLASTマニュアルにおけるパラメータBを参照)。
MATRIX−BLASTP、BLASTX、TBLASTN、およびTBLASTXに関する交互スコアリング行列を指定する。デフォルトマトリクスはBLOSUM62である。正当な代替的選択としては、PAM40、PAM120、PAM250、およびIDENTITYが挙げられる。非交互スコアリング行列がBLASTNに関して利用可能であり、BLASTN要求において指示的なMATRIXを指定することによりエラー応答が戻される。
STRAND−データベース配列まさにのトップストランドまたはボトムストランドにTBLASTN検索を制限するか、あるいはクエリー配列のトップストランドまたはボトムストランド上のまさにリーディングフレームにBLASTN、BLASTXまたはTBLASTX検索に制限する。
FILTER−Wootton & Federhen (1993) Computers and Chemistry 17:149-163のSEGプログラムにより確定される場合に低組成複雑性を有するクエリー配列のセグメント、あるいはClaverie & States (1993) Computers and Chemistry 17:191-201のXNUプログラムにより、またはBLASTNに関してはTatusov and LipmanのDUSTプログラム(http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照)により確定される場合に短周期性内部反復から構成されるセグメントを遮断する。フィルタリングは統計学的に有意であるが、生物学的に興味がもたれないblast出力からの報告(例えば、共通の酸性、塩基性またはプロリンリッチな領域に対するヒット)を排除することができ、クエリー配列のより生物学的に興味がもたれる領域をデータベース配列に対する特定のマッチングに利用可能な状態にする。
フィルタープログラムにより見出される低複雑性配列は、ヌクレオチド配列では「N」という文字(例えば、「NNNNNNNNNNNNN」)、またタンパク質配列では「X」という文字(例えば、「XXXXXXXXX」)を用いて置換される。
フィルタリングは、データベース配列に対してではなく、クエリー配列(またはその翻訳産物)のみに適用される。デフォルトフィルタリングは、BLASTNに関してはDUSTであり、他のプログラムに関してはSEGである。
SWISS−PROTにおける配列に適用される場合、何もかもがSEG、XNUまたはその両方により遮断されないことが例外的ではなく、したがってフィルタリングは必ずしも効果をもたらすことが期待されるべきではない。さらに、場合によっては、配列はその完全性が遮断され、フィルタリングされないクエリー配列に対して報告される任意のマッチの統計学的有意性が疑わしくなるはずであることを示す。
NCBI−gi−は、アクセッションおよび/またはローカス名に加えて、NCBI gi識別子を出力で示させる。
最も好ましくは、配列比較は、ncbi.nlm.nih.gov/BLASTにあるワールドウェブサイト上に提供される簡単なBLAST検索アルゴリズムを用いて実施される。本発明の幾つかの実施形態では、配列同一性を確定する場合にギャップペナルティが使用されない。
Regα1またはTIMP1のヌクレオチド配列は、血清、結腸細胞または組織のような患者試料におけるReg1αまたはTIMP1核酸配列を特定するために設計されるプローブおよびプライマーの生成のために本発明で有用である。プローブ/プライマーとして有用なヌクレオチド配列として、配列番号1、3もしくは33のすべてまたは一部、あるいはそれらに相補的な配列、あるいは配列番号1、3または33のすべてまたは一部に緊縮条件下でハイブリダイズする配列が挙げられる。例えば、本発明はまた、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマーを提供し、このオリゴヌクレオチドは、配列番号1、3もしくは33、またはそれらに相補的な配列、あるいはそれらの天然に存在する突然変異体の少なくともおよそ8個、好ましくは約12個、好ましくは約15個、好ましくは約25個、より好ましくは約40個の連続ヌクレオチド〜最大完全長のセンスまたはアンチセンス配列に緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。例えば、配列番号1、3もしくは33、またはそれらに相補的な配列で表される核酸に基づくプライマーは、患者の臨床試料から得られるmRNA試料内に含まれる鋳型核酸(例えば、Reg1α)を増幅するための反応で使用され得る。
プローブはReg1αまたはTIMP1を検出するのに有用なReg1αまたはTIMP1をコードする核酸配列に基づいているだけでなく、それらは患者における野生型Reg1αまたはTIMP1における突然変異を検出する方法を提供することもできる。野生型Reg1αまたはTIMP1に相補的であり、かつ突然変異遺伝子とミスマッチを形成することができる核酸プローブが提供され、酵素的または化学的切断により、あるいは電気泳動移動度におけるシフトにより検出が可能である。同様に、対象配列に基づいたプローブは、例えば予後または診断アッセイで使用するための、同じかまたは同種のタンパク質をコードする転写物あるいはゲノム配列を検出するために使用され得る。好ましい実施形態では、核酸プローブはさらに、そこに結合され、かつ検出可能な標識群を含み、例えば標識群は、放射性同位体、蛍光化合物、化学発光化合物、色素原性化合物、酵素および酵素補因子から選択される。
プローブ、プライマーの生成、あるいはReg1αもしくはTIMP1タンパク質自体またはそれらに対する抗体を産生するための転写に有用な開示された核酸を含む完全長cDNA分子は、以下のように得られ得る。配列番号1、3もしくは33、あるいはそれらに相補的な配列の少なくともおよそ8個、好ましくは約12個、好ましくは約15個、好ましくは約25個、より好ましくは約40個のヌクレオチド〜完全長の配列を含むReg1αまたはTIMP1の核酸配列あるいはそれらの一部は、プローブ設計方法、クローニング方法、および米国特許第5,654,173号の「分泌タンパク質およびそれらをコードするポリヌクレオチド(Secreted Proteins and Polynucleotides Encoding Them)」(参照により本明細書に援用される)を用いてcDNAライブラリーのハイブリダイズする成員を検出するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。cDNAライブラリーは、正常または腫瘍組織のような選択組織から、あるいは例えば薬剤で治療した哺乳類の組織から作製され得る。好ましくは、組織は、核酸およびcDNAがともに発現遺伝子を表すため、核酸を生成するのに使用されるのと同じである。あるいは、多くのcDNAライブラリーが市販されている(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed. (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 1989))。ライブラリー構築に関する細胞型の選択は、核酸関連遺伝子によりコードされるタンパク質の独自性が既知となった後になされ得る。これにより、どの組織および細胞型が関連遺伝子を発現する可能性が高く、それによりcDNAを生成するためのmRNAを含有するかを示される。
核酸より大きなライブラリーの成員、好ましくは天然のメッセージの全配列を含有するライブラリーの成員が得られ得る。完全cDNAが得られたことを確認するために、RNA保護実験が以下のように実施され得る。完全cDNAのmRNAへのハイブリダイゼーションは、RNアーゼ分解からRNAを保護し得る。cDNAが完全長でない場合、ハイブリダイズされないmRNA部分がRNアーゼ分解され得る。これは、ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動移動度の変化により、あるいは放出されるモノリボヌクレオチドの検出により、当該技術分野で既知であるようにアッセイされ得る(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed. (Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY 1989)。部分的cDNAの末端に対してさらなる配列5’を得るために、5’RACE(PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Academic Press, Inc. 1990))を実施してもよい。
ゲノムDNA(例えば、Reg1αゲノムDNA)は、完全長cDNAの単離に類似した様式で核酸を用いて単離され得る。簡潔に述べると、核酸またはその一部はゲノムDNAのライブラリーに対するプローブとして使用されてもよい。好ましくは、ライブラリーは、核酸を生成するのに使用された細胞型から得られる。最も好ましくは、ゲノムDNAは、実施例において本明細書中に記載する生物学的物質から得られる。かかるライブラリーは、Sambrook et al., pages 9.4-9.30で詳述されるように、P1またはYACのようなゲノムの大きなセグメントを保有するのに適したベクター中に存在し得る。さらに、ゲノム配列は、例えばResearch Genetics, Inc., Huntville, Alabama, USAから市販されるヒトBACライブラリーから単離され得る。さらなる5’または3’配列を得るために、Sambrook等に記載されるように染色体歩行を実施してもよく、その結果ゲノムDNAの隣接しかつ重複した断片が単離される。これらは、制限消化酵素およびDNAリガーゼを用いて、当該技術分野で既知であるように、マッピングおよび統合され得る。
本発明の核酸を用いて、相当する完全長遺伝子は、cDNAライブラリーを構築およびプローブするために古典的方法およびPCR方法の両方を用いて単離することができる。いずれかの方法を用いて、好ましくはノーザンブロットが、どの細胞系が最大の割合で所定の遺伝子を発現するかどうかを確定するために、多数の細胞型で実施され得る。
上述のSambrook等におけるcDNAライブラリーを構築する古典的な方法。これらの方法を用いて、cDNAはmRNAから産生されて、ウイルスまたは発現ベクターに挿入され得る。典型的には、ポリ(A)テールを含むmRNAのライブラリーは、ポリ(T)プライマーを用いて産生され得る。同様に、cDNAライブラリーは、プライマーとして本Reg1α配列またはその一部を用いて産生され得る。
PCR方法は、所望の挿入物を含むcDNAライブラリーの成員を増幅するのに使用され得る。この場合、所望の挿入物は、Reg1αをコードする配列に相当する完全長cDNA由来の配列を含有する。かかるPCR方法は、ジーントラップ法およびRACE方法を包含する。
ジーントラップ方法は、cDNAライブラリーの成員をベクターに挿入することを伴い得る。続いて、ベクターを変性させて、一本鎖分子を産生し得る。次に、ビオチン化オリゴのような基質結合プローブを用いて、所定のcDNA挿入物を捕捉し得る。ビオチン化プローブはアビジン結合固体基板に連結され得る。PCR方法を用いて、捕捉されたcDNAを増幅することができる。完全長遺伝子に相当する配列を捕捉するために、標識プローブ配列は、配列番号1もしくは3、またはそれらに相補的な配列の核酸に基づき得る。ランダムプライマーまたはライブラリーベクターに特異的なプライマーを用いて、捕捉さされたcDNAを増幅することができる。かかるジーントラップ技法は、Gruber et al., PCT国際公開第95/04745号およびGruber et al., 米国特許第5,500,356号に記載されている。ジーントラップ法実験を実施するためのキットが、例えばLife Technologies, Gaithersburg, Maryland, USAから市販されている。
「cDNA末端の迅速な増幅」、すなわちRACEは、多数の異なるRNAからcDNAを増幅するPCR方法である。cDNAはオリゴヌクレオチドリンカーに連結されて、2つのプライマーを用いてPCRにより増幅され得る。一方のプライマーは本核酸由来の配列に基づいて得て、それは完全長配列が望ましく、第2のプライマーは、cDNAを増幅するためのオリゴヌクレオチドリンカーにハイブリダイズする配列を含み得る。この方法の説明は、PCT国際公開第97/19110号で報告されている。
RACEの好ましい実施形態では、共通のプライマーがcDNA末端に連結される随意のアダプター配列にアニーリングするように設計され得る(Apte and Siebert, Biotechniques 15:890-893, 1993、Edwards et al., Nuc. Acids Res. 19:5227-5232, 1991)。単一遺伝子特異的RACEプライマーが共通プライマーと対形成される場合、単一遺伝子特異的プライマーと共通プライマーとの間の配列の優先的な増幅が行われる。RACEで使用するために変更された市販のcDNAプールが入手可能である。
いったん完全長cDNAまたは遺伝子が得られればDNAをコードする変異体は、Sambrook 15.3-15.63に詳述される部位特異的突然変異誘発により調製され得る。置き換えられるべきコドンまたはヌクレオチドの選択は、変更タンパク質構造および/または機能を達成するためのアミノ酸の任意の変化に関する本明細書中の開示に基づくことができる。
血清のような生物学的物質からDNAまたはRNAを得る代替的方法としては、本発明の1つまたは複数の核酸の配列を有するヌクレオチドを含む核酸を合成することができる。したがって、本発明は、約8個のヌクレオチド(配列番号1もしくは3、またはそれらに相補的な配列の核酸配列に緊縮条件下でハイブリダイズするか、あるいはそれらに対して少なくとも80%同一である少なくとも12個の連続ヌクレオチドに相当する)から核酸分子の複製および発現を含む1つまたは複数の生物学的操作に適した最大長までの長さの範囲の核酸分子を包含する。本発明は、(a)完全Reg1α遺伝子またはそれらに相補的な配列のサイズを有する核酸、(b)融合タンパク質の発現を可能にするように操作可能に連結される少なくとも1つのさらなる遺伝子も含む(a)の核酸、(c)(a)または(b)を含む発現ベクター、(d)(a)または(b)を含むプラスミド、および(e)(a)または(b)を含む組換えウイルス粒子を包含するが、これらに限定されない。
本発明の核酸配列は限定されず、A、T、Gおよび/またはC(DNAに関して)、ならびにA、U、Gおよび/またはC(RNAに関して)あるいはそれらの修飾塩基(イノシンおよびプソイドウリジンを含む)の任意の配列であり得る。配列の選択は所望の機能に依存し、所望のコード領域、所望のイントロン様領域、および所望の調節領域により影響され得る。
プローブ調製
患者の試料へのプローブ核酸のハイブリダイゼーション前に、ハイブリダイゼーションの続く検出を容易にするために、核酸試料を調製しなくてはならない。結腸直腸癌に関してスクリーニングされるべき個体から得られる核酸試料(Reg1αおよび任意に少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸配列を含む)は、1つまたは複数のタイプの化学結合により、通常相補塩基対形成により、通常水素結合形成により、相補配列の核酸プローブにより結合されることが可能である。
Reg1αまたはTIMP1および任意に少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーにハイブリダイズするための、したがってそれらの存在を特定するための本発明で有用なプローブは、Reg1αまたは任意に少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードするmRNA転写物に由来するポリヌクレオチド分子にハイブリダイズするように設計され得る。本明細書中で使用する場合、「mRNA転写物に由来するポリヌクレオチド」は、mRNA転写物またはそれらの配列の合成が最終的に鋳型として作用したポリヌクレオチドを指す。したがって、mRNAから逆転写されるcDNA、そのcDNAから転写されるRNA、cDNAから増幅されるDNA、増幅されたDNAから転写されるRNA等はすべてmRNA転写物に由来するものであり、かかる由来産物の検出は、試料における元の転写物の存在および/または存在量を示している。したがって、適切な標的核酸試料としては、遺伝子(単数または複数)(すなわち、Reg1αまたは結腸直腸癌関連マーカー)のmRNA転写物、mRNAから転写されるcDNA、cDNAから転写されるcRNA、遺伝子(単数または複数)から増幅されるDNA、増幅されたDNAから転写されるRNA等が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で使用されるポリヌクレオチドプローブは、好ましくは、Reg1αまたは任意に少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーをコードする配列にハイブリダイズするように設計される。
核酸プローブは、当業者に既知の技法を用いて生成され得る(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989)、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, F. Ausubel et al., ed. Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York (1987)を参照)。
試料中の標的配列へのプローブ核酸のハイブリダイゼーションを測定するために、プローブ核酸は、好ましくは検出可能な標識で標識される。分子に結合されるか、または分子に組み込まれる任意の分析的に検出可能なマーカーが本発明で使用され得る。分析的に検出可能なマーカーは、分析的に検出および定量化される任意の分子、部分または原子を指す。
本発明で使用するのに適した検出可能な標識としては、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段により検出可能な任意の組成物が挙げられる。本発明で有用な標識としては、標識ストレプトアビジン結合体で染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、DynabeadsTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、グリーン蛍光タンパク質等)、放射標識(例えば、H、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAで一般に使用される他のもの)、および比色標識(例えば、コロイド金または着色ガラスもしくはプラスチック製の(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)ビーズ)が挙げられる。かかる標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号、同第3,850,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345号、同第4,277,437号、同第4,275,149号、および同第4,366,241号が挙げられる。
かかる標識を検出する手段は当業者に既知である。したがって、例えば、放射標識は写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出され得て、蛍光マーカーは、放出される光を検出するための光検出器を用いて検出され得る。酵素標識は通常、酵素に基質を供給し、基質上での酵素の作用により産生される反応生成物を検出することにより検出され、比色標識は、単に着色標識を可視化することにより検出される。
標識は、当業者に既知の多数の手段のいずれかにより核酸に組み込まれ得る。しかしながら、好ましい実施形態では、標識は、プローブポリヌクレオチドの調製における増幅工程中に同時にプローブに組み込まれる。したがって、例えば、標識プライマーまたは標識ヌクレオチドを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または他の増幅反応は、標識増幅産物、したがって標識プローブを提供する。
あるいは、標識はプローブに直接付加されてもよい。標識をポリヌクレオチドへ結合する手段は当業者に既知であり、例えばニックトランスレーションまたは末端標識(例えば標識RNAを用いて)、および続く試料ポリヌクレオチドを標識(例えば、フルオロフォア)に連結するポリヌクレオチドリンカーの結合(連結)を包含する。
好ましい実施形態では、蛍光修飾は、シアニン色素、例えばCy−3/Cy−5 dUTP、Cy−3/Cy−5 dCTP(Amersham Pharmacia)またはアレクサ色素(Khan, J., Simon, R., Bittner, M., Chen, Y., Leighton, S.B., Pohida, T., Smith, P.D., Jiang, Y. Gooden, G.C., Trent, J.M. & Meltzer, P.S. (1998) Cancer Res. 58, 50095013)によるものである。
好ましい実施形態では、Reg1αにハイブリダイズすることが可能であるプローブ核酸、および少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸配列にハイブリダイズすることが可能であるプローブ核酸は、試験試料(例えば、血清試料)に同時ハイブリダイズされる。この実施形態では、比較に使用される2つのプローブ試料は識別可能な検出シグナルを生じる異なる蛍光色素で標識され、例えば、Reg1αとハイブリダイズするプローブはCy5で標識され、別の結腸直腸癌関連マーカーとハイブリダイズするプローブはCy3で標識される。異なって標識された標的試料は同じマイクロアレイに同時にハイブリダイズされる。
好ましい実施形態では、対照プローブは、Reg1α用のプローブおよび/またはさらなる結腸直腸癌関連マーカー用のプローブと一緒に試料に同時にハイブリダイズされてもよく、ここで対照プローブは、臨床試料中に見出されることがわかっている核酸配列にハイブリダイズすることが可能であり、ここでは臨床試料は血清試料であり、対照配列は血清アルブミンまたはフィブリノゲンをコードする配列であり得る。
ベクターおよび宿主細胞
本発明はさらに、Reg1αまたはTIMP1あるいは他の結腸直腸癌関連マーカーの発現を検出するのに有用なベクターおよびプラスミドを提供し、さらに本明細書中に提供するベクターおよびプラスミドを発現する宿主細胞を提供する。以下に記載するようにベクターまたはプラスミドからの発現に有用な核酸配列としては、上述の方法により差次的に調節されると特定される任意の核酸または遺伝子配列が挙げられるが、これらに限定されず、さらにアンチセンス分子のような治療用核酸分子が挙げられる。宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞であり得る。ポリヌクレオチド配列を発現ベクターのような遺伝子構築物に連結し、宿主(真核生物(酵母、鳥類、昆虫または哺乳類)または原核生物(細菌細胞)のいずれか)に形質転換またはトランスフェクトすることは、当該技術分野で既知の標準的な手順である。
ベクター
本発明による差次的に発現される核酸分子の発現に有用である当該技術分野で既知であり、かつ入手可能な広範囲の一連のベクターが存在する。特定のベクターの選択は、差次的に発現される核酸によりコードされるポリペプチドの対象とされる使用に明らかに依存する。例えば、選択ベクターは、細胞型が原核生物であろうと真核生物であろうと、所望の細胞型中でのポリペプチドの発現を駆動することが可能でなくてはならない。ベクターの多くは、操作可能に連結された遺伝子配列の原核生物ベクター複製および真核生物発現の両方を可能にする配列を含む。
本発明による有用なベクターは自己複製能を有し、すなわち、ベクター、例えばプラスミドは染色体外に存在し、その複製は必ずしも宿主細胞のゲノムの複製に直接関連されない。あるいは、ベクターの複製は宿主の染色体DNAの複製に関連されてもよく、例えば、ベクターはレトロウイルスベクターにより達成されるように宿主細胞の染色体に統合されてもよい。
本発明による有用なベクターは、好ましくは、配列の転写および翻訳を可能にする所定の配列(例えば、Reg1α)に操作可能に連結される配列を含む。所定の連結配列の転写を可能にする配列としてはプロモーターが挙げられ、任意に連結配列の強力な発現を可能にするエンハンサー要素(単数または複数)も挙げられる。「転写調節配列」という用語は、プロモーターおよび操作可能に連結された核酸配列に所望の発現特性(例えば、高レベル発現、誘導性発現、組織または細胞型特異的発現)を付与する任意のさらなる配列の組合せを指す。
選択プロモーターは、選択宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であり得て、宿主細胞で通常発現される遺伝子、あるいは他の細胞または生物で通常発現される遺伝子に由来し得る。プロモーターの例としては、以下の:A)原核生物プロモーター−大腸菌 lac、tacまたはtrpプロモーター、λファージPまたはPプロモーター、バクテリオファージT7、T3、Sp6プロモーター、枯草菌(B. subtilis)アルカリプロテアーゼプロモーター、およびB.ステアロサーモフィルスマルトゲニック(maltogenic)アミラーゼプロモーター等、B)真核生物プロモーター−酵母プロモーター(例えば、GAL1、GAL4および他の解糖作用遺伝子プロモーター(例えば、Hitzeman et al., 1980, J. Biol. Chem. 255: 12073-12080、Alber & Kawasaki, 1982, J. Mol. Appl. Gen. 1:419-434を参照)、LEU2プロモーター(Martinez-Garcia et al., 1989, Mol Gen Genet. 217:464-470)、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子プロモーター(Young et al., 1982, in Genetic Engieering of Microorganisms for Chemicals, Hollaender et al., eds., Plenum Press, NY)、またはTPI1プロモーター(米国特許第4,599,311号))、昆虫プロモーター(例えば、ポリヘドリンプロモーター(米国特許第4,745,051号、Vasuvedan et al., 1992, FEBS Lett. 311:7-11)、P10プロモーター(Vlak et al., 1988, J. Gen. Virol. 69:765-766)、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)ポリヘドロシスウイルス塩基性タンパク質プロモーター(欧州特許第397485号)、バキュロウイルス最初期遺伝子プロモーター遺伝子1プロモーター(米国特許第5,155,037号および同第5,162,222号)、バキュロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモーター(同様に米国特許第5,155,037号および同第5,162,222号)、およびOpMNPV最初期プロモーター2、哺乳類プロモーター−SV40プロモーター(Subramani et al., 1981, Mol. Cell. Biol. 1: 854-864)、メタロチオネインプロモーター(MT−1、Palmiter et al., 1983, Science 222: 809-814)、アデノウイルス2主要後期プロモーター(Yu et al., 1984, Nucl. Acids Res. 12:9309-21)、サイトメガロウイルス(CMV)または他のウイルスプロモーター(Tong et al., 1998, Anticancer Res. 18:719-725)、あるいはさらには特定の細胞型における所定の遺伝子の内因性プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
選択プロモーターはまた、それを誘導性または組織特異的にさせる配列に連結されてもよい。例えば、選択プロモーターの上流での組織特異的エンハンサー要素の付加は、プロモーターを既定の組織または細胞型でより活性にさせ得る。あるいは、またはさらには、誘導性発現は、例えば熱変化(温度感受性)、化学処理(例えば、金属イオンまたはIPTG誘導性)、または抗生物質誘導剤(例えば、テトラサイクリン)の添加により誘導を可能にする多数の配列要素のいずれかにプロモーターを連結させることにより達成され得る。
調節可能発現は、例えば、薬剤誘導性(例えば、テトラサイクリン、ラパマイシン、またはホルモン誘導性)である発現系を用いて達成される。哺乳類細胞で使用するのに特に十分適した薬剤調節可能プロモーターとしては、テトラサイクリン調節可能プロモーター、およびグルココルチコイドステロイド調節可能プロモーター、性ホルモンステロイド調節可能プロモーター、エクジソン調節可能プロモーター、リポ多糖(LPS)調節可能プロモーター、およびイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)調節可能プロモーターが挙げられる。哺乳類細胞で使用するための調節可能発現系は、理想的には、調節剤に応答して非哺乳類DNAモチーフを結合する(か、または結合することができない)転写調節因子、およびこの転写調節因子のみに応答性である調節配列を包含すべきであるが、必ずしもそうとは限らない。
組織特異的プロモーターはまた、本発明の差次的に発現される配列コード構築物で好適であるように使用され得る。広範囲の各種組織特異的プロモーターが既知である。本明細書中で使用する場合、「組織特異的」という用語は、既定のプロモーターが生物のすべてに満たない細胞または組織で転写的に活性である(すなわち、プロモーターのポリペプチド産物の検出を可能にするのに十分な連結配列の発現を誘導する)ことを意味する。組織特異的プロモーターは、好ましくは1つのみの細胞型で活性であるが、例えば細胞型の特定の種類または系統(例えば、造血細胞)で活性であってもよい。本発明による有用な組織特異的プロモーターは、事実上そのプロモーターに連結された遺伝子の発現の様式またはパターンと本質的に同じである様式またはパターンでの操作可能に連結される核酸配列の発現に必要かつ十分な配列を含む。以下に記載するものは、組織特異的プロモーターの非限定的リストおよび各々の組織でプロモーターの発現特性を達成するための必須配列を含む文献参照であり、これらの文献参照それぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。本発明で有用な組織特異的プロモーターの例は以下の通りである:
Bowman et al., 1995 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92, 12115-12119は、脳特異的トランスフェリンプロモーターについて記載しており、シナプシンIプロモーターはニューロン特異的であり(Schoch et al., 1996 J. Biol. Chem. 271, 3317-3323)、ネスチンプロモーターは有糸***後ニューロン特異的であり(Uetsuki et al., 1996 J. Biol. Chem. 271, 918-924)、ニューロフィラメント軽プロモーターはニューロン特異的であり(Charron et al., 1995 J. Biol. Chem. 270, 30604-30610)、アセチルコリン受容体プロモーターはニューロン特異的であり(Wood et al., 1995 J. Biol. Chem. 270, 30933-30940)、およびカリウムチャネルプロモーターは高頻度発射ニューロン特異的である(Gan et al., 1996 J. Biol. Chem 271, 5859-5865)。当該技術分野で既知の任意の組織特異的転写調節配列は、疼痛にさらされた動物から得られる差次的に発現される核酸配列をコードするベクターを用いた場合に好適であるために使用され得る。
プロモーター/エンハンサー要素のほかに、本発明による有用なベクターは、適切なターミネーターをさらに含み得る。かかるターミネーターとしては、例えばヒト成長ホルモンターミネーター(上述のPalmiter et al., 1983)、あるいは酵母または真菌宿主に関しては、TPI1(上述のAlber & Kawasaki, 1982)またはADH3ターミネーター(McKnight et al., 1985, EMBO J.4:2093-2099)が挙げられる。
本発明による有用なベクターはまた、ポリアデニル化配列(例えば、SV40またはAd5E1bポリ(A)配列)、および転写エンハンサー配列(例えば、アデノウイルスVA RNA由来のもの)を含んでもよい。さらに、本発明による有用なベクターは、特定の細胞区画へと組換えポリペプチドを誘導するシグナル配列をコードしてもよく、あるいは組換えポリペプチドの分泌を誘導するシグナルをコードしてもよい。
a.プラスミドベクター
選択宿主細胞型での所定のコード配列(例えば、Reg1αのコード配列)の発現を可能にする任意のプラスミドベクターが本発明による使用に許容可能である。本発明で有用なプラスミドベクターは、本発明による有用なベクターの上述の特性のいずれかまたはすべてを有し得る。本発明による有用なプラスミドベクターとしては、以下の例:細菌性−pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pBs、ファージスクリプト、psiX174、pBluescript SK、pBsKS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene)、pTrc99A、pKK223−3、pKK233−3、pDR540およびpRIT5(Pharmacia)、真核生物性−pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia)が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、宿主において複製可能であり、かつ生存可能である限りは、任意の他のプラスミドまたはベクターを使用してもよい。
b.バクテリオファージベクター
本発明による有用な多数の既知のバクテリオファージ由来のベクターが存在する。挿入物によりコードされるポリペプチドの誘導性発現を可能にするλZapIIまたはλZap Expressベクター(Stratagene)のようなλベースのベクターがこれらの中でも最も重要である。他としては、M13ベースのファミリーのベクターのような繊維状バクテリオファージが挙げられる。
c.ウイルスベクター
多数の種々のウイルスベクターは本発明により有用であり、細胞における1つまたは複数の本発明のポリヌクレオチドの導入および発現を可能にする任意のウイルスベクターが本発明の方法で使用するのに許容可能である。外来核酸を細胞へ送達するのに使用され得るウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、およびセムリキ森林ウイルス(アルファウイルス)ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。欠陥レトロウイルスは遺伝子移入で使用するのに十分に特性化されている(概説に関しては、Miller, A.D. (1990) Blood 76:271を参照)。組換えレトロウイルスを産生するためのプロトコルおよびかかるウイルスを用いてin vitroまたはin vivoで細胞を感染させるためのプロトコルは、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, F.M. et al. (eds.) Greene Publishing Associates, (1989), Sections 9.10-9.14、および他の標準的な実験室マニュアルに見出すことができる。
レトロウイルス以外に、アデノウイルスは、それが所定の遺伝子産物をコードおよび発現するが、正常な溶解性ウイルスライフサイクルで複製するその能力に関しては不活性であるように操作することができる(例えば、Berkner et al., 1988, Bio Techniques 6:616、Rosenfeld et al., 1991, Science 252:431-434、およびRosenfeld et al., 1992, Cell 68:143-155を参照)。アデノウイルス株Ad型5 dl324またはアデノウイルスの他の株に(例えば、Ad2、Ad3、Ad7等)由来する適切なアデノウイルスベクターが当業者に既知である。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、効率的な複製および産生的なライフサイクルのためのヘルパーウイルスとしてアデノウイルスまたはヘルペスウイルスのような別のウイルスを必要とする天然に存在する欠陥ウイルスである(概説に関しては、Muzyczka et al., 1992, Curr. Topics in Micro. and Immunol. 158:97-129を参照)。Traschin等(1985, Mol. Cell. Biol. 5:3251-3260)に記載されるようなAAVベクターは、核酸を細胞へ導入するのに使用することができる。各種核酸が、AAVベクターを用いて種々の細胞型へ導入されている(例えば、Hermonat et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6466-6470、およびTraschin et al., 1985. Cell. Biol. 4:2072-2081を参照)。
宿主細胞
所定の遺伝子(例えば、Reg1αをコードする配列)を保有する組換えベクターが導入されてもよく、またベクターが差次的に発現される配列によりコードされるペプチドの発現を駆動するように容認されている任意の細胞が本発明により有用である。本発明の差次的に発現される分子が発現され得て、好ましくは検出され得る任意の細胞が適切な宿主であり、ここで宿主は、好ましくは哺乳類細胞、より好ましくはヒト細胞である。各種の種々の生物(原核生物および真核生物の両方)由来の宿主細胞へ核酸配列を導入するのに適したベクターは、上述に記載しているか、または当業者に既知である。
宿主細胞は、多数の細菌株のいずれかのような原核細胞であってもよく、あるいは酵母もしくは他の真菌細胞、昆虫もしくは両生類細胞、または哺乳類細胞(例えば、げっ歯類、サルまたはヒト細胞を含む)のような真核細胞であってもよい。細胞は、初代培養細胞、例えば初代ヒト線維芽細胞またはケラチノサイトであってもよく、あるいはNIH3T3、293TまたはCHO細胞のような樹立細胞系であってもよい。さらに、本発明で有用な哺乳類細胞は、表現型的に正常であってもよく、または発癌的に形質転換されてもよい。当業者は培養で選ばれた宿主細胞型を容易に樹立および維持することができると想定する。
宿主細胞へのベクターの導入
本発明で有用なベクターは、当業者に既知の多数の適切な方法のいずれかにより選択宿主細胞へ導入され得る。例えば、ベクター構築物は、λまたはM13のような大腸菌バクテリオファージベクター粒子の場合には感染により、あるいはプラスミドベクターまたはバクテリオファージDNAに関する多数の形質転換方法のいずれかにより、適切な細菌細胞へ導入され得る。例えば、標準的な塩化カルシウム媒介性細菌形質転換は、裸のDNAを細菌に導入するのに依然として一般的に使用される(Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)が、エレクトロポレーションもまた使用され得る(Ausubel et al., 1988, Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., NY, NY))。
酵母または他の真菌細胞へのベクター構築物の導入に関して、化学的形質転換方法が一般に使用される(例えば、Rose et al., 1990, Methods in Yeast Genetics, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)。S.セレビシエ(S. cerevisiae)の形質転換に関しては、例えば、細胞を酢酸リチウムで処理して、およそ10コロニー形成ユニット(形質転換細胞)/μg(DNA)の形質転換効率を達成する。続いて、形質転換細胞を、使用する選択マーカーに適した選択培地上で単離する。あるいは、またはさらには、プレートまたはプレートから取り上げたフィルターを、GFP蛍光に関してスキャンして、形質転換コロニーを同定してもよい。
哺乳類細胞への所定の配列を含むベクターの導入に関して、使用される方法はベクターの形態に依存する。プラスミドベクターは、多数のトランスフェクション方法(例えば、脂質媒介性トランスフェクション(「リポフェクション」)、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、エレクトロポレーションまたはリン酸カルシウム沈殿を含む)のいずれかにより導入され得る。これらの方法は、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., 1988, John Wiley & Sons, Inc., NY, NY)に詳述されている。
広範囲の各種形質転換および非形質転換または一次細胞の一過性のトランスフェクションに適したリポフェクション試薬および方法は広く入手可能であり、リポフェクションを、培養で真核生物、特に哺乳類細胞へ構築物を導入する魅力的な方法にしている。例えば、LipofectAMINE(商標)(Life Technologies)またはLipoTaxi(商標)(Stratagene)キットが入手可能である。リポフェクション用の試薬および方法を提供する他の会社としては、Bio-Rad Laboratories、CLONTECH、Glen Research、InVitrogen、JBL Scientific、MBI Fermentas、Pan Vera、Promega、Quantum Biotechnologies、Sigma-Aldrich、およびWako Chemicals USAが挙げられる。
本発明のベクターによるトランスフェクションに続いて、構築物を首尾よく組み込んでいる(染色体内にまたは染色体外に)真核生物(例えば、ヒト)細胞を、上述のように、トランスフェクトした集団を選択剤(例えば、耐性遺伝子がベクターによりコードされる抗生物質)で処理すること、あるいは例えば細胞集団のFACSまたは接着培養の蛍光スキャニングを用いた直接的スクリーニングのいずれかにより選択され得る。頻繁に、両タイプのスクリーニングが使用されてもよく、ここでネガティブ選択を用いて、構築物を取り込む細胞を富化させ、FACSまたは蛍光スキャニングを用いて、それぞれ差次的に発現されるポリヌクレオチドを発現する細胞をさらに富化させるか、あるいは細胞の特定のクローンを特定する。例えば、ネオマイシン類縁体G418(Life Technologies, Inc.)によるネガティブ選択を用いて、ベクターを受け取った細胞を特定してもよく、蛍光スキャニングを用いて、最大程度でベクター構築物を発現する細胞または細胞のクローンを特定しても良い。
Reg1αおよびTIMP1ポリペプチド
本発明は、個体からの臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在を検出することによる個体における結腸直腸癌の検出方法を提供する。さらに、本発明は、結腸組織または細胞におけるReg1αまたはTIMP1遺伝子産物を特定することによる癌の検出を包含する。あるいは、本発明は、個体における結腸直腸癌の検出方法に関し、ここで結腸直腸癌は、個体からの臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1および少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在を検出することにより特定される。本発明のポリペプチド(その検出が結腸直腸癌を示している)は、1つまたは複数の配列番号2、4または100で示される配列を含むポリペプチド、あるいは1つまたは複数の配列番号1、3または33によりコードされるポリペプチドを包含する。
個体で検出することができ、したがって個体における結腸直腸癌を示している好ましいポリペプチドは、配列番号1、3または33の核酸配列に相補的なmRNA配列に少なくとも約70%、75%、80%、90%、95%、97%、または98%同一である核酸配列によりコードされるものである。特に好ましいポリペプチドは、配列番号2、4もしくは99を有するものまたはそれらの断片、あるいは1つまたは複数の配列番号2、4もしくは100のアミノ酸配列に対して配列において少なくとも約70%、75%、80%、90%、95%、98%または99%同一であるポリペプチド配列である。
個体からの臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1ポリペプチドの存在を特定することにより結腸直腸癌を検出する方法のほかに、本発明はさらに、同じ試料(例えば、同じ血清、組織または細胞試料)における少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーに加えてReg1αまたはTIMP1の存在を特定することにより癌を検出する方法を含む。
抗体
本発明は、個体からの臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1(および任意に、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカー)の存在を検出する工程を含む結腸直腸癌検出方法を提供する。一実施形態では、かかる試料におけるReg1αまたはTIMP1、あるいは他のマーカーの存在は、好ましくは検出可能に標識され、かつ試料におけるReg1αまたはTIMP1、および存在すれば他のマーカーに結合することが可能であるポリペプチドリガンドを用いて検出される。好ましい実施形態では、ポリペプチドリガンドは抗体である。本発明の抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、Fv断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーにより産生される断片、抗イディオタイプ抗体、あるいは他のエピトープ結合性ポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、Reg1αまたはTIMP1(および任意に、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカー)の検出のために本発明で有用な抗体は、ヒト抗体またはそれらの断片(scFV、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fvの一本鎖抗体を含む)である。本発明で有用な抗体としては、完全重鎖または軽鎖定常部またはそれらの一部、あるいはそれらの欠如が挙げられ得る。本発明で有用な抗体は、ウサギ、マウス、ラット、ロバ、ヒツジ、ヤギ、モルモット、ラクダ、ウマまたはトリのような当該技術分野で認識される宿主から得られ得る。一実施形態では、本発明で有用な抗体はヒト化抗体であり得て、ここではもとの結合能力を依然として保持しながら、より密接にヒト抗体に似せるために、アミノ酸を非抗原結合領域で置き換えている。ヒト化抗体の作製方法は、Teng et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:7308-7312、Kozbor et al., 1983, Immunology Today 4:7279、Olsson et al., 1982, Meth. Enzymol. 92:3-16、国際公開第92/06193号、欧州特許第0239400号に記載されている。
本発明の抗体は、単一特異性、二重特異性、三重特異性、またはより大きな多重特異性であり得る。したがって、結腸直腸癌の検出に有用なReg1αまたはTIMP1、および任意にさらなる結腸直腸癌関連マーカーは別個の抗体で検出されてもよく、あるいは同じ抗体で検出されてもよい。あるいは、多重特異性抗体は、同じタンパク質上の異なるエピトープ(例えば、Reg1α上の異なるエピトープ)に異なる特異性を示し得る。Reg1αあるいは1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーのいずれかに対する本発明で有用な抗体の特異性が好ましいものの、結腸直腸癌の検出のための本発明で有用なポリペプチド(すなわち、Reg1αおよび/またはさらなる結腸直腸癌関連マーカー)に対して少なくとも95%、90%、85%、75%、65%、55%、および少なくとも50%同一性を有するポリペプチドを結合する抗体もまた本発明で包含される。また、配列番号1、3または33の配列に相補的であるか、またはそれらにハイブリダイズする1つまたは複数の核酸配列、あるいは本明細書中に記載されるようなさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸配列に相補的であるか、またはそれらにハイブリダイズする1つまたは複数の配列によりコードされるリペプチド分子に結合する抗体も包含される。
結腸直腸癌の検出に有用である本発明の抗体は、それらが結合するポリペプチド分子の活性のアゴニストまたはアンタゴニストとしてさらに作用してもよく、したがって結腸直腸癌の治療または防止用の治療用分子として有用であり得る。
本発明の抗体の重要ではあるが限定的ではない役割は、患者試料におけるReg1αまたはTIMP1あるいは他の結腸直腸癌関連マーカーの精製あるいは検出(in vitroおよびin vivo検出方法の両方を含む)を提供することである。本明細書中に記載するように結腸直腸癌の検出に有用な抗体は、単独で使用される必要はなく、抗体ポリペプチド配列のNまたはC末端で異種ポリペプチドを含む他のポリペプチドに融合させることができる。例えば、本発明で有用な抗体は検出可能な標識と融合させて、標的ポリペプチドに結合される場合に抗体の検出を容易にし得る。
本発明で有用な抗体の産生に関して、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等を含む様々な宿主を、本発明の候補遺伝子のタンパク質産物(または免疫原性特性を保持するそれらの任意の部分、断片またはオリゴヌクレオチド)により注射により免疫化してもよい。宿主種に依存して、免疫学的応答を増強するために、様々なアジュバントを使用してもよい。かかるアジュバントとしては、フロイント、鉱物ゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、および界面活性物質(例えば、リソレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン)、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノールが挙げられるが、これらに限定されない。BCG(カルメット・ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)は潜在的に有用なヒトアジュバントである。
ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体は、当該技術分野で既知の方法を用いて作製することができる。マウス、ハムスター、またはウサギのような哺乳類を、Reg1αまたはTIMP1ポリペプチド、断片、それらの修飾形態、またはそれらの変異体の免疫原性形態を用いて免疫化することができる。あるいは、1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーポリペプチドの免疫原性形態で動物を免疫化してもよい。かかる分子に免疫原性を付与する技法としては、担体への結合または当該技術分野で既知の他の技法が挙げられる。例えば、免疫原性分子は上述のようなアジュバントの存在下で投与することができる。免疫化は、血漿または血清中の抗体力価の検出によりモニタリングすることができる。標準的なイムノアッセイ手順は抗原としての免疫原とともに使用して、抗体のレベルおよび特異性を評価することができる。免疫化に続いて、抗血清を得ることができ、望ましい場合、血清からポリクローナル抗体を単離することができる。
モノクローナル抗体を産生するために、抗体産生細胞(リンパ球)を免疫化動物から収集して、標準的な体細胞融合手順により骨髄腫細胞と融合させ、したがってこれらの細胞を不死化して、ハイブリドーマ細胞を生じることができる。かかる技法は当該技術分野で既知である(例えば、Kohler and Milstein, 1975, Nature 256:495-497、Kozbor et al., 1983, Immunol. Today 4:72、Cole et al., 1985, In Monoclonal Antibodies in Cancer Therapy, Allen R. Bliss, Inc. pages 77-96を参照)。さらに、一本鎖抗体の産生に関して記載される技法(米国特許第4,946,778号)は、本発明による抗体を産生するように適応させることができる。
Reg1αまたはTIMP1あるいは他の結腸直腸癌関連マーカーポリペプチド、それらの断片、それらの修飾形態、およびそれらの変異体のような本発明のポリペプチドに特異的に結合することができる抗体断片もまた既知の技法により生成され得る。例えば、かかる断片としては、抗体分子のペプシン消化により産生され得るF(ab’)断片、およびF(ab’)断片のジスルフィド架橋を還元することにより生成され得るFab断片が挙げられるが、これらに限定されない。VH領域およびFV領域は、ファージ発現ライブラリーを用いて細菌で発現される(例えば、Ward ert al., 1989, Nature 341:544-546、Huse et al., 1989, Science 246:1275-1281、McCafferty et al., 1990, Nature 348:552-554)。
キメラ抗体、すなわち非ヒト動物可変部およびヒト定常部を組み合わせる抗体分子もまた本発明の範囲内である。キメラ抗体としては、例えば、ヒト定常部を有するマウス、ラットまたは他の種由来の抗原結合ドメインが挙げられる。標準的な方法を用いて、本発明のReg1α抗原の遺伝子産物を認識する免疫グロブリン可変部を含有するキメラ抗体を作製し得る(例えば、Morrison et al., 1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851、Takeda et al., 1985, Nature 314:452、米国特許第4,816,567号、米国特許第4,816,397号を参照)。
他の結腸直腸癌特異的分析
Reg1αまたはTIMP1の発現を特定すること、あるいはReg1αまたはTIMP1ポリペプチドを検出することによる結腸直腸癌の検出に加えて、本発明は結腸直腸癌を検出する方法をさらに含み、ここでReg1αまたはTIMP1をコードする核酸分子、あるいはReg1αまたはTIMP1ポリペプチドは、個体からの臨床試料における既知の結腸直腸癌関連マーカーをコードする少なくとも1つの他の核酸配列と組み合わせて同定される。あるいは、Reg1αまたはTIMP1の存在は、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌マーカーアミノ酸配列と組み合わせて検出される。Reg1αに関して上述した方法と同様に、少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸分子は、患者試料における結腸直腸癌関連マーカー配列の検出用の核酸プローブを生成するのに使用してもよく、あるいは配列を含む患者試料から結腸直腸癌関連配列を増幅するための増幅プライマーを生成するのに使用してもよく、したがって試料における結腸直腸癌関連マーカーの存在を特定し、したがって結腸直腸癌の検出を示す。結腸直腸癌関連マーカーポリペプチド配列は、Reg1αに関して上述するように、臨床試料における結腸直腸癌関連マーカーの検出に有用な抗体を生成するのに使用され得る。結腸直腸癌関連マーカー核酸またはアミノ酸配列を検出する方法を以下に記載し、それらの方法は、臨床試料におけるReg1α核酸またはアミノ酸の検出方法から適応され得る。
本発明で有用な「結腸直腸癌関連マーカー」は、結腸直腸癌を有さない個体から得られる細胞、組織または血清における発現レベルに対して、結腸直腸癌を有する個体から得られる結腸癌細胞、組織または血清において少なくとも10%の過剰または過少発現を示すポリペプチドまたは核酸配列を指す。本発明で有用な結腸直腸癌関連マーカーの非限定的な例としては、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、および/または配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子が挙げられる。一実施形態では、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド配列は、それぞれ1、3、5〜71の核酸配列によりコードされる。本発明の方法がReg1αおよび少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーの検出に関する場合、TIMP1は潜在的な「他の結腸直腸癌関連マーカー」として包含され得ることが当業者には理解されよう。同様に、検出方法がTIMP1および少なくとも1つの他の結腸直腸癌関連マーカーの検出に基づく場合、Reg1αは「他の結腸直腸癌関連マーカー」として包含され得る。あるいは、本発明で使用される場合の結腸直腸癌関連マーカーは、ポリペプチドまたは核酸分子上に存在する糖鎖エピトープ、および/またはかかるエピトープを認識し、かつそれらに結合することが可能である抗体分子を指してもよく、ここで糖鎖エピトープは、個体における結腸直腸癌の存在に関連することが知られている。かかる糖鎖エピトープは、2つ以上の未関連タンパク質またはポリペプチド上に存在し得る。一実施形態では、かかる糖鎖エピトープは、シアリル−Lewisとしても知られるCA19−9であり、様々な糖タンパク質または糖脂質に共有結合される分岐状5糖構造から構成される血液型群抗原に関連した糖鎖エピトープとしてモノクローナル抗体により規定される腫瘍マーカーである。タンパク質は主としてムチンファミリーに属し、脂質は通常膜に関連している。CA19−9エピトープは典型的にいずれかの巨大分上の複雑なO連結糖鎖構造の末端部分である。「結腸直腸癌関連マーカー」として本発明で有用な各種糖鎖エピトープとして同様に定義される他の腫瘍マーカーとしては、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDU−PAN’s1−5が挙げられる。
以下の表1は、本発明で有用な「結腸直腸癌関連マーカー」のリストを示し(しかしながら、本発明で有用な結腸直胃癌関連マーカーは表1に示すものに限定されない)、「配列表」に記載する配列と対応させてある。
検出アッセイ
本発明は、結腸直腸癌を検出するか、あるいは開示したバイオマーカー(すなわち、Reg1αまたはTIMP1の核酸配列、および任意にさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする1つまたは複数の核酸配列、および/またはReg1αまたはTIMP1、および任意に少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーのようなポリペプチドマーカー)を、それらによりコードされる疾患または状態に関して検出することにより被験体が結腸直腸癌を発症する危険性を有するかどうかを確定する方法を提供する。
臨床用途では、ヒト組織試料、好ましくは血清は、Reg1αまたはTIMP1および/または本明細書中で特定される他の結腸直腸癌関連マーカーの存在および/または非存在に関してスクリーニングすることができる。かかる試料は、組織試料、細胞全体、細胞溶解産物、または単離核酸(例えば、針生検コア、外科的切除試料、リンパ節組織、または血清を含む)を包含し得る。本明細書中に記載するような分析用試料は、好ましくは血清試料である。血清試料は、当業者に既知の方法を用いて個体から得られ得る。簡潔に述べると、個体からの全静脈血または動脈血試料が試験管に収集される。全血試料を室温でおよそ15〜30分間インキュベートさせて、血液を凝固させる。いったん凝固したら、試料をおよそ1500〜3000rpmで5〜30分間遠心分離して、細胞構成成分から血清を完全に分離させる。必要であればこの遠心分離を繰り返して、完全分離を達成してもよい。得られた血清試料は続いてReg1α核酸またはアミノ酸および/または本明細書中に記載するような1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在に関してスクリーニングされ得る。
核酸分子に関するスクリーニング
一実施形態では、本発明の検出方法は、個体からの臨床試料が結腸直腸癌関連マーカー、好ましくはReg1αまたはTIMP1を含有するが、同様に任意に本明細書中に記載するようなさらなる結腸直腸癌関連マーカーを含むかどうか確定することを含む。所定の核酸分子の存在を確定する技法としては、ノーザンブロット分析、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、in situハイブリダイゼーション、PCR、および定量的増幅が挙げられる。
臨床試料における標的核酸分子の検出より前に、まず試料からmRNAを単離して、標的配列(すなわち、Reg1αまたはTIMP1をコードする配列)の検出を容易にすることが好ましい。生物学的試料からmRNAを単離する方法は当該技術分野で既知である。簡潔に述べると、試料が血清試料である場合、例えば、2M 酢酸ナトリウム(pH4)0.1ml、水飽和フェノール1ml、および49:1のクロロホルム/イソアミルアルコール0.2mlを順次血清試料に添加する。各構成成分を添加した後に試料を混合し、構成成分すべてを添加した後、0〜4℃で15分間インキュベートする。試料を10,000×g、4℃で20分間遠心分離することで分離して、100%イソプロパノール1mlを添加することにより沈殿させ、−20℃で30分間インキュベートして、10,000×g、4℃で10分間遠心分離することでペレット化する。得られたRNAペレットを変性溶液0.3ml中に溶解して、マイクロフュージチューブに移して、100%イソプロパノール0.3mlの添加により−20℃で30分間沈殿させ、4℃にて10,000×gで10分間遠心分離する。RNAペレットを70%エタノールで洗浄して、乾燥させて、DEPC処理水またはDEPC処理0.5%SDS 100〜200μl中に再懸濁させる(Chomczynski and Sacchi, 1987, Anal. Biochem., 162:156)。
あるいは、Trizol(Invitrogen, Carlsbad, CA)のような市販のRNA単離試薬を用いて、製造業者の説明書に従って本発明による臨床試料から全RNAを抽出してもよい。RNAの純度および完全性は、260/280nmでの吸光度、および1%アガロースゲル上の単離、続く紫外線下での検査により評価される。
mRNA単離後、当業者に既知の方法に従って、mRNAを逆転写させて、cDNA試料を提供してもよい(例えば、Ausubel et al. (1995), Short Protocols in Molecular Biology, 3rdEd. John Wiley and Sons, Inc.を参照)。
したがって、一態様では、本発明は、本明細書中に開示されるReg1αまたはTIMP1核酸配列に特異的にハイブリダイズするか、または本明細書中に記載するようなさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸分子にハイブリダイズすることができるプローブおよびプライマーを提供する。したがって、核酸プローブは、配列番号1、3または33の配列に実質的に相補的な核酸とハイブリダイズするのに十分な配列番号1、3または33の核酸配列領域を含む。プローブ/プライマーとして使用するための好ましい核酸分子は、配列番号1、3または33の配列とハイブリダイズするのに十分な配列番号1、3または33の配列に実質的に相補的な核酸配列領域をさらに含むことができる。さらに、プローブ/プライマーとして有用な核酸配列は、マーカー核酸配列(それらの核酸配列は、配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列で表される)のコード配列の一部に相補的であるコード配列の少なくとも約8ヌクレオチド長、少なくとも約12ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも約15個のヌクレオチド、より好ましくは約25個のヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも40個のヌクレオチド、および最大それらのすべてまたはほぼすべてのヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、上記方法は、臨床試料(例えば、血清試料またはそれらから抽出される核酸試料)におけるReg1αまたはTIMP1核酸分子の存在を確定するために核酸プローブを使用することを含む。具体的には、上記方法は、以下:
1.配列番号1、3または33により表される核酸配列、あるいはそれらに相補的な配列のコード配列の一部に相補的なコード配列の少なくとも約8ヌクレオチド長、少なくとも約12ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも約15個のヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約25個のヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも約40個のヌクレオチド、および最大それらのすべてまたはほぼすべてのヌクレオチド配列を含む核酸プローブを供給すること、
2.Reg1αまたはTIMP1核酸配列を潜在的に含む患者から臨床試料を得ること、
3.結腸直腸癌を有さないことがわかっている個体からの第2の臨床試料を供給すること、
4.核酸プローブを、上記第1および第2の臨床試料それぞれのRNAと緊縮下で接触させること(例えば、ノーザンブロットまたはin situハイブリダイゼーションアッセイで)、
5.(a)第1の血清試料のRNAとのプローブのハイブリダイゼーション量を、(b)第2の臨床試料のRNAとのプローブのハイブリダイゼーション量と比較することであって、第2の臨床試料のRNAとのハイブリダイゼーション量と比較した場合の第1の臨床試料のRNAとのハイブリダイゼーション量の統計学的に有意な差異が第1の臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在を示している、比較することと
を含む。
主として血清試料のような臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1の検出が描かれるが、一態様では、本発明は、配列番号1、3または33により表される核酸配列、あるいはそれらに相補的な配列に由来するプローブによる、Reg1αまたはTIMP1のin situハイブリダイゼーション検出を含む方法を提供する。好ましくは、ハイブリダイゼーションプローブは検出可能に標識される。上記方法は、標識したハイブリダイゼーションプローブを、結腸直腸癌を有することが疑わしい個体からの組織または細胞試料と接触させること、任意の未結合プローブを洗い流すこと、および検出可能な標識により生じるシグナルを検出することであって、検出可能なシグナルの検出が試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在を示しており、したがって結腸直腸癌の検出を可能にする、検出することを含む。あるいは、組織または細胞は、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーをコードする核酸配列と特異的にハイブリダイズすることが可能である検出可能に標識した核酸プローブとさらにハイブリダイズされる。したがって、第2の検出可能に標識されたプローブの検出は、試料におけるさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在を示しており、Reg1αまたはTIMP1の検出と併用して、個体における結腸直腸癌の検出を可能にする。in situハイブリダイゼーションの特定の方法は当該技術分野で既知である。
あるいは、PCR、ノーザン分析およびTaqmanのような方法を用いて、診療試料におけるReg1αをコードする核酸配列の発現を検出および/または定量化してもよい。一実施形態では、逆転写PCR(RT−PCR)は、臨床試料から単離されるReg1αmRNA配列の規定部分に特異的にハイブリダイズするように設計されたプライマーを用いて実施される。したがって、かかる反応によるPCR産物の生成は、試料におけるReg1αまたはTIMP1配列の存在を示している。PCR増幅用のプライマーを設計する技法は、当該技術分野で既知である。オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、5〜100ヌクレオチド長、理想的には17〜40個のヌクレオチドであるが、種々の長さのプライマーおよびプローブが有用である。増幅用プライマーは、好ましくは約17〜25個のヌクレオチドである。本発明による有用なプライマーはまた、融解温度推定方法により特定の融解温度(Tm)を有するように設計される。Oligo(登録商標)(MBI, Cascade, CO)を含む市販のプログラム、Primer3およびOligo Calculatorを含むインターネット上で利用可能なプライマー設計およびプログラムを用いて、本発明による有用な核酸配列のTmを算出することができる。好ましくは、例えばOligo Calculatorにより算出される場合の本発明による有用な増幅プライマーのTmは、好ましくは約45〜65℃、より好ましくは約50〜60℃である。好ましくは、本発明による有用なプローブのTmは、相当する増幅プライマーのTmよりも7℃高い。RT−PCRによるcDNAの生成に続いて、cDNA断片をPCRIIベクター(TAクローニングキット、Invitrogen)のような適切なシーケンシングベクターにクローニングすることが好ましい。続いて、クローニングした断片それぞれの独自性を、両方向でシーケンシングすることにより確認する。シーケンシングから得られる配列は、本明細書中で記載するようなReg1αまたはTIMP1の既知の配列と同じであると予測される。
あるいは、Reg1αまたはTIMP1をコードするmRNA配列の存在は、ノーザン分析により検出されてもよい。配列を確認したcDNA、すなわちReg1αまたはTIMP1(あるいはさらなる結腸直腸癌関連マーカー)をコードするcDNAを用いて、当該技術分野で既知の技法を用いて32P標識cDNAプローブを産生する(例えば、上述のAusubelを参照)。ノーザン分析用の標識プローブはまた、市販のキット(Prime−Itキット、Stratagene, La Jolla, CA)を用いて産生され得る。臨床試料から得られる全RNAのノーザン分析は、古典的に記載される技術を用いて実施され得る。例えば、全RNA試料をホルムアルデヒド/ホルムアミドで変性させて、1%アガロースのMOPS−アセテート−EDTAゲル中に2時間流す。続いて、RNAを上向きのキャピラリー作用によりニトロセルロース膜に転写して、UV架橋結合により固定する。膜を少なくとも90分間プレハイブリダイズし、42℃で一晩ハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション後に、当該技術分野で既知であるように洗浄を実施する(上述のAusubel)。続いて、膜を増感紙とともに−80℃で一晩x線フィルムに暴露させる。続いて、フィルムへの暴露後に、標識膜を可視化させる。次に、放射標識したcDNAプローブによりx線フィルム上に生じるシグナルを、フィルムのスキャニングおよびNIH Image(National Institutes of Health, Bethesda, MD)のようなコンピュータプログラムを用いた相対ピクセル強度の定量化のような当該技術分野で既知の任意の技法を用いて定量化することができ、ここで臨床試料へのReg1α特異的プローブのハイブリダイゼーションの検出は、Reg1αまたはTIMP1の存在を示しており、したがって結腸直腸癌を検出するのに使用され得る。
代替的実施形態では、臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1の存在、および量は任意に、Taqman(登録商標)(Perkin-Elmer, Foster City, CA)技法を用いて確定されてもよく、それは転写物特異的アンチセンスプローブ(すなわち、Reg1αに特異的にハイブリダイズすることが可能なプローブ)を用いて実施される。このプローブはReg1αまたはTIMP1 PCR産物に特異的であり、オリゴヌクレオチドの5’末端に複合体形成される励起エネルギー吸収剤および蛍光レポータープローブを用いて調製される。種々の蛍光マーカーを種々のレポーターに結合させることができ、1つの反応で2つの産物の測定(例えば、Reg1αまたはTIMP1、および少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーの測定)を可能にする。Taq DNAポリメラーゼが活性化されると、それはその5’から3’へのヌクレオチド切断(nucleolytic)活性により蛍光レポーターを切断する。今や励起エネルギー吸収剤から解放されたレポーターは蛍光を発する。色彩変化は各特定の産物の量に比例し、蛍光測定器により測定される。したがって、各色彩の量を測定することができ、RT−PCR産物を定量化することができる。PCR反応は96ウェルプレート中で実施することができ、その結果多くの個体に由来する試料を同時にプロセシングおよび測定することができる。Taqman(登録商標)系はゲル電気泳動を必要としないというさらなる利点を有し、標準曲線とともに使用されると定量化が可能である。
ポリペプチド分子のスクリーニング
上述のReg1αまたはTIMP1特異的抗体および結腸直腸癌マーカー特異的抗体は、当該技術分野で既知の任意の方法により臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1あるいはさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在を検出するのに使用され得る。使用することができるイムノアッセイとしては、例えばウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイのような技法を用いた競合アッセイ系および非競合アッセイ系が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Ausubel et al., eds, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York、これはその全体が参照により本明細書に援用される)。例示的なイムノアッセイについて以下に簡単に記載する(しかし、限定の手段として意図されない)。
免疫沈降プロトコルは概して、プロテインホスファターゼおよび/またはプロテアーゼ阻害剤(例えば、EDTA、PMSF、アプロチニン、バナジン酸ナトリウム)で補充したRIPA緩衝液(1%NP−40またはTriton X−100、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDS、0、15M NaCl、0.01Mリン酸ナトリウム(pH7.2にて)、1%Trasylol)のような溶解緩衝液中に細胞集団を溶解すること、所定の抗体を細胞溶解産物に添加すること、4℃で一定時間(例えば、1〜4時間)インキュベートすること、プロテインAおよび/またはプロテインGセファロースビーズを細胞溶解産物に添加すること、4℃で約1時間以上インキュベートすること、溶解緩衝液中でビーズを洗浄すること、およびSDS/試料緩衝液中にビーズを再懸濁させることを含む。しかしながら、血清試料の免疫沈降の場合では、上記プロトコルは細胞溶解工程なしで実施される。抗体の、Reg1αまたはTIMP1(または他の結腸直腸癌マーカー)抗原を免疫沈降させる能力は、例えばウェスタンブロット分析により評価され得る。抗原への抗体の結合を増加させ、かつバックグラウンドを減少させる(例えば、セファロースビーズで細胞溶解産物を予め清浄化すること)ために変更され得るパラメーターは当業者に既知である(上述のAusubel et al,)。
Reg1αまたはTIMP1ポリペプチド、および任意に1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーは、ウェスタンブロット分析を用いて患者の臨床試料において検出され得る。簡潔に述べると、ウェスタンブロット分析は、タンパク質試料の調製、ポリアクリルアミドゲル(例えば、8%〜20%SDS−PAGE)でのタンパク質試料の電気泳動、ポリアクリルアミドゲルから膜(例えば、ニトロセルロース、PVDF、またはナイロン)へのタンパク質試料の転写、ブロック用溶液(例えば、3%BSAまたは脱脂乳を有するPBS)での膜のブロック、洗浄緩衝液(例えば、PBS−Tween20)中での膜の洗浄、ブロック用緩衝液で希釈した一次抗体(所定の抗体)での膜のブロック、洗浄緩衝液中での膜の洗浄、ブロック用緩衝液で希釈した酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)または放射性分子(例えば、32Pまたは125I)に結合された二次抗体(これは一次抗体を認識する、例えば抗ヒト抗体)での膜のブロック、および抗原の存在の検出を含む。かかる分析の最適化方法は当該技術分野で既知である(上述のAusubel et al,)。
あるいは、臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1および任意に1つまたは複数のさらなる結腸直腸癌関連マーカーの存在はELISAで検出されてもよい。ELISAは、抗原を調製すること、96ウェルマイクロタイタープレート(または他の適切な容器)のウェルを抗原でコーティングすること、酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)のような検出可能な化合物に結合された所定の抗体をウェルに添加すること、および一定時間インキュベートすること、ならびに抗原の存在を検出することを含む。ELISAでは、所定の抗体は検出可能な化合物に結合される必要はなく、その代わりに、検出可能な化合物に結合された第2の抗体(これは所定の抗体を認識する、すなわちReg1αまたはTIMP1あるいは第2の結腸直腸癌関連マーカーに結合する抗体)がウェルに添加されてもよい。さらに、ウェルを抗原でコーティングする代わりに、抗体をウェルにコーティングしてもよい。この場合、検出可能な化合物に結合された第2の抗体は、コーティングされたウェルに所定の抗原を添加した後に添加され得る。この方法は、当業者に知られている技法に従って修正または最適化され得る。
抗原への抗体の結合親和性、および抗体−抗原相互作用のオフレートは競合結合アッセイにより確定することができる。かかるアッセイの一例は、標識抗原(例えば、3Hまたは125Iで標識したReg1α)を抗Reg1αまたはTIMP1抗体とともに増加量の未標識抗原の存在下でインキュベートすること、および標識抗原に結合される抗体を検出することを含むラジオイムノアッセイである。特定の抗原に対する所定の抗体の親和性、および結合オフレートは、スキャッチャードプロット分析によりデータから確定することができる。第2の抗体との競合もまた、ラジオイムノアッセイを用いて確定することができる。この場合、抗原は、増加量の未標識の第2の抗体の存在下で、標識化合物(例えば、3Hまたは125I)に結合された所定の抗体とともにインキュベートされる。
好ましくは、上記検出アッセイは、配列番号1、3または33の配列、あるいはそれらに相補的な配列を有する核酸によりコードされるタンパク質産物を検出するために抗体を用いて実施される。好ましくは、タンパク質産物は、1つまたは複数の配列番号2、4または100の配列を有する。さらに、上記検出アッセイは、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーを特異的に認識し、かつそれらに結合する1つまたは複数の抗体を用いて実施され得る。したがって、一実施形態では、アッセイは、試験細胞のタンパク質を、配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列により表される核酸の遺伝子産物に特異的な抗体と接触させること、ならびに抗体および試験細胞のタンパク質により免疫複合体の固定化の概算量を確定することを包含し、ここではかかる免疫複合体の検出は抗原の存在を示しており、従って結腸直腸癌の検出を可能にする。
本発明で有用なイムノアッセイとしては上述のものが挙げられ、同様に均一および不均一手段の両方(例えば、蛍光分極イムノアッセイ(FPIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)および比濁分析阻害イムノアッセイ(NIA))を挙げることができる。
別の実施形態では、患者の生物学的液体(例えば、血液または尿)中のコード産物、すなわち配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列によりコードされる産物のレベルは、その患者の細胞におけるマーカー核酸配列の発現レベルをモニタリングする手段として確定され得る。かかる方法は、患者から生物学的液体試料を得る工程、試料(または試料からのタンパク質)をコードマーカーポリペプチドに特異的な抗体と接触させる工程、および抗体による免疫複合体形成の量を確定する工程を包含し、免疫複合体形成の量は、試料におけるマーカーコード産物のレベルを示している。この確定は、正常な個体から採取された対照試料中あるいは同じ人物から予めもしくは後に得られる1つまたは複数の試料中での同じ抗体による免疫複合体形成の量と比較する場合に特に有益である。
別の実施形態では、上記方法を用いて細胞中に存在するマーカーポリペプチドの量を確定することができ、続いて過剰増殖障害(例えば、結腸直腸癌)の進行と相関させることができる。マーカーポリペプチドのレベルは、細胞の試料が、形質転換細胞であるか、または形質転換細胞になる傾向にある細胞を含有するかどうかを予測的に評価するために使用することができる。さらに、本方法は、形質転換されることが既知である細胞の表現型を評価するのに使用することができ、表現型決定の結果は、特定の治療レジメンを計画するのに有用である。例えば、試料細胞における非常に高レベルのマーカーポリペプチドは、結腸直腸癌のような癌用の強力な診断および予後マーカーである。マーカーポリペプチドレベルの観察は、例えばより積極的な治療の使用に関する決定で利用され得る。
上述のように、本発明の一態様は、患者から単離された細胞の状況で、マーカーポリペプチドレベルが試料細胞で有意に減少されるかどうかを確定するための検出アッセイに関する。「有意に減少される」という用語は、細胞が、同様の組織源の正常細胞に対して減少された細胞量のマーカーポリペプチドを保有する細胞表現型を指す。例えば、細胞は、正常対照細胞よりも約50%、25%、10%または5%未満のマーカーポリペプチドを有してもよい。特に、アッセイは試料細胞におけるマーカーポリペプチドレベルを評価し、好ましくは、少なくとも1つの対照細胞、例えば正常細胞および/または既知の表現型の形質転換細胞で検出されるマーカーポリペプチドと、測定レベルを比較する。
本発明で特に重要なのは、正常もしくは異常Reg1αまたはTIMP1発現のレベルを定量化する能力である。Reg1αまたはTIMP1の発現、および/またはReg1αまたはTIMP1の発現レベルは、患者が結腸直腸癌を発症する傾向にあるかどうかを予測的に評価するために、あるいは結腸直腸癌の重篤性を確定するのに使用することができる。
一実施形態では、組織試料は、Reg1αまたはTIMP1を発現する細胞(すなわち、結腸細胞)数を確定するのに使用され得る免疫組織化学染色によりReg1αまたはTIMP1発現を測定するのに使用され得る。かかる染色に関して、組織のマルチブロックが生検材料または他の組織試料から採取され、プロテアーゼKまたはペプシンのような作用物質を用いてタンパク質分解的加水分解にさらされる。ある特定の実施形態では、試料細胞から核分画を単離して、核分画におけるマーカーポリペプチドレベルを検出することが望ましい場合がある。
組織試料は、ホルマリン、グルタルアルデヒド、メタノール等のような試薬による処理により固定化される。続いて、試料は、Reg1αまたはTIMP1および任意にさらなる結腸直腸癌関連マーカーに対して結合特異性を有する抗体、好ましくはモノクローナル抗体とともにインキュベートされる。この抗体は、続く結合の検出用の標識に結合されてもよい。試料は免疫複合体の形成に十分な時間インキュベートされる。続いて、抗体の結合は、この抗体に結合された標識により検出される。抗体が未標識である場合、第2の標識抗体(例えば、抗マーカーポリペプチド抗体のアイソタイプに特異的な)を使用してもよい。使用され得る標識の例としては、放射性核種、蛍光物質、化学発光物質、酵素等が挙げられる。
酵素が使用される場合、酵素用の基質を試料に添加して、着色または蛍光産物を提供してもよい。結合体で使用するのに適切な酵素の例としては、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ等が挙げられる。市販されていない場合、かかる抗体−酵素結合体は、当業者に既知の技法により容易に産生される。試料(血清または組織のいずれか)におけるポリペプチドの存在および/または量を確定するための当業者に既知の他のアッセイもまた本発明により包含される。
薬剤スクリーニング
幾つかのin vivo方法が、Reg1αまたはTIMP1核酸(配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列)の発現を調整し、かつ/またはコードポリペプチド(例えば、配列番号2、4または100)の生理活性を変更させる(例えば、阻害する)化合物を特定するのに使用することができる。
薬剤スクリーニングは、細胞試料に試験化合物を添加すること、およびその影響をモニタリングすることにより達成される。試験化合物を与えない並行試料もまた対照としてモニタリングされる。続いて、処理細胞および未処理細胞を、顕微鏡分析、生存度試験、複製する能力、組織学的検査、細胞に関連した特定のRNAまたはポリペプチドのレベル、細胞または細胞溶解産物により発現される酵素活性のレベル、および他の細胞または化合物と相互作用する細胞の能力を含むがこれらに限定されない任意の適切な表現型基準により比較される。処理細胞と未処理細胞との間の差異は、試験化合物に起因する影響を示す。
試験化合物の望ましい影響としては、癌関連マーカー核酸配列により付与された任意の表現型に対する影響が挙げられる。例としては、mRNAの過多を制限する試験化合物、コードタンパク質の産生を制限する試験化合物、またはタンパク質の機能的影響を制限する化合物が挙げられる。試験化合物の影響は、処理細胞と未処理細胞との間の結果を比較すると明らかである。
したがって、本発明はまた、作用物質がmRNAの産生を阻害することが可能であるかどうかを確定するために、Reg1αまたはTIMP1核酸mRNAが検出可能である細胞または組織のいずれか、あるいはReg1αまたはTIMP1核酸を含み、かつそれらを発現することが可能な培養細胞を作用物質に暴露させること、および暴露細胞または組織におけるmRNAレベルを確定することを含む、in vitroでReg1αまたはTIMP1核酸(配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列)の発現を阻害する作用物質に関してスクリーニングする方法を包含し、ここでは細胞株を作用物質に暴露した後のmRNAレベルの減少はマーカー核酸mRNA産生の阻害を示している。
あるいは、スクリーニング方法は、Reg1αまたはTIMP1タンパク質の産生を阻害することが疑わしい作用物質に対してReg1αまたはTIMP1が検出可能である細胞または組織、あるいはReg1αまたはTIMP1を発現する培養細胞をin vitroでスクリーニングすること、および細胞または組織におけるReg1αまたはTIMP1タンパク質のレベルを確定することを包含してもよく、ここでは細胞または組織を作用物質に暴露した後のマーカータンパク質のレベルの減少は、マーカータンパク質産生の阻害を示している。
本発明はまた、Reg1αまたはTIMP1 mRNAあるいはタンパク質が検出可能である腫瘍細胞または血清を有する哺乳類を、マーカーmRNAまたはタンパク質の産生を阻害することが疑わしい作用物質に暴露させること、および暴露哺乳類の血清または腫瘍細胞におけるマーカーmRNAあるいはタンパク質のレベルを確定することを含む、マーカー核酸の発現を阻害する作用物質に関するin vivoスクリーニング方法を包含する。哺乳類を作用物質に暴露した後のマーカーmRNAまたはタンパク質のレベルの減少は、マーカー核酸発現の阻害を示している。任意に、少なくとも1つのさらなる結腸直腸癌関連マーカーの発現に対する候補作用物質の影響もまた確定され得る。
したがって、本発明は、マーカー核酸(配列番号1、3または33、あるいはそれらに相補的な配列)を発現する細胞を試験化合物とともにインキュベートすること、およびmRNAまたはタンパク質レベルを測定することを含む方法を提供する。本発明はさらに、細胞集団または臨床試料におけるマーカー核酸の発現のレベルを定量的に確定する方法、および作用物質が細胞集団または臨床試料におけるReg1αまたはTIMP1核酸の発現レベルを増加あるいは減少させることが可能であるかどうかを確定する方法を提供する。作用物質が細胞集団におけるReg1αまたはTIMP1核酸の発現のレベルを増加あるいは減少させることが可能であるかどうかを確定する方法は、(a)対照および作用物質処理細胞集団から細胞抽出物を調製する工程、(b)細胞抽出物からReg1αまたはTIMP1ポリペプチドを単離する工程、(c)Reg1αまたはTIMP1ポリペプチドと上記ポリペプチドに特異的な抗体との間に形成される免疫複合体の量を(例えば、並行して)定量化する工程を含む。本発明のReg1αまたはTIMP1ポリペプチドはまた、その生理活性に関してアッセイすることにより定量化されてもよい。Reg1αまたはTIMP1核酸発現における増加を誘導する作用物質は、対照細胞において形成される免疫複合体の量と比較した場合の処理細胞において形成される免疫複合体の量を増加させるそれらの能力により特定され得る。類似の様式では、Reg1αまたはTIMP1核酸の発現を減少させる作用物質は、対照細胞と比較した場合の処理細胞抽出物において形成される免疫複合体の量を減少させるそれらの能力により特定され得る。
mRNAレベルは、ノーザンブロットハイブリダイゼーションにより確定され得る。mRNAレベルはまた、PCRを包含する方法により確定され得る。高速大量処理(high throughput)アッセイで使用することができるmRNAを測定する他の高感度方法、例えばDELFIA終点検出および定量化方法を用いた方法は、例えば、Webb and Hurskainen (1996) Journal of Biomolecular Screening 1:119に記載されている。Reg1αタンパク質レベルは、配列番号2、4または100のタンパク質産物を特異的に認識する抗体を用いた免疫沈降または免疫組織化学により確定され得る。
薬剤スクリーニングアッセイで活性であると特定される作用物質は、細胞増殖活性を阻止するそれらの能力に関して試験されるべき候補物である。これらに作用物質は、細胞、特に結腸細胞、特に結腸直腸癌の異常成長を含む傷害を治療するのに有用である。
各種アッセイ方式が十分であり、本開示を鑑みて、本明細書中に明記していないものはそれにもかかわらず当業者に理解されるであろう。例えば、アッセイは多くの異なる方式で生成させることができ、無細胞系、例えば精製タンパク質または細胞溶解産物に基づいたアッセイ、ならびに無傷細胞を利用する細胞ベースのアッセイを包含する。
化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬剤スクリーニングプログラムでは、既定の期間で調査される化合物数を最大限にするために、高速大量処理(high throughput)アッセイが望ましい。精製もしくは半精製タンパク質または溶解産物、あるいは血清からの精製もしくは半精製されたタンパク質を用いて得られ得るような無細胞系で実施される本発明のアッセイは、それらが試験化合物により媒介される分子標的における変更の迅速な展開および比較的容易な検出を可能にするように生成され得る点で、「一次」スクリーンとして好適である場合が多い。さらに、試験化合物の細胞毒性および/またはバイオアベイラビリティの影響は概して、in vitro系で無視することができ、代わりにアッセイは、他のタンパク質との結合親和性の変更または分子標的の酵素特性における変化で明白であり得るように、主に分子標的に対する薬物の影響に焦点を当てている。
[実施例]
以下の実施例は非限定的であり、本発明の様々な態様および特徴の単なる代表例である。
実施例1:抗Reg1α抗体の生成
Reg1αに対する抗体を生成するために、Reg1α(配列番号1または3のいずれかに示す)の完全長オープンリーティングフレームを、C末端エピトープおよび精製タグを含むpcDNA3.1/V5−His(Invitrogen)のような哺乳類発現ベクターへ定方向的にクローニングした。挿入配列はジデオキシシーケンシングにより確証された(例えば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sonsを参照)。組換え融合タンパク質は、哺乳類細胞(例えば、CHO細胞)における一過性の発現系で産生された。組換えタンパク質を、C末端Hisタグを利用することで固定化金属アフィニティクロマトグラフィ(IMAC)により細胞培養上清から精製した。本発明の抗体の産生に使用されるReg1αタンパク質の配列は配列番号2または4のいずれかに示しており、そのすべてが機能的Reg1αタンパク質を表し、かつそれぞれ配列番号1または3によりコードされる。精製組換えReg1αタンパク質をフロイントアジュバント中に乳化させて、ウサギに注射した。動物がReg1αに対する特異的抗体の合理的な血清力価を誘発するまで、動物に周期的に追加免疫した。抗体産生方法は当業者に既知であり、例えば、Harlow et al. Antibodies: A laboratory manual, 1988, Cold Spring Harbor Laboratoryに見出され得る。自然および変性Reg1αの両方を認識するポリクローナル抗体を利用して、マイクロタイターベースのELISAアッセイを展開した。ELISAアッセイを実施する方法は当業者に既知である(例えば、上述のAsubel等を参照)。
実施例2:結腸直腸癌患者の血清試料におけるReg1αの検出
本発明は個体における結腸直腸癌の検出方法に関し、この方法は結腸直腸癌を有する個体からの血清試料におけるReg1αポリペプチドの検出を包含し、ここでReg1αの検出は、結腸直腸癌の存在を示している。したがって、Reg1α発現は、結腸直腸癌を有すると診断された患者から得られた血清試料において測定された。
この研究で使用される患者はすべて、診察、血液分析、イメージングおよび内視鏡を含む従来の診断手段を用いて有資格医師によりめいめいの医療機関で診断された。いったん特定されれば、患者はIRB認証プロトコルによりインフォームドコンセントを提供した。各患者における結腸直腸癌の重篤性はデュークス病期分類スキームを用いて類別した。続いて、当業者に既知の方法を用いて、各患者から血清試料を収集した。次に、上述のELISAアッセイによりReg1αの存在に関して試料を評価した。図1は、未処置患者および炎症性腸疾患(IBD)または肝硬変のいずれかを有すると診断されたさらなる患者から得られた試料と比較した、結腸直腸癌患者で測定したReg1αタンパク質のレベルを示す。図2は、結腸直腸癌の重篤性の各病期で特定される図1の結腸直腸癌患者におけるReg1α発現レベルを示す。図1および図2でわかるように、Reg1α発現は、結腸直腸癌を有すると診断された患者から得られた血清試料において明らかに上昇しており、したがって患者における結腸直腸癌の存在を検出するのに使用され得る。
実施例3:結腸直腸癌におけるReg1α核酸配列の検出
一実施形態では、本発明は、患者から得られる血清試料におけるReg1αをコードする核酸分子の存在を検出することにより患者における結腸直腸癌の存在を検出する方法を提供する。
血清は、上記の方法および当業者に既知の方法により結腸直腸癌が疑わしい患者から得られ得る。Reg1αをコードする核酸分子は、例えばノーザン分析により検出され得る。簡潔に述べると、患者の試料におけるReg1αmRNAの検出用のプローブは、当該技術分野で既知の技法に従ってRT−PCRによりReg1αコード配列を増幅することにより得られる。続いてこの様式で生成されるcDNA断片を、TAクローニングキット(Invitrogen)を用いてPCRIIベクターにクローニング(subsequently cloned)する。各断片の独自性は、クローニングベクターに存在するT3およびT7ポリメラーゼ部位から各方向でシーケンシングすることにより確証され得る。次に、この様式で産生されるcDNA分子を用いて、例えばStrageneからのPrime−Itキットを用いて32P標識Reg1αcDNAプローブを産生する。続いて、結腸直腸癌を有することが疑わしい患者の血清から単離した総RNA5〜10μgを1×MOPS緩衝液中のアガロース/ホルムアルデヒドゲル上で分離する。血清のような患者試料からRNAを単離する方法は当該技術分野で既知である(例えば、上述のAusubel等を参照)。RNAの完全な状態を確定するためのエチジウムブロマイドでの染色および紫外線下での可視化後に、0.05M NaOH/1.5M NaClでの処理、続く0.5M トリス−Cl(pH7.4)/1.5M NaClとのインキュベーションによりRNAを加水分解する。RNAを当該技術分野で既知の方法により市販のナイロンまたはニトロセルロース膜(例えば、Hybond−N膜、Amersham, Arlington Heights, IL)に転写する(上述のAusubel等、上述のSambrook等)。転写およびUVクロスリンキング(UV cross linking)後に、膜をハイブリダイゼーション溶液中(例えば、50%ホルムアミド/2.5%デンハルト/変性サケ***DNA100〜200mg/0.1%SDS/5×SSPE中)で32P標識Reg1αcDNAプローブと65℃で一晩ハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション条件は、上述のAusubel等および上述のSambrook等に記載されるように必要に応じて変更させることができる。ハイブリダイゼーション後、膜を2×SSC/0.1%SDS中で室温にて、1×SSC/0.1%SDSで42℃にて、0.2×SSC/0.1%SDS中で65℃にて洗浄し、増感スクリーンとともに−80℃で一晩フィルムに暴露させた。洗浄緩衝液の緊縮性もまた、バックグラウンドシグナルの量に応じて変更させることができる(上述のAusubel等)。続いて、フィルムを展開して、RNAへハイブリダイズした放射標識プローブに相当するバンド強度を、当業者に既知の方法を用いて、例えばフィルムをデジタル化して、NIH Image(NIH, Bethesda, MD)のようなコンピュータソフトウェアプログラムを用いてバンド強度を解析することにより定量化する。
あるいは、Reg1αmRNAは、Reg1α配列に特異的にハイブリダイズすることが可能であるオリゴヌクレオチドプライマーを用いたリアルタイム増幅により患者試料において検出され得る。例えば、リアルタイムPCRおよびTaqMan(商標)プローブを用いて、患者試料におけるReg1αmRNAの存在を検出および定量化してもよい。リアルタイムPCRの技法は当該技術分野で既知である(例えば、米国特許第5,691,146号、同第5,779,977号、同第5,866,336号および同第5,914,230号を参照)。Reg1α配列の増幅に有用なプライマーを設計する方法は当該技術分野で既知である(例えば、上述のAusubel等を参照)。
患者の血清試料から得られるmRNAから逆転写したcDNA試料を用いて、ABI 7700配列検出システム(Applied Biosystems, Foster City, CA)によりPCR産物を生成してもよい。続いて、Reg1αmRNAレベルが上昇するかどうかを確定するために、患者試料におけるReg1αの発現レベルの測定がなされてもよく、したがって患者における結腸直腸癌の検出手段を提供する。
実施例4:他の患者試料におけるReg1αの検出
本発明の一実施形態では、結腸直腸癌は、血清試料ではない臨床患者試料のReg1αの発現を検出することにより患者において検出され得る。例えば、循環細胞試料は、血液、糞便または他の身体液のような試料を収集することにより患者から得られ得る。続いて、例えば試料を適切な溶解緩衝液(例えば、30mMトリス−Cl、pH7.4、100mM NaCl、5mM EDTA、1%(w/v)SDS、および100μg/mlプロテイナーゼKを含有する緩衝液(核酸の単離用))で処理することにより、試料を処理して、その中に存在する細胞を溶解する。続いて、得られた試料を、上述および上述のAusubel等に記載されるように試料から総RNAを単離することによりReg1α発現に関して分析するか、あるいは試料をウェスタンブロットにより分析用のポリアクリルアミドゲル上で分離し得るか、または実施例2で上述するようにELISAベースのアッセイで利用され得る。
実施例5.患者の血清試料におけるTIMP1の検出
本発明は、患者試料、好ましくは血漿試料におけるTIMP1ポリペプチドのレベルを測定することにより、患者における結腸直腸癌の検出およびモニタリングを提供する。TIMP1発現は、35人の健常個体におけるTIMP1の発現レベルに対する結腸直腸癌を有すると診断された患者からの63個の試料で確定された。結果は、1つまたは複数の他の結腸直腸癌関連マーカーに加えて、TIMP1が正常試料に対して結腸直腸癌試料において過剰発現されることを実証し、したがって、TIMP1が患者における結腸直腸癌の検出用の貴重なマーカーであることを示す(図3)。
TIMP1ポリペプチド発現レベルを評価するために、結腸直腸癌を有する患者からの63個の前処理血漿試料、および健常ドナーからの35個の試料を、市販のELISA(オステオポンチン)、ADVIA Centaurイムノアッセイ(CEAおよびフェリチン)、または社内で開発したELISA(TIMP1)のいずれかで試験した。この研究に使用した患者はすべて、診察、血液分析、イメージングまたは内視鏡を含む従来の診断手段を用いて有資格医師によりめいめいの医療機関で診断された。いったん特定されれば、患者はIRB認証プロトコルによりインフォームドコンセントを提供した。各患者における結腸直腸癌の程度はデュークス病期分類スキームを用いて確定した。続いて、血清および血漿試料を当業者に既知の方法を用いて各患者から収集した。
適切なカットオフ値での特異性を、正常試料を評価することにより各マーカー(例えば、TIMP1、オステオポンチン、CEAおよびフェリチン)に関して確定した。例えば、任意の既定のマーカーに関する100%特異性カットオフは、最高の正常試料のマーカー値に等しい。カットオフとしてこれらの値を使用して、63個の癌試料における各マーカーのレベルを、それら各々のカットオフ値と比較した。癌試料におけるレベルが確定したカットオフ値よりも高い場合、試料は「陽性」であると考えられ、斜線付きボックスで表される(図3)。この同じプロセスを97%特異性で繰り返した(2番目に高い正常を用いて、例えば35個の試料のうち34個がこの値に等しいか、またはそれ以下であった)。全パネルに関する全体の特異性レベルは、パネルにおける各マーカーの特異性を乗じることにより算出される(例えば、97%×97%×97%×97%=パネルに関する89%特異性)。マーカーは、癌試料におけるそれらの過剰発現の頻度に従って、図3に示すグラフ上に配列させた(TIMP1は癌患者の最高数で過剰発現され、したがって第1に列挙される)。TIMP1の感度に最大を付加するマーカーは第2に位置づけられる。例えば、57%感度/100%特異性のグラフは、TIMP1が63個の結腸直腸癌患者の血漿試料のうちの19個で上昇し、したがってグラフ上で第1に列挙されることを示す。オステオポンチンに関して試料を評価することにより、7個のさらなる陽性患者試料が得られ、したがって、オステオポンチンはグラフ上で第2に列挙される。
パネルの感度は、少なくとも1つのマーカーに関して陽性である試料の累積数を癌試料の総数(63)で除算することにより確定された。
他の実施形態
他の実施形態は当業者に明白である。上記に詳述した説明は単に明瞭性のために提供されるものであり、単なる例示である。本発明の精神(spirit)および範囲は上記実施例に限定されず、特許請求の範囲により包含される。
正常な対照患者(n=35)、炎症性腸疾患を有すると診断された患者(IBD、n=7)、肝硬変を有すると診断された患者(n=7)、および結腸直腸癌を有すると診断された患者(n=63)から得られた血漿中に存在するReg1αポリペプチドのレベルを示す。 癌の重症度に基づいて識別された結腸直腸癌患者群(n=63)で測定したReg1αポリペプチドのレベルを示す。癌の度合いはデュークス分類により確立されたものであり、デュークスA、B、CおよびDの患者からのデータを示す。 結腸直腸癌を有する患者から得られた1つまたは複数の他の結腸直腸癌関連マーカーと一緒に表したTIMP1ポリペプチドの血漿レベルのグラフ表示を示す。

Claims (28)

  1. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)前記個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるTIMP1の存在を検出することであって、前記試料におけるTIMP1の存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  2. 前記検出工程は、
    (a)前記血清試料を、TIMP1に結合することが可能であるポリペプチドリガンドと、前記ポリペプチドリガンドがTIMP1に結合することが可能な条件下で接触させること、
    (b)前記ポリペプチドリガンドのTIMP1への結合を検出することであって、結合の検出が前記試料におけるTIMP1の存在を示していること
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリペプチドリガンドが抗体である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリペプチドリガンドが検出可能な標識を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記個体がヒトである、請求項1に記載の方法。
  6. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)前記患者から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるTIMP1および少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーの存在を検出することであって、TIMP1および前記少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーの存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  7. 前記結腸癌特異的マーカーが、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子、CA19−9、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDu−PAN1−5からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記検出工程は、
    (a)前記血清試料を、TIMP1に結合することが可能である第1のポリペプチドリガンドおよび前記結腸癌特異的マーカーに結合することが可能である第2のポリペプチドリガンドと、前記第1および第2のポリペプチドリガンドがそれぞれTIMP1および前記結腸癌特異的マーカーに結合することが可能な条件下で接触させること、
    (b)前記第1のポリペプチドリガンドのTIMP1への結合および前記第2のポリペプチドリガンドの前記結腸癌特異的マーカーへの結合を検出することであって、結合の検出が前記試料におけるTIMP1および前記結腸癌特異的マーカーの存在を示していること
    を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1および第2のポリペプチドリガンドがそれぞれ抗体である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1および第2のポリペプチドリガンドが検出可能な標識を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記個体がヒトである、請求項6に記載の方法。
  12. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるTIMP1をコードする核酸分子の存在を検出することであって、前記試料における前記核酸分子のTIMP1の存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  13. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるTIMP1をコードする核酸分子および少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーをコードする少なくとも1つの他の核酸分子の存在を検出することであって、TIMP1をコードする前記核酸配列および前記少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーをコードする前記核酸配列の存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  14. 前記結腸癌特異的マーカーが、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子、CA19−9、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDu−PAN1−5からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)前記個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるReg1αの存在を検出することであって、前記試料におけるReg1αの存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  16. 前記検出工程は、
    (a)前記血清試料を、Reg1αに結合することが可能であるポリペプチドリガンドと、前記ポリペプチドリガンドがReg1αに結合することが可能な条件下で接触させること
    (b)前記ポリペプチドリガンドのReg1αへの結合を検出することであって、結合の検出が前記試料におけるReg1αの存在を示していること
    を含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記ポリペプチドリガンドが抗体である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ポリペプチドリガンドが検出可能な標識を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記個体がヒトである、請求項15に記載の方法。
  20. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)前記患者から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるReg1αおよび少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーの存在を検出することであって、Reg1αおよび前記少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーの存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  21. 前記結腸癌特異的マーカーが、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子、CA19−9、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDu−PAN1−5からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記検出工程は、
    (a)前記血清試料を、Reg1αに結合することが可能である第1のポリペプチドリガンドおよび前記結腸癌特異的マーカーに結合することが可能である第2のポリペプチドリガンドと、前記第1および第2のポリペプチドリガンドがそれぞれReg1αおよび前記結腸癌特異的マーカーに結合することが可能な条件下で接触させること、
    (b)前記第1のポリペプチドリガンドのReg1αへの結合および前記第2のポリペプチドリガンドの前記結腸癌特異的マーカーへの結合を検出することであって、結合の検出が前記試料におけるReg1αおよび前記結腸癌特異的マーカーの存在を示していること
    を含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記第1および第2のポリペプチドリガンドがそれぞれ抗体である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1および第2のポリペプチドリガンドが検出可能な標識を含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記個体がヒトである、請求項20に記載の方法。
  26. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるReg1αをコードする核酸分子の存在を検出することであって、前記試料における前記核酸分子のReg1αの存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  27. 個体における結腸癌を診断する方法であって、
    (a)個体から血清試料を得ること、
    (b)前記試料におけるReg1αをコードする核酸分子および少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーをコードする少なくとも1つの他の核酸分子の存在を検出することであって、Reg1αをコードする前記核酸配列および前記少なくとも1つの他の結腸癌特異的マーカーをコードする前記核酸配列の存在が前記個体における結腸癌を示していること
    を含む方法。
  28. 前記結腸癌特異的マーカーが、配列番号1、3、5〜71の核酸分子、配列番号2、4、72〜138のポリペプチド分子、CA19−9、CA72−4、TF、sTn、Tn、CA50、CA549、CA242、LASA、およびDu−PAN1−5からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
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