JP2004189894A - 金属用研磨組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体基板上の金属膜を平坦化する工程において、低荷重条件下においても金属膜を高速に研磨し、かつスクラッチ、ディッシング等研磨面の欠陥の発生も抑制できる金属用研磨組成物およびそれを用いてなる半導体基板上の金属膜の平坦化方法ならびに半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオキソ酸および/またはその塩、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および水から成ることを特徴とする金属研磨用組成物およびそれを用いてなる半導体基板上の金属膜の平坦化方法ならびに半導体基板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上に形成された金属膜の研磨に用いられる研磨組成物、およびそれを用いてなる半導体基板上の金属膜の研磨方法、ならびに半導体基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI技術の急速な進展により、集積回路は益々微細化や多層配線化の傾向にある。集積回路における多層配線化は、半導体表面の凹凸が極めて大きくなる要因であり、これが集積回路の微細化とも相まって断線や電気容量の低下、エレクトロマイグレーションの発生などをもたらし、歩留まりの低下や信頼性上の問題をきたす原因となっている。
このため、これまでに多層配線基板における金属配線や層間絶縁膜を平坦化する種々の加工技術が開発されてきており、その一つにCMP(Chemical Mechanical Polishing :化学機械的研磨)技術がある。CMP技術は、半導体製造において層間絶縁膜の平坦化、埋め込み配線形成、プラグ形成等に必要となる技術である。
CMPは、キャリヤーに装着された通常半導体材料からなる平坦なウェハーを、湿った研磨パッドに対し一定の圧力で押し付けながらキャリヤーおよび研磨パッド各々を回転することにより行われる。この時ウェハーと研磨パッドの間に導入される研磨組成物により、配線や絶縁膜の凸部が研磨され平坦化がなされる。
【0003】
従来、半導体基板の金属膜の研磨には種々の研磨組成物や研磨方法の提案がなされている。土肥俊郎ら著「半導体平坦化CMP技術」(1998年7月、工業調査会発行)235頁に示されているように、金属のCMPでは研磨用組成物中の酸化剤により金属の表面を酸化し不動態化し、pHを酸性にするなどしてわずかに金属が腐蝕する(エッチング)条件下で研磨パッドと砥粒で研磨が行われる。例えば半導体基板上に形成されたアルミニウム等金属膜の研磨組成物としては、酸化アルミニウムをpH3以下の硝酸水溶液中に分散してなる研磨組成物(米国特許第4, 702, 792号明細書)、酸化アルミニウムや酸化ケイ素を硫酸、硝酸、酢酸等の酸性水溶液と混合してなる研磨組成物(米国特許第4, 944, 836号明細書)がある。また、酸化アルミニウムを過酸化水素とリン酸水溶液中に分散した研磨組成物(米国特許第5, 209, 816号明細書)など、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素等の砥粒と、過酸化水素等の酸化剤よりなる研磨組成物が通常使用されている。しかしながら、半導体基板上の金属膜の平坦化に酸化アルミニウムを用いた場合、α型では高い研磨速度を示す反面、金属膜や絶縁膜の表面にマイクロスクラッチやオレンジピール等の欠陥を発生させることがあった。一方、γ型や非晶質アルミナまたは酸化ケイ素等の砥粒を用いた場合、金属膜や絶縁膜の表面のマイクロスクラッチやオレンジピール等の欠陥発生を抑えることができるが、金属膜の研磨に際して十分な研磨速度が得られないという問題があった。このように、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの金属酸化物から成る砥粒を水溶液中に分散した研磨組成物は、砥粒自体の分散性不良に起因した表面スクラッチの問題があった。また、この他にも前述のように液状酸化剤である過酸化水素を用いた場合や、過硫酸アンモニウム等の金属エッチャントを用いた場合(特開平6-313164号公報)、ウェットエッチングが過度に進むことによりディッシング(図1(D)の金属膜4の中央部が周辺部より過剰に研磨される現象)やピット、ボイド等の欠陥が発生するなど実用化に際し問題があった。
【0004】
これを改良する目的で、研磨組成物中に金属膜表面に保護膜を形成する化学試薬(防食剤、キレート剤等)を添加する方法も提案されている(特開平8-83780号公報、特開平11-195628号公報)。しかしながらこのようなキレート剤を用いると、確かにエッチングが抑制されディッシング等の発生を防止することができるが、研磨すべき部位にも保護膜が形成されるため研磨速度が極端に低下するという問題が生じる。これを防ぐためエッチング剤やキレート剤の使用量の適正化を図る試みがなされているが、両者の性能を満足する条件を見出すことは難しく、プロセス条件の影響も受けやすいため再現性のある結果が得られないという問題がある。また、200nm/分.以上という高い研磨速度を得るために200g/cm以上の高い研磨圧力で、前記保護膜を除去することも行われるが(特開2000-252242号公報)、今後主流となることが予測されているポーラス型低誘電率絶縁膜の場合、その膜強度に問題がある為、基板に過大なストレスがかかると絶縁膜の破壊が起こる。また、研磨圧力を高めパッドによる機械的研磨を行うと、研磨時のパッド表面の影響をさらに受け易くなるため、これまで行っていたドレッシングによるパッド表面状態の管理が難しくなり、プロセス管理上大きな問題となる。さらには、高価なパッドの消耗が早くなりコストがかさむといった問題も発生する。
【0005】
ところで、ポリオキソ酸とりわけヘテロポリ酸は、日本化学会編「ポリ酸の化学」(1993年8 月、学会出版センター発行)にも記載のように、強い酸性と酸化作用を有するものであり、これを金属の不動態化処理やエッチングに用いることは特表平9-505111号公報等に記載されている。実際ヘテロポリ酸を半導体表面のエッチング剤として適用した例(Applied SurfaceScience vol.135、No.1/4、pp65-70(1998.10.8))や、ポリオキソ酸もしくはその塩を研磨用エッチング剤として用いる試みもなされている(特開2000-119639号公報)。特に後者においては、ポリオキソ酸もしくはその塩のみを研磨用エッチング剤として用いる場合(第1研磨組成物)および、これにさらに研磨材として公知の砥粒を含有させる場合(第2研磨組成物)の二つの使用方法について記載されている。第1研磨組成物の場合、ヘテロポリ酸を単独で金属膜研磨用のエッチング剤として使用すると、ヘテロポリ酸は水に可溶であるため液状酸化剤として作用することから、前述の如く研磨速度とディッシング性能の両方を満足することはできない。すなわち、研磨速度を上げるためにヘテロポリ酸の濃度を高めると、同時にエッチングも進行しディッシングの発生が起こる。一方、上記ヘテロポリ酸にアンモニア等の塩基性物質を作用させヘテロポリ酸塩として使用すると、エッチングは抑制されるが、同時に研磨速度も低下してしまう。そのため、研磨速度を高める目的で、この種の第1研磨組成物に研磨材を含有させ第2研磨組成物とすることが提案されているが、これは研磨材を使用することにより機械的研磨を行おうとするものであり、研磨速度を高めるためには高い研磨荷重が必要となる。従って、低荷重で高い研磨速度を得ようとする本目的に合致するものではない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4,702,792号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,944,836号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,209,816号明細書
【特許文献4】
特開平8-83780号公報
【特許文献5】
特開平11-195628号公報
【特許文献6】
特開2000-252242号公報
【特許文献7】
特表平9-505111号公報
【特許文献8】
特開2000-119639号公報
【非特許文献1】
土肥俊郎ら著、「半導体平坦化CMP技術」、初版、工業調査会発行、1998年7月15日、235頁
【非特許文献2】
日本化学会編、「ポリ酸の化学」、初版、学会出版センター、1993年8 月25日、86〜87頁、112〜123頁
【非特許文献3】
A.Rothschild、C.Debiemme−Chouvy、A.Etcheberry著、「Study of the interaction at rest potential between silicotungstic heteropolyanion solution and GaAssurface」Applied SurfaceScience、1998年10月8日、vol.135、No.1/4、pp65-70
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低荷重下においても半導体基板上の金属膜を高速に研磨でき、かつディッシングの原因となるエッチング性も低いレベルに制御され、同時にスクラッチやエロージョン(図1(D)の金属膜4の周辺の絶縁膜2が研磨される現象)等の被研磨面の欠陥発生も抑制することのできる半導体基板上に形成された金属膜の研磨に用いられる研磨組成物、およびそれを用いてなる半導体基板上の金属膜の研磨方法、ならびに半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオキソ酸、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および水を含有して成る研磨組成物が、従来困難であったエッチング、ディッシングの抑制と低荷重における高研磨速度の両立を可能とし、基板上の金属膜の研磨において有効であることを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
1) ポリオキソ酸および/またはその塩、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および水を含有してなることを特徴とする金属用研磨組成物。
2) ポリオキソ酸および/またはその塩と非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤とから成る複合体粒子を含むことを特徴とする1)の発明の金属研磨組成物。
3) ポリオキソ酸および/またはその塩が、ヘテロポリ酸および/またはその塩である1)または2)の発明の金属用研磨組成物。
4) 非イオン性界面活性剤がHLBの異なる2種以上を併用することを特徴とする1)〜3)のいずれかの発明の金属用研磨組成物。
5) 1)〜4)のいずれかの発明の金属用研磨組成物を用いることを特徴とする半導体基板上の金属膜の研磨方法。
6) 1)〜4)のいずれかの発明の金属用研磨組成物を用いることを特徴とする半導体基板の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に具体的に説明する。
本発明において低荷重とは概ね15KPa以下を意味し、高速研磨とは概ね300nm/分以上の研磨速度を意味する。
本発明の金属用研磨組成物は、ポリオキソ酸および/またはその塩、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および水を含有して成る。本件発明の研磨組成物は、後述する通り本件発明の効果を阻害しない範囲で、あるいは目的に応じて、通常用いられている添加剤等のその他の成分を含むが、基本的に上記3成分のみでも本発明の目的を達成できることが特徴である。
【0011】
本発明で用いられるポリオキソ酸は、Mo、V、W、Ti、Nb、Ta等の元素から成る酸素酸が縮合したものであり、イソポリ酸とヘテロポリ酸がこれに当たる。イソポリ酸は前記ポリオキソ酸の構成元素のうち、単一の元素からなる縮合酸素酸のことであり、ポリモリブデン酸、ポリバナジン酸、ポリタングステン酸、ポリチタン酸、ポリニオブ酸、ポリタンタル酸等が挙げられる。これらのうち金属研磨を目的とした本発明の場合、金属をエッチング(酸化、溶解)させる能力の観点からポリモリブデン酸、ポリバナジン酸、ポリタングステン酸が好ましい。
【0012】
ヘテロポリ酸は、前記イソポリ酸にヘテロ元素を中心元素として組み込むことによって得られるものであり、その構成は縮合配位元素、中心元素および酸素から成る。ここで縮合配位元素とは、前記ポリオキソ酸の構成元素を意味し、このうちMo、W及びVからなる群より選ばれた少なくとも1 種を含むものが好ましい例として挙げられ、その他Nb、Ta等の元素を含んでも良い。また、ヘテロポリ酸の中心元素はP、Si、As、Ge、Ti、Ce、Mn、Ni、Te、I、Co、Cr、Fe、Ga、B、V、Pt、BeおよびZnからなる群より選ばれた1種であり縮合配位元素と中心元素の原子比(縮合配位元素/中心元素)は2.5〜12である。
【0013】
前述したヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイバナドモリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸、リンバナドタングストモリブデン酸、ケイバナドタングストモリブデン酸、リンバナドタングステン酸、ケイバナドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、ホウモリブデン酸、ホウタングストモリブデン酸、ホウバナドモリブデン酸、ホウバナドタングステン酸、コバルトモリブデン酸、コバルトバナドタングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンバナジン酸、ケイバナジン酸等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。前記ポリオキソ酸のうち、研磨用途として金属をエッチングするに足る十分な酸強度、酸化力の観点からヘテロポリ酸が好ましく、好適にはリンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、および更にこれらにバナジウムを導入したリンバナドモリブデン酸、ケイバナドモリブデン酸等を挙げることができる。ポリオキソ酸は、上記を単独でまたはそれらを混合して用いてもよい。また、得られる研磨組成物の酸性度を調整し研磨性能を制御する目的で、これらのポリオキソ酸に塩基性物質を添加しポリオキソ酸塩として使用することも可能である。ポリオキソ酸塩は、上記ポリオキソ酸と金属、アンモニウム、有機アミン類との塩が挙げられる。
【0014】
本発明の研磨用組成物中のポリオキソ酸および/またはその塩の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜30質量%の範囲で使用され、さらに好ましくは0.5〜15質量%の範囲である。0.1質量%以上で十分な研磨速度が発現し、また30質量%以下で研磨性能が良い。
本発明で用いられる非イオン性界面活性剤は、前記ポリオキソ酸と組み合わせて使用することにより、低荷重においても高い研磨速度を維持したままエッチングの進行を抑制し、ディッシングの発生を制御することが可能となる。驚くべきことにこの効果は、HLBが5〜12の範囲にある非イオン性界面活性剤を用いた場合において顕著に見られるので好ましい。
【0015】
このような非イオン性界面活性剤としては、例えば「新・界面活性剤入門 藤本武彦著 昭和60年11月1日発行 三洋化成工業株式会社」の92頁 第2・5・1表に記載のあるポリエチレングリコール型および多価アルコール型の非イオン性界面活性剤であれば適用が可能である。前記ポリエチレングリコール型の非イオン性界面活性剤としては、例えば各種疎水性基にエチレンオキサイドを付加させ親水性基を導入したものであり、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。一方、多価アルコール型の非イオン性界面活性剤は、親水性の多価アルコールに疎水性の脂肪酸をエステルあるいはアミド基を介して結合させたもので、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0016】
これらの非イオン性界面活性剤のうち本発明に用いられるものとしては、好ましくはHLBが5〜12の範囲のものであるが、HLBが5以上で形成される研磨粒子の疎水性が適切で有り、分散性が良好であり、粒子の沈降や層分離等の問題がない。一方、12以下で逆に親水性が適切であり、粒子の形成に有効でありエッチングの抑制効果が良い。
【0017】
本発明の非イオン性界面活性剤は、好適には前記ポリエチレングリコール型界面活性剤として分類される炭素数8〜24の高級アルコールのポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェノールのポリオキシエチレンエーテル、ポリプロピレングリコールのポリオキシエチレンエーテル(プルロニック型)が挙げられるが、中でも特に炭素数8〜24の高級アルコールのポリオキシエチレンエーテルが好ましい。また、炭素数8〜24の前記高級アルコールのポリオキシエチレンエーテルには、オレイル基のように分子中に炭素-炭素二重結合を含む不飽和型のものと、全く含まない飽和型のものがあるが、飽和基は酸化による変質を受け難く経時の性能劣化が起こらないことから、飽和型高級アルコールのポリオキシエチレンエーテルが好ましい。このようなものとしては、例えばポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル(合成アルコール中の炭素数12〜15)等が挙げられる。
【0018】
これらの非イオン性界面活性剤は1種類のみを用いても良いが、HLBが互いに異なる2種類以上を併用することで、本発明の研磨組成物が有する優れた性能、すなわち生成する研磨粒子の高分散性および低エッチング性、ならびに低荷重での高速研磨性等を容易に発現することが可能となる。さらにHLBが互いに異なる2種類以上の非イオン性界面活性剤を併用する場合、事前にそれぞれを混合した後、もしくはそれぞれを同時にポリオキソ酸(その塩)と混合することも可能であるが、好ましくはまずHLBの高い方を先にポリオキソ酸(その塩)と混合した後、HLBの低い方をこれに混合して調整した方が、生成する研磨粒子の高い分散性を保ったまま低エッチング性および低荷重での高速研磨性を発現させる上で有利である。
【0019】
本発明の研磨組成物に用いられる非イオン性界面活性剤の含有量は、その種類や使用するポリオキソ酸(その塩)の種類や量によっても異なるが、好ましくは0.1〜50質量%の範囲で使用され、より好ましくは0.5〜25質量%の範囲である。0.1質量%以上で十分なエンチング抑制効果が発現し、ディッシング発生を制御できる。また、50質量%以下で粘度の上昇等の問題がなく、取り扱いが容易である。
【0020】
本発明の組成物にアニオン性界面活性剤を含有させることにより、組成物の研磨性能(研磨速度やディッシングの抑制など)を安定に保つことが可能となり、組成物の保存安定性を大きく改善することができる。ポリオキソ酸(その塩)の水溶液に、前述の非イオン性界面活性剤を添加することなしにアニオン性界面活性剤を添加しても、後述の複合体(微粒子)を形成することはなく、前述のエッチング抑制効果はない。さらに、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤を混合して添加してもエッチング抑制効果はかなり低い。即ち、非イオン性界面活性剤を添加した後にアニオン性界面活性剤を加えることによって後述の複合体(微粒子)形成によるエッチング抑制効果を発現するとともに、該研磨組成物の保存安定性を大幅に改善する効果があることを見出した。さらに、後述のようにアニオン性界面活性剤の添加量が多すぎる場合にはエッチング抑制効果を低減させることも見出した。
【0021】
本発明に用いられるアニオン性界面活性剤としては特に制限はないが、脂肪酸またはその塩、アルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、アルキルスルホコハク酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸またはその塩、p−スチレンスルホン酸またはその塩、アルキルナフタレンスルホン酸またはその塩、ナフタレンスルホン酸またはその塩、ナフテン酸またはその塩等、アルキルエーテルカルボン酸またはその塩、α−オレフィンスルホン酸またはその塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸またはその塩、アルキルエーテル燐酸エステルまたはその塩、アルキル燐酸エステルまたはその塩、アシル化ペプチド、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、モノグリサルフェート、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。本発明においては、炭素-炭素二重結合(ベンゼン環を除く)を全く含まない飽和型のものが酸化による変質を受け難く経時の性能劣化が起こらないことから好ましく、アルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、アルキルスルホコハク酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸またはその塩が好ましく用いられる。さらに好ましくはアルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸が用いられる。
【0022】
本発明においては、前記アニオン性界面活性剤を1種単独で使用することもできるし、また その2種以上を併用することもできる。
本発明の研磨組成物に用いられるアニオン性界面活性剤の含有量は、その種類や使用するポリオキソ酸(その塩)および非イオン性界面活性剤の種類や量によっても異なるが、好ましくは0.1〜50質量%の範囲で使用され、より好ましくは0.3〜20質量%の範囲である。0.1質量%以上で十分な組成物の安定化効果が発現し、また50質量%以下でディッシング小さく、あるいは粘度の上昇が生じるなどの不都合がない。
【0023】
本発明の研磨組成物は、通常、水を媒体に用いる。ポリオキソ酸(その塩)、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の溶解もしくは分散は、通常攪拌により行なわれるが、ホモジナイザー、超音波、湿式媒体ミル等を用いて十分に分散する方法が好ましく用いられる。
こうして調整された研磨組成物は、ポリオキソ酸(その塩)と非イオン性界面活性剤との相互作用により、ポリオキソ酸(その塩)が非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の形成するミセル中に取り込まれたような構造の複合体(微粒子)となって水中に高分散状態で存在するものが好ましい。ここでいう複合体は、基本的には、後述する通り湿式粒度分析計による粒度の測定や、透過型電子顕微鏡による上記構造の観察が可能であり、湿式粒度分析計により測定される数平均粒子径が約10nm〜1μmであるものが好ましい。ここで、数平均粒子径が約10nmより小さいかさらに粒度の測定ができないほど微細かつ高分散状態で存在するものも本発明の範囲に含まれるが、このようなものは、一般に得られる組成物の粘度が高く、研磨時の作業性等の点を考慮すると、上述のように粒度の測定および構造の観察が可能である複合体粒子が好ましい。
【0024】
本発明の研磨組成物において、その研磨機構の詳細は明らかではないが、ポリオキソ酸(その塩)、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤の相互作用により形成される微粒子が化学的研磨作用を発現する研磨粒子として働き、低エッチング性を保ち、ディッシング発生を抑制しながら、低荷重でも高い研磨速度を発現することができるものと考えられる。従ってこの研磨粒子は、従来機械的研磨を目的に用いられる砥粒とは本質的に性格を異にするものであり、従来機械研磨由来の問題点であった、凝集粒子によるスクラッチや研磨時の荷重による下地基板へのダメージ等が解消される。
【0025】
本発明の研磨組成物は、ディッシングの原因となる金属膜のエッチング性は極めて低いものであるため、通常保護膜形成剤を併用する必要はないが、実質研磨レートを低下させない範囲内で必要に応じて、金属膜とキレートまたは錯体を形成する化合物を添加し、更にエッチング性を抑制することも可能である。特に金属が銅もしくは銅を主成分とする銅合金の場合、ベンゾトリアゾールやキナルジン酸をキレート剤として添加する方法が効果的である。防食剤としてはこの他にも、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾールカルボン酸等のベンゾトリアゾール誘導体やシスチン、ハロ酢酸、グルコース、ドデシルメルカプタン等を挙げることができる。これらの防食剤の添加量は、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下と従来の研磨材に用いられてきた量に比べ極めて少量で十分である。逆にこの添加量が多いと、研磨レートが低下し目的の研磨性能が得られなくなり好ましくない。
【0026】
本発明の研磨用組成物には、更に金属膜の研磨速度を向上させる目的で、過度のエッチングを引き起こさない範囲内で公知の酸化剤を含有しても良い。含有させる酸化剤としては、公知の酸化剤、例えば過酸化水素等の過酸化物、過塩素酸、過塩素酸塩、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過硫酸、過硫酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。
本発明における研磨用組成物には必要に応じて酸を含有してもよく、用いる酸の種類や得られる研磨組成物のpHによって金属膜の研磨性能を制御することができる。含有される酸としては公知の無機酸、例えば硫酸、リン酸、硝酸等、または公知の有機酸、例えばシュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸等が挙げられる。
【0027】
本発明の研磨用組成物には、必要に応じてメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等の水溶性アルコールを添加することもできる。
このようにして調製された本発明の研磨用組成物は、半導体基板上に形成された金属膜の研磨、平坦化に適用される。研磨対象となる半導体基板上の金属膜は、公知の配線用、プラグ用、コンタクトメタル層用、バリヤーメタル層用金属膜であり、例えばアルミニウム、銅、タングステン、チタニウム、タンタル、アルミニウム合金、銅合金、窒化チタニウム、窒化タンタル等からなる群より選ばれる金属膜等が挙げられる。特に表面硬度が低く、傷やディシングといった欠陥が生じ易い銅および銅合金からなる金属膜への適用が推奨される。
【0028】
図1(C)に示すように、配線用の金属膜4を埋め込むことにより得られた半導体基板について、図1(D)に示すように溝または開口部以外の余分な金属膜を、ポリオキソ酸(その塩)、非イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする研磨組成物を用いて研磨することにより取り除き平坦化する。
本発明の半導体基板の製造方法は、シリコン基板等の半導体基板上の金属膜をポリオキソ酸(その塩)、非イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする金属用研磨組成物を用いて研磨するプロセスから成ることを特徴とする。以下、半導基板の製造方法について説明する。
【0029】
初めに、図1(A)のようにシリコン基板等の半導体基板上1に絶縁膜2を形成した後に、フォトリソグラフィー法およびエッチング法で絶縁膜2に金属配線用の溝、あるいは接続配線用の開口部を形成する。次に図1(B)に示すように、絶縁膜2に形成した溝あるいは開口部にスパッタリングやCVD等の方法により窒化チタニウム(TiN)、窒化タンタル(TaN)等よりなるバリヤーメタル層3を形成する。次に図1(C)に示すように、厚みが絶縁膜2に形成した溝または開口部の高さ以上となるように配線用の金属膜4を埋め込む。次に図1(D)に示すように、溝または開口部以外の余分な金属膜をポリオキソ酸、非イオン性界面活性剤およびアニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする金属用研磨組成物を用いて研磨する方法により取り除く。さらに、上記の方法を必要回数繰り返すことにより、電子部品として多層配線構造を有する半導体基板を得ることができる。なお、このように半導体基板の製造に際し半導体基板上の金属膜の研磨には、上述した金属用研磨組成物または金属膜の平坦化方法を適用すれば良い。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、研磨組成物の特性および研磨性能の評価は以下の方法で行った。
<粒子径測定>
(1)微細(5μm未満)粒子:湿式粒度分析計 日機装社製 マイクロトラックUPA-9230)を用いて測定した。
(2)粗大(5μm以上)粒子:湿式粒度分析計 堀場製作所 LA-700を用いて測定した。
なお、これ以降で示される平均粒子径は、数平均による粒子径を意味する。
【0031】
<研磨レート測定>
研磨前後の各膜厚の変化を研磨時間で除することにより算出した。
研磨条件は、研磨圧力50g/cm、基板と研磨パッドとの相対速度が50m/分、研磨パッドとしてIC1400A21(ロデ-ルニッタ社製)を100番のドレッサーにてドレッシングして用い、該研磨パッドに金属用研磨組成物を滴下しつつ、銅膜(厚み:1μm)付きシリコンウェハーを研磨して行った。
<表面欠陥(スクラッチ)評価>
上記<研磨レート測定>で研磨したシリコンウェハーを洗浄し乾燥した後、該半導体ウェハー表面に暗室にてスポットライトを当て、目視でスクラッチの有無を判定した。
【0032】
<エッチング速度測定によるディッシング性評価>
ディッシング発生の原因である、ウェットエッチング性を評価することにより、ディッシング特性の代替評価とした。すなわち、ディッシングとは研磨組成物の持つ過度の化学作用(ウェットエッチング)が原因で金属膜が侵食されることにより発生するものであることから、ディッシングの主たる原因である研磨組成物のエッチング速度をここで評価することは、結果としてディッシング特性を評価することになる。
【0033】
具体的には、銅膜(厚み:1μm)付きシリコンウェハーを一定時間研磨組成物中に浸漬揺動し、浸漬前後の膜厚変化を測定し、それを浸漬時間で除することでエッチング速度を求め、ディッシング特性を下記基準(◎〜×)により評価した。エッチング速度が遅いほど、ウェットエッチング性が弱くディッシングが起こりにくい。
◎:エッチング速度3nm/分未満
○:エッチング速度3〜10nm/分
△:エッチング速度10〜50nm/分
×:エッチング速度50nm/分超
【0034】
<研磨組成物の保存安定性評価>
研磨組成物の室温1ヶ月放置後の保存安定性評価として、以下のように判定した。
○:研磨レートおよびエッチング速度の変化率が5%未満
△:研磨レートおよびエッチング速度の変化率が5%以上20%未満
×:研磨レートおよびエッチング速度の変化率が20%以上
【0035】
[実施例1]
ポリオキソ酸としてリンバナドモリブデン酸:PVMo(商品名PVM-1-11 日本無機化学工業社製)12gを水176gに溶解させ、ホモジナイザーで攪拌下、これに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン合成アルコールエーテル:SF-1(商品名BLAUNON DAL−5、HLB=10.7、青木油脂工業社製)8gを添加した後、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)4gを添加し金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約100nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0036】
[実施例2]
非イオン性界面活性剤としてSF-1の代わりに、ポリオキシエチレンオレイルエーテル:SF-2(商品名BLAUNON EN-905、HLB=8.9、青木油脂工業社製)を用いる以外は実施例1と全く同様にして金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約80nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0037】
[実施例3]
実施例2で得られた研磨組成物に、濃度が50ppmとなるようにベンゾトリアゾール(BTA)を加えることにより防食剤の添加された金属研磨用組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は、実施例2で得られた研磨組成物同様約80nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0038】
[実施例4]
ポリオキソ酸としてケイモリブデン酸:SiMo(商品名SM 日本無機化学工業社製)を用いる以外は実施例1と全く同様にして金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約70nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0039】
[実施例5]
非イオン性界面活性剤としてSF-1の代わりに、ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル:SF-3(商品名BLAUNON OX-20、HLB=5.7、青木油脂工業社製)8gを用いる以外は、実施例1と全く同様にして、金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約200nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0040】
[実施例6]
ポリオキソ酸としてPVMoの12gを水176gに溶解させ、ホモジナイザーで攪拌下、これに非イオン性界面活性剤としてSF-1の4gを添加し、次にこれに非イオン性界面活性剤:SF-3の4gを添加した後、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)4gを添加することにより金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約30nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0041】
[実施例7]
ポリオキソ酸としてPVMoの12gを水68gに溶解させ、ホモジナイザーで攪拌下、これに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル:SF-4(商品名BLAUNON CH-305、HLB=9.4、青木油脂工業社製)8gを純水52gに混合したものを添加し、次にこれに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン2-エチルヘキシルエーテル:SF-5(商品名BLAUNON EH-2、HLB=8.1、青木油脂工業社製)3gを純水57gに混合したものを添加した後、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)3gを添加することにより金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約230nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0042】
[実施例8]
ポリオキソ酸としてPVMoの12gを水68gに溶解させ、ホモジナイザーで攪拌下、これに前記非イオン性界面活性剤:SF-4の6gを純水54gに混合したものを添加し、次にこれに非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン合成アルコールエーテル:SF-6(商品名BLAUNON OX-20、HLB=5.7、青木油脂工業社製)2gを純水58gに混合したものを添加した後、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸(和光純薬工業社製)3gを添加することにより金属用研磨組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約120nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0043】
[比較例1]
非イオン性界面活性剤SF−1を添加しない以外は実施例1と全く同様にして組成物を得た。この組成物は均一な溶液となり、粒子径の測定は不能であった。この評価結果を表1に示す。
【0044】
[比較例2]
非イオン性界面活性剤の代わりにカチオン性界面活性剤として同量のラウリルトリメチルアンモニウムクロリド:SF-7を用いる以外は実施例1と全く同様にして組成物を得た。この組成物のLA-700測定による平均粒子径は、約5μmであった。この評価結果を表1に示す。なお、この組成物は1日放置後、粒子の沈降が確認された。
【0045】
[比較例3]
ポリオキソ酸としてリンバナドモリブデン酸:PVMoの12gを水188gに溶解させた、界面活性剤を全く使用しない組成物を得た。この組成物は均一な溶液状態であり、粒子径の測定は不能であった。この評価結果を表1に示す。
【0046】
[比較例4]
アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸)を添加しない以外は実施例1と全く同様にして組成物を得た。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約300nmであった。この評価結果を表1に示す。
【0047】
[比較例5] クエン酸6gを水162gに加え溶解し、これにベンゾトリアゾール(BTA)0.4gをエタノール3gに溶解して得られる溶液を加え、さらにこれにコロイダルシリカ(平均粒径40nm、シリカ濃度20%、日産化学工業社製)60gを加え、最後に過酸化水素水(試薬特級、30%水溶液)28gを加えて研磨組成物を調整した。この組成物のUPA-9230測定による平均粒子径は約40nmであった。この組成物の評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004189894
【0049】
【発明の効果】
本発明の金属膜研磨用組成物によれば、従来技術では困難であった、エッチング、ディシングを抑制すると同時に低荷重下においても高速に銅膜等の金属膜を研磨することが可能となる。本発明は、半導体基板上の金属膜を研磨する上で極めて有用な性能を有する材料を見出したものであり、産業上の利用価値は甚だ大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMP技術を用いた金属配線の形成例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 絶縁膜
3 バリヤーメタル層
4 金属膜

Claims (6)

  1. ポリオキソ酸および/またはその塩、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および水を含有してなることを特徴とする金属用研磨組成物。
  2. ポリオキソ酸および/またはその塩と非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤とから成る複合体粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の金属研磨組成物。
  3. ポリオキソ酸および/またはその塩が、ヘテロポリ酸および/またはその塩である請求項1または2記載の金属用研磨組成物。
  4. 非イオン性界面活性剤がHLBの異なる2種以上を併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属用研磨組成物。
  5. 請求項1〜4記載のいずれか1項に記載の金属用研磨組成物を用いることを特徴とする半導体基板上の金属膜の研磨方法。
  6. 請求項1〜4記載のいずれか1項に記載の金属用研磨組成物を用いることを特徴とする半導体基板の製造方法。
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