JP2004189865A - Uvインキ組成物の製造方法及びその利用 - Google Patents

Uvインキ組成物の製造方法及びその利用 Download PDF

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Takuya Fujino
卓矢 藤野
Kei Oizumi
圭 大泉
Hiroyuki Tateno
宏之 舘野
Mayumi Ogura
真由美 小倉
Mitsuharu Hino
光晴 日野
Masato Yanagi
正人 柳
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Abstract

【課題】顔料の微細粒子が凝集することなく分散された、安定かつ印刷品質の良好なUVインキを得ること。
【解決手段】顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有しない分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A1)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法、または、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A2)を用いて転相処理した後、酸素分圧0.1mmHg〜152mmHgの範囲で減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法。この製造方法により得られたUVインキ組成物、並びにUVインキ。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顔料の分散性、生産性に優れたUVインキ組成物の製造方法、及び品質の優れたUVインキ組成物並びにUVインキに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、UVインキは、乾燥顔料と紫外線架橋性樹脂、UV開始剤ならびに各種添加剤を混合した後、三本ロール等の分散機を用いて分散してインキ化されるのが一般的な方法である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開昭63−86770号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
インキにおいて、顔料微細粒子は凝集することなく安定かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれている。そのために顔料が微細に分散された状態で樹脂等の分散安定剤で包含処理して、顔料同士の凝集を抑制するインキが提案されている。
【0004】
しかしながら、ウエットケーキ等の顔料の水性懸濁物を、通常の樹脂で水相から樹脂相へ転相処理する場合、流動性及び転相効率を向上させるために樹脂への溶剤添加が不可欠になり、処理後の固形分管理の必要性や揮発溶剤の作業環境への影響等の懸念が生じる。また、処理後に溶剤分を完全に揮発させた場合は、インキ化する際に溶剤への再溶解に長時間を要する等の問題があった。
【0005】
更に、溶剤単独での処理及び溶剤含有率の高い樹脂での転相処理においては、顔料が樹脂相へ転相した後に結晶成長を起こす等の問題が生じていた。また、従来の乾燥顔料を使用した方法では、その後の分散工程に大きな負荷、すなわち分散機にて長時間にわたる分散を行う必要があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、無溶剤で樹脂相に効率よく転相可能、且つ乾燥凝集を防ぐことができるUVインキ組成物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、常温で流動性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(以下、分子量200〜10000をオリゴマー領域ともいう。)を用いて顔料の水性懸濁物を処理することによって、顔料の水相から樹脂相への転相が良好で、転相後の結晶安定性が高く、且つまた乾燥後の再溶解性に優れたUVインキ組成物の製造方法を見出して本発明に至った。
【0008】
本発明の第1の発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有さない分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A1)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法である。
【0009】
第2の発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A2)を用いて転相処理した後、酸素分圧0.1mmHg〜152mmHgの範囲で減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法である。
【0010】
第3の発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有する複合樹脂(C)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法であって、常温で流動性を有する複合樹脂(C)が、分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)を、非水溶性樹脂(A1)または(A2)で溶解したものである第1または第2の発明に記載のUVインキ組成物の製造方法である。
【0011】
第4の発明は、非水溶性樹脂(A2)が紫外線架橋性を有する第2または第3の発明に記載のUVインキ組成物の製造方法である。
【0012】
第5の発明は、非水溶性樹脂(A)の分子量が200〜2000である第1〜第4の発明いずれかに記載のUVインキ組成物の製造方法である。
【0013】
第6の発明は、顔料の水性懸濁物の固形分が1重量%以上である第1〜第5の発明いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法である。
【0014】
第7の発明は、顔料の水性懸濁物中の顔料分100重量部に対し、非水溶性樹脂20〜500重量部を用いて転相処理する第1〜第6の発明いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法である。
【0015】
第8の発明は、第1〜第7の発明いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法で得られるUVインキ組成物である。
【0016】
第9の発明は、第8の発明に記載のUVインキ組成物を用いて得られるUVインキである。【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる顔料の水性懸濁物は、未精製水性懸濁液はもちろん、一旦濾過、洗浄を行ったウエットケーキ顔料等も指し、乾燥顔料に水を添加して再び水性懸濁物としたものでもよい。また、微細粒子とするために表面処理剤、界面活性剤、分散剤や顔料誘導体等が合成時に添加されていてもよい。
【0018】
顔料の水性懸濁物における顔料の濃度は、顔料の種類によっても異なるが、一般には1重量%以上、好ましくは10重量%以上である。この範囲は、顔料を処理する際に効率的に水相から樹脂相へ転相できる水分量に基づいている。
【0019】
顔料としてはトリアリルメタン系、キサンテン系等の染付けレーキ系顔料、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環系顔料等が挙げられる。
【0020】
より具体的には、染付けレーキ顔料としてピグメントイエロー(以下PYと略す)18,PY100,PY104、ピグメントオレンジ(以下POと略す)39、ピグメントレッド(以下PRと略す)PR81、PR83、PR90,PR169,PR172,PR173,PR174,PR193、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)1,PV2,PV3,PV4,PV12,PV27,PV39,ピグメントブルー(以下PBと略す)1,PB2,PB14,PB62,ピグメントグリーン(以下PGと略す)PG1,PG2,PG3,PG4、PG45、PBr3等が挙げられる。
【0021】
アゾ系顔料としてはPR53、PR50、PR49,PR57:1,PR48:1,PR52:1等の溶性アゾ顔料、PR1,PR3,PO5,PR21、PR114,PR5,PR146,PR170、PO38、PR187,PY1,PY3,PY167,PY154,PO36、PY12,PY13,PY14等の不溶性アゾ顔料、PR144,PR166,PR214,PR242,PY93,PY94,PY95等の縮合アゾ顔料等が挙げられる。
【0022】
フタロシアニン系顔料としては銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン、ファストスカイブルー等が挙げられる。縮合多環系顔料としてはPY24、PY108,PO51、PR168,PR177,PB60等のアントラキノン系顔料が挙げられる。
【0023】
本発明で用いられる、常温で流動性を有し、分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A)とは、塗料、インキ、プラスチック用着色剤、捺染、カラートナー等、目的とする用途に用いられる各種の樹脂そのもの、あるいはそれら各種の樹脂、溶剤及びその他の添加剤との相溶性を有し、得られる製品の物性を損なわないものである。
【0024】
また、これらの非水溶性樹脂(A)は架橋反応性を有していないもの(A1)と有しているもの(A2)とに大きく分けられるが、架橋反応性を有している方が好ましい。架橋反応性を有するとは、すなわち架橋性の官能基を有していることである。具体的には、イソシアネートを架橋剤として用いる場合は活性水素を有する官能基、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。また、エポキシを架橋剤として用いる場合は、カルボキシル基、アミノ基、チオール基等が挙げられる。
【0025】
この他、ラジカル架橋性を有するエチレン性不飽和二重結合が挙げられる。熱重合性の開始剤、紫外線硬化性の開始剤をそれぞれ用いて硬化させること、また、電子線を用いる場合は樹脂単独で架橋することが可能となる。
【0026】
より具体的には以下の樹脂を例示できる。
水酸基を有する樹脂としては、綜研化学社製のSKオリゴマーのUT−200(粘度:2500〜3000mPa・s(25℃)、固形分:98%以上、分子量2000)、UT−300(粘度:3000〜4000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2000)、UMB−1001(粘度:200〜400mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量850)、UMB−2005(粘度:2000〜2500mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量1100)が挙げられる。
【0027】
カルボキシル基を有する樹脂としては、綜研化学社製のSKオリゴマーのCB−300(粘度:1500〜3500mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2500)、CBB−301(粘度:18000〜21000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2600)、CBLE−301(粘度:25000〜28000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量2600)等がある。
【0028】
ラジカル架橋性を有する樹脂としては、アクリレートオリゴマーのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0029】
この他、BASF社製のアクリル系オリゴマーLaromerシリーズ、ダイセルのEbecrylシリーズ、荒川化学社製のビームセットシリーズ、東亞合成社製のアロニクスシリーズ、昭和高分子社製のリポキシシリーズ、日本化薬社製のカヤラッドシリーズ、共栄社化学社製のライトアクリレートシリーズ等の樹脂が挙げられる。
【0030】
これらの非水溶性樹脂は、紫外線架橋性を有していることが好ましい。具体的にはラジカル架橋性を有する樹脂の中で挙げた樹脂を使用することが可能であるが、より好ましくは重合架橋時の酸素阻害効果の抑制が比較的大きなものが良い。
【0031】
また、本発明において常温とは0〜40℃の温度範囲をいい、流動性を有するとは、上記温度域での粘度が10000mPa・s以下である状態を指すものとする。また、本発明において分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定法による重量平均分子量を指す。
【0032】
分子量が10000を越える場合は、顔料を水相から樹脂相へ転相する速度が非常に遅く、分子量200未満では、転相された顔料が樹脂中において結晶成長するおそれがあるので好ましくない。
【0033】
顔料を転相させるためには、非水溶性樹脂が常温で流動性を有する必要がある。例えば分子量が10000以下であってもTgが高く剛直な樹脂の場合は、長時間撹拌混合しても転相は起こらない。先に述べたように、常温で粘度が10000mPa・s以下の状態の樹脂を用いる必要があり、この範囲であれば顔料と樹脂が良好に混練できるため、水相から樹脂相への顔料の転相が良好にできる。
【0034】
また、UVインキ化されたインキ及び塗料等のバインダー樹脂に対する溶解あるいは分散の速度は、樹脂の分子量が低い方が良好である。上記の転相性、結晶成長の抑制等の効果と併せて考慮すると、非水溶性樹脂の分子量としては200〜10000である必要がある。より好ましい分子量としては200〜2000の範囲である。
【0035】
上記の、常温で流動性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A)(A1、A2を含む)に、粘度が10000mPa・sを越える、あるいは分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)を溶解させて得られた複合樹脂が常温で流動性を有する場合(C)、すなわち複合樹脂全体の粘度が10000mPa・s以下の状態である場合は、この複合樹脂を用いることも本発明においては可能である。
【0036】
上記の、常温で流動性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A)、または分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)の例としては、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、天然樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。これらは単独、または2種類以上の樹脂成分を組み合わせて使用できる。
【0037】
とりわけアクリル樹脂については、共重合組成を考慮することで任意のガラス転移点の樹脂を設計でき流動性を制御することが可能であるため、本発明には最適である。
【0038】
本発明で用いられる撹拌混合機は、顔料の水性懸濁物と非水溶性樹脂を撹拌混合可能で混練できる機械を指している。すなわち、撹拌混合装置内で水性懸濁物中の顔料が混練されて水相から樹脂中に転相することが可能であればいかなる機械を用いても何ら制限されない。具体的にはディスパー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ニーダー等の機械が挙げられる。
【0039】
本発明においては、顔料の水性懸濁物を用いてUVインキ組成物を製造するため、顔料の転相後に、減圧脱水による水分の除去工程を必要としている。
特に、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A2)を用いる場合、または分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)が架橋反応性を有する場合は、減圧脱水工程における酸素分圧条件は0.1〜152mmHgの範囲で行わなければならない。
【0040】
ここで、酸素分圧が0.1mmHgよりも小さい場合、水分の沸点は下がる一方であるため、架橋反応性を有する非水溶性樹脂が嫌気硬化等して変質を起こす可能性が生じる。また、酸素分圧が152mmHgよりも大きい場合、酸素による硬化阻害は十分である一方で、水分の沸点が上がるため、架橋反応性を有する非水溶性樹脂の熱ラジカルによる劣化が懸念される。
すなわち、転相処理の際に用いられる非水溶性樹脂が架橋反応性を有する場合は、樹脂を劣化させることなく基準以上の脱水性を確保するために適切な酸素濃度の存在下で減圧脱水させることが必要である。
【0041】
以下に本発明のUVインキ組成物の製造方法を示す。
▲1▼顔料スラリーやソルトミリング等により粉砕分散処理されたスラリー、もしくは乾燥顔料のリスラリー等の、顔料の水性懸濁物を、ニーダー等の撹拌混合機に投入する。
次に、非水溶性樹脂(A)、または(A)と(B)を添加して攪拌、混合、混練する。これにより水相中の顔料成分が樹脂相に転相(一次脱水)し、樹脂相に顔料が微細な状態で分散される。
【0042】
転相処理において、顔料の水性懸濁物中の顔料成分と、非水溶性樹脂との配合比は、顔料成分100重量部に対し樹脂20〜500重量部である。特に好ましくは樹脂50〜100重量部が好ましい。
【0043】
▲2▼転相処理後、分離した水相を排水し、減圧脱水する(二次脱水)。必要に応じて加熱して揮発分を蒸発させる。次いで3本ロールで分散し、UVインキ組成物(UVベースインキ)が得られる。
更に、これにバインダー樹脂や所定の添加剤等を加えて分散機にかけることによりUVインキが得られる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。実施例において「部」はすべて重量部、「%」はすべて重量%を示す。
[実施例1]
3,3’−ジクロロベンジジン253部を用いて常法に従いテトラゾ溶液を得た。一方、アセトアセトアニリド354部を用い常法に従ってカップラ−液を得た。このカップラ−液とテトラゾ溶液をカップリングさせ、アゾ顔料(PY12)含有率が4%である、未精製顔料の水性懸濁物を得た。
これをフィルタープレスにて濾過、水洗、脱水し、顔料含有率25%のウエットケーキを得た。
このウエットケーキ100部に対し、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(粘度:400〜1000mPa・s(25℃)、樹脂成分:99%以上、分子量466)25部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として減圧脱水(温度80℃、真空圧10mmHg、酸素分圧2.1mmHg)を行い3本ロールで練肉して、アクリル樹脂中にPY12が分散されたUVベースインキ1(固形分100%)50部を得た。
【0045】
[実施例2]
1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン酸95部の酸析を行い冷却後、常法に従ってジアゾ成分を得た。一方、β−オキシナフトエ酸95部を用いて常法に従ってカップラー溶液を得た。このカップラー液にジアゾ成分をカップリングさせ、染料を得た。
これにロジンソープ21部を加え、pH11.0にした後、35%塩化カルシウム水溶液300部を加え、レーキ化を行いアゾ顔料(PR57)の含有率が3%である、未精製顔料の水性懸濁物を得た。
これをフィルタープレスにて濾過、水洗、脱水し、顔料含有率22%のウエットケーキを得た。
【0046】
このウエットケーキ100部に対し、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(粘度:3000〜7000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量570)22部を加え、ニーダーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として減圧脱水(温度100℃、真空圧500mmHg、酸素分圧105mmHg)を行い3本ロールで練肉して、アクリル樹脂中にPR57が分散されたUVベースインキ2(固形分100%)45部を得た。
【0047】
[実施例3]
東洋インキ製造社製の銅フタロシアニンのクルードブルーを常法のアシッドペースティング法により微細化し、フィルタープレスによって濾過、水洗、脱水してα型銅フタロシアン(PB15)の顔料含有率30%のウエットケーキを得た。
このウエットケーキ100部に対し、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(粘度:3000〜7000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量570)30部を加え、プラネタリーミキサーを用いて60℃で顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として減圧脱水(温度60℃、真空圧100mmHg、酸素分圧21mmHg)を行い3本ロールで練肉して、アクリル樹脂中にPB15が分散されたUVベースインキ3(固形分100%)60部を得た。
【0048】
[実施例4]
東洋インキ製造社製の銅フタロシアニンのクルードブルーを常法のアシッドペースティング法により微細化し、フィルタープレスによって濾過、水洗、脱水してα型銅フタロシアン(PB15)の水性懸濁物を得た。これを乾燥、粉砕した後、水を加えてリスラリーし、顔料含有率40%のウエットケーキを得た。
このウエットケーキ100部に対し、ジアリルフタレート樹脂(固形分:99%以上、分子量30000)12部をジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(粘度:400〜1000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量410)28部で溶解した複合樹脂40部を加え、60℃の恒温槽の中でディスパーを用いて顔料分の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として減圧脱水(温度60℃、真空圧100mmHg、酸素分圧21mmHg)を行い3本ロールで練肉して、アクリル樹脂中にPB15が分散されたUVベースインキ4(固形分100%)80部を得た。
【0049】
[比較例1]
実施例1と同様な方法で、アゾ顔料(PY12)のウエットケーキ(顔料含有率25%)を得た。これを乾燥、粉砕した顔料100部に対し、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(粘度:400〜1000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量466)を100部を配合して3本ロールで練肉し、アクリル樹脂中にPY12が分散されたUVベースインキ5(固形分100%)200部を得た。
【0050】
[比較例2]
実施例2と同様な方法で、アゾ顔料(PR57)のウエットケーキ(顔料含有率22%)を得た。これを乾燥、粉砕した顔料100部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(粘度:3000〜7000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量570)100部を配合して3本ロールで練肉し、アクリル樹脂中にPB15が分散されたUVベースインキ5(固形分100%)200部を得た。
【0051】
[比較例3]
実施例3と同様な方法で、α型銅フタロシアン(PB15)のウエットケーキ(顔料含有率30%)を得た。これを乾燥、粉砕した顔料100部に対し、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(粘度:3000〜7000mPa・s(25℃)、固形分:99%以上、分子量570)100部を配合して3本ロールで練肉し、アクリル樹脂中にPB15が分散されたUVベースインキ7(固形分100%)200部を得た。
【0052】
[比較例4]
実施例2と同様な方法で、アゾ顔料(PR57)の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として減圧脱水(温度50℃、真空圧0.1mmHg、酸素分圧0.05mmHg)を行ったところ、脱水が終了する前にゲル化しUVベースインキは得られなかった。
【0053】
[比較例5]
実施例2と同様な方法で、アゾ顔料(PR57)の樹脂相への転相処理を行った。このときの一次排水をデカンテーションにより除き、次いで二次排水として脱水(温度150℃、真空圧760mmHg、酸素分圧159.6mmHg)を行ったところ、脱水が終了する前にゲル化しUVベースインキは得られなかった。
【0054】
[評価試験]
1.顔料の分散性
実施例1〜4、比較例1〜3における3本ロールパス回数を表1に示した。ロールパスはグラインドゲージが2.5ミル付近に達するまで行った。ロールパス回数が少ないほど分散性が良好といえる。表1に示すとおり、実施例1〜4は、比較例1〜3に対して分散性が良好であった。
【0055】
【表1】
Figure 2004189865
【0056】
2.UVインキの品質評価
実施例1〜4、比較例1〜3で得られたUVベースインキ1〜7を、表2に示す組成を用いてUVインキを得た。
【0057】
【表2】
Figure 2004189865
【0058】
表1における単位はすべて重量%である。
バインダー樹脂1は、分子量30000のジアリルフタレート樹脂40部をジトリメチロールプロパンテトラアクリレート60部に90℃にて溶解した溶解物を用いた。バインダー樹脂2は、フタル酸とトリメチロールプロパンをベースとしたポリエステル樹脂35部を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに90℃で溶解した溶解物を用いた。
また、光開始剤は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIrgacure907を用いた。
添加剤はインキに耐摩擦性を付与する目的で、ポリエチレン系のワックスを用いた。
UVインキの一般的な製法で得たUVインキ5〜7と、本発明の製法で得たUVインキ1〜4について、以下に示す品質を評価し、結果を表3に示した。
【0059】
展色刷りはRIテスター(盛り量0.3ml)で三菱特両アート紙に行い、UV硬化はアイグラフィックス(株)製160w/cm空冷メタルハライドランプ1灯下、コンベアスピード30m/分の条件で行った。UVインキ1〜4は全てUVインキ5〜7と同等の品質を得た。
【0060】
(1)タック値
東洋精機製インコメーターを用いて、30℃、400rpm、インキ盛量1.3ml、1分値のタック値を測定した。
(2)フロー値
平板式粘度計(スプレッドメーター)、25℃におけるフロー値(半径)を測定した。
【0061】
(3)濃度値
グレタグマクベス濃度計にて測定した。
(4)光沢値
村上色彩技研製光沢計GM−26(60°−60°)を用いて測定した。
(5)耐摩擦性
学振型摩擦試験器、荷重500g、200回の条件で、インキの擦れ具合を評価した。(1劣←→優5)
【0062】
【表3】
Figure 2004189865
【0063】
【発明の効果】
本発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有さない分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A1)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法であるので、顔料の分散性、生産性に優れる。
本発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A2)を用いて転相処理した後、酸素分圧0.1mmHg〜152mmHgの範囲で減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法であるので、顔料の分散性、生産性に優れる。
【0064】
また、本発明は、顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有する複合樹脂(C)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法であって、常温で流動性を有する複合樹脂(C)が、分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)を、非水溶性樹脂(A1)または(A2)で溶解したものであるので、顔料の分散性、生産性に優れる。
【0065】
更に、非水溶性樹脂が架橋反応性、特に紫外線架橋性を有する場合は、特に優れたUVインキ組成物が得られる。
【0066】
上記で得られた本発明のUVインキ組成物は顔料分散性が良好であるので、これを用いることにより、印刷品質が良好なUVインキが提供できる。

Claims (9)

  1. 顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有さない分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A1)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法。
  2. 顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有し、かつ架橋反応性を有する分子量200〜10000の非水溶性樹脂(A2)を用いて転相処理した後、酸素分圧0.1mmHg〜152mmHgの範囲で減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法。
  3. 顔料の水性懸濁物を、常温で流動性を有する複合樹脂(C)を用いて転相処理した後、減圧脱水するUVインキ組成物の製造方法であって、常温で流動性を有する複合樹脂(C)が、分子量10000〜50000の非水溶性固形樹脂(B)を、非水溶性樹脂(A1)または(A2)で溶解したものである請求項1または2に記載のUVインキ組成物の製造方法。
  4. 非水溶性樹脂(A2)が紫外線架橋性を有する請求項2または3に記載のUVインキ組成物の製造方法。
  5. 非水溶性樹脂(A)の分子量が200〜2000である請求項1〜4いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法。
  6. 顔料の水性懸濁物の固形分が1重量%以上である請求項1〜5いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法。
  7. 顔料の水性懸濁物中の顔料分100重量部に対し、非水溶性樹脂20〜500重量部を用いて転相処理する請求項1〜6いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7いずれか記載のUVインキ組成物の製造方法で得られるUVインキ組成物。
  9. 請求項8記載のUVインキ組成物を用いて得られるUVインキ。
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