JP2004188756A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインヘッドを色毎に複数設けてカラー印刷を行う記録装置において、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、画像の品質を確保する。
【解決手段】印字のためのラインヘッド1を色毎に複数設けてカラー印刷を行う記録装置であって、少なくとも一部のラインヘッド1を、記録媒体5の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットさせて配置する。
【選択図】 図2
【解決手段】印字のためのラインヘッド1を色毎に複数設けてカラー印刷を行う記録装置であって、少なくとも一部のラインヘッド1を、記録媒体5の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットさせて配置する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字のためのラインヘッドが色毎に複数設けられてカラー印刷を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パーソナルコンピュータ(PC)のカラー出力装置としては一般的にカラーレーザプリンタ(CLBP)やシリアル印字方式のカラーインクジェットプリンタ(CIJP)が用いられてきた。特に近年では写真画質で印刷できることや低価格化の面でCIJPの普及が目覚しいが、CIJPはCLBPと比較すると印刷速度の点で大きく劣っている。
【0003】
このため、一部ではラインヘッドを用いて印刷速度の向上を図った機種も見受けられるようになってきたが、それらは名刺印刷や葉書印刷等の特定の用途に限られているのが現状である。これは、A4横幅等の長さのラインヘッド自体の製造が困難であることに一因がある。
【0004】
そこで、これを改善すべく、複数の単体ヘッドを印字のための記録媒体の相対的搬送方向(X方向)に対し直角の方向(Y方向)に並べてラインヘッドを構成することが提案されている。
【0005】
ここで、図6に単体ヘッドをY方向に複数設けて構成したCIJP用のラインヘッドを示す概略図である。図示するように、ラインヘッド1は、Y方向に複数並べて配置された18個の単体ヘッド2で構成されている。
【0006】
また、図6のラインヘッドにおける単体ヘッドの概要図を図7に示す。単体ヘッド2は133.87μmピッチで200ノズルを有し、これをY方向に対し71.565度の角度で斜めに配置されている。これにより、X方向の解像度は127.00μmピッチ(200dpi)、Y方向の解像度は42.33μmピッチ(600dpi)、総ノズル数は3600ノズルとなっている。
【0007】
この単体ヘッドを、図6に示すように複数並べてラインヘッドを構成する場合、単体ヘッドの配置の精度が重要であることはいうまでもなく、X方向およびY方向の位置精度は数μm精度で、角度についても1/100度以下の精度でアライメントされている。
【0008】
ここで、単体ヘッドにおけるノズル位置とインク滴の吐出量との関係の一例を示す特性図を図8に示す。
【0009】
この図から分かるように、単体ヘッドの中央部は吐出量が安定しているが、両端部は単体ヘッド製作の工程上のバラツキ等によりインク滴の吐出量が減少している。すなわち、単体ヘッドでは吐出量にバラツキを有しているのが一般的である。
【0010】
以上のような吐出量にバラツキを有する単体ヘッドを複数並べて構成したラインヘッド全体としてのインク滴の吐出量を示す特性図を図9に示す。
【0011】
図示するように、前述した単体ヘッドの特性が単体ヘッドの幅の周期で繰り返し現れる。
【0012】
このラインヘッドを用いて、図6のラインヘッドを用いて均一な中間濃度のべた画像を記録媒体に印字した場合の出力結果を示す説明図を図10に示す。図示するように、吐出量のバラツキはこのような濃淡スジとなって現れることになる。
【0013】
以上はヘッドの印字に関わる特性のうち、インク滴の吐出量について述べたが、インク滴の吐出の方向についても単体ヘッドの中央部は安定し、両端部は不安定な特性を示すことが多い。このため、単体ヘッド間のつなぎ目の部分で、インク滴により記録媒体上に形成されるドットが重なって黒スジを生じたり、ドットが離れて白スジを生じたりすることもある。このような黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を簡単のため図11に示すような破線で表すこととする。
【0014】
次に、この図11に示すような画像上の不具合を生じる特性を持ったラインヘッドをX方向に4本並べて4色のカラー印刷に対応する場合の構成の概要を図12に示す。
【0015】
図12において、Y方向に延びるイエロー用ラインヘッド1−Y、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンダ用ラインヘッド1−Mおよびブラック用ラインヘッド1−KがX方向に配置されている。
【0016】
ここで、1本のラインヘッド内での単体ヘッドの位置精度が重要であるのと同様に、各色のラインヘッド間の位置精度が重要であることはいうまでもない。そのため、従来の記録装置では、X方向、Y方向、角度に関して高精度に位置合せを行うための工夫や位置ズレを補正するための技術が、例えば、特開昭62−290567号や特開平10−44474号に提案されている。これらは複数のラインヘッドの位置を等価的に同様の位置関係に配置できたものとみなせるように制御的に補正するものである。
【0017】
【特許文献1】
特開昭62−290567号公報(図3)
【特許文献2】
特開平10−44474号公報(図3)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして、各色のラインヘッドをX方向に複数並べてカラー印刷を行うと、各色のラインヘッドの各々が有する特性が強調され、画質が著しく損なわれる。
【0019】
このときの記録媒体への印字結果の状況を図13に示す。なお、実際は、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合が同一位置に強調されて生じるが、図面上で強弱を正しく表現するのが困難なため、この不具合の程度を破線の本数で表している。
【0020】
そこで、本発明は、印字のためのラインヘッドを色毎に複数設けてカラー印刷を行う記録装置において、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能な記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の記録装置は、第1の色のインクを吐出する第1のラインヘッドと、第2の色のインクを吐出する第2のラインヘッドと、第1および第2のラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、第1のラインヘッドは、第2のラインヘッドに対して、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットして配置されているものである。
【0022】
これにより、各色のラインヘッドが黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を生じるものであっても、各色を重ねて出力するとこれらの不具合が抑制されるので、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、第1の色のインクを吐出する第1のラインヘッドと、第2の色のインクを吐出する第2のラインヘッドと、第1および第2のラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、第1のラインヘッドは、第2のラインヘッドに対して、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットして配置されている記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1および第2のラインヘッドは、複数の吐出口を備えた単体ヘッドをY方向に複数設けて構成されている記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、ラインヘッドの特定色についてのみ、Y方向にオフセットさせて配置した記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、オフセットの大きさを、単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくした記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3記載の発明において、オフセットの大きさを、単体ヘッドによる印字幅を特定色の色数で割った値に概ね等しくした記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項6に記載の発明は、第1から第N(N≧3の整数)の色のインクを吐出するラインヘッドと、ラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、少なくとも一部のラインヘッドは、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットさせて配置した記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態における記録装置のシステムの概略の構成例を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を示す概略図、図3は本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を記録動作の進行に応じて示す概略図、図4は本発明の一実施の形態におけるラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示した概略図、図5は本発明の一実施の形態におけるラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を示す模式図である。
【0031】
図1において、PC等の外部の制御装置11と接続された記録装置は、制御装置11と画像データや各種の制御コマンドを送受信するインターフェース部12、画像データや制御プログラムを格納するメモリ13、記録装置全体を制御するCPU14、複数のラインヘッド1から構成されるヘッドブロック17に印字のためのデータやピエゾヘッドを駆動するための駆動波形を生成しれこれを供給するヘッド制御部15、記録媒体5を搬送するためのLFモータ19を駆動するモータ制御部16、記録媒体5の搬送位置を検出してモータ制御部16とヘッド制御部15の制御の基準となるパルスを生成するエンコーダセンサ18を備えている。
【0032】
また、図2において、Y方向へ延びて形成されたイエロー用ラインヘッド1−Y、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kは、印字のための記録媒体5の相対的搬送方向(X方向)に対し直角の方向(Y方向)に幅OSの大きさでオフセットさせて配置されていることを示している。
【0033】
ここで、図3において、図3(a)は記録媒体5がイエロー用ラインヘッド1−Yの端面の位置に到達した状態を、図3(b)は記録媒体5がシアン用ラインヘッド1−Cの端面の位置に到達した状態を、図3(c)は記録媒体5がマゼンタ用ラインヘッド1−Mの端面の位置に到達した状態を、図3(d)は記録媒体5がブラック用ラインヘッド1−Kの端面の位置に到達した状態を、それぞれ示している。
【0034】
以下に、図1のブロック図に示すような構成の記録装置における記録動作の概要を、図2および図3の概略図と共に説明する。
【0035】
まず、図1において、記録装置はインターフェース部12を介して外部のPC等の制御装置11から記録動作の指示を受けると、CPU14により、受信した画像データをメモリ13に格納し、画像処理やヘッドノズル位置に合わせたデータの並び替え等の必要な処理を行うと共に、ヘッド制御部15とモータ制御部16のイニシャライズを行う。
【0036】
そして、ヘッドノズル面の乾燥防止のためのキャッピングの解除、ヘッドノズル面のクリーニング、ヘッド駆動波形を供給するアンプの基準電圧設定、インク滴強制吐出やメニスカス振動によるノズル口近傍のインクのリフレッシュ、記録媒体搬送メカの基準原点設定、制御パラメータ設定、印字開始位置への移動等のイニシャライズを完了すると、モータ制御部16によりLFモータ19を駆動し、記録媒体5の搬送を開始する。このときのラインヘッド1と記録媒体5の相対的位置関係は図2のようになっている。
【0037】
記録媒体5が搬送され、図3の(a)に示すイエローの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりイエロー用ラインヘッド1−Yへイエローの記録データの供給を行い、記録媒体へのイエローの印字が開始される。このとき、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0038】
記録媒体5の搬送が進み、図3の(b)に示すシアンの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりシアン用ラインヘッド1−Cへシアンの記録データの供給を行い、記録媒体へのシアンの印字も開始される。このとき、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0039】
さらに記録媒体5の搬送が進み、図3の(c)に示すマゼンダの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりマゼンタ用ラインヘッド1−Mへマゼンダの記録データの供給を行い、記録媒体へのマゼンダの印字も開始される。このとき、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0040】
そして、記録媒体5の搬送が進み、図3の(d)に示すブラックの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりブラック用ラインヘッド1−Kへブラックの記録データの供給を行い、記録媒体へのブラックの印字も開始される。
【0041】
その後も、モータ制御部16による記録媒体5の搬送と、ヘッド制御部15による記録動作を繰り返し、記録開始のときと同じ順、すなわちイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順に一つの記録媒体への記録を終了していく。
【0042】
外部制御装置11により指示された必要数の記録が完了すると、ヘッドノズル面のクリーニング、ヘッドの乾燥防止のためのキャッピング、記録媒体搬送メカの待機位置への移動等の動作を行い、元の待機状態へ復帰する。
【0043】
以上は、記録データに関してはX方向についてのみの説明であったので、図4を用いて、Y方向について説明する。図4はラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示したものである。
【0044】
記録媒体5の片隅に「・」の文字を各ラインヘッドで印字する場合を考えると、各色のラインヘッドによって、この「・」を記録するノズルの位置がY方向だけでなく、X方向にもシフトしていることが分かる。ラインヘッドをY方向にオフセットさせているので、「・」を記録するノズルがY方向にシフトすることは当然のことであるが、ラインヘッドを構成する単体ヘッド2が斜めに取り付けられていることから、X方向にもシフトすることになる。このため、メモリから読み出した画像データを、ヘッドノズルの配置とヘッドへのデータ転送順に応じて並び替えてヘッドに供給する処理に修正が必要となる。
【0045】
この修正は、従来から行われている技術、すなわち、複数のラインヘッドの位置を等価的に同様の位置関係に配置できたものとみなせるように制御的に補正する技術、による処理を複雑化するものではなく、単に、複数のラインヘッドを同じ位置関係に合わせるか、オフセットさせるか、の違いと、オフセットさせた画像領域に印字しない0データを付加する点が異なるのみである。
【0046】
つまり、本実施の形態によれば、ラインヘッドをオフセットさせることで、処理の複雑化を防止しつつ、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができる。
【0047】
ここで、以上のように、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を図5に示す。
【0048】
ラインヘッドをオフセットさせずに記録媒体に印字した結果の状況を示した図13と比較すると、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合を表している破線の本数は同じであるが、分散されて均一化していることが分かる。黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合は集中することにより強調され、より強く感じられるが、これは、逆に不具合が分散されると大きく改善できることを意味している。つまり、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した場合は、図5のように不具合が分散され、画像の品質が大きく改善される。
【0049】
また、一般的に画像中の白スジは非常に目立つため、画像の品質を著しく劣化させる。そして、白スジを生じるラインヘッドであっても、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した場合は、ある色の白スジを他の色が覆うため、白スジを消すことができる。色味の変化は残るものの、細いライン状であり視覚的には白スジ程には目立つことはない。白スジが消えることで、非常に大きな改善効果を得ることが可能となる。
【0050】
なお、本実施の形態では、全色のラインヘッドについてオフセットを設ける構成で説明したが、視覚的に影響の大きなシアン、マゼンダ、ブラックのみ、というように、特定色についてのみオフセットを設けても、十分な画質劣化防止の効果が期待できる。つまり、少なくとも一部のラインヘッドにオフセットを設ければ、所期の効果を得ることができる。
【0051】
さらに、本実施の形態では、ラインヘッドのオフセットの大きさを幅OSとして説明したが、ラインヘッドを構成する単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくすることにより、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合を均一に分散することができて好ましい。具体的には、200ノズル、Y方向の解像度が42.33μmピッチ(600dpi)の単体ヘッドで4色印字を行う場合、42.33μm×200÷4=2116.5μmのオフセットとなる。これは600dpi画像の50ドット分であり、当然600dpiの格子上にあるので、画像が乱れることもなく、最も不具合を広範囲に、しかも均一に分散させることになる。また、記録装置はピエゾ方式のインクジェットプリンタを例に説明したが、サーマル方式等のその他の方式でも同様であることはいうまでもない。
【0052】
なお、本明細書において、オフセットの大きさを単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくするとは、単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値の近傍の値であって、しかも、ノズルのY方向解像度の整数倍となる値を意味している。
【0053】
さらに、本実施の形態では、4色印字の場合について説明したが、複数色(2色以上)であればよく、3色、6色、7色等、その他の色数の場合にも有効である。
【0054】
また、本実施の形態では、記録装置において主走査方向の搬送は記録媒体5を走査させて記録を行ったが、ラインヘッド1を走査させて記録を行ってもよい。
【0055】
さらに、本実施の形態では、複数の単体ヘッドによりラインヘッドが構成されている場合について説明したが、一つのヘッドによりラインヘッドが構成されている場合にも有効である。例えば、216mm幅のラインヘッドの場合、オフセットの大きさを1mm程度から6mm程度の範囲に設定すると、視覚的にも十分な改善効果を得ることができる。
【0056】
また、本実施の形態では、X方向の解像度を127.00μmピッチ(200dpi)、Y方向の解像度を42.33μmピッチ(600dpi)として説明したが、これに限るものではない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各色のラインヘッドが黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を生じるものであっても、各色を重ねて出力するとこれらの不具合が抑制されるので、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における記録装置のシステムの概略の構成例を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を示す概略図
【図3】本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を記録動作の進行に応じて示す概略図
【図4】本発明の一実施の形態におけるラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示した概略図
【図5】本発明の一実施の形態におけるラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を示す模式図
【図6】単体ヘッドをY方向に複数設けて構成したCIJP用のラインヘッドを示す概略図
【図7】図6のラインヘッドにおける単体ヘッドを示す概略図
【図8】単体ヘッドにおけるノズル位置とインク滴の吐出量との関係の一例を示す特性図
【図9】単体ヘッドを複数並べて構成したラインヘッド全体としてのインク滴の吐出量を示す特性図
【図10】図6のラインヘッドを用いて均一な中間濃度のべた画像を記録媒体に印字した場合の出力結果を示す説明図
【図11】図6のラインヘッドで記録媒体に印字した結果を示す模式図
【図12】図6のラインヘッドをX方向に4本並べて4色のカラー印刷に対応する構成を示す概略図
【図13】図6のラインヘッドをX方向に4本並べて記録媒体に4色のカラー印刷した結果を示す模式図
【符号の説明】
1 ラインヘッド
2 単体ヘッド
5 記録媒体
11 制御装置
12 インターフェース部
13 メモリ
14 CPU
15 ヘッド制御部
16 モータ制御部
17 ヘッドブロック
18 エンコーダセンサ
19 LFモータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字のためのラインヘッドが色毎に複数設けられてカラー印刷を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パーソナルコンピュータ(PC)のカラー出力装置としては一般的にカラーレーザプリンタ(CLBP)やシリアル印字方式のカラーインクジェットプリンタ(CIJP)が用いられてきた。特に近年では写真画質で印刷できることや低価格化の面でCIJPの普及が目覚しいが、CIJPはCLBPと比較すると印刷速度の点で大きく劣っている。
【0003】
このため、一部ではラインヘッドを用いて印刷速度の向上を図った機種も見受けられるようになってきたが、それらは名刺印刷や葉書印刷等の特定の用途に限られているのが現状である。これは、A4横幅等の長さのラインヘッド自体の製造が困難であることに一因がある。
【0004】
そこで、これを改善すべく、複数の単体ヘッドを印字のための記録媒体の相対的搬送方向(X方向)に対し直角の方向(Y方向)に並べてラインヘッドを構成することが提案されている。
【0005】
ここで、図6に単体ヘッドをY方向に複数設けて構成したCIJP用のラインヘッドを示す概略図である。図示するように、ラインヘッド1は、Y方向に複数並べて配置された18個の単体ヘッド2で構成されている。
【0006】
また、図6のラインヘッドにおける単体ヘッドの概要図を図7に示す。単体ヘッド2は133.87μmピッチで200ノズルを有し、これをY方向に対し71.565度の角度で斜めに配置されている。これにより、X方向の解像度は127.00μmピッチ(200dpi)、Y方向の解像度は42.33μmピッチ(600dpi)、総ノズル数は3600ノズルとなっている。
【0007】
この単体ヘッドを、図6に示すように複数並べてラインヘッドを構成する場合、単体ヘッドの配置の精度が重要であることはいうまでもなく、X方向およびY方向の位置精度は数μm精度で、角度についても1/100度以下の精度でアライメントされている。
【0008】
ここで、単体ヘッドにおけるノズル位置とインク滴の吐出量との関係の一例を示す特性図を図8に示す。
【0009】
この図から分かるように、単体ヘッドの中央部は吐出量が安定しているが、両端部は単体ヘッド製作の工程上のバラツキ等によりインク滴の吐出量が減少している。すなわち、単体ヘッドでは吐出量にバラツキを有しているのが一般的である。
【0010】
以上のような吐出量にバラツキを有する単体ヘッドを複数並べて構成したラインヘッド全体としてのインク滴の吐出量を示す特性図を図9に示す。
【0011】
図示するように、前述した単体ヘッドの特性が単体ヘッドの幅の周期で繰り返し現れる。
【0012】
このラインヘッドを用いて、図6のラインヘッドを用いて均一な中間濃度のべた画像を記録媒体に印字した場合の出力結果を示す説明図を図10に示す。図示するように、吐出量のバラツキはこのような濃淡スジとなって現れることになる。
【0013】
以上はヘッドの印字に関わる特性のうち、インク滴の吐出量について述べたが、インク滴の吐出の方向についても単体ヘッドの中央部は安定し、両端部は不安定な特性を示すことが多い。このため、単体ヘッド間のつなぎ目の部分で、インク滴により記録媒体上に形成されるドットが重なって黒スジを生じたり、ドットが離れて白スジを生じたりすることもある。このような黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を簡単のため図11に示すような破線で表すこととする。
【0014】
次に、この図11に示すような画像上の不具合を生じる特性を持ったラインヘッドをX方向に4本並べて4色のカラー印刷に対応する場合の構成の概要を図12に示す。
【0015】
図12において、Y方向に延びるイエロー用ラインヘッド1−Y、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンダ用ラインヘッド1−Mおよびブラック用ラインヘッド1−KがX方向に配置されている。
【0016】
ここで、1本のラインヘッド内での単体ヘッドの位置精度が重要であるのと同様に、各色のラインヘッド間の位置精度が重要であることはいうまでもない。そのため、従来の記録装置では、X方向、Y方向、角度に関して高精度に位置合せを行うための工夫や位置ズレを補正するための技術が、例えば、特開昭62−290567号や特開平10−44474号に提案されている。これらは複数のラインヘッドの位置を等価的に同様の位置関係に配置できたものとみなせるように制御的に補正するものである。
【0017】
【特許文献1】
特開昭62−290567号公報(図3)
【特許文献2】
特開平10−44474号公報(図3)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして、各色のラインヘッドをX方向に複数並べてカラー印刷を行うと、各色のラインヘッドの各々が有する特性が強調され、画質が著しく損なわれる。
【0019】
このときの記録媒体への印字結果の状況を図13に示す。なお、実際は、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合が同一位置に強調されて生じるが、図面上で強弱を正しく表現するのが困難なため、この不具合の程度を破線の本数で表している。
【0020】
そこで、本発明は、印字のためのラインヘッドを色毎に複数設けてカラー印刷を行う記録装置において、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能な記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明の記録装置は、第1の色のインクを吐出する第1のラインヘッドと、第2の色のインクを吐出する第2のラインヘッドと、第1および第2のラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、第1のラインヘッドは、第2のラインヘッドに対して、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットして配置されているものである。
【0022】
これにより、各色のラインヘッドが黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を生じるものであっても、各色を重ねて出力するとこれらの不具合が抑制されるので、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、第1の色のインクを吐出する第1のラインヘッドと、第2の色のインクを吐出する第2のラインヘッドと、第1および第2のラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、第1のラインヘッドは、第2のラインヘッドに対して、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットして配置されている記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、第1および第2のラインヘッドは、複数の吐出口を備えた単体ヘッドをY方向に複数設けて構成されている記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、ラインヘッドの特定色についてのみ、Y方向にオフセットさせて配置した記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、オフセットの大きさを、単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくした記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項3記載の発明において、オフセットの大きさを、単体ヘッドによる印字幅を特定色の色数で割った値に概ね等しくした記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0028】
本発明の請求項6に記載の発明は、第1から第N(N≧3の整数)の色のインクを吐出するラインヘッドと、ラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、少なくとも一部のラインヘッドは、記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットさせて配置した記録装置であり、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができるという作用を有する。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態における記録装置のシステムの概略の構成例を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を示す概略図、図3は本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を記録動作の進行に応じて示す概略図、図4は本発明の一実施の形態におけるラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示した概略図、図5は本発明の一実施の形態におけるラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を示す模式図である。
【0031】
図1において、PC等の外部の制御装置11と接続された記録装置は、制御装置11と画像データや各種の制御コマンドを送受信するインターフェース部12、画像データや制御プログラムを格納するメモリ13、記録装置全体を制御するCPU14、複数のラインヘッド1から構成されるヘッドブロック17に印字のためのデータやピエゾヘッドを駆動するための駆動波形を生成しれこれを供給するヘッド制御部15、記録媒体5を搬送するためのLFモータ19を駆動するモータ制御部16、記録媒体5の搬送位置を検出してモータ制御部16とヘッド制御部15の制御の基準となるパルスを生成するエンコーダセンサ18を備えている。
【0032】
また、図2において、Y方向へ延びて形成されたイエロー用ラインヘッド1−Y、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kは、印字のための記録媒体5の相対的搬送方向(X方向)に対し直角の方向(Y方向)に幅OSの大きさでオフセットさせて配置されていることを示している。
【0033】
ここで、図3において、図3(a)は記録媒体5がイエロー用ラインヘッド1−Yの端面の位置に到達した状態を、図3(b)は記録媒体5がシアン用ラインヘッド1−Cの端面の位置に到達した状態を、図3(c)は記録媒体5がマゼンタ用ラインヘッド1−Mの端面の位置に到達した状態を、図3(d)は記録媒体5がブラック用ラインヘッド1−Kの端面の位置に到達した状態を、それぞれ示している。
【0034】
以下に、図1のブロック図に示すような構成の記録装置における記録動作の概要を、図2および図3の概略図と共に説明する。
【0035】
まず、図1において、記録装置はインターフェース部12を介して外部のPC等の制御装置11から記録動作の指示を受けると、CPU14により、受信した画像データをメモリ13に格納し、画像処理やヘッドノズル位置に合わせたデータの並び替え等の必要な処理を行うと共に、ヘッド制御部15とモータ制御部16のイニシャライズを行う。
【0036】
そして、ヘッドノズル面の乾燥防止のためのキャッピングの解除、ヘッドノズル面のクリーニング、ヘッド駆動波形を供給するアンプの基準電圧設定、インク滴強制吐出やメニスカス振動によるノズル口近傍のインクのリフレッシュ、記録媒体搬送メカの基準原点設定、制御パラメータ設定、印字開始位置への移動等のイニシャライズを完了すると、モータ制御部16によりLFモータ19を駆動し、記録媒体5の搬送を開始する。このときのラインヘッド1と記録媒体5の相対的位置関係は図2のようになっている。
【0037】
記録媒体5が搬送され、図3の(a)に示すイエローの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりイエロー用ラインヘッド1−Yへイエローの記録データの供給を行い、記録媒体へのイエローの印字が開始される。このとき、シアン用ラインヘッド1−C、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0038】
記録媒体5の搬送が進み、図3の(b)に示すシアンの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりシアン用ラインヘッド1−Cへシアンの記録データの供給を行い、記録媒体へのシアンの印字も開始される。このとき、マゼンタ用ラインヘッド1−M、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0039】
さらに記録媒体5の搬送が進み、図3の(c)に示すマゼンダの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりマゼンタ用ラインヘッド1−Mへマゼンダの記録データの供給を行い、記録媒体へのマゼンダの印字も開始される。このとき、ブラック用ラインヘッド1−Kへはゼロデータ(記録しないデータ)が供給される。
【0040】
そして、記録媒体5の搬送が進み、図3の(d)に示すブラックの印字開始位置に到達すると、ヘッド制御部15によりブラック用ラインヘッド1−Kへブラックの記録データの供給を行い、記録媒体へのブラックの印字も開始される。
【0041】
その後も、モータ制御部16による記録媒体5の搬送と、ヘッド制御部15による記録動作を繰り返し、記録開始のときと同じ順、すなわちイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順に一つの記録媒体への記録を終了していく。
【0042】
外部制御装置11により指示された必要数の記録が完了すると、ヘッドノズル面のクリーニング、ヘッドの乾燥防止のためのキャッピング、記録媒体搬送メカの待機位置への移動等の動作を行い、元の待機状態へ復帰する。
【0043】
以上は、記録データに関してはX方向についてのみの説明であったので、図4を用いて、Y方向について説明する。図4はラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示したものである。
【0044】
記録媒体5の片隅に「・」の文字を各ラインヘッドで印字する場合を考えると、各色のラインヘッドによって、この「・」を記録するノズルの位置がY方向だけでなく、X方向にもシフトしていることが分かる。ラインヘッドをY方向にオフセットさせているので、「・」を記録するノズルがY方向にシフトすることは当然のことであるが、ラインヘッドを構成する単体ヘッド2が斜めに取り付けられていることから、X方向にもシフトすることになる。このため、メモリから読み出した画像データを、ヘッドノズルの配置とヘッドへのデータ転送順に応じて並び替えてヘッドに供給する処理に修正が必要となる。
【0045】
この修正は、従来から行われている技術、すなわち、複数のラインヘッドの位置を等価的に同様の位置関係に配置できたものとみなせるように制御的に補正する技術、による処理を複雑化するものではなく、単に、複数のラインヘッドを同じ位置関係に合わせるか、オフセットさせるか、の違いと、オフセットさせた画像領域に印字しない0データを付加する点が異なるのみである。
【0046】
つまり、本実施の形態によれば、ラインヘッドをオフセットさせることで、処理の複雑化を防止しつつ、ラインヘッドが有する印字に関わる特性のバラツキを色毎に分散させ、濃淡スジや黒スジ、白スジを目立たなくし画質の劣化を防止することができる。
【0047】
ここで、以上のように、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を図5に示す。
【0048】
ラインヘッドをオフセットさせずに記録媒体に印字した結果の状況を示した図13と比較すると、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合を表している破線の本数は同じであるが、分散されて均一化していることが分かる。黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合は集中することにより強調され、より強く感じられるが、これは、逆に不具合が分散されると大きく改善できることを意味している。つまり、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した場合は、図5のように不具合が分散され、画像の品質が大きく改善される。
【0049】
また、一般的に画像中の白スジは非常に目立つため、画像の品質を著しく劣化させる。そして、白スジを生じるラインヘッドであっても、ラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した場合は、ある色の白スジを他の色が覆うため、白スジを消すことができる。色味の変化は残るものの、細いライン状であり視覚的には白スジ程には目立つことはない。白スジが消えることで、非常に大きな改善効果を得ることが可能となる。
【0050】
なお、本実施の形態では、全色のラインヘッドについてオフセットを設ける構成で説明したが、視覚的に影響の大きなシアン、マゼンダ、ブラックのみ、というように、特定色についてのみオフセットを設けても、十分な画質劣化防止の効果が期待できる。つまり、少なくとも一部のラインヘッドにオフセットを設ければ、所期の効果を得ることができる。
【0051】
さらに、本実施の形態では、ラインヘッドのオフセットの大きさを幅OSとして説明したが、ラインヘッドを構成する単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくすることにより、黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の不具合を均一に分散することができて好ましい。具体的には、200ノズル、Y方向の解像度が42.33μmピッチ(600dpi)の単体ヘッドで4色印字を行う場合、42.33μm×200÷4=2116.5μmのオフセットとなる。これは600dpi画像の50ドット分であり、当然600dpiの格子上にあるので、画像が乱れることもなく、最も不具合を広範囲に、しかも均一に分散させることになる。また、記録装置はピエゾ方式のインクジェットプリンタを例に説明したが、サーマル方式等のその他の方式でも同様であることはいうまでもない。
【0052】
なお、本明細書において、オフセットの大きさを単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくするとは、単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値の近傍の値であって、しかも、ノズルのY方向解像度の整数倍となる値を意味している。
【0053】
さらに、本実施の形態では、4色印字の場合について説明したが、複数色(2色以上)であればよく、3色、6色、7色等、その他の色数の場合にも有効である。
【0054】
また、本実施の形態では、記録装置において主走査方向の搬送は記録媒体5を走査させて記録を行ったが、ラインヘッド1を走査させて記録を行ってもよい。
【0055】
さらに、本実施の形態では、複数の単体ヘッドによりラインヘッドが構成されている場合について説明したが、一つのヘッドによりラインヘッドが構成されている場合にも有効である。例えば、216mm幅のラインヘッドの場合、オフセットの大きさを1mm程度から6mm程度の範囲に設定すると、視覚的にも十分な改善効果を得ることができる。
【0056】
また、本実施の形態では、X方向の解像度を127.00μmピッチ(200dpi)、Y方向の解像度を42.33μmピッチ(600dpi)として説明したが、これに限るものではない。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各色のラインヘッドが黒スジ、白スジ、濃淡スジ等の画像上の不具合を生じるものであっても、各色を重ねて出力するとこれらの不具合が抑制されるので、構成要素の精度を高めたり、複雑な処理を追加することなく、印字品質を確保することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における記録装置のシステムの概略の構成例を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を示す概略図
【図3】本発明の一実施の形態における各色のラインヘッドと記録媒体との相対的位置関係の概略を記録動作の進行に応じて示す概略図
【図4】本発明の一実施の形態におけるラインヘッドのY方向のオフセットの状況を分かりやすくするために、図2の一部を拡大して示した概略図
【図5】本発明の一実施の形態におけるラインヘッドをオフセットさせて記録媒体に印字した結果の状況を示す模式図
【図6】単体ヘッドをY方向に複数設けて構成したCIJP用のラインヘッドを示す概略図
【図7】図6のラインヘッドにおける単体ヘッドを示す概略図
【図8】単体ヘッドにおけるノズル位置とインク滴の吐出量との関係の一例を示す特性図
【図9】単体ヘッドを複数並べて構成したラインヘッド全体としてのインク滴の吐出量を示す特性図
【図10】図6のラインヘッドを用いて均一な中間濃度のべた画像を記録媒体に印字した場合の出力結果を示す説明図
【図11】図6のラインヘッドで記録媒体に印字した結果を示す模式図
【図12】図6のラインヘッドをX方向に4本並べて4色のカラー印刷に対応する構成を示す概略図
【図13】図6のラインヘッドをX方向に4本並べて記録媒体に4色のカラー印刷した結果を示す模式図
【符号の説明】
1 ラインヘッド
2 単体ヘッド
5 記録媒体
11 制御装置
12 インターフェース部
13 メモリ
14 CPU
15 ヘッド制御部
16 モータ制御部
17 ヘッドブロック
18 エンコーダセンサ
19 LFモータ
Claims (6)
- 第1の色のインクを吐出する第1のラインヘッドと、
第2の色のインクを吐出する第2のラインヘッドと、
前記第1および第2のラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、
前記第1のラインヘッドは、前記第2のラインヘッドに対して、前記記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットして配置されていることを特徴とする記録装置。 - 前記第1および前記第2のラインヘッドは、複数の吐出口を備えた単体ヘッドを前記Y方向に複数設けて構成されていることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
- 前記ラインヘッドの特定色についてのみ、前記Y方向にオフセットさせて配置したことを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
- 前記オフセットの大きさを、前記単体ヘッドによる印字幅を色数で割った値に概ね等しくしたことを特徴とする請求項2記載の記録装置。
- 前記オフセットの大きさを、前記単体ヘッドによる印字幅を前記特定色の色数で割った値に概ね等しくしたことを特徴とする請求項3記載の記録装置。
- 第1から第N(N≧3の整数)の色のインクを吐出するラインヘッドと、
前記ラインヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる相対移動手段とを備え、
少なくとも一部の前記ラインヘッドは、前記記録媒体の相対的搬送方向であるX方向に対して直角の方向であるY方向にオフセットさせて配置したことを特徴とする記録装置。
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