JP2004187300A - 指向性電気音響変換 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の聴取者が現実的で不変な音像を認知するように、複数の聴取空間を含む聴取領域にサウンドを放射するマルチチャネル・オーディオ・システムを提供する。
【解決手段】 このオーディオ・システムは、聴取領域における第1聴取空間に、聴取者の頭部に接近して配置され、チャネルの1つの成分に対応する第1音波を放射する指向性オーディオ・デバイスと、聴取領域内部でかつ聴取空間外部に、聴取空間から離れて配置され、第2チャネルの成分に対応する音波を放射する無指向性オーディオ・デバイスとを含む。
【選択図】 図3A

Description

本発明は、複数の聴取空間を含む聴取領域のためのオーディオ・システムに関し、更に特定すれば、指向性アレイを用いてマルチチャネル・システムのチャネルの一部または全部を聴取者に対して放射するオーディオ・システムに関する。
本願は、2002年12月3日に出願された米国特許出願第10/309,395号に基づく優先権を主張するものである。
本発明の重要な目的は、音像の現実的(リアル)で不変の感覚を複数の聴取者に与えるように改良したオーディオ・システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、複数のチャネルを有するオーディオ・システムは、複数の聴取空間を有する聴取領域を含む。このシステムは、更に、聴取空間の内第1聴取空間内において聴取者の頭部に接近して配置され、1つのチャネルの成分に対応する第1音波を放射する指向性オーディオ・デバイスと、聴取領域内部でかつ聴取空間外部に、聴取空間から離れて配置され、第2のチャネルの成分に対応する音波を放射する無指向性オーディオ・デバイスとを含む。
本発明の別の態様では、オーディオ・システムを動作させて、第1聴取空間および第2聴取空間に音響(サウンド)を放射する方法を提供する。第1聴取空間は第2聴取空間と隣接している。この方法は、第1オーディオ信号を受け取るステップと、 第1オーディオ信号を第1トランスデューサ(変換器)に送信するステップと、第1変換器によって、第1オーディオ信号を、第1オーディオ信号に対応する第1音波に変換するステップと、第1音波を第1聴取空間に放射するステップと、第1オーディオ信号を処理して、遅延第1オーディオ信号を発生するステップであって、この処理が、オーディオ信号の時間を遅延させること、およびオーディオ信号の位相をシフトすることの少なくとも1つから成る、ステップと、遅延第1オーディオ信号を第2変換器に送信するステップと、第2変換器によって、遅延第1オーディオ信号を、遅延第1オーディオ信号に対応する第2音波に変換するステップと、第2音波を第2聴取空間に放射するステップとを含む。
本発明の別の態様では、劇場の隣接する1対の座席は、当該1対の劇場座席の間に、指向性音響放射デバイスを含む。
本発明の別の態様では、オーディオ・ミキシング・システムは、操作者の頭部に近接する指向性音響放射デバイスと、操作者の頭部から離れた音響放射デバイスとを含む。
本発明の別の態様では、指向性音響放射デバイスは、エンクロージャと、2つのエレメントを備え、エンクロージャ内に取り付けられた第1指向性サブアレイであって、第1の2つのエレメントが協動して第1音波を指向的に放射し、第1の2つのエレメントの各々が軸を有し、第1の2つのエレメントの軸が第1面を規定する、第1指向性サブアレイと、2つのエレメントを備え、エンクロージャ内に取り付けられた第2指向性サブアレイであって、第2の2つのエレメントが協動して第2音波を指向的に放射し、第2の2つのエレメントの各々が軸を有し、第2の2つのエレメントの軸が第2面を規定する、第2指向性サブアレイとを含み、第1面および第2面が非平行である。
本発明の別の態様では、オーディオ信号の放射方法は、第1オーディオ信号に対応する音波を、指向的に第1聴取空間に放射するステップと、第2オーディオ信号に対応する音波を、指向的に第2聴取空間に放射するステップと、第3オーディオ信号に対応する音波を、無指向的に第1聴取空間および第2聴取空間に放射するステップとを含む。
本発明の別の態様によれば、指向性音響アレイ・システムは、各々第1音響ドライバおよび第2音響ドライバを有する、複数の指向性アレイを含み、複数の指向性アレイの第1音響ドライバを、第1線上に共線的に(同一線上に)配置し、複数の指向性アレイの第2音響ドライバを、第2線上に共線的に配置し、第1線および第2線が平行である。
本発明の更に別の態様によれば、ライン・アレイ・システムは、第1オーディオ信号を供給するオーディオ信号源と、第1直線上に共線的に装着した第1複数の音響ドライバを有する第1ライン・アレイと、第1直線と平行な、第2直線上に共線的に装着した第2複数の音響ドライバを有する第2ライン・アレイと、オーディオ信号源および第1ライン・アレイを結合し、第1オーディオ信号を第1複数の音響ドライバに送信する信号処理回路とを備えており、前述の信号処理回路は、更に、前記オーディオ信号源および前記第2複数の音響ドライバを相互結合し、第1オーディオ信号を第2複数の音響ドライバに送信し、信号処理回路は第2複数のドライバに送信する第1オーディオ信号の極性を反転させるように構成配置される。
本発明の別の態様では、オーディオ・ビジュアル再生素材を作成するオーディオ・ビジュアル・システムは、三次元ビデオ画像源と、オーディオ信号を整形(変更)するオーディオ・ミキシング・システムであって、聴取者の位置から所定の距離にある音源と整合(一致)した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能な変形オーディオ信号を発生するように構成配置した、オーディオ・ミキシング・システムと、後に再生するために、三次元ビデオ画像と変形オーディオ信号とを格納する記憶媒体とを含む。
本発明の別の態様では、オーディオ信号を有するサウンド・トラックを含むオーディオ・ビジュアル素材を再生するオーディオ・ビジュアル再生システムは、三次元ビデオ画像を表示する表示装置と、オーディオ・ビジュアル素材の視聴者のための着座デバイスと、着座デバイスに対して固定の局在的方位にあり、オーディオ信号を当該オーディオ信号に対応する音響エネルギに変換し、音響エネルギが、視聴者から所定の距離にある音源と密接に結びついた(整合した)位置的オーディオ・キューを含むようにする電気音響変換器とを含む。
本発明の別の態様では、視聴者から所定の位置にある音源と整合した位置的キューを含むオーディオ信号を有するサウンド・トラックを含むオーディオ・ビジュアル素材を再生するオーディオ・ビジュアル再生システムは、三次元ビデオ画像を表示する表示装置と、オーディオ・ビジュアル素材の視聴者のための着座デバイスと、オーディオ信号を当該オーディオ信号に対応する音響エネルギに変換し、音響エネルギを、着座デバイス内に着座した視聴者の耳に向けて指向的に放射する指向性電気音響変換器とを含む。
本発明の別の態様では、オーディオ・システムは、オーディオ信号を指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する指向性音響デバイスと、オーディオ信号を無指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する無指向性音響デバイスとを備えている。人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含むオーディオ信号を、当該オーディオ・システムによって処理する方法は、第1オーディオ・チャネル信号を受け取るステップであって、第1オーディオ・チャネル信号が、頭部伝達関数(HRTF:head related transfer function)で処理したオーディオ信号を含む、ステップと、第2オーディオ・チャネル信号を受け取るステップであって、第2オーディオ・チャネル信号が、HRTF処理したオーディオ信号を含まない、ステップと、第1オーディオ・チャネル信号を指向性音響デバイスに送出するステップと、第2オーディオ・チャネル信号を無指向性音響デバイスに送出するステップとを含む。
本発明の別の態様では、オーディオ・システムは、オーディオ信号を指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する指向性音響デバイスと、オーディオ信号を無指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する無指向性音響デバイスと含む。人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含むオーディオ信号を、このオーディオ・システムによって処理する方法は、HRTF処理したオーディオ信号がないオーディオ信号を受け取るステップと、受け取ったオーディオ信号を処理して、HRTF処理したオーディオ信号を含む第1オーディオ信号と、HRTF処理したオーディオ信号を含まないオーディオ信号とを発生するステップと、指向性音響デバイスがHRTF処理したオーディオ信号を受け取り、無指向性音響デバイスがHRTF処理したオーディオ信号を受け取らないように、HRTF処理したオーディオ信号を送出するステップとを含む。
本発明の更に別の態様では、入力オーディオ信号を混合して、人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含む信号含む複数のオーディオ・チャネルを含むマルチチャネル・オーディオ信号出力を発生する方法は、入力オーディオ信号を処理して、出力チャネルの内、頭部伝達関数(HRTF)で処理したオーディオ信号を含む第1出力チャネルを供給するステップと、入力オーディオ信号を処理して、出力チャネルの内、頭部伝達関数(HRTF)で処理したオーディオ信号がない第2出力チャネルを供給するステップとを含む。
その他の特徴、目的、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面に関連付けて読むことによって明らかになるであろう。
まず、ここで用いる用語や略語の一部について説明する。
言葉使いの簡略化のために、「チャネルAに対応する音波の放射(Aは、マルチチャネル・システムのチャネル識別子)」または「チャネルAにおける信号に対応する音波を放射する」は、「チャネルAを放射する」と表現し、「チャネルBに対応する音波を放射する(Bはオーディオ信号の識別子)」は、「信号Bを放射する」と表現する。尚、音響放射デバイスとは、アナログまたはディジタル形態で表現されたオーディオ信号を音波に変換することであるのは、言うまでもない。
方向および角度を表現することを目的とした座標系を図1に示す。この座標系は、聴取者の2つの耳の間に原点を有する。聴取者の2つの耳の間にある線を含む水平面のことを「方位面」と呼ぶ。方位面内の角度について、0度とは、聴取者の直接前方であり、角度は反時計回り方向に度単位で測定する。聴取者の耳を接続する線は、90−270度軸であり、以後x軸と呼ぶ。0−180度軸は、方位面においてx軸に対して垂直であり、以降y軸と呼ぶ。本明細書および図面では、特に注記しない限り、方向および角度は方位面におけるものとする。「正中面(中央面)」とは、聴取者の2つの耳から等距離にある点によって規定される垂直面のことである。正中面では、角度を「仰角」と呼ぶ。仰角は、上方向に測定され、0度は聴取者前方の方位面であり、90度は聴取者の真上に当たる。正中面の90−270度軸のことを、以降z軸と呼ぶ。正中面のx軸およびz軸は、空間を「前半円」および「後半円」に分割する前/後面を規定する。
ここで用いる場合、「聴取空間」とは、通例1人の聴取者によって占められる空間の一部を意味する。聴取空間の例には、映画館における座席、イージー・チェア(easy chair)、リクライニング・チェア、または家庭娯楽室におけるソファ着座位置、車両乗員室における着座位置、および聴取者によって占められるその他の位置が含まれる。ここで用いる場合、「聴取領域」とは、音響的に連続した、即ち、音響バリアによって分離されていない、聴取空間の集合を意味する。聴取領域の例には、車両乗員室、家庭娯楽システムを装備した居室、映画劇場(motion picture theater)、観客席、および連続的な聴取空間を有するその他の立体的空間がある。聴取空間は、聴取領域と一致してもよい。
ここで用いる場合、「ローカル」とは、聴取空間に関与し、ある聴取空間において隣接する聴取空間よりもはるかに良く聞き取れるようにサウンドを放射するように構成されている音響デバイスのことを言う。図4Aの論述において以下で説明するが、単一の音響デバイスが、異なる2つの信号に関して、2つの隣接する聴取空間に対してローカルである可能性がある。「ノンローカル(nonlocal)」とは、特定の聴取空間には関与せず、サウンドが複数の聴取空間において聞き取れるように十分な振幅およびディスページョン(拡散)でサウンドを放射するように構成されている音響デバイスのことを言う。
「指向性」音響デバイスとは、音響ドライバからの放射波が空間内の一部の場所において、別の場所よりも良く聞こえるように、音響ドライバの放射パターンを変更する構成部品を含むデバイスのことである。指向性デバイスには、音波指向性送出デバイスと、干渉デバイスの2種類がある。音波指向性送出デバイスは、バリアを含み、ある方向では他の方向よりも大きな振幅で音波が放射されるようにする。音波指向性送出デバイスは、通例では、音波指向性送出デバイスの寸法に匹敵する波長を有する放射波に対して有効である。音波指向性送出デバイスの例は、ホーン(horn)および音響レンズである。加えて、音響ドライバは、その直径に匹敵する波長では指向性となる。
干渉デバイスは、少なくとも2つの放射エレメントを有し、これらは2つの音響ドライバ、または単一の音響ドライバの2つの放射面とすることができる。2つの放射エレメントは、波長が放射エレメントの直径よりも大きい周波数範囲において干渉する音波を放射する。音波は、ある方向では、それらが他の方向で相殺的に干渉(弱め合う干渉)するよりも多く相殺的に干渉する。別の言い方をすれば、相殺的干渉の量は、ドライバ間の中点に対する角度の関数である。
干渉指向性音響デバイスの一種に指向性アレイがある。指向性アレイは、少なくとも2つの音響ドライバを有する。音響ドライバから放射される音波の干渉パターンは、2つのドライバに送信されるオーディオ信号の信号処理によって、そしてエンクロージャの幾何学的形状および寸法、アレイのエレメント・サイズ、個々のエレメント・サイズ、エレメントの方位のようなアレイの物理的成分、ならびに音響抵抗、コンプライアンスおよび質量(マス)のような音響的要素によって制御することができる。
両耳時間差(ITD:interaural time difference)、即ち、2つの耳における音波の到達時間の差、および両耳位相差(IPD:interaural phase difference)、即ち、2つの耳における位相差が、音波の方向決定に役立つ。ITDおよびIPDは、公知の方法で数学的に関係付けられ、互いに変換できるので、用語「ITD」がここで用いられる場合はいつでも、適切な変換によって、用語「IPD」も適用することができる。両耳レベル差(ILD:interaural level difference)、即ち、2つの耳における振幅差も音源の方向決定に役立つ。ILDは、両耳強度差(IID:interaural intensity difference)と呼ばれることもある。ITD、IPD、ILD、およびIIDを「指向性キュー」と呼ぶ。ITD、IPD、ILD、およびIIDキューは、オーディオ信号に応答して放射される音波の頭部および耳との相互作用の結果得られる。表現の簡略化のため、「音波の頭部との相互作用から得られたILD(またはITDまたはIPDまたはIID)キュー」のことを「ILD(またはITDまたはIPDまたはIID)キュー」と言い、「頭部と相互作用してILD(またはITDまたはIPDまたはIID)キューが生じた音波の放射」を「放射ILD(またはITDまたはIPDまたはIID)キュー」と言う。
正中面における音響源は、2つの耳から等距離にあるので、ILDキューもITDキューもない。正中面における音源については、モノラル・スペクトル(MS)キューが、仰角の判定に役立つ。外耳は、x軸を中心とした回転に対して非対称的であり、異なるスペクトル成分範囲に対して異なる影響を及ぼす。耳におけるサウンドのスペクトルは、仰角と共に変化し、したがって、サウンドのスペクトル内容は仰角に対するキューとなる。正中面における音響源は、2つの耳から等距離にあるので、ILDキューもITDキューもなく、MSキューのみがある。
特にシミュレート音源を定位するとき(即ち、指向性キューを放射サウンドに挿入するとき)に人が頻繁に体験する現象の1つに、前/後混同がある。通例では、聴取者は、方位面においてx軸からの角度変位を定位することができるが、変位の方向を区別するのは困難である。例えば、図2Aを参照すると、ある聴取者は、音源202がx軸から30度変位していると判断することができる場合もあるが、60度(実線で示す)および120度(破線で示す)における音源を区別するのは困難である。前/後混同を解決する方法の1つは、頭部を回転させることである。例えば、図2Bに示すように、上から見て、頭部を時計回り方向に回転させ、左耳におけるレベルを増大させ、右耳におけるレベルを低下させ、ITDキューが前方から発生するサウンドに対して一定に変化する場合、前/後混同は解決され、音像は、後半円(120度)ではなく、前半円(60度)にあると感じられる。
伝達関数によってオーディオ信号を処理し、放射されたときに、これらが聴取者に対して所定の方位を示すITDまたはILDまたはMSキューを有するようにするには、人の頭部の幾何学的形状に関係する関数によってオーディオ信号を処理することを含めればよい。この関数は、通常、「頭部伝達関数(HRTF:head related transfer function)」と呼ばれている。HRTFを用いてオーディオ信号を処理し、放射されたときに、これらが聴取者に対して所定の方位を示すITDまたはILDまたはMSキューを有するようにすることを、HRTF処理と呼ぶことにする。距離キューとは、音響源の聴取者からの距離の指標である。距離キューの種類には、直接放射振幅の残響放射振幅に対する比率、直接放射波の到達と残響放射の開始との間の時間間隔、直接放射波の周波数応答(高周波放射波は、距離によって、低周波放射波よりも多く減衰される)、および信号放射波の周囲ノイズに対する比率等がある。頭部に近い音源では、ILDも距離キューとなり得る。例えば、音響放射波が一方の耳でのみ聴取可能な場合、音源はその耳に非常に近いと認知される。
明確化のために、オーディオ信号源、増幅器等のように、オーディオ・システム内にあるが本発明の説明には関係がないエレメントは、図から省略することにする。
特に注記しない限り、音源または再生システムのチャネル数は、聴取者に対して所定の位置関係でオーディオ・デバイスが放射することを意図したチャネルについて言及している。多くのサラウンド・サウンド・システムは、低周波効果(LFE:low frequency effect)およびバス・チャネルのようなチャネルを有するが、聴取者に対して規定された関係でオーディオ・デバイスが再生することを意図していない。5チャネルまたは6チャネルを有するオーディオ・システムでは、チャネルは、通常、「左前(LF)、中央前(CF)、右前(RF)、左サラウンド(LS)、中央サラウンド(CS)、右サラウンド(RS)」と呼ばれており、「サラウンド」とは、オーディオ・デバイスが聴取者の背後に放射しようと意図したチャネルを示す。開示する構成の多くは、5チャネルまたは6チャネルを有するオーディオ・エンコード・システムに関して述べる。しかしながら、本発明の教示によって、当業者は本発明の原理を、5チャネルまたは6チャネルよりも多いまたは少ないオーディオ・エンコード・システムに適用できることは言うまでもない。オーディオ信号源のチャネルが再生システムのチャネルよりも多い場合、チャネルを何らかの方法でダウンミックス(downmix)して、チャネル数を再生システムのチャネル数と等しくする。オーディオ信号源のチャネル数の方が再生システムよりも少ない場合、既存のチャネルから追加のチャネルを作成すればよく、あるいは1つ以上の音響放射デバイスが信号を受け取らないようにすることができる。
図3Aを参照すると、本発明によるオーディオ・システムの一実施形態の概略図が示されている。聴取領域10は、複数の聴取空間12、14、16を含む。オーディオ・システムは、図示しないオーディオ信号源と、エレメント18LF、18CF、18RF、18LS、18CS、18RSとして識別した、複数のノンローカル音響放射デバイスとを含む。音響放射デバイス18LF、18CF、18RF、18LS、18CS、18RSは、それぞれ、左前(フロント)チャネル、中央前(センターフロント)チャネル、右前チャネル、左サラウンド・チャネル、中央サラウンド・チャネル、および右サラウンド・チャネルを表すオーディオ信号を受け取り、オーディオ信号を十分な振幅および拡散を有する音波に変換し、聴取空間12、14、16の全てにおいて、音響放射デバイス18LF、18CF、18RFが放射した音波が受けられるようにする。加えて、ローカル音響放射デバイス12R、14R、16Rもある場合、各々聴取空間の1つに関連し、放射されるサウンドは、関連する音響空間では聞こえるが、隣接する聴取空間では殆ど聞き取れないような配置および構成とすることができる。可聴性に差をつけることは、多数の位置決め方法によって実現することができ、音響放射デバイスを耳の近くに配置したり(しかし、音響放射デバイス18LF、18CF、18RFからの放射波を大きく減衰しないように)、音響放射デバイスを一人の聴取者には他の聴取者よりもかなり近づけて配置する、あるいはその両方によって行うことができる。また、可聴性の差を実現するには、音響デバイスと隣接する聴取空間との間に、音響的に反射性または吸収性のバリアを使用することも可能である。また、可聴性の差を実現するには、ホーン、レンズのような指向性変更デバイスの使用、または放射デバイスの寸法と同様の波長における自然指向性の使用、またはローカル放射デバイス12R、14R、16Rのそれぞれに対する指向性アレイのような指向性デバイスの使用によっても可能である。指向性アレイは、音響ドライバの2つの表面からの放射波を使用する単一の音響ドライバを含むことができ、更にエンクロージャおよび音響フィルタ・エレメントの混成を含むこともできる。また、指向性アレイは、多数の音響ドライバ・アレイを含むこともできる。ローカル放射デバイス12R、14R、16Rに指向性アレイを用いた実施態様は、好適な指向性アレイの具体的な形式として、以下で更に詳しく説明する。また、可聴性の差は、位置決め方法、音響バリア、指向性デバイス、および指向性アレイの組み合わせによっても実現することができる。
指向性デバイスを用いたオーディオ・システムは、空間の間の隔離(分離)を大きくすることができるので、隣接する聴取空間にいる聴取者が、隣接する空間にいる聴取者に向けて発したサウンドによって影響を受ける虞れが少ないので、指向性デバイスを用いないオーディオ・システムよりも有利である。
1つ以上の音響放射デバイスは、1つ以上のローカル音響放射デバイス12LF、12CF,12RF、14LF、14CF、14RF、16LF、16CF、または16RFで補充したり、またはこれらと置換してもよい。これらの各々は、聴取空間に関連し、関連する聴取空間においては放射サウンドを聞くことができるが、隣接する聴取空間では殆ど聞こえないように配置および構成することができる。可聴性の差は、前述の技法の1つ以上によって実現することができる。一実施態様では、音響放射デバイス12LF、12CF,12RF、14LF、14CF,14RF,16LF、16CF、16RFは、範囲が制限された高周波音響ドライバであり、通例では、1.6Khzまたは2.0kHz以上の範囲を有する。音響放射デバイス12FL、12CF,12RF、14LF、14CF、14RF、16LF、16CF,16RFを付帯する聴取空間に隣接して配置すると、最大音圧レベル(SPL)を非常に制限しなければならない。範囲制限の必要性および最大SPL制限の必要性のために、直径20mmのドーム型音響ドライバのような、小型の音響ドライバが適当であろう。別の実施態様では、音響放射デバイス12LF、12CF、12RF、14LF、14CF、14RF、16LF、16CF、16RFの周波数範囲はもっと広くてもよく、または指向性アレイのような指向性デバイスでもよい。また、聴取領域10全体に低周波音波を放射する低周波音響放射デバイス20があってもよい。低周波放射デバイス20は、以後の図面では示されていない。
小型音響ドライバの使用が有利なのは、これらは容易に配置することができるからであり、しかも妨害にならないようにすることができるからである。小型で、範囲が制限された音響ドライバは、例えば、劇場または車両の座席の背後(座席背後に向けて放射する)、自動車両のダッシュボード、あるいは劇場の座席の肘掛けまたは家庭用家具の1つに配置することができる。
ノンローカル音響放射デバイス18LF、18CF、18RF、18LS、18CS、18RS、20は全て、音響環境に適した最大振幅、周波数範囲、および他のパラメータを有するコーン型ラウドスピーカのような、従来の音響放射デバイスでもよい。音響放射デバイスは、多数の放射エレメントを有してもよく、多数のエレメントが異なる周波数範囲を有してもよい。音響放射デバイスは、ポート付エンクロージャ(ported enclosure)、音響導波路、伝送線、受動放射器、およびその他の放射器のような音響エレメントを含むことができ、更に、ホーン、レンズ、または指向性アレイのような指向性変更デバイスも含むことができる。これらについては、以下で更に詳しく説明する。
図3Bの実施形態では、図3Aの音響放射デバイス12R、14R、16Rが、音響放射デバイス12LRおよび12RR、14LRおよび14RR、16LRおよび16RRとそれぞれ置き換えられている。デバイス12LRおよび12RR、14LRおよび14RR、16LRおよび16RRの各々は、聴取空間の1つにいる聴取者の一方の耳に用いられ、各々、関連する耳には放射サウンドが聞こえるが、他方の耳や隣接する聴取空間内にいる聴取者には殆ど聞こえないように配置構成されている。指向性の差は、前述の方法の1つ以上によって実現することができる。
音響放射デバイス18LF、18CF、18RFは、それぞれ、音響放射デバイス12LF、12CFおよび12RF、14LF、14CFおよび14RF、16LF、16CFおよび16RFの1つ以上と置き換えることや、またはこれらによって補充することも可能であり、各々聴取空間の1つで用いられ、関連する聴取空間では放射サウンドが聞こえるが、隣接する聴取空間では殆ど聞こえないように配置構成されている。前述したように、音響放射デバイス12LF、12RF、12CF、14LF、14RF、14F、16LF、16RFは、小型で範囲を制限した音響ドライバとすることができ、指向性アレイのような指向性デバイスとするとよい。
図3Cは、本発明の別の実施形態を示す。図3Cにおいて、図3Bのデバイス12LRは音響アレイ12LR’と置き換えられており、デバイス12RR、14LRは音響アレイ1214と置き換えられており、デバイス14RR、16LRは音響アレイ1416と置き換えられており、図3Bのデバイス16RRは音響アレイ16RR’と置き換えられている。音響アレイの動作については、図4A〜図4Cの論述において、以下に述べる。
図3Aおよび図3Bの構成と同様、音響放射デバイス18LF、18CF、18RFは、音響放射デバイス12LF、12CFおよび12RF、14LF、14CFおよび14RF、16LF、16CFおよび16RFとそれぞれ置き換えることができ、またはこれらで補充することができる。前述のように、デバイス12LF、12RF、12CF、14LF、14RF、14CF、16LF、16RF、16CFは、小型で、範囲が制限された音響ドライバとすることができ、または指向性アレイのような指向性デバイスとすることもできる。
動作において、オーディオ情報の一部または全部がローカル音響デバイスによって放射される。オーディオ情報の一部は、複数の聴取空間に共通に、ノンローカル音響デバイスによって放射してもよい。
図3A〜図3Cによるオーディオ・システムは、イヤホンや「頭部装着」デバイスを用いるサウンド放射システムより有利である。本発明によるシステムは、イヤホンに通例伴う「頭内」現象(in the head phenomenon)を回避する。音源は、頭部と共に動かず、頭部の運動の結果は、信号処理や頭部運動追跡デバイスも必要なく頭部装着デバイスよりも実際的に行うことができる。商業施設にとっては、サウンド放射デバイスは、盗難、損傷、故意による破壊の虞れが遥かに少なく、また通常の着脱もない。多数のユーザによるヘッドセット使用に伴う衛生上の懸念も、問題にはならない。図3A〜図3Cによるオーディオ・システムは、無指向性音響デバイスを用いるサウンド放射システムよりも有利である。何故なら、音響デバイスを頭部に接近して配置する必要がなく、更に単一のデバイスが2箇所の隣接する聴取空間にサウンドを放射できるからである。
図4Aは、エレメント1214、1416に適したマルチエレメント・アレイと共に用いる回路を示し、同様のデバイスを12LR’、16RR’にも用いることができる。図14Aのデバイス1214、1416は、各々、少なくとも2つの音響ドライバ1214L、1214R、または1416L、1416Rを有する。LS信号入力端子120が、伝達関数H1(s)を適用する回路、および加算器110、114によって、それぞれ、音響ドライバ1214L、1416Lに結合されており(sはラプラス周波数変数jωおよびω=2πfであるので、Hn(s)は伝達関数の周波数ドメインの表現となる)。LS信号入力端子120は、伝達関数H2(s)を適用する回路、および加算器112、116によって、それぞれ、音響ドライバ1214R、1416Rに結合されている。RS信号入力端子122は、伝達関数H4(s)を適用する回路、および加算器110、114によって、それぞれ、音響ドライバ1214L、1416Lに結合されている。RS信号入力端子122は、伝達関数H3(s)を適用する回路、および加算器112、116によって、それぞれ、音響ドライバ1214R、1416Rに結合されている。伝達関数H1(s)、H2(s)、H3(s)、H4(s)は、極性反転、時間遅延、位相シフト、最小または非最小位相フィルタ機能、信号増幅または減衰、ならびに単位関数(即ち、信号に何の作用も行わない関数)の組み合わせを含むことができる。これらの機能は、電子回路によって、物理的なエレメントによって、またはディジタル信号処理(DSP)ソフトウエアを用いたマイクロプロセッサによって実現することが可能である。
動作において、デバイス1214L、1416Lは、信号H1(s)LS+ H4(s)RSを放射し、デバイス1214R、1416Rは信号H2(s)LS+H3(s)RSを放射する。回路は、伝達関数H1(s)、H2(s)、H3(s)、H4(s)によって、LS信号のドライバからの放射が、左側の聴取空間内にいる聴取者の右耳に概略的に向かう方向において相殺的に干渉し、右側の聴取空間にいる聴取者の左耳に概略的に向かう方向において相殺的な干渉が少なくなるように、更に、RS信号の放射が、右側の聴取空間にいる聴取者の左耳に概略的に向かう方向において相殺的に干渉し、左側の聴取空間にいる聴取者の右耳に向かって相殺的干渉が少なくなるように構成することができる。
図4Aの一実施形態では、H2(s)、H4(s)は単位(1)の関数を表し、H1(s)、H3(s)は時間遅延、位相シフト、または双方、および極性反転を表すので、ドライバ1214L、1416Lは-G1LSΔT+RSを放射し、ドライバ1214R、1416RはLS-G3RSΔTを放射する。ここで、ΔTは時間シフトを表し、Gnは同じ下付文字を有する伝達関数に伴う利得を表す。あるいは、ドライバ1214L、1416Lは、-G1LSΔφ+RSを放射し、ドライバ1214R、1416RはLS-G3RSΔφを放射する。ここで、Δφは位相を表し、指向性アレイ1214、1416からのLS放射波は、聴取者の右耳において相殺的に干渉し、指向性アレイ1214、1416からのRS放射波は聴取者の左耳において相殺的に干渉する。別の実施形態では、H2(s)、H4(s)は単位関数を表し、H1(s)、H3(s)は信号位相シフト、利得、およびロー・パス・フィルタを表す。位相シフトによって、ドライバ1214、1416からのLS放射波は、聴取者の右耳において相殺的に干渉し、更にドライバ1214、1416からのRS放射はは、聴取者の左耳において相殺的に干渉する。利得は、適切な放射減衰量を得るのに役立つ。ロー・パス・フィルタは、音響ドライバの直径に相当する波長以下において、音響ドライバの自然指向性を調節することができる。ロー・パス・フィルタは、単体デバイスとして実装することができ、あるいは伝達関数を実現する回路内に組み込むこともできる。
図4Aに示すドライバは、放射面の軸が逸れる(発散する)ように配置されている。このように逸らすことは必須ではないが、前述の、音響ドライバの直径に相当する波長以下におけるドライバの自然な指向性を利用することができる。音響ドライバが自然に指向性を有する周波数では、より少ない相殺的干渉でも、指向性を実現することができる。
放射パターンの変更は、追加の伝達関数を表す追加のドライバ、回路、または双方において、時間、位相、および振幅関係を変更することによって可能である。
図4Aによるオーディオ・システムは、各聴取者の各耳に放射するサウンドの制御量を増加させることができるので、指向性アレイを用いないオーディオ・システムよりも有利である。加えて、マルチエレメント指向性アレイの使用により、単一のアレイでも、指向的に隣接する2つの聴取空間に異なるオーディオ情報を放射することが可能となる。
デバイス12LR’、1214、1416、16RR’に用いることができる音響デバイスの例は、米国特許第5,809,153号および米国特許第5,870,484号に記載されている。
図4Bは、ローカル音響デバイス14Rに指向性アレイを用いた、図3Aの実施形態の一実施態様を示す。デバイス1214は、少なくとも2つの音響ドライバ1214L、1214Rを有する。LS信号入力端子120が、伝達関数H1(s)を適用する回路および加算器110によって、音響ドライバ1214Lに結合されている。LS信号入力端子120が、伝達関数H2(s)を適用する回路および加算器112によって、音響ドライバ1214Rに結合されている。RS信号入力端子122が、伝達関数H4(s)を適用する回路および加算器110によって、音響ドライバ1214Lに結合されている。RS信号入力端子122が、伝達関数H3(s)を適用する回路および加算器112によって、音響ドライバ1214Rに結合されている。
動作において、ドライバ1214Lは信号H1(s)LS+ H4(s)RSを放射し、ドライバ1214Rは信号H2(s)LS+ H3(s)RSを放射する。回路は、伝達関数H1(s)、H2(s)、H3(s)、H4(s)の作用によって、LS信号放射波が聴取者の右耳の近傍において相殺的に干渉するように構成することができ、更に、回路は、伝達関数H1(s)、H2(s)、H3(s)、H4(s)の作用によって、RS信号放射波が聴取者の右耳の近傍において相加的に干渉(強め合う干渉)するように構成することができる。
図4Bの一実施形態では、H1(s)、H3(s)は単位関数を表し、H2(s)、H4(s)は時間遅延、位相シフト、または双方、および極性反転を表すので、ドライバ1214Rは-G2LSΔT+RSを放射し、ドライバ1214LはLS-G4RSΔTを放射する。ここで、ΔTは時間シフトを表し、Gは同じ下付文字の伝達関数に伴う利得を表す。または、ドライバ1214Rは-G2LSΔφ+RSを放射し、ドライバ1214LはLS-G4RSΔφを放射する。ここで、Δφは位相シフトであり、ドライバ1214LからのRS放射波は、聴取者の左耳では、ドライバ1214RからのRS放射波とは相殺的に干渉し、ドライバ1214RからのLS放射波は、聴取者の右耳では、ドライバ1214LからのLS放射波とは相殺的に干渉する。他の実施形態では、H1(s)、H2(s)、H3(s)、H4(s)は、最小または非最小位相フィルタ機能、信号増幅器または減衰器、および音響抵抗のような要素を、位相シフタまたは時間遅延に加えてまたはその代わりに、含むこともできる。これらの機能は、電気回路、物理的エレメント、またはDSPソフトウエアを用いたマイクロプロセッサによって実現すればよい。
図4Cは、双方向(分割周波数)指向性アレイを用いた、図4Aの実施態様を示す。指向性アレイ1214は、2つの低周波音響ドライバ1214LL、1214RLと、2つの高周波音響ドライバ1214LH、1214RHとを有する。指向性アレイ1416は、2つの低周波音響ドライバ1416LL、1416RLと、2つの高周波音響ドライバ1416LH、1416RHとを有する。
LS入力端子120が、ロー・パス・フィルタ140およびハイ・パス・フィルタ142に結合されている。ロー・パス・フィルタ140の出力は、伝達関数H1(s)を適用する回路および加算器124、132によって、それぞれ、低周波音響ドライバ1214LL、1416LLに結合されている。ロー・パス・フィルタ140の出力も、伝達関数H2(s)を適用する回路および加算器130、138によって、それぞれ、低周波音響ドライバ1214RL、1416RLに結合されている。ハイ・パス・フィルタ142の出力は、伝達関数H3(s)を適用する回路および加算器126、134によって、それぞれ、高周波音響ドライバ1214LH、1416LHに結合されている。ハイ・パス・フィルタ142の出力も、伝達関数H4(s)を適用する回路および加算器128、136によって、それぞれ、高周波音響ドライバ1214RH、1416RHに結合されている。
RS入力端子122が、ロー・パス・フィルタ144およびハイ・パス・フィルタ146に結合されている。ロー・パス・フィルタ144の出力は、伝達関数H6(s)を適用する回路および加算器124、132によって、それぞれ、低周波音響ドライバ1214LL、1416LLに結合されている。また、ロー・パス・フィルタ144の出力は、伝達関数H5(s)を適用する回路および加算器130、138によって、それぞれ、低周波音響ドライバ1214RL、1416RLにも結合されている。ハイ・パス・フィルタ146の出力は、伝達関数H8(s)を適用する回路および加算器126、134によって、それぞれ、高周波音響ドライバ1214LH、1416LHに結合されている。また、ハイ・パス・フィルタ146の出力は、伝達関数H7(s)を適用する回路および加算器128、136によって、それぞれ、高周波音響ドライバ1214LH、1416LHに結合されている。図4Cにおいて、ロー・パス・フィルタ140、144およびハイ・パス・フィルタ142、146は、単体エレメントとして示されている。実際の実施態様では、ロー・パス・フィルタおよびハイ・パス・フィルタを伝達関数H1〜H8に組み込むことができる。
動作において、デバイス1214LL、1416LLは信号H1(s)LS(lf)+ H6(s)RS(lf)を放射し、デバイス1214RL、1416RLは信号H2(s)LF(lf)+H5(s)RS(lf)を放射し、デバイス1214LH、1416LHは信号H3(s)LS(hf)+H8(s)RS(hf)を放射し、デバイス1214RL、1416RLは信号H4(s)LS(hf)+H7(s)RS(hf)を放射する。ここで、lfは低周波を示し、hfは高周波を示す。この回路は、伝達関数H1(s)〜H8(s)の作用によって、低周波LS信号の放射波が聴取者の右耳の近傍で相殺的に干渉し、低周波RS信号の放射波が聴取者の左耳の近傍で相殺的に干渉し、高周波LS信号の放射波が聴取者の右耳の近傍で相殺的に干渉し、高周波RS信号の放射波が聴取者の左耳の近傍で相殺的に干渉するように構成することができる。
分割周波数指向性アレイは、図示のように低周波ドライバの内側に配置した高周波音響ドライバによって実現することができ、あるいは低周波音響ドライバの上下に配置した2つの高周波音響ドライバによって実現することもできる。低周波音響ドライバ1214LL、1214RL、1416LL、1416RLに典型的な動作範囲は、150Hzから3kHzであり、高周波音響ドライバ1214LH、1214RH、1416LH、1416RHに典型的な動作範囲は、3kHzから20kHzである。
分割周波数アレイは、有用な相殺的干渉を広い周波数範囲全域において維持することができるので有利である。
図3A〜図3Cの実施形態は、多数の異なる方法で実施することができ、通例ではデバイス18LF、18CF、18RF、18LS、18CS、18RSの1つ以上によって放射される信号を、ローカル音響デバイスが放射するようにオーディオ・システムを構成することによって、指向性デバイスによって、頭部伝達関数(HRTF)が処理したオーディオ信号を放射することによって、1つ以上の音響デバイスが放射するオーディオ情報に関して、ある聴取空間を隣接する聴取空間から隔離するようにオーディオ・システムを構成することによって、1つ以上のオーディオ・デバイスが放射するオーディオ・コンテンツに関して、聴取者の一方の耳を他方の耳から隔離するようにオーディオ・システムを構成することによって、あるいは新規なミキシング(混合)システムを用いてオーディオ・コンテンツを混合し、新規な再生システムによってこのオーディオ・コンテンツを再生することによって、実施することができる。
図3A〜図3Cの実施形態の第1の実施態様は、ローカル音響デバイス(図3Aの12R、14R、16R、図3Bの12LR、12RR、14LR、14RR、16LS、16RR、および図3Cの12LR’、1214、1316、16RR’)が左、中央、右前チャネルおよび左、中央、右サラウンド・チャネルの1つ以上を放射できるように、オーディオ・システムのエレメントを再構成することである。図5Aでは、ローカル音響デバイス12R、14R、16Rが図3Aにおけるサラウンド・チャネルを放射するので、図3Aのデバイス18LS、18CS、18RSは不要となる。図5Bでは、ローカル音響デバイス12LR、12RR、14LR、14RR、16LS、16RRが図3Bにおけるサラウンド・チャネルを放射するので、図3Bのデバイス18LS、18CS、18RSは不要となる。図5Cでは、ローカル音響デバイス12LR、1214、1416、16RRが図3Cにおいて記載したようにサラウンド・チャネルを放射するので、図3Cのデバイス18LS、10CS、18RSは不要となる。図5A〜図5Cの構成を実施する回路について、以下に説明する。
図5A〜図5Cによるオーディオ・システムが用いられる環境は多くある。例えば、聴取領域は映画劇場であり、聴取空間を個々の座席とすることができる。また、聴取領域を車両内部とし、聴取空間を座席位置とすることができる。更に、聴取領域は家庭娯楽室とし、聴取空間は、着座位置または個々の家具とすることもできる。
図5A〜図5Cによるオーディオ・システムは、各聴取者の頭部に対して実質的に同じ方位を有するとともに、各聴取者の頭部から実質的に同じ距離だけ離れている1つまたは複数の放射デバイスからのサラウンド・チャネルを、あらゆる聴取者が受けるので有利である。その結果、空間像は、聴取者毎に一層均一となる。
図3B〜図3Cの実施形態を実施可能な第2の態様は、図3Aによる実施形態におけるHRTF処理を適用し、図4Bにおけるように指向性アレイが2つのチャネルを放射するようにすることである。HRTF処理したオーディオ信号は、耳におけるサウンドが適切なITDおよびILDキューを含む限り、いずれかの半円において音響デバイスによって放射することができる。
ITDキューおよびILDキューは、少なくとも2つの異なる方法で生成することができる。第1の方法は、「加算定位」(summing localization)または「振幅パンニング」(amplitude panning)として知られており、種々の音響デバイスに送られたオーディオ信号の振幅を変更(modify)して、変換時に、得られた適切なITDおよびILDキューを有する音波パターンが得られ聴取者の耳に到達するようにする。例えば、オーディオ信号を音響デバイス1LFのみに送り、唯一のデバイス18LFが信号を放射する場合、音源は、デバイス18LFの方向にあるように思われる。オーディオ信号をデバイス18RF、18CFに送り、18CFに送る信号の振幅を18RFに送る信号の振幅よりも大きくした場合、音源は、デバイス18CFおよび18RFの間で、多少デバイス18CFに近いところにあるように思われる。一般に、振幅パンニングは、y軸に近い音源に最も有効である。例えば、これまでの図では、音響デバイス18LF、18RFと原点とを結ぶ線によって規定される角度に配置されている音源である。振幅パンニングを用いると、音源と同じ半円内にある音響ドライバによって放射すると、頭部を回転させ前/後混同が解決されれば、現実的な効果が得られる。
x軸付近にある音源では、振幅パンニングの効果は少なく、オーディオ信号のHRTF処理によって、音像のより正確な認知を得ることができる。オーディオ信号のHRTF処理は、音波に変換されたときに、耳に到達する音波がITDおよびILDキューを有し、これらが所望の位置における音源のITDおよびILDキューに対応するように信号を変更することを含む。HRTF処理では、耳におけるITDおよびILDキューは、HRTF処理したオーディオ信号を放射する変換器の具体的な位置よりもはるかに重要である。
指向性音響デバイスによって変換される信号にHRTF処理を適用する信号処理方法について、以下に説明する。指向性音響デバイスによって変換される信号にHRTF処理を適用することは、指向性音響デバイスが聴取者の耳におけるオーディオ情報の制御範囲を拡大でき、多数の聴取者の耳においてオーディオ情報の均一性を高めることができるので有利である。これまでの図において見られたように、指向性音響デバイスは、各聴取者の2つの耳に対して方位が同じである。加えて、指向性デバイスが放射するオーディオ情報は、隣接する聴取空間においては遥かに聞き難く、例えば、聴取空間14にいる聴取者を対象としたオーディオ情報は、聴取空間12にいる聴取者には聞き難い。加えて、聴取者の一方の耳を対象としたオーディオ情報は、この聴取者の他方の耳にも聞き難いこともある。
振幅パンニングおよびHRTF処理双方を使用すると、聴取者に対する方位において音源を定位する利点を振幅パンングおよびHRTF処理各々が有するので、有利である。HRTF処理では、x軸付近の音源について音像を一層現実的に認知することができる。振幅パンニングは、y軸付近の音源について一層現実的な音像を得ることができ、ITDおよびILDキューは、音像の方向を判定するために頭部の回転を用いるときの実際の音源と一致する。
図3A〜図3Cの実施形態を適用可能な第3の態様は、指向性音響デバイスを用いて、ある聴取空間を隣接する聴取空間から隔離することである。例えば、これまでの図のシステムでは、デバイス12LF、14LF、または16LF、12CF、14CF、または16CF、および12RF、14RF、または16RFに指向性デバイスを用いることによって(指向性デバイス12R、14R、12LR、12RR、14LR、14RR、16LR、16RRによって放射されるオーディオ情報に加えて)、各聴取空間を隣接する聴取空間から隔離することができる。図5A〜図5Cのシステムでは、指向性デバイスが放射するオーディオ情報に関して、隣接する聴取空間を互いから隔離することができる。
用いることができる隔離方法は、前述の可聴性の差を実現する方法と同様であり、近似によって、音響装置と聴取者の耳との間または音響装置と隣接する聴取空間との間の経路に反射性または吸収性バリアを配置することによって、そして指向性アレイを含む指向性デバイスを用いることによって行う。
達成する隔離度に応じて、様々な有効な構造を設けることができる。例えば、数カ所の聴取空間に共通してある情報を放射することができ、これらの数カ所の聴取空間にそれぞれに、あるオーディオ情報を放射することができる。したがって、例えば、動画のサウンド・トラックをデバイス18LF、18CF、18RFから放射し、会話を隣接する聴取空間に異なる言語で放射することができる。このような用途では、ローカル・デバイス12LR、12RR、14LR、14RR、16LR、16RR、12R、14R、または16Rは、会話だけでなくサラウンド・チャネルも放射することができる。また、完全に異なるプログラム素材を隣接する聴取空間に放射する別の構造も設けることができる。例えば、外交的または業務上の会議において、ヘッドホンや頭部装着スピーカを用いることなく、スピーチの異なる翻訳を参加者に放射することができる。
図3A〜図3Cの実施形態を適用可能な第4の態様は、ローカル音響デバイスが放射するチャネルに関して、聴取者の一方の耳を他方の耳から隔離することである。このような構成によって、空間像の正確さおよび均一性が向上し、オーディオ信号を処理して「クロストーク」を排除する必要性が低減する。
第5の実施態様は、異なる組み合わせの音響デバイスから距離キューを放射することである。ノンローカル音響デバイス18LF、18CF、18RFからの放射波は、部屋と干渉し、距離キューを生成し、これによって部屋に関してある位置にある音源においてサウンドが発しているように思えるようになる。図3Aのローカル・デバイス12R、14R、16Rまたは図3Bの12LR、12RR、14LR、14RR、16LR、16RRからの放射波、または図3Cのデバイス12LR’、1214、1416、16RR’からの放射波の部屋との干渉は極僅かである。ローカル・デバイスが放射したオーディオ信号を変更し、これらが聴取者の耳において距離キューを生成するようにし、同じ信号を異なる聴取空間に用いるローカル・オーディオ・デバイスによって放射すると、サウンドは、各聴取者には、ユーザに対して離れたところで発しているように、各聴取者には思える。この手法は、認知距離を選択する際の高い柔軟性、および音源の高い柔軟性、ならびに各聴取者が認知する距離キューに対する制御性および均一性を向上させることができる。例えば、音源は、各聴取者に非常に近く思えることもある。加えて、認知される距離は、部屋の音響特性や部屋における聴取者の位置には関係なく、均一にすることができる。
図3A〜図3Cおよび図5〜図5Cの構成は、いずれも、図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cの方向から逆側に面する聴取者でも実現することができる。例えば、図3Aの構成は、聴取者の背後にある音響放射デバイス18LF、18CF、18RF、および聴取者の前にある音響放射デバイス12R、14R、16Rによって実現することができる。
図6は、本発明の別の実施形態を示す。図6の実施形態では、車両90が7カ所の着座位置80〜86を含む。着座位置80〜83の各々には、1対の音響放射デバイスが付随し、左背後(「LR」で示す)および右背後(「RR」で示す)に配置されている。デバイス80LR、80RR、81LR、81RR、82LR、82RR、83LR、83RRは、ヘッドレストまたは座席背面(シートバック)に装着することもできる。着座位置84には、指向性音響放射デバイス84LRが付随し、左背後に配置されている。着座位置86には、音響放射デバイス86RRが付随し、右背後に配置されている。音響放射デバイス8485は、着座位置84、85の背後でその中間に配置されており、音響放射デバイス8586は、着座位置85、86の背後でその中間に配置されている。着座位置80〜86の各々には、前方音響デバイス80LF、82LF、82LF、83LF、84LF、85LF、86LF、80RF、81RF、82RF、83RF、84RF、85RF、86RFの1つが関連し、着座位置前方の、例えば、天井内、コンソール内、前方の座席の座席背面、ダッシュボード、または肘掛けに配置されている。各着座位置には、この図には示さない、低音音響放射デバイスも関連させてもよく、あるいは、乗員室全体に低音周波数を放射する1つ以上の低音音響放射デバイスがあってもよい。別の実施形態では、デバイス80LF、82LF、82LF、83LF、84LF、85LF、86LF、80RF、81RF、82RF、83RF、84RF、85RF、86RFに、十分な拡散および振幅を有する音波を放射する音響デバイスを補充するか、あるいはこれらと置き換えて、1カ所よりも多い聴取空間において聴取可能にしてもよく、または図1Aのデバイス12CF、14CF、16CFのような単一のデバイスを補充するか、またはこれと置き換えることもできる。
音響放射デバイス80LF、82LF、82LF、83LF、84LF、85LF、86LF、80RF、81RF、82RF、83RF、84RF、85RF、86RFは、図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cの論述において先に説明したデバイスとすればよく、デバイス80LF、81LF、82LF、83LF、84LF、85LF、86LF、80RF、81RF、82RF,83RF、84RF、85RF、86RF、80LR、80RR、21LR、81RR、82LR、82RR、83LR、83RR、84LR、8485、8586、84RRは、前述のような指向性アレイとすればよい。追加の低音ラウドスピーカ(図示せず)あるいはワイド・レンジまたはフル・レンジのラウドスピーカ(図示せず)を、図示しない車両のドアまたは荷物棚のような場所に設けてもよい。
動作において、このオーディオ・システムは、前述のオーディオ・システムと同様に機能する。
図7A〜図7Eは、それぞれ、図3Cおよび図5Cのデバイス1214、1416として、特に劇場またはホーム・シアタ環境において用いることができる指向性音響アレイ・デバイス50の等角図、正面図、平面図、および側面図をそれぞれ示す。指向性音響アレイ・デバイス50は、音響放射デバイス52、54から成る第1サブアレイと、第1対の下に位置する音響放射デバイス56、57から成る第2サブアレイとを含む。各対の各音響放射デバイスは、図7Cに最も明白に示すように、当該対の他方に対して(即ち、x−y面において)角度をなしている。このような角度fは、典型的には145度である。加えて、音響放射デバイスの各対は、図7Dに最も明白に示すように、他方の対に対しても角度をなしている。このような角度θは、典型的には135度である。
図7Dに最も明白に見られるように、音響放射デバイスの各対が他方の対と角度をなすようにすると、ある範囲の聴取高さ、例えば、図7Eの背の高い人58(6’7”の人が姿勢を正して着座した場合の典型的な頭の高さ)、中背の人59(5’10”の人が姿勢を正して着座した場合の典型的な頭の高さ)、または背の低い人60(12歳の人が姿勢を正して着座した場合の典型的な頭の高さ)に有効な指向特性のアレイ50を得ることができる。
別の実施形態では、角度fまたはθあるいは両方を180度としてもよい。
図7Fおよび図7Gには、商用劇場またはホーム・シアタにおいて隣接する座席に装着して用いる、図7A〜図7Eの指向性アレイの正面および上面からの部分的概略図を示す。指向性アレイは、アレイの中心が隣接する座席の典型的な頭部の位置154、156からほぼ等距離(a1=a2)となるように、両肩の幅より多少広い間を開けて、2つの隣接する座席150、152の間にある構造に装着されている。
第1サブアレイ(ドライバ52、54)および第2サブアレイ(56、57)は、図4A〜図4Bの一方に示すように、または図10A〜図10Cの1つに示し本明細書の対応する部分に記載したように動作する。サブアレイは指向性を持ってサウンドを放射するので、単一のデバイス50を2つの隣接する座席から都合のよい距離の都合のよい場所に配置できて便利であり、しかも十分な隔離量も得られ、図4A〜図4Cにおいて先に述べた効果を利用することができ、更にある範囲の頭部の高さに対しても効果が得られる。図7A〜図7Gによる実施形態は、図4Cまたは以下に述べる図10Bの実施形態を組み込んで、分割周波数アレイとして構成することもできる。
図7Hに、別の指向性アレイを示す。図7Hの実施形態は、複数の指向性アレイ160Lおよび160R、162Lおよび162R、164Lおよび164R、166Lおよび166R、168Lおよび168Rを含み、各々2つの音響ドライバを含み、各々図4A〜図4Cを参照しながら説明したように動作する。所望であれば、システムは、高周波音響ドライバの対170L〜178Rも含み、図4Cまたは以下に述べる図10Bにおけるように、分割周波数アレイとして動作することもできる。ドライバは、各ドライバ対の一方(Lで示す)が同じ第1直線上に並び、各ドライバ対の他方(Rで示す)が、第1直線と平行の、同じ第2直線上に並ぶように装着されている。Lドライバの各々は、図4A〜図4Cの処理済みLS信号、または以下に述べる図10A〜図10Dの処理ずみLR信号のような、同じ信号を受け取り、Rドライバの各々は、図4A〜図4CのRS信号、または以下に述べる図10A〜図10DのRR信号のような、同じ信号を受け取る。図7Hの実施形態も、前述のように配置した高周波ドライバを含ませ、図4Cおよび図10Dに示すように、信号処理に適切な調節を行うことによって、分割周波数アレイとすることもできる。
別の表現をすると、図7Hの実施形態は1対のライン・アレイである。第1ライン・アレイは、「L」ドライバ、即ち、指向性アレイの各々の左側の音響ドライバを含む。第2ライン・アレイは、「R」ドライバ、即ち、指向性アレイの各々の右側の音響ドライバを含む。第1ライン・アレイの各音響ドライバは、図4A〜図4Cの処理済みLS信号または図10A〜図10Dの処理済みRR信号と同様のオーディオ信号を受ける。第2ライン・アレイの各音響ドライバは、図4A〜図4CのRS信号、または図10A〜図10CのRR信号と同様のオーディオ信号を受け取る。
動作において、図7Hによる指向性アレイが放射するサウンドは、x−y面において指向性があり、最上位および最下位のアレイ(160Lおよび160R、168Lおよび168R)によって規定される水平面、ならびにその間にある全水平面において実質的に同一であるという放射パターンとなっている。
図7Hによる実施形態は、ライン・アレイの指向性がより大きな垂直方向距離にわたって得ることができる、即ち、より大きな高さの円筒内全域で得ることができ、したがって広い範囲の頭部高さにも対応することができるので有利である。加えて、図7Hによる実施形態では、ライン・アレイに伴う音響的利点も得ることができる。
図8Aに、本発明によるミキシング・コンソール・システムを示す。ミキシング・コンソール・システムは、プロのレコーディングまたは動画などのためにサウンド・トラックを生成する。ミキシング・コンソール・システムのミキシング・コンソールは、通例では、多数の入力端子を有し、その各々が1つの入力チャネルに対応する。ミキシング・コンソールは、入力チャネルを整形(変更)し組み合わせるアナログまたはディジタル回路あるいは双方、およびミキシング技術者がミキシング命令を入力するためのユーザ・インターフェースを含む。ミキシング・コンソールの出力端子は、各々出力チャネルを表す。出力端子は、記録装置または再生システムに結合されている。
ミキシング技術者は、ミキシング・コンソールにおいてミキシング命令を入力し、ミキシング・コンソールは、命令にしたがって、入力端子において受け取った信号を整形する。ミキシング技術者は、命令にしたがって整形され再生システム上で再生されるオーディオ・シーケンスを聴取し、整形したオーディオ・シーケンスを記録装置内に保持するか、または異なるミキシング命令を用いて、オーディオの一楽節を再生する。
ミキシング・コンソール64は、N個の入力チャネルに対応する入力端子62−1〜62−Nを有する。ミキシング・コンソール64は、出力チャネルを表す出力端子66−1〜66−n(この例では、n=5であるが、これ以上でもこれ以下でも可能である)。出力端子66−1〜66−5は、図5Cの構成にしたがって、記録装置68および再生システムに結合されている。ノンローカル音響放射デバイス118LF、118CF、118RFが、図3Cの同様に付番されたエレメントと同様に配置されており、更に図3Cのデバイス1214、1416と同様に配置され同様の機能を有する近接音響放射デバイス112LR、112RRが示されている。ミキシング・コンソール・システムの別の実施態様では、図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cの構成を含むこともできる。サウンド・トラックが動画またはその他のオーディオ・ビジュアル・プログラムに用いることを意図したものである場合、ビデオ・モニタ190があるとよく、これは、図示のようにコンソール内に実装するとよく、あるいは別個のデバイスでもよい。投写型システムと共に用いる場合、映写スクリーン192、および画像をスクリーン上に投写するプロジェクタ194があればよい。
図8Aのミキシング・コンソール・システムは、図5Cの実施形態と調和する再生システムを有する。離れた音響放射デバイス118LF、118CF間、および118CF、118RF間の音源は、振幅パンニングによって模擬(シミュレート)することができる。別の場所における音源は、前述のようなHTRF処理によってシミュレートすることができ、以降の図面において更に詳細に説明する。別の実施形態では、ミキシング・コンソールは、図3A〜図3C、図5A、または図5Bの実施形態の他方の再生システムを有することもできる。
ミキシング・コンソール64は、従来のものでもよく、あるいは従来の処理回路、また好ましくは、以下で図9A、図9Bおよび図10A〜図10Cに示すエレメントを内蔵した回路を備えるとよい。例えば、追加の低周波効果(LFE)チャネル、または側方チャネルのような追加チャネル、左中央および右中央チャネル、または追加のサラウンド・チャネルがあるとよい。モニタ190およびスクリーン192も従来のものでよい。プロジェクタ194は、二次元(2D)プロジェクタまたは三次元(3D)プロジェクタのいずれでもよい。3Dプロジェクタの場合、偏光ガラスのような、技術者が用いるための、図示しない追加エレメントを備えることも可能である。
ミキシング命令を入力するとき、ミキシング技術者は、本発明による再生システム上において、混合オーディオ出力チャネルがどのように聞こえるか確認するので、本発明によるシステムによって再生されるときに、一層現実味を与えたり、心地よい結果を与えるように入力信号を混合することができる。また、出力チャネルは、従来のサラウンド・サウンド・システムにおけるチャネルとしても用いることができるので、再生されたチャネルは、従来のサラウンド・サウンド・システム上で再生することも可能である。ミキシング・コンソール64の回路が、本発明によるオーディオ・システムの再生エレメントを内蔵している場合、ミキシング・システムが再生するサウンド・トラックは、本発明による再生システムによって再生されると、特に現実感を得ることができる。ミキシング・コンソール64、再生システム、または双方に回路を内蔵することについては、以下の図11Aおよび図11Bの論述において更に詳しく説明することにする。
動画またはテレビジョン・サウンド・トラックの場合、技術者は、音響エネルギに変換したときに、聴取者の耳に到達する音響エネルギが、視覚画像と密接に結びついた場所的オーディオ・キュー(距離キュー、ILD、ITD、MSキュー内1つ以上のような)を有することができるように、サウンド・トラックを混合することもできる。例えば、爆発の視覚画像が、視聴者から離れたところである方位に向かうようにモニタまたはスクリーンに現れる場合、技術者は、この爆発と関連付けられたオーディオ・キューが、見かけ上遠く離れた音源地と密接に結びつき、同じ方位となるように、サウンド・トラックを混合することができる。
図8Bを参照すると、図8Aの実施形態によるオーディオ・ビジュアル・ミキシング・システムによって作成したサウンド・トラックを含む、オーディオ・ビジュアル・プレゼンテーションを再生する効果を示す図がある。オーディオ・イベント、例えば、突進する象(charging elephant)の場所的オーディオ・キューは、位置182aにおける音源と密接に結び付けることができる。突進する象の視覚画像は、見かけ上の音源地と一致して、位置180aにあると思えるようにすることができる。見かけ上の音源地および視覚画像は、両端矢印で示すように、一緒に移動していると思えるようにすることもできる。見かけ上の音源と視覚画像を一致させる効果によって、視聴者/聴取者184に一層現実的(リアル)な場面の画像を提供することができる。
本発明による再生システムは、スクリーンと視聴者/聴取者184との間に現れることを意図したオーディオ・ビジュアル・イベントには特に有利である。第1視覚画像180b−1、例えば、オーディオ・システムによって心理学的キューを与えることなく、視聴者/聴取者の近くで非常に穏やかに話す人の視覚画像がスクリーン192上にあるように思わせることができる。画像を非常に大きく拡大したり、「ラップアラウンド」スクリーン(wraparound screen)を用いるというような、何らかの投写技法を用いると、視覚画像をいくらか近づいたように思わせることができるが、視覚画像がスクリーンよりも近いと思わせるには、未だ難題が残っている。例えば、位置182bにおいて、聴取者に近い音源と密接に結びついたオーディオ・キューを与えるように混合したサウンド・トラックを聞くと、このイベントを認知した位置が、視聴者/聴取者に一層近づいて、例えば、位置180b−2にあるように思わせることができる。
次に図8Cを参照すると、三次元(3D)ビジュアル技法を用いることによって、一層現実的な感覚的経験を得ることができる。図8Cの実施形態では、距離キューは、視覚画像の位置180cと密接に結びつき、視聴者/聴取者に非常に近い音源の位置182cと密接に結び付けることができる。移動する物体では、見かけ上の音源および視覚画像は、両端矢印で示すように、スクリーン前方の位置とスクリーン背後の位置との間で、一緒に前後に移動することができる。
図8Bの実施形態の再生ビジュアル・システムは、従来のモニタまたは平面スクリーン・プロジェクタ・システム、あるいはカナダ国、オンタリオ州、トロントのIMAX(登録商標)Corporationが開発したシアタ・システムのような、一層複雑な大型スクリーン・システムとすることも可能である。図8Cの実施形態の再生ビジュアル・システムは、異なる偏光のステレオ画像を、異なる偏光レンズを用いたビューア・グラスと組み合わせて投写する投写システムのような、3Dビジュアル・システムとすることもできる。オーディオ再生システムは、図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cのオーディオ・システムの1つとすることができる。図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cのオーディオ・システムのローカル音響放射デバイスは、均一な音象を、座席が多数ある部屋または劇場の視聴者/聴取者に提供することができる。これは、オーディオ・ビジュアル・イベントを頭部近くで描写するためには特に重要である。
次に図9Aを参照して、図3Bに示したようなオーディオ・システムにオーディオ信号を供給する信号処理システムのブロック図を示す。チャネルLF、LSは、コンテンツ判定部90Lに入力される。コンテンツ判定部90LFは、同じ位相を有するチャネルLF、LSのコンテンツ(LF+LSで示す)、チャネルLFだけにあるコンテンツ(LFで示す)、およびチャネルLSだけにあるコンテンツ(LS)を判定する。コンテンツ判定部90LFは、係数aLV、AlおよびA2も、次の式に従って計算する。
Figure 2004187300
ここで、YはLFおよびLSの内大きい方であり、XはLF+LSとLF−LSの内大きい方である。音源の角度θLVは、θLV=sin-1αLVによって決定される。LF、LS、X、Y、A1、A2、およびaLVの値は、各128または256サンプル毎というような間隔で繰り返し再計算されるので、これらは時間と共に変化する。
コンテンツ判定部90LFのLF出力は、LF再生信号となる。コンテンツ判定部90LFのLS出力は、LR再生信号となる。信号LF+LSは、時変ILDフィルタ92LFによって処理される。フィルタ92LFは、頭部の寸法、および時変角度θの正弦(aLVで示す)をパラメータとして用いる。時変角度θは、移動するビジュアル・ラウドスピーカの位置を表す。aLVおよびθLVは既知の様式で関係付けられているので、システムはデータをいずれかの形式で格納すればよい。頭部の寸法は、計算を容易にするために、対称的球状頭部モデルに基づいて、典型的な大きさの頭部から取ればよい。更に複雑なシステムでは、頭部寸法は、更に精巧化したモデルに基づいてもよく、聴取者の頭部の実際の寸法としてもよく、回折データのような、他のデータを含んでもよい。時変ILDフィルタ92Lは、フィルタ処理した同側耳(音源に近い側の耳)オーディオ信号、およびフィルタ処理した対側耳(音源から遠い側の耳)オーディオ信号を出力する。フィルタ処理した同側耳オーディオ信号およびフィルタ処理した対側耳オーディオ信号は、次に、時変ITD遅延94Lによって遅延され、遅延同側耳オーディオ信号および遅延対側耳オーディオ信号を供給する。遅延は、頭部寸法およびaLV、即ち、時変角度θLVの正弦をパラメータとして用いる。遅延同側耳オーディオ信号および遅延対側耳オーディオ信号は、正中面における音源を除いて、異なるのが通例である。
RF信号およびRS信号は同様に処理される。LF−LS信号経路の遅延同側耳オーディオ信号は、加算器96Lにおいて、R−RS信号経路の対側耳オーディオ信号と結合される。R−RS信号経路の遅延同側信号は、加算器96Lにおいて、LF−LS信号経路の遅延対側信号と結合される。
CF信号およびCS信号は、コンテンツ判定部90Cに入力され、コンテンツ判定部90Cはコンテンツ判定部90L、90Rと同様の計算を実行する。コンテンツ判定部90CのCF出力は、CF再生信号となる。コンテンツ判定部90CのCS出力は、CS再生信号となる。CF+CL信号は、MSプロセッサ93によって処理され、処理済みモノラルCF+CL信号を生成する。MSプロセッサは、移動(可変)ノッチ・フィルタを適用し、ノッチ周波数は仰角θCVに対応し、MS処理したモノラル信号を供給する。これを加算器96Lにおいて加算し、デバイス12LR、14LR、16LRの再生信号を供給し、更に加算器96Rにおいて加算し、デバイス12RR、14RR、16RRの再生信号を供給する。デバイス12LR、14LR、16LR、およびデバイス12RR、14RR、16RRの再生信号のみが、あらゆるHRTF処理信号を含む。実施態様によっては、ノッチ・フィルタは、最大360度の仰角を表すことができる。聴取者の前方から聴取者の背後まで移動する音源では、音源が聴取者の頭上や下方を移動したり、あるいは聴取者を通過する効果を得ることができる。
次に図9Bを参照して、図5Bに示したようなオーディオ・システムにオーディオ信号を供給する信号処理システムのブロック図を示す。図9Bのプロセスでは、LF、LS、RF、RS、CF、CS信号は、図9Aのプロセスと同様に、コンテンツ判定部90L、90R、90Cによって処理される。図9Aの処理におけると同様、コンテンツ判定部のLFおよびRF出力信号は、それぞれ、LFおよびRF再生信号となる。コンテンツ判定部のLF+LS、RF+RS、CF+CS出力信号は、図9Aのプロセスと同様に処理される。LSおよびRS信号は、スタティックILDフィルタおよびスタティックITD遅延によって処理される。スタティックILDフィルタおよびスタティックITD遅延は、角度θLC、θRCが一定であり、したがって値aLC、aRCも一定であることを除いて、時変ILDフィルタおよび時変ITD遅延と同様である。角度θLC、θRCは、音響デバイス12LRおよび12RR、14LRおよび14RR、16LRおよび16RRの放射によって形成される仮想後部(リア)スピーカの角度変位を表す。LF−LS信号経路の同側出力信号は、加算器96Lにおいて加算され、LF−LS信号経路の対側出力信号は、加算器96Rにおいて加算される。R−RS信号経路の同側出力信号は、加算器96Rにおいて加算され、R−RS信号経路の対側出力信号は、加算器96Lにおいて加算される。CS信号経路の出力信号は、必要であれば、スケーリングを伴って、加算器96L、96Rにおいて加算される。再生デバイス12LR、12RR、14LR、14RR、16LR、16RRによって放射される信号だけがHRTF処理される。
図9Aおよび図9Bによる実施形態は、横方向において、一層正確で、制御され、一貫性(整合性)のある認知を可能にするので有利である。本発明によるシステムは、側方にある音源に実際のILDおよびITDキューを与える。
プログラム素材は、典型的にディジタル・エンコードされている場合、明示的に音源の位置を指定するオーディオ信号に付随してメタデータがあり、聴取者に対する音源の方位、聴取者からの距離を含む。位置情報が指定されているので、フィルタおよび遅延値を直接決定することができ、値aLV、aRV、aCVの計算は不要となる。
図9Aまたは図9Bによるシステムは、HRTF処理信号がローカル音響デバイスによって放射され、ITD、ILDおよびMSキューの制御範囲を広げることができ、したがって聴取空間毎に一層密接に結びついた現実的な音像が得られるので有利である。
次に図11Aおよび図11Bを参照し、本発明の原理を具現化した2つのコンテンツ作成および再生システムを示す。図11Aでは、従来型のコンテンツ作成モジュール204aは、オーディオ入力端子62−1〜62−nと、従来型のオーディオ・ミキサ208とを含む。従来型のオーディオ・ミキサ208は、信号線266−1〜266−5を通して、記憶/送信装置210aに結合されており、各信号線が従来型のオーディオ・チャネルを送信する。記憶/送信装置は、参照番号266−1〜266−5で識別される信号線によって、再生システム212aに結合されており、従来型のオーディオ・ミキサ208から記憶/送信装置210aに送信されるチャネルに対応するオーディオ・チャネルを出力することを示す。再生システム212aは、HRTF信号処理回路214と、変換器、例えば、音響デバイス18LF、18CF、18RF、指向性デバイス1214、1416を含む。音響デバイス1214、1416は、音響アレイ1214、1416とすることもできる。これまでの図面におけると同様、増幅器、イコライザ(等化器)、クリッパ、圧縮器等、本発明に関係のない従来のデバイスは示されていない。
図11Bでは、HRTFコンテンツ作成モジュール204bは、HRTFエンコード・オーディオ信号源を含む。HRTFエンコード・オーディオ信号源は、CD、DVDまたは動画のサウンド・トラックのような、従来の混合オーディオ・コンテンツ源218を含み、HRTF信号処理回路214に結合されている。代わりに、または加えて、HRTFエンコード・オーディオ信号源は、HRTFミキシング・コンソール64、例えば、図8Aのミキシング・コンソールに結合されたオーディオ入力端子62−1〜62−nも含むことができる。HRTFコンテンツ作成モジュール204bは、各々オーディオ・チャネルを送信する信号線によって、記憶/送信装置210bに結合されている。信号線には「HRTF」または「非HRTF」と示されており、チャネルの一部がHRTFエンコード情報を含み、更に非HRTFエンコード情報も含む場合もあり、更にチャネルの一部はHRTFエンコード情報を全く含まないことを意味する。記憶または送信回路210bは、「HRTF」または「非HRTF」と示された信号線によって、再生モジュール212bに結合されている。これらの信号線によって、記憶/送信装置210bは、HRTFコンテンツ作成モジュールから送信されるチャネルに対応するオーディオ・チャネルを出力することを意味する。再生モジュール212bは、構成調節部222を含めば、変換器の数、帯域幅、位置、および指向性に信号を適合化し、更に変換器18LF、18CF、18RF、ならびに指向性デバイス1214、1216、例えば、指向性アレイも適合化することができる。
オーディオ入力端子62−1〜62−nは、図8Aで同様に付番されている入力端子と同様とすればよい。HRTF信号処理回路214は、図9A〜図9Cまたは図10A〜図10Cの回路と同様の回路を含めばよい。変換器18LF、18CF、18RFおよび指向性デバイス1214、1416は、これまでの図面で同様に付番されているエレメントと同様とすればよい。構成調整部222は、再生システムの構成を調節するための回路を含み、例えば、これまでの図面の低周波デバイス20または図3A〜図3Cおよび図5A〜図5Cの追加の音響デバイスの有無に対する調節を行えるようにするとよい。記憶/送信装置210a、210bは、例えば、無線信号またはテレビジョン信号、コンテンツ作成モジュール204a、204bの出力を送信する機器を含むことができ、または大容量記憶装置、RAM、CD−ROM記録装置、DVD記録装置等のようなデータ記憶装置を含むことができる。従来の混合オーディオ・コンテンツ源218は、コンパクト・ディスク、CD−ROM、オーディオ・テープ、RAM、またはオーディオ受信機のようなデバイスとすることができる。HRTFミキシング・コンソール64は、図8Aで同様に付番されたエレメントのような、ミキシング・コンソールとすればよい。
動作において、図11Aのシステムでは、通常のオーディオ・コンテンツが従来のコンテンツ作成回路204aにおいて作成される。次いで、このコンテンツは、通常に作成されたコンテンツとして、記憶/送信回路210aによって送信される。この従来と同様に作成されたコンテンツは、再生システム212aに送信され、HRTF信号処理回路214によって本発明にしたがって処理され、変換器に送信される。
図11Bのシステムでは、HRTF信号処理を通常の混合オーディオ・コンテンツに適用することによって、図8Aの論述において先に説明したように、オーディオ信号をHRTF処理し混合することによって、あるいはこれらの双方によって、HRTF処理されたオーディオ・コンテンツを作成する。HRTF処理されたオーディオ信号は、記憶/送信回路210bによって格納または送信され、そして変換器に送信される。
図11Aのシステムでは、コンテンツは、従来と同様のエンコード・オーディオ・コンテンツとして格納または送信される。コンテンツは、特定の再生システムを基準とせずに混合されるので、信号は、HRTF処理のない従来の再生システムと互換性がある。図11Aのシステムの利点は、再生デバイス212aがHRTF処理を、従来と同様に混合されたオーディオ・コンテンツに使用し、見かけ上の音源を定位できることである。
図11Bのシステムでは、オーディオ・コンテンツは、本発明によるHRTF処理信号として格納または送信される。コンテンツは、特定の再生システムを基準として混合される。図11Bのシステムの利点は、再生回路がはるかに単純でしかも安価にできることである。
図10A〜図10Dを参照して、指向性アレイと共に用いるために、図9Bの再生信号を整形(変更)する信号処理システムのブロック図を示す。図10Aでは、入力信号は、加算器96L、96Rの出力を変換せず、更にノード98L、98Rにおいてそれぞれ処理することを除いて、図9Bの場合とほぼ同様に処理される。図10Aおよび図10Bでは、加算器96L、96Rの出力は、それぞれ、図4Aおよび図4Cの場合とほぼ同様に処理され、図5Cのシステムのアレイ1214、1416のような指向性アレイにオーディオ信号を供給する。図10Cでは、加算器96L、96Rの出力は、図4Bの場合とほぼ同様に処理され、図5Aのシステムのようなシステムにおけるデバイス14Rのような指向性アレイにオーディオ信号を供給する。
図8の実施形態にしたがってプログラム素材を混合する場合、図9A〜図9Bまたは図10A〜図10Cの処理を行わずに、プログラム素材を直接再生システムに入力することができる。再生システムは、適切な数および形式の出力チャネルを供給するように処理しなければならない場合もある。処理には、オーディオ信号を周波数範囲に分割すること、2つのチャネルをダウンミキシングして第3チャネルを作成すること、または2つのチャネルをアップミキシングして1つのチャネルを作成すること、または何らかの同様の動作を行うことが含まれる。オーディオ信号を周波数範囲に分割するには、公知の従来からの回路を用いることができる。
図9A〜図10Dのブロックの機能は、ディジタル・エンコードしたオーディオ信号ストリームに信号処理を実行するソフトウエア・モジュールを含むことができるディジタル信号処理(DSP)エレメントによって実行するとよい。
図10A〜図10Cの実施形態によるオーディオ・システムは、指向性音響デバイスが音響的隔離を形成し、耳におけるオーディオ信号の制御性を向上させることによって、聴取空間毎に一層現実的で均一な音像が得られるので有利である。
当業者は、本発明の概念から逸脱することなく、ここに開示した具体的な装置および技法の数多くの使用形態や、それらからの発展が可能であることは明白である。したがって、本発明は、ここに開示した装置および技法の中に存在するまたはそれらが保有する、それぞれの新規な特徴および特徴の新規な組み合わせをも包含するものとして解釈し、特許請求の範囲の精神およびその範囲によってのみ限定されるものである。
図1は、図における方向および角度を表すための座標系を示す図である。 図2Aは、本明細書において説明する概念の一部を示す図である。 図2Bは、本明細書において説明する概念の一部を示す図である。 図3Aは、本発明を組み込んだオーディオ・システムの実施形態の図である。 図3Bは、本発明を組み込んだオーディオ・システムの実施形態の図である。 図3Cは、本発明を組み込んだオーディオ・システムの実施形態の図である。 図4Aは、本発明の実施形態とともに用いるマルチエレメントのブロック図である。 図4Bは、本発明の実施形態とともに用いるマルチエレメントのブロック図である。 図4Cは、本発明の実施形態とともに用いるマルチエレメントのブロック図である。 図5Aは、図3Aの実施形態の実施態様を示す図である。 図5Bは、図3Bの実施形態の実施態様を示す図である。 図5Cは、図3Cの実施形態の実施態様を示す図である。 図6は、車両乗員室における本発明の実施態様のブロック図である。 図7Aは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Bは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Cは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Dは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Eは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Fは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Gは、本発明と共に用いるのに適したマルチエレメント・アレイを劇場の座席に装着した状態を示す図である。 図7Hは、本発明と共に用いるのに適したマルチペア・マルチエレメント・アレイの正面等角図である。 図8Aは、本発明によるオーディオ・ミキシング・システムのブロック図である。 図8Bは、本発明のオーディオ・ビジュアルの一面を説明するための概略システム図である。 図8Cは、本発明のオーディオ・ビジュアルの一面を説明するための概略システム図である。 図9Aは、本発明による信号処理システムのブロック図である。 図9Bは、本発明による信号処理システムのブロック図である。 図10Aは、指向性アレイと共に用いる信号処理システムのブロック図である。 図10Bは、指向性アレイと共に用いる信号処理システムのブロック図である。 図10Cは、指向性アレイと共に用いる信号処理システムのブロック図である。 図10Dは、指向性アレイと共に用いる信号処理システムのブロック図である。 図11Aは、本発明によるコンテンツ作成および再生システムのブロック図である。 図11Bは、本発明によるコンテンツ作成および再生システムのブロック図である。

Claims (41)

  1. 複数のチャネルを含むオーディオ・システムであって、
    複数の聴取空間から成る聴取領域と、
    前記聴取空間の内第1聴取空間内において聴取者の頭部に接近して配置され、前記チャネルを受ける1つの範囲の成分に対応する第1音波を放射する指向性オーディオ・デバイスと、
    前記聴取領域内部で前記聴取空間外部に、前記聴取空間から離れて配置され、前記チャネルの内第2チャネルの成分に対応する音波を放射する無指向性オーディオ・デバイスと、
    を備えたオーディオ・システム。
  2. 請求項1記載のオーディオ・システムにおいて、前記指向性オーディオ・デバイスが複数の音響ドライバから成り、該音響ドライバが放射する音波が、空間内の第1所定位置において相殺的に干渉し、空間内の第2所定位置において非相殺的に干渉するように前記音響ドライバが配置構成された、オーディオ・システム。
  3. 請求項2記載のオーディオ・システムにおいて、前記第1所定の位置が第1聴取空間内にあり、前記第2所定位置が第2聴取空間内にある、オーディオ・システム。
  4. 請求項2記載のオーディオ・システムにおいて、前記第1所定位置が、聴取者の第1の耳を受容する第1体積に近接し、前記第2所定位置が、前記聴取者の第2の耳を受容する第2体積に近接する、オーディオ・システム。
  5. 請求項1記載のオーディオ・システムにおいて、前記聴取領域が劇場であり、前記第1および第2聴取空間が前記劇場内部の着座位置である、オーディオ・システム。
  6. 請求項1記載のオーディオ・システムにおいて、前記聴取領域が車両の乗員室であり、前記聴取位置が前記車両の乗員室内部の着座位置である、オーディオ・システム。
  7. オーディオ・システムを動作させて、隣接する第1聴取空間および第2聴取空間にサウンドを放射する方法であって、
    第1オーディオ信号を受け、
    第1オーディオ信号を第1変換器に送信し、
    前記第1変換器によって、前記第1オーディオ信号を、該第1オーディオ信号に対応する第1音波に変換し、
    前記第1音波を第1聴取空間に放射し、
    前記第1オーディオ信号を処理して、遅延第1オーディオ信号を供給し、前記処理が、前記オーディオ信号の時間を遅延させること、および前記オーディオ信号の位相をシフトすることの少なくとも1つから成り、
    前記遅延第1オーディオ信号を第2変換器に送信し、
    前記第2変換器によって、前記遅延第1オーディオ信号を、該遅延第1オーディオ信号に対応する第2音波に変換し、
    前記第2音波を前記第2聴取空間に放射する、
    ことを含む方法。
  8. 劇場の隣接する1対の座席間にある、指向性音響放射デバイス。
  9. 請求項8記載の装置において、前記指向性放射デバイスが、第1オーディオ信号に対応する第1音波を放射し、第2オーディオ信号に対応する第2音波を放射し、
    前記第1音波に対向する第3音波を放射し、
    前記第2音波に対向する第4音波を放射するように構成配置された装置。
  10. 請求項8記載の装置において、前記劇場の座席の1つが、着席する人の頭部の通常の位置の下にあり、前記劇場の座席の第2の座席が、着席する人の頭部の通常の位置の下にあり、前記指向性音響放射デバイスが、前記第1座席通常位置および前記第2座席通常位置から実質的に等距離にある、装置。
  11. 操作者の頭部に限定された指向性音響放射デバイスを備える再生システムを備えるオーディオ・ミキシング・システムであって、
    前記再生システムが、更に、前記操作者の前記頭部に限定されない音響放射デバイスを備える、オーディオ・ミキシング・システム。
  12. 請求項11記載のオーディオ・ミキシング・システムであって、更に、ビデオ画像を表示するビデオ・システムを備えており、前記操作者が、関連するビデオ画像と一致する音源位置と整合したオーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能なオーディオ信号を混合可能とする、オーディオ・ミキシング・システム。
  13. 請求項12記載のオーディオ・ミキシング・システムにおいて、前記ビデオ・システムが三次元ビデオ・システムである、オーディオ・ミキシング・システム。
  14. 指向性音響放射デバイスであって、
    エンクロージャと、
    2つのエレメントを備え、前記エンクロージャ内に取り付けられた第1指向性サブアレイであって、前記第1の2つのエレメントが協動して第1音波を指向的に放射し、前記第1の2つのエレメントの各々が軸を有し、前記第1の2つのエレメントの前記軸が第1面を規定する、第1指向性サブアレイと、
    2つのエレメントを備え、前記エンクロージャ内に取り付けられた第2指向性サブアレイであって、前記第2の2つのエレメントが協動して第2音波を指向的に放射し、前記第2の2つのエレメントの各々が軸を有し、前記第2の2つのエレメントの前記軸が第2面を規定する、第2指向性サブアレイと、
    を備えており、
    前記第1面および前記第2面が非平行である、
    指向性音響放射デバイス。
  15. 請求項12記載の指向性音響放射デバイスにおいて、前記第1指向性サブアレイの一方のエレメントの前記軸、および前記第2サブアレイの一方の前記軸が、第3面を規定し、
    前記第1指向性サブアレイの他方のエレメントの前記軸、および前記第2サブアレイの他方のエレメントの前記軸が、第4面を規定し、
    前記第3面および前記第4面が非平行である、
    指向性音響放射デバイス。
  16. オーディオ信号の放射方法であって、
    第1オーディオ信号に対応する音波を、指向的に第1聴取空間に放射し、
    第2オーディオ信号に対応する音波を、指向的に第2聴取空間に放射し、
    第3オーディオ信号に対応する音波を、無指向的に前記第1聴取空間および前記第2聴取空間に放射する、
    ことを含む方法。
  17. 指向性音響アレイ・システムであって、
    各々第1音響ドライバおよび第2音響ドライバを有する、複数の指向性アレイを備えており、
    前記複数の指向性アレイの前記第1音響ドライバを第1線上に共線的に配置し、
    前記複数の指向性アレイの前記第2音響ドライバを第2線上に共線的に配置し、
    前記第1線および前記第2線が平行である、
    指向性音響アレイ・システム。
  18. ライン・アレイ・システムであって、
    第1オーディオ信号を供給するオーディオ信号源と、
    第1直線上に共線的に装着した第1複数の音響ドライバから成る第1ライン・アレイと、
    前記第1直線と平行な第2直線上に共線的に装着した第2複数の音響ドライバから成る第2ライン・アレイと、
    前記オーディオ信号源および前記第1ライン・アレイを結合し、前記第1オーディオ信号を前記第1複数の音響ドライバに送信する信号処理回路と、
    を備えており、
    前記信号処理回路が、前記オーディオ信号源および前記第2複数の音響ドライバを相互結合し、前記第1オーディオ信号を前記第2複数の音響ドライバに送信し、
    前記第2複数のドライバに送信する前記第1オーディオ信号の極性を反転させるように、前記信号処理回路が構成配置される、ライン・アレイ・システム。
  19. 請求項16記載のライン・アレイ・システムにおいて、更に、前記第1複数の音響ドライバに送信する前記オーディオ信号と、前記第2複数の音響ドライバに送信する前記オーディオ信号との間の相対位相を変化させるように、前記信号処理回路が構成配置される、ライン・アレイ・システム。
  20. オーディオ・ビジュアル再生素材を生成するオーディオ・ビジュアル・システムであって、
    三次元ビデオ画像源と、
    オーディオ信号を変更するオーディオ・ミキシング・システムであって、変更によって、聴取者の位置から所定の距離にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能なオーディオ信号を供給するように構成配置された、オーディオ・ミキシング・システムと、
    後に再生するために、前記三次元ビデオ画像と前記変更オーディオ信号とを格納する記憶媒体と、
    を備えたオーディオ・ビジュアル・システム。
  21. 請求項20記載のオーディオ・ビジュアル・システムにおいて、更に、前記オーディオ信号を変更し、該オーディオ信号が、前記聴取者に対して所定の方位角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能となるように、前記オーディオ・ミキシング・システムが構成配置される、オーディオ・ビジュアル・システム。
  22. 請求項21記載のオーディオ・ビジュアル・システムにおいて、更に、前記オーディオ信号を変更し、該オーディオ信号が、前記聴取者に対して所定の仰角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能となるように、前記オーディオ・ミキシング・システムが構成配置される、オーディオ・ビジュアル・システム。
  23. 請求項20記載のオーディオ・ビジュアル・システムにおいて、前記オーディオ・ミキシング・システムが、前記オーディオ信号を変更し、該オーディオ信号が、前記ユーザに対して所定の仰角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換可能となるようにした、オーディオ・ビジュアル・システム。
  24. 請求項20記載のオーディオ・ビジュアル・システムにおいて、前記オーディオ・ミキシング・システムが、前記聴取者に限定的な音響放射デバイスと、前記聴取者に非限定的な音響放射デバイスとを含む、オーディオ・ビジュアル・システム。
  25. オーディオ・ビジュアル素材を再生するオーディオ・ビジュアル再生システムであって、前記オーディオ・ビジュアル素材が、オーディオ信号を有するサウンド・トラックを含み、前記再生システムが、
    三次元ビデオ画像を表示する表示装置と、
    前記オーディオ・ビジュアル素材の視聴者のための着座デバイスと、
    前記着座デバイスに対して固定の局在的方位にあり、前記オーディオ信号を当該オーディオ信号に対応する音響エネルギに変換し、前記音響エネルギが、前記視聴者から所定の距離にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを含むようにする電気音響変換器と、
    を備えたオーディオ・ビジュアル再生システム。
  26. 請求項25記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記電気音響変換器が、更に、前記オーディオ信号を、前記聴取者に対して所定の方位角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  27. 請求項26記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記電気音響変換器が、更に、前記オーディオ信号を、前記聴取者に対して所定の仰角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  28. 請求項25記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記電気音響変換器が、更に、前記オーディオ信号を、前記聴取者に対して所定の仰角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  29. 請求項25記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記電気音響変換器が指向性変換器である、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  30. 請求項29記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記指向性変換器が指向性アレイである、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  31. オーディオ・ビジュアル素材を再生するオーディオ・ビジュアル再生システムであって、前記オーディオ・ビジュアル素材が、視聴者から所定の位置にある音源と整合した位置的キューを含むオーディオ信号を有するサウンド・トラックを含み、前記再生システムが、
    三次元ビデオ画像を表示する表示装置と、
    前記オーディオ・ビジュアル素材の視聴者のための着座デバイスと、
    前記オーディオ信号を当該オーディオ信号に対応する音響エネルギに変換し、前記音響エネルギを、前記着座デバイス内に着座した視聴者の耳に向けて指向的に放射する指向性電気音響変換器と、
    を備えたオーディオ・ビジュアル再生システム。
  32. 請求項31記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記指向性電気音響変換器が、更に、前記視聴者に対して所定の方位角位置にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに、前記オーディオ信号を変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  33. 請求項32記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記指向性電気音響変換器が、更に、前記視聴者に対して所定の仰角にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに、前記オーディオ信号を変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  34. 請求項31記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記指向性電気音響変換器が、更に、前記視聴者に対して所定の仰角にある音源と整合した位置的オーディオ・キューを有する音響エネルギに、前記オーディオ信号を変換する、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  35. 請求項31記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記オーディオ・ビジュアル再生システムが、更に、複数の視聴者のための複数の着座デバイスと、複数の電気音響変換器とを備えており、前記電気音響変換器の各々が、前記複数の着座デバイスの1つに対して局在的固定方位にある、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  36. 請求項35記載のオーディオ・ビジュアル再生システムにおいて、前記複数の指向性変換器が指向性アレイである、オーディオ・ビジュアル再生システム。
  37. オーディオ信号を指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する指向性音響デバイスと、オーディオ信号を無指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する無指向性音響デバイスとを備えているオーディオ・システムにおいて、人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含むオーディオ信号を処理する方法であって、
    第1オーディオ・チャネル信号を受け、前記第1オーディオ・チャネル信号が、頭部伝達関数(HRTF)で処理したオーディオ信号を含み、
    第2オーディオ・チャネル信号を受け、前記第2オーディオ・チャネル信号が、HRTF処理したオーディオ信号を含まないものであり、
    前記第1オーディオ・チャネル信号を前記指向性音響デバイスに向けて送出し、
    前記第2オーディオ・チャネル信号を前記無指向性音響デバイスに向けて送出する、
    ことを含む方法。
  38. 請求項37記載の方法において、前記第1チャネル信号の送出は、前記第1チャネルを干渉デバイスに向けて送出することを含む方法。
  39. オーディオ信号を指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する指向性音響デバイスと、オーディオ信号を無指向性放射パターンを有する音響エネルギに変換する無指向性音響デバイスとを備えているオーディオ・システムにおいて、人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含むオーディオ信号を処理する方法であって、
    HRTF処理したオーディオ信号がないオーディオ信号を受け、
    前記受けたオーディオ信号を処理して、HRTF処理したオーディオ信号を含む第1オーディオ信号と、HRTF処理したオーディオ信号を含まないオーディオ信号とを生成し、
    前記指向性音響デバイスがHRTF処理したオーディオ信号を受け、前記無指向性音響デバイスがHRTF処理したオーディオ信号を受けないように、前記HRTF処理したオーディオ信号を指向的に送出する、
    ことを含む方法。
  40. 請求項39記載の方法において、前記指向的送出は、干渉型指向性音響デバイスが、HRTF処理したオーディオ信号を受けるように、前記HRTF処理したオーディオ信号を指向的に送出することを含む方法。
  41. 入力オーディオ信号を混合してマルチチャネル・オーディオ信号出力を供給する方法であって、前記マルチチャネル信号出力が、人の頭部の寸法の範囲において対応する波長を有するスペクトル成分を含む信号含む複数のオーディオ・チャネルから成り、前記方法が、
    前記入力オーディオ信号を処理して、前記出力チャネルの内、頭部伝達関数(HRTF)で処理したオーディオ信号を含む第1出力チャネルを供給し、
    前記入力オーディオ信号を処理して、前記出力チャネルの内、頭部伝達関数(HRTF)で処理したオーディオ信号がない第2出力チャネルを供給する、
    ことを含む方法。

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