JP2004184897A - 電子写真用部材の製造方法および該方法により製造された電子写真用部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真法に用いられる円筒状もしくは円柱状の基体上に表面被覆層を有する部材をおいて、被覆層中の個体粒子により均一な表面凹凸を有する被覆層の製造方法を提供する。
【解決手段】表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材であって、該部材は、円筒状もしくは円柱状の基体上に固体粒子を含有する塗料組成物をエアースプレー法により塗布し、算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの表面被覆層を形成したものであり、該塗料組成物は該エアースプレー法により微粒子化される際に超音波が発振されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材であって、該部材は、円筒状もしくは円柱状の基体上に固体粒子を含有する塗料組成物をエアースプレー法により塗布し、算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの表面被覆層を形成したものであり、該塗料組成物は該エアースプレー法により微粒子化される際に超音波が発振されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像を担持する潜像担持体に形成された潜像を担持体により担持搬送される現像剤にて現像するのに用いられる電子写真法に関し、特に円筒状もしくは円柱状の基体および該基体上に形成された表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材およびこれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー(現像剤)で現像を行って可視像とするものである。これらを必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱、圧力等により転写材上にトナー画像を定着することで複写物を得ることができる。これらの電子写真法の各プロセスにおいては、例えば図12に見られるように円筒上の部材もしくは円柱状の部材が数多く使用されている。より具体的には感光ドラム、帯電ローラ、現像スリーブ(現像剤担持体)、転写ローラ、及び定着ローラ等がある。これらの円筒状もしくは円柱状の部材にはそれぞれ抵抗調整や帯電付与などを目的として必要に応じて表面被覆層が形成されて用いられている。例えば現像剤担持体においてはトナーへの帯電付与を適正化するため基体表面に種々の樹脂層を形成したものが提案されている。一成分現像方法剤としては現像領域において現像剤担持体と潜像が形成される感光体とが接触するあるいは現像剤担持体上の現像剤層の厚みが現像剤担持体と潜像が形成される感光体との最小間隙以上である接触現像方法と現像剤担持体上の現像剤層の厚みが現像剤担持体と感光体との最小間隙以下で現像を行う非接触現像(ジャンピング現像)方法が一般的である。現像剤担持体が感光体に直接接触する方法においてはゴムローラが通常用いられており、現像剤担持体が感光体に非接触の場合にはアルミ、SUS剛体スリーブあるいは樹脂スリーブなどを用いるのが一般的である。これらのどちらを用いる場合にも先に述べたように表面被覆層を形成して用いる場合が多い。これら現像剤担持体への表面被覆層形成の例として、特開平1−277265号公報、特開平3−200986号公報には、現像剤担持体のトナーへの過剰帯電(チャージアップ)を防止することを目的として導電性基体上に導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が形成されたものが開示されている。
【0003】
また帯電部材においては、従来電子写真感光体・静電記録誘電体等の潜像担持体を均一に帯電処理するための帯電手段として非接触系であるコロナ帯電器が多用されていたが、このコロナ帯電は、オゾン等のコロナ生成物の発生が多いこと、これを除去するための付加手段・機構を必要とするため、装置全体が大型化、複雑化しがちであること等が問題点として指摘されており、近年はエコロジーが注目されるにつれて、低オゾン・低電力等の利点を有することから接触系の帯電装置であるゴムローラ、固定ブラシ、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用いたものが実用化されてきている。例えば感光体に直接接触する部材、特に帯電用ゴムローラ、においてはゴム中に可塑剤、加硫剤、離型剤、低分子量成分などの不純物が含まれておりこれらの成分がブリードして感光体やクリーニング部材の汚染あるいはブレードや感光体のカケやワレを生じ画像に悪影響を及ぼす。これを防止する目的でローラ表面に表面層あるいは保護層と呼ばれる樹脂被覆層を形成して用いられることが多い。例えば特許2864782号公報には弾性層中の可塑剤などの表面へのブリードを防止する目的で表面被覆層を形成したものが開示されている。
【0004】
また磁気ブラシ帯電装置は担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させた部材を用いて、この磁気ブラシを被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものであり、例えば特開平08−254880号公報には磁気ブラシ帯電部材の磁気粒子担持体表面を磁気粒子の搬送性を安定させるために表面被覆層を形成したものが提案されている。
【0005】
また定着ローラとしては一般に熱ローラ方式による定着装置が用いられ、この定着装置は定着ローラとこの定着ローラに回転可能に圧接されている加圧ローラと定着ローラ表面を所定の温度にまで加熱するためのヒータと定着ローラへの転写材の巻き付けを防止する分離爪などから構成されている。画像の定着は転写材上の未定着トナー像の定着ローラと加圧ローラからなるニップ部への通過によって加熱、加圧され、転写材上に永久画像として得られるが、この際トナーが定着ローラ表面に転移するオフセット現象の発生を抑制するために定着ローラとトナーとの離型性を向上させることを目的として、例えば特開平06−186881号公報にはPTFEなどのフッ素樹脂からなる表面被覆層を定着ローラ表面に形成したものが開示されている。
【0006】
一般にこれらの表面被覆層を形成する手段としてはディッピング法、スプレー法、はけ塗り法などの方法がある。これらの形成法の中でスプレー法は表面被覆層の均一性、すなわち塗布ムラや塗布欠陥を抑え密着性に富む表面被覆層を形成するための安価で工業的に優れた生産技術であるため広く用いられている。
【0007】
前記のスプレー法により表面被覆層を形成する方法としては、エアーにより霧化する方法、ディスク等を高速回転しメカ的に霧化する方法、塗料自体に圧力を与えて噴出させて外気と衝突させることにより霧化する方法、超音波振動により霧化する方法等がある。
【0008】
これらのスプレー法の中でもエアースプレー法は、塗料を微粒子化する力が強く、幅広い範囲の塗料粘度においても均一なスプレー化が可能なため、好ましく用いられている。
【0009】
該エアースプレー法により表面被覆層を形成する方法としては本出願人が開示した特許第2886593号公報に記載されている方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら昨今電子写真の高画質化や電子写真装置の高速化に伴って画像品質に大きな影響を与える現像部材や帯電部材に要求される表面物性や、耐久性への要求が一層高度なものになってきている。このために高画質化や高速化に耐える性能を長期にわたり安定して得ることが必要され、より均一に形成された表面被覆層が求められている。これらの表面被覆層は被覆層の導電性制御、トナーに対する帯電付与能の最適化、トナー付着防止、被覆層の高耐久化、均一な表面凹凸形成などの目的で、金属や金属酸化物粒子、炭素系粒子、セラミック系粒子、樹脂粒子、固体潤滑剤粒子、導電性粒子といった種々の粒子を目的に応じて溶媒又は溶媒に溶解された樹脂に分散した塗料を用いて形成することが一般的である。しかし、例えば、溶媒に溶解された被覆用樹脂と比重差の大きい粒子や凝集性の高い粒子を添加した塗料を用いて被覆層を形成した際に、従来の方法では添加された粒子の表面被覆層中での分散が不均一となるために局所的な体積抵抗のバラツキの発生や、表面粗さの不均一化などの問題が生じた。これはスプレーで噴霧塗布する場合に塗料の微粒子化が不十分であるためと、スプレーで噴霧塗布する前の塗料の分散状態が不安定であるため、スプレー噴霧粒子中に粒子の再凝集や分離が発生するためと考えられる。
【0011】
またカーボンブラック等の微粒子を多く添加した塗料や分子量の大きい樹脂を含有した塗料を用いて被覆層を形成する場合は、塗料自体の粘度が高くなりやすいために従来法では塗布する際の粘度調整幅が小さくなってしまい、スプレーで噴霧塗布する際の塗料の微粒子化が不十分で被覆表面に突起や塗布ムラまたは素地見えなどの問題が発生しやすい。また生産面においては連続して複数本の塗工を行っていく際はこれらの理由から1本ごとのばらつきが大きくなってしまうという問題がある。
【0012】
また、エアースプレー以外の塗工方法として、塗料の微粒子化に優れている超音波の振動で塗料を直接微粒子化して被覆層を形成する方法があるが、このような方法では、前記のような塗料中に被覆層を形成する樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合では、塗料の微粒子化が均一に行えなかった。
【0013】
従って本発明の目的は、上記問題点を解決し、塗料中に被覆層を形成する樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい被覆樹脂を用いた場合においても、表面被覆層中の粒子の凝集や分離を起こさず、また表面被覆層が突起、塗布ムラ、素地見えなどの塗工不良が発生しない均一な表面被覆層を形成する製造方法を提供することである。
【0014】
またさらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有する製造方法を提供することである。
【0015】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有する表面被覆層の製造法を提供することである。
【0016】
さらに本発明の目的は、現像剤搬送の不均一性や現像剤への帯電付与の不均一性による濃度ムラやスジ等の画像欠陥の発生しない現像剤担持体を提供することである。
【0017】
またさらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、現像剤層厚規制ブレードに傷が発生し難く、画像上にスジ等の欠陥の現れない現像剤担持体を提供することである。
【0018】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり安定して良好な画像を得られる現像剤担持体を提供することである。
【0019】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の抵抗値が均一で帯電体への電荷付与を十分に行うことができ、濃度ムラや濃度低下等の画像欠陥の発生しない磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0020】
さらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0021】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0022】
本発明は前記特許2886593号に記載された被覆層形成方法では達成し得なかった、より高精度な分散均一性及び表面均一性を要求される表面被覆層の形成に適する。
【0023】
また従来エアースプレー塗布には使用し難かった塗料組成物でも表面被覆層が形成可能な方法である。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
【0025】
即ち、表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材であって、該部材は、円筒状もしくは円柱状の基体上に固体粒子を含有する塗料組成物をエアースプレー法により塗布し算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの表面被覆層を形成したものであり、該塗料組成物は該エアースプレー法により微粒子化される際に超音波が発振されていることを特徴とする電子写真用部材の製造方法により達成される。
【0026】
また、上記の製造方法に製造された部材、特に上記の製造方法により製造された現像剤担持体、磁性粒子搬送部材を用いることで達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に本発明の表面被覆層の形成方法について現像剤担持体を例にとり説明する。
【0028】
先ず、図1に示す様に、導電性支持体を用意する。図示した支持体は中空円筒状の形態を有しているが、勿論、円柱状の形態を有する支持体であってもよい。
【0029】
完成した円筒状もしくは円柱状の基体および表面被覆層を有する部材が現像剤担持体である場合、このスリーブを使用する現像装置が磁性現像剤を用いる形式の装置であるときは公知の如くスリーブは非磁性体が好ましく、ここでは導電性支持体として非磁性体からなるものを用いる。
【0030】
表面被覆層の形成方法としては、導電性支持体をスプレーガンの移動方向に平行に垂直に立てて、導電性支持体を回転させつつ、導電性支持体とスプレーガンのノズル先端との距離を一定に保ちスプレーガンを一定速度で上昇させながら例えば下記に示す実施例1の塗料を用いてエアースプレー法により塗料を基体に塗布する。
【0031】
一般にエアースプレー法では塗料を安定して微粒子液滴化させることにより、分散の良好な被覆層を得ることができる。
【0032】
この図1において、塗料は溶媒に溶解された樹脂中に固体粒子と導電性微粒子が分散含有されており、該塗料中の固体粒子や導電性微粒子の沈降を防ぐためマグネットスターラーで撹拌しながら塗工を行っている。
【0033】
更に、塗料中の固体粒子や導電性微粒子の分散性を均一にしてスプレーガンで塗料を均一に微粒子化する効果を高めるために超音波ホーンを用いて塗料に直接超音波を発振しながら塗工を行っている。
【0034】
このような本発明の製造方法でスプレー塗工して形成した表面被覆層は、塗料中に被覆層を形成する結着樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい結着樹脂を用いた場合においても、該表面被覆層中の固体粒子及び導電性微粒子の分散性が均一であり、被覆層表面の凹凸形状が均一になると共に基体との密着生及び耐磨耗性に優れている。
【0035】
一方、従来例のマグネットスターラー等で塗料を機械的に撹拌しながらエアースプレー塗工するだけでは、塗料中に被覆層を形成する結着樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい結着樹脂を用いると、ノズルの目詰まりによる吐出量の低下を引き起こし易く、素地見えの発生や塗布ムラなどの問題が現れてしまう場合があった。更に塗料がスプレー塗工時に充分に微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になっていた。
【0036】
また、このような問題を防止することを目的として溶媒を多量に添加して粘度を低くした場合には、塗料中の溶媒がスプレー中に十分気化し難くなるため塗工面にシワが発生し、目的とする均一な表面粗さを得ることが困難であった。
【0037】
更に、このような従来例のエアースプレー塗工の製造方法では、表面被覆層の基体との密着性や耐磨耗性が不十分であった。
【0038】
本発明に用いられるスプレーガンとしては公知のものが使用可能であり、図2に示したニードルタイプのエアースプレーガンや図3に示したニードルを有さないスプレーガン等が使用可能である。
【0039】
特に図3に示した構成である、ノズル先端にホースの先端部が位置するようにホースが埋め込まれ、該ノズル先端部の同心円状の周囲に形成された孔からエアーを放出することにより、該塗料組成物を該ホースの他端部から吸引して該ホースを通して該ホースの先端部から吐出させて該塗料組成物を微粒子化するタイプのスプレーガンは、ノズルの目詰まりが長期にわたって発生し難く好ましいスプレー法である。
【0040】
更に高固形分で粘度の高い塗料や凝集性の高い個体粒子を含有する塗料でもノズルの目詰まりが発生せずにスプレー塗工時の塗料の均一な微粒子化を長時間に亘り安定して持続させ、均一な表面凹凸形状を有する被覆層を形成するためには、図4に示したノズル先端にホースの先端部が位置するようにホースが埋め込まれ、該ノズル先端部の同心円状の周囲に形成された螺旋状の孔からエアーを旋回流で放出することにより、該塗料組成物を該ホースの他端部から吸引し、該ホースを通して該ホースの先端部から吐出させると共に該塗料組成物を微粒子化するタイプのスプレーガンを用いることがより好ましい。
【0041】
図3及び図4に示したホースは、樹脂製及び金属製のものが使用可能であり、特に潤滑性に優れたテフロン(登録商標)樹脂製のホースを用いた場合、より効果的で好ましい。
【0042】
図5は、加圧用のエアーを用いて塗料を加圧することで塗料の供給量を制御してノズルの先端部から吐出させる場合の例である。加圧タイプは塗料の粘度が高く先端部にある周囲の孔からのエアー放出によるホースの他端部からの塗料の吸引が安定してできず塗料の供給が不安定な場合に好ましく用いられる。また本発明のスプレー装置ではこのような加圧タイプの場合でも安定して微粒子化でき、均一な表面被覆層が得られる。
【0043】
本発明に用いるエアーガンから塗料が霧化されるノズル径またはノズル内のホース内径は6×10−3m〜18×10−3mが好ましく、7×10−3m〜13×10−3mであることがより好ましい。
【0044】
ノズル径またはノズル内のホース内径が6×10−3m未満であると、スプレー塗工時の吐出量が少なすぎて安定して塗料を吐出することが出来なくなり、塗工ムラを発生してしまう。一方、18×10−3mを超えると、スプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0045】
本発に用いるエアーガンから塗料を霧化する時のエアー圧は、旋回流のエアーを用いないエアーガンの場合は、0.8×105Pa〜4×105Paであることが好ましい。
【0046】
エアー圧が0.8×105Pa未満であるとスプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0047】
一方、エアー圧が4×105Paを超えると、吐出量が多くなりすぎて塗工シワを発生しやすくなると共に、スプレー粒子の現像剤担持体表面からの跳ね返りが多くなり、均一な塗工表面が得られにくくなると共に塗装効率が著しく低下してしまう。
【0048】
また、旋回流のエアーを用いて行うエアーガンの場合は、2×105Pa〜8×105Paであることが好ましい。エアー圧が2×105Pa未満であるとスプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0049】
一方、エアー圧が8×105Paを超えると、吐出量が多くなりすぎて塗工シワを発生しやすくなると共に、スプレー粒子の現像剤担持体表面からの跳ね返りが多くなり、均一な塗工表面が得られにくくなると共に塗装効率が著しく低下してしまう。
【0050】
本発明に用いるエアーガンのノズル先端と被覆する基体表面との距離は、35×10−3m〜100×10−3mであることが好ましい。
【0051】
35×10−3m未満では、塗料中の溶媒がスプレーの微粒子化が十分に行えなえず、粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなると共に、塗料中の溶媒が揮発しにくくなるために塗工シワを発生してしまい、均一な塗工表面が得られなくなってしまう。
【0052】
一方、100×10−3mを超えると、スプレーの微粒子が再凝集化しやすくなって被覆表面に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に塗装効率も著しく低下してしまう。
【0053】
本発明において塗料に超音波を発振する方法としては、図1に示したように直接塗料中に超音波ホーンを用いて行う以外に、図6のように塗料容器の側面外壁や図7のように塗料容器の底面部から超音波ホーンを用いて間接的に行っても良い。また、図8や図9に示したようにスプレーノズルの周囲やホース周囲に超音波ホーンを取り付けて行っても良い。
【0054】
塗料に発振する超音波の周波数としては、塗料の粘度や塗料中の固体粒子の凝集性及び塗料の超音波による変質が発生しないように考慮して調整が必要だが、10kHz〜1.5MHzが好ましくい。
【0055】
10kHz未満であると塗料中に伝わるエネルギー密度が十分でなく塗料中の固体粒子を均一に分散するのに好ましくなく、1.5MHz以上になると超音波による変異幅が小さくなってしまい粒径の大きな固体粒子の分散性が不十分となりやすい。
【0056】
また、特に10kHz〜1.5MHzの間で周波数の異なる2種以上の超音波を同時に発振するマルチの超音波を発振すると塗料中での固体粒子や導電性微粒子の分散性が良好となり、好ましい。
【0057】
更に、10kHz〜1.5MHzの間で異なる2種以上の周波数の超音波を高速で順次繰り返して発振するマルチの超音波を発振する場合も、塗料中での固体粒子や導電性微粒子の分散性がより良好となり、好ましい。
【0058】
尚、図1の塗料中への超音波発振を行わない以外は図1のように塗料を霧化した場合は、スプレー塗工時に充分な微粒化が行えず、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に多く発生し、被覆層に多数の突起状の欠陥を発生してしまった。
【0059】
本発明の塗布方法は現像剤担持体のみばかりでなく磁性粒子搬送部材や他の部材の被覆層形成にも同様に用いることができる。
【0060】
次に本発明の樹脂被覆層の形成に用いる塗料についてさらに詳しく説明をおこなう。
【0061】
塗料に用いる結着樹脂材料としては一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。バインダー樹脂を溶解する為の溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、キシレン、メチルセロソルブ、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等従来公知のものがいずれも使用が可能であり、特に限定されないが添加粒子の分散安定性、粘度、チキソ性、スプレー塗布時の塗工性、成膜性等を考慮して選択することが好ましい。
【0062】
またこの塗料中には表面被覆層の抵抗値を調整やトナーの付着の軽減や表面粗さの安定化、トナーへの帯電付与能の制御など用いられる各部材の目的に応じて、導電性物質、潤滑物質、表面凹凸形成用もしくは膜硬度付与用の粒径が1〜30μmの固体微粒子や帯電制御剤などが分散含有して用いられる。
【0063】
これらの分散には一般的に公知の分散装置、例えばペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。
【0064】
この被覆層の抵抗値を調整するためには、下記に挙げる導電性物質を塗料中に分散含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げられる。これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与するとともに、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。又、これらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0065】
本発明の表面被覆層を形成する塗料中には、体積平均粒径が1〜30μmの固体微粒子を分散させることで、表面被覆層に凹凸形状を形成し、現像剤担持体上の現像剤コート量や磁性粒子搬送部材上の磁性粒子コート量を最適化することが可能である。
【0066】
本発明の表面被覆層を現像剤担持体として用いる場合には、該粒子は、現像剤担持体の表面被覆層に均一な凹凸形状からなる表面粗度を形成保持させると同時に、表面被覆層が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果がある。これらの粒子としては、削れや摩耗に優れていることが好ましく、例えばフェノール樹脂やアクリル樹脂などの機械的強度の高い樹脂粒子、炭素系粒子、金属又は金属酸化物粒子、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミ、炭化ホウ素等の無機粒子が用いられる。これらの表面粗さを安定化させるために用いる粒子の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0067】
更に、表面被覆層を形成する塗料中には前述した固体粒子に加えて、表面被覆層への現像剤の付着をより軽減化するため、固体潤滑材を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、フッ素系樹脂粒子が挙げられる。又、これらの固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0068】
表面被覆層を形成する塗料中にはさらに被覆層のトナーへの帯電付与能を制御するため帯電制御剤を添加することも可能である。帯電制御剤としては例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩などによる変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;チブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン類、イミダゾール化合物が挙げられる。
【0069】
これらを含有する塗料組成物を塗工する際の粘度は1〜500mPa・sが好ましく、より好ましくは10〜300mPa・sである。従来例の塗料に超音波を発振せずにエアースプレーの装置を用いた場合、好ましい被覆層を得るためには塗料は好ましくは40〜100mPa・sの範囲程度に制限されてしまったが、本発明の方法においてはこれを広げることが可能となる。すなわち塗工条件選定のラチチュードが広がると同時に従来法では分散均一性や表面均一性が達成し難かった塗料でも均一被覆が可能である。
【0070】
本発明の表面被覆層の表面粗さとしては、JIS算術平均粗さ(Ra)で0.4〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.5〜3μmである。即ち、Raが0.4μm未満では、現像剤担持体上の現像剤コート量が不十分となると共に表面被覆層が少し摩耗するだけで現像剤の搬送性が大幅に低下し、現像剤のチャージアップによるゴーストの悪化や画像濃度低下を引き起こしてしまう。
【0071】
一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤のコートムラや現像剤の摩擦帯電の不均一化による濃度ムラやカブリを発生してしまう。
【0072】
上記の表面被覆層のRaを0.4〜3.5μmに制御するためには、表面被覆層中へ分散させる固体粒子の体積粒径と添加量をかえることで容易に行える。
【0073】
現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を形成保持するため、現像剤担持体表面の被覆層の十点平均粗さRzは粒子の体積平均粒径の1.5倍以下であることが好ましい。
【0074】
被覆層の十点平均粗さRzが粒子の体積平均粒径の1.5倍を超えると突起部が現像バイアスのリークポイントとなり潜像担持体の帯電ムラから発生する画像上の欠陥や突起部周辺で現像剤が摩擦帯電できなくなるために発生するカブリや濃度ムラ等の画像欠陥を発生してしまう。
【0075】
更に突起部は現像剤層厚規制部材(ブレード)に傷をつけやすく、また突起部近傍はブレードへのトナー融着が発生しやすく画像へのスジ状の欠陥や突起周辺での濃度ムラやカブリが現れやすい。また画出しにより表面被覆層の粗さが初期に急激に低下し、これにより画像濃度の低下や濃度ムラが起こりやすい。
【0076】
更に、該塗料組成物により形成された該表面被覆層の十点平均粗さRzと算術平均粗さRaとの比であるRz/Raが9以下であることが好ましい。
【0077】
Rz/Raが9を超える場合は、表面の均一な表面粗度が不十分であり、現像剤の摩擦帯電が不均一となりやすく、カブリ画像を発生しやすくなる。
【0078】
本発明の方法によれば塗布時の分散が安定なため、また使用する溶媒選定や塗布条件の選定幅が広がるため、上記好ましい表面形状の被覆層を形成することが可能である。
【0079】
これらの粒子の粒径は以下の測定方法を用いて行った。装置としてはレーザ回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(コールター社製)を用いた。測定方法としては水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用した。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行し、次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加えた。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行って試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数平均粒径および体積平均粒径を求めた。
【0080】
次に、上記したような本発明の現像剤担持体が組み込まれる現像装置及び画像形成装置について説明する。
【0081】
図10は、本発明の一実施形態である現像装置の模式図を示す。
【0082】
図10において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体潜像保持体、例えば、電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像剤担持体8は、現像剤容器としてのホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体8と感光ドラム1とが対向している現像領域Dに現像剤4を搬送する。図10に示すように、現像剤担持体8内には、現像剤4を現像剤担持体8上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石が内接されているマグネットローラー5が配置されている。
【0083】
本発明の現像装置で用いられる現像剤担持体8は、基体としての金属円筒管6上に被覆された導電性被覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を撹拌するための撹拌翼10が設けられている。12は現像剤担持体8とマゲネットローラー5とが非接触状態にあることを示す間隙である。
【0084】
現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像剤担持体8上の導電性被覆層7との摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図10の例では、現像領域Dに搬送される現像剤4の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像剤担持体8の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像剤担持体8に臨む様に、ホッパー3から垂下されている。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像剤担持体8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード2にかえて非磁性ブレードを使用することもできる。
【0085】
この様にして、現像剤担持体8上に形成される現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0086】
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0087】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0088】
上記現像剤担持体8に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、上記現像剤担持体8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体8に印加するのが好ましい。
【0089】
現像された画像の濃度を高め、或は階調性を向上するためには、現像剤担持体8に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体8に印加するのが好ましい。
【0090】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。
【0091】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。
【0092】
高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少なくとも現像剤担持体8との摩擦により帯電する。
【0093】
図11は、本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図、図12は、本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である。
【0094】
図11及び図12に示した現像装置では、現像剤担持体12上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード11を使用し、この弾性規制ブレード11を図11の現像装置では現像剤担持体8の回転方向と逆方向の向きで圧接させており、図12の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像剤担持体8の回転方向と順方向の向きで圧接させているのが特徴である。
【0095】
これらの現像装置では、現像剤担持体8に対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を弾性的に圧接することによって、現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成することから、現像剤担持体8上に、上記した図10の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0096】
図11及び図12に示す現像装置の他の基本的構成は図10に示した現像装置と同じであり、同符号のものは、基本的には同一の部材であることを示す。
【0097】
図10〜12はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー3)の形状、撹拌翼10の有無、磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像(図13)に使用することもできる。
【0098】
次に本発明の磁気ブラシ帯電部材およびそれに用いられる磁性粒子搬送部材の説明をする。
【0099】
磁性粒子搬送部材の表面被覆層の形成方法も現像剤担持体の場合と同様に行うことができる。
【0100】
本発明の磁性粒子搬送部材の表面被覆層の形成に用いた塗料について説明する。
【0101】
本発明の磁性粒子搬送部材の被覆層表面に均一な粗さを付与し、且つ、耐摩耗性を向上させる補強用充填材として固体粒子である無機粉体を塗料中に分散含有することが好ましい。
【0102】
Fe及び、FeにC、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、SiAl、V等を含んだ鉄合金;
Al及び、AlにCu、Si、Fe、Mn、Mg、Zn、Cr、Ti等を含んだアルミニウム合金;
Mg及び、MgにAl、Zn、Mn、Zr、Th等を含んだマグネシウム合金;
Cu及び、CuにAs、Te、O、Ag、Si、Sn、Pb、Be、Cr、Co、Cd、Ni、Al、Zn、Mn、Fe、P、Se、Te等を含んだ銅合金;
Ni及び、NiにC、Mn、Fe、S、Si、Cu、Cr、Mo、Al、Ti、Co、P、W、V、Ta、Nb等を含んだニッケル合金;
Pb及び、PbにSb、Te、As、Sn、Ca、Na、Fe、Ni、Ag、Bi、Zn、Si等を含んだ鉛合金;
Sb及び、SbにSn、Cu、Pb等を含んだアンチモン合金;
Sn及び、SnにBi、Sb、Pb、Ag、Zn、Al、Mg、Co、Mn、Te等を含んだスズ合金;
Zn及び、ZnにZr、Mn、Al、Cu、Mg、Fe、等を含んだ亜鉛合金;
Cd及び、CdにNi、Ag、Au、Cu、Zn等を含んだカドミウム合金;
Bi及び、BiにAl、Zn、Pb、Sn、Cd、Li等を含んだビスマス合金;
Ti及び、TiにAl、Mn、Fe、Sn、Mo、V、Zn、Pb、Ta、Zr、Pt、Pd等を含んだチタン合金;
Zr及び、ZrにMo、W、Ti、B、Al、Sn、Ge、Sb、Pb、TlP、In、Nb、Ta、V、U、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Hf等を含んだジルコニウム合金;
Ta及び、TaにW、Fe、Ni、Co、Cr、Nb、Zr等を含んだタンタル合金;
Nb及び、NbにTa、W、Cr、Ni、Zr、Al、Ti、Mo、V、Hf、C、Y、Co等を含んだニオブ合金;
W及び、WにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni等を含んだタングステン合金;
Cr及び、CrにFe、Al、Mo、Ni、Co、W、Mo等を含んだクロム合金;
Mo及び、MoにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni、Nb、Ta、等を含んだモリブデン合金;
Co及び、CoにCr、Ni、Mo、Fe、Si、W、N、Nb、C等を含んだコバルト合金;
V及び、VにFe、Ni、Mn、Mo、Cr等を含んだヴァナジウム合金;
Ag及び、AgにCu、Zn、Al、Sb、Mg、Mn、Hg、Pd、Pt、Tl、Sn、Si、Li、Se、Te、Ni、Cr、Fe、Mo、Ta、W、V、Co、Ir、Rh等を含んだAg合金;
Au及び、AuにAg、Cu、Pt、Pd、Ni、Zn、Al等を含んだAu合金;
Pt及び、PtにRh、Ir、Ru、Ni、W、Pd等を含んだPt合金;
Pd及び、PdにAg、Cu、Ru、Rh等を含んだPd合金;
Rh及び、RhにNi等を含んだRh合金;
Ir及び、IrにPt等を含んだIr合金;
Os及び、OsにPt等を含んだOs合金;
Ru及び、RuにPt、Pd等を含んだRu合金;
Cr3P、CrP、Au2P、MnP2、Mo3P、MoP3、Ni3P、Ni2P、Rh2P、SiP、TaP、TiP、WP、Zn3P2、ZrP2等のリンの金属化合物;
Ga;
Ge及び、GeにAu等を含んだGe合金;
As及び、AsにPb、Cu、Ga、In等を含んだAs合金;
Se;Te;
Li及び、LiにMg、Al、Zn、Pb、Fe、Hg、Tl、Sn等を含んだLi合金;
Be及び、BeにCu、Co、Ni、Al、Fe等を含んだBe合金;
Mn及び、Mnに
In;
Ce及び、CeにLa、Nb、Fe、Mg、Al、Zn等を含んだCe合金;
或いは、
BeO、MgO、CaO、BaO、B2O3、Al2O3、MgAl2O4、BeAl2O4、Ga2O3、In2O3、GeO2、SnO2、PbO、Pb3O4、PbO2、Sb2O3、Bi2O3、SeO2、TeO2、TiO2、Al2TiO5、ZrO2、Cr2O3、CrO2、MnO2、α−Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4、CuO、ZnO、V2O5、SiO2、Zn2SiO4、ZrSiO4、等の酸化物;
BN、AlN、Si3N4、TiN、ZrN、TaN、NbN、等の窒化物;
SiC、ZrC、WC、TiC、MoC、B4C、ダイヤモンド、等の炭化物;
TiB2、AlB12、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、CrB2、Mo2B5、W2B5、Fe2B、FeB、CoB、NiB、LaB6、EuB6、UB4、UB12、CaB6、SiB6、B4C、β−B、BN、等のホウ化物;
TiSi2、ZrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2、等のケイ化物;
例えばAl2O3・2SiO2・2H2O、Al2O3・4SiO2・H2O、Al2O3・2SiO2、Al2O3・SiO2、3Al2O3・2SiO2、といったケイ酸アルミナ、例えばK2O・Al2O3・6SiO2、Na2O・Al2O3・6SiO2、K2O・3Al2O3・6SiO2・3H2O、Na2O・2MgO・5Al2O3・24SiO2・(6+n)H2O、K2O・Al2O3・4SiO2、といったアルカリケイ酸アルミナ、例えば2MgO・SiO2・2AlO3、3MgO・4SiO2、3MgO・4SiO2・H2O、3MgO・2SiO2・2H2O、2MgO・SiO2、といったケイ酸マグネシウム、等のケイ酸塩;
硫化リン、ZnS、等の硫化物;
等が挙げられる。これらは、単独でも、或いはこれらを主要成分とした混晶物、複合物、または混合物でもよい。またこれら化合物の一部の原子を他の原子に置き換えた化合物でもよい。無機粉体を複数含有する無機粉体でもよい。更にはこれら無機粉体の表面に無機超微粒子等をドーピングやプラズマ処理等をしたもの、(例えばAl2O3粉体上にプラズマ化したNi超微粒子で被覆した複合粉やTiOにSnO2系の処理しSbドープをした粉体)を用いることができる。これらの粉体の形状としては特に制限はなく一般に知られている球状、角状、板状、針状、ウイスカー状、及び不定形状等が使用される。またこれら補強用充填材を1種類だけでなく、数種類を添加してもよい。
【0103】
これらの硬度としては、モース硬度3以上、より好ましくは5以上が良い。モース硬度3未満では耐久で磁性粒子により被覆層の摩耗が促進され、磁性粒子のコート量低下、磁性粒子による汚染及びトナー融着を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまう。
【0104】
これら固体微粒子の体積平均粒径は1〜30μm好ましい。
【0105】
固体微粒子の体積平均粒径が1μm未満では磁性粒子搬送部材表面の表面粗度を大きくすくことが困難となり、磁性粒子の搬送力が低下すると共に被覆層の磁性粒子による摩耗性が低下して磁性粒子のコート量低下、磁性粒子による汚染及び融着を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こす為、好ましくない。一方、体積平均粒径が30μmを超えると被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、磁性粒子のコート量が増大し過ぎ、同様に感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまうと共に、被覆層の機械的強度が低下してしまう為、好ましくない。
【0106】
被覆層の結着樹脂材料としては、現像剤担持体で示したものと同様の公知の樹脂を用いることが出来るが、特に機械的強度に優れているものが好ましい。
【0107】
またこの被膜層の抵抗値を調整するためには、先に説明した導電性物質を用いることができる。これら導電性物質を塗料中に分散含有させ抵抗を調整することが好ましい。
【0108】
尚、本発明に使用する導電性のアモルファスカーボンの粒径は10mμm〜80mμmのものが好ましい。これらの分散には先に示した一般的に公知の分散装置、例えばペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。
【0109】
上記塗料を用いた場合、例えば図1から超音波ホーンを除いた以外は図1と同様のスプレーガンを用いた場合、塗料を充分に微粒化、霧化できないために微粒子の再凝集や分離により被覆層の体積抵抗が不均一になることがあり帯電体への帯電ムラのような欠点が発生したが、本発明の方法を用いることで塗料を安定して微粒子化することができ、均一な体積抵抗を有する被覆層を得ることができる。
【0110】
磁性粒子搬送部材の説明を行う。
【0111】
磁性粒子搬送部材は、担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させたもので、磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものである。
【0112】
より具体的には、
1)磁性粒子搬送部材が回転可能なスリーブであり、該スリーブ内に配設した固定のマグネットロール(磁石)の磁気力で磁性粒子がスリーブ外面に拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(スリーブ型)、
2)磁性粒子搬送部材が回転可能なマグネットロールであり、該ロールの外面に直接に磁性粒子が磁気力で拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(磁性ローラ型)などである。
【0113】
図14は上記1)のスリーブ型の磁性粒子搬送部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0114】
21は磁性粒子搬送部材としての、アルミニウム等の非磁性の導電性スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)である。
【0115】
22はスリーブ21内に挿入配設した磁界発生手段としてのマグネットロールである。N・Sは該ロールの着磁部である。このマグネットロール22は非回転の固定部材であり、該マグネットロール22の外周りをスリーブ21が同心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構で所定の周速度にて回転駆動される。
【0116】
23は導電性の磁性粒子(以下、キャリアと記す)であり、スリーブ21の外周面にスリーブ内部のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気ブラシ(導電磁気ブラシ)Bとして付着保持されている。
【0117】
キャリア23はマグネットロール22の磁気拘束力によりスリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを形成し、これが集まってブラシ形状となっている。
【0118】
S1はスリーブ21に対する帯電バイアス印加電源である。
【0119】
1は被帯電体であり、例えば、矢示の時計方向aに所定のプロセススピードをもって回転駆動されるドラム型電子写真感光体である。
【0120】
磁性粒子搬送部材2は磁気ブラシBを被帯電体1の面に接触させて帯電ニップ部(接触ニップ部)Dを形成させた状態にして配置される。
【0121】
磁気ブラシBは、スリーブ21の回転に伴って同じ方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からスリーブ21を介して磁気ブラシBに印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触方式で帯電処理される。帯電ニップ部Dにおいて、スリーブ21の回転方向、それに伴う磁気ブラシBの回転搬送方向は被帯電体としての回転感光体1の回転方向に対してカウンター方向としてある。
【0122】
スリーブ21は、磁気ブラシBの担持機能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担っている。
【0123】
図15は前記2)の磁性ローラ型の磁性粒子搬送部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0124】
マグネットロール22は駆動及び給電を兼ねた中心芯金24を中心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構にて所定の周速度にて回転駆動される。マグネットロール22の外周面は帯電バイアス印加電極(給電面)としての導電層25で被覆してある。その導電層25の外周面にキャリア23をマグネットロール22の磁気力で拘束して磁気ブラシBとして付着保持させたものである。
【0125】
磁気ブラシBは、マグネットロール22の回転に伴って同方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からマグネットロール22の中心芯金24に印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触帯電処理される。マグネットロール22の外周面に設けた導電層25は磁気ブラシBに帯電バイアスを安定して均一に給電する役目をする。
【0126】
また帯電ローラや現像ローラとして用いられるゴムローラにも同様の方法で表面層を形成することが可能である。図16はその一例である。
【0127】
図17は画像形成装置例の概略図である。
【0128】
本例の画像形成装置は、プロセスカートリッジ着脱方式、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタ(LBP)である。
【0129】
また、像担持体として表面に電荷注入機能を有するOPC感光体を用い、接触帯電部材として磁性粒子搬送部材を用いて像担持体を注入帯電方式で一次帯電処理する構成のものである。
【0130】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、本例では直径30mmの、表面に電荷注入機能を有するOPC感光体であり、矢示の時計方向aに100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。2は感光体1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理するための接触帯電部材であり、本例では前述図14のスリーブタイプの磁性粒子搬送部材である。
【0131】
この磁性粒子搬送部材2の導電性スリーブ21は少なくとも、表面被覆層を有する円筒状もしくは円柱状部材からなる。この磁性粒子搬送部材2のスリーブ21には帯電バイアス印加電源S1から−700VのDC帯電バイアスが印加されていて、電荷注入帯電によって回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電される。
【0132】
この回転感光体1の帯電面に対してレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0133】
その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー像として現像される場合について説明するが、非磁性二成分トナー(ネガトナー)についても同様に用いることができる。
【0134】
3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ3aに上記のネガトナーをコートし、感光体1表面とのギャップ(離間距離)を300μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。電圧は、−500VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。即ち現像スリーブ3aで運ばれてくる負に帯電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させて現像する。
【0135】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本例では転写ローラ4として、芯金に中抵抗発泡層を形成した、抵抗値5×108Ωのものを用い、芯金に+2000VのDC電圧を印加して転写材裏面を帯電して転写を行った。
【0136】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0137】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0138】
また転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面はクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0139】
本例の画像形成装置においては、感光体1、磁性粒子搬送部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ10としてある。9は上記4つのプロセス機器1・2・3・6を所定の配置で組み込んだカートリッジハウジングである。8・8は画像形成装置本体側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部である。
【0140】
画像形成装置本体に対して該プロセスカートリッジ10を所定に装着した状態において、プロセスカートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的・電気的に相互カップリング状態となり、またプロセスカートリッジ10側の感光体1の下面が画像形成装置本体側の転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行可能状態となる。
【0141】
なお、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0142】
図18は被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。感光体1は表面に電荷注入機能を有する負帯電のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体11上に下記の第1〜第5の5層の機能層12〜16を下から順に設けたものである。
【0143】
第1層は下引き層12であり、アルミニウムドラム基体11の外周面の欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0144】
第2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0145】
第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0146】
第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層13で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0147】
第5層は電荷注入層16であり、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)16aとしてSnO2を分散した材料の塗工層である。具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70質量%分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をディッピング塗工法にて、厚さ約2μmに塗工して電荷注入層とした。
【0148】
これによって感光体1表面の抵抗は、電荷輸送層単体の場合1×1015Ωcmだったのに比べ、1×1013Ωcmにまで低下した。
【0149】
電荷注入層16は磁性粒子搬送部材2から電荷を直接注入することで表面を均一に帯電するための注入サイトを意図的に作成したものであるが、潜像の電荷が表面を流れないよう電荷注入層16の抵抗は1×108Ωcm以上である必要がある。電荷注入層16の抵抗値は絶縁性シート上に電荷注入層を塗布し、これをHP社製の高抵抗計4329Aで印加電圧100Vにて表面抵抗を測定したものである。
【0150】
本例では電荷注入層16を独立した層として形成したが、感光体表層が電子の授与可能な電子準位をもつ事が重要であり、独立して電荷注入層を有する構成に限定するものではない。
【0151】
感光体表面に対する磁性粒子搬送部材側のキャリア(磁性粒子)の付着を低減するために感光体1は低表面エネルギーの特性を有することが好ましく、感光体最表面は所望の滑剤を添加し一定の滑性を得ている。
【0152】
感光体の電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであり、感光体表面材質の持つトラツプ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16の導電粒子16aに電荷を充電して帯電を行う方式である。帯電時に磁性粒子搬送部材2に所望の電圧を印加することで電荷注入層16に電荷が注入されて被帯電体としての感光体1表面は最終的に磁気ブラシBと同電位に帯電(充電)される。
【0153】
具体的には図19の(a)・(b)の模型図・等価回路図に示すように、感光体1は、電荷輸送層15を誘電体とし、アルミニウムドラム基体11と電荷注入層16内の導電粒子16a(SnO2)を両電極板とする微小なコンデンサーの並列集合体とみることができ、注入帯電は、その個々の微小なコンデンサーに接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくものである。
【0154】
導電粒子16aは互いに電気的には独立であり一種の微小なフロート電極を形成している。このため、マクロ的には感光体1表面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無数の充電された導電粒子16aが感光体表面を覆っているような状況となっている。このため、レーザによって画像露光Lを行ってもそれぞれの導電粒子16aは電気的に独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0155】
接触帯電部材として磁性粒子搬送部材2は、前述のものと同様にスリーブ型のものである。
【0156】
即ち、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持する担持体を回転可能な非磁性の導電性スリーブ21(以下、スリーブまたは電極スリーブと記す)とし、該スリーブ21内に配設した固定マグネットロール22の磁気力でキャリア23をスリーブ21外面に拘束させて磁気ブラシBとして付着保持させたものである。スリーブ21の材質としては、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金など、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙やプラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状シリンダー及びフィルム等、非磁性の材質であればいずれも使用可能である。とりわけコスト及び加工性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
【0157】
このスリーブ21表面に、塗料を塗布・乾燥して被覆層26を具備させる。スリーブ21上でのマグネットロール22による磁束密度は8×10−2T(テスラ)であった。スリーブ21上のキャリア23は厚さ1mmでコートして磁気ブラシBを形成保持させ、該磁気ブラシBを感光体1との間に幅約5mmの帯電ニップ部Dを形成させて接触させ、スリーブ21を回転感光体1表面に対してカウンター方向に回転させる。また、磁気ブラシBと感光体1との長手方向の接触幅は200mmである。磁気ブラシBはスリーブ21が回転することにより同方向に回転して磁気ブラシを構成するキャリア23が搬送され、キャリアが次々に感光体1表面に接触する。本例で磁気ブラシBのキャリア量は約10gで、帯電ニップ部Dでの電極スリーブ21と感光体1とのギャップは500μmである。
【0158】
磁気ブラシBと感光体1との周速比は、以下の式で定義する。
周速比%=(磁気ブラシ周速−感光体周速)/感光体周速×100
*磁気ブラシの周速はカウンター回転の場合は負の値
【0159】
周速比−100%は磁気ブラシBが停止している状態なので、磁気ブラシBの感光体表面に停止した形状がそのまま帯電不良となって画像に出てしまう。また順方向の回転は、磁気ブラシBが遅い速度で感光体1と接触すると、磁気ブラシBのキャリア23が感光体1に付着しやすくなり、カウンター方向と同じ周速比を得ようとすると、磁気ブラシBの回転数が高くなってしまう。よって、周速比は−100%以下が好ましく、本実施例では−150%とした。
【0160】
磁気ブラシBを構成させるキャリア23としては、
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調整したもの、
・上記のキャリアを抵抗調整したコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等が考えられる。
【0161】
これらキャリア23の体積抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましい。1×104Ωcm未満では感光体表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光体表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。1×1011Ωcmを超えると感光体1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。
【0162】
よってキャリア23の抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωcmであることが好ましい。キャリア23の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228mm2)にキャリアを2g入れた後加重し、上下から電圧を1〜1000V、例えば100V印加して、この系に流れる測定電流から算出し正規化したもので定義した。
【0163】
また、複数種のキャリアを混合して用いることで帯電性の向上を図ることも可能である。
【0164】
キャリア23の粒径としては、あまり細かすぎると、磁気拘束力が小さくなり、感光体1面へのキャリア付着を起こす。また大きすぎると、感光体1への接触面積が減り、帯電不良が増える。よって、キャリアの平均粒径としては5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の点で望ましい。
【0165】
キャリアの磁気特性としては、感光体へのキャリア付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が30A・m2/kg以上が望ましい。
【0166】
実際に本実施例で用いたキャリア23は、平均粒径が30μmで形状は不定形粒子、抵抗値が1×106Ω、飽和磁化が58A・m2/kgであった。
【0167】
被覆層26は電極層として兼用させるために、樹脂分24aとして導電性の良い材料あるいは絶縁性の樹脂中に導電剤を混合して導電性を持たせたものを使用する必要がある。また、被覆層26の抵抗値は電極としてキャリア23に充分な電流を供給できるように、キャリア23の抵抗値より1桁以上低い抵抗値にすることが望ましい。
【0168】
電極スリーブ21の表面に凹凸を形成することにより、電極スリーブ21とキャリア23との接触面積が広がり両者間の接触抵抗が低くなるため、良好な帯電性を得ることが可能となる。また、スリーブ21とキャリア23との間の摩擦力も上がるため、帯電ニップ部Dにおける、磁気ブラシBを構成するキャリア23の担持体としてのスリーブ21と、被帯電体としての感光体1との対向ギャップ部での磁気ブラシBのキャリア23の搬送をスムーズに行わせることができ、帯電ニップ部Dにおけるキャリア23の滞留による帯電性の低下も防止することができる。
【0169】
そのため、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの範囲が好ましく、0.5〜3.0μmであることがより好ましい。
【0170】
電極スリーブ21のRaが0.4μmより小さいと、電極スリーブ21とキャリア23との接点が少なくなり、接触抵抗が高くなってしまうと同時に、被覆層の摩耗が少ない状態でも磁性粒子のコート量が著しく低下してしまう。
【0171】
逆に、電極スリーブ21のRaが3.5μmより大きくなると、電極スリーブ21の表面にキャリア23が埋め込まれて接触抵抗としてはこれ以上の変化がなくなる。
【0172】
上記の表面被覆層のRaを0.4〜3.5μmに制御するためには、表面被覆層中へ分散させる固体粒子の体積粒径と添加量をかえることで容易に行える。
【0173】
さらにまた被覆層の十点平均粗さRzは添加した固体微粒子の体積平均粒径の1.5倍以下であることが好ましい。Rzが添加した固体微粒子の体積平均粒径の1.5倍を超えると突出部に電流が集中して突発的なリークが発生し帯電ムラとなりやすい。
【0174】
また被覆層の粗さが初期に急激に低下し、これにより磁性粒子の搬送ムラや帯電ムラが起こりやすい。
【0175】
更に、該表面被覆層の十点平均粗さRzと算術平均粗さRaとの比であるRz/Raが9以下であることが好ましい。
【0176】
Rz/Raが9を超える場合は、均一な表面粗度がまだ不十分であるために、繰り返し画出しを行っていくと磁性粒子の搬送力が低下し、搬送不良による帯電ムラが起こりやすくなる。
【0177】
尚、本実施例では、OPC感光体を用いたLBPを用いて説明してきたが、OPC感光体或いはアモルファスSi感光体を用いた複写機でも同様に用いることができる
【0178】
【実施例】
以下、実施例をもってさらに詳しく説明する。
【0179】
<実施例1>
レゾール型フェノール樹脂 500質量部
(Mw=3500、Mn=810、メタノール40%含有)
カーボンブラック 30質量部
グラファイト(体積平均径2.3μm) 70質量部
炭化ホウ素(体積平均粒径9.3μm、真密度2.5) 30質量部
イソプロパノール 300質量部
上記材料を用いて塗料を作製した。
【0180】
上記材料をガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。分散終了後、ガラスビーズを分離して、さらにイソプロパノールを添加して固形分濃度を約30%とした。室温にてこの塗料の粘度を測定したところ95mPa・sであった。塗料粘度の測定方法としてはB型粘度計を使用し2号ロータ、回転数60rpmとし測定時間30秒にて測定した。
【0181】
この塗料(1−1)を用いて図3に示したノズル先端の周囲の同心円上の孔からエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルA)を用い、更に、図1に示したように塗料中に超音波ホーンを浸し、塗料に直接50kHzの超音波を照射して、外径20mmφのアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、両端部をマスキングしながら、エアースプレーガンを一定速度で上昇させ、円筒管表面に塗布をおこなった。
【0182】
図3のエアースプレーガンのノズル径は1.2mmのものを使用し、ノズル内に内径1.0mm、外径1.2mmのテフロン(登録商標)製ホースを組み込んだものを使用した。
【0183】
また、エアースプレーの霧化圧は、2×105Pa、円筒管の塗布表面とガンノズル先端との距離は50mmの条件で行った。
【0184】
塗工した円筒管を乾燥炉にて160℃で30分加熱乾燥させ現像剤担持体のサンプルとした。
【0185】
尚、エアースプレーガンの上昇速度は、現像剤担持体上の乾燥後の被覆層の付着重量が0.18×10−3kg〜0.20×10−3kgになるように適宜調整した。
【0186】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0187】
(6)濃度一様性
濃度差 0〜0.02 殆ど目立たず、問題ないレベル
濃度差 0.03〜0.04 やや目立つが、実用レベル
濃度差 0.05〜 非常に目立ち、実用不可レベル
【0188】
(7)ブレードキズ
ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。
ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。
ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微な黒スジとして現れる。
ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に顕著な黒スジとして現れる。
【0189】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0190】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0191】
画像評価に用いたトナーとしては次のものを用いた。
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体100質量部
マグネタイト 90質量部
負帯電性制御剤 2質量部
低分子量ポリエチレン 6質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて予備混合した後、130℃に設定した二軸式エクストルーダーを用いて溶融混練を行った。混練物を冷却後、スピードミルで粗粉砕を行い、更にジェットミルを用いて微粉砕を行った。この微粉砕物をエルボジェット分級機を用いて分級し、トナーの粒度分布が、重量平均粒径7.3μm、4μm以下の粒子の個数割合が18.3%、12.7μm以上の粒子の重量割合が1.3%の磁性トナーを得た。このトナーに対し、シランカップリング剤とシリコーンオイルで処理した疎水性コロイダルシリカ1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合しトナーとした。粒度分布の測定には、コールター社製、マルチサイザー・型に100μmアパーチャーを取付け、測定を行った。
【0192】
このトナーと前記サンプルを用い、LBP−930(キヤノン製)を用いて画出し評価を行った。レーザージェットVSi用のEP−Wカートリッジに前記スリーブを装着可能に加工し取付け、さらに前記トナーを充填し、弾性規制ブレードとしては、シリコンゴム中にコロイダルシリカを分散したシリコンゴムをブレード様にカットし座金に貼り付けて用いた。このカートリッジを用いて、N/N耐久環境(23℃/60%RH)で約25000枚の耐久画出しを行った。
【0193】
画像濃度(ベタ黒一様性)は反射濃度計RD918(マクベス社製)でベタ黒部の濃度差を測定した。
【0194】
塗料(1−1)の組成及び物性を表1に示す。また、実施例1の結果を表2に示す。
【0195】
塗料中に超音波ホーンを発振してエアースプレーを行った実施例1ではノズル詰まり、塗布ムラ、表面粗さの均一性、ベタ黒の一様性、膜削れなどに問題はなく良好な画像が得られた。
【0196】
<実施例2〜3>
実施例1で用いた超音波の周波数を表2のように変えたことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0197】
<実施例4〜9>
実施例1で用いた塗料(1−1)と同様の分散により塗料(1−2)〜(1−7)を作成した。表1に塗料の組成及び物性を示す。
【0198】
実施例1と同様の評価を塗料(1−2)〜(1−7)について行った。結果を表2に示す。
【0199】
<実施例10>
実施例1で用いた塗料(1−1)とノズルAを用いる替わりに、塗料(1−6)と図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0200】
<実施例11〜12>
実施例1で用いた塗料(1−1)と超音波の周波数を用いる替わりに、表2に示したように塗料(1−6)とマルチの周波数を用いたことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0201】
<実施例13>
実施例1で用いた超音波ホーンの設置場所を図7のように変えたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0202】
<実施例14>
実施例1で用いたエアースプレーガンの替わりに図9に示したノズルに超音波ホーンを設置したニードルタイプを用いたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。尚、ノズル径は1mmのものを使用した。結果を表2に示す。
【0203】
<比較例1〜7>
実施例1〜7で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0204】
<比較例8、9>
実施例10及び14で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例10及び14と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0205】
<実施例15>
メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(モル比88:12、Mw=12,200、Mn=5,100、トルエン60%
含有) 875質量部
カーボンブラック 20質量部
グラファイト(体積平均径2.3μm) 80質量部
球状炭素粒子(体積平均粒径5.1μm) 40質量部
酢酸エチル 200質量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに酢酸エチルを添加して固形分濃度を約30%とした。
【0206】
添加粒子として、体積平均粒径5.1μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗7.5×10−2Ω・cm、長径/短径比が1.15のものを用いた。塗料の粘度は95mPa・sであった。
【0207】
この塗料(2−1)を用いて、超音波ホーンの設置場所を図7に示すように塗料容器の底面に設けたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成した。
【0208】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0209】
(6)濃度一様性
濃度差 0〜0.02 殆ど目立たず、問題ないレベル
濃度差 0.03〜0.04 やや目立つが、実用レベル
濃度差 0.05〜 非常に目立ち、実用不可レベル
【0210】
(7)ブレードキズ
ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。
ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。
ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微な黒スジとして現れる。
ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に顕著な黒スジとして現れる。
【0211】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0212】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0213】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0214】
先ず、イオン交換水400質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液225質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液35質量部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0215】
下記処方の混合物を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて均一に溶解し、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
次に、先のようにして調製した水系媒体中に、この重合性単量体組成物を投入し、60℃のN2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、この温度で10時間反応させて着色懸濁粒子を得た。更に、重合反応終了後に、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均径約6.1μm、4.0μm以下の粒子個数%が18.6%、10.1μm以上の粒子の体積%が1.6%のシャープな着色粒子(トナー粒子)を得た。上記で得られた着色粒子100質量部に対して、シランカップリング剤とシリコーンオイルで処理した疎水性コロイダルシリカ1.4質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合しトナーとした。
【0216】
このトナーと前記現像剤担持体を用い、LBP−2160(キヤノン製)を用いて画出し評価を行った。EP−82カートリッジに前記スリーブを装着し、さらに前記トナーを充填して、N/N耐久環境(23℃/60%RH)で約10000枚の耐久画出しを行った。
【0217】
塗料(2−1)の組成及び物性を表3に示す。また、実施例15の結果を表4に示す。
【0218】
<実施例16〜18>
実施例15で用いた塗料(2−1)と同様の分散により塗料(2−2)〜(2−4)を作成した。表3に塗料の組成及び物性を示す。
【0219】
実施例15と同様の評価を塗料(2−2)〜(2−4)について行った。結果を表4に示す。
【0220】
<実施例19>
実施例15で用いた塗料(2−1)とノズルAを用いる替わりに、塗料(2−4)と図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例15と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0221】
<実施例20>
実施例15で用いた塗料(2−1)と超音波の周波数を用いる替わりに、表4に示したように塗料(2−4)とマルチの周波数を用いたことを除いては、実施例15と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0222】
<比較例10〜14>
実施例15〜19で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例15〜19と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0223】
上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて2時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩いで分離し、メタノールで固形分を32%に調整し塗料を得た。
【0224】
表5に塗料の組成及び物性を示す。
【0225】
この塗料を用いてエアースプレー法にて塗工を行った。図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用いて外径16mmφのアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、両端部をマスキングしながら、エアースプレーガンを一定速度で上昇させ、塗料に加圧エアーを用いて供給しながら円筒管表面に塗布をおこなった。これを乾燥炉にて160℃で30分加熱乾燥させ帯電用磁性粒子担持体を作製した。
【0226】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0227】
(6)ハーフトーンの濃度一様性
A:殆ど目立たず、問題ないレベル。
B:やや目立つが、実用レベル。
C:かなり目立ち、実用不可レベル。
D:非常に顕著で、実用不可レベル。
【0228】
(7)被覆層の体積抵抗
【0229】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0230】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0231】
抵抗測定サンプルとしてこれとは別の丸棒にOHPシートを巻き付け同様に塗工し、これらのシートを体積固有抵抗測定のサンプルとした。体積固有抵抗を測定したところ、8.4×102Ω・cmであった。体積固有抵抗値は三菱油化社製、ローレスターAPに4端子プローブを取付けて測定した。
【0232】
帯電用磁性粒子担持体を前述のような構成のプリンタに組み込んだ。また現像スリーブとしては実施例1で作製したものを組み込んだ。
【0233】
このプリンタを用い画像評価を行ったところ、帯電用磁性粒子担持体上に均一な帯電用磁性粒子のコートが形成され、−700VのDC電圧をスリーブに印加して、感光体が接触ニップを1回通過しただけで、始め0Vだった感光体表面電位が−680Vにまで帯電され、良好な帯電性を得ることができた。また、このとき感光体上にピンホールが生じていてもリークは発生せず、また帯電部材を構成している導電粒子が感光体上に現像されることもなく、ベタ黒画像はもちろん、ハーフトーン画像のように濃淡差が目立ちやすい画像においても均一な濃度一様性が得られた。このようにして2万枚の画像出し耐久試験を行ったところ、初期と同様な帯電特性を示しており、ハーフトーン画像においても均一な濃度一様性が得られた。評価結果を表6に示す。
【0234】
<実施例22>
カーボンブラック 100質量部
ウレタン樹脂(トルエン60%含有) 1250質量部
ホウ酸アルミニウム粒子 350質量部
(不定形、体積平均粒径3.0μm、モース硬度7)
(9Al2O3・2B2O3)
メタノール 700質量部
上記材料を実施21と同様に分散し調整し塗料を得た。
【0235】
表5に塗料の組成及び物性を示す。
【0236】
この塗料を用いて実施21と同様の方法で塗工及び評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0237】
<実施例23>
実施例21で用いたノズルAを用いる替わりに、図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例21と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0238】
<実施例24〜25>
実施例21で用いた超音波の周波数を表6のように変えたことを除いては、実施例21と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0239】
<比較例14〜16>
実施例21、22、23で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例21、22、23と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0240】
【表1】
【0241】
【表2】
【0242】
【表3】
【0243】
【表4】
【0244】
【表5】
【0245】
【表6】
【0246】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、表面被覆層を形成する塗料組成物をエアースプレーガンで微粒子化して塗布する際に該塗料組成物に超音波を発振させることで、該塗料組成物中に被覆樹脂と比重差のある固体粒子、凝集性の大きい固体粒子、分子量の大きい被覆樹脂、導電性微粒子等を含有していても表面被覆層中の粒子の凝集や分離を起こさず、また表面被覆層が突起、塗布ムラ、素地見えなどの塗工不良が発生しない均一な表面被覆層を形成することができる。
【0247】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有する表面被覆層を形成することができる。
【0248】
また、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有する表面被覆層を形成することができる。
【0249】
また、現像剤搬送の不均一性や現像剤への帯電付与の不均一性による濃度ムラやスジ等の画像欠陥の発生しない現像剤担持体を形成することができる。
【0250】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、現像剤層厚規制ブレードに傷が発生し難く、画像上にスジ等の欠陥の現れない現像剤担持体を形成することができる。
【0251】
また、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり安定して良好な画像を得られる現像剤担持体を形成することができる。
【0252】
また、表面被覆層の抵抗値が均一で帯電体への電荷付与を十分に行うことができ、濃度ムラや濃度低下等の画像欠陥の発生しない磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【0253】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【0254】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波ホーンを塗料中に設置して、エアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図2】ニードルタイプのエアースプレーガンを示す模式図である。
【図3】ノズル先端周囲の同心円上の孔からエアーを吹き出すタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図4】ノズル先端の周囲から螺旋状のエアーを吹き出すタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図5】加圧用のエアーを用いて塗料の供給量を制御してノズルの先端部から吐出させるタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図6】超音波ホーンを塗料容器側面に設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図7】超音波ホーンを塗料容器低面に設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図8】超音波ホーンをエアースプレーガンのノズル内に設けたチューブの周りに設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図9】ニードルタイプのエアースプレーガンのノズルに超音波ホーンを設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図10】本発明の一実施形態である現像装置の模式図を示す。
【図11】本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図である。
【図12】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である。
【図13】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である
【図14】本発明の一実施形態である磁気ブラシ帯電部材の模式図を示す。
【図15】本発明の他の実施形態である磁気ブラシ帯電部材の模式図を示す。
【図16】本発明の被覆層を有するゴムローラーを示す模式図である。
【図17】画像形成装置例の概略図
【図18】感光体の層構成模型図である。
【図19】感光体の層構成模型図・等価回路図
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像を担持する潜像担持体に形成された潜像を担持体により担持搬送される現像剤にて現像するのに用いられる電子写真法に関し、特に円筒状もしくは円柱状の基体および該基体上に形成された表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材およびこれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー(現像剤)で現像を行って可視像とするものである。これらを必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱、圧力等により転写材上にトナー画像を定着することで複写物を得ることができる。これらの電子写真法の各プロセスにおいては、例えば図12に見られるように円筒上の部材もしくは円柱状の部材が数多く使用されている。より具体的には感光ドラム、帯電ローラ、現像スリーブ(現像剤担持体)、転写ローラ、及び定着ローラ等がある。これらの円筒状もしくは円柱状の部材にはそれぞれ抵抗調整や帯電付与などを目的として必要に応じて表面被覆層が形成されて用いられている。例えば現像剤担持体においてはトナーへの帯電付与を適正化するため基体表面に種々の樹脂層を形成したものが提案されている。一成分現像方法剤としては現像領域において現像剤担持体と潜像が形成される感光体とが接触するあるいは現像剤担持体上の現像剤層の厚みが現像剤担持体と潜像が形成される感光体との最小間隙以上である接触現像方法と現像剤担持体上の現像剤層の厚みが現像剤担持体と感光体との最小間隙以下で現像を行う非接触現像(ジャンピング現像)方法が一般的である。現像剤担持体が感光体に直接接触する方法においてはゴムローラが通常用いられており、現像剤担持体が感光体に非接触の場合にはアルミ、SUS剛体スリーブあるいは樹脂スリーブなどを用いるのが一般的である。これらのどちらを用いる場合にも先に述べたように表面被覆層を形成して用いる場合が多い。これら現像剤担持体への表面被覆層形成の例として、特開平1−277265号公報、特開平3−200986号公報には、現像剤担持体のトナーへの過剰帯電(チャージアップ)を防止することを目的として導電性基体上に導電性微粒子を含有する樹脂被覆層が形成されたものが開示されている。
【0003】
また帯電部材においては、従来電子写真感光体・静電記録誘電体等の潜像担持体を均一に帯電処理するための帯電手段として非接触系であるコロナ帯電器が多用されていたが、このコロナ帯電は、オゾン等のコロナ生成物の発生が多いこと、これを除去するための付加手段・機構を必要とするため、装置全体が大型化、複雑化しがちであること等が問題点として指摘されており、近年はエコロジーが注目されるにつれて、低オゾン・低電力等の利点を有することから接触系の帯電装置であるゴムローラ、固定ブラシ、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用いたものが実用化されてきている。例えば感光体に直接接触する部材、特に帯電用ゴムローラ、においてはゴム中に可塑剤、加硫剤、離型剤、低分子量成分などの不純物が含まれておりこれらの成分がブリードして感光体やクリーニング部材の汚染あるいはブレードや感光体のカケやワレを生じ画像に悪影響を及ぼす。これを防止する目的でローラ表面に表面層あるいは保護層と呼ばれる樹脂被覆層を形成して用いられることが多い。例えば特許2864782号公報には弾性層中の可塑剤などの表面へのブリードを防止する目的で表面被覆層を形成したものが開示されている。
【0004】
また磁気ブラシ帯電装置は担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させた部材を用いて、この磁気ブラシを被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものであり、例えば特開平08−254880号公報には磁気ブラシ帯電部材の磁気粒子担持体表面を磁気粒子の搬送性を安定させるために表面被覆層を形成したものが提案されている。
【0005】
また定着ローラとしては一般に熱ローラ方式による定着装置が用いられ、この定着装置は定着ローラとこの定着ローラに回転可能に圧接されている加圧ローラと定着ローラ表面を所定の温度にまで加熱するためのヒータと定着ローラへの転写材の巻き付けを防止する分離爪などから構成されている。画像の定着は転写材上の未定着トナー像の定着ローラと加圧ローラからなるニップ部への通過によって加熱、加圧され、転写材上に永久画像として得られるが、この際トナーが定着ローラ表面に転移するオフセット現象の発生を抑制するために定着ローラとトナーとの離型性を向上させることを目的として、例えば特開平06−186881号公報にはPTFEなどのフッ素樹脂からなる表面被覆層を定着ローラ表面に形成したものが開示されている。
【0006】
一般にこれらの表面被覆層を形成する手段としてはディッピング法、スプレー法、はけ塗り法などの方法がある。これらの形成法の中でスプレー法は表面被覆層の均一性、すなわち塗布ムラや塗布欠陥を抑え密着性に富む表面被覆層を形成するための安価で工業的に優れた生産技術であるため広く用いられている。
【0007】
前記のスプレー法により表面被覆層を形成する方法としては、エアーにより霧化する方法、ディスク等を高速回転しメカ的に霧化する方法、塗料自体に圧力を与えて噴出させて外気と衝突させることにより霧化する方法、超音波振動により霧化する方法等がある。
【0008】
これらのスプレー法の中でもエアースプレー法は、塗料を微粒子化する力が強く、幅広い範囲の塗料粘度においても均一なスプレー化が可能なため、好ましく用いられている。
【0009】
該エアースプレー法により表面被覆層を形成する方法としては本出願人が開示した特許第2886593号公報に記載されている方法がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら昨今電子写真の高画質化や電子写真装置の高速化に伴って画像品質に大きな影響を与える現像部材や帯電部材に要求される表面物性や、耐久性への要求が一層高度なものになってきている。このために高画質化や高速化に耐える性能を長期にわたり安定して得ることが必要され、より均一に形成された表面被覆層が求められている。これらの表面被覆層は被覆層の導電性制御、トナーに対する帯電付与能の最適化、トナー付着防止、被覆層の高耐久化、均一な表面凹凸形成などの目的で、金属や金属酸化物粒子、炭素系粒子、セラミック系粒子、樹脂粒子、固体潤滑剤粒子、導電性粒子といった種々の粒子を目的に応じて溶媒又は溶媒に溶解された樹脂に分散した塗料を用いて形成することが一般的である。しかし、例えば、溶媒に溶解された被覆用樹脂と比重差の大きい粒子や凝集性の高い粒子を添加した塗料を用いて被覆層を形成した際に、従来の方法では添加された粒子の表面被覆層中での分散が不均一となるために局所的な体積抵抗のバラツキの発生や、表面粗さの不均一化などの問題が生じた。これはスプレーで噴霧塗布する場合に塗料の微粒子化が不十分であるためと、スプレーで噴霧塗布する前の塗料の分散状態が不安定であるため、スプレー噴霧粒子中に粒子の再凝集や分離が発生するためと考えられる。
【0011】
またカーボンブラック等の微粒子を多く添加した塗料や分子量の大きい樹脂を含有した塗料を用いて被覆層を形成する場合は、塗料自体の粘度が高くなりやすいために従来法では塗布する際の粘度調整幅が小さくなってしまい、スプレーで噴霧塗布する際の塗料の微粒子化が不十分で被覆表面に突起や塗布ムラまたは素地見えなどの問題が発生しやすい。また生産面においては連続して複数本の塗工を行っていく際はこれらの理由から1本ごとのばらつきが大きくなってしまうという問題がある。
【0012】
また、エアースプレー以外の塗工方法として、塗料の微粒子化に優れている超音波の振動で塗料を直接微粒子化して被覆層を形成する方法があるが、このような方法では、前記のような塗料中に被覆層を形成する樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合では、塗料の微粒子化が均一に行えなかった。
【0013】
従って本発明の目的は、上記問題点を解決し、塗料中に被覆層を形成する樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい被覆樹脂を用いた場合においても、表面被覆層中の粒子の凝集や分離を起こさず、また表面被覆層が突起、塗布ムラ、素地見えなどの塗工不良が発生しない均一な表面被覆層を形成する製造方法を提供することである。
【0014】
またさらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有する製造方法を提供することである。
【0015】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有する表面被覆層の製造法を提供することである。
【0016】
さらに本発明の目的は、現像剤搬送の不均一性や現像剤への帯電付与の不均一性による濃度ムラやスジ等の画像欠陥の発生しない現像剤担持体を提供することである。
【0017】
またさらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、現像剤層厚規制ブレードに傷が発生し難く、画像上にスジ等の欠陥の現れない現像剤担持体を提供することである。
【0018】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり安定して良好な画像を得られる現像剤担持体を提供することである。
【0019】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の抵抗値が均一で帯電体への電荷付与を十分に行うことができ、濃度ムラや濃度低下等の画像欠陥の発生しない磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0020】
さらに本発明の目的は、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0021】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を提供することである。
【0022】
本発明は前記特許2886593号に記載された被覆層形成方法では達成し得なかった、より高精度な分散均一性及び表面均一性を要求される表面被覆層の形成に適する。
【0023】
また従来エアースプレー塗布には使用し難かった塗料組成物でも表面被覆層が形成可能な方法である。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
【0025】
即ち、表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材であって、該部材は、円筒状もしくは円柱状の基体上に固体粒子を含有する塗料組成物をエアースプレー法により塗布し算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの表面被覆層を形成したものであり、該塗料組成物は該エアースプレー法により微粒子化される際に超音波が発振されていることを特徴とする電子写真用部材の製造方法により達成される。
【0026】
また、上記の製造方法に製造された部材、特に上記の製造方法により製造された現像剤担持体、磁性粒子搬送部材を用いることで達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に本発明の表面被覆層の形成方法について現像剤担持体を例にとり説明する。
【0028】
先ず、図1に示す様に、導電性支持体を用意する。図示した支持体は中空円筒状の形態を有しているが、勿論、円柱状の形態を有する支持体であってもよい。
【0029】
完成した円筒状もしくは円柱状の基体および表面被覆層を有する部材が現像剤担持体である場合、このスリーブを使用する現像装置が磁性現像剤を用いる形式の装置であるときは公知の如くスリーブは非磁性体が好ましく、ここでは導電性支持体として非磁性体からなるものを用いる。
【0030】
表面被覆層の形成方法としては、導電性支持体をスプレーガンの移動方向に平行に垂直に立てて、導電性支持体を回転させつつ、導電性支持体とスプレーガンのノズル先端との距離を一定に保ちスプレーガンを一定速度で上昇させながら例えば下記に示す実施例1の塗料を用いてエアースプレー法により塗料を基体に塗布する。
【0031】
一般にエアースプレー法では塗料を安定して微粒子液滴化させることにより、分散の良好な被覆層を得ることができる。
【0032】
この図1において、塗料は溶媒に溶解された樹脂中に固体粒子と導電性微粒子が分散含有されており、該塗料中の固体粒子や導電性微粒子の沈降を防ぐためマグネットスターラーで撹拌しながら塗工を行っている。
【0033】
更に、塗料中の固体粒子や導電性微粒子の分散性を均一にしてスプレーガンで塗料を均一に微粒子化する効果を高めるために超音波ホーンを用いて塗料に直接超音波を発振しながら塗工を行っている。
【0034】
このような本発明の製造方法でスプレー塗工して形成した表面被覆層は、塗料中に被覆層を形成する結着樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい結着樹脂を用いた場合においても、該表面被覆層中の固体粒子及び導電性微粒子の分散性が均一であり、被覆層表面の凹凸形状が均一になると共に基体との密着生及び耐磨耗性に優れている。
【0035】
一方、従来例のマグネットスターラー等で塗料を機械的に撹拌しながらエアースプレー塗工するだけでは、塗料中に被覆層を形成する結着樹脂と比重差の有る粒子や凝集性の高い粒子を添加する場合や導電性微粒子などの粒子径の小さいものを添加した場合、更に分子量の大きい結着樹脂を用いると、ノズルの目詰まりによる吐出量の低下を引き起こし易く、素地見えの発生や塗布ムラなどの問題が現れてしまう場合があった。更に塗料がスプレー塗工時に充分に微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になっていた。
【0036】
また、このような問題を防止することを目的として溶媒を多量に添加して粘度を低くした場合には、塗料中の溶媒がスプレー中に十分気化し難くなるため塗工面にシワが発生し、目的とする均一な表面粗さを得ることが困難であった。
【0037】
更に、このような従来例のエアースプレー塗工の製造方法では、表面被覆層の基体との密着性や耐磨耗性が不十分であった。
【0038】
本発明に用いられるスプレーガンとしては公知のものが使用可能であり、図2に示したニードルタイプのエアースプレーガンや図3に示したニードルを有さないスプレーガン等が使用可能である。
【0039】
特に図3に示した構成である、ノズル先端にホースの先端部が位置するようにホースが埋め込まれ、該ノズル先端部の同心円状の周囲に形成された孔からエアーを放出することにより、該塗料組成物を該ホースの他端部から吸引して該ホースを通して該ホースの先端部から吐出させて該塗料組成物を微粒子化するタイプのスプレーガンは、ノズルの目詰まりが長期にわたって発生し難く好ましいスプレー法である。
【0040】
更に高固形分で粘度の高い塗料や凝集性の高い個体粒子を含有する塗料でもノズルの目詰まりが発生せずにスプレー塗工時の塗料の均一な微粒子化を長時間に亘り安定して持続させ、均一な表面凹凸形状を有する被覆層を形成するためには、図4に示したノズル先端にホースの先端部が位置するようにホースが埋め込まれ、該ノズル先端部の同心円状の周囲に形成された螺旋状の孔からエアーを旋回流で放出することにより、該塗料組成物を該ホースの他端部から吸引し、該ホースを通して該ホースの先端部から吐出させると共に該塗料組成物を微粒子化するタイプのスプレーガンを用いることがより好ましい。
【0041】
図3及び図4に示したホースは、樹脂製及び金属製のものが使用可能であり、特に潤滑性に優れたテフロン(登録商標)樹脂製のホースを用いた場合、より効果的で好ましい。
【0042】
図5は、加圧用のエアーを用いて塗料を加圧することで塗料の供給量を制御してノズルの先端部から吐出させる場合の例である。加圧タイプは塗料の粘度が高く先端部にある周囲の孔からのエアー放出によるホースの他端部からの塗料の吸引が安定してできず塗料の供給が不安定な場合に好ましく用いられる。また本発明のスプレー装置ではこのような加圧タイプの場合でも安定して微粒子化でき、均一な表面被覆層が得られる。
【0043】
本発明に用いるエアーガンから塗料が霧化されるノズル径またはノズル内のホース内径は6×10−3m〜18×10−3mが好ましく、7×10−3m〜13×10−3mであることがより好ましい。
【0044】
ノズル径またはノズル内のホース内径が6×10−3m未満であると、スプレー塗工時の吐出量が少なすぎて安定して塗料を吐出することが出来なくなり、塗工ムラを発生してしまう。一方、18×10−3mを超えると、スプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0045】
本発に用いるエアーガンから塗料を霧化する時のエアー圧は、旋回流のエアーを用いないエアーガンの場合は、0.8×105Pa〜4×105Paであることが好ましい。
【0046】
エアー圧が0.8×105Pa未満であるとスプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0047】
一方、エアー圧が4×105Paを超えると、吐出量が多くなりすぎて塗工シワを発生しやすくなると共に、スプレー粒子の現像剤担持体表面からの跳ね返りが多くなり、均一な塗工表面が得られにくくなると共に塗装効率が著しく低下してしまう。
【0048】
また、旋回流のエアーを用いて行うエアーガンの場合は、2×105Pa〜8×105Paであることが好ましい。エアー圧が2×105Pa未満であるとスプレー塗工時に充分微粒化、霧化できなくなり、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなって、被覆層に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に、被覆層表面の凹凸形状も不均一になってしまう。
【0049】
一方、エアー圧が8×105Paを超えると、吐出量が多くなりすぎて塗工シワを発生しやすくなると共に、スプレー粒子の現像剤担持体表面からの跳ね返りが多くなり、均一な塗工表面が得られにくくなると共に塗装効率が著しく低下してしまう。
【0050】
本発明に用いるエアーガンのノズル先端と被覆する基体表面との距離は、35×10−3m〜100×10−3mであることが好ましい。
【0051】
35×10−3m未満では、塗料中の溶媒がスプレーの微粒子化が十分に行えなえず、粗大粒子がスプレー粒子中に発生しやすくなると共に、塗料中の溶媒が揮発しにくくなるために塗工シワを発生してしまい、均一な塗工表面が得られなくなってしまう。
【0052】
一方、100×10−3mを超えると、スプレーの微粒子が再凝集化しやすくなって被覆表面に突起状の欠陥として発生するものもあり、更に塗装効率も著しく低下してしまう。
【0053】
本発明において塗料に超音波を発振する方法としては、図1に示したように直接塗料中に超音波ホーンを用いて行う以外に、図6のように塗料容器の側面外壁や図7のように塗料容器の底面部から超音波ホーンを用いて間接的に行っても良い。また、図8や図9に示したようにスプレーノズルの周囲やホース周囲に超音波ホーンを取り付けて行っても良い。
【0054】
塗料に発振する超音波の周波数としては、塗料の粘度や塗料中の固体粒子の凝集性及び塗料の超音波による変質が発生しないように考慮して調整が必要だが、10kHz〜1.5MHzが好ましくい。
【0055】
10kHz未満であると塗料中に伝わるエネルギー密度が十分でなく塗料中の固体粒子を均一に分散するのに好ましくなく、1.5MHz以上になると超音波による変異幅が小さくなってしまい粒径の大きな固体粒子の分散性が不十分となりやすい。
【0056】
また、特に10kHz〜1.5MHzの間で周波数の異なる2種以上の超音波を同時に発振するマルチの超音波を発振すると塗料中での固体粒子や導電性微粒子の分散性が良好となり、好ましい。
【0057】
更に、10kHz〜1.5MHzの間で異なる2種以上の周波数の超音波を高速で順次繰り返して発振するマルチの超音波を発振する場合も、塗料中での固体粒子や導電性微粒子の分散性がより良好となり、好ましい。
【0058】
尚、図1の塗料中への超音波発振を行わない以外は図1のように塗料を霧化した場合は、スプレー塗工時に充分な微粒化が行えず、塗料中の固体粒子の凝集粒子や微粒子化されない塗料の粗大粒子がスプレー粒子中に多く発生し、被覆層に多数の突起状の欠陥を発生してしまった。
【0059】
本発明の塗布方法は現像剤担持体のみばかりでなく磁性粒子搬送部材や他の部材の被覆層形成にも同様に用いることができる。
【0060】
次に本発明の樹脂被覆層の形成に用いる塗料についてさらに詳しく説明をおこなう。
【0061】
塗料に用いる結着樹脂材料としては一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱あるいは光硬化性樹脂等を使用することができる。なかでもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。バインダー樹脂を溶解する為の溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メタノール、キシレン、メチルセロソルブ、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等従来公知のものがいずれも使用が可能であり、特に限定されないが添加粒子の分散安定性、粘度、チキソ性、スプレー塗布時の塗工性、成膜性等を考慮して選択することが好ましい。
【0062】
またこの塗料中には表面被覆層の抵抗値を調整やトナーの付着の軽減や表面粗さの安定化、トナーへの帯電付与能の制御など用いられる各部材の目的に応じて、導電性物質、潤滑物質、表面凹凸形成用もしくは膜硬度付与用の粒径が1〜30μmの固体微粒子や帯電制御剤などが分散含有して用いられる。
【0063】
これらの分散には一般的に公知の分散装置、例えばペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。
【0064】
この被覆層の抵抗値を調整するためには、下記に挙げる導電性物質を塗料中に分散含有させることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げられる。これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与するとともに、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるため好適に用いられる。又、これらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0065】
本発明の表面被覆層を形成する塗料中には、体積平均粒径が1〜30μmの固体微粒子を分散させることで、表面被覆層に凹凸形状を形成し、現像剤担持体上の現像剤コート量や磁性粒子搬送部材上の磁性粒子コート量を最適化することが可能である。
【0066】
本発明の表面被覆層を現像剤担持体として用いる場合には、該粒子は、現像剤担持体の表面被覆層に均一な凹凸形状からなる表面粗度を形成保持させると同時に、表面被覆層が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果がある。これらの粒子としては、削れや摩耗に優れていることが好ましく、例えばフェノール樹脂やアクリル樹脂などの機械的強度の高い樹脂粒子、炭素系粒子、金属又は金属酸化物粒子、シリカ、アルミナ、ホウ酸アルミ、炭化ホウ素等の無機粒子が用いられる。これらの表面粗さを安定化させるために用いる粒子の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0067】
更に、表面被覆層を形成する塗料中には前述した固体粒子に加えて、表面被覆層への現像剤の付着をより軽減化するため、固体潤滑材を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑材としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、フッ素系樹脂粒子が挙げられる。又、これらの固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100部に対して1〜100部の範囲とすることが好ましい。
【0068】
表面被覆層を形成する塗料中にはさらに被覆層のトナーへの帯電付与能を制御するため帯電制御剤を添加することも可能である。帯電制御剤としては例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩などによる変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;チブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン類、イミダゾール化合物が挙げられる。
【0069】
これらを含有する塗料組成物を塗工する際の粘度は1〜500mPa・sが好ましく、より好ましくは10〜300mPa・sである。従来例の塗料に超音波を発振せずにエアースプレーの装置を用いた場合、好ましい被覆層を得るためには塗料は好ましくは40〜100mPa・sの範囲程度に制限されてしまったが、本発明の方法においてはこれを広げることが可能となる。すなわち塗工条件選定のラチチュードが広がると同時に従来法では分散均一性や表面均一性が達成し難かった塗料でも均一被覆が可能である。
【0070】
本発明の表面被覆層の表面粗さとしては、JIS算術平均粗さ(Ra)で0.4〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.5〜3μmである。即ち、Raが0.4μm未満では、現像剤担持体上の現像剤コート量が不十分となると共に表面被覆層が少し摩耗するだけで現像剤の搬送性が大幅に低下し、現像剤のチャージアップによるゴーストの悪化や画像濃度低下を引き起こしてしまう。
【0071】
一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤のコートムラや現像剤の摩擦帯電の不均一化による濃度ムラやカブリを発生してしまう。
【0072】
上記の表面被覆層のRaを0.4〜3.5μmに制御するためには、表面被覆層中へ分散させる固体粒子の体積粒径と添加量をかえることで容易に行える。
【0073】
現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を形成保持するため、現像剤担持体表面の被覆層の十点平均粗さRzは粒子の体積平均粒径の1.5倍以下であることが好ましい。
【0074】
被覆層の十点平均粗さRzが粒子の体積平均粒径の1.5倍を超えると突起部が現像バイアスのリークポイントとなり潜像担持体の帯電ムラから発生する画像上の欠陥や突起部周辺で現像剤が摩擦帯電できなくなるために発生するカブリや濃度ムラ等の画像欠陥を発生してしまう。
【0075】
更に突起部は現像剤層厚規制部材(ブレード)に傷をつけやすく、また突起部近傍はブレードへのトナー融着が発生しやすく画像へのスジ状の欠陥や突起周辺での濃度ムラやカブリが現れやすい。また画出しにより表面被覆層の粗さが初期に急激に低下し、これにより画像濃度の低下や濃度ムラが起こりやすい。
【0076】
更に、該塗料組成物により形成された該表面被覆層の十点平均粗さRzと算術平均粗さRaとの比であるRz/Raが9以下であることが好ましい。
【0077】
Rz/Raが9を超える場合は、表面の均一な表面粗度が不十分であり、現像剤の摩擦帯電が不均一となりやすく、カブリ画像を発生しやすくなる。
【0078】
本発明の方法によれば塗布時の分散が安定なため、また使用する溶媒選定や塗布条件の選定幅が広がるため、上記好ましい表面形状の被覆層を形成することが可能である。
【0079】
これらの粒子の粒径は以下の測定方法を用いて行った。装置としてはレーザ回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(コールター社製)を用いた。測定方法としては水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用した。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行し、次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加えた。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行って試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数平均粒径および体積平均粒径を求めた。
【0080】
次に、上記したような本発明の現像剤担持体が組み込まれる現像装置及び画像形成装置について説明する。
【0081】
図10は、本発明の一実施形態である現像装置の模式図を示す。
【0082】
図10において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体潜像保持体、例えば、電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像剤担持体8は、現像剤容器としてのホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体8と感光ドラム1とが対向している現像領域Dに現像剤4を搬送する。図10に示すように、現像剤担持体8内には、現像剤4を現像剤担持体8上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石が内接されているマグネットローラー5が配置されている。
【0083】
本発明の現像装置で用いられる現像剤担持体8は、基体としての金属円筒管6上に被覆された導電性被覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を撹拌するための撹拌翼10が設けられている。12は現像剤担持体8とマゲネットローラー5とが非接触状態にあることを示す間隙である。
【0084】
現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像剤担持体8上の導電性被覆層7との摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図10の例では、現像領域Dに搬送される現像剤4の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像剤担持体8の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像剤担持体8に臨む様に、ホッパー3から垂下されている。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像剤担持体8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード2にかえて非磁性ブレードを使用することもできる。
【0085】
この様にして、現像剤担持体8上に形成される現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0086】
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像剤担持体8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0087】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0088】
上記現像剤担持体8に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、上記現像剤担持体8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体8に印加するのが好ましい。
【0089】
現像された画像の濃度を高め、或は階調性を向上するためには、現像剤担持体8に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体8に印加するのが好ましい。
【0090】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。
【0091】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。
【0092】
高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少なくとも現像剤担持体8との摩擦により帯電する。
【0093】
図11は、本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図、図12は、本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である。
【0094】
図11及び図12に示した現像装置では、現像剤担持体12上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード11を使用し、この弾性規制ブレード11を図11の現像装置では現像剤担持体8の回転方向と逆方向の向きで圧接させており、図12の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像剤担持体8の回転方向と順方向の向きで圧接させているのが特徴である。
【0095】
これらの現像装置では、現像剤担持体8に対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を弾性的に圧接することによって、現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成することから、現像剤担持体8上に、上記した図10の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0096】
図11及び図12に示す現像装置の他の基本的構成は図10に示した現像装置と同じであり、同符号のものは、基本的には同一の部材であることを示す。
【0097】
図10〜12はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー3)の形状、撹拌翼10の有無、磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像(図13)に使用することもできる。
【0098】
次に本発明の磁気ブラシ帯電部材およびそれに用いられる磁性粒子搬送部材の説明をする。
【0099】
磁性粒子搬送部材の表面被覆層の形成方法も現像剤担持体の場合と同様に行うことができる。
【0100】
本発明の磁性粒子搬送部材の表面被覆層の形成に用いた塗料について説明する。
【0101】
本発明の磁性粒子搬送部材の被覆層表面に均一な粗さを付与し、且つ、耐摩耗性を向上させる補強用充填材として固体粒子である無機粉体を塗料中に分散含有することが好ましい。
【0102】
Fe及び、FeにC、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、SiAl、V等を含んだ鉄合金;
Al及び、AlにCu、Si、Fe、Mn、Mg、Zn、Cr、Ti等を含んだアルミニウム合金;
Mg及び、MgにAl、Zn、Mn、Zr、Th等を含んだマグネシウム合金;
Cu及び、CuにAs、Te、O、Ag、Si、Sn、Pb、Be、Cr、Co、Cd、Ni、Al、Zn、Mn、Fe、P、Se、Te等を含んだ銅合金;
Ni及び、NiにC、Mn、Fe、S、Si、Cu、Cr、Mo、Al、Ti、Co、P、W、V、Ta、Nb等を含んだニッケル合金;
Pb及び、PbにSb、Te、As、Sn、Ca、Na、Fe、Ni、Ag、Bi、Zn、Si等を含んだ鉛合金;
Sb及び、SbにSn、Cu、Pb等を含んだアンチモン合金;
Sn及び、SnにBi、Sb、Pb、Ag、Zn、Al、Mg、Co、Mn、Te等を含んだスズ合金;
Zn及び、ZnにZr、Mn、Al、Cu、Mg、Fe、等を含んだ亜鉛合金;
Cd及び、CdにNi、Ag、Au、Cu、Zn等を含んだカドミウム合金;
Bi及び、BiにAl、Zn、Pb、Sn、Cd、Li等を含んだビスマス合金;
Ti及び、TiにAl、Mn、Fe、Sn、Mo、V、Zn、Pb、Ta、Zr、Pt、Pd等を含んだチタン合金;
Zr及び、ZrにMo、W、Ti、B、Al、Sn、Ge、Sb、Pb、TlP、In、Nb、Ta、V、U、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Hf等を含んだジルコニウム合金;
Ta及び、TaにW、Fe、Ni、Co、Cr、Nb、Zr等を含んだタンタル合金;
Nb及び、NbにTa、W、Cr、Ni、Zr、Al、Ti、Mo、V、Hf、C、Y、Co等を含んだニオブ合金;
W及び、WにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni等を含んだタングステン合金;
Cr及び、CrにFe、Al、Mo、Ni、Co、W、Mo等を含んだクロム合金;
Mo及び、MoにTi、Co、Cr、V、C、Cu、Ni、Nb、Ta、等を含んだモリブデン合金;
Co及び、CoにCr、Ni、Mo、Fe、Si、W、N、Nb、C等を含んだコバルト合金;
V及び、VにFe、Ni、Mn、Mo、Cr等を含んだヴァナジウム合金;
Ag及び、AgにCu、Zn、Al、Sb、Mg、Mn、Hg、Pd、Pt、Tl、Sn、Si、Li、Se、Te、Ni、Cr、Fe、Mo、Ta、W、V、Co、Ir、Rh等を含んだAg合金;
Au及び、AuにAg、Cu、Pt、Pd、Ni、Zn、Al等を含んだAu合金;
Pt及び、PtにRh、Ir、Ru、Ni、W、Pd等を含んだPt合金;
Pd及び、PdにAg、Cu、Ru、Rh等を含んだPd合金;
Rh及び、RhにNi等を含んだRh合金;
Ir及び、IrにPt等を含んだIr合金;
Os及び、OsにPt等を含んだOs合金;
Ru及び、RuにPt、Pd等を含んだRu合金;
Cr3P、CrP、Au2P、MnP2、Mo3P、MoP3、Ni3P、Ni2P、Rh2P、SiP、TaP、TiP、WP、Zn3P2、ZrP2等のリンの金属化合物;
Ga;
Ge及び、GeにAu等を含んだGe合金;
As及び、AsにPb、Cu、Ga、In等を含んだAs合金;
Se;Te;
Li及び、LiにMg、Al、Zn、Pb、Fe、Hg、Tl、Sn等を含んだLi合金;
Be及び、BeにCu、Co、Ni、Al、Fe等を含んだBe合金;
Mn及び、Mnに
In;
Ce及び、CeにLa、Nb、Fe、Mg、Al、Zn等を含んだCe合金;
或いは、
BeO、MgO、CaO、BaO、B2O3、Al2O3、MgAl2O4、BeAl2O4、Ga2O3、In2O3、GeO2、SnO2、PbO、Pb3O4、PbO2、Sb2O3、Bi2O3、SeO2、TeO2、TiO2、Al2TiO5、ZrO2、Cr2O3、CrO2、MnO2、α−Fe2O3、β−Fe2O3、Fe3O4、CuO、ZnO、V2O5、SiO2、Zn2SiO4、ZrSiO4、等の酸化物;
BN、AlN、Si3N4、TiN、ZrN、TaN、NbN、等の窒化物;
SiC、ZrC、WC、TiC、MoC、B4C、ダイヤモンド、等の炭化物;
TiB2、AlB12、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2、CrB2、Mo2B5、W2B5、Fe2B、FeB、CoB、NiB、LaB6、EuB6、UB4、UB12、CaB6、SiB6、B4C、β−B、BN、等のホウ化物;
TiSi2、ZrSi2、VSi2、NbSi2、TaSi2、CrSi2、MoSi2、WSi2、等のケイ化物;
例えばAl2O3・2SiO2・2H2O、Al2O3・4SiO2・H2O、Al2O3・2SiO2、Al2O3・SiO2、3Al2O3・2SiO2、といったケイ酸アルミナ、例えばK2O・Al2O3・6SiO2、Na2O・Al2O3・6SiO2、K2O・3Al2O3・6SiO2・3H2O、Na2O・2MgO・5Al2O3・24SiO2・(6+n)H2O、K2O・Al2O3・4SiO2、といったアルカリケイ酸アルミナ、例えば2MgO・SiO2・2AlO3、3MgO・4SiO2、3MgO・4SiO2・H2O、3MgO・2SiO2・2H2O、2MgO・SiO2、といったケイ酸マグネシウム、等のケイ酸塩;
硫化リン、ZnS、等の硫化物;
等が挙げられる。これらは、単独でも、或いはこれらを主要成分とした混晶物、複合物、または混合物でもよい。またこれら化合物の一部の原子を他の原子に置き換えた化合物でもよい。無機粉体を複数含有する無機粉体でもよい。更にはこれら無機粉体の表面に無機超微粒子等をドーピングやプラズマ処理等をしたもの、(例えばAl2O3粉体上にプラズマ化したNi超微粒子で被覆した複合粉やTiOにSnO2系の処理しSbドープをした粉体)を用いることができる。これらの粉体の形状としては特に制限はなく一般に知られている球状、角状、板状、針状、ウイスカー状、及び不定形状等が使用される。またこれら補強用充填材を1種類だけでなく、数種類を添加してもよい。
【0103】
これらの硬度としては、モース硬度3以上、より好ましくは5以上が良い。モース硬度3未満では耐久で磁性粒子により被覆層の摩耗が促進され、磁性粒子のコート量低下、磁性粒子による汚染及びトナー融着を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまう。
【0104】
これら固体微粒子の体積平均粒径は1〜30μm好ましい。
【0105】
固体微粒子の体積平均粒径が1μm未満では磁性粒子搬送部材表面の表面粗度を大きくすくことが困難となり、磁性粒子の搬送力が低下すると共に被覆層の磁性粒子による摩耗性が低下して磁性粒子のコート量低下、磁性粒子による汚染及び融着を発生し、それに伴う感光体表面への電荷注入不良を引き起こす為、好ましくない。一方、体積平均粒径が30μmを超えると被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、磁性粒子のコート量が増大し過ぎ、同様に感光体表面への電荷注入不良を引き起こしてしまうと共に、被覆層の機械的強度が低下してしまう為、好ましくない。
【0106】
被覆層の結着樹脂材料としては、現像剤担持体で示したものと同様の公知の樹脂を用いることが出来るが、特に機械的強度に優れているものが好ましい。
【0107】
またこの被膜層の抵抗値を調整するためには、先に説明した導電性物質を用いることができる。これら導電性物質を塗料中に分散含有させ抵抗を調整することが好ましい。
【0108】
尚、本発明に使用する導電性のアモルファスカーボンの粒径は10mμm〜80mμmのものが好ましい。これらの分散には先に示した一般的に公知の分散装置、例えばペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、ダイノミル、パールミル等のビーズを用いた分散機が好ましく用いられる。
【0109】
上記塗料を用いた場合、例えば図1から超音波ホーンを除いた以外は図1と同様のスプレーガンを用いた場合、塗料を充分に微粒化、霧化できないために微粒子の再凝集や分離により被覆層の体積抵抗が不均一になることがあり帯電体への帯電ムラのような欠点が発生したが、本発明の方法を用いることで塗料を安定して微粒子化することができ、均一な体積抵抗を有する被覆層を得ることができる。
【0110】
磁性粒子搬送部材の説明を行う。
【0111】
磁性粒子搬送部材は、担持体に磁性粒子を磁気力で拘束して磁気ブラシとして付着保持させたもので、磁気ブラシを被帯電体に接触させ、電圧を印加して被帯電体の帯電を行うものである。
【0112】
より具体的には、
1)磁性粒子搬送部材が回転可能なスリーブであり、該スリーブ内に配設した固定のマグネットロール(磁石)の磁気力で磁性粒子がスリーブ外面に拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(スリーブ型)、
2)磁性粒子搬送部材が回転可能なマグネットロールであり、該ロールの外面に直接に磁性粒子が磁気力で拘束されて磁気ブラシとして付着保持されている形態のもの(磁性ローラ型)などである。
【0113】
図14は上記1)のスリーブ型の磁性粒子搬送部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0114】
21は磁性粒子搬送部材としての、アルミニウム等の非磁性の導電性スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、帯電スリーブなどと称される)である。
【0115】
22はスリーブ21内に挿入配設した磁界発生手段としてのマグネットロールである。N・Sは該ロールの着磁部である。このマグネットロール22は非回転の固定部材であり、該マグネットロール22の外周りをスリーブ21が同心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構で所定の周速度にて回転駆動される。
【0116】
23は導電性の磁性粒子(以下、キャリアと記す)であり、スリーブ21の外周面にスリーブ内部のマグネットロール22の磁気力で拘束されて磁気ブラシ(導電磁気ブラシ)Bとして付着保持されている。
【0117】
キャリア23はマグネットロール22の磁気拘束力によりスリーブ21の外面上で磁気的な穂立ちを形成し、これが集まってブラシ形状となっている。
【0118】
S1はスリーブ21に対する帯電バイアス印加電源である。
【0119】
1は被帯電体であり、例えば、矢示の時計方向aに所定のプロセススピードをもって回転駆動されるドラム型電子写真感光体である。
【0120】
磁性粒子搬送部材2は磁気ブラシBを被帯電体1の面に接触させて帯電ニップ部(接触ニップ部)Dを形成させた状態にして配置される。
【0121】
磁気ブラシBは、スリーブ21の回転に伴って同じ方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からスリーブ21を介して磁気ブラシBに印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触方式で帯電処理される。帯電ニップ部Dにおいて、スリーブ21の回転方向、それに伴う磁気ブラシBの回転搬送方向は被帯電体としての回転感光体1の回転方向に対してカウンター方向としてある。
【0122】
スリーブ21は、磁気ブラシBの担持機能、搬送機能、帯電バイアス印加電極機能を担っている。
【0123】
図15は前記2)の磁性ローラ型の磁性粒子搬送部材2ないしは帯電装置の構成模型図である。
【0124】
マグネットロール22は駆動及び給電を兼ねた中心芯金24を中心に矢示の時計方向bに不図示の駆動機構にて所定の周速度にて回転駆動される。マグネットロール22の外周面は帯電バイアス印加電極(給電面)としての導電層25で被覆してある。その導電層25の外周面にキャリア23をマグネットロール22の磁気力で拘束して磁気ブラシBとして付着保持させたものである。
【0125】
磁気ブラシBは、マグネットロール22の回転に伴って同方向に回転搬送され、帯電ニップ部Dにおいて回転感光体1面を摺擦し、電源S1からマグネットロール22の中心芯金24に印加された帯電バイアスにより、被帯電体としての回転感光体1面が接触帯電処理される。マグネットロール22の外周面に設けた導電層25は磁気ブラシBに帯電バイアスを安定して均一に給電する役目をする。
【0126】
また帯電ローラや現像ローラとして用いられるゴムローラにも同様の方法で表面層を形成することが可能である。図16はその一例である。
【0127】
図17は画像形成装置例の概略図である。
【0128】
本例の画像形成装置は、プロセスカートリッジ着脱方式、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタ(LBP)である。
【0129】
また、像担持体として表面に電荷注入機能を有するOPC感光体を用い、接触帯電部材として磁性粒子搬送部材を用いて像担持体を注入帯電方式で一次帯電処理する構成のものである。
【0130】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、本例では直径30mmの、表面に電荷注入機能を有するOPC感光体であり、矢示の時計方向aに100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。2は感光体1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理するための接触帯電部材であり、本例では前述図14のスリーブタイプの磁性粒子搬送部材である。
【0131】
この磁性粒子搬送部材2の導電性スリーブ21は少なくとも、表面被覆層を有する円筒状もしくは円柱状部材からなる。この磁性粒子搬送部材2のスリーブ21には帯電バイアス印加電源S1から−700VのDC帯電バイアスが印加されていて、電荷注入帯電によって回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電される。
【0132】
この回転感光体1の帯電面に対してレーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザービームスキャナ7から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0133】
その静電潜像は磁性一成分絶縁トナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置3によりトナー像として現像される場合について説明するが、非磁性二成分トナー(ネガトナー)についても同様に用いることができる。
【0134】
3aはマグネット3bを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ3aに上記のネガトナーをコートし、感光体1表面とのギャップ(離間距離)を300μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。電圧は、−500VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。即ち現像スリーブ3aで運ばれてくる負に帯電されたトナーを潜像の画像部に電界により付着させて現像する。
【0135】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが供給されて、回転感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本例では転写ローラ4として、芯金に中抵抗発泡層を形成した、抵抗値5×108Ωのものを用い、芯金に+2000VのDC電圧を印加して転写材裏面を帯電して転写を行った。
【0136】
転写部Tに導入された転写材Pはこの転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押し圧力にて転写されていく。
【0137】
トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0138】
また転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面はクリーニング装置6により残留トナー等の付着汚染物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0139】
本例の画像形成装置においては、感光体1、磁性粒子搬送部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ10としてある。9は上記4つのプロセス機器1・2・3・6を所定の配置で組み込んだカートリッジハウジングである。8・8は画像形成装置本体側のプロセスカートリッジ挿脱案内兼保持部である。
【0140】
画像形成装置本体に対して該プロセスカートリッジ10を所定に装着した状態において、プロセスカートリッジ10側と画像形成装置本体側とが機械的・電気的に相互カップリング状態となり、またプロセスカートリッジ10側の感光体1の下面が画像形成装置本体側の転写ローラ4に所定に当接した状態となり、画像形成実行可能状態となる。
【0141】
なお、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0142】
図18は被帯電体としての感光体1の層構成模型図である。感光体1は表面に電荷注入機能を有する負帯電のOPC感光体であり、φ30mmのアルミニウム製のドラム基体11上に下記の第1〜第5の5層の機能層12〜16を下から順に設けたものである。
【0143】
第1層は下引き層12であり、アルミニウムドラム基体11の外周面の欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの導電層である。
【0144】
第2層は正電荷注入防止層13であり、アルミニウム基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0145】
第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発生する。
【0146】
第4層は電荷輸送層15であり、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生層13で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができる。
【0147】
第5層は電荷注入層16であり、光硬化性のアクリル樹脂に超微粒子の導電粒子(導電フィラー)16aとしてSnO2を分散した材料の塗工層である。具体的には、アンチモンをドーピングし、低抵抗化した粒径約0.03μmのSnO2粒子を樹脂に対して70質量%分散した材料の塗工層である。このようにして調合した塗工液をディッピング塗工法にて、厚さ約2μmに塗工して電荷注入層とした。
【0148】
これによって感光体1表面の抵抗は、電荷輸送層単体の場合1×1015Ωcmだったのに比べ、1×1013Ωcmにまで低下した。
【0149】
電荷注入層16は磁性粒子搬送部材2から電荷を直接注入することで表面を均一に帯電するための注入サイトを意図的に作成したものであるが、潜像の電荷が表面を流れないよう電荷注入層16の抵抗は1×108Ωcm以上である必要がある。電荷注入層16の抵抗値は絶縁性シート上に電荷注入層を塗布し、これをHP社製の高抵抗計4329Aで印加電圧100Vにて表面抵抗を測定したものである。
【0150】
本例では電荷注入層16を独立した層として形成したが、感光体表層が電子の授与可能な電子準位をもつ事が重要であり、独立して電荷注入層を有する構成に限定するものではない。
【0151】
感光体表面に対する磁性粒子搬送部材側のキャリア(磁性粒子)の付着を低減するために感光体1は低表面エネルギーの特性を有することが好ましく、感光体最表面は所望の滑剤を添加し一定の滑性を得ている。
【0152】
感光体の電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ感光体表面に電荷注入を行うものであり、感光体表面材質の持つトラツプ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16の導電粒子16aに電荷を充電して帯電を行う方式である。帯電時に磁性粒子搬送部材2に所望の電圧を印加することで電荷注入層16に電荷が注入されて被帯電体としての感光体1表面は最終的に磁気ブラシBと同電位に帯電(充電)される。
【0153】
具体的には図19の(a)・(b)の模型図・等価回路図に示すように、感光体1は、電荷輸送層15を誘電体とし、アルミニウムドラム基体11と電荷注入層16内の導電粒子16a(SnO2)を両電極板とする微小なコンデンサーの並列集合体とみることができ、注入帯電は、その個々の微小なコンデンサーに接触帯電部材2で電荷を充電する理論に基づくものである。
【0154】
導電粒子16aは互いに電気的には独立であり一種の微小なフロート電極を形成している。このため、マクロ的には感光体1表面は均一電位に充電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無数の充電された導電粒子16aが感光体表面を覆っているような状況となっている。このため、レーザによって画像露光Lを行ってもそれぞれの導電粒子16aは電気的に独立なため、静電潜像を保持することが可能になる。
【0155】
接触帯電部材として磁性粒子搬送部材2は、前述のものと同様にスリーブ型のものである。
【0156】
即ち、磁気ブラシBを構成するキャリア23を保持する担持体を回転可能な非磁性の導電性スリーブ21(以下、スリーブまたは電極スリーブと記す)とし、該スリーブ21内に配設した固定マグネットロール22の磁気力でキャリア23をスリーブ21外面に拘束させて磁気ブラシBとして付着保持させたものである。スリーブ21の材質としては、アルミニウム、ステンレス、真鍮などの金属、アルミニウム合金や酸化インジウム−酸化錫合金など、これら金属や合金の被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙やプラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチックなどの円筒状シリンダー及びフィルム等、非磁性の材質であればいずれも使用可能である。とりわけコスト及び加工性の観点から、アルミニウムが最も好ましい。
【0157】
このスリーブ21表面に、塗料を塗布・乾燥して被覆層26を具備させる。スリーブ21上でのマグネットロール22による磁束密度は8×10−2T(テスラ)であった。スリーブ21上のキャリア23は厚さ1mmでコートして磁気ブラシBを形成保持させ、該磁気ブラシBを感光体1との間に幅約5mmの帯電ニップ部Dを形成させて接触させ、スリーブ21を回転感光体1表面に対してカウンター方向に回転させる。また、磁気ブラシBと感光体1との長手方向の接触幅は200mmである。磁気ブラシBはスリーブ21が回転することにより同方向に回転して磁気ブラシを構成するキャリア23が搬送され、キャリアが次々に感光体1表面に接触する。本例で磁気ブラシBのキャリア量は約10gで、帯電ニップ部Dでの電極スリーブ21と感光体1とのギャップは500μmである。
【0158】
磁気ブラシBと感光体1との周速比は、以下の式で定義する。
周速比%=(磁気ブラシ周速−感光体周速)/感光体周速×100
*磁気ブラシの周速はカウンター回転の場合は負の値
【0159】
周速比−100%は磁気ブラシBが停止している状態なので、磁気ブラシBの感光体表面に停止した形状がそのまま帯電不良となって画像に出てしまう。また順方向の回転は、磁気ブラシBが遅い速度で感光体1と接触すると、磁気ブラシBのキャリア23が感光体1に付着しやすくなり、カウンター方向と同じ周速比を得ようとすると、磁気ブラシBの回転数が高くなってしまう。よって、周速比は−100%以下が好ましく、本実施例では−150%とした。
【0160】
磁気ブラシBを構成させるキャリア23としては、
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調整したもの、
・上記のキャリアを抵抗調整したコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等が考えられる。
【0161】
これらキャリア23の体積抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましい。1×104Ωcm未満では感光体表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光体表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。1×1011Ωcmを超えると感光体1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。
【0162】
よってキャリア23の抵抗値としては、1×104〜1×1011Ωcmであることが好ましく、特には1×104〜1×107Ωcmであることが好ましい。キャリア23の抵抗値は、電圧が印加できる金属セル(底面積228mm2)にキャリアを2g入れた後加重し、上下から電圧を1〜1000V、例えば100V印加して、この系に流れる測定電流から算出し正規化したもので定義した。
【0163】
また、複数種のキャリアを混合して用いることで帯電性の向上を図ることも可能である。
【0164】
キャリア23の粒径としては、あまり細かすぎると、磁気拘束力が小さくなり、感光体1面へのキャリア付着を起こす。また大きすぎると、感光体1への接触面積が減り、帯電不良が増える。よって、キャリアの平均粒径としては5〜50μm程度が帯電性と磁気保持の点で望ましい。
【0165】
キャリアの磁気特性としては、感光体へのキャリア付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が30A・m2/kg以上が望ましい。
【0166】
実際に本実施例で用いたキャリア23は、平均粒径が30μmで形状は不定形粒子、抵抗値が1×106Ω、飽和磁化が58A・m2/kgであった。
【0167】
被覆層26は電極層として兼用させるために、樹脂分24aとして導電性の良い材料あるいは絶縁性の樹脂中に導電剤を混合して導電性を持たせたものを使用する必要がある。また、被覆層26の抵抗値は電極としてキャリア23に充分な電流を供給できるように、キャリア23の抵抗値より1桁以上低い抵抗値にすることが望ましい。
【0168】
電極スリーブ21の表面に凹凸を形成することにより、電極スリーブ21とキャリア23との接触面積が広がり両者間の接触抵抗が低くなるため、良好な帯電性を得ることが可能となる。また、スリーブ21とキャリア23との間の摩擦力も上がるため、帯電ニップ部Dにおける、磁気ブラシBを構成するキャリア23の担持体としてのスリーブ21と、被帯電体としての感光体1との対向ギャップ部での磁気ブラシBのキャリア23の搬送をスムーズに行わせることができ、帯電ニップ部Dにおけるキャリア23の滞留による帯電性の低下も防止することができる。
【0169】
そのため、電極スリーブ21の最適な平均表面粗さとしては、算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの範囲が好ましく、0.5〜3.0μmであることがより好ましい。
【0170】
電極スリーブ21のRaが0.4μmより小さいと、電極スリーブ21とキャリア23との接点が少なくなり、接触抵抗が高くなってしまうと同時に、被覆層の摩耗が少ない状態でも磁性粒子のコート量が著しく低下してしまう。
【0171】
逆に、電極スリーブ21のRaが3.5μmより大きくなると、電極スリーブ21の表面にキャリア23が埋め込まれて接触抵抗としてはこれ以上の変化がなくなる。
【0172】
上記の表面被覆層のRaを0.4〜3.5μmに制御するためには、表面被覆層中へ分散させる固体粒子の体積粒径と添加量をかえることで容易に行える。
【0173】
さらにまた被覆層の十点平均粗さRzは添加した固体微粒子の体積平均粒径の1.5倍以下であることが好ましい。Rzが添加した固体微粒子の体積平均粒径の1.5倍を超えると突出部に電流が集中して突発的なリークが発生し帯電ムラとなりやすい。
【0174】
また被覆層の粗さが初期に急激に低下し、これにより磁性粒子の搬送ムラや帯電ムラが起こりやすい。
【0175】
更に、該表面被覆層の十点平均粗さRzと算術平均粗さRaとの比であるRz/Raが9以下であることが好ましい。
【0176】
Rz/Raが9を超える場合は、均一な表面粗度がまだ不十分であるために、繰り返し画出しを行っていくと磁性粒子の搬送力が低下し、搬送不良による帯電ムラが起こりやすくなる。
【0177】
尚、本実施例では、OPC感光体を用いたLBPを用いて説明してきたが、OPC感光体或いはアモルファスSi感光体を用いた複写機でも同様に用いることができる
【0178】
【実施例】
以下、実施例をもってさらに詳しく説明する。
【0179】
<実施例1>
レゾール型フェノール樹脂 500質量部
(Mw=3500、Mn=810、メタノール40%含有)
カーボンブラック 30質量部
グラファイト(体積平均径2.3μm) 70質量部
炭化ホウ素(体積平均粒径9.3μm、真密度2.5) 30質量部
イソプロパノール 300質量部
上記材料を用いて塗料を作製した。
【0180】
上記材料をガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。分散終了後、ガラスビーズを分離して、さらにイソプロパノールを添加して固形分濃度を約30%とした。室温にてこの塗料の粘度を測定したところ95mPa・sであった。塗料粘度の測定方法としてはB型粘度計を使用し2号ロータ、回転数60rpmとし測定時間30秒にて測定した。
【0181】
この塗料(1−1)を用いて図3に示したノズル先端の周囲の同心円上の孔からエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルA)を用い、更に、図1に示したように塗料中に超音波ホーンを浸し、塗料に直接50kHzの超音波を照射して、外径20mmφのアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、両端部をマスキングしながら、エアースプレーガンを一定速度で上昇させ、円筒管表面に塗布をおこなった。
【0182】
図3のエアースプレーガンのノズル径は1.2mmのものを使用し、ノズル内に内径1.0mm、外径1.2mmのテフロン(登録商標)製ホースを組み込んだものを使用した。
【0183】
また、エアースプレーの霧化圧は、2×105Pa、円筒管の塗布表面とガンノズル先端との距離は50mmの条件で行った。
【0184】
塗工した円筒管を乾燥炉にて160℃で30分加熱乾燥させ現像剤担持体のサンプルとした。
【0185】
尚、エアースプレーガンの上昇速度は、現像剤担持体上の乾燥後の被覆層の付着重量が0.18×10−3kg〜0.20×10−3kgになるように適宜調整した。
【0186】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0187】
(6)濃度一様性
濃度差 0〜0.02 殆ど目立たず、問題ないレベル
濃度差 0.03〜0.04 やや目立つが、実用レベル
濃度差 0.05〜 非常に目立ち、実用不可レベル
【0188】
(7)ブレードキズ
ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。
ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。
ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微な黒スジとして現れる。
ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に顕著な黒スジとして現れる。
【0189】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0190】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0191】
画像評価に用いたトナーとしては次のものを用いた。
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体100質量部
マグネタイト 90質量部
負帯電性制御剤 2質量部
低分子量ポリエチレン 6質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにて予備混合した後、130℃に設定した二軸式エクストルーダーを用いて溶融混練を行った。混練物を冷却後、スピードミルで粗粉砕を行い、更にジェットミルを用いて微粉砕を行った。この微粉砕物をエルボジェット分級機を用いて分級し、トナーの粒度分布が、重量平均粒径7.3μm、4μm以下の粒子の個数割合が18.3%、12.7μm以上の粒子の重量割合が1.3%の磁性トナーを得た。このトナーに対し、シランカップリング剤とシリコーンオイルで処理した疎水性コロイダルシリカ1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合しトナーとした。粒度分布の測定には、コールター社製、マルチサイザー・型に100μmアパーチャーを取付け、測定を行った。
【0192】
このトナーと前記サンプルを用い、LBP−930(キヤノン製)を用いて画出し評価を行った。レーザージェットVSi用のEP−Wカートリッジに前記スリーブを装着可能に加工し取付け、さらに前記トナーを充填し、弾性規制ブレードとしては、シリコンゴム中にコロイダルシリカを分散したシリコンゴムをブレード様にカットし座金に貼り付けて用いた。このカートリッジを用いて、N/N耐久環境(23℃/60%RH)で約25000枚の耐久画出しを行った。
【0193】
画像濃度(ベタ黒一様性)は反射濃度計RD918(マクベス社製)でベタ黒部の濃度差を測定した。
【0194】
塗料(1−1)の組成及び物性を表1に示す。また、実施例1の結果を表2に示す。
【0195】
塗料中に超音波ホーンを発振してエアースプレーを行った実施例1ではノズル詰まり、塗布ムラ、表面粗さの均一性、ベタ黒の一様性、膜削れなどに問題はなく良好な画像が得られた。
【0196】
<実施例2〜3>
実施例1で用いた超音波の周波数を表2のように変えたことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0197】
<実施例4〜9>
実施例1で用いた塗料(1−1)と同様の分散により塗料(1−2)〜(1−7)を作成した。表1に塗料の組成及び物性を示す。
【0198】
実施例1と同様の評価を塗料(1−2)〜(1−7)について行った。結果を表2に示す。
【0199】
<実施例10>
実施例1で用いた塗料(1−1)とノズルAを用いる替わりに、塗料(1−6)と図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0200】
<実施例11〜12>
実施例1で用いた塗料(1−1)と超音波の周波数を用いる替わりに、表2に示したように塗料(1−6)とマルチの周波数を用いたことを除いては、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0201】
<実施例13>
実施例1で用いた超音波ホーンの設置場所を図7のように変えたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0202】
<実施例14>
実施例1で用いたエアースプレーガンの替わりに図9に示したノズルに超音波ホーンを設置したニードルタイプを用いたことを除いては実施例1と同様に評価を行った。尚、ノズル径は1mmのものを使用した。結果を表2に示す。
【0203】
<比較例1〜7>
実施例1〜7で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0204】
<比較例8、9>
実施例10及び14で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例10及び14と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0205】
<実施例15>
メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体
(モル比88:12、Mw=12,200、Mn=5,100、トルエン60%
含有) 875質量部
カーボンブラック 20質量部
グラファイト(体積平均径2.3μm) 80質量部
球状炭素粒子(体積平均粒径5.1μm) 40質量部
酢酸エチル 200質量部
上記材料を用いて、実施例1と同様にガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに酢酸エチルを添加して固形分濃度を約30%とした。
【0206】
添加粒子として、体積平均粒径5.1μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗7.5×10−2Ω・cm、長径/短径比が1.15のものを用いた。塗料の粘度は95mPa・sであった。
【0207】
この塗料(2−1)を用いて、超音波ホーンの設置場所を図7に示すように塗料容器の底面に設けたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成した。
【0208】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0209】
(6)濃度一様性
濃度差 0〜0.02 殆ど目立たず、問題ないレベル
濃度差 0.03〜0.04 やや目立つが、実用レベル
濃度差 0.05〜 非常に目立ち、実用不可レベル
【0210】
(7)ブレードキズ
ブレード傷A:軽微で画像には影響無し。
ブレード傷B:やや目立つが、画像には影響無し。
ブレード傷C:目立つ傷が数箇所に発生し、画像上軽微な黒スジとして現れる。
ブレード傷D:非常に目立つ傷が多数発生し、画像上に顕著な黒スジとして現れる。
【0211】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0212】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0213】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0214】
先ず、イオン交換水400質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液225質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液35質量部を徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0215】
下記処方の混合物を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて均一に溶解し、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
次に、先のようにして調製した水系媒体中に、この重合性単量体組成物を投入し、60℃のN2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、この温度で10時間反応させて着色懸濁粒子を得た。更に、重合反応終了後に、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均径約6.1μm、4.0μm以下の粒子個数%が18.6%、10.1μm以上の粒子の体積%が1.6%のシャープな着色粒子(トナー粒子)を得た。上記で得られた着色粒子100質量部に対して、シランカップリング剤とシリコーンオイルで処理した疎水性コロイダルシリカ1.4質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合しトナーとした。
【0216】
このトナーと前記現像剤担持体を用い、LBP−2160(キヤノン製)を用いて画出し評価を行った。EP−82カートリッジに前記スリーブを装着し、さらに前記トナーを充填して、N/N耐久環境(23℃/60%RH)で約10000枚の耐久画出しを行った。
【0217】
塗料(2−1)の組成及び物性を表3に示す。また、実施例15の結果を表4に示す。
【0218】
<実施例16〜18>
実施例15で用いた塗料(2−1)と同様の分散により塗料(2−2)〜(2−4)を作成した。表3に塗料の組成及び物性を示す。
【0219】
実施例15と同様の評価を塗料(2−2)〜(2−4)について行った。結果を表4に示す。
【0220】
<実施例19>
実施例15で用いた塗料(2−1)とノズルAを用いる替わりに、塗料(2−4)と図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例15と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0221】
<実施例20>
実施例15で用いた塗料(2−1)と超音波の周波数を用いる替わりに、表4に示したように塗料(2−4)とマルチの周波数を用いたことを除いては、実施例15と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0222】
<比較例10〜14>
実施例15〜19で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例15〜19と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0223】
上記材料をφ2mmのジルコニア粒子にて2時間サンドミルを行い、その後ジルコニア粒子を篩いで分離し、メタノールで固形分を32%に調整し塗料を得た。
【0224】
表5に塗料の組成及び物性を示す。
【0225】
この塗料を用いてエアースプレー法にて塗工を行った。図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用いて外径16mmφのアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、両端部をマスキングしながら、エアースプレーガンを一定速度で上昇させ、塗料に加圧エアーを用いて供給しながら円筒管表面に塗布をおこなった。これを乾燥炉にて160℃で30分加熱乾燥させ帯電用磁性粒子担持体を作製した。
【0226】
評価は次のように行った
(1)ノズル詰まりの有無
(2)塗布ムラの有無
(3)素地見えの有無
(4)表面粗さ(Ra、Rz、Rz/Ra)
(5)膜厚
【0227】
(6)ハーフトーンの濃度一様性
A:殆ど目立たず、問題ないレベル。
B:やや目立つが、実用レベル。
C:かなり目立ち、実用不可レベル。
D:非常に顕著で、実用不可レベル。
【0228】
(7)被覆層の体積抵抗
【0229】
(8)導電性被覆層の削れ量(膜削れ)
算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzの測定は小坂研究所製 SE−3400を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0230】
導電性被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500およびセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具およびスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、さらにスリーブを周方向に90°回転させた後さらに30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、さらに耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚および削れ量とした。
【0231】
抵抗測定サンプルとしてこれとは別の丸棒にOHPシートを巻き付け同様に塗工し、これらのシートを体積固有抵抗測定のサンプルとした。体積固有抵抗を測定したところ、8.4×102Ω・cmであった。体積固有抵抗値は三菱油化社製、ローレスターAPに4端子プローブを取付けて測定した。
【0232】
帯電用磁性粒子担持体を前述のような構成のプリンタに組み込んだ。また現像スリーブとしては実施例1で作製したものを組み込んだ。
【0233】
このプリンタを用い画像評価を行ったところ、帯電用磁性粒子担持体上に均一な帯電用磁性粒子のコートが形成され、−700VのDC電圧をスリーブに印加して、感光体が接触ニップを1回通過しただけで、始め0Vだった感光体表面電位が−680Vにまで帯電され、良好な帯電性を得ることができた。また、このとき感光体上にピンホールが生じていてもリークは発生せず、また帯電部材を構成している導電粒子が感光体上に現像されることもなく、ベタ黒画像はもちろん、ハーフトーン画像のように濃淡差が目立ちやすい画像においても均一な濃度一様性が得られた。このようにして2万枚の画像出し耐久試験を行ったところ、初期と同様な帯電特性を示しており、ハーフトーン画像においても均一な濃度一様性が得られた。評価結果を表6に示す。
【0234】
<実施例22>
カーボンブラック 100質量部
ウレタン樹脂(トルエン60%含有) 1250質量部
ホウ酸アルミニウム粒子 350質量部
(不定形、体積平均粒径3.0μm、モース硬度7)
(9Al2O3・2B2O3)
メタノール 700質量部
上記材料を実施21と同様に分散し調整し塗料を得た。
【0235】
表5に塗料の組成及び物性を示す。
【0236】
この塗料を用いて実施21と同様の方法で塗工及び評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0237】
<実施例23>
実施例21で用いたノズルAを用いる替わりに、図4に示した旋回流のエアーを吹き出すタイプのスプレーガン(ノズルB)を用い、霧化圧を5×105Paに変えたことを除いては実施例21と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0238】
<実施例24〜25>
実施例21で用いた超音波の周波数を表6のように変えたことを除いては、実施例21と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0239】
<比較例14〜16>
実施例21、22、23で超音波を発振しなかったことを除いては、実施例21、22、23と同様に評価を行った。結果を表6に示す。
【0240】
【表1】
【0241】
【表2】
【0242】
【表3】
【0243】
【表4】
【0244】
【表5】
【0245】
【表6】
【0246】
【発明の効果】
以上の如き本発明によれば、表面被覆層を形成する塗料組成物をエアースプレーガンで微粒子化して塗布する際に該塗料組成物に超音波を発振させることで、該塗料組成物中に被覆樹脂と比重差のある固体粒子、凝集性の大きい固体粒子、分子量の大きい被覆樹脂、導電性微粒子等を含有していても表面被覆層中の粒子の凝集や分離を起こさず、また表面被覆層が突起、塗布ムラ、素地見えなどの塗工不良が発生しない均一な表面被覆層を形成することができる。
【0247】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有する表面被覆層を形成することができる。
【0248】
また、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有する表面被覆層を形成することができる。
【0249】
また、現像剤搬送の不均一性や現像剤への帯電付与の不均一性による濃度ムラやスジ等の画像欠陥の発生しない現像剤担持体を形成することができる。
【0250】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、現像剤層厚規制ブレードに傷が発生し難く、画像上にスジ等の欠陥の現れない現像剤担持体を形成することができる。
【0251】
また、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり安定して良好な画像を得られる現像剤担持体を形成することができる。
【0252】
また、表面被覆層の抵抗値が均一で帯電体への電荷付与を十分に行うことができ、濃度ムラや濃度低下等の画像欠陥の発生しない磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【0253】
また、表面被覆層が所望の表面形状および表面被覆層における添加粒子の均一な分散を有し、磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【0254】
さらに本発明の目的は、表面被覆層の磨耗、剥がれ、キズ等が発生し難く、繰り返しの使用に対する耐久性、耐摩耗性を有し、長期にわたり磁性粒子の搬送が安定かつ均一であり、帯電体への電荷付与を均一に行うことのできる磁性粒子搬送部材及び帯電装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波ホーンを塗料中に設置して、エアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図2】ニードルタイプのエアースプレーガンを示す模式図である。
【図3】ノズル先端周囲の同心円上の孔からエアーを吹き出すタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図4】ノズル先端の周囲から螺旋状のエアーを吹き出すタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図5】加圧用のエアーを用いて塗料の供給量を制御してノズルの先端部から吐出させるタイプのスプレーガンを示す模式図である。
【図6】超音波ホーンを塗料容器側面に設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図7】超音波ホーンを塗料容器低面に設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図8】超音波ホーンをエアースプレーガンのノズル内に設けたチューブの周りに設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図9】ニードルタイプのエアースプレーガンのノズルに超音波ホーンを設置したエアースプレー法による被覆層の形成を示す模式図である。
【図10】本発明の一実施形態である現像装置の模式図を示す。
【図11】本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図である。
【図12】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である。
【図13】本発明の現像装置の更に他の実施形態を示す構成模式図である
【図14】本発明の一実施形態である磁気ブラシ帯電部材の模式図を示す。
【図15】本発明の他の実施形態である磁気ブラシ帯電部材の模式図を示す。
【図16】本発明の被覆層を有するゴムローラーを示す模式図である。
【図17】画像形成装置例の概略図
【図18】感光体の層構成模型図である。
【図19】感光体の層構成模型図・等価回路図
Claims (11)
- 少なくとも表面被覆層を有する電子写真法に用いられる部材であって、該部材は、円筒状もしくは円柱状の基体上に固体粒子を含有する塗料組成物をエアースプレー法により塗布し算術平均粗さRaが0.4〜3.5μmの表面被覆層を形成したものであり、該塗料組成物には該エアースプレー法により微粒子化される際に超音波が発振されていることを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
- 該超音波の周波数が10kHz〜1.5MHzであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該超音波の周波数が2種以上の異なる周波数を同時に発振しているマルチの超音波であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該超音波の周波数が2種以上の異なる周波数を高速で順次繰り返して発振するマルチの超音波であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該エアースプレー法は、旋回流のエアーを用いていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該固体粒子は、体積平均粒径が1〜30μmの粒子であり、該塗料組成物により形成された該表面被覆層の十点平均粗さRzが該固体微粒子の体積平均粒径の1.5倍以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該塗料組成物により形成された該表面被覆層の十点平均粗さRzと算術平均粗さRaとの比であるRz/Raが9以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用部材の製造方法。
- 該塗料組成物は、導電性微粒子を含有させた導電性の塗料であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真用部材の製造方法。
- 請求項1〜8の製造方法により形成される部材が、現像剤を担持搬送する現像剤担持体であることを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
- 請求項1〜8の製造方法により形成される部材が、磁性粒子を担持搬送して磁気ブラシを形成し、静電潜像を表面に形成させるための潜像保持体に該磁気ブラシを接触させながら外部電源により電圧を印加して該潜像保持体を帯電させる帯電装置に用いられる磁性粒子搬送部材であることを特徴とする電子写真用部材の製造方法。
- 電子写真法に用いられる表面被覆層を有する円筒状もしくは円柱状の部材であって、該部材が、請求項1〜8に記載の製造方法により製造されたものであることを特徴とする電子写真用部材。
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-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002354553A patent/JP2004184897A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060207 |