JP2004183665A - フィルタ体バイパス弁組立品を備えた流体フィルタ - Google Patents

Abstract

【課題】オイルフィルタ交換時濾過室に残された未濾過の流体の流れを遮断して流出を防止する流体フィルタ装置を提供する。
【解決手段】濾過室１８を備えるように形成されたフィルタハウジング２０と、前記濾過室内に配置され、フィルタ体１６とそのフィルタ体の一端に接続された端部キャップ１４とを備えるフィルタエレメント３０と、前記端部キャップに固定されるバイパス弁組立品１２とを備えることを特徴とする流体フィルタ装置。
【選択図】図１

Description

本発明は流体フィルタに関し、特に乗り物に使用されるオイルフィルタ、更にはオイルフィルタ用のフィルタ体バイパス弁に関する。

オイルフィルタは、固定された、または乗り物に据え付けられた内燃機関を通る潤滑油を浄化するのに用いられる。このようなオイルフィルタは、エンジン稼働中の燃料燃焼により生じる炭素堆積物、エンジン摩耗により生じる屑、金属製エンジン部品から生じる錆、及びその他の固体成分を潤滑油から除去する機能を有する。エンジンメーカーは、エンジンオイルフィルタを定期的に交換することを定めている。他のフィルタは燃料、冷却剤、及び作動液の濾過に使用される。

本発明の一態様によると、濾過室を備えるように形成されたフィルタハウジングと、前記濾過室内に配置され、フィルタ体とそのフィルタ体の一端に接続された端部キャップとを備えるフィルタエレメントと、前記端部キャップに固定されるバイパス弁組立品とを備えることを特徴とする流体フィルタ装置が提供される。例えば、前記端部キャップは、バネハウジング、パイパス入口開口を含むよう形成されたピストン閉鎖体シート、及びバイパス入口開口を通って濾過室に残された未濾過の流体の流れを遮断するため、バイパス入口開口を閉じるようバネにより付勢されたピストン閉鎖体を更に含むことができる。

本発明の更なる特徴は、本発明を実施するのに最良の形態として現在認識される、以下に例示する実施例の詳細な説明により当業者にとって明らかとなるであろう。

図１及び図２に示すように、流体フィルタ装置１０は、フィルタハウジング２０の濾過室１８に取り付けられたフィルタ１６体と連関し、端部キャップ１４に取り付けられたバイパス弁組立品１２を含む。

図１に示すように、通常の濾過作業の際、バイパス弁組立品１２は「閉」の状態である。そして濾過室中にある未濾過の流体２２は、未濾過流体領域２４からフィルタ体１６を通って、濾過された流体２８がフィルタハウジング２０から排出される前に、フィルタ体１６中に形成された濾過済み流体領域２６に到達する。図２に示すように、未濾過流体領域２４内の圧力がある水準を超えるとバイパス弁組立品１２が「開」の状態となる。その結果未濾過の流体２２はフィルタ体１６を迂回し、濾過済み流体領域２６内へ流れる。

図１に示されるように流体フィルタ装置１０は、外側端部キャップ１４、フィルタ体１６及び内側端部キャップ３２を備えたフィルタモジュール３０を、フィルタハウジング２０の一端に形成された開口を介して濾過室１８へ挿入することによって製造される。フィルタハウジング２０を通過するオイル（又は他の流体）から含有物を濾過するのに適当なフィルタ体１６を備えた適宜のフィルタモジュール３０を用いることは、本発明の開示の範囲内である。

閉鎖体３４は、封止リング３６、フィルタ保持具３８及び支持板４０（図示した実施例において、フィルタ保持具３８とフィルタモジュール３０の間に配置される）を備え、図１に示すようにフィルタモジュール３０を保持するために開口でフィルタハウジング２０と連結される。適当な閉鎖体を開示するため、２００２年５月３日に出願された米国特許出願第１０／１３８，６０８号を参照文献として取り上げここに援用する。図１に示されるように、一旦流体フィルタ装置１０がエンジンブロック４１に取り付けられると、封止リング３６がエンジンブロック４１と密閉接続を形成するようになっている。

流入量制御弁４２は、例えば図１に示すように、未濾過流体２２が閉鎖体３４に形成された入口４４を通り濾過室１８へ流れる流量を調整するよう支持板４０と内側端部キャップ３２の間に備えられる。他の適宜の流量制御弁を使用することも本発明の開示の範囲内である。

例えば図１に示すように、支持板４０のエンジン取り付けスリーブ４６は、エンジンチューブ４８と螺合するように構成される。このように接合することで、濾過済み流体２８（及び図２に示す未濾過の流体２２）がフィルタモジュール３０中の濾過済み流体領域２６からエンジンブロック４１中へ流れることができる。

図３に最もよく示されるように、バイパス弁組立品１２は、ピストン閉鎖体シート５０、ピストン閉鎖体５２、及びバネ５４を備える。バイパス弁組立品１２は、例えば図４ないし図６に示すような成形技術を用いて組み立てる。そのため、バイパス弁組立品１２を端部キャップ１４の位置に保持するのになんらの溶接も使用する必要がない。このような新しい組み立て工程により、端部キャップ１４の中央***部６４を改変することで（溶接することなく）部品を所定の位置に圧縮するとともに、保持することができ、即ち「折り曲げ」設計を案出したものである。

例えば図３に示すように、端部キャップ１４は端板６０と、端板６０に付加したバネハウジング６２とを備える。端部キャップ１４は、実施例では一体形成され、スチール材でできている。端板６０はバネハウジング６２に備えられた内側環状部６４、外側環状部６６及び内側環状部、外側環状部６４，６６とを相互に連結するように配置されたフィルタ支持部６８を含む。

図３に示すように、バネハウジング６２は、端板６０の内側環状部６４が備えられた一端と、環状底面リム７２で終端するもう一方の端を備えたカップ型の側壁７０を備える。例えば図４に示すように、バネハウジング６２はバネ受け室６３を備えた内部領域を含むように形成され、バネ５４を収納できるような寸法とされており、底面リム７２はバネ５４の端７６を収納するような寸法とされた環状溝７４を備えるように形成される。底面リム７２はバイパス出口開口７８も含むように形成される。

図３と図６に示すように、端板６０の内側環状部６４は、第一のクランプ部材８０と第二のクランプ部材８２と、第一及び第二のクランプ部材８０，８２と相互に連結した外側リム８４を含む。図３は組み立て前の状態を示す。第一及び第二のクランプ部材８０，８２と外側リム８４は変形前の形状を示している。図４ないし図６に示す形成過程の際に、第一及び第二のクランプ部材８０,８２と外側リム８４は、端部キャップ１４と連関してピストン閉鎖体シート５０を固定位置に挟み込むように変形される。従って、ピストン閉鎖体シート５０を端部キャップ１４内の所定位置に固定するのに溶接をする必要がない。

ピストン閉鎖体シート５０は、例えば図３に示すようにバイパス入口開口８６を含むように形成された環状リム８５と環状リム８５を囲むように配置されたクランプ部８８を備える。組み立ての際は図６に最も良く示されるように、クランプ部８８は第一及び第二のクランプ部材８０，８２の間に挟み込まれ、更に外側リム８４によって囲まれる。クランプ部８８は、図示した実施例においては環状のリングであり、第一のクランプ部材と係合するように配置された外側平面９０と、第二のクランプ部材８２と係合するように構成された内側平面９２を含む。本実施例では、ピストン閉鎖体シート５０はスチール製である。

図３に示すように、ピストン閉鎖体シート５０の環状リム８５は、バイパス入口開口８６を画定する環状内側エッジとクランプ部８８に付属する放射状外部を含む。環状リム８５は、内側エッジとクランプ部８８間に位置する円錐切頭体９４も含む。図３に示すように、円錐切頭体９４は、第一の直径を有する寸法とされた小径端部９６と、第一の直径より大きい第二の直径を有する寸法とされた大径端部９８とをみ、環状リム８５の放射状の外側を画定するよう形成される。

ピストン閉鎖体５２は、円蓋１１０と、その円蓋１１０を囲むように配置された環状バネシート１１２とを備える。図３及び図４に示されるように、バネシート１１２はピストン閉鎖体５２が閉じられると、ピストン閉鎖体シート５０に備えられた環状シーリング面１１４と係合するように構成される。例示した実施例では、ピストン閉鎖体５２は０．０１８インチ（約０．４６ｍｍ）厚の電解スズメッキ鋼製である。

バネ５４は、常時はピストン閉鎖体シート５０に形成されたバイパス入口開口８６を閉じるためにピストン閉鎖体５２を開放可能に付勢するように構成される。図４に示すように、バネ５４の一端７６はバネハウジング６２の環状溝７４に置かれ、バネ５４の反対側の端１１６はピストン閉鎖体５２の環状バネシート１１２に係合する。例示した実施例では、バネ５４はコイル状の圧縮バネである。

ピストン閉鎖体シート５０、ピストン閉鎖体５２、及びバネ５４は、端部キャップ１４に機械的に接合されたバイパス弁組立品１２を形成し、溶接電極とその研磨に要するコスト削減、溶接係わる製造時間ロスをなくすため、図３ないし図６に示される方法で、溶接することなく組み立てることができる。これらの構成部品を、雌型１２２と雄型１２４を含む成形具１２０に最初に据え付けられた状態の初期の配置を図４に示す。端板６０の環状保持具を折り曲げるための第一の雄型部品１２６の１２８方向への動きが図５に示されている。第一の雄型部品１２６が１２８方向へ動くことにより、端板６０の環状保持部が曲がり始める。端部キャップ１４の端板６０に含まれる２つのクランプ部材８０，８２の間にピストン閉鎖体シート５０を端部キャップ１４に対して固定するため、第一の雄型部品１２６が１２８の方向へ動作する様子を図６に示す。

図１及び図２に流体フィルタ装置の動作を示す。図１に示すように、通常の動作中に流体２２はフィルタ体１６中で濾過される。一方図２に示すように、一定の環境下では未濾過の流体２２がフィルタ体１６を迂回するようにバイパス弁組立品１２が開く。

フィルタ体１６は、支持板４０に形成された入口４４を通り濾過室１８中の未濾過流体領域２４に流れる流体２２と接触するために、濾過室１８中に配置された外部を備える。フィルタ体１６は、外部から内部へフィルタ体１６を通って流れる流体２２を受け入れるための、フィルタ体１６に設けられた濾過済み流体領域２６を画定する内部を含むように形成される。一体形成された端部キャップ１４は、バネ受け室６３を含むように形成されたバネハウジング６２、濾過済み流体領域２６への開口、及びフィルタ体１６に配された濾過済み流体領域２６中のバネハウジング６２を支えるためにフィルタ体１６に接続された端板６０を備える。

バイパス弁組立品１２は一体形成されたキャップ１４に接合されて、バイパス排出口７８を介して濾過済み流体領域２６へ排出すべく、未濾過流体領域２４からバネ受け室６３内へのフィルタハウジング２０内での流体の流れを制御するように構成される。

バイパス弁組立品１２は、濾過室１８内の未濾過流体領域２４にある未濾過の流体２２に晒されたバイパス入口開口８６を含むように形成されたピストン閉鎖体シート５０及び、ピストン閉鎖体シート５０を端部キャップ１４に対して固定して保持するための、端板６０の２つのクランプ部材８０，８２間に止められたクランプ部１１２を備える。

ピストン閉鎖体５２は、図１に示すようにバイパス入口開口８６を閉じた「閉」の状態を形成し、未濾過流体領域２４からバネ受け室６３を通り濾過済み流体領域２６へ流れる流体の流れを遮断するため、ピストン閉鎖体シート５０の方へ動くようにバネ受け室６３に配される。

また、図２に示すようにバイパス入口開口８６を開いた「開」の状態を形成し、未濾過流体領域２４からバネ受け室６３を通り濾過済み流体領域２６へ流体が流れるよう、ピストン閉鎖体シート５０から分離するように動作する。伸縮可能なバネ５４は、図１に示すようにピストン閉鎖体５０を「閉」の状態とするためにバネ受け室６３に配置される。

例えば図２に示すように、端部キャップ１４とバイパス弁組立品１２は、フィルタ体１６を迂回するための濾過室１８中の流路に沿って、流体２２が選択的に流れることができるようにするための迂回手段を画定する。バネハウジング６２とバネ５４は、例えば図１に示すように、ピストン閉鎖体シート５０中に形成されたバイパス入口開口８６を通る未濾過の流体２２を遮断するため、ピストン閉鎖体５２を「閉」の位置へ移動させるように配置された、バネの機構を構成するように協働する。

エンジンに取り付けられた流体フィルタ装置の側面図であり、通常の流体流ユニットに備えられたフィルタと、溶接を行わずに組み立てられたフィルタ内に形成する「濾過済み」流体領域におけるフィルタバイパス弁の位置を一部分解して示したものである。 図１の流体フィルタ装置の部分拡大図であり、未濾過の流体がフィルタ体を迂回して流れるように、バイパス弁組立品に備えられたピストン閉鎖体が、バネに抗して「開」の位置に移動した様子を示す図である。 図１及び図２のバイパス弁組立品に備えられた構成部品の断面図であり、端板、端板に備えられたバネハウジング、バネハウジングに適合するような寸法とされたバネ、バイパス入口開口を含むように形成されたピストン閉鎖体シート及び図４に示すように、ピストン閉鎖体シートとバイパス入口開口を塞ぐように係合するピストン閉鎖体を含むように一体形成された端部キャップを示す。 バイパス弁組立品の構成部品の成型具中における最初の位置を示す断面図である。 図４と同様の図であり、端部キャップの端板の環状保持部を曲げるための成型具雄部の動きを示す図である。 図４及び図５と同様の図であり、端部キャップの端板に備えられた二つのクランプ部材の間にピストン閉鎖体シートを端部キャップと連関して固定位置に保持するように、端板の環状保持部を完全に挟み込むための成型具雄部の動作を示した図である。

符号の説明

１０ 流体フィルタ装置
１２ バイパス弁組立品
１４ 端部キャップ
１６ フィルタ体
１８ 濾過室
２０ フィルタハウジング
２６ 濾過済み流体領域
３０ フィルタモジュール
５０ ピストン閉鎖体シート
５２ ピストン閉鎖体
５４ バネ
６０ 端板
６２ バネハウジング
６４ 内側環状部
６６ 外側環状部
６８ フィルタ支持材
７８ バイパス出口開口
８０，８２ クランプ部材
８４ 外側リム
８６ バイパス入口開口
８８ クランプ部
１１０ 円蓋
１１２ 環状バネシート

Claims (10)

1. 濾過室を備えるように形成されたフィルタハウジングと、
   前記濾過室内に配置され、フィルタ体とそのフィルタ体の一端に接続された端部キャップとを備えるフィルタエレメントと、
   前記端部キャップに固定されるバイパス弁組立品と
   を備えることを特徴とする流体フィルタ装置。
2. 前記バイパス弁組立品は前記端部キャップに圧着されることを特徴とする請求項１に記載の流体フィルタ装置。
3. 前記フィルタ体は、その内部に当該フィルタ体を通過した流体を受け入れるための濾過済み流体領域を備え、
   前記端部キャップは、バネハウジングと、前記フィルタ体と前記バネハウジングとに接続された端板を備え、当該端板は、前記フィルタ体の濾過済み流体領域内に前記バネハウジングを支持するために配置されており、
   前記バイパス弁組立品は、
   バイパス入口開口と、前記端部キャップに対して固定位置にピストン閉鎖体シートを保持するために、前記端板の二つのクランプ部材間に挟み込まれたクランプ部とを備えるピストン閉鎖体シートと、
   前記バイパス入口開口を通り前記濾過済み流体領域へ流れる流体を遮断する閉位置と、前記バイパス入口開口を通り前記流体領域に流体が流れるようにする開位置との間で可動であって前記バネハウジング内に配置されたピストン閉鎖体と、
   前記ピストン閉鎖体を閉位置に向けて付勢する、前記バネハウジング内に配置されたバネと
   を備えることを特徴とする請求項１に記載の流体フィルタ装置。
4. 前記ピストン閉鎖体の前記クランプ部は環状のリングであることを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 前記環状リングは、前記端板の前記クランプ部材の第１のものと係合するように配される外側表面と、前記端板の前記クランプ部材の第２のものと係合するように配される内側表面とを備えることを特徴とする請求項４に記載の装置。
6. 前記クランプ部は、前記端板の前記第一のクランプ部材と係合するように配置される外側表面と、前記端板の前記第二のクランプ部材と係合するように配置される内側表面とを備えることを特徴とする請求項３に記載の装置。
7. 前記内部表面及び前記外部表面はそれぞれ環状であることを特徴とする請求項６に記載の装置。
8. 前記端板は前記クランプ部と前記端板の前記第一及び第二のクランプ部材を囲む外側リムとを更に備えることを特徴とする請求項７に記載の装置。
9. 前記ピストン閉鎖体はその周囲に環状バネシートを備えた円蓋を備え、前記バネシートは前記ピストン閉鎖体シートに画定された環状シーリング面と係合するように構成され、ピストン閉鎖体が閉位置にある時は前記バイパス入口開口を通る流体の流れを遮断する
   ことを特徴とする請求項３に記載の装置。
10. 前記バネは前記ピストン閉鎖体シートに画定されるシーリング面と接触するように、前記ピストン栓の前記バネシートに負荷を与えることを特徴とする請求項９に記載の装置。
    

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