JP2004182200A - 車両用運転操作補助装置およびその装置を備えた車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置およびその装置を備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】個人毎の感覚にあった反力制御を行う車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段10,20と、状況認識手段10,20の検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段50と、リスクポテンシャル算出手段50によって算出されたリスクポテンシャルに基づいて、車両操作機器80に発生する操作反力を操作反力特性に従って決定する反力決定手段50と、自車両周囲のリスクポテンシャルに対する運転者の特性を決定する運転者特性決定手段50と、運転者特性決定手段50からの信号に応じて、操作反力特性を補正する反力特性補正手段50とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用運転操作補助装置は、自動走行制御中にレーザレーダ等で検出した先行車と自車両との車間距離に基づき、アクセルペダルの操作反力を変更している(例えば特許文献1)。検出された車間距離が所定値よりも小さくなった場合に、アクセルペダル反力が重くなるよう設定してドライバに警報を与えたり、自動走行制御中にドライバがアクセルペダルに足をおけるようにアクセルペダル反力を重く設定する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開2000−54860号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置は、自車両の先行車への接近度合が大きい場合に警報を与えるものであり、運転者が実際に感じているリスクをアクセルペダル反力制御に反映させることは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用運転操作補助装置は、車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、状況認識手段の検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されたリスクポテンシャルに基づいて、車両操作機器に発生する操作反力を操作反力特性に従って決定する反力決定手段と、自車両周囲のリスクポテンシャルに対する運転者の特性を決定する運転者特性決定手段と、運転者特性決定手段からの信号に応じて、操作反力特性を補正する反力特性補正手段とを有する。
【0005】
【発明の効果】
本発明によれば、リスクポテンシャルに対する運転者の特性により、リスクポテンシャルに対する車両操作機器の操作反力特性を補正するようにしたので、個人毎の感覚にあった反力制御を行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
【0007】
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、先行車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車までの車間距離と相対速度を検出する。検出した車間距離及び相対速度はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6[deg]程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。車速センサ20は、自車両の走行車速を車輪の回転数などから検出し、コントローラ50へと出力する。
【0008】
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、車両用運転操作補助装置1の全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20およびレーザレーダ10から入力される自車速、車間距離および相対速度等の信号から、自車前方を走行する先行車両に対するリスクポテンシャルを算出する。さらに、算出したリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダル反力制御装置60へ反力指令値を出力する。
【0009】
アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50からの指令値に応じて、アクセルペダル操作反力を制御する。図3に示すように、アクセルペダル80には、リンク機構を介してサーボモータ70およびアクセルペダルストロークセンサ71が接続されている。サーボモータ70は、アクセルペダル反力制御装置60からの指令に応じてトルクと回転角とを制御し、運転者がアクセルペダル80を操作する際に発生する操作反力を任意に制御する。アクセルペダルストロークセンサ71は、リンク機構を介してサーボモータ70の回転角に変換されたアクセルペダル80のストローク量Sを検出する。なお、アクセルペダル反力制御を行わない場合の、通常のアクセルペダル反力特性は、例えば、ストローク量Sが大きくなるほどアクセルペダル反力がリニアに大きくなるよう設定されている(図4参照)。通常のアクセルペダル反力特性は、例えばアクセルペダル70の回転中心に設けられたねじりバネ(不図示)のバネ力によって実現することができる。
【0010】
次に、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を説明する。まず、その概要を説明する。
コントローラ50は、レーザレーダ10および車速センサ20によって検出される自車両および車両周囲の走行状態に基づいて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。そして、コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル反力増加量ΔFを算出する。図4に、ストローク量Sに対するアクセルペダル反力Fの特性を示す。図4に示すように、実際にアクセルペダル80に発生するペダル反力Fは、ストローク量Sに応じた通常の反力特性に、リスクポテンシャルRPに基づいて算出される反力増加量ΔFを付加することにより決定される。
【0011】
ただし、通常走行中のリスクポテンシャルRPの分布、すなわちリスクポテンシャルRPに対する運転者の特性は個人毎に異なるため、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの特性を常に一定に設定していたのでは、運転者の運転特性や好みに応じたアクセルペダル反力制御を実現することが難しい。ここで、自車両が一定以上の車間距離を保った状態で車速をほぼ一定に保ち、自車両と先行車との相対速度がほぼ一定で先行車に追従走行する状態、すなわち自車両および先行車に急な加減速操作がなく自車両が先行車に追従走行している状態を通常走行とする。また、リスクポテンシャルRPに対する運転者の特性は、あるリスクポテンシャルRPが発生している状況において、運転者がそのリスクポテンシャルRPをどの程度に感じているかを示している。
【0012】
例えば、先行車との車間距離を常時大きく保って追従走行する運転者Aは、その走行状況で発生しているリスクポテンシャルRPaを平均的なリスクと感じている。一方、先行車との車間距離を常時小さく保って追従走行する運転者Bは、その走行状況で発生している、RPaよりも大きなリスクポテンシャルRPbを平均的なリスクと感じている。すなわち、車両周囲の走行環境に応じたリスクポテンシャルRPの認識の仕方は運転者によって異なり、同一のリスクポテンシャルRPが発生している場合でも、そのリスクポテンシャルRPをどの程度の大きさに感じるかは個人毎に異なる。また、同一のリスクポテンシャルRPに対してどのような運転操作を行うか、例えばアクセルペダル80を戻す等は、リスクポテンシャルRPに対する運転者の特性によって異なる。
【0013】
リスクポテンシャルRPに対する運転者の特性を考慮せずに反力制御を行うと、例えば、追従走行中に先行車との車間距離を比較的小さく保って走行する運転者の場合、先行車に対するリスクポテンシャルRPが高い値として算出され、これに応じてペダル反力Fが大きくなる。つまり、通常走行中に、運転者が平均的にアクセルペダル80から受ける反力Fが大きくなり、運転者の運転負荷が大きくなる。
【0014】
そこで、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置においては、通常走行中に、アクセルペダル反力制御によって運転者が実際に感じる力の平均値、すなわち運転者毎の平均的なリスクポテンシャルRPに対するペダル反力Fが一定となるようにペダル反力特性を設定する。
【0015】
以下に、運転者毎の特性に応じたリスクポテンシャル−反力増加量マップの設定方法を、図5を用いて詳細に説明する。図5は、コントローラ50における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50[msec])毎に連続的に行われる。
【0016】
ステップS101で、レーザレーダ10および車速センサ20から自車両および車両周囲の走行状態を読み込む。ここで読み込む走行状態は、自車速v1,先行車速v2,自車両と先行車の車間距離d、相対速度vr=v2−v1である。
【0017】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだ走行状態を用いて、現在の先行車までの接近度合と、今後の周囲環境変化による自車両への予測影響度合とを算出する。ここでは、先行車までの接近度合として余裕時間TTCを、予測影響度合として車間時間THWを算出する。
【0018】
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速v1、先行車速v2および相対車速vrが一定の場合に、何秒後に、車間距離dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値であり、以下の(式1)により求められる。
【数1】
余裕時間TTC=−d/vr (式1)
【0019】
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。
【0020】
車間時間THWは、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(式2)で表される。
【数2】
車間時間THW=d/v1 (式2)
【0021】
車間時間THWは、車間距離dを自車速v1で除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲環境変化に対する予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、自車両が先行車に追従し、自車速v1=先行車速v2である場合は、(式2)において自車速v1の代わりに先行車速v2を用いて車間時間THWを算出することもできる。
【0022】
ステップS103では、ステップS102で算出した余裕時間TTCおよび車間時間THWを用いて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。リスクポテンシャルRPは、余裕時間TTCと車間時間THWとを用いて、以下の(式3)によって算出することができる。
【数3】
RP=a/THW+b/TTC (式3)
【0023】
ここで、余裕時間の逆数1/TTCは先行車に対する接近度合、車間時間の逆数1/THWは将来予測される自車両への影響度合を示している。a、bは影響度合および接近度合にそれぞれ適切な重み付けをするための定数であり、例えばa=1,b=8程度に設定する(ただし、a<b)。
【0024】
リスクポテンシャルRPを(式3)を用いて算出することにより、先行車への追従走行中から先行車への接近中まで、連続的な状況変化に対応して、その状況における接近度合を表現することができる。
【0025】
ステップS104では、ステップS103で算出したリスクポテンシャルRPをコントローラ50のメモリに記憶し、運転者のリスクポテンシャルRPを学習する。
【0026】
ステップS105では、アクセルペダル80が解放されたか否かを判定する。例えば、ストロークセンサ71によって検出されるアクセルペダルストローク量Sが0となったか否かを判定する。ステップS105が肯定判定されると、アクセルペダル80が解放された時点でのリスクポテンシャルRPを学習するために、ステップS106へ進む。一方、ステップS105が否定判定されると、ステップS108へ進む。
【0027】
ステップS106では、ステップS103で算出されたリスクポテンシャルRPが所定値未満であるか否かを判定する。ステップS103が肯定判定されると、ステップS107へ進む。ステップS107では、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPをリスクポテンシャル−反力増加量マップ(RP−ΔFマップ)の補正に用いるため、ステップS103で算出したリスクポテンシャルRPをアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPとしてメモリに記憶する。一方、ステップS106が否定判定されると、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPの学習はしない。
【0028】
後述するように、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPは、アクセルペダル操作を行う通常のリスクポテンシャル領域の最大値RPacc_offを算出するために用いる。最大値RPacc_offにより、自車両が先行車に追従して走行している場合に、自車両がアクセルペダル操作により先行車にどこまで接近するかを示すことができる。ただし、自車両が車線変更を行ったり、他車両が自車両前に割り込んできた場面等では、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPが極めて大きな、最大値RPacc_offよりも大きな値を示すことがある。このような、通常走行以外の走行状況におけるアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPを用いて最大値RPacc_offを算出すると、RP−ΔFマップを効果的に補正することが困難となってしまう。そこで、ステップS106の処理を行い、所定値未満のリスクポテンシャルRPのみを通常走行中のアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPとみなして最大値RPacc_offの算出に用いるようにする。
【0029】
ステップS108では、前回、RP−ΔFマップを設定してから、所定時間(例えば10分間)経過したか否かを判定する。RP−ΔFマップを設定してから所定時間が経過している場合は、新たにRP−ΔFマップを設定し直す行うためにステップS109へ進む。一方、RP−ΔFマップを設定してから所定時間が経過していない場合は、今回の処理においてはマップの設定を行わないのでステップS111へ進む。マップの設定を行わない場合は、前回設定したマップに従って反力増加量ΔFを算出する。
【0030】
ステップS109では、ステップS104で学習した所定時間の運転者のリスクポテンシャルRPと、ステップS107で学習した所定時間のアクセル解放時のリスクポテンシャルRPとを用いて、RP−ΔFマップを設定する。
【0031】
まず、ステップS104で学習したリスクポテンシャルRPから、所定時間のリスクポテンシャルRPの時間頻度分布を算出し、時間頻度累積度数を算出する。図6に、リスクポテンシャルRPの、所定時間における時間頻度累積度数の一例を示す。図6に示すように、リスクポテンシャルRPを最大値RPmaxまで累積していくと、時間頻度累積度数は100%となる。リスクポテンシャルRPの時間頻度累積度数は、リスクポテンシャルRPに対する運転者の運転特性を示しており、これをリスクポテンシャル特性とする。時間頻度累積度数がほぼ中間、例えば50%となるときのリスクポテンシャルRPの値を、運転者の通常走行中のリスクポテンシャル中央値RPnormalとする。これは、通常走行中の平均的なリスクポテンシャルを表している。
【0032】
つぎに、ステップS107で学習したアクセル解放時のリスクポテンシャルRPから、所定時間のアクセル解放時リスクポテンシャルRPの時間頻度分布を算出し、時間頻度累積度数を算出する。図7に、アクセル解放時リスクポテンシャルRPの時間頻度累積度数の一例を示す。図7に示すように、運転者はリスクポテンシャルRPがRPacc_offまで増加すると、90%の割合でアクセルペダル80を解放している。すなわち、リスクポテンシャルRPがRPacc_off以下の状態では、アクセルペダル80の踏み込み量を調整して運転操作を行っているが、リスクポテンシャルRPacc_offを上回るとほぼ毎回アクセルペダル80を解放し、ブレーキペダル操作へと移行しているといえる。そこで、リスクポテンシャルRPacc_offを、先行車に追従走行している場合にアクセルペダル操作を行う通常のリスクポテンシャル領域の最大値とする。
【0033】
そして、上述したように得られる通常走行中のリスクポテンシャル中央値RPnormalおよび通常領域最大値RPacc_offから、RP−ΔFマップを設定する。
【0034】
図8に、RP−ΔFマップの一例を示す。リスクポテンシャル中央値RPnormalに対応する反力増加量ΔFnormal、および通常領域最大値RPacc_offに対応する反力増加量ΔFacc_offは、それぞれ所定値であり、予め適切な値を設定しておく。すなわち、運転者のリスクポテンシャル特性により、中央値RPnormalおよび通常領域最大RPacc_offの値が変動しても、それらの値に対応する反力増加量ΔFnormalおよびΔFacc_offは変動せず、一定値に設定される。さらに、リスクポテンシャルRPの最大値RPmaxに対応する反力増加量ΔFmaxも、予め所定値を設定しておく。なお、リスクポテンシャル最大値RPmaxは、運転者のリスクポテンシャル特性によらず固定値とする。
【0035】
マップ上に設定した3点(RPnormal,ΔFnormal)、(RPacc_off,ΔFacc_off)、(RPmax,ΔFmax)を通る指数関数を算出し、RP−ΔFマップを決定する。なお、RP−ΔFマップは、予め設定した所定のRP−ΔFマップを、これらの3点を通るように補正することによっても設定することができる。
【0036】
ステップS110では、現時点での時刻をマップ補正時間としてメモリに記憶する。このマップ補正時間は、上述したステップS108で、前回設定からの所定時間経過の判定に用いられ、ステップS108が肯定判定された時点でリセットされる。
【0037】
ステップS111では、ステップS109で設定したRP−ΔFマップに従って、ステップS103で算出したリスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFを算出する。
【0038】
つづくステップS112で、ステップS111で算出した反力増加量ΔFをアクセルペダル反力制御装置60に出力する。アクセルペダル反力制御装置60は、図4に示すように通常の反力特性に反力増加量ΔFを付加したペダル反力Fを発生するようにサーボモータ70を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
【0039】
このように設定したRP−ΔFマップを用いて行うアクセルペダル反力制御の作用を、図9および図10を用いて説明する。
図9に、所定時間におけるリスクポテンシャルRPの時間頻度累積度数を示す。図9において、通常走行中における運転者のリスクポテンシャルの一般的な特性をL1(通常特性)とする。また、通常走行中に、リスクポテンシャルRPが通常特性L1よりも低めの状態で、例えば先行車との車間距離を大きく保って運転する運転者のリスクポテンシャル特性をL2で表し、リスクポテンシャルRPが通常特性L1よりも高めの状態で、例えば先行車との車間距離を小さく保って運転する運転者のリスクポテンシャル特性をL3で表す。特性L2,L3は、通常特性L1をリスクポテンシャルRPが小さくなる方向および大きくなる方向にそれぞれ平行移動した形状となっている。通常特性L1のリスクポテンシャル中央値RPnormal=RP1であり、特性L2のリスクポテンシャル中央値RPnormal=RP2、特性L3のリスクポテンシャル中央値RPnormal=RP3である。ただし、RP2<RP1<RP3である。このように、通常走行中のリスクポテンシャルRPの特性およびその中央値には個人差があり、運転者毎に異なる。
【0040】
図10に、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの特性を示す。図10において、特性L1に対する反力増加量特性をLf1,特性L2に対する反力増加量特性をLf2,特性L3に対する反力増加量特性をLf3で表す。図10に示すように、特性L1,L2,L3のリスクポテンシャル中央値RP1,RP2,RP3の大きさはそれぞれ異なるが、中央値に対応する反力増加量ΔFnormalは一定値である。したがって、運転者にとっての平均的なリスクポテンシャルRPが発生しているときに、各運転者はアクセルペダル80から一定の反力を受けることになる。
【0041】
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)自車両周囲に発生しているリスクポテンシャルRPに対する運転者の特性、例えば車間距離が短い状態で先行車に追従走行するか、車間距離が長い状態で先行車に追従走行するかを検出し、この運転者の特性に応じて操作反力特性(RP−ΔF特性)を補正するようにした。これにより、個人毎に異なるリスクポテンシャルに対する運転特性を考慮したRP−ΔF特性を設定することができ、運転者に不要な負荷を与えることなく運転者の感覚にあったアクセルペダル反力制御を行うことができる。
(2)コントローラ50で算出する個人毎のリスクポテンシャルRPが異なった場合にも、リスクポテンシャルRPの値によらず反力増加量ΔFnormalが一定となるようにRP−ΔF特性を補正する。具体的には、図10に示すように、リスクポテンシャル中央値RPnormalに対応する反力増加量(第1の反力)ΔFnormalを固定値として設定することにより、運転者が通常走行中に感じる平均的なリスクポテンシャルRPnormalに対して、運転者特性によらず一定の反力増加量ΔFnormalが発生する。これにより、運転者の感覚にあった反力制御を行うことができるとともに、追従走行中に車間距離を小さく保つような運転者に常時、不必要に大きなペダル反力を与えることがなく、運転負荷を低減することができる。
(3)コントローラ50で算出するリスクポテンシャルRPを所定期間学習し、リスクポテンシャルRPの時間頻度分布を用いて運転者特性を検出した。これにより、運転者が通常どのようなリスクポテンシャル領域で走行しているかを把握し、リスクポテンシャルRPに対する運転者の運転特性を正確に検出することができる。
(4)アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPの時間頻度分布を用いて、追従走行中に先行車に接近してアクセルペダル80を解放するといった追従走行中のリスクポテンシャルの最大値RPacc_offを算出する。この最大値RPacc_offより、追従走行中に運転者が最大と感じるリスクポテンシャルRPを判断し、運転者の運転特性をより正確に検出することができる。
【0042】
−第1の実施の形態の変形例−
上述した第1の実施の形態においては、RP−ΔFマップを設定するために、算出したリスクポテンシャルRPからアクセル解放時のリスクポテンシャルRPを抽出して用いたが、これに代えて、ブレーキペダル操作開始時のリスクポテンシャルRPを用いることもできる。この場合、上述した図5のフローチャートにおいてアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPを学習する代わりに、ブレーキペダル操作開始時のリスクポテンシャルRPを学習する。
【0043】
図11に、ブレーキ操作開始時リスクポテンシャルRPの、所定時間における時間頻度累積度数の一例を示す。図11に示すように、運転者はリスクポテンシャルRPがRPbrk_onまで増加すると、95%の割合でブレーキペダルの操作を開始している。すなわち、リスクポテンシャルRPがRPbrk_onを以下の状態では、アクセルペダル80の踏み込み量を調整して運転操作を行っているが、リスクポテンシャルRPがRPbrk_onを上回ると、ほぼ毎回、アクセルペダル80を解放してブレーキペダル操作へと移行しているといえる。そこで、リスクポテンシャルRPbrk_onを、アクセルペダル操作を行う通常のリスクポテンシャル領域の最大値とする。
【0044】
リスクポテンシャルRPbrk_onに対応する所定の反力増加量ΔFbrk_onは、予め適切に設定しておく。ただし、反力増加量ΔFacc_offと反力増加量ΔFbrk_onは互いに異なる値に設定することが好ましい。そして、マップ上に設定した3点(RPnormal,ΔFnormal)、(RPbrk_on,ΔFbrk_on)、(RPmax,ΔFmax)を通る指数関数を算出し、RP−ΔFマップを決定する。
【0045】
このように、ブレーキペダル操作開始時のリスクポテンシャルRPの時間頻度分布を用いて、追従走行中に先行車に接近してブレーキ操作を開始するといった追従走行中のリスクポテンシャルの最大値RPbrk_onを算出する。この最大値RPbrk_onより、追従走行中に運転者が最大と感じるリスクポテンシャルRPを判断し、運転者の運転特性をより正確に検出することができる。
【0046】
運転者特性を検出するためのリスクポテンシャル最大値は、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルRPあるいはブレーキペダル操作開始時のリスクポテンシャルRPのいずれかを適宜選択して用いることができる。なお、図10および図11に示すように、リスクポテンシャル最大値RPbrk_onを算出する際の累積度数を、最大値RPacc_offを算出する際の累積度数よりも大きく設定することが好ましい。また、最大値RPacc_off,RPbrk_onを算出するための累積度数は、それぞれ90%、95%を一例として説明したが、通常のリスクポテンシャル領域の最大値を算出することができれば、これらには限定されない。
【0047】
《第2の実施形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態における車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0048】
通常走行中に先行車との車間距離を大きく変動させて走行する運転者の場合、先行車に対するリスクポテンシャルRPが変動し、これに応じてペダル反力の変化幅が大きくなる。これにより、運転負荷が大きくなるとともに、実際に発生する車両周囲の環境変化をアクセルペダル反力Fの変動として容易に認識することが難しくなる。
【0049】
そこで、第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置においては、通常走行中に、アクセルペダル反力制御によって運転者が実際に感じる力の変化幅、すなわち運転者毎の平均的なリスクポテンシャルRPの分布に対応するペダル反力Fの変化幅が一定となるようにペダル反力特性を設定する。
【0050】
以下に、運転者毎のリスクポテンシャル−反力増加量特性の設定方法を、図12を用いて詳細に説明する。図12は、コントローラ50における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50[msec])毎に連続的に行われる。なお、図12において、上述した図5のフローチャートと同様の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。ただし、ここでは、アクセル解放時のリスクポテンシャルRPの学習の処理(図5のS105〜S107)は行わない。
【0051】
ステップS108が肯定判定されると、ステップS109Aへ進む。ステップS109Aでは、ステップS104で学習した所定時間の運転者のリスクポテンシャルRPを用いて、RP−ΔFマップの設定を行う。
【0052】
ステップS104で学習したリスクポテンシャルRPから、所定時間のリスクポテンシャルRPの時間頻度分布を算出し、時間頻度累積度数を算出する。図13に、リスクポテンシャルRPの、所定時間における時間頻度累積度数の一例を示す。時間頻度累積度数がほぼ中間、例えば50%となるときのリスクポテンシャルRPの値を、運転者の通常走行中のリスクポテンシャル中央値RPnormalとする。これは、通常走行中の平均的なリスクポテンシャルを表している。
【0053】
リスクポテンシャルRPの時間頻度累積度数から、通常走行中の運転者のリスクポテンシャルRPのばらつきを算出する。ここでは、時間頻度累積度数の中間値(50%)の上下±25%の領域に対応する、リスクポテンシャルRPの変化幅ΔRPnormalを算出する。
【0054】
そして、通常走行中のリスクポテンシャル中央値RPnormalおよび変化幅ΔRPnormalから、RP−ΔFマップを設定する。
図14に、RP−ΔFマップの一例を示す。リスクポテンシャル中央値RPnormalに対応する反力増加量ΔFnormal、およびリスクポテンシャル最大値RPmaxに対応する反力増加量ΔFmaxは、それぞれ所定値であり、予め適切な値を設定しておく。また、リスクポテンシャルRPの変化幅ΔRPnormalに対応する反力増加量ΔFの変化幅ΔFchangeも所定値であり、予め適切な値を設定しておく。すなわち、運転者の運転特性によりリスクポテンシャル変化幅ΔRPnormalが変化しても、これに対応する反力増加量変化幅ΔFchangeは一定である。
【0055】
マップ上に設定した2点(RPnormal,ΔFnormal)、(RPmax,ΔFmax)と、通常走行中のリスクポテンシャル変化幅ΔRPchangeとから、これら2点を通り、中央値RPnormalの傾きΔRPchange/ΔRPnormalとなる指数関数を算出し、RP−ΔFマップを決定する。なお、RP−ΔFマップは、予め設定した所定のRP−ΔFマップを、これらの2点を通り、リスクポテンシャル変化幅ΔRPchangeとなるように補正することによっても設定することができる。
【0056】
このように設定したRP−ΔFマップを用いて行うアクセルペダル反力制御の作用を説明する。
図15に、所定時間におけるリスクポテンシャルRPの時間頻度累積度数を示し、通常走行中における運転者のリスクポテンシャル特性をL4,L5として表す。図15に示すように、特性L4,L5のリスクポテンシャル中央値RPnormalはともにRP4であるが、特性L4,L5の中央値RP4付近の傾きは互いに異なっている。図15において、特性L4,L5における、時間頻度累積度数の中間値(50%)の、上下±25%の領域に対応するリスクポテンシャルRPの変化幅ΔRPnormalを、それぞれΔRP4,ΔRP5とする(ただし、ΔRP4<ΔRP5)。特性L4は、リスクポテンシャル中央値RP4付近の傾きが大きく、通常走行中のリスクポテンシャルRPのばらつきが小さいことを示している。一方、特性L5は、リスクポテンシャル中央値RP4付近の傾きが小さく、通常走行中のリスクポテンシャルRPのばらつきが大きいことを示している。
【0057】
図16に、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの特性を示す。ここでは、特性L4に対する反力増加量特性をLf4,特性L5に対する反力増加量特性をLf5で表す。図16に示すように、特性L4,L5の中央値RP4付近のリスクポテンシャル変化幅ΔRP4,ΔRP5は互いに異なるが、この変化幅ΔRP4,ΔRP5に対応する反力増加量ΔFの変化幅ΔFchangeは同じである。したがって、運転者毎のリスクポテンシャルRPの通常の変化幅に対して、運転者はアクセルペダル80から一定の変化幅の反力を受けることになる。
【0058】
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
リスクポテンシャルRPの変化に対する反力増加量ΔFの傾きを変更することにより、RP−ΔF特性を補正する。具体的には、図16に示すように、リスクポテンシャル中央値RPnormal前後の変化量ΔRPに対する反力増加量ΔFの変化量ΔFchangeを一定とすることにより、運転者が通常走行中に感じる平均的なリスクポテンシャルの変化量ΔRPに対する反力増加量ΔFの変化量が常に一定となる。これにより、例えば運転者が車間距離を大きく変動させながら先行車に追従するような場合にも、不必要にペダル反力の大きさを変動させることが、運転負荷を低減するとともに、車両周囲の走行環境が変化した場合に、その変化をペダル反力として確実に運転者に知らせることができる。
【0059】
《第3の実施の形態》
つぎに、本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。図17に、第3の実施の形態における車両用運転操作補助装置2のシステム図を示し、図18に、車両用運転操作補助装置2を搭載した車両の構成図を示す。なお、図1および図2に示した第1の実施の形態と同一の構成要素には、同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0060】
第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置2においては、運転者自らがリスクポテンシャル−反力増加量マップを選択することのできる選択スイッチ51を設けている。選択スイッチ51は、例えば運転席前方のインストルメントパネルに設置される。図19に選択スイッチ51の拡大図を示す。図19に示すように、選択スイッチ51の操作により、AUTOモード、Lモード、MモードおよびSモードのいずれかを選択することができる。
【0061】
以下に、選択スイッチ51を用いたリスクポテンシャル−反力増加量マップの設定方法を、図20を用いて説明する。図20は、コントローラ50における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50[msec])毎に連続的に行われる。なお、図20において、上述した図5のフローチャートと同様の処理を行うステップには、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0062】
ステップS103でリスクポテンシャルRPを算出した後、ステップS201へ進む。ステップS201では、選択スイッチ51からの信号により、AUTOモードが選択されたか否かを判定する。ステップS201が肯定判定されると、ステップS104へ進み、上述した第1の実施の形態と同様に、運転者のリスクポテンシャルRPを学習して、運転者毎の特性に応じたRP−ΔFマップを設定する。一方、ステップS201が否定判定されると、ステップS202へ進む。
【0063】
ステップS202では、選択スイッチ51によって選択したLモード、MモードあるいはSモードに対応するRP−ΔF特性を設定する。
【0064】
図21に、Lモード、MモードおよびSモードに対応するRP−ΔF特性Ll、Lm、Lsの一例を示す。リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFは、それぞれ、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど指数関数的に増加するように設定されている。リスクポテンシャル最大値RPmaxに対する反力増加量ΔFmaxは固定値とする。これらのRP−ΔF特性は予め適切に設定され、コントローラ50のメモリに記憶されている。
【0065】
特性Lmにおいて、リスクポテンシャルRPmに対する反力増加量ΔFをΔFmとすると、同じ反力増加量ΔFmに対応する特性LlのリスクポテンシャルRP=RPl、特性LsのリスクポテンシャルRP=RPsである(RPl<RPm<RPs)。したがって、特性Llを選択すると、RPmよりも小さいリスクポテンシャルRPlで反力増加量ΔFmが発生し、特性Lsを選択すると、RPmよりも大きいリスクポテンシャルRPsで反力増加量ΔFmが発生する。
【0066】
そこで、例えば、通常走行中に先行車との車間距離を比較的大きく保って運転するような運転者は、選択スイッチ51でLモードを選択することにより、MモードおよびSモードを選択した場合に比べて通常走行中に受ける平均的なアクセルペダル反力Fを大きくすることができる。これにより、通常走行中に先行車とのリスクポテンシャルRPをアクセルペダル反力Fとして容易に認識することができる。
【0067】
ステップS202で選択スイッチ51で選択したRP−ΔF特性を設定した後、ステップS111へ進み、設定したRP−ΔF特性に従って反力増加量ΔFを算出する。
【0068】
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、選択スイッチ51を操作することにより、運転者が自分の好みに応じて所定のRP−ΔFマップを選択することができる。これにより、運転者の好みに応じたアクセルペダル反力制御を行うことができる。さらに、コントローラ50においてリスクポテンシャルRPの時間頻度分布を算出して運転者特性を検出する必要がないので、装置を安価に構成することができる。
【0069】
なお、選択スイッチ51によって選択するRP−ΔFマップは図21に示す形状に限定されることはない。例えば、上述した第2の実施の形態と同様に、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの傾きを変更したものとすることもできる。
【0070】
第1から第3の実施の形態において、リスクポテンシャルRPが所定値以下の領域のみでRP−ΔFマップを補正することもできる。すなわち、自車両周囲のリスクポテンシャルRPが非常に大きくなった場合は、個人差に応じて反力特性を補正することなく、高いリスクを速やかに運転者に知らせることが望ましい。そこで、個人差によってリスクポテンシャルRPに対する運転者特性が異なるリスクポテンシャルRPの通常領域の最大値、例えばアクセルペダル80をほぼ解放するリスクポテンシャルRPacc_off以下の領域では反力特性を補正し、RPacc_offを越える領域では、反力特性の補正を行わないようにする。この場合、反力特性を補正するRPacc_off以下の領域と、反力特性を補正しないRPacc_offを越える領域とで反力増加量ΔFが滑らかに連続するように、リスクポテンシャル最大値RPmaxまで指数関数によって定義される反力特性を設定する。
【0071】
第1および第2の実施の形態で説明したRP−ΔFマップの補正方法を組み合わせて、RP−ΔFマップを補正することもできる。すなわち、リスクポテンシャル中央値RPnormalに対する反力増加量ΔFを、ΔFnormalに設定するとともに、リスクポテンシャル中央値RPnormal前後のリスクポテンシャルRPのばらつきに対する反力増加量ΔFの変化幅ΔFchangeを設定し、RP−ΔFマップを補正する。
【0072】
なお、本発明による車両用運転操作補助装置は、状況認識手段として、レーザレーダ10および車速センサ20を用い、リスクポテンシャル算出手段、反力決定手段、運転者特性決定手段、および反力特性補正手段としてコントローラ50を用いた。また、反力発生手段としてアクセルペダル反力制御装置60を用いた。しかし、これらには限定されず、例えば状況認識手段としてレーザレーダ10の代わりに別方式のミリ波レーダ等を用いたり、CCDカメラあるいはCMOSカメラを用いることもできる。このように、本発明による車両用運転操作補助装置は、リスクポテンシャルRPに対する運転者の運転特性を決定し、運転特性に応じてペダル反力特性を補正する、すなわち運転者特性に応じたペダル反力特性を設定することができれば、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】アクセルペダル周辺の構成図。
【図4】ストローク量に対するペダル反力特性の一例を示す図。
【図5】第1の実施の形態のコントローラによる運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図6】所定時間のリスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図7】所定時間のアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図8】第1の実施の形態におけるリスクポテンシャルに対する反力増加量の特性の設定方法を説明する図。
【図9】個人毎の、リスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図10】図9に対応するリスクポテンシャルと反力増加量の関係を示す図。
【図11】所定時間のブレーキペダル捜査開始時のリスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図12】第2の実施の形態のコントローラによる運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図13】所定時間のリスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図14】第2の実施の形態におけるリスクポテンシャルに対する反力増加量の特性の設定方法を説明する図。
【図15】個人毎の、リスクポテンシャルの時間頻度累積度数を示す図。
【図16】図15に対応するリスクポテンシャルと反力増加量の関係を示す図。
【図17】本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図18】図17に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図19】選択スイッチの拡大図。
【図20】第3の実施の形態のコントローラによる運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図21】選択スイッチのモードに対応するRP−ΔFマップの一例を示す図。
【符号の説明】
10:レーザレーダ
20:車速センサ
50:コントローラ
51:選択スイッチ
60:アクセルペダル反力制御装置
70:サーボモータ
71:ストロークセンサ
80:アクセルペダル

Claims (13)

  1. 車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、
    前記状況認識手段の検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されたリスクポテンシャルに基づいて、車両操作機器に発生する操作反力を、その操作反力特性を用いて決定する反力決定手段と、
    自車両周囲のリスクポテンシャルに対する運転者の特性を決定する運転者特性決定手段と、
    前記運転者特性決定手段からの信号に応じて、前記操作反力特性を補正する反力特性補正手段とを有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記反力特性補正手段は、前記運転者特性決定手段からの信号に応じて、前記リスクポテンシャルの変化に対する前記操作反力の傾きを変更することにより、前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記反力特性補正手段は、前記運転者特性決定手段からの信号に応じて、前記リスクポテンシャル算出手段によって運転者毎に算出されるリスクポテンシャルの値によらず、前記操作反力が一定となるように前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記反力特性補正手段は、前記運転者特性決定手段からの信号に応じて、前記リスクポテンシャルの変化に対する前記操作反力の傾きを変更するとともに、前記リスクポテンシャル算出手段によって運転者毎に算出されるリスクポテンシャルの値によらず前記操作反力が一定となるように、前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記反力特性補正手段は、前記リスクポテンシャルが所定値以下の領域で前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、運転者が選択操作する選択スイッチであることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルの時間頻度分布を用いて運転者の特性を決定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルから、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルを抽出し、そのアクセルペダル解放時のリスクポテンシャルの時間頻度分布をさらに用いて運転者の特性を決定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルから、ブレーキ操作開始時のリスクポテンシャルを抽出し、そのブレーキ操作開始時のリスクポテンシャルの時間頻度分布をさらに用いて運転者の特性を決定することをを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  10. 請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルの時間頻度分布の累積度数から通常走行中のリスクポテンシャル中央値を算出し、さらに、アクセルペダル解放時のリスクポテンシャルの時間頻度分布の累積度数から通常走行中のリスクポテンシャル最大値を算出し、
    前記反力特性補正手段は、前記リスクポテンシャル中央値に対応する第1の反力と、前記リスクポテンシャル最大値に対応する第2の反力と、前記リスクポテンシャル最大値よりも大きい所定の最大リスクポテンシャルに対応する第3の反力とを通る指数関数を設定することにより、前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  11. 請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記運転者特性決定手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルの時間頻度分布の累積度数から通常走行中のリスクポテンシャル中央値を算出し、さらに、前記リスクポテンシャル中央値前後のリスクポテンシャルの変化量を算出し、
    前記反力特性補正手段は、前記リスクポテンシャル中央値に対応する第1の反力と、前記リスクポテンシャル中央値よりも大きい所定の最大リスクポテンシャルに対応する第3の反力とを通り、前記リスクポテンシャルの変化量に対応する前記操作反力の傾きとに基づいて指数関数を設定することにより、前記操作反力特性を補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記反力特性補正手段によって補正された前記操作反力特性を用いて決定した操作反力を、前記車両操作機器に発生する反力発生手段をさらに備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  13. 請求項12に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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