JP2004114896A - 車両用運転操作補助装置、車両用運転操作補助方法、およびその方法を適用した車両 - Google Patents
車両用運転操作補助装置、車両用運転操作補助方法、およびその方法を適用した車両 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】反力制御によって運転者に与える煩わしさを低減するとともに、リスクポテンシャルを知らせる必要がある場合には迅速に運転者に情報を伝達することができる車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】車両用運転操作補助装置1は、自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段10,20と、走行環境検出手段10,20によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段50と、リスクポテンシャル算出手段50によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器62を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段60と、反力制御手段60による反力制御を開始するリスクポテンシャルのしきい値を可変で設定する反力制御開始しきい値設定手段50とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用運転操作補助装置1は、自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段10,20と、走行環境検出手段10,20によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段50と、リスクポテンシャル算出手段50によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器62を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段60と、反力制御手段60による反力制御を開始するリスクポテンシャルのしきい値を可変で設定する反力制御開始しきい値設定手段50とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用運転操作補助装置は、前方車両との車間距離を検出し、検出した車間距離が所定値以下の場合にアクセルペダルの操作反力制御を行うものである(例えば、特許文献1参照)。この車両用運転操作補助装置は、アクセルペダル操作量および操作速度に基づいてアクセルペダル操作反力を可変としている。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平10−166889号公報
【特許文献2】
特開平10−166890号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置は、運転者のペダル操作に基づいて順次アクセルペダル反力を制御するものであり、車両周囲のリスクポテンシャルの変化をより一層速やかに反力制御に反映することが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段と、反力制御手段による反力制御を開始するリスクポテンシャルのしきい値を可変で設定する反力制御開始しきい値設定手段とを有する。
【0005】
【発明の効果】
反力制御を開始するリスクポテンシャルのレベルを可変で設定するので、運転者に与える煩わしさを低減するとともに、リスクポテンシャルを知らせる必要がある場合には迅速に運転者に情報を伝達することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載し、本発明による車両用運転操作補助方法を適用する車両の構成図である。
【0007】
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離と自車両との相対車速を検出する。検出した車間距離及び相対車速はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
【0008】
車速センサ20は、車輪の回転数等から自車両の走行車速を検出し、コントローラ50へ出力する。
【0009】
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速とレーザレーダ10から入力される距離/車速情報とに基づいて、自車両周囲の障害物に対するリスクポテンシャルを算出する。さらに、コントローラ50は、後述するようにリスクポテンシャルに応じたアクセルペダル反力制御を行う。
【0010】
アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50からの指令に応じて、アクセルペダル62のリンク機構に組み込まれたサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、アクセルペダル操作反力制御装置60からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル82を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。
【0011】
次に第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。その作用の概略を以下に述べる。
コントローラ50は、自車両の走行車速、および自車両と障害物との相対距離および相対車速に基づいて、自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。そして、算出したリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力制御量を算出する。図3に、リスクポテンシャルRPに対するアクセルペダル反力増加量ΔFの特性の一例を示す。図3に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0を上回ると、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど反力増加量ΔFが大きくなる。図3では、リスクポテンシャルRPに対して反力増加量ΔFが指数関数的に増加するように設定されている。算出されたアクセルペダル反力制御量ΔFは、反力制御指令値としてアクセルペダル反力制御装置60へ出力される。アクセルペダル反力制御装置60は、入力された反力制御指令値に応じてサーボモータ61を制御することにより、アクセルペダル反力特性を変更する。アクセルペダル反力特性を変更することにより、運転者の実際のアクセルペダル操作量を適切な値に促すように制御する。
【0012】
なお、アクセルペダル反力制御装置60は、アクセルペダルストローク量に応じて変化する通常のペダル反力特性に反力増加量ΔFを付加することにより、アクセルペダル反力特性を変更する。
【0013】
図3に示すようにリスクポテンシャルRPが所定値RP0以下の場合には反力増加量ΔF=0であり、アクセルペダル62には反力増加量ΔFを付加しない通常の反力特性によるペダル反力が発生する。すなわち、図4に示すアクセルペダル反力制御開始前後の時間軸に対するリスクポテンシャルRPの変化の一例からわかるように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0に達するタイミングt1以前においては、リスクポテンシャルRPは発生しているがそれに応じたペダル反力制御を行わない。これにより、リスクポテンシャルRPが小さい領域でアクセルペダルの操作反力を制御して運転者に煩わしさを与えてしまうことを防止する。
【0014】
ただし、図4に示すように、リスクポテンシャルRPが確実に所定値RP0を超える場合には、より早いタイミングでペダル反力制御を開始し、運転者に速やかにリスクポテンシャルRPを伝達することが望ましい。そこで、本発明の第1の実施の形態においては、図5に示すように反力制御開始のしきい値となる所定値RP0を可変で設定し、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベルを超える場合には、タイミングt1より早いタイミングt1aで反力制御を開始する。具体的には、リスクポテンシャルRPの変化率ΔRPを算出し、変化率ΔRPに応じて反力制御開始しきい値RP0を設定する。
【0015】
以下に、第1の実施の形態における反力制御開始しきい値RP0の設定およびアクセルペダル反力制御について、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。なお、以下では車両周囲の障害物として先行車両を検出した場合を一例として説明する。
【0016】
まず、ステップS101で走行環境データを読み込む。ここで走行環境データは、レーザレーダ10で検出される先行車までの相対距離Dおよび相対速度Vr、および車速センサ20によって検出される自車速Vf等である。
【0017】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだ走行環境データに基づいて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。先行車に対するリスクポテンシャルRPは、例えば先行車までの余裕時間TTC、および先行車までの車間時間THWに基づいて、以下の(式1)を用いて算出することができる。
【数1】
RP=a/THW+b/TTC (式1)
ここで、定数a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするパラメータであり、a<b(例えばa=1,b=8)となるように設定する。
【0018】
余裕時間TTCは、先行車までの車間距離Dおよび相対速度Vrを用いて以下の(式2)のように表され、車間時間THWは、車間距離Dおよび自車速Vfを用いて以下の(式3)のように表される。
【数2】
TTC=D/Vr (式2)
【数3】
THW=D/Vf (式3)
なお、自車両が先行車両に追従する場合は、(式3)において自車速Vfの代わりに先行車速Vaを用いることもできる。
【0019】
ステップS103では、ステップS102で算出したリスクポテンシャルRPが、予め設定した反力制御開始しきい値RP0を上回るか否かを判定する。ステップS103が肯定判定されると、ステップS109に進み、図3に従ってリスクポテンシャルRPに応じた反力増加量ΔFを算出する。一方、ステップS103が否定判定されると、ステップS104へ進む。
【0020】
ステップS104では、反力制御開始しきい値RP0の設定(変更)に利用するリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出するための算出方法を設定する。具体的には、リスクポテンシャル変化率ΔRPを算出するために用いるデータ個数nを設定する。なお、今回の処理以前に算出されたリスクポテンシャルデータは、不図示のメモリに記憶されている。
【0021】
図7に、所定のサンプリング周期毎に算出されるリスクポテンシャルRPを模式的に示し、図8に、リスクポテンシャルRPとリスクポテンシャル変化率ΔRP算出のための使用データ個数nとの関係を示す。図7に示すように、現時点tより以前のリスクポテンシャルRPは、時間の経過につれて大きくなってきている。
【0022】
図8に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RPaよりも小さい場合は使用データ個数nをm個(すなわち時間t−mから時間tの間に算出されたリスクポテンシャル)に設定する。リスクポテンシャルRPが所定値RPaから所定値RPbの間(RPa<RPb)は、リスクポテンシャルRPが大きくなるほどデータ個数nを少なくし、所定値RPbよりも大きい場合はデータ個数nを最小値mmに設定する。このように、リスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出したリスクポテンシャルRPの感度を重視し、一方リスクポテンシャルRPが小さい場合にはリスクポテンシャルRPの安定性、つまり耐ノイズ性を重視して変化率ΔRPを設定する。なお、リスクポテンシャルRPがしきい値RP0以上の領域では、m個のデータを用いてリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する。
【0023】
ステップS105では、ステップS104で設定したn個のリスクポテンシャルデータを用いてリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する。リスクポテンシャル変化率ΔRPは、以下の(式4)により算出することができる。
【数4】
(式4)
図9に、時間軸に対するリスクポテンシャル変化率ΔRPの変化の一例を示す。
【0024】
ステップS106では、ステップS105で算出したリスクポテンシャル変化率ΔRPに基づいて、反力制御しきい値RPを変更し、新たな反力制御しきい値RP0’を設定する。反力制御しきい値RP0’は、例えば以下の(式5)のように、予め設定した反力制御しきい値RP0に係数kを積算することによって設定できる。
【数5】
RP0’=k×RP0 (k≦1) (式5)
【0025】
図10に、リスクポテンシャル変化率ΔRPと係数kとの関係の一例を示す。図10に示すように、リスクポテンシャル変化率ΔRPが所定値ΔRP1以上、すなわちリスクポテンシャルRPが変化率ΔRP1以上で増加する場合には、変化率ΔRPが大きくなるほど係数kが小さくなる。また、リスクポテンシャル変化率ΔRPが所定値ΔRP1未満の場合には、係数k=1に設定する。これにより、リスクポテンシャルRPが変化率ΔRP1以上で増加する場合には、反力制御しきい値RP0’が、所定のしきい値RP0よりも小さくなるよう設定される。一方、変化率ΔRPが小さい場合およびリスクポテンシャルRPが低下する場合は、係数k=1であるので、反力制御しきい値RP0’=RP0に設定される。
【0026】
ステップS107では、ステップS102で算出したリスクポテンシャルRPが、ステップS106で設定した反力制御しきい値RP0’を上回るか否かを判定する。ステップS107が肯定判定されると、ステップS108へ進んでアクセルペダル反力制御マップを補正する。具体的には、図11のリスクポテンシャル−反力増加量特性に示すように、リスクポテンシャルRPがRP0’からRP0の領域では、反力増加量ΔFをリスクポテンシャルRP0に対応する反力増加量ΔF0に設定する。なお、ステップS107が否定判定されると、アクセルペダル反力制御マップを変更しない。
【0027】
ステップS109では、ステップS102で算出されたリスクポテンシャルRPに応じて、図3あるいは図11に示す反力制御マップに従って反力増加量ΔFを算出する。続くステップS110で、ステップS109で算出した反力増加量ΔFをアクセルペダル反力制御装置60へ出力し、今回の処理を終了する。
【0028】
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)アクセルペダル反力制御を開始するリスクポテンシャルRPのレベル、すなわち反力制御開始しきい値RP0を可変で設定するので、運転者に与える煩わしさを低減するとともに、リスクポテンシャルRPを知らせる必要がある場合には迅速に運転者に情報を伝達することができる。
(2)リスクポテンシャルの変化率ΔRPに基づいて反力制御開始しきい値を設定するので、リスクポテンシャルRPを知らせる必要がある場合に迅速に運転者に情報提供をすることができる。
(3)図10に示すように、リスクポテンシャル変化率ΔRPが増加するほど反力制御開始しきい値RP0が小さくなるように設定するので、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベル以上になる場合にはより早いタイミングで運転者に情報を提供することができる。
(4)リスクポテンシャル変化率ΔRPの算出方法をリスクポテンシャルRPに応じて設定する。具体的には、現時点までに算出されたリスクポテンシャルの変化率の平均値をリスクポテンシャル変化率ΔRPとして算出し、変化率ΔRP算出の際に用いるリスクポテンシャルのデータ個数を現在のリスクポテンシャルに応じて変更する。これにより、現時点までのリスクポテンシャルの変化状況に応じて変化率ΔRPを算出し、これをアクセルペダル反力制御に反映してより確実な反力制御を行うことができる。
(5)リスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する際に、図8に示すようにリスクポテンシャルRPが大きくなるほど使用データ個数を少なくするので、反力制御しきい値RP0以下でリスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出されたリスクポテンシャルの感度を重視して反力制御開始のタイミングを決定することができる。一方、リスクポテンシャルRPが小さい場合には使用データ個数を多くするので、算出されたリスクポテンシャルの安定性を重視して運転者に煩わしさを与えないように反力制御開始のタイミングを決定することができる。
【0029】
《第2の実施の形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0030】
第2の実施の形態においては、現在までに算出したリスクポテンシャルRPに基づいて将来のリスクポテンシャルRPeおよびリスクポテンシャル変化率ΔRPeを予測し、これらに基づいて反力制御開始しきい値RP0を変更する。
【0031】
第2の実施の形態における反力制御開始しきい値RP0の設定およびアクセルペダル反力制御について、図12を用いて説明する。図12は、第2の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0032】
ステップS201〜S203での処理は、上述した図6のフローチャートのステップS101〜S103での処理と同様である。
【0033】
ステップS204では、反力制御開始しきい値RP0の変更に利用する将来のリスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出するための算出方法を設定する。具体的には、上述した第1の実施の形態と同様に、変化率ΔRPeを算出するために用いるデータ個数nを設定する。さらに、どの時間領域のリスクポテンシャルデータを用いるか、すなわち使用データのうちの予測リスクポテンシャルRPeの割合についても設定する。使用データ個数nは、図8に示したように、ステップS202で算出したリスクポテンシャルRPに応じて設定する。予測リスクポテンシャルRPeの割合は、使用データ個数nは変更せずにデータを算出する時間軸をスライドし、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとして設定する。図13に、所定のサンプリング周期毎に算出されるリスクポテンシャルRPおよび将来の予測リスクポテンシャルRPeと、使用データ個数nと予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとの関係を模式的に示す。
【0034】
図14に、リスクポテンシャルRPと予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとの関係の一例を示す。図14に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RPc以下の領域では、比重μを最小値μ0に設定し、所定値RPcから所定値RPdの間の領域では、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど比重μを大きくする。また、所定値RPd以上の領域では、最大値μmに設定する。このように、リスクポテンシャルRPが小さい場合には、予測リスクポテンシャルRPeの個数を少なくし、すなわち過去のリスクポテンシャルデータを多く用いて確実な予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。一方、リスクポテンシャルRPが大きい場合には、予測リスクポテンシャルRPeの個数を多くし、より早いタイミングで反力制御を開始するようにする。
【0035】
ステップS205では、ステップS204で設定した使用データ個数nおよび予測リスクポテンシャル変化率の比重μに従って、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出するために、まず予測リスクポテンシャルRPeを算出する。将来予測されるリスクポテンシャルRPe(t+1)は、以下の(式6)に示すように、現時点tおよびそれ以前の時点(t−1)、(t−2)におけるリスクポテンシャルRP(t)、RP(t−1)、RP(t−2)を用いて、現時点tを中心としてテイラー展開を行うことにより算出することができる。
【数6】
RPe(t+1)=RP(t)+{(RP(t)−RP(t−1)}+1/2{RP(t)−RP(t−1)}−1/2{(RP(t−1)−RP(t−2)} (式6)
【0036】
使用データ個数nおよび比重μに応じて(式6)の時間軸をスライドし、必要な個数の予測リスクポテンシャルRPeを算出する。
【0037】
そして、上述した(式1)により、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。
【0038】
ステップS206では、上述した図6のフローチャートのステップS106と同様に、図10に従って係数kを算出し、(式5)より反力制御しきい値RP0’を設定する。これ以降のステップS207〜S210での処理は、上述した図6のステップS107〜S110と同様である。
【0039】
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)現時点までの走行環境に基づいて将来のリスクポテンシャルRPeを予測し、さらに、将来の予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeに基づいて反力制御開始しきい値RP0を設定するので、リスクポテンシャルRPを運転者に伝達する必要がある場合には迅速に情報を提供することができる。なお、予測されるリスクポテンシャル変化率ΔRPeを用いて反力制御開始しきい値RP0を設定するので、第1の実施の形態に比べてより早い段階で反力制御開始のタイミングを決定することができる。
(2)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeが増加するほど反力制御開始しきい値RP0が小さくなるように設定するので、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベル以上になる場合にはより早いタイミングで運転者に情報を提供することができる。
(3)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの算出方法をリスクポテンシャルRPに応じて設定する。具体的には、現時点までに算出されたリスクポテンシャルおよび予測されたリスクポテンシャルRPeの変化率の平均値を、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeとして算出し、予測変化率ΔRPe算出の際に用いるリスクポテンシャルRPおよび予測リスクポテンシャルRPeのデータ個数を現在のリスクポテンシャルRPに応じて変更する。これにより、現時点までのリスクポテンシャルRPおよび予測リスクポテンシャルRPeの変化状況に応じて予測変化率ΔRPeを算出し、アクセルペダル反力制御開始の判断を早い段階で行うことができる。
(4)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する際に、図8に示すようにリスクポテンシャルRPが大きくなるほど使用データ個数を少なくするので、反力制御しきい値RP0以下でリスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出されたリスクポテンシャルの感度を重視して反力制御開始のタイミングを決定することができる。一方、リスクポテンシャルRPが小さい場合には使用データ個数を多くするので、算出されたリスクポテンシャルの安定性を重視して運転者に煩わしさを与えないように反力制御開始のタイミングを決定することができる。
【0040】
上記実施の形態においては、設定した反力制御開始しきい値RP0’に応じて、図11に示すようにリスクポテンシャル−反力増加量特性を変更したが、変更方法はこれには限定されない。例えば、図11に一点鎖線で示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0を上回る領域におけるリスクポテンシャル−反力増加量特性を、反力制御開始しきい値RP0’まで延長することもできる。この場合、しきい値RP0’以上の領域で、反力増加量ΔFは指数関数的に増加する。また、破線で示すように、リスクポテンシャルRPがRP0’からRP0の領域で反力増加量ΔFを初期値ΔF0までリニアに増加させることもできる。また、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの特性は、指数関数的に増加することには限定されず、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど反力増加量ΔFが増加すれば、例えばリニアに増加するように設定することもできる。
【0041】
上記第2の実施の形態においては、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出し、これに基づいて反力制御開始しきい値RP0’を設定したが、本発明はこれには限定されない。例えば、算出した将来の予測リスクポテンシャルRPeが予め設定した反力制御開始しきい値RP0を超えたら、アクセルペダル反力制御を開始することもできる。この場合、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する必要がないので、コントローラ50における処理を簡素化することができる。
【0042】
上記実施の形態においては、余裕時間TTCと車間時間THWとを用いて障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出したが、これには限定されない。例えば余裕時間TTCの逆数をリスクポテンシャルRPとして用いることができる。また、車両周囲に存在する複数の障害物に対する余裕時間TTCを算出し、各障害物に対する余裕時間TTCの逆数の車両前後方向成分を加算して総合的なリスクポテンシャルRPを算出することもできる。
【0043】
また、リスクポテンシャルRPに応じて制御する操作反力はアクセルペダル反力のみには限定されず、例えばブレーキペダル反力あるいは操舵反力をリスクポテンシャルRPに応じてそれぞれ制御することもできる。
【0044】
本発明による車両用運転操作補助方法が適用される車両は、図2に示す構成には限定されない。
【0045】
以上説明した本発明による車両用運転操作補助装置の一実施の形態においては、走行環境検出手段として、レーザレーダ10および車速センサ20を用いた。リスクポテンシャル算出手段と、反力制御開始しきい値設定手段と、リスクポテンシャル変化率算出手段と、変化率算出設定手段と、リスクポテンシャル予測手段と、予測リスクポテンシャル変化率算出手段と、予測変化率算出設定手段として、コントローラ50を用いた。また、反力制御手段として、アクセルペダル反力制御装置60およびコントローラ50を用いた。ただし、本発明による車両用運転操作補助装置は、これらには限定されない。自車両周囲の走行環境を検出することができれば走行環境検出手段として、例えばCCDやCMOSからなるカメラあるいはミリ波レーダ等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】リスクポテンシャルに対する反力増加量の特性を示す図。
【図4】時間軸に対するリスクポテンシャルの変化の一例を示す図。
【図5】反力制御開始タイミングの変化を示す図。
【図6】第1の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図7】リスクポテンシャルの算出タイミングを示す図。
【図8】リスクポテンシャルと使用データ個数との関係を示す図。
【図9】時間軸に対するリスクポテンシャル変化率の変化の一例を示す図。
【図10】リスクポテンシャル変化率と係数kとの関係を示す図。
【図11】反力制御開始しきい値変更後のリスクポテンシャルに対する反力属領の特性を示す図。
【図12】第2の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図13】リスクポテンシャルの算出タイミングと使用データ個数と予測リスクポテンシャルの比重との関係を示す図。
【図14】リスクポテンシャルと予測リスクポテンシャルの比重との関係を示す図。
【符号の説明】
10:レーザレーダ
20:車速センサ
50:コントローラ
60:アクセルペダル反力制御装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用運転操作補助装置は、前方車両との車間距離を検出し、検出した車間距離が所定値以下の場合にアクセルペダルの操作反力制御を行うものである(例えば、特許文献1参照)。この車両用運転操作補助装置は、アクセルペダル操作量および操作速度に基づいてアクセルペダル操作反力を可変としている。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】
特開平10−166889号公報
【特許文献2】
特開平10−166890号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置は、運転者のペダル操作に基づいて順次アクセルペダル反力を制御するものであり、車両周囲のリスクポテンシャルの変化をより一層速やかに反力制御に反映することが望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、走行環境検出手段によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段と、反力制御手段による反力制御を開始するリスクポテンシャルのしきい値を可変で設定する反力制御開始しきい値設定手段とを有する。
【0005】
【発明の効果】
反力制御を開始するリスクポテンシャルのレベルを可変で設定するので、運転者に与える煩わしさを低減するとともに、リスクポテンシャルを知らせる必要がある場合には迅速に運転者に情報を伝達することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載し、本発明による車両用運転操作補助方法を適用する車両の構成図である。
【0007】
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離と自車両との相対車速を検出する。検出した車間距離及び相対車速はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
【0008】
車速センサ20は、車輪の回転数等から自車両の走行車速を検出し、コントローラ50へ出力する。
【0009】
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により、車両用運転操作補助装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速とレーザレーダ10から入力される距離/車速情報とに基づいて、自車両周囲の障害物に対するリスクポテンシャルを算出する。さらに、コントローラ50は、後述するようにリスクポテンシャルに応じたアクセルペダル反力制御を行う。
【0010】
アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50からの指令に応じて、アクセルペダル62のリンク機構に組み込まれたサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、アクセルペダル操作反力制御装置60からの指令値に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダル82を操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。
【0011】
次に第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。その作用の概略を以下に述べる。
コントローラ50は、自車両の走行車速、および自車両と障害物との相対距離および相対車速に基づいて、自車両のリスクポテンシャルRPを算出する。そして、算出したリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力制御量を算出する。図3に、リスクポテンシャルRPに対するアクセルペダル反力増加量ΔFの特性の一例を示す。図3に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0を上回ると、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど反力増加量ΔFが大きくなる。図3では、リスクポテンシャルRPに対して反力増加量ΔFが指数関数的に増加するように設定されている。算出されたアクセルペダル反力制御量ΔFは、反力制御指令値としてアクセルペダル反力制御装置60へ出力される。アクセルペダル反力制御装置60は、入力された反力制御指令値に応じてサーボモータ61を制御することにより、アクセルペダル反力特性を変更する。アクセルペダル反力特性を変更することにより、運転者の実際のアクセルペダル操作量を適切な値に促すように制御する。
【0012】
なお、アクセルペダル反力制御装置60は、アクセルペダルストローク量に応じて変化する通常のペダル反力特性に反力増加量ΔFを付加することにより、アクセルペダル反力特性を変更する。
【0013】
図3に示すようにリスクポテンシャルRPが所定値RP0以下の場合には反力増加量ΔF=0であり、アクセルペダル62には反力増加量ΔFを付加しない通常の反力特性によるペダル反力が発生する。すなわち、図4に示すアクセルペダル反力制御開始前後の時間軸に対するリスクポテンシャルRPの変化の一例からわかるように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0に達するタイミングt1以前においては、リスクポテンシャルRPは発生しているがそれに応じたペダル反力制御を行わない。これにより、リスクポテンシャルRPが小さい領域でアクセルペダルの操作反力を制御して運転者に煩わしさを与えてしまうことを防止する。
【0014】
ただし、図4に示すように、リスクポテンシャルRPが確実に所定値RP0を超える場合には、より早いタイミングでペダル反力制御を開始し、運転者に速やかにリスクポテンシャルRPを伝達することが望ましい。そこで、本発明の第1の実施の形態においては、図5に示すように反力制御開始のしきい値となる所定値RP0を可変で設定し、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベルを超える場合には、タイミングt1より早いタイミングt1aで反力制御を開始する。具体的には、リスクポテンシャルRPの変化率ΔRPを算出し、変化率ΔRPに応じて反力制御開始しきい値RP0を設定する。
【0015】
以下に、第1の実施の形態における反力制御開始しきい値RP0の設定およびアクセルペダル反力制御について、図6を用いて説明する。図6は、第1の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。なお、以下では車両周囲の障害物として先行車両を検出した場合を一例として説明する。
【0016】
まず、ステップS101で走行環境データを読み込む。ここで走行環境データは、レーザレーダ10で検出される先行車までの相対距離Dおよび相対速度Vr、および車速センサ20によって検出される自車速Vf等である。
【0017】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだ走行環境データに基づいて、先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。先行車に対するリスクポテンシャルRPは、例えば先行車までの余裕時間TTC、および先行車までの車間時間THWに基づいて、以下の(式1)を用いて算出することができる。
【数1】
RP=a/THW+b/TTC (式1)
ここで、定数a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするパラメータであり、a<b(例えばa=1,b=8)となるように設定する。
【0018】
余裕時間TTCは、先行車までの車間距離Dおよび相対速度Vrを用いて以下の(式2)のように表され、車間時間THWは、車間距離Dおよび自車速Vfを用いて以下の(式3)のように表される。
【数2】
TTC=D/Vr (式2)
【数3】
THW=D/Vf (式3)
なお、自車両が先行車両に追従する場合は、(式3)において自車速Vfの代わりに先行車速Vaを用いることもできる。
【0019】
ステップS103では、ステップS102で算出したリスクポテンシャルRPが、予め設定した反力制御開始しきい値RP0を上回るか否かを判定する。ステップS103が肯定判定されると、ステップS109に進み、図3に従ってリスクポテンシャルRPに応じた反力増加量ΔFを算出する。一方、ステップS103が否定判定されると、ステップS104へ進む。
【0020】
ステップS104では、反力制御開始しきい値RP0の設定(変更)に利用するリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出するための算出方法を設定する。具体的には、リスクポテンシャル変化率ΔRPを算出するために用いるデータ個数nを設定する。なお、今回の処理以前に算出されたリスクポテンシャルデータは、不図示のメモリに記憶されている。
【0021】
図7に、所定のサンプリング周期毎に算出されるリスクポテンシャルRPを模式的に示し、図8に、リスクポテンシャルRPとリスクポテンシャル変化率ΔRP算出のための使用データ個数nとの関係を示す。図7に示すように、現時点tより以前のリスクポテンシャルRPは、時間の経過につれて大きくなってきている。
【0022】
図8に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RPaよりも小さい場合は使用データ個数nをm個(すなわち時間t−mから時間tの間に算出されたリスクポテンシャル)に設定する。リスクポテンシャルRPが所定値RPaから所定値RPbの間(RPa<RPb)は、リスクポテンシャルRPが大きくなるほどデータ個数nを少なくし、所定値RPbよりも大きい場合はデータ個数nを最小値mmに設定する。このように、リスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出したリスクポテンシャルRPの感度を重視し、一方リスクポテンシャルRPが小さい場合にはリスクポテンシャルRPの安定性、つまり耐ノイズ性を重視して変化率ΔRPを設定する。なお、リスクポテンシャルRPがしきい値RP0以上の領域では、m個のデータを用いてリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する。
【0023】
ステップS105では、ステップS104で設定したn個のリスクポテンシャルデータを用いてリスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する。リスクポテンシャル変化率ΔRPは、以下の(式4)により算出することができる。
【数4】
(式4)
図9に、時間軸に対するリスクポテンシャル変化率ΔRPの変化の一例を示す。
【0024】
ステップS106では、ステップS105で算出したリスクポテンシャル変化率ΔRPに基づいて、反力制御しきい値RPを変更し、新たな反力制御しきい値RP0’を設定する。反力制御しきい値RP0’は、例えば以下の(式5)のように、予め設定した反力制御しきい値RP0に係数kを積算することによって設定できる。
【数5】
RP0’=k×RP0 (k≦1) (式5)
【0025】
図10に、リスクポテンシャル変化率ΔRPと係数kとの関係の一例を示す。図10に示すように、リスクポテンシャル変化率ΔRPが所定値ΔRP1以上、すなわちリスクポテンシャルRPが変化率ΔRP1以上で増加する場合には、変化率ΔRPが大きくなるほど係数kが小さくなる。また、リスクポテンシャル変化率ΔRPが所定値ΔRP1未満の場合には、係数k=1に設定する。これにより、リスクポテンシャルRPが変化率ΔRP1以上で増加する場合には、反力制御しきい値RP0’が、所定のしきい値RP0よりも小さくなるよう設定される。一方、変化率ΔRPが小さい場合およびリスクポテンシャルRPが低下する場合は、係数k=1であるので、反力制御しきい値RP0’=RP0に設定される。
【0026】
ステップS107では、ステップS102で算出したリスクポテンシャルRPが、ステップS106で設定した反力制御しきい値RP0’を上回るか否かを判定する。ステップS107が肯定判定されると、ステップS108へ進んでアクセルペダル反力制御マップを補正する。具体的には、図11のリスクポテンシャル−反力増加量特性に示すように、リスクポテンシャルRPがRP0’からRP0の領域では、反力増加量ΔFをリスクポテンシャルRP0に対応する反力増加量ΔF0に設定する。なお、ステップS107が否定判定されると、アクセルペダル反力制御マップを変更しない。
【0027】
ステップS109では、ステップS102で算出されたリスクポテンシャルRPに応じて、図3あるいは図11に示す反力制御マップに従って反力増加量ΔFを算出する。続くステップS110で、ステップS109で算出した反力増加量ΔFをアクセルペダル反力制御装置60へ出力し、今回の処理を終了する。
【0028】
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)アクセルペダル反力制御を開始するリスクポテンシャルRPのレベル、すなわち反力制御開始しきい値RP0を可変で設定するので、運転者に与える煩わしさを低減するとともに、リスクポテンシャルRPを知らせる必要がある場合には迅速に運転者に情報を伝達することができる。
(2)リスクポテンシャルの変化率ΔRPに基づいて反力制御開始しきい値を設定するので、リスクポテンシャルRPを知らせる必要がある場合に迅速に運転者に情報提供をすることができる。
(3)図10に示すように、リスクポテンシャル変化率ΔRPが増加するほど反力制御開始しきい値RP0が小さくなるように設定するので、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベル以上になる場合にはより早いタイミングで運転者に情報を提供することができる。
(4)リスクポテンシャル変化率ΔRPの算出方法をリスクポテンシャルRPに応じて設定する。具体的には、現時点までに算出されたリスクポテンシャルの変化率の平均値をリスクポテンシャル変化率ΔRPとして算出し、変化率ΔRP算出の際に用いるリスクポテンシャルのデータ個数を現在のリスクポテンシャルに応じて変更する。これにより、現時点までのリスクポテンシャルの変化状況に応じて変化率ΔRPを算出し、これをアクセルペダル反力制御に反映してより確実な反力制御を行うことができる。
(5)リスクポテンシャル変化率ΔRPを算出する際に、図8に示すようにリスクポテンシャルRPが大きくなるほど使用データ個数を少なくするので、反力制御しきい値RP0以下でリスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出されたリスクポテンシャルの感度を重視して反力制御開始のタイミングを決定することができる。一方、リスクポテンシャルRPが小さい場合には使用データ個数を多くするので、算出されたリスクポテンシャルの安定性を重視して運転者に煩わしさを与えないように反力制御開始のタイミングを決定することができる。
【0029】
《第2の実施の形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0030】
第2の実施の形態においては、現在までに算出したリスクポテンシャルRPに基づいて将来のリスクポテンシャルRPeおよびリスクポテンシャル変化率ΔRPeを予測し、これらに基づいて反力制御開始しきい値RP0を変更する。
【0031】
第2の実施の形態における反力制御開始しきい値RP0の設定およびアクセルペダル反力制御について、図12を用いて説明する。図12は、第2の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
【0032】
ステップS201〜S203での処理は、上述した図6のフローチャートのステップS101〜S103での処理と同様である。
【0033】
ステップS204では、反力制御開始しきい値RP0の変更に利用する将来のリスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出するための算出方法を設定する。具体的には、上述した第1の実施の形態と同様に、変化率ΔRPeを算出するために用いるデータ個数nを設定する。さらに、どの時間領域のリスクポテンシャルデータを用いるか、すなわち使用データのうちの予測リスクポテンシャルRPeの割合についても設定する。使用データ個数nは、図8に示したように、ステップS202で算出したリスクポテンシャルRPに応じて設定する。予測リスクポテンシャルRPeの割合は、使用データ個数nは変更せずにデータを算出する時間軸をスライドし、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとして設定する。図13に、所定のサンプリング周期毎に算出されるリスクポテンシャルRPおよび将来の予測リスクポテンシャルRPeと、使用データ個数nと予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとの関係を模式的に示す。
【0034】
図14に、リスクポテンシャルRPと予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの比重μとの関係の一例を示す。図14に示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RPc以下の領域では、比重μを最小値μ0に設定し、所定値RPcから所定値RPdの間の領域では、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど比重μを大きくする。また、所定値RPd以上の領域では、最大値μmに設定する。このように、リスクポテンシャルRPが小さい場合には、予測リスクポテンシャルRPeの個数を少なくし、すなわち過去のリスクポテンシャルデータを多く用いて確実な予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。一方、リスクポテンシャルRPが大きい場合には、予測リスクポテンシャルRPeの個数を多くし、より早いタイミングで反力制御を開始するようにする。
【0035】
ステップS205では、ステップS204で設定した使用データ個数nおよび予測リスクポテンシャル変化率の比重μに従って、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出するために、まず予測リスクポテンシャルRPeを算出する。将来予測されるリスクポテンシャルRPe(t+1)は、以下の(式6)に示すように、現時点tおよびそれ以前の時点(t−1)、(t−2)におけるリスクポテンシャルRP(t)、RP(t−1)、RP(t−2)を用いて、現時点tを中心としてテイラー展開を行うことにより算出することができる。
【数6】
RPe(t+1)=RP(t)+{(RP(t)−RP(t−1)}+1/2{RP(t)−RP(t−1)}−1/2{(RP(t−1)−RP(t−2)} (式6)
【0036】
使用データ個数nおよび比重μに応じて(式6)の時間軸をスライドし、必要な個数の予測リスクポテンシャルRPeを算出する。
【0037】
そして、上述した(式1)により、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。
【0038】
ステップS206では、上述した図6のフローチャートのステップS106と同様に、図10に従って係数kを算出し、(式5)より反力制御しきい値RP0’を設定する。これ以降のステップS207〜S210での処理は、上述した図6のステップS107〜S110と同様である。
【0039】
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)現時点までの走行環境に基づいて将来のリスクポテンシャルRPeを予測し、さらに、将来の予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する。予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeに基づいて反力制御開始しきい値RP0を設定するので、リスクポテンシャルRPを運転者に伝達する必要がある場合には迅速に情報を提供することができる。なお、予測されるリスクポテンシャル変化率ΔRPeを用いて反力制御開始しきい値RP0を設定するので、第1の実施の形態に比べてより早い段階で反力制御開始のタイミングを決定することができる。
(2)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeが増加するほど反力制御開始しきい値RP0が小さくなるように設定するので、リスクポテンシャルRPが確実に所定レベル以上になる場合にはより早いタイミングで運転者に情報を提供することができる。
(3)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeの算出方法をリスクポテンシャルRPに応じて設定する。具体的には、現時点までに算出されたリスクポテンシャルおよび予測されたリスクポテンシャルRPeの変化率の平均値を、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeとして算出し、予測変化率ΔRPe算出の際に用いるリスクポテンシャルRPおよび予測リスクポテンシャルRPeのデータ個数を現在のリスクポテンシャルRPに応じて変更する。これにより、現時点までのリスクポテンシャルRPおよび予測リスクポテンシャルRPeの変化状況に応じて予測変化率ΔRPeを算出し、アクセルペダル反力制御開始の判断を早い段階で行うことができる。
(4)予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する際に、図8に示すようにリスクポテンシャルRPが大きくなるほど使用データ個数を少なくするので、反力制御しきい値RP0以下でリスクポテンシャルRPが大きい場合には、算出されたリスクポテンシャルの感度を重視して反力制御開始のタイミングを決定することができる。一方、リスクポテンシャルRPが小さい場合には使用データ個数を多くするので、算出されたリスクポテンシャルの安定性を重視して運転者に煩わしさを与えないように反力制御開始のタイミングを決定することができる。
【0040】
上記実施の形態においては、設定した反力制御開始しきい値RP0’に応じて、図11に示すようにリスクポテンシャル−反力増加量特性を変更したが、変更方法はこれには限定されない。例えば、図11に一点鎖線で示すように、リスクポテンシャルRPが所定値RP0を上回る領域におけるリスクポテンシャル−反力増加量特性を、反力制御開始しきい値RP0’まで延長することもできる。この場合、しきい値RP0’以上の領域で、反力増加量ΔFは指数関数的に増加する。また、破線で示すように、リスクポテンシャルRPがRP0’からRP0の領域で反力増加量ΔFを初期値ΔF0までリニアに増加させることもできる。また、リスクポテンシャルRPに対する反力増加量ΔFの特性は、指数関数的に増加することには限定されず、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど反力増加量ΔFが増加すれば、例えばリニアに増加するように設定することもできる。
【0041】
上記第2の実施の形態においては、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出し、これに基づいて反力制御開始しきい値RP0’を設定したが、本発明はこれには限定されない。例えば、算出した将来の予測リスクポテンシャルRPeが予め設定した反力制御開始しきい値RP0を超えたら、アクセルペダル反力制御を開始することもできる。この場合、予測リスクポテンシャル変化率ΔRPeを算出する必要がないので、コントローラ50における処理を簡素化することができる。
【0042】
上記実施の形態においては、余裕時間TTCと車間時間THWとを用いて障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出したが、これには限定されない。例えば余裕時間TTCの逆数をリスクポテンシャルRPとして用いることができる。また、車両周囲に存在する複数の障害物に対する余裕時間TTCを算出し、各障害物に対する余裕時間TTCの逆数の車両前後方向成分を加算して総合的なリスクポテンシャルRPを算出することもできる。
【0043】
また、リスクポテンシャルRPに応じて制御する操作反力はアクセルペダル反力のみには限定されず、例えばブレーキペダル反力あるいは操舵反力をリスクポテンシャルRPに応じてそれぞれ制御することもできる。
【0044】
本発明による車両用運転操作補助方法が適用される車両は、図2に示す構成には限定されない。
【0045】
以上説明した本発明による車両用運転操作補助装置の一実施の形態においては、走行環境検出手段として、レーザレーダ10および車速センサ20を用いた。リスクポテンシャル算出手段と、反力制御開始しきい値設定手段と、リスクポテンシャル変化率算出手段と、変化率算出設定手段と、リスクポテンシャル予測手段と、予測リスクポテンシャル変化率算出手段と、予測変化率算出設定手段として、コントローラ50を用いた。また、反力制御手段として、アクセルペダル反力制御装置60およびコントローラ50を用いた。ただし、本発明による車両用運転操作補助装置は、これらには限定されない。自車両周囲の走行環境を検出することができれば走行環境検出手段として、例えばCCDやCMOSからなるカメラあるいはミリ波レーダ等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】リスクポテンシャルに対する反力増加量の特性を示す図。
【図4】時間軸に対するリスクポテンシャルの変化の一例を示す図。
【図5】反力制御開始タイミングの変化を示す図。
【図6】第1の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図7】リスクポテンシャルの算出タイミングを示す図。
【図8】リスクポテンシャルと使用データ個数との関係を示す図。
【図9】時間軸に対するリスクポテンシャル変化率の変化の一例を示す図。
【図10】リスクポテンシャル変化率と係数kとの関係を示す図。
【図11】反力制御開始しきい値変更後のリスクポテンシャルに対する反力属領の特性を示す図。
【図12】第2の実施の形態の車両用運転操作補助装置における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【図13】リスクポテンシャルの算出タイミングと使用データ個数と予測リスクポテンシャルの比重との関係を示す図。
【図14】リスクポテンシャルと予測リスクポテンシャルの比重との関係を示す図。
【符号の説明】
10:レーザレーダ
20:車速センサ
50:コントローラ
60:アクセルペダル反力制御装置
Claims (15)
- 自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記走行環境検出手段によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段と、
前記反力制御手段による反力制御を開始するリスクポテンシャルのしきい値(以降、反力制御開始しきい値とする)を可変で設定する反力制御開始しきい値設定手段とを有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記リスクポテンシャルの変化率を算出するリスクポテンシャル変化率算出手段をさらに有し、
前記反力制御開始しきい値設定手段は、前記リスクポテンシャル変化率算出手段で算出されるリスクポテンシャル変化率に基づいて、前記反力制御開始しきい値を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記反力制御開始しきい値設定手段は、前記リスクポテンシャル変化率が増加するほど、前記反力制御開始しきい値が小さくなるように設定することを特徴とする車両用運転走者補助装置。 - 請求項2または請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記リスクポテンシャル変化率算出手段によるリスクポテンシャル変化率の算出方法を、前記リスクポテンシャルに応じて設定する変化率算出設定手段をさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記リスクポテンシャル変化率算出手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって現時点までに算出された複数のリスクポテンシャルの変化率の平均値を、前記リスクポテンシャル変化率として算出し、
前記変化率算出設定手段は、現時点におけるリスクポテンシャルに応じて、前記リスクポテンシャル変化率を算出する際に用いる前記リスクポテンシャルのデータ個数を変更することにより、前記リスクポテンシャル変化率の算出方法を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項5に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記変化率算出設定手段は、前記反力制御開始しきい値以下で前記リスクポテンシャルが大きくなるほど、前記データ個数を少なくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記走行環境検出手段によって検出される現時点までの走行環境に基づいて、将来のリスクポテンシャル(以降、予測リスクポテンシャルとする)を予測するリスクポテンシャル予測手段と、
前記予測リスクポテンシャル、および前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルを用いて、将来のリスクポテンシャルの変化率(以降、予測リスクポテンシャル変化率とする)を算出する予測リスクポテンシャル変化率算出手段とをさらに有し、
前記反力制御開始しきい値設定手段は、前記予測リスクポテンシャル変化率算出手段で算出される予測リスクポテンシャル変化率に基づいて、前記反力制御開始しきい値を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記反力制御開始しきい値設定手段は、前記予測リスクポテンシャル変化率が増加するほど、前記反力制御開始しきい値が小さくなるように設定することを特徴とする車両用運転走者補助装置。 - 請求項7または請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記予測リスクポテンシャル変化率算出手段による予測リスクポテンシャル変化率の算出方法を、前記リスクポテンシャルに応じて設定する予測変化率算出設定手段をさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項9に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記予測リスクポテンシャル変化率算出手段は、前記リスクポテンシャル算出手段によって現時点までに算出された少なくとも一つのリスクポテンシャル、および、前記予測リスクポテンシャル算出手段によって算出された少なくとも一つの予測リスクポテンシャルの変化率の平均値を、前記予測リスクポテンシャル変化率として算出し、
前記予測変化率算出設定手段は、現時点におけるリスクポテンシャルに応じて、前記予測リスクポテンシャル変化率を算出する際に用いる前記リスクポテンシャルおよび前記予測リスクポテンシャルのデータ個数を変更することにより、前記予測リスクポテンシャル変化率の算出方法を設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項10に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記予測変化率算出設定手段は、前記反力制御開始しきい値以下で前記リスクポテンシャルが大きくなるほど、前記データ個数を少なくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 自車両周囲の走行環境を検出する走行環境検出手段と、
前記走行環境検出手段によって検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
前記走行環境検出手段によって検出される現時点までの走行環境に基づいて、将来のリスクポテンシャル(以降、予測リスクポテンシャルとする)を予測するリスクポテンシャル予測手段と、
前記リスクポテンシャル予測手段によって算出される予測リスクポテンシャルが所定の反力制御開始しきい値を上回ると、前記リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器を操作する際に発生する操作反力を制御する反力制御手段とを有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1から請求項12のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
前記反力制御手段は、アクセルペダルに発生する操作反力を制御することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 自車両周囲の走行環境を検出し、
検出される走行環境に基づいて、自車両のリスクポテンシャルを算出し、
算出されるリスクポテンシャルに応じて、運転者が車両機器を操作する際に発生する操作反力を制御し、
前記車両機器の反力制御を開始するリスクポテンシャルのレベルを前記走行環境の変化に応じて可変で設定することを特徴とする車両用運転操作補助方法。 - 請求項14に記載の運転操作補助方法を適用することを特徴とする車両。
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