JP2004177838A - パターン欠陥修正装置およびパターン欠陥修正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトマスク上の欠陥にパターン修正材料を適切な大きさにて付与して欠陥を修正するパターン欠陥修正装置を提供する。
【解決手段】パターン欠陥修正装置1は、サブステージ42上にパターン修正材料を供給する材料供給部43、針441を有するヘッド部44、および、変換テーブル521が記憶された記憶部52を有する制御部5を備える。パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上の欠陥の大きさに基づいて変換テーブル521から材料付与距離が求められる。サブステージ42上にはパターン修正材料が供給され、パターン修正材料が外気に触れる状態で一時的に保持された後、針441の先端にパターン修正材料が付着される。制御部5は材料付与距離に従って針441をフォトマスク9に対して近接させ、フォトマスク9上の欠陥に適切な大きさにてパターン修正材料が付与される。
【選択図】 図1
【解決手段】パターン欠陥修正装置1は、サブステージ42上にパターン修正材料を供給する材料供給部43、針441を有するヘッド部44、および、変換テーブル521が記憶された記憶部52を有する制御部5を備える。パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上の欠陥の大きさに基づいて変換テーブル521から材料付与距離が求められる。サブステージ42上にはパターン修正材料が供給され、パターン修正材料が外気に触れる状態で一時的に保持された後、針441の先端にパターン修正材料が付着される。制御部5は材料付与距離に従って針441をフォトマスク9に対して近接させ、フォトマスク9上の欠陥に適切な大きさにてパターン修正材料が付与される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマ表示装置や液晶表示装置等の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)あるいはPWB(Printed Wiring Board)等の製作には、多くの工程においてフォトマスクが使用される。このフォトマスクの製作において、表面に形成されたパターン(例えば、クロムにより形成されるパターン)の一部が欠落する欠陥(いわゆる、オープン欠陥等)が生じた場合には、レーザCVDやFIB(Focused Ion Beam)を利用して欠陥を修正する手法が、従来より提案されている。
【0003】
ところが、上記手法では大型かつ高価な装置が必要であるとともに、工程が煩雑となってしまう。そこで、特許文献1のようにパターン修正材料が貯留された容器に針部材の先端を浸漬した後、引き上げ、先端に残留させたパターン修正材料をフォトマスク上の欠陥に滴下させる手法が提案されている。滴下されたパターン修正材料は焼成され、不要部分はレーザ光が照射されることにより除去される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−72450号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、針部材に残留させたパターン修正材料を滴下する手法では、フォトマスク上に滴下されるパターン修正材料の量が不必要に多くなってしまう。そのため、不要部分が大きくなってしまいレーザ光による除去に長時間を要してしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、フォトマスク上の欠陥にパターン修正材料を適切な量だけ付与して、欠陥を迅速に修正することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、フォトマスクを保持するマスク保持部と、所定の容器から供給されたパターン修正材料を外気に触れる状態で一時的に保持する材料保持部と、前記材料保持部上のパターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、前記マスク保持部と前記ヘッド部とを相対的に移動する移動機構とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、前記材料保持部上のパターン修正材料に熱を付与する機構をさらに備える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、パターン修正材料が前記材料保持部上に供給されてから前記針に付着されるまでの時間を変更する制御部をさらに備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、フォトマスクを保持するマスク保持部と、パターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、前記マスク保持部に対して前記針を相対的に進退させる進退機構と、前記マスク保持部に保持されたフォトマスクと前記針の先端との間の距離と、フォトマスク上に付与されるパターン修正材料の径との関係を実質的に示すテーブルを記憶する記憶部と、フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報と前記テーブルとに基づいて前記進退機構を制御する制御部とを備える。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパターン欠陥修正装置であって、前記針を用いて所定の場所に付与されたパターン修正材料の画像を取得する撮像部と、付与時の前記進退機構の状態と前記画像とに基づいて前記テーブルを更新する演算部とをさらに備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン欠陥修正装置であって、前記ヘッド部が、前記針を、先端形状の異なる他の針に交換する機構を有する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、所定の容器から供給されたパターン修正材料を材料保持部により外気に触れる状態で一時的に保持する工程と、前記材料保持部上の前記パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、前記針の先端をフォトマスクに近接させてパターン修正材料を前記フォトマスク上に付与する工程とを有する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報に基づいて前記フォトマスクにパターン修正材料を付与する際の前記フォトマスクと前記針の先端との間の距離を求める工程と、前記距離に従って前記針を前記フォトマスクに対して相対的に進退させる工程とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1の概略構成を示す図である。パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上のパターンのオープンやくびれ等の欠陥にパターン修正材料(フォトマスク9との密着性がよく、遮光性が高いものであり、例えば、金ペーストや銀ペースト等の超微粒子金属を溶剤を含む液中に分散させた有機金属溶液)が付与され、パターンの欠陥が修正される。
【0016】
パターン欠陥修正装置1は、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2によりフォトマスク9を保持するステージ3が図1中に示すX,Y方向に移動可能とされる。基台11にはステージ3を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッドユニット4が取り付けられる。
【0017】
ステージ移動機構2はステージ3を図1中のX方向に移動するX方向移動機構21、および、Y方向に移動するY方向移動機構22を有する。X方向移動機構21はモータ211にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ211が回転することにより、Y方向移動機構22がガイドレール212に沿って図1中のX方向に移動する。Y方向移動機構22もX方向移動機構21と同様の構成となっており、モータ221が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール222に沿ってY方向に移動する。
【0018】
ステージ3上には、後述するキャリブレーションに利用されるキャリブレーション用ステージ31および撮像部32が設けられ、撮像部32によりキャリブレーション用ステージ31の表面近傍の状態を示す画像が取得される。キャリブレーション用ステージ31はフォトマスク9を形成する材料(または、パターン修正材料に対するぬれ性がフォトマスク9を形成する材料と近似する材料)により形成され、フォトマスク9と同一の厚みとされる。また、ステージ3は、後述する針の洗浄に利用される洗浄部33を有し、洗浄部33はアルコール等の有機溶剤が満たされた容器331、および、回転する一対のローラで針を挟んで有機溶剤を拭き取る拭取部332を有する。
【0019】
ヘッドユニット4は、フレーム12に固定された支持板411、および、補助支持板412を有し、補助支持板412は支持板411とステージ3との間に設けられる。補助支持板412上にはサブステージ42を図1中のX方向に移動するサブステージ移動機構421が設けられる。
【0020】
また、ヘッドユニット4は、サブステージ42上にパターン修正材料を供給する材料供給部43、フォトマスク9上にパターン修正材料を付与するヘッド部44、フォトマスク9上のパターン修正材料を焼成する焼成レーザ部45、および、フォトマスク9上の不要なパターン修正材料を除去する除去レーザ部46を有し、これらの構成は支持板411の下面に固定される。
【0021】
材料供給部43は、パターン修正材料を貯留するタンク431、および、タンク431に接続されたマイクロピペット432を有し、マイクロピペット432によりタンク431内のパターン修正材料が一定量だけサブステージ42上に吐出される。なお、サブステージ42近傍にパターン修正材料を貯留する容器を配置し、マイクロピペット432が容器からパターン修正材料を吸引してサブステージ42上に吐出するようにしてもよい。
【0022】
ヘッド部44は、針441、針441を着脱可能に支持する針支持部442、および、マイクロメータを有するヘッド部昇降機構443を有し、ヘッド部昇降機構443により針支持部442が図1中のZ方向に昇降して、針441がステージ3に対して進退可能とされる。また、支持板411の下面にはヘッド部移動機構444が設けられ、ヘッド部移動機構444によりヘッド部昇降機構443がX方向に移動する。
【0023】
除去レーザ部46は、赤外波長域のレーザ光を出射する半導体レーザ461、および、半導体レーザ461からのレーザ光をステージ3上へと導く光学系462を有する。また、除去レーザ部46にはステージ3上の画像を取得する撮像部47が設けられ、光学系462によりフォトマスク9上の像が撮像部47に結像される。焼成レーザ部45は除去レーザ部46とヘッド部44との間に設けられ、ステージ3に向けて焼成用のレーザ光を出射する。
【0024】
パターン欠陥修正装置1は、ステージ移動機構2、撮像部32、洗浄部33およびヘッドユニット4に接続された制御部5をさらに有し、制御部5は、各種演算を行う演算部51、および、各種情報を記憶する記憶部52を有する。記憶部52には、後述する変換テーブル521が予め記憶されている。パターン欠陥修正装置1では、制御部5が各構成を制御することによりフォトマスク9上のパターンの欠陥が修正される。
【0025】
パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上の欠陥を修正する処理の前に、欠陥修正処理を精度よく行うためにキャリブレーションが行われる。以下、最初に欠陥修正処理について説明を行い、その後にキャリブレーションについて説明する。
【0026】
図2は、パターン欠陥修正装置1がフォトマスク9上の欠陥を修正する処理の流れを示す図である。パターン欠陥修正装置1では、まず、フォトマスク9がステージ3に載置されるとともに、フォトマスク9に関する欠陥情報が制御部5に入力され、準備される(ステップS11)。制御部5では、欠陥情報が記憶部52にて記憶され、修正対象の欠陥(以下、「対象欠陥」という。)が特定される(ステップS12)。
【0027】
ここで、欠陥情報とは、フォトマスク9上に存在する欠陥に関する大きさやフォトマスク9上での位置等の情報であり、他のパターン検査装置等により取得され、パターン欠陥修正装置1へと入力される。制御部5は欠陥情報に基づいて、後述する材料付与時にパターン修正材料が付与される位置(以下、「材料付与位置」という。)に対象欠陥が位置するようにステージ3を移動する。
【0028】
図3はフォトマスク9上の一部のパターン92を例示する図である。図3に示すように、フォトマスク9上のパターン92には一部が欠落した欠陥93が生じており、欠陥93が対象欠陥として特定されたものとすると、対象欠陥93が材料付与位置に位置するように欠陥情報に基づいてフォトマスク9が移動する。このとき、撮像部47によりフォトマスク9上のパターンの画像が取得され、取得された画像に基づいて対象欠陥93が材料付与位置に精度よく移動してもよい。
【0029】
続いて、制御部5では対象欠陥93の大きさが欠陥情報から読み出され、材料付与時の針441とフォトマスク9との間の距離(以下、「材料付与距離」という。)が、対象欠陥93の大きさに基づいて変換テーブル521を参照して求められる(ステップS13)。
【0030】
材料付与距離が求められると、制御部5の制御によりサブステージ42が材料供給部43に対向する位置へと移動し、図4に示すように、マイクロピペット432からパターン修正材料91が0.5マイクロリットルだけサブステージ42(平行斜線を付して図示)上に吐出される(ステップS14)。吐出されたパターン修正材料91はサブステージ42上にて一定時間(例えば、1分間)保持される(ステップS15)。この間、パターン修正材料91は自然乾燥し(すなわち、風乾し)、粘度が高い状態となる。
【0031】
続いて、サブステージ42がヘッド部44側(図1中の(+X)方向)へと移動するとともに、針441がサブステージ42より上方に待避した状態で、ヘッド部昇降機構443がヘッド部移動機構444により材料供給部43側((−X)方向)へと移動する。そして、ヘッド部昇降機構443により針441が下降し、サブステージ42上のパターン修正材料91が針441の先端に付着される(ステップS16)。
【0032】
図5および図6は、パターン修正材料91を針441の先端に付着させる様子を説明するための図である。図5に示すように、針441の先端をサブステージ42の表面に近接させ、その後、針441を上昇させることにより、図6に示すように、針441の先端にパターン修正材料91が付着される。その際、サブステージ42上のパターン修正材料91は再現性のある一定の状態とされるとともに(すなわち、一定量のパターン修正材料91が一定の粘度で一定の形状とされた状態)、針441の先端がサブステージ42の表面に対して一定距離(例えば、10マイクロメートル)まで近接する。これにより、針441の先端に一定量のパターン修正材料91が確実に付着される。
【0033】
針441にパターン修正材料91が付着されると、針441を待避させた状態でヘッド部昇降機構443が焼成レーザ部45側((+X)方向)へと移動し、前述の材料付与位置の上方で停止する。その後、図7に示すように、針441の先端がヘッド部昇降機構443によりフォトマスク9(平行斜線を付して図示)上の対象欠陥93に近接する。なお、パターン修正材料91を針441の先端に付着させてからフォトマスク9上に付与するまでの時間はおよそ一定とされる。
【0034】
図8は、針441がフォトマスク9の表面に対して近接した状態を示す図であり、図8ではパターン92およびパターン修正材料91の図示を省略している。制御部5はヘッド部昇降機構443を制御して、図8に示すように、針441の先端とフォトマスク9の表面との間の距離が材料付与距離Lとなるまで針441を下降させ、その後、針441を上昇させる。これにより、図9および図10に示すように、フォトマスク9上にパターン修正材料91が付与される(ステップS17)。付与されたパターン修正材料91は略円形となる(直径Dとして図10中に図示)。なお、針441の先端はフォトマスク9とは接触しないため、フォトマスク9および針441の先端が損傷することが防止される。
【0035】
ここで、変換テーブル521と材料付与距離Lとの関係について説明を行う。まず、変換テーブル521は、フォトマスク9上に付与されるパターン修正材料の直径Dと(すなわち、付与されたパターン修正材料がフォトマスク9と接触する円形領域の直径D)、材料付与時におけるステージ3に保持されたフォトマスク9の表面と針441の先端との間の距離L(すなわち、材料付与距離L)との関係を示すテーブルとなっている。図11は、変換テーブル521をグラフ化して連続的に示したものであり、縦軸はフォトマスク9に付与されるパターン修正材料の直径Dを示し、横軸は材料付与距離Lを示す。ステップS13では、制御部5により、対象欠陥93の大きさに対して必要最小限の大きさとなるパターン修正材料の直径Dが特定され、対応する材料付与距離Lが変換テーブル521を参照して求められる。なお、付与されるパターン修正材料の最小直径D1として、20マイクロメートルが実現可能であることが確認されている。
【0036】
パターン修正材料91がフォトマスク9上に付与されると、制御部5はステージ移動機構2を制御し、付与されたパターン修正材料91が焼成レーザ部45の下方に位置するようにフォトマスク9を移動する。焼成レーザ部45からは、焼成用のレーザ光がフォトマスク9上に照射され、パターン修正材料91が焼成される(ステップS18)。このとき、レーザ光の出力と照射時間とが適切に制御されることにより、パターン修正材料91がフォトマスク9との密着性に優れた遮光膜とされる。
【0037】
フォトマスク9は除去レーザ部46の下方へとさらに移動し、除去レーザ部46から除去用のレーザ光がフォトマスク9上に照射され、フォトマスク9上の不要なパターン修正材料91が除去される(ステップS19)。具体的には、図12において符号91aを付して示す部分が、所定のパターンに対して不要な部分として除去される。
【0038】
制御部5は針441を待避させた状態でステージ移動機構2を制御し、洗浄部33を材料付与位置に位置させる。針441はヘッド部昇降機構443により下降し、先端が洗浄部33の容器331内へと移動する。そして、針441の先端が容器331から出されて拭取部332へと移動し、先端に付着した溶剤が拭き取られる(ステップS20)。なお、針441の洗浄は、例えば、操作者が針441の先端をアルコール等の溶剤を浸したガーゼ等で拭き取ることにより行われてもよい。
【0039】
続いて、パターン欠陥修正装置1ではフォトマスク9上の次の欠陥に対してステップS12〜S20が繰り返される(ステップS21)。以上のようにして、パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上にパターン修正材料91が欠陥の大きさに合わせて適切に付与され、効率よく欠陥が修正される。なお、次の欠陥が処理される際には、サブステージ42上において、直前にパターン修正材料91が吐出された位置とは異なる位置にパターン修正材料91が吐出される。また、ステップS17〜S20に並行して次のステップS12〜S15の一部が行われてもよい。
【0040】
次に、キャリブレーションについて説明を行う。パターン欠陥修正装置1におけるキャリブレーションでは、針441の先端の位置の検出、および、変換テーブル521の更新が行われる。
【0041】
まず、ステージ3上のキャリブレーション用ステージ31を材料付与位置へと移動し、針441の先端をキャリブレーション用ステージ31の表面に近接させる。撮像部32では、針441の先端とキャリブレーション用ステージ31の表面とを示す画像が取得され、画像データが演算部51へと出力される。演算部51において、画像データから針441の先端とキャリブレーション用ステージ31の表面との間の実際の距離が算出され、キャリブレーション用ステージ31に対する針441の先端の正確な位置が検出される。そして、針441の先端の位置がヘッド部昇降機構443の昇降量に対応づけられる。
【0042】
針441の位置が検出されると、欠陥修正処理のステップS14〜S16と同様に針441の先端にパターン修正材料が付着される。ヘッド部昇降機構443は焼成レーザ部45側へと移動し、針441を所定の材料付与距離まで下降させてパターン修正材料をキャリブレーション用ステージ31上に付与する。続いて、キャリブレーション用ステージ31が除去レーザ部46の下方へと移動し、付与されたパターン修正材料の画像が撮像部47により取得される。パターン修正材料の画像データは演算部51へと出力され、パターン修正材料の直径が算出される。そして、演算部51において、付与時のヘッド部昇降機構443の状態(すなわち、材料付与距離)と算出されたパターン修正材料の直径とに基づいて変換テーブル521が必要に応じて更新される。パターン欠陥修正装置1ではパターン修正材料や針441の交換時にキャリブレーションが行われ、欠陥の修正が常に精度よく行われる。
【0043】
以上のように、パターン欠陥修正装置1では、パターン修正材料がサブステージ42上にて外気に触れる状態で一時的に保持されて一定の粘度となった後、針441の先端に付着される。これにより、パターン修正材料を針441の先端に容易に付着させることができる。また、制御部5が変換テーブル521と欠陥の大きさに関する情報とに基づいてヘッド部昇降機構443を制御することにより、フォトマスク9上にパターン修正材料を適切な大きさにて(または、適切な量だけ(以下同様))付与することができる。これにより、付与されたパターン修正材料の除去レーザ部46による除去部分が必要以上に増大することが防止される。その結果、パターン欠陥修正装置1では、欠陥修正処理を簡便かつ迅速に行うことができ、高スループット化を図ることができる。
【0044】
なお、キャリブレーションは、必ずしも欠陥修正処理の直前に行われる必要はなく、必要に応じて随時行われてもよい。さらに、針441の先端の位置の検出は他の手法により行われてもよく、例えば、針441に対して固定されるとともにフォトマスク9の表面に対して傾斜してレーザ光を出射するレーザ、および、フォトマスク9の表面からのレーザ光の反射光を受光する受光部が設けられ、受光部が反射光を受光する位置により針441に対するフォトマスク9の表面の位置が検出されてもよい。
【0045】
また、パターン欠陥修正装置1では、制御部5がサブステージ42上に供給されたパターン修正材料の風乾時間を変更することにより、針441に付着するパターン修正材料の量を変更することも可能である。すなわち、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、制御部5がステップS15におけるパターン修正材料を保持する時間を対象欠陥の大きさに基づいて変更することで、パターン修正材料の粘度が調整され、針441に付着するパターン修正材料の量が調整される。この場合、材料付与距離が一定であっても、パターン修正材料をフォトマスク9上に適切な大きさにて付与することができる。
【0046】
なお、針441に付着されるパターン修正材料の量は、材料供給部43からサブステージ42上に吐出されるパターン修正材料の量を変更したり、針441にパターン修正材料を付着させる際の針441の先端とサブステージ42の表面との間の距離を変更することにより、調整することも可能である。
【0047】
図13は本発明の第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1aを示す図であり、材料供給部43a近傍のみを示している。材料供給部43aは、サブステージ42に向けて温風を供給する熱付与部433を有する。他の構成は、図1に示すパターン欠陥修正装置1と同様であり同符号を付している。
【0048】
パターン欠陥修正装置1aでは、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、ステップS15のみが第1の実施の形態と異なる。すなわち、パターン修正材料がサブステージ42上に吐出されると(ステップS14)、サブステージ42が熱付与部433の下方へと移動する。熱付与部433によりパターン修正材料に向かって温風が浴びせられ(ステップS15)、パターン修正材料がある程度乾燥して粘度が高い状態とされる。そして、ステップS16においてパターン修正材料が針441の先端に付着され(ステップS16)、ステップS17〜ステップS20が第1の実施の形態と同様に行われることにより、フォトマスク9上にパターン修正材料が適切な大きさにて付与され、欠陥を修正することができる。
【0049】
以上のように、第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1aでは、サブステージ42上のパターン修正材料の粘度が短時間で高められ、パターン修正材料を容易に針441の先端に付着させることができる。その結果、フォトマスク9上の欠陥の修正を適切かつ迅速に行うことができる。なお、パターン修正材料に熱を付与する手法としては、必ずしも温風を供給する必要はなく、例えば、サブステージ42にヒータが設けられ、サブステージ42上のパターン修正材料に熱が付与されてもよい。
【0050】
図14は本発明の第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1bを示す図であり、ヘッド部44a近傍のみを示している。ヘッド部44aは、先端形状(例えば、先端の曲率半径)がそれぞれ異なる複数の針441を支持するレボルバ445を有し、レボルバ445は回転駆動部446により支持される。回転駆動部446は、ヘッド部昇降機構443により支持される。他の構成は、図1または図13に示すパターン欠陥修正装置1,1aと同様であり同符号を付している。
【0051】
パターン欠陥修正装置1bのヘッド部44aでは、複数の針441のうち1つの針が選択され(図14中の符号441aを付す針が選択されたものであり、以下、「対象針」という。)、レボルバ445によりZ方向を向くようにして支持される。ヘッド部44aでは、回転駆動部446がレボルバ445を所定の回転角だけ回動することにより、他の針441がZ方向を向く状態(すなわち、対象針441a)とされる。
【0052】
パターン欠陥修正装置1bでは、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、ステップS13のみが第1の実施の形態と異なる。すなわち、対象欠陥が特定されると(ステップS12)、対象欠陥の大きさが欠陥情報から読み出される。そして、対象欠陥の大きさに基づいて複数の針441から1つの針が選択され、対象針441aとしてレボルバ445によりZ方向を向く状態に支持される。また、対象針441aに対応する変換テーブルと対象欠陥の大きさとから材料付与距離が取得される(ステップS13)。パターン欠陥修正装置1bでは、対象針441aにより第1の実施の形態と同様にフォトマスク9上の対象欠陥に対してパターン修正材料が適切な大きさにて付与され、欠陥修正処理が行われる。
【0053】
以上のように、第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1bでは、レボルバ445および回転駆動部446によりフォトマスク9上の対象欠陥の大きさに従って、先端形状の異なる複数の針441から適切な針が選択される。その結果、対象欠陥の大きさに適した大きさにてパターン修正材料がフォトマスク9上に付与され、欠陥を適切に修正することができる。
【0054】
なお、針441を先端形状の異なる他の針に交換する機構は、必ずしもレボルバ445および回転駆動部446により構成される機構である必要はなく、例えば、針支持部に支持された針を着脱して他の針に交換する機構が設けられてもよい。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ってきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0056】
サブステージ42上のパターン修正材料は、必ずしも材料供給部43から吐出される必要はなく、例えば、操作者により供給されてもよい。すなわち、所定の容器に貯留されたパターン修正材料がサブステージ42上に供給され、外気に触れる状態で一時的に保持されるのであれば、いかなる態様にて供給されてもよい。
【0057】
また、材料供給部43からサブステージ42上に吐出されるパターン修正材料91の量は、必ずしも0.5マイクロリットルである必要はなく、一定量であればよい。なお、実験においては1.0マイクロリットルまでは欠陥の修正が適切に行われることが確認されている。
【0058】
上記実施の形態では、サブステージ42の平らな表面上に材料供給部よりパターン修正材料が吐出されるが、例えば、サブステージ上に凹部が形成され、凹部にパターン修正材料が供給されて保持されてもよい。また、サブステージは必ずしもヘッドユニット4に設けられる必要はない。
【0059】
変換テーブルは、例えば、欠陥の面積と材料付与距離との関係を示すテーブルであってもよく、材料付与距離とフォトマスク9上に付与されるパターン修正材料の径との関係を実質的に示すテーブルであればいかなるものであってもよい。
【0060】
上記実施の形態では、フォトマスク9に関する欠陥情報は他のパターン検査装置等により取得され入力されるが、欠陥情報はパターン欠陥修正装置の撮像部47により取得されてもよく、また、作業者により入力されてもよい。
【0061】
フォトマスク9は必ずしもステージ3に載置される必要はなく、例えば、複数のピンの先端によりフォトマスク9が保持されてもよい。
【0062】
キャリブレーション用ステージ31は必ずしもフォトマスク9と同一の材料により形成される必要はなく、また、フォトマスク9と同一の厚みである必要もない。
【0063】
キャリブレーション用ステージ31は必ずしも設けられる必要はなく、例えば、ステージ3上にキャリブレーション用フォトマスクが載置され、キャリブレーション用フォトマスク上にてキャリブレーションが行われてもよい。
【0064】
ヘッドユニット4とステージ3とは相対的に移動すればよく、例えば、ステージ3が固定され、ヘッドユニット4に移動機構が設けられてもよい。
【0065】
また、針441とステージ3とは相対的に進退すればよく、例えば、ステージ3に昇降機構が設けられ、ステージ3が針441に対して昇降してもよい。
【0066】
図2に示す欠陥修正処理の流れは、可能な範囲内で適宜変更されてもよい。例えば、パターン修正材料を針441の先端に付着させるステップS16の後に、ステップS13の材料付与距離を求める処理が行われてもよい。
【0067】
さらに、複数のヘッド部44を設け、パターン修正材料の付与が複数の欠陥に対してほぼ並行して行われてもよい。
【0068】
【発明の効果】
請求項1ないし3の発明では、針の先端にパターン修正材料を容易に付着させることができる。
【0069】
また、請求項2の発明では、パターン修正材料の粘度を短時間で高めることができる。
【0070】
また、請求項3の発明では、パターン修正材料の粘度を調整することができる。
【0071】
また、請求項4ないし6の発明では、パターン修正材料をフォトマスク上に適切な大きさにて(または、適切な量だけ)付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パターン欠陥修正装置の概略構成を示す図である。
【図2】欠陥を修正する処理の流れを示す図である。
【図3】フォトマスク上のパターンを示す図である。
【図4】サブステージ上にパターン修正材料を吐出する様子を示す図である。
【図5】パターン修正材料を針の先端に付着させる様子を説明するための図である。
【図6】パターン修正材料を針の先端に付着させる様子を説明するための図である。
【図7】パターン修正材料をフォトマスク上に付与する様子を説明するための図である。
【図8】
針がフォトマスクの表面に近接した状態を示す図である。
【図9】パターン修正材料をフォトマスク上に付与する様子を説明するための図である。
【図10】パターン修正材料が付与されたパターンを示す図である。
【図11】パターン修正材料の直径と材料付与距離との関係を示す図である。
【図12】パターン修正材料の不要部分が除去されたパターンを示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置を示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b パターン欠陥修正装置
2 ステージ移動機構
3 ステージ
5 制御部
9 フォトマスク
31 キャリブレーション用ステージ
42 サブステージ
44,44a ヘッド部
47 撮像部
51 演算部
52 記憶部
91 パターン修正材料
92 パターン
93 欠陥
431 タンク
433 熱付与部
441,441a 針
443 ヘッド部昇降機構
445 レボルバ
446 回転駆動部
521 変換テーブル
D 直径
L 材料付与距離
S11〜S21 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマ表示装置や液晶表示装置等の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)あるいはPWB(Printed Wiring Board)等の製作には、多くの工程においてフォトマスクが使用される。このフォトマスクの製作において、表面に形成されたパターン(例えば、クロムにより形成されるパターン)の一部が欠落する欠陥(いわゆる、オープン欠陥等)が生じた場合には、レーザCVDやFIB(Focused Ion Beam)を利用して欠陥を修正する手法が、従来より提案されている。
【0003】
ところが、上記手法では大型かつ高価な装置が必要であるとともに、工程が煩雑となってしまう。そこで、特許文献1のようにパターン修正材料が貯留された容器に針部材の先端を浸漬した後、引き上げ、先端に残留させたパターン修正材料をフォトマスク上の欠陥に滴下させる手法が提案されている。滴下されたパターン修正材料は焼成され、不要部分はレーザ光が照射されることにより除去される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−72450号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、針部材に残留させたパターン修正材料を滴下する手法では、フォトマスク上に滴下されるパターン修正材料の量が不必要に多くなってしまう。そのため、不要部分が大きくなってしまいレーザ光による除去に長時間を要してしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、フォトマスク上の欠陥にパターン修正材料を適切な量だけ付与して、欠陥を迅速に修正することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、フォトマスクを保持するマスク保持部と、所定の容器から供給されたパターン修正材料を外気に触れる状態で一時的に保持する材料保持部と、前記材料保持部上のパターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、前記マスク保持部と前記ヘッド部とを相対的に移動する移動機構とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、前記材料保持部上のパターン修正材料に熱を付与する機構をさらに備える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、パターン修正材料が前記材料保持部上に供給されてから前記針に付着されるまでの時間を変更する制御部をさらに備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、フォトマスクを保持するマスク保持部と、パターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、前記マスク保持部に対して前記針を相対的に進退させる進退機構と、前記マスク保持部に保持されたフォトマスクと前記針の先端との間の距離と、フォトマスク上に付与されるパターン修正材料の径との関係を実質的に示すテーブルを記憶する記憶部と、フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報と前記テーブルとに基づいて前記進退機構を制御する制御部とを備える。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパターン欠陥修正装置であって、前記針を用いて所定の場所に付与されたパターン修正材料の画像を取得する撮像部と、付与時の前記進退機構の状態と前記画像とに基づいて前記テーブルを更新する演算部とをさらに備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン欠陥修正装置であって、前記ヘッド部が、前記針を、先端形状の異なる他の針に交換する機構を有する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、所定の容器から供給されたパターン修正材料を材料保持部により外気に触れる状態で一時的に保持する工程と、前記材料保持部上の前記パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、前記針の先端をフォトマスクに近接させてパターン修正材料を前記フォトマスク上に付与する工程とを有する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報に基づいて前記フォトマスクにパターン修正材料を付与する際の前記フォトマスクと前記針の先端との間の距離を求める工程と、前記距離に従って前記針を前記フォトマスクに対して相対的に進退させる工程とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1の概略構成を示す図である。パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上のパターンのオープンやくびれ等の欠陥にパターン修正材料(フォトマスク9との密着性がよく、遮光性が高いものであり、例えば、金ペーストや銀ペースト等の超微粒子金属を溶剤を含む液中に分散させた有機金属溶液)が付与され、パターンの欠陥が修正される。
【0016】
パターン欠陥修正装置1は、基台11上にステージ移動機構2が設けられ、ステージ移動機構2によりフォトマスク9を保持するステージ3が図1中に示すX,Y方向に移動可能とされる。基台11にはステージ3を跨ぐようにしてフレーム12が固定され、フレーム12にはヘッドユニット4が取り付けられる。
【0017】
ステージ移動機構2はステージ3を図1中のX方向に移動するX方向移動機構21、および、Y方向に移動するY方向移動機構22を有する。X方向移動機構21はモータ211にボールねじ(図示省略)が接続され、モータ211が回転することにより、Y方向移動機構22がガイドレール212に沿って図1中のX方向に移動する。Y方向移動機構22もX方向移動機構21と同様の構成となっており、モータ221が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ3がガイドレール222に沿ってY方向に移動する。
【0018】
ステージ3上には、後述するキャリブレーションに利用されるキャリブレーション用ステージ31および撮像部32が設けられ、撮像部32によりキャリブレーション用ステージ31の表面近傍の状態を示す画像が取得される。キャリブレーション用ステージ31はフォトマスク9を形成する材料(または、パターン修正材料に対するぬれ性がフォトマスク9を形成する材料と近似する材料)により形成され、フォトマスク9と同一の厚みとされる。また、ステージ3は、後述する針の洗浄に利用される洗浄部33を有し、洗浄部33はアルコール等の有機溶剤が満たされた容器331、および、回転する一対のローラで針を挟んで有機溶剤を拭き取る拭取部332を有する。
【0019】
ヘッドユニット4は、フレーム12に固定された支持板411、および、補助支持板412を有し、補助支持板412は支持板411とステージ3との間に設けられる。補助支持板412上にはサブステージ42を図1中のX方向に移動するサブステージ移動機構421が設けられる。
【0020】
また、ヘッドユニット4は、サブステージ42上にパターン修正材料を供給する材料供給部43、フォトマスク9上にパターン修正材料を付与するヘッド部44、フォトマスク9上のパターン修正材料を焼成する焼成レーザ部45、および、フォトマスク9上の不要なパターン修正材料を除去する除去レーザ部46を有し、これらの構成は支持板411の下面に固定される。
【0021】
材料供給部43は、パターン修正材料を貯留するタンク431、および、タンク431に接続されたマイクロピペット432を有し、マイクロピペット432によりタンク431内のパターン修正材料が一定量だけサブステージ42上に吐出される。なお、サブステージ42近傍にパターン修正材料を貯留する容器を配置し、マイクロピペット432が容器からパターン修正材料を吸引してサブステージ42上に吐出するようにしてもよい。
【0022】
ヘッド部44は、針441、針441を着脱可能に支持する針支持部442、および、マイクロメータを有するヘッド部昇降機構443を有し、ヘッド部昇降機構443により針支持部442が図1中のZ方向に昇降して、針441がステージ3に対して進退可能とされる。また、支持板411の下面にはヘッド部移動機構444が設けられ、ヘッド部移動機構444によりヘッド部昇降機構443がX方向に移動する。
【0023】
除去レーザ部46は、赤外波長域のレーザ光を出射する半導体レーザ461、および、半導体レーザ461からのレーザ光をステージ3上へと導く光学系462を有する。また、除去レーザ部46にはステージ3上の画像を取得する撮像部47が設けられ、光学系462によりフォトマスク9上の像が撮像部47に結像される。焼成レーザ部45は除去レーザ部46とヘッド部44との間に設けられ、ステージ3に向けて焼成用のレーザ光を出射する。
【0024】
パターン欠陥修正装置1は、ステージ移動機構2、撮像部32、洗浄部33およびヘッドユニット4に接続された制御部5をさらに有し、制御部5は、各種演算を行う演算部51、および、各種情報を記憶する記憶部52を有する。記憶部52には、後述する変換テーブル521が予め記憶されている。パターン欠陥修正装置1では、制御部5が各構成を制御することによりフォトマスク9上のパターンの欠陥が修正される。
【0025】
パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上の欠陥を修正する処理の前に、欠陥修正処理を精度よく行うためにキャリブレーションが行われる。以下、最初に欠陥修正処理について説明を行い、その後にキャリブレーションについて説明する。
【0026】
図2は、パターン欠陥修正装置1がフォトマスク9上の欠陥を修正する処理の流れを示す図である。パターン欠陥修正装置1では、まず、フォトマスク9がステージ3に載置されるとともに、フォトマスク9に関する欠陥情報が制御部5に入力され、準備される(ステップS11)。制御部5では、欠陥情報が記憶部52にて記憶され、修正対象の欠陥(以下、「対象欠陥」という。)が特定される(ステップS12)。
【0027】
ここで、欠陥情報とは、フォトマスク9上に存在する欠陥に関する大きさやフォトマスク9上での位置等の情報であり、他のパターン検査装置等により取得され、パターン欠陥修正装置1へと入力される。制御部5は欠陥情報に基づいて、後述する材料付与時にパターン修正材料が付与される位置(以下、「材料付与位置」という。)に対象欠陥が位置するようにステージ3を移動する。
【0028】
図3はフォトマスク9上の一部のパターン92を例示する図である。図3に示すように、フォトマスク9上のパターン92には一部が欠落した欠陥93が生じており、欠陥93が対象欠陥として特定されたものとすると、対象欠陥93が材料付与位置に位置するように欠陥情報に基づいてフォトマスク9が移動する。このとき、撮像部47によりフォトマスク9上のパターンの画像が取得され、取得された画像に基づいて対象欠陥93が材料付与位置に精度よく移動してもよい。
【0029】
続いて、制御部5では対象欠陥93の大きさが欠陥情報から読み出され、材料付与時の針441とフォトマスク9との間の距離(以下、「材料付与距離」という。)が、対象欠陥93の大きさに基づいて変換テーブル521を参照して求められる(ステップS13)。
【0030】
材料付与距離が求められると、制御部5の制御によりサブステージ42が材料供給部43に対向する位置へと移動し、図4に示すように、マイクロピペット432からパターン修正材料91が0.5マイクロリットルだけサブステージ42(平行斜線を付して図示)上に吐出される(ステップS14)。吐出されたパターン修正材料91はサブステージ42上にて一定時間(例えば、1分間)保持される(ステップS15)。この間、パターン修正材料91は自然乾燥し(すなわち、風乾し)、粘度が高い状態となる。
【0031】
続いて、サブステージ42がヘッド部44側(図1中の(+X)方向)へと移動するとともに、針441がサブステージ42より上方に待避した状態で、ヘッド部昇降機構443がヘッド部移動機構444により材料供給部43側((−X)方向)へと移動する。そして、ヘッド部昇降機構443により針441が下降し、サブステージ42上のパターン修正材料91が針441の先端に付着される(ステップS16)。
【0032】
図5および図6は、パターン修正材料91を針441の先端に付着させる様子を説明するための図である。図5に示すように、針441の先端をサブステージ42の表面に近接させ、その後、針441を上昇させることにより、図6に示すように、針441の先端にパターン修正材料91が付着される。その際、サブステージ42上のパターン修正材料91は再現性のある一定の状態とされるとともに(すなわち、一定量のパターン修正材料91が一定の粘度で一定の形状とされた状態)、針441の先端がサブステージ42の表面に対して一定距離(例えば、10マイクロメートル)まで近接する。これにより、針441の先端に一定量のパターン修正材料91が確実に付着される。
【0033】
針441にパターン修正材料91が付着されると、針441を待避させた状態でヘッド部昇降機構443が焼成レーザ部45側((+X)方向)へと移動し、前述の材料付与位置の上方で停止する。その後、図7に示すように、針441の先端がヘッド部昇降機構443によりフォトマスク9(平行斜線を付して図示)上の対象欠陥93に近接する。なお、パターン修正材料91を針441の先端に付着させてからフォトマスク9上に付与するまでの時間はおよそ一定とされる。
【0034】
図8は、針441がフォトマスク9の表面に対して近接した状態を示す図であり、図8ではパターン92およびパターン修正材料91の図示を省略している。制御部5はヘッド部昇降機構443を制御して、図8に示すように、針441の先端とフォトマスク9の表面との間の距離が材料付与距離Lとなるまで針441を下降させ、その後、針441を上昇させる。これにより、図9および図10に示すように、フォトマスク9上にパターン修正材料91が付与される(ステップS17)。付与されたパターン修正材料91は略円形となる(直径Dとして図10中に図示)。なお、針441の先端はフォトマスク9とは接触しないため、フォトマスク9および針441の先端が損傷することが防止される。
【0035】
ここで、変換テーブル521と材料付与距離Lとの関係について説明を行う。まず、変換テーブル521は、フォトマスク9上に付与されるパターン修正材料の直径Dと(すなわち、付与されたパターン修正材料がフォトマスク9と接触する円形領域の直径D)、材料付与時におけるステージ3に保持されたフォトマスク9の表面と針441の先端との間の距離L(すなわち、材料付与距離L)との関係を示すテーブルとなっている。図11は、変換テーブル521をグラフ化して連続的に示したものであり、縦軸はフォトマスク9に付与されるパターン修正材料の直径Dを示し、横軸は材料付与距離Lを示す。ステップS13では、制御部5により、対象欠陥93の大きさに対して必要最小限の大きさとなるパターン修正材料の直径Dが特定され、対応する材料付与距離Lが変換テーブル521を参照して求められる。なお、付与されるパターン修正材料の最小直径D1として、20マイクロメートルが実現可能であることが確認されている。
【0036】
パターン修正材料91がフォトマスク9上に付与されると、制御部5はステージ移動機構2を制御し、付与されたパターン修正材料91が焼成レーザ部45の下方に位置するようにフォトマスク9を移動する。焼成レーザ部45からは、焼成用のレーザ光がフォトマスク9上に照射され、パターン修正材料91が焼成される(ステップS18)。このとき、レーザ光の出力と照射時間とが適切に制御されることにより、パターン修正材料91がフォトマスク9との密着性に優れた遮光膜とされる。
【0037】
フォトマスク9は除去レーザ部46の下方へとさらに移動し、除去レーザ部46から除去用のレーザ光がフォトマスク9上に照射され、フォトマスク9上の不要なパターン修正材料91が除去される(ステップS19)。具体的には、図12において符号91aを付して示す部分が、所定のパターンに対して不要な部分として除去される。
【0038】
制御部5は針441を待避させた状態でステージ移動機構2を制御し、洗浄部33を材料付与位置に位置させる。針441はヘッド部昇降機構443により下降し、先端が洗浄部33の容器331内へと移動する。そして、針441の先端が容器331から出されて拭取部332へと移動し、先端に付着した溶剤が拭き取られる(ステップS20)。なお、針441の洗浄は、例えば、操作者が針441の先端をアルコール等の溶剤を浸したガーゼ等で拭き取ることにより行われてもよい。
【0039】
続いて、パターン欠陥修正装置1ではフォトマスク9上の次の欠陥に対してステップS12〜S20が繰り返される(ステップS21)。以上のようにして、パターン欠陥修正装置1では、フォトマスク9上にパターン修正材料91が欠陥の大きさに合わせて適切に付与され、効率よく欠陥が修正される。なお、次の欠陥が処理される際には、サブステージ42上において、直前にパターン修正材料91が吐出された位置とは異なる位置にパターン修正材料91が吐出される。また、ステップS17〜S20に並行して次のステップS12〜S15の一部が行われてもよい。
【0040】
次に、キャリブレーションについて説明を行う。パターン欠陥修正装置1におけるキャリブレーションでは、針441の先端の位置の検出、および、変換テーブル521の更新が行われる。
【0041】
まず、ステージ3上のキャリブレーション用ステージ31を材料付与位置へと移動し、針441の先端をキャリブレーション用ステージ31の表面に近接させる。撮像部32では、針441の先端とキャリブレーション用ステージ31の表面とを示す画像が取得され、画像データが演算部51へと出力される。演算部51において、画像データから針441の先端とキャリブレーション用ステージ31の表面との間の実際の距離が算出され、キャリブレーション用ステージ31に対する針441の先端の正確な位置が検出される。そして、針441の先端の位置がヘッド部昇降機構443の昇降量に対応づけられる。
【0042】
針441の位置が検出されると、欠陥修正処理のステップS14〜S16と同様に針441の先端にパターン修正材料が付着される。ヘッド部昇降機構443は焼成レーザ部45側へと移動し、針441を所定の材料付与距離まで下降させてパターン修正材料をキャリブレーション用ステージ31上に付与する。続いて、キャリブレーション用ステージ31が除去レーザ部46の下方へと移動し、付与されたパターン修正材料の画像が撮像部47により取得される。パターン修正材料の画像データは演算部51へと出力され、パターン修正材料の直径が算出される。そして、演算部51において、付与時のヘッド部昇降機構443の状態(すなわち、材料付与距離)と算出されたパターン修正材料の直径とに基づいて変換テーブル521が必要に応じて更新される。パターン欠陥修正装置1ではパターン修正材料や針441の交換時にキャリブレーションが行われ、欠陥の修正が常に精度よく行われる。
【0043】
以上のように、パターン欠陥修正装置1では、パターン修正材料がサブステージ42上にて外気に触れる状態で一時的に保持されて一定の粘度となった後、針441の先端に付着される。これにより、パターン修正材料を針441の先端に容易に付着させることができる。また、制御部5が変換テーブル521と欠陥の大きさに関する情報とに基づいてヘッド部昇降機構443を制御することにより、フォトマスク9上にパターン修正材料を適切な大きさにて(または、適切な量だけ(以下同様))付与することができる。これにより、付与されたパターン修正材料の除去レーザ部46による除去部分が必要以上に増大することが防止される。その結果、パターン欠陥修正装置1では、欠陥修正処理を簡便かつ迅速に行うことができ、高スループット化を図ることができる。
【0044】
なお、キャリブレーションは、必ずしも欠陥修正処理の直前に行われる必要はなく、必要に応じて随時行われてもよい。さらに、針441の先端の位置の検出は他の手法により行われてもよく、例えば、針441に対して固定されるとともにフォトマスク9の表面に対して傾斜してレーザ光を出射するレーザ、および、フォトマスク9の表面からのレーザ光の反射光を受光する受光部が設けられ、受光部が反射光を受光する位置により針441に対するフォトマスク9の表面の位置が検出されてもよい。
【0045】
また、パターン欠陥修正装置1では、制御部5がサブステージ42上に供給されたパターン修正材料の風乾時間を変更することにより、針441に付着するパターン修正材料の量を変更することも可能である。すなわち、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、制御部5がステップS15におけるパターン修正材料を保持する時間を対象欠陥の大きさに基づいて変更することで、パターン修正材料の粘度が調整され、針441に付着するパターン修正材料の量が調整される。この場合、材料付与距離が一定であっても、パターン修正材料をフォトマスク9上に適切な大きさにて付与することができる。
【0046】
なお、針441に付着されるパターン修正材料の量は、材料供給部43からサブステージ42上に吐出されるパターン修正材料の量を変更したり、針441にパターン修正材料を付着させる際の針441の先端とサブステージ42の表面との間の距離を変更することにより、調整することも可能である。
【0047】
図13は本発明の第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1aを示す図であり、材料供給部43a近傍のみを示している。材料供給部43aは、サブステージ42に向けて温風を供給する熱付与部433を有する。他の構成は、図1に示すパターン欠陥修正装置1と同様であり同符号を付している。
【0048】
パターン欠陥修正装置1aでは、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、ステップS15のみが第1の実施の形態と異なる。すなわち、パターン修正材料がサブステージ42上に吐出されると(ステップS14)、サブステージ42が熱付与部433の下方へと移動する。熱付与部433によりパターン修正材料に向かって温風が浴びせられ(ステップS15)、パターン修正材料がある程度乾燥して粘度が高い状態とされる。そして、ステップS16においてパターン修正材料が針441の先端に付着され(ステップS16)、ステップS17〜ステップS20が第1の実施の形態と同様に行われることにより、フォトマスク9上にパターン修正材料が適切な大きさにて付与され、欠陥を修正することができる。
【0049】
以上のように、第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1aでは、サブステージ42上のパターン修正材料の粘度が短時間で高められ、パターン修正材料を容易に針441の先端に付着させることができる。その結果、フォトマスク9上の欠陥の修正を適切かつ迅速に行うことができる。なお、パターン修正材料に熱を付与する手法としては、必ずしも温風を供給する必要はなく、例えば、サブステージ42にヒータが設けられ、サブステージ42上のパターン修正材料に熱が付与されてもよい。
【0050】
図14は本発明の第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1bを示す図であり、ヘッド部44a近傍のみを示している。ヘッド部44aは、先端形状(例えば、先端の曲率半径)がそれぞれ異なる複数の針441を支持するレボルバ445を有し、レボルバ445は回転駆動部446により支持される。回転駆動部446は、ヘッド部昇降機構443により支持される。他の構成は、図1または図13に示すパターン欠陥修正装置1,1aと同様であり同符号を付している。
【0051】
パターン欠陥修正装置1bのヘッド部44aでは、複数の針441のうち1つの針が選択され(図14中の符号441aを付す針が選択されたものであり、以下、「対象針」という。)、レボルバ445によりZ方向を向くようにして支持される。ヘッド部44aでは、回転駆動部446がレボルバ445を所定の回転角だけ回動することにより、他の針441がZ方向を向く状態(すなわち、対象針441a)とされる。
【0052】
パターン欠陥修正装置1bでは、図2の欠陥修正処理の流れにおいて、ステップS13のみが第1の実施の形態と異なる。すなわち、対象欠陥が特定されると(ステップS12)、対象欠陥の大きさが欠陥情報から読み出される。そして、対象欠陥の大きさに基づいて複数の針441から1つの針が選択され、対象針441aとしてレボルバ445によりZ方向を向く状態に支持される。また、対象針441aに対応する変換テーブルと対象欠陥の大きさとから材料付与距離が取得される(ステップS13)。パターン欠陥修正装置1bでは、対象針441aにより第1の実施の形態と同様にフォトマスク9上の対象欠陥に対してパターン修正材料が適切な大きさにて付与され、欠陥修正処理が行われる。
【0053】
以上のように、第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置1bでは、レボルバ445および回転駆動部446によりフォトマスク9上の対象欠陥の大きさに従って、先端形状の異なる複数の針441から適切な針が選択される。その結果、対象欠陥の大きさに適した大きさにてパターン修正材料がフォトマスク9上に付与され、欠陥を適切に修正することができる。
【0054】
なお、針441を先端形状の異なる他の針に交換する機構は、必ずしもレボルバ445および回転駆動部446により構成される機構である必要はなく、例えば、針支持部に支持された針を着脱して他の針に交換する機構が設けられてもよい。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ってきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0056】
サブステージ42上のパターン修正材料は、必ずしも材料供給部43から吐出される必要はなく、例えば、操作者により供給されてもよい。すなわち、所定の容器に貯留されたパターン修正材料がサブステージ42上に供給され、外気に触れる状態で一時的に保持されるのであれば、いかなる態様にて供給されてもよい。
【0057】
また、材料供給部43からサブステージ42上に吐出されるパターン修正材料91の量は、必ずしも0.5マイクロリットルである必要はなく、一定量であればよい。なお、実験においては1.0マイクロリットルまでは欠陥の修正が適切に行われることが確認されている。
【0058】
上記実施の形態では、サブステージ42の平らな表面上に材料供給部よりパターン修正材料が吐出されるが、例えば、サブステージ上に凹部が形成され、凹部にパターン修正材料が供給されて保持されてもよい。また、サブステージは必ずしもヘッドユニット4に設けられる必要はない。
【0059】
変換テーブルは、例えば、欠陥の面積と材料付与距離との関係を示すテーブルであってもよく、材料付与距離とフォトマスク9上に付与されるパターン修正材料の径との関係を実質的に示すテーブルであればいかなるものであってもよい。
【0060】
上記実施の形態では、フォトマスク9に関する欠陥情報は他のパターン検査装置等により取得され入力されるが、欠陥情報はパターン欠陥修正装置の撮像部47により取得されてもよく、また、作業者により入力されてもよい。
【0061】
フォトマスク9は必ずしもステージ3に載置される必要はなく、例えば、複数のピンの先端によりフォトマスク9が保持されてもよい。
【0062】
キャリブレーション用ステージ31は必ずしもフォトマスク9と同一の材料により形成される必要はなく、また、フォトマスク9と同一の厚みである必要もない。
【0063】
キャリブレーション用ステージ31は必ずしも設けられる必要はなく、例えば、ステージ3上にキャリブレーション用フォトマスクが載置され、キャリブレーション用フォトマスク上にてキャリブレーションが行われてもよい。
【0064】
ヘッドユニット4とステージ3とは相対的に移動すればよく、例えば、ステージ3が固定され、ヘッドユニット4に移動機構が設けられてもよい。
【0065】
また、針441とステージ3とは相対的に進退すればよく、例えば、ステージ3に昇降機構が設けられ、ステージ3が針441に対して昇降してもよい。
【0066】
図2に示す欠陥修正処理の流れは、可能な範囲内で適宜変更されてもよい。例えば、パターン修正材料を針441の先端に付着させるステップS16の後に、ステップS13の材料付与距離を求める処理が行われてもよい。
【0067】
さらに、複数のヘッド部44を設け、パターン修正材料の付与が複数の欠陥に対してほぼ並行して行われてもよい。
【0068】
【発明の効果】
請求項1ないし3の発明では、針の先端にパターン修正材料を容易に付着させることができる。
【0069】
また、請求項2の発明では、パターン修正材料の粘度を短時間で高めることができる。
【0070】
また、請求項3の発明では、パターン修正材料の粘度を調整することができる。
【0071】
また、請求項4ないし6の発明では、パターン修正材料をフォトマスク上に適切な大きさにて(または、適切な量だけ)付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パターン欠陥修正装置の概略構成を示す図である。
【図2】欠陥を修正する処理の流れを示す図である。
【図3】フォトマスク上のパターンを示す図である。
【図4】サブステージ上にパターン修正材料を吐出する様子を示す図である。
【図5】パターン修正材料を針の先端に付着させる様子を説明するための図である。
【図6】パターン修正材料を針の先端に付着させる様子を説明するための図である。
【図7】パターン修正材料をフォトマスク上に付与する様子を説明するための図である。
【図8】
針がフォトマスクの表面に近接した状態を示す図である。
【図9】パターン修正材料をフォトマスク上に付与する様子を説明するための図である。
【図10】パターン修正材料が付与されたパターンを示す図である。
【図11】パターン修正材料の直径と材料付与距離との関係を示す図である。
【図12】パターン修正材料の不要部分が除去されたパターンを示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置を示す図である。
【図14】第3の実施の形態に係るパターン欠陥修正装置を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b パターン欠陥修正装置
2 ステージ移動機構
3 ステージ
5 制御部
9 フォトマスク
31 キャリブレーション用ステージ
42 サブステージ
44,44a ヘッド部
47 撮像部
51 演算部
52 記憶部
91 パターン修正材料
92 パターン
93 欠陥
431 タンク
433 熱付与部
441,441a 針
443 ヘッド部昇降機構
445 レボルバ
446 回転駆動部
521 変換テーブル
D 直径
L 材料付与距離
S11〜S21 ステップ
Claims (8)
- フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、
フォトマスクを保持するマスク保持部と、
所定の容器から供給されたパターン修正材料を外気に触れる状態で一時的に保持する材料保持部と、
前記材料保持部上のパターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、
前記マスク保持部と前記ヘッド部とを相対的に移動する移動機構と、
を備えることを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - 請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、
前記材料保持部上のパターン修正材料に熱を付与する機構をさらに備えることを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - 請求項1に記載のパターン欠陥修正装置であって、
パターン修正材料が前記材料保持部上に供給されてから前記針に付着されるまでの時間を変更する制御部をさらに備えることを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正装置であって、
フォトマスクを保持するマスク保持部と、
パターン修正材料が先端に付着される針を有するヘッド部と、
前記マスク保持部に対して前記針を相対的に進退させる進退機構と、
前記マスク保持部に保持されたフォトマスクと前記針の先端との間の距離と、フォトマスク上に付与されるパターン修正材料の径との関係を実質的に示すテーブルを記憶する記憶部と、
フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報と前記テーブルとに基づいて前記進退機構を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - 請求項4に記載のパターン欠陥修正装置であって、
前記針を用いて所定の場所に付与されたパターン修正材料の画像を取得する撮像部と、
付与時の前記進退機構の状態と前記画像とに基づいて前記テーブルを更新する演算部と、
をさらに備えることを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン欠陥修正装置であって、
前記ヘッド部が、前記針を、先端形状の異なる他の針に交換する機構を有することを特徴とするパターン欠陥修正装置。 - フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、
所定の容器から供給されたパターン修正材料を材料保持部により外気に触れる状態で一時的に保持する工程と、
前記材料保持部上の前記パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、
前記針の先端をフォトマスクに近接させてパターン修正材料を前記フォトマスク上に付与する工程と、
を有することを特徴とするパターン欠陥修正方法。 - フォトマスク上のパターンの欠陥を修正するパターン欠陥修正方法であって、
パターン修正材料を針の先端に付着させる工程と、
フォトマスク上のパターンの欠陥の大きさに関する情報に基づいて前記フォトマスクにパターン修正材料を付与する際の前記フォトマスクと前記針の先端との間の距離を求める工程と、
前記距離に従って前記針を前記フォトマスクに対して相対的に進退させる工程と、
を有することを特徴とするパターン欠陥修正方法。
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JP2002346723A JP2004177838A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | パターン欠陥修正装置およびパターン欠陥修正方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006285130A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-19 | Olympus Corp | 欠陥修正装置 |
WO2007091489A1 (ja) * | 2006-02-06 | 2007-08-16 | Toray Engineering Co., Ltd. | 積層型マイクロカプセルシート製造装置 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002346723A patent/JP2004177838A/ja active Pending
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