JP2004176572A - 機械式室内換気システム用換気装置 - Google Patents

Abstract

【課題】各部の分解・組立が容易であるため、そのメンテナンス作業及び清浄作業等を容易且つ迅速に行なうことができ、また、部品交換も容易な換気装置を提供することを課題とする。
【解決手段】１つの面が全面開口され、１側面に排気用ダクト接続口７を、また、対向側面に給気用ダクト接続口８をそれぞれ脱着可能に取り付けたハウジング１と、前記ハウジング１の全面開口面を閉塞するケーシング固定板２を備えた風路形成用のケーシング３と、前記ケーシング３内に組み込まれるファン及びファン駆動用モータとから成り、前記排気用ダクト接続口７と、前記給気用ダクト接続口８とが、それぞれの軸線がずれるように配置され、前記ケーシング固定板２が前記ハウジング１の全面開口面に摘まみネジで取り付けられ、前記ファン駆動用モータのモータベース１２が前記ケーシング固定板２に摘まみネジ１３で取り付けられる。
【選択図】 図３

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は機械式室内換気システム用換気装置、より詳細には、主に室の天井裏、壁面内、あるいは、床面下に設置され、天井裏等に配設されるダクトに接続することによって機械式室内換気を行うための換気装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
上記換気装置は一般に、排気用ダクト接続口と吸気用ダクト接続口を有する箱型ハウジング内に、渦巻状風路を設け、該風路内にファン及びファンを駆動するモータを設置して成る（例えば、特許第２７０７８０２号公報参照）。
【０００３】
かかる構成の換気装置においては、上記渦巻状風路、ファン、モータ等が、天井裏や壁面内等に固定されることになるハウジング内に設置され、ハウジング内には空間が少ないため、各部のメンテナンス作業及び清掃作業を行ないにくく、手間のかかる煩わしいものであり、頻繁に行なう妨げとなっていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の機械式室内換気用換気装置においては、メンテナンス及び清浄作業は手間のかかる煩わしい作業であったので、本発明はそのような欠点のない、即ち、構成部の大部分を工具を用いることなく簡単、迅速に分解し且つ組立てることができ、以て各部のメンテナンス作業及び清浄作業等を容易且つ迅速に行なうことを可能ならしめ、また、部品交換も容易で、部品交換によって流量調整を行なうことができ、更に、装置内における空気の流れがスムーズな換気装置を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明に係る機械式室内換気システム用換気装置は、１つの面が全面開口され、１側面に排気用ダクト接続口を、また、対向側面に給気用ダクト接続口をそれぞれ脱着可能に取り付けたハウジングと、前記ハウジングの全面開口面を閉塞するケーシング固定板を備えた風路形成用のケーシングと、前記ケーシング内に組み込まれるファン及びファン駆動用モータとから成り、前記排気用ダクト接続口と前記給気用ダクト接続口とが、それぞれの中心軸がずれるように配置され、且つ、前記排気用ダクト接続口の中心軸が、垂直方向に回転する前記ファンの回転軸線と回転上端線とのほぼ中間位置にくるように配置され、前記ケーシング固定板が前記ハウジングの全面開口面に手回しネジで取り付けられ、前記ファン駆動用モータのモータベースが前記ケーシング固定板に手回しネジで取り付けられることを特徴とする。
【０００６】
好ましくは、前記ファン駆動用モータに対する前記ファンの固定が、前記ファン駆動用モータのモータ軸に対して垂直方向に進退するネジで行なわれ、前記ネジを操作する工具が、ハウジング、ケーシング固定板又はケーシングの適宜個所に配備され、前記ネジが六角穴付き止めネジであり、前記工具が六角レンチとされる。
【０００７】
上記構成の換気装置は、ハウジング、ケーシング及びファン駆動用モータの各部が、指先で操作する手回しネジで固定されているので、その取り外しが容易で各部を簡単に分離することができ、それぞれ個別に点検、清浄することが可能且つ容易となり、修理、交換も容易となる。ファン駆動用モータからファンを取り外す操作も、配備されている工具で簡単に行なうことができる。
【０００８】
また、前記排気用ダクト接続口の中心軸が、垂直方向に回転する前記ファンの回転軸線と回転上端線とのほぼ中間位置にくるように配置されることにより、ファンから出る空気がストレートにスムーズに排気用ダクト接続口に送り出される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に依拠して説明する。本換気装置は、１つの面を全面開口した通例箱型のハウジング１と、ハウジング１の全面開口面を閉塞するケーシング固定板２を備えたハウジング１内に臨む風路形成用のケーシング３と、ケーシング３内に組み込まれるファン４及びファン駆動用モータ５とから成る。
【００１０】
ハウジング１の一側面には排気用ダクト接続口７が突設され、また、反対側側面には吸気用ダクト接続口８が突設される。その場合、排気用ダクト接続口７をハウジング１の中央部からずらし、その中心軸ａが吸気用ダクト接続口８の中心軸ｂと一直線にならないようにする。
【００１１】
また、排気用ダクト接続口７の中心軸ａが、図１において垂直方向に回転するファン４の回転軸線ｃと回転上端線ｄとのほぼ中間位置にくるようにする（図１参照）。
【００１２】
排気用ダクト接続口７と吸気用ダクト接続口８とを上記のような位置関係に配置した場合は、ファン４から送り出される空気の流出スペースが、ファン４の回転下端位置から回転上端位置に向かうに従って広くなっていき、それにつれて流出する空気の流速及び流量が増加し、図１において回転上端位置から更に少し時計回りに回転したところで空気の流速及び流量が最大となる。排気用ダクト接続口７はその位置に配置されるため、滞りのないスムーズな排気が可能となる。
【００１３】
施工時に排気用ダクト接続口７には、天井裏等に配設されて、一端が大気中に開口される排気ダクトが接続され、また、吸気用ダクト接続口８には、天井裏等に配設され、分岐して各分岐端がそれぞれ異なる室内に開口する吸気ダクトが接続される。
【００１４】
ケーシング３は、通例従来のものと同様の渦巻状とされ、ケーシング固定板２と反対側の側面に、ハウジング１内に流入した空気をケーシング内部に導入するための導入孔９が形成される。また、ケーシング３の周側面の排気用ダクト接続口７に対向する部分に、排気用ダクト接続口７に連通する排気孔１０が形成される。
【００１５】
ケーシング固定板２は、例えばその縁辺をハウジング１の全面開口側端面にネジ止めする方法で、ハウジング１に着脱容易にされる。その場合のネジとしては、例えば、きざみ付きプラスチック製ヘッドを有する摘まみネジ１１や蝶ネジのような、指先で容易に回すことができる手回しネジを用いる。なお、ケーシング固定板２とハウジング１の端面との間に、制振性を有するゴム製又は合成ゴム製等のパッキンを挟み込むこともある。
【００１６】
１２はモータ５を固定したモータベースで、その縁辺数個所を、上記の場合と同様に、摘まみネジ１３その他の手回しネジによってケーシング固定板２に固定し、モータ５及びモータ５に設置されるファン４を、ケーシング３内の中心部に位置させる。モータベース１２とケーシング固定板２との間にも、上記同様の制振材を挟み入れることがある。ファン４としては、通例、シロッコファンが用いられる。
【００１７】
ファン４の底面１４の中心部に、軸固定ブロック１５が配置される。軸固定ブロック１５の中心にはモータ軸１６を挿入する軸挿入孔１７が形成され、軸挿入孔１７内にモータ軸１６を挿込んだ後、軸固定ブロック１５の側面から中心に向かってネジ、例えば六角穴付き止めネジ（図示していない）をネジ込むことにより、モータ軸１６の抜けを防止する。
【００１８】
このネジを進退させるための工具、例えば六角レンチ１８は、ハウジング１、ケーシング固定板２あるいはケーシング３の適宜個所、好ましくは、ハウジング１の側面に脱着可能に配備される。図示した例では、六角レンチ１８は、ハウジング１の側面に固定された２つの挟持部材１９によって装脱自在に挟持されている（図２参照）。
【００１９】
本換気装置に接続される排気用ダクト及び吸気用ダクトの口径を変えることにより、空気流量を変えることができる。その場合のダクトの変更に対応させるためには、排気用ダクト接続口７及び吸気用ダクト接続口８を交換可能にする。
【００２０】
図示した例では、排気用ダクト接続口７にフランジ７ａを設け、このフランジ７ａを、排気用ダクト接続口７を挿通する環状のフランジ押え２０で押さえ止める構成となっている。フランジ押え２０は、ネジ孔を設けた複数の固定用突部２１を有しており、そこにネジ２２を通してハウジング１の側面にネジ込むことにより、排気用ダクト接続口７をハウジング１の側面に固定する（図９参照）。ネジ２２として、摘まみネジを用いることもできる。吸気用ダクト接続口８も、同様にして設置される。
【００２１】
この場合、口径の異なる接続口７、８であっても、それぞれのフランジの外径を共通のものにしておけば、総て対応可能となる。あるいは、ハウジング１の側面におけるネジ込み位置を可変にし、各接続口７、８の径に対応させて径の異なるフランジ押え２０を用いることとしてもよい。
【００２２】
なお、各接続口７、８の最大口径は、通例、１５０ｍｍとなる。これは、一般の住宅の場合、その構造上、ダクトの最大径が１５０ｍｍとされるからである。
【００２３】
上記構成の換気装置を清浄等に際して分解するに当っては、先ず、突出している摘まみネジ１１を外し、ケーシング固定板２をハウジング１から外す（図３参照）。次いで、摘まみネジ１３を外すことにより、モータベース１２をケーシング固定板２から外し、ファン４及びファン駆動用モータ５をケーシング３から抜き取る（図５、図６参照）。
【００２４】
また、六角レンチ１８を用い、モータ軸１６を押さえ止めている六角穴付き止めネジを緩め、軸固定ブロック１５からモータ軸１６を抜いてファン４をファン駆動用モータ５から取り外す（図８参照）。更に必要に応じ、排気用ダクト接続口７及び吸気用ダクト接続口８も、取り外して清浄することができる。
【００２５】
かくして各部が分離されるので、それぞれ点検、修理、交換等を行ない、また、洗浄したりして清浄化する。ハウジング１内は空になるため、その内面の清掃は容易である。組立ては、上記したところの逆を行なえばよいことは言うまでもない。
【００２６】
【発明の効果】
本発明は上述した通りであって、ハウジングからケーシングを外すと共に、ケーシングからファン及びファン駆動用モータを抜き取る操作を、何ら工具を用いることなく、摘まみネジを指先で外すだけの簡単な操作で行なうことができ、また、装備されている六角レンチ等の工具を用いることにより、容易にファンをファン駆動用モータから取り外すことができ、同時に、再組立ても容易、迅速に行なうことが可能となるため、各部を個別に点検、修理、交換、清浄化する作業を苦もなく頻繁に行なうことを可能ならしめる効果がある。
【００２７】
また、前記排気用ダクト接続口の中心軸が、垂直方向に回転する前記ファンの回転軸線と回転上端線とのほぼ中間位置にくるように配置されることにより、スムーズな排気が可能となり、更に、吸・排気用ダクト接続口及びこれらに接続されるダクトを口径の異なるものに交換することにより、流量を加減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る換気装置の一実施例の正面図である。
【図２】本発明に係る換気装置の一実施例の側面図である。
【図３】本発明に係る換気装置の分解工程（ケーシング固定板取外し工程）を示す斜視図である。
【図４】本発明に係る換気装置におけるケーシングを示す図である。
【図５】本発明に係る換気装置の分解工程（モータベース取外し工程）を示す図である。
【図６】本発明に係る換気装置の分解工程（ファン及びモータ引抜き工程）を示す図である。
【図７】本発明に係る換気装置におけるファン及びファン駆動用モータを示す図である。
【図８】本発明に係る換気装置の分解工程（ファン取外し工程）を示す図である。
【図９】本発明に係る換気装置における排気用（吸気用）ダクト接続口の脱着方法を示す図である。
【符号の説明】
１ ハウジング
２ ケーシング固定板
３ ケーシング
４ ファン
５ ファン駆動用モータ
７ 排気用ダクト接続口
８ 吸気用ダクト接続口
９ 導入孔
１０ 排気孔
１１ 摘まみネジ
１２ モータベース
１３ 摘まみネジ
１４ ファン底面
１５ 軸固定ブロック
１６ モータ軸
１７ 軸挿入孔
１８ 六角レンチ
１９ 挟持部材
２０ フランジ押え
２１ 固定用突部
２２ ネジ

Claims (3)

1. １つの面が全面開口され、１側面に排気用ダクト接続口を、また、対向側面に給気用ダクト接続口をそれぞれ脱着可能に取り付けたハウジングと、前記ハウジングの全面開口面を閉塞するケーシング固定板を備えた風路形成用のケーシングと、前記ケーシング内に組み込まれるファン及びファン駆動用モータとから成り、前記排気用ダクト接続口と前記給気用ダクト接続口とが、それぞれの中心軸がずれるように配置され、且つ、前記排気用ダクト接続口の中心軸が、垂直方向に回転する前記ファンの回転軸線と回転上端線とのほぼ中間位置にくるように配置され、前記ケーシング固定板が前記ハウジングの全面開口面に手回しネジで取り付けられ、前記ファン駆動用モータのモータベースが前記ケーシング固定板に手回しネジで取り付けられることを特徴とする機械式室内換気システム用換気装置。
2. 前記ファン駆動用モータに対する前記ファンの固定が、前記ファン駆動用モータのモータ軸に対して垂直方向に進退するネジで行なわれ、前記ネジを操作する工具が、ハウジング、ケーシング固定板又はケーシングの適宜個所に配備される請求項１に記載の機械式室内換気システム用換気装置。
3. 前記ネジが六角穴付き止めネジであり、前記工具が六角レンチである請求項２に記載の機械式室内換気システム用換気装置。

Images