JP2004172231A - 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム - Google Patents
基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004172231A JP2004172231A JP2002334115A JP2002334115A JP2004172231A JP 2004172231 A JP2004172231 A JP 2004172231A JP 2002334115 A JP2002334115 A JP 2002334115A JP 2002334115 A JP2002334115 A JP 2002334115A JP 2004172231 A JP2004172231 A JP 2004172231A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- drying
- processing
- liquid
- wet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
- Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
Abstract
【課題】基板にダメージを与えることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行う。
【解決手段】現像ユニット10A、10Bで基板Wに対して現像処理、リンス処理および置換処理がこの順序で行われた後、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される。そして、その超臨界乾燥ユニット20で高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)が専門的に実行される。したがって、現像処理において使用可能な現像液の種類に制約を課すことなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理が行われる。しかも、乾燥防止液の存在により基板Wの搬送中に基板Wが自然乾燥してしまうのが効果的に防止される。
【選択図】 図2
【解決手段】現像ユニット10A、10Bで基板Wに対して現像処理、リンス処理および置換処理がこの順序で行われた後、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される。そして、その超臨界乾燥ユニット20で高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)が専門的に実行される。したがって、現像処理において使用可能な現像液の種類に制約を課すことなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理が行われる。しかも、乾燥防止液の存在により基板Wの搬送中に基板Wが自然乾燥してしまうのが効果的に防止される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)に対して、所定の湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を施す基板処理方法、ならびに該方法に好適な基板処理装置および基板処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの微細化が近年急速に進められているが、この微細化に伴って基板処理において新たな問題が生じることとなった。例えば、基板上に塗布されたレジストをパターニングして微細パターンを形成する場合、湿式現像処理および乾燥処理をこの順序で行う。ここで、基板に塗布されたレジストを現像する湿式現像処理では、例えばアルカリ現像処理およびリンス処理が実行される。すなわち、アルカリ現像処理では、不要なレジストを除去するためにアルカリ性水溶液が使用され、リンス処理ではそのアルカリ性水溶液を除去するために(現像を停止するために)純水などのリンス液が使用される。一方、乾燥処理では基板を回転させることにより基板上に残っているリンス液に遠心力を作用させて基板からリンス液を除去し、乾燥させる(スピン乾燥)。このうち乾燥工程においては、乾燥の進展とともにリンス液と気体との界面が基板上に現れ、半導体デバイスの微細パターンの間隙にこの界面が現れると、微細パターン同士がリンス液の表面張力により互いに引き寄せられて倒壊するという問題があった。
【0003】
加えて、この微細パターンの倒壊には、リンス液を振り切る際の流体抵抗や、リンス液が微細パターンから排出される時に生じる印圧や、3000rpm超の高速回転による空気抵抗や遠心力も関与していると考えられている。
【0004】
この問題の解決のために、基板を圧力容器などの反応槽内に設置し、低粘性、高拡散性の性質を持つ超臨界流体(以下、「SCF」という)を使用した高圧処理技術が従来より提案されている。その従来技術として、例えば洗浄、エッチング、現像処理などの湿式処理と、SCFを用いた高圧乾燥処理とを同一反応槽内で行う基板処理装置がある(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置では、基板がセットされた反応槽内に液体タンクから洗浄液、エッチング液、現像液などの処理液が導入されると、この反応槽内で処理液が回転機構により撹拌されてスムーズで均一な湿式処理が実行される。これに続いて、処理液の代えてリンス液が液体タンクから反応槽に導入されてリンス処理が実行される。その後、リンス液が反応槽から排出されながらガスボンベからSCFが反応槽に導入される。これによって、リンス液がSCFによって置換される。そして、緩やかにSCFが排出されて超臨界乾燥、つまり高圧乾燥処理が実行される。
【0005】
【特許文献1 】
特開平11−87306号公報(
【0016】、
【0017】、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一の反応槽内で湿式処理と高圧乾燥処理とを連続して行う従来装置では、次のような問題が発生する。すなわち、高圧乾燥処理を実行する基板処理装置では、従来より多用されている基板処理装置、つまり常圧で表面処理を行う基板処理装置と比較すると多くの制約条件がある。そのうち最大の制約条件は、処理液の選択範囲が限られている点である。というのも、この基板処理装置では、反応槽として圧力容器を用いる必要があるが、表面処理を実行するために強酸や強アルカリといった腐食性の処理液を用いた場合、該処理液が圧力容器の接液面を腐食してしまうためである。このような事情から、表面処理を実行するために強酸や強アルカリといった腐食性の薬液を導入することができず、この結果、処理液の選択範囲が大幅に制約されてしまう。
【0007】
ここで、上記制約を取り払うために圧力容器の内面をフッ素樹脂などで耐蝕コーティングすることが当然考えられるが、高圧下で長期間その機能を継続発揮させることは事実上困難である。また仮に、圧力容器の内面を耐蝕コーティングしたとしても、そこに至る細い配管や接手、高圧弁等の部品のすべての内面を耐蝕コーティングすることは実質的に不可能である。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、微細パターンの倒壊などのダメージを基板に与えることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる基板処理方法、ならびに該方法に好適な基板処理装置および基板処理システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる基板処理方法の一の態様は、上記目的を達成するため、湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施し、さらに該湿式処理を受けた基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する湿式処理工程と、湿式処理工程後の基板を乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する搬送工程と、高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて搬送工程により搬送されてきた基板を高圧乾燥させる乾燥工程とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、湿式処理については湿式処理装置で実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置で専門的に実行しているため、湿式処理工程において使用可能な処理液の種類に制約が課せられることがなく、しかも圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。
【0011】
また、特許文献1に記載の装置では、圧力容器に対して処理液およびSCFを出し入れしなければならず、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理に時間がかかるという問題を含んでいる。これに対して、本発明では、高圧乾燥装置では処理流体のみが用いられる。しかも、湿式処理工程と乾燥工程とを並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0012】
さらに、湿式処理装置内で所定の湿式処理を受けた基板に対して乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板が湿式処理装置から高圧乾燥装置にウェット搬送される。このため、基板の搬送中に基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板にダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0013】
この発明にかかる基板処理方法の他の態様は、上記目的を達成するため、湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、湿式処理工程後の基板を処理液で濡れた状態のまま置換装置に搬送する第1搬送工程と、置換装置内で、搬送工程により搬送されてきた基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する置換工程と、置換工程後の基板を乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する第2搬送工程と、高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて第2搬送工程により搬送されてきた基板を高圧乾燥させる乾燥工程とを備えたことを特徴としている。
【0014】
このように構成された発明においても、上記一の態様にかかる発明と同様に、湿式処理については湿式処理装置で実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置で専門的に実行しているため、処理液の種類に関する制約がなく、しかも圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。また、高圧乾燥装置では処理流体のみが用いられるとともに、湿式処理と、置換処理と、高圧乾燥処理とを並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0015】
さらに、湿式処理が施された基板については、処理液で濡れた状態のまま置換装置にウェット搬送し、その置換装置内で基板に付着している処理液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板が高圧乾燥装置にウェット搬送される。このように、基板の搬送中において基板は処理液か乾燥防止液で濡れており、基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板にダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0016】
ここで、乾燥防止液として、高圧流体との親和性がリンス液よりも高い置換液を用いることができる。この発明では、上記したように乾燥防止液で濡れた状態で基板は高圧乾燥装置に搬送されてくるため、その乾燥防止液が高圧流体と親和性に優れていることで乾燥工程を効率的に進めることができる。
【0017】
また、装置間での基板搬送については、基板に乾燥防止液や処理液を盛った状態でウェット搬送してもよいが、基板を輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。こうすることで、基板搬送中における基板の自然乾燥をより効果的に防止することができる。
【0018】
上記した基板処理方法に好適な基板処理装置としては、例えば基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す処理液供給手段と、湿式処理が施された基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置があり、この装置は請求項1の湿式処理工程を実行するのに好適となっている。
【0019】
また、上記した基板処理方法に好適な基板処理装置としては、例えば処理液で濡れた基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置があり、この装置は請求項2の置換工程を実施するのに好適となっている。
【0020】
このように構成された発明(基板処理装置)の乾燥防止液供給手段については、高圧流体との親和性が処理液よりも高い置換液を乾燥防止液として供給するように構成するのが、より好適である。つまり、高圧流体を含む処理流体を用いた高圧乾燥を実行する前に、高圧流体との親和性に優れた置換液を基板に付着させておくことで、単に基板搬送中の基板の自然乾燥を防止するのみならず、乾燥工程の効率を高めることができる。
【0021】
上記した基板処理方法に好適な基板処理システムとしては、例えば請求項5記載の基板処理装置と同一構成を有する湿式処理ユニットと、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を湿式処理ユニットから高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理システムがあり、このシステムは請求項1にかかる基板処理方法を実施するのに好適となっている。
【0022】
また、上記した基板処理方法に好適な基板処理システムとしては、例えば基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理ユニットと、請求項6記載の基板処理装置と同一構成を有する置換ユニットと、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて湿式処理ユニットから搬送されてくる基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、処理液で濡れた状態のまま基板を湿式処理ユニットから置換ユニットに搬送し、また乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を置換ユニットから高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理システムがあり、このシステムは請求項2にかかる基板処理方法を実施するのに好適となっている。
【0023】
ここで、乾燥防止液として、高圧流体との親和性が処理液よりも高い置換液を用いることができる。この発明では、高圧流体との親和性に優れた乾燥防止液で濡れた状態で基板を高圧乾燥ユニットにウェット搬送するため、高圧乾燥処理を効率的に進めることができる。
【0024】
さらに、ユニット間での基板搬送については、基板に乾燥防止液や処理液を盛った状態でウェット搬送してもよいが、基板を輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。こうすることで、基板搬送中における基板の自然乾燥をより効果的に防止することができる。
【0025】
なお、本発明において、用いられる高圧流体としては、安全性、価格、超臨界状態にするのが容易、といった点で、二酸化炭素が好ましい。二酸化炭素以外には、水、アンモニア、亜酸化窒素、エタノール等も使用可能である。高圧流体を用いるのは、拡散係数が高く、溶解した汚染物質を媒体中に分散することができるためであり、その高圧流体を超臨界流体にした場合には、気体と液体の中間の性質を有するようになり、拡散係数は気体に近づき、微細なパターン部分にもよく浸透することができる。また、超臨界流体の密度は、液体に近く、気体に比べて遥かに大量の添加剤(薬剤)を含むことができる。
【0026】
ここで、本発明における高圧流体とは、1MPa以上の圧力の流体である。好ましく用いることのできる高圧流体は、高密度、高溶解性、低粘度、高拡散性の性質が認められる流体であり、さらに好ましいものは超臨界状態または亜臨界状態の流体である。二酸化炭素を超臨界流体とするには31゜C、7.1MPa以上とすればよく、特に乾燥工程には、5〜30MPaの亜臨界(高圧流体)または超臨界流体を用いることが好ましく、7.1〜20MPaでこれらの処理を行うことがより好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる基板処理システムの第1実施形態を示す図である。また図2は、図1の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。さらに図3は、図1の基板処理システムに装備される高圧乾燥ユニットを示す図である。この基板処理システムは、図1に示すように、基板処理部PSと、この基板処理部PSに結合されたインデクサ部IDとを備えている。
【0028】
基板処理部PSでは、ともに同一の湿式処理工程を基板に対して施す複数の現像ユニット(この実施形態では2個の現像ユニット10A、10B)が本発明の請求項1の「湿式処理装置」、請求項5の「基板処理装置」、請求項8の「湿式処理ユニット」として設けられている。すなわち、各現像ユニット10A、10Bは、第一の処理液として現像液を基板Wの表面に供給して現像処理を実行し、さらに第二の処理液としてリンス液を供給してリンス処理した後、さらに乾燥防止液を基板Wの表面に供給することにより基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換する。なお、その構成および動作については後で詳述する。
【0029】
また、処理ユニットとして、湿式処理工程(この実施形態では、現像処理+リンス処理+置換処理)を受けた基板Wに超臨界乾燥処理を施す超臨界乾燥ユニット20が設けられており、これが本発明の「高圧乾燥ユニット」および「高圧乾燥装置」として機能する。なお、その構成および動作については後で詳述する。
【0030】
さらに、これらの処理ユニット10A、10B、20に取り囲まれるように、基板処理部PSの中央に本発明の「搬送ユニット」として機能する主搬送ロボット30が配置されている。
【0031】
この実施形態では、現像ユニット10A、10Bの基本的構成は図2に示すように同一である。すなわち、各現像ユニット10A、10Bでは、基板Wを保持する基板保持部(基板保持手段)102が設けられている。この基板保持部102は、基板Wと同程度の平面サイズを有する基板支持板104と、この基板支持板104の上面に固着された複数の周縁支持ピン106とを備えており、周縁支持ピン106により基板Wの周縁部を支持することで基板Wを略水平状態で保持可能となっている。なお、必要に応じて基板Wの下面中央部を支持する中央支持ピンを基板支持板104の上面から立設してもよい。また、この実施形態では基板Wを機械的に保持しているが、基板保持方式はこれに限定されるものではなく、例えば基板Wの下面を真空吸着して保持してもよい。
【0032】
この基板支持板104は、モータ108の出力回転軸110に連結されており、モータ108の作動に伴って回転する。これによって、基板保持部102に保持されている基板Wは所望タイミングで回転駆動される。
【0033】
また、この装置では、次に説明するようにスリットノズル148から基板Wに供給された現像液の余剰分、吐出ノズル148からリンス処理において使用するリンス液および置換処理において使用する乾燥防止液(置換液)を回収すべく、基板保持部102の周囲に処理カップ112が設けられている。なお、この処理カップ112は昇降可能に構成され、その底部には排液口114(116)や排気口116(114)が設けられている。
【0034】
この基板処理システムでは、上記したようにスリットノズル124から基板Wに現像液を供給するために、現像液供給機構118が本発明の「処理液供給手段」として設けられている。この現像液供給機構118は、現像液供給源120から供給される現像液をバルブ122を介してスリットノズル124に圧送し、基板Wの表面に現像液を広がらせて現像液層を形成する。すなわち、スリットノズル124は基板Wの直径と同等の長さを有する現像液供給口を有しており、その現像液供給口から現像液を静止させた基板W上に滴下させつつ、水平方向移動機構126を使用してスリットノズル124を基板Wと平行に(+X)の向きに移動させ、基板Wの表面全面に現像液を盛るようにしている。なお、現像液供給口の長さは基板Wの直径と同等に限定されず、それ以上の長さを有していてもよい。また、現像液を盛る際には基板Wに与える現像液の衝撃を考慮し、スリットノズル124が基板Wの上方に位置する手前から現像液の滴下を開始し、スリットノズル124を(+X)の向きに移動させている。
【0035】
スリットノズル124の水平方向移動機構126は、モータ128、プーリ130、132およびベルト134で構成されている。モータ128のモータ軸にはプーリ132が連結されており、プーリ130、132にはベルト134が掛けられている。すなわち、モータ128の回転にともなってベルト134が循環回走するように構成されている。また、ベルト134と昇降機構136のサーボモータ138とは係止部材140によって接続されている。したがって、モータ128の正または逆回転にともなって、サーボモータ138がX軸方向に前進または後退し、その結果昇降機構136の上部に設けられているスリットノズル124が(+X)または(−X)の向きに移動することとなる。
【0036】
一方、昇降機構136は、サーボモータ138とカップリング142とボールネジ144とで構成されている。サーボモータ138の回転は、カップリング142を介してボールネジ144に伝達される。ボールネジ144にはスリットノズル124が螺合されている。したがって、サーボモータ138の正または逆回転によってスリットノズル124が鉛直方向に昇降されることになる。なお、カップリング142はサーボモータ138のモータ軸とボールネジ144との軸ずれを吸収してサーボモータ138を保護するための部材である。
【0037】
なお、この現像液供給機構118では、現像液を吐出する現像ノズルとしてスリットノズル124を用いているが、これに限定されるものではなく、これ以外にストレートノズル、SSノズル、SIノズル、MIノズルなどのノズルを用いることができる。また、現像ノズル124をX方向にスキャンさせて現像液を基板Wに供給しているが、現像ノズル124から基板Wに現像液を部分的に供給した後で基板Wを回転させて現像液を基板全面に塗布する機構を本発明の「処理液供給手段」として採用してもよい。
【0038】
また、この実施形態では、リンス液または乾燥防止液(置換液)を選択的に基板Wに供給するためにリンス・乾燥防止液供給機構146が設けられている。このリンス・乾燥防止液供給機構146では、基板保持部102の上方位置にノズル148が設けられており、リンス液または乾燥防止液を選択的に基板Wに向けて吐出可能となっている。そして、上記吐出ノズル148の基端は、同図に示すように、昇降回転機構150に連結されており、昇降回転機構150によって回転中心AX周りで水平揺動および昇降可能となっている。また、吐出ノズル148の後端部はバルブ152を介してリンス液供給源154に接続されるとともに、バルブ156を介して乾燥防止液供給源158に接続されており、バルブ152、156の開閉制御によって吐出ノズル148からリンス液または乾燥防止液を選択的に吐出可能となっている。なお、この実施形態では、リンス・乾燥防止液供給機構146が、本発明の「処理液供給手段」としての機能と、「乾燥防止液供給手段」としての機能とを兼ね備えており、吐出ノズル148はリンス液および乾燥防止液を吐出するためのノズルとして機能しているが、リンス液専用の吐出ノズルと、乾燥防止液専用の吐出ノズルをそれぞれ設けるとともに、昇降回転機構により各吐出ノズルを適宜昇降・回転させるように構成してもよいことは言うまでもない。また、一の昇降回転機構によりリンス液専用の吐出ノズルと、乾燥防止液専用の吐出ノズルとを移動させるように構成してもよい。
【0039】
ここで、乾燥防止液としては現像ユニット10A、10Bから超臨界乾燥ユニット20に搬送している間に基板Wの自然乾燥を防止することができる液体であれば、原則的には如何なる液体を用いてもよいのである。しかしながら、超臨界乾燥ユニット20での超臨界乾燥処理の効率を考慮すると、SCFとの親和性に優れたものを採用するのが望ましい。というのも、SCFに対するリンス液の親和性よりも高い親和性を有する液体を用いることで特許文献1に記載の装置よりも効率良く超臨界乾燥処理を行うことができるからである。これらの点を考慮すると、フロロカーボン系の薬液などを置換液を乾燥防止液として用いることができる。
【0040】
そして、このように構成された現像ユニット10A、10Bでは、バルブ122、152、156を開閉制御することで、基板Wに現像液を供給して所定の現像処理を施し、該現像処理を受けた基板Wにリンス液を供給してリンス処理を施し、さらに該リンス処理を受けた基板Wに乾燥防止液を供給して基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換する。
【0041】
次に、図3を参照しつつ超臨界乾燥ユニット20について詳述する。この超臨界乾燥ユニット20は、同図に示すように、基板Wを圧力容器202の内部、つまり処理チャンバー204で回転自在に保持する。より具体的には、圧力容器202では、その内部が処理チャンバー204となっているとともに、その側面部に基板Wを処理チャンバー204に対して搬入出させるための開口部206が設けられている。
【0042】
また、圧力容器202の近傍には、開口部206を開閉するゲート部208が配置されている。このゲート部208にはゲート駆動部(図示省略)が連結されており、装置全体を制御する制御部からの動作指令に応じてゲート駆動部が作動することでゲート部208が昇降移動される。例えば、ゲート部208を下降させると、開口部206が閉じられて処理チャンバー204内が気密状態となる。一方、ゲート駆動部によりゲート部208を上昇させると、同図に示すように開口部206が開放状態となり、主搬送ロボット30のハンドが同図中の1点鎖線で示す搬送経路に沿って移動して処理チャンバー204に対してアクセス可能となる。そして、乾燥防止液で濡れた状態の基板Wを保持したハンドが処理チャンバー204に移動して処理チャンバー204内に位置するスピンチャック210に載置する(基板Wの搬入)。また、逆にハンドがスピンチャック210上の基板Wを受け取った後、搬送経路に沿って圧力容器202から後退することで基板Wが圧力容器202から搬出される。
【0043】
このスピンチャック210は処理チャンバー204内に配置されており、その上面に設けられた吸着口(図示省略)により基板Wの下面中央部を吸着保持可能となっている。また、スピンチャック210には、モータ212によって回転される回転軸214が連結されており、制御部からの動作指令を受けたモータ212が回転駆動されるのに応じてスピンチャック210およびそれによって保持されている基板Wが一体的に処理チャンバー204内で回転する。なお、スピンチャック210の基板Wの保持は吸着に限られるものではなく、メカ的に保持する構成でもよい。
【0044】
また、この圧力容器202では、同図に示すように、処理チャンバー204に連通する2つの貫通孔216,218が設けられている。これらの貫通孔のうち天井側に設けられた貫通孔216の処理チャンバー204側の端部はスピンチャック210に保持された基板Wの上面中央部を臨むように設けられるとともに、その他端部はバルブ220を介してSCF供給部222にそれぞれ接続されている。このため、制御部からの開閉指令に基づきバルブ220を開くことでSCF供給部222から超臨界二酸化炭素が処理流体として処理チャンバー204に供給されて超臨界乾燥を実行可能となっている。
【0045】
なお、この実施形態では、処理流体として超臨界二酸化炭素のSCFを使用するが、超臨界二酸化炭素と薬剤との混合物を処理流体として処理チャンバー204に導入するようにしてもよく、乾燥処理に適した薬剤として乾燥防止液成分をSCFに溶解もしくは均一分散させる助剤となり得る相溶化剤を用いることが好ましく、乾燥防止液成分をSCFと相溶化させることができれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、いわゆる界面活性剤であるジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシドが好ましいものとして挙げられる。
【0046】
残りの貫通孔218はバルブ224を介してSCF回収部226にそれぞれ接続されており、上記のようにして処理チャンバー204内に導入されるSCFおよび超臨界乾燥処理に伴って発生する汚染物質などを圧力容器202の外に排出回収可能となっている。
【0047】
次に、主搬送ロボット30について図4を参照しつつ説明する。この主搬送ロボット30は、インデクサ部IDとの間で基板Wの受け渡しを行うことができるとともに、処理ユニット10A、10B、20に対してアクセスして基板Wの搬入/搬出を行うことができるように構成されている。
【0048】
インデクサ部IDは、直方体形状の有蓋容器であるポッドPに収容された状態で基板Wが置かれる基板ステーション40と、基板ステーション40に置かれたポッドPに対して基板Wを搬入/搬出することができ、かつ、主搬送ロボット30との間で基板Wの受け渡しを行うことができるインデクサロボット50とを備えている。基板ステーション40では、複数個(この実施形態では3個)のポッドPがY方向に沿って載置可能となっており、各ポッドP内には、複数枚の基板Wを互いに積層して収容することができるカセット(図示省略)が収容されている。また、ポッドPの外側面のうちインデクサロボット50に対向することになる前面には、着脱自在な蓋が設けられており、図示しない脱着機構によって、当該蓋の自動着脱が行われるようになっている。
【0049】
そして、インデクサロボット50は、基板ステーション40に置かれたポッドPの配置方向、すなわちY方向に沿って、走行可能となっており、任意のポッドPの前方に移動したり、主搬送ロボット30との間で基板Wを受け渡すための受け渡し部60の前へと移動する。
【0050】
図4は、インデクサロボット50と主搬送ロボット30との間での基板Wの受け渡しの様子を示す拡大平面図である。主搬送ロボット30は、基板Wを保持するための一対のハンド302,304と、これらの一対のハンド302,304を、基台部306に対して互いに独立に進退させるための進退駆動機構308,310と、基台部306を鉛直軸線(図4の紙面に垂直な軸線)回りに回転駆動するための回転駆動機構(図示省略)と、基台部306を鉛直方向に昇降させるための昇降駆動機構(図示省略)とを備えている。進退駆動機構308,310は、多関節アーム型のものであり、ハンド302,304の姿勢を保持しつつ、それらを水平方向に進退させる。一方のハンド302は、他方のハンド304よりも上方において進退するようになっており、ハンド302,304の両方が基台部306の上方に退避させられた初期状態では、これらのハンド302,304は上下に重なり合う。
【0051】
一方、インデクサロボット50は、基板Wを保持するための一対のハンド502,504と、これらの一対のハンド502,504を基台部506に対して互いに独立に進退させるための進退駆動機構508,510と、基台部506を鉛直軸線回りに回転させるための回転駆動機構(図示省略)と、基台部506を昇降させるための昇降駆動機構(図示省略)と、インデクサロボット50全体をY方向(図4参照)に沿って水平移動させるための水平駆動機構とを備えている。進退駆動機構508,510は、多関節アーム型の駆動機構であって、ハンド502,504を、それらの姿勢を保持した状態で、水平方向に沿って進退させる。一方のハンド502は、他方のハンド504の上方に位置していて、ハンド502,504が基台部506の上方に退避した初期状態では、ハンド502,504は上下に重なり合っている。
【0052】
インデクサロボット50のハンド502,504および主搬送ロボット30のハンド302,304は、いずれもフォーク形状に形成されている。インデクサロボットのハンド502,504はほぼ同形状であり、また、主搬送ロボット30のハンド302,304はほぼ同形状である。インデクサロボット50のハンド502,504と主搬送ロボット30のハンド302,304とは、平面視においてほぼ噛み合う形状を有していて、ハンド502,302間またはハンド504,304間で、基板Wを直接受け渡すことができる。すなわち、受け渡し部60において、インデクサロボット50のハンド502は、主搬送ロボット30のハンド302から基板Wを直接受け取ることができる。同様に、インデクサロボット50のハンド504は、受け渡し部60において、主搬送ロボット30のハンド304に、基板Wを直接受け渡すことができる。
【0053】
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について図5を参照しつつ詳述する。図5は、図1の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、動作理解を助けるために1枚の基板Wに着目して装置各部の動作について説明する。
【0054】
基板ステーション40に置かれたポッドPに収容されている未処理基板Wは、インデクサロボット50により搬出された(ステップS1)後、さらに受け渡し部60において主搬送ロボット30に直接受け渡される。こうして、未処理基板Wが基板処理部PSにローディングされる。そして、この未処理基板Wを受け取った主搬送ロボット30は、現像ユニット10A、10Bのうちいずれか一方の現像ユニットの前まで移動し、当該現像ユニットに基板Wを搬入する(ステップS2)。そして、各現像ユニット10A、10Bで基板Wに対して現像処理、リンス処理および置換処理がこの順序で行われた(ステップS3〜S5)後、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される(ステップS6)。すなわち、共通乾燥防止液で濡れた基板Wをハンド302(または304)で保持し、現像ユニットから搬出する。そして、その濡れた状態のまま該ハンド302(または304)を処理チャンバー204に移動してスピンチャック210に載置した(基板Wの搬入)後、空となったハンド302(または304)を搬送経路に沿って搬入時とは逆向きに移動させてロボット本体(図示省略)まで戻す。なお、この間、ゲート部208は上昇しており、開口部206は開放状態にある。
【0055】
こうして、基板Wのウェット搬送が完了すると、ゲート駆動部が作動してゲート部208を下降させ、これによって開口部206が閉じられて処理チャンバー204が気密状態となる。そして、処理チャンバー204へのSCF導入およびSCF回収を実行して高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)を実行する(ステップS7)。ここでは、処理チャンバー204内の圧力を徐々に高めていくとともに、モータ212を作動させてスピンチャック210およびそれによって保持されている基板Wを比較的低い回転数で回転させる。このように基板Wを回転させることで基板Wの一部だけが乾燥するのを防止して乾燥処理の均一化を図っている。また、SCF供給部222からSCFを処理チャンバー204に供給しながら、SCF回収部226に回収して処理チャンバー204内の圧力および温度を所定値に維持した後、SCFの導入を停止するとともに、処理チャンバー204からSCFをSCF回収部226に回収することにより処理チャンバー204内を減圧して基板Wを乾燥させている。なお、SCFを処理チャンバー204に封じ込めた後、上記のようにSCFの導入を停止するとともに、処理チャンバー204内のSCFをSCF回収部226に回収して超臨界乾燥を行うようにしてもよい。
【0056】
こうして現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理が完了すると、スピンチャック210の回転を停止するとともに、処理チャンバー204を大気圧まで減圧した後、ゲート部208を上昇させて基板Wの搬出が可能な状態にして主搬送ロボット30に対して基板の搬送指令を与える。すると、この搬送指令を受けた主搬送ロボット30がスピンチャック210から基板Wを受取り、超臨界乾燥ユニット20から処理済みの基板Wを搬出する。そして、ローディング時とは逆の手順、つまりアンローディング動作を実行して処理済みの基板Wを基板ステーション40に置かれたポッドPに収容する(ステップS8)。
【0057】
以上のように、この実施形態によれば、現像処理については現像ユニット10A、10Bで実行する一方、高圧乾燥処理については超臨界乾燥ユニット20で専門的に実行しているため、現像処理において使用可能な現像液の種類に制約を課すことなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。
【0058】
また、上記では1枚の基板Wに着目した装置各部の動作について説明したが、実際の基板処理システムでは、複数枚の基板Wは同時に並行処理される。つまり、ある基板Wが現像ユニット(10Aまた10B)において湿式処理(ステップS3〜S5)を受けている間に、別の基板Wが超臨界乾燥ユニット20において高圧乾燥処理(ステップS7)を受けている。したがって、この実施形態では、湿式処理と、高圧乾燥処理とが並行して行われており、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0059】
さらに、現像ユニット10A、10B内で現像処理およびリンス処理を受けた基板Wに対して乾燥防止液を供給して基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板Wを現像ユニット10A、10Bから超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送しているので、基板Wの搬送中に基板Wが自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板Wにダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0060】
図6は、この発明にかかる基板処理システムの第2実施形態を示す図である。また図7は、図6の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。さらに図8は、図6の基板処理システムに装備される置換ユニットを示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態における現像ユニット10A、10Bでは現像処理、リンス処理および置換処理を同一装置内で実行しているのに対し、第2実施形態では現像装置およびリンス処理については現像ユニット10Cで実行する一方、置換処理については専用の置換ユニット70により行っている点である。また、主搬送ロボット30は基板Wを現像ユニット10Cから置換ユニット70を経由して超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送している。なお、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。したがって、以下においては、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0061】
この現像ユニット10Cは、乾燥防止液を基板Wに供給する乾燥防止液供給手段に相当する構成を有していない点で第1実施形態の現像ユニット10A、10Bと相違するのみで、その他の構成は全く同一である。そして、この基板処理装置10Cでは、基板保持部102で基板Wを保持した状態で現像液供給源120から供給される現像液をバルブ122を介してスリットノズル124に圧送し、基板Wの表面に現像液を広がらせて現像液層を形成して現像処理を実行する。また、現像処理後に、吐出ノズル148からリンス液を吐出させてリンス処理を行う。このように、現像ユニット10Cは、本発明の請求項2の「湿式処理装置」、請求項8の「湿式処理ユニット」として機能する。なお、現像ユニット10Cのその他の構成および動作は、第1実施形態の現像ユニット10A、10Bと同一であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。また、現像ユニット10Cとしては、従来より周知の現像装置、つまり基板に現像液を供給して現像処理を実行した後、該基板にリンス液を供給してリンス処理を行う現像装置全般を用いることができる。
【0062】
置換ユニット70では、図8に示すように、基板Wを保持する基板保持部(基板保持手段)102が設けられている。この基板保持部102は現像ユニット10A〜10Cと同一構成を有しており、基板支持板104の上面に固着された複数の周縁支持ピン106により基板Wの周縁部を支持することで基板Wを略水平状態で保持可能となっている。なお、基板保持方式はこれに限定されるものではなく、任意であり、必要に応じて基板Wの下面中央部を支持する中央支持ピンを基板支持板104の上面から立設して支持してもよいし、また、例えば基板Wの下面を真空吸着して保持してもよい。
【0063】
また、乾燥防止液(置換液)を基板Wに供給するために乾燥防止液供給機構(乾燥防止液供給手段)160が設けられている。この乾燥防止液供給機構160では、基板保持部102の上方位置にノズル148が設けられており、乾燥防止液を基板Wに向けて吐出可能となっている。そして、上記吐出ノズル148の基端は、同図に示すように、昇降回転機構150に連結されており、昇降回転機構150によって回転中心AX周りで水平揺動および昇降可能となっている。また、吐出ノズル148の後端部はバルブ156を介して乾燥防止液供給源158に接続されており、バルブ156の開閉制御によって吐出ノズル148から乾燥防止液を吐出可能となっている。
【0064】
そして、この基板処理装置10Cでは、リンス液で濡れた基板Wを基板保持部102で保持した状態で吐出ノズル148から乾燥防止液(置換液)を供給することで基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換することができる。なお、この第2実施形態においても、 乾燥防止液として第1実施形態と同様の液体を用いることができる。
【0065】
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について図9を参照しつつ詳述する。図9は、図6の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、動作理解を助けるために1枚の基板Wに着目して装置各部の動作について説明する。
【0066】
基板ステーション40に置かれたポッドPに収容されている未処理基板Wは、インデクサロボット50により搬出された(ステップS11)後、さらに受け渡し部60において主搬送ロボット30に直接受け渡される。こうして、未処理基板Wが基板処理部PSにローディングされる。そして、この未処理基板Wを受け取った主搬送ロボット30は、現像ユニット10Cの前まで移動し、当該現像ユニット10Cに基板Wを搬入する(ステップS12)。そして、現像ユニット10Cで基板Wに対して現像処理およびリンス処理がこの順序で行われた(ステップS13、S14)後、該基板Wがリンス液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により置換ユニット70にウェット搬送される(ステップS15;第1搬送工程)。これに続いて、置換ユニット70により置換処理が実行される(ステップS16)。すなわち、リンス液で濡れた基板Wに乾燥防止液(置換液)を供給して該乾燥防止液に置換する。
【0067】
この置換処理が完了すると、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される(ステップS17;第2搬送工程)。そして、第1実施形態と同様にして、超臨界乾燥ユニット20が高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)を実行して基板Wを高圧乾燥させる(ステップS18)。その後、主搬送ロボット30がスピンチャック210から基板Wを受取り、超臨界乾燥ユニット20から処理済みの基板Wを搬出する。そして、ローディング時とは逆の手順、つまりアンローディング動作を実行して処理済みの基板Wを基板ステーション40に置かれたポッドPに収容する(ステップS19)。
【0068】
以上のように、この実施形態によれば、現像処理については現像ユニット10Cで実行する一方、高圧乾燥処理については超臨界乾燥ユニット20で専門的に実行しているため、第1実施形態と同様に、現像液の種類に制約を設けることなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。また、現像ユニット10Cでの現像処理と、置換ユニット70での置換処理と、超臨界乾燥ユニット20での高圧乾燥処理とが並行して行われており、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。さらに、現像処理およびリンス処理が施された基板Wについては、リンス液で濡れた状態のまま置換ユニット70にウェット搬送し、その置換ユニット70内で基板Wに付着しているリンス液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送しているので、基板Wの搬送中において基板Wが自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板Wにダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0069】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、超臨界乾燥ユニット20を1台のみ基板処理システムに組み込んでいるが、本発明の適用対象は上記実施形態に限定されるのではなく、複数の超臨界乾燥ユニットを組み込んだ基板処理システムに対して適用可能である。この場合、主搬送ロボット30を複数の超臨界乾燥ユニットに対してアクセス可能に構成し、複数の現像ユニットの各々から現像処理済の基板を搬出し、複数の超臨界乾燥ユニットのうちの一に選択的に搬送するように制御することができ、かかる構成および制御を採用することで基板処理システム全体のスループットを向上させることができる。
【0070】
また、基板処理ユニットにおける現像ユニットや置換ユニットの設置台数についても、上記超臨界乾燥ユニットと同様に任意である。
【0071】
また上記実施形態では、本発明の湿式処理として現像処理を実行しているが、これ以外の湿式処理、例えばエッチング処理や洗浄処理などを実行する場合にも、本発明を適用することができる。
【0072】
また上記実施形態では、高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)中に基板Wを低速回転させているが、基板Wを静止させた状態で高圧乾燥処理を実行するようにしてもよい。また、高圧乾燥処理ではSCF供給部222からSCFを処理チャンバー204に供給しているが、液体二酸化炭素を圧力容器202内に導入し、その圧力容器202の内部温度を上昇させて二酸化炭素を超臨界状態とするようにしてもよい。
【0073】
また上記実施形態では、本発明の「搬送ユニット」としてスカラ型搬送ロボットからなる移動式(走行式)の主搬送ロボット30を用いているが、搬送ユニットの構成はこれに限定されるものではなく、例えば定置式の搬送ロボットを用いることができ、基板搬送を行う搬送ユニット全般を適用することができる。また、搬送ユニットにおけるハンド数や配置などについても任意である。
【0074】
また上記第1実施形態では、現像ユニット10A、10Bから置換処理後の基板Wをそのまま超臨界乾燥ユニット20に搬送している。また第2実施形態では現像ユニット10Cからリンス処理後の基板Wをそのまま置換ユニット70にウェット搬送し、さらに置換ユニット70から置換処理後の基板Wをそのまま超臨界乾燥ユニット20に搬送している。すなわち、処理ユニット間での基板搬送については、基板Wに乾燥防止液やリンス液を盛った状態でウェット搬送しているが、基板Wを輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。この場合、乾燥防止液と同一成分の液体を輸送用容器内に貯留した状態で基板Wを収容し、超臨界乾燥ユニット20に搬送するようにするのが望ましい。こうすることで、超臨界乾燥ユニット20に基板Wを搬送する間に基板が自然乾燥されるのをより効果的に防止することができる。
【0075】
さらに上記実施形態では湿式処理から高圧乾燥処理までのいずれの処理においても基板Wを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉方式であるが、これらの処理全部あるいは一部を複数枚の基板を一括して処理する、いわゆるバッチ方式を採用してもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、湿式処理については湿式処理装置や湿式処理ユニットで実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置や高圧乾燥ユニットで専門的に実行しているため、湿式処理工程において使用可能な処理液の種類に制約を設ける必要がなく、汎用性に優れている。また、圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、乾燥処理を良好に行うことができる。また、湿式処理工程と乾燥工程と(また、これらに加えて置換工程)を並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。さらに、乾燥防止液(またリンス液)で濡れた状態のまま基板を湿式処理装置から高圧乾燥装置にウェット搬送しているので、基板の搬送中に基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板を良好に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる基板処理システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。
【図3】図1の基板処理システムに装備される高圧乾燥ユニットを示す図である。
【図4】インデクサロボットと主搬送ロボットとの間での基板Wの受け渡しの様子を示す拡大平面図である。
【図5】図1の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明にかかる基板処理システムの第2実施形態を示す図である。
【図7】図6の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。
【図8】図6の基板処理システムに装備される置換ユニットを示す図である。
【図9】図6の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10A〜10C…現像ユニット
20…超臨界乾燥ユニット
30…主搬送ロボット(搬送ユニット)
70…置換ユニット
118…現像液供給機構
146…リンス・乾燥防止液供給機構
W…基板
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)に対して、所定の湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を施す基板処理方法、ならびに該方法に好適な基板処理装置および基板処理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの微細化が近年急速に進められているが、この微細化に伴って基板処理において新たな問題が生じることとなった。例えば、基板上に塗布されたレジストをパターニングして微細パターンを形成する場合、湿式現像処理および乾燥処理をこの順序で行う。ここで、基板に塗布されたレジストを現像する湿式現像処理では、例えばアルカリ現像処理およびリンス処理が実行される。すなわち、アルカリ現像処理では、不要なレジストを除去するためにアルカリ性水溶液が使用され、リンス処理ではそのアルカリ性水溶液を除去するために(現像を停止するために)純水などのリンス液が使用される。一方、乾燥処理では基板を回転させることにより基板上に残っているリンス液に遠心力を作用させて基板からリンス液を除去し、乾燥させる(スピン乾燥)。このうち乾燥工程においては、乾燥の進展とともにリンス液と気体との界面が基板上に現れ、半導体デバイスの微細パターンの間隙にこの界面が現れると、微細パターン同士がリンス液の表面張力により互いに引き寄せられて倒壊するという問題があった。
【0003】
加えて、この微細パターンの倒壊には、リンス液を振り切る際の流体抵抗や、リンス液が微細パターンから排出される時に生じる印圧や、3000rpm超の高速回転による空気抵抗や遠心力も関与していると考えられている。
【0004】
この問題の解決のために、基板を圧力容器などの反応槽内に設置し、低粘性、高拡散性の性質を持つ超臨界流体(以下、「SCF」という)を使用した高圧処理技術が従来より提案されている。その従来技術として、例えば洗浄、エッチング、現像処理などの湿式処理と、SCFを用いた高圧乾燥処理とを同一反応槽内で行う基板処理装置がある(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置では、基板がセットされた反応槽内に液体タンクから洗浄液、エッチング液、現像液などの処理液が導入されると、この反応槽内で処理液が回転機構により撹拌されてスムーズで均一な湿式処理が実行される。これに続いて、処理液の代えてリンス液が液体タンクから反応槽に導入されてリンス処理が実行される。その後、リンス液が反応槽から排出されながらガスボンベからSCFが反応槽に導入される。これによって、リンス液がSCFによって置換される。そして、緩やかにSCFが排出されて超臨界乾燥、つまり高圧乾燥処理が実行される。
【0005】
【特許文献1 】
特開平11−87306号公報(
【0016】、
【0017】、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一の反応槽内で湿式処理と高圧乾燥処理とを連続して行う従来装置では、次のような問題が発生する。すなわち、高圧乾燥処理を実行する基板処理装置では、従来より多用されている基板処理装置、つまり常圧で表面処理を行う基板処理装置と比較すると多くの制約条件がある。そのうち最大の制約条件は、処理液の選択範囲が限られている点である。というのも、この基板処理装置では、反応槽として圧力容器を用いる必要があるが、表面処理を実行するために強酸や強アルカリといった腐食性の処理液を用いた場合、該処理液が圧力容器の接液面を腐食してしまうためである。このような事情から、表面処理を実行するために強酸や強アルカリといった腐食性の薬液を導入することができず、この結果、処理液の選択範囲が大幅に制約されてしまう。
【0007】
ここで、上記制約を取り払うために圧力容器の内面をフッ素樹脂などで耐蝕コーティングすることが当然考えられるが、高圧下で長期間その機能を継続発揮させることは事実上困難である。また仮に、圧力容器の内面を耐蝕コーティングしたとしても、そこに至る細い配管や接手、高圧弁等の部品のすべての内面を耐蝕コーティングすることは実質的に不可能である。
【0008】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、微細パターンの倒壊などのダメージを基板に与えることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる基板処理方法、ならびに該方法に好適な基板処理装置および基板処理システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる基板処理方法の一の態様は、上記目的を達成するため、湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施し、さらに該湿式処理を受けた基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する湿式処理工程と、湿式処理工程後の基板を乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する搬送工程と、高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて搬送工程により搬送されてきた基板を高圧乾燥させる乾燥工程とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このように構成された発明では、湿式処理については湿式処理装置で実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置で専門的に実行しているため、湿式処理工程において使用可能な処理液の種類に制約が課せられることがなく、しかも圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。
【0011】
また、特許文献1に記載の装置では、圧力容器に対して処理液およびSCFを出し入れしなければならず、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理に時間がかかるという問題を含んでいる。これに対して、本発明では、高圧乾燥装置では処理流体のみが用いられる。しかも、湿式処理工程と乾燥工程とを並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0012】
さらに、湿式処理装置内で所定の湿式処理を受けた基板に対して乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板が湿式処理装置から高圧乾燥装置にウェット搬送される。このため、基板の搬送中に基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板にダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0013】
この発明にかかる基板処理方法の他の態様は、上記目的を達成するため、湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、湿式処理工程後の基板を処理液で濡れた状態のまま置換装置に搬送する第1搬送工程と、置換装置内で、搬送工程により搬送されてきた基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する置換工程と、置換工程後の基板を乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する第2搬送工程と、高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて第2搬送工程により搬送されてきた基板を高圧乾燥させる乾燥工程とを備えたことを特徴としている。
【0014】
このように構成された発明においても、上記一の態様にかかる発明と同様に、湿式処理については湿式処理装置で実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置で専門的に実行しているため、処理液の種類に関する制約がなく、しかも圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。また、高圧乾燥装置では処理流体のみが用いられるとともに、湿式処理と、置換処理と、高圧乾燥処理とを並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0015】
さらに、湿式処理が施された基板については、処理液で濡れた状態のまま置換装置にウェット搬送し、その置換装置内で基板に付着している処理液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板が高圧乾燥装置にウェット搬送される。このように、基板の搬送中において基板は処理液か乾燥防止液で濡れており、基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板にダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0016】
ここで、乾燥防止液として、高圧流体との親和性がリンス液よりも高い置換液を用いることができる。この発明では、上記したように乾燥防止液で濡れた状態で基板は高圧乾燥装置に搬送されてくるため、その乾燥防止液が高圧流体と親和性に優れていることで乾燥工程を効率的に進めることができる。
【0017】
また、装置間での基板搬送については、基板に乾燥防止液や処理液を盛った状態でウェット搬送してもよいが、基板を輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。こうすることで、基板搬送中における基板の自然乾燥をより効果的に防止することができる。
【0018】
上記した基板処理方法に好適な基板処理装置としては、例えば基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す処理液供給手段と、湿式処理が施された基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置があり、この装置は請求項1の湿式処理工程を実行するのに好適となっている。
【0019】
また、上記した基板処理方法に好適な基板処理装置としては、例えば処理液で濡れた基板を保持する基板保持手段と、基板保持手段に保持された基板に乾燥防止液を供給して基板に付着する処理液を乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置があり、この装置は請求項2の置換工程を実施するのに好適となっている。
【0020】
このように構成された発明(基板処理装置)の乾燥防止液供給手段については、高圧流体との親和性が処理液よりも高い置換液を乾燥防止液として供給するように構成するのが、より好適である。つまり、高圧流体を含む処理流体を用いた高圧乾燥を実行する前に、高圧流体との親和性に優れた置換液を基板に付着させておくことで、単に基板搬送中の基板の自然乾燥を防止するのみならず、乾燥工程の効率を高めることができる。
【0021】
上記した基板処理方法に好適な基板処理システムとしては、例えば請求項5記載の基板処理装置と同一構成を有する湿式処理ユニットと、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を湿式処理ユニットから高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理システムがあり、このシステムは請求項1にかかる基板処理方法を実施するのに好適となっている。
【0022】
また、上記した基板処理方法に好適な基板処理システムとしては、例えば基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理ユニットと、請求項6記載の基板処理装置と同一構成を有する置換ユニットと、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて湿式処理ユニットから搬送されてくる基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、処理液で濡れた状態のまま基板を湿式処理ユニットから置換ユニットに搬送し、また乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を置換ユニットから高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットとを備えたことを特徴とする基板処理システムがあり、このシステムは請求項2にかかる基板処理方法を実施するのに好適となっている。
【0023】
ここで、乾燥防止液として、高圧流体との親和性が処理液よりも高い置換液を用いることができる。この発明では、高圧流体との親和性に優れた乾燥防止液で濡れた状態で基板を高圧乾燥ユニットにウェット搬送するため、高圧乾燥処理を効率的に進めることができる。
【0024】
さらに、ユニット間での基板搬送については、基板に乾燥防止液や処理液を盛った状態でウェット搬送してもよいが、基板を輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。こうすることで、基板搬送中における基板の自然乾燥をより効果的に防止することができる。
【0025】
なお、本発明において、用いられる高圧流体としては、安全性、価格、超臨界状態にするのが容易、といった点で、二酸化炭素が好ましい。二酸化炭素以外には、水、アンモニア、亜酸化窒素、エタノール等も使用可能である。高圧流体を用いるのは、拡散係数が高く、溶解した汚染物質を媒体中に分散することができるためであり、その高圧流体を超臨界流体にした場合には、気体と液体の中間の性質を有するようになり、拡散係数は気体に近づき、微細なパターン部分にもよく浸透することができる。また、超臨界流体の密度は、液体に近く、気体に比べて遥かに大量の添加剤(薬剤)を含むことができる。
【0026】
ここで、本発明における高圧流体とは、1MPa以上の圧力の流体である。好ましく用いることのできる高圧流体は、高密度、高溶解性、低粘度、高拡散性の性質が認められる流体であり、さらに好ましいものは超臨界状態または亜臨界状態の流体である。二酸化炭素を超臨界流体とするには31゜C、7.1MPa以上とすればよく、特に乾燥工程には、5〜30MPaの亜臨界(高圧流体)または超臨界流体を用いることが好ましく、7.1〜20MPaでこれらの処理を行うことがより好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる基板処理システムの第1実施形態を示す図である。また図2は、図1の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。さらに図3は、図1の基板処理システムに装備される高圧乾燥ユニットを示す図である。この基板処理システムは、図1に示すように、基板処理部PSと、この基板処理部PSに結合されたインデクサ部IDとを備えている。
【0028】
基板処理部PSでは、ともに同一の湿式処理工程を基板に対して施す複数の現像ユニット(この実施形態では2個の現像ユニット10A、10B)が本発明の請求項1の「湿式処理装置」、請求項5の「基板処理装置」、請求項8の「湿式処理ユニット」として設けられている。すなわち、各現像ユニット10A、10Bは、第一の処理液として現像液を基板Wの表面に供給して現像処理を実行し、さらに第二の処理液としてリンス液を供給してリンス処理した後、さらに乾燥防止液を基板Wの表面に供給することにより基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換する。なお、その構成および動作については後で詳述する。
【0029】
また、処理ユニットとして、湿式処理工程(この実施形態では、現像処理+リンス処理+置換処理)を受けた基板Wに超臨界乾燥処理を施す超臨界乾燥ユニット20が設けられており、これが本発明の「高圧乾燥ユニット」および「高圧乾燥装置」として機能する。なお、その構成および動作については後で詳述する。
【0030】
さらに、これらの処理ユニット10A、10B、20に取り囲まれるように、基板処理部PSの中央に本発明の「搬送ユニット」として機能する主搬送ロボット30が配置されている。
【0031】
この実施形態では、現像ユニット10A、10Bの基本的構成は図2に示すように同一である。すなわち、各現像ユニット10A、10Bでは、基板Wを保持する基板保持部(基板保持手段)102が設けられている。この基板保持部102は、基板Wと同程度の平面サイズを有する基板支持板104と、この基板支持板104の上面に固着された複数の周縁支持ピン106とを備えており、周縁支持ピン106により基板Wの周縁部を支持することで基板Wを略水平状態で保持可能となっている。なお、必要に応じて基板Wの下面中央部を支持する中央支持ピンを基板支持板104の上面から立設してもよい。また、この実施形態では基板Wを機械的に保持しているが、基板保持方式はこれに限定されるものではなく、例えば基板Wの下面を真空吸着して保持してもよい。
【0032】
この基板支持板104は、モータ108の出力回転軸110に連結されており、モータ108の作動に伴って回転する。これによって、基板保持部102に保持されている基板Wは所望タイミングで回転駆動される。
【0033】
また、この装置では、次に説明するようにスリットノズル148から基板Wに供給された現像液の余剰分、吐出ノズル148からリンス処理において使用するリンス液および置換処理において使用する乾燥防止液(置換液)を回収すべく、基板保持部102の周囲に処理カップ112が設けられている。なお、この処理カップ112は昇降可能に構成され、その底部には排液口114(116)や排気口116(114)が設けられている。
【0034】
この基板処理システムでは、上記したようにスリットノズル124から基板Wに現像液を供給するために、現像液供給機構118が本発明の「処理液供給手段」として設けられている。この現像液供給機構118は、現像液供給源120から供給される現像液をバルブ122を介してスリットノズル124に圧送し、基板Wの表面に現像液を広がらせて現像液層を形成する。すなわち、スリットノズル124は基板Wの直径と同等の長さを有する現像液供給口を有しており、その現像液供給口から現像液を静止させた基板W上に滴下させつつ、水平方向移動機構126を使用してスリットノズル124を基板Wと平行に(+X)の向きに移動させ、基板Wの表面全面に現像液を盛るようにしている。なお、現像液供給口の長さは基板Wの直径と同等に限定されず、それ以上の長さを有していてもよい。また、現像液を盛る際には基板Wに与える現像液の衝撃を考慮し、スリットノズル124が基板Wの上方に位置する手前から現像液の滴下を開始し、スリットノズル124を(+X)の向きに移動させている。
【0035】
スリットノズル124の水平方向移動機構126は、モータ128、プーリ130、132およびベルト134で構成されている。モータ128のモータ軸にはプーリ132が連結されており、プーリ130、132にはベルト134が掛けられている。すなわち、モータ128の回転にともなってベルト134が循環回走するように構成されている。また、ベルト134と昇降機構136のサーボモータ138とは係止部材140によって接続されている。したがって、モータ128の正または逆回転にともなって、サーボモータ138がX軸方向に前進または後退し、その結果昇降機構136の上部に設けられているスリットノズル124が(+X)または(−X)の向きに移動することとなる。
【0036】
一方、昇降機構136は、サーボモータ138とカップリング142とボールネジ144とで構成されている。サーボモータ138の回転は、カップリング142を介してボールネジ144に伝達される。ボールネジ144にはスリットノズル124が螺合されている。したがって、サーボモータ138の正または逆回転によってスリットノズル124が鉛直方向に昇降されることになる。なお、カップリング142はサーボモータ138のモータ軸とボールネジ144との軸ずれを吸収してサーボモータ138を保護するための部材である。
【0037】
なお、この現像液供給機構118では、現像液を吐出する現像ノズルとしてスリットノズル124を用いているが、これに限定されるものではなく、これ以外にストレートノズル、SSノズル、SIノズル、MIノズルなどのノズルを用いることができる。また、現像ノズル124をX方向にスキャンさせて現像液を基板Wに供給しているが、現像ノズル124から基板Wに現像液を部分的に供給した後で基板Wを回転させて現像液を基板全面に塗布する機構を本発明の「処理液供給手段」として採用してもよい。
【0038】
また、この実施形態では、リンス液または乾燥防止液(置換液)を選択的に基板Wに供給するためにリンス・乾燥防止液供給機構146が設けられている。このリンス・乾燥防止液供給機構146では、基板保持部102の上方位置にノズル148が設けられており、リンス液または乾燥防止液を選択的に基板Wに向けて吐出可能となっている。そして、上記吐出ノズル148の基端は、同図に示すように、昇降回転機構150に連結されており、昇降回転機構150によって回転中心AX周りで水平揺動および昇降可能となっている。また、吐出ノズル148の後端部はバルブ152を介してリンス液供給源154に接続されるとともに、バルブ156を介して乾燥防止液供給源158に接続されており、バルブ152、156の開閉制御によって吐出ノズル148からリンス液または乾燥防止液を選択的に吐出可能となっている。なお、この実施形態では、リンス・乾燥防止液供給機構146が、本発明の「処理液供給手段」としての機能と、「乾燥防止液供給手段」としての機能とを兼ね備えており、吐出ノズル148はリンス液および乾燥防止液を吐出するためのノズルとして機能しているが、リンス液専用の吐出ノズルと、乾燥防止液専用の吐出ノズルをそれぞれ設けるとともに、昇降回転機構により各吐出ノズルを適宜昇降・回転させるように構成してもよいことは言うまでもない。また、一の昇降回転機構によりリンス液専用の吐出ノズルと、乾燥防止液専用の吐出ノズルとを移動させるように構成してもよい。
【0039】
ここで、乾燥防止液としては現像ユニット10A、10Bから超臨界乾燥ユニット20に搬送している間に基板Wの自然乾燥を防止することができる液体であれば、原則的には如何なる液体を用いてもよいのである。しかしながら、超臨界乾燥ユニット20での超臨界乾燥処理の効率を考慮すると、SCFとの親和性に優れたものを採用するのが望ましい。というのも、SCFに対するリンス液の親和性よりも高い親和性を有する液体を用いることで特許文献1に記載の装置よりも効率良く超臨界乾燥処理を行うことができるからである。これらの点を考慮すると、フロロカーボン系の薬液などを置換液を乾燥防止液として用いることができる。
【0040】
そして、このように構成された現像ユニット10A、10Bでは、バルブ122、152、156を開閉制御することで、基板Wに現像液を供給して所定の現像処理を施し、該現像処理を受けた基板Wにリンス液を供給してリンス処理を施し、さらに該リンス処理を受けた基板Wに乾燥防止液を供給して基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換する。
【0041】
次に、図3を参照しつつ超臨界乾燥ユニット20について詳述する。この超臨界乾燥ユニット20は、同図に示すように、基板Wを圧力容器202の内部、つまり処理チャンバー204で回転自在に保持する。より具体的には、圧力容器202では、その内部が処理チャンバー204となっているとともに、その側面部に基板Wを処理チャンバー204に対して搬入出させるための開口部206が設けられている。
【0042】
また、圧力容器202の近傍には、開口部206を開閉するゲート部208が配置されている。このゲート部208にはゲート駆動部(図示省略)が連結されており、装置全体を制御する制御部からの動作指令に応じてゲート駆動部が作動することでゲート部208が昇降移動される。例えば、ゲート部208を下降させると、開口部206が閉じられて処理チャンバー204内が気密状態となる。一方、ゲート駆動部によりゲート部208を上昇させると、同図に示すように開口部206が開放状態となり、主搬送ロボット30のハンドが同図中の1点鎖線で示す搬送経路に沿って移動して処理チャンバー204に対してアクセス可能となる。そして、乾燥防止液で濡れた状態の基板Wを保持したハンドが処理チャンバー204に移動して処理チャンバー204内に位置するスピンチャック210に載置する(基板Wの搬入)。また、逆にハンドがスピンチャック210上の基板Wを受け取った後、搬送経路に沿って圧力容器202から後退することで基板Wが圧力容器202から搬出される。
【0043】
このスピンチャック210は処理チャンバー204内に配置されており、その上面に設けられた吸着口(図示省略)により基板Wの下面中央部を吸着保持可能となっている。また、スピンチャック210には、モータ212によって回転される回転軸214が連結されており、制御部からの動作指令を受けたモータ212が回転駆動されるのに応じてスピンチャック210およびそれによって保持されている基板Wが一体的に処理チャンバー204内で回転する。なお、スピンチャック210の基板Wの保持は吸着に限られるものではなく、メカ的に保持する構成でもよい。
【0044】
また、この圧力容器202では、同図に示すように、処理チャンバー204に連通する2つの貫通孔216,218が設けられている。これらの貫通孔のうち天井側に設けられた貫通孔216の処理チャンバー204側の端部はスピンチャック210に保持された基板Wの上面中央部を臨むように設けられるとともに、その他端部はバルブ220を介してSCF供給部222にそれぞれ接続されている。このため、制御部からの開閉指令に基づきバルブ220を開くことでSCF供給部222から超臨界二酸化炭素が処理流体として処理チャンバー204に供給されて超臨界乾燥を実行可能となっている。
【0045】
なお、この実施形態では、処理流体として超臨界二酸化炭素のSCFを使用するが、超臨界二酸化炭素と薬剤との混合物を処理流体として処理チャンバー204に導入するようにしてもよく、乾燥処理に適した薬剤として乾燥防止液成分をSCFに溶解もしくは均一分散させる助剤となり得る相溶化剤を用いることが好ましく、乾燥防止液成分をSCFと相溶化させることができれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、いわゆる界面活性剤であるジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシドが好ましいものとして挙げられる。
【0046】
残りの貫通孔218はバルブ224を介してSCF回収部226にそれぞれ接続されており、上記のようにして処理チャンバー204内に導入されるSCFおよび超臨界乾燥処理に伴って発生する汚染物質などを圧力容器202の外に排出回収可能となっている。
【0047】
次に、主搬送ロボット30について図4を参照しつつ説明する。この主搬送ロボット30は、インデクサ部IDとの間で基板Wの受け渡しを行うことができるとともに、処理ユニット10A、10B、20に対してアクセスして基板Wの搬入/搬出を行うことができるように構成されている。
【0048】
インデクサ部IDは、直方体形状の有蓋容器であるポッドPに収容された状態で基板Wが置かれる基板ステーション40と、基板ステーション40に置かれたポッドPに対して基板Wを搬入/搬出することができ、かつ、主搬送ロボット30との間で基板Wの受け渡しを行うことができるインデクサロボット50とを備えている。基板ステーション40では、複数個(この実施形態では3個)のポッドPがY方向に沿って載置可能となっており、各ポッドP内には、複数枚の基板Wを互いに積層して収容することができるカセット(図示省略)が収容されている。また、ポッドPの外側面のうちインデクサロボット50に対向することになる前面には、着脱自在な蓋が設けられており、図示しない脱着機構によって、当該蓋の自動着脱が行われるようになっている。
【0049】
そして、インデクサロボット50は、基板ステーション40に置かれたポッドPの配置方向、すなわちY方向に沿って、走行可能となっており、任意のポッドPの前方に移動したり、主搬送ロボット30との間で基板Wを受け渡すための受け渡し部60の前へと移動する。
【0050】
図4は、インデクサロボット50と主搬送ロボット30との間での基板Wの受け渡しの様子を示す拡大平面図である。主搬送ロボット30は、基板Wを保持するための一対のハンド302,304と、これらの一対のハンド302,304を、基台部306に対して互いに独立に進退させるための進退駆動機構308,310と、基台部306を鉛直軸線(図4の紙面に垂直な軸線)回りに回転駆動するための回転駆動機構(図示省略)と、基台部306を鉛直方向に昇降させるための昇降駆動機構(図示省略)とを備えている。進退駆動機構308,310は、多関節アーム型のものであり、ハンド302,304の姿勢を保持しつつ、それらを水平方向に進退させる。一方のハンド302は、他方のハンド304よりも上方において進退するようになっており、ハンド302,304の両方が基台部306の上方に退避させられた初期状態では、これらのハンド302,304は上下に重なり合う。
【0051】
一方、インデクサロボット50は、基板Wを保持するための一対のハンド502,504と、これらの一対のハンド502,504を基台部506に対して互いに独立に進退させるための進退駆動機構508,510と、基台部506を鉛直軸線回りに回転させるための回転駆動機構(図示省略)と、基台部506を昇降させるための昇降駆動機構(図示省略)と、インデクサロボット50全体をY方向(図4参照)に沿って水平移動させるための水平駆動機構とを備えている。進退駆動機構508,510は、多関節アーム型の駆動機構であって、ハンド502,504を、それらの姿勢を保持した状態で、水平方向に沿って進退させる。一方のハンド502は、他方のハンド504の上方に位置していて、ハンド502,504が基台部506の上方に退避した初期状態では、ハンド502,504は上下に重なり合っている。
【0052】
インデクサロボット50のハンド502,504および主搬送ロボット30のハンド302,304は、いずれもフォーク形状に形成されている。インデクサロボットのハンド502,504はほぼ同形状であり、また、主搬送ロボット30のハンド302,304はほぼ同形状である。インデクサロボット50のハンド502,504と主搬送ロボット30のハンド302,304とは、平面視においてほぼ噛み合う形状を有していて、ハンド502,302間またはハンド504,304間で、基板Wを直接受け渡すことができる。すなわち、受け渡し部60において、インデクサロボット50のハンド502は、主搬送ロボット30のハンド302から基板Wを直接受け取ることができる。同様に、インデクサロボット50のハンド504は、受け渡し部60において、主搬送ロボット30のハンド304に、基板Wを直接受け渡すことができる。
【0053】
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について図5を参照しつつ詳述する。図5は、図1の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、動作理解を助けるために1枚の基板Wに着目して装置各部の動作について説明する。
【0054】
基板ステーション40に置かれたポッドPに収容されている未処理基板Wは、インデクサロボット50により搬出された(ステップS1)後、さらに受け渡し部60において主搬送ロボット30に直接受け渡される。こうして、未処理基板Wが基板処理部PSにローディングされる。そして、この未処理基板Wを受け取った主搬送ロボット30は、現像ユニット10A、10Bのうちいずれか一方の現像ユニットの前まで移動し、当該現像ユニットに基板Wを搬入する(ステップS2)。そして、各現像ユニット10A、10Bで基板Wに対して現像処理、リンス処理および置換処理がこの順序で行われた(ステップS3〜S5)後、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される(ステップS6)。すなわち、共通乾燥防止液で濡れた基板Wをハンド302(または304)で保持し、現像ユニットから搬出する。そして、その濡れた状態のまま該ハンド302(または304)を処理チャンバー204に移動してスピンチャック210に載置した(基板Wの搬入)後、空となったハンド302(または304)を搬送経路に沿って搬入時とは逆向きに移動させてロボット本体(図示省略)まで戻す。なお、この間、ゲート部208は上昇しており、開口部206は開放状態にある。
【0055】
こうして、基板Wのウェット搬送が完了すると、ゲート駆動部が作動してゲート部208を下降させ、これによって開口部206が閉じられて処理チャンバー204が気密状態となる。そして、処理チャンバー204へのSCF導入およびSCF回収を実行して高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)を実行する(ステップS7)。ここでは、処理チャンバー204内の圧力を徐々に高めていくとともに、モータ212を作動させてスピンチャック210およびそれによって保持されている基板Wを比較的低い回転数で回転させる。このように基板Wを回転させることで基板Wの一部だけが乾燥するのを防止して乾燥処理の均一化を図っている。また、SCF供給部222からSCFを処理チャンバー204に供給しながら、SCF回収部226に回収して処理チャンバー204内の圧力および温度を所定値に維持した後、SCFの導入を停止するとともに、処理チャンバー204からSCFをSCF回収部226に回収することにより処理チャンバー204内を減圧して基板Wを乾燥させている。なお、SCFを処理チャンバー204に封じ込めた後、上記のようにSCFの導入を停止するとともに、処理チャンバー204内のSCFをSCF回収部226に回収して超臨界乾燥を行うようにしてもよい。
【0056】
こうして現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理が完了すると、スピンチャック210の回転を停止するとともに、処理チャンバー204を大気圧まで減圧した後、ゲート部208を上昇させて基板Wの搬出が可能な状態にして主搬送ロボット30に対して基板の搬送指令を与える。すると、この搬送指令を受けた主搬送ロボット30がスピンチャック210から基板Wを受取り、超臨界乾燥ユニット20から処理済みの基板Wを搬出する。そして、ローディング時とは逆の手順、つまりアンローディング動作を実行して処理済みの基板Wを基板ステーション40に置かれたポッドPに収容する(ステップS8)。
【0057】
以上のように、この実施形態によれば、現像処理については現像ユニット10A、10Bで実行する一方、高圧乾燥処理については超臨界乾燥ユニット20で専門的に実行しているため、現像処理において使用可能な現像液の種類に制約を課すことなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。
【0058】
また、上記では1枚の基板Wに着目した装置各部の動作について説明したが、実際の基板処理システムでは、複数枚の基板Wは同時に並行処理される。つまり、ある基板Wが現像ユニット(10Aまた10B)において湿式処理(ステップS3〜S5)を受けている間に、別の基板Wが超臨界乾燥ユニット20において高圧乾燥処理(ステップS7)を受けている。したがって、この実施形態では、湿式処理と、高圧乾燥処理とが並行して行われており、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。
【0059】
さらに、現像ユニット10A、10B内で現像処理およびリンス処理を受けた基板Wに対して乾燥防止液を供給して基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板Wを現像ユニット10A、10Bから超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送しているので、基板Wの搬送中に基板Wが自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板Wにダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0060】
図6は、この発明にかかる基板処理システムの第2実施形態を示す図である。また図7は、図6の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。さらに図8は、図6の基板処理システムに装備される置換ユニットを示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、第1実施形態における現像ユニット10A、10Bでは現像処理、リンス処理および置換処理を同一装置内で実行しているのに対し、第2実施形態では現像装置およびリンス処理については現像ユニット10Cで実行する一方、置換処理については専用の置換ユニット70により行っている点である。また、主搬送ロボット30は基板Wを現像ユニット10Cから置換ユニット70を経由して超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送している。なお、その他の構成は基本的に第1実施形態と同様である。したがって、以下においては、同一構成については同一符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0061】
この現像ユニット10Cは、乾燥防止液を基板Wに供給する乾燥防止液供給手段に相当する構成を有していない点で第1実施形態の現像ユニット10A、10Bと相違するのみで、その他の構成は全く同一である。そして、この基板処理装置10Cでは、基板保持部102で基板Wを保持した状態で現像液供給源120から供給される現像液をバルブ122を介してスリットノズル124に圧送し、基板Wの表面に現像液を広がらせて現像液層を形成して現像処理を実行する。また、現像処理後に、吐出ノズル148からリンス液を吐出させてリンス処理を行う。このように、現像ユニット10Cは、本発明の請求項2の「湿式処理装置」、請求項8の「湿式処理ユニット」として機能する。なお、現像ユニット10Cのその他の構成および動作は、第1実施形態の現像ユニット10A、10Bと同一であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。また、現像ユニット10Cとしては、従来より周知の現像装置、つまり基板に現像液を供給して現像処理を実行した後、該基板にリンス液を供給してリンス処理を行う現像装置全般を用いることができる。
【0062】
置換ユニット70では、図8に示すように、基板Wを保持する基板保持部(基板保持手段)102が設けられている。この基板保持部102は現像ユニット10A〜10Cと同一構成を有しており、基板支持板104の上面に固着された複数の周縁支持ピン106により基板Wの周縁部を支持することで基板Wを略水平状態で保持可能となっている。なお、基板保持方式はこれに限定されるものではなく、任意であり、必要に応じて基板Wの下面中央部を支持する中央支持ピンを基板支持板104の上面から立設して支持してもよいし、また、例えば基板Wの下面を真空吸着して保持してもよい。
【0063】
また、乾燥防止液(置換液)を基板Wに供給するために乾燥防止液供給機構(乾燥防止液供給手段)160が設けられている。この乾燥防止液供給機構160では、基板保持部102の上方位置にノズル148が設けられており、乾燥防止液を基板Wに向けて吐出可能となっている。そして、上記吐出ノズル148の基端は、同図に示すように、昇降回転機構150に連結されており、昇降回転機構150によって回転中心AX周りで水平揺動および昇降可能となっている。また、吐出ノズル148の後端部はバルブ156を介して乾燥防止液供給源158に接続されており、バルブ156の開閉制御によって吐出ノズル148から乾燥防止液を吐出可能となっている。
【0064】
そして、この基板処理装置10Cでは、リンス液で濡れた基板Wを基板保持部102で保持した状態で吐出ノズル148から乾燥防止液(置換液)を供給することで基板Wに付着するリンス液を乾燥防止液に置換することができる。なお、この第2実施形態においても、 乾燥防止液として第1実施形態と同様の液体を用いることができる。
【0065】
次に、上記のように構成された基板処理システムの動作について図9を参照しつつ詳述する。図9は、図6の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、動作理解を助けるために1枚の基板Wに着目して装置各部の動作について説明する。
【0066】
基板ステーション40に置かれたポッドPに収容されている未処理基板Wは、インデクサロボット50により搬出された(ステップS11)後、さらに受け渡し部60において主搬送ロボット30に直接受け渡される。こうして、未処理基板Wが基板処理部PSにローディングされる。そして、この未処理基板Wを受け取った主搬送ロボット30は、現像ユニット10Cの前まで移動し、当該現像ユニット10Cに基板Wを搬入する(ステップS12)。そして、現像ユニット10Cで基板Wに対して現像処理およびリンス処理がこの順序で行われた(ステップS13、S14)後、該基板Wがリンス液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により置換ユニット70にウェット搬送される(ステップS15;第1搬送工程)。これに続いて、置換ユニット70により置換処理が実行される(ステップS16)。すなわち、リンス液で濡れた基板Wに乾燥防止液(置換液)を供給して該乾燥防止液に置換する。
【0067】
この置換処理が完了すると、該基板Wが乾燥防止液で濡れた状態のまま主搬送ロボット30により超臨界乾燥ユニット20にウエット搬送される(ステップS17;第2搬送工程)。そして、第1実施形態と同様にして、超臨界乾燥ユニット20が高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)を実行して基板Wを高圧乾燥させる(ステップS18)。その後、主搬送ロボット30がスピンチャック210から基板Wを受取り、超臨界乾燥ユニット20から処理済みの基板Wを搬出する。そして、ローディング時とは逆の手順、つまりアンローディング動作を実行して処理済みの基板Wを基板ステーション40に置かれたポッドPに収容する(ステップS19)。
【0068】
以上のように、この実施形態によれば、現像処理については現像ユニット10Cで実行する一方、高圧乾燥処理については超臨界乾燥ユニット20で専門的に実行しているため、第1実施形態と同様に、現像液の種類に制約を設けることなく、しかも超臨界乾燥ユニット20の圧力容器202内の腐食等の問題を発生させることなく、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を良好に行うことができる。また、現像ユニット10Cでの現像処理と、置換ユニット70での置換処理と、超臨界乾燥ユニット20での高圧乾燥処理とが並行して行われており、現像処理から高圧乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。さらに、現像処理およびリンス処理が施された基板Wについては、リンス液で濡れた状態のまま置換ユニット70にウェット搬送し、その置換ユニット70内で基板Wに付着しているリンス液を乾燥防止液に置換した上で、この乾燥防止液で濡れた状態のまま基板を超臨界乾燥ユニット20にウェット搬送しているので、基板Wの搬送中において基板Wが自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板Wにダメージを与えることなく良好に処理することができる。
【0069】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、超臨界乾燥ユニット20を1台のみ基板処理システムに組み込んでいるが、本発明の適用対象は上記実施形態に限定されるのではなく、複数の超臨界乾燥ユニットを組み込んだ基板処理システムに対して適用可能である。この場合、主搬送ロボット30を複数の超臨界乾燥ユニットに対してアクセス可能に構成し、複数の現像ユニットの各々から現像処理済の基板を搬出し、複数の超臨界乾燥ユニットのうちの一に選択的に搬送するように制御することができ、かかる構成および制御を採用することで基板処理システム全体のスループットを向上させることができる。
【0070】
また、基板処理ユニットにおける現像ユニットや置換ユニットの設置台数についても、上記超臨界乾燥ユニットと同様に任意である。
【0071】
また上記実施形態では、本発明の湿式処理として現像処理を実行しているが、これ以外の湿式処理、例えばエッチング処理や洗浄処理などを実行する場合にも、本発明を適用することができる。
【0072】
また上記実施形態では、高圧乾燥処理(超臨界乾燥処理)中に基板Wを低速回転させているが、基板Wを静止させた状態で高圧乾燥処理を実行するようにしてもよい。また、高圧乾燥処理ではSCF供給部222からSCFを処理チャンバー204に供給しているが、液体二酸化炭素を圧力容器202内に導入し、その圧力容器202の内部温度を上昇させて二酸化炭素を超臨界状態とするようにしてもよい。
【0073】
また上記実施形態では、本発明の「搬送ユニット」としてスカラ型搬送ロボットからなる移動式(走行式)の主搬送ロボット30を用いているが、搬送ユニットの構成はこれに限定されるものではなく、例えば定置式の搬送ロボットを用いることができ、基板搬送を行う搬送ユニット全般を適用することができる。また、搬送ユニットにおけるハンド数や配置などについても任意である。
【0074】
また上記第1実施形態では、現像ユニット10A、10Bから置換処理後の基板Wをそのまま超臨界乾燥ユニット20に搬送している。また第2実施形態では現像ユニット10Cからリンス処理後の基板Wをそのまま置換ユニット70にウェット搬送し、さらに置換ユニット70から置換処理後の基板Wをそのまま超臨界乾燥ユニット20に搬送している。すなわち、処理ユニット間での基板搬送については、基板Wに乾燥防止液やリンス液を盛った状態でウェット搬送しているが、基板Wを輸送用容器に収容した状態でウェット搬送するようにしてもよい。この場合、乾燥防止液と同一成分の液体を輸送用容器内に貯留した状態で基板Wを収容し、超臨界乾燥ユニット20に搬送するようにするのが望ましい。こうすることで、超臨界乾燥ユニット20に基板Wを搬送する間に基板が自然乾燥されるのをより効果的に防止することができる。
【0075】
さらに上記実施形態では湿式処理から高圧乾燥処理までのいずれの処理においても基板Wを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉方式であるが、これらの処理全部あるいは一部を複数枚の基板を一括して処理する、いわゆるバッチ方式を採用してもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、湿式処理については湿式処理装置や湿式処理ユニットで実行する一方、高圧乾燥処理については高圧乾燥装置や高圧乾燥ユニットで専門的に実行しているため、湿式処理工程において使用可能な処理液の種類に制約を設ける必要がなく、汎用性に優れている。また、圧力容器内の腐食等の問題を発生させることなく、乾燥処理を良好に行うことができる。また、湿式処理工程と乾燥工程と(また、これらに加えて置換工程)を並行して行うことが可能となっている。このため、湿式処理から乾燥処理までの一連の処理を短時間で行うことができ、効率的な基板処理を行うことができる。さらに、乾燥防止液(またリンス液)で濡れた状態のまま基板を湿式処理装置から高圧乾燥装置にウェット搬送しているので、基板の搬送中に基板が自然乾燥してしまうのを効果的に防止することができ、基板を良好に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる基板処理システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。
【図3】図1の基板処理システムに装備される高圧乾燥ユニットを示す図である。
【図4】インデクサロボットと主搬送ロボットとの間での基板Wの受け渡しの様子を示す拡大平面図である。
【図5】図1の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明にかかる基板処理システムの第2実施形態を示す図である。
【図7】図6の基板処理システムに装備される現像ユニットを示す図である。
【図8】図6の基板処理システムに装備される置換ユニットを示す図である。
【図9】図6の基板処理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10A〜10C…現像ユニット
20…超臨界乾燥ユニット
30…主搬送ロボット(搬送ユニット)
70…置換ユニット
118…現像液供給機構
146…リンス・乾燥防止液供給機構
W…基板
Claims (11)
- 湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施し、さらに該湿式処理を受けた前記基板に乾燥防止液を供給して前記基板に付着する前記処理液を前記乾燥防止液に置換する湿式処理工程と、
前記湿式処理工程後の前記基板を前記乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する搬送工程と、
前記高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて前記搬送工程により搬送されてきた前記基板を高圧乾燥させる乾燥工程と
を備えたことを特徴とする基板処理方法。 - 湿式処理装置内で、基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理工程と、
前記湿式処理工程後の前記基板を前記処理液で濡れた状態のまま置換装置に搬送する第1搬送工程と、
前記置換装置内で、前記搬送工程により搬送されてきた前記基板に乾燥防止液を供給して前記基板に付着する前記処理液を前記乾燥防止液に置換する置換工程と、
前記置換工程後の前記基板を前記乾燥防止液で濡れた状態のまま高圧乾燥装置に搬送する第2搬送工程と、
前記高圧乾燥装置内で、高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて前記第2搬送工程により搬送されてきた前記基板を高圧乾燥させる乾燥工程と
を備えたことを特徴とする基板処理方法。 - 前記乾燥防止液として、前記高圧流体との親和性が前記処理液よりも高い置換液を用いる請求項1または2記載の基板処理方法。
- 前記装置間での基板搬送が前記基板を輸送用容器に収容した状態でウェット搬送される請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。
- 基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す処理液供給手段と、
前記湿式処理が施された前記基板に乾燥防止液を供給して前記基板に付着する前記処理液を前記乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 処理液で濡れた基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に乾燥防止液を供給して前記基板に付着する前記処理液を前記乾燥防止液に置換する乾燥防止液供給手段と
を備えたことを特徴とする基板処理装置。 - 前記乾燥防止液供給手段は、前記高圧流体との親和性が前記処理液よりも高い置換液を前記乾燥防止液として供給する請求項5または6記載の基板処理装置。
- 請求項5記載の基板処理装置と同一構成を有する湿式処理ユニットと、
高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて前記基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、
前記乾燥防止液で濡れた状態のまま前記基板を前記湿式処理ユニットから前記高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットと
を備えたことを特徴とする基板処理システム。 - 基板に処理液を供給して所定の湿式処理を施す湿式処理ユニットと、
請求項6記載の基板処理装置と同一構成を有する置換ユニットと、
高圧流体あるいは高圧流体と薬剤との混合物を処理流体として用いて前記置換ユニットから搬送されてくる基板を高圧乾燥させる高圧乾燥ユニットと、
前記処理液で濡れた状態のまま前記基板を前記湿式処理ユニットから前記置換ユニットに搬送し、また前記乾燥防止液で濡れた状態のまま前記基板を前記置換ユニットから前記高圧乾燥ユニットに搬送する搬送ユニットと
を備えたことを特徴とする基板処理システム。 - 前記乾燥防止液として、前記高圧流体との親和性が前記処理液よりも高い置換液を用いる請求項8または9記載の基板処理システム。
- 前記搬送ユニットは、前記基板を輸送用容器に収容した状態で前記ユニット間をウェット搬送する請求項8ないし10のいずれかに記載の基板処理システム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002334115A JP2004172231A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム |
US10/700,020 US7384484B2 (en) | 2002-11-18 | 2003-11-03 | Substrate processing method, substrate processing apparatus and substrate processing system |
CNB2003101038845A CN100418185C (zh) | 2002-11-18 | 2003-11-18 | 基板处理方法、基板处理装置和基板处理*** |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002334115A JP2004172231A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004172231A true JP2004172231A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32698651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002334115A Pending JP2004172231A (ja) | 2002-11-18 | 2002-11-18 | 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004172231A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI406351B (zh) * | 2008-11-05 | 2013-08-21 | Tokyo Electron Ltd | Cleaning equipment, cleaning methods and memory media |
JPWO2012133583A1 (ja) * | 2011-03-30 | 2014-07-28 | 大日本印刷株式会社 | 超臨界乾燥装置及び超臨界乾燥方法 |
KR20200030653A (ko) * | 2018-09-12 | 2020-03-23 | 세메스 주식회사 | 기판 처리 장치 |
-
2002
- 2002-11-18 JP JP2002334115A patent/JP2004172231A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI406351B (zh) * | 2008-11-05 | 2013-08-21 | Tokyo Electron Ltd | Cleaning equipment, cleaning methods and memory media |
JPWO2012133583A1 (ja) * | 2011-03-30 | 2014-07-28 | 大日本印刷株式会社 | 超臨界乾燥装置及び超臨界乾燥方法 |
JP6048400B2 (ja) * | 2011-03-30 | 2016-12-21 | 大日本印刷株式会社 | 超臨界乾燥装置及び超臨界乾燥方法 |
KR20200030653A (ko) * | 2018-09-12 | 2020-03-23 | 세메스 주식회사 | 기판 처리 장치 |
KR102225957B1 (ko) | 2018-09-12 | 2021-03-11 | 세메스 주식회사 | 기판 처리 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7511728B2 (ja) | 基板処理システム、及び基板処理方法 | |
JP3939178B2 (ja) | 高圧乾燥装置、高圧乾燥方法および基板処理装置 | |
US20080142051A1 (en) | Recovery cup cleaning method and substrate treatment apparatus | |
JP7504269B2 (ja) | 基板処理システム、及び基板処理方法 | |
TWI441246B (zh) | 基板處理裝置 | |
US7384484B2 (en) | Substrate processing method, substrate processing apparatus and substrate processing system | |
JP2009071235A (ja) | 基板処理装置 | |
TWI753789B (zh) | 基板處理方法及基板處理裝置 | |
US20220172966A1 (en) | Apparatus for treating substrate | |
JP4358486B2 (ja) | 高圧処理装置および高圧処理方法 | |
US11469117B2 (en) | Substrate processing apparatus, and substrate processing method | |
JP4187540B2 (ja) | 基板処理方法 | |
JP2003092244A (ja) | 基板処理装置 | |
JP4000052B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP2003197718A (ja) | 基板処理装置及び基板処理方法 | |
JP2004172231A (ja) | 基板処理方法、基板処理装置および基板処理システム | |
JP2003109897A (ja) | 現像処理方法および現像処理装置 | |
JP2007234813A (ja) | 基板処理方法および基板処理装置 | |
JP2003282408A (ja) | 高圧基板処理装置 | |
JP2000049215A (ja) | 処理システム | |
JP3836040B2 (ja) | 高圧基板処理装置 | |
JP2008034612A (ja) | 基板処理装置および基板処理方法 | |
KR102357841B1 (ko) | 기판 이송 장치 | |
JPH11253894A (ja) | 基板処理装置 | |
JP4050180B2 (ja) | 基板処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070821 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |