JP2004170246A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】コネクタがハウジングに一体化された温度センサであって、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用可能で、かつ、コネクタの成形性および耐振性に優れる温度センサを提供することを目的とする。
【解決手段】素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)を、液晶ポリマーにて形成する。液晶ポリマーは耐熱性が高いため、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。また、液晶ポリマーは成形性に優れているため、コネクタが高い寸法精度で形成されることによって、コネクタと相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。コネクタのガタが小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)を、液晶ポリマーにて形成する。液晶ポリマーは耐熱性が高いため、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。また、液晶ポリマーは成形性に優れているため、コネクタが高い寸法精度で形成されることによって、コネクタと相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。コネクタのガタが小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、温度を検出する温度センサに関するもので、例えば自動車の排気ガス等の温度を検出する温度センサとして好適である。
【0001】
【従来の技術】
温度に応じた電気信号を出力する感温素子を用いて自動車の排気ガスの温度を検出する温度センサは、例えば、特許文献1に示されている。
【0002】
このような自動車用温度センサは、被検温体の温度やセンサ取り付け部の雰囲気温度によって構成が異なっており、比較的低温(100℃以下)の被検温体(例えば、吸気温)の温度を測定する温度センサでは、ステンレス等の金属製ハウジングに、ナイロン等の樹脂製コネクタを一体化させた構造としている。
【0003】
一方、高温の排気ガス(600〜900℃)を測定する温度センサでは、樹脂の耐熱性の観点から、ハウジングとコネクタは一体化していない。すなわち、ハーネスによりコネクタを金属製ハウジングから離れた位置に配置することにより、ナイロンまたはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂製コネクタの使用を可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−221451号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車に搭載される温度センサは小型・軽量であることが求められる。そこで、小型・軽量化のために、通常は金属で形成されるハウジングを樹脂にすることが考えられる。しかし、通常の樹脂ハウジングでは、雰囲気温度が130℃程度までが限界である。
【0006】
また、自動車に搭載される温度センサのコネクタは、相手側コネクタとの嵌め合いを確実にする必要があるため高い成形精度が要求されるとともに、振動により割れなどが生じないように耐振性に優れることが要求される。
【0007】
さらに、高温用の温度センサにおいても、自動車への搭載性や装着性の面からは、コネクタがハウジングに一体化されている方が望ましい。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、コネクタがハウジングに一体化された温度センサであって、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用可能で、かつ、コネクタの成形性および耐振性に優れる温度センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が、液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0010】
これによると、液晶ポリマーはナイロン等の通常の樹脂よりも耐熱性が高いため、コネクタがハウジングに一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。
【0011】
また、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも成形性に優れているため、高い寸法精度が得られる。そして、コネクタが高い寸法精度で形成されることによって、コネクタと相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。それとともに、センサ取り付け用のねじがハウジングに形成されていたり、被取り付け部にハウジングのシール面を圧着して気密性を確保するようになっている場合、ハウジングが高い寸法精度で形成されることによって、温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタを小さくすることができるとともに、気密性を高めることができる。
【0012】
さらに、上記のようにコネクタと相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタ、および温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタがともに小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0013】
さらにまた、液晶ポリマーは金属よりも熱伝導率が低いため、感温素子近傍から被取り付け部への熱引けが小さくなり、センサの応答性が向上する。
【0014】
さらにまた、ハウジングおよびコネクタが同一材質であるため、それらの一体成形が可能である。そして、それらを一体成形した場合、従来、金属製ハウジングと樹脂製コネクタとの接合部にて発生していた気密不良の問題を解消することができる。
【0015】
このように、本発明の温度センサは、自動車に搭載される温度センサに対する種々の要求を多く満足するものであり、自動車用に特に好適である。
【0016】
請求項2に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)が金属にて形成され、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0017】
これによると、請求項1と同様の効果が得られる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80A)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)およびハウジング(80A)が金属にて形成され、コネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80A)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0019】
これによると、コネクタがハウジングに一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。また、コネクタと相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。さらに、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0020】
請求項4に記載の発明では、素子カバー(20)、ハウジング(80A)、およびコネクタ(91)の接合部のうち、金属にて形成された部材と液晶ポリマーにて形成された部材との接合部に、互いに係合する係合部(100)を備えることを特徴とする。
【0021】
これによると、係合部の係合によって、金属にて形成された部材と液晶ポリマーにて形成された部材との結合状態が維持され、両部材の抜けを防止することができる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は本発明に係る温度センサの全体構成を示す断面図、図2は図1の感温部やターミナルの外観図である。この温度センサは、自動車用内燃機関から排出される排気ガスの温度検出に用いられる。
【0024】
図1、図2において、温度センサは、排気ガス中での使用に耐えうる高温用のサーミスタ素子10を備えている。このサーミスタ素子10は、セラミックやシリコン半導体により構成されて温度に応じて抵抗値が変化するものであり、換言すると、温度に応じた電気信号を出力するものであり、本発明の感温素子に相当する。その他、感温素子としては、白金等を用いた測温抵抗体素子や熱電対と呼ばれる素子でもよいことは言うまでもない。
【0025】
サーミスタ素子10は、一端側が開口し他端側が閉塞された有底円筒状の第1管20に挿入(収納)されており、第1管20は、円筒状の第2管30に挿入されている。この第1管20および第2管30は、SUS304、SUS303、SUS310等のステンレスよりなる。第1管20は、本発明の素子カバーに相当する。
【0026】
白金線よりなる一対の電極線(図示せず)がサーミスタ素子10から延びており、被覆チューブにより覆われた一対のリード線40が各電極線の端部に溶接等により電気的に接続されている。
【0027】
そして、サーミスタ素子10が第1管20に挿入され、電極線およびリード線40が接続された後、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂よりなる断面コの字状の箱50に、第1管20の開口端部側が挿入されると共に電極線およびリード線40が挿入され、次いで、箱50の内部にエポキシ樹脂が充填される。なお、60はエポキシ樹脂が充填された樹脂充填層である。
【0028】
その後、箱50の外部に取り出された各リード線40の端部に金属製の一対のターミナル70が溶接等により電気的に接続される。これにより、サーミスタ素子10とターミナル70とが電極線およびリード線40により電気的に接続されるとともに、サーミスタ素子10、第1管20、第2管30、電極線、リード線40およびターミナル70が、図2に示すように一体化される。この一体化されたものが、液晶ポリマーにて段付き円筒状に形成されたハウジング80内に挿入され、この際第1管20の底部側はハウジング80から突出して配置され、次いで、液晶ポリマーがハウジング80内に射出成形されて図1に示す温度センサが完成する。
【0029】
90は射出成形により形成された樹脂モールド部であり、この樹脂モールド部90は、ハウジング80から突出した部分にコネクタ91が一体に形成されており、コネクタ91によりターミナル70の一端が絶縁保持されるとともに、コネクタ91の開口端部側の空間にターミナル70の他端が突出している。そして、電子制御装置(ECU)等に接続された相手側コネクタ(図示せず)を温度センサのコネクタ91に嵌め合わせることにより、相手側コネクタのターミナル(図示せず)と温度センサのターミナル70とが電気的に接続される。
【0030】
ハウジング80の外周面にはおねじ部81および六角部82が形成されており、おねじ部81を利用して温度センサが図示しない自動車用内燃機関の排気管に装着されるようになっている。また、六角部82の端面(シール面)83を被取り付け部(排気管)に圧着して気密性を確保するようになっている。そして、第1管20の底部側が排気管内に臨むようにして温度センサが装着され、これにより、排気ガスの温度に応じてサーミスタ素子10の抵抗値が変化して、排気ガスの温度を検出するようになっている。
【0031】
なお、ハウジング80および樹脂モールド部90を形成する液晶ポリマーは、全芳香族ポリエステルを使用することができ、具体的には、スミカスーパーLCP(住友化学工業株式会社製、登録商標)を使用することができる。
【0032】
本実施形態によると、液晶ポリマーの耐熱温度は300℃程度で、ナイロン等の通常の樹脂よりも耐熱性が高いため、コネクタ91がハウジング80に一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。そして、コネクタ91がハウジング80に一体化されているため、自動車への搭載性や装着性に優れている。
【0033】
また、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも成形性に優れているため、高い寸法精度が得られる。そして、コネクタ91が高い寸法精度で形成されることによって、コネクタ91と相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。それとともに、ハウジング80が高い寸法精度で形成されることによって、温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタを小さくすることができるとともに、気密性を高めることができる。
【0034】
さらに、上記のようにコネクタ91と相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタ、および温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタがともに小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0035】
さらにまた、液晶ポリマーは金属よりも熱伝導率が低いため、サーミスタ素子10近傍から被取り付け部への熱引けが小さくなり、センサの応答性が向上する。
【0036】
なお、本実施形態では、予め成形されたハウジング80内に液晶ポリマーを射出して樹脂モールド部90を成形したが、ハウジング80および樹脂モールド部90は同一材質であるため、それらを一体成形してもよい。それらを一体成形した場合、従来、金属製ハウジングと樹脂製コネクタとの接合部にて発生していた気密不良の問題を解消することができる。
【0037】
(第2実施形態)
上記実施形態では、ハウジング80および樹脂モールド部90を液晶ポリマーにて形成したが、被取り付け部の温度が液晶ポリマーの耐熱温度を超えるような場合には、図3に示すように、ハウジング80Aを金属製(例えば、SUS316等のステンレス)とし、樹脂モールド部90を液晶ポリマーにて形成してもよい。
【0038】
この際、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との接合部に、係合部100を設けるのが望ましい。係合部100は、ハウジング80Aに形成された凸部84と、樹脂モールド部90における凸部84周辺の部位とによって構成される。そして、係合部100の係合によって、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との結合状態が維持され、ハウジング80Aと樹脂モールド部90の抜けを防止することができる。
【0039】
なお、凸部84は、周方向全域にわたって連続して形成されたものでもよいし、周方向の一部に形成されたものでもよい。
【0040】
また、凸部84の代わりに、ハウジング80Aに凹部を形成しても、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との結合状態が維持され、ハウジング80Aと樹脂モールド部90の抜けを防止することができる。
【0041】
(他の実施形態)
上記実施形態では、第1管20および第2管30を金属製としたが、第1管20および第2管30を、ハウジング80および樹脂モールド部90とともに液晶ポリマーにて形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度センサの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の温度センサの要部の外観図である。
【図3】第3実施形態になる温度センサを示す断面図である。
【符号の説明】
10…サーミスタ素子(感温素子)、20…管(素子カバー)、
40…リード線、70…ターミナル、80…ハウジング、91…コネクタ。
【0001】
【従来の技術】
温度に応じた電気信号を出力する感温素子を用いて自動車の排気ガスの温度を検出する温度センサは、例えば、特許文献1に示されている。
【0002】
このような自動車用温度センサは、被検温体の温度やセンサ取り付け部の雰囲気温度によって構成が異なっており、比較的低温(100℃以下)の被検温体(例えば、吸気温)の温度を測定する温度センサでは、ステンレス等の金属製ハウジングに、ナイロン等の樹脂製コネクタを一体化させた構造としている。
【0003】
一方、高温の排気ガス(600〜900℃)を測定する温度センサでは、樹脂の耐熱性の観点から、ハウジングとコネクタは一体化していない。すなわち、ハーネスによりコネクタを金属製ハウジングから離れた位置に配置することにより、ナイロンまたはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂製コネクタの使用を可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−221451号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車に搭載される温度センサは小型・軽量であることが求められる。そこで、小型・軽量化のために、通常は金属で形成されるハウジングを樹脂にすることが考えられる。しかし、通常の樹脂ハウジングでは、雰囲気温度が130℃程度までが限界である。
【0006】
また、自動車に搭載される温度センサのコネクタは、相手側コネクタとの嵌め合いを確実にする必要があるため高い成形精度が要求されるとともに、振動により割れなどが生じないように耐振性に優れることが要求される。
【0007】
さらに、高温用の温度センサにおいても、自動車への搭載性や装着性の面からは、コネクタがハウジングに一体化されている方が望ましい。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、コネクタがハウジングに一体化された温度センサであって、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用可能で、かつ、コネクタの成形性および耐振性に優れる温度センサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が、液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0010】
これによると、液晶ポリマーはナイロン等の通常の樹脂よりも耐熱性が高いため、コネクタがハウジングに一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。
【0011】
また、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも成形性に優れているため、高い寸法精度が得られる。そして、コネクタが高い寸法精度で形成されることによって、コネクタと相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。それとともに、センサ取り付け用のねじがハウジングに形成されていたり、被取り付け部にハウジングのシール面を圧着して気密性を確保するようになっている場合、ハウジングが高い寸法精度で形成されることによって、温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタを小さくすることができるとともに、気密性を高めることができる。
【0012】
さらに、上記のようにコネクタと相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタ、および温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタがともに小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0013】
さらにまた、液晶ポリマーは金属よりも熱伝導率が低いため、感温素子近傍から被取り付け部への熱引けが小さくなり、センサの応答性が向上する。
【0014】
さらにまた、ハウジングおよびコネクタが同一材質であるため、それらの一体成形が可能である。そして、それらを一体成形した場合、従来、金属製ハウジングと樹脂製コネクタとの接合部にて発生していた気密不良の問題を解消することができる。
【0015】
このように、本発明の温度センサは、自動車に搭載される温度センサに対する種々の要求を多く満足するものであり、自動車用に特に好適である。
【0016】
請求項2に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)が金属にて形成され、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0017】
これによると、請求項1と同様の効果が得られる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、リード線(40)を収納するハウジング(80A)と、ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、素子カバー(20)およびハウジング(80A)が金属にて形成され、コネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、素子カバー(20)、ハウジング(80A)およびコネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする。
【0019】
これによると、コネクタがハウジングに一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。また、コネクタと相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。さらに、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0020】
請求項4に記載の発明では、素子カバー(20)、ハウジング(80A)、およびコネクタ(91)の接合部のうち、金属にて形成された部材と液晶ポリマーにて形成された部材との接合部に、互いに係合する係合部(100)を備えることを特徴とする。
【0021】
これによると、係合部の係合によって、金属にて形成された部材と液晶ポリマーにて形成された部材との結合状態が維持され、両部材の抜けを防止することができる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は本発明に係る温度センサの全体構成を示す断面図、図2は図1の感温部やターミナルの外観図である。この温度センサは、自動車用内燃機関から排出される排気ガスの温度検出に用いられる。
【0024】
図1、図2において、温度センサは、排気ガス中での使用に耐えうる高温用のサーミスタ素子10を備えている。このサーミスタ素子10は、セラミックやシリコン半導体により構成されて温度に応じて抵抗値が変化するものであり、換言すると、温度に応じた電気信号を出力するものであり、本発明の感温素子に相当する。その他、感温素子としては、白金等を用いた測温抵抗体素子や熱電対と呼ばれる素子でもよいことは言うまでもない。
【0025】
サーミスタ素子10は、一端側が開口し他端側が閉塞された有底円筒状の第1管20に挿入(収納)されており、第1管20は、円筒状の第2管30に挿入されている。この第1管20および第2管30は、SUS304、SUS303、SUS310等のステンレスよりなる。第1管20は、本発明の素子カバーに相当する。
【0026】
白金線よりなる一対の電極線(図示せず)がサーミスタ素子10から延びており、被覆チューブにより覆われた一対のリード線40が各電極線の端部に溶接等により電気的に接続されている。
【0027】
そして、サーミスタ素子10が第1管20に挿入され、電極線およびリード線40が接続された後、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂よりなる断面コの字状の箱50に、第1管20の開口端部側が挿入されると共に電極線およびリード線40が挿入され、次いで、箱50の内部にエポキシ樹脂が充填される。なお、60はエポキシ樹脂が充填された樹脂充填層である。
【0028】
その後、箱50の外部に取り出された各リード線40の端部に金属製の一対のターミナル70が溶接等により電気的に接続される。これにより、サーミスタ素子10とターミナル70とが電極線およびリード線40により電気的に接続されるとともに、サーミスタ素子10、第1管20、第2管30、電極線、リード線40およびターミナル70が、図2に示すように一体化される。この一体化されたものが、液晶ポリマーにて段付き円筒状に形成されたハウジング80内に挿入され、この際第1管20の底部側はハウジング80から突出して配置され、次いで、液晶ポリマーがハウジング80内に射出成形されて図1に示す温度センサが完成する。
【0029】
90は射出成形により形成された樹脂モールド部であり、この樹脂モールド部90は、ハウジング80から突出した部分にコネクタ91が一体に形成されており、コネクタ91によりターミナル70の一端が絶縁保持されるとともに、コネクタ91の開口端部側の空間にターミナル70の他端が突出している。そして、電子制御装置(ECU)等に接続された相手側コネクタ(図示せず)を温度センサのコネクタ91に嵌め合わせることにより、相手側コネクタのターミナル(図示せず)と温度センサのターミナル70とが電気的に接続される。
【0030】
ハウジング80の外周面にはおねじ部81および六角部82が形成されており、おねじ部81を利用して温度センサが図示しない自動車用内燃機関の排気管に装着されるようになっている。また、六角部82の端面(シール面)83を被取り付け部(排気管)に圧着して気密性を確保するようになっている。そして、第1管20の底部側が排気管内に臨むようにして温度センサが装着され、これにより、排気ガスの温度に応じてサーミスタ素子10の抵抗値が変化して、排気ガスの温度を検出するようになっている。
【0031】
なお、ハウジング80および樹脂モールド部90を形成する液晶ポリマーは、全芳香族ポリエステルを使用することができ、具体的には、スミカスーパーLCP(住友化学工業株式会社製、登録商標)を使用することができる。
【0032】
本実施形態によると、液晶ポリマーの耐熱温度は300℃程度で、ナイロン等の通常の樹脂よりも耐熱性が高いため、コネクタ91がハウジング80に一体化された温度センサを、雰囲気温度が130℃を超える環境でも使用することができる。そして、コネクタ91がハウジング80に一体化されているため、自動車への搭載性や装着性に優れている。
【0033】
また、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも成形性に優れているため、高い寸法精度が得られる。そして、コネクタ91が高い寸法精度で形成されることによって、コネクタ91と相手側コネクタとの嵌め合いを確実にすることができるとともに、それらを嵌め合わせたときのガタを小さくすることができる。それとともに、ハウジング80が高い寸法精度で形成されることによって、温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタを小さくすることができるとともに、気密性を高めることができる。
【0034】
さらに、上記のようにコネクタ91と相手側コネクタとを嵌め合わせたときのガタ、および温度センサを被取り付け部に取り付けた際のガタがともに小さくなることと、液晶ポリマーは通常の樹脂よりも機械的強度に優れていることとが相俟って、振動による割れなどが生じにくくなり、耐振性が著しく向上する。
【0035】
さらにまた、液晶ポリマーは金属よりも熱伝導率が低いため、サーミスタ素子10近傍から被取り付け部への熱引けが小さくなり、センサの応答性が向上する。
【0036】
なお、本実施形態では、予め成形されたハウジング80内に液晶ポリマーを射出して樹脂モールド部90を成形したが、ハウジング80および樹脂モールド部90は同一材質であるため、それらを一体成形してもよい。それらを一体成形した場合、従来、金属製ハウジングと樹脂製コネクタとの接合部にて発生していた気密不良の問題を解消することができる。
【0037】
(第2実施形態)
上記実施形態では、ハウジング80および樹脂モールド部90を液晶ポリマーにて形成したが、被取り付け部の温度が液晶ポリマーの耐熱温度を超えるような場合には、図3に示すように、ハウジング80Aを金属製(例えば、SUS316等のステンレス)とし、樹脂モールド部90を液晶ポリマーにて形成してもよい。
【0038】
この際、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との接合部に、係合部100を設けるのが望ましい。係合部100は、ハウジング80Aに形成された凸部84と、樹脂モールド部90における凸部84周辺の部位とによって構成される。そして、係合部100の係合によって、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との結合状態が維持され、ハウジング80Aと樹脂モールド部90の抜けを防止することができる。
【0039】
なお、凸部84は、周方向全域にわたって連続して形成されたものでもよいし、周方向の一部に形成されたものでもよい。
【0040】
また、凸部84の代わりに、ハウジング80Aに凹部を形成しても、ハウジング80Aと樹脂モールド部90との結合状態が維持され、ハウジング80Aと樹脂モールド部90の抜けを防止することができる。
【0041】
(他の実施形態)
上記実施形態では、第1管20および第2管30を金属製としたが、第1管20および第2管30を、ハウジング80および樹脂モールド部90とともに液晶ポリマーにて形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度センサの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の温度センサの要部の外観図である。
【図3】第3実施形態になる温度センサを示す断面図である。
【符号の説明】
10…サーミスタ素子(感温素子)、20…管(素子カバー)、
40…リード線、70…ターミナル、80…ハウジング、91…コネクタ。
Claims (5)
- 温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、前記感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、前記感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、前記リード線(40)を収納するハウジング(80)と、前記ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、前記素子カバー(20)、前記ハウジング(80)および前記コネクタ(91)が、液晶ポリマーにて形成されるとともに、前記素子カバー(20)、前記ハウジング(80)および前記コネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする温度センサ。
- 温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、前記感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、前記感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、前記リード線(40)を収納するハウジング(80)と、前記ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、前記素子カバー(20)が金属にて形成され、前記ハウジング(80)および前記コネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、前記素子カバー(20)、前記ハウジング(80)および前記コネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする温度センサ。
- 温度に応じた電気信号を出力する感温素子(10)と、外部との電気的接続を行うターミナル(70)と、前記感温素子(10)とターミナル(70)との電気的接続を行うリード線(40)と、前記感温素子(10)を収納する素子カバー(20)と、前記リード線(40)を収納するハウジング(80A)と、前記ターミナル(70)を絶縁保持するコネクタ(91)とを備え、
前記素子カバー(20)および前記ハウジング(80A)が金属にて形成され、前記コネクタ(91)が液晶ポリマーにて形成されるとともに、前記素子カバー(20)、前記ハウジング(80A)および前記コネクタ(91)が一体化されていることを特徴とする温度センサ。 - 前記素子カバー(20)、前記ハウジング(80A)、および前記コネクタ(91)の接合部のうち、金属にて形成された部材と液晶ポリマーにて形成された部材との接合部に、互いに係合する係合部(100)を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の温度センサ。
- 自動車に搭載されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の温度センサ。
Priority Applications (1)
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JP2002336551A JP2004170246A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 温度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002336551A JP2004170246A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 温度センサ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004170246A true JP2004170246A (ja) | 2004-06-17 |
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Family Applications (1)
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JP2002336551A Pending JP2004170246A (ja) | 2002-11-20 | 2002-11-20 | 温度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004170246A (ja) |
-
2002
- 2002-11-20 JP JP2002336551A patent/JP2004170246A/ja active Pending
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