JP2004167727A - 成型プレス用クッション材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を抄紙して板状とした基材を用い、前記基材の片面又は両面には芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートを積層する。また、前記基材と前記紙の間にはフッ素ゴム層を積層する。前記基材と前記シートは表面処理する。
【効果】長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、しかも表面層に芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートを積層したりフッ素ゴム層を基材とシートの間に積層したので強固な接着力を有する成型プレス用クッション材が提供できる。
【選択図】 図1
【効果】長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、しかも表面層に芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートを積層したりフッ素ゴム層を基材とシートの間に積層したので強固な接着力を有する成型プレス用クッション材が提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント基板等を製造する際の熱プレス成型に用いられる成型プレス用クッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりプリント基板、化粧板等の積層板を熱プレスで成型する際に、プレス対象物の全面に均等な圧力と熱を加えるために、熱盤とプレス対象物の間にクッション材を介在させた状態でプレス成型することが行われている。このクッション材には、クッション性、熱伝導性、耐熱性、耐久性等が要求され、成型されるプレス対象物の種類や成型温度などの諸条件により種々の構成や材料が用いられている。
【0003】
このようなクッション材として基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布、表面に芳香族ポリアミド繊維からなる不織状シートを用いたもの(特許文献1参照)や、また基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用い、クッション材本体のゴム材料としてフッ素ゴムを用いたものが知られている。(特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】特開平8−169074号公報(第2頁〜4頁)
【特許文献2】特開2000−52369号公報(第10頁、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような従来技術には、次のような解決すべき課題があった。基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用いたものでは、使用時の加圧力の大きさによっては、長期間の繰り返し使用によりクッション材の破壊が起こり、耐久性に乏しいという問題があった。
【0006】
また、基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用い、クッション材本体のゴム材料としてフッ素ゴムを用いたものでは、基材の加圧に対する耐久性が乏しいという問題に加え、フッ素ゴムと芳香族ポリアミド不織布との接着力が弱いため長期間の繰り返し使用においては基材との剥がれが発生するという問題があった。
【0007】
本発明は、前記の問題を解決するためになされたもので、長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、しかも表面層に芳香族ポリアミド繊維から作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートやフッ素ゴム等を基材上に積層した場合でも強固な接着力を有する成型プレス用クッション材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは加圧に対し、耐久性を有する成型プレス用クッション材の基材の材質及び基材との接着性について検討し、芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙して基材として用い、表面処理を行って芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートやフッ素ゴム層と接着して積層することにより、前記課題を解決できることを見出し本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、前記課題を解決するために請求項1に記載の成型プレス用クッション材は、基材の片面又は両面に他の層を有する成型プレス用クッション材において、前記基材として芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙してなるものを用いたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の成型プレス用クッション材は、請求項1に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材の片面又は両面には芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙してなるシートを表面層として積層したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の成型プレス用クッション材は、請求項2に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材と前記シートの間にはフッ素ゴム層を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の成型プレス用クッション材は、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材と前記シートは表面処理を行った後接着して積層したものであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の成型プレス用クッション材は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材の厚さは0.5mm〜3.5mmであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態を示すもので、本発明の芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙した基材1の上面及び下面に、芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシート2を積層した構成を示している。基材1において芳香族ポリアミド繊維と混合する耐熱材料としては、ロック・ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、金属繊維等の耐熱繊維を限定なく用いることができるが、中でも耐熱性、耐久性の点でロック・ウールの使用が望ましい。これらの耐熱繊維は単独又は混合して用いることができる。板状に抄紙する場合の厚さは0.5mm〜3.5mmとすることが望ましい。0.5mmより薄くすると加圧力に対する十分な耐久性が得られず、また3.5mmより厚くするとクッション性が劣る。
【0015】
前記の基材は、芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物が板状に抄紙されているため、使用時の繰り返しの加圧による基材の破壊が起こらず著しくクッション材の耐久性が向上する。
【0016】
本発明の前記基材1に前記の芳香属ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシート2を積層するには、その表面をシラン処理等の表面処理を行った後市販のフッ素ゴム糊を表面に塗布し、前記のシート2を積層して加硫プレスすればよい。表面処理の方法としては、公知のケミカルエッチング法やコロナ放電、またサンドブラストなど化学的又は物理的な表面処理方法を限定なく用いることができるが、コストの点でシラン処理が望ましい。芳香族ポリアミドは表面に極性基が少ないため一般に接着しにくく、前記のような表面処理を行うことにより強固な接着力が得られる。前記のシートを基材の片面又は両面に積層することにより、熱板や金属板との剥離が容易になり、また前記のシート2は耐熱性に優れていることから、長期の繰り返し使用時の耐久性が向上する。
【0017】
図2は本発明の他の実施の形態を示すもので、本実施の形態では前記図1の構成に加え、前記基材1aと前記表面層のシート2aとの間に、フッ素ゴム層3を積層した構成を示している。フッ素ゴム層3を形成するフッ素ゴム原料は、一般にフッ素ゴム原料として使用されている含フッ素アクリレートの重合体、フッ化ビニリデンの共重合体、含フッ素けい素ゴム、含フッ素ポリエステルゴム、含フッ素ジエンの共重合体等を特に限定することなく使用できる。また、フッ素ゴムの他アクリルゴムやシリコーンゴムを用いることもできるが、耐熱性、耐久性の点でフッ素ゴムの使用が望ましい。
【0018】
本実施の形態のようにフッ素ゴム層3を積層する場合も、図1の実施の形態と同様に、基材1aと表面層2aは、その表面をシラン処理等の表面処理を行った後市販のフッ素ゴム糊を表面に塗布し、フッ素ゴム層3を積層して加硫プレスすればよい。本構成のように、前記基材1aと前記表面層2aの間にフッ素ゴム層3を積層することにより、前記基材1aを用いることにより得られる加圧に対する耐久性に加え、優れたクッション性と耐熱性とが得られる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1
芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙した厚さ1.6mmの基材の全面を接着剤ケムロック607(ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製商品名)で表面をシラン処理した後、フッ素ゴム糊を基材全面に塗布厚0.3〜0.4mmの塗布厚で塗布し乾燥した。また芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートも同様に接着剤ケムロック607で表面をシラン処理した後、フッ素ゴム糊を塗布乾燥した基材の上下に積層し、金型の中に入れて180℃×25分間の条件で加硫プレスを行った。その後恒温槽で230℃×24時間二次加硫を行い試料を作製した。
【0020】
その後100kgf/cm2の圧力をかけながら常温から180℃まで昇温し、180℃になってから60分間加熱した後、圧力をかけたまま水冷を行い常温になってから徐圧して試料を取り出し目視による外観検査及び厚さ測定を行った。この加圧・加熱試験を繰り返し100回行った結果、加圧面は繰り返し試験2回目で厚さが安定し、破壊、変形等はなかった。
実施例2
実施例1と同様の基材及びシート全面を接着剤ケムロック607で表面処理した後、実施例1と同様の方法でフッ素ゴム糊を塗布乾燥した前記基材の上下に約0.4〜0.5mmの厚さのフッ素ゴム層を積層し、更にその上下に前記シートを積層して金型に入れ、実施例1と同様の加硫プレスを行い試料を作製した。この試料を実施例1と同様の方法で加圧・加熱試験を行い評価を行った。その結果、破壊、変形等はなかった。
実施例3
フッ素ゴム層の厚さを約0.3〜0.4mmとした以外は、実施例2と同様の条件で試料を作製し、この試料を実施例1と同様の方法で加圧・加熱試験を行った。その結果、破壊、変形等はなかった。
比較例1
基材に芳香族ポリアミド不織布を用いた他は、実施例1と同様な方法で作製した試料を用い、実施例1と同様の繰り返し加圧・加熱試験を行った。その結果、繰り返し5回目で破壊、変形が起こった。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成型プレス用クッション材によれば、基材として芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙したものを用いたので長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、また表面層に芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートを積層したり、フッ素ゴム層を基材とシートの間に設けたので強固な接着力を有する成型プレス用クッション材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図。
【図2】本発明の別の実施形態を示す図。
【符号の説明】
1,1a・・・基材
2,2a・・・表面層
3・・・・・・フッ素ゴム層
【産業上の利用分野】
本発明は、プリント基板等を製造する際の熱プレス成型に用いられる成型プレス用クッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりプリント基板、化粧板等の積層板を熱プレスで成型する際に、プレス対象物の全面に均等な圧力と熱を加えるために、熱盤とプレス対象物の間にクッション材を介在させた状態でプレス成型することが行われている。このクッション材には、クッション性、熱伝導性、耐熱性、耐久性等が要求され、成型されるプレス対象物の種類や成型温度などの諸条件により種々の構成や材料が用いられている。
【0003】
このようなクッション材として基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布、表面に芳香族ポリアミド繊維からなる不織状シートを用いたもの(特許文献1参照)や、また基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用い、クッション材本体のゴム材料としてフッ素ゴムを用いたものが知られている。(特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】特開平8−169074号公報(第2頁〜4頁)
【特許文献2】特開2000−52369号公報(第10頁、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような従来技術には、次のような解決すべき課題があった。基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用いたものでは、使用時の加圧力の大きさによっては、長期間の繰り返し使用によりクッション材の破壊が起こり、耐久性に乏しいという問題があった。
【0006】
また、基材に芳香族ポリアミド繊維の不織布を用い、クッション材本体のゴム材料としてフッ素ゴムを用いたものでは、基材の加圧に対する耐久性が乏しいという問題に加え、フッ素ゴムと芳香族ポリアミド不織布との接着力が弱いため長期間の繰り返し使用においては基材との剥がれが発生するという問題があった。
【0007】
本発明は、前記の問題を解決するためになされたもので、長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、しかも表面層に芳香族ポリアミド繊維から作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートやフッ素ゴム等を基材上に積層した場合でも強固な接着力を有する成型プレス用クッション材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは加圧に対し、耐久性を有する成型プレス用クッション材の基材の材質及び基材との接着性について検討し、芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙して基材として用い、表面処理を行って芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートやフッ素ゴム層と接着して積層することにより、前記課題を解決できることを見出し本発明に至ったものである。
【0009】
即ち、前記課題を解決するために請求項1に記載の成型プレス用クッション材は、基材の片面又は両面に他の層を有する成型プレス用クッション材において、前記基材として芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙してなるものを用いたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の成型プレス用クッション材は、請求項1に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材の片面又は両面には芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙してなるシートを表面層として積層したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の成型プレス用クッション材は、請求項2に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材と前記シートの間にはフッ素ゴム層を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の成型プレス用クッション材は、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材と前記シートは表面処理を行った後接着して積層したものであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の成型プレス用クッション材は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材において、前記基材の厚さは0.5mm〜3.5mmであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態を示すもので、本発明の芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙した基材1の上面及び下面に、芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシート2を積層した構成を示している。基材1において芳香族ポリアミド繊維と混合する耐熱材料としては、ロック・ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、金属繊維等の耐熱繊維を限定なく用いることができるが、中でも耐熱性、耐久性の点でロック・ウールの使用が望ましい。これらの耐熱繊維は単独又は混合して用いることができる。板状に抄紙する場合の厚さは0.5mm〜3.5mmとすることが望ましい。0.5mmより薄くすると加圧力に対する十分な耐久性が得られず、また3.5mmより厚くするとクッション性が劣る。
【0015】
前記の基材は、芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物が板状に抄紙されているため、使用時の繰り返しの加圧による基材の破壊が起こらず著しくクッション材の耐久性が向上する。
【0016】
本発明の前記基材1に前記の芳香属ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシート2を積層するには、その表面をシラン処理等の表面処理を行った後市販のフッ素ゴム糊を表面に塗布し、前記のシート2を積層して加硫プレスすればよい。表面処理の方法としては、公知のケミカルエッチング法やコロナ放電、またサンドブラストなど化学的又は物理的な表面処理方法を限定なく用いることができるが、コストの点でシラン処理が望ましい。芳香族ポリアミドは表面に極性基が少ないため一般に接着しにくく、前記のような表面処理を行うことにより強固な接着力が得られる。前記のシートを基材の片面又は両面に積層することにより、熱板や金属板との剥離が容易になり、また前記のシート2は耐熱性に優れていることから、長期の繰り返し使用時の耐久性が向上する。
【0017】
図2は本発明の他の実施の形態を示すもので、本実施の形態では前記図1の構成に加え、前記基材1aと前記表面層のシート2aとの間に、フッ素ゴム層3を積層した構成を示している。フッ素ゴム層3を形成するフッ素ゴム原料は、一般にフッ素ゴム原料として使用されている含フッ素アクリレートの重合体、フッ化ビニリデンの共重合体、含フッ素けい素ゴム、含フッ素ポリエステルゴム、含フッ素ジエンの共重合体等を特に限定することなく使用できる。また、フッ素ゴムの他アクリルゴムやシリコーンゴムを用いることもできるが、耐熱性、耐久性の点でフッ素ゴムの使用が望ましい。
【0018】
本実施の形態のようにフッ素ゴム層3を積層する場合も、図1の実施の形態と同様に、基材1aと表面層2aは、その表面をシラン処理等の表面処理を行った後市販のフッ素ゴム糊を表面に塗布し、フッ素ゴム層3を積層して加硫プレスすればよい。本構成のように、前記基材1aと前記表面層2aの間にフッ素ゴム層3を積層することにより、前記基材1aを用いることにより得られる加圧に対する耐久性に加え、優れたクッション性と耐熱性とが得られる。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明する。
実施例1
芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙した厚さ1.6mmの基材の全面を接着剤ケムロック607(ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド社製商品名)で表面をシラン処理した後、フッ素ゴム糊を基材全面に塗布厚0.3〜0.4mmの塗布厚で塗布し乾燥した。また芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートも同様に接着剤ケムロック607で表面をシラン処理した後、フッ素ゴム糊を塗布乾燥した基材の上下に積層し、金型の中に入れて180℃×25分間の条件で加硫プレスを行った。その後恒温槽で230℃×24時間二次加硫を行い試料を作製した。
【0020】
その後100kgf/cm2の圧力をかけながら常温から180℃まで昇温し、180℃になってから60分間加熱した後、圧力をかけたまま水冷を行い常温になってから徐圧して試料を取り出し目視による外観検査及び厚さ測定を行った。この加圧・加熱試験を繰り返し100回行った結果、加圧面は繰り返し試験2回目で厚さが安定し、破壊、変形等はなかった。
実施例2
実施例1と同様の基材及びシート全面を接着剤ケムロック607で表面処理した後、実施例1と同様の方法でフッ素ゴム糊を塗布乾燥した前記基材の上下に約0.4〜0.5mmの厚さのフッ素ゴム層を積層し、更にその上下に前記シートを積層して金型に入れ、実施例1と同様の加硫プレスを行い試料を作製した。この試料を実施例1と同様の方法で加圧・加熱試験を行い評価を行った。その結果、破壊、変形等はなかった。
実施例3
フッ素ゴム層の厚さを約0.3〜0.4mmとした以外は、実施例2と同様の条件で試料を作製し、この試料を実施例1と同様の方法で加圧・加熱試験を行った。その結果、破壊、変形等はなかった。
比較例1
基材に芳香族ポリアミド不織布を用いた他は、実施例1と同様な方法で作製した試料を用い、実施例1と同様の繰り返し加圧・加熱試験を行った。その結果、繰り返し5回目で破壊、変形が起こった。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成型プレス用クッション材によれば、基材として芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙したものを用いたので長期間の繰り返し使用時の加圧に対する耐久性に優れ、また表面層に芳香族ポリアミド合成パルプと短繊維を混合抄紙したシートを積層したり、フッ素ゴム層を基材とシートの間に設けたので強固な接着力を有する成型プレス用クッション材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図。
【図2】本発明の別の実施形態を示す図。
【符号の説明】
1,1a・・・基材
2,2a・・・表面層
3・・・・・・フッ素ゴム層
Claims (5)
- 基材の片面又は両面に他の層を有する成型プレス用クッション材において、前記基材として芳香族ポリアミド繊維または芳香族ポリアミド繊維と耐熱材料の混合物を板状に抄紙してなるものを用いたことを特徴とする成型プレス用クッション材。
- 前記基材の片面又は両面には芳香族ポリアミドから作られた合成パルプと短繊維を混合抄紙してなるシートを表面層として積層したことを特徴とする請求項1に記載の成型プレス用クッション材。
- 前記基材と前記シートの間にはフッ素ゴム層を有することを特徴とする請求項2に記載の成型プレス用クッション材。
- 前記基材と前記シートは表面処理を行った後、接着して積層したものであることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材。
- 前記基材の厚さは0.5mm〜3.5mmであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の成型プレス用クッション材。
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