JP2004167612A - 食肉スライサ - Google Patents
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Abstract
【課題】食肉スライサの肉箱にセットした肉塊が肉送り方向と逆方向に移動することを防止して、肉塊を均一にスライスできるようにする。
【解決手段】肉箱13は肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように配置し、肉塊12の上面を上面押え板26で押さえる。スライス作業中は、移動方向規制機構72により上面押え板26が肉送り方向(下方)へ移動することを許容しながら、上面押え板26が肉送り方向と逆方向(上方)へ移動することを阻止して、スライス時の肉塊12の浮き上がりを防止する。肉塊12の送り出しに伴って肉箱13の下端部付近まで下降した上面押え板26を肉箱13の上端部付近まで戻すときには、規制解除機構73の規制解除レバー82を操作して上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除し、上面押え板26が上方に移動できるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】肉箱13は肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように配置し、肉塊12の上面を上面押え板26で押さえる。スライス作業中は、移動方向規制機構72により上面押え板26が肉送り方向(下方)へ移動することを許容しながら、上面押え板26が肉送り方向と逆方向(上方)へ移動することを阻止して、スライス時の肉塊12の浮き上がりを防止する。肉塊12の送り出しに伴って肉箱13の下端部付近まで下降した上面押え板26を肉箱13の上端部付近まで戻すときには、規制解除機構73の規制解除レバー82を操作して上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除し、上面押え板26が上方に移動できるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉収容部から送り出される肉塊をスライス用刃物でスライスする食肉スライサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の食肉スライサとして、スライス用刃物の側方に肉塊を収容する肉収容部を傾斜状に配置し、この肉収容部をスライス用刃物とほぼ平行方向に往復移動させることで、肉収容部内に収容した肉塊の下端部をスライスし、その都度、肉収容部内の肉塊を自重によりスライス厚み分だけ滑り落とすようにしたものがある。
【0003】
このように肉塊の自重を利用して肉塊をスライスする食肉スライサおいては、肉塊の下端部にスライス用刃物が衝突した瞬間に、その衝撃で肉塊が浮き上がって、肉塊がきれいにスライスできなくなるのを防止するために、例えば、特許文献1(特開平9−29691号公報)、特許文献2(特開平9−136293号公報)に記載されているように、肉収容部の傾斜面に沿ってスライド移動可能に肉押え部材を設け、肉収容部に収容した肉塊を肉押え部材の自重で押さえ付けることで、スライス時の肉塊の浮き上がりを防止しようとするものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−29691号公報(第2頁、第4図等)
【特許文献2】
特開平9−136293号公報(第2頁、第1図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、肉塊を薄くスライスする場合は、冷凍状態の肉塊をスライスするようにしているが、冷凍状態の肉塊はかなり固くなるため、冷凍状態の肉塊の下端部にスライス用刃物が衝突したときに、冷凍状態の肉塊がかなりの力で押し上げられようとする。このため、冷凍状態の肉塊を肉押え部材の自重で押さえるだけでは、スライス用刃物が衝突したときの肉塊の浮き上がりを十分に防止することができず、冷凍状態の肉塊をきれいに薄くスライスすることができない。
【0006】
この対策として、肉押え部材の重量を十分に重くして肉塊の浮き上がりを防止することが考えられるが、そうすると、肉収容部の下端部付近まで下降した肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで戻す際に、作業者が重い肉押え部材を腕力で肉収容部の下端部付近から上端部付近まで持ち上げる必要があるため、腕力の弱い女性作業者等にとっては、重量のある肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで持ち上げる作業が甚だ酷で危険な仕事になってしまう。
【0007】
このような欠点を改善するために、図9に示すように、肉押え部材1に係止部材2を軸2aを介して上下動可能に設け、この係止部材2をばね等によって図9の時計回り方向に付勢すると共に、この係止部材2と噛み合う鋸歯状のラック4を肉押え部材1の移動方向と平行に設け、肉押え部材1が下降する際に、係止部材2が斜め上向きの状態でラック4の歯部3の形状に沿って揺動することで、肉押え部材1の下降を許容し、肉押え部材1が押し上げられようとしたときに、係止部材2が斜め上向きの状態でラック4の歯部3に噛み合うことで、肉押え部材1の押し上げを阻止してスライス時の肉塊の浮き上がりを防止することが考えられる。
【0008】
しかし、このような構成の肉押え部材1の押し上げ防止機構は、ラック4の歯部3のピッチ分の遊びがあるため、肉押え部材1が最大でラック4の歯部3のピッチ分だけ押し上げられてしまう。従って、この構成でも、スライス時の肉塊の浮き上がりを完全には防止することができず、冷凍状態の肉塊をきれいに薄くスライスすることはできない。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、肉押え部材の重量をさほど重くしなくても、スライス時の肉塊の浮き上がりを確実に防止することができて、肉塊を均一にスライスすることができる食肉スライサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、肉収容部に収容した肉塊を上方側から肉押え部材で押さえながら、該肉収容部から下方又は斜め下方に送り出される肉塊の下端部をスライス用刃物でスライスするようにした食肉スライサにおいて、肉押え部材の下降のみを許容して上昇を阻止する移動方向規制機構と、前記移動方向規制機構による前記肉押え部材の上昇阻止状態を解除する規制解除機構とを設けた構成としたものである。
【0011】
この構成では、肉塊をスライスするときには、移動方向規制機構によって肉押え部材の下降を許容しながら、肉押え部材の上昇を遊びのない状態で阻止することができる。これにより、比較的固い冷凍状態の肉塊をスライスする場合でも、スライス時の肉塊の浮き上がりを確実に防止することができ、冷凍状態の肉塊を均一に薄くスライスすることができる。しかも、冷凍温度を低くして、かなり固くなった肉塊でもスライスすることができるので、肉塊の冷凍温度を低くして、店頭の商品陳列棚等でスライス肉片の冷凍状態を比較的長く維持することが可能となり、スライス肉片の品質低下を防止することができて、スライス肉片の流通や管理がしやすくなるという利点もある。
【0012】
一方、肉収容部の下端部付近まで下降した肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで戻すときには、移動方向規制機構による肉押え部材の上昇阻止状態を規制解除機構によって解除すれば、肉押え部材を上昇させることが可能となる。本発明では、肉押え部材の重量を重くする必要がないので、腕力の弱い女性作業者等でも、肉押え部材を肉収容部の下端部付近から上端部付近まで持ち上げる作業を容易に行うことができ、作業性・安全性を向上することができる。
【0013】
この場合、移動方向規制機構は、種々の構成が考えられるが、例えば、請求項2のように、移動方向規制機構は、肉送り方向に延びるラックギヤと、このラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、このピニオンギヤの正回転のみを可能にして逆回転を阻止するワンウェイクラッチとから構成しても良い。このようにすれば、回転伝達系に用いられる一般的なワンウェイクラッチの逆回転阻止機能を利用して、肉押え部材の上昇をがたなく阻止することができる。
【0014】
更に、請求項3のように、規制解除機構は、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わせを外すことで、肉押え部材の上昇が阻止された状態を解除するように構成しても良い。このようにすれば、ワンウェイクラッチ自体に逆回転阻止機能を解除する機構を設ける必要がなく、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わせを外すだけの簡単な機構で肉押え部材の上昇が阻止された状態を解除することができる。
【0015】
また、肉収容部は、肉塊を斜め下方に送り出すように配置しても良いが、請求項4のように、肉収容部は、肉塊をほぼ鉛直下方に送り出すように配置し、スライス用刃物は、肉収容部の下方で肉塊の下端部をスライスするように配置すると良い。このようにすれば、肉塊の自重と肉押え部材の自重を最大限に利用して肉収容部の肉塊をスライス用刃物の方に滑り落とすことができ、肉塊をスライス用刃物の方向にスムーズに送り出すことができる。
【0016】
また、スライスされた肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールした状態でトレー等に盛り付ける場合を考慮して、請求項5のように、スライス用刃物でスライスされた肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール手段を設けるようにしても良い。このようにすれば、肉片ロール手段により自動的にスライス肉片をロールすることができるので、作業者が手作業でスライス肉片をロール形状に丸める必要がなく、熟練者でなくても、極めて能率良く且つ安全にスライス肉片を均一にロール形状に丸めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
ここで、図1は食肉スライサの正面図、図2は食肉スライサの平面図、図3は食肉スライサの縦断側面図、図4は食肉スライサの縦断背面図、図5は肉押え装置69の平面図、図6は肉押え装置69の側面図、図7は肉片ロール装置16及びその周辺部の正面図、図8は肉片ロール装置16及びその周辺部の側面図である。
【0018】
まず、図1に基づいて食肉スライサ全体の構成を概略的に説明する。食肉スライサの本体架台11の上部には、肉塊12を保持する肉箱13(肉収容部)が左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設けられ、この肉箱13には、肉塊12の上面を押さえるための肉押え装置69が肉箱13と一体的に往復移動するように設けられている。また、肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14には、肉塊12をスライスするための平刃物15(スライス用刃物)が前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設けられている。この平刃物15は、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成されている。
【0019】
更に、平刃物15の下方側近傍には、平刃物15でスライスされた肉片(スライス肉片)をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16(肉片ロール手段)が設けられ、この肉片ロール装置16の下方に、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17が配置されている。また、本体架台11の周縁部の所定箇所には、安全カバー18(図2参照)が設けられている。
【0020】
図1及び図2に示すように、肉箱13は、横断面略L字形に形成され、肉塊12を自重でほぼ鉛直下方に送り出すように縦向きに配置されている。この肉箱13の左端部に設けられた支持アーム19には、複数本の支持軸20が、それぞれ左右方向にスライド移動可能に支持され、各支持軸20の右端部に、それぞれ肉塊12の左面を押さえる左面押え棒21が取り付けられている。また、支持アーム19には、支持軸22(図2参照)が、前後方向にスライド移動可能に支持され、この支持軸22の前端部に、肉塊12の前面を押さえる前面押え板23(図2参照)が取り付けられている。支持軸20,22のスライド移動(つまり、左面押え棒21と前面押え板23のスライド移動)は、支持アーム19に設けられた締付けレバー24によって固定される。
【0021】
一方、図1に示すように、肉箱13の下方で平刃物15の右方側には、肉箱13から送り出される肉塊12の下端位置を調整するスライス厚調整板28が上下動可能に設けられている。このスライス厚調整板28を支持するスライス厚調整ボックス29の調整ハンドル30で、スライス厚調整板28の高さ位置(肉塊12の下端位置)を調整することで、スライス肉片の厚さを調整できるようになっている。肉箱13は、このスライス厚調整板28の真上位置と刃物支持板14の真上位置との間を往復移動する。
【0022】
次に、図3及び図4を用いて肉箱13を往復移動させるための往復駆動機構31の構成を説明する。往復駆動機構31の駆動源である減速機付モータ32は、本体架台11の底部に設けられたモータベース33に組み付けられ、そのモータ32の出力軸に、クランクアーム34が取り付けられている。このクランクアーム34の上方には、2本のスライド軸35が肉箱13の往復移動方向(左右方向)に延びるように設けられ、これらのスライド軸35にスライドメタル36がスライド移動可能に挿通支持されている。このスライドメタル36と前記クランクアーム34との間には、クランクロッド37が掛け渡され、このクランクロッド37の両端部が、それぞれ回転軸38,39を介してスライドメタル36とクランクアーム34に連結されている。また、スライドメタル36には、肉箱取付ジョイント40を介して肉箱13が連結されている。これにより、クランクアーム34の回転運動がクランクロッド37を介してスライドメタル36の往復運動に変換され、このスライドメタル36と一体的に肉箱13が食肉スライサの左右方向(図4に矢印Aで示す方向)に往復移動する。
【0023】
また、クランクアーム34のうちのクランクロッド37の取付側と反対側の端部には、振動を低減するためのバランスウエイト41が設けられている。このバランスウエイト41は、肉箱13と逆方向に移動するように偏心配置されている。これにより、図4に実線で示すように、肉箱13がスライス厚調整板28側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見て刃物支持板14側に移動し、図4に二点鎖線で示すように、肉箱13が刃物支持板14側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見てスライス厚調整板28側に移動するようになっている。
【0024】
一方、図3及び図4に示すように、平刃物15を駆動する減速機付モータ43の出力軸には、クランクアーム44が取り付けられ、このクランクアーム44の上方に、2本のスライド軸45が平刃物15の往復移動方向に延びるように設けられている。これらのスライド軸45に、スライドメタル46がスライド移動可能に挿通支持され、このスライドメタル46とクランクアーム44とがアームカラー47を介して連結されている。また、スライドメタル46には、刃物軸48がボルト等で締め付け固定され、この刃物軸48に、平刃物15が連結されている。これにより、クランクアーム44の回転運動がアームカラー47を介してスライドメタル46の往復運動に変換され、このスライドメタル46と一体的に平刃物15が食肉スライサの前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動する。
【0025】
尚、刃物軸48のうちの平刃物15とのジョイント部49には割り溝が形成され、平刃物15の端部をジョイント部49の割り溝に挿入して、ジョイント部49の締付けリング50をボルト等で締め付けてジョイント部49の割り溝を狭めることで、平刃物15が刃物軸48に固定されている。また、図7に示すように、平刃物15は、背部分15aが2枚の押え板51,52に挟まれた状態で、これら2枚の押え板51,52をボルト53で刃物支持板14に締め付け固定することで、刃物支持板14に前後方向にスライド移動可能に支持されている。
【0026】
次に、図5及び図6を用いて肉押え装置69の構成を説明する。
肉箱13の右端部に設けられた支持アーム70(図1参照)には、スライド軸25が上下方向に延びるように設けられ、このスライド軸25に、肉塊12の上面を押さえる上面押え板26(肉押え部材)が上下方向にスライド移動可能に挿通支持されている。この上面押え板26には、左面押え棒21(図2参照)との衝突を避けるためのスリット27が形成され、上面押え板26の側部には、肉箱13の内壁面に接触して回転する案内ローラ71が取り付けられている。また、肉箱13と上面押え板26との間には、上面押え板26の移動方向を規制する移動方向規制機構72と、この移動方向規制機構72による上面押え板26の移動方向の規制を解除する規制解除機構73とが設けられている。
【0027】
まず、移動方向規制機構72について説明する。図5に示すように、肉箱13の支持アーム70には、ラックギヤ74がスライド軸25と平行に上下方向に延びるように設けられ、このラックギヤ74に噛み合ったピニオンギヤ75が、ワンウェイクラッチ76を介して上面押え板26側に設けられたギヤボックス77に取り付けられている。このワンウェイクラッチ76は、ピニオンギヤ75の正回転方向(図6に矢印Bで示す方向)の回転のみを可能にして逆回転を阻止するように配置されている。
【0028】
そして、図6に示すように、上面押え板26が肉送り方向(下方)へスライド移動する方向、つまり、ラックギヤ74に対してピニオンギヤ75が下方へスライド移動する方向が、ピニオンギヤ75の正回転方向となり、上面押え板26が肉送り方向と逆方向(上方)へスライド移動する方向、つまり、ラックギヤ74に対してピニオンギヤ75が上方へスライド移動する方向が、ピニオンギヤ75の逆回転方向となるように設定されている。従って、前述したワンウェイクラッチ76の逆回転阻止機能によって上面押え板26の肉送り方向(下方)へのスライド移動(下降)のみが可能となり、上面押え板26の肉送り方向と逆方向(上方)へのスライド移動(上昇)が阻止されるようになっている。
【0029】
次に、規制解除機構73について説明する。図6に示すように、上面押え板26と一体的に移動するように設けられた支持部78には、複数のスライド軸79がそれぞれボルト80等で締め付け固定され、これらのスライド軸79に、前記ギヤボックス77がスライド移動可能に挿通支持されている。各スライド軸79には、それぞれ支持部78とギヤボックス77との間にスプリング81が挿通され、これらのスプリング81によってギヤボックス77がラックギヤ74の方向へ付勢されている。
【0030】
また、図5に示すように、支持部78には、規制解除レバー82が回動軸83を介してを回動可能に設けられ、この規制解除レバー82の先端部がギヤボックス77の内壁面に当接している。この規制解除レバー82の近傍には、支持部78に固定された固定レバー84が設けられている。
【0031】
通常時は、スプリング81の付勢力によってギヤボックス77がラックギヤ74の方に移動するため、ピニオンギヤ75がラックギヤ74と噛み合った状態に保持される。一方、規制解除レバー82と固定レバー84を一緒に握って、規制解除レバー82を規制解除方向(図5に矢印Cで示す方向)に回動すると、ギヤボックス77が規制解除レバー82の先端部に押されてラックギヤ74から離れる方向に移動するため、ピニオンギヤ75とラックギヤ74との噛み合いが外れる。これにより、移動方向規制機構72により上面押え板26の上昇が阻止された状態が解除される。
【0032】
また、肉箱13の上方部側方には、上面押え板26を退避位置に保持する保持部85が設けられ、上面押え板26を肉箱13の上方までスライド移動させた状態で、上面押え板26をスライド軸25を中心にして退避方向(図5に矢印Dで示す方向)に回動して、上面押え板26の一部を保持部85の上に載せておくことで、上面押え板26を肉箱13の側方に退避させることができるようになっている。
【0033】
次に、図7及び図8を用いて肉片ロール装置16の構成を説明する。
図7及び図8に示すように、平刃物15の下方近傍には、平刃物15でスライスされるスライス肉片をロール方向に案内して曲げるロール用ベルト54が、駆動ローラ55と従動ローラ56とに掛け渡されて傾斜状に配置されている。このロール用ベルト54の表面には、スライス肉片を滑り止めするための多数の突起が設けられ、スライス肉片を確実にロール方向に曲げることができるようになっている。
【0034】
一方、肉箱13の後面には、肉箱13と一体的に往復移動するラックギヤ57がボルト等で固定され、このラックギヤ57に噛み合ったピニオンギヤ58が、ギヤ支持部59に回動自在に支持されている。更に、このピニオンギヤ58に噛み合った駆動ギヤ60が、ギヤ支持部61に回動自在に支持され、この駆動ギヤ60の回動軸が、ロール用ベルト54の駆動ローラ55に連結されている。
【0035】
これにより、肉箱13の往復運動がラックギヤ57とピニオンギヤ58とによってピニオンギヤ58の回転運動に変換され、更に、このピニオンギヤ58の回転運動が駆動ギヤ60で反転されて駆動ローラ55に伝達されて、ロール用ベルト54が駆動される。この場合、肉箱13が肉塊12をスライスする方向(図7では左方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が正回転方向(図7では時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向(図7に実線矢印で示す方向)に回転する。一方、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図7では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が逆回転方向(図7では反時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がロールされたスライス肉片を左側斜め下方に排出する方向(図7に点線矢印で示す方向)に回転する。
【0036】
また、肉片ロール装置16には、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62が設けられている。以下、このロール径調整機構62について説明する。図7に示すように、ロール用ベルト54の従動ローラ56の回動軸は、円弧状に形成されたロール径調整アーム63に支持されている。このロール径調整アーム63には、スライド溝64が駆動ローラ55の回動軸を中心とした円弧状に延びるように形成され、このスライド溝64に本体架台11側に固定された固定軸65が相対移動可能に挿通されている。これにより、従動ローラ56とロール径調整アーム63が駆動ローラ55の回動軸を中心にしてスライド溝64の幅の範囲内でスライド移動可能に設けられている。
【0037】
この場合、従動ローラ56とロール径調整アーム63を左右方向にスライド移動させると、ロール用ベルト54が駆動ローラ55の回動軸を中心にして左右方向に回動して、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が調整され、スライス肉片のロール径が調整される。また、固定軸65に設けられたロック用つまみ66をロック方向(締め付ける方向)に回すと、ロール径調整アーム63が固定軸65に固定されて、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が固定される。
【0038】
また、図7に示すように、ロール用ベルト54の上方には、スライス肉片のロールを補助するロール補助板67が設けられ、ロール用ベルト54の左方には、ロールされたスライス肉片を下方の肉片受皿17に案内する案内通路68が設けられている。
【0039】
以上のように構成した食肉スライサでは、肉塊12をスライスする場合、まず、冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットし、この肉塊の12の上に上面押え板26を載せて、肉塊12の上面を上面押え板26で肉送り方向(下方)へ押さえた状態にする。その後、肉箱13を左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動させる。この際、肉箱13内の肉塊12が、肉塊及び上面押え板26等の重量で鉛直下方に送り出され、肉箱13がスライス方向(図1では左方向)へ移動するときに、送り出された肉塊13の下端部が平刃物15で所定の厚さにスライスされて、そのスライス肉片が平刃物15の下方側に排出される。
【0040】
このスライス作業中は、移動方向規制機構72によって肉塊12の下降に伴って上面押え板26が下降することを許容しながら、上面押え板26が上昇することを遊びのない状態で阻止することができる。これにより、比較的固い冷凍状態の肉塊12をスライスする場合でも、スライス時の肉塊12の浮き上がりを確実に防止することができ、冷凍状態の肉塊12を均一に薄くスライスすることができる。しかも、冷凍温度を低くして、かなり固くなった肉塊12でもスライスすることができるので、肉塊12の冷凍温度を低くして、店頭の商品陳列棚等でスライス肉片の冷凍状態を比較的長く維持することが可能となり、スライス肉片の品質低下を防止することができて、スライス肉片の流通や管理がしやすくなるという利点もある。
【0041】
更に、スライス作業中に、肉片ロール装置16は、肉箱13がスライス方向へ移動するときに、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向に回転して、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片が、ロール用ベルト51で強制的にロール方向に送り出されながら曲げられて、均一な大きさのほぼ円筒状又は渦巻き状にロールされる。その後、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向へ移動するときに、ロール用ベルト54が逆方向に回転して、ロールされたスライス肉片がロール用ベルト54の左側斜め下方に排出される。排出されたロール形状のスライス肉片は、肉片受皿17で受け取られる。
【0042】
スライス作業終了後に、肉塊12の送り出しに伴って肉箱13の下端部付近まで下降した上面押え板26を再び肉箱13の上端部付近まで戻すときには、規制解除機構73の規制解除レバー82を規制解除方向に回動して上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除すれば、上面押え板26を上昇させることが可能となる。本実施形態では、上面押え板26の重量を重くする必要がないため、上面押え板26を軽い力で容易に上方へ移動させることができ、作業者の負担を軽減することができる。
【0043】
また、本実施形態では、移動方向規制機構72は、ラックギヤ74に対するピニオンギヤ75のスライド移動をワンウェイクラッチ76により肉送り方向のみに規制することで、上面押え板26の移動方向を規制するようにしたので、回転伝達系に用いられる一般的なワンウェイクラッチ76の逆回転阻止機能を利用して、上面押え板26の押し上げをがたなく阻止できるようにしながら、移動方向規制機構72をコンパクト化することができる。
【0044】
更に、本実施形態では、規制解除機構73は、ラックギヤ74とピニオンギヤ75との噛み合わせを外すことで、上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除するようにしたので、ワンウェイクラッチ76自体に逆回転阻止機能を解除する機構を設ける必要がなく、ラックギヤ74とピニオンギヤ75との噛み合わせを外すだけの極めて簡単な機構で上面押え板26の移動方向が規制された状態を解除することができ、低コスト化することができる。
【0045】
また、本実施形態では、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置し、肉箱13の下方に平刃物15を配置するようにしたので、肉塊12の自重と上面押え板26の自重を最大限に利用して肉箱13の肉塊12を平刃物15の方に滑り落とすことができ、肉塊12を送り出す機構を省略して低コスト化しながら、肉塊12を平刃物15の方向(鉛直下方)にスムーズに送り出すことができる。
【0046】
しかしながら、本発明は、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置した構成に限定されず、肉塊12を斜め下方に送り出す(滑り落とす)ように肉箱13を傾斜状に配置した構成にしても良い。
【0047】
また、本実施形態では、スライス肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16を設けるようにしたので、肉片ロール装置16により自動的にスライス肉片をロールすることができて、作業者が手作業でスライス肉片をロール形状に丸める必要がなく、熟練者でなくても、極めて能率良く且つ安全にスライス肉片を均一にロール形状に丸めることができる。
【0048】
尚、肉片ロール装置16の構成は、適宜変更しても良い。また、本発明は、肉片ロール装置16を設けた構成に限定されず、肉片ロール装置16を省略してスライス肉片をロールしない構成にしても良い。
その他、本発明は、移動方向規制機構72や規制解除機構73の構成を適宜変更したり、スライス用刃物として丸刃物を用いたりしても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における食肉スライサの正面図
【図2】食肉スライサの平面図
【図3】食肉スライサの縦断側面図
【図4】食肉スライサの縦断背面図
【図5】肉押え装置の平面図
【図6】肉押え装置の側面図
【図7】肉片ロール装置及びその周辺部の正面図
【図8】肉片ロール装置及びその周辺部の側面図
【図9】肉押え装置の比較例を示す図
【符号の説明】
11…本体架台、12…肉塊、13…肉箱(肉収容部)、15…平刃物(スライス用刃物)、16…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、25…スライド軸、26…上面押え板(肉押え部材)、31…往復駆動機構、69…肉押え装置、70…支持アーム、72…移動方向規制機構、73…規制解除機構、74…ラックギヤ、75…ピニオンギヤ、76…ワンウェイクラッチ、77…ギヤボックス、78…支持部、79…スライド軸、81…スプリング、82…規制解除レバー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉収容部から送り出される肉塊をスライス用刃物でスライスする食肉スライサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の食肉スライサとして、スライス用刃物の側方に肉塊を収容する肉収容部を傾斜状に配置し、この肉収容部をスライス用刃物とほぼ平行方向に往復移動させることで、肉収容部内に収容した肉塊の下端部をスライスし、その都度、肉収容部内の肉塊を自重によりスライス厚み分だけ滑り落とすようにしたものがある。
【0003】
このように肉塊の自重を利用して肉塊をスライスする食肉スライサおいては、肉塊の下端部にスライス用刃物が衝突した瞬間に、その衝撃で肉塊が浮き上がって、肉塊がきれいにスライスできなくなるのを防止するために、例えば、特許文献1(特開平9−29691号公報)、特許文献2(特開平9−136293号公報)に記載されているように、肉収容部の傾斜面に沿ってスライド移動可能に肉押え部材を設け、肉収容部に収容した肉塊を肉押え部材の自重で押さえ付けることで、スライス時の肉塊の浮き上がりを防止しようとするものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−29691号公報(第2頁、第4図等)
【特許文献2】
特開平9−136293号公報(第2頁、第1図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、肉塊を薄くスライスする場合は、冷凍状態の肉塊をスライスするようにしているが、冷凍状態の肉塊はかなり固くなるため、冷凍状態の肉塊の下端部にスライス用刃物が衝突したときに、冷凍状態の肉塊がかなりの力で押し上げられようとする。このため、冷凍状態の肉塊を肉押え部材の自重で押さえるだけでは、スライス用刃物が衝突したときの肉塊の浮き上がりを十分に防止することができず、冷凍状態の肉塊をきれいに薄くスライスすることができない。
【0006】
この対策として、肉押え部材の重量を十分に重くして肉塊の浮き上がりを防止することが考えられるが、そうすると、肉収容部の下端部付近まで下降した肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで戻す際に、作業者が重い肉押え部材を腕力で肉収容部の下端部付近から上端部付近まで持ち上げる必要があるため、腕力の弱い女性作業者等にとっては、重量のある肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで持ち上げる作業が甚だ酷で危険な仕事になってしまう。
【0007】
このような欠点を改善するために、図9に示すように、肉押え部材1に係止部材2を軸2aを介して上下動可能に設け、この係止部材2をばね等によって図9の時計回り方向に付勢すると共に、この係止部材2と噛み合う鋸歯状のラック4を肉押え部材1の移動方向と平行に設け、肉押え部材1が下降する際に、係止部材2が斜め上向きの状態でラック4の歯部3の形状に沿って揺動することで、肉押え部材1の下降を許容し、肉押え部材1が押し上げられようとしたときに、係止部材2が斜め上向きの状態でラック4の歯部3に噛み合うことで、肉押え部材1の押し上げを阻止してスライス時の肉塊の浮き上がりを防止することが考えられる。
【0008】
しかし、このような構成の肉押え部材1の押し上げ防止機構は、ラック4の歯部3のピッチ分の遊びがあるため、肉押え部材1が最大でラック4の歯部3のピッチ分だけ押し上げられてしまう。従って、この構成でも、スライス時の肉塊の浮き上がりを完全には防止することができず、冷凍状態の肉塊をきれいに薄くスライスすることはできない。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、肉押え部材の重量をさほど重くしなくても、スライス時の肉塊の浮き上がりを確実に防止することができて、肉塊を均一にスライスすることができる食肉スライサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、肉収容部に収容した肉塊を上方側から肉押え部材で押さえながら、該肉収容部から下方又は斜め下方に送り出される肉塊の下端部をスライス用刃物でスライスするようにした食肉スライサにおいて、肉押え部材の下降のみを許容して上昇を阻止する移動方向規制機構と、前記移動方向規制機構による前記肉押え部材の上昇阻止状態を解除する規制解除機構とを設けた構成としたものである。
【0011】
この構成では、肉塊をスライスするときには、移動方向規制機構によって肉押え部材の下降を許容しながら、肉押え部材の上昇を遊びのない状態で阻止することができる。これにより、比較的固い冷凍状態の肉塊をスライスする場合でも、スライス時の肉塊の浮き上がりを確実に防止することができ、冷凍状態の肉塊を均一に薄くスライスすることができる。しかも、冷凍温度を低くして、かなり固くなった肉塊でもスライスすることができるので、肉塊の冷凍温度を低くして、店頭の商品陳列棚等でスライス肉片の冷凍状態を比較的長く維持することが可能となり、スライス肉片の品質低下を防止することができて、スライス肉片の流通や管理がしやすくなるという利点もある。
【0012】
一方、肉収容部の下端部付近まで下降した肉押え部材を肉収容部の上端部付近まで戻すときには、移動方向規制機構による肉押え部材の上昇阻止状態を規制解除機構によって解除すれば、肉押え部材を上昇させることが可能となる。本発明では、肉押え部材の重量を重くする必要がないので、腕力の弱い女性作業者等でも、肉押え部材を肉収容部の下端部付近から上端部付近まで持ち上げる作業を容易に行うことができ、作業性・安全性を向上することができる。
【0013】
この場合、移動方向規制機構は、種々の構成が考えられるが、例えば、請求項2のように、移動方向規制機構は、肉送り方向に延びるラックギヤと、このラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、このピニオンギヤの正回転のみを可能にして逆回転を阻止するワンウェイクラッチとから構成しても良い。このようにすれば、回転伝達系に用いられる一般的なワンウェイクラッチの逆回転阻止機能を利用して、肉押え部材の上昇をがたなく阻止することができる。
【0014】
更に、請求項3のように、規制解除機構は、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わせを外すことで、肉押え部材の上昇が阻止された状態を解除するように構成しても良い。このようにすれば、ワンウェイクラッチ自体に逆回転阻止機能を解除する機構を設ける必要がなく、ラックギヤとピニオンギヤとの噛み合わせを外すだけの簡単な機構で肉押え部材の上昇が阻止された状態を解除することができる。
【0015】
また、肉収容部は、肉塊を斜め下方に送り出すように配置しても良いが、請求項4のように、肉収容部は、肉塊をほぼ鉛直下方に送り出すように配置し、スライス用刃物は、肉収容部の下方で肉塊の下端部をスライスするように配置すると良い。このようにすれば、肉塊の自重と肉押え部材の自重を最大限に利用して肉収容部の肉塊をスライス用刃物の方に滑り落とすことができ、肉塊をスライス用刃物の方向にスムーズに送り出すことができる。
【0016】
また、スライスされた肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールした状態でトレー等に盛り付ける場合を考慮して、請求項5のように、スライス用刃物でスライスされた肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール手段を設けるようにしても良い。このようにすれば、肉片ロール手段により自動的にスライス肉片をロールすることができるので、作業者が手作業でスライス肉片をロール形状に丸める必要がなく、熟練者でなくても、極めて能率良く且つ安全にスライス肉片を均一にロール形状に丸めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
ここで、図1は食肉スライサの正面図、図2は食肉スライサの平面図、図3は食肉スライサの縦断側面図、図4は食肉スライサの縦断背面図、図5は肉押え装置69の平面図、図6は肉押え装置69の側面図、図7は肉片ロール装置16及びその周辺部の正面図、図8は肉片ロール装置16及びその周辺部の側面図である。
【0018】
まず、図1に基づいて食肉スライサ全体の構成を概略的に説明する。食肉スライサの本体架台11の上部には、肉塊12を保持する肉箱13(肉収容部)が左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動可能に設けられ、この肉箱13には、肉塊12の上面を押さえるための肉押え装置69が肉箱13と一体的に往復移動するように設けられている。また、肉箱13の下方左側に設けられた刃物支持板14には、肉塊12をスライスするための平刃物15(スライス用刃物)が前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動可能に設けられている。この平刃物15は、肉塊12をスライスする刃が直線状に形成されている。
【0019】
更に、平刃物15の下方側近傍には、平刃物15でスライスされた肉片(スライス肉片)をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16(肉片ロール手段)が設けられ、この肉片ロール装置16の下方に、肉片ロール装置16でロールされたスライス肉片を受け取る肉片受皿17が配置されている。また、本体架台11の周縁部の所定箇所には、安全カバー18(図2参照)が設けられている。
【0020】
図1及び図2に示すように、肉箱13は、横断面略L字形に形成され、肉塊12を自重でほぼ鉛直下方に送り出すように縦向きに配置されている。この肉箱13の左端部に設けられた支持アーム19には、複数本の支持軸20が、それぞれ左右方向にスライド移動可能に支持され、各支持軸20の右端部に、それぞれ肉塊12の左面を押さえる左面押え棒21が取り付けられている。また、支持アーム19には、支持軸22(図2参照)が、前後方向にスライド移動可能に支持され、この支持軸22の前端部に、肉塊12の前面を押さえる前面押え板23(図2参照)が取り付けられている。支持軸20,22のスライド移動(つまり、左面押え棒21と前面押え板23のスライド移動)は、支持アーム19に設けられた締付けレバー24によって固定される。
【0021】
一方、図1に示すように、肉箱13の下方で平刃物15の右方側には、肉箱13から送り出される肉塊12の下端位置を調整するスライス厚調整板28が上下動可能に設けられている。このスライス厚調整板28を支持するスライス厚調整ボックス29の調整ハンドル30で、スライス厚調整板28の高さ位置(肉塊12の下端位置)を調整することで、スライス肉片の厚さを調整できるようになっている。肉箱13は、このスライス厚調整板28の真上位置と刃物支持板14の真上位置との間を往復移動する。
【0022】
次に、図3及び図4を用いて肉箱13を往復移動させるための往復駆動機構31の構成を説明する。往復駆動機構31の駆動源である減速機付モータ32は、本体架台11の底部に設けられたモータベース33に組み付けられ、そのモータ32の出力軸に、クランクアーム34が取り付けられている。このクランクアーム34の上方には、2本のスライド軸35が肉箱13の往復移動方向(左右方向)に延びるように設けられ、これらのスライド軸35にスライドメタル36がスライド移動可能に挿通支持されている。このスライドメタル36と前記クランクアーム34との間には、クランクロッド37が掛け渡され、このクランクロッド37の両端部が、それぞれ回転軸38,39を介してスライドメタル36とクランクアーム34に連結されている。また、スライドメタル36には、肉箱取付ジョイント40を介して肉箱13が連結されている。これにより、クランクアーム34の回転運動がクランクロッド37を介してスライドメタル36の往復運動に変換され、このスライドメタル36と一体的に肉箱13が食肉スライサの左右方向(図4に矢印Aで示す方向)に往復移動する。
【0023】
また、クランクアーム34のうちのクランクロッド37の取付側と反対側の端部には、振動を低減するためのバランスウエイト41が設けられている。このバランスウエイト41は、肉箱13と逆方向に移動するように偏心配置されている。これにより、図4に実線で示すように、肉箱13がスライス厚調整板28側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見て刃物支持板14側に移動し、図4に二点鎖線で示すように、肉箱13が刃物支持板14側に移動したときには、バランスウエイト41が、その軸心から見てスライス厚調整板28側に移動するようになっている。
【0024】
一方、図3及び図4に示すように、平刃物15を駆動する減速機付モータ43の出力軸には、クランクアーム44が取り付けられ、このクランクアーム44の上方に、2本のスライド軸45が平刃物15の往復移動方向に延びるように設けられている。これらのスライド軸45に、スライドメタル46がスライド移動可能に挿通支持され、このスライドメタル46とクランクアーム44とがアームカラー47を介して連結されている。また、スライドメタル46には、刃物軸48がボルト等で締め付け固定され、この刃物軸48に、平刃物15が連結されている。これにより、クランクアーム44の回転運動がアームカラー47を介してスライドメタル46の往復運動に変換され、このスライドメタル46と一体的に平刃物15が食肉スライサの前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動する。
【0025】
尚、刃物軸48のうちの平刃物15とのジョイント部49には割り溝が形成され、平刃物15の端部をジョイント部49の割り溝に挿入して、ジョイント部49の締付けリング50をボルト等で締め付けてジョイント部49の割り溝を狭めることで、平刃物15が刃物軸48に固定されている。また、図7に示すように、平刃物15は、背部分15aが2枚の押え板51,52に挟まれた状態で、これら2枚の押え板51,52をボルト53で刃物支持板14に締め付け固定することで、刃物支持板14に前後方向にスライド移動可能に支持されている。
【0026】
次に、図5及び図6を用いて肉押え装置69の構成を説明する。
肉箱13の右端部に設けられた支持アーム70(図1参照)には、スライド軸25が上下方向に延びるように設けられ、このスライド軸25に、肉塊12の上面を押さえる上面押え板26(肉押え部材)が上下方向にスライド移動可能に挿通支持されている。この上面押え板26には、左面押え棒21(図2参照)との衝突を避けるためのスリット27が形成され、上面押え板26の側部には、肉箱13の内壁面に接触して回転する案内ローラ71が取り付けられている。また、肉箱13と上面押え板26との間には、上面押え板26の移動方向を規制する移動方向規制機構72と、この移動方向規制機構72による上面押え板26の移動方向の規制を解除する規制解除機構73とが設けられている。
【0027】
まず、移動方向規制機構72について説明する。図5に示すように、肉箱13の支持アーム70には、ラックギヤ74がスライド軸25と平行に上下方向に延びるように設けられ、このラックギヤ74に噛み合ったピニオンギヤ75が、ワンウェイクラッチ76を介して上面押え板26側に設けられたギヤボックス77に取り付けられている。このワンウェイクラッチ76は、ピニオンギヤ75の正回転方向(図6に矢印Bで示す方向)の回転のみを可能にして逆回転を阻止するように配置されている。
【0028】
そして、図6に示すように、上面押え板26が肉送り方向(下方)へスライド移動する方向、つまり、ラックギヤ74に対してピニオンギヤ75が下方へスライド移動する方向が、ピニオンギヤ75の正回転方向となり、上面押え板26が肉送り方向と逆方向(上方)へスライド移動する方向、つまり、ラックギヤ74に対してピニオンギヤ75が上方へスライド移動する方向が、ピニオンギヤ75の逆回転方向となるように設定されている。従って、前述したワンウェイクラッチ76の逆回転阻止機能によって上面押え板26の肉送り方向(下方)へのスライド移動(下降)のみが可能となり、上面押え板26の肉送り方向と逆方向(上方)へのスライド移動(上昇)が阻止されるようになっている。
【0029】
次に、規制解除機構73について説明する。図6に示すように、上面押え板26と一体的に移動するように設けられた支持部78には、複数のスライド軸79がそれぞれボルト80等で締め付け固定され、これらのスライド軸79に、前記ギヤボックス77がスライド移動可能に挿通支持されている。各スライド軸79には、それぞれ支持部78とギヤボックス77との間にスプリング81が挿通され、これらのスプリング81によってギヤボックス77がラックギヤ74の方向へ付勢されている。
【0030】
また、図5に示すように、支持部78には、規制解除レバー82が回動軸83を介してを回動可能に設けられ、この規制解除レバー82の先端部がギヤボックス77の内壁面に当接している。この規制解除レバー82の近傍には、支持部78に固定された固定レバー84が設けられている。
【0031】
通常時は、スプリング81の付勢力によってギヤボックス77がラックギヤ74の方に移動するため、ピニオンギヤ75がラックギヤ74と噛み合った状態に保持される。一方、規制解除レバー82と固定レバー84を一緒に握って、規制解除レバー82を規制解除方向(図5に矢印Cで示す方向)に回動すると、ギヤボックス77が規制解除レバー82の先端部に押されてラックギヤ74から離れる方向に移動するため、ピニオンギヤ75とラックギヤ74との噛み合いが外れる。これにより、移動方向規制機構72により上面押え板26の上昇が阻止された状態が解除される。
【0032】
また、肉箱13の上方部側方には、上面押え板26を退避位置に保持する保持部85が設けられ、上面押え板26を肉箱13の上方までスライド移動させた状態で、上面押え板26をスライド軸25を中心にして退避方向(図5に矢印Dで示す方向)に回動して、上面押え板26の一部を保持部85の上に載せておくことで、上面押え板26を肉箱13の側方に退避させることができるようになっている。
【0033】
次に、図7及び図8を用いて肉片ロール装置16の構成を説明する。
図7及び図8に示すように、平刃物15の下方近傍には、平刃物15でスライスされるスライス肉片をロール方向に案内して曲げるロール用ベルト54が、駆動ローラ55と従動ローラ56とに掛け渡されて傾斜状に配置されている。このロール用ベルト54の表面には、スライス肉片を滑り止めするための多数の突起が設けられ、スライス肉片を確実にロール方向に曲げることができるようになっている。
【0034】
一方、肉箱13の後面には、肉箱13と一体的に往復移動するラックギヤ57がボルト等で固定され、このラックギヤ57に噛み合ったピニオンギヤ58が、ギヤ支持部59に回動自在に支持されている。更に、このピニオンギヤ58に噛み合った駆動ギヤ60が、ギヤ支持部61に回動自在に支持され、この駆動ギヤ60の回動軸が、ロール用ベルト54の駆動ローラ55に連結されている。
【0035】
これにより、肉箱13の往復運動がラックギヤ57とピニオンギヤ58とによってピニオンギヤ58の回転運動に変換され、更に、このピニオンギヤ58の回転運動が駆動ギヤ60で反転されて駆動ローラ55に伝達されて、ロール用ベルト54が駆動される。この場合、肉箱13が肉塊12をスライスする方向(図7では左方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が正回転方向(図7では時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向(図7に実線矢印で示す方向)に回転する。一方、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向(図7では右方向)へ移動するときには、駆動ローラ55が逆回転方向(図7では反時計回り方向)に回転して、ロール用ベルト54がロールされたスライス肉片を左側斜め下方に排出する方向(図7に点線矢印で示す方向)に回転する。
【0036】
また、肉片ロール装置16には、スライス肉片のロール径を調整するロール径調整機構62が設けられている。以下、このロール径調整機構62について説明する。図7に示すように、ロール用ベルト54の従動ローラ56の回動軸は、円弧状に形成されたロール径調整アーム63に支持されている。このロール径調整アーム63には、スライド溝64が駆動ローラ55の回動軸を中心とした円弧状に延びるように形成され、このスライド溝64に本体架台11側に固定された固定軸65が相対移動可能に挿通されている。これにより、従動ローラ56とロール径調整アーム63が駆動ローラ55の回動軸を中心にしてスライド溝64の幅の範囲内でスライド移動可能に設けられている。
【0037】
この場合、従動ローラ56とロール径調整アーム63を左右方向にスライド移動させると、ロール用ベルト54が駆動ローラ55の回動軸を中心にして左右方向に回動して、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が調整され、スライス肉片のロール径が調整される。また、固定軸65に設けられたロック用つまみ66をロック方向(締め付ける方向)に回すと、ロール径調整アーム63が固定軸65に固定されて、ロール用ベルト54と平刃物15との間隔が固定される。
【0038】
また、図7に示すように、ロール用ベルト54の上方には、スライス肉片のロールを補助するロール補助板67が設けられ、ロール用ベルト54の左方には、ロールされたスライス肉片を下方の肉片受皿17に案内する案内通路68が設けられている。
【0039】
以上のように構成した食肉スライサでは、肉塊12をスライスする場合、まず、冷凍された肉塊12を肉箱13内にセットし、この肉塊の12の上に上面押え板26を載せて、肉塊12の上面を上面押え板26で肉送り方向(下方)へ押さえた状態にする。その後、肉箱13を左右方向(図1に矢印Aで示す方向)に往復移動させると共に、平刃物15を前後方向(肉箱13の移動方向と直角方向)に往復移動させる。この際、肉箱13内の肉塊12が、肉塊及び上面押え板26等の重量で鉛直下方に送り出され、肉箱13がスライス方向(図1では左方向)へ移動するときに、送り出された肉塊13の下端部が平刃物15で所定の厚さにスライスされて、そのスライス肉片が平刃物15の下方側に排出される。
【0040】
このスライス作業中は、移動方向規制機構72によって肉塊12の下降に伴って上面押え板26が下降することを許容しながら、上面押え板26が上昇することを遊びのない状態で阻止することができる。これにより、比較的固い冷凍状態の肉塊12をスライスする場合でも、スライス時の肉塊12の浮き上がりを確実に防止することができ、冷凍状態の肉塊12を均一に薄くスライスすることができる。しかも、冷凍温度を低くして、かなり固くなった肉塊12でもスライスすることができるので、肉塊12の冷凍温度を低くして、店頭の商品陳列棚等でスライス肉片の冷凍状態を比較的長く維持することが可能となり、スライス肉片の品質低下を防止することができて、スライス肉片の流通や管理がしやすくなるという利点もある。
【0041】
更に、スライス作業中に、肉片ロール装置16は、肉箱13がスライス方向へ移動するときに、ロール用ベルト54がスライス肉片をロールする方向に回転して、平刃物15の下方側に排出されるスライス肉片が、ロール用ベルト51で強制的にロール方向に送り出されながら曲げられて、均一な大きさのほぼ円筒状又は渦巻き状にロールされる。その後、肉箱13がスライス厚調整板28側に戻る方向へ移動するときに、ロール用ベルト54が逆方向に回転して、ロールされたスライス肉片がロール用ベルト54の左側斜め下方に排出される。排出されたロール形状のスライス肉片は、肉片受皿17で受け取られる。
【0042】
スライス作業終了後に、肉塊12の送り出しに伴って肉箱13の下端部付近まで下降した上面押え板26を再び肉箱13の上端部付近まで戻すときには、規制解除機構73の規制解除レバー82を規制解除方向に回動して上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除すれば、上面押え板26を上昇させることが可能となる。本実施形態では、上面押え板26の重量を重くする必要がないため、上面押え板26を軽い力で容易に上方へ移動させることができ、作業者の負担を軽減することができる。
【0043】
また、本実施形態では、移動方向規制機構72は、ラックギヤ74に対するピニオンギヤ75のスライド移動をワンウェイクラッチ76により肉送り方向のみに規制することで、上面押え板26の移動方向を規制するようにしたので、回転伝達系に用いられる一般的なワンウェイクラッチ76の逆回転阻止機能を利用して、上面押え板26の押し上げをがたなく阻止できるようにしながら、移動方向規制機構72をコンパクト化することができる。
【0044】
更に、本実施形態では、規制解除機構73は、ラックギヤ74とピニオンギヤ75との噛み合わせを外すことで、上面押え板26の上昇が阻止された状態を解除するようにしたので、ワンウェイクラッチ76自体に逆回転阻止機能を解除する機構を設ける必要がなく、ラックギヤ74とピニオンギヤ75との噛み合わせを外すだけの極めて簡単な機構で上面押え板26の移動方向が規制された状態を解除することができ、低コスト化することができる。
【0045】
また、本実施形態では、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置し、肉箱13の下方に平刃物15を配置するようにしたので、肉塊12の自重と上面押え板26の自重を最大限に利用して肉箱13の肉塊12を平刃物15の方に滑り落とすことができ、肉塊12を送り出す機構を省略して低コスト化しながら、肉塊12を平刃物15の方向(鉛直下方)にスムーズに送り出すことができる。
【0046】
しかしながら、本発明は、肉塊12をほぼ鉛直下方に送り出すように肉箱13を配置した構成に限定されず、肉塊12を斜め下方に送り出す(滑り落とす)ように肉箱13を傾斜状に配置した構成にしても良い。
【0047】
また、本実施形態では、スライス肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール装置16を設けるようにしたので、肉片ロール装置16により自動的にスライス肉片をロールすることができて、作業者が手作業でスライス肉片をロール形状に丸める必要がなく、熟練者でなくても、極めて能率良く且つ安全にスライス肉片を均一にロール形状に丸めることができる。
【0048】
尚、肉片ロール装置16の構成は、適宜変更しても良い。また、本発明は、肉片ロール装置16を設けた構成に限定されず、肉片ロール装置16を省略してスライス肉片をロールしない構成にしても良い。
その他、本発明は、移動方向規制機構72や規制解除機構73の構成を適宜変更したり、スライス用刃物として丸刃物を用いたりしても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における食肉スライサの正面図
【図2】食肉スライサの平面図
【図3】食肉スライサの縦断側面図
【図4】食肉スライサの縦断背面図
【図5】肉押え装置の平面図
【図6】肉押え装置の側面図
【図7】肉片ロール装置及びその周辺部の正面図
【図8】肉片ロール装置及びその周辺部の側面図
【図9】肉押え装置の比較例を示す図
【符号の説明】
11…本体架台、12…肉塊、13…肉箱(肉収容部)、15…平刃物(スライス用刃物)、16…肉片ロール装置(肉片ロール手段)、25…スライド軸、26…上面押え板(肉押え部材)、31…往復駆動機構、69…肉押え装置、70…支持アーム、72…移動方向規制機構、73…規制解除機構、74…ラックギヤ、75…ピニオンギヤ、76…ワンウェイクラッチ、77…ギヤボックス、78…支持部、79…スライド軸、81…スプリング、82…規制解除レバー。
Claims (5)
- 肉収容部に収容した肉塊を上方側から肉押え部材で押さえながら、該肉収容部から下方又は斜め下方に送り出される肉塊の下端部をスライス用刃物でスライスするようにした食肉スライサにおいて、
前記肉押え部材の下降のみを許容して上昇を阻止する移動方向規制機構と、
前記移動方向規制機構による前記肉押え部材の上昇阻止状態を解除する規制解除機構と
を備えていることを特徴とする食肉スライサ。 - 前記移動方向規制機構は、肉送り方向に延びるラックギヤと、このラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、このピニオンギヤの正回転のみを可能にして逆回転を阻止するワンウェイクラッチとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の食肉スライサ。
- 前記規制解除機構は、前記ラックギヤと前記ピニオンギヤとの噛み合わせを外すことで、前記肉押え部材の上昇が阻止された状態を解除するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の食肉スライサ。
- 前記肉収容部は、前記肉塊をほぼ鉛直下方に送り出すように配置され、前記スライス用刃物は、前記肉収容部の下方で前記肉塊の下端部をスライスするように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の食肉スライサ。
- 前記スライス用刃物でスライスされた肉片をほぼ円筒状又は渦巻き状にロールする肉片ロール手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の食肉スライサ。
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