JP2004166434A - 海底布設長尺体防護管の被着方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】布設台船上で容易に長尺体に防護管を被着作業が行え、被着後は長尺体を海中に繰り出してやるだけで、海底に埋設しなくとも良い海底布設長尺体防護管の被着方法および装置を提供することにある。
【解決手段】海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体(70)をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体(70)を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体(70)の下側に複数の半割防護管(64)を連接して位置づけ、上方から半割防護管(65)を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管(64)、(65)を台船上において長尺体(70)に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたことを特徴とした。
【選択図】 図1
【解決手段】海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体(70)をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体(70)を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体(70)の下側に複数の半割防護管(64)を連接して位置づけ、上方から半割防護管(65)を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管(64)、(65)を台船上において長尺体(70)に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたことを特徴とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
主として海底(水底)に布設する電力、通信等の各種ケーブルや送水管、オイルパイプ等のパイプ類等の長尺体を、岩盤等の外部の障害から防護するための防護管を被着するための被着方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力、通信等の各種ケーブルや送水管、オイルパイプ等の各種パイプ類等の長尺体を海底、水底に布設する長尺体布設台船は公知である。長尺体布設台船は、所望の面積のほぼ平坦な上面を有した喫水が浅い構造であり、台船の上面にはケーブルや送水管、オイルパイプ等の各種パイプ類等の長尺体をコイル状に巻回して収容する長尺体収容装置と、該長尺体を海中に繰り出す長尺体繰出装置が配設されている。
【0003】
長尺体布設台船は、長尺体布設作業と同時に海底に布設した長尺体に対して、例えば海中で船の錨等に接触して損傷することを防止するために、長尺体を海底に埋設したり、長尺体に防護管を被着させたりする。
【0004】
従来このような布設作業台船においてケーブルを保護する海底ケーブルの布設方法には、特開2000−308228号公報に開示されているように、台船上においてケーブルにフレキシブルパイプをはめ込んで、そのまま海底へ繰り出し布設する方法が採られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−308228号公報(第1−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では送水管等の比較的外径の大きい長尺体においては、その長尺体に被着する防護管はさらにその内径が大きくなるので、その半割状態にある半割防護管でもそれに共って重くなってくるので、比較的軽量のフレキシブルパイプとは違って台船上では防護作業をすることができなかった。
【0007】
そこで図6に示したように、かかる係留地点の海中に数点のアンカー(51)を打設し、その打設したアンカー(51)と台船(1)とをワイヤーロープ(52)によって、係留させてから、台船(1)上に設置してある長尺体をコイル取りしたパンまたはコンテナと呼ばれる容器に長尺体をコイル状に巻いて収容した長尺体パン(12)から長尺体(53)を繰り出しその繰り出した長尺体(53)に対して防護管(54)を一つ一つ潜水夫(55)が海底で被着作業をしていた。
【0008】
このような作業方法では、アンカーの打設および係留のために、非常に多くの時間と労力および多大な費用を必要としていた。特に、海底ケーブルの陸揚げ地点の潮流が激しく、あるいは、海苔網、かき養殖筏、岩石等の障害物が係留地点のすぐ近くにある場合には、そこにアンカーを打設することができないために、アンカーによる布設台船の係留は不可能となってしまう。そのため、布設ルートを変更するか、または養殖筏等を撤去するか、撤去されるまでその工事を延期する必要性があった。従って、布設台船の係留は係留地点の周囲の状況に左右されず容易に短時間に行うことができ、且ついつでも台船上で布設可能にすることが望まれていた。
【0009】
そこで、本発明の目的は、布設台船上で容易に長尺体に防護管を被着する作業が行え、被着後は長尺体を海中に繰り出してやるだけで、海底に埋設しなくとも良い海底布設長尺体防護管の被着方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するためにこの発明が採った手段は、海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたことを特徴とする。
【0011】
そして、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタを前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっていることを特徴とする。
【0012】
そして、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくことを特徴とする。
【0013】
そして、長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えた装置を搭載していることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この海底布設長尺体防護管の被着方法は、海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようになっている。
【0015】
また、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタ装置を前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっている。
【0016】
また、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくようになっている。
【0017】
また、前記長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えているようになっている。
【0018】
【実施例】
以下、発明の一実施例について、図面を参照して説明すると、図1は本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した正面図であり、図2は図1の状態を側面から見た図である。そして、図3は本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した説明図であり、図4は本発明の台船上面に収納したスラスタ装置を海面の上方向へ90度回転させる状態を説明した図である。また、図5は本発明のスラスタ装置を台船の側部から降ろし海中に浸した状態から海面上方向へ持ち上げた動作を説明した図である。
【0019】
図2において、具体的には、(61)は本発明である長尺体(70)に鋳造等で形成された一つ当たり、約50センチメートル長の防護管(A)、(B)、(C)、〜(H)を被着する装置を布設台船上に設置した長さ約5メートル、幅約70センチメートル長からなる長方形状の台である。そして、図2に示したように、被着された長尺体(73)は布設台船の船尾に設置された滑台(75)から船外海中へ繰り出されることになる。
【0020】
次に、上述したように長尺体(70)に防護管(A)、(B)、(C)、〜(H)を連接被着し海中へ繰り出して行く方法を図1〜図3を参照しながら以下詳細に説明する。
【0021】
まず、図に示したように、長尺体(70)は滑台(75)の高さ位置に保持される。そして、その長尺体(70)の下側には、受台(63)の上に内側を上方に向けて複数の半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)をそれぞれ縦方向に組合せるように連接して設置し、その設置が完了しだい図1に示したように半割防護管(64)を載置した受台(63)は、その下に配置したリフター(62)を操作することで持ち上げられ、受台(63)および半割防護管(64)はそれぞれ(63’)、(64’)の位置まで上昇移動して長尺体(70)に当接される。
【0022】
そして、次に柱(5)で支えられて架台(6)の下に取付られたリフト架台(7)には、フリークレーン(8)が取付設置されており、このフリークレーン(8)よって上方から運ばれてきた内側を下方に向けた半割防護管(65)は、(65’)の位置に移動させて前述した長尺体(70)の下側に配置した半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)の個々に順次対応させながらこの連接作業を行い、この作業前に被着した中で一番最後に被着されて上/下組にされて置かれた半割防護管(z1)、(z2)からなる防護管(Z)の後ろに続いている長尺体(70)に対して更に被覆して行く。
【0023】
このようにして所定個数並べられた長尺体(70)の下側に配置された半割防護管(z1)に続いて内側を上方に向けて置かれた半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)に対して、上側から内側を下方に向けた半割防護管(a2)、(b2)、(c2)〜(h2)を被せ所定長被着する。そして、このような一連の被着作業を終えた後に、長尺体(70)に連接被覆した所定長分の距離を前述した操船支援装置により台船を前進させつつ制御して滑台(75)を介して海底に布設する。この作業を同様に繰り返して行う。
【0024】
上述したように長尺体(70)を布設する台船には、長尺体(70)がコイル状に収容されてあり、その操舵室にはコンピュータにて制御されたDGPS(Differential Global Positioning System) 等の人工衛星利用測位システムを採用した操船支援装置が備えられている。そして、その操船支援装置によって台船はその位置が精度高く観測できるシステムになっている。
【0025】
また、この台船にはその両舷側に所定の間隔をおいて少なくとも二個、全部で四個配置され、台船を定置に安定に維持させるためのスラスタ(20)を含むスラスタ装置を備えている。以下にこのスラスタ装置の構造とその動作について図4および図5を用いて説明する。
【0026】
まず、スラスタ装置はこれらの図に示したように、スラスタ(20)と呼ばれる本体からトランザム(29)と呼ばれる長いアームを延出したその先端に水かき用のプロペラ(30)が取付けられている。そして、このプロペラ(30)が取付けられているプロペラヘッド(h)の首部(m)は360度自由自在に転回が可能な構造となっており、そのプロペラ(30)の回転速度およびプロペラヘッド(h)の回転角度を決定する首部(m)の転回方向は、上述した操舵室からコンピュータにて制御されるようになっている。
【0027】
次に、このような構造のスラスタ装置本体であるスラスタ(20)を動作させて台船(1)を制御する方法を説明すると、図4に示したようにスラスタ装置本体のスラスタ(20)は台船(1)上の舷側内側近傍にそれぞれ設置されている。そして、そのスラスタ装置の下には安定的に制御できるようにするために設置台となる旋回ベース(27)が配置されており、その上面には軸(23)が本体装置を軸支として取付られている。そして、フレーム(21)にはこの軸(23)に操作用の旋回ハンドル(28)や旋回減速機(25)を備えた旋回テーブル(24)と、その旋回テーブル(24)に軸(t)を介してトランザム(29)が取付られた構造になっている。そして、またこのフレーム(21)には上述した軸支の軸(23)を中心に台船(1)上で所定の角度でスラスタ装置本体とともに水平方向に旋回して、台船(1)上を移動させることが容易なように下側に車輪(22)がついており、その車輪(22)は旋回ベース(27)の上面に形成された案内レール(31)の上に対応して載るように設置されている。そして、例えば、台船(1)が自然発生波や航路波等により動揺したためによって起こりうる不用意な回転を防止するためにストッパ(26)によって歯止めされ安定的に保持される。
【0028】
このようにトランザム(29)がフレーム(21)を介してスラスタ装置に取付られている状態で、トランザム(29)はフレーム(21)の旋回にともなって案内レール(31)の上を回転することができる。このように旋回するトランザム(29)の動作は、旋回ハンドル(28)を手動で回すことによって行うことができ、さらにその動作は旋回減速機(25)によって一定の速度で行えるように工夫されている。そして、このトランザム(29)の動作角度としては、図4に示したように台船(1)の舷側に対して船外方向に少なくとも90度の動作ができるようになっている。しかし、このトランザム(29)の収納位置はそれぞれ前後舷側近傍に互いに対向させて収納してあるので実際の回転角度は少なくとも180度の動作が可能になっている。
【0029】
次に、図5に示したようにトランザム(29)をフレーム(21)に設けてある軸(t)を中心にして90度に下側方向に折れ曲がる構造およびその動作を説明すると、まず、この作動は図示しない油圧ポンプによって油圧シリンダ(32)に加圧動作させることによって行うことができ、台船(1)の舷側に対して船外90度の位置で、且つ水平方向に延出させたトランザム(29)は、その位置から少なくとも下側に90度に折れ曲がるような作動ができるようになっている。
【0030】
次に、このように左右および上下に回転自在に動くプロペラ(30)を先端に取付け、トランザム(29)を具備したスラスタ(20)からなるスラスタ装置を、前後両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置した台船(1)について、その動作を以下に説明する。
【0031】
まず、台船(1)がタグボートよって作業現場に到着し、その作業のために台船(1)を定置に係留させたい場合は、スラスタ装置であるスラスタ(20)の旋回ハンドル(28)を回すことによって、台船(1)の上面に収納されていたトランザム(29)をゆっくりと収納されていた位置から舷側から船外方向に90度回転させる。そして、次に、図示しない油圧ポンプを動作させて油圧シリンダ(32)を加圧することによって、今度はトランザム(29)をゆっくりと下方向つまり海面方向に90度回転させ、その先端のプロペラ(30)を海中に没するようにする。同様にこの作業をそれぞれに配置されているスラスタ装置に対して行う。
【0032】
そして、この状態で前述した操舵室から各プロペラ(30)の回転数およびプロペラヘッド(h)の方向を首部(m)に対してコンピュータ制御を行うようになっている。さらに、これらの制御はDGPS等からの位置情報を基にして常にその精度が保たれるように設定されている。つまり、各スラスタ装置の制御は全て自動化され台船(1)がその係留ポイントから外れた場合においては、直ちに上述したコンピュータ制御が行われて常に位置補正が行われるようになっている。
【0033】
つまり、長尺体(70)に防護管(A)、(B)、(C)〜(H)を被着した所定長の距離ずつ即座に台船を前進移動させることができるので、その作業に必要な移動距離分に対し、その係留ポイントから作業に合わせた所定長の距離を前進する移動先地点のデータをコンピュータに指示するだけで良い。つまり、コンピュータはDGPSから受けている位置情報と指示された移動先地点の位置情報とを比較し、コンピュータは各スラスタ装置に対してその移動先地点までの位置補正分の制御信号を送り直ちに制御を行うことができるようにしている。
【0034】
このように、本発明のスラスタ装置からなるスラスタ(20)を使用することで、従来は不可能とされていた台船自身で定置に係留することができるようになる。
【0035】
次に、台船(1)での作業が終了しタグボートに曳かれる場合においては、まず、図5に示したように油圧シリンダ(32)を動作させてトランザム(29)を少なくとも海面から90度回転させて持ち上げてから、今度は、旋回ハンドル(28)を手動で回してトランザム(29)を少なくとも90度水平方向に回転させて台船(1)の上に引き込み収納する。そして、このトランザム(29)の収納後にトランザム(29)の不用意な回転を防止するためにストッパ(26)で歯止めをしておく。そのようにしてトランザム(29)を台船(1)の上に引き込み収納することで、タグボートに曳かれ移動する場合においては、航行抵抗が減るのでスピードを上げて航行することが可能となる。
【0036】
なお、この一実施例では旋回ハンドル(28)は手動で回していたが、これらの操作は手動に限るものではなく、電動モータ等の動力を用いて操作させるようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の海底布設長尺体防護管の被着方法によれば、その構成を海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたため、所定長の長尺体に対して防護管を短時間で装着することができ、その布設作業距離はその所定長の長尺単位ずつの距離で行うことができるので、布設作業時間が短縮されその分の費用が削減できるという効果が得られる。
【0038】
また、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタ装置を前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっているため、例えば、長尺体の布設作業毎に台船をアンカーによる定点保持をさせる必要がないので、長尺体に防護管を被着した所定長の距離ずつ即座に台船を前進移動させることができるという効果が得られる。
【0039】
また、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくようにしたため、下側に配置した半割防護管に対応して組になる半割防護管を上から安定して被せることができ、更に各上/下組になった半割防護管個々に対して複数個のボルト締めで容易に一体に接合することができるという効果が得られる。
【0040】
また、長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えたため、長尺体の下側にそれぞれ安定的に連接した状態で複数個の半割防護管を配置させて置くことができ、その連接状態に配置された半割防護管に対応して、組になる半割防護管を上から順次被せることができるので作業時間の短縮が図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した正面図である。
【図2】図1の状態を側面から見た図である。
【図3】本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した説明図である。
【図4】本発明の台船上面に収納したスラスタ装置を海面の上方向へ90度回転させる状態を説明する図である。
【図5】本発明のスラスタ装置を台船の側部から降ろし海中に没した状態から海面上方向へ持ち上げた動作を説明した図である。
【図6】従来の防護管の被着方法を説明した概念図である。
【符号の説明】
(1) 台船
(5) 柱
(6) 架台
(7) リフト架台
(8) フリークレーン
(53) ケーブル
(61) 台
(62) リフター
(63) 受台
(64) 防護管(下側用)
(65) 防護管(上側用)
(70) 長尺体
(73) 布設された長尺体
(75) 滑台
【発明の属する技術分野】
主として海底(水底)に布設する電力、通信等の各種ケーブルや送水管、オイルパイプ等のパイプ類等の長尺体を、岩盤等の外部の障害から防護するための防護管を被着するための被着方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力、通信等の各種ケーブルや送水管、オイルパイプ等の各種パイプ類等の長尺体を海底、水底に布設する長尺体布設台船は公知である。長尺体布設台船は、所望の面積のほぼ平坦な上面を有した喫水が浅い構造であり、台船の上面にはケーブルや送水管、オイルパイプ等の各種パイプ類等の長尺体をコイル状に巻回して収容する長尺体収容装置と、該長尺体を海中に繰り出す長尺体繰出装置が配設されている。
【0003】
長尺体布設台船は、長尺体布設作業と同時に海底に布設した長尺体に対して、例えば海中で船の錨等に接触して損傷することを防止するために、長尺体を海底に埋設したり、長尺体に防護管を被着させたりする。
【0004】
従来このような布設作業台船においてケーブルを保護する海底ケーブルの布設方法には、特開2000−308228号公報に開示されているように、台船上においてケーブルにフレキシブルパイプをはめ込んで、そのまま海底へ繰り出し布設する方法が採られている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−308228号公報(第1−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような方法では送水管等の比較的外径の大きい長尺体においては、その長尺体に被着する防護管はさらにその内径が大きくなるので、その半割状態にある半割防護管でもそれに共って重くなってくるので、比較的軽量のフレキシブルパイプとは違って台船上では防護作業をすることができなかった。
【0007】
そこで図6に示したように、かかる係留地点の海中に数点のアンカー(51)を打設し、その打設したアンカー(51)と台船(1)とをワイヤーロープ(52)によって、係留させてから、台船(1)上に設置してある長尺体をコイル取りしたパンまたはコンテナと呼ばれる容器に長尺体をコイル状に巻いて収容した長尺体パン(12)から長尺体(53)を繰り出しその繰り出した長尺体(53)に対して防護管(54)を一つ一つ潜水夫(55)が海底で被着作業をしていた。
【0008】
このような作業方法では、アンカーの打設および係留のために、非常に多くの時間と労力および多大な費用を必要としていた。特に、海底ケーブルの陸揚げ地点の潮流が激しく、あるいは、海苔網、かき養殖筏、岩石等の障害物が係留地点のすぐ近くにある場合には、そこにアンカーを打設することができないために、アンカーによる布設台船の係留は不可能となってしまう。そのため、布設ルートを変更するか、または養殖筏等を撤去するか、撤去されるまでその工事を延期する必要性があった。従って、布設台船の係留は係留地点の周囲の状況に左右されず容易に短時間に行うことができ、且ついつでも台船上で布設可能にすることが望まれていた。
【0009】
そこで、本発明の目的は、布設台船上で容易に長尺体に防護管を被着する作業が行え、被着後は長尺体を海中に繰り出してやるだけで、海底に埋設しなくとも良い海底布設長尺体防護管の被着方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するためにこの発明が採った手段は、海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたことを特徴とする。
【0011】
そして、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタを前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっていることを特徴とする。
【0012】
そして、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくことを特徴とする。
【0013】
そして、長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えた装置を搭載していることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この海底布設長尺体防護管の被着方法は、海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようになっている。
【0015】
また、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタ装置を前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっている。
【0016】
また、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくようになっている。
【0017】
また、前記長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えているようになっている。
【0018】
【実施例】
以下、発明の一実施例について、図面を参照して説明すると、図1は本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した正面図であり、図2は図1の状態を側面から見た図である。そして、図3は本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した説明図であり、図4は本発明の台船上面に収納したスラスタ装置を海面の上方向へ90度回転させる状態を説明した図である。また、図5は本発明のスラスタ装置を台船の側部から降ろし海中に浸した状態から海面上方向へ持ち上げた動作を説明した図である。
【0019】
図2において、具体的には、(61)は本発明である長尺体(70)に鋳造等で形成された一つ当たり、約50センチメートル長の防護管(A)、(B)、(C)、〜(H)を被着する装置を布設台船上に設置した長さ約5メートル、幅約70センチメートル長からなる長方形状の台である。そして、図2に示したように、被着された長尺体(73)は布設台船の船尾に設置された滑台(75)から船外海中へ繰り出されることになる。
【0020】
次に、上述したように長尺体(70)に防護管(A)、(B)、(C)、〜(H)を連接被着し海中へ繰り出して行く方法を図1〜図3を参照しながら以下詳細に説明する。
【0021】
まず、図に示したように、長尺体(70)は滑台(75)の高さ位置に保持される。そして、その長尺体(70)の下側には、受台(63)の上に内側を上方に向けて複数の半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)をそれぞれ縦方向に組合せるように連接して設置し、その設置が完了しだい図1に示したように半割防護管(64)を載置した受台(63)は、その下に配置したリフター(62)を操作することで持ち上げられ、受台(63)および半割防護管(64)はそれぞれ(63’)、(64’)の位置まで上昇移動して長尺体(70)に当接される。
【0022】
そして、次に柱(5)で支えられて架台(6)の下に取付られたリフト架台(7)には、フリークレーン(8)が取付設置されており、このフリークレーン(8)よって上方から運ばれてきた内側を下方に向けた半割防護管(65)は、(65’)の位置に移動させて前述した長尺体(70)の下側に配置した半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)の個々に順次対応させながらこの連接作業を行い、この作業前に被着した中で一番最後に被着されて上/下組にされて置かれた半割防護管(z1)、(z2)からなる防護管(Z)の後ろに続いている長尺体(70)に対して更に被覆して行く。
【0023】
このようにして所定個数並べられた長尺体(70)の下側に配置された半割防護管(z1)に続いて内側を上方に向けて置かれた半割防護管(a1)、(b1)、(c1)〜(h1)に対して、上側から内側を下方に向けた半割防護管(a2)、(b2)、(c2)〜(h2)を被せ所定長被着する。そして、このような一連の被着作業を終えた後に、長尺体(70)に連接被覆した所定長分の距離を前述した操船支援装置により台船を前進させつつ制御して滑台(75)を介して海底に布設する。この作業を同様に繰り返して行う。
【0024】
上述したように長尺体(70)を布設する台船には、長尺体(70)がコイル状に収容されてあり、その操舵室にはコンピュータにて制御されたDGPS(Differential Global Positioning System) 等の人工衛星利用測位システムを採用した操船支援装置が備えられている。そして、その操船支援装置によって台船はその位置が精度高く観測できるシステムになっている。
【0025】
また、この台船にはその両舷側に所定の間隔をおいて少なくとも二個、全部で四個配置され、台船を定置に安定に維持させるためのスラスタ(20)を含むスラスタ装置を備えている。以下にこのスラスタ装置の構造とその動作について図4および図5を用いて説明する。
【0026】
まず、スラスタ装置はこれらの図に示したように、スラスタ(20)と呼ばれる本体からトランザム(29)と呼ばれる長いアームを延出したその先端に水かき用のプロペラ(30)が取付けられている。そして、このプロペラ(30)が取付けられているプロペラヘッド(h)の首部(m)は360度自由自在に転回が可能な構造となっており、そのプロペラ(30)の回転速度およびプロペラヘッド(h)の回転角度を決定する首部(m)の転回方向は、上述した操舵室からコンピュータにて制御されるようになっている。
【0027】
次に、このような構造のスラスタ装置本体であるスラスタ(20)を動作させて台船(1)を制御する方法を説明すると、図4に示したようにスラスタ装置本体のスラスタ(20)は台船(1)上の舷側内側近傍にそれぞれ設置されている。そして、そのスラスタ装置の下には安定的に制御できるようにするために設置台となる旋回ベース(27)が配置されており、その上面には軸(23)が本体装置を軸支として取付られている。そして、フレーム(21)にはこの軸(23)に操作用の旋回ハンドル(28)や旋回減速機(25)を備えた旋回テーブル(24)と、その旋回テーブル(24)に軸(t)を介してトランザム(29)が取付られた構造になっている。そして、またこのフレーム(21)には上述した軸支の軸(23)を中心に台船(1)上で所定の角度でスラスタ装置本体とともに水平方向に旋回して、台船(1)上を移動させることが容易なように下側に車輪(22)がついており、その車輪(22)は旋回ベース(27)の上面に形成された案内レール(31)の上に対応して載るように設置されている。そして、例えば、台船(1)が自然発生波や航路波等により動揺したためによって起こりうる不用意な回転を防止するためにストッパ(26)によって歯止めされ安定的に保持される。
【0028】
このようにトランザム(29)がフレーム(21)を介してスラスタ装置に取付られている状態で、トランザム(29)はフレーム(21)の旋回にともなって案内レール(31)の上を回転することができる。このように旋回するトランザム(29)の動作は、旋回ハンドル(28)を手動で回すことによって行うことができ、さらにその動作は旋回減速機(25)によって一定の速度で行えるように工夫されている。そして、このトランザム(29)の動作角度としては、図4に示したように台船(1)の舷側に対して船外方向に少なくとも90度の動作ができるようになっている。しかし、このトランザム(29)の収納位置はそれぞれ前後舷側近傍に互いに対向させて収納してあるので実際の回転角度は少なくとも180度の動作が可能になっている。
【0029】
次に、図5に示したようにトランザム(29)をフレーム(21)に設けてある軸(t)を中心にして90度に下側方向に折れ曲がる構造およびその動作を説明すると、まず、この作動は図示しない油圧ポンプによって油圧シリンダ(32)に加圧動作させることによって行うことができ、台船(1)の舷側に対して船外90度の位置で、且つ水平方向に延出させたトランザム(29)は、その位置から少なくとも下側に90度に折れ曲がるような作動ができるようになっている。
【0030】
次に、このように左右および上下に回転自在に動くプロペラ(30)を先端に取付け、トランザム(29)を具備したスラスタ(20)からなるスラスタ装置を、前後両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置した台船(1)について、その動作を以下に説明する。
【0031】
まず、台船(1)がタグボートよって作業現場に到着し、その作業のために台船(1)を定置に係留させたい場合は、スラスタ装置であるスラスタ(20)の旋回ハンドル(28)を回すことによって、台船(1)の上面に収納されていたトランザム(29)をゆっくりと収納されていた位置から舷側から船外方向に90度回転させる。そして、次に、図示しない油圧ポンプを動作させて油圧シリンダ(32)を加圧することによって、今度はトランザム(29)をゆっくりと下方向つまり海面方向に90度回転させ、その先端のプロペラ(30)を海中に没するようにする。同様にこの作業をそれぞれに配置されているスラスタ装置に対して行う。
【0032】
そして、この状態で前述した操舵室から各プロペラ(30)の回転数およびプロペラヘッド(h)の方向を首部(m)に対してコンピュータ制御を行うようになっている。さらに、これらの制御はDGPS等からの位置情報を基にして常にその精度が保たれるように設定されている。つまり、各スラスタ装置の制御は全て自動化され台船(1)がその係留ポイントから外れた場合においては、直ちに上述したコンピュータ制御が行われて常に位置補正が行われるようになっている。
【0033】
つまり、長尺体(70)に防護管(A)、(B)、(C)〜(H)を被着した所定長の距離ずつ即座に台船を前進移動させることができるので、その作業に必要な移動距離分に対し、その係留ポイントから作業に合わせた所定長の距離を前進する移動先地点のデータをコンピュータに指示するだけで良い。つまり、コンピュータはDGPSから受けている位置情報と指示された移動先地点の位置情報とを比較し、コンピュータは各スラスタ装置に対してその移動先地点までの位置補正分の制御信号を送り直ちに制御を行うことができるようにしている。
【0034】
このように、本発明のスラスタ装置からなるスラスタ(20)を使用することで、従来は不可能とされていた台船自身で定置に係留することができるようになる。
【0035】
次に、台船(1)での作業が終了しタグボートに曳かれる場合においては、まず、図5に示したように油圧シリンダ(32)を動作させてトランザム(29)を少なくとも海面から90度回転させて持ち上げてから、今度は、旋回ハンドル(28)を手動で回してトランザム(29)を少なくとも90度水平方向に回転させて台船(1)の上に引き込み収納する。そして、このトランザム(29)の収納後にトランザム(29)の不用意な回転を防止するためにストッパ(26)で歯止めをしておく。そのようにしてトランザム(29)を台船(1)の上に引き込み収納することで、タグボートに曳かれ移動する場合においては、航行抵抗が減るのでスピードを上げて航行することが可能となる。
【0036】
なお、この一実施例では旋回ハンドル(28)は手動で回していたが、これらの操作は手動に限るものではなく、電動モータ等の動力を用いて操作させるようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の海底布設長尺体防護管の被着方法によれば、その構成を海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたため、所定長の長尺体に対して防護管を短時間で装着することができ、その布設作業距離はその所定長の長尺単位ずつの距離で行うことができるので、布設作業時間が短縮されその分の費用が削減できるという効果が得られる。
【0038】
また、前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタ装置を前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっているため、例えば、長尺体の布設作業毎に台船をアンカーによる定点保持をさせる必要がないので、長尺体に防護管を被着した所定長の距離ずつ即座に台船を前進移動させることができるという効果が得られる。
【0039】
また、前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくようにしたため、下側に配置した半割防護管に対応して組になる半割防護管を上から安定して被せることができ、更に各上/下組になった半割防護管個々に対して複数個のボルト締めで容易に一体に接合することができるという効果が得られる。
【0040】
また、長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えたため、長尺体の下側にそれぞれ安定的に連接した状態で複数個の半割防護管を配置させて置くことができ、その連接状態に配置された半割防護管に対応して、組になる半割防護管を上から順次被せることができるので作業時間の短縮が図れるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した正面図である。
【図2】図1の状態を側面から見た図である。
【図3】本発明である台船上において防護管を長尺体に被着する方法を説明した説明図である。
【図4】本発明の台船上面に収納したスラスタ装置を海面の上方向へ90度回転させる状態を説明する図である。
【図5】本発明のスラスタ装置を台船の側部から降ろし海中に没した状態から海面上方向へ持ち上げた動作を説明した図である。
【図6】従来の防護管の被着方法を説明した概念図である。
【符号の説明】
(1) 台船
(5) 柱
(6) 架台
(7) リフト架台
(8) フリークレーン
(53) ケーブル
(61) 台
(62) リフター
(63) 受台
(64) 防護管(下側用)
(65) 防護管(上側用)
(70) 長尺体
(73) 布設された長尺体
(75) 滑台
Claims (4)
- 海上に浮揚し、地球位置測位システムを有した操船支援装置で制御される台船であって、該台船上にはケーブル、パイプ等の長尺体をコイル状に収容する長尺体収容装置と、該長尺体収容装置から繰り出された長尺体を、後方海中に繰り出す滑台とを船尾に備え、前記台船上において所定の高さ位置に保持された長尺体の下側に複数の半割防護管を連接して位置づけ、上方から半割防護管を個々に且つ順次被覆して一体に接合し、所定長の半割防護管を台船上において長尺体に装着した後、該連接被覆した所定長分の距離を前記操船支援装置により船体を前進させつつ制御して海底に布設するようにしたことを特徴とする海底布設長尺体防護管の被着方法。
- 前記台船は、その舷側から船外に延出し海中に向かって垂直方向に旋回自在なアームと該アームの先端に取付られ任意の方向の転回自在なプロペラとを備えるスラスタ装置を台船の両舷側に少なくとも二つ前後に間隔をおいて配置し、該スラスタ装置を前記操船支援装置により個別に制御して操船されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の海底布設長尺体防護管の被着方法。
- 前記半割防護管の内側を上向きにし、予め一方向に複数連接して受台の上に配置し、該受台を前記長尺体の下方より上昇させて連接した半割防護管を該長尺体に当接させ、その長尺体の上からそれぞれ個々に半割防護管を被着していくことを特徴とする請求項1記載の海底布設長尺体防護管の被着方法。
- 前記長尺体の下に沿って設けられ、複数個の防護管を縦方向に配置することができる幅と長さを有した受台に、該受台の下から持ち上げる上昇機構を備えたことを特徴とする海底布設長尺体防護管の被着装置
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060530 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061010 |