JP2004158803A - レーザ加工装置および表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザアニール工程における照射光学装置2によるレーザ光の照射を、柱状光学素子5によりレーザ光の均一化と利用効率の向上が図られ、かつ、テレセントリック条件が満たされたリレーレンズ系6を用いる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を用いて被加工体に対して加工を行うレーザ加工装置と、それを用いた表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ加工装置による加工は、溶接、切断、孔あけ、マーキングおよびアニール等の各種加工領域に広く適用されている。一般的にそれらのレーザ加工装置では、図6に示したレーザマーカの光学系のように、レーザ発振器71からの出射したレーザ光をレンズ72を介して、レンズ系からなるビーム整形光学系(ホモジナイザ)73でビームサイズを整えてからマスク74に照射するとともに、マスクでパターン以外のレーザ光を遮断し、パターン内部の必要な部分だけレーザ光を透過させ、結像レンズ75や反射ミラー76を介して被加工体77に照射している。
【0003】
また、発明者は、図7に示すように、かって、柱状光学素子であるカライドスコープ81を用いた高効率な光学系を提案している(例えば、特許文献1参照)。この場合はマスク82をカライドスコープ81の出射面に設置するとともに、入射面にもピンホール83を設置したものである。マスク82から反射されたレーザ光はカライドスコープの側壁84と入射端面で再反射され、マスク82方向へと戻っていく。この作用によって、伝送効率向上と強度分布の均一化を両立させたものである。
【0004】
これらのレーザ加工装置による加工の際の一つの課題は、「光学系の伝送効率を向上する」ことである。つまり、これらの加工には比較的高価なレーザ加工装置を用いるので、発生したエネルギを効率良く加工に使用することはコストメリットの面からも強い要請がある。これらについては、通常、レーザ光を伝達する光学系を形成しているレンズやミラーの各面での反射損失や吸収損失を、出来る限り低減するために、レンズやミラーの各面にコーティングを施す等の工夫により、エネルギ効率の改善を図っている。
【0005】
一方、加工点からみれば、加工に必要なレーザ光の強度分布の制御が重要になることが多い。そのひとつは、レーザ光の強度分布の均一化である。例えば、被加工物にレーザ光を照射して表面処理加工等を施す場合は、レーザ光の強度分布を均一化し、被加工物の均一な処理温度を実現することが必要となる。
【0006】
なお、被加工体にマーキング加工を施す、マスクタイプのレーザマーカ等も表面処理加工の一種であるが、この場合はマスクでレーザ光を必要な形状にパターニングし、かつその強度がパターン全体で均一なことが望ましい。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−192584号公報 (第2頁−第3頁 図4−図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図6に示したようなホモジナイザとマスクを用いた光学系では、光学的にマスクでパターン以外の不要なレーザ光を遮断し、加工点に到達しないようにしている。したがって、レーザ光の利用効率からみるとあまり好ましくない。例えば、図8に示すようなパターンのマスクを用いた場合は、透過部分91が10%で、遮断部分92が90%になるので、レーザ光の面積利用効率は10%でしかない。この場合、もし、遮断部分92のレーザ光のエネルギを加工点に振り向けて利用することが可能になれば、レーザ加工装置の出力規模を低減することができるので、設備コストやランニングコストの低減化を図ることができる。
【0009】
また、上述の図7に示されているようなカライドスコープ(柱状光学素子)を用いた光学系の場合は、レーザ光の利用効率の向上と均一化の観点では満足するものの、テレセントリック条件については満足するものではない。
【0010】
なお、テレセントリック条件とは、加工点側で主光線が被加工体に対して垂直に入射することを意味しており、テレセントリック条件を満足している場合は、多少はフォーカスが狂った場合に、ボケは発生するものの、パターンのサイズが変化しないという特性に通じている。このテレセントリック条件を満足するためには、物体側あるいは像側、又は、その両側の主光線が無限遠まで光軸と交われないような光学系を用いる必要がある。
【0011】
本発明はこれらの事情にもとづいてなされたもので、加工に用いるレーザ光の均一化、利用効率の向上およびテレセントリック条件の確保という3つの条件を満たす光学系を有するレーザ加工装置と、それを用いた液晶等の表示装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による手段によれば、レーザ発振器と、このレーザ発振器から出射されるレーザビームの光路上に配置され前記レーザビームの整形をおこなうビーム整形光学系と、前記ビーム整形光学系により整形されたレーザビームを入射面側に設けられたアパーチャから入射させ出射側に設けられたマスクを介して出射させる柱状光学素子と、この柱状光学素子を通過したレーザビームの光路上に順次設けられたリレーレンズ系、2次マスク、投影レンズ及びテーブルとを備えたレーザ加工装置であって、
前記リレーレンズ系は、前記柱状光学素子の出射面の像を前記2次マスクに結像し、かつ、前記柱状光学素子の入射面の像を前記投影レンズの入射瞳に結像する位置に配置されていることを特徴とするレーザ加工装置である。
【0013】
また請求項2の発明による手段によれば、前記リレーレンズ系を構成する2枚のレンズにおいて、前記柱状光学素子側のレンズ(f1レンズ)と、その光軸上の前方のレンズ(f2レンズ)との結像式が
f1レンズでは、(1/y1)+1/(f2+L)=1/f2
f2レンズでは、(1/y2)+1/(f1+L)=1/f1
ただし、f1:柱状光学素子の出射側とf1レンズ(柱状光学素子側のレンズ)との距離
d:f1レンズとf2レンズとの距離
f2:f2レンズ2次マスクとの距離
L:2次マスクと投影レンズの入射瞳面との距離
y1:リレーレンズ系の焦点とf1レンズとの距離
y2:リレーレンズ系の焦点とf2レンズとの距離
であることを特徴とするレーザ加工装置である。
【0014】
また請求項3の発明による手段によれば、前記柱状光学素子は、断面が正多角形あるいは円形であることを特徴とするレーザ加工装置である。
【0015】
また請求項4の発明による手段によれば、前記被処理体は基板の表面に形成されたアモルファスシリコンであることを特徴とするレーザ加工装置である。
【0016】
また請求項5の発明による手段によれば、アモルファスシリコンを多結晶化するために、基板の表面に形成されたアモルファスシリコンに対して、レーザ発振器から出射されたレーザ光を照射光学系を介して照射するレーザアニール工程を具えた表示装置の製造方法であって、
前記レーザアニール工程における照射光学装置によるレーザ光の照射は、前記柱状光学素子によりレーザ光の均一化と利用効率の向上が図られ、かつ、テレセントリック条件が満たされていることを特徴とする表示装置の製造方法である。
【0017】
また請求項6の発明による手段によれば、前記レーザアニール工程における照射光学装置によるレーザ光の照射は、スリットが形成されたマスクを介してラインビームを照射していることを特徴とする表示装置の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明のレーザ加工装置の概略を示した模式図である。レーザ発振器1の光軸上の前方には、照射光学装置2が形成されレーザ光の進行方向に従って、ビーム整形光学系3、ビーム入射光学系を形成する入射レンズ4、柱状光学素子5、リレーレンズ系6、2次マスク7、ミラー8および投影レンズ9が配置されている。また、投影レンズ9の結像位置には被処理体Wを載置するテーブル10が配置されている。
【0020】
レーザ発振器1は、例えば、波長が約308nmのエキシマレーザ光を出射し、パルス幅が約20nsec、周波数が約300Hzで平均出力が約200Wの特性を備えている。なお、レーザ媒質として波長308nmの光を発振するXeClを使用しているが、ArF、KrFなどの他のレーザ媒質を用いても差し支えない。
【0021】
柱状光学素子5としては、多角形断面を有した代表的なものは、四角形断面を有するカライドスコープである。図2に示すようにカライドスコープ11は、筒状の光学部品で、この筒の内部には一様な反射膜が形成され、側面11aと入射面11bおよび出射面11cの内面が反射面であるとともに、入射面11bにはビーム径制限用のアパーチャ12、出射面11cには加工点に投影するためのスリットのパターンが透過面として形成されているマスク13が形成されている。
【0022】
カライドスコープ11に入射する光は、内面に形成されている反射膜によって幾度かの反射を繰り返しつつ進行する。それによって光強度の均一化が成されて他端から出射される。このとき出射される光束の光強度分布は均一化されている。この光束を投影レンズ9によって任意の倍率で被加工物上に結像させることによって被加工物上に形成されるレーザ光の光強度分布が均一となり品質の良い加工を行うことができる。また、被加工物上に結像されるレーザ光の形状は、カライドスコープ11の光束が出射されるマスク13の開口パターン(スリット)の形状によって決定される。したがって、カライドスコープ11の出射端面に設けられたマスク13は、被加工物の加工に応じたパターンのスリットが形成されている。
【0023】
なお、柱状光学素子5は、光学的機能を満足するものであれば、その断面形状が円形や多角形等のものを適宜選択できることはもちろん、柱状光学素子5の中身についても、光学ガラス等の透光性部材による中実構造や、内部を空間とした中空構造を用いることができる。
【0024】
マスク13は、カライドスコープ11の出射面11cを形成して、カライドスコープ11と一体になった構成にしてもよいし、あるいは、カライドスコープ11と若干の隙間を伴って分離して近接させて配置することもできる。また、マスク13はレーザ光を透過させたい部分以外は反射面で構成されている反射型マスクである。それによって、マスク13で反射されたレーザ光はカライドスコープ11側に戻っていくが、カライドスコープ11の入射端の内部面は中央にアパーチャ12が形成され、それ以外の面は全て反射面に形成されているため、マスク13面へと折り返すことになり、この反射を何度か繰り返すことにより、カライドスコープ11の内部のレーザ光の大部分は、最終的にはカライドスコープ11の出射端のマスク13を通り抜ける光線となる。その結果、カライドスコープ11の部分でのレーザ光の伝送効率は、マスク13上での分布均一性を失うことなく、向上させることが出来る。
【0025】
リレーレンズ系6は、例えば、2枚の凸レンズによる物体側テレセントリック光学系を形成している。テレセントリック光学系は、物体側あるいは像側、又は、その両側の主光線が無限遠まで光軸と交われないような光学系である。主光線と光軸とが交わらないといることは、ディフォーカス(物体側あるいは像側とレンズ系の間隔変動)が生じても、像側の倍率変動が発生しない。
【0026】
つまり、このリレーレンズ系6を用いて、マスク13パターンから透過したレーザ光は、リレーレンズ系6により次の2次マスク7面へと再結像される。この2次マスク7面ではパターンの回折光や不要なパターンのカット、強度の変調等を行うことができる。柱状光学素子5の出射面11cのパターンを2次マスク7面上に結像し、かつ、柱状光学素子5の入射面11bを投影レンズ9の入射瞳上に結像することで、加工点側に対してテレセントリックな条件を満足させることができる。
【0027】
図3は、2枚のレンズ(f1レンズ、f2レンズ)により構成されたリレーレンズ系6により、よる物体側テレセントリック光学系を構成した場合の、カライドスコープ11、リレーレンズ系6、2次マスク7および投影レンズ9の配置の、相互の光学的位置関係の説明図である。
【0028】
すなわち、
X:カライドスコープ11の入射側と出射側との距離
f1:カライドスコープ11の出射側とf1レンズとの距離
d:f1レンズとf2レンズとの距離
f2:f2レンズ2次マスク7との距離
L:2次マスク7と投影レンズ9の入射瞳面との距離
y1:リレーレンズ系6の焦点とf1レンズとの距離
y2:リレーレンズ系6の焦点とf2レンズとの距離
Mは、結像倍率
とすると、
f1レンズでの結像式は、(1/y1)+1/(f2+L)=1/f2
f2レンズでの結像式は、(1/y2)+1/(f1+L)=1/f1
また、y1+y2=dであり、
f1レンズでの結像倍率は、Mf1=y2/(f1+X)
f2レンズでの結像倍率は、Mf2=(L+f2)/y1
投影レンズ9の入射瞳面上にカライドスコープ11の入射面11bが結像される倍率は、
ML=Mf1*Mf2
となる。
【0029】
なお、再結像面上へのマスク13投射倍率をMmとすると、
Mm=f2/f1になる。
【0030】
また、2次マスク7はマスク13と同様なパターンが形成されている。
【0031】
これらの光学的な配置により、レーザ発振器1から出力されたレーザ光は、ビーム整形光学系3に入射し、このビーム整形光学系3でビーム入射光学系(入射レンズ4)に適合するようにビームのサイズを調整してビーム入射光学系に伝送される。ビーム入射光学系はレーザ光を集光する作用を有し、次に配置される多角形断面等のカライドスコープ11の入射端面へと集光される。この場合、光学的にカライドスコープ11の入射端面と投影レンズ9の瞳面が共役関係に設定されているので、入射端面のアパーチャ12の像は像側テレセントリック光学系を形成しているリレーレンズ系6等を介して投影レンズ9の瞳面に結像する。
【0032】
また、カライドスコープ11の出射端面(マスク13)と2次マスク7についても光学的に共役関係が成立しているので、マスク13の像はリレーレンズ系6を介して2次マスク7に結像し、ミラー8と投影レンズ9を介して被処理体に照射される。
【0033】
したがって、リレーレンズ系6等により加工点側に対してテレセントリックな条件を満足させることができると共に、柱状光学素子5(カライドスコープ11)により加工に用いるレーザ光の均一化、利用効率の向上が図ることができる。
【0034】
次に、上述のレーザ加工装置をレーザアニール装置に適用し、そのレーザアニール装置により処理したことにより製造されるポリシリコンによる薄膜トランジスタの製造方法と、それを用いた液晶ディスプレイについて説明する。
【0035】
まず、レーザアニール装置により処理したことにより製造されるポリシリコンによる薄膜トランジスタの構成を図4を参照して説明する。
【0036】
略透明な絶縁性を有するガラス基板31の一主面上に、このガラス基板31からの不純物の拡散を防止する絶縁性のアンダーコート層32が成膜されている。このアンダーコート層32は、SiNxからなる層50nmと、SiOxからなる層100nmとをプラズマCVD法で成膜することにより形成されている。
【0037】
そして、このアンダーコート層32上には、島状のポリシリコン33が成膜されている。このポリシリコン33は、ガラス基板31上に堆積させたアモルファスシリコン(不図示)に向けてエキシマレーザビームを照射して、このアモルファスシリコンをレーザアニールすることにより形成されている。また、このポリシリコン33の膜厚は、約50nmである。
【0038】
また、このポリシリコン33を含むアンダーコート層32上には、絶縁性を有するシリコン酸化膜などでゲート酸化膜34が成膜されている。
【0039】
そして、このゲート酸化膜34上には、モリブデン−タングステン合金(MoW)などが成膜されて、ゲート電極35が形成されている。
【0040】
また、ポリシリコン33の両側域には、ソース領域36とドレイン領域37とが形成されている。さらに、ドーピングされていないゲート電極35の下方に位置するポリシリコン33がチャネル領域38となる。
【0041】
そして、ゲート酸化膜34およびゲート電極35上には、シリコン酸化膜などで形成された層間絶縁膜39が成膜されている。また、この層間絶縁膜39とゲート酸化膜34とには、これら層間絶縁膜39およびゲート酸化膜34を貫通し、ソース領域36およびドレイン領域37に連通する第1のコンタクトホール41a,41bが開口されている。
【0042】
さらに、層間絶縁膜39上には、第2の配線層として成膜されたソース電極42と、ドレイン電極43と、信号を供給する図示しない信号線とが形成されている。これらソース電極42、ドレイン電極43および信号線は、アルミニウム(Al)などの低抵抗金属などで成膜形成されている。そして、ソース電極42は、第1のコンタクトホール41aを介してソース領域36に導電接続されている。同様に、ドレイン電極43は、第1のコンタクトホール41bを介してドレイン領域37に導電接続されている。
【0043】
次に、このポリシリコンを用いた薄膜トランジスタについて、レーザアニール装置を用いた製造方法について説明する。
【0044】
まず、ガラス基板(例えば、コーニング社製の#7059ガラス又は#1427ガラスに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、または、アルミホウケイ酸ガラス等)31の一主面に、シリコン酸化膜などをプラズマCVD法などで成膜形成してアンダーコート層32を形成する。このアンダーコート層32の上に連続して、非晶質構造を有する半導体層である第1配線層をスパッタリング法、LPCVD法あるいはプラズマCVD法により50nmの膜厚でアモルファスシリコン(不図示)を成膜する。
【0045】
そして、このアモルファスシリコンを窒素雰囲気中において500℃で10分熱処理し、このアモルファスシリコン中の水素濃度を低下させる。
【0046】
この後、ガラス基板31をレーザアニール装置に移す。
【0047】
レーザアニール装置では、図3に照射光学装置2の構成図を示したように、アモルファスシリコンの水素濃度が低下されたガラス基板31をテーブル10上に設置し、このテーブル10を走査してガラス基板31を移動させながらレーザ発振器1からエネルギ密度であるフルエンス(fluence)を、例えば、350mJ/cm2としたエキシマレーザビームBを発振させて、このエキシマレーザビームをガラス基板31上のアモルファスシリコンに向けて照射する。
【0048】
レーザ発振器1から出力されたレーザ光は、ビーム整形光学系3に入射し、このビーム整形光学系3でビーム入射光学系(入射レンズ4)に適合するようにビームのサイズを調整してビーム入射光学系に伝送される。ビーム入射光学系はレーザ光を集光する作用を有し、次に配置される多角形断面等の柱状光学素子5の入射端面へと集光される。この場合、光学的に柱状光学素子5の入射端面と投影レンズ9の瞳面が共役関係に設定されているので、入射端面のアパーチャ12の像は像側テレセントリック光学系を形成しているリレーレンズ等を介して投影レンズ9の瞳面に結像する。また、柱状光学素子5の出射端面(マスク13)と2次マスク7についても光学的に共役関係が成立しているので、マスク13の像はリレーレンズを介して2次マスク7に結像し、ミラー8と投影レンズ9を介して被処理体に照射され、被処理体にアニール処理を施す。なお、その際、マスク13像は被加工体の表面で、幅が2〜3μm程度のスリットが平行に、約10μmピッチで形成されたパターンとして照射され、各スリット間でラテラル成長が進行する。それにより、例えば0.3μm程度の結晶粒径を有するポリシリコン33を形成する。
【0049】
次に、このポリシリコン33をパターニングした後、このポリシリコン33を含むガラス基板31上に、プラズマCVD法あるいはスパッタ法によりゲート酸化膜34を形成する。このゲート酸化膜34は、膜厚が40〜150nm程度でシリコンを含む絶縁膜である。
【0050】
次いで、このゲート酸化膜34上に、第1配線層をスパッタリング法で成膜し、この第1配線層をエッチング加工して、ゲート電極35を形成する。このゲート電極35は、Ta、W,Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または、これらの元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を用いることができる。
【0051】
この後、ポリシリコン33の両側域にソース領域36およびドレイン領域37を形成する。これらソース領域36およびドレイン領域37は、ゲート電極35をエッチング加工する際におけるレジストをマスクとして、ボロン(B)やリン(P)などの不純物をイオンドーピング法などで、ポリシリコン33の両側域をドーピングすることにより形成されている。
【0052】
このとき、ゲート電極35の下方に位置するドーピングされていないポリシリコン33がチャネル領域38となる。
【0053】
次いで、ゲート酸化膜34およびゲート電極35上に層間絶縁膜39を形成し、この層間絶縁膜39およびゲート酸化膜34に第1のコンタクトホール41a,41bを形成した後、この層間絶縁膜39上に低抵抗金属をスパッタリング法などで成膜し、パターニングしてソース電極42、ドレイン電極43および信号線(不図示)を形成する。
【0054】
液晶ディスプレイ装置は、さらに、全体を例えば、プラズマCVD法により窒化シリコンなどの絶縁保護膜で被覆し、周辺電極とが素電極上をエッチング除去し、配向膜を成膜して薄膜トランジスタを含むアレイ基板を形成する。このアレイ基板を予め製造されている対向基板(基板上に対向電極と配向膜が形成されている)とを、それぞれの配向膜面を対向させ、その間隙に液晶が封入され、さらに、アレイ基板と対向基板とのそれぞれの外側の面に、偏向板が形成されて液晶表示装置が構成される。
【0055】
すなわち、液晶表示装置(TFT−LCD)は、図5に示す透視斜視図を示すように、2枚の基板(ガラス基板)51a、51bを対向させ、その間隙に液晶52を封入して形成されている。下側のガラス基板51aの上には、駆動用ICにより表示信号を画素電極53に書き込む際に用いる信号線54と走査線55がマトリックス状に配置されており、それらにより区画された内側の交点にTFT56と画素電極53が配置されている。一方、上側のガラス基板51b上には共通電極57やカラー表示のための各画素電極3に対応したR(赤),G(緑),B(青)のカラーフィルタ8が配置されている。このようなTFT−LCDを2枚の偏光板59で挟み、白色光を入射させると透過形の表示装置として形成されている。
【0056】
以上に説明したように、上述の実施の形態によれば、レーザ加工装置の光学系で、リレーレンズ系等の構成により加工点側に対してテレセントリックな条件を満足させると共に、柱状光学素子(カライドスコープ)により加工に用いるレーザ光の均一化、利用効率の向上が図ることができ、高効率で量産に適したレーザ加工装置を実現することができる。
【0057】
また、そのレーザ加工装置を用いてアニーリング処理を施すことにより、生産性の優れた液晶表示装置の製造方法が可能になる。
【0058】
なお、上述の場合は、表示装置として液晶表示装置について説明したが、表示装置としては液晶表示装置のほかに、上述のレーザ加工装置は有機EL表示装置等の表示装置の製造の場合にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、加工に用いるレーザ光の均一化、利用効率の向上およびテレセントリック条件の確保という3つの条件を満たす光学系を有する生産性の高いレーザ加工装置を提供できる。
【0060】
また、そのレーザ加工装置を表示装置の製造の際のアニール工程に適用することにより、生産効率の高い表示装置の製造方法が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ加工装置の概略を示した模式図。
【図2】カライドスコープの説明図。
【図3】本発明のレーザ加工装置の光学的位置関係の説明図。
【図4】薄膜トランジスタの構成図。
【図5】液晶表示装置の透視斜視図。
【図6】従来のレーザ加工装置の概略を示した模式図。
【図7】従来のレーザ加工装置の光学系の説明図。
【図8】マスクの説明図。
【符号の説明】
1…レーザ発振器、2…照明光学装置、5…柱状光学素子、6…リレーレンズ系、7…2次マスク、9…投影レンズ、10…テーブル、11…カライドスコープ、12…アパーチャ、13…マスク
Claims (6)
- レーザ発振器と、このレーザ発振器から出射されるレーザビームの光路上に配置され前記レーザビームの整形をおこなうビーム整形光学系と、前記ビーム整形光学系により整形されたレーザビームを入射面側に設けられたアパーチャから入射させ出射側に設けられたマスクを介して出射させる柱状光学素子と、この柱状光学素子を通過したレーザビームの光路上に順次設けられたリレーレンズ系、2次マスク、投影レンズ及びテーブルとを備えたレーザ加工装置であって、
前記リレーレンズ系は、前記柱状光学素子の出射面の像を前記2次マスクに結像し、かつ、前記柱状光学素子の入射面の像を前記投影レンズの入射瞳に結像する位置に配置されていることを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記リレーレンズ系を構成する2枚のレンズにおいて、前記柱状光学素子側のレンズ(f1レンズ)と、その光軸上の前方のレンズ(f2レンズ)との結像式が
f1レンズでは、(1/y1)+1/(f2+L)=1/f2
f2レンズでは、(1/y2)+1/(f1+L)=1/f1
ただし、f1:柱状光学素子の出射側とf1レンズ(柱状光学素子側のレンズ)との距離
d:f1レンズとf2レンズとの距離
f2:f2レンズ2次マスクとの距離
L:2次マスクと投影レンズの入射瞳面との距離
y1:リレーレンズ系の焦点とf1レンズとの距離
y2:リレーレンズ系の焦点とf2レンズとの距離
であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。 - 前記柱状光学素子は、断面が正多角形あるいは円形であることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
- 前記被処理体は基板の表面に形成されたアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
- アモルファスシリコンを多結晶化するために、基板の表面に形成されたアモルファスシリコンに対して、レーザ発振器から出射されたレーザ光を照射光学系を介して照射するレーザアニール工程を具えた表示装置の製造方法であって、
前記レーザアニール工程における照射光学装置によるレーザ光の照射は、前記柱状光学素子によりレーザ光の均一化と利用効率の向上が図られ、かつ、テレセントリック条件が満たされていることを特徴とする表示装置の製造方法。 - 前記レーザアニール工程における照射光学装置によるレーザ光の照射は、スリットが形成されたマスクを介してラインビームを照射していることを特徴とする請求項5記載の表示装置の製造方法。
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JP2002325487A JP2004158803A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | レーザ加工装置および表示装置の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012514688A (ja) * | 2009-01-06 | 2012-06-28 | ソルマテス・ベスローテン・フェンノートシャップ | 像を面上に投影するための装置および上記像を動かすための装置 |
JP2014123763A (ja) * | 2005-04-06 | 2014-07-03 | Trustees Of Columbia Univ In The City Of New York | 薄膜の直線走査連続横方向凝固 |
-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002325487A patent/JP2004158803A/ja active Pending
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