JP2004158357A - 電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子線描画装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子線の放出角度が小さくなり、また、カーボンナノチューブを接合しやすい構造を有する電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子ビーム径が小さくなり、微細パターンを露光することが可能な電子線描画装置を提供することにある。
【解決手段】基板1上に導電性を有する突起物3があり、この突起物3の先端3a以外が絶縁体2で覆われ、前記突起物3の先端3aにカーボンナノチューブ4が接合されている電子線放出源。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1上に導電性を有する突起物3があり、この突起物3の先端3a以外が絶縁体2で覆われ、前記突起物3の先端3aにカーボンナノチューブ4が接合されている電子線放出源。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、記録メディア、光導波路などの製造における電子線を利用した微細加工に使用する電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子線描画装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として掲記し得る、特開2001−62791公報において、カーボンナノチューブは絶縁体で覆われている。また、特開2001−62791公報においては、カーボンナノチューブを接合する方法について記載されていない。さらに、特開2001−62791公報において、絶縁体は強度を向上させるために用いている。
【特許文献1】特開2001−62791公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
市販の電子ビーム露光装置は、大型で高価な装置構成となる。電子放出角度は、エミッタ先端の曲率半径rに依存しており、縮小系の光学系を採らざるを得ない。そのため、行路長は長く、ビームの収差を抑えるべく種々の電子レンズを配している。
そのうえ、微少なビーム径を得るために途中に数十μm径の貫通穴を有するアパーチャを介しており放出電子の初期エネルギの70%以上を遮蔽することになり、微少ビーム径(数十nm)で大電流を得ることが困難である。市販装置では50nA、50nm位が限界とされている。磁界重畳型の電子銃ユニットもあるが、高価である。
そこで本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、電子線の放出角度が小さくなり、また、カーボンナノチューブを接合しやすい構造を有する電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子ビーム径が小さくなり、微細パターンを露光することが可能な電子線描画装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、基板上に導電性を有する突起物があり、この突起物の先端以外が絶縁体で覆われ、前記突起物の先端にカーボンナノチューブが接合されている電子線放出源を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記突起物が規則的に配列されている請求項1記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストに孔を形成し、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を陰極として金属の電鋳を行うことにより突起物を形成する請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストが柱状に残るように露光、現像を行い、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を等方的にエッチングし、レジストを除去することにより突起物を形成する電子線放出源の製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項5記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上の所定の領域に電子あるいは原子を打ち込み、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を異方的にエッチングし、前記の電子あるいは原子を打ち込んだ領域を除去することにより突起物を形成する電子線放出源の製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記絶縁体が樹脂からなる請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、樹脂をスピンコートあるいはスプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで樹脂のエッチングを行う請求項6記載の電子線放出源の製造方法を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明では、前記絶縁体が金属酸化物からなる請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、金属酸化物をスパッタリング、化学気相成長、スピンコート、スプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで前記金属酸化物のエッチングを行う請求項8記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記絶縁体を形成後、電気泳動法により前記突起物の先端にカーボンナノチューブを接合する請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項1または2に記載された電子線放出源を用いた電子線描画装置を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。図2は本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。
図1において、第1の実施の形態は、導電性基板1上に絶縁体2が配置され、この絶縁体2によってその外周面をほとんど覆われた三角形の突起物3があり、この突起物3の先端3aが絶縁体2から露出し、先端3aにカーボンナノチューブ(CNT)4が配置されている構成になっている。
図2において、第2の実施の形態は、基板1が絶縁体からなり、この基板1上に導電膜(導電性を有する薄膜)5があり、この導電膜5とその上の導電性を有する三角形の突起物3が絶縁体2で覆われている。突起物3の先端3aは絶縁体2から露出し、先端3aにカーボンナノチューブ(CNT)4が配置されている。
基板1あるいは導電膜5に電圧をかけると、先端3a以外の突起物3が絶縁体2で覆われているので、突起物3の先端3aに電界が集中し、さらにCNT4の先端に電界が集中するようになる。
【0006】
図3は図1の本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。図において、図1の電子線放出源が複数連続している。図4は図2の本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。図において、図2の電子線放出源が複数連続している。
図3および図4においては、複数本CNT4があるので、一度の電子線照射で複数のパターンを電子線レジストに形成することができ、高スループットを実現できる。
図5(a)乃至(e)は第1の突起物の形成方法について順を追って説明する図である。図5(a)は第1の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第1の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第1の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第1の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。(e)は第1の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
図5(a)において、導電性を有する基板1にポジ型レジスト6を形成する。(b)において、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使ってポジ型レジスト6の露光を行う。(c)において、現像を行いポジ型レジスト6に孔6aを形成する。
次に(d)において基板1を陰極として電鋳を行うと、孔6aの部分に電界が集中するので、孔6aの部分に金属が析出する。所定の量の金属を析出させ、ポジ型レジスト6の除去を行うと、(e)の半円球状の突起物3が完成する。
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2および図4のような構造を形成することができる。
【0007】
図6(a)乃至(e)は第2の突起物の形成について順を追って説明する図である。図6(a)は第2の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第2の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第2の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第2の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。(e)は第2の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
図6(a)において、導電性を有する基板1にネガ型レジスト8を形成する。(b)において、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使ってネガ型レジスト8の露光を行う。(c)において、現像を行いネガ型レジスト8に柱8aを形成する。
次に(d)において基板1に等方的にエッチングを行うと、ネガ型レジスト8の下の部分ではサイドエッジのため、T型にエッチングされる。所定の量のエッチングを行い、(e)において、ネガ型レジスト8の除去を行うと円錐状の突起物3が完成する。
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2および図4のような構造を形成することができる。
図7(a)乃至(d)は第3の突起物の形成について順を追って説明する図である。図7(a)は第3の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第3の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第3の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第3の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。
図7(a)において、電子や原子を加速させ、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使って、基板1に打ち込む。(b)において、導電性を有する基板1上あるいは基板1に形成されている導電性を有する薄膜上にレジスト9を形成する。
図7(c)において、このレジスト9が柱状に残るように露光、現像を行い、導電性を有する基板1あるいは基板1に形成されている導電性を有する薄膜に等方的にエッチングを行う。(d)において、レジスト9を除去することにより突起物3を形成する。
異方性エッチングを行うと、基板1の結晶方向により異なり、電子や原子が打ち込まれた部分はエッチング速度が低下することにより、電子や原子が打ち込まれた部分の下に突起物が形成される。所定の量のエッチングを行うと円錐の突起物が完成する。
【0008】
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2や図4に示したような構造を形成することができる。
ここで、絶縁体としては樹脂や金属酸化膜が適している。樹脂の場合、スピンコートやスプレー方式により形成することができる。突起物の高さよりも厚く膜を形成し、突起物の先端を露出させるのに、活性化した酸素などを使ってアッシングを行い、樹脂を少しずつ除去する。
金属酸化膜の場合、スパッタリングやCVD(化学気相成長)といった真空成膜や一部の酸化金属においては溶液を使ったスピンコートやスプレー方式で形成することができる。突起物の高さよりも厚く膜を形成し、突起物の先端を露出させるのに、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングを行い、金属酸化膜を少しずつ除去する。
樹脂の長所として簡単な装置で形成を行うことができ、金属酸化膜の長所として突起物の先端を露出させるのを精度よく行うことができる点が挙げられる。
図8は突起物の先端にCNTを接合する方法を示す概略図である。図において、突起物3のある基板1を陰極とし、途中にグリッド10を設けて、電気泳動を行う。CNT4を分散させた溶液を陽極11付近に入れる。
CNT4は陰極1へ向かって移動し、グリッド10を通過するとき、電界方向に対し平行な向きをとる。陰極1は突起物3の先端3aに電界が集中するので、CNT4は突起物3の先端3aに接合される。
【0009】
図9は本発明による電子線描画装置の実施の形態を示す概略図である。図9では、CNT4が複数本配列された例を示す。各CNT4に電源12を設置し、各CNT4から電子を電子線レジスト13に独立して照射させることができる。このとき、CNT4の配列方向に電子線レジスト13を移動させて露光すると、CNT4から放出させる電子線の本数を制御することによって、電子線レジスト13へ照射する露光量を制御することができ、パターン幅を制御することができる。
CNT4の配列方向に対し垂直な方向に電子線レジスト13を移動させて露光すると、一度に複数本のパターンを形成でき、CNT4から放出させる電子線の本数を制御することによって、パターン数を制御することができる。
【0010】
さらに本発明の理解を助けるために幾つかの実施例を掲記する。
・実施例1
基板としてSi(シリコン)ウェーハを使用し、東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100をSiウェーハ上に形成する。φ0.3μm程度の孔ができるように露光現像を行う。このSiウェーハをスルファミン酸ニッケル550g/L、硼酸30g/L、界面活性剤数g/Lの電鋳液に浸け、Siを陰極として、ニッケルの電鋳を行う。
ニッケルの高さが0.2μm程度になるように電鋳時間を設定する。電鋳後THMR−iP3100をレジスト除去剤やプラズマアッシング装置を使って除去する。Siウェーハに突起物があるように形成した後、ポリイミド樹脂をスピンコートにより形成し、プラズマアッシング装置を使って、ニッケルの先端が露出する程度ポリイミドの表面を除去していく。
ニッケルの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0011】
・実施例2
石英ガラス基板上に、Al薄膜を蒸着やスパッタリングで形成し、Al(アルミニウム)膜上に東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100を形成する。φ0.3μm程度の孔が3μmピッチで一列に配列して露光現像を行う。
この石英ガラス基板をスルファミン酸ニッケル550g/L、硼酸30g/L、界面活性剤数g/Lの電鋳液に浸け、Alを陰極として、ニッケルの電鋳を行う。ニッケルの高さが0.2μm程度になるように電鋳時間を設定する。電鋳後THMR−iP3100をレジスト除去剤やプラズマアッシング装置を使って除去する。
このニッケルの突起物がある石英ガラス上に再び東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100を形成する。各ニッケルの突起物に電圧が掛けられるように、THMR−iP3100に配線パターンを露光し、Alのエッチングを行い、Alの配線を行う。
次に、ポリイミド樹脂をスピンコートにより形成し、プラズマアッシング装置を使って、ニッケルの先端が露出する程度ポリイミドの表面を除去していく。ニッケルの先端にCNTを電気泳動法により接合し、石英ガラスを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。
CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0012】
・実施例3
Siウェーハ上に、シプレイ製のネガ型レジストSAL−601を形成する。φ0.2μm程度の円柱ができるように露光現像を行う。このSiウェーハをKOH水溶液で等方的にウェットエッチングし、SAL−601を除去し、円錐状の突起物をSiウェーハ上に形成する。
このSiウェーハ上にSiO2の薄膜をスパッタリングにより形成し、Siに対し選択比が良くなるようにC2F6、C3F8、C4F10といったエッチングガスでSiO2のドライエッチングを行う。Siの先端が露出する程度、SiO2のエッチングを行う。
次に、Siの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0013】
・実施例4
0.1〜0.2μm程度の孔を有するマスクを通して、50KeV程度加速させたBF2、Pイオンを100面のSiウェーハ上に注入する。次に115℃程度のヒドラジン(N2H4)に10秒、Siウェーハを浸け、Siの表面の異方性エッチングを行う。
イオンを注入した部分のエッチング速度が遅いため、イオン注入部分を頂点としたSiの111面をもった四角錐が形成される。このSiウェーハ上にSiO2の薄膜をスパッタリングにより形成し、Siに対し選択比が良くなるようにC2F6、C3F8、C4F10といったエッチングガスでSiO2のドライエッチングを行う。Siの先端が露出する程度、SiO2のエッチングを行う。
次に、Siの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、導電性を有する突起物の周辺を絶縁体で覆って、突起物の先端の一部分が露出しているので、電圧を突起物に掛けると突起物の先端に電圧が集中することが可能になる。
請求項2によれば、CNTが複数本あるので、電子線描画において高スループットを達成できる。
請求項3によれば、導電性を有する物質の上に孔を形成し、導電性を有する物質を陰極として金属の電鋳を行うので、孔の部分に金属が析出し、半球状の突起物を形成することができる。
請求項4によれば、導電性を有する物質の上に阻害物を形成し、導電性を有する物質を等方的にエッチングを行ない、最終的に阻害物を除去するので、円錐状の突起物を形成することができる。
請求項5によれば、導電性を有する物質の表面の一部分に電子あるいは原子を打ち込み、打ち込んだ部分のエッチング速度を低下させることにより、導電性を有する物質を異方的にエッチングするとき、電子あるいは原子を打ち込んだ部分のエッチングの方向に異方性が発生し、角錐状の突起物を形成することができる。
請求項6および7によれば、導電性を有する突起物の上に樹脂を形成および樹脂をエッチングすることにより、突起物の先端が露出し、その他の部分を絶縁することができる。
請求項8および9によれば、導電性を有する突起物の上に金属酸化物を形成および金属酸化物をエッチングすることにより、突起物の先端が露出し、その他の部分を絶縁することができる。
請求項10によれば、先端が露出している導電性を有する突起物を電極として電気泳動を行うので、突起物の先端にカーボンナノチューブを接合することができる。
請求項11によれば、絶縁体で覆われた突起物の先端にカーボンナノチューブがあるので、カーボンナノチューブに電圧が集中し、放出角度の小さい電子を放出することができき、そのため、電子ビーム径の小さい電子線描画装置を得ることができ、微細なパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である
【図3】図1の本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】図2の本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図5】(a)は第1の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第1の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第1の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第1の突起物の形成の第4段階を示す概略図、(e)は第1の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
【図6】(a)は第2の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第2の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第2の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第2の突起物の形成の第4段階を示す概略図、(e)は第2の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
【図7】(a)は第3の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第3の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第3の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第3の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。
【図8】突起物の先端にCNTを接合する方法を示す概略図である。
【図9】本発明による電子線描画装置の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板
2 絶縁体
3 突起物
3a 突起物の先端
4 カーボンナノチューブ(CNT)
5 導電膜(導電性を有する薄膜)
6 ポジ型レジスト(レジスト)
7 マスク
8 ネガ型レジスト(レジスト)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、記録メディア、光導波路などの製造における電子線を利用した微細加工に使用する電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子線描画装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として掲記し得る、特開2001−62791公報において、カーボンナノチューブは絶縁体で覆われている。また、特開2001−62791公報においては、カーボンナノチューブを接合する方法について記載されていない。さらに、特開2001−62791公報において、絶縁体は強度を向上させるために用いている。
【特許文献1】特開2001−62791公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
市販の電子ビーム露光装置は、大型で高価な装置構成となる。電子放出角度は、エミッタ先端の曲率半径rに依存しており、縮小系の光学系を採らざるを得ない。そのため、行路長は長く、ビームの収差を抑えるべく種々の電子レンズを配している。
そのうえ、微少なビーム径を得るために途中に数十μm径の貫通穴を有するアパーチャを介しており放出電子の初期エネルギの70%以上を遮蔽することになり、微少ビーム径(数十nm)で大電流を得ることが困難である。市販装置では50nA、50nm位が限界とされている。磁界重畳型の電子銃ユニットもあるが、高価である。
そこで本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、電子線の放出角度が小さくなり、また、カーボンナノチューブを接合しやすい構造を有する電子線放出源、電子線放出源の製造方法および電子ビーム径が小さくなり、微細パターンを露光することが可能な電子線描画装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、基板上に導電性を有する突起物があり、この突起物の先端以外が絶縁体で覆われ、前記突起物の先端にカーボンナノチューブが接合されている電子線放出源を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記突起物が規則的に配列されている請求項1記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストに孔を形成し、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を陰極として金属の電鋳を行うことにより突起物を形成する請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストが柱状に残るように露光、現像を行い、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を等方的にエッチングし、レジストを除去することにより突起物を形成する電子線放出源の製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項5記載の発明では、導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上の所定の領域に電子あるいは原子を打ち込み、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を異方的にエッチングし、前記の電子あるいは原子を打ち込んだ領域を除去することにより突起物を形成する電子線放出源の製造方法を最も主要な特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記絶縁体が樹脂からなる請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、樹脂をスピンコートあるいはスプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで樹脂のエッチングを行う請求項6記載の電子線放出源の製造方法を主要な特徴とする。
請求項8記載の発明では、前記絶縁体が金属酸化物からなる請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、金属酸化物をスパッタリング、化学気相成長、スピンコート、スプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで前記金属酸化物のエッチングを行う請求項8記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項10記載の発明では、前記絶縁体を形成後、電気泳動法により前記突起物の先端にカーボンナノチューブを接合する請求項1または2記載の電子線放出源を主要な特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項1または2に記載された電子線放出源を用いた電子線描画装置を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。図2は本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。
図1において、第1の実施の形態は、導電性基板1上に絶縁体2が配置され、この絶縁体2によってその外周面をほとんど覆われた三角形の突起物3があり、この突起物3の先端3aが絶縁体2から露出し、先端3aにカーボンナノチューブ(CNT)4が配置されている構成になっている。
図2において、第2の実施の形態は、基板1が絶縁体からなり、この基板1上に導電膜(導電性を有する薄膜)5があり、この導電膜5とその上の導電性を有する三角形の突起物3が絶縁体2で覆われている。突起物3の先端3aは絶縁体2から露出し、先端3aにカーボンナノチューブ(CNT)4が配置されている。
基板1あるいは導電膜5に電圧をかけると、先端3a以外の突起物3が絶縁体2で覆われているので、突起物3の先端3aに電界が集中し、さらにCNT4の先端に電界が集中するようになる。
【0006】
図3は図1の本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。図において、図1の電子線放出源が複数連続している。図4は図2の本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。図において、図2の電子線放出源が複数連続している。
図3および図4においては、複数本CNT4があるので、一度の電子線照射で複数のパターンを電子線レジストに形成することができ、高スループットを実現できる。
図5(a)乃至(e)は第1の突起物の形成方法について順を追って説明する図である。図5(a)は第1の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第1の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第1の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第1の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。(e)は第1の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
図5(a)において、導電性を有する基板1にポジ型レジスト6を形成する。(b)において、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使ってポジ型レジスト6の露光を行う。(c)において、現像を行いポジ型レジスト6に孔6aを形成する。
次に(d)において基板1を陰極として電鋳を行うと、孔6aの部分に電界が集中するので、孔6aの部分に金属が析出する。所定の量の金属を析出させ、ポジ型レジスト6の除去を行うと、(e)の半円球状の突起物3が完成する。
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2および図4のような構造を形成することができる。
【0007】
図6(a)乃至(e)は第2の突起物の形成について順を追って説明する図である。図6(a)は第2の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第2の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第2の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第2の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。(e)は第2の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
図6(a)において、導電性を有する基板1にネガ型レジスト8を形成する。(b)において、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使ってネガ型レジスト8の露光を行う。(c)において、現像を行いネガ型レジスト8に柱8aを形成する。
次に(d)において基板1に等方的にエッチングを行うと、ネガ型レジスト8の下の部分ではサイドエッジのため、T型にエッチングされる。所定の量のエッチングを行い、(e)において、ネガ型レジスト8の除去を行うと円錐状の突起物3が完成する。
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2および図4のような構造を形成することができる。
図7(a)乃至(d)は第3の突起物の形成について順を追って説明する図である。図7(a)は第3の突起物の形成の第1段階を示す概略図である。(b)は第3の突起物の形成の第2段階を示す概略図である。(c)は第3の突起物の形成の第3段階を示す概略図である。(d)は第3の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。
図7(a)において、電子や原子を加速させ、規則的な配列に孔7aが形成されているマスク7を使って、基板1に打ち込む。(b)において、導電性を有する基板1上あるいは基板1に形成されている導電性を有する薄膜上にレジスト9を形成する。
図7(c)において、このレジスト9が柱状に残るように露光、現像を行い、導電性を有する基板1あるいは基板1に形成されている導電性を有する薄膜に等方的にエッチングを行う。(d)において、レジスト9を除去することにより突起物3を形成する。
異方性エッチングを行うと、基板1の結晶方向により異なり、電子や原子が打ち込まれた部分はエッチング速度が低下することにより、電子や原子が打ち込まれた部分の下に突起物が形成される。所定の量のエッチングを行うと円錐の突起物が完成する。
【0008】
導電性を有する薄膜上に突起物を形成するときの図は省略するが、同様な方法で形成できる。突起物を形成してから、レジスト形成、配線パターンの露光、薄膜のエッチングを行うことで、図2や図4に示したような構造を形成することができる。
ここで、絶縁体としては樹脂や金属酸化膜が適している。樹脂の場合、スピンコートやスプレー方式により形成することができる。突起物の高さよりも厚く膜を形成し、突起物の先端を露出させるのに、活性化した酸素などを使ってアッシングを行い、樹脂を少しずつ除去する。
金属酸化膜の場合、スパッタリングやCVD(化学気相成長)といった真空成膜や一部の酸化金属においては溶液を使ったスピンコートやスプレー方式で形成することができる。突起物の高さよりも厚く膜を形成し、突起物の先端を露出させるのに、RIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングを行い、金属酸化膜を少しずつ除去する。
樹脂の長所として簡単な装置で形成を行うことができ、金属酸化膜の長所として突起物の先端を露出させるのを精度よく行うことができる点が挙げられる。
図8は突起物の先端にCNTを接合する方法を示す概略図である。図において、突起物3のある基板1を陰極とし、途中にグリッド10を設けて、電気泳動を行う。CNT4を分散させた溶液を陽極11付近に入れる。
CNT4は陰極1へ向かって移動し、グリッド10を通過するとき、電界方向に対し平行な向きをとる。陰極1は突起物3の先端3aに電界が集中するので、CNT4は突起物3の先端3aに接合される。
【0009】
図9は本発明による電子線描画装置の実施の形態を示す概略図である。図9では、CNT4が複数本配列された例を示す。各CNT4に電源12を設置し、各CNT4から電子を電子線レジスト13に独立して照射させることができる。このとき、CNT4の配列方向に電子線レジスト13を移動させて露光すると、CNT4から放出させる電子線の本数を制御することによって、電子線レジスト13へ照射する露光量を制御することができ、パターン幅を制御することができる。
CNT4の配列方向に対し垂直な方向に電子線レジスト13を移動させて露光すると、一度に複数本のパターンを形成でき、CNT4から放出させる電子線の本数を制御することによって、パターン数を制御することができる。
【0010】
さらに本発明の理解を助けるために幾つかの実施例を掲記する。
・実施例1
基板としてSi(シリコン)ウェーハを使用し、東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100をSiウェーハ上に形成する。φ0.3μm程度の孔ができるように露光現像を行う。このSiウェーハをスルファミン酸ニッケル550g/L、硼酸30g/L、界面活性剤数g/Lの電鋳液に浸け、Siを陰極として、ニッケルの電鋳を行う。
ニッケルの高さが0.2μm程度になるように電鋳時間を設定する。電鋳後THMR−iP3100をレジスト除去剤やプラズマアッシング装置を使って除去する。Siウェーハに突起物があるように形成した後、ポリイミド樹脂をスピンコートにより形成し、プラズマアッシング装置を使って、ニッケルの先端が露出する程度ポリイミドの表面を除去していく。
ニッケルの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0011】
・実施例2
石英ガラス基板上に、Al薄膜を蒸着やスパッタリングで形成し、Al(アルミニウム)膜上に東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100を形成する。φ0.3μm程度の孔が3μmピッチで一列に配列して露光現像を行う。
この石英ガラス基板をスルファミン酸ニッケル550g/L、硼酸30g/L、界面活性剤数g/Lの電鋳液に浸け、Alを陰極として、ニッケルの電鋳を行う。ニッケルの高さが0.2μm程度になるように電鋳時間を設定する。電鋳後THMR−iP3100をレジスト除去剤やプラズマアッシング装置を使って除去する。
このニッケルの突起物がある石英ガラス上に再び東京応化製のフォトレジストTHMR−iP3100を形成する。各ニッケルの突起物に電圧が掛けられるように、THMR−iP3100に配線パターンを露光し、Alのエッチングを行い、Alの配線を行う。
次に、ポリイミド樹脂をスピンコートにより形成し、プラズマアッシング装置を使って、ニッケルの先端が露出する程度ポリイミドの表面を除去していく。ニッケルの先端にCNTを電気泳動法により接合し、石英ガラスを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。
CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0012】
・実施例3
Siウェーハ上に、シプレイ製のネガ型レジストSAL−601を形成する。φ0.2μm程度の円柱ができるように露光現像を行う。このSiウェーハをKOH水溶液で等方的にウェットエッチングし、SAL−601を除去し、円錐状の突起物をSiウェーハ上に形成する。
このSiウェーハ上にSiO2の薄膜をスパッタリングにより形成し、Siに対し選択比が良くなるようにC2F6、C3F8、C4F10といったエッチングガスでSiO2のドライエッチングを行う。Siの先端が露出する程度、SiO2のエッチングを行う。
次に、Siの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0013】
・実施例4
0.1〜0.2μm程度の孔を有するマスクを通して、50KeV程度加速させたBF2、Pイオンを100面のSiウェーハ上に注入する。次に115℃程度のヒドラジン(N2H4)に10秒、Siウェーハを浸け、Siの表面の異方性エッチングを行う。
イオンを注入した部分のエッチング速度が遅いため、イオン注入部分を頂点としたSiの111面をもった四角錐が形成される。このSiウェーハ上にSiO2の薄膜をスパッタリングにより形成し、Siに対し選択比が良くなるようにC2F6、C3F8、C4F10といったエッチングガスでSiO2のドライエッチングを行う。Siの先端が露出する程度、SiO2のエッチングを行う。
次に、Siの先端にCNTを電気泳動法により接合し、Siウェーハを所定の大きさにカットして、電子線放出源として使用する。CNTと電子線レジスト間の距離が1μm程度になるように設置する。電子線レジストとして、日本ゼオン製のZEP−520を使用する。真空中でCNTに電圧を数百V掛け、電子をZEP−520に照射し、微細パターンを形成する。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、導電性を有する突起物の周辺を絶縁体で覆って、突起物の先端の一部分が露出しているので、電圧を突起物に掛けると突起物の先端に電圧が集中することが可能になる。
請求項2によれば、CNTが複数本あるので、電子線描画において高スループットを達成できる。
請求項3によれば、導電性を有する物質の上に孔を形成し、導電性を有する物質を陰極として金属の電鋳を行うので、孔の部分に金属が析出し、半球状の突起物を形成することができる。
請求項4によれば、導電性を有する物質の上に阻害物を形成し、導電性を有する物質を等方的にエッチングを行ない、最終的に阻害物を除去するので、円錐状の突起物を形成することができる。
請求項5によれば、導電性を有する物質の表面の一部分に電子あるいは原子を打ち込み、打ち込んだ部分のエッチング速度を低下させることにより、導電性を有する物質を異方的にエッチングするとき、電子あるいは原子を打ち込んだ部分のエッチングの方向に異方性が発生し、角錐状の突起物を形成することができる。
請求項6および7によれば、導電性を有する突起物の上に樹脂を形成および樹脂をエッチングすることにより、突起物の先端が露出し、その他の部分を絶縁することができる。
請求項8および9によれば、導電性を有する突起物の上に金属酸化物を形成および金属酸化物をエッチングすることにより、突起物の先端が露出し、その他の部分を絶縁することができる。
請求項10によれば、先端が露出している導電性を有する突起物を電極として電気泳動を行うので、突起物の先端にカーボンナノチューブを接合することができる。
請求項11によれば、絶縁体で覆われた突起物の先端にカーボンナノチューブがあるので、カーボンナノチューブに電圧が集中し、放出角度の小さい電子を放出することができき、そのため、電子ビーム径の小さい電子線描画装置を得ることができ、微細なパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である
【図3】図1の本発明による電子線放出源の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】図2の本発明による電子線放出源の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図5】(a)は第1の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第1の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第1の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第1の突起物の形成の第4段階を示す概略図、(e)は第1の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
【図6】(a)は第2の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第2の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第2の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第2の突起物の形成の第4段階を示す概略図、(e)は第2の突起物の形成の第5段階を示す概略図である。
【図7】(a)は第3の突起物の形成の第1段階を示す概略図、(b)は第3の突起物の形成の第2段階を示す概略図、(c)は第3の突起物の形成の第3段階を示す概略図、(d)は第3の突起物の形成の第4段階を示す概略図である。
【図8】突起物の先端にCNTを接合する方法を示す概略図である。
【図9】本発明による電子線描画装置の実施の形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板
2 絶縁体
3 突起物
3a 突起物の先端
4 カーボンナノチューブ(CNT)
5 導電膜(導電性を有する薄膜)
6 ポジ型レジスト(レジスト)
7 マスク
8 ネガ型レジスト(レジスト)
Claims (11)
- 基板上に導電性を有する突起物があり、この突起物の先端以外の外周面が絶縁体で覆われ、前記突起物の先端にカーボンナノチューブが接合されていることを特徴とする電子線放出源。
- 前記基板上には、複数の前記突起物が規則的に配列されていることを特徴とする請求項1記載の電子線放出源。
- 導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストに孔を形成し、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を陰極として金属の電鋳を行うことにより突起物を形成することを特徴とする請求項1または2記載の電子線放出源の製造方法。
- 導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上にレジストを形成し、レジストが柱状に残るように露光、現像を行い、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を等方的にエッチングし、レジストを除去することにより突起物を形成することを特徴とする電子線放出源の製造方法。
- 導電性を有する基板上あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜上の所定の領域に電子あるいは原子を打ち込み、導電性を有する基板あるいは基板に形成されている導電性を有する薄膜を異方的にエッチングし、前記の電子あるいは原子を打ち込んだ領域を除去することにより突起物を形成することを特徴とする電子線放出源の製造方法。
- 前記絶縁体が樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の電子線放出源。
- 前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、樹脂をスピンコートあるいはスプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで樹脂のエッチングを行うことを特徴とする請求項6記載の電子線放出源の製造方法。
- 前記絶縁体が金属酸化物からなることを特徴とする請求項1または2記載の電子線放出源。
- 前記突起物を形成後、前記突起物を覆う膜厚になるように、金属酸化物をスパッタリング、化学気相成長、スピンコート、スプレー法により形成し、前記絶縁体の先端が現れるまで前記金属酸化物のエッチングを行うことを特徴とする請求項8記載の電子線放出源。
- 前記絶縁体を形成後、電気泳動法により前記突起物の先端にカーボンナノチューブを接合することを特徴とする請求項1または2記載の電子線放出源。
- 請求項1または2に記載された電子線放出源を用いたことを特徴とする電子線描画装置。
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WO2005124815A1 (ja) * | 2004-06-16 | 2005-12-29 | Hitachi High-Technologies Corporation | 電子線源および電子線応用装置 |
JP2007265639A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Osaka Univ | 電子波干渉電子源とその製造方法およびそれを用いた素子 |
KR100792385B1 (ko) | 2005-12-14 | 2008-01-09 | 주식회사 하이닉스반도체 | 나노팁전자방출원, 그의 제조 방법 및 그를 구비한 나노팁리소그래피 장치 |
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2002
- 2002-11-07 JP JP2002324324A patent/JP2004158357A/ja active Pending
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