JP2770249B2 - 真空計 - Google Patents

真空計

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、気体の電離現象を利用した真空計に関
し、特に冷陰極の構造に特徴のある真空計に関する。
[従来の技術] 従来、最も信頼性の高い真空計として、熱陰極を備え
た電離真空計が知られている。中でもB−Aゲージはよ
く使われており、その他にも熱陰極電離真空計として多
くの種類が知られている。熱陰極電離真空計は、熱陰極
から放出された電子によって気体をイオン化し、そのイ
オンの量に基づいて気体圧力を知るものである。
[発明が解決しようとする課題] 上述した従来の熱陰極電離真空計は、測定の信頼度は
高いが、熱的擾乱の問題がある。すなわち、熱陰極によ
ってグリッドや真空計容器などが加熱されて、そこから
ガス放出が生じ、特に圧力の低い領域では、真の圧力よ
りも一桁程度大きな圧力を指示してしまうことがある。
したがって、超高真空や極高真空における圧力測定は極
めて困難となる欠点がある。
これに対して、冷陰極を備えた電離真空計は、上述の
ような熱的擾乱の問題は生じないが、高電圧を利用して
いて冷陰極放電の安定性が劣り、測定の信頼度が低い欠
点がある。また、高電圧を利用しているため、冷陰極が
正イオンでスパッタリングされて陰極寿命が短いという
問題もある。
[目的] この発明の目的は、原理的に熱的擾乱のない冷陰極電
離真空計の利点を生かすと共に、冷陰極電離真空計のも
つ上述の欠点を解消した真空計を提供することにある。
[課題を解決するための手段] この発明は、微細加工による冷陰極エミッタ(例え
ば、NIKKEI MICRODEVICES 1989年 11月号149頁 参
照)を含む冷陰極電子放出機構を採用することにより、
上述の目的を達成している。すなわち、この発明は、冷
陰極電子放出機構とグリッド機構とイオンコレクタ機構
とを備える真空計において、前記冷陰極電子放出機構を
次のように構成したものである。この冷陰極電子放出機
構は、多数の微小冷陰極と、この微小冷陰極から放出さ
れる電子を加速するための多数の微小加速電極とを備え
ている。そして、微小冷陰極と微小加速電極は同一の基
板の表面に形成されており、冷陰極電子放出機構から放
出される電子は前記基板の表面に沿った方向に放出され
る。
微小冷陰極と微小加速電極は、IC製造工程などで使わ
れる微細パターン加工技術を利用して作られる。したが
って、一つの基板に多数の微小冷陰極と微小加速電極を
形成することができる。
微小冷陰極と微小加速電極の数は同じにするのが一般
的であるが、一つの微小加速電極に対して、微小冷陰極
の電子放出部となる先端突起を二つ以上対応させてもよ
い。
冷陰極電子放出機構は基板上に形成されるが、この基
板を平板状にすると微細パターン加工が容易になる。ま
た、冷陰極電子放出機構を環状の基板の上に形成して、
コイル状のグリッド電極の周囲を取り囲むようにしても
よい。
冷陰極電子放出機構は、基板の片面だけではなくて、
基板の両面に形成してもよい。
微小冷陰極は正イオンの衝突を受けやすいので、適当
なイオンシールドを設けるのが好ましい。例えば、基板
の側面に所定の面積のイオンシールドを設ける。このイ
オンシールドは微小冷陰極と同程度の電位にする。ま
た、イオンシールドを、微小冷陰極に接続して基板に垂
直方向に突き出して形成してもよい。
[作用] この真空計の基本的な動作は次の通りである。冷陰極
電子放出機構において、微小冷陰極の先端の突起から電
界放射によって電子が放出され、微小加速電極で加速さ
れる。微小冷陰極と微小加速電極は基板上に並べて形成
されているので、電子は基板の表面に沿って放出され
る。冷陰極電子放出機構から放出された電子は、グリッ
ド電極に引っ張られて、グリッド電極の近傍を往復する
ことによって気体に衝突し、これを電離する。電離によ
って生じた正イオンは、イオンコレクタ電極に捕捉され
る。このイオンコレクタ電流を測定することによって真
空計内の圧力を求めることができる。
この真空計では、多数(例えば、数千から数万)の微
小冷陰極から電子を放出しているので、一つの微小冷陰
極によるエミッタ電流が小さくても、トータルでは多く
のエミッタ電流を得ることができる。また、微小加速電
極を微小冷陰極の極めて近傍に配置できるので、微小冷
陰極付近の電界強度を大きくすることができる。これら
の構成により、この真空計では、安定したエミッタ電流
を得ることができ、冷陰極を利用しているにもかかわら
ず測定精度が高い。しかも、この冷陰極電子放出機構に
よって電子を安定的に供給できるので、冷陰極とグリッ
ド電極との間の印加電圧をあまり高くしなくてもよい。
[実施例] 次に、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
第1図はこの発明の一実施例の縦断面図である。この
真空計は、主として、真空容器10と、グリッド機構20
と、イオンコレクタ機構30と、冷陰極放出機構40とから
なる。
真空容器10は、円筒状の真空筒11と、イオンコレクタ
電極を貫通固定するためのイオンコレクタ・ステム部12
と、その他の電極端子を貫通固定するための電極ステム
部13と、被測定真空質に取り付けるための接続管14とか
らなり、これらが一体に形成されている。
グリッド機構20は、コイル状のグリッド電極21を備え
ており、このグリッド電極21は全体としてほぼ円筒状に
なっている。グリッド電極21の両端は、2本のリード2
2、23に接続固定されている。リード22、23は、絶縁変
圧器26の出力端子に接続され、絶縁変圧器26の入力端子
には交流電源25が接続される。交流電源25を動作させる
と、コイル状のグリッド電極21に電流が流れて、これが
加熱される。グリッド電極21の加熱操作は真空計のガス
放出のために行う作業であり、圧力測定時にはグリッド
電極21の加熱は行わない。グリッド加熱のためには、グ
リッド電極の形状として、この実施例のようなコイル状
が適している。
リード22、23はグリッド電源24に接続されてグリッド
電圧が印加される。グリッドに流入する電流は電流計27
で測定できる。
イオンコレクタ機構30は、イオンコレクタ電極31と、
イオン電流計32とを含む。イオンコレクタ電極31は細長
い針状であり、コイル状のグリッド電極21の中心に位置
する。
冷陰極電子放出機構40は、この実施例では、細長い平
板状の基板の上に形成されている。冷陰極電子放出機構
40の冷陰極はリード43を介して電流計59とエミッタ電源
57に接続され、冷陰極電子放出機構40の加速電極はリー
ド線47を介して電子放出制御装置50と加速電源58に接続
されている。以下、この冷陰極電子放出機構の詳しい構
造を第2図〜第4図を参照して説明する。
第2図は第1図のII−II線断面図である。冷陰極電子
放出機構40の基板表面から矢印55の方向に放出された電
子は、グリッド電極21に引っ張られて矢印54のように往
復運動し、やがて、グリッド電極21に捕捉される。
第3図は第2図の冷陰極電子放出機構40の模式的な拡
大断面図であり、第4図はその正面図である。第3図は
第4図のIII−III線断面図となっている。基板48の表面
481には、微小冷陰極41(以下、エミッタという)と微
小加速電極45が多数形成されている。基板48はアルミナ
等の絶縁体でできている。エミッタ41の先端411は尖っ
ており、この先端411から電界放射によって電子が放出
されるようになっている。多数のエミッタ41は互いに接
続部42で接続され、接続部42の端部にはリード線431が
ボンディングされている。リード線431は第1図のリー
ド43に電気的に接続されている。加速電極45は円柱状で
あり、接続部46によって互いに接続されている。接続部
46の端部にはリード線471がボンディングされている。
リード線471は第1図のリード線47に電気的に接続され
ている。エミッタ41の列と加速電極45の列は互いに平行
になっているが、エミッタ41の位置と加速電極45の位置
は互いにずれていて、エミッタ41から放出される電子が
加速電極45の間を通り抜けるようになっている。電子は
基板48の表面481に沿って放出され、矢印55の方向に飛
んで行く。
この実施例では、基板の両面に冷陰極電子放出機構を
形成してあるが、片面だけに形成してもよい。
エミッタ41の先端の曲率半径はできるだけ小さくする
のが好ましく、こうすると電界放射が容易になる。曲率
半径は1μm以下にするのが好ましい。エミッタ41はモ
リブデンやタングステンなどの高融点金属材料で作るの
が望ましいが、仕事関数の小さい(すなわち、電界によ
る冷陰極電子放射の能力が高い)材料ならば何でもよ
い。また、エミッタ表面に酸化物被膜を設けるなどして
仕事関数を小さくしてもよい。
基板48の上に微小なエミッタ41や加速電極45を多数形
成するには、IC製造工程などで使われる微細パターン加
工技術を利用する。すなわち、成膜工程、フォトレジス
トの露光・現像によるパターニング工程、エッチング工
程などを組み合わせて第3図および第4図に示すような
冷陰極電子放出機構を形成できる。この微細パターン加
工技術を利用すれば多数のエミッタや加速電極を安定量
産できる。エミッタ41や加速電極45の大きさは数μm〜
数十μmであり、これらが一つの基板48上に数千〜数万
個形成される。なお、第3図と第4図では基板48に対し
てエミッタ41や加速電極45の大きさを誇張して描いてあ
る。
加速電極45のほかに別の加速電極451を設けてもよ
く、この加速電極451は電子をさらにグリッド電極に向
けて加速誘導する必要があるときに用いる。
基板48の側面にはイオンシールド44を形成してある。
このイオンシールド44は、エミッタ41と同電位に保たれ
ており、気体の電離によって生じた正イオンがエミッタ
41に衝突するのを防いでいる。すなわち、正イオンは、
エミッタ41と比較して大きな面積を有するイオンシール
ド44に捕捉されて、エミッタ41のイオン衝撃はほとんど
なくなる。これにより、エミッタ41の寿命が長くなる。
また、エミッタ41は、第3図の右方向から飛来してくる
正イオンに対して加速電極45の後方にあって、しかも加
速電極45はエミッタ41よりも高い電位になっているの
で、エミッタ41のイオン衝撃はこの点でも少なくなる。
グリッド加熱時の蒸発やグリッドのスパッタリングに
よって、グリッドの方向(第3図の右方向)から金属蒸
気が飛来する場合もあるが、その場合でも、この金属蒸
気は基板表面481に平行に飛来することになるので、エ
ミッタ41とグリッド電極45との間の基板表面481に金属
蒸気が付着することは少なくなり、エミッタ41とグリッ
ド電極45との間の絶縁状態が、基板表面に付着する金属
蒸気によって劣化するようなこともない。必要により、
基板表面481に溝482を設けて、エミッタ41とグリッド電
極45との絶縁状態が上述の金属蒸気の影響を受けないよ
うにしてもよい。
第5図は第4図に示すエミッタ41とその接続部42の拡
大斜視図である。エミッタ41の高さと接続部42の高さは
同じである。第6図はエミッタ41付近の形状の変更例で
ある。この例では、接続部42に垂直に壁421を形成して
ある。この壁421はエミッタ41と同電位であって、しか
もエミッタ41よりも大きな面積となっているので、正イ
オンによるイオン衝撃をこの壁421に集めて、エミッタ4
1へのイオン衝撃を少なくする効果がある。
第7図はエミッタ付近の形状の別の変更例である。こ
の例では、接続部42の厚さをエミッタ41よりも薄くする
ことによって、エミッタ41の先端411に電界をより集中
させて、電界放射を容易にしている。
次に、この真空計の動作を説明する。
第1図と第2図において、冷陰極電子放出機構40から
放出された電子はグリッド電極21に引っ張られて、矢印
54のような往復運動をし、やがてグリッド電極21に捕捉
される。その間に電子は真空計内の気体に衝突してこれ
を電離する。電離によって生じた正イオンはイオンコレ
クタ電極31に捕捉される。このときのイオンコレクタ電
流は電流計32で測定できる。一方、冷陰極電子放出機構
40のエミッタから放出される電子の電流は電流計59で測
定できる。また、グリッド電極21に流入する電子(エミ
ッタからの放出電子と気体の電離で生じた電子とを含
む)の電流は電流計27で測定できる。真空計内の圧力
は、イオンコレクタ電流とエミッタ電流との比、または
イオンコレクタ電流とグリッド電流との比から求めるこ
とができる。あるいは、イオンコレクタ電流、エミッタ
電流、グリッド電流の三つを利用して圧力を求めてもよ
い。
第1図の電子放出制御装置50はエミッタ電流を所定の
値に保つためのものである。すなわち、エミッタ電流が
所定の値よりも低下した場合には、エミッタ電流を増加
させるような働きをする。例えば、エミッタ電流が低下
した場合に加速電極の電位を高くする。
第8図は冷陰極電子放出機構の変更例を示すもので、
エミッタと加速電極の付近を示してある。この例では、
一つのエミッタ41に二つの突起413、414を設けてある。
すなわち、エミッタ41と加速電極45の数は等しいが、突
起413、414の数は加速電極45の2倍になっている。この
場合、エミッタ41の突起413と、隣りのエミッタ41の突
起414とから放出された電子は、同じ加速電極45の間を
通り抜けていくことになる。もちろん、一つの加速電極
に対して3個以上のエミッタ突起を対応させてもよい。
また、エミッタ41と加速電極45の相対位置は図示の位置
からずらしてもよい。
第9図は冷陰極電子放出機構の別の変更例を示す。こ
の例も第8図の例と同様に、一つのエミッタ41に二つの
突起413、414を設けてあるが、各突起413、414は第8図
の例よりも鋭角になっていて、突起先端の電界を強くし
ている。
第10図は、冷陰極電子放出機構の基板の各種の形状を
まとめて示した斜視図であり、第11図はその縦断面図で
ある。基板401、402、403は、コイル状のグリッド電極2
1を取り囲むようにリング状に構成した例である。基板4
01は中空円板の形状であり、中空円板の表面(片面また
は両面)に冷陰極電子放出機構を形成してある。基板40
2は中空円筒形状であり、中空円筒の内周面に冷陰極電
子放出機構を形成してある。基板403は、中空の截頭円
錐形状であり、その内側円錐面に冷陰極電子放出機構を
形成してある。基板404は、コイル状のグリッド電極21
の上方に配置した中空円筒形状の基板であり、その外周
面に冷陰極電子放出機構を形成してある。基板405は、
コイル状のグリッド電極21の下方に垂直に立てて配置し
た平板状の基板であり、その両面に冷陰極電子放出機構
を形成してある。第11図において各種基板401〜405の近
傍の矢印は電子の放出方向を示している。いずれの場合
も基板の表面に沿って電子が放出される。第10図と第11
図に示した基板の例は、これらのいずれか一つを、また
は二つ以上を組み合わせて利用することができる。
結局、この発明では、冷陰極電子放出機構を基板上に
固体素子として形成するようにしたので、冷陰極電子放
出機構を自由な形状にすることができ、また量産も可能
となる。
この発明の真空計は、冷陰極電子放出機構を採用して
いて熱的擾乱が生じないので、従来の熱陰極電離真空計
よりも圧力の低い領域を測定することが可能となる。と
ころで、真空計の測定限界に影響を及ぼすものとして
は、熱的擾乱以外に、軟X線の影響がある。すなわち、
グリッド電極に電子が入射したときに軟X線が発生し、
この軟X線がイオンコレクタ電極に当たるとイオンコレ
クタ電極から光電子が放出される。これにより、イオン
コレクタ電極に光電流が流れ、これが真空計の測定限界
を定める。したがって、熱的擾乱の生じない利点を有す
るこの発明の真空計にあっては、さらに軟X線の影響を
少なくすることが測定限界を下げる意味で重要となる。
この点を考慮して、以下の第12図と第13図の変更例で
は、軟X線の影響を少なくしてある。
第12図はイオンコレクタ電極の変更例を示す。この例
では、イオンコレクタ電極31の先端だけを点状に露出す
るようにしたもので、これにより軟X線による測定限界
を下げることができる。このようなイオンコレクタ電極
は、例えば特公昭42−14992号公報に開示されている。
第13図はイオンコレクタ機構の別の変更例を示す。こ
の例では、第12図の形状のイオンコレクタ電極31を採用
していて、かつ、X線シールド33を設けてある。このX
線シールド33は、グリッド電極21からの軟X線がイオン
コレクタ電極31に入射するのを効果的に遮断できる。正
イオンは孔34を通ってイオンコレクタ電極31に到達す
る。この種のX線シールドは、例えば、美馬らにより雑
誌“真空”第19巻、第7号(1976)229−236頁に示され
ている。
第1図の実施例は真空容器の中に各種の電極を配置し
た例であるが、電極ステム部だけを残して真空容器を取
り去った、いわゆるヌード形にしてもよい。
上述の実施例では、グリッド電極の形状をコイル状と
したが、その他の形状にしてもよい。
この発明は、電子衝撃によって気体を電離する形式の
真空計であればどのようなものにも適用できる。したが
って、大迫ゲージ、シュルツゲージ、三極真空計などに
適用できる。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明の真空計は、同一の基板
の表面に多数の微小冷陰極と多数の微小加速電極を形成
して冷陰極電子放出機構を構成したので次の効果があ
る。
(1)熱陰極を使用しないので熱的擾乱がなく、また冷
陰極であるにもかかわらず電子放出が安定している。し
たがって、熱陰極真空計の欠点と従来の冷陰極真空計の
欠点とを同時に解消して、信頼性の高い真空計を得るこ
とができた。これにより、この真空計で超高真空や超高
真空の圧力測定が可能となる。
(2)冷陰極電子放出機構の微小冷陰極や微小加速電極
は基板表面上に微細パターン加工技術によって形成でき
るので、安定量産が可能である。特に、基板表面に沿っ
て電子を放出できるようにしたので、微小冷陰極や微小
加速電極を基板上で平面的に並べて形成することがで
き、量産化に適する。
(3)多数の微小冷陰極の先端突起での電界放射によっ
て電子放出が行われるので、所定の電子放出電流を得る
のに、冷陰極とグリッドとの間に高電圧を印加しなくて
済み、正イオン衝撃による冷陰極スパッタリングが少な
い。したがって、冷陰極の寿命が長い。さらに冷陰極の
近傍に適当なイオンシールドを施せば、冷陰極への正イ
オン衝撃はより少なくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の縦断面図、 第2図は第1図のII−II線断面図、 第3図は冷陰極電子放出機構の一部の拡大平面断面図、 第4図は第3図に示す部分の正面図、 第5図は微小冷陰極付近の斜視図、 第6図は微小冷陰極付近の変更例の斜視図、 第7図は微小冷陰極付近の別の変更例の斜視図、 第8図は冷陰極電子放出機構の変更例の一部の正面図、 第9図は冷陰極電子放出機構の別の変更例の一部の正面
図、 第10図は冷陰極電子放出機構の基板の各種形状を示す斜
視図、 第11図は第10図に示す部分の縦断面図、 第12図はイオンコレクタ電極の変更例の正面断面図、 第13図はイオンコレクタ機構の変更例の正面断面図であ
る。 21……グリッド電極 31……イオンコレクタ電極 40……冷陰極電子放出機構 41……微小冷陰極(エミッタ) 45……微小加速電極 48……基板 481……基板表面 55……電子放出方向

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷陰極電子放出機構とグリッド機構とイオ
    ンコレクタ機構とを備える真空計において、 前記冷陰極電子放出機構は、多数の微小冷陰極と、この
    微小冷陰極から放出される電子を加速するための多数の
    微小加速電極とを備えていて、微小冷陰極と微小加速電
    極は同一の基板の表面に形成されており、冷陰極電子放
    出機構から放出される電子は前記基板の表面に沿った方
    向に放出されることを特徴とする真空計。
  2. 【請求項2】一つの微小加速電極に対して、微小冷陰極
    の電子放出部となる先端突起が二つ以上対応しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の真空計。
  3. 【請求項3】前記グリッド機構のグリッド電極はコイル
    状であり、前記冷陰極電子放出機構は前記グリッド電極
    を取り囲んでいることを特徴とする請求項1記載の真空
    計。
  4. 【請求項4】前記微小冷陰極と前記微小加速電極とが前
    記基板の両面に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の真空計。
  5. 【請求項5】前記微小冷陰極に正イオンが衝突するのを
    防ぐためのイオンシールドが、前記基板の側面に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の真空計。
  6. 【請求項6】前記微小冷陰極に正イオンが衝突するのを
    防ぐためのイオンシールドが、微小冷陰極に接続されて
    基板に垂直方向に突き出して形成されていることを特徴
    とする請求項1記載の真空計。
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