JP2004158203A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で低コストな回路構成で、イグナイタ回路のスイッチング素子短絡故障発生時に起こる過電流による抵抗素子の温度上昇による焼損を防止できる高圧放電灯点灯装置を得る。
【解決手段】交流電源を直流に変換する直流電源回路と、前記交流電源と前記直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランス1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランス2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電源を直流に変換する直流電源回路と、前記交流電源と前記直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランス1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランス2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧放電灯点灯装置に関し、イグナイタ回路のスイッチング素子短絡故障時に起こる、抵抗素子の温度上昇による焼損防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の高圧放電灯点灯装置のハーフブリッジ式インバータを用いた回路構成図を示す(例えば特許文献1)。
図6において、51は直流電源回路、52、53はコンデンサ、54は抵抗、55はコンデンサ、56は限流用インダクタ、57は放電灯、58はトライアック、59はトランス、60、61はトランジスタ、62、63はダイオードである。64はインバータ回路であり、前記トランジスタ60、61により構成される。65はイグナイタ回路であり、前記コンデンサ55、トライアック58、トランス59により構成される。
【0003】
上記のように構成された装置の動作について説明する。
商用電源(図示せず)より入力された交流電力は、前記直流電源回路51により直流電力に変換される。前記放電灯57の放電開始前、前記直流電源回路51の出力電圧は、前記トライアック58がオフの期間、前記抵抗54からコンデンサ55の経路に流れる。この電流により、前記コンデンサ55は抵抗54と該コンデンサ55の時定数に応じて徐々に充電される。前記トライアック58がオン状態となると、前記コンデンサ55に蓄積された電荷は、前記トライアック58から前記トランス59の二次巻線(n2)の経路を通り放出される。この時、前記トランス59の二次巻線(n2)に流れる電流により、一次巻線(n1)側には昇圧された高電圧パルスが発生する。前記放電灯57に、この高電圧パルスが印加されることにより、電極間に放電が開始される。
【0004】
前記放電灯57が高電圧パルス印加により始動に至ると、コンデンサ52からオン状態のインバータ回路64のトランジスタ60→トランス59の1次巻線(n1)→放電灯57→限流用インダクタ56→コンデンサ52に至る閉回路にランプ電流が流れる。そして、前記トランジスタ60がオン状態からオフ状態に移行すると、前記インダクタ56に蓄積されたエネルギーが、コンデンサ53→順方向のダイオード63→トランス59→放電灯57→限流用インダクタ56に至る閉回路に放出され、ランプ電流が継続し流れる。
【0005】
次に、インバータ回路64のトランジスタ61がオン状態になった場合には、コンデンサ53を直流電源として、先の説明(トランジスタ60オン状態の場合)とは逆方向にランプ電流が流れ、前記トランジスタ61がオフ状態に移行した後も、限流用インダクタ56により先の説明とは逆の方向にランプ電流が流れる。以降、高電圧パルスを印加せずとも、インバータ回路64による交流電力の供給のみで放電は継続され、放電灯は安定点灯を続ける。
【0006】
前記放電灯57の放電が開始されると、以降、高電圧パルス印加の必要がないため、前記イグナイタ回路65のトライアック58はオフ状態に制御される。トライアック58がオフ状態となると、前記コンデンサ55は前記直流電源回路51の出力電圧で充電された状態となるため、直流電源回路51→抵抗54→イグナイタ回路65という経路に電流は流れない。
【0007】
しかしながら、前記放電灯57の安定点灯中に前記トライアック58の短絡故障が起こった場合、トライアック58は短絡状態となるため、前記コンデンサ55の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗54に直流電源回路51との電位差分だけ電流が流れてしまうことになる。この電流により、当該抵抗54は温度上昇する。
【0008】
前記抵抗54の温度上昇を防止する手段として、例えば前記抵抗54を複数の抵抗素子の並列接続で構成して、前記トライアック58の短絡故障発生時に、イグナイタ回路65に流れる電流を、前記複数の抵抗素子に分流させることにより、抵抗素子一本あたりに流れる電流を軽減させ、抵抗一本あたりの発熱を軽減させる方法がとられる。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−21181号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、図6に示す従来の高圧放電灯点灯装置においては、放電灯57の安定点灯中にトライアック58の短絡故障が発生した場合、コンデンサ55の電位はほぼ0Vとなり、抵抗54に直流電源回路51との電位差分だけ過電流が流れ、当該抵抗54が温度上昇により焼損するという問題があった。また、前記抵抗54の温度上昇を防止する手段として、複数の抵抗素子を用いる方法においては、例えば、直流電源回路51の出力電圧を400V、前記複数の抵抗素子の並列接続における抵抗値を47kΩとすると、短絡故障発生時の前記複数の抵抗素子での消費電力は約3.4Wとなる。一本あたり定格3Wの抵抗素子を用いて、定格の20%程度の消費電力を消費するような回路構成にすると、抵抗素子が6本必要となり、サイズ及びコストが大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、小型で低コストな回路構成で、イグナイタ回路のスイッチング素子短絡故障発生時に起こる過電流による抵抗素子の温度上昇による焼損を防止することのできる高圧放電灯点灯装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高圧放電灯点灯装置は、交流電源を直流に変換する直流電源回路と、
前記交流電源と前記直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
図1において、1は商用電源、2は前記商用電源1の交流を全波整流する整流回路、15は直流電源回路であり、インダクタンス3、スイッチング素子としての例えばMOS−FET4、該MOS−FET4を駆動する駆動回路18、ダイオード5及び平滑コンデンサ6で構成され、前記MOS−FET4及び駆動回路18による昇圧動作を行う回路部分を有している。16は前記直流電源回路15の出力電力を高周波電力に変換するインバータ回路であり、スイッチング素子としての例えばMOS−FET7及びMOS−FET8で構成されている。9は前記インバータ回路16の出力点に接続された第1のコンデンサ、17は放電灯13に印加する高電圧パルスを発生させるイグナイタ回路であり、第2のコンデンサ10、トランス11及びスイッチング素子としての例えばMOS−FET12で構成されている。14は前記直流電源回路15の出力点に接続された抵抗素子(以下、抵抗14という)、19は前記駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源、21は前記整流回路2と直流電源回路15との間に接続され、前記抵抗14に近接して配置され、所定の温度によって溶断される温度ヒューズである。
【0014】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
商用電源1より入力された交流電力は、整流回路2によって全波整流され、直流電源回路15に入力される。前記直流電源回路15は、低電圧源19により駆動電力が供給されるいる駆動回路18の制御信号による前記MOS−FET4のスイッチングで入力電圧の昇圧を行い、平滑コンデンサ6で平滑する。昇圧及び平滑された直流電源回路15の出力電力は、インバータ回路16及びイグナイタ回路17に供給される。前記インバータ回路16は直流電力を高周波電力に変換し、放電灯13への供給を行う。前記イグナイタ回路17に供給された直流電力は、高電圧パルスに変換され、放電灯13に印加されることにより、放電灯13の放電が開始される。
【0015】
ここで、前記イグナイタ回路17による高電圧パルス発生の動作について説明する。
前記直流電源回路15の出力電流は、MOS−FET12がオフの期間は、抵抗14からコンデンサ10の経路に流れる。この電流により、前記コンデンサ10は、抵抗14とコンデンサ10の時定数に応じて徐々に充電される。前記MOS−FET12がオン状態となると、前記コンデンサ10に蓄積された電荷は、トランス11の2次巻線(n2)からMOS−FET12の経路を通り放出される。この時、トランス11の2次巻線(n2)に流れる電流により、1次巻線(n1)側には昇圧された高電圧パルスが発生する。この高電圧パルスが前記放電灯13に印加されることにより、電極間に放電が開始される。
【0016】
そして、放電が開始されると、以降、高電圧パルス印加の必要がないため、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12は駆動回路(図示せず)によりオフ状態に制御される。MOS−FET12がオフ状態となると、前記コンデンサ10は直流電源回路15の出力電圧で充電された状態となるため、直流電源回路15の出力電流は、抵抗14からイグナイタ回路17という経路に流れず、前記インバータ回路16にのみ流れる。したがって、一度放電が開始されると、以降、高電圧パルスを印加せずとも、前記インバータ回路16による高周波電力の供給のみで放電は継続され、放電灯13は安定点灯を続ける。
【0017】
しかしながら、放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が起こると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14に直流電源回路15との電位差分だけ過電流が流れてしまうことになる。この電流により、抵抗14は温度上昇する。この抵抗14の温度を、前記整流回路2と直流電源回路15との間に接続され、当該抵抗14に近接して配置された前記温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記整流回路2の出力点側の経路が遮断される。
【0018】
以上の動作により、前記整流回路2から直流電源回路15への経路が遮断されるため、前記抵抗14及びイグナイタ回路17への電力の供給は遮断され、抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。また、インバータ回路16への電力の供給も遮断されることから、放電灯13への電力も遮断されるため、放電灯13は消灯する。
【0019】
以上のように、イグナイタ回路17のコンデンサ10と直列に接続される抵抗14の温度を、前記整流回路2と直流電源回路15の間に接続され、前記抵抗14に近接して配置された温度ヒューズ21により検知し、該温度ヒューズ21が所定の温度になったら溶断することにより、前記整流回路2の出力点側の経路が遮断される構成としたので、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、過電流による前記抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。また、従来複数の抵抗素子の並列接続の構成手段による焼損防止を、前記温度ヒューズ21の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0020】
尚、本実施の形態においては、整流回路2と直流電源回路15との間に温度ヒューズ21を接続する構成としたが、これに限られるものではなく、商用電源1と整流回路2との間に接続する構成としてもよい。
【0021】
また、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。また、昇圧回路でなくともコンデンサインプット型や倍電圧整流回路等を用いてもよい。
【0022】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
尚、図2において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0023】
上記実施の形態1では、温度ヒューズ21を整流回路2と直流電源回路15との間に接続し、抵抗14に近接して配置した回路構成としたが、本実施の形態においては、温度ヒューズ21を前記MOS−FET4をスイッチング駆動する駆動回路18と該駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源19との間に接続し、前記抵抗14に近接して配置した回路構成としたものである。
【0024】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成での放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0025】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、上記実施の形態1と同様に、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14に直流電源回路15との電位差分だけ過電流が流れて、この電流により、抵抗14は温度上昇する。この抵抗14の温度を、前記駆動回路18と低電圧源19との間に接続され、当該抵抗14に近接して配置された前記温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記MOS−FET4の駆動回路18と低電圧源19との間の経路が遮断される。したがって、前記駆動回路18には低電圧源19から駆動電力が供給されなくなるため、駆動回路18は停止することになり、前記MOS−FET4のスイッチングが停止する。
【0026】
以上の動作により、直流電源回路15の前記MOS−FET4はオフ状態となり、前記直流電源回路15での入力電圧の昇圧は行われなくなる。例えば、通常昇圧された場合、商用電源1の電源電圧が100V、200Vの時400Vとなり、この昇圧された直流電力が前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17へ供給されることになるが、この場合、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17へは昇圧されていない直流電力が供給される。例えば商用電源1の電源電圧が100Vの時は140V、200Vの時は280Vが供給されることになる。このように、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15で昇圧動作が行われない分だけ減少することによって、前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。
【0027】
以上のように、イグナイタ回路17のコンデンサ10と直列に接続される抵抗14の温度を、前記MOS−FET4の駆動回路18と該駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源19との間に接続され、前記抵抗14に近接して配置された温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記MOS−FET4の駆動回路18と低電圧源19との間の経路が遮断される構成としたので、上記実施の形態1と同様に、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、過電流による前記抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができるとともに、前記抵抗14の温度上昇による焼損防止を前記温度ヒューズ21の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0028】
尚、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。
【0029】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。尚、図3において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図3において、23は前記抵抗14とコンデンサ10との間に接続された前記トランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に直列に接続配置され、温度上昇とともに抵抗値が大きくなる正特性サーミスタ(以下、PTCサーミスタという)である。
【0030】
本実施の形態においては、温度ヒューズ21を備えておらず、前記抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に前記PTCサーミスタ23を直列に接続配置した点が、上記実施の形態1の図1に示す回路構成と異なる。
尚、上記実施の形態1におけるコンデンサ10の充電は、抵抗14の抵抗値とコンデンサ10の静電容量との時定数に応じて行われるが、本実施の形態の前記コンデンサ10の充電は、前記抵抗14及び前記PTCサーミスタ23の抵抗値とコンデンサ10の静電容量との時定数に応じて行われるため、常温での前記PTCサーミスタ23の抵抗値を考慮して、抵抗14の抵抗値を設定する必要がある。
【0031】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成においては、前述のように抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に前記PTCサーミスタ23が前記抵抗14に直列に接続配置されていることが上記実施の形態1と異なる点で、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0032】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、直流電源回路15との電位差分だけ、前記直流電源回路15から抵抗14、PTCサーミスタ23、トランス11の2次巻線(n2)、グランドという経路で過電流が流れる。そのため、直流電源回路15の出力電圧が前記抵抗14及びPTCサーミスタ23に全て印加されることになり、抵抗14及びPTCサーミスタ23に温度上昇が起こる。しかしながら、前記PTCサーミスタ23は温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるため、この経路に流れる電流も減少していく。したがって、前記PTCサーミスタ23の作用により、前記抵抗14に流れる電流が抑制されて、当該抵抗14の温度上昇が緩和され温度上昇による焼損を防ぐことができる。
【0033】
以上のように、抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるPTCサーミスタ23を、前記抵抗14に直列に接続配置した構成としたので、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、直流電源回路15から前記抵抗14及びPTCサーミスタ23に過電流が流れ温度上昇を起こすが、前記PTCサーミスタ23が温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるため、前記抵抗14に流れる電流が抑制されて温度上昇が緩和され、当該抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。また、前記抵抗14の温度上昇による焼損防止を前記PTCサーミスタ23の1個で構成することができ、上記実施の形態1、2同様に装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。また、昇圧回路でなくともコンデンサインプット型や倍電圧整流回路等を用いてもよい。
【0035】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。尚、図4において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図4において、24は前記コンデンサ10の両端電圧を積分する積分回路、25は前記積分回路24で積分されたコンデンサ10の両端電圧を検知する電圧検知回路、26は前記電圧検知回路25からの検知結果の情報をもとに、前記駆動回路18の駆動を停止させる停止回路である。
【0036】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成においては、積分回路24、電圧検知回路25及び停止回路26が配置されているが、他の回路構成は上記実施の形態1の図1と同様であり、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0037】
前記放電灯13の安定点灯中、前記コンデンサ10は前記直流電源回路15の出力電圧で充電された状態となっているが、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間が短絡状態となるため、蓄積された電荷が放出され、コンデンサ10の両端電圧が0Vとなる。前記電圧検知回路25はコンデンサ10の電圧が、例えば0Vとなったことを検知して、該検知結果の情報をもとに前記停止回路26では前記駆動回路18の駆動を停止させるよう動作するものである。しかしながら、前記コンデンサ10は、前述した放電灯13の点灯前、MOS−FET12のスイッチングにより、高電圧パルスの発生を行うため、蓄積された電荷を放出して両端電圧が0Vとなる瞬間がある。したがって、この時の電圧0Vと前記MOS−FET12の短絡故障発生時のコンデンサ10の電圧0Vを区別するため、まず、前記積分回路24においてコンデンサ10の両端電圧を積分する。
【0038】
前述の放電灯13の点灯前、コンデンサ10の電圧が0Vになるのは瞬間的で時間的に短く、一方、前述のMOS−FET12の短絡故障時のコンデンサ10の電圧は、蓄積された電荷を放出した後は0Vの状態が継続されるため、前記積分回路24で積分することによって、区別が明確となり前記電圧検知回路25での誤検知を防止する。したがって、前記電圧検知回路25では、前記積分回路24でのコンデンサ10の電圧が、例えば0Vになったことを検知することによって、すなわち、前記MOS−FET12の短絡故障を検知することができ、この検知結果の情報を前記停止回路26に送出する。
【0039】
前記停止回路26は、前記電圧検知回路25からの検知結果の情報を受けて、前記MOS−FET4を駆動する駆動回路18に停止信号を送出し、前記駆動回路18は前記MOS−FET4の駆動を停止する。したがって、直流電源回路15の前記MOS−FET4の駆動が停止されることにより、上記実施の形態2同様に前記直流電源回路15における昇圧動作が停止され、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17には昇圧されていない直流電力が供給される。前述したように、例えば商用電源1の電源電圧が100Vの場合は140V、200Vの場合は280Vが供給されることとなる。このように、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15で昇圧動作が行われない分だけ減少することになって、前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。
【0040】
前記駆動回路18を停止させる方法については、例えば駆動回路18に供給される低電圧源19からの電力経路を開放することにより駆動回路18を停止させる方法や、駆動回路18に使用する例えば制御ICのシャットダウン端子を利用して駆動を停止させる方法を用いる。
【0041】
以上のように、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、前記イグナイタ回路17のコンデンサ10の両端電圧が、例えば0Vになったことを電圧検知回路25により検知し、該電圧検知回路25からの検知結果情報に基づいて、停止回路26は前記直流電源回路15のMOS−FET4を駆動する駆動回路18を停止させて、当該直流電源回路15における昇圧動作を停止させる構成としたので、前記直流電源回路15から前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15の昇圧動作が行われない分だけ減少する。したがって、上記実施の形態2同様に前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。
【0042】
尚、本実施の形態においては、前記コンデンサ10の両端電圧を検知する構成としたが、前記MOS−FET12のドレイン端子の電圧を検知するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。
【0044】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
尚、図5において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
上記実施の形態1の図1の回路構成と本実施の形態と異なる点は、本実施の形態では、温度ヒューズ21を備えておらず、前記抵抗14の定格を、MOS−FET12の短絡故障時において、前記直流電源回路15の出力電圧が印加された過負荷状態が継続した場合、開放破壊する程度の小さなものとしたことである。
【0045】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成において、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0046】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14には直流電源回路15との電位差分だけ電流が流れ、この電流と当該抵抗14の抵抗値に応じた電力を消費することになる。当該抵抗14の定格を、この時消費する電力より遥かに小さなものとすることで、当該抵抗14を意図的に開放破壊させ、前記直流電源回路15の出力点から前記イグナイタ回路17間の経路を遮断する。
尚、前記抵抗14の定格としては、イグナイタ回路17の通常動作時に消費する電力では、異常な温度上昇等が無いものとする必要がある。
【0047】
以上のように、抵抗14の定格を、MOS−FET12の短絡故障発生時において、直流電源回路15の出力電圧が印加された過負荷状態が継続した場合、開放破壊する程度の小さなもので構成して、前記MOS−FET12の短絡故障発生時、直流電源回路15の出力点からイグナイタ回路17間の経路を遮断するようにしたので、前記定格の小さい抵抗14の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0048】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、交流電源を直流に変換する直流電源回路と、前記交流電源と直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置した構成としたので、前記高圧放電灯の安定点灯中に、前記スイッチング素子の短絡故障発生時、前記抵抗に流れる過電流による温度上昇を温度ヒューズにより検知し、該温度ヒューズが所定の温度に達したら溶断することにより、前記直流電源回路への電力の供給を遮断するようにしたので、前記抵抗の温度上昇による焼損を防止することができる。また、前記抵抗の温度上昇による焼損防止を、前記温度ヒューズの1個で構成することができるため、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図5】この発明の実施の形態5における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図6】従来の高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1 商用電源、 2 整流回路、 3 インダクタンス、 4 MOS−FET、 5 ダイオード、 6 平滑コンデンサ、 7、8 MOS−FET、 9、10 コンデンサ、 11 トランス、12 MOS−FET、 13 放電灯、 14 抵抗、 15 直流電源回路、 16 インバータ回路、 17イグナイタ回路、 18 駆動回路、 19 低電圧源、 21 温度ヒューズ、 23 PTCサーミスタ、 24 積分回路、 25 電圧検知回路、 26 停止回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧放電灯点灯装置に関し、イグナイタ回路のスイッチング素子短絡故障時に起こる、抵抗素子の温度上昇による焼損防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の高圧放電灯点灯装置のハーフブリッジ式インバータを用いた回路構成図を示す(例えば特許文献1)。
図6において、51は直流電源回路、52、53はコンデンサ、54は抵抗、55はコンデンサ、56は限流用インダクタ、57は放電灯、58はトライアック、59はトランス、60、61はトランジスタ、62、63はダイオードである。64はインバータ回路であり、前記トランジスタ60、61により構成される。65はイグナイタ回路であり、前記コンデンサ55、トライアック58、トランス59により構成される。
【0003】
上記のように構成された装置の動作について説明する。
商用電源(図示せず)より入力された交流電力は、前記直流電源回路51により直流電力に変換される。前記放電灯57の放電開始前、前記直流電源回路51の出力電圧は、前記トライアック58がオフの期間、前記抵抗54からコンデンサ55の経路に流れる。この電流により、前記コンデンサ55は抵抗54と該コンデンサ55の時定数に応じて徐々に充電される。前記トライアック58がオン状態となると、前記コンデンサ55に蓄積された電荷は、前記トライアック58から前記トランス59の二次巻線(n2)の経路を通り放出される。この時、前記トランス59の二次巻線(n2)に流れる電流により、一次巻線(n1)側には昇圧された高電圧パルスが発生する。前記放電灯57に、この高電圧パルスが印加されることにより、電極間に放電が開始される。
【0004】
前記放電灯57が高電圧パルス印加により始動に至ると、コンデンサ52からオン状態のインバータ回路64のトランジスタ60→トランス59の1次巻線(n1)→放電灯57→限流用インダクタ56→コンデンサ52に至る閉回路にランプ電流が流れる。そして、前記トランジスタ60がオン状態からオフ状態に移行すると、前記インダクタ56に蓄積されたエネルギーが、コンデンサ53→順方向のダイオード63→トランス59→放電灯57→限流用インダクタ56に至る閉回路に放出され、ランプ電流が継続し流れる。
【0005】
次に、インバータ回路64のトランジスタ61がオン状態になった場合には、コンデンサ53を直流電源として、先の説明(トランジスタ60オン状態の場合)とは逆方向にランプ電流が流れ、前記トランジスタ61がオフ状態に移行した後も、限流用インダクタ56により先の説明とは逆の方向にランプ電流が流れる。以降、高電圧パルスを印加せずとも、インバータ回路64による交流電力の供給のみで放電は継続され、放電灯は安定点灯を続ける。
【0006】
前記放電灯57の放電が開始されると、以降、高電圧パルス印加の必要がないため、前記イグナイタ回路65のトライアック58はオフ状態に制御される。トライアック58がオフ状態となると、前記コンデンサ55は前記直流電源回路51の出力電圧で充電された状態となるため、直流電源回路51→抵抗54→イグナイタ回路65という経路に電流は流れない。
【0007】
しかしながら、前記放電灯57の安定点灯中に前記トライアック58の短絡故障が起こった場合、トライアック58は短絡状態となるため、前記コンデンサ55の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗54に直流電源回路51との電位差分だけ電流が流れてしまうことになる。この電流により、当該抵抗54は温度上昇する。
【0008】
前記抵抗54の温度上昇を防止する手段として、例えば前記抵抗54を複数の抵抗素子の並列接続で構成して、前記トライアック58の短絡故障発生時に、イグナイタ回路65に流れる電流を、前記複数の抵抗素子に分流させることにより、抵抗素子一本あたりに流れる電流を軽減させ、抵抗一本あたりの発熱を軽減させる方法がとられる。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−21181号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、図6に示す従来の高圧放電灯点灯装置においては、放電灯57の安定点灯中にトライアック58の短絡故障が発生した場合、コンデンサ55の電位はほぼ0Vとなり、抵抗54に直流電源回路51との電位差分だけ過電流が流れ、当該抵抗54が温度上昇により焼損するという問題があった。また、前記抵抗54の温度上昇を防止する手段として、複数の抵抗素子を用いる方法においては、例えば、直流電源回路51の出力電圧を400V、前記複数の抵抗素子の並列接続における抵抗値を47kΩとすると、短絡故障発生時の前記複数の抵抗素子での消費電力は約3.4Wとなる。一本あたり定格3Wの抵抗素子を用いて、定格の20%程度の消費電力を消費するような回路構成にすると、抵抗素子が6本必要となり、サイズ及びコストが大きくなってしまうという問題があった。
【0011】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、小型で低コストな回路構成で、イグナイタ回路のスイッチング素子短絡故障発生時に起こる過電流による抵抗素子の温度上昇による焼損を防止することのできる高圧放電灯点灯装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高圧放電灯点灯装置は、交流電源を直流に変換する直流電源回路と、
前記交流電源と前記直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
図1において、1は商用電源、2は前記商用電源1の交流を全波整流する整流回路、15は直流電源回路であり、インダクタンス3、スイッチング素子としての例えばMOS−FET4、該MOS−FET4を駆動する駆動回路18、ダイオード5及び平滑コンデンサ6で構成され、前記MOS−FET4及び駆動回路18による昇圧動作を行う回路部分を有している。16は前記直流電源回路15の出力電力を高周波電力に変換するインバータ回路であり、スイッチング素子としての例えばMOS−FET7及びMOS−FET8で構成されている。9は前記インバータ回路16の出力点に接続された第1のコンデンサ、17は放電灯13に印加する高電圧パルスを発生させるイグナイタ回路であり、第2のコンデンサ10、トランス11及びスイッチング素子としての例えばMOS−FET12で構成されている。14は前記直流電源回路15の出力点に接続された抵抗素子(以下、抵抗14という)、19は前記駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源、21は前記整流回路2と直流電源回路15との間に接続され、前記抵抗14に近接して配置され、所定の温度によって溶断される温度ヒューズである。
【0014】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
商用電源1より入力された交流電力は、整流回路2によって全波整流され、直流電源回路15に入力される。前記直流電源回路15は、低電圧源19により駆動電力が供給されるいる駆動回路18の制御信号による前記MOS−FET4のスイッチングで入力電圧の昇圧を行い、平滑コンデンサ6で平滑する。昇圧及び平滑された直流電源回路15の出力電力は、インバータ回路16及びイグナイタ回路17に供給される。前記インバータ回路16は直流電力を高周波電力に変換し、放電灯13への供給を行う。前記イグナイタ回路17に供給された直流電力は、高電圧パルスに変換され、放電灯13に印加されることにより、放電灯13の放電が開始される。
【0015】
ここで、前記イグナイタ回路17による高電圧パルス発生の動作について説明する。
前記直流電源回路15の出力電流は、MOS−FET12がオフの期間は、抵抗14からコンデンサ10の経路に流れる。この電流により、前記コンデンサ10は、抵抗14とコンデンサ10の時定数に応じて徐々に充電される。前記MOS−FET12がオン状態となると、前記コンデンサ10に蓄積された電荷は、トランス11の2次巻線(n2)からMOS−FET12の経路を通り放出される。この時、トランス11の2次巻線(n2)に流れる電流により、1次巻線(n1)側には昇圧された高電圧パルスが発生する。この高電圧パルスが前記放電灯13に印加されることにより、電極間に放電が開始される。
【0016】
そして、放電が開始されると、以降、高電圧パルス印加の必要がないため、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12は駆動回路(図示せず)によりオフ状態に制御される。MOS−FET12がオフ状態となると、前記コンデンサ10は直流電源回路15の出力電圧で充電された状態となるため、直流電源回路15の出力電流は、抵抗14からイグナイタ回路17という経路に流れず、前記インバータ回路16にのみ流れる。したがって、一度放電が開始されると、以降、高電圧パルスを印加せずとも、前記インバータ回路16による高周波電力の供給のみで放電は継続され、放電灯13は安定点灯を続ける。
【0017】
しかしながら、放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が起こると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14に直流電源回路15との電位差分だけ過電流が流れてしまうことになる。この電流により、抵抗14は温度上昇する。この抵抗14の温度を、前記整流回路2と直流電源回路15との間に接続され、当該抵抗14に近接して配置された前記温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記整流回路2の出力点側の経路が遮断される。
【0018】
以上の動作により、前記整流回路2から直流電源回路15への経路が遮断されるため、前記抵抗14及びイグナイタ回路17への電力の供給は遮断され、抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。また、インバータ回路16への電力の供給も遮断されることから、放電灯13への電力も遮断されるため、放電灯13は消灯する。
【0019】
以上のように、イグナイタ回路17のコンデンサ10と直列に接続される抵抗14の温度を、前記整流回路2と直流電源回路15の間に接続され、前記抵抗14に近接して配置された温度ヒューズ21により検知し、該温度ヒューズ21が所定の温度になったら溶断することにより、前記整流回路2の出力点側の経路が遮断される構成としたので、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、過電流による前記抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。また、従来複数の抵抗素子の並列接続の構成手段による焼損防止を、前記温度ヒューズ21の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0020】
尚、本実施の形態においては、整流回路2と直流電源回路15との間に温度ヒューズ21を接続する構成としたが、これに限られるものではなく、商用電源1と整流回路2との間に接続する構成としてもよい。
【0021】
また、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。また、昇圧回路でなくともコンデンサインプット型や倍電圧整流回路等を用いてもよい。
【0022】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
尚、図2において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0023】
上記実施の形態1では、温度ヒューズ21を整流回路2と直流電源回路15との間に接続し、抵抗14に近接して配置した回路構成としたが、本実施の形態においては、温度ヒューズ21を前記MOS−FET4をスイッチング駆動する駆動回路18と該駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源19との間に接続し、前記抵抗14に近接して配置した回路構成としたものである。
【0024】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成での放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0025】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、上記実施の形態1と同様に、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14に直流電源回路15との電位差分だけ過電流が流れて、この電流により、抵抗14は温度上昇する。この抵抗14の温度を、前記駆動回路18と低電圧源19との間に接続され、当該抵抗14に近接して配置された前記温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記MOS−FET4の駆動回路18と低電圧源19との間の経路が遮断される。したがって、前記駆動回路18には低電圧源19から駆動電力が供給されなくなるため、駆動回路18は停止することになり、前記MOS−FET4のスイッチングが停止する。
【0026】
以上の動作により、直流電源回路15の前記MOS−FET4はオフ状態となり、前記直流電源回路15での入力電圧の昇圧は行われなくなる。例えば、通常昇圧された場合、商用電源1の電源電圧が100V、200Vの時400Vとなり、この昇圧された直流電力が前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17へ供給されることになるが、この場合、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17へは昇圧されていない直流電力が供給される。例えば商用電源1の電源電圧が100Vの時は140V、200Vの時は280Vが供給されることになる。このように、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15で昇圧動作が行われない分だけ減少することによって、前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。
【0027】
以上のように、イグナイタ回路17のコンデンサ10と直列に接続される抵抗14の温度を、前記MOS−FET4の駆動回路18と該駆動回路18へ駆動電力を供給する低電圧源19との間に接続され、前記抵抗14に近接して配置された温度ヒューズ21により検知し、所定の温度になったら当該温度ヒューズ21が溶断することにより、前記MOS−FET4の駆動回路18と低電圧源19との間の経路が遮断される構成としたので、上記実施の形態1と同様に、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、過電流による前記抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができるとともに、前記抵抗14の温度上昇による焼損防止を前記温度ヒューズ21の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0028】
尚、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。
【0029】
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。尚、図3において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図3において、23は前記抵抗14とコンデンサ10との間に接続された前記トランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に直列に接続配置され、温度上昇とともに抵抗値が大きくなる正特性サーミスタ(以下、PTCサーミスタという)である。
【0030】
本実施の形態においては、温度ヒューズ21を備えておらず、前記抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に前記PTCサーミスタ23を直列に接続配置した点が、上記実施の形態1の図1に示す回路構成と異なる。
尚、上記実施の形態1におけるコンデンサ10の充電は、抵抗14の抵抗値とコンデンサ10の静電容量との時定数に応じて行われるが、本実施の形態の前記コンデンサ10の充電は、前記抵抗14及び前記PTCサーミスタ23の抵抗値とコンデンサ10の静電容量との時定数に応じて行われるため、常温での前記PTCサーミスタ23の抵抗値を考慮して、抵抗14の抵抗値を設定する必要がある。
【0031】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成においては、前述のように抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に前記PTCサーミスタ23が前記抵抗14に直列に接続配置されていることが上記実施の形態1と異なる点で、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0032】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、直流電源回路15との電位差分だけ、前記直流電源回路15から抵抗14、PTCサーミスタ23、トランス11の2次巻線(n2)、グランドという経路で過電流が流れる。そのため、直流電源回路15の出力電圧が前記抵抗14及びPTCサーミスタ23に全て印加されることになり、抵抗14及びPTCサーミスタ23に温度上昇が起こる。しかしながら、前記PTCサーミスタ23は温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるため、この経路に流れる電流も減少していく。したがって、前記PTCサーミスタ23の作用により、前記抵抗14に流れる電流が抑制されて、当該抵抗14の温度上昇が緩和され温度上昇による焼損を防ぐことができる。
【0033】
以上のように、抵抗14とコンデンサ10との間に接続されたトランス11の2次巻線(n2)の一端側接続点と、前記抵抗14との間に温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるPTCサーミスタ23を、前記抵抗14に直列に接続配置した構成としたので、イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、直流電源回路15から前記抵抗14及びPTCサーミスタ23に過電流が流れ温度上昇を起こすが、前記PTCサーミスタ23が温度上昇に伴い抵抗値が大きくなるため、前記抵抗14に流れる電流が抑制されて温度上昇が緩和され、当該抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。また、前記抵抗14の温度上昇による焼損防止を前記PTCサーミスタ23の1個で構成することができ、上記実施の形態1、2同様に装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0034】
尚、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。また、昇圧回路でなくともコンデンサインプット型や倍電圧整流回路等を用いてもよい。
【0035】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。尚、図4において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
図4において、24は前記コンデンサ10の両端電圧を積分する積分回路、25は前記積分回路24で積分されたコンデンサ10の両端電圧を検知する電圧検知回路、26は前記電圧検知回路25からの検知結果の情報をもとに、前記駆動回路18の駆動を停止させる停止回路である。
【0036】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成においては、積分回路24、電圧検知回路25及び停止回路26が配置されているが、他の回路構成は上記実施の形態1の図1と同様であり、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0037】
前記放電灯13の安定点灯中、前記コンデンサ10は前記直流電源回路15の出力電圧で充電された状態となっているが、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間が短絡状態となるため、蓄積された電荷が放出され、コンデンサ10の両端電圧が0Vとなる。前記電圧検知回路25はコンデンサ10の電圧が、例えば0Vとなったことを検知して、該検知結果の情報をもとに前記停止回路26では前記駆動回路18の駆動を停止させるよう動作するものである。しかしながら、前記コンデンサ10は、前述した放電灯13の点灯前、MOS−FET12のスイッチングにより、高電圧パルスの発生を行うため、蓄積された電荷を放出して両端電圧が0Vとなる瞬間がある。したがって、この時の電圧0Vと前記MOS−FET12の短絡故障発生時のコンデンサ10の電圧0Vを区別するため、まず、前記積分回路24においてコンデンサ10の両端電圧を積分する。
【0038】
前述の放電灯13の点灯前、コンデンサ10の電圧が0Vになるのは瞬間的で時間的に短く、一方、前述のMOS−FET12の短絡故障時のコンデンサ10の電圧は、蓄積された電荷を放出した後は0Vの状態が継続されるため、前記積分回路24で積分することによって、区別が明確となり前記電圧検知回路25での誤検知を防止する。したがって、前記電圧検知回路25では、前記積分回路24でのコンデンサ10の電圧が、例えば0Vになったことを検知することによって、すなわち、前記MOS−FET12の短絡故障を検知することができ、この検知結果の情報を前記停止回路26に送出する。
【0039】
前記停止回路26は、前記電圧検知回路25からの検知結果の情報を受けて、前記MOS−FET4を駆動する駆動回路18に停止信号を送出し、前記駆動回路18は前記MOS−FET4の駆動を停止する。したがって、直流電源回路15の前記MOS−FET4の駆動が停止されることにより、上記実施の形態2同様に前記直流電源回路15における昇圧動作が停止され、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17には昇圧されていない直流電力が供給される。前述したように、例えば商用電源1の電源電圧が100Vの場合は140V、200Vの場合は280Vが供給されることとなる。このように、前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15で昇圧動作が行われない分だけ減少することになって、前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損が防止される。
【0040】
前記駆動回路18を停止させる方法については、例えば駆動回路18に供給される低電圧源19からの電力経路を開放することにより駆動回路18を停止させる方法や、駆動回路18に使用する例えば制御ICのシャットダウン端子を利用して駆動を停止させる方法を用いる。
【0041】
以上のように、前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時、前記イグナイタ回路17のコンデンサ10の両端電圧が、例えば0Vになったことを電圧検知回路25により検知し、該電圧検知回路25からの検知結果情報に基づいて、停止回路26は前記直流電源回路15のMOS−FET4を駆動する駆動回路18を停止させて、当該直流電源回路15における昇圧動作を停止させる構成としたので、前記直流電源回路15から前記インバータ回路16及びイグナイタ回路17に印加される電圧が、前記直流電源回路15の昇圧動作が行われない分だけ減少する。したがって、上記実施の形態2同様に前記抵抗14に印加される電圧が軽減されて温度上昇が抑制されるため、当該抵抗14の温度上昇による焼損を防止することができる。
【0042】
尚、本実施の形態においては、前記コンデンサ10の両端電圧を検知する構成としたが、前記MOS−FET12のドレイン端子の電圧を検知するようにしてもよい。
【0043】
また、本実施の形態においては、直流電源回路15としていわゆるアクティブフィルタといわれる昇圧コンバータを用いたが、これに限られるものではなく、他の構成の昇圧回路であってもよい。
【0044】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
尚、図5において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
上記実施の形態1の図1の回路構成と本実施の形態と異なる点は、本実施の形態では、温度ヒューズ21を備えておらず、前記抵抗14の定格を、MOS−FET12の短絡故障時において、前記直流電源回路15の出力電圧が印加された過負荷状態が継続した場合、開放破壊する程度の小さなものとしたことである。
【0045】
上記のように構成された高圧放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず、かかる上記回路構成において、前記放電灯13の点灯動作は、上記実施の形態1で説明したのと同様であるので、ここでの説明を省略し、ここでは前記イグナイタ回路17のMOS−FET12の短絡故障発生時の動作について説明する。
【0046】
前記放電灯13の安定点灯中に、例えば前記イグナイタ回路17のMOS−FET12に短絡故障が発生すると、前記MOS−FET12のドレイン―ソース間は短絡状態となるため、前記コンデンサ10の電位はほぼ0Vとなり、前記抵抗14には直流電源回路15との電位差分だけ電流が流れ、この電流と当該抵抗14の抵抗値に応じた電力を消費することになる。当該抵抗14の定格を、この時消費する電力より遥かに小さなものとすることで、当該抵抗14を意図的に開放破壊させ、前記直流電源回路15の出力点から前記イグナイタ回路17間の経路を遮断する。
尚、前記抵抗14の定格としては、イグナイタ回路17の通常動作時に消費する電力では、異常な温度上昇等が無いものとする必要がある。
【0047】
以上のように、抵抗14の定格を、MOS−FET12の短絡故障発生時において、直流電源回路15の出力電圧が印加された過負荷状態が継続した場合、開放破壊する程度の小さなもので構成して、前記MOS−FET12の短絡故障発生時、直流電源回路15の出力点からイグナイタ回路17間の経路を遮断するようにしたので、前記定格の小さい抵抗14の1個で構成することができ、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【0048】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、交流電源を直流に変換する直流電源回路と、前記交流電源と直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置した構成としたので、前記高圧放電灯の安定点灯中に、前記スイッチング素子の短絡故障発生時、前記抵抗に流れる過電流による温度上昇を温度ヒューズにより検知し、該温度ヒューズが所定の温度に達したら溶断することにより、前記直流電源回路への電力の供給を遮断するようにしたので、前記抵抗の温度上昇による焼損を防止することができる。また、前記抵抗の温度上昇による焼損防止を、前記温度ヒューズの1個で構成することができるため、装置の小型化及び低コスト化が可能となる高圧放電灯点灯装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図5】この発明の実施の形態5における高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【図6】従来の高圧放電灯点灯装置の回路構成図である。
【符号の説明】
1 商用電源、 2 整流回路、 3 インダクタンス、 4 MOS−FET、 5 ダイオード、 6 平滑コンデンサ、 7、8 MOS−FET、 9、10 コンデンサ、 11 トランス、12 MOS−FET、 13 放電灯、 14 抵抗、 15 直流電源回路、 16 インバータ回路、 17イグナイタ回路、 18 駆動回路、 19 低電圧源、 21 温度ヒューズ、 23 PTCサーミスタ、 24 積分回路、 25 電圧検知回路、 26 停止回路。
Claims (5)
- 交流電源を直流に変換する直流電源回路と、前記交流電源と前記直流電源回路との間に接続された温度ヒューズと、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置したことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 昇圧回路と、前記昇圧回路の駆動電源を供給する電圧源と、前記電圧源と前記昇圧回路との間に接続された温度ヒューズと、前記昇圧回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と昇圧回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記温度ヒューズを前記抵抗素子に近接して配置したことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 直流電源回路と、前記直流電源回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と前記直流電源回路の出力点に接続された抵抗素子とを備え、前記抵抗素子に正特性サーミスタが直列に接続されたことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 昇圧回路と、前記昇圧回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と昇圧回路の出力点に接続された抵抗素子と、前記第2のコンデンサ又は前記スイッチング素子に印加される電圧を検知する電圧検知回路とを備え、前記電圧検知回路によって検知された電圧が所定値となったとき、前記昇圧回路の動作を停止させることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
- 少なくとも1つのスイッチング素子を有する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力を高周波に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力点に接続されたトランスの1次巻線と第1のコンデンサと高圧放電灯との直列回路と、前記トランスの2次巻線の一端とグランド間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線の他端とグランド間に接続された第2のコンデンサと、前記トランスの2次巻線の他端と昇圧回路の出力点に接続された抵抗素子と、前記第2のコンデンサ又は前記トランス2次巻線の一端に接続されたスイッチング素子に印加される電圧を検知する電圧検知回路とを備え、前記電圧検知回路によって検知された電圧が所定値になったとき、前記昇圧回路のスイッチング素子の動作を停止させることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
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ID=32801003
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Cited By (3)
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JP2007026830A (ja) * | 2005-07-14 | 2007-02-01 | Matsushita Electric Works Ltd | 放電灯点灯装置、照明器具、および照明システム |
JP2007200793A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Mitsubishi Electric Corp | 高圧放電灯点灯装置 |
JP2010165632A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Mitsubishi Electric Corp | 放電灯点灯装置及び照明器具 |
-
2002
- 2002-11-01 JP JP2002319919A patent/JP2004158203A/ja active Pending
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