JP2004157934A - 車両の走行制御装置 - Google Patents
車両の走行制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004157934A JP2004157934A JP2002325390A JP2002325390A JP2004157934A JP 2004157934 A JP2004157934 A JP 2004157934A JP 2002325390 A JP2002325390 A JP 2002325390A JP 2002325390 A JP2002325390 A JP 2002325390A JP 2004157934 A JP2004157934 A JP 2004157934A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- traveling
- course
- runway
- travel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 5
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 abstract description 6
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 16
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 5
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 4
- 238000013500 data storage Methods 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 238000009825 accumulation Methods 0.000 description 2
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 2
- 238000009412 basement excavation Methods 0.000 description 2
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 2
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 238000005553 drilling Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 230000002452 interceptive effect Effects 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 238000005065 mining Methods 0.000 description 1
- 239000013307 optical fiber Substances 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G08—SIGNALLING
- G08G—TRAFFIC CONTROL SYSTEMS
- G08G1/00—Traffic control systems for road vehicles
- G08G1/16—Anti-collision systems
- G08G1/166—Anti-collision systems for active traffic, e.g. moving vehicles, pedestrians, bikes
-
- G—PHYSICS
- G05—CONTROLLING; REGULATING
- G05D—SYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
- G05D1/00—Control of position, course, altitude or attitude of land, water, air or space vehicles, e.g. using automatic pilots
- G05D1/02—Control of position or course in two dimensions
- G05D1/021—Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles
- G05D1/0287—Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles involving a plurality of land vehicles, e.g. fleet or convoy travelling
- G05D1/0289—Control of position or course in two dimensions specially adapted to land vehicles involving a plurality of land vehicles, e.g. fleet or convoy travelling with means for avoiding collisions between vehicles
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Radar, Positioning & Navigation (AREA)
- Remote Sensing (AREA)
- Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
Abstract
【課題】位置計測情報に基づいて自律誘導走行する車両を、隣接する往復の車線を備えた走路において擦れ違い走行させるべく制御する車両の走行制御装置に関し、走路の造成やメンテナンス等に要するコストを低減でき、併せて現場における作業効率の向上を達成し得る、車両の走行制御装置を提供する。
【解決手段】走路を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定する相手車両判定手段を備えるとともに、この相手車両判定手段において自車両に接近する相手車両が有ると判定された場合、走路に設定された単独走行コースに沿って走行している車両を、走路の路肩寄りに走行させるべく、車両の走行コースを切換える走行コース切換え手段を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】走路を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定する相手車両判定手段を備えるとともに、この相手車両判定手段において自車両に接近する相手車両が有ると判定された場合、走路に設定された単独走行コースに沿って走行している車両を、走路の路肩寄りに走行させるべく、車両の走行コースを切換える走行コース切換え手段を備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置計測情報に基づいて自律誘導走行する車両を、隣接する往復の車線を備えた走路において擦れ違い走行させるべく制御する車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉱山のように極めて広大な作業現場においては、例えば掘削現場から処理施設までの長距離に亘って鉱石を搬送する際、無人ダンプトラック等の特殊な車両を用い、この車両を予設定されたコースデータと現在の走行データとに基づいて自律誘導走行させることにより、過酷な労働環境からの解放を図った車両の運用システムが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した車両の運用システムでは、図7に示す如く、掘削現場Aと処理施設Bとを繋ぐ一本の走路Rに、互いに隣接する往復の車線Ra、Rbが設けられており、各々の車線Ra、Rbに予設定した走行コース(コースデータ)と、GPS等の位置計測システムを利用して得られる走行データ(位置や速度等)とに基づき車両Tを自律誘導走行させることで、走路R上において個々の車両T、T…を互いに擦れ違い走行させるよう構成されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6292725号明細書
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8(a)、(b)に示す如く、走路Rの各車線Ra、Rbにおける走行コースCa、Cbは、車両Tの側方に設けられる誘導マージンeと、路肩とのセーフティーマージンs1とに基づいて、路肩から距離lだけ離隔させた位置に設定されている。
【0005】
また、走路Rの幅員(往復の車線を含む走路の全幅)Wは、車線Ra、Rbにおいて擦れ違う各車両Tの車幅Twと、各車両Tの左右側方に設けられる誘導マージンeと、各車両Tにおける路肩とのセーフティーマージンs1と、擦れ違う車両T、T間のセーフティーマージンs2との累積であって、2台の車両Tの車幅Twを合計したものより広く設定されている。
【0006】
ここで、上述した鉱山における運搬作業の効率を向上させるには、車両Tの走行速度を増大させることが考えられるものの、走行速度の増大に伴って上述した各種マージン(e、s1、s2)を大きく設定する必要があり、これによって走路Rの幅員Wが徒らに大きなものと成る。
【0007】
一方、上述した走路Rは、鉱山の運営に際して山を切り開いて造成されるものであり、また大規模な鉱山ではその全長が10数 Km にも及ぶ場合があるため、走路Rの幅員Wが大きくなるに従って、造成費用やメインテナンス費用の大幅な増大を招いてしまう不都合があった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて、走路の造成やメンテナンス等に要するコストを低減でき、併せて現場における作業効率の向上を達成し得る、車両の走行制御装置の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
上記課題を達成するべく、請求項1の発明に関わる車両の走行制御装置は、走路を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定する相手車両判定手段を備えるとともに、この相手車両判定手段において自車両に接近する相手車両が有ると判定された場合、走路に設定された単独走行コースに沿って走行している車両を、走路の路肩寄りに走行させるべく、車両の走行コースを切換える走行コース切換え手段を備えて成ることを特徴としている。
上記構成によれば、走路上において接近する相手車両が無い場合、走路に設定された単独走行コースを走行する車両は、該単独走行コースにおいて側方域のマージンを大きく設定し得ることから高速での走行が可能となり、もって現場における作業効率の大幅な向上が達成されることとなる。
さらに上記構成によれば、走路上において接近する相手車両が有る場合、車両は走路の路肩寄りに走行するので、相手車両との擦れ違いに必要なマージンを最小限とすることによって、走路の幅員を可及的に狭いものとすることが可能となり、もって走路の造成費用やメンテナンス費用等、走路に関わる諸々のコストを大幅に低減させることができる。
【0010】
また、上記目的を達成するべく、請求項2の発明に関わる車両の走行制御装置は、請求項1の発明に関わる車両の走行制御装置において、走行コース切換え手段が、相手車両と自車とが擦れ違ったのちに自車の走行コースを単独走行コースに切換えることを特徴としている。
上記構成によれば、走路上の車両は相手車両と擦れ違う時以外、走路に設定された単独走行コースを走行するので、該単独走行コースにおいては高速での走行が可能となることから、走路上における車両の平均速度が大幅に増大することとなり、もって現場における作業効率の更なる向上が達成されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に関わる車両の走行制御装置を、鉱山での車両の運用システムに採用した一実施例を示しており、鉱山の掘削現場1と処理施設2とを繋ぐ走路3には、互いに隣接する往復の車線3a、3bが設けられ、車両(無人ダンプトラック)10を後述する態様で自律誘導走行させることにより、走路3上において個々の車両10、10…を互いに擦れ違い走行させるものである。
【0012】
上記走路3上を走行する個々の車両10は、図2に示す如き走行制御装置20を具備しており、この走行制御装置20は、処理部21、車両位置計測部22、通信部23、コースデータ記憶部24、走行制御部25、および相手車両判定部(相手車両判定手段)26、走行コース切換え部(走行コース切換え手段)27等を有している。
【0013】
ここで、上記走行制御装置20の車両位置計測部22は、位置情報を知るためのGPS(グローバル・ポジショニング・システム)、タイヤ回転センサ、方位情報を知るための光ファイバジャイロ等を用いて、車両10における現時点の走行位置(車両位置)を計測するものである。
【0014】
また、上記走行制御装置20の通信部23は、全ての車両10、10…を統括する中央管制局30と車両10との間において、個々の車両10における走行データ等を相互に通信するためのものである。
【0015】
一方、図3(a)、(b)に示す如く、走路3における車線3a、3bには、個々に擦れ違い走行コース100が設定されており、上記擦れ違い走行コース100は、車両10の側方に設けられる誘導マージンeと、セーフティーマージンs1とに基づいて、路肩から距離lだけ離隔させた位置に設定されている。
【0016】
また、走路3の幅員(往復の車線を含む走路の全幅)Wは、車線3a、3bにおいて擦れ違う各車両10の車幅10wと、各車両10の左右側方に設けられる誘導マージンeと、各車両10における路肩とのセーフティーマージンs1と、擦れ違う車両10、10間のセーフティーマージンs2との累積である。
【0017】
ここで、走路3上における個々の車両10は、基本的にコースデータに基づいて自動誘導走行する。
すなわち、走行制御装置20の処理部21は、上記コースデータと車両位置計測部22から出力される走行データ(特に位置情報)との比較に基づいて、走行コースに対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の走行コースに沿って走行することとなる。
【0018】
このとき、車両10の走行制御装置20における処理部21は、通信部23を介して当該車両10の走行データ(位置情報、速度情報等)を中央管制局30に送信しており、中央管制局30においては個々の車両10から送信される走行データに基づいて、個々の車両10の運行(例えば走行目的位置の指示等)を統括管理している。
【0019】
また、上記車両10の走行制御装置20における相手車両判定部26は、中央管制局30から送信される個々の車両10、10…の走行データ(位置情報、速度情報等)に基づき、走路3を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定している。
【0020】
さらに、上記車両10の走行制御装置20における走行コース切り換え部27は、上記相手車両判定部26での判定結果(相手車両の有無)に基づいて、上述した擦れ違い走行コース100、若しくは後述する単独走行コース110の何れかに、車両10の走行コースを切り換えるためのものである。
【0021】
図4(a)、(b)に示す如く、走路3上における単独走行コース110は、予設定されている擦れ違い走行コース100のコースデータを、走路3の中央側に所定量だけシフトすることによって作成されたものであり、路肩から距離lsだけ離隔した位置に設定されることとなる。
【0022】
ここで、単独走行コース110における路肩からの距離lsが、擦れ違い走行コースにおける路肩からの距離lよりも大きいため、単独走行コース110に沿って走行する車両10の左右領域には、擦れ違い走行コース100に沿って走行する車両10よりも、大きな誘導マージンおよびセーフティーマージンを設定することができる。
【0023】
なお、上記単独走行コース110のコースデータは、走行制御装置20のコースデータ記憶部24に記憶されている擦れ違い走行コース100のコースデータに基づき、走行制御装置20の処理部21において演算することにより作成されるものである。
【0024】
いま、走路3上を車両10が走行する際、走行制御装置20の相手車両判定部26によって、走路3上に接近する相手車両が無いと判定された状況では、上記車両10は単独走行コース110のコースデータに基づいて自動誘導走行することとなる。
【0025】
すなわち、走行制御装置20の処理部21は、コースデータ記憶部24に記憶されている擦れ違い走行コース100のコースデータに基づいて、単独走行コース110のコースデータを作成するとともに、この単独走行コース110のコースデータと車両位置計測部22から出力される走行データとの比較に基づいて、単独走行コース110に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の単独走行コース110に沿って走行する。
【0026】
このとき、単独走行コース110に沿って走行する車両10の左右領域には、上述の如く大きな誘導マージンおよびセーフティーマージンを設定し得るので、上記車輌10は高速(例えば車両の上限である65km/h程度)で走路3上を走行することができる。
【0027】
一方、図6(a)に示すように、走路3上の単独走行コース110に沿って車両10が走行している際、走行制御装置20の相手車両判定部26によって、走路3上に接近する相手車両が有ると判定された場合、走行制御装置20の走行コース切換え手段27によって、車両10を擦れ違い走行コース100に沿って走行させるべく走行コースの切換えが行われる。
【0028】
すなわち、走行制御装置20の相手車両判定部26において、自身の車両10における走行データと、中央管制局30から送信される他の車両10、10…の走行データとから、同一の走路3上において自車両に接近する相手車両、言い換えれば将来的に衝突する危険の有る相手車両の有無が判定される。
【0029】
上記相手車両判定部26において、自車両に接近する相手車両が有ると判定されると、走行制御装置20の走行コース切換え手段27において、自車両および相手車両の走行データ(位置情報および速度情報)に基づき、相互の衝突を回避し得るタイミングで、車両10を擦れ違い走行コース100へ誘導するよう、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令が出力され、これにより車両10は単独走行コース110から擦れ違い走行コース100へ移行する。
【0030】
ここで、単独走行コース110から擦れ違い走行コース100に車輌10を移行させる際、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令とともに速度制御指令が出力され、車輌10の走行速度が相手車輌との擦れ違いに支障のない速度(例えば50km/h程度)にまで低下させられる。
【0031】
図6(b)に示す如く、車輌10が擦れ違い走行コース100へ移行した後、走行制御装置20の処理部21は、擦れ違い走行コース100に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は擦れ違い走行コース100に沿って走行し、相手車輌に対して何ら干渉すること無く擦れ違うこととなる。
【0032】
上述したように、走路3上において接近する相手車両が無い場合、走路3の中央寄りに設定された単独走行コース110を走行する車両10は、該単独走行コース110において側方域のマージンを大きく設定し得ることから、例えば65km/h程度の高速で走行することができ、もって現場における作業効率の大幅な向上が達成されることとなる。
【0033】
一方、走路3上において接近する相手車両が有る場合、車両10は走路3の路肩寄りに設定された擦れ違い走行コース100を走行するので、この擦れ違い走行コース100において相手車両との擦れ違いに必要なマージンを最小限とすることで、走路3の幅員を可及的に狭いものとすることが可能となり、もって走路3の造成費用やメンテナンス費用等、走路3に関わる諸々のコストを大幅に低減させることができる。
【0034】
因みに、走路に設けられた往復の車線上で常に車両を走行させている従来の構成では、50Km/h の速度で擦れ違い走行させるために走路の幅員を21.5mと設定した場合、車両としての上限に近い65Km/h の速度で車両を走行させるには、走路の幅員を26mにまで拡張する必要があるのに対して、上述した如き本発明の一実施例においては、50Km/h の速度で擦れ違い走行させるために走路3の幅員Wを21.5mと設定した場合でも、走路の幅員Wを何ら拡張することなく、車両としての上限に近い65Km/h の速度で車両10を走行させることができる。
【0035】
なお、擦れ違い時における車両10の走行速度を更に低下させることで、車輌10の左右領域に必要な各種マージンを狭め、走路3の幅員Wを更に削減することが可能であるものの、擦れ違い時における車両10の走行速度は、走路3における全長等の諸条件に基づいて、走路3上における平均走行速度の著しい低下を招くことの無い、適宜な走行速度に設定されることは言うまでもない。
【0036】
また、上記構成によれば、相手車両の有無によって車両10の走行コースが切り換えられるので、車両10が走路3の同一箇所を繰り返し走行することによる轍の形成が抑えられ、もって走路3のメンテナンスが簡易なものとなり、さらに車両10を安定して走行させることが可能となる。
【0037】
ところで、擦れ違い走行コース100に沿って走行する車輌10が、走路3上において相手車両と擦れ違ったのち、走行制御装置20の走行コース切換え手段27において、車両10を単独走行コース110へ誘導するよう、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令が出力され、これにより車両10は擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へと移行する。
【0038】
ここで、擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へ車輌10を移行させる際、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令とともに速度制御指令が出力され、車輌10の走行速度が例えば車両の上限である65km/h程度にまで増速される。
【0039】
また、車輌10の走行コースを擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へ切り換えるタイミングは、車輌10が相手車輌と擦れ違った直後、あるいは車輌10が相手車輌と擦れ違ってから所定時間が経過したのち、または相手車輌と所定距離だけ離隔したのち等、任意に設定することが可能である。
【0040】
図6(c)に示す如く、車輌10が単独走行コース110へ移行したのち、走行制御装置20の処理部21は、単独走行コース110に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の単独走行コース110に沿って走行する。
【0041】
上述した本発明の一実施例において、走路3上の車両10は相手車両とすれ違う時のみ擦れ違い走行コース100を走行し、相手車両と擦れ違う時以外は走路の中央寄りに設定された単独走行コース110を走行するので、該単独走行コース110においては高速での走行が可能となることから、走路3上における車両10の平均速度が大幅に増大することとなり、もって現場における作業効率の更なる向上が達成されることとなる。
【0042】
因みに、車輌10が擦れ違い走行コース100に沿って走行し、相手車輌と擦れ違ったのちに、必ずしも車輌10の走行コースを切り換える(単独走行コース110へ復帰させる)必要はない。すなわち、走路3上において相手車両と擦れ違うまでの間、単独走行コース110を走行させることにより、車輌10の平均速度は向上することとなるので、走路3上を高速で走行することによる生産性の向上が認められることは言うまでもない。
【0043】
なお、上述した実施例においては、擦れ違い走行コース100のコースデータをシフトさせることで、往復の車線3a、3bにおける走路3の中央寄りに単独走行コース110を設定しているが、走路3の中央域(車線3aと車線3bとの境界線上)、あるいは走路3の中央を越えた相手車線内に単独走行コース110を設定しても良く、要は走行する車両10の側方領域に十分なマージンを確保し得る位置であれば、走路3上における適宜な位置に単独走行コース110を設定することが可能である。
【0044】
また、上述した実施例においては、走路3上に予め擦れ違い走行コース100を設定しておき、この擦れ違い走行コース100のコースデータを走路3の中央側にシフトすることにより、単独走行コース110のコースデータを作成しているが、走路3上に予め単独走行コース110を予設定しておき、この単独走行コース110のコースデータを走路3の路肩側にシフトすることにより、擦れ違い走行コース100のコースデータを作成するようにしても良く、さらには擦れ違い走行コース100と単独走行コース110との両方を予設定しておき、選択的に使用することによって走行コースを切り換えるよう構成しても良い。
【0045】
また、上述した実施例においては、コースデータの算出、相手車両の有無、走行コースの切り換えタイミング等を、個々の車両10側において演算処理しているが、これらの演算を中央管制局30において処理させ、演算結果に基づいて中央管制局30から送信される指令信号により、個々の車輌10を制御するように構成しても良い。
【0046】
また、上述した実施例においては、中央管制局30から通信部23を介して送られる他車両の走行データ(位置情報や速度情報等)に基づいて、走路3上を走行する車両10に接近する相手車両の有無を判定しているが、個々の車両10に搭載したセンサにより他車両の位置や速度等を検出し、これらの情報に基づいて車両10に接近する相手車両の有無を判定するよう構成することも可能である。
【0047】
さらに、上述した実施例においては、中央管制局によって全ての車両を統括制御する運用システムに、本発明に関わる車両の走行制御装置を適用した例を示したが、個々の車両10同士が相互に走行データを通信し合うことにより、全ての車両が統括制御される運用システムにおいても、本発明に関わる車両の走行制御装置を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉱山における走路の一例を示す概念図。
【図2】本発明に関わる車両の走行制御装置の一実施形態を示すブロック図。
【図3】(a)および(b)は、走路における走行コースの設定態様を示す断面図および平面図。
【図4】走路における走行コースの設定態様を示す平面図。
【図5】単独走行コースを走行する車両を示す走路の断面図。
【図6】(a)、(b)および(c)は、走路上において車両同士が擦れ違う際の走行態様を示す概念図。
【図7】鉱山における走路の一例を示す概念図。
【図8】(a)および(b)は、従来の走路における走行コースの設定態様を示す断面図および平面図。
【符号の説明】
1:採掘現場、
2:処理施設、
3:走路、
3a、3b:車線、
10:車両、
20:走行制御装置、
21:処理部、
22:車両位置計測部、
24:コースデータ記憶部、
23:通信部、
25:走行制御部、
26:相手車両判定部(相手車両判定手段)、
27:走行コース切換え部(走行コース切換え手段)、
30:中央管制局、
100:擦れ違い走行コース、
110:単独走行コース。
【発明の属する技術分野】
本発明は、位置計測情報に基づいて自律誘導走行する車両を、隣接する往復の車線を備えた走路において擦れ違い走行させるべく制御する車両の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉱山のように極めて広大な作業現場においては、例えば掘削現場から処理施設までの長距離に亘って鉱石を搬送する際、無人ダンプトラック等の特殊な車両を用い、この車両を予設定されたコースデータと現在の走行データとに基づいて自律誘導走行させることにより、過酷な労働環境からの解放を図った車両の運用システムが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した車両の運用システムでは、図7に示す如く、掘削現場Aと処理施設Bとを繋ぐ一本の走路Rに、互いに隣接する往復の車線Ra、Rbが設けられており、各々の車線Ra、Rbに予設定した走行コース(コースデータ)と、GPS等の位置計測システムを利用して得られる走行データ(位置や速度等)とに基づき車両Tを自律誘導走行させることで、走路R上において個々の車両T、T…を互いに擦れ違い走行させるよう構成されている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第6292725号明細書
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8(a)、(b)に示す如く、走路Rの各車線Ra、Rbにおける走行コースCa、Cbは、車両Tの側方に設けられる誘導マージンeと、路肩とのセーフティーマージンs1とに基づいて、路肩から距離lだけ離隔させた位置に設定されている。
【0005】
また、走路Rの幅員(往復の車線を含む走路の全幅)Wは、車線Ra、Rbにおいて擦れ違う各車両Tの車幅Twと、各車両Tの左右側方に設けられる誘導マージンeと、各車両Tにおける路肩とのセーフティーマージンs1と、擦れ違う車両T、T間のセーフティーマージンs2との累積であって、2台の車両Tの車幅Twを合計したものより広く設定されている。
【0006】
ここで、上述した鉱山における運搬作業の効率を向上させるには、車両Tの走行速度を増大させることが考えられるものの、走行速度の増大に伴って上述した各種マージン(e、s1、s2)を大きく設定する必要があり、これによって走路Rの幅員Wが徒らに大きなものと成る。
【0007】
一方、上述した走路Rは、鉱山の運営に際して山を切り開いて造成されるものであり、また大規模な鉱山ではその全長が10数 Km にも及ぶ場合があるため、走路Rの幅員Wが大きくなるに従って、造成費用やメインテナンス費用の大幅な増大を招いてしまう不都合があった。
【0008】
本発明は上記実状に鑑みて、走路の造成やメンテナンス等に要するコストを低減でき、併せて現場における作業効率の向上を達成し得る、車両の走行制御装置の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および効果】
上記課題を達成するべく、請求項1の発明に関わる車両の走行制御装置は、走路を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定する相手車両判定手段を備えるとともに、この相手車両判定手段において自車両に接近する相手車両が有ると判定された場合、走路に設定された単独走行コースに沿って走行している車両を、走路の路肩寄りに走行させるべく、車両の走行コースを切換える走行コース切換え手段を備えて成ることを特徴としている。
上記構成によれば、走路上において接近する相手車両が無い場合、走路に設定された単独走行コースを走行する車両は、該単独走行コースにおいて側方域のマージンを大きく設定し得ることから高速での走行が可能となり、もって現場における作業効率の大幅な向上が達成されることとなる。
さらに上記構成によれば、走路上において接近する相手車両が有る場合、車両は走路の路肩寄りに走行するので、相手車両との擦れ違いに必要なマージンを最小限とすることによって、走路の幅員を可及的に狭いものとすることが可能となり、もって走路の造成費用やメンテナンス費用等、走路に関わる諸々のコストを大幅に低減させることができる。
【0010】
また、上記目的を達成するべく、請求項2の発明に関わる車両の走行制御装置は、請求項1の発明に関わる車両の走行制御装置において、走行コース切換え手段が、相手車両と自車とが擦れ違ったのちに自車の走行コースを単独走行コースに切換えることを特徴としている。
上記構成によれば、走路上の車両は相手車両と擦れ違う時以外、走路に設定された単独走行コースを走行するので、該単独走行コースにおいては高速での走行が可能となることから、走路上における車両の平均速度が大幅に増大することとなり、もって現場における作業効率の更なる向上が達成されることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明に関わる車両の走行制御装置を、鉱山での車両の運用システムに採用した一実施例を示しており、鉱山の掘削現場1と処理施設2とを繋ぐ走路3には、互いに隣接する往復の車線3a、3bが設けられ、車両(無人ダンプトラック)10を後述する態様で自律誘導走行させることにより、走路3上において個々の車両10、10…を互いに擦れ違い走行させるものである。
【0012】
上記走路3上を走行する個々の車両10は、図2に示す如き走行制御装置20を具備しており、この走行制御装置20は、処理部21、車両位置計測部22、通信部23、コースデータ記憶部24、走行制御部25、および相手車両判定部(相手車両判定手段)26、走行コース切換え部(走行コース切換え手段)27等を有している。
【0013】
ここで、上記走行制御装置20の車両位置計測部22は、位置情報を知るためのGPS(グローバル・ポジショニング・システム)、タイヤ回転センサ、方位情報を知るための光ファイバジャイロ等を用いて、車両10における現時点の走行位置(車両位置)を計測するものである。
【0014】
また、上記走行制御装置20の通信部23は、全ての車両10、10…を統括する中央管制局30と車両10との間において、個々の車両10における走行データ等を相互に通信するためのものである。
【0015】
一方、図3(a)、(b)に示す如く、走路3における車線3a、3bには、個々に擦れ違い走行コース100が設定されており、上記擦れ違い走行コース100は、車両10の側方に設けられる誘導マージンeと、セーフティーマージンs1とに基づいて、路肩から距離lだけ離隔させた位置に設定されている。
【0016】
また、走路3の幅員(往復の車線を含む走路の全幅)Wは、車線3a、3bにおいて擦れ違う各車両10の車幅10wと、各車両10の左右側方に設けられる誘導マージンeと、各車両10における路肩とのセーフティーマージンs1と、擦れ違う車両10、10間のセーフティーマージンs2との累積である。
【0017】
ここで、走路3上における個々の車両10は、基本的にコースデータに基づいて自動誘導走行する。
すなわち、走行制御装置20の処理部21は、上記コースデータと車両位置計測部22から出力される走行データ(特に位置情報)との比較に基づいて、走行コースに対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の走行コースに沿って走行することとなる。
【0018】
このとき、車両10の走行制御装置20における処理部21は、通信部23を介して当該車両10の走行データ(位置情報、速度情報等)を中央管制局30に送信しており、中央管制局30においては個々の車両10から送信される走行データに基づいて、個々の車両10の運行(例えば走行目的位置の指示等)を統括管理している。
【0019】
また、上記車両10の走行制御装置20における相手車両判定部26は、中央管制局30から送信される個々の車両10、10…の走行データ(位置情報、速度情報等)に基づき、走路3を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定している。
【0020】
さらに、上記車両10の走行制御装置20における走行コース切り換え部27は、上記相手車両判定部26での判定結果(相手車両の有無)に基づいて、上述した擦れ違い走行コース100、若しくは後述する単独走行コース110の何れかに、車両10の走行コースを切り換えるためのものである。
【0021】
図4(a)、(b)に示す如く、走路3上における単独走行コース110は、予設定されている擦れ違い走行コース100のコースデータを、走路3の中央側に所定量だけシフトすることによって作成されたものであり、路肩から距離lsだけ離隔した位置に設定されることとなる。
【0022】
ここで、単独走行コース110における路肩からの距離lsが、擦れ違い走行コースにおける路肩からの距離lよりも大きいため、単独走行コース110に沿って走行する車両10の左右領域には、擦れ違い走行コース100に沿って走行する車両10よりも、大きな誘導マージンおよびセーフティーマージンを設定することができる。
【0023】
なお、上記単独走行コース110のコースデータは、走行制御装置20のコースデータ記憶部24に記憶されている擦れ違い走行コース100のコースデータに基づき、走行制御装置20の処理部21において演算することにより作成されるものである。
【0024】
いま、走路3上を車両10が走行する際、走行制御装置20の相手車両判定部26によって、走路3上に接近する相手車両が無いと判定された状況では、上記車両10は単独走行コース110のコースデータに基づいて自動誘導走行することとなる。
【0025】
すなわち、走行制御装置20の処理部21は、コースデータ記憶部24に記憶されている擦れ違い走行コース100のコースデータに基づいて、単独走行コース110のコースデータを作成するとともに、この単独走行コース110のコースデータと車両位置計測部22から出力される走行データとの比較に基づいて、単独走行コース110に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の単独走行コース110に沿って走行する。
【0026】
このとき、単独走行コース110に沿って走行する車両10の左右領域には、上述の如く大きな誘導マージンおよびセーフティーマージンを設定し得るので、上記車輌10は高速(例えば車両の上限である65km/h程度)で走路3上を走行することができる。
【0027】
一方、図6(a)に示すように、走路3上の単独走行コース110に沿って車両10が走行している際、走行制御装置20の相手車両判定部26によって、走路3上に接近する相手車両が有ると判定された場合、走行制御装置20の走行コース切換え手段27によって、車両10を擦れ違い走行コース100に沿って走行させるべく走行コースの切換えが行われる。
【0028】
すなわち、走行制御装置20の相手車両判定部26において、自身の車両10における走行データと、中央管制局30から送信される他の車両10、10…の走行データとから、同一の走路3上において自車両に接近する相手車両、言い換えれば将来的に衝突する危険の有る相手車両の有無が判定される。
【0029】
上記相手車両判定部26において、自車両に接近する相手車両が有ると判定されると、走行制御装置20の走行コース切換え手段27において、自車両および相手車両の走行データ(位置情報および速度情報)に基づき、相互の衝突を回避し得るタイミングで、車両10を擦れ違い走行コース100へ誘導するよう、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令が出力され、これにより車両10は単独走行コース110から擦れ違い走行コース100へ移行する。
【0030】
ここで、単独走行コース110から擦れ違い走行コース100に車輌10を移行させる際、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令とともに速度制御指令が出力され、車輌10の走行速度が相手車輌との擦れ違いに支障のない速度(例えば50km/h程度)にまで低下させられる。
【0031】
図6(b)に示す如く、車輌10が擦れ違い走行コース100へ移行した後、走行制御装置20の処理部21は、擦れ違い走行コース100に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は擦れ違い走行コース100に沿って走行し、相手車輌に対して何ら干渉すること無く擦れ違うこととなる。
【0032】
上述したように、走路3上において接近する相手車両が無い場合、走路3の中央寄りに設定された単独走行コース110を走行する車両10は、該単独走行コース110において側方域のマージンを大きく設定し得ることから、例えば65km/h程度の高速で走行することができ、もって現場における作業効率の大幅な向上が達成されることとなる。
【0033】
一方、走路3上において接近する相手車両が有る場合、車両10は走路3の路肩寄りに設定された擦れ違い走行コース100を走行するので、この擦れ違い走行コース100において相手車両との擦れ違いに必要なマージンを最小限とすることで、走路3の幅員を可及的に狭いものとすることが可能となり、もって走路3の造成費用やメンテナンス費用等、走路3に関わる諸々のコストを大幅に低減させることができる。
【0034】
因みに、走路に設けられた往復の車線上で常に車両を走行させている従来の構成では、50Km/h の速度で擦れ違い走行させるために走路の幅員を21.5mと設定した場合、車両としての上限に近い65Km/h の速度で車両を走行させるには、走路の幅員を26mにまで拡張する必要があるのに対して、上述した如き本発明の一実施例においては、50Km/h の速度で擦れ違い走行させるために走路3の幅員Wを21.5mと設定した場合でも、走路の幅員Wを何ら拡張することなく、車両としての上限に近い65Km/h の速度で車両10を走行させることができる。
【0035】
なお、擦れ違い時における車両10の走行速度を更に低下させることで、車輌10の左右領域に必要な各種マージンを狭め、走路3の幅員Wを更に削減することが可能であるものの、擦れ違い時における車両10の走行速度は、走路3における全長等の諸条件に基づいて、走路3上における平均走行速度の著しい低下を招くことの無い、適宜な走行速度に設定されることは言うまでもない。
【0036】
また、上記構成によれば、相手車両の有無によって車両10の走行コースが切り換えられるので、車両10が走路3の同一箇所を繰り返し走行することによる轍の形成が抑えられ、もって走路3のメンテナンスが簡易なものとなり、さらに車両10を安定して走行させることが可能となる。
【0037】
ところで、擦れ違い走行コース100に沿って走行する車輌10が、走路3上において相手車両と擦れ違ったのち、走行制御装置20の走行コース切換え手段27において、車両10を単独走行コース110へ誘導するよう、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令が出力され、これにより車両10は擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へと移行する。
【0038】
ここで、擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へ車輌10を移行させる際、処理部21を介して走行制御部25にステアリング制御指令とともに速度制御指令が出力され、車輌10の走行速度が例えば車両の上限である65km/h程度にまで増速される。
【0039】
また、車輌10の走行コースを擦れ違い走行コース100から単独走行コース110へ切り換えるタイミングは、車輌10が相手車輌と擦れ違った直後、あるいは車輌10が相手車輌と擦れ違ってから所定時間が経過したのち、または相手車輌と所定距離だけ離隔したのち等、任意に設定することが可能である。
【0040】
図6(c)に示す如く、車輌10が単独走行コース110へ移行したのち、走行制御装置20の処理部21は、単独走行コース110に対する車両10の位置ズレが補正されるよう、走行制御部25に対してステアリング制御指令を出力し、これによって車両10は走路3上の単独走行コース110に沿って走行する。
【0041】
上述した本発明の一実施例において、走路3上の車両10は相手車両とすれ違う時のみ擦れ違い走行コース100を走行し、相手車両と擦れ違う時以外は走路の中央寄りに設定された単独走行コース110を走行するので、該単独走行コース110においては高速での走行が可能となることから、走路3上における車両10の平均速度が大幅に増大することとなり、もって現場における作業効率の更なる向上が達成されることとなる。
【0042】
因みに、車輌10が擦れ違い走行コース100に沿って走行し、相手車輌と擦れ違ったのちに、必ずしも車輌10の走行コースを切り換える(単独走行コース110へ復帰させる)必要はない。すなわち、走路3上において相手車両と擦れ違うまでの間、単独走行コース110を走行させることにより、車輌10の平均速度は向上することとなるので、走路3上を高速で走行することによる生産性の向上が認められることは言うまでもない。
【0043】
なお、上述した実施例においては、擦れ違い走行コース100のコースデータをシフトさせることで、往復の車線3a、3bにおける走路3の中央寄りに単独走行コース110を設定しているが、走路3の中央域(車線3aと車線3bとの境界線上)、あるいは走路3の中央を越えた相手車線内に単独走行コース110を設定しても良く、要は走行する車両10の側方領域に十分なマージンを確保し得る位置であれば、走路3上における適宜な位置に単独走行コース110を設定することが可能である。
【0044】
また、上述した実施例においては、走路3上に予め擦れ違い走行コース100を設定しておき、この擦れ違い走行コース100のコースデータを走路3の中央側にシフトすることにより、単独走行コース110のコースデータを作成しているが、走路3上に予め単独走行コース110を予設定しておき、この単独走行コース110のコースデータを走路3の路肩側にシフトすることにより、擦れ違い走行コース100のコースデータを作成するようにしても良く、さらには擦れ違い走行コース100と単独走行コース110との両方を予設定しておき、選択的に使用することによって走行コースを切り換えるよう構成しても良い。
【0045】
また、上述した実施例においては、コースデータの算出、相手車両の有無、走行コースの切り換えタイミング等を、個々の車両10側において演算処理しているが、これらの演算を中央管制局30において処理させ、演算結果に基づいて中央管制局30から送信される指令信号により、個々の車輌10を制御するように構成しても良い。
【0046】
また、上述した実施例においては、中央管制局30から通信部23を介して送られる他車両の走行データ(位置情報や速度情報等)に基づいて、走路3上を走行する車両10に接近する相手車両の有無を判定しているが、個々の車両10に搭載したセンサにより他車両の位置や速度等を検出し、これらの情報に基づいて車両10に接近する相手車両の有無を判定するよう構成することも可能である。
【0047】
さらに、上述した実施例においては、中央管制局によって全ての車両を統括制御する運用システムに、本発明に関わる車両の走行制御装置を適用した例を示したが、個々の車両10同士が相互に走行データを通信し合うことにより、全ての車両が統括制御される運用システムにおいても、本発明に関わる車両の走行制御装置を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉱山における走路の一例を示す概念図。
【図2】本発明に関わる車両の走行制御装置の一実施形態を示すブロック図。
【図3】(a)および(b)は、走路における走行コースの設定態様を示す断面図および平面図。
【図4】走路における走行コースの設定態様を示す平面図。
【図5】単独走行コースを走行する車両を示す走路の断面図。
【図6】(a)、(b)および(c)は、走路上において車両同士が擦れ違う際の走行態様を示す概念図。
【図7】鉱山における走路の一例を示す概念図。
【図8】(a)および(b)は、従来の走路における走行コースの設定態様を示す断面図および平面図。
【符号の説明】
1:採掘現場、
2:処理施設、
3:走路、
3a、3b:車線、
10:車両、
20:走行制御装置、
21:処理部、
22:車両位置計測部、
24:コースデータ記憶部、
23:通信部、
25:走行制御部、
26:相手車両判定部(相手車両判定手段)、
27:走行コース切換え部(走行コース切換え手段)、
30:中央管制局、
100:擦れ違い走行コース、
110:単独走行コース。
Claims (2)
- 位置計測情報に基づいて自律誘導走行する車両を、隣接する往復の車線を備えた走路において擦れ違い走行させる、車両の走行制御装置であって、
前記走路を走行する自車両に対して接近する相手車両の有無を判定する相手車両判定手段と、
前記相手車両判定手段において自車両に接近する相手車両が有ると判定された場合、前記走路に設定された単独走行コースに沿って走行している車両を、前記走路の路肩寄りに走行させるべく、前記車両の走行コースを切換える走行コース切換え手段と、
を備えて成ることを特徴とする車両の走行制御装置。 - 前記走行コース切換え手段は、自車が相手車両と擦れ違ったのち、自車の走行コースを前記単独走行コースに切換えることを特徴とする請求項1記載の車両の走行制御装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002325390A JP2004157934A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 車両の走行制御装置 |
US10/701,427 US6941201B2 (en) | 2002-11-08 | 2003-11-06 | Travel control apparatus for vehicles |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002325390A JP2004157934A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 車両の走行制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004157934A true JP2004157934A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=32697461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002325390A Pending JP2004157934A (ja) | 2002-11-08 | 2002-11-08 | 車両の走行制御装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6941201B2 (ja) |
JP (1) | JP2004157934A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008065808A (ja) * | 2006-08-10 | 2008-03-21 | Komatsu Ltd | 無人車両の誘導走行制御装置 |
JP2008210378A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-09-11 | Komatsu Ltd | 無人車両の誘導走行制御装置 |
JP2011107793A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Hitachi Ltd | 自律走行装置 |
US8280573B2 (en) | 2006-08-10 | 2012-10-02 | Komatsu Ltd. | Guided control device for unmanned vehicle |
WO2019031097A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 株式会社小松製作所 | 運搬車両の管制システム及び運搬車両の管理方法 |
JP2019215783A (ja) * | 2018-06-14 | 2019-12-19 | シャープ株式会社 | 走行装置、走行装置の走行制御方法、走行装置の走行制御プログラムおよび記録媒体 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4463757B2 (ja) * | 2005-12-09 | 2010-05-19 | 株式会社小松製作所 | 車両の走行制御装置 |
US8095248B2 (en) | 2007-09-04 | 2012-01-10 | Modular Mining Systems, Inc. | Method and system for GPS based navigation and hazard avoidance in a mining environment |
JP5870908B2 (ja) * | 2012-12-11 | 2016-03-01 | 株式会社デンソー | 車両の衝突判定装置 |
EP3827654A1 (en) * | 2013-11-20 | 2021-06-02 | Rowbot Systems LLC | Agricultural robot for performing multiple functions in argicultural systems |
JP6374695B2 (ja) | 2014-04-28 | 2018-08-15 | 日立建機株式会社 | 路肩検出システムおよび鉱山用運搬車両 |
US10152891B2 (en) * | 2016-05-02 | 2018-12-11 | Cnh Industrial America Llc | System for avoiding collisions between autonomous vehicles conducting agricultural operations |
DE102018007022A1 (de) * | 2018-09-05 | 2020-03-05 | Daimler Ag | Verfahren und Vorrichtung zum Betrieb eines Assistenzsystems eines Fahrzeuges und Fahrzeug |
US11860643B2 (en) | 2019-07-02 | 2024-01-02 | Liebherr Mining Equipment Newport News Co. | System for controlling a plurality of autonomous vehicles on a mine site |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63155307A (ja) * | 1986-12-19 | 1988-06-28 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | 無人自走体の障害物監視システム |
WO1998037468A1 (fr) * | 1997-02-20 | 1998-08-27 | Komatsu Ltd. | Systeme de surveillance de vehicules |
JP2001060111A (ja) * | 1999-08-20 | 2001-03-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 無人搬送車の走行制御システム |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4313568C1 (de) * | 1993-04-26 | 1994-06-16 | Daimler Benz Ag | Verfahren zur Leithilfe für einen Fahrspurwechsel durch ein Kraftfahrzeug |
US6292725B1 (en) * | 1997-04-04 | 2001-09-18 | Komatsu Ltd. | Interference preventing device for vehicle |
JP3869108B2 (ja) * | 1998-02-23 | 2007-01-17 | 株式会社小松製作所 | 無人車両の干渉予測装置および無人車両の誘導走行方法 |
JP4082831B2 (ja) * | 1999-10-26 | 2008-04-30 | 株式会社小松製作所 | 車両の管制装置 |
-
2002
- 2002-11-08 JP JP2002325390A patent/JP2004157934A/ja active Pending
-
2003
- 2003-11-06 US US10/701,427 patent/US6941201B2/en not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63155307A (ja) * | 1986-12-19 | 1988-06-28 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | 無人自走体の障害物監視システム |
WO1998037468A1 (fr) * | 1997-02-20 | 1998-08-27 | Komatsu Ltd. | Systeme de surveillance de vehicules |
JP2001060111A (ja) * | 1999-08-20 | 2001-03-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 無人搬送車の走行制御システム |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008065808A (ja) * | 2006-08-10 | 2008-03-21 | Komatsu Ltd | 無人車両の誘導走行制御装置 |
US8280573B2 (en) | 2006-08-10 | 2012-10-02 | Komatsu Ltd. | Guided control device for unmanned vehicle |
JP2008210378A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-09-11 | Komatsu Ltd | 無人車両の誘導走行制御装置 |
JP2011107793A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Hitachi Ltd | 自律走行装置 |
US8548664B2 (en) | 2009-11-13 | 2013-10-01 | Hitachi, Ltd. | Autonomic traveling apparatus for a vehicle |
WO2019031097A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 株式会社小松製作所 | 運搬車両の管制システム及び運搬車両の管理方法 |
AU2018316332B2 (en) * | 2017-08-10 | 2021-01-28 | Komatsu Ltd. | Haul vehicle control system and haul vehicle management method |
JP2019215783A (ja) * | 2018-06-14 | 2019-12-19 | シャープ株式会社 | 走行装置、走行装置の走行制御方法、走行装置の走行制御プログラムおよび記録媒体 |
JP7111517B2 (ja) | 2018-06-14 | 2022-08-02 | シャープ株式会社 | 走行装置、走行装置の走行制御方法、走行装置の走行制御プログラムおよび記録媒体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20040143375A1 (en) | 2004-07-22 |
US6941201B2 (en) | 2005-09-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004157934A (ja) | 車両の走行制御装置 | |
US6442456B2 (en) | Anti-rut system for autonomous-vehicle guidance | |
US4939650A (en) | Path correction method for a self-contained unmanned vehicle | |
AU2002247079A1 (en) | Anti-rut system for autonomous-vehicle guidance | |
JP2006259877A (ja) | 物品搬送設備 | |
JP2019098938A (ja) | 自動搬送車 | |
CN108701411A (zh) | 用于车辆的行驶辅助***的设备和方法以及用于可控的交通示意标志的控制实体的设备和方法 | |
CN110843861B (zh) | 基于车车通信的移动授权确定方法及装置 | |
JP2004094298A (ja) | 自走車両利用の搬送装置 | |
JP6651822B2 (ja) | 走行管理システム | |
JPH07168623A (ja) | 無人移動車 | |
JP4006319B2 (ja) | 車両の走行制御装置 | |
JP4992055B2 (ja) | 無人車両の誘導走行制御装置 | |
JP2021047670A (ja) | 無人搬送車の制御システム及び制御方法 | |
JP2974110B2 (ja) | 移動車制御設備 | |
JP2007038732A (ja) | 有軌道台車システム | |
JPH04104306A (ja) | 移動車の分岐走行制御設備 | |
JPH0251709A (ja) | 無人搬送車の運行制御方法 | |
JP2006031343A (ja) | 搬送装置 | |
JP3409580B2 (ja) | 壁倣い無人車の自律式待避誘導方法 | |
JP2998824B2 (ja) | 移動車制御設備 | |
JPS61110209A (ja) | 光学誘導式移動車制御設備 | |
JP2021082122A (ja) | 無人搬送車 | |
JP2023151918A (ja) | 自走式ロボット | |
JP2965117B2 (ja) | 移動車制御設備 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071023 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080408 |