JP2004157219A - 露光ヘッドおよび露光装置 - Google Patents

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Takeshi Fujii
武 藤井
Hiroshi Sunakawa
寛 砂川
Katsuto Sumi
克人 角
Toshihiko Omori
利彦 大森
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Abstract

【課題】ランプ光源を用いても安価に形成され、またランプ寿命も長く確保され、そして消費電力も低く抑えられる露光ヘッドおよび露光装置を得る。
【解決手段】露光面56に対して所定方向と交差する方向に移動される露光ヘッドを、照射された光を各々制御信号に応じて変調する多数の画素部が2次元状に配列されてなる複数の空間光変調素子50と、これらの空間光変調素子50の1つに対して1個ずつ設けられた複数のランプ光源66と、該ランプ光源66から発せられた光を空間光変調素子50に照射させる照射光学系67と、複数の空間光変調素子50によって空間変調された光が担う像を露光面56上に結像させる結像光学系51とから露光ヘッドを構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は露光ヘッド、特に詳細には画像データに応じて空間光変調素子により変調された光で感光材料を露光する露光ヘッド、および、そのような露光ヘッドを備えた露光装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の空間光変調素子を利用して、画像データに応じて変調された光ビームで画像露光を行う露光装置が種々提案されている。
【0003】
なお上記のDMDは、制御信号に応じて反射面の角度を変化させる多数のマイクロミラーが、シリコン等の半導体基板上に2次元状に配列されてなるミラーデバイスである。このDMDを用いた露光装置は基本的に、例えば図9に示すように、レーザ光を照射する光源1、光源1から照射されたレーザ光をコリメートするレンズ系2、レンズ系2の略焦点位置に配置されたDMD3、およびこのDMD3で反射されたレーザ光を走査面(感光材料)5上において収束させて、該レーザ光が担う像を結像させるレンズ系4、6からなる露光ヘッドと、この露光ヘッドを走査面5に対して相対移動させる移動手段(図示せず)とから構成されるものである。なお図9は、光学的な関係を説明するために展開図として示してある。
【0004】
この種の露光装置では、DMD3のマイクロミラーの各々が、画像データ等に応じて生成した制御信号に基づいて図示外の制御装置によりオンオフ制御され、こうして変調されたレーザ光が走査面5である感光材料に照射されるとともに、上記の相対移動つまりレーザ光の副走査がなされて、感光材料に画像が露光される。
【0005】
なお非特許文献1および本出願人による特願2002−149886号明細書には、上記構成を有する露光装置の例が示されている。
【0006】
【非特許文献1】
石川明人”マスクレス露光による開発短縮と量産適用化”、「エレクロトニクス実装技術」、株式会社技術調査会、Vol.18、No.6、2002年、p.74−79
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記DMDや液晶シャッタアレイ等の空間光変調素子の画素数は、通常数百×数百程度であるので、大きなサイズの画像を露光可能とする場合には、上述した露光ヘッドが上記相対移動の方向と交差する方向に複数並設され、この並設方向(主走査方向)の露光幅が大きく確保される。
【0008】
他方、上記構成の露光ヘッドにおいては、光源としてレーザのみならず、ハロゲンランプ等のランプ光源を適用することも考えられている。従来、上記のように複数の露光ヘッドを適用した上で、このランプ光源を用いる場合には、1つのランプ光源から発せられた光をファイバーバンドルに入射させ、該ファイバーバンドルを構成する複数のファイバーの各々をDMD等の空間光変調素子に接続することが考えられて来た。つまりこの場合は、1つのランプ光源から発せられた光が複数のファイバーで分岐されて、複数の空間光変調素子の各々に照射される。
【0009】
しかしこのような構成の露光ヘッドにおいては、特に数多くの空間光変調素子が適用される際には、1つのランプ光源として非常に大出力のものを用いる必要があるため、ランプ光源の価格が高いことから露光ヘッドが大幅にコストアップするという問題や、ランプ寿命が短いという問題が認められる。また、ランプ光源から発せられた光のファイバーへの結合効率が低いことから、消費電力が大きいという問題も認められる。
【0010】
他方、通常使用されているDMDは、基板上に、主走査方向に約800個、副走査方向に約600個のマイクロミラーを2次元状に配列して構成されており、1画素に相当する1つのマイクロミラーで光を変調するのに100〜200μs(マイクロ・秒)の時間を必要とする。
【0011】
このため、例えば、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドを副走査方向に連続的に移動させながら、1主走査ライン当たり200μsで変調し、その間に露光ヘッドを副走査方向に2μm移動させる場合、500mmの領域を露光するのに50秒程度の時間を要していた。すなわち、DMDは変調速度が遅いので、空間光変調素子としてDMDを用いた露光ヘッドでは高速の露光が困難である、という問題があった。
【0012】
本発明は上記の問題を解決するために成されたものであり、ランプ光源を用いても安価に形成され、またランプ寿命も長く確保され、そして消費電力も低く抑えられる露光ヘッドおよび露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
その上で本発明はさらに、高速露光を可能にする露光ヘッドおよび露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による露光ヘッドは、
露光面に対して所定方向と交差する方向に移動される露光ヘッドであって、
照射された光を各々制御信号に応じて変調する多数の画素部が2次元状に配列されてなる複数の空間光変調素子と、
これらの空間光変調素子の1つに対して1個ずつ設けられた複数のランプ光源と、
該ランプ光源から発せられた光を前記空間光変調素子に照射させる照射光学系と、
前記複数の空間光変調素子によって空間変調された光が担う像を前記露光面上に結像させる結像光学系とからなることを特徴とするものである。
【0015】
なお上記空間光変調素子としては、例えば先に説明したDMDや、各々制御信号に応じて透過光を遮断することが可能な多数の液晶セルが基板上に2次元状に配列されてなる液晶シャッターアレイ等を用いることができる。
【0016】
また上記構成を有する本発明の露光ヘッドは、前記画素部の全個数より少ない個数の複数の画素部の各々を、露光情報に応じて生成した制御信号に基づいて制御する制御手段を備えていることが望ましい。
【0017】
そしてその場合、前記制御手段により制御される画素部は、前記所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い領域に含まれる画素部であることが好ましい。
【0018】
また上記構成を有する本発明の露光ヘッドは、ランプ光源と空間光変調素子との間に、ランプ光源から発せられた光の光量分布を該空間光変調素子上で略均一になるように補正する光量分布補正光学系を備えていることが望ましい。
【0019】
一方、本発明による露光装置は、上述のような本発明による露光ヘッドと、該露光ヘッドを露光面に対して所定方向と交差する方向に相対移動させる移動手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0020】
なお本発明においては、より大光量の光を空間光変調素子に照射させるために、ランプ光源に、本出願人が特願2001−252497号で提案した偏光合成をする照明装置の構成を適用することもできる。この特願2001−252497号の照明装置の1つは、
無偏光光を発する2つの光源と、
前記各光源に対し、それぞれ、その光路上に配置され、少なくとも1次元方向に延び、その後側焦点面の近傍に線または点のアレイを生成する第一のレンズアレイ板と、
前記線または点のアレイのピッチに略等しいピッチを持ち、前記第一のレンズアレイ板の後側焦点面の近傍に配置され、入射された光をP偏光のみ、またはS偏光のみの光束に変換する偏光変換素子と、
前記偏光変換素子のピッチの略1/2のピッチを持ち、その前側焦点面が、前記第一のレンズアレイ板の後側焦点面に略一致するように配置され、略平行光束を射出する第二のレンズアレイ板と、
前記第一のレンズアレイ板、前記偏光変換素子および前記第二のレンズアレイ板の組みから成る光学系により、前記各光源からの無偏光の光束から、それぞれP偏光のみの光束およびS偏光のみの光束とされた、2つの光束を偏光合波する偏光素子と、
を有することを特徴とするものである。
【0021】
また、ここで提案されている別の照明装置は、
nを3以上の整数とし、
n個の光源と、
2つの光を偏光合波するn−1個の偏光素子と、
請求項1に記載の、第一のレンズアレイ板、偏光変換素子及び第二のレンズアレイ板の組から成る光学系を少なくとも2n−2組有し、
前記n個の光源のうち2個の光源からの光を、それぞれ前記光学系により、P偏光またはS偏光のみの光とし、前記偏光素子により偏光合波し、
前記偏光合波された光、あるいは他の光源からの光に対し、同様にして偏光合波を繰り返すことにより、前記n個の光源からの光を合波することを特徴とするものである。
【0022】
上記の「光源」としてランプを適用することにより、本発明の露光ヘッドで使用するランプ光源を構成することができ、そのようなランプ光源は、偏光合成されたより大光量の光を空間光変調素子に照射できるものとなる。
【0023】
なお以上の通りであるから、本発明において「空間光変調素子の1つに対して1個ずつ設けられるランプ光源」は、1個が上記のように複数のランプから構成されてもよいものとする。
【0024】
また本発明の露光ヘッドは、本出願人が特願2001−251269号で提案した照明光学系に組み込むこともできる。この照明光学系は、空間光変調素子を有する照明光学系において、入射光量を向上させ、オン光およびオフ光を明確に分離して画像のコントラスト低下を防止するようにしたものであり、そのうちの1つは、
照明光源と、この照明光源からの入射光を反射して射出光を形成するとともに、この射出光の主光線の偏向方向を第1の偏向方向と第2の偏向方向の少なくとも2方向に自在に切り換える素子を複数配列した空間光変調素子とを有する照明光学系であって、
前記入射光の主光線の入射方向と前記第1の偏向方向との間の角度が、前記第1の偏向方向と前記第2の偏向方向との間の角度と略等しくなるように設定されたことを特徴とするものである。
【0025】
また、ここで提案された別の照明光学系は、
照明光源と、この照明光源からの入射光を反射して射出光を形成するとともに、この射出光の主光線の偏向方向を第1の偏向方向と第2の偏向方向の少なくとも2方向に自在に切り換える素子を複数配列した空間光変調素子とを有する照明光学系であって、
前記射出光の主光線の偏向方向が、いずれも前記空間光変調素子の素子配列面の法線方向に対して傾斜していることを特徴とするものである。
【0026】
上で述べている「照明光源」および「空間光変調素子」として本発明の露光ヘッドにおけるランプ光源および空間光変調素子をそれぞれ適用することができ、そのような組合せによる照明光学系も、所期の目的を達成可能である。
【0027】
さらに本発明の露光ヘッドは、より大光量の光を空間光変調素子に照射させるために、ランプ光源に、本出願人が特願2000−377022号で提案した偏光合成をする照明光学系の構成を適用することもできる。この照明光学系の第1のものは、
非偏光光を発する2つの光源と、
前記各光源からの光を、それぞれ、P偏光およびS偏光に変換する偏光変換素子と、
前記変換されたP偏光およびS偏光の両方の光を偏光合波する偏光素子と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0028】
また、ここで提案された第2の照明光学系は、
非偏光光を発する3個以上の光源と、
前記光源のうち、2個の光源からの光を、前記第1の照明光学系により合波し、該合波した光をP偏光またはS偏光に変換する偏光変換光学系と、
前記3個以上の光源のうち、前記2個の光源以外の他の1つの光源からの光をS偏光またはP偏光に変換する偏光変換光学系と、
前記他の1つの光源からの光を変換した偏光との両方の光を再度偏光合波する偏光素子と、
さらに、他の光源が存在する場合には、該他の光源からの光をP偏光またはS偏光に変換する偏光変換光学系と、前記再度偏光合波された光をS偏光またはP偏光に変換する偏光変換光学系と、これらの変換された光を偏光合波する偏光素子とを有し、同様にして偏光合波を繰り返すことにより、3重以上の多重合波を行うことを特徴とするものである。
【0029】
上記の「光源」としてランプを適用することにより、本発明の露光ヘッドで使用するランプ光源を構成することができ、そのようなランプ光源は、偏光合成されたより大光量の光を空間光変調素子に照射できるものとなる。
【0030】
また本発明の露光装置は、ランプ光源の光量調整を可能にするために、本出願人が特願2001−213519号で提案した画像記録装置の構成を採用することもできる。ここで提案されている画像記録装置は、ランプ光源としての放電ランプと、空間光変調素子と、前記放電ランプから出射され、前記空間光変調素子によって変調された画像を担持する光を、所定の画像記録位置に結像させる結像光学系と、前記放電ランプから画像記録位置に至る光路中に挿入自在な光量調整手段とを有することを特徴とするものである。
【0031】
なお上記の構成においては、光量調整手段が、透過率の異なる複数のフィルタ、もしくは、反射率の異なる複数のミラーであるのが好ましく、また、この光量調整手段よりも放電ランプ側の光路中に、所定波長域の光以外を除去する波長選択手段が配置されるのが好ましい。
【0032】
さらに本発明の露光装置は、簡易な構成で、露光に不要な光を除去可能とするために、本出願人が上記特願2001−213519号で提案した画像記録装置の構成を採用することもできる。ここで提案されている画像記録装置は、ランプ光源としての放電ランプと、空間光変調素子と、前記放電ランプから出射され、前記空間光変調素子によって変調された画像を担持する光を、所定の画像記録位置に結像させる結像光学系と、前記放電ランプから画像記録位置に至る光路中に配置される、所定波長域の光以外を除去する波長選択手段とを有することを特徴とするものである。
【0033】
なお上記の構成において、前記光量調整手段および波長選択手段は、誘電体多層膜を利用するものであるのが好ましく、さらに、前記放電ランプは、超高圧放電ランプまたはメタルハライドランプであるのが好ましい。
【0034】
また本発明の露光ヘッドにおいては、ランプ光源として、本出願人が特願2001−214829号で画像記録装置における使用を提案したショートアーク超高圧放電ランプを適用するのが好ましい。そしてそのようなショートアーク超高圧放電ランプとしては、特に点灯時の水銀蒸気圧が8×10Pa以上、および、電極間距離が2.5mm以下の少なくとも一方を満たすものを用いるのが望ましい。
【0035】
上記のショートアーク超高圧放電ランプを用いる場合、本発明による露光装置は、
該ショートアーク超高圧放電ランプの個々の総点灯時間をモニタする機能を有し、
モニタの結果、総点灯時間が予め設定された第1の所定時間を超えたショートアーク型超高圧放電ランプについては、その旨を出力し、さらに、総点灯時間が予め設定された第2の所定時間を超えたショートアーク型超高圧放電ランプについては、点灯を不可能にする構成を備えることが望ましい。
【0036】
さらには、前記ショートアーク超高圧放電ランプの点灯時に、個々のショートアーク超高圧放電ランプの点灯状態をモニタする機能を有し、
モニタの結果、不点灯であることが確認されたショートアーク超高圧放電ランプについては、該当するショートアーク超高圧放電ランプを消灯状態とし、かつ、このショートアーク超高圧放電ランプが不点灯である旨を出力する構成を採用することも好ましい。
【0037】
さらに本発明の露光装置においては、光源ランプの安定性を妨げることなく、かつ照明光により2次元空間光変調素子が劣化するのを防止し、その寿命を改善して、故障が少なく信頼性の高い画像露光を実現することを目的として、本出願人が特願2001−203316号で提案した構成を採用することもできる。この構成は、感光材料の分光感度に応じた光源から射出された照明光を二次元空間光変調素子で変調した光によって感光材料を露光する画像露光装置において、非画像露光時に前記照明光が前記二次元空間光変調素子を照射しないようにする光学系を備えたものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明による露光ヘッドは、複数の空間光変調素子の1つに対して1個ずつランプ光源を設けてなるものであるので、前述したように複数の空間光変調素子に対して共通の1個のランプ光源を設けた従来の露光ヘッドと、全露光量は互いに同じという前提の下に比較すると、各ランプ光源としてより低出力のものを利用可能となる。それにより本発明の露光ヘッドは、上記従来の露光ヘッドと比べてより安価に形成され、またランプ寿命も長く確保できるものとなる。
【0039】
以上の点をより具体的に説明する。水銀ランプを例に挙げると、200Wの水銀ランプは現状数千円〜1万円程度で市販されている。5kWの出力が望まれる場合に、この200Wの水銀ランプを25個使用するものとすると、全体のランプ費用は高くても25万円となる。それに対して、5kWの高出力水銀ランプの市販価格は現状30万円程度であり、本発明におけるように低出力のランプ光源を複数使用する方が、露光ヘッドを低コストで作製可能となる。この傾向は、所望出力が高いとより顕著になる。例えば、10kWの出力が望まれる場合に上記200Wの水銀ランプを50個使用すれば、全体のランプ費用は高くても50万円となる。それに対して、10kWの高出力水銀ランプの市販価格は現状80万円程度もする。
【0040】
一方、上記200Wの水銀ランプの寿命(出力が半分になる使用時間として定義する)は5000時間程度であるのに対し、5kW、10kWの高出力水銀ランプの寿命はそれぞれ1000時間、500時間程度であり、本発明におけるように低出力のランプ光源を複数使用する方が、ランプ寿命の点でも有利であることが明らかである。
【0041】
また本発明の露光ヘッドは、前述のファイバーバンドルを用いる場合と異なって、ランプ光源から発せられた光のファイバーへの結合効率は問題にならず、よって、ランプ光源から発せられた光をより有効に利用して、消費電力を少なく抑えることができる。
【0042】
そして、特に本発明の露光ヘッドが、前記画素部の全個数より少ない個数の複数の画素部の各々を、露光情報に応じて生成した制御信号に基づいて制御する制御手段を備えている場合には、制御する画素部の個数が少なくなり、制御信号の転送速度が全画素部の制御信号を転送する場合より短くなる。これにより、光変調速度を上げることができ、高速露光が可能になる。
【0043】
上記の露光ヘッドは、露光面に対して所定方向と交差する方向(副走査方向)に相対移動されるが、制御手段により制御される画素部が、上記所定方向に対応する方向の長さが該所定方向と交差する方向の長さより長い領域に含まれる画素部であれば、使用する露光ヘッドの数をより少なくすることができる。
【0044】
また本発明の露光ヘッドが特に、ランプ光源と空間光変調素子との間に、ランプ光源から発せられた光の光量分布を該空間光変調素子上で略均一になるように補正する光量分布補正光学系を備えている場合には、光の利用効率を低下させずに、光量分布が略均一の光で空間光変調素子を照明することができる。これにより、露光ムラの発生を防止して、高画質の画像露光が可能になる。
【0045】
本発明による露光装置は、以上説明した本発明による露光ヘッドを用いるものであるから、安価に形成され、またランプ寿命も長く確保され、そして消費電力も低く抑えられるという効果をそのまま奏するものとなる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0047】
[露光装置の構成]
図1は、本発明の一実施の形態による露光装置の斜視形状を示すものである。
図示のようにこの露光装置は、シート状の感光材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。また4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
【0048】
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150の先端および後端を検知する複数(例えば2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162および検知センサ164は各々ゲート160に取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162および検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0049】
スキャナ162は、図2および図3(B)に示すように、m行n列(例えば3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166が配置されている。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0050】
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光材料150には各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0051】
また、図3(A)および(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施の形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0052】
露光ヘッド16611〜166mnの各々は、図4、図5に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御については後述する。
【0053】
DMD50の光入射側には、1個の水銀ランプ66、この水銀ランプ66から発せられた光を光量分布補正した上でDMD50上に集光するレンズ系67、このレンズ系67を通過した光をDMD50に向けて反射させるミラー69がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系67を概略的に示してある。
【0054】
上記レンズ系67は、図5に示すように、水銀ランプ66のフィラメント66aから出射してリフレクター66bにより前方側に集められた光を平行光化するコリメーターレンズ71、このコリメーターレンズ71を通過した光の光路に挿入されたマイクロフライアイレンズ72、このマイクロフライアイレンズ72と向かい合う状態に配設された別のマイクロフライアイレンズ73、およびこのマイクロフライアイレンズ73の前方つまりミラー69側に配置されたフィールドレンズ74から構成されている。マイクロフライアイレンズ72および73は、微小レンズセルが縦横に多数配置されてなるものであり、それらの微小レンズセルの各々を通過した光がそれぞれDMD50に互いに重なる状態で入射するので、該DMD50を照射する光の光量分布が均一化される。
【0055】
またDMD50の光反射側には、DMD50で反射した光を感光材料150の走査面(被露光面)56上に結像するレンズ系51が配置されている。レンズ系51は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。このレンズ系51は、図4では概略的に示してあるが、図5に詳細を示すように、2枚のレンズ52,54からなる拡大結像光学系と、2枚のレンズ57,58からなる結像光学系と、これらの光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。上記のマイクロレンズアレイ55は、DMD50の各画素に対応する多数のマイクロレンズ55aが配置されてなるものである。またアパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ59aが形成されてなるものである。
【0056】
DMD50は、図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造プロセスで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成されている。
【0057】
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0058】
なお、図6には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された図示しないコントローラによって行われる。なお、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0059】
またDMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図8(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0060】
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、600組)配列されているが、図8(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。なお、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
【0061】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0062】
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0063】
[露光装置の動作]
次に、上記露光装置の動作について説明する。
【0064】
図4および5に示す水銀ランプ66から発せられた例えば波長360〜420nm帯の光は、前述のようにレンズ系67を通して、光量分布が均一化された上でDMD50に照射される。このDMD50に接続された図示外のコントローラには、露光パターンに応じた画像データが入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0065】
また、図1に示す感光材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164により感光材料150の先端が検出されると、上記フレームメモリに記憶されている画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、この読み出された画像データに基づいてデータ処理部で各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
【0066】
水銀ランプ66からの光がDMD50に照射されているとき、DMD50のオン状態のマイクロミラーで反射した光は、レンズ系51により集光されて、感光材料150の被露光面56上で集束する。このようにして、水銀ランプ66から出射した光がDMD50の各マイクロミラー毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
【0067】
ここで図10(A)および(B)に示すように、本実施の形態では、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されているが、本実施の形態では、コントローラにより一部のマイクロミラー列(例えば、800個×200列)だけが駆動されるように制御がなされる。
【0068】
その際、図10(A)に示すように、DMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図10(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
【0069】
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の画素を全部使用する必要はない。
【0070】
例えば、600組のマイクロミラー列の内、300組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、600組のマイクロミラー列の内、200組だけ使用する場合には、600組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を17秒で露光できる。更に、100組だけ使用する場合には、1ライン当り6倍速く変調することができる。即ち、副走査方向に500mmの領域を9秒で露光できる。
【0071】
使用するマイクロミラー列の数、即ち、副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数は、10以上で且つ300以下が好ましく、10以上で且つ200以下がより好ましい。1画素に相当するマイクロミラー1個当りの面積は15μm×15μmであるから、DMD50の使用領域に換算すると、12mm×150μm以上で且つ12mm×4.5mm以下の領域が好ましく、12mm×150μm以上で且つ12mm×3mm以下の領域がより好ましい。
【0072】
使用するマイクロミラー列の数が上記範囲にあれば、水銀ランプ66から出射した光をレンズ系67で略平行光化して、DMD50に照射することができる。
DMD50に光を照射する照射領域は、DMD50の使用領域と一致することが好ましい。照射領域が使用領域よりも広いと光利用効率が低下する。
【0073】
一方、DMD50上に集光させる光ビームの副走査方向の径を、レンズ系67により副走査方向に配列されたマイクロミラーの個数に応じて小さくする必要があるが、使用するマイクロミラー列の数が10未満であると、DMD50に入射する光束の角度が大きくなり、走査面56における光ビームの焦点深度が浅くなるので好ましくない。また、使用するマイクロミラー列の数が200以下が変調速度の観点から好ましい。
【0074】
スキャナ162による感光材料150の副走査が終了し、検知センサ164で感光材料150の後端が検出されると、ステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
【0075】
以上説明した通り、本実施の形態の露光装置は、複数のDMD50の1つに対して1個ずつ水銀ランプ66を設けてなるものであるので、複数のDMD50に対して共通の1個の水銀ランプ66を設ける露光装置と、全露光量は互いに同じという前提の下に比較すると、各水銀ランプ66としてより低出力のものを利用可能となる。それにより本実施の形態の露光装置は、より安価に形成され、またランプ寿命も長く確保できるものとなる。その詳しい理由は、先に述べた通りである。
【0076】
また本実施の形態の露光装置は、前述のファイバーバンドルを用いる場合と異なって、ランプ光源から発せられた光のファイバーへの結合効率は問題にならず、よって、ランプ光源から発せられた光をより有効に利用して、消費電力を少なく抑えることができる。
【0077】
さらに本実施の形態の露光装置は、主走査方向にマイクロミラーが800個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に600組配列されたDMD50を備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御するので、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。これにより高速での露光が可能になる。
【0078】
また本実施の形態では、図5に示したように2枚のレンズ52,54からなる拡大結像光学系と、マイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とを用いていることにより、以下の効果も得られる。
【0079】
すなわちこの構成においては、DMD50によりオン方向に反射した光束線の断面積が、レンズ52,54からなる拡大結像光学系により数倍(例えば、2倍)に拡大される。この拡大結像光学系を通過した光は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aによりDMD50の各画素に対応して集光され、アパーチャアレイ59の対応するアパーチャ59aを通過する。アパーチャ59を通過した光は、レンズ57,58により被露光面56上で集束し、この光による像が該被露光面56に結像される。
【0080】
この結像光学系では、DMD50により反射した光が、レンズ52,54により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59が配置されていなければ、図13(A)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1画素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468のMTF(Modulation Transfer Function)特性、つまりは露光画像の鮮鋭度が低下する。
【0081】
これに対して、マイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59を配置した本実施の形態では、DMD50により反射された光は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aによりDMD50の各画素に対応して集光される。これにより、図13(B)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、画素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
【0082】
また、マイクロレンズ55aの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャ59aによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各画素に対応して設けられたアパーチャ59aを通過させることにより、隣接する画素間でのクロストークを防止することができる。
【0083】
次に、以上説明した露光装置の変形例等について説明する。
【0084】
[露光装置の用途]
上記の露光装置は、例えば、プリント配線基板(PWB;Printed Wiring Board)の製造工程におけるドライ・フィルム・レジスト(DFR;Dry Film Resist)の露光、液晶表示装置(LCD)の製造工程におけるカラーフィルタの形成、TFTの製造工程におけるDFRの露光、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)の製造工程におけるDFRの露光等の用途に好適に用いることができる。
【0085】
なお、TFTのパターニングに使用される液体レジストやカラーフィルタをパターニングするために使用される液体レジストを露光する場合には、酸素阻害による感度低下(減感)を無くすために、窒素雰囲気下で被露光材料を露光することが好ましい。窒素雰囲気下で露光することで光重合反応の酸素阻害が抑制されてレジストが高感度化し、高速露光が可能となる。
【0086】
また、上記の露光装置には、露光により直接情報が記録されるフォトンモード感光材料、露光により発生した熱で情報が記録されるヒートモード感光材料の何れも使用することができる。
【0087】
[他の空間光変調素子]
上記の実施の形態では、空間光変調素子としてDMDを備えた露光ヘッドについて説明したが、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Spacial Light Modulator)や、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)や液晶光シャッタ(FLC)等、MEMSタイプ以外の空間光変調素子を用いることもできる。
【0088】
なお、MEMSとは、IC製造プロセスを基盤としたマイクロマシニング技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、そして制御回路を集積化した微細システムの総称であり、MEMSタイプの空間光変調素子とは、静電気力を利用した電気機械動作により駆動される空間光変調素子を意味している。
【0089】
[他の露光方式]
上記実施の形態では、図11に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査で感光材料150の全面を露光しているが、図12(A)および(B)に示すように、スキャナ162により感光材料150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査で感光材料150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。
【0090】
[その他の実施の形態]
ここで、図4および5に示した水銀ランプ66に代えて用いられるランプ光源の例について、図14を参照して説明する。同図に示すように、本例のランプ光源310は、第一の光源320および第二の光源330からの光を、偏光素子である偏光ビームスプリッタ340で合波するものである。
【0091】
上記第一の光源320から偏光ビームスプリッタ340に至る光路には、光源320側から順に、第一のレンズアレイ板324、第一の光源320からの光を全てP偏光に変換する偏光変換素子326、および偏光変換素子326によって偏光光とされた光を平行光束とする第二のレンズアレイ板328が配置されている。
【0092】
また、同様に、第二の光源330から偏光ビームスプリッタ340に至る光路には、光源330側から順に、第一のレンズアレイ板334、第二の光源330からの光を全てS偏光に変換する偏光変換素子336、および偏光変換素子336によって偏光光とされた光を平行光束とする第二のレンズアレイ板338が配置されている。
【0093】
第一の光源320および第二の光源330は、それぞれ、放射状の光線を射出するランプ321および331と、ランプ321および331から射出された放射光を略平行な光線束として射出するリフレクタ(凹面鏡)322および332とを有している。
【0094】
ランプ321および331としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプまたは紫外線ランプや水銀ランプ等の放電ランプが用いられる。また、リフレクタ322および332としては、放物面鏡を用いることが好ましいが、放物面鏡に限定されるものではなく、楕円面鏡や球面鏡等を用いることもできる。
【0095】
第一のレンズアレイ板324、334は、それぞれ、少なくとも1次元方向に延びるレンズアレイであり、図14に示すように、それぞれ光源320および330から射出された無偏光の光(ランダム偏光)から、その後側焦点面の近傍に線状または点状のアレイを生成するものである。レンズアレイ板324、334は、例えば、略矩形形状の輪郭を有する平凸状の小レンズを、1次元方向に、または2次元方向にマトリクス状に配置して構成される。
【0096】
上記第一の光源320からの光の光路中に配置された偏光変換素子326は、前記第一のレンズアレイ板324によってその後側焦点面近傍に生成される線状または点状のアレイのピッチに略等しいピッチを有し、前記焦点面近傍に配置されて、該第一の光源320から射出された光を、全てP偏光に変換するものである。
【0097】
図15に、偏光変換素子326の一部を拡大して、その構成を示す。同図に示すように、偏光変換素子326は、P偏光とS偏光を分離する誘電体多層膜をコーティングした偏光分離面326aおよび全反射面326bとλ/2波長板326cを有して構成される。図15において、両方向きの矢印の記号および白丸の中に点を打った記号は、それぞれの光の偏光方向を表したものである。すなわち、両方向きの矢印記号は、図の左右方向の偏光を表し、白丸の中に点を打った記号は、図の紙面に垂直な方向の偏光を表している。
【0098】
第一のレンズアレイ板324を透過して偏光変換素子326に入射した光束350は、偏光分離面326aで、それぞれ互いに直交する2つの直線偏光成分の光束に分離される。すなわち、光束350のうち、P偏光351は偏光分離面326aを通過し、S偏光352は偏光分離面326aで反射される。
【0099】
偏光分離面326aを透過したP偏光351は、そのまま偏光変換素子326から射出される。また、偏光分離面326aで反射されたS偏光352は、反射面326bで反射された後、λ/2波長板326cを通過することにより、P偏光に変換されて偏光変換素子326から射出される。したがって、偏光変換素子326に入射される光束350は、全てP偏光に変換されて射出されることとなる。
【0100】
また、第二の光源330からの光の光路中に配置された偏光変換素子336は、前記第一のレンズアレイ板334によって、その後側焦点面近傍に生成される線状または点状のアレイのピッチに略等しいピッチを有し、前記焦点面近傍に配置されて、第二の光源330から射出された光を、全てS偏光に変換するものである。
【0101】
図16に、偏光変換素子336の一部を拡大して、その構成を示す。同図に示すように、偏光変換素子336は、P偏光とS偏光を分離する誘電体多層膜をコーティングした偏光分離面336aおよび反射面336bとλ/2波長板336cを有して構成される。図16における、両方向きの矢印の記号および白丸の中に点を打った記号は、図15と同様に、それぞれの光の偏光方向を表したものである。
【0102】
第一のレンズアレイ板334を透過して偏光変換素子336に入射した光束360は、偏光分離面336aで、それぞれ互いに直交する2つの直線偏光成分の光束に分離される。すなわち、光束360のうち、偏光分離面336aを通過したP偏光361は、その後λ/2波長板336cを通過することにより、S偏光に変換されて偏光変換素子336から射出される。
【0103】
一方、偏光分離面336aで反射されたS偏光362は、全反射面336bで全反射され、そのまま偏光変換素子336から射出される。従って、偏光変換素子336に入射される光束360は、全てS偏光に変換されて射出されることとなる。
【0104】
図15および図16で説明したように、第一のレンズアレイ板と偏光変換素子の位相をずらすことにより、P偏光光およびS偏光光を選択的に生成することができる。
【0105】
再び、図14にもどり、第一の光源320からの光の光路中に配置された第二のレンズアレイ板328は、偏光変換素子326のピッチの約1/2のピッチを持ち、その前側焦点面が前記第一のレンズアレイ板324の後側焦点面に略一致するように配置されている。これにより、第二のレンズアレイ板328からの射出光束が略平行光となり、この平行光束が偏光ビームスプリッタ340に入射される。
【0106】
また、同様に第二の光源330からの光の光路中に配置された第二のレンズアレイ板338は、偏光変換素子336のピッチの約1/2のピッチを持ち、その前側焦点面が前記第一のレンズアレイ板334の後側焦点面に略一致するように配置され、第二のレンズアレイ板328からの射出光束が略平行光束として偏光ビームスプリッタ340に入射される。
【0107】
偏光ビームスプリッタ340は、光量ロスを抑制した合波を行う偏光素子であり、第一の光源320から射出され偏光変換素子326によりP偏光光に変換された光と、第二の光源330から射出され偏光変換素子336によりS偏光光に変換された光とを合波する。
【0108】
偏光ビームスプリッタ340はS偏光光を反射し、P偏光光を透過させる光学特性を有する偏光分離面340aを有している。従って、第一の光源320側から偏光ビームスプリッタ340に入射したP偏光光は、偏光分離面340aを透過して、そのまま射出される。また、第二の光源330側から偏光ビームスプリッタ340に入射したS偏光光は、偏光分離面340aで反射され、前記P偏光と同方向に射出され、これにより両偏光光が合波される。
【0109】
このようにして合波された光束は、図5に示した構成において、照射レンズ系67に入射せしめられる。それにより、DMD50に大光量の光が照射されるようになる。
【0110】
なお、第二のレンズアレイ板328および338については、図17に示すように、焦点距離の長いレンズ328a(338a)と焦点距離の短いレンズ328b(338b)とを交互に並べるようにして、一個置きに焦点距離が異なるように構成することが好ましい。このようにすることで、偏光変換素子326あるいは336を通過する光の光路長の差を補正することができ、第二のレンズアレイ板328あるいは338からの射出光の平行度が良好になるため、合波効率が向上し、特に、この後述べる3個以上の光源からの光を合波する多重合波の場合に効果がある。
【0111】
また、光源からの光を偏光光に変換して偏光ビームスプリッタに入射する光学系を、図18に示すように、第一のレンズアレイ板342、偏光変換素子344および第二のレンズアレイ板346を、例えば接着等により一体化して構成するようにしてもよい。
【0112】
これは、レンズアレイ板への入射光束の角度変化、あるいは、温度や経時等に起因する第一および第二レンズアレイ板および偏光変換素子の相対位置変化等の変化により合波効率が変化するからである。例えば、第一レンズアレイ板と偏光変換素子の位相がずれると、P偏光がS偏光となってしまい、予期していたような合波ができない場合がある。また、第一レンズアレイ板および第二レンズアレイ板の位相がずれると、第二レンズアレイ板からの射出光束の射出方向がずれてしまい、やはりうまく合波ができない場合がある。
【0113】
そこで、上記のように偏光変換素子等を一体型の構成とすることにより、合波効率の変化を抑制することができ、光量や光量分布について安定した照明光を得ることができる。
【0114】
次に、3つの光源からの光を合波する場合について説明する。図19に、3つの光源からの光を合波する構成を示す。同図に示すように、本例の3波を合波する照明装置400は、3つの光源420、430及び450と、2つの偏光ビームスプリッタ440及び460を有しており、まず第一の光源420からの光と、第二の光源430からの光を第一の偏光ビームスプリッタ440で合波し、次に、今合波された光と、第三の光源450からの光を第二の偏光ビームスプリッタ460で合波するものである。
【0115】
第一の光源420からの光と第二の光源430からの光を第一の偏光ビームスプリッタ440で合波する部分については、前記図14の例と同様である。
【0116】
すなわち、第一の光源420は、ランプ421とリフレクタ422を有し、第一の光源120から射出された光は、第一のレンズアレイ板124を介し、偏光変換素子126で例えばP偏光光に変換され、第二のレンズアレイ板428で平行光束とされ第一の偏光ビームスプリッタ440に入射される。
【0117】
一方、第二の光源430は、ランプ431とリフレクタ432を有し、第二の光源430から射出された光は、第一のレンズアレイ板434を介し、偏光変換素子436で例えばS偏光光に変換され、第二のレンズアレイ板438で平行光束とされ、前記第一の光源420からの光とは略直交する方向から第一の偏光ビームスプリッタ440に入射される。
【0118】
第一の偏光ビームスプリッタ440は、P偏光光は透過させ、S偏光光は反射する特性を有する偏光分離面440aを有している。従って、第一の偏光ビームスプリッタ440は、第一光源420からのP偏光光はそのまま透過させ、第二光源430からのS偏光光は、偏光分離面440aで反射して、前記P偏光光と同方向に射出することにより、これらの両偏光を合波する。
【0119】
第一の偏光ビームスプリッタ440から射出された光は、第一のレンズアレイ板444、偏光変換素子446および第二のレンズアレイ板448を透過することにより、再びP偏光の光束に変換され、第二の偏光ビームスプリッタ460に入射される。
【0120】
また、第三の光源450は、ランプ451とリフレクタ452を有し、第三の光源450から射出された光は、第一のレンズアレイ板454を介し、偏光変換素子456で例えばS偏光光に変換され、第二のレンズアレイ板458で平行光束とされ、前記第一の偏光ビームスプリッタ440から射出された光とは略直交する方向から第二の偏光ビームスプリッタ460に入射される。
【0121】
第二の偏光ビームスプリッタ460は、P偏光光は透過させ、S偏光光は反射する特性を有する偏光分離面460aを有している。従って、第二の偏光ビームスプリッタ460は、第一の偏光ビームスプリッタ440からのP偏光光はそのまま透過させ、第三光源450からのS偏光光は、偏光分離面460aで反射して、前記P偏光光と同方向に射出することにより、これらの両偏光光を合波する。以上により、3つの光源からの光が合波される。
【0122】
合波されて、第二の偏光ビームスプリッタ460から射出された光は、レンズアレイ板462および464からなる通常のインテグレータ光学系を介して、例えば図5に示した照射レンズ系67に入射される。それにより、DMD50に大光量の光が照射されるようになる。
【0123】
上記照明装置400において、各第二のレンズアレイ板428、438、448および458は、いずれも図17に示すような、個々のレンズの焦点距離を一個置きに異なるものとした構成であり、その射出光の平行度が良好になるようにされているため、光束が広がることが少なく、合波を繰り返しても、合波効率が良好に保たれる。
【0124】
次に、4つの光源からの光を合波する照明装置について説明する。図20に示すように、本例の照明装置200は、4つの光源210、220、230、240と、3つの偏光ビームスプリッタ250、260、270とを有している。また、各符号212、222、232、242、252および282は、いずれも第一のレンズアレイ板、偏光変換素子及び第二のレンズアレイ板から成る光学系であり、それぞれ入射光をP偏光またはS偏光の平行光束に変換して射出するものである。
【0125】
第一の偏光ビームスプリッタ250は、第一の光源210から射出され、光学系212により、例えばP偏光の平行光束に変換された光と、第二の光源220から射出され、光学系222により、例えばS偏光の平行光束に変換された光とを合波する。
【0126】
また、第二の偏光ビームスプリッタ260は、第三の光源230から射出され、光学系232により、例えばP偏光の平行光束に変換された光と、第四の光源240から射出され、光学系242により、例えばS偏光の平行光束に変換された光とを合波する。
【0127】
第三の偏光ビームスプリッタ270は、第一の偏光ビームスプリッタ250で合波された光を光学系252で、例えばS偏光の平行光束に変換した光と、第二の偏光ビームスプリッタ260で合波された光を光学系262で、例えばP偏光の平行光束に変換した光とを合波する。
【0128】
以上の偏光合波装置において、それぞれ第一光源〜第四光源から、第三の偏光ビームスプリッタ270までの光路長はすべて等しくなるように設定されているものとする。
【0129】
以上のようにして、最終的に4つの光源からの光が合波される。このように合波を繰り返すことにより、一般に、n重(n≧3)の合波を行うことが可能となる。
【0130】
しかも、偏光変換素子で偏光光となった光を、一つ置きに焦点距離の異なるレンズを配列したレンズアレイ板を用いて平行光束とすることにより、平行度を良好にすることができ、合波効率を向上させることができる。
【0131】
次に、本発明の別の実施の形態による画像露光装置について、図21を参照して説明する。この画像露光装置501は、二次元的に配列された光源群として、照明光束によって照射される二次元空間光変調素子であるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)で生成された反射光点列と、いわゆるエクスターナルドラム(外面ドラム)を用いて記録媒体を二次元的に走査露光して画像を記録する装置である。
【0132】
図21(a)および(b)において画像露光装置501は、照明光源(ランプ光源)510と、照明光源510から射出される照明光束を受けるDMD512と、コリメーターレンズ光学系514と、光偏向器(デフレクタ)516と、フォーカシングレンズ光学系518と、副走査駆動系520と、エクスターナルドラム(アウタードラム)522(以下、単にドラム522とする。)を有している。また、ドラム522の外面には記録媒体524が巻き付けられている。
【0133】
照明光源510は、ランプ510aとリフレクタ510bとを有し、ランプ510aとしては、対象となる記録媒体の分光感度に応じた各種のランプが利用可能である。例えば、記録媒体として可視光や紫外光に感度をもつ製版用フィルムやコンベンショナルPS版であれば、超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等を用いればよい。
【0134】
またその他に、LED、ハロゲンランプ、キセノンランプ等も記録媒体にあわせて用いることができる。
【0135】
照明光源510から射出された照明光は、レンズ群530を通過してミラー32で反射されてDMD512の入射光Linとなる。なお上記レンズ群530は概略的に示してあるが、詳細には、例えば図5に示したレンズ系67等を適用すればよい。
【0136】
DMD512は、前述したように、マイクロミラーを回転角度+10度あるいは−10度の状態に自在に切り換えることができ、2つの偏向方向の射出光Lon(オン光)、Loff (オフ光)を射出することができる。マイクロミラーの回転角度の切り換えは、静電力を用いて行われ、各マイクロミラー毎に露光をオン/オフして光を変調し、画像を担持する射出光を生成する。つまり、DMD512の各マイクロミラーが、形成される画像の画素に対応し、各マイクロミラーの配置間隔が、光源群によって形成される画像の画素ピッチに対応する。従って、DMD512を構成するマイクロミラーはDMD512のミラー配列面上の画素ということができる。
【0137】
図示例の画像露光装置501においては、例えば、画素ピッチが17μmで、1024画素×1280画素のDMD512を用いる。また、後述するドラム522の回転方向(図中矢印Tで示す。)と記録媒体524上に結像する1024画素の画素列方向とが光学的に一致し(以下、図中矢印Mで示すこの方向を主走査方向とする。)、かつ、ドラム522の回転軸方向と記録媒体524上に結像する1280画素の画素列方向とが光学的に一致(図中矢印Sで示すこの方向を副走査方向とする。)するように、各部材が配置される。
【0138】
なお、ここで用いられる空間光変調素子としては、図示例のようなDMD512には限定されず、この他、反射−回折型素子(GLV(Grating Light Valve))等が利用可能である。反射−回折型素子とは、反射面が複数の微細なリボン状素子で形成され、各素子が反射面垂直方向に変位することによって、複数のリボン状素子から反射される反射光によって回折を起こさせ、特定方向の射出光を形成するデバイスであり、マイクロマシン技術によってシリコンチップ上に作成される。
【0139】
コリメーターレンズ光学系514は、DMD512によって反射された光を平行光として、光偏向器516に入射させるものである。
【0140】
光偏向器516は、コリメーターレンズ光学系514を介して入射された光を、ドラム522の回転に応じて主走査方向Mに偏向するものである。すなわち、光偏向器516は、図21(a)では図示を省略した駆動手段(光偏向器ドライバ)によって駆動され、ドラム522の回転に応じて光の向きを変えるようにし、ドラム522が回転しても、画像が記録媒体524の同じ位置に結像されるようにするものである。光偏向器516としては、ガルバノスキャナ、ポリゴナルミラー、ピエゾシステム等様々なものが好適に例示される。
【0141】
また、フォーカシングレンズ光学系518は、光偏向器516で偏向された光をドラム522に巻き付けられた記録媒体524上に結像させ、記録媒体524を露光させるものである。
【0142】
ここで、DMD512がコリメーターレンズ光学系514の前側焦点位置に配されるように、コリメーターレンズ光学系514が配され、記録媒体524の露光部分がフォーカシングレンズ光学系518の後側焦点位置に配されるように、フォーカシングレンズ光学系518が配されて、記録媒体524上に画像が結像するように構成されている。
【0143】
DMD512によって反射された平行光は最終的にドラム522の表面に保持された記録媒体524上に結像する。記録媒体524としては、例えば、光モード感材や熱モード感材等が例示される。また、記録媒体には、特に限定はなく、フィルムやプレートでもよい。
【0144】
(エクスターナル)ドラム522は、外側面に記録媒体524を保持して、ドラム回転軸を中心として、図に矢印Tで示す方向に回転する円筒状ドラムである。
【0145】
照明光源からDMD512、コリメーターレンズ光学系514、光偏向器516、フォーカシングレンズ光学系518に至る光学系は、一体的にユニット化されており、副走査駆動系520により、副走査方向(図中矢印S方向)に所定速度で移動するように構成されている。
【0146】
ここで画像露光装置501における画像を形成するために用いられる照明光学系は、照明光源510、レンズ群530、ミラー532およびDMD512を有して構成される。ここで、DMD512に入射される入射光Linは、図22に示すように、DMD512のマイクロミラー配列面の法線方向に対して主光線が30度傾斜するようにミラー532等が調整されている。そして、マイクロミラーの回転角度が+10度の状態で、ミラー配列面の法線方向に−10度傾斜した方向Aに主光線を持つ射出光Lonが射出され、マイクロミラーの回転角度が−10度の状態で、マイクロミラー配列面の法線方向に−50度傾斜した方向Bに主光線を持つ射出光Loff が射出される。射出光Lonがコリメーターレンズ光学系514を通過して、最終的に記録媒体524上に集束する。
【0147】
上述したようにDMD512に対する入射光Linの傾斜角度を30度とするのは、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向(方向A)の間の角度を、射出光Lonの主光線の偏向方向と射出光Loff の主光線の偏向方向(方向B)の間の角度とを略等しくさせるためである。ここで、角度を略等しくさせるとは、お互いの角度差を10度以内とすることを意味する。
【0148】
これにより、入射光Linの光束角度を最大40度まで広げることができ、光束角度40度ではF1.37となり、入射光Linの光量を十分に増大させることができる。
【0149】
このようにマイクロミラーの回転角度が+10度および−10度に設定されたDMDに対して、射出光Lonの主光線の偏向方向をミラー配列面の法線方向に傾斜させるように入射光Linを設定することで、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向との角度を、射出光Lonの主光線の偏向方向と射出光Loff の主光線の偏向方向との角度に略等しくすることができる。
【0150】
なお、図22に示す入射光Linの主光線の入射角度の例は、DMD512のマイクロミラーの回転角度が+10度および−10度であることを前提としたものであるが、これに限定されることなく、射出光の主光線の偏向方向を少なくとも2方向に自在に切り換える素子を持つ空間光変調素子を用い、入射光の主光線の入射方向と射出光の主光線の第1の偏向方向の間の角度を、射出光の主光線の第1の偏向方向と射出光の主光線の第2の偏向方向の間の角度とを略等しくさせるように、空間光変調素子に応じて入射光の入射角度を設定すればよい。
【0151】
このようにして射出光Lonは、光偏向器516に至り、偏向角度に応じて偏向されて、フォーカシングレンズ光学系518に到る。ここで、コリメーターレンズ光学系514は、図23に示すように、DMD512のマイクロミラー配列面に平行に配するのが好ましい。射出光Lonの主光線は、上述したようにDMD512のマイクロミラー配列面に垂直方向でないため、射出光Lonの主光線は、コリメーターレンズ光学系514の光軸に傾斜した角度でコリメーターレンズ光学系514を通過するが、このような状態において、コリメーターレンズ光学系514をDMD512のマイクロミラー配列面に平行に配することで、記録媒体524上に良好な画像を結像させることができるからである。
【0152】
なお、本実施の形態では、入射光Linの光束角度を、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向の間の角度と同等としたが、本発明では、この角度より小さくてしてもよい。しかし、より大きな光量を確保するためには、入射光Linの光束角度を、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向の間の角度と同等とするのがよい。
【0153】
本実施の形態では、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向(方向A)の間の角度を、射出光Lonの主光線の偏向方向と射出光Loff の主光線の偏向方向(方向B)の間の角度とを略等しくさせるように、入射光Linの入射角を設定するものであるが、このような設定は、下記に示すように、DMD512のマイクロミラー配列面の前面に全反射プリズムを配置し、この全反射プリズムを利用して、図22に示す入射光Linと射出光Lonあるいは、射出光Lonと射出光Loff を分離してもよい。
【0154】
例えば、図24には、所定の臨界角を境にして入射した光の全反射、透過の作用を行なう境界面540及び541を持つ多角形状を成した全反射プリズム542が示されている。
【0155】
全反射プリズム542は、図24に示すように、境界面540において入射光Linを全反射させ、射出光Lonを透過させるとともに、境界面541において、射出光Lonを透過させ、射出光Loff を全反射させる光学素子であり、空気ギャップを面状に設けて境界面540、541が形成されたものである。
【0156】
すなわち、入射光Linと射出光Lonの分離が可能なように、入射光Linと射出光Lonの分離線546と境界面540の法線543との成す角度φを境界面540における臨界角とする。同様に、射出光Lonと射出光Loff の分離が可能なように、射出光Lonと射出光Loff の分離線547と境界面541の法線544との成す角度φ’を境界面541における臨界角とする。
【0157】
このような臨界角の設定により、たとえ光束角度がθを越えた入射光Linであっても、射出光Lonを分離線546と547で囲まれた範囲に制限することができる。
【0158】
このように、境界面540、541の全反射と透過を用いることで、入射光Linの光束角度を可能な限り広くすることができるとともに、入射光Linと射出光Lonの光路および射出光Loff と射出光Lonの光路をお互いに遠ざけることができ、各光を完全に分離することができる。従って、射出光Lonによって作られる画像は明るくなるほか、画像のコントラストも低下しない。
【0159】
また、光束の広い入射光であっても全反射プリズム42を用いることで、分離線46および47に挟まれた範囲に制限された射出光Lonが得られるので、全反射プリズム42に入射される入射光Linの光束角度は特に制限されない。しかし、光束角度を可能な限り、入射光Linの主光線の入射方向と射出光Lonの主光線の偏向方向の間の角度と同等、あるいは、この角度より小さいことが、照明光源の照射エネルギーを有効に利用する点から好ましい。
【0160】
次に、図21の画像露光装置501の作用を説明する。本実施の形態では、1枚の記録媒体に記録される画像全体を露光して記録するのに、この画像全体を小部分に分割し、この小部分をここでは1コマの画像ということにする。この1コマの画像の大きさは、DMD512の有するマイクロミラーの配列数、すなわち、DMD512によって形成される画像の画素数によって決まる。前述したように、本実施形態のDMD512は、1024画素×1280画素であり、この場合、これが1コマの画像のサイズとなる。
【0161】
露光記録にあたり、1コマの画像データが図示されないDMD512の変調信号発生器からDMD512に送られ、このデータに応じてDMD512の各マイクロミラーのオン/オフが制御される。ここに入射光Linが当たると、反射による射出光Lonが得られる。射出光Lonは、入射光Linの光束角度が、例えば40度であるので、この光束角度で射出される。
【0162】
射出光Lonを、コリメーターレンズ光学系514、光偏向器516、フォーカシングレンズ光学系518を介して、回転するドラム522の表面に保持された記録媒体524上に結像させる。
【0163】
ドラム522は、図中矢印Tで示した方向に一定の速度で回転している。この回転速度に合わせて、図示されない光偏向器ドライバにより光偏向器516を駆動して、光を主走査方向Mとは逆方向に偏向して、記録媒体524上に結像している1コマの画像が流れることなく、記録媒体524上で静止するようにする。
そして、ドラム522が、1コマ分すなわち主走査方向とは逆方向に1024画素分、あるいはそれ未満の画素数分回転する間、この1コマの画像の記録(露光)を行う。
【0164】
本実施の形態では、光偏向器516が、記録媒体524の移動に応じて射出光Lonを偏向することによって、記録媒体524の移動に画像を追随させて、記録媒体524上で結像される画像を記録媒体524に対して静止させる、いわゆる、画像の追随走査方式が採用されているが、本発明で適用する照明光学系は、これに限定されるものではなく、DMD512の複数のマイクロミラーへ画像データを複数回変更して送り、各マイクロミラーにより複数回露光するようにDMD512を制御し、記録媒体524の動きに同期させて画像を移動させ、記録媒体524上で画像を静止させる、いわゆる多重露光方式に適用してもよい。
【0165】
次に、本発明のさらに別の実施の形態である露光装置について、図25を参照して説明する。この図25の露光装置603で用いられている照明光学系601は、非偏光光を発する2つの光源610および620からの光をそれぞれ偏光変換素子615および625によりP偏光またはS偏光に変換した後、2つの偏光光を偏光合波する偏光素子である偏光ビームスプリッタ630によって偏光合波するものである。
【0166】
光源610および620は、それぞれ、放射状の非偏光光を発する放射光源としてのランプ611および621と、ランプ611および621から射出された放射光を略平行な光線束として射出するリフレクタ(凹面鏡)612および622とを有している。ランプ611および621としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプまたは水銀ランプ等の放電ランプが用いられる。また、リフレクタ612および622としては、放物面鏡を用いることが好ましいが、放物面鏡に限定されるものではなく、楕円面鏡を用いることもできる。
【0167】
光源610および620から射出された非偏光の光(ランダム偏光)が、それぞれ偏光変換され、偏光ビームスプリッタ630によって合波されるまでの行程は互いに同じである。
【0168】
光源610から射出された光は、インテグレータ光学系を構成する第一のレンズアレイ板613および第二のレンズアレイ板614を通過した後、偏光変換素子615でP偏光に変換される。偏光変換素子615でP偏光に変換された光は、レンズ616および617を透過した後、偏光ビームスプリッタ630に入射する。
【0169】
一方、光源620から射出された光は、インテグレータ光学系を構成する第一のレンズアレイ板623および第二のレンズアレイ板624を通過した後、偏光変換素子625でS偏光に変換され、レンズ626およびレンズ627を透過した後、偏光ビームスプリッタ630に入射する。
【0170】
なお、レンズアレイ板は、略同一の開口形状のレンズを1次元的または2次元的に配列して構成されるものである。例えば、略矩形形状の輪郭を有する平凸状の小レンズを、1次元方向に、あるいは2次元方向にマトリクス状に配置して構成される。
【0171】
図26に、偏光変換素子615の概略構成をその一部を拡大して示す。この偏光変換素子615は、P偏光とS偏光を分離する誘電体多層膜をコーティングした偏光分離面615aおよび全反射面615bとλ/2波長板615cを有して構成されている。このように、偏光変換素子615は、P偏光とS偏光を分離する偏光分離面および全反射面(または複屈折材料でもよい)からなる分離部と、λ/2波長板(またはλ/4波長板でもよい)からなる変換部とからなっている。レンズアレイ板613、614を通過して偏光変換素子615に入射した光束650は、偏光分離面615aで、それぞれ互いに直交する2つの直線偏光成分の光束に分離される。すなわち、光束650のうち、P偏光651は偏光分離面615aを通過し、S偏光652は偏光分離面615aで反射される。
【0172】
なお図26において、両方向きの矢印の記号および白丸の中に点を打った記号は、それぞれの光の偏光方向を表したものである。すなわち、両方向きの矢印記号は、図の左右方向の偏光を表し、白丸の中に点を打った記号は、図の紙面に垂直な方向の偏光を表している。
【0173】
偏光分離面615aを透過したP偏光651は、そのまま偏光変換素子615から射出される。また、偏光分離面615aで反射されたS偏光652は、全反射面615bで全反射された後、λ/2波長板615cを通過することにより、P偏光に変換されて、偏光変換素子615から射出される。
【0174】
従って、偏光変換素子615に入射される光束650は、全てP偏光の光に変換されて射出されることとなる。
【0175】
図27に、偏光変換素子625の概略構成をその一部を拡大して示す。この偏光変換素子625も前記偏光変換素子615と同様に、P偏光とS偏光を分離する誘電体多層膜をコーティングした偏光分離面625aおよび全反射面625bとλ/2波長板625cを有して構成されているが、λ/2波長板625cの設置位置が前記偏光変換素子615とは異なっている。レンズアレイ板623、624を通過して偏光変換素子625に入射した光束660は、偏光分離面625aで、それぞれ互いに直交する2つの直線偏光成分の光束に分離される。すなわち、光束660のうち、P偏光661は偏光分離面625aを通過し、S偏光662は偏光分離面625aで反射される。偏光分離面625aを透過したP偏光661は、λ/2波長板625cを通過することにより、S偏光に変換されて、偏光変換素子625から射出される。また、偏光分離面625aで反射されたS偏光662は、全反射面625bで全反射され、そのまま偏光変換素子625から射出される。
【0176】
従って、偏光変換素子625に入射される光束660は、全てS偏光の光に変換されて射出されることとなる。
【0177】
再び図25にもどり、光源610から射出され偏光変換素子615でP偏光に変換された光、および光源620から射出され偏光変換素子625でS偏光に変換された光は、ともに偏光ビームスプリッタ630に入射される。
【0178】
光源610からのP偏光となった光は、偏光ビームスプリッタ630をそのまま透過し、光源620からのS偏光となった光は、偏光ビームスプリッタ630で反射されて、ともに偏光ビームスプリッタ630を出た後、ミラー631で反射され所定の角度で、被照明体であるDMD632に入射される。
【0179】
従って、DMD632は、光源610からの光と、光源620からの光の両方の光で照明されることとなる。本実施形態では、DMD632を照明する照明光は、DMD632に略テレセントリックに入射するように設計されており、偏光ビームスプリッタ630での合波効率が低下しないようになされている。
【0180】
上記DMD632には、図示しない制御手段により、画像を表す変調データが供給され、DMD632によって反射された画像を担持する光が、コリメータレンズ635およびフォーカシングレンズ636を介して、回転ドラム637の外面に装着された記録媒体638を露光して画像を記録する。
【0181】
回転ドラム637は、円筒状をしており、その中心軸の周りに所定速度で回転している。図25では回転ドラム637をその回転軸の方向から見た状態を表しており、図の紙面に垂直な方向に回転軸が延在している。DMD632やレンズ635、636を含む照明光学系601は、前記回転軸に沿って、図の紙面に垂直な方向に移動可能になっている。照明光学系601により、回転ドラム637の回転方向に主走査するとともに、これと略直交する回転軸に平行な方向に副走査を行い、記録媒体638を2次元的に走査露光し、画像を記録する。
【0182】
なお、記録媒体638としては、特に限定はなく、感光材料、フィルム、PS版等が用いられる。
【0183】
なお、上記実施形態における照明光学系601においては、インテグレータ照明光学系としてのレンズアレイ板が2枚用いられていたが、このレンズアレイ板は1枚でもよい。また、一対のレンズアレイ板の後方(光源に対して)に偏光変換素子を設けていたが(例えば、レンズアレイ板613および614の後方に偏光変換素子615を設置)、この一対のレンズアレイ板の間に偏光変換素子を設けるようにしてもよい。さらに、偏光変換素子をレンズアレイ板の極近傍に(例えば図24で偏光変換素子615をレンズアレイ板614のすぐ後方に設けたように)設けるようにしてもよい。
【0184】
次に、本発明において用いられるランプ光源の別の例について、図28を参照して説明する。この光源は、3つのランプからの光を合波するものであり、一般に、n個の光源からの光を合波する原理を示すものである。
【0185】
同図に示すように、このランプ光源からなる照明光学系670は、非偏光光を発する3つの光源680、690、700を有している。また、同図において、符号682、692、696、702で示すブロックは、いずれも、インテグレータ光学系と偏光変換素子の組み合わせを表しており、例えば図25における一対のレンズアレイ板613、614および偏光変換素子615およびレンズ616、617等の組み合わせからなる光学系である。また、符号694および704はいずれも2つの光の合波を行う偏光ビームスプリッタである。
【0186】
この構成では、まず光源680からの光を光学系682により例えばP偏光に変換し、光源690からの光を光学系692により例えばS偏光に変換して、図25の構成で説明したように、これら2つの偏光を偏光ビームスプリッタ694で偏光合波する。
【0187】
この偏光合波された光を再び光学系696で、例えばP偏光に変換し、一方光源700からの光を光学系702で例えばS偏光に変換して、これら2つの光を上と同様に、偏光ビームスプリッタ704により偏光合波して射出する。
【0188】
このようにして、光源がいくつあっても偏光合波を繰り返すことにより光量を増大させることができ、一般にn重の合波が可能である。また、このように照明光を合波することにより、低ワット数の光源でも光量を増加させることが可能であるとともに、光源を2個以上用いるため、万一一つの光源が何らかの原因で使用不能となった場合でも、光量は低下するが、装置としては、使用を続行することが可能である。
【0189】
次に図29を参照して、本発明の別の実施の形態である画像露光装置について説明する。この図29に示される画像露光装置710(以下、露光装置710とする)は、感光材料Pとして、印刷製版分野において通常に使用されているコンベンショナルPS版を用い、これを像様露光して画像(潜像)を記録する、いわゆるUV−CTP(Computer to Plate)である。このCTPは、パーソナルコンピュータ(PC)などを用いて編集作業等を行い、作成した各ページの(デジタル)画像データを生成して、この画像データに応じて変調した記録光でPS版を露光することにより、PC等からPS版に、直接、製版を行うものである。
【0190】
この露光装置710は基本的に、光源部712と、インテグレータ部714と、波長選択手段716と、光量調整手段718と、空間光変調素子であるデジタルマイクロミーデバイス720(以下、DMD720称する)と、結像光学系722と、ドラム724と、露光装置710の駆動制御手段(図示省略)等を有して構成されている。
【0191】
後に詳述するが、図示例の露光装置710は、アウタードラム(外面ドラム)を用いるドラムスキャナであって、ドラム724の側面に感光材料Pを巻回/保持して、ドラム724を回転しつつ、光学系とドラム724とを、ドラム724の軸線方向に相対的に移動することにより、DMD720によって変調された画像を担持する光によって、感光材料Pを二次元的に露光する。
【0192】
この露光装置710において、光源部712は、放電ランプ726と、放電ランプ726から出射された光を集光して、所定の方向に反射するリフレクタ728とから構成されている。
【0193】
ランプ光源としての放電ランプ726は、感光材料Pの分光感度特性に対応する光を十分な光量で出射できるものであれば、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプ等の各種の放電ランプが利用可能であるが、好ましくは、超高圧放電ランプおよびメタルハライドランプが利用される。
【0194】
なお、超高圧放電ランプとは、具体的には、点灯時の水銀蒸気圧が8×10Pa(約80気圧)以上で、より好ましくは電極間距離が2.5mm以下の放電ランプである。このような超高圧放電ランプは、例えば、特許第2829339号、同2980882号、特開平6−52830号、同11−111226号、同11−176385号、特開2000−294199号等の各公報に開示されている。
【0195】
このような超高圧放電ランプは、電極間距離(アーク長)が短い、いわゆるショートアーク型であるため、点光源に近く、DMD720のような受光面が小さい空間光変調素子でも効率よく照明することができ、通常の高圧水銀ランプ等に比して、光の利用効率を大幅に向上できる。しかも、水銀蒸気圧が高いので、i線、h線、およびg線等の水銀の輝線スペクトル以外にも、広い波長域にわたって連続するスペクトル出射するので、露光のための紫外線の光量が稼げ、感光材料P露光時間を短縮して、生産性を向上できる。また、メタルハライドランプも、同様の点で好適である。
【0196】
インテグレータ部714は、光源部712から出射された光を、ムラなく、かつ、効率良くDMD720に照射するためのものであり、第1レンズアレイ板730、第2レンズアレイ板732、第1フィールドレンズ734、および、第2フィールドレンズ736を有して構成されている。
【0197】
第1レンズアレイ板730および第2レンズアレイ板732は、小さな多数のレンズを配列してなるフライアイレンズである。第1レンズアレイ板730は、放電ランプ726からの光を空間分割して、第2レンズアレイ板732に集光する。また、第2レンズアレイ板732は、第1レンズアレイ板730の個々のフライアレイレンズ像を、第1フィールドレンズ734および第2フィールドレンズ736を介してDMD720上に結像する(ケーラ照明)。さらに、第1フィールドレンズ734および第2フィールドレンズ736は、個々のフライアレイレンズ像をDMD720上で合成する。
【0198】
このようなインテグレータ部714を有することにより、放電ランプ726からの光を、DMD720上において矩形化および均一化して照明することができる。
【0199】
インテグレータ部714を通過した光は、次いで、波長選択手段716に入射する。波長選択手段716は、波長選択ミラーで、感光材料Pの分光感度特性と一致する波長域の光を所定の光路に反射して、それ以外の波長域の光(不要光)を透過することにより、これ以降(下流側)の光学系に不要光が入射するのを防止するものである。図示例の露光装置710は、一例として、感光材料Pとして、波長350nm〜450nmの光(以下、単に紫外光とする)に分光感度を有するコンベンショナルPS版を用いるので、波長選択手段716は、この紫外光を光路に反射して、それ以外の不要光を透過する。
【0200】
放電ランプ、特に、本発明の露光装置710に好適に用いられる超高圧放電ランプやメタルハライドランプは、広範囲にわたる波長の光を出射するのは、前述の通りである。また、UV−CTP等に利用される露光装置710は、感光材料Pの分光感度特性に対応して最適設計されており、不要光が存在すると、光学部材の発熱の悪影響を受ける場合がある。
【0201】
これに対し、本実施の形態の露光装置710においては、波長選択手段716を配置することにより、ここで不要光を除去して、DMD720、結像光学系722、感光材料P等に不要光が入射するのを防止して、これによる悪影響を排除した、好適な感光材料Pの露光を行うことができる。
【0202】
波長選択手段716には、特に限定はなく、露光対象となる感光材料Pに応じて、必要な波長域の光とそれ以外の不要光をと分離(波長選択)できるものであれば、各種の手段等が利用可能である。中でも、光吸収による発熱に起因する破損を好適に防止できる等の点で、誘電体多層膜を利用する波長選択手段は好ましく利用される。
【0203】
また、図示例においては、必要な光を反射する波長選択ミラーを用いているが、逆に、紫外光を所定の光路に透過して、不要光を光路外に反射する、透過型の波長選択フィルタであってもよい。
【0204】
また波長選択手段716の設置位置にも、特に限定はなく、光学系の構成や用いる波長選択手段等に応じて適宜決定すればよいが、好ましくは、図示例のように、後述するDMD720(空間変調素子)よりも上流側(光源側)に配置する。
【0205】
この露光装置710においては、分離された不要光の進行先である波長選択手段716の裏面側に、不要光を吸収し、かつ、放熱する吸収手段738が配置される。これにより、不要光による悪影響を、より好適に防止でき、好ましい。
【0206】
吸収手段738としては、不要光を確実に吸収して、かつ、光吸収によって生じた熱を好適に放熱できるものであれば、各種のものが利用可能である。一例として、光を吸収する黒板と、この黒板に接触する放熱フィンや冷却風を当てるファンとの組み合わせ等が例示される。
【0207】
波長選択手段716で反射された紫外光は、次いで、光量調整手段718に入射して、光量を調整される。本例における光量調整手段718は、ターレット740と、回転駆動源742と、選択部744と、ミラー746とを有して構成されている。
【0208】
ターレット740は、図30に概念的に示されるように、8枚の光量調整ミラー748(748a〜748h)を有してなる円形のターレットである。
【0209】
また回転駆動源742は、中心軸740aを回転することにより、ターレット740を回転するものである。図示例の露光装置710においては、このターレット740の回転によって、選択された一枚の光量調整ミラー748を波長選択手段716からの紫外光の光路に挿入する。
【0210】
上記光量調整ミラー748は、それぞれ、紫外光の反射率が異なるミラーであり、一例として、光量調整ミラー748aが最も反射率が低く、光量調整ミラー748hに向かって、順次、反射率が高くなる。従って、光路に挿入する光量調整ミラー748を選択することにより、紫外光の反射光量、すなわちDMD720に入射する紫外光の光量を調整できる。
【0211】
なお、光量調整ミラー748で反射されずに透過した紫外光の進行先には、好ましい態様として、前述の吸収手段738と同様の吸収手段750が配置される。
【0212】
UV−CTPである本露光装置710で用いる光源としては、空間変調素子の照射効率や、コンベンショナルPS版の露光に必要な紫外光の光量等の点で、放電ランプ、中でも特に、超高圧放電ランプやメタルハライドランプ等が好適である。その反面、これらの放電ランプは、光源で光量調整ができず、代わりに、画像データの処理が光量調整も兼ねており、階調等との兼ね合いで調整に限界がある、画像データの演算処理に手間がかかる等の問題がある。
【0213】
これに対して本実施の形態では、光量調整手段により、感光材料Pを露光する光の光量調整を行う。そのため、光量の調整範囲を大幅に広げることができ、簡易な構成および操作で、適正な光量で感光材料Pの露光を行うことができる。また、画像データ処理にかかる光量調整分の負担を大幅に低減できるので、画像データの補正演算量を低減して、画像データ補正やDMD720の制御部の負担やコストを大幅に低減できる。
【0214】
本実施の形態の露光装置710において、光量調整手段には特に限定はなく、必要な波長域の光(図示例では紫外光)の光量調整を行えるものであれば、各種のものが利用可能である。また、図示例にような、反射光を利用するミラーにも限定はされず、必要な波長域の光を透過することで光量調整を行う、透過型のいわゆるNDフィルタでもよい。
【0215】
中でも特に、誘電体多層膜を利用するミラーやフィルタは、好適に利用される。誘電体多層膜は、光の吸収が少なく、熱による損傷や他の部材への悪影響を防止できる。従って、超高圧放電ランプやメタルハライドランプのように高光量の光源を好適に利用するUV−CTP等には、特に好適である。なお、誘電体多層膜を用いるミラーやフィルタは、公知のダイクロイックミラー(ダイクロイックフィルタ)等と同様にして作成することができる。
【0216】
光量調整ミラー748の数、すなわち光量調整の段階数にも特に限定は無く、感光材料Pの特性、放電ランプ726の光量や想定される光量変動量、感光材料Pを処理する現像装置等の性能や安定性、DMD720等の階調分解能(光源の光量変動に対する補正能力)等に応じて、適宜、決定すればよい。
【0217】
当然のことであるが、光量調整ミラー748の数が多くなるほど、広い光量範囲に対応でき、また、細かい光量調整を行うことができ、さらに、画像データの処理にかかる負担も低減することができる。しかしながら、光量調整ミラー748の数が多いほど、コスト的には不利である。本発明者の検討によれば、このような点を考慮して、十分な調整範囲および調整分解能を確保するためには、光量調整ミラー748の数は5〜10枚程度とするのが好ましい。
【0218】
紫外光の光路に挿入する光量調整ミラー748の選択、および回転駆動源742の回転駆動の制御は、放電ランプ726の光量測定の結果に応じて、選択部744によって行われる。
【0219】
前述のように、光量調整手段718はミラー746を有している。このミラー746は、結像光学系722とドラム724との間の紫外光光路に公知の手段で挿入/退避可能に構成されている。また、選択部744は、光路に挿入されたミラー746によって反射された紫外光を測光する光量センサを有している。さらに、選択部744には、光量センサによって測定された紫外光の光量と、使用すべき光量調整ミラー748との関係が、例えば、テーブル化されて設定されている。
【0220】
光路に挿入する光量調整ミラー748を選択する際には、例えば点灯時間によって放電ランプ726が安定していること確認した後に、DMD720が所定の状態に変調駆動(例えば、全画素(ミラー)がon)され、ミラー746が光路に挿入される。
【0221】
ミラー746によって反射された紫外光は、選択部744の光量センサによって測定される。選択部744は、この紫外光の光量から、前述のテーブルを用いて使用する光量調整ミラー748を選択し、それに応じて、回転駆動源742を駆動してターレット740を回転させ、選択した光量調整ミラー748を紫外光の光路に挿入する。
【0222】
このような光量調整ミラー748の選択は、例えば、放電ランプ726やミラー等の光学部材を変更した場合、感光材料Pのロットが変わった場合、露光装置710の起動時、1回の画像記録毎等、適宜、設定したタイミングで行えばよい。
【0223】
また、画像記録の結果(図示例のように、感光材料PがコンベンショナルPS版である場合には、得られた印刷物の状態)に対応して、使用する光量調整ミラー748は、外部からの入力指示等に応じて切り換え可能に構成してもよいのは、もちろんである。
【0224】
放電ランプ726の光量測定は、上記方法に限定はされず、各種の方法が利用可能である。例えば、ドラム724を移動可能にすると共に、前記記録位置に移動可能な光量センサを設置して、光量測定を行ってもよく、あるいは、後述する光学系ユニットの移動を利用して、光学系を所定位置まで軸線方向に移動して、この位置に光量センサを配置して、光量測定を行ってもよい。
【0225】
光量調整手段718を構成する光量調整ミラー748の配置位置には特に限定はなく、光学系や光量調整手段718の構成等に応じて、適宜決定すればよいが、画質等の点で、図示例のように、DMD720よりも上流とするのが好ましい。また、波長選択手段716を有する場合には、各光量調整ミラー748の設計の容易性や光量精度等の点で、これよりも下流に配置するのが好ましい。
【0226】
さらに、光量調整ミラー748の切り換えも、図示例のようなターレット740を用いる構成には限定されず、例えば、複数の光量調整ミラーを直線状に保持するスライド板を用いる方法、個々の光量調整ミラーに光路への挿入/退避手段を設ける方法等、各種の方法が利用可能である。
【0227】
図示例においては、波長選択手段716と光量調整のための光量調整ミラー748とを別々にしているが、本発明はこれに限定はされず、光量調整手段(あるいは波長選択手段)に波長選択と光量調整の2つの機能を持たせてもよい。
【0228】
但し、露光装置710等においては、装置(光学系)の小型化等の目的で複数の折り返しミラーが入るのが通常であり、また、波長選択と光量調整という2つの機能を高精度に有するフィルタは、設計が大変で、かつ、コストもかかる。従って、設計や装置コスト、精度等を考慮すると、図示例のように、波長選択手段と光量調整手段とは、別部材とする方が有利である。
【0229】
光量調整手段718の光量調整ミラー748に反射され、光量調整された紫外光は、光路調整用のミラー752によって所定の方向に反射され、所定の角度でDMD720の入射面に入射する。
【0230】
周知のように、DMD720は、所定の角度で個々に揺動(on/off)されるマイクロミラーを2次元的に、多数(例えば、SXGAであれば1280画素×1024画素)、配列してなるものであり、記録画像に応じて変調駆動されることにより、各マイクロミラーを個々に揺動して、入射した光を反射/変調して、画像を担持する投影光として出射する。
【0231】
なお空間光変調素子は、図示例のDMD720には限定はされず、液晶シャッタアレイ等の各種の空間光変調素子が利用可能である。また、空間変調素子は、一次元でもよい。
【0232】
前述の光量調整手段718による光量調整は、段階的であるので、必要に応じて、DMD720を駆動する画像データを補正することにより、DMD720による変調に紫外光の光量調整の作用を持たせてもよい。
【0233】
なお、本実施の形態の露光装置710においては、先に光量調整手段718において紫外光の光量調整を行っているので、画像データの補正を行っても、従来の装置に比して、演算量等を大幅に低減でき、DMD720の制御部や画像データ処理部にかかる負担を大幅に低減できる。
【0234】
DMD720で変調された、画像を担持する投影光は、結像光学系722によって、所定の画像記録位置に結像される。また、この画像記録位置には、ドラム724によって、感光材料Pが保持されている。
【0235】
なお結像光学系722は、複数のレンズを組み合わせてなる、公知の結像光学系である。
【0236】
ドラム724は、画像記録時に、外面に感光材料Pを巻き付けて回転する円筒であり、保持した感光材料P表面が前記画像記録位置となるように、軸線をDMD720の画素(マイクロミラー)配列方向の一方向に、回転方向を同画素配列方向の他方向に、光学的に一致して配置される。
【0237】
また、図示例においては、光源部712から結像光学系722に至る光学系は、一体的にユニット化されている。この光学系ユニットは、画像記録時に、公知の方法でドラム724の軸線方向に移動される(あるいは、ドラム724が回転しつつ、軸線方向に移動してもよい)。
【0238】
前述のように、図示例の露光装置710は、いわゆるドラムスキャナであって、このドラム724の回転(主走査)と、光学系ユニットの軸線方向への移動(副走査)とにより、光学系とドラム724とを相対的に移動し、画像を担持するDMD720の投影光によって、ドラム724に保持されている感光材料Pの全面を二次元的に照射し、画像を露光記録する。
【0239】
このような画像記録は、空間光変調素子とドラムスキャナとを用いた、公知の方法で行えばよい。具体的には、米国特許第5049901号明細書や欧州特許第0992350A1号公報等に開示される画像記録のように、ドラム724の回転(感光材料Pの移動速度)に同期して、DMD720上に形成する画像を光学的に同方向にシフト(移動)させることにより、この画像を感光材料P上に追従/静止させて、画像を露光する。この画像露光を、前述の光学系とドラム724の二次元的な相対移動と共に行うことにより、感光材料Pの全面に画像記録を行うことができる。
【0240】
あるいは、DMD720と結像光学系722との間に光偏向器を配置して、ドラムの回転に同期して、DMD720からの投影光をこの回転方向に偏向することにより、DMD720からの投影光を回転される感光材料Pに追従させ、DMD720の1画面の画像を所定の記録時間(露光時間)だけ感光材料P上の一定位置に静止させて、画像を記録してもよい。この画像記録を、前述の光学系とドラム724の二次元的な相対移動と共に行うことにより、前記DMD720の1画面の画像を感光材料P上に二次元的に配列して、感光材料Pの全面に画像記録を行うことができる。
【0241】
この画像記録方法は、本出願人による特願2000−316622号や同2001−116470号の明細書に詳述されている。
【0242】
なお、図示例の画像露光装置710は、いわゆるアウタードラムを利用するドラムスキャナであったが、本発明の露光装置はこれに限定せず、放電ランプと空間光変調素子とを組み合わせたものであれば、円筒内面に感光材料を保持する、いわゆるインナードラムを用いるものであってもよく、あるいは、平面状に感光材料を保持して光学系と相対的に移動することで二次元的な露光を行う、いわゆるフラットベッドを用いるものであってもよい。
【0243】
また、図示例の露光装置710は、好ましい態様として、波長選択手段と光量調整手段との両者を有しているが、これに限らず、いずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0244】
次に図31を参照して、本発明のさらに別の実施の形態による露光装置について説明する。この図31に示される画像露光装置810(以下、露光装置810とする)は、感光材料Pとして、印刷製版分野において通常に使用されている、波長350nm〜450nmの光(以下、紫外光とする)に分光感度特性を有するPS版(以下、コンベンショナルPS版とする)を用い、これを像様露光して画像(潜像)を記録する、いわゆるUV−CTPである。
【0245】
このような露光装置810は基本的に、光源部812と、インテグレータ部814と、光路変更用のミラー816(816a,816b,816c)と、空間光変調素子であるデジタルマイクロミラーデバイス818(以下、DMD818とする)と、結像光学系820と、ドラム822と、露光装置810の駆動制御手段(図示省略)等を有して構成される。
【0246】
後に詳述するが、図示例の露光装置810は、アウタードラム(外面ドラム)を用いるドラムスキャナであって、ドラム822の側面に感光材料Pを巻回/保持して、ドラム822を回転しつつ、光学系とドラム822とを、ドラム822の軸線方向に相対的に移動することにより、DMD818によって変調された画像を担持する投影光によって、感光材料Pを二次元的に露光する。
【0247】
なお、本発明において、対象とする感光材料Pには特に限定はないが、後述するショートアーク超高圧放電ランプを光源として用いる本発明においては、高光量の紫外光で露光を行うことができる。従って、効率の良い露光を行うために高光量の紫外光が必要な、図示例のようなコンベンショナルPS版は、特に好適に利用される。
【0248】
露光装置810において、光源部812は、2つのランプ824(824aおよび824b)と、各ランプ824に対応するリフレクタ826(826aおよび826b)とからなる光源828と、両ランプ824の状態をモニタするモニタ部830とを有して構成されている。
【0249】
本装置においては、露光光源となるランプ824として、ショートアーク超高圧放電ランプが用いられる。
【0250】
ショートアーク超高圧放電ランプとは、通常の高圧水銀ランプ等に比して、電極間の距離(アーク長)が短く、かつ、点灯時における水銀蒸気圧よりも高圧のランプである。好ましくは、点灯時の水銀蒸気圧が8×10Pa(約80気圧)以上、および、電極間距離が2.5mm以下の少なくとも一方、より好ましくは、両者を満たすランプが利用される。このようなショートアーク超高圧放電ランプについては、特許第2829339号、同2980882号、特開平6−52830号、同11−111226号、同11−176385号、特開2000−294199号の各公報等に詳述されている。
【0251】
このようなショートアーク超高圧放電ランプは、主にプロジェクタ等の可視光用途に用いられているが、本発明者らの検討によれば、このランプは、電極間距離が短いため点光源に近く、DMD818のような受光面が小さい空間光変調素子でも効率よく照明することができる。しかも、水銀蒸気圧が高いので、i線、h線、およびg線等の水銀の輝線スペクトル以外にも、広い波長域にわたって連続的なスペクトルを出射し、コンベンショナルPS版の分光感度特性に対応する紫外光を、高光量で出射する。
【0252】
すなわち、このショートアーク超高圧水銀ランプは、コンベンショナルPS版のように、効率のよい露光を行うためには、高光量の紫外線が必要な感光材料の露光光源として最適であり、本実施の形態の露光装置810は、ショートアーク型超高圧放電ランプを用いることにより、高光量の紫外光を高い利用効率で用い、すなわち露光光量を高くして、コンベンショナルPS版の露光時間を短縮し、生産性の良好なUV−CTPを実現している。
【0253】
図示例の露光装置810は、ランプ824を2つ用いているが、これに限定はされず、ランプ824の数は、1つでもよく、あるいは、3つ以上でもよく、ランプ824が出射する紫外光の光量、要求される生産性(露光時間)、感光材料Pの感度等に応じて、十分な光量を得られる数を、適宜、選択すればよい。
【0254】
光源部812において、このようなランプ824は、露光装置810が起動されると点灯して、ランプ交換のための消灯など特別な指示が出された場合を除いて、基本的に、装置の稼働終了まで点灯している。
【0255】
ここで、図示例の露光装置810は、好ましい態様として、ランプ824の点灯中に、ランプ824aおよび824b毎の総点灯時間、ならびに、ランプ824aおよび824b毎の点灯状態(点灯か不点灯か)をモニタし、その結果に応じて、各種の警告やランプ交換指示などの出力、ランプ824の消灯処理等を行う、モニタ部830を有している。なお、ランプ824の点灯時間および点灯状態のモニタは、各種の光学装置で行われている公知方法によればよい。
【0256】
前述のように、本発明でランプ824として用いられるショートアーク超高圧放電ランプは、UV−CTPの露光光源として最適であるが、その反面、一般的に破裂し易く、さらに、総点灯時間が或る時間(ランプの種類によって異なる)を超えると、破裂する確率が高くなるという特徴がある。
【0257】
これに対し、図示例の露光装置810は、個々のランプ824の総点灯時間および点灯状態をモニタし、それに応じて、ランプ交換の警告やランプの強制的な消灯処理を行う。これにより、ランプ824の破裂等を好適に防止して、十分な安全性を確保し、さらに、故障や破裂等によるランプ824の不点灯が生じた場合でも、状態を迅速に把握して、速やかな交換等の処理を可能にして、露光装置10の安定した稼働を実現している。
【0258】
以下、図32のフローチャートを参照して、モニタ部830について、より詳細に説明する。
【0259】
なお図示例の露光装置810は、二つのランプ824aおよび824bを有するものであるが、図32においては、総点灯時間のモニタについては、1つのランプ824(例えば、ランプ824a)に対応するフローのみを示す。しかしながら、他方のランプ824についても、全く同様のフロー(「電源ON」〜「メッセージの表示」までの、図32中下方に向かうフロー)に応じて、総点灯時間のモニタが行われているのは、言うまでもない。
【0260】
また、図示例においては、好ましい態様として、総点灯時間と点灯状態の両者をモニタしているが、モニタするのは、いずれか一方のみでもよい。
【0261】
露光装置810においては、装置が起動(電源on)されるとランプ824が点灯されるが、ランプ824が点灯している状態では、モニタ部830は、ランプ824aおよびランプ824bの個々について、常時、総点灯時間(露光装置810に装着されてからの点灯時間の合計)をモニタして、チェックしている。
【0262】
また、モニタ部830には、ランプ824の破裂を防止し、露光装置810の安全性を確保するための第1の所定時間および第2の所定時間が設定されている。この第1の所定時間および第2の所定時間は、装着するランプ824の仕様や保証点灯時間等に応じて、適宜、決定すればよい。図示例においては、一例として、第1の所定時間として1500時間(1500h)が、第2の所定時間として2000時間(2000h)が、それぞれ設定されている。
【0263】
モニタ部830が各ランプ824の総点灯時間をチェックして、その結果、総点灯時間が1500時間未満(N)であれば、このランプ824は、ON(点灯継続または点灯開始)となる。
【0264】
これに対し、総点灯時間が1500時間以上(Y)のランプ824については、さらに、総点灯時間が2000時間以上か否かがチェックされる。
【0265】
チェックの結果、総点灯時間が2000時間未満(N)である場合には、モニタ部830は、該当するランプ824の総点灯時間が1500時間を超えた旨を示すメッセージを出力すると共に、ランプ824をONとする。
【0266】
この際におけるメッセージの内容には、特に限定はなく、ランプ824の総点灯時間が1500時間が超えたことの報告、ランプ824の寿命が近いことの警告、早めの交換を促す内容等が例示される。図示例においては、一例として、「ランプNo.xが間もなく寿命です。 出来る限り早く交換して下さい。 ランプが寿命になると点灯出来なくなり、製版が出来なくなります。」とメッセージが出力される。
【0267】
メッセージの出力方法にも特に限定はなく、各種の出力方法が可能である。例えば、露光装置810に設けられたディスプレイへの表示、音声出力、メッセージを記録したハードコピーの出力、これらの2以上の組み合わせ、等が例示される。なお、この点に関しては、他のメッセージも同様である。
【0268】
一方、ランプ824の総点灯時間が2000時間以上である場合、モニタ部830は、このランプ824を強制的に消灯すると共に、このランプ824の交換を指示する旨を示すメッセージを出力する。
【0269】
ランプ824の総点灯時間が2000時間以上の場合のメッセージの内容には、特に限定は無く、ランプが寿命である旨の警告、ランプ824の交換の指示、ランプ824を点灯出来ないことの警告等が例示される。図示例においては、一例として、ランプ824の総点灯時間が2000時間以上となった場合には、「No.xのランプが寿命です。 ランプを点灯することが出来ません。 直ちにランプを交換して下さい。」とのメッセージが出力される。
【0270】
一方、前述のように、ランプ824の総点灯時間が2000時間未満である場合には、該当するランプ824はONとなるが、ランプ824が点灯している状態では、モニタ部830は、各ランプ824毎の総点灯時間とは別に、常時、各ランプ824毎に点灯状態(点灯か、不点灯か)をモニタし、チェックしている。
【0271】
モニタ部830が各ランプ824の点灯状態をチェックした結果、全てのランプ824が点灯(Y)していれば、露光装置810が露光中(感光材料Pの画像記録中)か否かが確認される。その結果、露光中(Y)であれば、露光が継続され、露光中(N)ではなければ、露光待機状態(露光指示待ち)となる。
【0272】
一方、モニタ部830が各ランプ824の点灯状態を確認した結果、不点灯のランプ824が有る(N)場合にも、同様に、露光装置810が露光中か否かが確認され、露光中(Y)であれば、露光が中断される。
【0273】
また、不点灯のランプ824がある場合には、露光中であっても(Y)、露光中ではなくても(N)、モニタ部830は不点灯のランプ824を消灯状態とし、さらに、このランプ824が不点灯である旨を示すメッセージを出力する。なお、露光装置810においては、好ましい態様として、不点灯のランプ824が存在しても、露光速度を遅く(すなわち、露光時間を長くする)することにより、露光が可能なように構成されている。
【0274】
メッセージの内容には、特に限定は無く、不点灯のランプがある旨の警告、不点灯のランプ824の番号、不点灯のランプ824の交換の指示、露光時間が遅くなる旨の警告等が例示される。図示例においては、不点灯のランプ824が存在する場合には、「No.xのランプが点灯していません。 直ちにランプを交換して下さい。 このまま記録することもできますが、記録時間が長くなります。」とのメッセージが出力される。
【0275】
このような光源部812(その光源828)から出射された光は、インテグレータ部814に入射する。インテグレータ部814は、光源828から出射された光を、ムラなく、かつ、効率良くDMD818に照射するためのものであり、第1レンズアレイ板838、第2レンズアレイ板840、第1フィールドレンズ842、および、第2フィールドレンズ844を有して構成されている。
【0276】
第1レンズアレイ板838および第2レンズアレイ板840は、小さな多数のレンズを配列してなるフライアイレンズである。第1レンズアレイ板838は、ランプ824からの光を空間分割して、第2レンズアレイ板840に集光する。第2レンズアレイ板840は、第1レンズアレイ板838の個々のフライアレイレンズ像を、第1フィールドレンズ842および第2フィールドレンズ844を介してDMD818上に結像する(ケーラ照明)。さらに、第1フィールドレンズ842および第2フィールドレンズ844は個々のフライアレイレンズ像をDMD818上で合成する。
【0277】
このようなインテグレータ部814を有することにより、ランプ824からの光を、DMD818上において矩形化および均一化して照明することができる。
【0278】
インテグレータ部814を通過した光は、次いで、光路変更用のミラー816a、816bおよび816cで反射され、空間光変調素子であるDMD818の受光面に所定の角度で入射する。
【0279】
なお、露光に不要な光を除去するために、3枚のミラー816の1枚は、感光材料Pの分光感度特性に対応する紫外光のみを所定の光路に反射し、他の波長の光(不要光)透過する、波長選択ミラーとなっているのが好ましい。
【0280】
DMD818は、所定の角度で個々に揺動(on/off)されるマイクロミラーを2次元的に、多数(例えば、SXGAであれば1280画素×1024画素)、配列してなるものであり、記録画像に応じて変調駆動されることにより、各マイクロミラーを個々に揺動して、入射した光を反射/変調して、画像を担持する投影光として出射する。
【0281】
なお、光源部812のモニタ部830によって不点灯のランプ824が有ることが確認されたにも関わらず、露光を行う場合には、DMD818による変調の周波数は、不点灯のランプ824の数に応じて低減される。
【0282】
なお空間光変調素子は、図示例のDMD818には限定されず、液晶シャッタアレイ、等の各種の空間光変調素子が利用可能である。
【0283】
DMD818で変調された、画像を担持する投影光は、結像光学系820によって、所定の画像記録位置に結像される。また、この画像記録位置には、ドラム822によって、感光材料Pが保持されている。
【0284】
なお、結像光学系820は、複数のレンズを組み合わせてなる、公知の結像光学系である。ドラム822は、画像記録時に、外面に感光材料Pを巻き付けて回転する円筒であり、保持した感光材料P表面が前記画像記録位置となるように、軸線をDMD18の画素(マイクロミラー)配列方向の一方向に、回転方向を同画素配列方向の他方向に、光学的に一致して配置される。
【0285】
また、図示例においては、光源828から結像光学系820に至る光学系は、一体的にユニット化されている。この光学系ユニットは、画像記録時に、公知の方法でドラム822の軸線方向に移動される(あるいは、ドラム822が回転しつつ、軸線方向に移動してもよい)。
【0286】
前述のように、図示例の露光装置810は、いわゆるドラムスキャナであって、このドラム822の回転(主走査)と、光学系ユニットの軸線方向への移動(副走査)とにより、光学系とドラム822とを相対的に移動し、画像を担持するDMD818の投影光を、ドラム822に保持される感光材料Pに二次元的に照射し、全面に画像を記録する。
【0287】
なお、光源部812のモニタ部830によって不点灯のランプ824が有ることが確認されたにも関わらず、露光を行う場合には、このドラム822の回転速度は、不点灯のランプ824の数に応じて、低下される。
【0288】
本装置においては、このような画像記録は、空間光変調素子とドラムスキャナとを用いた、公知の方法で行えばよい。その具体的な方法としては、図29に示した装置の説明中で挙げた方法が同様に適用可能である。
【0289】
次に図33を参照して、本発明の露光装置のさらに異なる実施の形態について説明する。この図33に概略構成を示す画像露光装置910は、二次元空間光変調素子であるDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)と、いわゆるエクスターナルドラム(外面ドラム)を用いて、感光材料を2次元的に走査露光する装置であり、基本的に、光源部912と、均一照射光学系914と、コリメーターレンズ916と、可動ミラーシャッタ(回転可能な反射ミラー)918と、DMD920と、結像光学系922と、エクスターナルドラム924(以下、単にドラム924とする。)と、副走査駆動系(図示省略)とを有する。
【0290】
ランプ光源部912は、ドラム924の外面に巻き付けられた感光材料を露光する照明光を射出するもので、ランプ926とリフレクタ928とを有して構成されている。
【0291】
ランプ926としては、十分な光量の光を射出できるものであれば、対象となる感光材料の分光感度に応じた各種のランプが利用可能である。例えば、感光材料が、紫外線による露光が可能な、通常に用いられるPS版(コンベンショナルPS版)であれば、超高圧水銀灯やメタルハライドランプ等の紫外線ランプを用いればよい。
【0292】
リフレクタ928は、ランプ926を内包し、内面が光反射層となっている回転楕円面で、ランプ926から射出された照明光を反射して、その焦点位置に集光する。
【0293】
光源部912から射出された光は、次いで、均一照射光学系914に入射する。この均一照射光学系914は、DMD920に入射する光(光量分布)を、DMD920の面方向(2次元的な画素配列方向)で均一にするもので、図示例においては、コリメーターレンズ930とフライアイレンズ932とを有して構成されている。
【0294】
均一照射光学系914は、リフレクタ928による集光位置のすぐ下流(光の進行方向の下流)に配置され、光源部912から射出された照明光をコリメーターレンズ930で平行光にした後、矩形形状のフライアイレンズ932で拡散することにより、DMD920に入射する光を、DMD920の画素配列に対応する矩形で、かつ、その光量分布が均一な光とする。
【0295】
均一照射光学系914で拡散された照射光は、コリメーターレンズ916によって平行光とされた後、画像露光時は、可動ミラーシャッタ918により所定方向に反射され、反射光はDMD920に入射する。
【0296】
可動ミラーシャッタ918は、符号918aで示す位置と符号918bで示す位置との間を回動可能となっている。通常の画像露光時は、可動ミラーシャッタ918は符号918aで示す位置にあり、DMD920におけるマイクロミラーの回転角を±θとした際に、DMD920(水平位置のマイクロミラー)への入射角が2θとなるように、前記平行光を反射する。例えば、マイクロミラーの回転角が±10°であれば、可動ミラーシャッタ918は、DMD920への入射角が20°となるように、平行光とされた光源部912からの照明光を反射する。
【0297】
また、可動ミラーシャッタ918は、非画像露光時には、符号918bで示す位置まで回転させられ、照明光がDMD920に入射しないように反射するが、これについては後述する。
【0298】
DMD920は、所定の回転軸を中心に所定角度回転(揺動)可能な矩形のマイクロミラーを、2次元的に配列してなる二次元空間光変調素子で、静電的にマイクロミラーを回転することにより、各マイクロミラー(=画素)毎に露光をオン/オフして、光を変調する。このようなDMD20は、半導体装置の製造プロセスを応用したマイクロマシン技術によってシリコンチップ上に作成される。
【0299】
例えば、前述のように、マイクロミラーの回転角が±10°とすると、露光オンであれば、マイクロミラーの回転角は+10°となり、入射角20°で入射した光は、DMD920(水平位置のマイクロミラー)の法線方向に反射されて画像を担持する光として結像光学系922を経てドラム924に入射し、結像する。逆に、露光オフであれば、マイクロミラーの回転角は−10°となり、入射角20°で入射した光は、図に破線の矢印で示すように、DMD920(水平位置のマイクロミラー)の法線方向に対して40°の角度で反射され、結像光学系922には入射しない。
【0300】
図示例の露光装置910においては、一例として画素間隔が17μmで、1280画素×1024画素のDMD920を用いている。
【0301】
また、ドラム924の回転方向とDMD920の1024画素の画素列方向とが光学的に一致し(この方向を主走査方向と言う)かつドラム924の軸線方向とDMD920の1280画素の画素列方向とが光学的に一致(この方向を副走査方向と言う)するように、各部材が配置される。
【0302】
なお本実施の形態では、二次元空間光変調素子は図示例のようなDMD920には限定されず、液晶表示装置(LCD)、強誘電性液晶による空間光変調素子等、公知の各種の二次元空間光変調素子が各種利用可能である。しかし、中でも、変調速度が速く、光の利用効率が高い等の点で、DMDが最も好ましい。
【0303】
画像露光時に、DMD920によって(水平位置のマイクロミラー)の法線方向に反射された画像を担持する光(すなわちDMD920によって形成される画像)は、結像光学系922によって、ドラム924の表面(そこに保持された感光材料の表面)に結像する。DMD920の中心画素は結像光学系922の光軸に一致しており、またこの光軸は、ドラム924の接線に直交するように各部位が配置されている。
【0304】
図示例の露光装置910は、一例として、2400dpiの画像を露光する。
従って、露光面上における画素間隔は10.58μmであるので、結像光学系922は、0.623倍の倍率でDMD920によって変調・反射された画像を担持する光をドラム924に結像する。すなわち、露光面上における露光エリアは最大で、13.5mm×10.8mmとなる。
【0305】
ドラム924は、外面に感光材料を装着して、軸線を中心に回転する円筒である。本実施形態の露光装置910においては、光源部912から結像光学系922に至る系は、図中に点線で示されるように、一体的にユニット化されており(以下、光学系ユニット956とする。)、公知の方法で副走査方向に所定速度で移動するように構成されている。
【0306】
露光装置910は、いわゆるドラムスキャナで、感光材料の露光時には、記録する画像に応じて変調した光をドラム924(の外面上の感光材料)に入射して、ドラム924を回転しながら、副走査方向に光学系ユニット956を移動する。これにより、画像を担持する光によって感光材料を2次元的に走査露光して、画像を記録し、例えば、コンベンショナルPS版が製版される。
【0307】
前述のように、この露光装置910においては、露光面上における副走査方向の露光エリアは最大で13.5mmであるので、例えば、ドラム924が一回転すると光学系ユニット956が13.5mmだけ副走査方向に移動する。またDMD920は、副走査方向に1280画素を有するので、露光装置910においては、1280画素を多重露光することが可能である。
【0308】
本実施形態の露光装置910においては、このような露光時に、ドラム924の回転(主走査)に同期してDMD920が形成する画像(DMD920における変調)も主走査方向に走査(移動)することにより、多重露光を行う。すなわち、ドラム924が1画素(10.58μm分)回転すると、DMD920による形成画像も、1画素分主走査方向に移動する。従って、図示例であれば、最大で、1024回の多重露光が行われる。
【0309】
このような多重露光を行うことにより、光の利用効率を高くして、十分な光量で感光材料を露光することができ、例えば、超高圧水銀灯等の一般的な紫外線ランプを用いて、コンベンショナルPS版を露光して、製版を行うことが可能となる。あるいは、階調画像を記録する場合であれば、主走査方向の画素数を十分に利用して目的とする分解能の階調画像を記録できる。特に、図示例のようなDMD920は、LCD等に比べて光の利用効率が高いので、より好適な画像露光が可能である。
【0310】
ところで、この画像露光装置910においては、光源部912を一度電源オフにすると、再度オンにしたときに光量が安定するまでに時間が掛かるため、画像露光のオン/オフにかかわりなく、常に光源部912は点灯し放しにして、DMD920に対して、照明光を照射し続けている。従って、DMD920は、照明光、特に、近紫外光の照射を受け続けているため、故障頻度が上がり、二次元空間光変調素子の寿命が短くなるという問題がある。
【0311】
そこで、この画像露光装置910においては、非画像露光時には、照明光が二次元空間光変調素子を照射しないようにする光学系を備えるようにしている。すなわち、本実施形態では、通常、光源部912からの照明光をDMD920に向けて反射する反射ミラーを、可動ミラーシャッタ918として、回転可能とし、照明光の反射方向を変えて、非画像露光時には、照明光がDMD920に入射しないようにしている。
【0312】
可動ミラーシャッタ918は、感光材料への画像記録制御と同期をとりながら、符号918aで示すDMD920に照明光を入射させるように反射する位置と、符号918bで示すDMD920に照明光を入射させないように反射する位置との間を回動する。
【0313】
そして、非画像露光時には、可動ミラーシャッタ918を符号918bの位置まではね上げて照明光を光源部912の近くへ反射して、反射光がDMD920へ入射しないようにする。
【0314】
このとき、光源部912の近くに光吸収板934を設けておき、そこへ向けて照明光を戻すようにして、さらに光吸収板934で吸収した光パワーをヒートシンク等で放熱するようにするとよい。
【0315】
このように、非画像露光時においてはDMD920に照明光(近紫外光)が照射されないようにすることで、光源部912をオフする必要もないため、光源を安定させたまま、二次元空間光変調素子の寿命を向上させることができる。
【0316】
なお、非画像露光時に、照明光が二次元空間光変調素子を照射しないようにする光学系としては、上で説明した可動ミラーシャッタ918に限定されるものではなく、DMD920に照明光を入射させないようにするものであればさまざまなものが利用可能である。
【0317】
例えば、上記実施形態で用いた可動ミラーシャッタ918を、通常の固定された反射ミラー918とし、図の符号918bの位置に別の反射ミラーを非画像露光時にのみ挿入するようにしてもよい。すなわち、画像露光時には、反射ミラー918でDMD920に向けて照明光を所定角度で反射し、非画像露光時には、反射ミラー918とは別の反射ミラーを符号918bの位置に挿入して、照明光を光吸収板934に向けて反射するようにする。
【0318】
あるいは、その他、可動ミラーシャッタ918を通常の固定された反射ミラー918とし、符号918bの位置に反射ミラーの代わりにシャッタ(遮光板)を挿入して光を遮り、照明光がDMD920に入射しないようにしてもよい。または、符号918bの位置にいわゆるシャッタを設けて、画像露光時には、シャッタを開放し、非画像露光時には、シャッタを閉じるようにして、照明光を遮るようにしてもよい。
【0319】
このように、シャッタで照明光を遮るようにした場合には、前記光吸収板934は不要である。
【0320】
また、上で説明した画像露光装置は、二次元空間光変調素子を用いて多重露光して感光材料に画像を記録するものであるが、画像を露光する方式は、このような多重露光方式に限定されるものではなく、ステップアンドリピート露光方式や、ドラムの動きと同期を取りながら、記録媒体上に結像されるべき画像を移動して、記録媒体上において画像を相対的に静止させて画像露光を行ういわゆる追随走査露光方式でもよいのはもちろんである。
【0321】
また光源も、放電ランプに限らず、ハロゲンランプのようにオンしてから安定するまでに時間のかかる光源を用いる場合にも、本発明は好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による露光装置の外観を示す斜視図
【図2】図1の露光装置に用いられたスキャナを示す斜視図
【図3】感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図(A)と、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図(B)
【図4】図1の露光装置における露光ヘッドの概略構成を示す斜視図
【図5】図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図
【図6】デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の部分拡大図
【図7】上記DMDの動作を説明する説明図
【図8】DMDを傾斜配置しない場合(A)と、傾斜配置する場合(B)とにおける露光ビームの配置および走査線を比較して示す説明図
【図9】従来の露光ヘッドの一例を示す側面図
【図10】DMDの使用領域の例を示す説明図
【図11】スキャナによる1回の走査で感光材料を露光する露光方式を説明するための概略図
【図12】スキャナによる複数回の走査で感光材料を露光する露光方式を説明するための概略図
【図13】マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図(A)と、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図(B)
【図14】本発明に用いられるランプ光源の別の例を示す概略構成図
【図15】図14のランプ光源に用いられた偏光変換素子を示す概略構成図
【図16】図14のランプ光源に用いられた別の偏光変換素子を示す概略構成図
【図17】図14のランプ光源に用いられた第二のレンズアレイ板の構成を示す説明図
【図18】第一および第二のレンズアレイ板と偏光変換素子を一体化した構成を示す説明図
【図19】本発明に用いられるランプ光源のさらに別の例を示す概略構成図
【図20】本発明に用いられるランプ光源のさらに別の例を示す概略構成図
【図21】本発明の別の実施の形態による画像露光装置を示す概略構成図(a)と、その一部を示す概略図(b)
【図22】図21(a)の画像露光装置における照明光学系の一例を説明する説明図
【図23】図21(a)の画像露光装置におけるレンズ光学系の配置の一例を説明する説明図
【図24】図21(a)の画像露光装置に全反射プリズムを適用した際の光の作用を説明する説明図
【図25】本発明のさらに別の実施の形態による画像露光装置を示す概略構成図
【図26】図25の画像露光装置に用いられた偏光変換素子を示す概略構成図
【図27】図25の画像露光装置に用いられた別の偏光変換素子を示す概略構成図
【図28】本発明に用いられるさらに別のランプ光源を示すブロック図
【図29】本発明のさらに別の実施の形態による画像露光装置を示す概略構成図
【図30】図29に示される画像露光装置に配置される光量調整手段のターレットの概念図
【図31】本発明のさらに別の実施の形態による画像露光装置を示す概略構成図
【図32】図31に示される画像露光装置におけるランプのモニタを説明するためのフローチャート
【図33】本発明のさらに別の実施の形態による画像露光装置を示す概略構成図
【符号の説明】
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52,54,57,58 結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面
59 アパーチャアレイ
66 水銀ランプ
67 照射レンズ系
71 コリメーターレンズ
72,73 マイクロフライアイレンズ
74 フィールドレンズ
150 感光材料
152 ステージ
162 スキャナ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
210,220,230,240 光源
250,260,270 偏光ビームスプリッタ
212,222,232,242,252,282 第一のレンズアレイ板、偏光変換素子及び第二のレンズアレイ板から成る光学系
320 第一の光源
321,331 ランプ
322,332 リフレクタ
324,334 第一のレンズアレイ板
326,336 偏光変換素子
326a,336a 偏光分離面
326b,336b 全反射面
326c,336c λ/2波長板
328,338 第二のレンズアレイ板
330 第二の光源
340 偏光ビームスプリッタ(偏光素子)
340a 偏光分離面
510 照明光源
510a ランプ
512 デジタルマイクロミラーデバイス
514 コリメーターレンズ光学系
516 光偏向器
518 フォーカシングレンズ光学系
520 副走査駆動系
522 エクスターナルドラム
524 記録媒体
530 レンズ群
540,541 境界面
542 全反射プリズム
543,544 法線
546,547 分離線
610,620 光源
611,612 ランプ
612,622 リフレクタ
613,623 第一のレンズアレイ板
614,624 第二のレンズアレイ板
615,625 偏光変換素子
615a,625a 偏光分離面
615b,625b 全反射面
615c,625c λ/2波長板
616,617,626,627 レンズ
630 偏光ビームスプリッタ
631 ミラー
632 DMD
636 フォーカシングレンズ
637 回転ドラム
638 記録媒体
680,690,700 ランプ光源
682,692,696,702 (偏光変換素子等を含む)光学系
694,704 偏光ビームスプリッタ
710 露光装置
712 光源部
714 インテグレータ部
716 波長選択手段
718 光量調整手段
720 DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)
722 結像光学系
724 ドラム
726 放電ランプ
728 リフレクタ
730 第1レンズアレイ板
732 第2レンズアレイ板
734 第1フィールドレンズ
736 第2フィールドレンズ
738,750 吸収手段
740 ターレット
742 回転駆動源
744 選択部
746,752 ミラー
748(748a〜748h) 光量調整ミラー
810 (画像)露光装置
812 光源部
814 インテグレータ部
816(816a,816b,816c) ミラー
818 DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)
820 結像光学系
822 ドラム
824(824a,824b) ランプ
826(826a,826b) リフレクタ
828 光源
830 モニタ部
838 第1レンズアレイ板
840 第2レンズアレイ板
842 第1フィールドレンズ
844 第2フィールドレンズ
910 画像露光装置
912 光源部
914 均一照射光学系
916,930 コリメーターレンズ
918 可動ミラーシャッタ
918a,918b 可動ミラーシャッタが回動する位置
920 DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)
922 結像光学系
924 (エクスターナル)ドラム
926 ランプ
928 リフレクタ
932 フライアイレンズ
934 光吸収板
956 光学系ユニット

Claims (5)

  1. 露光面に対して所定方向と交差する方向に移動される露光ヘッドであって、
    照射された光を各々制御信号に応じて変調する多数の画素部が2次元状に配列されてなる複数の空間光変調素子と、
    これらの空間光変調素子の1つに対して1個ずつ設けられた複数のランプ光源と、
    該ランプ光源から発せられた光を前記空間光変調素子に照射させる照射光学系と、
    前記複数の空間光変調素子によって空間変調された光が担う像を前記露光面上に結像させる結像光学系とからなる露光ヘッド。
  2. 前記画素部の全個数より少ない個数の複数の画素部の各々を、露光情報に応じて生成した制御信号に基づいて制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の露光ヘッド。
  3. 前記制御手段により制御される画素部は、前記所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い領域に含まれる画素部であることを特徴とする請求項2記載の露光ヘッド。
  4. 前記ランプ光源と前記空間光変調素子との間に、ランプ光源から発せられた光の光量分布を該空間光変調素子上で略均一になるように補正する光量分布補正光学系を備えたことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の露光ヘッド。
  5. 請求項1から4いずれか1項に記載の露光ヘッドと、
    該露光ヘッドを露光面に対して所定方向と交差する方向に相対移動させる移動手段とを備えてなる露光装置。
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