JP2004153134A - Icチップ、miセンサ、及び電子機器 - Google Patents

Icチップ、miセンサ、及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2004153134A
JP2004153134A JP2002318251A JP2002318251A JP2004153134A JP 2004153134 A JP2004153134 A JP 2004153134A JP 2002318251 A JP2002318251 A JP 2002318251A JP 2002318251 A JP2002318251 A JP 2002318251A JP 2004153134 A JP2004153134 A JP 2004153134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
circuit
pulse wave
wave
chip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002318251A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kimura
岳史 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002318251A priority Critical patent/JP2004153134A/ja
Publication of JP2004153134A publication Critical patent/JP2004153134A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することを容易にすること。より詳細には、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になるようなICチップを提供すること。
【解決手段】第1パルス波とその遅延波又は遅延反転波である第2パルス波とのAND、NAND、OR、NOR、ExOR、又はExNORをとって、MI素子に供給するためのパルスの励磁電流であって、前記第1パルス波よりパルス幅の小さいパルスの励磁電流を生成するICチップにおいて、当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、前記第1パルス波の波形と共に前記第1パルス波に対する前記第2パルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成を備えることを特徴とするICチップ。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICチップ、MIセンサ、及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁場を検知するための「磁気センサ」としては、MRセンサが広く知られている。MRセンサは、外部磁場により抵抗が変化する「磁気抵抗効果」を利用したMR素子(磁気抵抗効果型素子)による磁気センサであり、MR素子に直流の励磁電流を印可して誘起電圧により抵抗変化を検知するものである。
【0003】
磁場を検知するための「磁気センサ」としては、MIセンサも知られている。最近、軟磁性体により形成されるアモルファスワイヤに交流電流又はパルス電流を印可すると、アモルファスワイヤに平行な外部磁場成分に応じてアモルファスワイヤのインピーダンスが変化する「磁気インピーダンス効果」が発見された。MIセンサは、この「磁気インピーダンス効果」を利用したMI素子(磁気インピーダンス効果型素子)による磁気センサであり、MI素子に交流又はパルスの励磁電流を印可して誘起電圧によりインピーダンス変化を検知するものである。
【0004】
MIセンサは、MRセンサと比較して高感度であるため、地磁気や生体磁気のような微弱な磁場を検知するための「磁気センサ」として、広く応用されることが期待されている。例えば、AV機器の磁気ヘッドやGPS機器(カーナビゲーション機器等)の磁気コンパス(地磁気で方位を特定)として、すでに利用され始めている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−176930号公報
【特許文献2】
特開2001−296127号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
MIセンサにおいて、高感度に磁場を検知するためには、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御しなければならないが、パルス幅が小さくなるほどパルス幅を高精度に制御することが困難になる。
【0007】
したがって、本発明は、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することを容易にすることを課題とする。より詳細には、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になるようなICチップを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(ICチップ)は、第1パルス波とその遅延波又は遅延反転波である第2パルス波とのAND、NAND、OR、NOR、ExOR、又はExNORをとって、MI素子に供給するためのパルスの励磁電流であって、前記第1パルス波よりパルス幅の小さいパルスの励磁電流を生成するICチップにおいて、当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、前記第1パルス波の波形と共に前記第1パルス波に対する前記第2パルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明(ICチップ)は、第1パルス波とその遅延波又は遅延反転波である第2パルス波とのAND、NAND、OR、NOR、ExOR、又はExNORをとって、MI素子に供給するためのパルスの励磁電流であって、前記第1パルス波よりパルス幅の小さいパルスの励磁電流を生成するICチップにおいて、当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、波形制御電流に係る前記物理量と共に遅延量制御電流に係る前記物理量が回路的に定まり、前記波形制御電流に係る前記物理量により、前記第1パルス波の波形が回路的に定まり、前記遅延量制御電流に係る前記物理量により、前記第1パルス波に対する前記第2パルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明(ICチップ)は、請求項1又は2に記載の発明(ICチップ)に関して、前記制御電流は、直流電流であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明(ICチップ)は、請求項1又は2に記載の発明(ICチップ)に関して、前記制御電流に係る前記物理量は、前記制御電流の電流値であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明(MIセンサ)は、MI素子と、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明(電子機器)は、MI素子と、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップと、を備えるMIセンサを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明(ICチップ)では、パルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御するためには、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を小さくかつ高精度に制御しなければならないところ、当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、第1パルス波の波形と共に第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を回路的に定まるようにすることで、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を小さくかつ高精度に制御することが容易になり、パルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になる。
【0015】
請求項2に記載の発明(ICチップ)では、パルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御するためには、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を小さくかつ高精度に制御しなければならないところ、当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、波形制御電流に係る物理量と共に遅延量制御電流に係る物理量が回路的に定まり、波形制御電流に係る物理量により、第1パルス波の波形が回路的に定まり、遅延量制御電流に係る物理量により、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量が回路的に定まるようにすることで、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を小さくかつ高精度に制御することが容易になり、パルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になる。
【0016】
請求項5に記載の発明(MIセンサ)では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップを備えることで、高感度に磁場を検知することができるMIセンサが実現される。
【0017】
請求項6に記載の発明(電子機器)では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップを備えるMIセンサを備えることで、高感度に磁場を検知することができるMIセンサを備える電子機器が実現される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、MIセンサ11を表す。図1のMIセンサ11は、MI素子12と、ICチップ13と、ケース14とを備える。図1のMIセンサ11とICチップ13はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【0020】
ケース14には、MI素子12とICチップ13を収納するためのケース凹部15や、MIセンサ11の外部と内部(ICチップ13)を互いに接続するためのケース電極16が設けられている。ケース14は、セラミック、ガラス、プラスチック、シリコン等により形成されている。
【0021】
ICチップ13には、MI素子12と接続するための励磁電流用電極17・誘起電圧用電極18や、MIセンサ11の外部と接続するための出力信号用電極19が設けられている。ICチップ13は、励磁電流を励磁電流用電極17を介してMI素子12に供給し、これに応じた誘起電圧を誘起電圧用電極18を介してMI素子12から検知し、これに応じた出力信号を出力信号用電極19を介してMIセンサ11の外部に出力する。このようにして、外部磁場が誘起電圧により検知されて出力信号により出力されるのである。
【0022】
MI素子12としては、ここでは2個のMI素子12x・12yが設けられている。これにより、外部磁場の2成分(X軸成分とY軸成分)を検知することができるため、これを利用して外部磁場の大きさと方位を計算することができる。したがって、外部磁場として地磁気を検知するようにすれば、これにより、磁気コンパスを実現することができる。この場合、上記2成分は、計算の便宜のためには互いに垂直であることが望ましいが、平行でさえなければ垂直でなくても構わない。
【0023】
(MI素子12)
以下、図1のMI素子12について説明する。
【0024】
図2は、MI素子12の構成について説明するための図である。MI素子12は、アモルファスワイヤ21と、検知コイル22とを備える。アモルファスワイヤ21は、無磁歪のNiFe、CoFeB等の軟磁性体により形成されている。検知コイル22は、アモルファスワイヤ21を巻回するように設置されている。
【0025】
図3は、MI素子12の動作について説明するための図である。アモルファスワイヤ21に励磁電流Iを流すと、これにより図3Aのように、アモルファスワイヤ21の周囲に磁場Hが誘起される。アモルファスワイヤ21は強磁性体でもあるため磁化Mを有しており、これにより図3Bのように、アモルファスワイヤ21の周方向に磁化Mが配列される。
【0026】
励磁電流Iが交流である場合には、図3Bと図3Cのように、磁化Mの方向が周期的に変化する。この場合、アモルファスワイヤ21の軸方向に外部磁場Hxが印可されると、アモルファスワイヤ21の周囲には磁場Hと外部磁場Hxとの合成磁場H’が存在することになり、これにより図3Dと図3Eのように、磁化Mの方向が周期的に変化することになる。すると、アモルファスワイヤ21の軸方向の磁場が変化し、アモルファスワイヤ21を巻回するように設置されている検知コイル22(図3Aを参照)に、外部磁場Hxに比例した誘起電圧Vが誘起される。この誘起電圧Vにより、外部磁場Hxを検知することができる。なお、励起電流Iがパルスである場合にも、同様である。
【0027】
(ICチップ13)
以下、図1のICチップ13について説明する。
【0028】
図4は、ICチップ13の回路構成図であり、図5は、ICチップ13の処理波形図である。ICチップ13は、パルス生成回路41と、XY軸切替スイッチ42と、バッファ回路43と、スイッチング回路44と、検知回路45と、増幅回路46と、出力回路47とを備える。
【0029】
パルス生成回路41は、パルス電流を生成する。具体的に言うと、水晶発振器やマルチバイブレータ等の発振回路によりDUTY比約50%のパルス波を発振させ、これを分流させ、これらのそれぞれを遅延回路により遅延させ、これらの一方と他方のNOTとのANDをとって、周波数約0.2〜10MHzでパルス幅約1〜30nsecというパルス幅の小さいパルス電流(図5A参照)を生成する。パルス生成回路41の詳細については、後述することにする。
【0030】
XY軸切替スイッチ42は、そのパルス電流を振り分ける。具体的に言うと、XY軸切替信号用電極51を介して外部から供給されるXY軸切替信号(図5B参照)による制御のもと、パルス生成回路41により生成されたパルス電流を、X軸用のバッファ回路43xとY軸用のバッファ回路43yに振り分ける。XY軸切替信号は例えば、HとLとからなるディジタル信号であり、HのときはX軸用のバッファ回路43xに、LのときはY軸用のバッファ回路43yに振り分ける。XY軸切替信号は、MIセンサ11を実装する電子機器のMPU等から供給される。
【0031】
バッファ回路43は、そのパルス電流を増幅する。具体的に言うと、XY軸切替スイッチ42により振り分けられたパルス電流(図5C参照)を、それぞれX軸用のバッファ回路43xとY軸用のバッファ回路43yが増幅する。バッファ回路23は例えば、数個〜10数個のバッファがそれぞれ直列に接続されて構成されている。
【0032】
スイッチング回路44は、そのパルス電流をパルスの励磁電流としてMI素子12に供給する。具体的に言うと、それぞれX軸用のバッファ回路43xとY軸用のバッファ回路43yにより増幅されたパルス電流を、それぞれX軸用のスイッチング回路44xとY軸用のスイッチング回路44yがパルスの励磁電流(図5D参照)として、それぞれX軸用のMI素子12xとY軸用のMI素子12yに供給する。スイッチング回路44は例えば、MOSFETにより構成されており、ゲートからパルス電流を入力してソースからパルスの励磁電流を出力する。励磁電流は、100〜500mAの範囲内であることが望ましい。100mAより小さいとMI素子12の検知コイル22に十分な誘起電圧が誘起されずS/N比が悪化してしまい、500mAより大きいとX軸用のスイッチング回路44xとY軸用のスイッチング回路44yとのクロストークにより誤作動が発生してしまうからである。
【0033】
このようにしてICチップ13は、励磁電流を生成して励磁電流用電極17を介してMI素子12に供給する。MI素子12において、この励磁電流がアモルファスワイヤ21に流されると、これに応じて外部磁場に比例した誘起電圧(図5E参照)が検知コイル22に誘起される。ICチップ13(具体的には検知回路45)は、この誘起電圧を誘起電圧用電極18を介してMI素子12から検知する。なお、MI素子12において、アモルファスワイヤ21に流された励磁電流は、ICチップ13等のグランドGNDに落とされるようにする。
【0034】
検知回路45は、サンプリング回路52と、遅延回路53と、ホールド回路54と、増幅器55とを備え、誘起電圧をMI素子12から検知する。具体的に言うと、X軸用の励起電流により誘起されたX軸の誘起電圧とY軸用の励起電流により誘起されたY軸の誘起電圧を、それぞれX軸用のMI素子12xとY軸用のMI素子12yから検知する。
【0035】
検知回路45においてはまず、サンプリング回路52により誘起電圧のメインピークがサンプリングされる。サンプリング回路52は、アナログスイッチSWxとSWyにより構成されており、図5Eの各誘起電圧信号と共に図5Cの各パルス電流信号がそれぞれアナログスイッチSWxとSWyの制御部に入力され、図5Cのパルス電流がHのとき図5Eの誘起電圧が透過する。なお、バッファ回路43やスイッチング回路44により図5Eの誘起電圧は図5Cのパルス電流に対して遅延しているので、遅延回路53により図5Cのパルス電流を遅延させ、図5Eの誘起電圧と図5Cのパルス電流の立ち上がりを同期させる。こうして、誘起電圧のメインピークがサンプリングされる。サンプリングされた誘起電圧のメインピークは、ホールド回路54によりホールド(図5F参照)され、増幅器55により増幅(図5G参照)される。こうして、誘起電圧が検知される。
【0036】
検知回路45により検知された誘起電圧は、増幅回路46により所望の電圧に増幅され、出力回路47によりこれに応じた出力信号が生成され、出力信号用電極19を介してMIセンサ11の外部に出力される。出力信号は例えば、増幅された誘起電圧そのままでもいいし、増幅された誘起電圧を低インピーダンスの信号に変換したものでもいいし、増幅された誘起電圧をA/D変換したものでもいい。出力信号は、MIセンサ11を実装する電子機器のMPU等に出力される。
【0037】
(パルス生成回路41)
以下、図4のパルス生成回路41について説明する。
【0038】
図6は、パルス生成回路41の回路構成図であり、図7は、パルス生成回路41の処理波形図である。パルス生成回路41は、発振回路61と、第1遅延回路62と、第2遅延回路63と、反転回路64と、AND回路65と共に、トランジスタTR1、TR2、TR3、TR4(ここではPチャンネルMOSだが、NチャンネルMOSでもよい)を備える。
【0039】
パルス生成回路41は、TR1のソースに可変電流源からの直流電流が流れるような回路構成となっている。さらに、TR1のソースに直流電流が流れると、TR2のソースと共にTR3・TR4の各ソースに直流電流が流れるような回路構成となっている。さらに、TR1のソースを流れる直流電流の電流値I1により、TR2のソースを流れる直流電流の電流値I2と共にTR3・TR4の各ソースを流れる直流電流の電流値I3・I4が回路的に定まるような回路構成となっている。さらには、I3>I4となるような回路構成となっている。
【0040】
なお、これから説明するように、パルス生成回路41により生成されるパルス電流(図5A参照)は、これらの電流により制御されることになる。すなわち、ICチップ13により生成されるパルスの励磁電流(図5D参照)は、これらの電流により制御されるのである。そこで、これらの電流のように、パルスの励磁電流を制御するための電流のことを、制御電流と呼ぶことにする。
【0041】
TR2のソースを流れる直流電流(制御電流)は、発振回路61に流れ込む。発振回路61は、パルス波を発振する回路であり、ここでは水晶発信器やマルチバイブレータにより構成される。発振回路61は、流れ込む電流の電流値I2により、このパルス波の波形が回路的に定まるような回路構成となっている。具体的に言うとここでは、DUTY比が一定(約50%)で、パルス幅αが電流値I2に応じて変化するパルス波(図7A参照)が出力される。
【0042】
TR3・TR4の各ソースを流れる直流電流(制御電流)は、それぞれ第1遅延回路62・第2遅延回路63に流れ込む。第1遅延回路62・第2遅延回路63は、発振回路61により発振されたパルス波を遅延させる回路であり、ここではコンデンサと偶数個(4個)のインバータにより構成される。第1遅延回路62・第2遅延回路はそれぞれ、流れ込む電流の電流値I3・I4により、このパルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成となっている。具体的に言うとここでは、TR3・TR4の各ソースを流れる直流電流(制御電流)がそれぞれインバータに流れ込むことにより、遅延幅β1・β2がそれぞれ電流値I3・I4に応じて変化するパルス波(図7B・C参照)が出力される。さらには、I3>I4であることに応じてβ1<β2となるような回路構成となっている。さらには、αがn%変化すればβ1・β2もそれぞれn%変化するような回路構成となっている。
【0043】
続いて、反転回路64は、第2遅延回路63により遅延されたパルス波を反転させる回路であり、ここでは奇数個(1個)のインバータにより構成される。別言すれば、第2遅延回路63により遅延されたパルス波のNOTをとる回路である。反転回路64からは、図7Dのようなパルス波が出力される。
【0044】
続いて、AND回路65は、端子P1に入力される信号と端子P2に入力される信号とのANDをとって、その結果を端子P3から出力する回路である。ここでは、端子P1に入力される信号は、図7Bのような第1発振回路62からのパルス波であり、端子P2に入力される信号は、図7Dのような反転回路64からのパルス波であり、端子P3から出力される信号が、最終的にパルス生成回路41から出力されるパルス電流(図5A参照)となる。
【0045】
ここで、端子P1に入力されるパルス波(第1パルス波)と、端子P2に入力されるパルス波(第2パルス波)と、端子P3から出力されるパルス波(第3パルス波)の関係について説明する。これまでの説明から理解されるように、第2パルス波は第1パルス波の遅延反転波(∵β1<β2)となり、第2パルス波に対する第1パルス波の遅延幅γは「β2−β1」となる。さらに、第1パルス波のパルス幅は「α」となり、第1パルス波のDUTY比は「約50%」となるため、第3パルス波は、図7Eのようなパルス幅γのパルス波となる。このようにして、第1パルス波(パルス幅α)よりパルス幅の小さい第3パルス波(パルス幅γ)が生成される。なお、正確に言えばγ>αの場合もあり得るが、この場合には第3パルス波のパルス幅は「γ÷αの余り」となるため、やはり同様の結論になる。
【0046】
さて、上記のように、同一の制御電流(の電流値)I1により、制御電流(の電流値)I2と共に制御電流(の電流値)I3・I4が回路的に定まる。また、これまでの説明から理解されるように、制御電流I2により、第1のパルス波の波形が回路的に定まり、制御電流I3・I4により、第1のパルス波に対する第2パルス波の遅延量が回路的に定まる(より具体的に言うと、同一のパルス波に関して、制御電流I3により、前記パルス波に対する第1パルス波の遅延量が回路的に定まり、制御電流I4により、前記パルス波に対する第2パルス波の遅延量が回路的に定まり、これにより、第1のパルス波に対する第2パルス波の遅延量が回路的に定まる)。すなわち、同一の制御電流I1により、第1のパルス波の波形と共に第1のパルス波に対する第2パルス波の遅延量が回路的に定まるのである。これにより、第1パルス波に対する第2パルス波の遅延量を小さくかつ高精度に制御することが容易になり、第3パルス波ひいてはパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になるのである。
【0047】
なお、ここでは第1パルス波とその遅延反転波である第2パルス波とのANDをとって第3パルス波を生成したが、第1パルス波よりパルス幅の小さい第3パルス波を生成すれば、遅延反転波ではなく遅延波でもいいし、ANDではなくNANDや、ORや、NORや、ExORや、ExNORでもいい。
【0048】
また、ここでは制御電流I1により波形と共に遅延量が定まることに関して、制御電流I2(1つの波形制御電流)と制御電流I3・I4(2つの遅延量制御電流)とを仲介としたが、このような組み合わせ以外の制御電流を仲介としてもいい。
【0049】
(電子機器)
図8は、携帯電話機81を表す。図8の携帯電話機81は、表示部82と、操作部83と、アンテナ84と、スピーカ85と、マイク86と、通信用基板87と共に、通信用基板87に搭載されたMIセンサ88を備える。図8の携帯電話機81とMIセンサ88はそれぞれ、本発明の実施の形態の例である。
【0050】
MIセンサ88は、図1のMIセンサ11と同様のMIセンサであり、2個のMI素子により地磁気の2成分を検知している。これにより、携帯電話機81の向いている方位を特定する「磁気コンパス」が実現されている。これを利用して例えば、特定された方位に応じて表示部82に表示させる地図を回転させる機能等が実現される。
【0051】
なお、本発明に係る「電子機器」の実施の形態は「携帯電話機」に限られるものではない。また、本発明に係る「MIセンサ」の実施の形態は「2個のMI素子を備えるMIセンサ」に限られるものではない。
【0052】
【発明の効果】
このように、本発明は、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することを容易にすることを可能にする。より詳細には、MI素子に印可するパルスの励磁電流のパルス幅を小さくかつ高精度に制御することが容易になるようなICチップを提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】MIセンサを表す。
【図2】MI素子の構成について説明するための図である。
【図3】MI素子の動作について説明するための図である。
【図4】ICチップの回路構成図である。
【図5】ICチップの処理波形図である。
【図6】パルス生成回路の回路構成図である。
【図7】パルス生成回路の処理波形図である。
【図8】携帯電話機を表す。
【符号の説明】
11 MIセンサ
12 MI素子
13 ICチップ
14 ケース
15 ケース凹部
16 ケース電極
17 励磁電流用電極
18 誘起電圧用電極
19 出力信号用電極
21 アモルファスワイヤ
22 検知コイル
41 パルス生成回路
42 XY軸切替スイッチ
43 バッファ回路
44 スイッチング回路
45 検知回路
46 増幅回路
47 出力回路
51 XY軸切替信号用電極
52 サンプリング回路
53 遅延回路
54 ホールド回路
55 増幅器
61 発振回路
62 第1遅延回路
63 第2遅延回路
64 反転回路
65 AND回路
81 携帯電話機
82 表示部
83 操作部
84 アンテナ
85 スピーカ
86 マイク
87 通信用基板
88 MIセンサ

Claims (6)

  1. 第1パルス波とその遅延波又は遅延反転波である第2パルス波とのAND、NAND、OR、NOR、ExOR、又はExNORをとって、MI素子に供給するためのパルスの励磁電流であって、前記第1パルス波よりパルス幅の小さいパルスの励磁電流を生成するICチップにおいて、
    当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、前記第1パルス波の波形と共に前記第1パルス波に対する前記第2パルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成を備えることを特徴とするICチップ。
  2. 第1パルス波とその遅延波又は遅延反転波である第2パルス波とのAND、NAND、OR、NOR、ExOR、又はExNORをとって、MI素子に供給するためのパルスの励磁電流であって、前記第1パルス波よりパルス幅の小さいパルスの励磁電流を生成するICチップにおいて、
    当該ICチップを流れる同一の制御電流に係る物理量により、波形制御電流に係る前記物理量と共に遅延量制御電流に係る前記物理量が回路的に定まり、前記波形制御電流に係る前記物理量により、前記第1パルス波の波形が回路的に定まり、前記遅延量制御電流に係る前記物理量により、前記第1パルス波に対する前記第2パルス波の遅延量が回路的に定まるような回路構成を備えることを特徴とするICチップ。
  3. 前記制御電流は、直流電流であることを特徴とする請求項1又は2に記載のICチップ。
  4. 前記制御電流に係る前記物理量は、前記制御電流の電流値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のICチップ。
  5. MI素子と、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップと、を備えることを特徴とするMIセンサ。
  6. MI素子と、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のICチップと、を備えるMIセンサを備えることを特徴とする電子機器。
JP2002318251A 2002-10-31 2002-10-31 Icチップ、miセンサ、及び電子機器 Withdrawn JP2004153134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002318251A JP2004153134A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 Icチップ、miセンサ、及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002318251A JP2004153134A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 Icチップ、miセンサ、及び電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004153134A true JP2004153134A (ja) 2004-05-27

Family

ID=32461423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002318251A Withdrawn JP2004153134A (ja) 2002-10-31 2002-10-31 Icチップ、miセンサ、及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004153134A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7849744B2 (en) Driving device, physical quantity measurement device, and electronic instrument
JP3801194B2 (ja) 磁気センサ
US20100206074A1 (en) Oscillation drive device, physical quantity measurement device and electronic apparatus
US7849746B2 (en) Driver device, physical quantity measuring device, and electronic instrument
JP2009031225A (ja) 磁界検出装置
JPH09152473A (ja) 磁気探知装置
JP2007271599A (ja) オフセット補正プログラム及び電子コンパス
US20040124835A1 (en) Miniaturized magnetic impedance sensor with an IC chip having an electrode near a magnetic impedance element
JP2004153134A (ja) Icチップ、miセンサ、及び電子機器
JP3318762B2 (ja) 電子方位計
US7692506B2 (en) Oscillation driver device, physical quantity measuring device, and electronic instrument
JP2003075157A (ja) 電子機器
JP5948105B2 (ja) 信号検出回路、及び電子方位計、電流センサ
JP2005283271A (ja) Icチップ、miセンサ、およびmiセンサを備えた電子装置
JP2002090432A (ja) 磁場検出装置
JP2004153133A (ja) Miセンサ、miセンサ用のicチップおよびそのmiセンサを備えた電子装置
JP2002286822A (ja) 磁気センサ
JP2002181908A (ja) 磁界センサ
JP2002286821A (ja) 磁場検出装置
KR100681420B1 (ko) 플럭스게이트형 지자기센서 구동회로
US20220404439A1 (en) Information processing device and magnetic sensor system
JP2004151008A (ja) Miセンサ、miセンサ用のicチップおよびそのmiセンサを備えた電子装置
JP2006184122A (ja) 磁気センサ回路および半導体装置
JP2014153053A (ja) 磁界検出装置、電流検出装置、半導体集積回路、および、磁界検出方法
JP2002243816A (ja) 磁気検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050218

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050929