JP2004150900A - 姿勢角検出装置および取付け角度補正量取得方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人体の対象部位に取付けられる際に生じる取付け角度誤差を除去し、該対象部位の姿勢角を正確に計測できる姿勢角検出装置の提供。
【解決手段】加速度センサ4及び角速度センサ5を含むセンサ部1と、姿勢角演算回路6、取付け角補正演算回路7、姿勢角変換回路8,9を含む演算処理部2と、初期姿勢角メモリ3とを備えて構成される。初期姿勢角メモリ3には、頭部に姿勢角検出装置10を取付けた時の取付け角度が予め保存されている。取付け角補正演算回路7は、初期姿勢角メモリ3から読み出される初期姿勢角104で姿勢角103を補正し、補正姿勢角105を算出する。姿勢角変換回路9は、補正姿勢角105の座標を変換し、取付け角度が補正された頭部姿勢角106を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】加速度センサ4及び角速度センサ5を含むセンサ部1と、姿勢角演算回路6、取付け角補正演算回路7、姿勢角変換回路8,9を含む演算処理部2と、初期姿勢角メモリ3とを備えて構成される。初期姿勢角メモリ3には、頭部に姿勢角検出装置10を取付けた時の取付け角度が予め保存されている。取付け角補正演算回路7は、初期姿勢角メモリ3から読み出される初期姿勢角104で姿勢角103を補正し、補正姿勢角105を算出する。姿勢角変換回路9は、補正姿勢角105の座標を変換し、取付け角度が補正された頭部姿勢角106を生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、姿勢角検出装置および取付け角度補正量取得方法に関し、人体の対象部位に取付けて、該人体の対象部位に対応する姿勢角を検出する姿勢角検出装置、および該姿勢角検出装置に適用する取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、人体の姿勢角度を検出する際には、人体の対象部位に姿勢角検出装置を取付けて、該装置の座標系に関する該装置の姿勢角を検出することにより、該対象部位の姿勢角の計測が行われる。この種の従来の姿勢角検出装置については、本願出願人による特許出願として、平成13年6月29日に出願された特願2001−199151がある。
【0003】
通常、人体の対象部位に取付ける姿勢角検出装置の座標系は、人体が水平前向きの姿勢(直立し、前方を向いている人体の姿勢)にあるときに、人体に関し前方を指向するロール方向のXT 軸と、横方向を指向するピッチ方向のYT 軸と、鉛直線下方を指向するヨー方向のZT 軸とでなる直交3軸で規定される。
【0004】
この姿勢角検出装置を人体の対象部位に取付ける場合には、姿勢角検出装置を軸定義に従って該対象部位に取り付けることは難しい。例えば、対象部位が頭部の場合には、水平面からの傾斜、即ち姿勢角検出装置のロール方向(XT 軸)とピッチ方向(YT 軸)の取付け角度については、取付け時の初期姿勢を0度と見做すことにより計測が可能であるが、ヨー方向(ZT 軸)の取付け角度については、姿勢角検出装置のXT 軸が、頭部の正面方向に対して、どのような角度で取付けられているかについては全く不明である。そこで、従来は、姿勢角検出装置の取付け角度の補正方法としては、対象部位の頭部に対する姿勢角検出装置の取付けを極力取付け誤差のないようにして行うか、姿勢角検出装置の設計方法としてヘルメット型の装置に組み込み、頭部に対する取付け誤差を発生させない設計とするか、或いはまた、メカニカルに取付け角度を計測する(エンコーダ等により)という方法などが用いられている。姿勢角検出装置の取付け角度とは、人体の対象部位に固定された直交座標系の3軸に対し、姿勢角検出装置に固定された直交座標系の3軸がそれぞれなす角度である。
【0005】
図7および図8には、姿勢角を利用したアプリケーションにより作成された画像を観るHMD(Head Mounted Display:以下、HMDと略称する)11が、姿勢角検出装置10とともに、頭部に装着されている状態が3面図で示されている。図7(a)、(b)および(c)は、姿勢角検出装置10の取付け角度が0度であり、姿勢角検出装置10が頭部に対して理想的な状態で取付けられている状態の上面図、正面図および側面図をそれぞれ示す。図8(a)、(b)および(c)は、取付け角度が0度ではなく、姿勢角検出装置10に固定された直交3軸XT,YT,ZTが頭部に固定された直交3軸XB,YB,ZBに対して角度をなして取付けられている状態の上面図、正面図および側面図をそれぞれ示している。ここで、人体の頭部の座標系として、上記の姿勢角検出装置の座標系の各軸と同様に、XB 軸、YB 軸およびZB 軸の3軸が設定されている。前述のように、姿勢角検出装置を頭部の軸定義に沿って取付けることは難しく、実際には図8に示されるように取付けられるのが通例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の姿勢角検出装置においては、人体の対象部位に対する取付け時の該姿勢角検出装置のロール方向のXT 軸が頭部の正面のロール方向のXB 軸に一致し、正確に正面方向に対し指向しているか否かについては確認する方法がなく、このために、姿勢角検出データには常に不確定誤差が介在するという欠点がある。
【0007】
この対応策として、従来の取付け角度の補正方法としては、前述のような対応策が採られてはいるが、姿勢角検出装置を、対象部位に対して取付け誤差のないように取付けることには限度があり、且つ取付け誤差低減レベルを確認し得ないという欠点がある。
【0008】
また、前述のように頭部にHMDを装着して、姿勢角を利用したアプリケーションにより作成された画像を観る場合には、上述したように、頭部に対して姿勢角検出装置を軸定義(直交・平行)に従って取り付けることが難しく、実際には図8に示されるように、人体の軸に対して傾けて取付けざるを得ない場合が多い。このような場合には、取付け角度が0度でないために、例えば頭部をXB 軸回りにロール回転のみを行った場合においても、ピッチ回転やヨー回転などの他軸回りの回転に対しても結合が生じる状態となり、HMDを頭部に装着している利用者の実際の動きとHMDの出力姿勢角との間に差異が発生する。利用者の頭部の実際の動きとHMDの出力姿勢角との間に差異があると、HMD画像と利用者の感覚との間に違和感が生じて、利用者に対して不自然な感覚または不快感を与えるという欠点がある。このように従来の姿勢角検出装置には解決するべき課題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、姿勢角検出装置を人体の対象部位に取付ける際に生じる取付け角度誤差を補正し、該対象部位の姿勢角を高い精度で計測することのできる姿勢角検出装置を提供するとともに、該取付け角誤差を補正した姿勢角の算出を可能とする取付け角度補正量取得方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0011】
(1)ジャイロ及び加速度計を有するセンサ部と、該ジャイロ及び加速度計でそれぞれ検出される角速度および加速度その他の情報を処理し、該センサ部が取付けられた人体の対象部位の姿勢角を検出する演算処理部とを備える姿勢角検出装置において、
前記センサ部が前記対象部位に取付けられた際の初期姿勢角を保存する初期姿勢角記憶部を有し、
演算処理部は、前記角速度と、前記加速度と、前記初期姿勢角記憶部から読み出される初期姿勢角とに基づき、前記センサ部の取付け角度誤差を補正した前記対象部位の姿勢角を補正姿勢角として演算する
ことを特徴とする姿勢角検出装置。
【0012】
(2)前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜方向から取得されるヨー軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする前記(1)に記載の姿勢角検出装置。
【0013】
(3)前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜角から取得されるピッチ軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする前記(1)に記載の姿勢角検出装置。
【0014】
(4)前記演算処理部は、前記角速度および加速度に基づき前記センサ部の姿勢角を演算する姿勢角演算回路と、
前記センサ部の姿勢角と前記初期姿勢角とを入力し、該初期姿勢角に基づき該センサ部の姿勢角を補正することにより、前記補正姿勢角を演算する取付け角補正演算回路と、
前記補正姿勢角を入力して、該補正姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表された姿勢角に変換する第1の姿勢角変換回路と、
前記センサ部の姿勢角を入力して、該姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表されたセンサ部の姿勢角に変換する第2の姿勢角変換回路と、
を備えることを特徴とする前記(1),(2)または(3)に記載の姿勢角検出装置。
【0015】
(5)ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、重力加速度の傾斜方向αを計算し、該傾斜方向αに対応するヨー軸方向の取付け角度としてCZ(−α)を算出する第2のステップと、
第1のステップにおいて取得した姿勢角C1 と、第2のステップにおいて算出したヨー軸方向の取付け角度CZ(−α)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。
【0016】
(6)ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記センサ部の姿勢角C2 を求めるとともに、前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、前記水平面に対応する該センサ部の傾斜角βを計算し、該傾斜角βに対応するピッチ軸方向の取付け角度CY(β)を算出する第2のステップと、
前記第2のステップにおいて求められた姿勢角C2 とピッチ軸方向の取付け角度CY(β)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。
【0017】
【作用】
上記の構成および方法によれば、人体の対象部位に姿勢角検出装置のセンサ部を取付けて該部位の姿勢角を計測する際に、該センサ部の取付け角度を初期姿勢角データとして保存しておき、人体の姿勢角検出時において、角速度データおよび加速度データを含むセンサの検出データと、該初期姿勢角データとに基づき演算処理することにより、該センサ部を対象部位に取付ける際に生じる取付け角度誤差が補正され、人体の対象部位の姿勢角が高い精度で検出できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明の実施の形態として以下に説明する姿勢角検出装置は、人体の頭部に取り付けられるHMDに固着され、人体の姿勢角を検出する。また、本発明の実施の形態である取付け角度補正量取得方法では、人体を水平前向きの姿勢としてロール方向およびピッチ方向の取付け角度を求め、人体の姿勢を前方に傾斜させてヨー方向の取付け角度を求めた後に、これらの各方向の取付け角度を用いて、その姿勢角検出装置をその人体の頭部に取付ける際の取付け角度補正量を取得する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態である姿勢角検出装置の構成を示すブロック図である。この姿勢角検出装置は、加速度センサ4および角速度センサ5でなるセンサ部1と、演算処理部2と、初期姿勢角メモリ3とを備えて構成される。姿勢角検出装置におけるこれらの構成要素は1つの筐体に収められており、人体の頭部などの対象部位に取付けられる。これらの各構成要素の詳細構成および作用を以下に説明する際に、姿勢角検出装置を人体の頭部などの対象部位に取付けると記述するが、対象部位に対する姿勢を一定にして対象部位に装着されることが必須である構成要素はセンサ部1である。演算処理部2および初期姿勢角メモリ3は、対象部位に対し一定の姿勢を保持することは、本発明において必須ではない。そこで、特許請求の範囲および課題を解決するための手段の欄では、センサ部1が対象部位に取付けられる旨を規定している。しかしながら、本実施の形態では、センサ部1、演算処理部2および初期姿勢角メモリ3は、前述のとおり、1つの筐体に収められ、一体であるので、以下の説明では、姿勢角検出装置を人体の頭部などの対象部位に取付けると記述している。
【0021】
図1の姿勢角検出装置における演算処理部2は、姿勢角演算回路6、取付け角補正演算回路7ならびに姿勢角変換回路8および9でなる。
【0022】
図3は、人体に固定された直交座標系(XB,YB,ZB)と姿勢角検出装置10に固定された直交座標系(XT,YT,ZT)との関係を示す模式図である。初期姿勢角メモリ3には、頭部に姿勢角検出装置10が取付けられた人体の姿勢に関し、図3(a)に示されるように、人体の姿勢を水平前向きの状態にしたときに取得されたロール軸方向の取付け角度およびピッチ軸方向の取付け角度と、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を前方向に傾斜する状態にしたときに取得されたヨー軸方向の取付け角度が、初期姿勢角C0 として予め保存されている。該初期姿勢角C0 は方向余弦の形式で出力され、行列式として表示される。
【0023】
図1において、人体頭部に取付けられている姿勢角検出装置のセンサ部1に含まれる加速度センサ4からは、姿勢角検出装置のXT 軸、YT 軸およびZT 軸の各軸に対応する加速度101が検出されて、演算処理部2に含まれる姿勢角演算回路6に入力される。また、角速度センサ5からは、同様にXT 軸、YT 軸およびZT 軸の各軸に対応する角速度102が検出されて、姿勢角演算回路6に入力される。姿勢角演算回路6においては、これらの加速度101および角速度102に関し演算処理が行われて、姿勢角検出装置の姿勢角103が出力され、取付け角度補正演算回路7と姿勢角変換回路9に入力される。ここでは、姿勢角103を方向余弦の形式として、数式記号としては行列式Cとして表わすものとする。取付け角度補正演算回路7は、姿勢角103と、初期姿勢角メモリ3より出力される初期姿勢角104との入力を受けて、取付け角を補正する演算処理を行い、姿勢角検出装置の取付け角度誤差が排除された頭部の補正姿勢角105を生成する。補正姿勢角105は行列式C’として数式表示される。
【0024】
図2は、ここまでに説明した演算処理過程における姿勢角と取付け角度との間の座標系の相対関係を示す。図2(a)は正面図、図2(b)は側面図で、図2(c)は上面図である。図2では、姿勢角検出装置10の座標系(XT,YT,ZT )、頭部の座標系(XB,YB,ZB )、座標系(XT,YT,ZT )の各軸回りの回転角度、および姿勢角検出装置10の取付け角度等が明示されている。図2において、φ、θ及びψはロール角、ピッチ角およびヨー角をそれぞれ示し、φ0,θ0 及びψ0 は姿勢角検出装置の取付け角度である。また、φ’,θ’及びψ’ は、姿勢角検出装置のロール角、ピッチ角およびヨー角に関する取付け角度の補正量(補正角度)である。初期姿勢角104の数式表示を行列式C0 、行列式C0 の転置行列式をC0 T、頭部の補正姿勢角105の行列式をC’ とするとき、取付け角度補正演算回路7において行われる演算処理により、C’は次式により与えられる。
なお上式におけるCおよびC0 は、下記の(2)式により表わされる。上述のように、φ、θ及びψはロール角、ピッチ角およびヨー角を示し、φ0,θ0 及びψ0 は姿勢角検出装置の取付け角度であり、CX(φ)、CY(θ)及びCZ(ψ)と、CX(φ0)、CY(θ0)及びCZ(ψ0)とは、それぞれ対応する回転角度によるX軸、Y軸およびZ軸回りの回転行列式である。
従って(1)式および(2)式より、頭部の補正姿勢角C’は次式により求められる。
上式において、φ’,θ’ 及びψ’ は、前述のように姿勢角検出装置のロール角、ピッチ角およびヨー角の取付け角度に対応する補正角度であり、CX(φ’), CY(θ’)およびCZ(ψ’)は、それぞれ対応する回転角度によるX軸、Y軸およびZ軸回りの回転行列式である。
【0025】
姿勢角変換回路8は、頭部の補正姿勢角105に対する座標変換処理を行い、ロール角、ピッチ角およびヨー角を含む頭部の姿勢角に変換し、取付け角度が補正された頭部姿勢角106を出力する。他方、姿勢角変換回路9は、姿勢角演算回路6より出力された姿勢角検出装置の姿勢角103の入力を受けて、該姿勢角103に対する座標変換処理を行い、ロール角、ピッチ角およびヨー角を含む、取付け角度補正なしの頭部姿勢角107を出力する。
【0026】
次に、本願発明である取付け角度補正量取得方法の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態は、請求項5に記載の方法に対応する。図5は、本実施の形態を示すフローチャートである。以下においては、図5のフローチャートのステップS11に対応する図3(a)と、図5のステップS12に対応する図3(b)および図4(a),(b)とを参照して説明する。
【0027】
先ずステップS11においては、人体の姿勢に関わる図3(a)の模式図で示すように、人体の鉛直軸109の方向と地球重力の方向とが同一であるので、傾斜計として作用する加速度センサ4によって重力加速度を検出することにより、姿勢角検出装置により装置のロール角とピッチ角とを計測することができる。従って、図3(a)に示されるように、頭部を水平面108に沿って前向きの姿勢として、姿勢角検出装置10のロール角とピッチ角とを計測することにより、ステップS11の状態における姿勢角検出装置10の姿勢角C1 を次式によって求める。
【0028】
次に、ステップS12においては、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を正面前方向に傾斜させた状態とし、重力加速度から傾斜方向α(図4(a)を参照)を求めて使用する。図4(a)に示されるように、頭部を前方に傾斜させた場合には、傾斜方向α(XB YB 面内での重力加速度方向)が、頭部正面の方向即ちXB 軸の方向を示すことになり、姿勢角検出装置のXT 軸と頭部のXB軸の間の角度即ちヨー角取付け角度誤差に一致する。ここで、前記ステップS11において求められた姿勢角(取付け角度)C1 と、加速度センサの出力AT とを用いて傾斜方向αを算出し、これよりヨー軸方向の姿勢角(取付け角度)を計算して求める。姿勢角検出装置の加速度センサ4による加速度出力をAT =(ATx,ATy,ATz)とし、ステップS11において求めた姿勢角検出装置のロール軸方向とピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)C1 の転置行列をC1 Tとして、ロール軸方向とピッチ軸方向の取付け角度が補正された加速度AT’=(AT’x,AT’y,AT’z )を次式により求める。
【0029】
これより次式によって傾斜方向αを直接求め、且つこの傾斜方向αを用いることにより、次式によってヨー軸方向の姿勢角CZ(ψ0)を求める。
【0030】
次いで、ステップS13においては、ステップS11において求められた姿勢角(取付け角度)C1 と、ステップS12において求められたヨー軸方向の姿勢角(取付け角度)CZ(−α)とを用いて、姿勢角検出装置の初期姿勢角(取付け角度)C0 を、取付け角度補正量として次式により計算し、求める。
【0031】
このようにして、ステップS11、S12およびS13の3つのステップを踏むことにより、姿勢角検出装置のロール軸方向、ピッチ軸方向およびヨー軸方向の初期姿勢角(取付け角度)が、姿勢角検出装置に対する取付け角度補正量として求められる。
【0032】
次に、本願発明である取付け角度補正量取得方法の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、請求項6に記載の方法に対応する。図6は、本実施の形態を示すフローチャートである。以下においては、該フローチャートのステップS21に対応する図3(a)と、ステップS22に対応する図3(b)および図4(b)と、図6のフローチャートとを参照して説明する。
【0033】
図6において、ステップS21は、図5のステップS21と全く同様であり、図3(a)に示されるように、頭部を水平面108に沿って前向きの姿勢として、姿勢角検出装置10のロール角とピッチ角とを計測することにより、この状態における姿勢角(取付け角度)C1 を次式によって求める。
【0034】
ステップS22(図3(b)、図4(b)を参照)においては、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を正面前方向に傾斜させた状態とし、重力加速度から傾斜角β(図4(b)を参照)を求める。図4(b)に示されるように、頭部を前方に傾斜させた場合には、取付け誤差補正後の傾斜方向と頭部の前方方向(X軸)が一致するので、傾斜角βとピッチ角が一致する。
【0035】
ここで、ステップS21において計測されたロール軸方向とピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)C1 と、加速度センサの出力AT とを用いて傾斜角βを算出し、これよりピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を計算して求める。姿勢角検出装置の加速度センサによる加速度出力をAT =(ATx,ATy,ATz)とし、ステップS21において求められた姿勢角(取付け角度)C1 の転置行列をC1Tとして、ロール軸方向とピッチ軸方向の取付け角度が補正された加速度AT’=(AT’x,AT’y,AT’z )を、次式により求める。
ここにおいて、姿勢角検出装置の加速度センサが3軸の場合には、傾斜角βを次式により求める。
また該加速度センサが2軸の場合には、重力加速度をGとして傾斜角βを次式により求める。
上記の(8)式および(9)式における記号 sqrt は平方根を表わしており、AT’x 、AT’y 及びAT’z は、加速度AT’の直交成分を表わしている。
【0036】
前述のように、頭部を前方に傾斜させた場合には、取付け誤差補正後の傾斜方向と頭部の前方方向(X軸)が一致するので、傾斜角βとピッチ角が一致する。従って、傾斜角βを使用した場合には、ステップS22の状態において得られる姿勢角(取付け角度)をC2 として、取付け角補正後の姿勢角(取付け角度)C3 を求め、次式によりピッチ軸方向の姿勢角CY(β)を求める。
次いで、ステップS23においては、ステップS22において求められた姿勢角(取付け角度)C2 およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)CY(β)を用いて、姿勢角検出装置の初期姿勢角(取付け角度)C0 を取付け角度補正量として、次式により計算し、求める。
このようにして、ステップS21、S22およびS23の3つステップを踏むことにより、姿勢角検出装置のロール軸方向、ピッチ軸方向およびヨー軸方向の取付け角度(初期姿勢角)が、姿勢角検出装置に対する取付け角度補正量として求められる。
【0037】
更に、初期姿勢角メモリ3を不揮発メモリで構成し、この取付け角補正量の取得結果を、その不揮発メモリ上に記録しておくことにより、次回においては電源投入時における再調整を省略することが可能となり、所要作業上の効率化を図ることもできる。また該取付け角補正量の格納方法としては、C0 =CZ(ψ0)CY(θ0)CX(φ0)として纏めて保存しておいて使用してもよく、或はCZ(ψ0)と{CY(θ0)CX(φ0)}とに分割して保存することにより、次回電源投入時または再設定時において、前記ステップS11又はS21だけを実施して、ステップS12又はS22の手順を省略しても差し支えない。
【0038】
なお、上記の実施例の説明においては、姿勢角検出装置を頭部に取付ける場合を例として説明しているが、当該姿勢角検出装置の取付け部位としては頭部に限定されるものではなく、頭部と同様に、人体の類似個所(腕部、脚部等)に取付ける場合においても、本発明を同様に姿勢角検出の有効手段として適用することが可能である。また、前記の実施の形態では、姿勢角103を方向余弦マトリックスの形式で表現したが、本発明では姿勢角の表現形式は方向余弦マトリックスに限定されるものではなく、例えばクウォータニオン(Quaternion)で表現しても差し支えない。
【0039】
【発明の効果】
以上に実施の形態を挙げ詳しく説明したように、本発明は、人体の対象部位に姿勢角検出装置を取付けて該部位の姿勢角を計測する際に、該姿勢角検出装置の対象部位に対する取付け角度を予め初期姿勢角として保存しておき、人体の姿勢角検出時に、該姿勢角検出装置の角速度および角加速度と、該初期姿勢角とを用いて演算処理することにより、該姿勢角検出装置の対象部位に対する取付け角度誤差が補正され、該対象部位に関する姿勢角の検出を高い精度で行うことができるという効果がある。
【0040】
そこで、本発明をHMDの姿勢角検出装置に適用することにより、HMDを頭部に装着している利用者の実際の動きとHMDの出力姿勢角とが一致するので、HMD画像と利用者の感覚との間に違和感が生じず、利用者は自然な感覚で心地よくHMD画像を観ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる姿勢角検出装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】頭部の姿勢角と姿勢角取付け角度との関係を示す図である。
【図3】姿勢角検出装置の初期姿勢角を取得する際の人体の姿勢を示す図である。
【図4】人体を前方向に傾斜させた状態における、加速度入力と傾斜方向または傾斜角との対応関係を示す図である。
【図5】本願発明になる取付け角度補正量取得方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図6】本願発明になる取付け角度補正量取得方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図7】頭部座標系と姿勢角検出装置の座標系とが一致している場合の取付け状態を示す図である。
【図8】頭部座標系と姿勢角検出装置の座標系とが一致していない場合の取付け状態を示す図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 演算処理部
3 初期姿勢角メモリ
4 加速度センサ
5 角速度センサ
6 姿勢角演算回路
7 取付け角補正演算回路
8,9 姿勢角変換回路
10 姿勢角検出装置
11 HMD
101 加速度
102 角速度
103 姿勢角
104 初期姿勢角
105 補正姿勢角
106 取付け角度が補正された頭部姿勢角
107 取付け角度補正なしの頭部姿勢角
φ ロール角
θ ピッチ角
ψ ヨー角
φ0 ロール角に関する取付け角度
θ0 ピッチ角に関する取付け角度
ψ0 ヨー角に関する取付け角度
φ’ ロール角に関する取付け角度の補正量
θ’ ピッチ角に関する取付け角度の補正量
ψ’ ヨー角に関する取付け角度の補正量
C0 初期姿勢角104を表す行列式
C0 T 行列式C0 の転置行列式
C’ 頭部の補正姿勢角105を表す行列式
C 姿勢角103を表す行列式
XT 姿勢角検出装置のロール方向の軸
YT 姿勢角検出装置のピッチ方向の軸
ZT 姿勢角検出装置のヨー方向の軸
XB 人体の頭部に固定された直交座標系における人体の正面を指向する軸YB 人体の頭部に固定された直交座標系における人体の左右方向を指向する軸
ZB 人体の頭部に固定された直交座標系における鉛直方向下方を指向する軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、姿勢角検出装置および取付け角度補正量取得方法に関し、人体の対象部位に取付けて、該人体の対象部位に対応する姿勢角を検出する姿勢角検出装置、および該姿勢角検出装置に適用する取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、人体の姿勢角度を検出する際には、人体の対象部位に姿勢角検出装置を取付けて、該装置の座標系に関する該装置の姿勢角を検出することにより、該対象部位の姿勢角の計測が行われる。この種の従来の姿勢角検出装置については、本願出願人による特許出願として、平成13年6月29日に出願された特願2001−199151がある。
【0003】
通常、人体の対象部位に取付ける姿勢角検出装置の座標系は、人体が水平前向きの姿勢(直立し、前方を向いている人体の姿勢)にあるときに、人体に関し前方を指向するロール方向のXT 軸と、横方向を指向するピッチ方向のYT 軸と、鉛直線下方を指向するヨー方向のZT 軸とでなる直交3軸で規定される。
【0004】
この姿勢角検出装置を人体の対象部位に取付ける場合には、姿勢角検出装置を軸定義に従って該対象部位に取り付けることは難しい。例えば、対象部位が頭部の場合には、水平面からの傾斜、即ち姿勢角検出装置のロール方向(XT 軸)とピッチ方向(YT 軸)の取付け角度については、取付け時の初期姿勢を0度と見做すことにより計測が可能であるが、ヨー方向(ZT 軸)の取付け角度については、姿勢角検出装置のXT 軸が、頭部の正面方向に対して、どのような角度で取付けられているかについては全く不明である。そこで、従来は、姿勢角検出装置の取付け角度の補正方法としては、対象部位の頭部に対する姿勢角検出装置の取付けを極力取付け誤差のないようにして行うか、姿勢角検出装置の設計方法としてヘルメット型の装置に組み込み、頭部に対する取付け誤差を発生させない設計とするか、或いはまた、メカニカルに取付け角度を計測する(エンコーダ等により)という方法などが用いられている。姿勢角検出装置の取付け角度とは、人体の対象部位に固定された直交座標系の3軸に対し、姿勢角検出装置に固定された直交座標系の3軸がそれぞれなす角度である。
【0005】
図7および図8には、姿勢角を利用したアプリケーションにより作成された画像を観るHMD(Head Mounted Display:以下、HMDと略称する)11が、姿勢角検出装置10とともに、頭部に装着されている状態が3面図で示されている。図7(a)、(b)および(c)は、姿勢角検出装置10の取付け角度が0度であり、姿勢角検出装置10が頭部に対して理想的な状態で取付けられている状態の上面図、正面図および側面図をそれぞれ示す。図8(a)、(b)および(c)は、取付け角度が0度ではなく、姿勢角検出装置10に固定された直交3軸XT,YT,ZTが頭部に固定された直交3軸XB,YB,ZBに対して角度をなして取付けられている状態の上面図、正面図および側面図をそれぞれ示している。ここで、人体の頭部の座標系として、上記の姿勢角検出装置の座標系の各軸と同様に、XB 軸、YB 軸およびZB 軸の3軸が設定されている。前述のように、姿勢角検出装置を頭部の軸定義に沿って取付けることは難しく、実際には図8に示されるように取付けられるのが通例である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の姿勢角検出装置においては、人体の対象部位に対する取付け時の該姿勢角検出装置のロール方向のXT 軸が頭部の正面のロール方向のXB 軸に一致し、正確に正面方向に対し指向しているか否かについては確認する方法がなく、このために、姿勢角検出データには常に不確定誤差が介在するという欠点がある。
【0007】
この対応策として、従来の取付け角度の補正方法としては、前述のような対応策が採られてはいるが、姿勢角検出装置を、対象部位に対して取付け誤差のないように取付けることには限度があり、且つ取付け誤差低減レベルを確認し得ないという欠点がある。
【0008】
また、前述のように頭部にHMDを装着して、姿勢角を利用したアプリケーションにより作成された画像を観る場合には、上述したように、頭部に対して姿勢角検出装置を軸定義(直交・平行)に従って取り付けることが難しく、実際には図8に示されるように、人体の軸に対して傾けて取付けざるを得ない場合が多い。このような場合には、取付け角度が0度でないために、例えば頭部をXB 軸回りにロール回転のみを行った場合においても、ピッチ回転やヨー回転などの他軸回りの回転に対しても結合が生じる状態となり、HMDを頭部に装着している利用者の実際の動きとHMDの出力姿勢角との間に差異が発生する。利用者の頭部の実際の動きとHMDの出力姿勢角との間に差異があると、HMD画像と利用者の感覚との間に違和感が生じて、利用者に対して不自然な感覚または不快感を与えるという欠点がある。このように従来の姿勢角検出装置には解決するべき課題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、姿勢角検出装置を人体の対象部位に取付ける際に生じる取付け角度誤差を補正し、該対象部位の姿勢角を高い精度で計測することのできる姿勢角検出装置を提供するとともに、該取付け角誤差を補正した姿勢角の算出を可能とする取付け角度補正量取得方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0011】
(1)ジャイロ及び加速度計を有するセンサ部と、該ジャイロ及び加速度計でそれぞれ検出される角速度および加速度その他の情報を処理し、該センサ部が取付けられた人体の対象部位の姿勢角を検出する演算処理部とを備える姿勢角検出装置において、
前記センサ部が前記対象部位に取付けられた際の初期姿勢角を保存する初期姿勢角記憶部を有し、
演算処理部は、前記角速度と、前記加速度と、前記初期姿勢角記憶部から読み出される初期姿勢角とに基づき、前記センサ部の取付け角度誤差を補正した前記対象部位の姿勢角を補正姿勢角として演算する
ことを特徴とする姿勢角検出装置。
【0012】
(2)前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜方向から取得されるヨー軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする前記(1)に記載の姿勢角検出装置。
【0013】
(3)前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜角から取得されるピッチ軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする前記(1)に記載の姿勢角検出装置。
【0014】
(4)前記演算処理部は、前記角速度および加速度に基づき前記センサ部の姿勢角を演算する姿勢角演算回路と、
前記センサ部の姿勢角と前記初期姿勢角とを入力し、該初期姿勢角に基づき該センサ部の姿勢角を補正することにより、前記補正姿勢角を演算する取付け角補正演算回路と、
前記補正姿勢角を入力して、該補正姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表された姿勢角に変換する第1の姿勢角変換回路と、
前記センサ部の姿勢角を入力して、該姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表されたセンサ部の姿勢角に変換する第2の姿勢角変換回路と、
を備えることを特徴とする前記(1),(2)または(3)に記載の姿勢角検出装置。
【0015】
(5)ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、重力加速度の傾斜方向αを計算し、該傾斜方向αに対応するヨー軸方向の取付け角度としてCZ(−α)を算出する第2のステップと、
第1のステップにおいて取得した姿勢角C1 と、第2のステップにおいて算出したヨー軸方向の取付け角度CZ(−α)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。
【0016】
(6)ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記センサ部の姿勢角C2 を求めるとともに、前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、前記水平面に対応する該センサ部の傾斜角βを計算し、該傾斜角βに対応するピッチ軸方向の取付け角度CY(β)を算出する第2のステップと、
前記第2のステップにおいて求められた姿勢角C2 とピッチ軸方向の取付け角度CY(β)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。
【0017】
【作用】
上記の構成および方法によれば、人体の対象部位に姿勢角検出装置のセンサ部を取付けて該部位の姿勢角を計測する際に、該センサ部の取付け角度を初期姿勢角データとして保存しておき、人体の姿勢角検出時において、角速度データおよび加速度データを含むセンサの検出データと、該初期姿勢角データとに基づき演算処理することにより、該センサ部を対象部位に取付ける際に生じる取付け角度誤差が補正され、人体の対象部位の姿勢角が高い精度で検出できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明の実施の形態として以下に説明する姿勢角検出装置は、人体の頭部に取り付けられるHMDに固着され、人体の姿勢角を検出する。また、本発明の実施の形態である取付け角度補正量取得方法では、人体を水平前向きの姿勢としてロール方向およびピッチ方向の取付け角度を求め、人体の姿勢を前方に傾斜させてヨー方向の取付け角度を求めた後に、これらの各方向の取付け角度を用いて、その姿勢角検出装置をその人体の頭部に取付ける際の取付け角度補正量を取得する。
【0020】
図1は、本発明の一実施の形態である姿勢角検出装置の構成を示すブロック図である。この姿勢角検出装置は、加速度センサ4および角速度センサ5でなるセンサ部1と、演算処理部2と、初期姿勢角メモリ3とを備えて構成される。姿勢角検出装置におけるこれらの構成要素は1つの筐体に収められており、人体の頭部などの対象部位に取付けられる。これらの各構成要素の詳細構成および作用を以下に説明する際に、姿勢角検出装置を人体の頭部などの対象部位に取付けると記述するが、対象部位に対する姿勢を一定にして対象部位に装着されることが必須である構成要素はセンサ部1である。演算処理部2および初期姿勢角メモリ3は、対象部位に対し一定の姿勢を保持することは、本発明において必須ではない。そこで、特許請求の範囲および課題を解決するための手段の欄では、センサ部1が対象部位に取付けられる旨を規定している。しかしながら、本実施の形態では、センサ部1、演算処理部2および初期姿勢角メモリ3は、前述のとおり、1つの筐体に収められ、一体であるので、以下の説明では、姿勢角検出装置を人体の頭部などの対象部位に取付けると記述している。
【0021】
図1の姿勢角検出装置における演算処理部2は、姿勢角演算回路6、取付け角補正演算回路7ならびに姿勢角変換回路8および9でなる。
【0022】
図3は、人体に固定された直交座標系(XB,YB,ZB)と姿勢角検出装置10に固定された直交座標系(XT,YT,ZT)との関係を示す模式図である。初期姿勢角メモリ3には、頭部に姿勢角検出装置10が取付けられた人体の姿勢に関し、図3(a)に示されるように、人体の姿勢を水平前向きの状態にしたときに取得されたロール軸方向の取付け角度およびピッチ軸方向の取付け角度と、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を前方向に傾斜する状態にしたときに取得されたヨー軸方向の取付け角度が、初期姿勢角C0 として予め保存されている。該初期姿勢角C0 は方向余弦の形式で出力され、行列式として表示される。
【0023】
図1において、人体頭部に取付けられている姿勢角検出装置のセンサ部1に含まれる加速度センサ4からは、姿勢角検出装置のXT 軸、YT 軸およびZT 軸の各軸に対応する加速度101が検出されて、演算処理部2に含まれる姿勢角演算回路6に入力される。また、角速度センサ5からは、同様にXT 軸、YT 軸およびZT 軸の各軸に対応する角速度102が検出されて、姿勢角演算回路6に入力される。姿勢角演算回路6においては、これらの加速度101および角速度102に関し演算処理が行われて、姿勢角検出装置の姿勢角103が出力され、取付け角度補正演算回路7と姿勢角変換回路9に入力される。ここでは、姿勢角103を方向余弦の形式として、数式記号としては行列式Cとして表わすものとする。取付け角度補正演算回路7は、姿勢角103と、初期姿勢角メモリ3より出力される初期姿勢角104との入力を受けて、取付け角を補正する演算処理を行い、姿勢角検出装置の取付け角度誤差が排除された頭部の補正姿勢角105を生成する。補正姿勢角105は行列式C’として数式表示される。
【0024】
図2は、ここまでに説明した演算処理過程における姿勢角と取付け角度との間の座標系の相対関係を示す。図2(a)は正面図、図2(b)は側面図で、図2(c)は上面図である。図2では、姿勢角検出装置10の座標系(XT,YT,ZT )、頭部の座標系(XB,YB,ZB )、座標系(XT,YT,ZT )の各軸回りの回転角度、および姿勢角検出装置10の取付け角度等が明示されている。図2において、φ、θ及びψはロール角、ピッチ角およびヨー角をそれぞれ示し、φ0,θ0 及びψ0 は姿勢角検出装置の取付け角度である。また、φ’,θ’及びψ’ は、姿勢角検出装置のロール角、ピッチ角およびヨー角に関する取付け角度の補正量(補正角度)である。初期姿勢角104の数式表示を行列式C0 、行列式C0 の転置行列式をC0 T、頭部の補正姿勢角105の行列式をC’ とするとき、取付け角度補正演算回路7において行われる演算処理により、C’は次式により与えられる。
なお上式におけるCおよびC0 は、下記の(2)式により表わされる。上述のように、φ、θ及びψはロール角、ピッチ角およびヨー角を示し、φ0,θ0 及びψ0 は姿勢角検出装置の取付け角度であり、CX(φ)、CY(θ)及びCZ(ψ)と、CX(φ0)、CY(θ0)及びCZ(ψ0)とは、それぞれ対応する回転角度によるX軸、Y軸およびZ軸回りの回転行列式である。
従って(1)式および(2)式より、頭部の補正姿勢角C’は次式により求められる。
上式において、φ’,θ’ 及びψ’ は、前述のように姿勢角検出装置のロール角、ピッチ角およびヨー角の取付け角度に対応する補正角度であり、CX(φ’), CY(θ’)およびCZ(ψ’)は、それぞれ対応する回転角度によるX軸、Y軸およびZ軸回りの回転行列式である。
【0025】
姿勢角変換回路8は、頭部の補正姿勢角105に対する座標変換処理を行い、ロール角、ピッチ角およびヨー角を含む頭部の姿勢角に変換し、取付け角度が補正された頭部姿勢角106を出力する。他方、姿勢角変換回路9は、姿勢角演算回路6より出力された姿勢角検出装置の姿勢角103の入力を受けて、該姿勢角103に対する座標変換処理を行い、ロール角、ピッチ角およびヨー角を含む、取付け角度補正なしの頭部姿勢角107を出力する。
【0026】
次に、本願発明である取付け角度補正量取得方法の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態は、請求項5に記載の方法に対応する。図5は、本実施の形態を示すフローチャートである。以下においては、図5のフローチャートのステップS11に対応する図3(a)と、図5のステップS12に対応する図3(b)および図4(a),(b)とを参照して説明する。
【0027】
先ずステップS11においては、人体の姿勢に関わる図3(a)の模式図で示すように、人体の鉛直軸109の方向と地球重力の方向とが同一であるので、傾斜計として作用する加速度センサ4によって重力加速度を検出することにより、姿勢角検出装置により装置のロール角とピッチ角とを計測することができる。従って、図3(a)に示されるように、頭部を水平面108に沿って前向きの姿勢として、姿勢角検出装置10のロール角とピッチ角とを計測することにより、ステップS11の状態における姿勢角検出装置10の姿勢角C1 を次式によって求める。
【0028】
次に、ステップS12においては、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を正面前方向に傾斜させた状態とし、重力加速度から傾斜方向α(図4(a)を参照)を求めて使用する。図4(a)に示されるように、頭部を前方に傾斜させた場合には、傾斜方向α(XB YB 面内での重力加速度方向)が、頭部正面の方向即ちXB 軸の方向を示すことになり、姿勢角検出装置のXT 軸と頭部のXB軸の間の角度即ちヨー角取付け角度誤差に一致する。ここで、前記ステップS11において求められた姿勢角(取付け角度)C1 と、加速度センサの出力AT とを用いて傾斜方向αを算出し、これよりヨー軸方向の姿勢角(取付け角度)を計算して求める。姿勢角検出装置の加速度センサ4による加速度出力をAT =(ATx,ATy,ATz)とし、ステップS11において求めた姿勢角検出装置のロール軸方向とピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)C1 の転置行列をC1 Tとして、ロール軸方向とピッチ軸方向の取付け角度が補正された加速度AT’=(AT’x,AT’y,AT’z )を次式により求める。
【0029】
これより次式によって傾斜方向αを直接求め、且つこの傾斜方向αを用いることにより、次式によってヨー軸方向の姿勢角CZ(ψ0)を求める。
【0030】
次いで、ステップS13においては、ステップS11において求められた姿勢角(取付け角度)C1 と、ステップS12において求められたヨー軸方向の姿勢角(取付け角度)CZ(−α)とを用いて、姿勢角検出装置の初期姿勢角(取付け角度)C0 を、取付け角度補正量として次式により計算し、求める。
【0031】
このようにして、ステップS11、S12およびS13の3つのステップを踏むことにより、姿勢角検出装置のロール軸方向、ピッチ軸方向およびヨー軸方向の初期姿勢角(取付け角度)が、姿勢角検出装置に対する取付け角度補正量として求められる。
【0032】
次に、本願発明である取付け角度補正量取得方法の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、請求項6に記載の方法に対応する。図6は、本実施の形態を示すフローチャートである。以下においては、該フローチャートのステップS21に対応する図3(a)と、ステップS22に対応する図3(b)および図4(b)と、図6のフローチャートとを参照して説明する。
【0033】
図6において、ステップS21は、図5のステップS21と全く同様であり、図3(a)に示されるように、頭部を水平面108に沿って前向きの姿勢として、姿勢角検出装置10のロール角とピッチ角とを計測することにより、この状態における姿勢角(取付け角度)C1 を次式によって求める。
【0034】
ステップS22(図3(b)、図4(b)を参照)においては、図3(b)に示されるように、人体の姿勢を正面前方向に傾斜させた状態とし、重力加速度から傾斜角β(図4(b)を参照)を求める。図4(b)に示されるように、頭部を前方に傾斜させた場合には、取付け誤差補正後の傾斜方向と頭部の前方方向(X軸)が一致するので、傾斜角βとピッチ角が一致する。
【0035】
ここで、ステップS21において計測されたロール軸方向とピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)C1 と、加速度センサの出力AT とを用いて傾斜角βを算出し、これよりピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を計算して求める。姿勢角検出装置の加速度センサによる加速度出力をAT =(ATx,ATy,ATz)とし、ステップS21において求められた姿勢角(取付け角度)C1 の転置行列をC1Tとして、ロール軸方向とピッチ軸方向の取付け角度が補正された加速度AT’=(AT’x,AT’y,AT’z )を、次式により求める。
ここにおいて、姿勢角検出装置の加速度センサが3軸の場合には、傾斜角βを次式により求める。
また該加速度センサが2軸の場合には、重力加速度をGとして傾斜角βを次式により求める。
上記の(8)式および(9)式における記号 sqrt は平方根を表わしており、AT’x 、AT’y 及びAT’z は、加速度AT’の直交成分を表わしている。
【0036】
前述のように、頭部を前方に傾斜させた場合には、取付け誤差補正後の傾斜方向と頭部の前方方向(X軸)が一致するので、傾斜角βとピッチ角が一致する。従って、傾斜角βを使用した場合には、ステップS22の状態において得られる姿勢角(取付け角度)をC2 として、取付け角補正後の姿勢角(取付け角度)C3 を求め、次式によりピッチ軸方向の姿勢角CY(β)を求める。
次いで、ステップS23においては、ステップS22において求められた姿勢角(取付け角度)C2 およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)CY(β)を用いて、姿勢角検出装置の初期姿勢角(取付け角度)C0 を取付け角度補正量として、次式により計算し、求める。
このようにして、ステップS21、S22およびS23の3つステップを踏むことにより、姿勢角検出装置のロール軸方向、ピッチ軸方向およびヨー軸方向の取付け角度(初期姿勢角)が、姿勢角検出装置に対する取付け角度補正量として求められる。
【0037】
更に、初期姿勢角メモリ3を不揮発メモリで構成し、この取付け角補正量の取得結果を、その不揮発メモリ上に記録しておくことにより、次回においては電源投入時における再調整を省略することが可能となり、所要作業上の効率化を図ることもできる。また該取付け角補正量の格納方法としては、C0 =CZ(ψ0)CY(θ0)CX(φ0)として纏めて保存しておいて使用してもよく、或はCZ(ψ0)と{CY(θ0)CX(φ0)}とに分割して保存することにより、次回電源投入時または再設定時において、前記ステップS11又はS21だけを実施して、ステップS12又はS22の手順を省略しても差し支えない。
【0038】
なお、上記の実施例の説明においては、姿勢角検出装置を頭部に取付ける場合を例として説明しているが、当該姿勢角検出装置の取付け部位としては頭部に限定されるものではなく、頭部と同様に、人体の類似個所(腕部、脚部等)に取付ける場合においても、本発明を同様に姿勢角検出の有効手段として適用することが可能である。また、前記の実施の形態では、姿勢角103を方向余弦マトリックスの形式で表現したが、本発明では姿勢角の表現形式は方向余弦マトリックスに限定されるものではなく、例えばクウォータニオン(Quaternion)で表現しても差し支えない。
【0039】
【発明の効果】
以上に実施の形態を挙げ詳しく説明したように、本発明は、人体の対象部位に姿勢角検出装置を取付けて該部位の姿勢角を計測する際に、該姿勢角検出装置の対象部位に対する取付け角度を予め初期姿勢角として保存しておき、人体の姿勢角検出時に、該姿勢角検出装置の角速度および角加速度と、該初期姿勢角とを用いて演算処理することにより、該姿勢角検出装置の対象部位に対する取付け角度誤差が補正され、該対象部位に関する姿勢角の検出を高い精度で行うことができるという効果がある。
【0040】
そこで、本発明をHMDの姿勢角検出装置に適用することにより、HMDを頭部に装着している利用者の実際の動きとHMDの出力姿勢角とが一致するので、HMD画像と利用者の感覚との間に違和感が生じず、利用者は自然な感覚で心地よくHMD画像を観ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる姿勢角検出装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】頭部の姿勢角と姿勢角取付け角度との関係を示す図である。
【図3】姿勢角検出装置の初期姿勢角を取得する際の人体の姿勢を示す図である。
【図4】人体を前方向に傾斜させた状態における、加速度入力と傾斜方向または傾斜角との対応関係を示す図である。
【図5】本願発明になる取付け角度補正量取得方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。
【図6】本願発明になる取付け角度補正量取得方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
【図7】頭部座標系と姿勢角検出装置の座標系とが一致している場合の取付け状態を示す図である。
【図8】頭部座標系と姿勢角検出装置の座標系とが一致していない場合の取付け状態を示す図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 演算処理部
3 初期姿勢角メモリ
4 加速度センサ
5 角速度センサ
6 姿勢角演算回路
7 取付け角補正演算回路
8,9 姿勢角変換回路
10 姿勢角検出装置
11 HMD
101 加速度
102 角速度
103 姿勢角
104 初期姿勢角
105 補正姿勢角
106 取付け角度が補正された頭部姿勢角
107 取付け角度補正なしの頭部姿勢角
φ ロール角
θ ピッチ角
ψ ヨー角
φ0 ロール角に関する取付け角度
θ0 ピッチ角に関する取付け角度
ψ0 ヨー角に関する取付け角度
φ’ ロール角に関する取付け角度の補正量
θ’ ピッチ角に関する取付け角度の補正量
ψ’ ヨー角に関する取付け角度の補正量
C0 初期姿勢角104を表す行列式
C0 T 行列式C0 の転置行列式
C’ 頭部の補正姿勢角105を表す行列式
C 姿勢角103を表す行列式
XT 姿勢角検出装置のロール方向の軸
YT 姿勢角検出装置のピッチ方向の軸
ZT 姿勢角検出装置のヨー方向の軸
XB 人体の頭部に固定された直交座標系における人体の正面を指向する軸YB 人体の頭部に固定された直交座標系における人体の左右方向を指向する軸
ZB 人体の頭部に固定された直交座標系における鉛直方向下方を指向する軸
Claims (6)
- ジャイロ及び加速度計を有するセンサ部と、該ジャイロ及び加速度計でそれぞれ検出される角速度および加速度その他の情報を処理し、該センサ部が取付けられた人体の対象部位の姿勢角を検出する演算処理部とを備える姿勢角検出装置において、
前記センサ部が前記対象部位に取付けられた際の初期姿勢角を保存する初期姿勢角記憶部を有し、
演算処理部は、前記角速度と、前記加速度と、前記初期姿勢角記憶部から読み出される初期姿勢角とに基づき、前記センサ部の取付け角度誤差を補正した前記対象部位の姿勢角を補正姿勢角として演算する
ことを特徴とする姿勢角検出装置。 - 前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜方向から取得されるヨー軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする請求項1に記載の姿勢角検出装置。
- 前記初期姿勢角記憶部は、人体の姿勢を水平前向きとした状態において取得されるロール軸方向およびピッチ軸方向の取付け角度を含む姿勢角と、該人体の姿勢を傾斜させた時の傾斜角から取得されるピッチ軸方向の取付け角度とを含む前記センサ部の取付け角度を初期姿勢角として保存することを特徴とする請求項1に記載の姿勢角検出装置。
- 前記演算処理部は、前記角速度および加速度に基づき前記センサ部の姿勢角を演算する姿勢角演算回路と、
前記センサ部の姿勢角と前記初期姿勢角とを入力し、該初期姿勢角に基づき該センサ部の姿勢角を補正することにより、前記補正姿勢角を演算する取付け角補正演算回路と、
前記補正姿勢角を入力して、該補正姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表された姿勢角に変換する第1の姿勢角変換回路と、
前記センサ部の姿勢角を入力して、該姿勢角をロール角、ピッチ角およびヨー角で表されたセンサ部の姿勢角に変換する第2の姿勢角変換回路と、
を備えることを特徴とする請求項1,2または3に記載の姿勢角検出装置。 - ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、重力加速度の傾斜方向αを計算し、該傾斜方向αに対応するヨー軸方向の取付け角度としてCZ(−α)を算出する第2のステップと、
第1のステップにおいて取得した姿勢角C1 と、第2のステップにおいて算出したヨー軸方向の取付け角度CZ(−α)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。 - ジャイロ及び加速度計でなるセンサ部を有し、人体の頭部に該センサ部を取り付け、該頭部の姿勢角を検出する姿勢角検出装置に適用される方法であって、
前記頭部に対する該センサ部の取付け角度が所定角度からずれていて取付け角度誤差があるときに、該センサ部の検出データで得た該センサ部の姿勢から該取付け角度誤差を除去するために、該センサ部の姿勢に対する補正量である取付け角度補正量を取得する取付け角度補正量取得方法において、
人体を水平前向きの姿勢として、そのときの前記加速度センサで検出した重力加速度から、頭部の座標系における水平面に対応する前記センサ部のロール軸方向およびピッチ軸方向の姿勢角(取付け角度)を演算し、姿勢角C1 として取得する第1のステップと、
人体を前方に向かい正対向する姿勢として、該前方に対し傾斜させ、そのときの前記センサ部の姿勢角C2 を求めるとともに、前記加速度センサで検出した重力加速度と、第1のステップにおいて求めた姿勢角C1 とに基づき、前記水平面に対応する該センサ部の傾斜角βを計算し、該傾斜角βに対応するピッチ軸方向の取付け角度CY(β)を算出する第2のステップと、
前記第2のステップにおいて求められた姿勢角C2 とピッチ軸方向の取付け角度CY(β)とに基づき、前記取付け角度補正量を算出する第3のステップと
を有することを特徴とする取付け角度補正量取得方法。
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