JP2004148241A - シュレッダ及びこれに用いられる電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】商用電源からの消費電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とし、シート状物の細断処理能力を向上させる。
【解決手段】シート状物8を細断する細断機構7と、この細断機構7を駆動する駆動源2と、この駆動源2に電力供給する電源装置3とを備えたシュレッダにおいて、前記電源装置3には、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備える。また、電源装置3そのものをも対象とする。
【選択図】 図1
【解決手段】シート状物8を細断する細断機構7と、この細断機構7を駆動する駆動源2と、この駆動源2に電力供給する電源装置3とを備えたシュレッダにおいて、前記電源装置3には、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備える。また、電源装置3そのものをも対象とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば使用済み機密書類のような紙葉等のシート状物を細断するシュレッダに係り、特に、商用電源からの電力を整流電源にて整流するタイプの電源装置を備えたシュレッダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シュレッダは、シート状物である投入紙の投入量を作業者の経験と勘とに頼って行われている。
すなわち、作業者は、一回の投入紙の投入量を適当に把持して投入口(ホッパ)から投入することにより、回転している一対のロールカッタで噛み込んで投入紙を細断処理するようにしている。
【0003】
従来この種のシュレッダにあっては、商用電源(例えばAC100V電源)からの電力を整流電源にて整流するタイプの電源装置が用いられており、この種の電源装置にあっては、投入紙の細断に当たり、消費電力との兼ね合いから、最大50枚程度が同時細断可能な枚数の上限であった。
【0004】
このような状況において、従来のシュレッダにあっては、一回の投入紙の投入量が多すぎると、回転している一対のロールカッタは投入紙束に噛み込んでしまい、投入紙を細断することができない。
このため、従来にあっては、駆動モータの負荷荷重を検出し、負荷荷重が大き過ぎる場合には、駆動モータを逆回転して投入紙を吐き出し、再度、作業者が一回の投入紙の投入量を適当に低減した後、これを把持して投入口から低減した投入紙を投入し、細断処理に供するという手法が採用されている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−192602号公報(従来の技術の欄,実施例の欄,図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシュレッダにあっては、投入紙の投入量を作業者の経験と勘とに頼って行われている関係上、細断作業の効率が悪いばかりか、作業者にとっても面倒であり、一回の投入紙の投入量が多すぎる度に、その負荷荷重に基づいて駆動モータを逆回転して投入紙を吐き出すことは、装置全体に過負荷応力を作用させてしまうため、装置寿命の点で好ましいとは言えない。
また、細断作業の能率の点からも、駆動モータの正回転、逆回転の繰り返しは好ましくなく、同時細断枚数を高めることが望まれていた。
更に、駆動モータを逆回転させることによる投入紙の吐き出し操作時には、紙屑の飛散があり、作業者にとって清掃を余儀なくされていた。
【0007】
このような不具合を解消するために、シュレッダ本体の投入口に細断基準量の間隔を経て同一方向に回転する一対の仕分けロールと、この下流側に配設される一対のロールカッタと、仕分けロールを通過しない余剰紙を授受する掬い板とを備えたものが既に提案されている(例えば特許文献1参照。)。
この態様によれば、一回の投入紙の投入量が細断基準量よりも多い場合には、細断基準量範囲の投入紙については仕分けロールを通過させ、ロールカッタによる細断処理に供し、一方、余剰紙については仕分けロールにて掬い板で授受させるようにしているため、特に、駆動モータを逆回転させる必要はなく、再度余剰紙を投入口に投入すれば、装置全体に過負荷応力を与えずに、細断効率を高めることが可能になる。
【0008】
しかしながら、上述したシュレッダの改良案にあっても、一回の細断処理に供する投入紙の投入量が限られてしまうため、その分、細断効率を高めるにも限度がある。
この点に関し、例えば商用電源からの消費電力を充分に確保するようにすれば、シュレッダの一回の細断処理能力を高めることは可能であるが、商用電源からの消費電力を過剰に配分すると、シュレッダの接続された電源系統回路に許容された以上の電流が流れ、回路上に不都合が生じたり、あるいは、その大電流のために、シュレッダ以外の事務機器などの使用に支障をきたす虞れがあり、好ましい対策とは言えない。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、商用電源からの消費電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とし、シート状物の細断処理能力を向上させるようにしたシュレッダ及びこれに用いられる電源装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、シート状物8を細断する細断機構7と、この細断機構7を駆動する駆動源2と、この駆動源2に電力供給する電源装置3とを備えたシュレッダにおいて、前記電源装置3には、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、本願は、商用電源1からの電力を使用する電源装置3として、商用電源1からの消費電力を制限しながら、駆動源2に対し充分な電力供給を可能としたものである。
ここで、「シート状物8」としてのは、紙葉の他に、紙以外の素材からなるシート(例えばOHPシート等)をも含む趣旨である。
また、「駆動源2」としては、代表的にはモータが挙げられるが、リンク機構などの駆動伝達機構と組み合わせることで直線運動するシフトアクチュエータ等をも含む。
更に、駆動源2の負荷は主としてシート状物8の枚数に依存する。
【0012】
また、電源装置3において、「整流電源4」としては整流作用を奏するものであればよいが、平滑フィルタで整流した直流電圧を平滑にする態様や、ノイズフィルタでノイズを除去する態様等各種の態様を含む。
一方、「バッテリ電源5」の代表的態様としては、バッテリ電圧を蓄電するバッテリユニットと、このバッテリ電圧を昇圧するDC−DCコンバータとを備えたものが挙げられるが、昇圧用のコンバータを用いない態様も含む。
尚、昇圧方式のバッテリ電源5は、既存のデバイスを用いて簡単に構築できる点で好ましい。
【0013】
また、バッテリ電源5としては、少なくとも蓄電機能部を備えていればよいが、充電機能部5aを備えたものが好ましい。
この場合、充電機能部5aの状態を検出し、バッテリ電源5の使用可能状態を予めチェックしておくことが好ましい。
【0014】
更に、電力配分手段6において、「電力供給割合を配分する」とは、夫々の電源4,5からの電力を0〜100%の範囲で割り当てることを意味するから、両方が100%である態様、あるいは、いずれかが0%である態様をも含む。
このとき、整流電源4とバッテリ電源5との電力供給順位については、通常は整流電源4からの電力を主に配分し、整流電源4からの電力が不足した場合にバッテリ電源5からの電力を追加配分する方式(バッテリ電力追加配分方式)が多く採用されるが、これに限定されるものではなく、例えば整流電源4とバッテリ電源5とを常時同時に使い、負荷の増加に伴って、バッテリ電源5からの電力比率を多く配分する方式など適宜選定して差し支えない。
そして、ここでいう「配分」には、積極的に調整する態様に限られず、積極的に調整せずに回路上自動的に平衡する態様も含む。
更にまた、「駆動源2の負荷に応じて」とは、駆動源2に作用している実際の負荷を検出し、この検出結果に基づく態様は勿論のこと、駆動源2に作用する負荷を予め想定して入力操作する態様(ユーザーが指定操作を行う等)をも含む。
【0015】
尚、整流電源の他にバッテリ電源を備えた電源装置自体は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等で知られているが、この態様は、整流電源か、バッテリ電源かの切替選択方式になっているため、本件の「電力配分手段6」については何等示唆されていない。
【0016】
また、上述したバッテリ電力追加配分方式の好ましい態様としては、駆動源2の負荷が基準負荷以下であれば整流電源4からの電力のみを供給し、駆動源2の負荷が基準負荷を超える条件下では整流電源4からの電力に加えてバッテリ電源5からの電力をも供給するようにしたものが挙げられる。
ここでいう「基準負荷」とは、駆動源2に作用する負荷が二系統の電源4,5を使用するに至る基準となる負荷、例えば100Vの電源容量である整流電源4で細断可能な最大負荷を意味する。
そして、本態様によれば、「整流電源4+バッテリ電源5」の両方から電力供給することにより、駆動源2に高負荷が作用しても対応可能である。
【0017】
上述した態様の電力配分手段6の代表的態様としては、駆動源2に対して整流電源4とバッテリ電源5とを並列接続し、駆動源2の負荷に応じて、整流電源4からの電力のみを配分したり、整流電源4からの電力に加えてバッテリ電源5からの電力を追加配分するものが挙げられる。
本態様によれば、複雑な電圧コントロールをすることなく、各電源4,5の本来の出力特性を利用して初期設定することで、自然にオーバーラップする電力配分を実現することができる。
【0018】
特に、本態様においては、整流電源4及びバッテリ電源5の少なくともいずれか一方の電源への逆流が阻止せしめられる一方向整流素子を備えていることが好ましい。
ここでいう「一方向整流素子(例えばダイオード)」は少なくともいずれか一方の電源(保護の必要な電源)への逆流を防止するものであればよいが、好ましくは、両方の電源4,5への逆流を防止するように夫々一方向整流素子を設けるのがよい。
尚、整流電源4やバッテリ電源5内に逆流防止素子を備えている場合には、本件の一方向整流素子を用いる必要はない。
【0019】
更に、本態様において、双方の電源電圧の初期設定としては、整流電源4の出力特性と、バッテリ電源5の出力特性とを基準負荷付近に相当する部位で交差するように設定すればよい。
このとき、バッテリ電源5の出力特性を電圧が略一定になるように設定すれば、電源電圧の調整が一方だけで済むため、電力配分手段6の構成をより簡略化することができる。
【0020】
また、電力配分手段6としては、上述した態様に限られるものではなく、例えば駆動源2の負荷に応じて、整流電源4及びバッテリ電源5のいずれか一方の出力を固定制御し、他方の出力を可変制御するようにしてもよいし、あるいは、駆動源2の負荷に応じて、整流電源4及びバッテリ電源5の両方の出力を夫々可変制御するようにしてもよいし、あるいは、整流電源4及びバッテリ電源5の出力を固定制御し、駆動源2の負荷に応じて、各電源4,5出力を単独若しくは組み合わせて使用するようにしても差し支えない。
【0021】
また、電力配分手段6としては、電力配分機能を備えていればよいが、これ以外の機能を備えた態様をも含む。
例えば整流電源4及びバッテリ電源5からの駆動源2に対する電力配分に加えて、駆動源2の運転態様をも制御する態様が挙げられる。
ここで、「駆動源2の運転態様」には、例えば駆動源2の回転数などが含まれる。
【0022】
更に、いずれかからの電源電圧が降下する状況での好ましい態様としては、電力配分手段6は、整流電源4又はバッテリ電源5からの電源電圧が降下した場合に、整流電源4及びバッテリ電源5の少なくともいずれかからの電力配分を変更し、前記電圧降下分を補正するようにすればよい。
本態様において、「電源電圧が降下した場合」には、例えば商用電源1電圧が降下する状況や、駆動源2の負荷が過大になることによって引き起こされる駆動源2への入力電圧が降下する状況を想定したものである。
【0023】
また、一方の電源が使用不可状態にある状況における電力配分の好ましい態様としては、電力配分手段6は、整流電源4若しくはバッテリ電源5のいずれかが使用不可状態にある条件下では、使用可能状態にある一方の電源のみを用いて電力を供給するようにすればよい。
このとき、整流電源4が使用不可状態にある場合としては例えば停電時が挙げられ、バッテリ電源5が使用不可状態にある場合としては例えば充電不足状態などが挙げられる。
【0024】
更に、一方の電源のみを使用する態様における異常状況下での処理については、電力配分手段6は、例えば駆動源2の負荷が一方の電源のみからの電力で不足する異常状況に達した条件下にて異常時処理を実行するものであればよい。
ここでいう「異常状況」とは、例えば駆動源2に電力不足となる高負荷が作用する状況を意味する。また、「異常時処理」には、例えば駆動源2の負荷を解除するように駆動源2を駆動する処理が含まれる。
【0025】
本発明は、シュレッダに限られず、このシュレッダに用いられる電源装置そのものをも対象とする。
この場合、本発明としては、図1に示すように、駆動源2に電力供給する電源装置3において、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備えるようにすればよい。
【0026】
このとき、「電源装置3」はシュレッダに用いられる用途のものは勿論、他の用途に用いられるものも含む。
更に、上述したシュレッダの電源装置3に対する各種工夫については、各種用途の電源装置3そのものについても適用できることは勿論である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は本発明が適用されたシュレッダの実施の形態1を示す正面説明図、同図(b)はその平面説明図である。
図2(a)において、シュレッダ本体20の上面には細断する紙葉類(シート状物)を投入する投入口21が設けられており、この投入口21には一対のガイドシュートで区画された案内路22が続いている。
そして、案内路22の下端の斜め下方には一対のロールカッタ23,24が設けられており、このロールカッタ23,24は、例えば図2(b)に示すように、回転軸25,26の軸方向に等間隔で円板状のカッタ刃27,28を取り付けたものであり、各カッタ刃27,28を相互に噛合配置するようにしたものである。
【0028】
また、ロールカッタ23,24の噛合部の下方位置には横方向カッタ装置30が設けられており、この横方向カッタ装置30は例えば螺旋状の刃を有するスパイラルカッタ31及びこのスパイラルカッタ31に対向して固定配置されるフラットカッタ32を有し、紙葉類を横方向に細断するものである。
更に、符号40はモータであり、図示外のギア列などの駆動伝達系にてロールカッタ23,24及びスパイラルカッタ31に回転駆動力を伝達するものである。
【0029】
本実施の形態では、投入口21に紙葉類が投入されると、例えば図示外の入紙センサがこれを検出し、モータ40を自動的に起動する。
これにより、ロールカッタ23,24及びスパイラルカッタ31が回転駆動され、投入された紙葉類は、ロールカッタ23,24によって例えば幅約3mm〜6mmの線状で縦方向に細断され、線状に細断された紙葉類は横方向カッタ装置30内部に導かれ、スパイラルカッタ31及びフラットカッタ32により例えば約10mm〜35mm程度に更に横方向に短く細断される。
このように細断された紙葉類(細断屑)はシュレッダ本体20の下部に設けられた屑容器50に落下する。
【0030】
次に、本実施の形態で用いられる電源装置60を図3に示す。
同図において、電源装置60の基本的構成は、商用電源(本例ではAC100V)61からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換するパワーモジュール(整流電源)62と、商用電源61から電力が蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源65と、整流電源62及びバッテリ電源65からの電力を所定レベルに変換してモータ40に供給するインバータ回路70と、整流電源62、バッテリ電源65及びインバータ回路70を制御する制御基板80とを備えている。
【0031】
本実施の形態において、整流電源62は、商用電源61であるAC100V入力をノイズフィルタ63を介して整流回路64に導入し、直流電圧に変換する部分である。
この部分に必要な性能は、高効率、高力率であること、更に、高調波電流規制を満足すること、各種安全規格に適合していることが要求される。
この部分では、例えば100Vを倍電圧整流することで280Vの直流電圧を得ることができる。
これは、200Vを全波整流して得られる電圧と同等であり、例えば切替回路を追加するだけで200Vの商用電源でも使用可能になるから、商用電源100V,200Vのいずれに対しても電源装置60を共用化することができる。
【0032】
また、バッテリ電源65は、バッテリユニット66と、このバッテリユニット66に蓄電されたバッテリ電圧を昇圧するDC/DCコンバータ67とを備えている。
ここで、バッテリユニット66は、充電制御部661とバッテリ本体662とからなり、充電制御部661は、制御基板80との間で信号の受け渡しを行い、バッテリの状態を把握しながら、商用電源61からのアダプタ68を介して蓄電をコントロールする。
一方、バッテリ本体662は例えばニッケル水素電池を20本直列接続し、例えば24Vのバッテリ電圧を発生するものである。
本例では、このバッテリユニット66は、例えば、モータ40のトルクが足りなくてバッテリのエネルギが必要になったとき電力を供給し、必要ないときには充電を行っている。
【0033】
また、DC/DCコンバータ67はバッテリユニット66のバッテリ電圧(例えば24V)を整流電圧(本例では例えば280V)まで昇圧することにより、整流電源62からの電力に対し必要に応じて電力を供給する。
ここで、「必要に応じて」とは、例えば紙葉類50枚までは整流電源62電力を使い、それを超える細断を行う場合には、バッテリ電源65からの電力を供給することにより、モータ40に強力なトルクを発生させるようにしたものである。
このDC/DCコンバータ67は、通常はモータ40のトルク不足のときに不足分を供給するアシスト的な役目であるが、例えば停電時には単独の動作でもモータ40を充分に駆動でき、シュレッダで充分に細断することができる。
【0034】
更に、インバータ回路70は、整流電源62からの整流電圧をモータドライブするための適当な電圧に変換するDC/DCコンバータ71と、モータ40をドライブするモータドライバ72とを組み合わせたパワーモジュールである。
この部分は、制御基板80から直接モータ40を制御でき、高効率で発熱が少なく、各種保護回路(例えば過電流保護回路、過熱保護回路)を装備していることが好ましい。
尚、本実施の形態では、モータ40としては、例えば三相直流モータが用いられており、モータドライバ72で三相直流モータへの駆動制御信号が生成される。
【0035】
また、制御基板80は、システム全体の状況を把握し、全体を効率良く制御する機能を有する。これは、通常マイクロコンピュータを使用してモータ40の回転数、各種部位の電流、電圧を監視し、最適制御を行うものである。
一方、この制御基板80は、制御不能な状態に陥ったときには電源装置60を保護し、更に、電源装置60のオンオフ、電源装置60の状態を表示する機能をも有する。
【0036】
更に、本実施の形態では、電源装置60の整流電源62とバッテリ電源65とは、例えば図4に示すように、インバータ回路70に対し並列に接続されており、整流電源62とインバータ回路70との間には整流電源62への逆流防止のためのダイオード81(具体的には81a,81b)が、また、バッテリ電源65とインバータ回路70との間にはバッテリ電源65への逆流防止のためのダイオード82(具体的には82a,82b)が夫々設けられている。
【0037】
更に、本実施の形態において、制御基板80は、例えば図5に示すようなモータ駆動制御プログラムを実行し、一連のモータ駆動制御を行うようになっている。
また、図3に示すように、モータ40と制御基板80との間には負荷検出回路90が設けられており、制御基板80は、前記負荷検出回路90からの検出出力に基づいてモータ40の負荷を把握するようになっている。
ここで、負荷検出回路90としては、適宜選定して差し支えなく、例えばモータ40の回転数、入力電圧(電流)又はインバータ回路70の出力の変化によって負荷を検出する方式が採用される。
【0038】
次に、本実施の形態に係るシュレッダの作動を電源装置60を中心として説明する。
本実施の形態において、制御基板80は、図5に示すように、モータ40の負荷を検出し、この負荷に応じて、モータ40の運転条件(回転数など)を決定すると共に、整流電源62及びバッテリ電源65の電圧を制御する。
【0039】
このとき、モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65の電圧を制御すると、モータ40の負荷に応じた電力が供給される。
ここで、電源装置60の動作原理を以下に示す。
すなわち、本件の電源装置60を模式的に示すと、例えば図6のように表すことができる。
同図において、負荷に対し、2つの定電圧電源E1,E2を並列に接続すると共に、夫々に各電源E1,E2への逆流防止のためのダイオードD1,D2を設け、例えば同一レベルの負荷に対し、電源E1の電圧を固定し、電源E2の電圧を電源E1の電圧を中心としてプラスマイナスに変化させたところ、各電源E1,E2から供給される電流(電力)が途中で入れ替わることが理解される。
【0040】
つまり、電源E2の電圧が電源E1よりも大きくなると、次第に電源E2の電流が増加し、電源E1の電流が減少する。
逆に、電源E2の電圧が電源E1のそれよりも小さくなると、電源E2の電流が減少し、電源E1の電流が増加する。
このとき、同電圧であれば、同電流となり、両者から等しく電力が供給される。
尚、ダイオードD1,D2による電流供給方式を採用しているため、各電源E1,E2に電流が逆流する懸念は全くない。
このような挙動を示す電源装置60において、負荷が変化すると、それに応じて、電源E1,E2からの電力の配分比が変化するが、本実施の形態では、基準負荷(例えば紙葉類枚数が50枚程度投入された際の負荷に相当)を境とし、基準負荷以下の低負荷時であれば、一方の電源E1からの電力のみを配分し、基準負荷を超える高負荷時になれば、電源E1の電力に加えて、他方の電源E2からの電力を追加配分する方式が採用されている。
【0041】
また、本実施の形態では、例えば電源E2の電圧の変化範囲は基準電圧の±5%程度であったが、この範囲は双方の電源E1,E2の出力インピーダンス、すなわち、レギュレーション特性に依存する。つまり、レギュレーション特性が悪ければこの範囲が広がり、逆に、レギュレーション特性が良ければこの範囲が狭くなる。
実際の回路を設計する場合には、夫々の電源、すなわち、整流電源62とバッテリ電源65の出力インピーダンス特性を良く調査し、場合によっては、作為的に調整することで最適な制御を行う必要がある。
【0042】
ここで、電源装置60の上述した動作原理に基づいて整流電源62及びバッテリ電源65の特性例について説明する。
今、整流電源62(具体的には整流回路64)の代表的な電流電圧特性を図7(a)に示す。
同図によれば、例えば無負荷時に283Vから約3A時の245Vまで低下していることが理解される。
このように、整流電源62は通常定電圧化されていない場合が多い。つまり、負荷電流に応じて出力電圧が変動するレギュレーション特性を持つものが多い。尚、図7(a)中、電流電圧特性曲線は、細線で示すようにmの変動幅で調整可能である。
これに対し、バッテリ電源65(具体的にはDC/DCコンバータ67)の代表的な電流電圧特性を図7(b)に示す。
同図によれば、バッテリ電源65は負荷によらず一定電圧を発生させることは比較的容易であり、理想的な定電圧源として動作させることができる。尚、図7(b)中、電流電圧特性曲線は、細線で示すようにnの変動幅で調整可能である。
【0043】
本例によれば、整流電源62及びバッテリ電源65の電流又は電圧を制御することで、モータ40の負荷に応じた電力を供給することが可能になることが想定される。
より具体的に説明すると、今、整流電源62の電流電圧特性、すなわち、レギュレーション特性が図8に示すような特性(I)を持っていると仮定する。
このような特性を持っていない場合には、可能な限りこの特性に近づけるべく設計することが好ましい。
一方、バッテリ電源65側のDC/DCコンバータ67は電圧可変でき、例えば図8(II)に示すように、適当な電圧に設定する。このとき、出来るだけ理想的な定電圧電源として設計することが好ましい。
【0044】
上記二つの電源62,65を前提とし、夫々の特性曲線(電流電圧特性曲線)が図8のP点で交差するようにする。
このとき、P点の手前すなわち無負荷あるいは負荷が軽い状態(例えば紙葉類枚数50枚以下に相当)では、整流電源62の方が電圧は遙かに高く、図8(I)に示すように、電力(電流)は整流電源62側から供給され、バッテリ電源65からは供給されない。
【0045】
次第に負荷が重くなってP点に近づくと、整流電源62からの電力に加え、バッテリ電源65からの電力が重畳されるに至る。
すなわち、P点を超えて負荷が重くなる(紙葉類50枚を超えた枚数に相当)と、図8(I)(II)に示すように、整流電源62からの電力はそれ以上増加することなく飽和してしまい、この整流電源62からの電力では不足する電力はバッテリ電源65から供給される(図8(I+II)参照)。
このとき、バッテリ電源65からは無限に電力供給されるわけではなく、例えば紙葉類枚数100枚相当のトルクに必要な電流値でリミッタをかけることが必要である。
【0046】
この後、制御基板80は、図5に示すように、いずれかの電源電圧が異常でないことを確認した後、決定された電力配分に従ってモータ40を駆動する。
この方法は、事前の設計や設定により電力配分動作が決定されるため、複雑なコントロールを要しない。
しかも、整流電源62からバッテリ電源65への切替またはオーバーラップがスムースに行われると考えられる。
【0047】
また、本実施の形態では、制御基板80は、図5に示すように、各電源62,65の電圧に異常がないか否かをチェックしており、例えば異常があるが、商用電源61の電圧降下程度であれば、補正が可能であるため、制御基板80は、前記電圧降下分を補正すべく、整流電源62及びバッテリ電源65の電力配分を変更した後、モータ40を駆動する。
【0048】
更に、図5に示すように、各電源62,65の電圧に補正不可能な異常が生じた場合には、制御基板80は、正常な電源を選択した後、モータ40の負荷に対応可能であれば、正常な電源を用いてモータ40を駆動する。逆に、正常な電源を選択しても、モータ40の負荷に対応できない状況(例えば紙葉類枚数が50枚を超える高負荷の状況)の場合には、制御基板80は異常時処理(例えばモータ40の負荷を解除するようにモータ40を停止するか、若しくは、逆回転駆動して紙葉類を吐き出す処理)を実行する。
【0049】
◎実施の形態2
図9は本発明が適用されたシュレッダの実施の形態2の要部を示す説明図である。
同図において、シュレッダの機片的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる電源装置60を備えている。
本実施の形態において、電源装置60は、実施の形態1と略同様に、 整流電源62及びバッテリ電源65を備えているが、インバータ回路70に対し夫々の電源62,65が別個独立に接続されている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
また、本例では、各電源62,65に対しダイオード等の一方向整流素子を用いていないが、必要に応じて設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0050】
そして、本実施の形態では、制御基板80は、モータ40の負荷に応じて、各電源62,65の電圧を以下のような方式▲1▼〜▲3▼のいずれかに従って制御し、モータ40に対する電力配分を行い、モータ40の負荷に見合った駆動制御を実現するようになっている。
▲1▼ モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65のいずれか一方の出力を固定制御し、他方の出力を可変制御する方式。
▲2▼ モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65の両方の出力を夫々可変制御する方式。
▲3▼ 整流電源62及びバッテリ電源65の出力を固定制御し、モータ40の負荷に応じて、各電源62,65出力を単独若しくは組み合わせて使用する方式。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るシュレッダによれば、シュレッダに用いる電源装置として、整流電源の他に、バッテリ電源を備え、電力供給される駆動源の負荷に応じて、整流電源及びバッテリ電源からの電力供給割合を配分するようにしたので、商用電源からの電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とし、シート状物の細断処理能力を向上させることができる。
このため、高負荷時においてシート状物を吐き出すような処理を行う必要が無くなり、装置全体に過負荷応力を作用させたり、細断作業の能率低下やシート屑の飛散などに煩わされるという弊害を有効に回避することができる。
また、本発明に係る電源装置によれば、駆動源の負荷が変化するシュレッダを始めとする各種装置に対し、商用電源からの電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とする電源装置を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシュレッダ及びこれに用いられる電源装置の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係るシュレッダの正面説明図、(b)はその平面説明図である。
【図3】本実施の形態に係るシュレッダで用いられる電源装置を示す説明図である。
【図4】本実施の形態に係る電源装置の各電源の接続部構造を示す説明図である。
【図5】本実施の形態に係るモータ駆動制御過程を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態で用いられる電源装置の動作原理を示す模式図である。
【図7】(a)は整流電源の出力特性を示す説明図、(b)はバッテリ電源の出力特性を示す説明図である。
【図8】本実施の形態で用いられる電源装置のトルク−電流特性を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係るシュレッダで用いられる電源装置の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
1…商用電源,2…駆動源,3…電源装置,4…整流電源,5…バッテリ電源,5a…充電機能部,6…電力配分手段,7…細断機構,8…シート状物
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば使用済み機密書類のような紙葉等のシート状物を細断するシュレッダに係り、特に、商用電源からの電力を整流電源にて整流するタイプの電源装置を備えたシュレッダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シュレッダは、シート状物である投入紙の投入量を作業者の経験と勘とに頼って行われている。
すなわち、作業者は、一回の投入紙の投入量を適当に把持して投入口(ホッパ)から投入することにより、回転している一対のロールカッタで噛み込んで投入紙を細断処理するようにしている。
【0003】
従来この種のシュレッダにあっては、商用電源(例えばAC100V電源)からの電力を整流電源にて整流するタイプの電源装置が用いられており、この種の電源装置にあっては、投入紙の細断に当たり、消費電力との兼ね合いから、最大50枚程度が同時細断可能な枚数の上限であった。
【0004】
このような状況において、従来のシュレッダにあっては、一回の投入紙の投入量が多すぎると、回転している一対のロールカッタは投入紙束に噛み込んでしまい、投入紙を細断することができない。
このため、従来にあっては、駆動モータの負荷荷重を検出し、負荷荷重が大き過ぎる場合には、駆動モータを逆回転して投入紙を吐き出し、再度、作業者が一回の投入紙の投入量を適当に低減した後、これを把持して投入口から低減した投入紙を投入し、細断処理に供するという手法が採用されている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−192602号公報(従来の技術の欄,実施例の欄,図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシュレッダにあっては、投入紙の投入量を作業者の経験と勘とに頼って行われている関係上、細断作業の効率が悪いばかりか、作業者にとっても面倒であり、一回の投入紙の投入量が多すぎる度に、その負荷荷重に基づいて駆動モータを逆回転して投入紙を吐き出すことは、装置全体に過負荷応力を作用させてしまうため、装置寿命の点で好ましいとは言えない。
また、細断作業の能率の点からも、駆動モータの正回転、逆回転の繰り返しは好ましくなく、同時細断枚数を高めることが望まれていた。
更に、駆動モータを逆回転させることによる投入紙の吐き出し操作時には、紙屑の飛散があり、作業者にとって清掃を余儀なくされていた。
【0007】
このような不具合を解消するために、シュレッダ本体の投入口に細断基準量の間隔を経て同一方向に回転する一対の仕分けロールと、この下流側に配設される一対のロールカッタと、仕分けロールを通過しない余剰紙を授受する掬い板とを備えたものが既に提案されている(例えば特許文献1参照。)。
この態様によれば、一回の投入紙の投入量が細断基準量よりも多い場合には、細断基準量範囲の投入紙については仕分けロールを通過させ、ロールカッタによる細断処理に供し、一方、余剰紙については仕分けロールにて掬い板で授受させるようにしているため、特に、駆動モータを逆回転させる必要はなく、再度余剰紙を投入口に投入すれば、装置全体に過負荷応力を与えずに、細断効率を高めることが可能になる。
【0008】
しかしながら、上述したシュレッダの改良案にあっても、一回の細断処理に供する投入紙の投入量が限られてしまうため、その分、細断効率を高めるにも限度がある。
この点に関し、例えば商用電源からの消費電力を充分に確保するようにすれば、シュレッダの一回の細断処理能力を高めることは可能であるが、商用電源からの消費電力を過剰に配分すると、シュレッダの接続された電源系統回路に許容された以上の電流が流れ、回路上に不都合が生じたり、あるいは、その大電流のために、シュレッダ以外の事務機器などの使用に支障をきたす虞れがあり、好ましい対策とは言えない。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、商用電源からの消費電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とし、シート状物の細断処理能力を向上させるようにしたシュレッダ及びこれに用いられる電源装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、シート状物8を細断する細断機構7と、この細断機構7を駆動する駆動源2と、この駆動源2に電力供給する電源装置3とを備えたシュレッダにおいて、前記電源装置3には、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、本願は、商用電源1からの電力を使用する電源装置3として、商用電源1からの消費電力を制限しながら、駆動源2に対し充分な電力供給を可能としたものである。
ここで、「シート状物8」としてのは、紙葉の他に、紙以外の素材からなるシート(例えばOHPシート等)をも含む趣旨である。
また、「駆動源2」としては、代表的にはモータが挙げられるが、リンク機構などの駆動伝達機構と組み合わせることで直線運動するシフトアクチュエータ等をも含む。
更に、駆動源2の負荷は主としてシート状物8の枚数に依存する。
【0012】
また、電源装置3において、「整流電源4」としては整流作用を奏するものであればよいが、平滑フィルタで整流した直流電圧を平滑にする態様や、ノイズフィルタでノイズを除去する態様等各種の態様を含む。
一方、「バッテリ電源5」の代表的態様としては、バッテリ電圧を蓄電するバッテリユニットと、このバッテリ電圧を昇圧するDC−DCコンバータとを備えたものが挙げられるが、昇圧用のコンバータを用いない態様も含む。
尚、昇圧方式のバッテリ電源5は、既存のデバイスを用いて簡単に構築できる点で好ましい。
【0013】
また、バッテリ電源5としては、少なくとも蓄電機能部を備えていればよいが、充電機能部5aを備えたものが好ましい。
この場合、充電機能部5aの状態を検出し、バッテリ電源5の使用可能状態を予めチェックしておくことが好ましい。
【0014】
更に、電力配分手段6において、「電力供給割合を配分する」とは、夫々の電源4,5からの電力を0〜100%の範囲で割り当てることを意味するから、両方が100%である態様、あるいは、いずれかが0%である態様をも含む。
このとき、整流電源4とバッテリ電源5との電力供給順位については、通常は整流電源4からの電力を主に配分し、整流電源4からの電力が不足した場合にバッテリ電源5からの電力を追加配分する方式(バッテリ電力追加配分方式)が多く採用されるが、これに限定されるものではなく、例えば整流電源4とバッテリ電源5とを常時同時に使い、負荷の増加に伴って、バッテリ電源5からの電力比率を多く配分する方式など適宜選定して差し支えない。
そして、ここでいう「配分」には、積極的に調整する態様に限られず、積極的に調整せずに回路上自動的に平衡する態様も含む。
更にまた、「駆動源2の負荷に応じて」とは、駆動源2に作用している実際の負荷を検出し、この検出結果に基づく態様は勿論のこと、駆動源2に作用する負荷を予め想定して入力操作する態様(ユーザーが指定操作を行う等)をも含む。
【0015】
尚、整流電源の他にバッテリ電源を備えた電源装置自体は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等で知られているが、この態様は、整流電源か、バッテリ電源かの切替選択方式になっているため、本件の「電力配分手段6」については何等示唆されていない。
【0016】
また、上述したバッテリ電力追加配分方式の好ましい態様としては、駆動源2の負荷が基準負荷以下であれば整流電源4からの電力のみを供給し、駆動源2の負荷が基準負荷を超える条件下では整流電源4からの電力に加えてバッテリ電源5からの電力をも供給するようにしたものが挙げられる。
ここでいう「基準負荷」とは、駆動源2に作用する負荷が二系統の電源4,5を使用するに至る基準となる負荷、例えば100Vの電源容量である整流電源4で細断可能な最大負荷を意味する。
そして、本態様によれば、「整流電源4+バッテリ電源5」の両方から電力供給することにより、駆動源2に高負荷が作用しても対応可能である。
【0017】
上述した態様の電力配分手段6の代表的態様としては、駆動源2に対して整流電源4とバッテリ電源5とを並列接続し、駆動源2の負荷に応じて、整流電源4からの電力のみを配分したり、整流電源4からの電力に加えてバッテリ電源5からの電力を追加配分するものが挙げられる。
本態様によれば、複雑な電圧コントロールをすることなく、各電源4,5の本来の出力特性を利用して初期設定することで、自然にオーバーラップする電力配分を実現することができる。
【0018】
特に、本態様においては、整流電源4及びバッテリ電源5の少なくともいずれか一方の電源への逆流が阻止せしめられる一方向整流素子を備えていることが好ましい。
ここでいう「一方向整流素子(例えばダイオード)」は少なくともいずれか一方の電源(保護の必要な電源)への逆流を防止するものであればよいが、好ましくは、両方の電源4,5への逆流を防止するように夫々一方向整流素子を設けるのがよい。
尚、整流電源4やバッテリ電源5内に逆流防止素子を備えている場合には、本件の一方向整流素子を用いる必要はない。
【0019】
更に、本態様において、双方の電源電圧の初期設定としては、整流電源4の出力特性と、バッテリ電源5の出力特性とを基準負荷付近に相当する部位で交差するように設定すればよい。
このとき、バッテリ電源5の出力特性を電圧が略一定になるように設定すれば、電源電圧の調整が一方だけで済むため、電力配分手段6の構成をより簡略化することができる。
【0020】
また、電力配分手段6としては、上述した態様に限られるものではなく、例えば駆動源2の負荷に応じて、整流電源4及びバッテリ電源5のいずれか一方の出力を固定制御し、他方の出力を可変制御するようにしてもよいし、あるいは、駆動源2の負荷に応じて、整流電源4及びバッテリ電源5の両方の出力を夫々可変制御するようにしてもよいし、あるいは、整流電源4及びバッテリ電源5の出力を固定制御し、駆動源2の負荷に応じて、各電源4,5出力を単独若しくは組み合わせて使用するようにしても差し支えない。
【0021】
また、電力配分手段6としては、電力配分機能を備えていればよいが、これ以外の機能を備えた態様をも含む。
例えば整流電源4及びバッテリ電源5からの駆動源2に対する電力配分に加えて、駆動源2の運転態様をも制御する態様が挙げられる。
ここで、「駆動源2の運転態様」には、例えば駆動源2の回転数などが含まれる。
【0022】
更に、いずれかからの電源電圧が降下する状況での好ましい態様としては、電力配分手段6は、整流電源4又はバッテリ電源5からの電源電圧が降下した場合に、整流電源4及びバッテリ電源5の少なくともいずれかからの電力配分を変更し、前記電圧降下分を補正するようにすればよい。
本態様において、「電源電圧が降下した場合」には、例えば商用電源1電圧が降下する状況や、駆動源2の負荷が過大になることによって引き起こされる駆動源2への入力電圧が降下する状況を想定したものである。
【0023】
また、一方の電源が使用不可状態にある状況における電力配分の好ましい態様としては、電力配分手段6は、整流電源4若しくはバッテリ電源5のいずれかが使用不可状態にある条件下では、使用可能状態にある一方の電源のみを用いて電力を供給するようにすればよい。
このとき、整流電源4が使用不可状態にある場合としては例えば停電時が挙げられ、バッテリ電源5が使用不可状態にある場合としては例えば充電不足状態などが挙げられる。
【0024】
更に、一方の電源のみを使用する態様における異常状況下での処理については、電力配分手段6は、例えば駆動源2の負荷が一方の電源のみからの電力で不足する異常状況に達した条件下にて異常時処理を実行するものであればよい。
ここでいう「異常状況」とは、例えば駆動源2に電力不足となる高負荷が作用する状況を意味する。また、「異常時処理」には、例えば駆動源2の負荷を解除するように駆動源2を駆動する処理が含まれる。
【0025】
本発明は、シュレッダに限られず、このシュレッダに用いられる電源装置そのものをも対象とする。
この場合、本発明としては、図1に示すように、駆動源2に電力供給する電源装置3において、商用電源1からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源4と、蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源5と、電力供給される駆動源2の負荷に応じて整流電源4及びバッテリ電源5からの電力供給割合を配分する電力配分手段6とを備えるようにすればよい。
【0026】
このとき、「電源装置3」はシュレッダに用いられる用途のものは勿論、他の用途に用いられるものも含む。
更に、上述したシュレッダの電源装置3に対する各種工夫については、各種用途の電源装置3そのものについても適用できることは勿論である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は本発明が適用されたシュレッダの実施の形態1を示す正面説明図、同図(b)はその平面説明図である。
図2(a)において、シュレッダ本体20の上面には細断する紙葉類(シート状物)を投入する投入口21が設けられており、この投入口21には一対のガイドシュートで区画された案内路22が続いている。
そして、案内路22の下端の斜め下方には一対のロールカッタ23,24が設けられており、このロールカッタ23,24は、例えば図2(b)に示すように、回転軸25,26の軸方向に等間隔で円板状のカッタ刃27,28を取り付けたものであり、各カッタ刃27,28を相互に噛合配置するようにしたものである。
【0028】
また、ロールカッタ23,24の噛合部の下方位置には横方向カッタ装置30が設けられており、この横方向カッタ装置30は例えば螺旋状の刃を有するスパイラルカッタ31及びこのスパイラルカッタ31に対向して固定配置されるフラットカッタ32を有し、紙葉類を横方向に細断するものである。
更に、符号40はモータであり、図示外のギア列などの駆動伝達系にてロールカッタ23,24及びスパイラルカッタ31に回転駆動力を伝達するものである。
【0029】
本実施の形態では、投入口21に紙葉類が投入されると、例えば図示外の入紙センサがこれを検出し、モータ40を自動的に起動する。
これにより、ロールカッタ23,24及びスパイラルカッタ31が回転駆動され、投入された紙葉類は、ロールカッタ23,24によって例えば幅約3mm〜6mmの線状で縦方向に細断され、線状に細断された紙葉類は横方向カッタ装置30内部に導かれ、スパイラルカッタ31及びフラットカッタ32により例えば約10mm〜35mm程度に更に横方向に短く細断される。
このように細断された紙葉類(細断屑)はシュレッダ本体20の下部に設けられた屑容器50に落下する。
【0030】
次に、本実施の形態で用いられる電源装置60を図3に示す。
同図において、電源装置60の基本的構成は、商用電源(本例ではAC100V)61からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換するパワーモジュール(整流電源)62と、商用電源61から電力が蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源65と、整流電源62及びバッテリ電源65からの電力を所定レベルに変換してモータ40に供給するインバータ回路70と、整流電源62、バッテリ電源65及びインバータ回路70を制御する制御基板80とを備えている。
【0031】
本実施の形態において、整流電源62は、商用電源61であるAC100V入力をノイズフィルタ63を介して整流回路64に導入し、直流電圧に変換する部分である。
この部分に必要な性能は、高効率、高力率であること、更に、高調波電流規制を満足すること、各種安全規格に適合していることが要求される。
この部分では、例えば100Vを倍電圧整流することで280Vの直流電圧を得ることができる。
これは、200Vを全波整流して得られる電圧と同等であり、例えば切替回路を追加するだけで200Vの商用電源でも使用可能になるから、商用電源100V,200Vのいずれに対しても電源装置60を共用化することができる。
【0032】
また、バッテリ電源65は、バッテリユニット66と、このバッテリユニット66に蓄電されたバッテリ電圧を昇圧するDC/DCコンバータ67とを備えている。
ここで、バッテリユニット66は、充電制御部661とバッテリ本体662とからなり、充電制御部661は、制御基板80との間で信号の受け渡しを行い、バッテリの状態を把握しながら、商用電源61からのアダプタ68を介して蓄電をコントロールする。
一方、バッテリ本体662は例えばニッケル水素電池を20本直列接続し、例えば24Vのバッテリ電圧を発生するものである。
本例では、このバッテリユニット66は、例えば、モータ40のトルクが足りなくてバッテリのエネルギが必要になったとき電力を供給し、必要ないときには充電を行っている。
【0033】
また、DC/DCコンバータ67はバッテリユニット66のバッテリ電圧(例えば24V)を整流電圧(本例では例えば280V)まで昇圧することにより、整流電源62からの電力に対し必要に応じて電力を供給する。
ここで、「必要に応じて」とは、例えば紙葉類50枚までは整流電源62電力を使い、それを超える細断を行う場合には、バッテリ電源65からの電力を供給することにより、モータ40に強力なトルクを発生させるようにしたものである。
このDC/DCコンバータ67は、通常はモータ40のトルク不足のときに不足分を供給するアシスト的な役目であるが、例えば停電時には単独の動作でもモータ40を充分に駆動でき、シュレッダで充分に細断することができる。
【0034】
更に、インバータ回路70は、整流電源62からの整流電圧をモータドライブするための適当な電圧に変換するDC/DCコンバータ71と、モータ40をドライブするモータドライバ72とを組み合わせたパワーモジュールである。
この部分は、制御基板80から直接モータ40を制御でき、高効率で発熱が少なく、各種保護回路(例えば過電流保護回路、過熱保護回路)を装備していることが好ましい。
尚、本実施の形態では、モータ40としては、例えば三相直流モータが用いられており、モータドライバ72で三相直流モータへの駆動制御信号が生成される。
【0035】
また、制御基板80は、システム全体の状況を把握し、全体を効率良く制御する機能を有する。これは、通常マイクロコンピュータを使用してモータ40の回転数、各種部位の電流、電圧を監視し、最適制御を行うものである。
一方、この制御基板80は、制御不能な状態に陥ったときには電源装置60を保護し、更に、電源装置60のオンオフ、電源装置60の状態を表示する機能をも有する。
【0036】
更に、本実施の形態では、電源装置60の整流電源62とバッテリ電源65とは、例えば図4に示すように、インバータ回路70に対し並列に接続されており、整流電源62とインバータ回路70との間には整流電源62への逆流防止のためのダイオード81(具体的には81a,81b)が、また、バッテリ電源65とインバータ回路70との間にはバッテリ電源65への逆流防止のためのダイオード82(具体的には82a,82b)が夫々設けられている。
【0037】
更に、本実施の形態において、制御基板80は、例えば図5に示すようなモータ駆動制御プログラムを実行し、一連のモータ駆動制御を行うようになっている。
また、図3に示すように、モータ40と制御基板80との間には負荷検出回路90が設けられており、制御基板80は、前記負荷検出回路90からの検出出力に基づいてモータ40の負荷を把握するようになっている。
ここで、負荷検出回路90としては、適宜選定して差し支えなく、例えばモータ40の回転数、入力電圧(電流)又はインバータ回路70の出力の変化によって負荷を検出する方式が採用される。
【0038】
次に、本実施の形態に係るシュレッダの作動を電源装置60を中心として説明する。
本実施の形態において、制御基板80は、図5に示すように、モータ40の負荷を検出し、この負荷に応じて、モータ40の運転条件(回転数など)を決定すると共に、整流電源62及びバッテリ電源65の電圧を制御する。
【0039】
このとき、モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65の電圧を制御すると、モータ40の負荷に応じた電力が供給される。
ここで、電源装置60の動作原理を以下に示す。
すなわち、本件の電源装置60を模式的に示すと、例えば図6のように表すことができる。
同図において、負荷に対し、2つの定電圧電源E1,E2を並列に接続すると共に、夫々に各電源E1,E2への逆流防止のためのダイオードD1,D2を設け、例えば同一レベルの負荷に対し、電源E1の電圧を固定し、電源E2の電圧を電源E1の電圧を中心としてプラスマイナスに変化させたところ、各電源E1,E2から供給される電流(電力)が途中で入れ替わることが理解される。
【0040】
つまり、電源E2の電圧が電源E1よりも大きくなると、次第に電源E2の電流が増加し、電源E1の電流が減少する。
逆に、電源E2の電圧が電源E1のそれよりも小さくなると、電源E2の電流が減少し、電源E1の電流が増加する。
このとき、同電圧であれば、同電流となり、両者から等しく電力が供給される。
尚、ダイオードD1,D2による電流供給方式を採用しているため、各電源E1,E2に電流が逆流する懸念は全くない。
このような挙動を示す電源装置60において、負荷が変化すると、それに応じて、電源E1,E2からの電力の配分比が変化するが、本実施の形態では、基準負荷(例えば紙葉類枚数が50枚程度投入された際の負荷に相当)を境とし、基準負荷以下の低負荷時であれば、一方の電源E1からの電力のみを配分し、基準負荷を超える高負荷時になれば、電源E1の電力に加えて、他方の電源E2からの電力を追加配分する方式が採用されている。
【0041】
また、本実施の形態では、例えば電源E2の電圧の変化範囲は基準電圧の±5%程度であったが、この範囲は双方の電源E1,E2の出力インピーダンス、すなわち、レギュレーション特性に依存する。つまり、レギュレーション特性が悪ければこの範囲が広がり、逆に、レギュレーション特性が良ければこの範囲が狭くなる。
実際の回路を設計する場合には、夫々の電源、すなわち、整流電源62とバッテリ電源65の出力インピーダンス特性を良く調査し、場合によっては、作為的に調整することで最適な制御を行う必要がある。
【0042】
ここで、電源装置60の上述した動作原理に基づいて整流電源62及びバッテリ電源65の特性例について説明する。
今、整流電源62(具体的には整流回路64)の代表的な電流電圧特性を図7(a)に示す。
同図によれば、例えば無負荷時に283Vから約3A時の245Vまで低下していることが理解される。
このように、整流電源62は通常定電圧化されていない場合が多い。つまり、負荷電流に応じて出力電圧が変動するレギュレーション特性を持つものが多い。尚、図7(a)中、電流電圧特性曲線は、細線で示すようにmの変動幅で調整可能である。
これに対し、バッテリ電源65(具体的にはDC/DCコンバータ67)の代表的な電流電圧特性を図7(b)に示す。
同図によれば、バッテリ電源65は負荷によらず一定電圧を発生させることは比較的容易であり、理想的な定電圧源として動作させることができる。尚、図7(b)中、電流電圧特性曲線は、細線で示すようにnの変動幅で調整可能である。
【0043】
本例によれば、整流電源62及びバッテリ電源65の電流又は電圧を制御することで、モータ40の負荷に応じた電力を供給することが可能になることが想定される。
より具体的に説明すると、今、整流電源62の電流電圧特性、すなわち、レギュレーション特性が図8に示すような特性(I)を持っていると仮定する。
このような特性を持っていない場合には、可能な限りこの特性に近づけるべく設計することが好ましい。
一方、バッテリ電源65側のDC/DCコンバータ67は電圧可変でき、例えば図8(II)に示すように、適当な電圧に設定する。このとき、出来るだけ理想的な定電圧電源として設計することが好ましい。
【0044】
上記二つの電源62,65を前提とし、夫々の特性曲線(電流電圧特性曲線)が図8のP点で交差するようにする。
このとき、P点の手前すなわち無負荷あるいは負荷が軽い状態(例えば紙葉類枚数50枚以下に相当)では、整流電源62の方が電圧は遙かに高く、図8(I)に示すように、電力(電流)は整流電源62側から供給され、バッテリ電源65からは供給されない。
【0045】
次第に負荷が重くなってP点に近づくと、整流電源62からの電力に加え、バッテリ電源65からの電力が重畳されるに至る。
すなわち、P点を超えて負荷が重くなる(紙葉類50枚を超えた枚数に相当)と、図8(I)(II)に示すように、整流電源62からの電力はそれ以上増加することなく飽和してしまい、この整流電源62からの電力では不足する電力はバッテリ電源65から供給される(図8(I+II)参照)。
このとき、バッテリ電源65からは無限に電力供給されるわけではなく、例えば紙葉類枚数100枚相当のトルクに必要な電流値でリミッタをかけることが必要である。
【0046】
この後、制御基板80は、図5に示すように、いずれかの電源電圧が異常でないことを確認した後、決定された電力配分に従ってモータ40を駆動する。
この方法は、事前の設計や設定により電力配分動作が決定されるため、複雑なコントロールを要しない。
しかも、整流電源62からバッテリ電源65への切替またはオーバーラップがスムースに行われると考えられる。
【0047】
また、本実施の形態では、制御基板80は、図5に示すように、各電源62,65の電圧に異常がないか否かをチェックしており、例えば異常があるが、商用電源61の電圧降下程度であれば、補正が可能であるため、制御基板80は、前記電圧降下分を補正すべく、整流電源62及びバッテリ電源65の電力配分を変更した後、モータ40を駆動する。
【0048】
更に、図5に示すように、各電源62,65の電圧に補正不可能な異常が生じた場合には、制御基板80は、正常な電源を選択した後、モータ40の負荷に対応可能であれば、正常な電源を用いてモータ40を駆動する。逆に、正常な電源を選択しても、モータ40の負荷に対応できない状況(例えば紙葉類枚数が50枚を超える高負荷の状況)の場合には、制御基板80は異常時処理(例えばモータ40の負荷を解除するようにモータ40を停止するか、若しくは、逆回転駆動して紙葉類を吐き出す処理)を実行する。
【0049】
◎実施の形態2
図9は本発明が適用されたシュレッダの実施の形態2の要部を示す説明図である。
同図において、シュレッダの機片的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる電源装置60を備えている。
本実施の形態において、電源装置60は、実施の形態1と略同様に、 整流電源62及びバッテリ電源65を備えているが、インバータ回路70に対し夫々の電源62,65が別個独立に接続されている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
また、本例では、各電源62,65に対しダイオード等の一方向整流素子を用いていないが、必要に応じて設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0050】
そして、本実施の形態では、制御基板80は、モータ40の負荷に応じて、各電源62,65の電圧を以下のような方式▲1▼〜▲3▼のいずれかに従って制御し、モータ40に対する電力配分を行い、モータ40の負荷に見合った駆動制御を実現するようになっている。
▲1▼ モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65のいずれか一方の出力を固定制御し、他方の出力を可変制御する方式。
▲2▼ モータ40の負荷に応じて、整流電源62及びバッテリ電源65の両方の出力を夫々可変制御する方式。
▲3▼ 整流電源62及びバッテリ電源65の出力を固定制御し、モータ40の負荷に応じて、各電源62,65出力を単独若しくは組み合わせて使用する方式。
【0051】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係るシュレッダによれば、シュレッダに用いる電源装置として、整流電源の他に、バッテリ電源を備え、電力供給される駆動源の負荷に応じて、整流電源及びバッテリ電源からの電力供給割合を配分するようにしたので、商用電源からの電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とし、シート状物の細断処理能力を向上させることができる。
このため、高負荷時においてシート状物を吐き出すような処理を行う必要が無くなり、装置全体に過負荷応力を作用させたり、細断作業の能率低下やシート屑の飛散などに煩わされるという弊害を有効に回避することができる。
また、本発明に係る電源装置によれば、駆動源の負荷が変化するシュレッダを始めとする各種装置に対し、商用電源からの電力を制限しながら、駆動源に対し充分な電力供給を可能とする電源装置を簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシュレッダ及びこれに用いられる電源装置の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は実施の形態1に係るシュレッダの正面説明図、(b)はその平面説明図である。
【図3】本実施の形態に係るシュレッダで用いられる電源装置を示す説明図である。
【図4】本実施の形態に係る電源装置の各電源の接続部構造を示す説明図である。
【図5】本実施の形態に係るモータ駆動制御過程を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態で用いられる電源装置の動作原理を示す模式図である。
【図7】(a)は整流電源の出力特性を示す説明図、(b)はバッテリ電源の出力特性を示す説明図である。
【図8】本実施の形態で用いられる電源装置のトルク−電流特性を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係るシュレッダで用いられる電源装置の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
1…商用電源,2…駆動源,3…電源装置,4…整流電源,5…バッテリ電源,5a…充電機能部,6…電力配分手段,7…細断機構,8…シート状物
Claims (18)
- シート状物を細断する細断機構と、
この細断機構を駆動する駆動源と、
この駆動源に電力供給する電源装置とを備えたシュレッダにおいて、
前記電源装置は、
商用電源からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する整流電源と、
蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源と、
電力供給される駆動源の負荷に応じて整流電源及びバッテリ電源からの電力供給割合を配分する電力配分手段とを備えたことを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電源装置のバッテリ電源は、蓄電されたバッテリ電圧を昇圧して所定の直流補助電圧を生成するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電源装置のバッテリ電源は、商用電源からの電力に基づいて充電する充電機能部を備えていることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源からの電力を主に配分し、整流電源からの電力が不足した場合にバッテリ電源からの電力を追加配分することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載の電源装置において、
電力配分手段は、駆動源の負荷が基準負荷以下であれば整流電源からの電力のみを供給し、駆動源の負荷が基準負荷を超える条件下では整流電源からの電力に加えてバッテリ電源からの電力をも供給するようにしたことを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載の電源装置において、
電力配分手段は、駆動源に対して整流電源とバッテリ電源とを並列接続し、駆動源の負荷に応じて双方の電源電圧を配分するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項6記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源及びバッテリ電源の少なくともいずれか一方の電源への逆流が阻止せしめられる一方向整流素子を備えていることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項6記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源の出力特性と、バッテリ電源の出力特性とを基準負荷付近に相当する部位で交差するように設定することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項6記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、バッテリ電源の出力特性を電圧が略一定になるように設定することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、駆動源の負荷に応じて、整流電源及びバッテリ電源のいずれか一方の出力を固定制御し、他方の出力を可変制御するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、駆動源の負荷に応じて、整流電源及びバッテリ電源の両方の出力を夫々可変制御するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源及びバッテリ電源の出力を固定制御し、駆動源の負荷に応じて、各電源出力を単独若しくは組み合わせて使用することを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源及びバッテリ電源からの駆動源に対する電力配分に加えて、駆動源の運転態様をも制御するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源又はバッテリ電源からの電源電圧が降下した場合に、整流電源及びバッテリ電源の少なくともいずれかからの電力配分を変更し、前記電圧降下分を補正するものであることを特徴とするシュレッダ。 - 請求項1記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、整流電源若しくはバッテリ電源のいずれかが使用不可状態にある条件下では、使用可能状態にある一方の電源のみを用いて電力を供給するようにしたことを特徴するシュレッダ。 - 請求項15記載のシュレッダにおいて、
電力配分手段は、駆動源の負荷が一方の電源のみからの電力で不足する異常状況に達した条件下にて異常時処理を実行することを特徴とするシュレッダ。 - 駆動源に電力供給する電源装置において、
商用電源からの入力交流電圧を整流して所定の直流電圧に変換する標準電源と、
蓄電されたバッテリ電圧に基づいて所定の直流補助電圧を生成するバッテリ電源と、
電力供給される駆動源の負荷に応じて標準電源及びバッテリ補助電源からの電力供給割合を配分する電力配分手段とを備えたことを特徴とする電源装置。 - 請求項17記載の電源装置として、請求項2乃至16のいずれかに記載の電源装置を使用することを特徴とする電源装置。
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