JP2004147759A - 電気掃除機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床面に相対するように配置され、かつ互いに平行に配置され、モータ4a,bと連動して回転する複数の掻上げ用ブラシローラ5a,bと、掻上げ用ブラシローラ5a,bと平行に配置されて掻上げ用ブラシローラ5a,bと接触するとともにモータ4a,bと連動して回転する掻落し用ブラシローラ6と、掻上げ用ブラシローラ5a,bと掻落し用ブラシローラ6との接点s1,2より掻落し用ブラシローラ6の回転方向下流側に開口部7aを有する塵埃収納部7とを備える。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−111449号公報(図1、図2)
【特許文献2】
特開平7−37013号公報(図1)
【特許文献3】
特開平9−47398号公報(図1、図3)
【特許文献4】
特開2002−125899号公報(図1)
【0004】
従来の電気掃除機は、吸引ポンプを有する本体と、該本体に接続された接続管の先端に設けられたノズル部とを備えるものがある。このノズル部には、床面を叩き上げて塵埃を掻き上げるためのブラシローラが配置されている。そして、ブラシローラにより掻き上げられた塵埃は、吸引ポンプにより吸引され、接続管を介して本体内の塵埃収納部に誘導されるようになっている。また、掃除性能を向上するために床面に相対して複数のブラシローラが設けられた電気掃除機が周知であり、それぞれ異なる回転方向または回転数で回転されるようになっている(例えば、特許文献1,2および3参照)。
【0005】
しかしながら、前記電気掃除機では、吸引ポンプにより吸引した空気を本体から排気する必要があり、この排気された空気が周囲の環境を害するという問題があった。また、吸引ポンプにより吸引した空気をノズル部へ再び循環させて排気量を減少させた電気掃除機も開発されているが、吸引ポンプから生じる熱を放熱する必要があり、依然として若干の排気が生じていた。また、吸引ポンプを駆動するための高出力のモータは、寸法が大きく掃除機本体を小型化できないという問題もあった。
【0006】
そこで、吸引ポンプを設けることなく排気を無くした電気掃除機がある(例えば、特許文献4参照)。この電気掃除機では、ブラシローラにより掻き上げた塵埃をブラシローラの後方に設けられた塵埃収納部に集めて収納するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記電気掃除機では、吸引ポンプによる吸引がない為、ブラシローラに付いた塵埃が取れずに掻き上げた塵埃が再び床面に戻り、掃除性能が劣悪であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、吸引ポンプを設けることなくとも掃除性能が良好な電気掃除機を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
床面に相対するように配置され、かつ互いに平行に配置され、モータと連動して回転する複数の掻上げ用ブラシローラと、
前記掻上げ用ブラシローラと平行に配置されて前記掻上げ用ブラシローラと接触するとともに前記モータと連動して回転する掻落し用ブラシローラと、
前記掻上げ用ブラシローラと前記掻落し用ブラシローラとの接点より前記掻落し用ブラシローラの回転方向下流側に開口部を有する塵埃収納部とを備えるものである。
【0010】
前記発明では、モータにより回転駆動された掻上げ用ブラシローラが、床面を叩き上げて塵埃を床面から掻き上げると、モータにより回転駆動された掻落し用ブラシローラが、この掻上げ用ブラシローラと接触し、掻上げ用ブラシローラの周囲に付着した塵埃を掻き落す。さらに、この掻き落した塵埃を掻落し用ブラシローラの回転方向下流側に位置する塵埃収納部内に開口部を介して誘導する。
【0011】
前記掻上げ用ブラシローラを、前記電気掃除機の前方側および後方側に2つ備え、前記掻落し用ブラシローラを、前記掻上げ用ブラシローラの上方かつ前記2つの掻上げ用ブラシローラの間に備えることが好ましい。もしくは、これら2つの掻上げ用ブラシローラと1つの掻落し用ブラシローラからなるブラシローラの組を2組備えてもよい。または、3つの掻上げ用ブラシローラとこれら3つの掻上げ用ブラシローラとそれぞれ接触する1つの掻落し用ブラシローラを備えるものであってもよい。
【0012】
また、前記2つの掻上げ用ブラシローラは、互いに等しい大きさの直径を有し、前記掻落し用ブラシローラは、前記2つの掻上げ用ブラシローラの直径に比べて大きい直径を有することが好ましい。
【0013】
前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち後方側に位置する掻上げ用ブラシローラは、前記床面の種類に応じて異なる回転方向に回転駆動されることが好ましい。例えば、床面が絨毯である場合、2つの掻上げ用ブラシローラは同方向に回転駆動されることが好ましく、また床面がフローリングや畳である場合、各掻上げ用ブラシローラは互いに反対方向に回転駆動されることにより床面上の塵埃をつまみ上げることが好ましい。
【0014】
前記モータを2つ備え、前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち前方側に位置する掻上げ用ブラシローラと前記掻落し用ブラシローラを1つの前記モータで回転駆動し、前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち後方側に位置する掻上げ用ブラシローラを他方の前記モータで回転駆動することが好ましい。これにより、前述したように各掻上げ用ブラシローラを互いに反対方向に回転駆動するとき、負荷が大きい後方側に位置する掻上げ用ブラシローラを確実に回転駆動することができる。
【0015】
前記掻落し用ブラシローラの回転数は、前記掻上げ用ブラシローラの回転数以下であることが好ましい。これにより、塵埃収納部内に集められた塵埃が掻落し用ブラシローラの回転によって発生する風により巻き上がることを防止できる。
【0016】
前記後方側の掻上げ用ブラシローラの腰は、前記前方側の掻上げ用ブラシローラおよび前記掻落し用ブラシローラの腰に比べて相対的に強いことが好ましい。これにより、床面上の塵埃、特に絨毯上の砂を取る効率が向上する。このとき、後方側の掻上げ用ブラシローラの腰を強くする方法は任意であり、掻上げ用ブラシローラの材料の選択、またはブラシローラの毛の長さを短くしたり、ブラシローラの毛を太くしたり、ブラシローラの毛の本数を増加させたりすることにより達成することが好ましい。
【0017】
前記前方側の掻上げ用ブラシローラは、ゴムからなるゴムブレードを備えることが好ましい。これにより、糸くずや髪の毛などのごみが掻上げ用ブラシローラに巻き付くことを防止するとともに、付いた糸くずや髪の毛などが取りやすくなる。
【0018】
前記掻上げ用ブラシローラおよび前記掻落し用ブラシローラのローラ幅は、等しいことが好ましい。
【0019】
前記電気掃除機下面が前記床面に接地しているとき、前記モータに通電し、前記電気掃除機下面が前記床面から離反しているとき、前記モータへの通電を遮断する床面検知部を、前記電気掃除機下面の離れた位置に複数備えることが好ましい。これにより、例えば、電気掃除機が逆さまに置かれた状態で電気掃除機が作動することを回避し、安全性を向上できる。
【0020】
前記モータに電力を供給するための電源部を設けることが好ましい。このとき、電源部は、一次、または充電可能な二次電池を用いることが好ましい。これにより、コードレス電気掃除機を提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る電気掃除機1を示す。この電気掃除機1は、略矩形の箱形状をなす掃除機本体2と、電気掃除機1を操作するための操作ハンドル3からなっている。前記掃除機本体2の内部には、図2、図3に示すように、2つのモータ4a,bと、2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bと、掻落し用ブラシローラ6と、塵埃収納部7が設けられている。
【0023】
前記モータ4a,bは、掃除機本体2内に配設されている図示しない配線を介して充電可能な二次電池8(電源部)から電力を供給され、正逆回転される。前記モータ4aは、図3および図4(a)に示すように、タイミングベルト9aを介してプーリ10aを回転させるものである。また、プーリ10aは、タイミングベルト9bを介してプーリ10bと接続されており、プーリ10aが回転されるとプーリ10bが連動するようになっている。一方、前記モータ4bは、図3および図4(b)に示すように、タイミングベルト9cを介してプーリ10cを正逆回転させるものである。
【0024】
前記二次電池8は、掃除機本体2の下蓋2bを開けて掃除機本体2から取り出すことができるようになっている。二次電池8が電気掃除機1の掃除機本体2内に設けられているので、使用性が向上したコードレス電気掃除機を提供できる。また、二次電池8の代わりに一次電池を用いてもよい。
【0025】
前記掻上げ用ブラシローラ5a,bおよび掻落し用ブラシローラ6は、図3に示すように、回転軸11a,b,cの周囲に軸方向に沿って複数のブラシ12が螺旋状にそれぞれ取り付けられたものである。また、回転軸11a,b,cの両端には、それぞれ接続部材13と嵌合部材14が取付固定されている。各接続部材13には、前記各プーリ10a,b,cと一体であり、掃除機本体2に回動自在に設けられたクラッチ15がそれぞれ嵌合され、また、嵌合部材14は、クラッチ15と互いに対向する位置に形成された掃除機本体2の受け部にそれぞれ嵌合されている。これにより、前記掻上げ用ブラシローラ5a,bおよび掻落し用ブラシローラ6は、回転軸11a,b,cを中心にして回動可能に軸支されている。そして、掻落し用ブラシローラ6および掻上げ用ブラシローラ5aは、モータ4aまたはモータ4bが各プーリ10a〜cを回転駆動すると3500rpm〜4000rpmで回動される。
【0026】
また、前記掻上げ用ブラシローラ5a,bは、図2に示すように、2点鎖線で示す床面に相対するように配置され、かつ互いに平行に配置されている。2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bのうち掻上げ用ブラシローラ5aは、電気掃除機1の前方側に配置されており、掻上げ用ブラシローラ5bは、電気掃除機1の後方側に配置されている。また、掻上げ用ブラシローラ5a,bは、互いに接触していても若干離れていてもよい。
【0027】
また、前記掻落し用ブラシローラ6は、掻上げ用ブラシローラ5a,bと平行に配置され、掻上げ用ブラシローラ5a,bと接点s1、接点s2で接触するように、掻上げ用ブラシローラ5a,bの上方かつ2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bの間に配置されている。
【0028】
また、前記2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bは、互いに等しい大きさの直径r1(図2に図示)を有し、前記掻落し用ブラシローラ6は、前記2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bの直径r1に比べて大きい直径r2を有する。また、掻上げ用ブラシローラ5a,bおよび掻落し用ブラシローラ6のローラ幅L1(図3に図示)は等しい。
【0029】
前記塵埃収納部7は、矩形箱形状を有し、図2に示すように、掻上げ用ブラシローラ5a,bと掻落し用ブラシローラ6との接点s1、接点s2より矢印Rで示す掻落し用ブラシローラ6の回転方向下流側に形成された開口部7aを有する。この開口部7aの高さL2の寸法は、前記掻落し用ブラシローラ6の直径r2より小さく、掻落し用ブラシローラ6の半径よりも大きい。このように、開口部7aの高さL2の寸法が設計されていることにより塵埃収納部7内に収容された塵埃が再び排出されることなく、また塵埃が塵埃収納部7内に入りにくく掃除性能が低下することもない。また、前記塵埃収納部7は、掃除機本体2の上蓋2aを開けて上方から取り出すことができるようになっている。
【0030】
前記操作ハンドル3は、図5A〜図5Cに示すように、操作ハンドル3側面から両側に突出する矩形状の断面を有する軸部3aを有する。この軸部3aは、掃除機本体2後部中央に位置するヒンジ部材20の受け部20a内に嵌合しており、これにより、操作ハンドル3は、ヒンジ部材20により軸部3aを中心にして回動可能に軸支されている。また、ヒンジ部材20の受け部20aには、凹所20bが形成されており、操作ハンドル3が、図5Aに示すように、垂直方向に直立した状態にあるときに操作ハンドル3を下方に操作できるようになっている。操作ハンドル3を下方に操作すると、一方の軸部3a先端に設けられたスイッチ押圧部3bが、図5B(a)に示す状態から図5B(b)に示す位置まで下方に移動して電気掃除機1のスイッチ21をオン/オフするようになっている。このスイッチ21は、オン/オフされると前記モータ4a,bを駆動/停止するものである。また、前記操作ハンドル3は、図2に示すように、操作ハンドル3下端に当接するヒンジスプリング22により上方に付勢されており、図5Aに示す回転位置まで持ち上げられるようになっている。また、このヒンジスプリング22は、操作ハンドル3下端に形成された突部に係合することにより操作ハンドル3を直立した状態で固定する。
【0031】
また、前記掃除機本体2の後部両側には、図3に示すように、床面検知部23がそれぞれ設けられている。この床面検知部23は、図3および図6に示すように、リミットスイッチ24と車輪25を備えている。リミットスイッチ24は、前記モータ4a,bへの電力供給を通電/遮断するものである。車輪25は、ブラケット26の軸26aにより回転自在に軸支されている。このブラケット26は、軸26bを介して掃除機本体2に回動自在に軸支されており、掃除機本体2の下面が、図6において2点鎖線で示す床面に接地しているとき、一点鎖線で示す位置に押し上げられる。このとき、ブラケット26は、前記リミットスイッチ24をオンし、これにより前記モータ4a,bに通電するようになっている。また、前記ブラケット26の軸26bの一端には、車輪25を掃除機本体2から突出させる方向にブラケット26を付勢するコイルスプリング27が設けられている。これにより、前記掃除機本体2下面が床面から離反するとき、押し上げられたブラケット26が回動されて、リミットスイッチ24がオフし、前記モータ4a,bへの通電を遮断するようになっている。
【0032】
また、前記複数の床面検知部23は、掃除機本体2の下面の離れた位置、すなわち掃除機本体2の両側に配置されているので、安全性を向上させた電気掃除機1を提供できる。これは、例えば、電気掃除機1の掃除機本体2が逆さまに置かれた状態で2つの床面検知部23のリミットスイッチ24を両方ともオンしない限り、モータ4a,bが作動することがないためである。
【0033】
次に、前記構成からなる電気掃除機1を用いて床面を掃除する場合について説明する。
【0034】
絨毯などの床面を掃除する場合、電気掃除機1のスイッチ21がオンされると、モータ4aが正方向に回転駆動し、掻上げ用ブラシローラ5aおよび掻落し用ブラシローラ6が、図4(a)中、反時計回り方向に回動される。一方、モータ4bが正方向に回転駆動し、掻上げ用ブラシローラ5bが、図4(b)中、時計回り方向に回動される。このとき、絨毯などの床面は、2つの掻上げ用ブラシローラ5a,bにより同方向に叩き上げられ、塵埃が床面から掻き上げられる。この掻き上げられた塵埃は、掻上げ用ブラシローラ5a,bの周囲に付着し、各掻上げ用ブラシローラ5a,bと接触する掻落し用ブラシローラ6により掻き落される。そして、掻き落された塵埃は、掻落し用ブラシローラ6の回転方向下流側に位置する塵埃収納部7内に開口部7aを介して誘導され、塵埃収納部7内に収容される。このように、掻落し用ブラシローラ6が、掻上げ用ブラシローラの周囲に付着した塵埃、糸クズまたは髪の毛などを掻き落すので、それらが再び床面に戻ることなく掃除性能が向上する。
【0035】
フローリングや畳などの床面を掃除する場合、電気掃除機1のスイッチ21がオンされると、モータ4bは前記絨毯などの床面を掃除する場合と異なり、逆方向に回転駆動する。これにより、後方側に位置する掻上げ用ブラシローラ5bは、図4(b)中、反時計回り方向に回動される。このとき、フローリングや畳などの床面は、互いに反対方向に回動する掻上げ用ブラシローラ5a,bにより叩き上げられるので、床面上の塵埃を効率的につまみ上げることができる。また、掻上げ用ブラシローラ5bが電気掃除機1の進行方向と逆向きに回動され、モータ4bの負荷が増加するが、モータ4bは、掻上げ用ブラシローラ5bのみを回転駆動するので掻上げ用ブラシローラ5bを確実に回転駆動することができる。
【0036】
前記実施形態の変形例として、図7に示すように、掻上げ用ブラシローラ5a,bおよび掻落し用ブラシローラ6の全てのローラを1つのモータ4aにより回転駆動するようにしてもよい。これにより、必要なモータの数を低減できる。
【0037】
また、掻落し用ブラシローラ6の回転数は、掻上げ用ブラシローラ5a,bの回転数以下にしてもよい。これにより、塵埃収納部7内に集められた塵埃が、回転する掻落し用ブラシローラ6から発生する風により巻き上がることを防止できる。
【0038】
また、後方側の掻上げ用ブラシローラ5bが、前方側の掻上げ用ブラシローラ5aおよび掻落し用ブラシローラ6に比べて相対的に強い腰を有するようにしてもよい。これにより、床面上の塵埃、特に絨毯などの床面上の砂を取る効率が向上する。また、前方側の掻上げ用ブラシローラ5aは、ブラシ12と同様に回転軸11bの周囲に螺旋上に設けられたゴムからなるゴムブレードを備えてもよい。これにより、糸くずや髪の毛などのごみが掻上げ用ブラシローラ5aに巻き付くことを防止するとともに、付いた糸くずや髪の毛などが取りやすくなる。
【0039】
また、前記操作ハンドル3を上方に付勢するためのヒンジスプリング22の代案として、図8に示す付勢部材30を設けてもよい。この付勢部材30は、図中、上方向に付勢するスプリング30aと操作ハンドル3下端に摺動する摺動部30bとからなる。
【0040】
次に、前記電気掃除機1内に設けられた掻上げ用ブラシローラ5a,bを取り外す場合について説明する。
【0041】
図9Aに示すように、掃除機本体2内部に取り付けられている掻上げ用ブラシローラ5bを、図9Bに示すように、図中、右方向に移動させる。このとき、掻上げ用ブラシローラ5bを取付位置に向かって図中、左方向に付勢していた摺動部材30が図中、右方向に移動するとともに、掻上げ用ブラシローラ5bの接続部材13がクラッチ15から離脱する。そして、図9Cに示すように、掻上げ用ブラシローラ5bの接続部材13側の端から掃除機本体2外部に取り出す。これにより、従来の電気掃除機のようにタイミングベルトを外すことなく、掻上げ用ブラシローラ5a,bを取り出すことができ、掻上げ用ブラシローラ5a,bの着脱作業が容易となる。また、着脱作業中に、誤ってタイミングベルトを破損することを回避できる。また、従来の電気掃除機とは異なり、プーリ10a,b,cを取り外すことなく掻上げ用ブラシローラ5a,bの着脱作業を行えるので、プーリ10a,b,cを掃除機本体2にガタ付きを持たせることなく取り付けることができる。これにより、掻上げ用ブラシローラ5a,bの回転時の各部材(掻上げ用ブラシローラ5a,bや、タイミングベルト9a,b,c、プーリ10a,b,c)の回転音を低減できる。
【0042】
また、図10に示すように、前記摺動部材30を掃除機本体2に設けるのではなく、掻上げ用ブラシローラ5a,bに、掻上げ用ブラシローラ5a,bを長手方向に沿って伸縮自在にする伸縮部材31を設け、同様に掻上げ用ブラシローラ5a,bを取り外すようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、回転駆動された掻上げ用ブラシローラが、床面を叩き上げて塵埃を床面から掻き上げ、掻上げ用ブラシローラと接触する掻落し用ブラシローラが、掻上げ用ブラシローラの周囲に付着した塵埃を掻き落し、さらに、この掻き落した塵埃を掻落し用ブラシローラの回転方向下流側に位置する塵埃収納部内に効率良く誘導して収容するので、従来の吸引ポンプがない電気掃除機に比べて掃除性能を向上できた。また、吸引ポンプが設けられていないので外部に排気する必要がなく、周囲の環境を害さないという効果をも奏する。さらに、吸引ポンプを駆動するための高出力のモータを使用しないので、必要な電力を低減、低騒音化および小型化を図れる。また、低電力で電気掃除機を駆動できるので、電源コードを設け商用電源から電力を供給する必要がなく、掃除機本体に内蔵可能な電池などで駆動でき、コードレス電気掃除機を提供できる。また、従来の吸引ポンプが設けられた電気掃除機の場合、フィルタが必要であったが、このフィルタも必要がなく、フィルタの目詰まりによる掃除性能の低下がなくなり、初期の掃除性能を維持できるという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気掃除機の全体図である。
【図2】図1の電気掃除機の一部拡大断面図である。
【図3】図2の掃除機本体の下面方向から見た断面図である。
【図4】(a)、(b)は、図1の電気掃除機のプーリにタイミングベルトをかけた状態を示した側面断面図である。
【図5A】図1の電気掃除機の側面断面図である。
【図5B】(a)、(b)は、図1の電気掃除機の操作ハンドルの動作状態を示した一部拡大図である。
【図5C】図2の掃除機本体の上面方向から見た一部拡大断面図である。
【図6】図2の掃除機本体の一部拡大断面図である。
【図7】図1の電気掃除機の変形例を示した側面断面図である。
【図8】図1の電気掃除機の変形例を示した側面断面図である。
【図9A】図1の電気掃除機の掻上げ用ブラシローラを取り外す動作状態を示した掃除機本体を前方側から見た断面図である。
【図9B】図1の電気掃除機の掻上げ用ブラシローラを取り外す動作状態を示した掃除機本体を前方側から見た断面図である。
【図9C】図1の電気掃除機の掻上げ用ブラシローラを取り外す動作状態を示した掃除機本体を前方側から見た断面図である。
【図10】図1の電気掃除機の変形例を示した掃除機本体を前方側から見た断面図である。
【符号の説明】
1…電気掃除機
4a,b…モータ
5a,b…掻上げ用ブラシローラ
6…掻落し用ブラシローラ
7a…開口部
7…塵埃収納部
s1,2…接点
Claims (11)
- 床面に相対するように配置され、かつ互いに平行に配置され、モータと連動して回転する複数の掻上げ用ブラシローラと、
前記掻上げ用ブラシローラと平行に配置されて前記掻上げ用ブラシローラと接触するとともに前記モータと連動して回転する掻落し用ブラシローラと、
前記掻上げ用ブラシローラと前記掻落し用ブラシローラとの接点より前記掻落し用ブラシローラの回転方向下流側に開口部を有する塵埃収納部とを備える電気掃除機。 - 前記掻上げ用ブラシローラを、前記電気掃除機の前方側および後方側に2つ備え、前記掻落し用ブラシローラを、前記掻上げ用ブラシローラの上方かつ前記2つの掻上げ用ブラシローラの間に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
- 前記2つの掻上げ用ブラシローラは、互いに等しい大きさの直径を有し、前記掻落し用ブラシローラは、前記2つの掻上げ用ブラシローラの直径に比べて大きい直径を有することを特徴とする請求項2に記載の電気掃除機。
- 前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち後方側に位置する掻上げ用ブラシローラは、前記床面の種類に応じて異なる回転方向に回転駆動されることを特徴とする請求項2または3に記載の電気掃除機。
- 前記モータを2つ備え、前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち前方側の掻上げ用ブラシローラと前記掻落し用ブラシローラを1つの前記モータで回転駆動し、前記2つの掻上げ用ブラシローラのうち後方側に位置する掻上げ用ブラシローラを他方の前記モータで回転駆動することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記掻落し用ブラシローラの回転数は、前記掻上げ用ブラシローラの回転数以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記後方側の掻上げ用ブラシローラの腰は、前記前方側の掻上げ用ブラシローラおよび前記掻落し用ブラシローラの腰に比べて相対的に強いことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記前方側の掻上げ用ブラシローラは、ゴムからなるゴムブレードを備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記掻上げ用ブラシローラおよび前記掻落し用ブラシローラのローラ幅は、等しいことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記電気掃除機下面が前記床面に接地しているとき、前記モータに通電し、前記電気掃除機下面が前記床面から離反しているとき、前記モータへの通電を遮断する床面検知部を、前記電気掃除機下面の離れた位置に複数備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電気掃除機。
- 前記モータに電力を供給するための電源部を設けたことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の電気掃除機。
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