JP2004145064A - 回折光学素子の製造方法、回折光学素子、光学系、及び光ピックアップ装置 - Google Patents
回折光学素子の製造方法、回折光学素子、光学系、及び光ピックアップ装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】樹脂層の両面に設けた第1及び第2の光学素子を、同時に一体的に形成することができ、しかも効率よく大量生産できる回折光学素子の製造方法、回折光学素子、及びそれを用いた光学系、及び光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】第1の光学素子が回折格子であり、第2の光学素子が微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、第1と第2の光学素子が両面に、同時に形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の光学素子が回折格子であり、第2の光学素子が微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、第1と第2の光学素子が両面に、同時に形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子に関し、さらに詳しくは、CD、DVDなどの光ピックアップに使用する光学素子で、光回折格子素子、光回折格子素子部品の表面に反射防止機能を付与した回折光学素子の製造方法、回折光学素子、光学系、及び光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の背景)従来、CD、DVD、MO、光カードなどの光記録媒体(光ディスクともいう)の情報を光学的手段で信号の書込み及び/又は読出しを行う光学ピックアップ装置が用いられている。該光学ピックアップ装置は、光源となるレーザダイオード素子(LED)と、該LEDの光束を回折格子(グレーティングともいう)、コリメータレンズ、1/4波長板、対物レンズなどを介して、上記光ディスクの信号記録層上に集光させ、該信号記録層からの反射光束(信号光)を偏光ビームスプリッター、円筒レンズを経て検出する光検出部を有しており、該反射光を検出することで、光ディスクに記録されている記録データを再生する。回折格子(グレーティング)は、トラッキング制御するため、主ビーム、副ビーム光を生成するためのものである。
しかしながら、従来の光学ピックアップ装置では、レーザー光源からの光ビームが反射することによるなどで生じる、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が問題となっている。「もどり光誘起ノイズ」はレーザ光源から出射された光ビームが反射して再び上記レーザ光源に反射される光(以下、「反射光」と称する。)で、光ディスク上に集光させる集光スポット径が大きくなり、レーザー光線の品質を悪化させる。「迷い光誘起ノイズ」は、光学ピックアップ装置内の略々光路全長において情報信号に干渉する記録再生に必要でない光(以下、「迷い光」と称する。)によって、ディテクター上の特にRF信号に干渉し、ジッターを悪化させる。
この「迷い光誘起ノイズ」、「もどり光誘起ノイズ」を防止するために、いわゆる反射光や迷い光を減少させ、信号品質の劣化が少ない光学ピックアップ装置用の回折光学素子が要求されていた。
【0003】
(先行技術)樹脂やガラスに回折格子形状を形成した基板の表面に、反射防止膜や反射膜を形成した構成が、記載されている(例えば、特許文献1ないし特許文献3参照。)。しかしながら、回折格子を形成した後に、別工程で基板の反対面に反射防止層を設けねばならず、しかも該反射防止層は通常真空蒸着法で行うので、異なるプロセスで、高価な真空装置を用いなければならないという欠点がある。
また、光学素子の一方の面に第1の回折格子が、他方の面に第2の回折格子が設けられ、それぞれの回折格子の格子細条をほぼ直交させて、複屈折性を防止する光学素子が、記載されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、2つの光学機能を有するが、第1と第2の回折格子が組み合わされないと、反射防止機能が発現しないという欠点がある。また、片面の非球面レンズの形成と回折格子を同時に行うことができるが、両面を同時に行うことは言及されていない。
上記いずれの文献でも、本発明のような光学素子の一方の面に第1の光学素子(例えば光回折機能)が、他方の面に第2の光学素子(例えば反射防止機能)が設けられ、しかも、両面に設けた第1及び第2の光学素子を同時に一体的に成形することについては、記載も示唆されていない。
【0004】
【特許文献1】特開平9−230121号公報
【特許文献2】特開平10−293205号公報
【特許文献3】特開平4−100835号公報
【特許文献4】特表平9−500459号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、光学素子の両面に設けた第1及び第2の光学素子を、高価な真空機器を用いずに、樹脂層の両面の光学素子を同時に一体的に形成することによって不要な光反射がなく、しかも安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法、回折光学素子、及びそれを用いた光学系、及び光ピックアップ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる回折光学素子は、光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなる回折光学素子において、前記第1の光学素子が回折格子であり、前記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であるようにしたものである。本発明によれば、反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い回折光学素子が提供される。
請求項2の発明に係わる回折光学素子は、上記微細な凹凸の間隔が780nm以下であるようにしたものである。本発明によれば、可視光線の反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い回折光学素子が提供される。
請求項3の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなり、前記第1及び第2の光学素子が微細な凹凸からなる回折光学素子の製造方法において、(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程と、(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(d)第2の光学素子用の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程と、(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程と、(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程と、からなるようにしたものである。本発明によれば、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項4の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、上記第1の光学素子が回折格子であり、上記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であるようにしたものである。本発明によれば、基板の一方の面に回折格子が、他方の面にモスアイ構造の反射防止層を有する回折光学素子を、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。請求項5の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、成形法がプレス成形法であるようにしたものである。本発明によれば、両面を同時に、しかも汎用のプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項6の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、請求項4〜5記載の回折光学素子の製造方法において、第1及び第2のスタンパを所望の金型形状に加工して、該スタンパを成形金型内に装填せず、直接金型として用いて成形するようにしたものである。本発明によれば、スタンパを金型へ装填する工程が不要で、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機又はプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項7の発明に係わる光学系は、光ビームを案内すると共に光ビームに作用する光学系であって、該光学系が少なくとも1つの素子を有する光学系において、前記素子の少なくとも1つの素子が請求項1〜2のいずれかに記載の回折光学素子であるようにしたものである。本発明によれば、レーザー光源からの光ビームが反射することが少なく、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が減少した光学系が提供される。
請求項8の発明に係わる光ピックアップ装置は、光学系を有する光ピックアップ装置であって、前記光学系が請求項7記載の光学系を含むようにしたものである。本発明によれば、信号品質の劣化が少ない光ピックアップ装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す回折光学素子の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す光ピックアップ装置を説明する模式的な説明図である。
(基本の構成)
(光ピックアップ装置)本発明の光ピックアップ装置100は少なくとも1つの本発明の回折光学素子1を含んでいればよく、例えばCD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、MO、ゲーム用光ディスク、光カードなどの情報を光学的手段で信号の書込み及び/又は読出しを行うものである。図2に示すように、光源101と、該光源101からの光束を分光する回折光学素子1、コリメータレンズ105、1/4波長板107、対物レンズ109などを介して、上記CD201の信号記録層上に集光させ、該信号記録層からの反射光束(信号光)を偏光ビームスプリッター103、円筒レンズ203を経て検出する光検出部205などを有しており、該反射光を検出することで、CDなどに記録されている記録データを再生する。
(光学系)本発明の光学系は少なくとも1つの本発明の回折光学素子1を含んでいればよく、例えば図2に示す、光源101からの光束を分光する回折光学素子1としての回折格子10(回折格子、グレーティングともいう)、コリメータレンズ105、1/4波長板107、対物レンズ109、記録層からの反射光束(信号光)を偏光する偏光ビームスプリッター103、円筒レンズ203などから構成される光学系である。
(回折光学素子)本発明の回折光学素子は、上記光ピックアップ装置100や光学系に用いられる回折格子10(グレーティング)などの回折光学素子1であり、両面に凹凸パターンを有する素子であればよく、正弦波、ブレーズ、矩形形状の回折格子、フレネルや非球面レンズ、反射防止、光拡散、偏光などの機能を発現する凹凸などがある。例えば、上記の回折光学素子である回折格子10はCDのトラッキング制御するため、主ビーム、副ビーム光を生成するためのものである。該回折格子10は、樹脂層11の一方の面に第1の光学素子13、他方の面に第2の光学素子15を有している。第1の光学素子13の機能は表面に形成されている第1の凹凸23から光回折機能を発現し、第2の光学素子13の機能は表面に形成されている第2の凹凸23から反射防止機能を発現する。また、第1の凹凸23、及び第2の凹凸25の表面には必要に応じて防汚層を設けてもよい。
【0008】
(第1の凹凸)第1の凹凸23は、レーザ光のビームスプリッタなどとして使用され、光源101からの光束を分光する回折光学素子1としての透過型回折格子10(回折格子、グレーティングともいう)であり、凹凸形状は正弦波でもブレーズドでもよい。該回折格子10は1mm当たり100〜5000個程度の、好ましくは1mm当たり250〜2500個の多数の溝状凹凸を有している。
【0009】
(第2の凹凸)第2の凹凸25は、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた形状の微細な凹凸とする。このようにすると、所謂Motheye(蛾の目)の原理で、該第2の凹凸25と空気層との屈折率屈折率変化が擬似的に連続となり、前記反射防止したい波長域の反射を抑えて反射防止する機能が発現する。このように、光ビームの反射によるいわゆる「もどり光誘起ノイズ」が減少し、ディスク上に集光する光ビームの品質を悪化させず、集光スポット径を大きくならない。また、光路上に散乱する光が復路の光線に干渉して生じる「迷い光誘起ノイズ」が減少し、光検出部のRF信号に干渉せず、ジッターを悪化させない。
【0010】
この第2の凹凸25の高低差(高さ)及びピッチ(間隔)は、用途及び目的にあった反射防止したい波長域によって、適宜選定すれば良い。例えば、可視光域であれば、凸部の高さを250nm以上、ピッチを265nm程度とすれば理想的である。ところが、この第2の凹凸25の高低差(以降、凸部の高さという)及び間隔(以降、ピッチという)ともに極めて微細なものであり、例えば、反射防止したい波長域は使用するレーザー光源の波長で選定すればよく、CDであれば凸部の高さが195nm以上、ピッチが780nm以下であり、DVDであれば凸部の高さが162.5nm以上、ピッチが650nm以下であり、使用するレーザー光源がブルーレーザーであれば凸部の高さが100nm以上、ピッチが400nm以下である。
【0011】
(発明のポイント)このように回折を目的とする微細な第1の凹凸23と、反射防止を目的とする第2の凹凸25を、樹脂層11の両面にわたって均一に賦型し、しかも安価に、大量生産する必要がある。
そこで、本発明者らは、第1及び第2の微細な凹凸パターンを、該凹凸パターンと鏡像関係(雌型、ネガ型ともいう)にある凹凸パターンを有する第1及び第2のスタンパを作成し、該第1及び第2のスタンパを成形金型へ装填、又は所望の金型形状に加工して、両面の凹凸を同時に成形することで、高価な真空機器を用いずに、反射防止機能を有する光学素子を形成することができ、しかも安価に大量生産できることを見出して、本発明に至った。
【0012】
(樹脂層)本発明の回折光学素子を構成する樹脂層としては、視覚的な意味での透明性、機械的強度があり、製造及び使用時に耐える機械的強度、耐熱性、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−トなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリアリレ−ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などが適用できる。好ましくは、光学特性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は環状ポリオレフィン樹脂などであり、さらに好ましくは、アクリル樹脂、又はポリカーボネート樹脂が好適である。
【0013】
先行技術で述べた他方の面に真空蒸着法で反射防止膜を形成する場合には、真空蒸着層の密着の良い環状ポリオレフィン樹脂を持ちねばならないが、本発明の反射機能では真空蒸着法でなく、射出又はプレス成形法で反射機能を有する凹凸も同時成形してしまうので、高価な環状ポリオレフィン樹脂以外に、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの所謂汎用エンジニリングプラスチック樹脂を用いることができる。また、2P法で成形する場合には、公知の電離放射線硬化樹脂が適用できる。
【0014】
樹脂層の厚さは、通常、0.05〜30mm程度が適用できるが、0.1〜10mmが好適で、0.5〜5mmが最適である。この範囲未満では、強度や硬さに欠けるので、外力で変形したり、また光学系へ組立時に取扱いしにくい、この範囲以上の厚さでは、強度が過剰であり、コスト的にも不利である。
【0015】
(防汚層)本発明の回折光学素子1は、表面に防汚層を設けてもよい。防汚層は、凹凸の表面を保護し、さらに、その表面にごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される。具体的には、透明性や反射防止機能を低下させない範囲で、疎水性や撥油性を示す化合物が適用できる。例えば、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く、レンズ表面の微細な凹凸をトレースするように塗布する。余剰分を拭い除去してもよい。防汚層は材料に応じて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、プラズマ重合法などの真空成膜法や、マイクログラビア印刷、スクリーン印刷などの各種の印刷法、コーティング方法を用いて形成すればよい。防汚層は、恒久的な層として形成してもよいが、必要の都度、塗布して形成してもよい。防汚層の厚みとしては、1〜20nm程度が好ましい。
【0016】
図3は、本発明の回折光学素子の製造方法を示すフロー図である。
(製造方法)請求項3の発明、請求項4の発明は、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンの形状が異なるのみで、製造方法は同様であり、まず、請求項4の発明について説明する。本発明の回折光学素子の製造方法は、射出成形法、プレス成形法、2P法などが適用でき、好ましくは、射出成形法、プレス成形法である。例えば、図3に示すように、ステップ1の(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、ステップ2の(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程と、ステップ3の(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、ステップ4の(d)第2の光学素子用の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程と、ステップ5の(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程と、ステップ6の(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程とからなる射出成形法である。
【0017】
(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程
(回折格子)第1の光学素子である回折格子の凹凸パターンを準備する。該凹凸パターンの原版は、公知のレーザー光干渉縞法、電子線描画法、機械的彫刻法が適用できる。レーザー光干渉縞法は通常ホログラムを撮影する方法で、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、ポジ型フォトレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布乾燥しレジスト原版を作成する。該レジスト原版上へ、レーザ光などのコヒーレント光をハーフミラーにより複数光束に分割し、該分割光束を所定の角度で交差させて、干渉縞を発生させ、この干渉縞をフォトレジストに撮影(記録)し、現像すればよい。干渉縞が凹凸模様として記録されている原版が作成できる。また、分割する光束は、2光束、3光束、4光束などの複数光束とし、複数光束の干渉縞でもよい。
【0018】
(レーザ光源)レーザ光としては、アルゴンイオンレーザの、514.5nmの波長のレーザ光(緑色),488nmのレーザ光(青緑色)又は波長457.9nmの波長のレーザ光(青色)を用いることができる。またアルゴンイオンレーザ以外でもコヒーレント性の良いレーザ光源であればよく、例えばヘリウムネオンレーザやクリプトンイオンレーザなどが使用できる。
(撮影機器)レジスト原版を載置し、レーザ光を光束に分割し、レーザ光を乾板上に結像させる結像手段などは、公知のレンズ系、ハーフミラー、ビームスプリッター、ホログラフィック・オプティカル・エレメントなどを用いればよい。
【0019】
(電子線描画)電子線描画法は、電子線描画装置を用いて、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、EBレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布し乾燥したレジスト原版へ、描画的に回折格子を作成する。電子線描画法では、計算に基づいて任意の回折光が得られるもの、凹部と凸部の比率を変えたもの、2値化などの複値化したもの、などの回折格子を作ることができる。
【0020】
(第1の凹凸形状)第1の凹凸23のピッチは干渉縞のピッチ(空間周波数の逆数)で決まり2光束に分かれたレーザ光の入射角による。凹凸23の並ぶ方向は干渉縞の方向で2光束の入射方向による。また、凹凸の形状はレーザ光の波長とレーザ光の入射角で決まるので、凹凸23の形状は用途などによって、適宜選択すればよい。電子線描画法では、計算に基づいて任意の回折光が得られるもの、凹部と凸部の比率を変えたもの、2値化などの複値化したもの、などの回折格子とすることもできる。
【0021】
(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程
(第1のスタンパの作成)原版を用いて、1〜複数(奇数)回の複製を繰り返して複製版材(刷版、スタンパともいう)を作成する。該スタンパの凹凸形状は複製回数を選定することで、原版の凹凸パターンと鏡像関係(雌型、ネガ型ともいう)にある凹凸パターンであるようにする。該スタンパとしては、メッキによる金属スタンパが適用できる。金属スタンパは、原版の表面に金やNiなどを蒸着し、これを電極に厚さ100μm〜5mm程度、好ましくは300μm〜3mmのニッケルメッキ層を形成してから、ニッケル層を剥離して複製版材とする。また、撮影、現像、洗浄した原版をマスタ版として、Niメッキしてもよい。
なお、金型構造により3mm以上の厚いNiメッキ厚が必要な場合には、まず厚さ2〜3mm程度にNiメッキを行い、その後鋼材をインサートしその後Niメッキを行い、所望の金型サイズに加工すればよい。場合によっては、2P法による樹脂版をスタンパとしてもよい。
【0022】
(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程、
(第2の凹凸形状、モスアイ)第2の凹凸25パターンの原版は、レーザー光干渉縞法が適用できる。該原版の作成は、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、ポジ型フォトレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布乾燥しレジスト原版を作成する。該レジスト原版上へ、レーザ光などのコヒーレント光をハーフミラーにより2光束に分割し、該分割光束を所定の角度で交差させて、干渉縞を発生させ、この干渉縞をフォトレジストに記録する。さらに、該レジスト原版を回転して、同様に干渉縞を記録し、現像すればよい。干渉縞が凹凸模様として記録されている原版が作成できる。好ましい回転角度は90度である。また、分割する光束は、3光束、4光束などの複数光束としてもよく、その場合には1回の露光としてもよい。レーザ光源や撮影機器は、第1の原版と同様のものが使用でき、レジスト原板を回転する手段は、公知のX−Yテーブルでよい。
【0023】
第2の凹凸25のピッチは干渉縞のピッチ(空間周波数の逆数)で決まり2光束に分かれたレーザ光の入射角による。第2の凹凸25の並ぶ方向は干渉縞の方向で2光束の入射方向による。また、凸部の高さはレーザ光露光量と、露光後の現像条件で決まる。例えば、感光原版の角度を90度違えて記録すれば、凸部が縦及び横方向に規則正しく並んだ凸部が得られる。このように、凹凸17の形状は反射防止する波長によって、適宜選択すればよい。
【0024】
例えば、CDであれば波長780nmのレーザー光源を使用するので、凸部の高さが195nm以上、ピッチが780nm以下であり、DVDであれば波長650nmのレーザー光源を使用するので、凸部の高さが162.5nm以上、ピッチが650nm以下であり、使用するレーザー光源が波長400nmのブルーレーザーであれば凸部の高さが100nm以上、ピッチが400nm以下とすればよい。また、安定した反射防止機能を得るためには、凸部のピッチを波長の80%以下とすることが好ましい。第2の凹凸25の形状はこれに限定されず、使用する波長によって、適宜設定すればよい。
【0025】
(d)第2の光学素子の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程は、凹凸パターンが異なるだけで、(b)と同様であり、省略する。
【0026】
(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程
得られた第1及び第2のスタンパを、射出成形機に用いる成形金型へ装填する。装填は公知の方法でよく、嵌合、ロウづけ、ネジ留め、真空チャック、真空チャックとクランプの併用などで、固定すればよい。Ni金型の場合には通常ネジで固定する。
【0027】
(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程
まず、第1及び第2のスタンパを装填した成形金型を、射出成形機へ載置する。公知の射出成形法で、溶融した樹脂を金型内へ射出し、冷却した後に金型を解放して取り出せば、本発明の両面に凹凸(光学機能を有する)が同時に賦型された回折光学素子が得られる。好ましくは射出圧縮成形である。
また、回折光学素子には、機能部分以外に、光学系への組み付けに使用するフランジ、嵌合突起、ノッチ、穴などの補助部分も同時に成形することもできる
さらに、射出成形では多面付けすることも容易なので、より安価に大量生産することができる。、
【0028】
請求項3の発明は、第1の光学素子の凹凸、及び第2の光学素子の凹凸が、微細な凹凸であればよく、回折格子、モスアイ構造に限定されない。例えば、フレネル、非球面、プリズムなどのレンズ、モスアイ以外の凹凸による反射防止、光拡散、偏光、光線透過率、屈折などの光学機能を有する凹凸でよく、同様に所望の光学機能を有する回折光学素子を製造することができる。また、光学系以外でも、携帯電話やデジタルカメラの液晶ディスプレイの保護ウィンドウ、フロントライト方式面光源装置の導光板などの光学部材に使用できる。
【0029】
請求項5の発明は、成形法がプレス成形法であり、公知のプレス成形法が適用できる。上記の第1及び第2のスタンパを用いて、該第1及び第2のスタンパの間に、樹脂層を重ねて加熱加圧してプレスした後に、第1及び第2のスタンパを剥離することで、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンが同時に形成できる。
また、2P法の場合には、例えば、アクリル板にUV硬化性樹脂を塗布し、第1の樹脂スタンパを重ねてUV露光し、次にアクリル板の逆面にUV硬化性樹脂を塗布し、第2の樹脂スタンパを重ねてUV露光すればよい。
【0030】
請求項6の発明は、第1及び第2のスタンパを所望の金型形状に加工して、該スタンパを成形金型内に装填せず、直接金型として用いてプレス成形する。例えば、前述のNiメッキスタンパで、厚さ2〜3mm程度にNiメッキを行い、その後鋼材をインサートしその後Niメッキを行い、所望の金型サイズに加工すればよい。
【0031】
請求項7の発明は、以上で説明してきた回折光学素子を少なくとも1つを含み、図2に示すような、光ビームを案内すると共に光ビームに作用する光学系である。
【0032】
請求項8の発明は、上記光学系を使用した光ピックアップ装置であって、例えば図3に示すような、CDの光ピックアップ装置である。また、CDの光ピックアップ装置に限らず、DVD、MO、ゲーム用ディスク、光カード、POSなどのバーコード用などもよい。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
(第1の凹凸パターンの作成)厚さが3.5mmの両面に2次研磨を施したソーダガラス板へ電子線レジスト1μm塗布して縦横10×10cm角のレジスト原版とし、電子線描画法で、凹凸の高さが0.2μm、ピッチが1.5μmの細条溝からなる回折格子を作成した。
(第2の凹凸パターンの作成)厚さが3.5mmの両面に2次研磨を施したソーダガラス板へポジ型レジスト(シプレイ社製、商品名フォトレジストs1805)1μm塗布して縦横10×10cm角のレジスト原版とし、非レジスト面へ屈折率1.515の屈折率標準液を滴下して、黒色ガラスを密着させた。該レジスト原版へ、レーザ光としてアルゴンイオンレーザの波長457.9nm(青色)を用い、該レーザ光を2分割した後に、それぞれの光束を、左方向と右方向から、それぞれ60度の角度でレジスト原版のレジスト面へ130mJ露光した。さらにレジスト原版を同一面で90度回転させた後に、同様に露光し、現像して、原版を得た。
(第1及び第2のスタンパの作成)第1の凹凸原版から2P法で複製版材(マスタ版M1)とし、該複製版材(マスタ版M1)から2P法で複製版材(マスタ版M2)とし、該複製版材(マスタ版M2)へニッケルを厚さ300μmにメッキし、剥がしてNi版材(第1のスタンパ)とした。同様に第2の凹凸原版から、同様にNi版材(第2のスタンパ)とした。
(成形金型への装填)第1及び第2のスタンパを、それぞれ射出成形金型の両面となる部分へネジ留めした。
(射出成形)該成形金型を公知の型締力50トン射出成形機の金型へ載置して、アクリル樹脂を溶融し射出して、冷却し金型を開放して取り出した。
(回折光学素子)厚さ2.0mm、直径10mmで、両面の表面に凹凸が賦型されて、一方が回折格子と他方が反射防止機能を有する回折光学素子を得た。
該回折光学素子の回折効率は一次光で13%であった。また、該回折光学素子の反射率は0.4%と、通常アクリル板の反射率4%に対して低減され、反射防止機能が付与されていた。
【0034】
(実施例2)プレス成形の例
実施例1の第1及び第2の原版を用いて、ニッケルを厚さ3mmにメッキし剥がして、厚さ20mmの鋼材へインサートした後にNiメッキして、第1及び第2のプレス金型とした。該第1及び第2のプレス金型を公知のプレス成形機へ載置し、厚さが2mmのアクリル板を挟んでプレスし冷却して回折光学素子を得た。該回折光学素子は実施例1と同様の機能を有していた。
【0035】
(実施例3)光学系の例
実施例1の回折光学素子を、図2に示すように組み込んで、光学系を得た。
【0036】
(実施例4)ピックアップ装置の例
実施例3の光学系を、図2に示すように組み込んで、CDピックアップ装置を得た。該CDピックアップ装置でCD−RWへ読み書きを行ったところ、正常に作動した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の回折光学素子は、反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い、回折光学素子が得られる。
本発明の回折光学素子の製造方法は、従来の回折格子を形成した後に、別工程で基板の反対面に反射防止層を設ける方法と比較すると、異なるプロセスで高価な真空装置を用いることがなく、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機又はプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる。
本発明の光学系、及び光ピックアップ装置は、レーザー光源からの光ビームが反射することが少なく、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が減少して、信号品質の劣化が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す回折光学素子の断面図である。
【図2】本発明の1実施例を示す光ピックアップ装置を説明する模式的な説明図である。
【図3】本発明の回折光学素子の製造方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 回折光学素子
11 樹脂層
13 第1の光学素子(23 第1の凹凸)
15 第2の光学素子(25 第2の凹凸)
100 光学系
101 光源
103 偏光ビームスプリッタ
105 コリメータレンズ
107 1/4波長板
109 対物レンズ
201 CD
203 円筒レンズ
205 光検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子に関し、さらに詳しくは、CD、DVDなどの光ピックアップに使用する光学素子で、光回折格子素子、光回折格子素子部品の表面に反射防止機能を付与した回折光学素子の製造方法、回折光学素子、光学系、及び光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の背景)従来、CD、DVD、MO、光カードなどの光記録媒体(光ディスクともいう)の情報を光学的手段で信号の書込み及び/又は読出しを行う光学ピックアップ装置が用いられている。該光学ピックアップ装置は、光源となるレーザダイオード素子(LED)と、該LEDの光束を回折格子(グレーティングともいう)、コリメータレンズ、1/4波長板、対物レンズなどを介して、上記光ディスクの信号記録層上に集光させ、該信号記録層からの反射光束(信号光)を偏光ビームスプリッター、円筒レンズを経て検出する光検出部を有しており、該反射光を検出することで、光ディスクに記録されている記録データを再生する。回折格子(グレーティング)は、トラッキング制御するため、主ビーム、副ビーム光を生成するためのものである。
しかしながら、従来の光学ピックアップ装置では、レーザー光源からの光ビームが反射することによるなどで生じる、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が問題となっている。「もどり光誘起ノイズ」はレーザ光源から出射された光ビームが反射して再び上記レーザ光源に反射される光(以下、「反射光」と称する。)で、光ディスク上に集光させる集光スポット径が大きくなり、レーザー光線の品質を悪化させる。「迷い光誘起ノイズ」は、光学ピックアップ装置内の略々光路全長において情報信号に干渉する記録再生に必要でない光(以下、「迷い光」と称する。)によって、ディテクター上の特にRF信号に干渉し、ジッターを悪化させる。
この「迷い光誘起ノイズ」、「もどり光誘起ノイズ」を防止するために、いわゆる反射光や迷い光を減少させ、信号品質の劣化が少ない光学ピックアップ装置用の回折光学素子が要求されていた。
【0003】
(先行技術)樹脂やガラスに回折格子形状を形成した基板の表面に、反射防止膜や反射膜を形成した構成が、記載されている(例えば、特許文献1ないし特許文献3参照。)。しかしながら、回折格子を形成した後に、別工程で基板の反対面に反射防止層を設けねばならず、しかも該反射防止層は通常真空蒸着法で行うので、異なるプロセスで、高価な真空装置を用いなければならないという欠点がある。
また、光学素子の一方の面に第1の回折格子が、他方の面に第2の回折格子が設けられ、それぞれの回折格子の格子細条をほぼ直交させて、複屈折性を防止する光学素子が、記載されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、2つの光学機能を有するが、第1と第2の回折格子が組み合わされないと、反射防止機能が発現しないという欠点がある。また、片面の非球面レンズの形成と回折格子を同時に行うことができるが、両面を同時に行うことは言及されていない。
上記いずれの文献でも、本発明のような光学素子の一方の面に第1の光学素子(例えば光回折機能)が、他方の面に第2の光学素子(例えば反射防止機能)が設けられ、しかも、両面に設けた第1及び第2の光学素子を同時に一体的に成形することについては、記載も示唆されていない。
【0004】
【特許文献1】特開平9−230121号公報
【特許文献2】特開平10−293205号公報
【特許文献3】特開平4−100835号公報
【特許文献4】特表平9−500459号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、光学素子の両面に設けた第1及び第2の光学素子を、高価な真空機器を用いずに、樹脂層の両面の光学素子を同時に一体的に形成することによって不要な光反射がなく、しかも安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法、回折光学素子、及びそれを用いた光学系、及び光ピックアップ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる回折光学素子は、光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなる回折光学素子において、前記第1の光学素子が回折格子であり、前記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であるようにしたものである。本発明によれば、反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い回折光学素子が提供される。
請求項2の発明に係わる回折光学素子は、上記微細な凹凸の間隔が780nm以下であるようにしたものである。本発明によれば、可視光線の反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い回折光学素子が提供される。
請求項3の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなり、前記第1及び第2の光学素子が微細な凹凸からなる回折光学素子の製造方法において、(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程と、(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(d)第2の光学素子用の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程と、(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程と、(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程と、からなるようにしたものである。本発明によれば、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項4の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、上記第1の光学素子が回折格子であり、上記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であるようにしたものである。本発明によれば、基板の一方の面に回折格子が、他方の面にモスアイ構造の反射防止層を有する回折光学素子を、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。請求項5の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、成形法がプレス成形法であるようにしたものである。本発明によれば、両面を同時に、しかも汎用のプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項6の発明に係わる回折光学素子の製造方法は、請求項4〜5記載の回折光学素子の製造方法において、第1及び第2のスタンパを所望の金型形状に加工して、該スタンパを成形金型内に装填せず、直接金型として用いて成形するようにしたものである。本発明によれば、スタンパを金型へ装填する工程が不要で、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機又はプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる回折光学素子の製造方法が提供される。
請求項7の発明に係わる光学系は、光ビームを案内すると共に光ビームに作用する光学系であって、該光学系が少なくとも1つの素子を有する光学系において、前記素子の少なくとも1つの素子が請求項1〜2のいずれかに記載の回折光学素子であるようにしたものである。本発明によれば、レーザー光源からの光ビームが反射することが少なく、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が減少した光学系が提供される。
請求項8の発明に係わる光ピックアップ装置は、光学系を有する光ピックアップ装置であって、前記光学系が請求項7記載の光学系を含むようにしたものである。本発明によれば、信号品質の劣化が少ない光ピックアップ装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す回折光学素子の断面図である。
図2は、本発明の1実施例を示す光ピックアップ装置を説明する模式的な説明図である。
(基本の構成)
(光ピックアップ装置)本発明の光ピックアップ装置100は少なくとも1つの本発明の回折光学素子1を含んでいればよく、例えばCD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、MO、ゲーム用光ディスク、光カードなどの情報を光学的手段で信号の書込み及び/又は読出しを行うものである。図2に示すように、光源101と、該光源101からの光束を分光する回折光学素子1、コリメータレンズ105、1/4波長板107、対物レンズ109などを介して、上記CD201の信号記録層上に集光させ、該信号記録層からの反射光束(信号光)を偏光ビームスプリッター103、円筒レンズ203を経て検出する光検出部205などを有しており、該反射光を検出することで、CDなどに記録されている記録データを再生する。
(光学系)本発明の光学系は少なくとも1つの本発明の回折光学素子1を含んでいればよく、例えば図2に示す、光源101からの光束を分光する回折光学素子1としての回折格子10(回折格子、グレーティングともいう)、コリメータレンズ105、1/4波長板107、対物レンズ109、記録層からの反射光束(信号光)を偏光する偏光ビームスプリッター103、円筒レンズ203などから構成される光学系である。
(回折光学素子)本発明の回折光学素子は、上記光ピックアップ装置100や光学系に用いられる回折格子10(グレーティング)などの回折光学素子1であり、両面に凹凸パターンを有する素子であればよく、正弦波、ブレーズ、矩形形状の回折格子、フレネルや非球面レンズ、反射防止、光拡散、偏光などの機能を発現する凹凸などがある。例えば、上記の回折光学素子である回折格子10はCDのトラッキング制御するため、主ビーム、副ビーム光を生成するためのものである。該回折格子10は、樹脂層11の一方の面に第1の光学素子13、他方の面に第2の光学素子15を有している。第1の光学素子13の機能は表面に形成されている第1の凹凸23から光回折機能を発現し、第2の光学素子13の機能は表面に形成されている第2の凹凸23から反射防止機能を発現する。また、第1の凹凸23、及び第2の凹凸25の表面には必要に応じて防汚層を設けてもよい。
【0008】
(第1の凹凸)第1の凹凸23は、レーザ光のビームスプリッタなどとして使用され、光源101からの光束を分光する回折光学素子1としての透過型回折格子10(回折格子、グレーティングともいう)であり、凹凸形状は正弦波でもブレーズドでもよい。該回折格子10は1mm当たり100〜5000個程度の、好ましくは1mm当たり250〜2500個の多数の溝状凹凸を有している。
【0009】
(第2の凹凸)第2の凹凸25は、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた形状の微細な凹凸とする。このようにすると、所謂Motheye(蛾の目)の原理で、該第2の凹凸25と空気層との屈折率屈折率変化が擬似的に連続となり、前記反射防止したい波長域の反射を抑えて反射防止する機能が発現する。このように、光ビームの反射によるいわゆる「もどり光誘起ノイズ」が減少し、ディスク上に集光する光ビームの品質を悪化させず、集光スポット径を大きくならない。また、光路上に散乱する光が復路の光線に干渉して生じる「迷い光誘起ノイズ」が減少し、光検出部のRF信号に干渉せず、ジッターを悪化させない。
【0010】
この第2の凹凸25の高低差(高さ)及びピッチ(間隔)は、用途及び目的にあった反射防止したい波長域によって、適宜選定すれば良い。例えば、可視光域であれば、凸部の高さを250nm以上、ピッチを265nm程度とすれば理想的である。ところが、この第2の凹凸25の高低差(以降、凸部の高さという)及び間隔(以降、ピッチという)ともに極めて微細なものであり、例えば、反射防止したい波長域は使用するレーザー光源の波長で選定すればよく、CDであれば凸部の高さが195nm以上、ピッチが780nm以下であり、DVDであれば凸部の高さが162.5nm以上、ピッチが650nm以下であり、使用するレーザー光源がブルーレーザーであれば凸部の高さが100nm以上、ピッチが400nm以下である。
【0011】
(発明のポイント)このように回折を目的とする微細な第1の凹凸23と、反射防止を目的とする第2の凹凸25を、樹脂層11の両面にわたって均一に賦型し、しかも安価に、大量生産する必要がある。
そこで、本発明者らは、第1及び第2の微細な凹凸パターンを、該凹凸パターンと鏡像関係(雌型、ネガ型ともいう)にある凹凸パターンを有する第1及び第2のスタンパを作成し、該第1及び第2のスタンパを成形金型へ装填、又は所望の金型形状に加工して、両面の凹凸を同時に成形することで、高価な真空機器を用いずに、反射防止機能を有する光学素子を形成することができ、しかも安価に大量生産できることを見出して、本発明に至った。
【0012】
(樹脂層)本発明の回折光学素子を構成する樹脂層としては、視覚的な意味での透明性、機械的強度があり、製造及び使用時に耐える機械的強度、耐熱性、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−トなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリアリレ−ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂などが適用できる。好ましくは、光学特性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又は環状ポリオレフィン樹脂などであり、さらに好ましくは、アクリル樹脂、又はポリカーボネート樹脂が好適である。
【0013】
先行技術で述べた他方の面に真空蒸着法で反射防止膜を形成する場合には、真空蒸着層の密着の良い環状ポリオレフィン樹脂を持ちねばならないが、本発明の反射機能では真空蒸着法でなく、射出又はプレス成形法で反射機能を有する凹凸も同時成形してしまうので、高価な環状ポリオレフィン樹脂以外に、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの所謂汎用エンジニリングプラスチック樹脂を用いることができる。また、2P法で成形する場合には、公知の電離放射線硬化樹脂が適用できる。
【0014】
樹脂層の厚さは、通常、0.05〜30mm程度が適用できるが、0.1〜10mmが好適で、0.5〜5mmが最適である。この範囲未満では、強度や硬さに欠けるので、外力で変形したり、また光学系へ組立時に取扱いしにくい、この範囲以上の厚さでは、強度が過剰であり、コスト的にも不利である。
【0015】
(防汚層)本発明の回折光学素子1は、表面に防汚層を設けてもよい。防汚層は、凹凸の表面を保護し、さらに、その表面にごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される。具体的には、透明性や反射防止機能を低下させない範囲で、疎水性や撥油性を示す化合物が適用できる。例えば、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、フルオロカーボン、パーフルオロシラン、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く、レンズ表面の微細な凹凸をトレースするように塗布する。余剰分を拭い除去してもよい。防汚層は材料に応じて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法、プラズマ重合法などの真空成膜法や、マイクログラビア印刷、スクリーン印刷などの各種の印刷法、コーティング方法を用いて形成すればよい。防汚層は、恒久的な層として形成してもよいが、必要の都度、塗布して形成してもよい。防汚層の厚みとしては、1〜20nm程度が好ましい。
【0016】
図3は、本発明の回折光学素子の製造方法を示すフロー図である。
(製造方法)請求項3の発明、請求項4の発明は、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンの形状が異なるのみで、製造方法は同様であり、まず、請求項4の発明について説明する。本発明の回折光学素子の製造方法は、射出成形法、プレス成形法、2P法などが適用でき、好ましくは、射出成形法、プレス成形法である。例えば、図3に示すように、ステップ1の(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、ステップ2の(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程と、ステップ3の(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、ステップ4の(d)第2の光学素子用の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程と、ステップ5の(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程と、ステップ6の(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程とからなる射出成形法である。
【0017】
(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程
(回折格子)第1の光学素子である回折格子の凹凸パターンを準備する。該凹凸パターンの原版は、公知のレーザー光干渉縞法、電子線描画法、機械的彫刻法が適用できる。レーザー光干渉縞法は通常ホログラムを撮影する方法で、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、ポジ型フォトレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布乾燥しレジスト原版を作成する。該レジスト原版上へ、レーザ光などのコヒーレント光をハーフミラーにより複数光束に分割し、該分割光束を所定の角度で交差させて、干渉縞を発生させ、この干渉縞をフォトレジストに撮影(記録)し、現像すればよい。干渉縞が凹凸模様として記録されている原版が作成できる。また、分割する光束は、2光束、3光束、4光束などの複数光束とし、複数光束の干渉縞でもよい。
【0018】
(レーザ光源)レーザ光としては、アルゴンイオンレーザの、514.5nmの波長のレーザ光(緑色),488nmのレーザ光(青緑色)又は波長457.9nmの波長のレーザ光(青色)を用いることができる。またアルゴンイオンレーザ以外でもコヒーレント性の良いレーザ光源であればよく、例えばヘリウムネオンレーザやクリプトンイオンレーザなどが使用できる。
(撮影機器)レジスト原版を載置し、レーザ光を光束に分割し、レーザ光を乾板上に結像させる結像手段などは、公知のレンズ系、ハーフミラー、ビームスプリッター、ホログラフィック・オプティカル・エレメントなどを用いればよい。
【0019】
(電子線描画)電子線描画法は、電子線描画装置を用いて、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、EBレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布し乾燥したレジスト原版へ、描画的に回折格子を作成する。電子線描画法では、計算に基づいて任意の回折光が得られるもの、凹部と凸部の比率を変えたもの、2値化などの複値化したもの、などの回折格子を作ることができる。
【0020】
(第1の凹凸形状)第1の凹凸23のピッチは干渉縞のピッチ(空間周波数の逆数)で決まり2光束に分かれたレーザ光の入射角による。凹凸23の並ぶ方向は干渉縞の方向で2光束の入射方向による。また、凹凸の形状はレーザ光の波長とレーザ光の入射角で決まるので、凹凸23の形状は用途などによって、適宜選択すればよい。電子線描画法では、計算に基づいて任意の回折光が得られるもの、凹部と凸部の比率を変えたもの、2値化などの複値化したもの、などの回折格子とすることもできる。
【0021】
(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程
(第1のスタンパの作成)原版を用いて、1〜複数(奇数)回の複製を繰り返して複製版材(刷版、スタンパともいう)を作成する。該スタンパの凹凸形状は複製回数を選定することで、原版の凹凸パターンと鏡像関係(雌型、ネガ型ともいう)にある凹凸パターンであるようにする。該スタンパとしては、メッキによる金属スタンパが適用できる。金属スタンパは、原版の表面に金やNiなどを蒸着し、これを電極に厚さ100μm〜5mm程度、好ましくは300μm〜3mmのニッケルメッキ層を形成してから、ニッケル層を剥離して複製版材とする。また、撮影、現像、洗浄した原版をマスタ版として、Niメッキしてもよい。
なお、金型構造により3mm以上の厚いNiメッキ厚が必要な場合には、まず厚さ2〜3mm程度にNiメッキを行い、その後鋼材をインサートしその後Niメッキを行い、所望の金型サイズに加工すればよい。場合によっては、2P法による樹脂版をスタンパとしてもよい。
【0022】
(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程、
(第2の凹凸形状、モスアイ)第2の凹凸25パターンの原版は、レーザー光干渉縞法が適用できる。該原版の作成は、厚さ0.5〜3mm程度のガラス板上に、ポジ型フォトレジストをスピンナーコートにより厚さ1〜3μmに塗布乾燥しレジスト原版を作成する。該レジスト原版上へ、レーザ光などのコヒーレント光をハーフミラーにより2光束に分割し、該分割光束を所定の角度で交差させて、干渉縞を発生させ、この干渉縞をフォトレジストに記録する。さらに、該レジスト原版を回転して、同様に干渉縞を記録し、現像すればよい。干渉縞が凹凸模様として記録されている原版が作成できる。好ましい回転角度は90度である。また、分割する光束は、3光束、4光束などの複数光束としてもよく、その場合には1回の露光としてもよい。レーザ光源や撮影機器は、第1の原版と同様のものが使用でき、レジスト原板を回転する手段は、公知のX−Yテーブルでよい。
【0023】
第2の凹凸25のピッチは干渉縞のピッチ(空間周波数の逆数)で決まり2光束に分かれたレーザ光の入射角による。第2の凹凸25の並ぶ方向は干渉縞の方向で2光束の入射方向による。また、凸部の高さはレーザ光露光量と、露光後の現像条件で決まる。例えば、感光原版の角度を90度違えて記録すれば、凸部が縦及び横方向に規則正しく並んだ凸部が得られる。このように、凹凸17の形状は反射防止する波長によって、適宜選択すればよい。
【0024】
例えば、CDであれば波長780nmのレーザー光源を使用するので、凸部の高さが195nm以上、ピッチが780nm以下であり、DVDであれば波長650nmのレーザー光源を使用するので、凸部の高さが162.5nm以上、ピッチが650nm以下であり、使用するレーザー光源が波長400nmのブルーレーザーであれば凸部の高さが100nm以上、ピッチが400nm以下とすればよい。また、安定した反射防止機能を得るためには、凸部のピッチを波長の80%以下とすることが好ましい。第2の凹凸25の形状はこれに限定されず、使用する波長によって、適宜設定すればよい。
【0025】
(d)第2の光学素子の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程は、凹凸パターンが異なるだけで、(b)と同様であり、省略する。
【0026】
(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程
得られた第1及び第2のスタンパを、射出成形機に用いる成形金型へ装填する。装填は公知の方法でよく、嵌合、ロウづけ、ネジ留め、真空チャック、真空チャックとクランプの併用などで、固定すればよい。Ni金型の場合には通常ネジで固定する。
【0027】
(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程
まず、第1及び第2のスタンパを装填した成形金型を、射出成形機へ載置する。公知の射出成形法で、溶融した樹脂を金型内へ射出し、冷却した後に金型を解放して取り出せば、本発明の両面に凹凸(光学機能を有する)が同時に賦型された回折光学素子が得られる。好ましくは射出圧縮成形である。
また、回折光学素子には、機能部分以外に、光学系への組み付けに使用するフランジ、嵌合突起、ノッチ、穴などの補助部分も同時に成形することもできる
さらに、射出成形では多面付けすることも容易なので、より安価に大量生産することができる。、
【0028】
請求項3の発明は、第1の光学素子の凹凸、及び第2の光学素子の凹凸が、微細な凹凸であればよく、回折格子、モスアイ構造に限定されない。例えば、フレネル、非球面、プリズムなどのレンズ、モスアイ以外の凹凸による反射防止、光拡散、偏光、光線透過率、屈折などの光学機能を有する凹凸でよく、同様に所望の光学機能を有する回折光学素子を製造することができる。また、光学系以外でも、携帯電話やデジタルカメラの液晶ディスプレイの保護ウィンドウ、フロントライト方式面光源装置の導光板などの光学部材に使用できる。
【0029】
請求項5の発明は、成形法がプレス成形法であり、公知のプレス成形法が適用できる。上記の第1及び第2のスタンパを用いて、該第1及び第2のスタンパの間に、樹脂層を重ねて加熱加圧してプレスした後に、第1及び第2のスタンパを剥離することで、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンが同時に形成できる。
また、2P法の場合には、例えば、アクリル板にUV硬化性樹脂を塗布し、第1の樹脂スタンパを重ねてUV露光し、次にアクリル板の逆面にUV硬化性樹脂を塗布し、第2の樹脂スタンパを重ねてUV露光すればよい。
【0030】
請求項6の発明は、第1及び第2のスタンパを所望の金型形状に加工して、該スタンパを成形金型内に装填せず、直接金型として用いてプレス成形する。例えば、前述のNiメッキスタンパで、厚さ2〜3mm程度にNiメッキを行い、その後鋼材をインサートしその後Niメッキを行い、所望の金型サイズに加工すればよい。
【0031】
請求項7の発明は、以上で説明してきた回折光学素子を少なくとも1つを含み、図2に示すような、光ビームを案内すると共に光ビームに作用する光学系である。
【0032】
請求項8の発明は、上記光学系を使用した光ピックアップ装置であって、例えば図3に示すような、CDの光ピックアップ装置である。また、CDの光ピックアップ装置に限らず、DVD、MO、ゲーム用ディスク、光カード、POSなどのバーコード用などもよい。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
(第1の凹凸パターンの作成)厚さが3.5mmの両面に2次研磨を施したソーダガラス板へ電子線レジスト1μm塗布して縦横10×10cm角のレジスト原版とし、電子線描画法で、凹凸の高さが0.2μm、ピッチが1.5μmの細条溝からなる回折格子を作成した。
(第2の凹凸パターンの作成)厚さが3.5mmの両面に2次研磨を施したソーダガラス板へポジ型レジスト(シプレイ社製、商品名フォトレジストs1805)1μm塗布して縦横10×10cm角のレジスト原版とし、非レジスト面へ屈折率1.515の屈折率標準液を滴下して、黒色ガラスを密着させた。該レジスト原版へ、レーザ光としてアルゴンイオンレーザの波長457.9nm(青色)を用い、該レーザ光を2分割した後に、それぞれの光束を、左方向と右方向から、それぞれ60度の角度でレジスト原版のレジスト面へ130mJ露光した。さらにレジスト原版を同一面で90度回転させた後に、同様に露光し、現像して、原版を得た。
(第1及び第2のスタンパの作成)第1の凹凸原版から2P法で複製版材(マスタ版M1)とし、該複製版材(マスタ版M1)から2P法で複製版材(マスタ版M2)とし、該複製版材(マスタ版M2)へニッケルを厚さ300μmにメッキし、剥がしてNi版材(第1のスタンパ)とした。同様に第2の凹凸原版から、同様にNi版材(第2のスタンパ)とした。
(成形金型への装填)第1及び第2のスタンパを、それぞれ射出成形金型の両面となる部分へネジ留めした。
(射出成形)該成形金型を公知の型締力50トン射出成形機の金型へ載置して、アクリル樹脂を溶融し射出して、冷却し金型を開放して取り出した。
(回折光学素子)厚さ2.0mm、直径10mmで、両面の表面に凹凸が賦型されて、一方が回折格子と他方が反射防止機能を有する回折光学素子を得た。
該回折光学素子の回折効率は一次光で13%であった。また、該回折光学素子の反射率は0.4%と、通常アクリル板の反射率4%に対して低減され、反射防止機能が付与されていた。
【0034】
(実施例2)プレス成形の例
実施例1の第1及び第2の原版を用いて、ニッケルを厚さ3mmにメッキし剥がして、厚さ20mmの鋼材へインサートした後にNiメッキして、第1及び第2のプレス金型とした。該第1及び第2のプレス金型を公知のプレス成形機へ載置し、厚さが2mmのアクリル板を挟んでプレスし冷却して回折光学素子を得た。該回折光学素子は実施例1と同様の機能を有していた。
【0035】
(実施例3)光学系の例
実施例1の回折光学素子を、図2に示すように組み込んで、光学系を得た。
【0036】
(実施例4)ピックアップ装置の例
実施例3の光学系を、図2に示すように組み込んで、CDピックアップ装置を得た。該CDピックアップ装置でCD−RWへ読み書きを行ったところ、正常に作動した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の回折光学素子は、反射防止性に優れ、ヘイズが低く、光線透過率の高い、回折光学素子が得られる。
本発明の回折光学素子の製造方法は、従来の回折格子を形成した後に、別工程で基板の反対面に反射防止層を設ける方法と比較すると、異なるプロセスで高価な真空装置を用いることがなく、両面を同時に、しかも汎用の射出成形機又はプレス成形機で成形することで、効率よく、安価に大量生産できる。
本発明の光学系、及び光ピックアップ装置は、レーザー光源からの光ビームが反射することが少なく、いわゆる「もどり光誘起ノイズ」と「迷い光誘起ノイズ」が減少して、信号品質の劣化が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す回折光学素子の断面図である。
【図2】本発明の1実施例を示す光ピックアップ装置を説明する模式的な説明図である。
【図3】本発明の回折光学素子の製造方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 回折光学素子
11 樹脂層
13 第1の光学素子(23 第1の凹凸)
15 第2の光学素子(25 第2の凹凸)
100 光学系
101 光源
103 偏光ビームスプリッタ
105 コリメータレンズ
107 1/4波長板
109 対物レンズ
201 CD
203 円筒レンズ
205 光検出部
Claims (8)
- 光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなる回折光学素子において、前記第1の光学素子が回折格子であり、前記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であることを特徴とする回折光学素子。
- 上記微細な凹凸の間隔が、780nm以下であることを特徴とする請求項1記載の回折光学素子。
- 光の入射面及び出射面を有し、一方の面に第1の光学素子が形成され、他方の面に第2の光学素子が形成されてなり、前記第1及び第2の光学素子が微細な凹凸からなる回折光学素子の製造方法において、(a)第1の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(b)第1の光学素子用の凹凸パターンから第1のスタンパを作成する工程と、(c)第2の光学素子用の凹凸パターンを準備する工程と、(d)第2の光学素子用の凹凸パターンから第2のスタンパを作成する工程と、(e)該第1及び第2のスタンパを成形金型内に装填する工程と、(f)該スタンパを装填した金型を用いて射出成形法で、第1及び第2の光学素子の凹凸パターンを同時に形成する工程と、からなることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
- 上記第1の光学素子が回折格子であり、上記第2の光学素子が微細な凹凸で、該微細な凹凸と空気層との屈折率変化が擬似的に連続となって反射防止性を発現するような、反射防止したい波長域の長波長の少なくとも25%以上の高さを持つ凸部を、反射防止したい波長域の短波長よりも短い間隔で並べた微細な凹凸であり、前記第1の光学素子がレーザー光源から出射された光ビームの成分を分光する回折格子であり、前記第2の光学素子が反射防止性の微細な凹凸であることを特徴とする請求項3記載の回折光学素子の製造方法。
- 成形法がプレス成形法であることを特徴とする請求項3〜4のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
- 請求項4〜5記載の回折光学素子の製造方法において、第1及び第2のスタンパを所望の金型形状に加工して、該スタンパを成形金型内に装填せず、直接金型として用いて成形することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
- 光ビームを案内すると共に光ビームに作用する光学系であって、該光学系が少なくとも1つの素子を有する光学系において、前記素子の少なくとも1つの素子が請求項1〜2のいずれかに記載の回折光学素子であることを特徴とする光学系。
- 光学系を有する光ピックアップ装置であって、前記光学系が請求項7記載の光学系を含むことを特徴とする光ピックアップ装置。
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