JP2004144349A - エリア別環境提供制御システムおよび空気調和装置 - Google Patents

エリア別環境提供制御システムおよび空気調和装置 Download PDF

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Abstract

【課題】室内の複数のエリアに対して個別に空調環境の提供が行われるように空気調和装置を制御するシステムにおいて、対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することができるようにする。
【解決手段】システムは、部屋RMの複数のエリアに対して個別に空調制御を行うために、複数の発光部33,34等と、複数の受光部51,52等と、エリア位置特定部11と、入力部12と、空調制御部13とを備える。受光部51,52等は、部屋RM内において発光部33,34等よりも上方に配備され、それぞれ発光部33,34等からの光を受光する。入力部12は、エリアの環境に関する情報であるエリア情報を受ける。空調制御部13は、エリア情報およびエリア位置特定部11で特定されたエリアそれぞれの位置を基に、エリア情報に対応した空調環境をエリアそれぞれに対して提供する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境提供制御システム、特に、室内の複数のエリアに対して個別に環境の提供が行われるように環境提供装置を制御する環境提供制御システム、および空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルなどの建造物に設置される空調システムでは、家庭内のペア型の空気調和装置などと異なり、オフィス等の1つの空間に対して複数台の空調室内機が共通の空調環境提供手段として配備される空気調和装置が用いられることが多い。そして、これらの空調室内機が1つの空間全体に対して概ね均一の空調環境を提供するように、空気調和装置が制御されている。
【0003】
一方、空調システムが提供する空調環境を享受する人間は、1人ではなく、複数存在することが多い。したがって、複数の人が空調環境に関する異なった要求を持っている場合には、上記のような1つの空間に一律の空調環境を提供する空調制御を行うと、快適度合いが不足していると感じる人が出現することになる。このような人は、例えば仕事を行うオフィスにおいて生産効率が低下したり、病院の大部屋において十分に快適な環境を得られなくなったりする恐れがある。
【0004】
そこで、できるだけ多くの人の空調環境に対する要求に応えられるように、空調後の空気を吹き出す空調室内機を個々の人が使用するエリアそれぞれに対して配備し、エリア別に空調を行うようにした空調システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このエリア別の空調システムは、個々の要求を満足させることによって各人の生産効率を高く維持することができ、生産性向上の効果を得ることができるとされている。1つのエリアに1つの個人ではなく団体が割り当てられている場合には、各団体別に空調が行われることになる。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−88950号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のエリア別の空調システムでは、個人あるいは団体が室内のどのエリアを使用しているのかを認識できなければ、個人等から要求を入手しても、エリア別の空調制御を行うことはできない。したがって、前もって個人等とエリアとの相関関係を空調システムに登録しておく必要がある。
【0007】
しかし、このような登録作業においては、個人名の登録、その個人名に対応するエリアの登録、およびそのエリアの位置情報の入力を行う必要がある。このような面倒な登録作業は、1度だけで済むとは限らず、室内のレイアウト変更や席替えなどがある度に何度も行わなければならない。特に、レイアウト変更がある場合には、非常に面倒な作業となる各エリアの位置情報の入力を再度行わなければならず、空調システムの使用者に過度の負担をかける恐れがある。
【0008】
この登録作業の手間の問題を解決し得る技術として、CCDカメラなどで室内を撮影して画像処理によって個人の位置特定を行う技術が存在するが、コストが高いことに加え、各個人の画像データを前もって登録する作業が存在し、見通しのよい上方から撮影する場合には頭部だけにより個人を特定しなければならないという画像処理上の困難な問題も残る。
【0009】
本発明の課題は、室内の複数のエリアに対して個別に空調環境といった環境の提供が行われるように環境提供装置(空気調和装置など)を制御する環境提供制御システムにおいて、環境提供制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るエリア別環境提供制御システムは、室内の複数のエリアに対して個別に環境の提供が行われるように環境提供装置を制御する制御システムであって、複数の発振部と、複数の受振部と、エリア位置特定部と、エリア情報入力部と、制御部とを備えている。発振部は、複数のエリアを特定するために室内に設置され発振する。発振部は、例えば、光や音といった波動を発振する。受振部は、室内において発振部よりも上方に配備され、それぞれ発振部からの波動を受振する。例えば、受振部は、天井や室内上部に配備される。エリア位置特定部は、複数の受振部による受振情報から発振部それぞれの位置を検出することで、エリアの位置を特定する。エリア情報入力部は、手入力、あるいは他のコンピュータなどを介して、エリアの環境に関する情報であるエリア情報を受ける。制御部は、エリア情報およびエリア位置特定部で特定されたエリアそれぞれの位置を基に、エリア情報に対応した環境をエリアそれぞれに対して提供する。
【0011】
ここでは、複数の受振部が発振部の上方において発振部からの波動(光や音)を受振する。したがって、各受振部が所定の発振部から受けた波動の情報(受振情報)から、その発振部の室内における平面的な位置を把握することが可能である。そして、エリア位置特定部が、受振情報に基づいて、まずは、それぞれの発振部の室内における位置を検出している。さらに、エリア位置特定部は、複数の発振部の位置から、複数のエリアの室内における位置を特定している。このようにしてエリアの位置が特定されるため、本システムは、エリアの登録やエリアと発振部との関係さえ予め情報として持っていれば、エリアの位置情報を手入力させることなく、エリア情報に対応した環境をエリアそれぞれに対して提供することができる。
【0012】
このように、ここでは、複数の発振部および受振部を設けて環境提供制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することが可能となっているため、各エリアの位置情報の入力といった面倒な作業を不要とすることができ、室内のエリアのレイアウト変更があった場合にも発振部を移動させることなどでエリア位置特定部に簡単に新しいエリアの位置情報を取得させることができるようになる。
【0013】
請求項2に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1に記載の環境提供制御システムであって、3つ以上の受振部を備えている。
ここでは、各発振部からの波動を受ける受振部が3つ以上存在するため、確実に各発振部の位置を検出することができる。
請求項3に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1又は2に記載の環境提供制御システムであって、エリア情報は、それぞれのエリアにおいて要求される環境の情報である要求環境情報を含んでいる。
【0014】
ここでは、エリア情報が要求環境情報を含んでおり、エリア毎の個別要求に応じた環境の提供を行うことができるようになる。
請求項4に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1から3のいずれかに記載の環境提供制御システムであって、環境提供装置は、複数の空調室内機を有する空気調和装置である。そして、複数の受振部は、それぞれ、空調室内機に設けられている。
【0015】
ここでは、複数の空調室内機が室内において天井や側壁の上部に適当な距離をあけて取り付けられることを利用して、それらの空調室内機に受振部を設けている。このように空調室内機に受振部を設ければ、空調室内機と空調室外機とを結ぶ伝送線を利用して受振部の受振情報を収集することもできるようになる。
請求項5に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1から4のいずれかに記載の環境提供制御システムであって、エリア位置特定部は、発振部とエリアとの相関関係を特定する相関特定情報を、発振部から受振部への情報通信によって入手する。
【0016】
ここでは、有線あるいは無線により発振部から受振部へと相関特定情報が送られる。すなわち、発振部が自己とエリアとの関係を示す相関特定情報を有しており、それを発振部が直接受振部へと送る。エリア位置特定部は、その発振部から送られた相関特定情報を、受振情報とともに受振部から入手することができる。発振部とエリアとの関係を示す相関特定情報の発振部への入力作業は必要となるが、それは発振部から受振部への情報通信によって自動的にエリア位置特定部が入手し、発振部の位置検出もエリア位置特定部が自動的に行うため、ここではエリアや発振部の位置情報を入力するような作業は必要がなくなる。
【0017】
請求項6に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1から4のいずれかに記載の環境提供制御システムであって、エリア位置特定部は、発振部とエリアとの相関関係を特定する相関特定情報を、エリアに属する個人あるいは団体による入力により入手する。
ここでは、エリアに属する個人あるいは団体によって相関特定情報が入力され、エリア位置特定部が相関特定情報を入手する。このように、相関特定情報の入力作業は必要となるが、発振部の位置検出による各エリアの位置特定はエリア位置特定部が自動的に行うため、ここではエリアや発振部の位置情報を入力するような作業は必要がない。
【0018】
例えば、受振部とエリアとが1対1で対応している場合には、いずれの個人あるいは団体に受振部が属しているかの特定情報を相関特定情報として入力すればよく、複数の受振部と1つのエリアとが対応している場合には、そのような対応情報を相関特定情報として入力すればよい。
請求項7に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項1から6のいずれかに記載の環境提供制御システムであって、エリア位置特定部は、それぞれの受振部の設置位置情報を有している。
【0019】
ここでは、エリア位置特定部が受振部の設置位置情報を保持するため、各エリアの位置の再度の特定を行うときにも、その度に受振部の設置位置を入力させたり検出したりする必要がなくなる。
なお、受振部の設置位置は、全てを手入力してもよいし、一部を手入力して発振部や受振部による相互位置認識を行わせて残りを自動的に入手するようにしてもよい。
【0020】
請求項8に係るエリア別環境提供制御システムは、請求項5又は6に記載の環境提供制御システムであって、発振部は、持ち運び可能である。
ここでは、発振部を持ち運ぶことによって、室内のエリアのレイアウトが変更される場合やエリアを使用する個人あるいは団体が入れ替わるような場合にも、容易に対応できるようになる。例えば、個人AがエリアS1を使用しておりエリアS1に対して1対1で対応づけられ設置されている発振部Aがある場合に、室内のレイアウト変更で個人Aが別のエリアS2に移動することになったとすると、個人Aが自己の移動の際に発振部AをエリアS2に持ち運べばよい。
【0021】
請求項9に係る空気調和装置は、室内の複数のエリアに対して個別に空調環境の提供を行う装置であって、請求項1から8のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムによって制御される空気調和装置である。この空気調和装置は、複数の空調室内機を備えている。空調室内機には、受振部が内蔵あるいは外付けされている。
【0022】
ここでは、複数の空調室内機それぞれが受振部を有しているため、これらの空調室内機が天井などに設置された室内に発振部を配置すれば、請求項1から8のいずれかに記載のシステムによって、エリアの位置情報を手入力させることなく、エリア情報に対応した環境をエリアそれぞれに対して提供することができるようになる。
【0023】
請求項10に係る空気調和装置は、室内に設置され複数のエリアを特定するために発振する複数の発振部からの波動を受け、複数のエリアに対して個別に空調環境の提供を行う空気調和装置である。この空気調和装置は、複数の受振部と、エリア位置特定部と、エリア情報入力部と、制御部とを備えている。受振部は、室内において発振部よりも上方に配備され、例えば空調室内機に取り付けられ、発振部からの波動を受振する。エリア位置特定部は、複数の受振部による受振情報から発振部それぞれの位置を検出することで、エリアの位置を特定する。エリア情報入力部は、エリアの空調環境に関する情報であるエリア情報を受ける。制御部は、エリア情報およびエリア位置特定部で特定されたエリアそれぞれの位置を基に、エリア情報に対応した空調環境をエリアそれぞれに対して提供する。
【0024】
ここでは、複数の受振部が発振部の上方において発振部からの波動(光や音)を受振する。したがって、各受振部が所定の発振部から受けた波動の情報(受振情報)から、その発振部の室内における平面的な位置を把握することが可能である。そして、エリア位置特定部が、受振情報に基づいて、まずは、それぞれの発振部の室内における位置を検出している。さらに、エリア位置特定部は、複数の発振部の位置から、複数のエリアの室内における位置を特定している。このようにしてエリアの位置が特定されるため、本空気調和装置は、エリアの登録やエリアと発振部との関係さえ予め情報として持っていれば、エリアの位置情報を手入力させることなく、エリア情報に対応した空調環境をエリアそれぞれに対して提供することができる。
【0025】
このように、ここでは、受振部により空調制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することが可能となっているため、各エリアの位置情報の入力といった面倒な作業を不要とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
<全体概略>
本発明の一実施形態に係るエリア別空調制御システムの概要を、図1に示す。空調制御システムは、オフィスビルに設置される空調室外機群60および空調室内機群70から成る空気調和装置を制御するシステムであり、室内の所定のエリアを特定した上でエリア別に異なる空調環境を提供することが可能となっている。
【0027】
この空調制御システムは、1つの空調室外機と複数の空調室内機とから構成されるマルチ型の空気調和装置を複数台まとめて集中制御することが可能であり、空調室外機群60と通信線80により接続される空調管理装置10を備えている。また、空調制御システムは、空調室内機71,72,・・・に内蔵あるいは外付けされる受光器51,52,・・・と、それらの受光器51,52,・・・に光を送る発光器31,32,・・・と、エリア別空調を行わせたいエリアについての情報を入力するための情報入力端末43,44などとを備えている。
【0028】
<制御対象となる空気調和装置について>
本実施形態においてオフィスビルに設置されている空気調和装置は、複数のマルチ型の空気調和装置であって、それぞれが空調管理装置10によって監視・制御される。それぞれの空気調和装置では、1つの空調室外機と複数の空調室内機とが1つの冷媒系統を形成している。
【0029】
空調室内機群70は、全て天井埋設型である。どの空調室内機も同様の構成であるので、ここでは空調室内機71を例にとって構造を説明する。
空調室内機71は、図7に示すように、天井に埋設されるケーシング92と、ケーシング92の下面に固定される化粧パネルとを備えている。
ケーシング92は、その内部に各構成部品を格納するための部材あり、略矩形形状の外形を有している。化粧パネルには、下面中央に設けられた吸い込み口91と、その外周側に設けられた4つの吹き出し口71a,71b,71c,71dとが形成されている(図3参照)。また、ケーシング92内には、遠心送風機93、熱交換器94、吸い込み空気温度測定センサ95、吹き出し空気温度測定センサ96などが収容されている。さらに、各吹き出し口71a,71b,71c,71dには、吹き出し空気の方向を変えるための垂直フラップ97および水平フラップ(図示せず)が配置されている。
【0030】
遠心送風機93を回転させると、吸い込み口91から室内の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、遠心送風機93の外周側に吹き出される。遠心送風機93の外周側に吹き出された空気は、その外周側に配置された熱交換器94によって熱交換され、4つの吹き出し口71a,71b,71c,71dから室内に吹き出される。
【0031】
<室内に配備される受光器、発光器、および情報入力端末について>
次に、オフィスビル内の1つの部屋RMを例に挙げて、その部屋RMの中に配置されているエリア別空調制御システムの構成部品について説明する。
図4に示すように、部屋RMは、1つのオフィスを構成しており、複数の個人P1〜P6が自分専用のスペースとして持っているエリアと、それ以外の共通のスペースであるエリアとに分かれている。共通のスペースの角には、発熱の多いOA機器が集中して置かれている。図2に示すように、部屋RMは、便宜上25等分されたブロック(区画)B1〜B25に分けられている。ここでは、ブロックB10が個人P1の使用するエリアに、ブロックB25が個人P2の使用するエリアに、ブロックB4が個人P3の使用するエリアに、ブロックB19が個人P4の使用するエリアに、ブロックB8が個人P5の使用するエリアに、ブロックB23が個人P6の使用するエリアに、そして、ブロックB21がOA機器の置かれるエリアになっている。
【0032】
このような部屋RMの天井には、5台の空調室内機71〜75が、図3に示す平面配置で取り付けられている。空調室内機71は、ブロックB4,B5,B9,B10にまたがるように平面配置されている。空調室内機72は、ブロックB19,B20,B24,B25にまたがるように平面配置されている。空調室内機73は、ブロックB1,B2,B6,B7にまたがるように平面配置されている。空調室内機74は、ブロックB16,B17,B21,B22にまたがるように平面配置されている。空調室内機75は、ブロックB13の真上に配置されている。
【0033】
また、5台の空調室内機71〜75は、それぞれ、図1および図3に示すように、その下面中央から吊り下がる受光器51〜55を有している。これらの受光器51〜55は、下記の発光器31〜37からの光を受けることができるように、発光器31〜37よりも高い位置に配置されている。
発光器31〜37は、エリア別空調のエリアを特定するための機器であり、個人P1〜P6の机の最上部などに設置され、各受光器51〜55に対して発光する。例えば、図5の1点鎖線で示すように、発光器33は各受光器51〜55に対して斜め上方に向けて発光を行うことになる。また、発光器31〜37は、持ち運び可能な機器であり、部屋RM内のレイアウト変更を行う際には、新しいレイアウトにおけるエリア別空調のためのエリアを特定できる場所に移動させられる。例えば、図4に示すレイアウトにおいて個人P1〜P6の机の最上部それぞれに発光器31〜36が設置されているが、これが図8に示すレイアウトに変わった場合には、各個人P1〜P6が自分の移動に合わせて発光器31〜36を持ち運ぶことが考えられる。
【0034】
さらに、部屋RM内には、各個人P1〜P6が仕事で使うパーソナルコンピュータが存在する。これらのパーソナルコンピュータはLANを介して後述する空調管理装置10の入力部12にアクセスが可能とされている。これらのパーソナルコンピュータを、本実施形態のエリア別空調制御システムでは、エリア毎の空調環境に関する情報を入力させるための情報入力端末として利用している。例えば、図1に示すように、個人P3の机の上にあるパーソナルコンピュータを、ここでは、個人P3が独占的に使用するエリアの空調環境に関する情報を空調管理装置10の入力部12に入力する情報入力端末43として利用する。この情報入力端末43として働くパーソナルコンピュータで、個人P3が共通エリアの通常設定温度よりも低い独自の空調設定温度を入力すると、その空調設定温度が個人P3や発光器33と関連づけられた形で入力部12のエリア情報ファイル20に格納される。
【0035】
<空調管理装置について>
空調管理装置10は、オフィスビルの各部屋についてエリア別空調のためのエリアの特定を行うエリア位置特定部11および入力部12と、エリア別空調を含めた空調制御を行う空調制御部13と、空調制御の履歴に従って各部屋においてエリア別に空調に関するエネルギーの消費量を推定演算するエリア別エネルギー消費量演算部14とを有している。
【0036】
〔エリア位置特定部〕
エリア位置特定部11は、まず、受光器51〜55の設置位置の情報を入手し、それを受光器位置情報ファイル15に記憶する。受光器51〜55の設置位置については、全てを手入力してもよいし、一部を手入力して発光器31〜37や受光器51〜55による相互位置認識を行わせることによって残りを自動的に入手するようにしてもよい。このように、受光器51〜55の設置位置の情報を受光器位置情報ファイル15に記憶しているため、各エリアの位置の再度の特定を行うときにも、その度に受光器51〜55の設置位置を入力させたり検出したりする必要がなくなる。
【0037】
次に、エリア位置特定部11は、複数の受光器51〜55による受光情報から、発光器31〜37それぞれの位置を検出する。この位置検出は、3角法を利用して行われる。ここで検出された発光器31〜37の位置情報は、発光器位置情報ファイル16に記憶される。
次に、エリア位置特定部11は、発光器31〜37の位置の近傍のブロック(図2参照)を、その発光器31〜37が示すエリアとして特定する。ここでは、発光器31が示すエリアがブロックB10、発光器32が示すエリアがブロックB25、発光器33が示すエリアがブロックB4、発光器34が示すエリアがブロックB19、発光器35が示すエリアがブロックB8、発光器36が示すエリアがブロックB23、発光器37が示すエリアがブロックB21として特定される。こうして特定されたエリアは、エリアの位置としてブロック番号が当てられ、エリア位置情報ファイル17に記憶される。また、エリア名と、そのエリア名に対応する発光器のID番号との相関情報は、相関特定情報ファイル18に記憶されている。この相関情報は、個人P1〜P6又は代表者が情報入力端末43,44などから入力部12に手入力する情報である。相関特定情報ファイル18にあるエリア名と発光器のID番号との相関情報と、エリア位置情報ファイル17にある発光器の位置情報(ここではブロック名)とから、エリア位置特定部11は、エリア名と、そのエリア名のエリアの位置(ここではブロック名)との関係を決定することができる。例えば、個人P3が自分が独占的に使うエリア名をエリアP3と命名し、その自分のエリアには発光器33を設置したという情報とともにエリアP3というエリア名を入力部12に送ると、エリア位置特定部11は、エリア位置情報ファイル17にある発光器33とブロックB4とが対応しているという情報を合わせて、個人P3のエリアP3はブロックB4という位置にあるエリアであることを特定することになる。
【0038】
〔入力部〕
入力部12は、個人P1〜P6又はオフィスを構成する部屋RMの代表者がパーソナルコンピュータなどの情報入力端末43,44などにより入力するエリアに関する情報(以下、エリア情報という。)を受ける。したがって、入力部12は、各情報入力端末43,44などと有線又は無線により接続されている。
【0039】
また、入力部12は、個人P1〜P6などが入力したエリア情報を記憶するエリア情報ファイル20を有している。エリア情報は、それぞれのエリアにおいて要求される空調環境の情報である要求環境情報を含んでいる。具体的に、エリア情報として、例えば、窓際のエリアであり外気の影響を受けやすいといった情報、OA機器などの発熱機器が多いといった情報、空調室内機から遠いといった距離に関する情報、エリアに居る個人又は団体の空調環境に関する好みや要求といった情報などが挙げられる。
【0040】
〔空調制御部〕
空調制御部13は、設定温度に基づく通常の空調制御のほかに、入力部12で受けつけエリア情報ファイル20に記憶されたエリア情報に応じて、空調室内機71〜75から吹き出される空気の流れを制御する気流制御を行う。この気流制御は、室内ファンの回転数を変更して吹き出し口から吹き出す空気の速度を制御する風速制御と、垂直フラップ97および水平フラップを作動させて吹き出し空気の方向を変える風向制御とを含んでいる。
【0041】
空調制御部13は、風速制御と風向制御とを組み合わせ、各エリアに対してエリア情報に対応した空調環境を提供する。具体的には、寒めの空調環境が求められるエリアに対しては吹き出し空気が多く当たるようにし、暑めの空調環境が求められるエリアに対しては吹き出し空気が少なく当たるようにする。
例えば、個人P3が占有するブロックB4から成るエリアが寒めの空調環境を要求し、個人P4が占有するブロックB19から成るエリアが暑めの空調環境を要求している場合には、図6に示すように、個人P3のブロックB4の斜め上方の空調室内機71が、ブロックB4のエリアに直接吹き出し空気が当たるように、吹き出し口71aから下向きの空気流W2,W3を多くして斜め下方向きの空気流W1,W4を少なくする。また、個人P4のブロックB19の斜め上方の空調室内機72が、吹き出し口72aから個人P3のブロックB4に向く斜め下向きの空気流W5を多く生成する。空調室内機72からの空気流W5は、空調室内機71からの空気流W3を個人3のブロックB4側へと導く役割も果たしている。一方、暑めの空調環境を要求している個人P4のブロック19に空気流が直接当たらないように、ブロックB19の斜め上方の空調室内機72は、吹き出し口72aから下向きの空気流W6,W7を少なくし、吹き出し口72aから斜め下方向きの空気流W5,W8を多くするように制御されている。また、図示していないが、空調室内機71の吹き出し口71b,71dや空調室内機72の吹き出し口72b,72dから吹き出される空気についても、垂直フラップを作動させての左右の吹き出し方向の制御によって、個人P3が望む寒めの空調環境および個人P4が望む暑めの空調環境に合うように吹き出されている。
【0042】
〔エリア別エネルギー消費量演算部〕
エリア別エネルギー消費量演算部14(以下、単に演算部14という。)は、上記の空調制御部13の風速制御および風向制御の内容を加味して、空調環境の提供に要した空気調和装置の消費エネルギー量(ここでは消費電力量)をエリアそれぞれに対して按分する。以下に、順を追って、按分の方法について説明する。
【0043】
(1)
まず、各空調室内機71〜75の吸い込み空気の温度、吹き出し空気の温度、および吹き出し空気の速度の制御履歴データと、各空調室内機71〜75の吹き出し口の面積とから、所定期間(例えば1ヶ月)において各空調室内機71〜75が部屋RM内に提供した熱量に比例する提供熱量関連値を求める。吸い込み空気の温度は吸い込み空気温度測定センサ95から、吹き出し空気の温度は吹き出し空気温度測定センサ96から取得する。提供熱量関連値は、それぞれの空調室内機について、次式で求める。
[式1]提供熱量関連値=Σ{(風速)×(吹き出し口の面積)×{(吹き出し温度)−(吸い込み温度)}×(係数K)}
(2)
次に、これらの提供熱量関連値に比例するように、空気調和装置の所定期間における消費電力を、各空調室内機71〜75に配分する。これにより、各空調室内機71〜75が所定期間のあいだに空調環境の提供に要した消費電力が、簡易的に推定される。
【0044】
なお、ここでは上記のような方法で各空調室内機71〜75に空気調和装置の消費電力を推定配分しているが、例えばマルチ式の空気調和装置において各空調室内機に対応する膨張弁の開度や各空調室内機のファンの回転数などの履歴データを用いて同様の配分を行うなど、他の方法によって空気調和装置の消費電力を各空調室内機に配分してもよい。
【0045】
(3)
次に、空調室内機71からの空気の吹き出し方向の制御内容、すなわち垂直フラップ97および水平フラップの動きの制御履歴データから、各エリアに向かって空気が吹き出されていた時間帯およびその時間帯における吹き出し延べ時間を演算する。このときに、空調室内機71の吹き出し口71a,71b,71c,71dから吹き出される空気の向きと、その空気が到達する先のエリアとの相関データが参照される。この相関データは、受光器51〜55の配置と一致する空調室内機71〜75の配置、空調室内機71〜75における各吹き出し口の位置、各エリアの配置、天井高さなどの基礎データから、演算部14が算出する。
【0046】
(4)
次に、各時間帯における単位時間あたりの空調室内機71による供給熱量を、次式によって簡易的に計算する。
[式2]単位供給熱量=(風速)×(吹き出し口の面積)×{(吹き出し温度)−(吸い込み温度)}×(係数K)
(5)
次に、所定期間における空調室内機71の消費電力を、負担指標に応じて各エリアに按分する。負担指標は、次式のように、各時間帯において単位供給熱量と吹き出し延べ時間と掛け合わせ、それを所定期間のあいだ積算した値である。
[式3]負担指標=Σ{(単位供給熱量)×(そのエリアへの吹き出し延べ時間)}
(6)
このような上記(3)〜(5)の演算によって、所定期間における空調室内機71の消費電力が、いずれかのエリアに按分される。この(3)〜(5)の演算方法を用いて、その他の空調室内機72,73,74,75についても、同様に所定期間における消費電力をいずれかのエリアに按分する。
【0047】
全ての空調室内機71〜75について所定期間における消費電力の各エリアへの按分が終わると、次に、それらの空調室内機71〜75から空調環境の提供を受けている各エリアにおいて、按分された消費電力の集計を行う。例えば、個人P3のエリアとなっているブロックB4は、その斜め上方に配置されている空調室内機71からだけではなく、空調室内機71に隣接する空調室内機72や空調室内機75からも空調環境の提供(吹き出し空気の送風)を受けている(図6参照)。したがって、個人P3のエリアについては、少なくとも3つの空調室内機71,72,75がブロックB4に向けて吹き出した空気の熱量に相当する各消費電力を集計し、その合計を負担消費電力とすることになる。
【0048】
<システムの特徴>
(1)
ここでは、複数の受光器51〜55が発光器31〜37の上方において発光器31〜37からの光を受光する。したがって、各受光器51〜55が受けた光の情報(受光情報)から、発光器31〜37の部屋RM内における平面的な位置を把握することができる。エリア位置特定部11は、受光情報に基づいて、まずは、それぞれの発光器31〜37の部屋RMにおける位置を検出している。さらに、エリア位置特定部11は、複数の発光器31〜37の位置から、複数のエリアの部屋RMにおける位置を特定している。
【0049】
このように、ここでは、複数の発光器31〜37および受光器51〜55を設けて空調制御(特に、風速制御および風向制御から成る気流制御)の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することができるため、各エリアの位置情報の入力といった面倒な作業を不要とすることができている。すなわち、各エリアの位置情報を、情報入力端末43,44などから入力してもらう必要はない。
【0050】
また、図4のレイアウトから図8のレイアウトに変更されるなど部屋RMのエリアのレイアウト変更があった場合にも、発光器31〜37を移動させることでエリア位置特定部11に簡単に新しいエリアの位置情報を取得させることができる。
(2)
ここでは、複数の空調室内機71〜75が部屋RMにおいて天井に適当な距離をあけて取り付けられることを利用して、それらの空調室内機71〜75に受光器51〜55を設けている。このように空調室内機71〜75に受光器51〜55を設ければ、空調室内機71〜75と空調室外機とを結ぶ伝送線(通信線)80を利用して受光器51〜55の受光情報を空調管理装置10で収集することができ、別途に受光器と空調管理装置10とを結ぶ配線を行う手間が省ける。
【0051】
(3)
ここでは、発光器31〜37は、持ち運び可能である。したがって、発光器31〜37を持ち運ぶことによって、部屋RMのエリアのレイアウトが変更される場合やエリアを使用する個人あるいは団体が入れ替わるような場合にも、容易に対応できるようになる。例えば、個人P1がブロックB10の位置にあるエリアを使用しており、そのエリアに対して1対1で対応づけられ設置されている発光器31がある場合に、部屋RMのレイアウト変更で個人P1が別のブロックの位置にあるエリアに移動することになったときには、個人P1が自己の移動の際に発光器31を新しいエリアに持ち運べばよい。すると、個人P1が自分が独占的に使うエリアには発光器31を設置したという情報を入力部12のエリア情報ファイル20に記憶させていれば、それを修正することなく新しいエリアにおいても自己が望む空調環境を享受することができる。
【0052】
<変形例>
(A)
上記の[式1]や[式2]では(吹き出し温度)や(吸い込み温度)を用いているが、このような温度を用いずにエンタルピー値を用いれば、単位供給熱量の算出精度が向上する。
【0053】
(B)
オフィスビルではなく他の建造物に設置される空気調和装置の制御システムに対して、上記のエリア別空調制御システムを適用することも可能である。例えば、病院の空調システムに対して本発明の制御方法を適用すれば、病院の大部屋内が各病人の空間に分かれている場合に、病人別空調ができるようになるとともに、病人ごとに入院費を調整して公平感を向上させることも可能になる。
【0054】
(C)
上記の実施形態では、エリア位置特定部11が、発光器31〜37の位置の近傍のブロック(図2参照)を、その発光器31〜37が示すエリアとして特定している。
これに代えて、所定の発光器群に囲まれる部分をエリアとして特定することも考えられる。
【0055】
例えば、図9に示すように、発光器131a,131b,131c,131dで囲まれる部分を国内営業グループG1の使用するエリア、発光器132a,132b,132c,132dで囲まれる部分を海外営業グループG2の使用するエリア、発光器133a,133b,133c,133dで囲まれる部分を総務グループG3の使用するエリアと特定すれば、3つのエリアそれぞれに個別(エリア別)の空調環境を提供し、グループ毎に空調環境の提供に要した消費電力の課金を行うこともできるようになる。
【0056】
また、図9に示す区分けでは、国内営業グループG1が6個のブロックB1,B2,B3,B6,B7,B8を、海外営業グループG2が9個のブロックB11,B12,B13,B16,B17,B18,B21,B22,B23を、総務グループG3が10個のブロックB4,B5,B9,B10,B14,B15,B19,B20,B24,B25を使用するレイアウトになっているが、これが図10に示す区分けに変更されてブロックB4,B5が総務グループG3から国内営業グループG1に移った場合には、国内営業グループG1が使うエリアを特定するための2つの発光器131e,131fを新たに用意して図10に示すように各発光器を配置すればよい。ここでは、発光器131a,131b,131c,131d,131e,131fで囲まれる部分が国内営業グループG1の使用するエリアとして特定される。
【0057】
なお、複数の発光器と1つのエリアとが対応している上記のような場合には、そのような対応情報を相関特定情報として入力部12に入力すればよい。
(D)
上記の実施形態では、エリア位置特定部11が、発光器31〜37の位置の近傍の1つのブロック(図2参照)を、その発光器31〜37が示すエリアとして特定している。
【0058】
これに代えて、図11に示すように、発光器231〜238の位置がブロックの境界にある場合に1つ発光器と複数のブロックとを対応づけさせることも可能である。
図11に示す例は、レンタルオフィスを想定している。このレンタルオフィスは、図2に示すようにブロック割りされる部屋RMに8つの会議スペースR1〜R8を用意して、中央の廊下から各スペースR1〜R8に入ることができるように区切っている。R1〜R3およびR5〜R7は2つのブロックから成る小会議スペースであり、R4およびR8は4つのブロックから成る大会議スペースである。それぞれの会議スペースを特定するための発光器として、8つの発光器231〜238が用意されている。
【0059】
発光器231は、ブロックB1とブロックB2との境界上に配置され、小会議スペースR1をブロックB1,B2から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
発光器232は、ブロックB6とブロックB7との境界上に配置され、小会議スペースR2をブロックB6,B7から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
【0060】
発光器233は、ブロックB11とブロックB12との境界上に配置され、小会議スペースR3をブロックB11,B12から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
発光器234は、ブロックB16とブロックB17とブロックB21とブロックB22との境界上に配置され、大会議スペースR4をブロックB16,17,21,22から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
【0061】
発光器235は、ブロックB4とブロックB5との境界上に配置され、小会議スペースR5をブロックB4,B5から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
発光器236は、ブロックB9とブロックB10との境界上に配置され、小会議スペースR6をブロックB9,B10から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
【0062】
発光器237は、ブロックB14とブロックB15との境界上に配置され、小会議スペースR7をブロックB14,B15から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
発光器238は、ブロックB19とブロックB20とブロックB24とブロックB25との境界上に配置され、大会議スペースR8をブロックB19,20,24,25から成るエリアとしてエリア位置特定部11に特定させる。
【0063】
これにより、空調室内機71〜75が共通である部屋RM内で複数のスペースR1〜R8から成るレンタルオフィスを提供している事業者が、各スペース(エリア)に提供した空調環境という観点を加味した形で賃借人に対して消費エネルギーの課金を行うことができるようになる。このような課金方法を採れば、賃借人間での課金の不公平感が是正されることや、各賃借人が省エネルギーを意識するようになることが期待できる。
【0064】
(E)
上記の実施形態では、演算部14が、エリアそれぞれに対して提供された熱量に比例する形で消費電力のエリア別按分を行っているが、これに各エリアにおける気流による体感快適度を加味して空調環境の提供に要した空気調和装置の消費電力をエリア別に按分することも考えられる。
【0065】
(F)
上記の実施形態では、情報入力端末43,44などによりエリア情報を手入力させているが、これらの情報の少なくとも一部、例えば発光器31〜37を特定する発光器ID番号などを発光器31〜37から受光器51〜55に無線通信するように構成することも可能である。
【0066】
さらに、発光器31〜37がエリア情報の全てを受光器に対して送信できるように構成されていれば、情報入力端末43,44などが不要になり、情報入力端末と空調管理装置10との配線作業も不要となる。
(G)
上記の実施形態では、受光器51〜55を天井埋設型の空調室内機71〜75から吊り下げる構造にしているが、受光器51〜55を空調室内機71〜75とは別に天井や側壁上部に設置することも可能である。また、必ずしも天井や側壁に支持させる構造に限定されるものではなく、床面から受光器支持部材を延ばして高い位置で受光器を固定させることも考えられる。
【0067】
(H)
上記の実施形態では、比較的シンプルな風速制御および風向制御について説明を行ったが、2つの空調室内機から吹き出された空気を所定のエリアの上部で衝突させてダウンフローを発生させたり、所定のエリア上部に1つの空調室内機から比較的冷たい空気を送るとともに、そのエリア下部に別の空調室内機から比較的暖かい空気を送ったりすることも考えられる。
【0068】
(I)
上記の実施形態では、部屋RM内にエリアの数とは関係しない空調室内機71〜75を配備し、各エリアに対して気流制御を行うことで個別に空調環境の提供を行っているが、本発明は、各エリアに対して1対1に対応する空調室内機を配備する空気調和装置を制御する場合にも適用することが可能である。
【0069】
(J)
上記の実施形態では、エリア別に空調環境を提供できるように空気調和装置を制御するエリア別空調制御システムに対して本発明を適用した例を説明したが、制御対象が照明環境を提供する照明設備である照明制御システムなど他の環境提供制御システムに対しても、本発明を適用するが可能である。
【0070】
(K)
上記の実施形態では、複数の発光器31〜37および受光器51〜55を設けて空調制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定できるようにしているが、光の代わりに超音波などの音波を発振する音波発信器および音波を受振する音波受信器によってエリアの位置の特定を行うようにすることも考えられる。
【0071】
(L)
上記の実施形態では、1つの空調室外機と複数の空調室内機とから構成されるマルチ型の空気調和装置を、受光器、発光器、情報入力端末および空調管理装置から成る空調制御システムによって制御するという発想に基づいた説明を行っているが、空調室外機、受光器を含む空調室内機、および空調管理装置が空気調和装置を構成していると考えることも可能である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に係るエリア別環境提供制御システムでは、複数の発振部および受振部を設けて環境提供制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することが可能となっているため、各エリアの位置情報の入力といった面倒な作業を不要とすることができ、室内のエリアのレイアウト変更があった場合にも発振部を移動させることなどでエリア位置特定部に簡単に新しいエリアの位置情報を取得させることができるようになる。
【0073】
請求項2に係るエリア別環境提供制御システムでは、各発振部からの波動を受ける受振部が3つ以上存在するため、確実に各発振部の位置を検出することができる。
請求項3に係るエリア別環境提供制御システムでは、エリア情報が要求環境情報を含んでおり、エリア毎の個別要求に応じた環境の提供を行うことができるようになる。
【0074】
請求項4に係るエリア別環境提供制御システムでは、複数の空調室内機が室内において天井や側壁の上部に適当な距離をあけて取り付けられることを利用して、それらの空調室内機に受振部を設けている。このように空調室内機に受振部を設ければ、空調室内機と空調室外機とを結ぶ伝送線を利用して受振部の受振情報を収集することもできるようになる。
【0075】
請求項5に係るエリア別環境提供制御システムでは、発振部とエリアとの関係を示す相関特定情報の発振部への入力作業は必要となるが、それは発振部から受振部への情報通信によって自動的にエリア位置特定部が入手し、発振部の位置検出もエリア位置特定部が自動的に行うため、エリアや発振部の位置情報を入力するような作業は必要がなくなる。
【0076】
請求項6に係るエリア別環境提供制御システムでは、相関特定情報の入力作業は必要となるが、発振部の位置検出による各エリアの位置特定はエリア位置特定部が自動的に行うため、エリアや発振部の位置情報を入力するような作業は必要がない。
請求項7に係るエリア別環境提供制御システムでは、エリア位置特定部が受振部の設置位置情報を保持するため、各エリアの位置の再度の特定を行うときにも、その度に受振部の設置位置を入力させたり検出したりする必要がなくなる。
【0077】
請求項8に係るエリア別環境提供制御システムでは、発振部を持ち運ぶことによって、室内のエリアのレイアウトが変更される場合やエリアを使用する個人あるいは団体が入れ替わるような場合にも、容易に対応できるようになる。
請求項9に係る空気調和装置では、複数の空調室内機それぞれが受振部を有しているため、これらの空調室内機が天井などに設置された室内に発振部を配置すれば、請求項1から8のいずれかに記載のシステムによって、エリアの位置情報を手入力させることなく、エリア情報に対応した環境をエリアそれぞれに対して提供することができるようになる。
【0078】
請求項10に係る空気調和装置では、受振部により空調制御の対象となる複数のエリアの位置を簡単に特定することが可能となっているため、各エリアの位置情報の入力といった面倒な作業を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエリア別空調制御システムの概略構成図。
【図2】部屋のブロック割り(区画)を示す図。
【図3】空調室内機の平面配置図。
【図4】部屋のレイアウト図。
【図5】受光器および発光器の平面配置図。
【図6】気流制御の一例を示す図。
【図7】空調室内機の縦断面図。
【図8】部屋のレイアウト変更後のレイアウト図。
【図9】変形例における部屋の部署別レイアウト図。
【図10】変形例における部屋のレイアウト変更後の部署別レイアウト図。
【図11】変形例におけるレンタルオフィスの会議スペースのレイアウト図。
【符号の説明】
11  エリア位置特定部
12  入力部(エリア情報入力部)
15  受光部位置情報ファイル
18  相関特定情報ファイル
20  エリア情報ファイル
13  空調制御部(制御部)
31〜37  発光部(発振部)
51〜55  受光部(受振部)
71〜75  空調室内機

Claims (10)

  1. 室内の複数のエリアに対して個別に環境の提供が行われるように環境提供装置を制御する制御システムであって、
    複数の前記エリアを特定するために室内に設置され発振する複数の発振部(31〜37)と、
    室内において前記発振部よりも上方に配備され、前記発振部からの波動を受振する複数の受振部(51〜55)と、
    前記複数の受振部による受振情報から前記発振部それぞれの位置を検出することで、前記エリアの位置を特定するエリア位置特定部(11)と、
    前記エリアの環境に関する情報であるエリア情報(20)を受けるエリア情報入力部(12)と、
    前記エリア情報および前記エリア位置特定部で特定された前記エリアそれぞれの位置を基に、前記エリア情報に対応した環境を前記エリアそれぞれに対して提供する制御部(13)と、
    を備えたエリア別環境提供制御システム。
  2. 3つ以上の前記受振部を備えた、
    請求項1に記載のエリア別環境提供制御システム。
  3. 前記エリア情報は、それぞれの前記エリアにおいて要求される環境の情報である要求環境情報を含む、
    請求項1又は2に記載のエリア別環境提供制御システム。
  4. 前記環境提供装置は、複数の空調室内機(71〜75)を有する空気調和装置であり、
    前記複数の受振部は、それぞれ、前記空調室内機に設けられている、
    請求項1から3のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム。
  5. 前記エリア位置特定部は、前記発振部と前記エリアとの相関関係を特定する相関特定情報(18)を、前記発振部から前記受振部への情報通信によって入手する、
    請求項1から4のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム。
  6. 前記エリア位置特定部は、前記発振部と前記エリアとの相関関係を特定する相関特定情報(18)を、前記エリアに属する個人あるいは団体による入力により入手する、
    請求項1から4のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム。
  7. エリア位置特定部は、前記受振部それぞれの設置位置情報(15)を有している、
    請求項1から6のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システム。
  8. 前記発振部は、持ち運び可能である、
    請求項5又は6に記載のエリア別環境提供制御システム。
  9. 室内の複数のエリアに対して個別に空調環境の提供を行う、請求項1から8のいずれかに記載のエリア別環境提供制御システムによって制御される空気調和装置であって、
    前記受振部が内蔵あるいは外付けされる複数の空調室内機を備えた空気調和装置。
  10. 室内に設置され複数のエリアを特定するために発振する複数の発振部(31〜37)からの波動を受け、複数の前記エリアに対して個別に空調環境の提供を行う空気調和装置であって、
    室内において前記発振部よりも上方に配備され、前記発振部からの波動を受振する複数の受振部(51〜55)と、
    前記複数の受振部による受振情報から前記発振部それぞれの位置を検出することで、前記エリアの位置を特定するエリア位置特定部(11)と、
    前記エリアの空調環境に関する情報であるエリア情報(20)を受けるエリア情報入力部(12)と、
    前記エリア情報および前記エリア位置特定部で特定された前記エリアそれぞれの位置を基に、前記エリア情報に対応した空調環境を前記エリアそれぞれに対して提供する制御部(13)と、
    を備えた空気調和装置。
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