JP2004142993A - 六方晶複合炭化物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の超硬合金では、一方の合金特性を改善すれば、他の合金特性が低下するという二律背反の問題がある。本発明は硬さ,強度,靱性,耐酸化性,耐食性などを同時に改善した超硬合金の製造に最適なWC粉末の提供を目的とする。
【解決手段】WCに、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crから選ばれた少なくとも1種の元素を0.1〜3重量%固溶させた六方晶複合炭化物の粉末を得る。WCに固溶させる固溶元素は、WC自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善させる。本発明の六方晶複合炭化物を用いて作製した超硬合金は優れた合金特性を示す。
【解決手段】WCに、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crから選ばれた少なくとも1種の元素を0.1〜3重量%固溶させた六方晶複合炭化物の粉末を得る。WCに固溶させる固溶元素は、WC自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善させる。本発明の六方晶複合炭化物を用いて作製した超硬合金は優れた合金特性を示す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に超硬合金に用いられる六方晶複合炭化物とその製造方法、および六方晶複合炭化物を用いた超硬合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
WC,CoおよびTiC,TaC,VC,Cr3C2などの原料粉末を混合,加圧成形,加熱焼結して製造される超硬合金は、切削工具,耐摩耗工具および部品などの様々な用途に使用されている。そして、WCの粒度,Co量,添加炭化物の種類と量などを調整することにより、各用途で必要となる硬さ,強度,靱性,耐熱性,耐酸化性,耐食性などの合金特性を得ている。添加炭化物として、例えば、反応・溶着による摩耗が問題となる鋼切削工具ではTiCが、高温での塑性変形が問題となる熱間金型や鋼切削工具ではTaCやZrCが、硬度と刃先強度が要求されるドリル,エンドミルではWCの粒成長抑制剤としてVC,Cr3C2が、腐食が問題となる耐摩耗性部品ではCr3C2,Mo2Cがそれぞれ超硬合金に添加されている。
【0003】
しかし、添加炭化物を超硬合金に添加する方法では、ある合金特性を改善すると別の合金特性が低下するという二律背反の問題がある。例えば、超硬合金にTiC,TaC,ZrC,VCなどを添加すると、添加量が少量であっても超硬合金の強度や靱性を著しく低下させる。また、Cr3C2を添加すると、超硬合金の結合相の耐食性,耐酸化性が改善するものの、WCはアルカリ腐食や酸化を起こしやすいために、その効果が十分に発揮できないという問題がある。
【0004】
一方、WCと添加炭化物とを含有した超硬合金用粉末に関する先行技術には、特開平7−54001号公報、特表2000−512688号公報、特開平10−212165号公報、などがある。さらに、タングステン以外の元素を固溶させたWC粉末に関する特許としては、特開昭59−18111号公報、特開昭59−110707号公報、特開昭51−146306号公報、特開平11−212165号公報などがある。
【0005】
WCと添加炭化物とを含有した超硬合金用粉末に関する先行技術の内、特開平7−54001号公報には、1μmの酸化タングステン,酸化コバルト,炭素,さらにV,Cr,Ta,Nbの炭化物からなる混合粉末を700〜1200℃で還元処理と炭化処理とを施す炭化タングステン基超硬合金製造用微細複合炭化物粉末の製造方法が記載されている。また、特表2000−512688号公報には、鉄,コバルト,ニッケルと、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、これらの混合物および固溶体からなる群の遷移金属炭化物とからなる粉末の先駆体を水素雰囲気で1173〜1773Kに加熱した遷移金属炭化物―VIII族金属粉末およびその製造方法が記載されている。さらに、特開平10−212165号公報には、タングステン酸化物とクロム酸化物あるいは金属クロムとからなる混合粉末を水素中で700〜1100℃に加熱して固溶体もしくは金属間化合物とし、これに炭素粉末を混合し、水素および真空中で1300〜1700℃の温度で炭化して得られる炭化タングステンと、炭化タングステンに対して0.5〜2.0重量%の金属クロムとを含有した複合炭化物およびその製造方法が記載されている。
【0006】
これらの3公報に記載された炭化タングステンと遷移金属,遷移金属炭化物,鉄族金属などからなる複合炭化物粉末は、遷移金属あるいはその炭化物が均一・微細に分散しているため、超硬合金製造に用いた場合に超硬合金の硬さ,強度,靱性などの特性を改善できるが、加熱温度が低いため、炭化タングステン中への遷移金属の固溶量が極めて少なく、炭化タングステン自体の特性向上が見られず、合金特性の二律背反を解決できないという問題がある。
【0007】
一方、タングステン以外の元素を固溶させたWC粉末に関する先行技術の内、特開昭59−18111号公報には、WO3とV化合物との溶融物を急冷し、これをH2とCH4の混合ガス中で1100℃以上に加熱することによって、WCに0.3%程度のVを固溶させた固溶炭化物粉末の製造方法が記載されている。同様に、特開昭59−110707号公報には、WO3粉末をH2とCH4とVCl4との混合ガス中で800℃以上に加熱するVを固溶させたWC粉末の製造方法が記載されている。
【0008】
これら両公報に記載されたV固溶のWC粉末は、微粒で均一に粒成長抑制剤のVを固溶しているため、微粒超硬合金の製造に適しているが、Vを固溶したWCは、WC自体の硬さや靱性が低く、また耐溶着性,耐塑性変形性,耐酸化性などに劣るため、切削工具や熱間金型工具には不向きであるという問題がある。
【0009】
さらに、特開昭51−146306号公報には、10〜100モル%のモリブデンモノカーバイドを含有したタングステンモノカーバイドを鉄族金属などと焼結したを焼結炭化物金属合金組成物およびその製造方法が記載されている。また、特開平11−212165号公報には、10気圧以上の窒素雰囲気中で500〜2000℃に加熱して窒化合成する複合炭窒化物、特に(W,Mo)(CN)に関する高融点金属複合炭窒化物材料が記載されている。
【0010】
これら両公報に記載された(W,Mo)Cおよび(W,Mo)(CN)は、超硬合金に用いた場合に強度,靱性を改善できるが、Mo固溶量が多くなると硬さ,耐摩耗性の低下が顕著となり、耐耐溶着性,耐塑性変形性,耐酸化性なども劣化するため、切削工具や熱間金型工具には不向きであるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するもので、具体的には、炭化タングステン自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善させるために、炭化タングステンにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crから選ばれた少なくとも1種の元素を固溶させた六方晶複合炭化物の提供と、六方晶複合炭化物を含む合金特性の優れた超硬合金の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、長年に亘り、超硬合金における相反する合金特性の同時向上について検討していた所、WC自体の特性を改善することが最も効果的なこと、WCに他元素を固溶させればWCの特性が改善できること、固溶元素としてはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crなどが最も有効であるという知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
本発明の六方晶複合炭化物は、炭化タングステンと、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる第1固溶元素とで構成された六方晶複合炭化物であって、該炭化タングステンに該第1固溶体元素を該六方晶複合炭化物全体に対して0.1〜3重量%固溶させた六方晶複合炭化物である。
【0014】
本発明の六方晶複合炭化物は、化学組成式(W1−x,Mx)Cyで表し、ただし、MはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる第1固溶元素を表し、化学組成式中のxは金属成分であるWとMの合計に対するMのモル比率を表し、化学組成式中のyは金属成分全体に対するC(炭素)のモル比率を表すと、xおよびyは固溶元素の原子量によって大きく異なるが、それぞれ、0.002≦x≦0.06,0.95≦y≦1.00の範囲内となっている。
【0015】
本発明の六方晶複合炭化物における第1固溶元素として、具体的には、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crの中の1種あるいはTiとTa、TiとCr、ZrとNb,TiとZrとTaなどの2種以上が挙げられる。六方晶複合炭化物全体に対する第1固溶元素の固溶量は、0.1重量%未満ではWCに対する硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善する効果が小さく、逆に3重量%を超えて固溶させることが困難なため、0.1〜3重量%と定めた。ここで、第1固溶元素の主効果として、Ti,Zr,Hfの添加によりWCの硬さ,耐溶着性,耐酸化性が向上し、Nb,Taの添加によりWCの靱性,耐熱変形性が向上し、Crの添加によりWCの耐酸化性,耐食性,靱性が向上する。第1固溶元素が2種以上の元素からなる場合には、これらの効果が相加的あるいは相乗的に出現する。
【0016】
本発明の六方晶複合炭化物における固溶元素は、前記第1固溶元素と、Vおよび/またはMoからなる第2固溶元素とであると、第1固溶元素の効果に第2固溶元素の効果が付加されるので好ましい。すなわち、Vが有する粒成長抑制効果により微粒超硬合金が得られる。また、Mo添加によってWCの靱性を向上させることで高靱性超硬合金が得られる。第2固溶元素の六方晶複合炭化物全体に対する固溶量は、0.1重量%未満ではその効果が小さく、逆にVを5重量%を超えて固溶させることが困難である。また、Moを5重量%を超えて固溶させると耐摩耗性や耐酸化性の低下が著しい。
【0017】
本発明の六方晶複合炭化物のa軸の格子定数が0.2910〜0.2925nmおよび/または本発明の六方晶複合炭化物のc軸の格子定数が0.2840〜0.2855nmであると、すなわち、(A)本発明の六方晶複合炭化物のa軸の格子定数が0.2910〜0.2925nm、(B)本発明の六方晶複合炭化物のc軸の格子定数が0.2840〜0.2855nmとすると、(A)、(A)および(B)、(B)のいずれかであると、WC中への固溶元素の固溶が完全かつ均一であるため、WCの特性改善効果が最大となるので好ましい。
【0018】
本発明の六方晶複合炭化物は、平均粒子径が0.5〜100μmの粉末状が好ましい。0.5μm未満の粒子は固溶化処理の温度が高いために製造困難であり、逆に100μmを超えた粒子は超硬合金の原料粉末としては実用的でないためである。
【0019】
本発明の六方晶複合炭化物は、六方晶複合炭化物の粒子のみからなる六方晶複合炭化物含有粉末として得ることが可能であるが、六方晶複合炭化物の粒子と、W2Cの粒子と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物の粒子とで構成された2次粒子の六方晶複合炭化物含有粉末として得ることが可能である。なお、六方晶複合炭化物含有粉末において、六方晶複合炭化物の粒子の一部と、W2Cの粒子の一部および/または立方晶化合物の粒子の一部とが固溶する場合がある。
【0020】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末は、六方晶複合炭化物の粒子:60〜100体積%と、W2Cの粒子:0〜10体積%と、4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物の粒子:0〜30体積%とで構成される。
【0021】
本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含まれる六方晶複合炭化物の粒子の含有量が60体積%未満であると、六方晶複合炭化物含有粉末を用いて製造される超硬合金の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などの合金特性について固溶元素による改善効果が小さくなる。また、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含まれるW2Cの粒子の含有量が10体積%を超えると、超硬合金を製造する際の炭素量,WC粒度の調整が困難となりやすく、焼結時に反応,溶解などの問題が生じる。ここで、炭素含有量が少ない場合,高温で加熱処理する場合,もしくは固溶元素がCr,Moである場合、W2Cが生成し易い。なお、固溶元素の含有量を大きくするにはW2Cを含有させた方が良い。
【0022】
本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含有される立方晶化合物の粒子として、具体的には、(W0.6Ti0.4)C0.8,(W0.06Zr0.95)C0.75,(W0.65Ta0.35)C0.9,(W0.5Ti0.3Ta0.2)C0.9,(W0.5Ti0.5)(C0.9N0.1)0.95,(W0.45Ti0.4Mo0.15)C0.85,(W0.4V0.5Cr0.1)C0.8などを挙げることができる。本発明の六方晶複合炭化物を作製するとき、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Taなどの固溶元素を固溶限界以上添加すると、固溶しきれなかった固溶元素が立方晶化合物の粒子を形成する。固溶元素の添加効果を最大限に発揮させるためには、立方晶化合物の粒子を含有すると好ましい場合がある。しかし、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末における立方晶化合物の粒子の含有量が30体積%を超えると、超硬合金を製造する際の組成調整が困難になるとともに、相対的に六方晶複合炭化物の含有量が減少してその効果が低下する。
【0023】
本発明の六方晶複合炭化物の粒子内に、微小な立方晶化合物の粒子が分散していると、六方晶複合炭化物の粒子の硬さや靱性を改善できるので好ましい。WCに固溶元素を固溶限界以上に添加した場合、立方晶化合物の粒子が六方晶複合炭化物の粒成長過程で粒子内に取り込まれるため、このような組織が形成される。
【0024】
本発明の六方晶複合炭化物は、例えば、WC粉末とTiH2粉末の混合粉末,W粉末とTiN粉末とC粉末との混合粉末,WO3粉末とTiO2粉末とC粉末との混合粉末などを非酸化性雰囲気あるいは還元性と浸炭性との組合せ雰囲気で高温加熱することによって得られるが、以下の方法で製造すると、固溶元素の含有量が大きく、固溶状態や粒度分布が均一なものが製造できる。
【0025】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物の製造方法は、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Cr,V,Moの酸化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物の粉末(ただし、V酸化物,Mo酸化物,VとMoとの複合酸化物は除く)と、W粉末と、C粉末とからなる混合粉末を真空中で加熱するものである。
【0026】
本発明の六方晶複合炭化物の製造方法における酸化物の粉末,W粉末,およびC粉末は微粒ほど好ましく、特にW粉末は1μm以下が望ましい。また、固溶元素を含む化合物を溶液化して添加すると、酸化物がより微細・均一に分散できるので好ましい。さらに、混合粉末中のC粉末の含有量は、加熱処理後に少量のW2Cが生成する程度が好ましい。
【0027】
混合粉末の加熱処理温度は1750〜2100℃が好ましい。すなわち、1750℃未満では拡散速度が小さく固溶元素量が多いので、固溶元素が均一に固溶した六方晶複合炭化物は得られず、逆に2100℃を超えて高くなると固溶元素量が減少するとともに、W2C量の増加,WCの異常粒成長が問題となるためである。また、混合粉末の加熱処理雰囲気は、10Pa以下の高真空が好ましい。10Pa以下の高真空であると酸化物の還元とW中への拡散が促進されるとともに固溶元素が均一に固溶した固溶元素量が多い六方晶複合炭化物が得られるためである。
【0028】
本発明の六方晶複合炭化物を原料として用い、WC−Co系,WC−TiC−TaC−Co系,WC−(Ni,Cr)系に代表される超硬合金を製造できる。本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に鉄族金属の粉末を添加し焼結させて超硬合金を作製すると、固溶元素の効果を最大限に発揮できる。用途によっては鉄族金属とともに、TiN,ZrC,TaC,VC,Cr3C2,Mo2Cなどを添加しても良い。
【0029】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物を含有した超硬合金としては、六方晶複合炭化物:40〜97重量%と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物:0〜30重量%と、鉄族金属を主成分とする結合相:3〜30重量%が好ましく、従来のWCを用いた超硬合金に比較して抗折力、硬さ、破壊靱性値に優れる。なお、結合相が3重量%未満では耐欠損性に劣り、30重量%を超えると耐食性や耐摩耗性が低下する傾向が見られる。六方晶複合炭化物と結合相とからなる超硬合金でも良いが、特に耐摩耗性や高温硬さを要求される用途には、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物を30重量%以下含有すると好ましい。しかし、立方晶化合物を30重量%を超えて含有させると耐欠損性が低下する傾向が見られる。
【0030】
【実施例1】
市販されている平均粒子径が0.5μmのW,0.02μmのカーボンブラック(Cと記す),0.05〜0.2μmのTiO2,ZrO2,HfO2,Nb2O5,Ta2O5,Cr2O3,V2O5,MoO3および0.5μmのWC(WC/Fと記す),1.2μmのTiC,1.1μmのMo2C,3.0μmのWC(WC/Mと記す)の各粉末を用い、表1に示した配合組成に秤量して、ステンレス製ポットに鉄製ボールとともに挿入して振動ボールミル機を用いて乾式で2時間混合した。この混合粉末を黒鉛製ルツボに充填して真空加熱炉に挿入した後、10Paの真空中で表1に併記した温度で2時間の加熱処理を行って、本発明品1〜15および比較品1〜9を得た。但し、比較品9は混合および加熱処理を行っていない。
【0031】
【表1】
【0032】
こうして得た本発明品1〜14および比較品1〜9の加熱処理粉末を解砕し、100#の篩を通過させて評価用試料粉末とした。これについてX線回折(管球:Cu,管電圧;50kV,管電流;250mA)を行い、粉末中の成分を同定した。その結果を表1に併記した。なお、実施例1および2において、WC相はWCまたは六方晶複合炭化物を示す。また、W2Cの含有量(体積%)をW2C(101)とWC相(101)のピーク強度比から求め、その結果は表2、4に記載した。ここで、W2Cの含有量は比較品9のWC粉末に市販のW2C粉末の所定量を添加してX線回折を行った検量線から求めた。
【0033】
次に、各試料粉末に30重量%の銅粉末(市販の電解銅粉:2.5μm)を添加して乳鉢中で混合し、196MPaの圧力でもって金型成形した後、真空中で1150℃−20分の加熱・焼結により分析用試料合金を得た。そして、試料合金をダイヤモンド砥石で研削し、平均粒径が0.3μmのダイヤモンドペーストでラップ加工した後、電界放射型走査電子顕微鏡による観察・分析に供した。
【0034】
まず、WC相とWC相以外の粒子(W2C,立方晶化合物,Cr3C2)の存在と分布とを、組成像コントラストと元素マッピングにより確認した。そして、WC相と立方晶化合物については、比較的大きい粒子の中央に電子ビームを絞ることによって組成分析を行った。また、写真撮影と画像処理装置によって、各試料粉末を構成する各種成分粒子の含有体積%を求めた。これらの結果を表2〜5に示す。さらに、WC相,W2C,立方晶化合物の平均粒子径を求めた。その結果は表6に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
次に、前記のX線回折条件で測定したWC相のピーク位置(2θ=30〜120°)から面間隔と格子間隔を算出し、a軸とc軸のそれぞれについて外挿法により格子定数を求めた。その結果を表6に併記した。
【0041】
【実施例2】
実施例1で得られた本発明品2,8,14、比較品2,8,9および市販されている平均粒子径が1.0μmのCo,1.2μmの(W,Ti)C(重量比でWC/TiC=70/30),1.0μmのNbC,2.6μmのCr3C2の各粉末を用いて、表7に示す配合組成に秤量し、ステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールとともに挿入し、48時間混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。そして、これらの粉末を金型に充填し、196MPaの圧力でもって5.5×9.5×29mmの圧粉成形体を作製し、アルミナとカーボン繊維からなるシート上に設置し、雰囲気圧力20Paの真空中で1400℃、1.0時間の焼結を行って超硬合金試料:A〜Fを得た。
【0042】
【表7】
【0043】
得られた超硬合金試片を#230のダイヤモンド砥石で湿式研削加工し、4.0×8.0×25.0mmの形状に作製し、JIS法による抗折力を測定した。また、同試料の1面を0.3μmのダイヤモンドペーストでラップ加工した後、ビッカース圧子を用いた荷重:196Nでの硬さおよび破壊靱性値K1C(IM法)を測定した。さらに、各試料のラップ面について電子顕微鏡にて組織写真を撮り、画像処理装置を使用してWC相の平均粒径と立方晶化合物の含有量を求めた。これらの結果を表8に示す。
【0044】
【表8】
【0045】
【発明の効果】
本発明の六方晶複合炭化物は、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の第一固溶元素を固溶させることでWC自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などの特性を改善させる。本発明の六方晶複合炭化物を用いて製造された超硬合金は、従来の高純度WCを用いた超硬合金に比べて、組成とWC粒度をほぼ同一にした場合に、硬さ,強度,靱性などがいずれも向上し、特に、少量のTiC,NbCあるいはVC,Cr3C2を添加した超硬合金では強度が顕著に改善されるという効果がある。本発明の六方晶複合炭化物の製造方法によって、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の第1固溶元素を固溶させた六方晶複合炭化物を容易に得ることが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に超硬合金に用いられる六方晶複合炭化物とその製造方法、および六方晶複合炭化物を用いた超硬合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
WC,CoおよびTiC,TaC,VC,Cr3C2などの原料粉末を混合,加圧成形,加熱焼結して製造される超硬合金は、切削工具,耐摩耗工具および部品などの様々な用途に使用されている。そして、WCの粒度,Co量,添加炭化物の種類と量などを調整することにより、各用途で必要となる硬さ,強度,靱性,耐熱性,耐酸化性,耐食性などの合金特性を得ている。添加炭化物として、例えば、反応・溶着による摩耗が問題となる鋼切削工具ではTiCが、高温での塑性変形が問題となる熱間金型や鋼切削工具ではTaCやZrCが、硬度と刃先強度が要求されるドリル,エンドミルではWCの粒成長抑制剤としてVC,Cr3C2が、腐食が問題となる耐摩耗性部品ではCr3C2,Mo2Cがそれぞれ超硬合金に添加されている。
【0003】
しかし、添加炭化物を超硬合金に添加する方法では、ある合金特性を改善すると別の合金特性が低下するという二律背反の問題がある。例えば、超硬合金にTiC,TaC,ZrC,VCなどを添加すると、添加量が少量であっても超硬合金の強度や靱性を著しく低下させる。また、Cr3C2を添加すると、超硬合金の結合相の耐食性,耐酸化性が改善するものの、WCはアルカリ腐食や酸化を起こしやすいために、その効果が十分に発揮できないという問題がある。
【0004】
一方、WCと添加炭化物とを含有した超硬合金用粉末に関する先行技術には、特開平7−54001号公報、特表2000−512688号公報、特開平10−212165号公報、などがある。さらに、タングステン以外の元素を固溶させたWC粉末に関する特許としては、特開昭59−18111号公報、特開昭59−110707号公報、特開昭51−146306号公報、特開平11−212165号公報などがある。
【0005】
WCと添加炭化物とを含有した超硬合金用粉末に関する先行技術の内、特開平7−54001号公報には、1μmの酸化タングステン,酸化コバルト,炭素,さらにV,Cr,Ta,Nbの炭化物からなる混合粉末を700〜1200℃で還元処理と炭化処理とを施す炭化タングステン基超硬合金製造用微細複合炭化物粉末の製造方法が記載されている。また、特表2000−512688号公報には、鉄,コバルト,ニッケルと、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、これらの混合物および固溶体からなる群の遷移金属炭化物とからなる粉末の先駆体を水素雰囲気で1173〜1773Kに加熱した遷移金属炭化物―VIII族金属粉末およびその製造方法が記載されている。さらに、特開平10−212165号公報には、タングステン酸化物とクロム酸化物あるいは金属クロムとからなる混合粉末を水素中で700〜1100℃に加熱して固溶体もしくは金属間化合物とし、これに炭素粉末を混合し、水素および真空中で1300〜1700℃の温度で炭化して得られる炭化タングステンと、炭化タングステンに対して0.5〜2.0重量%の金属クロムとを含有した複合炭化物およびその製造方法が記載されている。
【0006】
これらの3公報に記載された炭化タングステンと遷移金属,遷移金属炭化物,鉄族金属などからなる複合炭化物粉末は、遷移金属あるいはその炭化物が均一・微細に分散しているため、超硬合金製造に用いた場合に超硬合金の硬さ,強度,靱性などの特性を改善できるが、加熱温度が低いため、炭化タングステン中への遷移金属の固溶量が極めて少なく、炭化タングステン自体の特性向上が見られず、合金特性の二律背反を解決できないという問題がある。
【0007】
一方、タングステン以外の元素を固溶させたWC粉末に関する先行技術の内、特開昭59−18111号公報には、WO3とV化合物との溶融物を急冷し、これをH2とCH4の混合ガス中で1100℃以上に加熱することによって、WCに0.3%程度のVを固溶させた固溶炭化物粉末の製造方法が記載されている。同様に、特開昭59−110707号公報には、WO3粉末をH2とCH4とVCl4との混合ガス中で800℃以上に加熱するVを固溶させたWC粉末の製造方法が記載されている。
【0008】
これら両公報に記載されたV固溶のWC粉末は、微粒で均一に粒成長抑制剤のVを固溶しているため、微粒超硬合金の製造に適しているが、Vを固溶したWCは、WC自体の硬さや靱性が低く、また耐溶着性,耐塑性変形性,耐酸化性などに劣るため、切削工具や熱間金型工具には不向きであるという問題がある。
【0009】
さらに、特開昭51−146306号公報には、10〜100モル%のモリブデンモノカーバイドを含有したタングステンモノカーバイドを鉄族金属などと焼結したを焼結炭化物金属合金組成物およびその製造方法が記載されている。また、特開平11−212165号公報には、10気圧以上の窒素雰囲気中で500〜2000℃に加熱して窒化合成する複合炭窒化物、特に(W,Mo)(CN)に関する高融点金属複合炭窒化物材料が記載されている。
【0010】
これら両公報に記載された(W,Mo)Cおよび(W,Mo)(CN)は、超硬合金に用いた場合に強度,靱性を改善できるが、Mo固溶量が多くなると硬さ,耐摩耗性の低下が顕著となり、耐耐溶着性,耐塑性変形性,耐酸化性なども劣化するため、切削工具や熱間金型工具には不向きであるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するもので、具体的には、炭化タングステン自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善させるために、炭化タングステンにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crから選ばれた少なくとも1種の元素を固溶させた六方晶複合炭化物の提供と、六方晶複合炭化物を含む合金特性の優れた超硬合金の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、長年に亘り、超硬合金における相反する合金特性の同時向上について検討していた所、WC自体の特性を改善することが最も効果的なこと、WCに他元素を固溶させればWCの特性が改善できること、固溶元素としてはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crなどが最も有効であるという知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
本発明の六方晶複合炭化物は、炭化タングステンと、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる第1固溶元素とで構成された六方晶複合炭化物であって、該炭化タングステンに該第1固溶体元素を該六方晶複合炭化物全体に対して0.1〜3重量%固溶させた六方晶複合炭化物である。
【0014】
本発明の六方晶複合炭化物は、化学組成式(W1−x,Mx)Cyで表し、ただし、MはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる第1固溶元素を表し、化学組成式中のxは金属成分であるWとMの合計に対するMのモル比率を表し、化学組成式中のyは金属成分全体に対するC(炭素)のモル比率を表すと、xおよびyは固溶元素の原子量によって大きく異なるが、それぞれ、0.002≦x≦0.06,0.95≦y≦1.00の範囲内となっている。
【0015】
本発明の六方晶複合炭化物における第1固溶元素として、具体的には、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crの中の1種あるいはTiとTa、TiとCr、ZrとNb,TiとZrとTaなどの2種以上が挙げられる。六方晶複合炭化物全体に対する第1固溶元素の固溶量は、0.1重量%未満ではWCに対する硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などを改善する効果が小さく、逆に3重量%を超えて固溶させることが困難なため、0.1〜3重量%と定めた。ここで、第1固溶元素の主効果として、Ti,Zr,Hfの添加によりWCの硬さ,耐溶着性,耐酸化性が向上し、Nb,Taの添加によりWCの靱性,耐熱変形性が向上し、Crの添加によりWCの耐酸化性,耐食性,靱性が向上する。第1固溶元素が2種以上の元素からなる場合には、これらの効果が相加的あるいは相乗的に出現する。
【0016】
本発明の六方晶複合炭化物における固溶元素は、前記第1固溶元素と、Vおよび/またはMoからなる第2固溶元素とであると、第1固溶元素の効果に第2固溶元素の効果が付加されるので好ましい。すなわち、Vが有する粒成長抑制効果により微粒超硬合金が得られる。また、Mo添加によってWCの靱性を向上させることで高靱性超硬合金が得られる。第2固溶元素の六方晶複合炭化物全体に対する固溶量は、0.1重量%未満ではその効果が小さく、逆にVを5重量%を超えて固溶させることが困難である。また、Moを5重量%を超えて固溶させると耐摩耗性や耐酸化性の低下が著しい。
【0017】
本発明の六方晶複合炭化物のa軸の格子定数が0.2910〜0.2925nmおよび/または本発明の六方晶複合炭化物のc軸の格子定数が0.2840〜0.2855nmであると、すなわち、(A)本発明の六方晶複合炭化物のa軸の格子定数が0.2910〜0.2925nm、(B)本発明の六方晶複合炭化物のc軸の格子定数が0.2840〜0.2855nmとすると、(A)、(A)および(B)、(B)のいずれかであると、WC中への固溶元素の固溶が完全かつ均一であるため、WCの特性改善効果が最大となるので好ましい。
【0018】
本発明の六方晶複合炭化物は、平均粒子径が0.5〜100μmの粉末状が好ましい。0.5μm未満の粒子は固溶化処理の温度が高いために製造困難であり、逆に100μmを超えた粒子は超硬合金の原料粉末としては実用的でないためである。
【0019】
本発明の六方晶複合炭化物は、六方晶複合炭化物の粒子のみからなる六方晶複合炭化物含有粉末として得ることが可能であるが、六方晶複合炭化物の粒子と、W2Cの粒子と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物、窒化物、炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物の粒子とで構成された2次粒子の六方晶複合炭化物含有粉末として得ることが可能である。なお、六方晶複合炭化物含有粉末において、六方晶複合炭化物の粒子の一部と、W2Cの粒子の一部および/または立方晶化合物の粒子の一部とが固溶する場合がある。
【0020】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末は、六方晶複合炭化物の粒子:60〜100体積%と、W2Cの粒子:0〜10体積%と、4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物の粒子:0〜30体積%とで構成される。
【0021】
本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含まれる六方晶複合炭化物の粒子の含有量が60体積%未満であると、六方晶複合炭化物含有粉末を用いて製造される超硬合金の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などの合金特性について固溶元素による改善効果が小さくなる。また、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含まれるW2Cの粒子の含有量が10体積%を超えると、超硬合金を製造する際の炭素量,WC粒度の調整が困難となりやすく、焼結時に反応,溶解などの問題が生じる。ここで、炭素含有量が少ない場合,高温で加熱処理する場合,もしくは固溶元素がCr,Moである場合、W2Cが生成し易い。なお、固溶元素の含有量を大きくするにはW2Cを含有させた方が良い。
【0022】
本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に含有される立方晶化合物の粒子として、具体的には、(W0.6Ti0.4)C0.8,(W0.06Zr0.95)C0.75,(W0.65Ta0.35)C0.9,(W0.5Ti0.3Ta0.2)C0.9,(W0.5Ti0.5)(C0.9N0.1)0.95,(W0.45Ti0.4Mo0.15)C0.85,(W0.4V0.5Cr0.1)C0.8などを挙げることができる。本発明の六方晶複合炭化物を作製するとき、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Taなどの固溶元素を固溶限界以上添加すると、固溶しきれなかった固溶元素が立方晶化合物の粒子を形成する。固溶元素の添加効果を最大限に発揮させるためには、立方晶化合物の粒子を含有すると好ましい場合がある。しかし、本発明の六方晶複合炭化物含有粉末における立方晶化合物の粒子の含有量が30体積%を超えると、超硬合金を製造する際の組成調整が困難になるとともに、相対的に六方晶複合炭化物の含有量が減少してその効果が低下する。
【0023】
本発明の六方晶複合炭化物の粒子内に、微小な立方晶化合物の粒子が分散していると、六方晶複合炭化物の粒子の硬さや靱性を改善できるので好ましい。WCに固溶元素を固溶限界以上に添加した場合、立方晶化合物の粒子が六方晶複合炭化物の粒成長過程で粒子内に取り込まれるため、このような組織が形成される。
【0024】
本発明の六方晶複合炭化物は、例えば、WC粉末とTiH2粉末の混合粉末,W粉末とTiN粉末とC粉末との混合粉末,WO3粉末とTiO2粉末とC粉末との混合粉末などを非酸化性雰囲気あるいは還元性と浸炭性との組合せ雰囲気で高温加熱することによって得られるが、以下の方法で製造すると、固溶元素の含有量が大きく、固溶状態や粒度分布が均一なものが製造できる。
【0025】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物の製造方法は、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Cr,V,Moの酸化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物の粉末(ただし、V酸化物,Mo酸化物,VとMoとの複合酸化物は除く)と、W粉末と、C粉末とからなる混合粉末を真空中で加熱するものである。
【0026】
本発明の六方晶複合炭化物の製造方法における酸化物の粉末,W粉末,およびC粉末は微粒ほど好ましく、特にW粉末は1μm以下が望ましい。また、固溶元素を含む化合物を溶液化して添加すると、酸化物がより微細・均一に分散できるので好ましい。さらに、混合粉末中のC粉末の含有量は、加熱処理後に少量のW2Cが生成する程度が好ましい。
【0027】
混合粉末の加熱処理温度は1750〜2100℃が好ましい。すなわち、1750℃未満では拡散速度が小さく固溶元素量が多いので、固溶元素が均一に固溶した六方晶複合炭化物は得られず、逆に2100℃を超えて高くなると固溶元素量が減少するとともに、W2C量の増加,WCの異常粒成長が問題となるためである。また、混合粉末の加熱処理雰囲気は、10Pa以下の高真空が好ましい。10Pa以下の高真空であると酸化物の還元とW中への拡散が促進されるとともに固溶元素が均一に固溶した固溶元素量が多い六方晶複合炭化物が得られるためである。
【0028】
本発明の六方晶複合炭化物を原料として用い、WC−Co系,WC−TiC−TaC−Co系,WC−(Ni,Cr)系に代表される超硬合金を製造できる。本発明の六方晶複合炭化物含有粉末に鉄族金属の粉末を添加し焼結させて超硬合金を作製すると、固溶元素の効果を最大限に発揮できる。用途によっては鉄族金属とともに、TiN,ZrC,TaC,VC,Cr3C2,Mo2Cなどを添加しても良い。
【0029】
すなわち、本発明の六方晶複合炭化物を含有した超硬合金としては、六方晶複合炭化物:40〜97重量%と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物:0〜30重量%と、鉄族金属を主成分とする結合相:3〜30重量%が好ましく、従来のWCを用いた超硬合金に比較して抗折力、硬さ、破壊靱性値に優れる。なお、結合相が3重量%未満では耐欠損性に劣り、30重量%を超えると耐食性や耐摩耗性が低下する傾向が見られる。六方晶複合炭化物と結合相とからなる超硬合金でも良いが、特に耐摩耗性や高温硬さを要求される用途には、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種からなる立方晶化合物を30重量%以下含有すると好ましい。しかし、立方晶化合物を30重量%を超えて含有させると耐欠損性が低下する傾向が見られる。
【0030】
【実施例1】
市販されている平均粒子径が0.5μmのW,0.02μmのカーボンブラック(Cと記す),0.05〜0.2μmのTiO2,ZrO2,HfO2,Nb2O5,Ta2O5,Cr2O3,V2O5,MoO3および0.5μmのWC(WC/Fと記す),1.2μmのTiC,1.1μmのMo2C,3.0μmのWC(WC/Mと記す)の各粉末を用い、表1に示した配合組成に秤量して、ステンレス製ポットに鉄製ボールとともに挿入して振動ボールミル機を用いて乾式で2時間混合した。この混合粉末を黒鉛製ルツボに充填して真空加熱炉に挿入した後、10Paの真空中で表1に併記した温度で2時間の加熱処理を行って、本発明品1〜15および比較品1〜9を得た。但し、比較品9は混合および加熱処理を行っていない。
【0031】
【表1】
【0032】
こうして得た本発明品1〜14および比較品1〜9の加熱処理粉末を解砕し、100#の篩を通過させて評価用試料粉末とした。これについてX線回折(管球:Cu,管電圧;50kV,管電流;250mA)を行い、粉末中の成分を同定した。その結果を表1に併記した。なお、実施例1および2において、WC相はWCまたは六方晶複合炭化物を示す。また、W2Cの含有量(体積%)をW2C(101)とWC相(101)のピーク強度比から求め、その結果は表2、4に記載した。ここで、W2Cの含有量は比較品9のWC粉末に市販のW2C粉末の所定量を添加してX線回折を行った検量線から求めた。
【0033】
次に、各試料粉末に30重量%の銅粉末(市販の電解銅粉:2.5μm)を添加して乳鉢中で混合し、196MPaの圧力でもって金型成形した後、真空中で1150℃−20分の加熱・焼結により分析用試料合金を得た。そして、試料合金をダイヤモンド砥石で研削し、平均粒径が0.3μmのダイヤモンドペーストでラップ加工した後、電界放射型走査電子顕微鏡による観察・分析に供した。
【0034】
まず、WC相とWC相以外の粒子(W2C,立方晶化合物,Cr3C2)の存在と分布とを、組成像コントラストと元素マッピングにより確認した。そして、WC相と立方晶化合物については、比較的大きい粒子の中央に電子ビームを絞ることによって組成分析を行った。また、写真撮影と画像処理装置によって、各試料粉末を構成する各種成分粒子の含有体積%を求めた。これらの結果を表2〜5に示す。さらに、WC相,W2C,立方晶化合物の平均粒子径を求めた。その結果は表6に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
次に、前記のX線回折条件で測定したWC相のピーク位置(2θ=30〜120°)から面間隔と格子間隔を算出し、a軸とc軸のそれぞれについて外挿法により格子定数を求めた。その結果を表6に併記した。
【0041】
【実施例2】
実施例1で得られた本発明品2,8,14、比較品2,8,9および市販されている平均粒子径が1.0μmのCo,1.2μmの(W,Ti)C(重量比でWC/TiC=70/30),1.0μmのNbC,2.6μmのCr3C2の各粉末を用いて、表7に示す配合組成に秤量し、ステンレス製ポットにアセトン溶媒と超硬合金製ボールとともに挿入し、48時間混合粉砕後、乾燥して混合粉末を得た。そして、これらの粉末を金型に充填し、196MPaの圧力でもって5.5×9.5×29mmの圧粉成形体を作製し、アルミナとカーボン繊維からなるシート上に設置し、雰囲気圧力20Paの真空中で1400℃、1.0時間の焼結を行って超硬合金試料:A〜Fを得た。
【0042】
【表7】
【0043】
得られた超硬合金試片を#230のダイヤモンド砥石で湿式研削加工し、4.0×8.0×25.0mmの形状に作製し、JIS法による抗折力を測定した。また、同試料の1面を0.3μmのダイヤモンドペーストでラップ加工した後、ビッカース圧子を用いた荷重:196Nでの硬さおよび破壊靱性値K1C(IM法)を測定した。さらに、各試料のラップ面について電子顕微鏡にて組織写真を撮り、画像処理装置を使用してWC相の平均粒径と立方晶化合物の含有量を求めた。これらの結果を表8に示す。
【0044】
【表8】
【0045】
【発明の効果】
本発明の六方晶複合炭化物は、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の第一固溶元素を固溶させることでWC自体の硬さ,靱性,耐酸化性,耐食性などの特性を改善させる。本発明の六方晶複合炭化物を用いて製造された超硬合金は、従来の高純度WCを用いた超硬合金に比べて、組成とWC粒度をほぼ同一にした場合に、硬さ,強度,靱性などがいずれも向上し、特に、少量のTiC,NbCあるいはVC,Cr3C2を添加した超硬合金では強度が顕著に改善されるという効果がある。本発明の六方晶複合炭化物の製造方法によって、WCにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の第1固溶元素を固溶させた六方晶複合炭化物を容易に得ることが可能となる。
Claims (7)
- 炭化タングステンと、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Crからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素からなる第1固溶元素とで構成された六方晶複合炭化物であって、該炭化タングステンに該第1固溶体元素を該六方晶複合炭化物全体に対して0.1〜3重量%固溶させた六方晶複合炭化物。
- 前記六方晶複合炭化物に、Vおよび/またはMoからなる第2固溶元素を該六方晶複合炭化物全体に対して0.1〜5重量%固溶させた請求項1に記載の六方晶複合炭化物。
- 前記六方晶複合炭化物のa軸の格子定数が0.2910〜0.2925nmおよび/またはc軸の格子定数が0.2840〜0.2855nmである請求項1または2に記載の六方晶複合炭化物。
- 平均粒子径0.5〜100μmの粉末状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の六方晶複合炭化物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載された前記六方晶複合炭化物の粒子:60〜100体積%と、W2Cの粒子:0〜10体積%と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種の立方晶化合物の粒子:0〜30体積%とで構成された六方晶複合炭化物含有粉末。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の前記六方晶複合炭化物:40〜97重量%と、周期律表4a,5a,6a族元素の炭化物,窒化物,炭窒化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種の立方晶化合物:0〜30重量%と、鉄族金属を主成分とする結合相:3〜30重量%とで構成された超硬合金。
- Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Cr,V,Moの酸化物およびこれらの相互固溶体からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化物の粉末と、W粉末と、C粉末とからなる混合粉末を真空中で加熱することを特徴とする六方晶複合炭化物の製造方法。
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