JP2004142965A - 水素貯蔵・供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素を燃料とする装置に、水素を、安定、安全かつ効率的に供給する実用的なシステムを提供する。
【解決手段】炭化水素化合物の水素の化学的結合及び分離を利用して燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素を供給するシステムにおいて、原油を精製して得られた水素受容組成物に水素を添加して水素供給組成物に調製する水素化装置、前記水素供給組成物を脱水素して燃料電池等の水素を燃料とする装置に供給する水素を発生する水素発生装置、水素供給組成物を水素発生装置に輸送する第1の輸送手段、及び水素発生装置で水素が分離された水素受容組成物を水素化装置もしくは石油精製装置に輸送する第2の輸送手段を備えた水素貯蔵・供給システム。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、炭化水素化合物における水素の化学的な結合及び分離を利用して燃料電池、水素エンジン、水素発電、酸水素バーナー等の水素を燃料とする装置に水素を供給するシステムに関するものである。特には、炭化水素化合物として原油を精製して得られた組成物を用いて、製油所の安価な水素や従来の石油製品の輸送手段を利用できる等、実用性に優れた水素貯蔵・供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、電気化学反応を利用して電気を発生する発電装置であり、小型でも40%程度と高い発電効率を有しており、しかも負荷が小さいときでも定格運転時と同様の高効率な運転が可能である。環境的にも、電気化学反応で発電するので、高温での燃焼を伴なわないことから、NOxを発生せず、また発電機などの駆動音や震動もない。さらに、温水や蒸気の形で廃熱回収をすることもできる。燃料電池は、このように高効率で環境にやさしい発電装置、エネルギー供給装置として多岐にわたる利用が期待されている。具体的には、集合住宅、オフィスビル、ホテル、病院等での数百kW級のコージェネレーション(電熱併給)システム、乗用車やバス等の交通機関の動力用電源、数kWの家庭用電源、数十Wの電子機器用電源等の用途が挙げられ、これらの分野における様々な実用化研究が積極的に進められている。最近では、一部の機種については商業化されているともいわれている。
【0003】
しかしながら、燃料電池は、実用的には水素又は水素リッチガスを燃料とするため、この水素の供給に大きな問題を有している。燃料電池の水素燃料は、圧縮水素、液体水素として供給したり、水素吸蔵合金やカーボンナノチューブ等の水素吸蔵材から供給したり、メタノールや炭化水素を改質し、水素を製造して供給している。
【0004】
改質法により水素を得る場合、改質装置は燃料電池の近傍に、又は燃料電池と一体的に設けられる。水素製造の原料であるメタノールや炭化水素の運搬は容易であるが、それらから水素を製造する改質装置は高温、高圧を要する上に、CO変成装置やCO分離装置が必要となり大型化する。さらに、低NOx、低騒音、低震動などの燃料電池の優れた特徴が改質装置によって損なわれることが懸念される。
【0005】
水素を燃料電池に供給する場合、水素吸蔵合金、カーボンナノチューブなどの水素吸蔵材は単位重量あたり、あるいは単位体積あたりの水素貯蔵量が少なく、必要な場所へ水素を運搬する手段としては、重い、かさばるなどの理由から適していない。圧縮水素も単位体積あたりの水素貯蔵量が低く、大量に運搬するのには適していない。液体水素は貯蔵量が大きいが、貯蔵容器を断熱状態に保つのが技術的に困難であり、液化の際に水素約30%のエネルギーを消費するなどの問題がある。
水素を燃料とする内燃機関である水素エンジンや火力発電の代替として注目される水素発電等に水素を供給する場合も上述の問題は同様である。
【0006】
また、水素を含有する化合物を利用して水素を燃料電池に供給するシステムが提案されている。例えば、芳香族化合物を水素化して脂環式化合物として水素を吸蔵し、該脂環式化合物を脱水素反応して水素を取り出し燃料電池に供給する。このときに生じた芳香族化合物に再び水素を添加し、上記の水素化反応と脱水素反応を繰り返す水素貯蔵・供給システムが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3など参照)。しかしながら、これらの先行技術に開示されている具体的化合物は、芳香族化合物としてのベンゼン、ナフタレン、水素化芳香族化合物としてのシクロヘキサン、デカリンのみであり、ベンゼンは、毒性などに問題が多く、ナフタレンは常温で固体であるため実用的に用いることが極めて困難である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−198469号公報
【特許文献2】
特開2001−110437号公報
【特許文献3】
特開2002−134141号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安全性、取扱い易さ等の実用的な性状に優れた組成物を水素供給媒体として用い、燃料電池、水素エンジン、水素発電等の水素を燃料とする装置に水素を、安全に、効率よく供給するシステムを提供することを課題とするものである。特に、水素化反応に用いる水素の供給や水素供給媒体の輸送に従来の石油精製装置や石油製品の輸送設備などのインフラを最大に利用して、安定、安全かつ効率的に、安価に水素を燃料電池等の水素を燃料とする装置に供給する実用的なシステムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行った結果、石油精製の産物である芳香族系炭化水素を主成分とする組成物を用い、製油所で従来水素化脱硫等に用いられている安価な水素で水素化を行って水素を貯蔵し、ガソリン、灯油、軽油等の石油製品の運搬と同様に運搬し、しかるべき場所で脱水素反応を行って水素を発生させ燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素を供給できることを見出した。また、脱水素反応によって水素を脱離して生じた芳香族系炭化水素を主成分とする組成物を回収して製油所に戻して再び水素化し、水素を燃料とする装置サイドに運搬して脱水素反応を行って発生した水素を該装置に供給することができること、すなわち、水素を運搬する媒体として芳香族系炭化水素を主成分とする組成物をリサイクルすることにより、安定、安全かつ効率的で安価な水素貯蔵・供給システムを構築できることを見出し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち、本発明は、
炭化水素化合物の水素の化学的結合及び分離を利用して、水素を貯蔵したり、水素を燃料とする装置に水素を供給するシステムにおいて、
(1)原油を精製して得られた、水素を化学的に結合できる化合物を含有する第1の水素受容組成物及び/又は次の(2)項に記載の第2の水素受容組成物に、水素を添加して水素が化学的に結合した化合物を含有する水素供給組成物に調製する水素化装置、
(2)前記水素供給組成物を脱水素して、水素が分離した化合物を含有する第2の水素受容組成物と、水素を燃料とする装置に供給する水素とに分離して水素を発生する水素発生装置、
(3)水素供給組成物を水素化装置から水素発生装置に輸送する第1の輸送手段、及び
(4)第2の水素受容組成物を水素発生装置から水素化装置もしくは石油精製装置に輸送する第2の輸送手段
を備えた水素貯蔵・供給システムである。
【0011】
前記水素としては、接触改質プロセスで発生した水素、軽質炭化水素の水蒸気改質により得られた水素、炭化水素の部分酸化により得られた水素、低純度水素を深冷分離、膜分離又はPSA(Pressure Swing Adsorption)で処理して得られた高純度水素などの製油所で容易に入手できる水素を利用することが好ましい。
前記水素供給組成物、第1の水素受容組成物及び第2の水素受容組成物は、それぞれ−30℃以下の流動点を有することが好ましい。水素供給組成物には水素が化学的に結合した化合物として、炭素数11〜16のアルキルデカリン、炭素数11−16のアルキルテトラリン、炭素数9−13のアルキルシクロヘキサンが含まれ、また、第1の水素受容組成物及び第2の水素受容組成物には炭素数11〜16のアルキルナフタレン、炭素数11−16のアルキルテトラリン、炭素数9−13のアルキルベンゼンが含まれていることが好ましい。
また、第1の水素受容組成物は、アルキルナフタレン、アルキルテトラリン、及びアルキルベンゼンの含有量が50重量%以上、かつ硫黄含有量が0.1ppm以下、窒素含有量が1ppm以下であることが好ましく、水素供給組成物は、アルキルデカリン、アルキルテトラリン、及びアルキルシクロヘキサンの含有量が50重量%以上、かつ硫黄含有量が0.1ppm以下、窒素含有量が1ppm以下であることが好ましい。
本発明の他の態様は、前記水素貯蔵・供給システムに用いられる第1又は第2の水素受容組成物、並びに水素供給組成物によっても特徴づけられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1に基づいて本発明を簡単に説明する。
図1は、本発明の水素貯蔵・供給システムについて、システムを構成する装置、手段を示すとともに処理工程の概略フローを示すものである。実線の枠で構成装置及び手段を示し、下線で構成装置等の間に流れる流体を示している。本発明の水素貯蔵・供給システムにおいて、燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素を供給するフローを以下に説明する。
(1) 原油を各種の石油精製装置にかけて、水素を化学的に結合できる化合物(換言すれば、分子内に水素を貯蔵することのできる化合物)を含有する組成物(第1の水素受容組成物)を得る。第1の水素受容組成物は、水素を貯蔵するために水素化装置に供給される。
(2) 水素化装置において、第1の水素受容組成物は、水素化触媒の存在下に製油所の安価な水素の供給を受けて、水素を取り込み、結合した化合物(換言すれば、分子内に貯蔵した水素を放出することのできる化合物)を含有する水素供給組成物に転換される。
【0013】
(3) 水素供給組成物は、第1の輸送手段によって、燃料電池等に供給する水素を前記水素供給組成物から分離する水素発生装置に搬送され、そこで脱水素反応により、水素供給組成物中の水素が結合した化合物から分離した水素と、水素が分離した化合物を含有する第2の水素受容組成物とに分離される。
(4) 水素は燃料電池等の水素を燃料とする装置に供給されて、第2の水素受容組成物は、第2の輸送手段によって、前記(3)項の水素化装置もしくは(1)項の石油精製装置に搬送される。
(5) 第2の水素受容組成物は、水素化装置において、第1の水素受容組成物とともに、あるいは、第2の水素受容組成物単独で、水素化触媒の存在下に製油所の安価な水素の供給を受けて、水素と結合した化合物を含有する水素供給組成物に転換される。もしくは第2の水素受容組成物は石油精製装置に送られ第1の水素受容組成物やその他の石油製品を製造するのに用いることができる。
(6) 以下、(1)〜(5)ないし(3)〜(5)を繰り返す。
【0014】
本発明によれば、燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素を供給する媒体として、第1の水素受容組成物を既存の石油精製工程で得ることができ、さらに、その水素化組成物である水素供給組成物を製油所で安価な水素を用いて調製することができる。また、水素供給組成物や第1、第2の水素受容組成物としてアルキルナフタレン、アルキルベンゼン等の芳香族系炭化水素及びその誘導体を用いるならば、これらは、灯・軽油に含まれる石油留分であるので、製油所と、水素が供給され消費されるサイドとの間における水素供給組成物及び第2の水素受容組成物の運搬に、既存の石油製品の輸送手段を利用することができ、さらに好ましい。したがって、本発明は、従来の技術、インフラを有効に用いるものであり、環境にやさしく高効率な燃料電池、究極の内燃機関である水素エンジン、火力発電の代替として注目される水素発電等の水素を消費する装置を汎用的に活用する上で、安定性、安全性などの実用性に優れた水素貯蔵・供給システムを提供することができる。
【0015】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明で用いる第1の水素受容組成物は、水素を化学的に結合できる化合物を含有する、原油を精製して得た組成物であり、このような組成物を用いることにより、前述のように、従来の技術、インフラを有効に活用し、実用性に優れた水素貯蔵・供給システムを提供することができる。
【0016】
前記化合物としては、炭素数11〜16のアルキルナフタレン及び/又はアルキルテトラリン及び/または炭素数9−13のアルキルベンゼンが好ましく、具体的には、メチルナフタレン、エチルナフタレン、プロピルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、メチルエチルナフタレン、メチルプロピルナフタレン、メチルイソプロピルナフタレン、エチルプロピルナフタレン、エチルイソプロピルナフタレン、プロピルイソプロピルナフタレンなどのアルキルナフタレン類、及びメチルテトラリン、エチルテトラリン、プロピルテトラリン、イソプロピルテトラリン、ジメチルテトラリン、ジエチルテトラリン、ジプロピルテトラリン、ジイソプロピルテトラリン、メチルエチルテトラリン、メチルプロピルテトラリン、メチルイソプロピルテトラリン、エチルプロピルテトラリン、エチルイソプロピルテトラリン、プロピルイソプロピルテトラリンなどのアルキルテトラリン類、及びエチルトルエン、トリメチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、イソプロピルトルエン、アミルベンゼン、4−tert−ブチルベンゼン、(2,2−ジメチルプロピル)ベンゼン、ペンタメチルベンゼン、tert−ブチルキシレン、ジイソプロピルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、トリエチルベンゼン、1−フェニルヘキサン、1−フェニルペンタンなどのアルキルベンゼン類が挙げられる。アルキルナフタレンとアルキルベンゼンの割合は石油精製プロセス中の蒸留その他の周知の方法で制御することができる。またアルキルナフタレンとアルキルテトラリンの割合は、本発明における次の工程で水素化されるので、どちらが多くても構わない。
【0017】
さらに、第1の水素受容組成物には、ベンゼンや炭素数7−8のアルキルベンゼンなどの単環式芳香族化合物、アントラセンなどの3環式芳香族化合物やその水素化化合物であるテトラヒドロアントラセン、オクタヒドロアントラセン及びそれらのアルキル置換体が含まれても良いが、ベンゼンなどによる毒性やベンゼン、トルエン、キシレンなどのPRTR対象物質、多環による粘性の増加や重量あたりの水素化率低下などの理由から、第1の水素受容組成物として、上記の炭素数11〜16のアルキルナフタレン類、炭素数11−16のアルキルテトラリン類、炭素数9−13のアルキルベンゼン類が好ましく、取扱い易さも格段に向上する。また、第1の水素受容組成物は、アルキルナフタレン、アルキルテトラリン、及びアルキルベンゼンを50重量%以上、さらには70重量%以上含むものが、燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素をより多く、効率的に運搬する上で好ましい。
【0018】
また、第1の水素受容組成物は、−30℃以下の流動点であることが好ましい。こうすることにより、後続の工程においてあるいは輸送において格別な加温、加熱などを行うことなく取り扱うことができる。
さらに、第1の水素受容組成物は、後続の工程(後述の水素化装置)において貴金属触媒を使用することがあるので、触媒毒となる硫黄分や窒素分をできるだけ含まないものが好ましく、硫黄含有量は0.1ppm以下、窒素分は1ppm以下であることが好ましい。
【0019】
第1の水素受容組成物は、原油から、蒸留、水素化脱硫、水素化精製、接触改質、接触分解、溶剤抽出ないし吸着分離などの周知の石油精製プロセスを適宜組み合せて処理し、得ることができる。例えば、特開平1‐163139号公報に記載されるジメチルナフタレンの製造方法などによって調製できる。
例えば、原油を常圧蒸留して得られた灯油留分を水素化脱硫した後、得られた脱硫灯油をモレキュラーシーブなどで処理してノルマルパラフィンを回収するとともにラフィネートを得る。該ラフィネートを、白金を担持したアルミナ担体の接触改質触媒を用いて改質処理し、得られたラフィネート改質油を蒸留してアルキルナフタレンを多量(65%以上)に含有した留分(すなわち、第1の水素受容組成物)を得ることができる。しかもこの留分は、水素化脱硫及び白金触媒の接触改質等の精製プロセスを経ているので、0.1ppm以下の硫黄含有量及び1ppm以下の窒素含有量である。
【0020】
また、ガソリンや軽油留分を製造する流動接触分解プロセスのサイクル油などもアルキルナフタレンを多量に含んでいるので、これから第1の水素受容組成物を調製することができる。サイクル油は、流動接触分解プロセスの原料油の性状にもよるが、窒素化合物や硫黄化合物を通常高濃度で含んでいるので、窒素分や硫黄分は水素化精製して脱硫、脱窒素処理することにより除去する必要がある。したがって、サイクル油から第1の水素受容組成物を調製する場合、サイクル油を比較的シビアな水素化精製条件で処理し窒素分や硫黄分を除去しておくことが好ましい。次いで、水素化精製したサイクル油を接触改質処理し、得られた改質油を蒸留して、硫黄分と窒素分が少なく、アルキルナフタレンを多量に含有した留分(すなわち、第1の水素受容組成物)を得ることができる。
【0021】
また、サイクル油を窒素分や硫黄分を除去するためにシビアな水素化精製条件で処理すると、アルキルナフタレンの核水添が起こる。一方、本発明における後述の水素供給組成物を調製するのは、アルキルナフタレン(及びアルキルテトラリン)やアルキルベンゼンに水素を添加して、アルキルテトラリンやアルキルデカリン、アルキルシクロヘキサンに核水添するのであるから、オレフィンやパラフィンの環化反応によってアルキルナフタレンの含有量を増加する必要が特になければ、水素化精製したサイクル油を接触改質することなく、第1の水素受容組成物として用いることもできる。
なお、特にここで断らないが、水素化精製、接触改質等の石油精製工程において、目的成分の含有量を高めるため、あるいは不純物を除去するために、必要により適宜の段階で蒸留その他の周知の方法で濃縮、分離することは任意である。
【0022】
本発明において、前記第1の水素受容組成物は、次いで、水素が化学的に結合した化合物を含有する水素供給組成物に転換するために水素化装置にて処理される。水素化装置において、第1の水素受容組成物に含まれるアルキルナフタレンは、水素雰囲気下に水素化反応触媒により、水素化されてアルキルテトラリン、アルキルデカリンに転換される。すなわち、炭素数11〜16のアルキルナフタレンとして例示した上述の化合物は水素化されてメチルデカリン、エチルデカリン、プロピルデカリン、イソプロピルデカリン、ジメチルデカリン、ジエチルデカリン、ジプロピルデカリン、ジイソプロピルデカリン、メチルエチルデカリン、メチルプロピルデカリン、メチルイソプロピルデカリン、エチルプロピルデカリン、エチルイソプロピルデカリン、プロピルイソプロピルデカリンなどアルキルナフタレン類の完全水素化体や、メチルテトラリン、エチルテトラリン、プロピルテトラリン、イソプロピルテトラリンなどの部分水素化体に転換される。同様に第1の水素受容組成物に含まれるアルキルベンゼンは、水素雰囲気下に水素化反応触媒により、水素化されてアルキルシクロヘキサンに変換される。すなわち、炭素数9−13のアルキルベンゼンとして例示した上述の化合物は水素化されてエチルメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、テトラメチルシクロヘキサン、イソプロピルメチルシクロヘキサン、アミルシクロヘキサン、4−tert−ブチルシクロヘキサン、(2,2−ジメチルプロピル)シクロヘキサン、ペンタメチルシクロヘキサン、tert−ブチルジメチルシクロヘキサン、ジイソプロピルシクロヘキサン、ヘキサメチルシクロヘキサン、トリエチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルヘキサン、1−シクロヘキシルペンタンなどのアルキルベンゼン類に転換される。水素供給組成物としては、その流動点が−30℃以下であることが好ましく、必要ならば水素化反応生成物を蒸留してこれを満足する留分を選択すればよい。
【0023】
この水素化に用いる水素は、石油精製の工程で使用される安価な水素を利用することができる。例えば、接触改質プロセスで発生する水素、ブタン、ナフサなどの軽質炭化水素の水蒸気改質や炭化水素の部分酸化により得られる水素、その他の水素化プロセスで使用する水素あるいはリサイクル水素の一部を利用することができる。水素源によって水素純度にバラツキがあるが、このような場合には、深冷分離、膜分離やPSA(Pressure Swing Adsorption)などの周知の方法を用い高純度の水素に精製すればよい。
【0024】
水素化反応は、芳香族環の核水添を行う周知の方法、例えば、特開2001‐198469号公報に記載される方法を用いて行うことができる。すなわち、後述の触媒の存在下に、反応温度50〜500℃、好ましくは80〜350℃、水素分圧0.1〜50気圧、好ましくは0.1〜10気圧、より好ましくは0.5〜5気圧の条件下に行えばよい。
【0025】
水素化装置で水素化反応に用いる触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、銅によって構成される群から選定された少なくとも1以上の金属を、活性炭、ゼオライト、チタニア、カーボンナノチューブ、モレキュラーシーブ、ジルコニア、メソ細孔シリカ多孔質材料、アルミナ、及びシリカによって構成される群から選定された少なくとも1以上でなる担体に担持した金属担持触媒が用いられる。金属担体触媒における金属担持率は好ましくは0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0026】
以上のようにして、水素化装置において水素を化学的に結合できる化合物を含有する第1の水素受容組成物は水素が添加され、水素が化学的に結合した化合物を含有する水素供給組成物が得られる。第1の水素受容組成物に含まれるアルキルナフタレン及びアルキルテトラリンは、前者は水素化されアルキルテトラリンに、さらに水素化されてアルキルデカリンに変換され、また、後者はアルキルデカリンに変換される。同様に第1の水素受容組成物に含まれるアルキルベンゼンは水素化されアルキルシクロヘキサンに変換される。すなわち、水素が化学的に結合した化合物を含有する水素供給組成物を得ることができる。なお、水素化装置においてアルキルテトラリンの生成を避けることはできないが、燃料電池等の水素を燃料とする装置への水素の供給を輸送効率よく行うためには、できるだけ多くの水素を分子内に含むアルキルデカリンへの転換率を高くすることが望ましい。
【0027】
水素供給組成物中のアルキルデカリン、アルキルテトラリン、及びアルキルシクロヘキサンの含有量は、燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素をより多く、効率的に運搬する上で、50重量%以上、特には70重量%以上が好ましい。前記含有量を確保するためには、アルキルナフタレン、アルキルテトラリン、及びアルキルベンゼンを多く含有する第1の水素受容組成物を供給することが好ましい。また、水素化生成物の蒸留をより精密にコントロールすることによって、アルキルデカリン、アルキルテトラリン、アルキルベンゼンをより多く含有する水素供給組成物を得ることもできる。
【0028】
水素化装置で調製された水素供給組成物は、第1の輸送手段によって水素発生装置に送られ、そこで水素化装置とは逆の反応(脱水素反応)により燃料電池等の水素を燃料とする装置用の水素と、水素が分離した化合物を含有する第2の水素受容組成物とに分離される。水素供給組成物の脱水素反応は、水素化装置の場合と同様に周知の方法、例えば、特開2001‐198469号公報に記載される方法を用いて行うことができる。例えば、脱水素反応触媒の存在下に、反応温度50〜500℃、好ましくは80〜350℃、水素分圧0.1〜50気圧、好ましくは0.1〜10気圧、より好ましくは0.5〜5気圧の条件で脱水素反応を行い、燃料電池等の水素を燃料とする装置の燃料としての水素と、第2の水素受容組成物を得ることができる。
【0029】
脱水素反応触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、レニウム、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン、銅によって構成される群から選定された少なくとも1以上の金属を、活性炭、ゼオライト、チタニア、カーボンナノチューブ、モレキュラーシーブ、ジルコニア、メソ細孔シリカ多孔質材料、アルミナ、及びシリカによって構成される群から選定された少なくとも1以上でなる担体に担持した金属担持触媒を用いることができる。金属担体触媒における金属担持率は好ましくは0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。
【0030】
水素供給組成物中の水素が化学的に結合した化合物、すなわち、アルキルデカリンは水素が分離されてアルキルテトラリンに、さらにはアルキルナフタレンに転換し、アルキルテトラリンはアルキルナフタレンに転換する。このとき、水素を多量に効率よく運搬するためには、アルキルナフタレンへの転換率が高いほど望ましい。同様に水素供給組成物中の水素が化学的に結合した化合物、アルキルシクロヘキサンは水素が分離されてアルキルベンゼンに転換し、転換率が高いほど望ましい。結局、水素と、水素が分離した化合物(アルキルナフタレン、アルキルテトラリン、及びアルキルベンゼン)を含有する第2の水素受容組成物とに分離し、水素は通常水素発生装置に隣接してあるいは一体的に設けられた燃料電池等の水素を燃料とする装置に送られ、一方、第2の水素受容組成物は第2の輸送手段によって、上記の水素化装置もしくは石油精製装置に送られる。
【0031】
第2の水素受容組成物は、水素供給組成物に含有される化合物から水素が取り除かれた形の化合物を含有する組成物であるので、基本的には第1の水素受容組成物と同じものとなる。したがって、水素化装置において第1の水素受容組成物と全く同様に処理することにより水素供給組成物に転換される。第2の水素受容組成物は、水素化装置に第1の水素受容組成物と混合して処理することもできるし、単独で処理することもできる。第1の水素受容組成物がある程度確保されれば、第2の水素受容組成物に水素を添加結合して水素供給組成物を得、これから脱水素して第2の水素受容組成物を得、これに水素を再び添加結合する。この繰り返しの間に脱水素反応で分離された水素は燃料電池等の水素を燃料とする装置に供給されるとともに、水素を運搬する基本的な媒体は、繰り返して使用されるので、資源を有効に活用することができる。
また、水素発生装置での水素供給組成物の使用条件によって、水素供給組成物から水素が取り除かれる際にアルキル基の脱離や開環反応が起きた場合には、生じた第2の水素受容組成物を石油精製装置に戻して再び求める組成の第1の水素受容組成物を製造することができる。また、第1の水素受容組成物にならないものは全て通常の石油製品になって活用される。
【0032】
水素供給組成物を輸送する第1の輸送手段及び第2の水素受容組成物を輸送する第2の輸送手段は、水素供給組成物及び第2の水素受容組成物がともに−30℃以下の低い流動点を有するものが好ましい。特に好ましいアルキルナフタレン、アルキルテトラリン、アルキルデカリン、アルキルベンゼン、アルキルシクロヘキサンなどは灯・軽油などに含まれる留分であるので、従来の石油製品や石油化学製品を運搬するタンクローリー、貨車などの輸送手段を特別な処置を施すことなく利用できるメリットがある。
このとき、水素供給組成物と第2の水素受容組成物は多少混合されても、水素化装置や水素発生装置に致命的な害をもたらすものでないので、第1、第2の輸送手段は、1つの輸送機器で行うことができる。つまり、水素供給組成物を運搬したタンクローリーから水素供給組成物を水素発生装置の原料油保管容器に移し、そこで空になったタンクローリーに水素発生装置から分離された第2の水素受容組成物を積み込んで水素化装置に戻ることできるので、タンクローリーをフルに活用することができる。
【0033】
本発明の水素貯蔵・供給システムにおいて、水素化装置は、通常、第1の水素受容組成物を作る製油所内又はその近傍に設けることが好ましい。こうすることにより、水素化装置で消費する水素を、製油所の安価な水素で、安定的にまかなうことができ、水素化装置の操業に必要なユーティリティなども容易に安定的にかつ安全に確保することができるメリットがある。また、製油所を使用できる利点として、水素化反応、脱水素化反応を繰り返し行った後に回収された第2の水素受容組成物を、その劣化の度合いにより適宜の石油精製工程に戻して石油製品として再生利用したり、排ガス対策の整った製油所の加熱炉で燃料として使用することもできる。
【0034】
本発明のシステムに用いることができる水素を燃料とする装置の代表的なものには燃料電池があり、既に商用化段階にあるリン酸形燃料電池、現在試験研究ないし実証段階にある溶融炭酸塩形、固体電解質形、及び固体高分子形の燃料電池などが挙げられる。また、分散型発電所の発電機、事務所ビル、ホテル、病院などに業務用や家庭用のコージェネレーションタイプの発電機、電気自動車の動力源、通信機器の直流電源などの用途に使用することができ、これらの燃料電池のために設けられた水素発生装置にタンクローリー、その他の輸送手段で水素供給組成物を運搬して水素を発生させて燃料電池に供給することができる。燃料電池自動車に本発明のシステムを用いる場合、水素供給組成物をタンクローリーで水素スタンドに運搬し、そこで水素発生装置により水素を発生させて燃料電池自動車に水素を供給したり、あるいは従来のガソリンスタンドに運搬し、燃料電池車にそのまま供給し車上の水素発生装置で水素を発生させることができる。
また、水素自動車に本発明のシステムを用いる場合も上述の燃料電池の場合と同様、水素スタンドで発生させた水素あるいは車上の水素発生装置で発生させた水素を車上の水素エンジンに供給することができる。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1
原油を常圧蒸留して得られた灯油留分を水素化脱硫して脱硫灯油を得た。この脱硫灯油からゼオライトを用いて、ノルマルパラフィンを90重量%回収し、その残部としてラフィネートを得た。該ラフィネートを、白金を0.2重量%担持したアルミナ担体の市販接触改質触媒を用い、温度490℃、圧力10kg/cmG、LHSV0.8hr−1、及び水素/油モル比3の条件下で改質処理した。得られたラフィネート改質油を蒸留し、235〜265℃の留分を採取した。この結果、アルキルナフタレンを多量(65%以上)に含有した油を得、これを本発明の第1の水素受容組成物とした。以下、図1に示すように、水素化装置にかけて水素供給組成物を得、次いで得られた水素供給組成物を水素発生装置にかけて水素と第2の水素受容組成物に分離した。
【0037】
実施例2
原油を常圧蒸留して得た重質軽油留分と、常圧残渣を減圧蒸留して得た減圧軽油との混合油を間接脱硫装置にかけて、間接脱硫軽油を得、該間接脱硫軽油を流動接触分解装置にかけた。サイクル油の一部を抜き出して水素化精製し、窒素分及び硫黄分を除去した。水素化精製したサイクル油を実施例1と同様の条件下で接触改質処理した。得られた改質油を蒸留し、235〜265℃の留分を採取した。この結果、アルキルナフタレンを多量に含有した油を得、これを本発明の第1の水素受容組成物とした。以下、図1に示すように、水素化装置にかけて水素供給組成物を得た。次いで水素発生装置にかけて水素と第2の水素受容組成物に分離した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、水素受容組成物として石油精製の産物を用い、それを水素化装置で水素化して水素を貯蔵し、水素化生成物である水素供給組成物を脱水素して燃料電池等の水素を燃料とする装置に水素を供給し、水素分離後の水素受容組成物を再び水素化装置に戻して水素化することができるのであるから、水素化装置では製油所の安価な水素を有効に活用でき、水素供給組成物や水素分離後の水素受容組成物の運搬も従来の石油製品の運搬手段を利用できるなどのメリットを有し、安定、安全かつ効率的で安価な実用性に優れた水素貯蔵・供給システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素貯蔵・供給システムの構成、及び処理工程の概略フローを示す。

Claims (7)

  1. 炭化水素化合物の水素の化学的結合及び分離を利用して水素を貯蔵・供給するシステムにおいて、
    (1)原油を精製して得られた、水素を化学的に結合できる化合物を含有する第1の水素受容組成物及び/又は次の(2)項に記載の第2の水素受容組成物に、水素を添加して水素が化学的に結合した化合物を含有する水素供給組成物に調製する水素化装置、
    (2)前記水素供給組成物を脱水素して、水素が分離した化合物を含有する第2の水素受容組成物と、水素を燃料とする装置に供給する水素とに分離して水素を発生する水素発生装置、
    (3)水素供給組成物を水素化装置から水素発生装置に輸送する第1の輸送手段、及び
    (4)第2の水素受容組成物を水素発生装置から水素化装置もしくは石油精製装置に輸送する第2の輸送手段
    を備えたことを特徴とする水素貯蔵・供給システム。
  2. 第1の水素受容組成物及び/又は第2の水素受容組成物に添加する水素が、接触改質プロセスで発生した水素、軽質炭化水素の水蒸気改質により得られた水素、炭化水素の部分酸化により得られた水素、低純度水素を深冷分離、膜分離又はPSA(Pressure Swing Adsorption)で処理して得られた高純度水素、又はそれらの水素の混合物である請求項1に記載の水素貯蔵・供給システム。
  3. 第1の水素受容組成物、第2の水素受容組成物及び水素供給組成物は、それぞれ−30℃以下の流動点を有する請求項1又は2に記載の水素貯蔵・供給システム。
  4. 水素が化学的に結合した化合物が、炭素数11〜16のアルキルデカリン、炭素数11−16のアルキルテトラリン及び炭素数9−13のアルキルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも2つ以上の化合物の混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の水素貯蔵・供給システム。
  5. 水素を化学的に結合できる化合物又は水素が分離した化合物が、炭素数11〜16のアルキルナフタレン、炭素数11−16のアルキルテトラリン及び炭素数9−13のアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも2つ以上の化合物の混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の水素貯蔵・供給システム。
  6. 第1の水素受容組成物は、アルキルナフタレン、アルキルテトラリン、及びアルキルベンゼンの含有量が50重量%以上、かつ硫黄含有量が0.1ppm以下、窒素含有量が1ppm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の水素貯蔵・供給システム。
  7. 水素供給組成物は、アルキルデカリン、アルキルテトラリン、及びアルキルシクロヘキサンの含有量が50重量%以上、かつ硫黄含有量が0.1ppm以下、窒素含有量が1ppm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の水素貯蔵・供給システム。
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